JP2016011706A - 長尺体カバー及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持部材上で順次連結する場合に、低コスト化を図りつつ作業性も十分に向上させることが可能な長尺体カバーを実現する。
【解決手段】構造体に設置される支持部材に固定されて内部に長尺体を収容する長尺体カバーは、一対の側壁部材11を含むカバー本体部10を備える。一対の側壁部材11のそれぞれは、支持部材に載置される状態で内向きに延出する延出板部12を含む。長尺体カバーは、一対の側壁部材11のそれぞれにおける延出板部12の両端部Eに、締結部材挿通部21と切欠部25とが分かれて形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、構造体に設置される支持部材に固定されて内部に長尺体を収容する長尺体カバー、及びその長尺体カバーを支持部材上で順次連結する施工方法に関する。
例えば空調設備用の配管や電気ケーブル等の長尺体を建築物の屋上や外壁に配設する場合に、内部に長尺体を収容する長尺体カバーが用いられる場合がある。このような長尺体カバーを用いることで、その施工後において、良好な外観を提供するとともに紫外線や雨水等から長尺体を保護することができる。
長尺体カバーを敷設するに当たっては、建築物に設置される支持部材に長尺体カバーを固定する場合がある。この場合において、例えば特開平11−304081号公報(特許文献1)に開示されるように、長尺体の配設経路に沿って互いに隣接する2つの長尺体カバー〔配管カバー32〕どうしを、共通の支持部材〔脚体31〕を用いて当該支持部材上で連結する場合がある。特許文献1の連結構造において、隣接する2つの長尺体カバーは、互いに突き合わされた状態で複数の構成部材からなる継手〔継手装置37=裏当て部材40+側壁固定部材42+内側ジョイント板43+外側ジョイント板44〕によって連結されている。しかし、このような連結構造では、強度的には非常に優れたものとなる一方で、部品点数が非常に多くコストや作業性の点で劣るという欠点があった。
そこで、本発明者らは、2つの長尺体カバーの端部どうしを重複させて当該重複部分においてボルト等の締結部材を用いて支持部材に固定することにより、特許文献1のような継手を用いることなく2つの長尺体カバーを連結することを検討した。例えば、1つ目の長尺体カバーの連結対象端部を非固定状態で支持部材上に載置した状態で、これに2つ目の長尺体カバーの連結対象端部を重ね合わせ、位置調整を行った後に締結部材を用いて両長尺体カバーを支持部材に共締めして固定するという施工方法である。このような方法は、主に低コスト化や作業性向上を図ることを狙いとするものではあるが、必要な強度も十分に確保可能であることが確認できた。
一方で、そのような簡素化した施工方法を採用することによる新たな課題も明らかになった。すなわち、1つ目の長尺体カバーの連結対象端部を支持部材上に載置しただけの状態では、その連結対象端部が未だ固定されていないため、作業中に何らかの外力が作用した場合に支持部材から脱落する可能性がある。このような事態が生じた場合には、1つ目の長尺体カバーの連結対象端部を再度支持部材上に載置しなければならなくなるため、必ずしも作業性が十分に向上するとは言い切れなかった。
特開平11−304081号公報
そこで、支持部材上で順次連結する場合に、低コスト化を図りつつ作業性も十分に向上させることが可能な長尺体カバーの実現が望まれる。また、低コスト化を図りつつ連結作業の作業性も十分に向上させることが可能な長尺体カバーの施工方法の実現が望まれる。
本発明に係る長尺体カバーは、
構造体に設置される支持部材に固定されて内部に長尺体を収容する長尺体カバーであって、
長尺体配設経路に沿って延びて互いに対面する状態に連結された一対の側壁部材を含むカバー本体部を備え、
前記一対の側壁部材のそれぞれは、前記長尺体配設経路に沿う少なくとも両端部において前記支持部材に載置される状態で内向きに延出する延出板部を含み、
前記一対の側壁部材のそれぞれにおける前記延出板部かつ前記長尺体配設経路に沿う両端部に、締結部材が挿通される締結部材挿通部と前記延出板部の端縁に開口する切欠部とが分かれて形成されている。
この構成によれば、締結部材挿通部に締結部材を挿通させることで、カバー本体部と締結部材との相対的な可動範囲を締結部材挿通部の内縁と締結部材との隙間分に制限することができる。このため、カバー本体部の締結部材挿通部に締結部材を挿通させつつ当該締結部材を支持部材に位置拘束することで、支持部材に対するカバー本体部の可動範囲が制限され、外力の作用の有無によらずに支持部材からのカバー本体部の脱落を防止することができる。
一方、切欠部は側壁部材における延出板部の端縁に開口するため、当該開口部を通るスライド移動によって締結部材が切欠部に収まることが許容される。このため、先のカバー本体部の締結部材挿通部に挿通された状態で支持部材に位置拘束された締結部材に対して別のカバー本体部に形成された切欠部をスライド移動させることにより、切欠部に対する締結部材の収納状態を実現することができる。つまり、支持部材からのカバー本体部の脱落を防止するための締結部材を一旦取り外すことなく、その締結部材を用いて、2つのカバー本体部の互いに重複する端部どうしを支持部材に固定することができる。
このように、連結構造自体が簡素であることに加え、作業中における支持部材からのカバー本体部の脱落が防止されるので、長尺体カバーを支持部材上で順次連結する場合における作業性を十分に向上させることができる。複数の構成部材からなる継手が不要なので、低コスト化を図ることもできる。
以下、本発明に係る長尺体カバーの好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記一対の側壁部材のうちの一方における前記切欠部と他方における前記切欠部とが、前記カバー本体部における対角位置に位置するように配置されていると好適である。
