以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図3は、カラーの画像形成装置10の概略構成が示されている。画像形成装置10は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタである。2つの光走査装置(2010A、2010B)、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図3における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010Aは、プリンタ制御装置2090からのブラックの画像情報及びシアンの画像情報に基づいて色毎に変調された光によって、帯電された感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030bの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
光走査装置2010Bは、プリンタ制御装置2090からのマゼンタの画像情報及びイエローの画像情報に基づいて色毎に変調された光によって、帯電された感光体ドラム2030c及び感光体ドラム2030dの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
なお、各光走査装置の詳細については後述する。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる走査領域は、「有効走査領域」、「画像形成領域」、「有効画像領域」などと呼ばれている。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニット2031a、2031b、2031c、2031dは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、図4を用いて、光走査装置2010Aの詳細について説明する。図4は、光走査装置2010Aの構成図の一例を示す。この光走査装置2010Aは、2つの光源(2200a、2200b)、2つのカップリングレンズ(2201a、2201b)、2つの開口板(2203a、2203b)、2つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b)、ポリゴンミラー2104A、2つの走査レンズ(2105a、2105b)、2つの折り返しミラー(2106a、2106b)、集光レンズ2112A、同期検知センサ2113A、及び不図示の走査制御装置Aを有している。
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、ポリゴンミラー2104Aの回転軸に平行な方向をZ軸方向として説明する。
各光源は、半導体レーザ及び該半導体レーザを駆動する駆動回路を有している。そして、各光源の駆動回路は、走査制御装置Aによって制御される。以下では、便宜上、光源2200aから射出される光を「光LBa」といい、光源2200bから射出される光を「光LBb」という。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光LBaを略平行光とする。カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光LBbを略平行光とする。
開口板2203aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光LBaのビーム径を調整する。開口板2203bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光LBbのビーム径を調整する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2203aの開口部を通過した光LBaを、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2203bの開口部を通過した光LBbを、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
なお、各光源とポリゴンミラー2104Aとの間に配置されている光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
ポリゴンミラー2104Aは、回転多面鏡としての6面鏡を有し、各鏡面がそれぞれ偏向反射面となる。この回転多面鏡は、不図示のポリゴンモータによって、回転軸まわりに等速回転し、各シリンドリカルレンズからの光を、それぞれ等角速度的に偏向する。ここでは、回転多面鏡は時計回りに回転されるものとする。また、ポリゴンモータは、回転多面鏡の回転数が33300rpmとなるように外部クロック信号に基づいて制御されている。そこで、回転多面鏡は、約1.8ms(ミリ秒)で1回転する。
