JP2016009008A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石の磁力を利用して形成した定着ニップにおける端部の温度上昇に起因する定着不良を装置コストを大幅に上昇させることなく抑制することが可能な定着装置を提供する。【解決手段】一対の回転体である定着ベルト121および加圧ローラ122と、加圧ローラ122に設けられた磁力を発生する磁石170と、定着ベルト121に設けられ磁石170の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材124と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段としてのハロゲンヒータ123とを有する定着装置において、磁石170は、永久磁石であって、加圧ローラ122の軸線方向に延在させるように配置され、加圧ローラ122の軸線方向における磁石170の両端部を、中央部よりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さい磁石材料によって形成した。【選択図】図3
Description
本発明は、画像の定着処理のために加熱される定着部材と、これに当接して定着ニップを形成する当接体とを具備する定着装置、およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、記録シート上のトナー像を加熱・加圧することによってトナー像を記録シートに定着させる、いわゆる加熱定着方式による定着装置を用いたものが広く知られている。この定着装置では、ハロゲンヒータなどの加熱手段を有する内部に定着ローラなどの定着部材に、加圧ローラなどの加圧部材を圧接させ、定着ニップを形成するように構成したものが一般的である。定着部材と加圧部材とを圧接する手段として、バネなどの機械的手段による付勢力を利用したものの他、磁石による磁気吸引力を利用したものが知られている。
特許文献1には、ニップを形成する定着ローラと加圧ローラとの2つの回転体を有し、加圧ローラの内部には磁石を、定着ローラの内部には加熱手段としてのハロゲンヒータと、磁石の発する磁力によって吸引される磁性体とを設けた定着装置、およびこれを備えた画像形成装置が記載されている。この定着装置で使用する磁石と磁性体は、いずれも回転体の軸方向に延びる帯板形状をしている。帯板形状の磁石と磁性体とが磁気吸引力によって互いに引き合うことにより、定着ローラと加圧ローラとを圧接しニップを形成するようにしたことで、回転体の軸方向全体にわたってニップ圧が一定となり、定着性が不均一になることを抑制できるとしている。
磁石の磁束密度は、磁石の温度が上昇すると低下する。磁気吸引力を利用して定着ニップを形成するようにした定着装置において、ニップ圧は用いた磁石の磁束密度に依存しているが、定着ニップ内の温度が局所的に上昇した場合には、その部分において、磁石の磁束密度が低下しニップ圧が減少することになる。定着装置において、通紙条件によっては、定着ニップ内の温度が局所的に上昇することがある。
例えば、小サイズの記録シートを連続して通紙したときに、定着ニップ端部の温度が、定着ニップ中央部の温度よりも、大きく上昇してしまうことがある(以下、「定着ニップ端部の温度上昇」という)。定着ニップ端部の温度上昇が起きるのは、記録シートが接触している定着ニップ中央部では、ハロゲンヒータなどの加熱源から受けた熱が記録シートを伝って逃げていくのに対し、記録シートが接触していない定着ニップ端部では、熱の逃げ場がないので熱が残留してしまうためである。このように、定着ニップ端部の温度上昇が起きると、この付近においてニップ圧が低下するので、記録シートの端部では定着不良が生じる恐れがあった。
また、上昇した定着ニップ端部の温度が低下するまでには時間を要する。このため、小サイズの記録シートを連続して通紙した後、続けて大サイズの記録シートを通紙する場合には、定着ニップ端部のニップ圧不足に起因した定着不良が特に発生しやすくなる。
上述した、定着ニップ端部の温度上昇に起因した定着不良を解消するために、温度変化に対する磁束密度の変化が小さい磁石材料を用いることが考えられる。磁石材料の、温度変化に対する磁束密度の変化を表す特性値として、磁束密度の温度係数がある(単位は[%/K])。磁束密度の温度係数の絶対値が小さいほど、温度変化に対する磁束密度の変化が小さくなる。つまり、使用する磁石を、磁束密度の温度係数の絶対値が小さいものにすればよいことになる。
磁気吸引力を利用して定着ニップを形成するようにした定着装置において、フェライト磁石が一般的に使用されている。フェライト磁石の磁束密度の温度係数は−0.18[%/K]である。これよりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さいものとして、ネオジウム磁石(磁束密度の温度係数:−0.11[%/K])やサマリウムコバルト磁石(磁束密度の温度係数:−0.03[%/K])などの磁石材料がある。しかしながら、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石といった希土類系の磁石材料は、希少で非常に高価なので、一般的に普及しているフェライト磁石に代えてこれらの磁石のみを用いるようにするのは、装置コストの点で問題がある。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、磁石の磁力を利用して形成した定着ニップにおける端部の温度上昇に起因する定着不良を装置コストを大幅に上昇させることなく抑制することが可能な定着装置を提供することである。
一対の回転体と、一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さい磁石材料によって形成したことを特徴とするものである。
磁石の磁力を利用して形成した定着ニップにおける端部の温度上昇に起因する定着不良を装置コストを大幅に上昇させることなく抑制することが可能になる。
以下、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り、同一符号を付すことにより一度説明した後では、その説明を省略する。
まず、実施形態に係る画像形成装置の基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置の全体の一構成例を示す概略構成図である。
図1に示される画像形成装置は、タンデム方式のカラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央部に、複数の色画像を形成する作像部(図示の例では4つの作像部)からなる画像ステーションが設けられている。複数の作像部は、無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト(以下「転写ベルト」という。)11の展張方向に沿って並置されている。そして、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)という互いに異なる色の現像剤を用いる点の他は同様の構成となっている。
図1は、実施形態に係る画像形成装置の全体の一構成例を示す概略構成図である。
図1に示される画像形成装置は、タンデム方式のカラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央部に、複数の色画像を形成する作像部(図示の例では4つの作像部)からなる画像ステーションが設けられている。複数の作像部は、無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト(以下「転写ベルト」という。)11の展張方向に沿って並置されている。そして、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)という互いに異なる色の現像剤を用いる点の他は同様の構成となっている。
画像形成装置内においては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックにそれぞれ対応する複数の潜像担持体としてのドラム状の感光体20Y,20C,20M,20Bkが並設されている。感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面上に形成されたY,C,M,Bkトナー像は、感光体20Y,20C,20M,20Bkに対峙しながら図中矢印F1方向に無端移動する転写ベルト11に重ね合わせて一次転写される。その後、転写ベルト11に重畳転写されたY,C,M,Bkトナー像は、記録シートPに対する二次転写工程によって記録シートPに一括転写される。