この構成によれば、一対の側壁部材の延出板部の両端部に形成される2つの切欠部及び2つの締結部材挿通部の関係について見ればカバー本体部が2回対称となるので、施工現場においてカバー本体部の搬入向きによらずに連結作業を行うことができる。よって、カバー本体部の向きを反転させる必要が全くなく、カバー本体部が回転対称性を有さない構成に比べて作業性をさらに向上させることができる。
1つの態様として、前記切欠部が、前記長尺体配設経路に略直交する状態で前記延出板部の内側端縁に開口する略U字状に形成されていると好適である。
この構成によれば、延出板部が、略U字状の切欠部の互いに対向する内縁よりも長尺体配設経路の両側に位置する部分を有するので、長尺体配設経路に概ね沿う方向におけるカバー本体部の位置ずれを抑制することができる。よって、2つのカバー本体部の重複部分にそれぞれ形成される締結部材用の挿通部の一方が延出板部の端縁に開口する切欠部である場合でも、連結後における抜け止めを図ることができる。
本発明に係る長尺体カバーの施工方法は、
内部に長尺体を収容する長尺体カバーを構造体に設置される支持部材上で順次連結する長尺体カバーの施工方法であって、
第1の長尺体カバー及び第2の長尺体カバーとして、上述したいずれかの構成の長尺体カバーを準備する工程と、
前記第1の長尺体カバーにおける前記長尺体配設経路に沿う延設方向側端部に位置している1つの前記締結部材挿通部に第1の締結部材を挿通させて、未締結状態の前記第1の締結部材で前記第1の長尺体カバーを前記支持部材に仮止めする工程と、
前記第2の長尺体カバーにおける前記長尺体配設経路に沿う既設方向側端部に位置している1つの前記切欠部に前記未締結状態の前記第1の締結部材が収まるように、前記第2の長尺体カバーをスライド移動させて設置する工程と、
前記第1の締結部材を完全締結させるとともに、前記第2の長尺体カバーにおける前記既設方向側端部に位置している前記締結部材挿通部又は他の1つの前記切欠部に第2の締結部材を挿通させて完全締結させ、前記第1の長尺体カバーを前記支持部材に本止めする工程と、
を含む。
この構成によれば、上述した各構成の長尺体カバーを用いて、低コスト化を図りつつ連結作業の作業性も十分に向上させることができる。つまり、締結部材挿通部に挿通される第1の締結部材を用いて第1の長尺体カバーを支持部材に仮止めすることで、外力の作用の有無によらずに、施工中における支持部材からの第1の長尺体カバーの脱落を防止することができる。その際、第1の締結部材は未締結状態であるので、支持部材と第1の長尺体カバーの延出板部との間の隙間に第2の長尺体カバーの延出板部をスライド移動させて重複させることができ、さらに切欠部に第1の締結部材を収めて収納状態を実現することができる。その後、第2の長尺体カバーにおける既設方向側端部に位置している締結部材挿通部又は他の1つの切欠部に第2の締結部材を挿通させるとともに、2つの締結部材を完全締結させることで、2つの長尺体カバーを適切に連結しつつ支持部材に固定することができる。
このように、連結構造自体が簡素であることに加え、作業中における支持部材からのカバー本体部の脱落が防止されるので、長尺体カバーを支持部材上で順次連結する場合における作業性を十分に向上させることができる。複数の構成部材からなる継手が不要なので、低コスト化を図ることもできる。
第1の実施形態に係る化粧ダクトの分解斜視図 カバー本体部の下端側の平面図 カバー本体部どうしの連結部の断面図 カバー本体部どうしの連結部の下端側の平面図 カバー本体部どうしの連結部の平面図 仮止め工程〜スライド設置工程の様子を示す断面図 仮止め工程〜スライド設置工程の様子を示す斜視図 本止め工程の様子を示す斜視図 第2の実施形態に係るカバー本体部の下端側の平面図 本止め工程の様子を示す斜視図 切欠部の別態様を示す平面図 切欠部の別態様を示す平面図
〔第1の実施形態〕
本発明に係る長尺体カバー及びその施工方法の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る長尺体カバー1は、構造体9に設置される支持部材40に固定されて内部に長尺体8を収容するためのものである。長手方向に延びる長尺体8が配設される経路である長尺体配設経路Pに沿って複数の長尺体カバー1が並べて配置され、これら複数の長尺体カバー1によって長尺体ダクトが構成される。この長尺体ダクトは、意匠性の向上が図られた化粧ダクトであって良い。
本実施形態に係る長尺体カバー1は、以下の点によって特徴付けられる。すなわち、長尺体カバー1は、長尺体配設経路Pに沿って延びて互いに対面する状態に連結された一対の側壁部材11を含むカバー本体部10を備える。一対の側壁部材11のそれぞれは、長尺体配設経路Pに沿う少なくとも両端部Eにおいて支持部材40に載置される状態で内向きに延出する下側延出板部12を含む。さらに、一対の側壁部材11のそれぞれにおける下側延出板部12かつ長尺体配設経路Pに沿う両端部Eに、第一挿通孔21と切欠部25とが分かれて形成されている。
これにより、長尺体配設経路Pに沿って所定間隔で断続的に設置される複数の支持部材40上で長尺体カバー1を順次連結する場合に、低コスト化を図りつつ作業性も十分に向上させることが可能となっている。以下、本実施形態に係る長尺体カバー1及びその施工方法について、詳細に説明する。