シリンドリカルレンズ2204aからの光LBaは、ポリゴンミラー2104Aの回転軸の−X側に位置する偏向反射面に入射し、シリンドリカルレンズ2204bからの光LBbは、該回転軸の+X側に位置する偏向反射面に入射する。
走査レンズ2105aは、ポリゴンミラー2104Aの−X側であって、ポリゴンミラー2104Aで偏向された光LBaの光路上に配置されている。折り返しミラー2106aは、走査レンズ2105aを介した光LBaを感光体ドラム2030aに導光する。すなわち、光LBaは、感光体ドラム2030aに照射され、感光体ドラム2030aの表面に光スポットを形成する。
走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104Aの+X側であって、ポリゴンミラー2104Aで偏向された光LBbの光路上に配置されている。折り返しミラー2106bは、走査レンズ2105bを介した光LBbを感光体ドラム2030bに導光する。すなわち、光LBbは、感光体ドラム2030bに照射され、感光体ドラム2030bの表面に光スポットを形成する。
各感光体ドラムの表面の光スポットは、ポリゴンミラー2104Aの回転に伴って、感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
同期検知センサ2113Aは、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域外に向かう光を、集光レンズ2112Aを介して受光する位置に配置されている。同期検知センサ2113Aは、同期検知信号を走査制御装置Aに出力する。
同期検知センサ2113Aは、受光光量が所定の値よりも小さいときに同期検知信号が「ハイレベル」となり、受光光量が所定の値以上のときに同期検知信号が「ローレベル」となるように構成されている。すなわち、同期検知センサ2113Aが光を受光すると、同期検知信号は「ハイレベル」から「ローレベル」に変化する。
走査制御装置Aは、同期検知センサ2113Aの出力信号(同期検知信号)に基づいて、感光体ドラム2030bにおける書き込み開始タイミングを求める。
ここで、図5に示すように、ポリゴンミラー2104Aの6つの偏向反射面を、反時計回りに「面1」、「面2」、「面3」、「面4」、「面5」、「面6」とする。
そこで、例えば、面1で反射された光によって感光体ドラム2030bが走査されると、次に、面3で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。続いて、面2で反射された光によって感光体ドラム2030bが走査され、次に、面4で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。さらに、面3で反射された光によって感光体ドラム2030bが走査され、次に、面5で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。
次に、図6を用いて書き込み開始タイミングについて説明する。走査制御装置Aは、同期検知センサ2113Aの出力信号の立ち上がりを検知すると、時間Tkの経過後に感光体ドラム2030bへの書き込みを開始する。なお、時間Tkは、同期検知信号の立ち上がりタイミングから書き込み開始タイミングまでの時間であり、装置毎に予め求められ、走査制御装置Aのメモリに格納されている。
本実施形態では、感光体ドラム2030aに対応する同期検知センサが設けられていないため、感光体ドラム2030aに対する同期検知信号を得ることはできない。
この場合、感光体ドラム2030aへの書き込み開始タイミングを求める方法として、同期検知センサ2113Aの出力信号に同期して疑似同期信号を生成させる方法が考えられる。
図7は、疑似同期信号を説明するための図の一例である。疑似同期信号は、同期検知センサ2113Aの出力信号の立ち上がりから時間Trが経過すると、「ローレベル」から「ハイレベル」に変化する信号である。なお、時間Trは、ポリゴンミラーが1/6回転するのに要する時間であり、装置毎に予め求められている。
従来は、図7に示されるように、疑似同期信号の立ち上がりタイミングから時間Tkの経過後に感光体ドラム2030aへの書き込みを開始していた。
しかしながら、回転多面鏡には製造誤差があり、偏向反射面が異なると書き込み開始位置が異なるおそれがある。
そこで、第1の方法として、図8に示すように、同期検知センサ2113Aの出力信号に基づいて、同じ偏向反射面で反射された光で感光体ドラム2030aを走査する際の書き込み開始タイミングを決める方法が考えられる。