感光体20Y,20C,20M,20Bkの周囲には、感光体の回転に伴って画像形成処理を実行するための各種装置が配置されている。ブラックの画像形成を行う感光体20Bkを例にして説明すると、その周囲には、次のような各種装置が配設されている。即ち、帯電装置30Bk、現像装置40Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ12Bk、およびクリーニング装置50Bkなどである。帯電後の感光体20Bkに対して行われる静電潜像の書き込みには、感光体20Bkの表面を露光する露光手段としての光書込装置8が用いられる。
光書込装置8は、光源としての半導体レーザー、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー、光偏向手段としての回転多面鏡(ポリゴンミラー)などを備えている。光書込装置8は、画像データに基づいて、各感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面へ書き込み光(レーザー光)Lbを照射し、感光体20Y,20C,20M,20Bkに静電潜像を形成するように構成されている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11が図中A1方向に移動する過程において、感光体20Y,20C,20M,20Bkに形成されたY,C,M,Bkトナー像が転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように実行される。具体的には、転写ベルト11を挟んで感光体20Y,20C,20M,20Bkに対向して配設された複数の一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkそれぞれに一次転写バイアスが印加される。この状態の一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkにより、各感光体20Y,20C,20M,20Bkに形成されたY,C,M,Bkトナー像が、転写ベルト11のA1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして重畳転写される。
複数の一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkはそれぞれ対応する感光体20Y,20C,20M,20Bkとの間で転写ベルト11を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkには、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)からなる一次転写バイアスが一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkに印加されるようになっている。
感光体20Y,20C,20M,20Bkは、図中A1方向の上流側からこの順で並んでいる。感光体20Y,20C,20M,20Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成する前記複数の作像部に設けられている。
画像形成装置は、感光体20Y,20C,20M,20Bkの上方に配設された転写ベルトユニット(転写装置)10、二次転写手段としての二次転写ローラ5、転写ベルトクリーニング装置13、複数の作像部の下方に配設された光書込装置8なども備えている。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11及び複数の一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkのほか、転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72や従動ローラ73等の複数のベルト支持部材を備えている。駆動ローラ72が回転駆動されることにより、転写ベルト11は図中矢印F1で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して二次転写ローラ5に対向する二次転写バックアップローラとしても機能する。従動ローラ73は、転写ベルト11を介してクリーニング装置13に対向するクリーニングバックアップローラとしても機能する。また、従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えているため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。これらの転写ベルトユニット10と一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkと二次転写ローラ5と転写ベルトクリーニング装置13とを有するように、転写装置71が構成されている。
二次転写ローラ5は、転写ベルト11に対向して配設され、転写ベルト11に従動して連れ回りする。また、二次転写ローラ5は、二次転写バックアップローラとしても機能する駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkと同様に、二次転写ローラ5にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)からなる二次転写バイアスが二次転写ローラ5に印加されるようになっている。
転写ベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11を介して従動ローラ73に対向するように配設され、転写ベルト11の表面をクリーニングする。図示の例では、ベルトクリーニング装置35は、転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有する。また、ベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
画像形成装置には、記録シートPを収容するシート収容手段としての給紙カセット(記録シート給送装置)61と、レジストローラ対4と、図示しない記録シート先端センサーとが設けられている。給紙カセット61は、画像形成装置の本体下部に配設され、最上位の記録シートPの上面に当接する給送ローラ3を有し、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録シートPをレジストローラ対4に向けて給送する。
プリンタ本体内には、記録シートPを給紙カセット61から二次転写ニップを経て装置外へ排出するための記録シート搬送路Rが配設されている。この記録シート搬送路Rの二次転写ローラ5の位置よりも記録シート搬送方向上流側に、二次転写ニップへ記録シートPを繰り出すように搬送するレジストローラ対4が配設されている。レジストローラ対4は、給紙カセット61から搬送されてきた記録シートPを、複数の作像部からなる画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、二次転写ローラ5と転写ベルト11との間の二次転写ニップに向けて繰り出す。記録シート先端センサーは、記録シートPの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する。
記録シートとしては、普通紙、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシートなどを用いることが可能である。給紙カセットなどの給紙カセット61のほかに、手差しで記録シートを供給できるように手差し給紙機構を設けてもよい。
画像形成装置は、トナー像が転写された記録シートPにトナー像を定着させるための定着装置100と、排紙ローラ7と、排紙トレイ17と、複数のトナー容器としてのトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkとを備えている。排紙ローラ7は、定着済みの記録シートPを画像形成装置の本体外部に排出する。排紙トレイ17は、画像形成装置の本体上部に配設され、排紙ローラ7により画像形成装置の本体外部に排出された記録シートPを積載する。
複数のトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを収容し、プリンタ本体の上部であって排紙トレイ17の下側に設けられた複数のボトル収容部それぞれに着脱可能に装着されている。トナーボトル9Y,9C,9M,9Bkと現像装置40Y,40C,40M,40Bkとの間には、図示しない補給路が設けられている。この補給路を介してトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkから現像装置40Y,40C,40M,40Bkへトナーが補給される。