なお、以下の説明では、便宜上、構造体9における支持部材40の設置面に直交する方向を基準として上下方向を定義するものとする。すなわち、前記設置面に直交する方向に沿う構造体9側を「下側」と表し、構造体9とは反対側(天蓋30側)を「上側」と表す。長尺体カバー1における「下側」は支持部材40によって支持される「被支持側」でもあり、「上側」は支持部材40によって支持されない「非支持側」でもある。また、長尺体配設経路Pに沿う方向を「ダクト長手方向」と表す場合があり、それに直交する方向を「ダクト幅方向」と表す場合がある。また、以下の説明で参照する図面においては、図示の容易化や理解の容易化等の観点から、縮尺や上下左右の寸法比率等が実際の製品とは異なる場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る長尺体カバー1は、カバー本体部10と天蓋30とを備えている。構造体9に設置される支持部材40に上側からカバー本体部10が着脱可能に取り付けられ、そのカバー本体部10に上側から天蓋30が着脱可能に取り付けられる。ここで、構造体9は、建築物の構造体であり、例えば屋根、壁、柱、土台、及び床等(外に露出する屋根や外壁等が特に好ましい)が例示される。カバー本体部10と天蓋30とが互いに固定された状態で、それらの内部に、長尺体8を収容する空間(長尺体収容空間)が形成される。長尺体8は、例えば線状体、管状体、及び帯状体等の、一方向に延びる長尺状の構造を有するものである。このような長尺体8としては、具体的には、例えば空調装置用の冷媒配管、給排水用の配管、電気ケーブル等が例示される(断熱層や絶縁層等の機能層が一体化されていても良い)。
図1及び図2に示すように、カバー本体部10は、長尺体配設経路Pに沿って延びて互いに対面する状態に連結された一対の側壁部材(親桁)11を含む。カバー本体部10は、長尺体配設経路Pに沿う状態で互いに対面するように配置された第一側壁部材11A及び第二側壁部材11Bと、両側壁部材11A,11Bどうしを連結する連結部材(子桁)18とを含む。なお、以下の説明において、単に「側壁部材11」と言う場合には、第一側壁部材11Aと第二側壁部材11Bとを特に区別することなく、両者について包括的に言及しているものとする。
側壁部材11は、金属製の長尺状板状部材として構成され、長尺体配設経路Pに沿って配置されている。本実施形態では、側壁部材11は、長尺体配設経路Pに沿う両端部Eを含むダクト長手方向の全域に亘る板状部材として構成されている。側壁部材11は、長尺体配設経路Pに沿って見た場合に、その上端部及び下端部が互いに対向するように屈曲されて略C字状の形状を呈するように形成されている(図3を参照)。側壁部材11は、その上下方向の中央部において上下方向に沿って配置される中央板部14と、下端部において中央板部14に対して略直交する下側延出板部12と、上端部において中央板部14に対して略直交する上側延出板部16とを含む。本実施形態では、側壁部材11は、中央板部14と下側延出板部12との間に設けられてこれら両方に対して傾斜する下側傾斜板部13と、中央板部14と上側延出板部16との間に設けられてこれら両方に対して傾斜する上側傾斜板部15とをさらに含む。
図1に示すように、下側延出板部12は、支持部材40に載置されて当該支持部材40に固定される部位となる。上側延出板部16は、その上に天蓋30が載置されて当該天蓋30が固定される部位となる。なお、下側延出板部12に関して「支持部材40に載置される」とは、支持部材40上に直接的に載置される態様と、他の側壁部材11に帰属する下側延出板部12を介して間接的に支持部材40に載置される態様との両方を含む概念である(図3を参照)。
図3に示すように、第一側壁部材11Aの下側延出板部12及び上側延出板部16は、第二側壁部材11B側に向かって延出するように配置されている。第二側壁部材11Bの下側延出板部12及び上側延出板部16は、第一側壁部材11A側に向かって延出するように配置されている。すなわち、一対の側壁部材11のそれぞれは、相手方の側壁部材11側に向かうように内向き(ダクト幅方向の中心向き)に延出する下側延出板部12と上側延出板部16とを含む。本実施形態では、これらのうち、支持部材40に載置される状態で内向きに延出する下側延出板部12が、本発明における「延出板部」に相当する。
図1及び図2に示すように、下側延出板部12には、複数の円形状の貫通孔が長尺体配設経路Pに沿って所定間隔を隔てて形成されている。本例では、相対的に小径の貫通孔と相対的に大径の貫通孔とが長尺体配設経路Pに沿って交互に形成されている。これらは、下側延出板部12の上面に載置される金属製の底板(図示せず)等を固定するための締結部材を取り付けるために設けられている。また、下側延出板部12には、当該下側延出板部12を貫通する第一挿通孔21と、当該下側延出板部12の端縁に開口する切欠部25とが、ダクト長手方向の両端部Eに分かれて形成されている。すなわち、下側延出板部12は、長尺体配設経路Pに沿う両端部Eに分かれて形成された、第一挿通孔21と切欠部25とを有する。第一挿通孔21には、カバー本体部10を支持部材40に固定するための第一締結部材50を構成する第一ボルト51が挿通される。本実施形態では、第一締結部材50が本発明における「締結部材」に相当する。また、第一挿通孔21が本発明における「締結部材挿通部」に相当する。
図2に示すように、本実施形態では、第一挿通孔21は閉曲線からなる内縁21eを有するように形成されている。ここで、「閉曲線」とは閉じた曲線を意味し、この場合における「曲線」は直線を含む概念であるとする。すなわち、第一挿通孔21の内縁21eは少なくとも全体として閉じていれば良く、その具体的形状は、例えば円形状、楕円状、レーストラック状、及び矩形状等であって良い。本実施形態では、第一挿通孔21は円形状の挿通孔となっている。第一挿通孔21の内径は、下側延出板部12の内向きの延出長さ以下の範囲内で、第一ボルト51の軸部の外径よりも大きく設定されている。
本実施形態では、切欠部25は、下側延出板部12の端縁のうち、当該下側延出板部12の内側端縁12eにのみ開口するように形成されている。また、切欠部25は、長尺体配設経路Pに略直交する状態で下側延出板部12の内側端縁12eに開口する略U字状の内縁25eを有するように形成されている。本実施形態では、切欠部25は、互いに平行な状態で対向する一対の辺部とそれらを繋ぐ円弧部とからなるU字形(正U字形)の内縁25eを有するように形成されている。下側延出板部12の内側端縁12eにおける切欠部25の開口幅は、第一ボルト51の軸部の外径よりも大きく設定されている。また、切欠部25の開口幅は、第一ボルト51の頭部の外径よりも小さく設定されている。本実施形態では、第一挿通孔21の内径と切欠部25の開口幅とが実質的に等しく設定されている(図4を参照)。