また、第2の方法として、図9に示されるように、偏向反射面間の時間差(Te13、Te24、Te35、Te46、Te51、Te62)を予め求めておき、前記時間Trを補正して、感光体ドラム2030aでの書き込み開始タイミングを決める方法が考えられる。なお、Te13は、面1と面3間の時間差であり、Te24は、面2と面4間の時間差であり、Te35は、面3と面5間の時間差である。また、Te46は、面4と面6間の時間差であり、Te51は、面5と面1間の時間差であり、Te62は、面6と面2間の時間差である。
図10は、本発明の実施例1における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。なお、光走査装置について図4にて説明した内容は省略する。光走査装置が走査するレーザ光は画素クロック生成装置120により制御される。
画素クロック生成装置120は、画素クロック生成部1(111)、疑似同期信号生成部113、画素クロック生成部2(112)、画素クロック生成部3(114)、第1変調データ生成部115、第2変調データ生成部118、第1レーザ駆動部116、及び、第2レーザ駆動部119を備える。なお、かっこ内の数値は符号であるが、同一名称の用語を区別するため1〜Nの数字で用語を指示する場合がある。
感光体2208aの一端には同期検知センサ2113Aが配置されており、ポリゴンミラー2104Aにより反射されたレーザ光は感光体2208aを1ライン主走査する前に同期検知センサ2113Aに入射される。同期検知センサ2113Aは走査の開始のタイミングを検出する。
同期検知センサ2113Aによって検出された走査の開始のタイミングは、感光体の走査に合わせた周期的な第1同期信号として画素クロック生成装置120の画素クロック生成部1(111)、画素クロック生成部2(112)、及び、疑似同期信号生成部113に入力される。
画素クロック生成部1(111)は、第1同期信号を元に第1画素クロックと周波数補正値を生成する。画素クロック生成部1(111)は、第1画素クロック出力部の一例である。疑似同期信号生成部113は、第1同期信号と第1画素クロックを元に疑似同期信号を生成する。画素クロック生成部2(112)は、初期周波数設定値を周波数補正値で補正して、第1同期信号に同期して、第2画素クロックを生成する。画素クロック生成部3(114)は、初期周波数設定値を周波数補正値で補正して疑似同期信号に同期して第3画素クロックを生成する。画素クロック生成部2(112)は第2画素クロック生成部の一例であり、画素クロック生成部3(114)は第3画素クロック生成部の一例である。
第1変調データ生成部115は第1画像データをもとに、第2画素クロックに同期した第1変調データとして第1レーザ駆動部116に出力し、第1レーザ駆動部116が変調データに応じた出力にて光源2200aを駆動してレーザ光を出力する。
第2変調データ生成部118は第2画像データを基に、第3画素クロックに同期した第2変調データを第2レーザ駆動部119に出力し、第2レーザ駆動部119が変調データに応じた出力にて光源2200bを駆動してレーザ光を出力する。
また、図10のようにポリゴンミラーは6面である必要はなく、図11に示すように4面であってもよい。図11は、本発明の実施例1における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。画素クロック生成装置120の構成は同様である。
図11における画像形成装置10は、2つのLD光源117、LD光源127、2つの感光体103、104、1つのPD110(同期検知センサに相当)を有している。PD110は第1同期信号発生部の一例である。
図11において、画像形成装置10は、多面体からなるポリゴンミラー100、走査レンズ101、102、感光体103、104、入射ミラー105、106、PD110、画素クロック生成装置120、及び、LD光源117、127を備える。
LD光源117からの入射光Bk108は、入射ミラー105にて反射されてポリゴンミラー100に入射されポリゴンミラー100により反射される。入射光Bk108はポリゴンミラー100の回転により周期性を保って、走査レンズ101を通過することで感光体103の幅に合うように角度を調節され、感光体103を走査する。一方で、LD光源127の入射光Y109は、入射ミラー106にて反射されてポリゴンミラー100に入射されポリゴンミラー100により反射される。入射光Y109はポリゴンミラー100の回転により周期性を保って、走査レンズ102を通過することで感光体104の幅に合うように角度を調節され、感光体104を走査する。これにより、感光体103,104上には、LD光源117、127の出力に応じた静電潜像がそれぞれ形成される。
また感光体103の一端には、PD110が配置されており、ポリゴンミラー100により反射されたレーザ光は感光体103を1ライン主走査する前にPD110に入射され、PD110により走査の開始のタイミングが検出される。PD110によって検出された走査の開始のタイミングは、感光体103の走査に合わせた周期的な第1同期信号として画素クロック生成装置120の画素クロック生成部1(111)、疑似同期信号生成部113、及び、画素クロック生成部2(112)に入力される。