転写装置71に装備されているクリーニング装置13は、同図では詳細な図示が省略されているが、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードなどを有している。このクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより、転写ベルト11上の残留トナー等の異物が掻き取り除去されて転写ベルト11がクリーニングされる。クリーニング装置13は、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
画像形成装置において作像動作が開始されると、感光体20Y,20C,20M,20Bkが図示しない駆動装置によって図中時計回り方向に回転駆動される。そして、感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面が帯電装置30Y,30C,30M,30Bkによって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面には、光書込装置8からレーザー光がそれぞれ照射されて、感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面に静電潜像が形成される。このとき、感光体20Y,20C,20M,20Bkに露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体20Y,20C,20M,20Bk上に形成された静電潜像に、現像装置40Y,40C,40M,40Bkによってトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー像として顕像化(可視像化)される。
作像動作が開始されると、駆動ローラ72が図1の反時計回り方向に回転駆動し、転写ベルト11を図中矢印F1の方向に無端移動させる。そして、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkに、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧制御又は定電流制御された一次転写バイアスが印加される。これにより、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkと感光体20Y,20C,20M,20Bkとの間の一次転写ニップにおいて所定の一次転写電界が形成される。
その後、感光体20Y,20C,20M,20Bkの回転に伴い、感光体20Y,20C,20M,20Bk上のY,C,M,Bkトナー像がY,C,M,Bk用の一次転写ニップに達する。そして、Y,C,M,Bk用の一次転写ニップに形成された一次転写電界によって、感光体20Y,20C,20M,20Bk上のY,C,M,Bkトナー像が転写ベルト11上に順次重ね合わせて一次転写される。これにより、転写ベルト11の表面に4色重ね合わせのトナー像が担持される。転写ベルト11に転写しきれなかった感光体20Y,20C,20M,20Bk上の転写残トナーは、クリーニング装置50Y,50C,50M,50Bkによって除去される。その後、図示しない除電装置によって感光体20Y,20C,20M,20Bkの表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給送ローラ3が回転駆動を開始し、給紙カセット61から記録シートPが搬送路に送り出される。搬送路に送り出された記録シートPは、レジストローラ対4によってタイミングをはかられて、二次転写ローラ5と駆動ローラ72との間の二次転写ニップに送られる。このとき、二次転写ローラ5には、転写ベルト11上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに所定の二次転写電界が形成されている。
その後、転写ベルト11の無端移動に伴って、転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、二次転写ニップに形成された転写電界によって、転写ベルト11上の4色重ね合わせトナー像が記録シートP上に一括して転写される。また、このとき記録シートPに転写しきれなかった転写ベルト11上の転写残トナーは、転写ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、記録シートPは定着装置100へと搬送され、定着装置100によって記録シートP上のトナー画像が記録シートPに定着される。そして、記録シートPは、排紙ローラ7によって装置外へ排出され、排紙トレイ17上にストックされる。
なお、以上の説明は、記録シートP上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部の何れか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2は、実施形態に係る画像形成装置の定着装置100の、記録シートPの搬送方向の断面における概略構成図である。同図において、定着装置100は、無端移動可能に設けられた定着部材としての定着ベルト121と、これに当接して定着ニップを形成しながら回転する当接体としての加圧ローラ122とを有している。定着ベルト121の内部には、定着ベルト121を加熱する加熱手段としてのハロゲンヒーター123、磁石170が発生させる磁力と作用する磁性部材124などを備えている。また、加圧ローラ122の内部には、磁力発生手段としての磁石170、磁石を保持するホルダ172などを備えている。この他、定着装置100は、定着ベルト121の温度を検知する温度検知手段としての温度センサー127、定着ベルト121から記録シートPを分離する分離部剤128なども有している。
定着ベルト121は、肉薄で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む。)によって構成されており、少なくとも、内周側のベルト基体層と、外周側の離型促進層とを具備している。ベルト基体層は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された層である。また、離型促進層は、ベルト外面からのトナーの離型性を良好にするためのものであり、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの材料からなる。ベルト基体層と離型促進層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
定着ベルト121の低熱容量化を図るために、定着ベルト121を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト121を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50[μm]、100〜300[μm]、10〜50[μm]の範囲に設定し、全体としての厚さを1[mm]以下に設定している。また、定着ベルト121の直径を、20〜40[mm]に設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト121全体の厚さを0.2[mm]以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16[mm]以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト121の直径は、30[mm]以下とするのが望ましい。
定着ベルト121のループの内側に配設された加熱手段としてのハロゲンヒーター123は、自らが発した輻射熱によって定着ベルト121を内側から加熱する。温度センサー127は、定着ベルト121のおもて面に対して所定の間隙を介して対向配置され、定着ベルト121の表面温度を検知して、その結果をプリンタ本体部に設けられた制御部(不図示)に送る。制御部では、温度センサー127から送られてきた情報をもとに、ハロゲンヒータ123の出力制御を行う。
ハロゲンヒーター123は、両端部が定着装置100の筺体側板129(図3参照)に固定されており、画像形成装置の本体に設けられた電源部から出力される電力を受けて発熱する。この電源部からの電力の出力は、例えば温度センサー127による定着ベルト121の表面温度の検知結果に基づいてオン/オフ又は通電量が制御される。このような出力制御によって、定着ベルト121の温度(定着温度)が目標の定着温度に維持される。定着ベルト121を加熱するための加熱手段としては、ハロゲンヒーター123に限らず、IH(電磁誘導加熱)、抵抗発熱体、又はカーボンヒーター等を用いてもよい。