図1及び図2に示すように、一対の側壁部材11は、それぞれの下側延出板部12の上面に固定された複数の金属製の連結部材18によって連結されている。ここで、それぞれの側壁部材11が下側延出板部12における第一挿通孔21の形成位置から切欠部25の形成位置に向かう方向性を有すると考えると、一対の側壁部材11A,11Bは、互いに逆平行となる位置関係で連結されている。すなわち、一対の側壁部材11のうちの一方である第一側壁部材11Aにおける切欠部25と、他方である第二側壁部材11Bにおける切欠部25とが、カバー本体部10における対角位置に位置するように配置されている。同様に、第一側壁部材11Aにおける第一挿通孔21と、第二側壁部材11Bにおける第一挿通孔21とが、カバー本体部10における対角位置に位置するように配置されている。これにより、一対の側壁部材11の下側延出板部12の両端部Eに形成される2つの切欠部25及び2つの第一挿通孔21の関係に関して、カバー本体部10は全体として回転対称(具体的には2回対称)となっている。
図4に示すように、長尺体配設経路Pに沿って互いに隣接するカバー本体部10は、それぞれのダクト長手方向の端部Eどうしを重ね合わせて連結される。その際、一方のカバー本体部10の連結対象側の端部Eに設けられた第一挿通孔21と、他方のカバー本体部10の連結対象側の端部Eに設けられた切欠部25とが、上下方向に見て重複するように配置される。また、これらの第一挿通孔21及び切欠部25と、支持部材40に形成された第五挿通孔45とが、上下方向に見て重複するように配置される。上下方向に見て互いに重複する第一挿通孔21、切欠部25、及び第五挿通孔45には、第一締結部材50を構成する第一ボルト51が挿通される。そして、第一ボルト51に第一ナット52を螺合させて共締めすることにより、隣接するカバー本体部10どうしが、互いに連結されつつ支持部材40に固定される。
図1に示すように、中央板部14におけるダクト長手方向の両端部Eには第二挿通孔22がそれぞれ形成されている。本実施形態では、それぞれの端部Eにおいて、複数の第二挿通孔22が上下方向に間隔を隔てて形成されている。本実施形態では、第二挿通孔22は、円形状の挿通孔となっている。第二挿通孔22には、長尺体配設経路Pに沿って隣接するカバー本体部10どうしを互いに連結するための第二締結部材60を構成する第二ボルト61が挿通される(図3を参照)。なお、隣接するカバー本体部10どうしは、それぞれの側壁部材11の相対向する端部Eに形成された対応する第二挿通孔22どうしの各組が正面視で重複する状態で、互いに螺合する第二ボルト61と第二ナット62とによって共締めされて連結される。
図1に示すように、上側延出板部16には、複数の第三挿通孔23がダクト長手方向に沿って所定間隔を隔てて形成されている。本実施形態では、第三挿通孔23は、円形状の挿通孔となっている。第三挿通孔23には、カバー本体部10に天蓋30を固定するための第三締結部材70を構成するビス71が挿通(締結)される。
また、上側延出板部16におけるダクト長手方向の両端部Eを避けた所定位置には、複数の係止孔24が形成されている。本実施形態では、係止孔24は、スリット状の貫通孔となっている。係止孔24には、補強部材19の両端に設けられた係止片19aが着脱可能に係止される。なお、補強部材19は、上下方向におけるカバー本体部10と天蓋30との間で一対の側壁部材11A,11Bに亘って設けられ、カバー本体部10の上部開口を横断する状態で天蓋30の下面を受止め支持するための金属製の部材である。
また、上側延出板部16におけるダクト長手方向の両端部Eには、長尺体配設経路Pに沿って隣接するカバー本体部10どうしが連結操作されたときに係合して両カバー本体部10の相対離脱移動を規制する離脱規制部Rが設けられている。図5に示すように、離脱規制部Rは、隣接するカバー本体部10のそれぞれの上側延出板部16に形成された切欠状の係合凹部27と板片状の係合片28とを含む。それぞれのカバー本体部10の係合凹部27の位置に相手方のカバー本体部10の係合片28が収まった状態で、係合凹部27の凹状の奥側端縁27eと係合片28とが係合することで、両カバー本体部10のダクト長手方向に沿う相対離脱移動が規制される。本実施形態では、係合凹部27の奥側端縁27eのダクト長手方向に沿った寸法(切り欠き幅)は、係合片28のダクト長手方向に沿った寸法(板片幅)よりも大きく設定されている。互いに係合された両カバー本体部10は、係合凹部27と係合片28との寸法差によってダクト長手方向に沿う相対移動が一定範囲内で許容されつつ、相対離脱移動が規制されている。
なお、隣接するカバー本体部10の端部Eどうしを重複させる際、一方のカバー本体部10の一対の側壁部材11A,11Bは、他方のカバー本体部10の一対の側壁部材11A,11Bに対して、ダクト幅方向の同じ側に配置される(図3を参照)。また、その際、一方のカバー本体部10の一対の側壁部材11A,11Bは、他方のカバー本体部10の一対の側壁部材11A,11Bに対して、上下方向の反対側に配置される。すなわち、一方のカバー本体部10の第一側壁部材11Aが他方のカバー本体部10の第一側壁部材11Aに対して外側かつ下側に配置される場合、一方のカバー本体部10の第二側壁部材11Bは他方のカバー本体部10の第二側壁部材11Bに対して内側かつ上側に配置される。対応する係合凹部27の位置に係合片28を収める際には、いずれか1つ以上の側壁部材11を弾性変形(撓み変形)させて嵌合接続すれば良い。
図1に示すように、天蓋30は、カバー本体部10の上部開口を覆うように一対の側壁部材11のそれぞれの上側延出板部16に着脱可能に固定される。天蓋30は、金属製であり、補強部材19に支持された状態でカバー本体部10の上部開口を全面的に覆う蓋本体部31と、この蓋本体部31に対してダクト幅方向の両側に設けられる取付縁部32とを含む。取付縁部32には、複数(本例では第三挿通孔23と同数)の第四挿通孔34がダクト長手方向に沿って所定間隔を隔てて形成されている。複数の第四挿通孔34と複数の第三挿通孔23とは、互いに対応する位置関係となるように配置されている。本実施形態では、第四挿通孔34は、円形状の挿通孔となっている。第四挿通孔34には、第三締結部材70を構成するビス71が挿通され、この第三締結部材70によってカバー本体部10に天蓋30が固定される。