このように、図11の画素クロック生成装置120の機能や動作は図10の画素クロック生成装置120の機能や動作と同じである。以下では、図11の構成に基づいて、本実施形態の画像形成装置10について説明する。
図12は、画素クロック生成部1(111)のブロック図の一例である。図12において、画素クロック生成部1(111)は、第1カウンター201、移動平均演算器203、フィルタ204、除算器205、遅延素子206、レジスタ207、デジタルクロック発振器208、比較器209、及び、加算器210を備える。
第1カウンター201は、ポリゴンミラー1面分による主走査1ラインが走査される間隔の第1同期信号の間隔を、第1画素クロックでカウントする。比較器209は、カウントされた値と、ポリゴンミラー1面分におけるNref(ポリゴンミラー1面分の第1画素クロックのカウント値の標準値)とを比較して、その差分を移動平均演算器203に入力する。
ここで、有効走査期間率をER、感光体線速をν、有効書込幅をL、主走査方向の画素密度をρm、副走査方向の画素密度をρs、さらに書込ビーム数をMとすると、
である。
例えば、ポリゴンミラーが4面の場合、移動平均演算器203は、差分値4面分の移動平均を演算する。フィルタ204によって平滑化された差分値4面分の移動平均の演算値は、除算器205にてNrefで除算されて、1画素周期あたりの誤差Δf_nowに換算される。遅延素子206は、制御値となる周波数補正値Δfに1画素周期あたりの誤差Δf_nowを加えて更新し、加算器210は周波数補正値Δfとレジスタ207で設定された初期周波数fclk_iとの加算値を出力し、デジタルクロック発振器208によって第1画素クロックが生成される。
このフィードバック制御によって1画素周期あたりの誤差を所定の範囲内に収める。誤差が所定の範囲内となったときの周波数補正値Δfを、画素クロック生成部2(112)及び画素クロック生成部3(114)に与える。なお、Nrefの値やレジスタ207の初期周波数fclk_iは画像形成装置10の有効走査期間率ERと感光体線速ν、有効書込幅L、主走査方向の画素密度ρm、副走査方向の画素密度ρsと書込ビーム数Mによって決まる。
図13は、画素クロック生成部1(111)の動作を説明するためのタイミングチャートの一例である。図13において、LD光源117から入力された第1同期信号のポリゴンミラー1面分の間隔Tspspは、ポリゴンミラー2104Aの回転速度の変動により変動し誤差を生じる。
制御値としての第1画素クロックの周波数をfclk_wとすると、第1画素クロックの周期は1/ fclk_wとなり、画素クロック生成部1(111)は、第1画素クロックによるカウント値がNrefとなるようにfclk_wを制御する。
このときには、次式が成り立っている。
Tspsp=Nref/fclk_w
一方、画像形成装置10の機種毎に決まっている目標周期をTspsp_target、初期周波数をfclk_iとすると、同様に、
Tspsp_target=Nref/fclk_i
周波数の誤差をΔfとすると、
1/Δf =1/fclk_w −1/fclk_i
ここで、走査速度の誤差による時間誤差Δtは、
Δt=Tspsp−Tspsp_target
=Nref(1/fclk_w−1/fclk_i)
=Nref/Δf
となる。
つまり、ポリゴンミラー1回転分の回転誤差をポリゴンミラーの面間誤差が無かった場合のNref×ポリゴンミラーの面数と比較することで、第1画素クロックの周波数をポリゴンミラーの回転誤差に合わせて補正することが可能である。
さらに、共通のポリゴンミラーを利用して感光体を走査する場合、同様の周波数誤差Δfが第2画素クロック及び、第3画素クロックに生じる。よって、周波数誤差Δfを補正値として第2画素クロック及び、第3画素クロックに与えることでポリゴンミラーの1回転分の回転誤差に合わせて周波数を補正することが可能である。
図14は、疑似同期信号生成部の構成例を示す図の一例である。疑似同期信号生成部113は4つのデジタル制御発振器(DCO)0(301)〜デジタル制御発振器3(304)、カウンター0(311)〜3(314)、OR回路320、及び、マスク信号生成部330を有している。
デジタル制御発振器0(301)〜デジタル制御発振器3(304)は、同一の初期周波数が設定された疑似画素クロック信号を出力する。
マスク信号生成部330は、第1同期信号をマスクし4回に1回アサートする同期マスク信号0〜3を生成する。