定着ベルト121内において、ニップ部N以外の箇所においては、ハロゲンヒータ123と定着ベルト121内側の面との間には何も介在するものがないので、定着ベルト121のニップ部N以外の箇所においては、ハロゲンヒータ123からの輻射熱を直接定着ベルト121に与えることができる。これにより、省エネ性の向上やファーストプリント時間の短縮などが実現できる。
磁性部材124は帯板形状を有しており、定着ベルト121内において、磁性部材124の長手方向が定着ベルト121のベルト幅方向(図2に対し垂直方向)と一致するように配設されている。磁性部材124の長手方向の長さは、定着ベルト121のベルト幅方向の長さとほぼ同じになるようにしている。また、磁性部材124における短手方向(記録シートPの搬送方向F1)の長さは、ニップ部Nの幅とほぼ同じになるようにしている。
磁性部材124は、加圧ローラ122内の磁石170の発する磁界によって加圧ローラ122の側に引き寄せられる。磁性部材124が加圧ローラ122側に引き寄せらると、磁性部材124は定着ベルト121の内面に突き当たり、定着ベルト121を加圧ローラ122に押し付ける。
磁性部材124は、残留磁束密度と保磁力との積で表される最大エネルギー積を高くすることができる材料として一般的に知られている電磁軟鉄によって形成する。磁性部材124と磁石170との間の磁気吸引力を高めるために、磁性部材124を、鉄やパーマロイ合金等に水素焼鈍などの処理を施すことによって透磁率を高めた材料によって形成するようにしてもよい。また、磁性部材124の熱源(ハロゲンヒータ)側には輻射熱をニップ部Nへ効率良く伝達するために熱吸収効率を高めるために高放射率化処理(黒色塗装)してもよい。
磁性部材124は、定着ベルト121に対向する面は固設されておらず、磁性部材124の定着ベルト121の内周面と対向する側の表面は、定着ベルト121に摺接している。磁性部材124と定着ベルト121との摺動抵抗を低減するために、磁性部材124における定着ベルト121との接触面に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を備えるようにしてもよい。定着ベルト121の内周面には、例えばシリコーンオイル、シリコーングリス、フッ素グリスなどの潤滑剤を塗布するようにしてもよい。また、定着ベルト121が無端移動する際、定着ベルト121の内周面に、継続的に潤滑剤が塗布されるようにする機構を、定着ベルト121の内側に設けてもよい。
加圧ローラ122は、芯金122aと、芯金122aの外周面側に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層122bと、弾性層122bの表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層122cとを有する。そして、定着ベルト121のおもて面(ループ外面)に当接して定着ニップを形成している。
加圧ローラ122は、画像形成装置の本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源からギヤ等を介して駆動力が伝達されて図中時計回り方向に回転駆動するように構成されている。加圧ローラ122が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップで定着ベルト121に伝達され、定着ベルト121が従動によって移動する。
図示の例では、加圧ローラ122は中空のローラからなる。加圧ローラ122の内部には、ハロゲンヒーター等の加熱源を配設させるようにしてもよい。また、弾性層122bが無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100[μm]以上の弾性層122bを設けることが望ましい。厚さ100[μm]以上の弾性層122bを設けることで、弾性層122bの弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
加圧ローラ122の弾性層122bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ122の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムなどの断熱性の高いゴムを用いてもよい。スポンジゴムなどの断熱性が高いゴムを用いることで定着ベルト121の熱が奪われにくくなるので、より望ましい。また、定着回転体と対向回転体は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。また、加圧ローラ122は、上述した中空のローラからなるものに代え、無端状のベルト部材からなるものであってもよい。この場合、ベルト部材は、例えばSUS304など300番台の非磁性ステンレス製の薄肉基材で基層を形成させ、その上に弾性層、離型層を積層するようにしてもよい。
加圧ローラ122の直径は20〜40[mm]に設定しており、定着ベルト121の直径と加圧ローラ122の直径が同等になるようにしている。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト121の直径が加圧ローラ122の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト121の曲率が加圧ローラ122の曲率よりも小さくなるため、ニップ部Nから排出される記録シート(記録材)Pが定着ベルト121から分離され易くなる。
加圧ローラ122の内側には、磁力発生手段としての磁石170が配設されている。磁石170は、加圧ローラ122に連れ回らないように固定配置されている。磁石170の材質としてはキュリー温度が比較的高い磁石材料、例えば、フェライト磁石(キュリー温度:約460[℃])、サマリウムコバルト磁石(キュリー温度:約800[℃])、ネオジウム磁石(キュリー温度:約310[℃])などを用いるようにする。キュリー温度は、その温度以上では強磁性の性質が失われる温度である。なお、磁石170の構成については、後で詳説する。
加圧ローラ122は、図示しない駆動源によって回転駆動している。上述したように、磁石170から発生した磁界によって磁性部材124は加圧ローラ122側に引き寄せられ、加圧ローラ122が定着ベルト121に圧接される。回転駆動している加圧ローラ122が定着ベルト121に圧接されることによって、定着ベルト121は加圧ローラ122とともに従動回転している。
定着ベルト121と加圧ローラ122との間の圧力発生手段として、磁性部材124と磁石170との間に作用する磁気吸引力によるものに加え、例えば、定着ベルト121の両端部にバネなどの付勢手段を設けて定着ベルト121を加圧ローラ122に付勢させるようにする、もしくは、加圧ローラ122の両端部にバネなどの付勢手段を設けて加圧ローラ122を定着ベルト121に付勢させるようにするなど、機械的付勢力によるものを併せて用いるようにしてもよい。例えば、機械的付勢力によって、定着ベルト121と加圧ローラ122との基本的な圧接力を得るようにし、磁気吸引力によって、加圧ローラ122の回転軸方向において生じた加圧ムラを修正するようにしてもよい。
次に、定着装置100の動作について説明する。
画像形成装置の本体の主電源スイッチが投入(主電源ON)されると、ウォームアップ動作が開始される。具体的には、ハロゲンヒーター123に電力が供給されるとともに、加圧ローラ122が図中時計回り方向に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト121は、加圧ローラ122との摩擦力によって、図中の反時計回り方向に従動によって無端移動する。定着ベルト121の表面温度は温度センサー127によって検知され、表面温度が所定の目標温度に達するまで、ウォームアップ動作が行われる。主電源ON時のウォームアップ動作においては、定着ベルト121を定着温度よりも高い目標温度(158[℃]〜170[℃])まで定着ベルト121を加熱する。
画像形成装置の本体の主電源スイッチが投入(主電源ON)されると、ウォームアップ動作が開始される。具体的には、ハロゲンヒーター123に電力が供給されるとともに、加圧ローラ122が図中時計回り方向に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト121は、加圧ローラ122との摩擦力によって、図中の反時計回り方向に従動によって無端移動する。定着ベルト121の表面温度は温度センサー127によって検知され、表面温度が所定の目標温度に達するまで、ウォームアップ動作が行われる。主電源ON時のウォームアップ動作においては、定着ベルト121を定着温度よりも高い目標温度(158[℃]〜170[℃])まで定着ベルト121を加熱する。