図1に示すように、構造体9に設置されて長尺体カバー1を設置するための架台となる支持部材40は、長尺体配設経路Pに沿って所定間隔で配置されている。この場合における“所定間隔”は、本実施形態では長尺体カバー1のダクト長手方向の長さに略等しく設定されている。また、支持部材40は、長尺体配設経路Pに沿って互いに隣接する長尺体カバー1どうしの繋ぎ目部分に配置されている。このように、本実施形態では、互いに隣接する長尺体カバー1どうしの繋ぎ目部分毎にのみ支持部材40が設置されている。但し、このような構成に限定されることなく、各長尺体カバー1の中間部にも支持部材40が設けられても良い。
支持部材40は、ダクト長手方向に見て下向きに開口する扁平な略U字状に形成されている。支持部材40は、金属製の帯板状部材で構成されている。支持部材40は、ダクト幅方向に沿って配置される支持本体部41と、この支持本体部41の両端部から下側(構造体9側)に向かってそれぞれ延びる一対の脚部42とを含む。支持本体部41の上面は、長尺体カバー1が載置される載置面41aとなっている。支持本体部41におけるダクト幅方向の両端部付近には、2つの第五挿通孔45が対称的配置で対をなすように形成されている。本実施形態では、第五挿通孔45は、円形状の挿通孔となっている。第五挿通孔45の内径は、第一締結部材50を構成する第一ボルト51の軸部の外径よりも大きく設定されている。第五挿通孔45の内径は、第一ナット52の外径よりも小さく設定されている。
一対の第五挿通孔45どうしの間の離間長さは、一対の側壁部材11のそれぞれの下側延出板部12の離間長さと実質的に等しく設定されている。第五挿通孔45は、支持部材40上の適正位置にカバー本体部10が載置された状態で、上下方向に見て第一挿通孔21及び切欠部25と重なる位置に設けられている(図3を参照)。これにより、第一ボルト51が第一挿通孔21、切欠部25、及び第五挿通孔45の全てに挿通されることが可能となっている。そして、第一締結部材50を用いた共締めによって支持部材40にカバー本体部10が固定される。
以下、図6〜図8を参照して、内部に長尺体8を収容する長尺体カバー1を構造体9に設置される支持部材40上で順次連結する長尺体カバー1の施工方法(以下、「長尺体カバー施工方法」と言う。)について、順を追って説明する。本実施形態に係る長尺体カバー施工方法は、準備工程、仮止め工程、スライド設置工程、及び本止め工程を含む。準備工程は、仮止め工程よりも前に開始され、少なくともスライド設置工程よりも前に終了される。仮止め工程、スライド設置工程、及び本止め工程は、記載の順に実行される。なお、以下の説明は、複数の長尺体カバー1が順次連結されて既に所定位置まで敷設されている状態から、さらに延設する状況を想定している。そして、長尺体カバー1が既に敷設されている側を「既設方向側」と言い、長尺体カバー1が新たに延設される側を「延設方向側」と言う。
準備工程は、第1の長尺体カバー1(第1のカバー本体部10)及び第2の長尺体カバー1(第2のカバー本体部10)として、上述した長尺体カバー1(カバー本体部10)を準備する工程である。本想定例のように複数の長尺体カバー1(カバー本体部10)が既に所定位置まで敷設されている場合には、直近に敷設されたカバー本体部10を第1のカバー本体部10(以下、区別の容易化のために「10A」と表示する。)とみなすものとする。なお、この準備工程の段階では、第1のカバー本体部10Aの延設方向側端部Etは、載置面41a上には載置されているものの、支持部材40には未だ固定されていない状態にある。第2のカバー本体部10(以下、区別の容易化のために「10B」と表示する。)としては、フリーの状態の新たなカバー本体部10を準備する。
このとき、仮に、例えば一対の側壁部材11A,11Bが互いに順平行となる位置関係で連結されてカバー本体部10が全体としての回転対称性を有さない場合には、搬入向きを誤った場合には第2のカバー本体部10B(新たなカバー本体部10)の向きを反転させる必要がある。これに対して本実施形態では、一対の側壁部材11の下側延出板部12の両端部Eに形成される2つの切欠部25及び2つの第一挿通孔21の関係に関して、カバー本体部10は全体として回転対称(具体的には2回対称)となっている。このため、施工現場においてカバー本体部10の搬入向きによらずに連結作業を行うことができ、作業性を向上させることができる。また、施工現場において新たなカバー本体部10を搬入する際に、その搬入向きに注意を払う必要がないこと自体も大きな利点である。このような利点を有することは、施工現場が狭い場合やカバー本体部10が比較的大型で大重量である場合に、特に有利となる。
仮止め工程は、第1の長尺体カバー1における長尺体配設経路Pに沿う延設方向側端部Etに位置している1つの第一挿通孔21に第1の第一締結部材50を挿通させて、未締結状態の第1の第一締結部材50で第1の長尺体カバー1を支持部材40に仮止めする工程である。本実施形態では、準備工程後の状態において、第1のカバー本体部10Aの一対の側壁部材11の下側延出板部12の延設方向側端部Etには、第一挿通孔21と切欠部25とが1つずつ存在する(図1を参照)。これらのうちの第一挿通孔21に、第1の第一締結部材50(以下、区別の容易化のために「50A」と表示する。)を構成する第一ボルト51の軸部を上下方向から挿通させる。その際、上下方向に見て第一挿通孔21と支持部材40(支持本体部41)の第五挿通孔45とが重複するように位置調整して、第一ボルト51を第五挿通孔45にも挿通させる。