カウンター0(311)〜3(314)は、疑似画素クロック信号を計数し、カウント値がNref_psとなったらアサート信号を出力する。カウンター0(311)〜3(314)は同期マスク信号0〜3毎にクリアされる。すなわち、カウンター0(311)〜3(314)は同期マスク信号0〜3を契機にカウントを開始し、同期マスク信号0〜3を契機にクリアされる。
OR回路320は、カウンター0(311)〜3(314)からのアサート信号が1つでもONの場合に、疑似同期信号を出力する。
このような構成によれば、回転速度ムラを補正する周波数補正値によって疑似画素クロックも回転速度ムラが補正されたクロックが生成可能である。また、マスク信号生成部330が同期信号をマスクすることにより、第1同期信号が複数回アサートされても、デジタル制御発振器0(301)〜デジタル制御発振器3(304)が疑似画素クロックを再同期させないので、各々のマスク信号を基準にした時間で疑似同期信号が生成可能となる。
ここで、図15を用いて、被走査面における書き込み開始位置のずれの原因の一例として、ポリゴンミラーの内接円半径の誤差について説明する。
図15はポリゴンミラーの面毎の誤差に関する説明図の一例である。aはあるポリゴンミラーaの面でのポリゴンミラー中心からの距離、bはあるポリゴンミラーの面bでのポリゴンミラー中心からの距離を示す。入射光が同じ位置からであっても、ポリゴンミラーの面の中心からの距離が異なれば、その反射光は異なる位置で反射するため感光体への書き出し位置は異なる。
書き出し位置の誤差を低減するには、画素クロックの計数が開始されたポリゴンミラーの面と同一の面で疑似同期信号を生成するように定めることで、ポリゴンミラー面毎の書込み位置のずれに関する問題は生じない。よって、疑似発生カウント数Nref_psは、計数が開始されたポリゴンミラーの面と同一の面で疑似同期信号が生成されるように定めなければならない。よって、疑似発生カウント数Nref_psは、計数が開始されたポリゴンミラーの面と同一の面が感光体104の走査を開始するまでの回転量をカウント数で表したものである。
なお、疑似発生カウント数Nref_psは、図示しないレジスタ等に保存された値である。この他にもポリゴンミラーのミラー角度誤差等もあるが疑似発生カウント数Nref_psにより補正可能である。
また、走査レンズ101、102の取り付け位置や、曲面の製造誤差など走査光学系毎の誤差によって、感光体103、104の書き出し位置がずれることがある。書き出し位置を検出する方法として、特許文献2に記載されているように、感光体103、104の画像を合成する際に基準となる所定の位置合わせマークを位置あわせセンサに基づいて検知し、位置ズレ量を算出する方法が知られている。よって、疑似発生カウント数Nref_psを位置ズレ量の算出結果に基づいて、走査光学系毎の誤差を補正するように設定することで、これらの誤差要因による書き出し位置のずれを抑制できる。
本実施例(実施例1)において4面のポリゴンミラーを使用した場合、その内の2面を使用して、二つの感光体103、104を走査している。PD110(同期検知センサ)は一つの感光体103にのみ配置されているため、PD110が配置されていない感光体104は、PD110にて計測される第1同期信号に対して所定時間が遅延された疑似同期信号に同期して走査を開始することができる。
図16は、同期マスク信号と疑似画素クロックのタイミングチャート図の一例を示す。
第1同期信号はマスク信号生成部330によってマスクされ、同期マスク信号0〜3として出力される(図では同期マスク信号0,1のみを示した)。同期マスク信号0の場合、第1同期信号を4回に1回だけ通過させることで出力され、同期マスク信号1の場合、同期マスク信号0に対し第1同期信号を1回分ずらして第1同期信号を4回に1回だけ通過させることで出力される。
デジタル制御発振器0(301)〜デジタル制御発振器3(304)は、第1画素クロックと同一の周期で各同期マスク信号に同期して疑似画素クロック0〜3を生成する。なお、同一とは完全に一致することまでは要求されず同一と見なせることを含む。各疑似画素クロック0〜3をもとにカウンター0(311)〜3(314)が動作する。疑似画素クロック0の場合、同期マスク信号0に同期して第1画素クロックと同一の周期で出力される。よって、第1同期信号がマスクされずに次に通過されるまでは同期マスク信号0と同期しない。これにより、第1同期信号が繰り返し出力されても、起点とした第1同期信号と位相同期した疑似同期信号を発生させることができる。すなわち、疑似同期信号が次々と入力される第1同期信号と同期することを防止できる。
図17は疑似同期信号のタイミングチャート図の一例である。図17は、カウンター0〜カウンター2までの3つのカウンターを使用して、4面のポリゴンミラーの対面した2面で二つの感光体103,104を走査する場合を説明している。
図17において、第1同期信号は感光体103の走査に同期して、ポリゴンミラー4面の走査開始時にアサートされる。カウンター0〜2は3面毎に同期マスク信号によって順次リセットされて、各疑似画素クロックのカウントを開始する。