定着ベルト121が所定の温度に達したら、ハロゲンヒーター123への通電がOFFされて、定着ベルト121の表面温度が目標の定着温度まで下降する。上述した二次転写ニップで未定着のトナー像Tが転写された記録シートPは、不図示のガイド板によって案内されながら、図中矢印F1方向に搬送されてくる。そして、定着装置100内に進入して定着ニップ内に挟み込まれる。このとき、温度センサー127の検知結果に基づいて、定着ベルト121が定着温度に維持されるようハロゲンヒーター123に供給される電力が制御される。一例を挙げると、定着ベルト121の温度が定着温度+α[℃]であることが温度センサー127によって検知されたら、ハロゲンヒーター123への電力供給が停止される。この一方で、定着ベルト121の温度が定着温度−α[℃]であることが温度センサー127によって検知されたら、ハロゲンヒーター123への電力供給がONされる。そして、ハロゲンヒーター123によって加熱された定着ベルト121による熱と、定着ベルト121と加圧ローラ122との間の加圧力とによって、記録シートPの表面にトナー像Tが定着される。
トナー像Tが定着された記録シートPは、定着ニップを通過して図中の矢印F2方向に搬出される。このとき、記録シートPの先端が分離部材128の先端に接触することにより、記録シートPが定着ベルト121から強制的に分離される。その後、分離された記録シートPは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
画像形成動作が終了したら、画像形成装置は待機モード又はスリープモードに移行する。待機モードは、定着ベルト121を定着温度よりも低い所定の温度(本実施形態では、90[℃])に維持して待機するモードである。また、スリープモードは、ハロゲンヒーター123への電力供給や加圧ローラ122の回転駆動を停止するモード(省エネモード)である。画像形成動作終了後、待機モードに遷移させるか、スリープモードに遷移させるかについては、図示しない操作部に対するデータ入力操作によって設定することができる。待機モードに設定すれば、次の画像形成動作におけるウォームアップ動作のとき、定着ベルト121を目標定着温度まですばやく昇温させることができ、ウォームアップ時間を短縮することができる。一方、スリープモードにおいては、待機時の電力消費が抑えられ、省エネルギー化を図ることができる。また、待機モードからの立ち上げのときは、定着ベルト121が目標定着温度に達したらウォームアップ動作を終了し、スリープモードからの立ち上げのときは、定着ベルト121が目標定着温度よりも高い所定の温度に達したらウォームアップ動作を終了する。
本実施形態に係る画像形成装置の特徴部である磁石170の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る画像形成装置の定着装置100の、図2に破線で示す断面における概略構成図である。
磁石170は帯板形状で、長手方向の中央部には、例えばフェライト磁石170aなどの安価で入手しやすい磁石材料を、長手方向の端部には、例えば、ネオジウム磁石170bなどの磁束密度の温度係数が小さい磁石材料を配置するようにしている。
図3は、実施形態に係る画像形成装置の定着装置100の、図2に破線で示す断面における概略構成図である。
磁石170は帯板形状で、長手方向の中央部には、例えばフェライト磁石170aなどの安価で入手しやすい磁石材料を、長手方向の端部には、例えば、ネオジウム磁石170bなどの磁束密度の温度係数が小さい磁石材料を配置するようにしている。
この磁石170は、定着ベルト121から加圧ローラ122への熱伝導方向と直交する方向に少なくとも1組の異極が配置された構成になっており、ホルダ172によって保持されている。ホルダ172は、磁石170が持つ磁力を増幅させるヨークとしての機能も担っている。ホルダ172は、定着ニップと対向する位置が開口になっており、磁石170が空気層を介して加圧ローラ122の内周面と対向できるようにしている(図2参照)。ホルダ172は、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性材を含む材質によって形成するのが好ましい。なお、磁石170の放熱効率の向上を優先させる場合には、ホルダ172aは熱伝導率の高いアルミニウムなどの材質で形成するようにしてもよい。磁石170とホルダ172は、その長手方向を加圧ローラ122の軸線方向に延在させる姿勢で固設されており、それらの長さは加圧ローラ122の軸線方向の長さとほぼ同じである。
ホルダ172は、外周に放熱用のフィンを設けるようにしてもよい。図4は、外周に放熱用のフィンとしての凸部172aを設けたホルダ172を、加圧ローラ122の軸線方向から見た図である。凸部172aを設けて表面積を増やすことにより、磁石170の放熱効率を高めることで、磁石170の温度が上昇することによる磁束密度の低下を抑制することができる。
ここで、定着ニップ端部の温度上昇について説明する。
定着ニップ端部の温度上昇は、加熱手段としてのハロゲンヒータ123の発熱長さに対して通紙する記録シートPの幅が狭い場合に、記録シートPを連続通紙したときに、記録シートPと接触しない定着ベルト121の両端部において、温度が過剰に上昇してしまう現象である。例えば、図5に示すように、ハロゲンヒータ123の発熱長さをA4サイズの記録シートの短辺幅(210mm)とほぼ同じにしている場合に、A6サイズの記録シートP1(短辺幅105mm)を通紙したとする。定着ベルト121上の、ハロゲンヒータ123によって加熱される領域(領域A,B,C)のうち、記録シートP1が通過する領域Aでは、定着ベルト121上の熱は記録シートP1を伝わって逃げていく。一方、記録シートP1が通過しない領域B、Cでは、定着ベルト121上の熱は、記録シートP1に奪われることなく、定着ベルト121上にそのまま蓄積されてしまう。
定着ニップ端部の温度上昇は、加熱手段としてのハロゲンヒータ123の発熱長さに対して通紙する記録シートPの幅が狭い場合に、記録シートPを連続通紙したときに、記録シートPと接触しない定着ベルト121の両端部において、温度が過剰に上昇してしまう現象である。例えば、図5に示すように、ハロゲンヒータ123の発熱長さをA4サイズの記録シートの短辺幅(210mm)とほぼ同じにしている場合に、A6サイズの記録シートP1(短辺幅105mm)を通紙したとする。定着ベルト121上の、ハロゲンヒータ123によって加熱される領域(領域A,B,C)のうち、記録シートP1が通過する領域Aでは、定着ベルト121上の熱は記録シートP1を伝わって逃げていく。一方、記録シートP1が通過しない領域B、Cでは、定着ベルト121上の熱は、記録シートP1に奪われることなく、定着ベルト121上にそのまま蓄積されてしまう。
図6は、記録シートP1を連続通紙した後の、定着ベルト121のベルト幅方向における定着ニップの温度を示すグラフである。領域Aに対し、領域B、Cでは定着ニップの温度が過剰に上昇する(定着ニップ端部の温度上昇が発生)。
図7は、図6に示す定着ニップ端部の温度上昇が発生したときの、定着ベルト121のベルト幅方向における定着ニップの磁気吸引力を示すグラフである。
領域B、Cにおける定着ニップの温度上昇に伴い、磁石170の、領域B、Cに対応する部分の温度も上昇する。従来のように、磁石170を全てフェライト磁石によって構成した場合には、図7中の実線で示すように、領域B、Cに対応する部分において、磁石170の磁束密度は減少し、この部分における定着ニップの磁気吸引力が大きく低下することになる。これに対し、磁石170の長手方向の中央部はフェライト磁石170aによって、長手方向の端部は磁束密度の温度係数の小さいネオジウム磁石170bによって構成した場合には、図7中の破線で示すように、領域B、Cに対応する部分において、磁石170の磁束密度の減少を抑え、この部分における定着ニップの磁気吸引力の低下を抑えることができる。これにより、定着ニップ端部の温度上昇に起因する定着不良を抑制することが可能になる。また、磁石170の全てを、ネオジウム磁石などの希少で高価な希土類系の磁石材料で構成した場合に対し、端部の限られた領域にのみネオジウム磁石などの希土類系の磁石材料を用いるようにすることで、装置コストが大幅に上昇することもない。