この仮止め工程の段階では、第一挿通孔21及び第五挿通孔45に挿通された第一ボルト51には、第一ナット52が螺合されても良いし、螺合されなくても良い。但し、第一ナット52が第一ボルト51に螺合される場合には、両者が下側延出板部12及び支持本体部41を挟んで隙間なく締結された状態(完全締結状態)とはならないように、不完全に締結される。この場合、第一ボルト51の頭部と第一ナット52との間の隙間が、2枚の下側延出板部12と支持本体部41との合計厚さ以上となるように、第一ナット52の螺合代を調整することが好ましい。例えば図6に示すように、第一ボルト51の先端部に、脱落しない程度の螺合代で第一ナット52を螺合させると良い。本実施形態では、第一挿通孔21及び第五挿通孔45に挿通された第一ボルト51に第一ナット52が不完全に螺合された状態と、第一ナット52が全く螺合されていない状態とを含めて、「未締結状態」と言う。
ここで、第一挿通孔21は閉曲線からなる内縁21eを有している。このため、その第一挿通孔21に挿通された第一ボルト51の、カバー本体部10に対する相対的な可動範囲は、第一挿通孔21の内縁21eと第一ボルト51の軸部の外縁との隙間分に制限される。一方、第一ボルト51は第五挿通孔45にも挿通されており、支持部材40に対する相対的な可動範囲も同様に所定範囲内に制限される。その結果、支持部材40に対して位置拘束された第一ボルト51により、カバー本体部10をも位置拘束することができ、結果的に支持部材40に対するカバー本体部10の可動範囲を極めて狭い範囲内に制限することができる。よって、外力の作用の有無によらずに支持部材40からのカバー本体部10の脱落を防止することができる。
スライド設置工程は、第2の長尺体カバー1における長尺体配設経路Pに沿う既設方向側端部Esに位置している1つの切欠部25に未締結状態の第1の第一締結部材50Aが収まるように、第2の長尺体カバー1をスライド移動させて設置する工程である。仮止め工程の完了時には、第1の第一締結部材50Aは未締結状態にあるので、仮止めされた第1のカバー本体部10Aと支持部材40との間には、下側延出板部12の板厚分以上の隙間が存在している。また、切欠部25は側壁部材11における下側延出板部12の内側端縁12eに開口するため、当該開口部を通るスライド移動によって締結部材が切欠部25に収まることが許容される。
そこで、スライド設置工程では、図6及び図7に示すように、上記の隙間に第2のカバー本体部10Bの第一側壁部材11Aの下側延出板部12の既設方向側端部Esが入り込み、かつ、そこに形成された切欠部25に第一ボルト51の軸部が収まるように、第2のカバー本体部10Bをダクト幅方向に沿ってスライド移動させる。その際、第2のカバー本体部10Bの第二側壁部材11Bの下側延出板部12は、第1のカバー本体部10Aの第二側壁部材11Bの下側延出板部12の上に乗り上がるようにスライド移動する。
このスライド移動により、第一側壁部材11A側において、第1のカバー本体部10Aの延設方向側端部Etに設けられた第一挿通孔21と、第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esに設けられた切欠部25とが、上下方向に見て重複するように配置される(図4を参照)。また、第二側壁部材11B側において、第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esに設けられた第一挿通孔21と、第1のカバー本体部10Aの延設方向側端部Etに設けられた切欠部25とが、上下方向に見て重複するように配置される。第一挿通孔21及び切欠部25の各組は、上下方向に見てさらに第五挿通孔45ともそれぞれ重複するように配置される。
さらに、側壁部材11が弾性変形して、第1のカバー本体部10Aの延設方向側端部Etに設けられた係合凹部27に第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esに設けられた係合片28が係合する。これと同時に、第1のカバー本体部10Aの延設方向側端部Etに設けられた係合片28が第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esに設けられた係合凹部27に係合する。これらの対応する係合片28と係合凹部27との各組の係合により、第1のカバー本体部10Aと第2のカバー本体部10Bとの相対離脱移動が規制される。その結果、既に支持部材40に仮止めされた第1のカバー本体部10Aと離脱規制部Rとの協働により、第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esも、支持部材40に仮止めされる。
本止め工程は、第1の第一締結部材50Aを完全締結させるとともに、第2の長尺体カバー1における既設方向側端部Esに位置している第一挿通孔21に第2の第一締結部材50を挿通させて完全締結させ、第1の長尺体カバー1を支持部材40に本止めする工程である。本止め工程では、それまで未締結状態にあった第1の第一締結部材50Aの第一ナット52を(螺合されていなかった場合はその螺着後に)締め増して、完全締結状態とする。これにより、支持部材40からの第1のカバー本体部10Aの脱落を防止するための第1の第一締結部材50Aを一旦取り外すことなく、その第1の第一締結部材50Aを用いて、2つのカバー本体部10の互いに重複する端部Eどうしを支持部材40に固定することができる。
また、本止め工程では、図8に示すように、第二側壁部材11B側において上下方向に互いに重複した第一挿通孔21、切欠部25、及び第五挿通孔45に、第2の第一締結部材50(以下、区別の容易化のために「50B」と表示する。)を構成する第一ボルト51の軸部を上下方向から挿通させる。そして、その第一ボルト51に第一ナット52を螺着させて、完全締結状態とする。これにより、第1のカバー本体部10Aの全体が2つの支持部材40に本止めされるとともに、第2のカバー本体部10Bの既設方向側端部Esが、当該2つの支持部材40のうちの一方(延設方向側の支持部材40)に本止めされる。