図17において、カウンター0が1面にてリセットされたとすると、その面を使用した感光体104の走査開始タイミングは、2面分以上回転した後にカウンター0の疑似画素クロック信号のカウント数がNref_psに設定された値になるタイミングである。つまり、疑似同期信号が生成されるタイミングはLD光源117が感光体103に書き込みをした時に使用したポリゴンミラー100の面と同一の面でLD光源127が感光体104に書込みをするように生成される。
カウンター0を例にすると、第1同期信号がマスクされずに同期マスク信号0によりリセットされ、カウントを開始したカウント値(counata0)がNref_psaになることで、OR回路320から疑似同期信号が出力される。
疑似同期信号が検出されるタイミングは第1同期信号が検出されたポリゴンミラーと同一の面で検出されることにより、ポリゴンミラー面毎の誤差の影響を受けない。同様にカウンター1、およびカウンター2についても、疑似画素クロック1,2が順次、計数されてポリゴンミラーの各面における疑似同期信号が順次出力される。
第1同期信号を周期的にマスクすることで、基準となる第1同期信号と同期してから疑似同期信号が生成されるまで疑似同期信号を第1同期信号と同期させないことができる。
図18は、画素クロック生成部2(又は画素クロック生成部3)のブロック図の一例である。図18において、画素クロック生成部2(112)は、初期周波数設定器602、加算器603、及び、デジタル制御発振器604を備える。初期周波数設定器602は、画素クロック2の周波数の初期値を保持している。加算器603は、初期周波数に画素クロック生成部1(111)が生成した周波数補正値を加算して、ポリゴンミラー100の回転誤差を補正した周波数設定値をデジタル制御発振器604に与える。
デジタル制御発振器604は第1同期信号に位相同期して、加算器603にて設定された周波数で第2画素クロックを生成する。
画素クロック生成部2(112)は、画素クロック生成部1(111)とは別の初期値を設定することができるので、走査光学系毎の誤差による書き込み終了位置のずれを補正するような初期値の設定が可能となる。LD光源117,127を複数有する場合において、周波数の初期値を別途設定できることは走査光学系毎の誤差を抑制するのに有利となる。
画素クロック生成部3(114)の場合、第1同期信号でなく疑似同期信号がデジタル制御発振器604に入力される。デジタル制御発振器604は疑似同期信号に位相同期して、加算器603にて設定された周波数で第3画素クロックを生成する。
なお、書き込み終了位置を検出する方法として、特許文献2に記載されているような、感光体103、104の画像を合成する際に基準となる所定の位置合わせマークを位置あわせセンサに基づいて検知し、位置ズレ量を算出する方法が知られている。位置ズレ量の算出結果に基づいて、周波数の初期設定値を設定する。なお、書き込み終了位置は経時変化するので、適宜、周波数の初期設定値を設定すると良い。
以上説明したように、本実施例では、第1同期信号を周期的にマスクすることで、基準となる同期信号と同期してから疑似同期信号が生成されるまで同期信号と再同期しないことで、書き込み開始位置のずれを抑制できる。
また、第1画素クロックの周波数をポリゴンミラー100の回転速度ムラに応じて制御し、制御された周波数補正値を元に疑似同期信号を生成することで対向側の光ビームの書き出し位置を一定にする。また、第1同期信号と同一の面で疑似同期信号を生成することにより、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。また、画素クロック生成部毎に初期周波数を個別に設定することにより、走査光学系毎の誤差を補正でき、書込み終了位置の誤差を補正できる。
本実施例では、1つのLD光源117のレーザ光を分割して2つの感光体103,104を走査する画像形成装置10について説明する。
図19は、本発明の実施例2における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。本明細書において、同一の符号を付した構成要素については、同様の機能を果たすので、一度説明した構成要素の説明を省略あるいは相違点についてのみ説明する場合がある。
図19における画像形成装置10は、1つのLD光源117、2つの感光体103,104、1つのPD110(同期検知センサ)を有している。
実施例1と比較して、LD光源117が1つであるため、光束分割素子107によって、レーザ光を分割する。これにより、実施例1でLD光源127で生成していた入射光109を1つのLD光源117で生成可能である。