領域B、Cにおける定着ニップの温度上昇に伴い、磁石170の、領域B、Cに対応する部分の温度も上昇する。従来のように、磁石170を全てフェライト磁石によって構成した場合には、図7中の実線で示すように、領域B、Cに対応する部分において、磁石170の磁束密度は減少し、この部分における定着ニップの磁気吸引力が大きく低下することになる。これに対し、磁石170の長手方向の中央部はフェライト磁石170aによって、長手方向の端部は磁束密度の温度係数の小さいネオジウム磁石170bによって構成した場合には、図7中の破線で示すように、領域B、Cに対応する部分において、磁石170の磁束密度の減少を抑え、この部分における定着ニップの磁気吸引力の低下を抑えることができる。これにより、定着ニップ端部の温度上昇に起因する定着不良を抑制することが可能になる。また、磁石170の全てを、ネオジウム磁石などの希少で高価な希土類系の磁石材料で構成した場合に対し、端部の限られた領域にのみネオジウム磁石などの希土類系の磁石材料を用いるようにすることで、装置コストが大幅に上昇することもない。
[変形例1]
本実施形態の変形例1について説明する。
この変形例では、定着装置100において、定着ベルト121の幅方向おいて磁性部材124の両端部に局所的な温度の上昇が生じることを防止するため、磁性部材124に均熱板124bを備えるようにしたものである。
本実施形態の変形例1について説明する。
この変形例では、定着装置100において、定着ベルト121の幅方向おいて磁性部材124の両端部に局所的な温度の上昇が生じることを防止するため、磁性部材124に均熱板124bを備えるようにしたものである。
図8(定着ベルト121の幅方向から見ている)に示す磁性部材124は、磁石170の磁力によって吸着される吸着板124aに、アルミニウム、銅のような高熱伝導部材の熱伝導率の高い材質によって形成した均熱板124bを積層させたものである。吸着板124aは、熱伝導率がそれほど高くない鉄などの強磁性体材料で形成しているため、上述した定着ニップ端部の温度上昇が生じた場合には、定着ベルト121の幅方向(図8では、紙面に垂直な方向)の両端部において局所的な温度上昇が生じる可能性がある。均熱板124bを吸着板124aに積層することで、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向の両端部において局所的に熱せられた場合でも、均熱板124bにより吸着板124aが均熱化される。これにより、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向の両端部において局所的に温度上昇することを抑制することができる。なお、均熱板124bにおける定着ベルト121との接触面には、摺動抵抗を低減させるために、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)による層を設けてもよい。また、吸着板124aの形状を図8における均熱板124bの形状に、均熱板124bの形状を図8における吸着板124aの形状にそれぞれ形成して、定着ベルト121の内部において吸着板124aと均熱板124bとの配置を入れ替えるようにしてもよい。磁石170(図2参照)と強磁性体材料である吸着板160との間に生じる吸着力は両者の距離の2乗に反比例する。定着ベルト121に対向して吸着板124aを配置することにより、吸着板124aと磁石170(図2参照)との距離を近づけることができるので、図8の構成に対して、より高い吸着力を得ることができる。ただし、定着ベルト121に対向して均熱板124bを配置する構成のほうが、定着ベルト121に対向して吸熱板124aを配置する構成に対して、定着ベルト121から吸熱板124aと均熱板124bとの積層体の方に入ってくる熱を均熱化するときの応答性は良くなる(より迅速に均熱化できる)。
均熱板124bによる均熱効果を高めるためには、吸着板124aと均熱板124bとをできるだけ密着させる必要がある。吸着板124aと均熱板124bとの間に50μm程度の小さな隙間があっても、両者の間の熱抵抗は大きくなるため、吸着板124aから均熱板124bに熱が伝わりにくくなり、均熱効果もその分低くなってしまう。図9は、磁性部材124を、鉄などの強磁性体金属で形成した部材(吸着板124a)とアルミニウム、銅のような高熱伝導金属で形成した部材(均熱板124b)を複合一体化した、クラッド材によって構成したものである(図9は、定着ベルト121の幅方向から見ている)。なお、クラッド材とは、2種類以上の異なる金属の境界面を拡散接合によって貼り合わせたものをいう(拡散接合により、異種の金属が極めて剥離し難くなる)。クラッド材は、熱伝導率や機械強度などの物性値において、貼り合わせる金属それぞれの特性を活かすことができる材料である。強磁性体金属と高熱伝導金属によるクラッド材により磁性部材124を形成したことで、定着ベルト121の幅方向おいて磁性部材124の両端部に局所的な温度上昇が発生することをより効果的に抑えることができる。吸着板124aと均熱板124bとを一体化したクラッド材は、図9に示す吸着板124aと均熱板124bとの位置を入れ替え、均熱板124bが定着ベルト121に対向するように形成してもよい。なお、吸着板62aの定着ベルト121接触面には、摺動抵抗を低減するために、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を設けてもよい。
[変形例2]
本実施形態の変形例2について説明する。
この変形例では、定着装置100において、磁石170の支持部材としてのホルダ172に、放熱用の伝熱板180を取り付けたものである。
図10(a)は、図3に対応する定着装置の概略構成図である。図10(b)は、磁石170の周辺部を、加圧ローラ122の軸線方向から見た図である。図10(a)に示すように、伝熱板180は、加圧ローラ122の軸線方向に渡って延在させている。また、図10(b)に示すように、伝熱板180は、ホルダ172の、磁石170を支持している面と反対側の面と接触している。伝熱板180は、例えばアルミニウム、銅などの熱伝導率が高い材料によって形成する。これにより、磁石170およびホルダ172に蓄積された熱が、伝熱板180を伝わって加圧ローラ122の外部に放熱されるようにすることができる。伝熱板180とホルダ172との熱交換を、安定的かつ効率的にするために、伝熱板180とホルダ172との間の接触面の全面又は一部に、放熱グリスなどの熱伝導率の高い塗布剤を塗布するようにしてもよい。
本実施形態の変形例2について説明する。
この変形例では、定着装置100において、磁石170の支持部材としてのホルダ172に、放熱用の伝熱板180を取り付けたものである。
図10(a)は、図3に対応する定着装置の概略構成図である。図10(b)は、磁石170の周辺部を、加圧ローラ122の軸線方向から見た図である。図10(a)に示すように、伝熱板180は、加圧ローラ122の軸線方向に渡って延在させている。また、図10(b)に示すように、伝熱板180は、ホルダ172の、磁石170を支持している面と反対側の面と接触している。伝熱板180は、例えばアルミニウム、銅などの熱伝導率が高い材料によって形成する。これにより、磁石170およびホルダ172に蓄積された熱が、伝熱板180を伝わって加圧ローラ122の外部に放熱されるようにすることができる。伝熱板180とホルダ172との熱交換を、安定的かつ効率的にするために、伝熱板180とホルダ172との間の接触面の全面又は一部に、放熱グリスなどの熱伝導率の高い塗布剤を塗布するようにしてもよい。
伝熱板180の放熱効率を高めるために、図10(c)に示すように、伝熱板180の端部を、加圧ローラ122の端面よりも大幅に突出させ、その突出部をファン190で冷却するようにしてもよい。突出面は加圧ローラ122の両端にあってもよい。小サイズ紙を連続通紙することを検知した図示しない制御手段によってファン190を動作させる。さらに、伝熱板180に温度検知手段を備え、予め設定した閾値よりも検知温度が高くなった場合にファン190が作動するような制御をしてもよい。また、図10(d)に示すように、磁石170におけるネオジウム磁石170bに対応する部分にだけ伝熱板180を設けるようにしてもよい。
[変形例3]
本実施形態の変形例3について説明する。
この変形例では、定着装置100において、図11に示すように、定着ベルト121の内部において、定着ベルト121を加熱する加熱手段としてのハロゲンヒータ123を3本備えるようにしたものである。3本のハロゲンヒータは、定着ベルト121において加熱される領域がそれぞれのハロゲンヒータで異なるように、配置されている。通紙する記録シートの幅の長さに合わせて、定着ベルト121の加熱範囲を設定することが可能になるので、記録シートが接触していない定着ベルト121の領域が加熱されることがなく、定着ニップ端部の温度上昇を低減することができる。
本実施形態の変形例3について説明する。