なお、本実施形態では、長尺体配設経路Pに略直交する状態で下側延出板部12の内側端縁12eに開口するU字状の内縁25eを有するように切欠部25が形成されている。このため、下側延出板部12が、U字状の切欠部25の互いに対向する内縁よりもダクト長手方向の両側に位置する部分を有することになるので、長尺体配設経路Pに概ね沿う方向におけるカバー本体部10の位置ずれを抑制することができる。よって、下側延出板部12の端縁に開口する切欠部25を利用して2つのカバー本体部10を支持部材40に固定しつつ連結する場合でも、連結後における抜け止めを図ることができる。
本実施形態に係る長尺体カバー施工方法は、連結補強工程をさらに含む。連結補強工程は、長尺体配設経路Pに沿って互いに隣接するカバー本体部10どうしを、側壁部材11の中央板部14にて連結して補強する工程である。連結補強工程では、それぞれの側壁部材11の相対向する端部Eに形成された対応する第二挿通孔22どうしの各組が正面視で重複する状態で、第二締結部材60を構成する第二ボルト61の軸部が挿通される。そして、その第二ボルト61に第二ナット62が螺合され、共締めによって両カバー本体部10が互いに連結される。このように、本実施形態に係る長尺体カバー施工方法では、複雑な構成を有する継手を用いることなく両カバー本体部10を連結している。このため、省部品によって低コスト化を図ることができるとともに、簡素化された連結構造によって作業性の向上を図ることもできる。
これらの各工程を、最後に敷設されるカバー本体部10の延設方向側端部Etが目標地点に到達するまで逐次繰り返して実行する。その後、カバー本体部10によって区画される空間に長尺体8を配置・固定するとともに、カバー本体部10の上部開口を覆うように天蓋30を固定することにより、長尺体ダクトの施工が完了する。
以上説明したように、本実施形態に係る長尺体カバー1及びその施工方法によれば、複雑な構成を有する継手が不要なので、低コスト化を図ることができる。また、外力の作用の有無によらずに支持部材40からのカバー本体部10の脱落を防止することができるので、連結構造自体が簡素であることとも合わせて、カバー本体部10を支持部材40上で順次連結する場合における作業性を向上させることができる。このような利点は、連結箇所が多くなるにつれてより顕著に現れる。
特に、カバー本体部10が比較的大型で大重量である場合には、仮に支持部材40からカバー本体部10が脱落すれば、その大型かつ大重量のカバー本体部10を再度支持部材40上に載置しなければならず、作業者の負担も大きくなる。これらの点を考慮すれば、本実施形態に係る長尺体カバー1及びその施工方法は、例えば中高層ビル等の中規模ないし大規模建築物に設置される比較的大型の長尺体ダクトに適用する場合に、特に有利であると言える。但し、適用対象はそれに限定されることなく、例えば一般住宅等の小規模建築物に設置される比較的小型の長尺体ダクトに適用することももちろん可能である。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る長尺体カバー及びその施工方法の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、カバー本体部10の具体的構成が第1の実施形態とは異なっている。また、それに伴い、本止め工程の具体的内容が第1の実施形態とは一部異なっている。以下、本実施形態に係る長尺体カバー1及びその施工方法について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態では、一対の側壁部材11A,11Bは、互いに順平行となる位置関係で連結されている。すなわち、一対の側壁部材11にそれぞれ形成された2つの切欠部25は、長尺体配設経路Pに沿う同じ側(本例では既設方向側)に位置するように配置されている。同様に、一対の側壁部材11にそれぞれ形成された2つの第一挿通孔21は、長尺体配設経路Pに沿う同じ側(切欠部25とは反対側の、本例では延設方向側)に位置するように配置されている。
このような長尺体カバー1を用いて長尺体ダクトを施工するに当たり、準備工程、仮止め工程、及びスライド設置工程は、第1の実施形態と同様にして実行することができる。一方、本実施形態の本止め工程では、第1の第一締結部材50Aを完全締結させるとともに、第2の長尺体カバー1における既設方向側端部Esに位置している他の1つの切欠部25に第2の第一締結部材50を挿通させて完全締結させ、第1の長尺体カバー1を支持部材40に本止めする。なお、それまで未締結状態にあった第1の第一締結部材50Aの第一ナット52を(螺合されていなかった場合はその螺着後に)締め増して、完全締結状態とする点は、本実施形態でも同様である。
一方、本実施形態では、スライド設置工程の終了時には第二側壁部材11B側において、第2のカバー本体部10Bにおける既設方向側端部Esの切欠部25と、第1のカバー本体部10Aにおける既設方向側端部Esの第一挿通孔21とが上下方向に見て重複している。第2のカバー本体部10Bの切欠部25は、第1のカバー本体部10Aの第一挿通孔21よりも上側に配置されている。そこで、本実施形態では、図10に示すように、上下方向に互いに重複した切欠部25、第一挿通孔21、及び第五挿通孔45に、第2の第一締結部材50Bを構成する第一ボルト51の軸部を上下方向から挿通させる。そして、その第一ボルト51に第一ナット52を螺着させて、完全締結状態とする。
本実施形態に係る長尺体カバー1及びその施工方法でも、長尺体配設経路Pに沿って所定間隔で断続的に設置される複数の支持部材40上で長尺体カバー1を順次連結する場合に、低コスト化を図りつつ作業性も十分に向上させることができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る長尺体カバー及びその施工方法の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施形態では、切欠部25が下側延出板部12の内側端縁12eに開口するように形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図11に示すように、切欠部25が下側延出板部12におけるダクト長手方向の端縁12fに開口するように形成されていても良い。この場合、スライド設置工程では、第2のカバー本体部10Bを、第1のカバー本体部10Aに対してダクト長手方向に沿ってスライド移動させれば良い。