図19において、画像形成装置10は、多面体からなるポリゴンミラー100、走査レンズ101、102、感光体103、104、入射ミラー105、106、LD光源117、光束分割素子107、PD110、画素クロック生成装置120、変調データ生成部5(129)、及び、第5レーザ駆動部(130)、を備える。
また、画素クロック生成装置120は、画素クロック生成部1(111)、疑似同期信号生成部113、及び、画素クロック生成部4(128)を備える。
また、図11において、第2画素クロックを生成していた画素クロック生成部2(112)、第3画素クロックを生成していた画素クロック生成部3(114)の機能は、図19では、画素クロック生成部4(128)が実現する。このため、画素クロック生成部4(128)は、感光体103と感光体104が走査される期間で第4画素クロックの周波数を切り替える。
また、図11の第1変調データ生成部115、第2変調データ生成部118は、図19では第5変調データ生成部129で実現し、図11の第1レーザ駆動部116、第2レーザ駆動部119の機能は、図19では、第5レーザ駆動部130が実現する。
光源としてのLD光源117が照射したレーザ光は、ハーフミラーを使用した光束分割素子107にて入射光Bk108(第1光ビーム)と入射光Y109(第2光ビーム)とに分割されて、それぞれが入射ミラー105および106にて反射されてポリゴンミラー100の異なった面に入射され、走査レンズ101および102を通して、感光体(Bk)103および感光体(Y)104上を走査する。これにより、感光体103、104上には、LD光源117の出力に応じた静電潜像がそれぞれ形成される。
また感光体103の一端には、PD110が配置されており、ポリゴンミラー100により反射されたレーザ光は感光体103を1ライン主走査する前にPD110に入射され、PD110により走査の開始のタイミングが検出される。PD110によって検出された走査の開始のタイミングは、感光体103の走査に合わせた周期的な第1同期信号として画素クロック生成装置120の画素クロック生成部1(111)、疑似同期信号生成部113、及び、画素クロック生成部4(128)に入力される。
画素クロック生成部1(111)は、第1同期信号を元に第1画素クロックと周波数補正値を生成する。疑似同期信号生成部113は、第1同期信号と周波数補正値を元に疑似同期信号を生成する。画素クロック生成部4(128)は、第1同期信号、疑似同期信号及び周波数補正値とにより第4画素クロックを生成する。
変調データ生成部5(129)は画像データを元に第4画素クロックに同期した変調データを生成して第5レーザ駆動部130に出力し、第5レーザ駆動部130が変調データに応じた出力にてLD光源117を駆動してレーザ光を出力する。
図20は、画素クロック生成部4(128)のブロック図の一例である。画素クロック生成部4(128)は、初期周波数設定器601、602、セレクタ606、加算器603、605、及び、デジタル制御発振器604、を有している。
初期周波数設定器601は、レーザ光が感光体103を走査する場合の第4画素クロックの初期周波数を設定する。初期周波数設定器602はレーザ光が感光体104を走査する場合の画素クロック4の初期周波数を設定する。初期周波数設定器601は、第1初期周波数設定値を保持し、初期周波数設定器602は第2初期周波数設定値を保持する。初期周波数設定器601は第1の設定値保持部の一例であり、初期周波数設定器602は第2の設定値保持部の一例である。
セレクタ606にはside信号が入力される。side信号は、画素クロック生成部4へ入力されたのが第1同期信号か疑似同期信号かに応じてHかLに切り替わる。セレクタ606は周波数読出部の一例である。
加算器603は、セレクタ606で選択された初期周波数設定値のいずれかと画素クロック生成部1にて生成した周波数補正値を加算する。デジタル制御発振器604は、加算された初期周波数設定値と周波数補正値を元に、同期信号に位相同期して第4画素クロックを生成する。以下、詳細に説明する。
図21は、画素クロック生成部4のタイミングチャート図の一例を示す。第1同期信号はPD110が入射光Bk(108)を検出するとアサートされる。疑似同期信号は第1同期信号がアサートされてから実施例1で説明したタイミングでアサートされる。
side信号は疑似同期信号がアサートされるとHレベルとなり、第1同期信号がアサートされるとLレベルとなる。
同期信号は、加算器605が第1同期信号と疑似同期信号を加算した信号である。第1初期周波数設定値ma及び第2初期周波数設定値mbは初期周波数設定器601,602で保持されている値である。
Maは第1初期周波数設定値の値ma又は第2初期周波数設定値の値mbであり、side信号により選択された値である。side信号がLの場合、maが選択され、side信号がHの場合、mbが選択される。
周波数補正値Δmcは、画素クロック生成部1が第1同期信号ごとに出力する。Miは画素クロックの周波数設定値であり、「Ma+周波数補正値Δmc」で定められる。