この変形例では、定着装置100において、図11に示すように、定着ベルト121の内部において、定着ベルト121を加熱する加熱手段としてのハロゲンヒータ123を3本備えるようにしたものである。3本のハロゲンヒータは、定着ベルト121において加熱される領域がそれぞれのハロゲンヒータで異なるように、配置されている。通紙する記録シートの幅の長さに合わせて、定着ベルト121の加熱範囲を設定することが可能になるので、記録シートが接触していない定着ベルト121の領域が加熱されることがなく、定着ニップ端部の温度上昇を低減することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
一対の回転体と、一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さい磁石材料によって形成した。
一対の回転体としての、定着ベルト121と加圧ローラ122を、磁力を利用して圧接し定着ニップを形成するようにした定着装置では、磁力発生手段としての磁石170は、永久磁石として広く普及しているフェライト磁石170aによって構成するのが一般的である。幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇すると、この両端部において、磁石170の磁力が低下し、定着ニップ圧が大きく低下することによる定着不良が起きる恐れがある。磁力発生手段として、加圧ローラ122の回転軸方向に対し、中央部を、例えばフェライト磁石170a、両端部を、例えばフェライト磁石170aよりも磁束密度の温度係数の小さいネオジウム磁石170bによって構成した磁石170を用いることにより、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部で、温度上昇による定着ニップ圧の低下を抑えることができるので、定着不良を抑制することが可能になる。また、ネオジウム磁石など、高価な希土類系の磁石材料を、端部にのみ用いた場合には、装置コストが大幅に上昇することもない。
(態様A)
一対の回転体と、一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さい磁石材料によって形成した。
一対の回転体としての、定着ベルト121と加圧ローラ122を、磁力を利用して圧接し定着ニップを形成するようにした定着装置では、磁力発生手段としての磁石170は、永久磁石として広く普及しているフェライト磁石170aによって構成するのが一般的である。幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇すると、この両端部において、磁石170の磁力が低下し、定着ニップ圧が大きく低下することによる定着不良が起きる恐れがある。磁力発生手段として、加圧ローラ122の回転軸方向に対し、中央部を、例えばフェライト磁石170a、両端部を、例えばフェライト磁石170aよりも磁束密度の温度係数の小さいネオジウム磁石170bによって構成した磁石170を用いることにより、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部で、温度上昇による定着ニップ圧の低下を抑えることができるので、定着不良を抑制することが可能になる。また、ネオジウム磁石など、高価な希土類系の磁石材料を、端部にのみ用いた場合には、装置コストが大幅に上昇することもない。
(態様B)
一対の回転体と、一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも残留磁束密度の高い磁石材料によって形成した。
定着装置において、記録シートとトナーとの定着性は、定着ベルト表面の温度とニップ圧に依存する。記録シートとトナーとの定着性を確保するためには、定着ベルト表面の温度を十分に高めるとともに、ニップ圧も十分に大きくする必要がある。装置のウォームアップ時において、定着ベルト121の両端部では、外部に熱が流出しやすいので、なかなか表面温度が定着に必要な温度まで上昇しない。加圧ローラ122の回転軸方向における両端部を中央部よりも残留磁束密度の高い磁石材料によって構成した磁石170(例えば、中央部を残留磁束密度が約4.4[kG]のフェライト磁石、両端部を残留磁束密度が約13[kG]のネオジウム磁石、または残留磁束密度が約11[kG]のサマリウムコバルト磁石によって構成した磁石170)を用いることにより、中央部よりも両端部のニップ圧を大きくすることができる。これにより、装置の電源投入直後など、加圧ローラ122の中央部に対し、両端部の温度が十分に上がっていないときであっても、両端部での定着性を確保することができる。また、幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇すると、この両端部において磁石170の磁束密度が低下する。両端部で磁束密度が低下した状態で、用紙サイズを幅の狭いものから広いものへと切り替えて通紙する場合においても、磁石170の両端部を残留磁束密度の高い磁石材料によって構成することにより、定着のために必要なニップ圧を確保することができる。
一対の回転体と、一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも残留磁束密度の高い磁石材料によって形成した。
定着装置において、記録シートとトナーとの定着性は、定着ベルト表面の温度とニップ圧に依存する。記録シートとトナーとの定着性を確保するためには、定着ベルト表面の温度を十分に高めるとともに、ニップ圧も十分に大きくする必要がある。装置のウォームアップ時において、定着ベルト121の両端部では、外部に熱が流出しやすいので、なかなか表面温度が定着に必要な温度まで上昇しない。加圧ローラ122の回転軸方向における両端部を中央部よりも残留磁束密度の高い磁石材料によって構成した磁石170(例えば、中央部を残留磁束密度が約4.4[kG]のフェライト磁石、両端部を残留磁束密度が約13[kG]のネオジウム磁石、または残留磁束密度が約11[kG]のサマリウムコバルト磁石によって構成した磁石170)を用いることにより、中央部よりも両端部のニップ圧を大きくすることができる。これにより、装置の電源投入直後など、加圧ローラ122の中央部に対し、両端部の温度が十分に上がっていないときであっても、両端部での定着性を確保することができる。また、幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇すると、この両端部において磁石170の磁束密度が低下する。両端部で磁束密度が低下した状態で、用紙サイズを幅の狭いものから広いものへと切り替えて通紙する場合においても、磁石170の両端部を残留磁束密度の高い磁石材料によって構成することにより、定着のために必要なニップ圧を確保することができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、前記磁性部材は、磁性材料によって形成した部材に、熱伝導率の高い材料によって形成した部材を積層させて構成した。
定着ベルト121の幅方向おいて磁性部材124が局所的に熱せられても、磁性部材124は熱伝導率の高い材料によって形成した部材(均熱板124b)によって均熱化される。これにより、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向おいて局所的に温度上昇することを抑制することができる。
態様AまたはBにおいて、前記磁性部材は、磁性材料によって形成した部材に、熱伝導率の高い材料によって形成した部材を積層させて構成した。
定着ベルト121の幅方向おいて磁性部材124が局所的に熱せられても、磁性部材124は熱伝導率の高い材料によって形成した部材(均熱板124b)によって均熱化される。これにより、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向おいて局所的に温度上昇することを抑制することができる。
(態様D)
態様Cにおいて、前記磁性部材は、磁性材料により形成した部材と熱伝導率の高い材料により形成した部材とを複合一体化することによって構成した。
磁性材料と熱伝導率の高い材料が、より完全な状態で密着しているので、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向おいて局所的に温度上昇することを抑制することができる。
態様Cにおいて、前記磁性部材は、磁性材料により形成した部材と熱伝導率の高い材料により形成した部材とを複合一体化することによって構成した。
磁性材料と熱伝導率の高い材料が、より完全な状態で密着しているので、磁性部材124が、定着ベルト121の幅方向おいて局所的に温度上昇することを抑制することができる。
(態様E)