(2)上記の各実施形態では、切欠部25が正U字形の内縁25eを有するように形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図12に示すように、切欠部25が、少なくとも部分的に下側延出板部12の端縁側に向かって次第に拡幅する、全体としてU字状の内縁25eを有するように形成されていても良い。また、図示は省略するが、切欠部25が、角張ったU字状、V字状、角の丸まったV字状等の内縁25eを有するように形成されていても良い。これらの態様であっても、切欠部25の内縁25eの形状はいずれも全体としてU字状であると言え、全て「略U字状」の概念に含まれる。
(3)上記の各実施形態では、切欠部25が長尺体配設経路Pに略直交する状態に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば切欠部25が、下側延出板部12の内側端縁12eに開口しつつ、長尺体配設経路P(ダクト長手方向)に対して所定角度(例えば45°〜85°)で交差する状態に形成されていても良い。
(4)上記の各実施形態では、第一挿通孔21が閉曲線からなる内縁21eを有するように形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。挿通される第一締結部材50(第一ボルト51)の水平方向のスライド移動の可動範囲を制限できるのであれば、第一挿通孔21の内縁21eは必ずしも閉じていなくても良い。例えば第一挿通孔21の周囲が一部切り欠かれて第一ボルト51の軸部の外径よりも小さい開口幅で下側延出板部12の端縁に開口するようなものも、本発明における「締結部材挿通部」に含まれる。
(5)上記の各実施形態では、側壁部材11の下側延出板部12が、ダクト長手方向の全域に亘って連続する板状部材として構成されている例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。下側延出板部12は、少なくとも側壁部材11におけるダクト長手方向の両端部Eに設けられていれば良く、それ以外の中央部においては、底板(図示せず)を適切に支持・固定することができる程度に所定間隔毎に設けられていても良い。
(6)上記の各実施形態では、カバー本体部10と天蓋30とを備えた長尺体カバー1を用いて、長尺体ダクトを構成する例について説明した。しかし、本発明の適用対象はこれに限定されない。例えば天蓋30を備えることなくカバー本体部10のみを備えた長尺体カバー1を用いて、カバー本体部10における長尺体収容空間の上部が開放された長尺体ラックを構成する場合にも、同様に本発明を適用することができる。
(7)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、構造体に設置される支持部材に固定されて内部に長尺体を収容する長尺体カバーに利用することができる。
1 長尺体カバー
8 長尺体
9 構造体
10 カバー本体部
11 側壁部材
11A 第一側壁部材
11B 第二側壁部材
12 下側延出板部(延出板部)
12e 内側端縁
21 第一挿通孔(締結部材挿通部)
21e 内縁
25 切欠部
25e 内縁
40 支持部材
41a 載置面
50 第一締結部材(締結部材)
51 第一ボルト
52 第一ナット
P 長尺体配設経路
E 端部
Et 延設方向側端部
Es 既設方向側端部

Claims (4)

  1. 構造体に設置される支持部材に固定されて内部に長尺体を収容する長尺体カバーであって、
    長尺体配設経路に沿って延びて互いに対面する状態に連結された一対の側壁部材を含むカバー本体部を備え、
    前記一対の側壁部材のそれぞれは、前記長尺体配設経路に沿う少なくとも両端部において前記支持部材に載置される状態で内向きに延出する延出板部を含み、
    前記一対の側壁部材のそれぞれにおける前記延出板部かつ前記長尺体配設経路に沿う両端部に、締結部材が挿通される締結部材挿通部と前記延出板部の端縁に開口する切欠部とが分かれて形成されている長尺体カバー。
  2. 前記一対の側壁部材のうちの一方における前記切欠部と他方における前記切欠部とが、前記カバー本体部における対角位置に位置するように配置されている請求項1に記載の長尺体カバー。
  3. 前記切欠部が、前記長尺体配設経路に略直交する状態で前記延出板部の内側端縁に開口する略U字状に形成されている請求項1又は2に記載の長尺体カバー。
  4. 内部に長尺体を収容する長尺体カバーを構造体に設置される支持部材上で順次連結する長尺体カバーの施工方法であって、
    第1の長尺体カバー及び第2の長尺体カバーとして、請求項1から3のいずれか一項に記載の長尺体カバーを準備する工程と、
    前記第1の長尺体カバーにおける前記長尺体配設経路に沿う延設方向側端部に位置している1つの前記締結部材挿通部に第1の締結部材を挿通させて、未締結状態の前記第1の締結部材で前記第1の長尺体カバーを前記支持部材に仮止めする工程と、
    前記第2の長尺体カバーにおける前記長尺体配設経路に沿う既設方向側端部に位置している1つの前記切欠部に前記未締結状態の前記第1の締結部材が収まるように、前記第2の長尺体カバーをスライド移動させて設置する工程と、
    前記第1の締結部材を完全締結させるとともに、前記第2の長尺体カバーにおける前記既設方向側端部に位置している前記締結部材挿通部又は他の1つの前記切欠部に第2の締結部材を挿通させて完全締結させ、前記第1の長尺体カバーを前記支持部材に本止めする工程と、
    を含む長尺体カバーの施工方法。
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