態様A〜Dにおいて、前記磁力発生手段には、前記磁力発生手段の熱を外部に効率的に放出させるための放熱手段を有している。
幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇した場合に、放熱手段によって磁石170の熱を放出させることができるので、磁石170の温度上昇により磁力が低下することに起因した定着不良を防止することが可能になる。
態様A〜Dにおいて、前記磁力発生手段には、前記磁力発生手段の熱を外部に効率的に放出させるための放熱手段を有している。
幅の狭い記録シートを連続通紙するときなどに、加圧ローラ122の回転軸方向における両端部の温度が上昇した場合に、放熱手段によって磁石170の熱を放出させることができるので、磁石170の温度上昇により磁力が低下することに起因した定着不良を防止することが可能になる。
(態様F)
態様Eにおいて、前記放熱手段は、前記磁力発生手段よりも熱伝導率の高い材料によって形成され、前記磁力発生手段と接するように配設した。
例えばアルミニウムなどの、熱伝導率の高い材料によって放熱手段を形成することにより、磁石に蓄積された熱を効率的に放出させることが可能になる。
態様Eにおいて、前記放熱手段は、前記磁力発生手段よりも熱伝導率の高い材料によって形成され、前記磁力発生手段と接するように配設した。
例えばアルミニウムなどの、熱伝導率の高い材料によって放熱手段を形成することにより、磁石に蓄積された熱を効率的に放出させることが可能になる。
(態様G)
態様Fにおいて、前記放熱手段を、磁性材料によって形成した。
放熱手段を磁性材料によって形成させることにより、放熱手段がヨークとして作用し、磁石170の持つ磁力を増幅させることができる。
態様Fにおいて、前記放熱手段を、磁性材料によって形成した。
放熱手段を磁性材料によって形成させることにより、放熱手段がヨークとして作用し、磁石170の持つ磁力を増幅させることができる。
(態様H)
記録シートに画像を形成する画像形成手段と、記録シートに画像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、前記定着手段として、態様A〜Gのいずれか一の定着装置を用いた。
磁気吸引力によって定着ニップを形成するようにした場合に、定着手段において装置コストを大幅に上昇することなく、定着ニップ端部の温度上昇に起因する定着不良を抑制することが可能な画像形成装置を提供できる。
記録シートに画像を形成する画像形成手段と、記録シートに画像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、前記定着手段として、態様A〜Gのいずれか一の定着装置を用いた。
磁気吸引力によって定着ニップを形成するようにした場合に、定着手段において装置コストを大幅に上昇することなく、定着ニップ端部の温度上昇に起因する定着不良を抑制することが可能な画像形成装置を提供できる。
100 定着装置
121 定着ベルト(回転体)
122 加圧ローラ(回転体)
123 ハロゲンヒータ(加熱手段)
124 磁性部材
170 磁石(磁力発生手段)
170a フェライト磁石
170b ネオジウム磁石
172 ホルダ
P 記録シート
121 定着ベルト(回転体)
122 加圧ローラ(回転体)
123 ハロゲンヒータ(加熱手段)
124 磁性部材
170 磁石(磁力発生手段)
170a フェライト磁石
170b ネオジウム磁石
172 ホルダ
P 記録シート
Claims (8)
- 一対の回転体と、
一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、
他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、
一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、
前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも磁束密度の温度係数の絶対値が小さい磁石材料によって形成したことを特徴とする定着装置。 - 一対の回転体と、
一方の回転体に設けられた磁力を発生する磁力発生手段と、
他方の回転体に設けられ前記磁力発生手段の磁力によって引き寄せられて一対の回転体の定着ニップを形成する磁性部材と、
一対の回転体の少なくとも1つの内部に設けられた加熱手段とを有する定着装置において、
前記磁力発生手段は、永久磁石であって、前記磁力発生手段の設けられた回転体の軸線方向に延在させるように配置され、前記軸線方向における、前記磁力発生手段の両端部を、中央部よりも残留磁束密度の高い磁石材料によって形成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2のいずれかに記載の定着装置において、
前記磁性部材は、磁性材料によって形成した部材に、熱伝導率の高い材料によって形成した部材を積層させて構成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置において、
前記磁性部材は、磁性材料により形成した部材と熱伝導率の高い材料により形成した部材とを複合一体化することによって構成したことを特徴とする定着装置。 - 前記請求項1乃至4のいずれか一の定着装置において、
前記磁力発生手段には、前記磁力発生手段の熱を外部に効率的に放出させるための放熱手段を有していることを特徴とする定着装置。 - 請求項5に記載の定着装置において、
前記放熱手段は、前記磁力発生手段よりも熱伝導率の高い材料によって形成され、前記磁力発生手段と接するように配設したことを特徴とする定着装置。 - 請求項6に記載の定着装置において、
前記放熱手段を、磁性材料によって形成したことを特徴とする定着装置。 - 記録シートに画像を形成する画像形成手段と、
記録シートに画像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
前記定着手段として、請求項1乃至7のいずれか一の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014128140A JP2016009008A (ja) | 2014-06-23 | 2014-06-23 | 定着装置及びこれを備えた画像形成装置。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014128140A JP2016009008A (ja) | 2014-06-23 | 2014-06-23 | 定着装置及びこれを備えた画像形成装置。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016009008A true JP2016009008A (ja) | 2016-01-18 |
Family
ID=55226614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014128140A Pending JP2016009008A (ja) | 2014-06-23 | 2014-06-23 | 定着装置及びこれを備えた画像形成装置。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016009008A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11422489B2 (en) * | 2020-07-15 | 2022-08-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
-
2014
- 2014-06-23 JP JP2014128140A patent/JP2016009008A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11422489B2 (en) * | 2020-07-15 | 2022-08-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
US11609516B2 (en) | 2020-07-15 | 2023-03-21 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
US11829089B2 (en) | 2020-07-15 | 2023-11-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
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