よって、side信号によって「Mi= ma + Δmc」又は「Mi= mb + Δmc」のいずれかが第4画素クロックの周波数となる。第4画素クロックの周波数は、同期信号により「Mi= ma +Δmc」か「Mi=mb +Δmc」に更新されて、デジタル制御発振器604が同期信号に位相同期して第4画素クロックを出力する。
画素クロック生成部4(128)は、画素クロック生成部1とは別の、初期値(画素クロックの周波数)を設定することができるので、走査光学系毎の誤差に対してそれぞれ初期値の設定が可能となる。
例えば、本実施例(実施例2)で説明する走査光学系を複数有する場合において、周波数の初期値を別途設定できることは走査光学系毎の誤差を抑制するのに有利となり、書込み終了位置の誤差を補正することが可能となる。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1の効果に加え、1つのLD光源117で走査するためコストを低減しつつ、複数の初期周波数を個別に設定できることにより、走査光学系毎の誤差を補正でき書込み終了位置の誤差を補正できる。
画素クロック生成部2,3,5,6に対しポリゴンミラー100が共通で回転ムラは等しいので、画素クロック生成部111を共通化することができ、回路の簡素化を図ることができる。
本実施例では、4つのLD光源117、127、713、1901で4つの感光体103,104、703、704を走査する画像形成装置10について説明する。
図22は、本発明の実施例3における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。図22における画像形成装置10は、書き込みLD光源が4つ、感光体が4つ、及び、PDが2つの場合を例示している。
図22において、画像形成装置10は、図11で説明した実施例1における画像形成装置10に対して、感光体703、704、入射ミラー705、706、PD707、第3レーザ駆動部1915、第4レーザ駆動部1909、及び、LD光源713、1901が光学系として増設されている。また、画素クロック生成装置120は、第2疑似同期信号生成部1902、画素クロック生成部5(1910)、第3変調データ生成部1913、画素クロック生成部6(1904)、及び、第4変調データ生成部1907が増設されている。
なお、本実施例(実施例3)における、画素クロック生成部2(112)、画素クロック生成部3(114)、第1変調データ生成部115、第2変調データ生成部118、第1レーザ駆動部116及び第2レーザ駆動部119は、実施例1で説明した図11における同じ符号の構成要素と同様の構成である。また、画素クロック生成部5(1910)及び画素クロック生成部6(1904)は、画素クロック生成部2(112)及び画素クロック生成部3(114)と同様の構成である。第3変調データ生成部1913及び第4変調データ生成部1907は、第1変調データ生成部115及び第2変調データ生成部118と同様の構成である。さらに、第3レーザ駆動部1915及び第4レーザ駆動部1909は、第1レーザ駆動部116及び第2レーザ駆動部119と同様の構成である。
第2疑似同期信号生成部1902の構成は疑似同期信号生成部113と同様であり、疑似画素クロック(第2クロック)を生成するデジタル制御発振器311〜314(第2クロック生成部)を有している。
図23は、本実施例(実施例3)における疑似同期信号生成部のタイミングチャートの一例である。図23は、図17で説明した実施例1におけるタイミングチャートに対して、LD光源117とLD光源713にそれぞれ対応して、PD110からの第1同期信号、PD707からの第2同期信号が入力されて、それぞれが、カウンターa0〜a2とb0〜b2、および比較器a0〜a2とb0〜b2にて処理されて、第1疑似同期信号および第2疑似同期信号が発生される。その他の動作については、図17のタイミングチャートにおける動作とほぼ同じである。PD707は第2同期信号発生部の一例である。
図23において、第1疑似同期信号は、LD光源117が感光体103を走査したときのポリゴンミラー100と同一の面で感光体104を走査するタイミングで生成され、第2疑似同期信号はLD光源713が感光体703を走査したときのポリゴンミラー100と同一の面で感光体704を走査するタイミングで生成される。
本実施例(実施例3)では、光走査装置が2つになっても実施例1と同様の効果を得られる。すなわち、第1同期信号と第2同期信号を周期的にマスクすることで、基準となる第1同期信号又は第2同期信号と同期してから第1疑似同期信号と第2疑似同期信号が生成されるまで第1同期信号又は第2同期信号と再同期しないことで、書き込み開始位置のずれを抑制できる。
第1画素クロックの周波数をポリゴンミラーの回転速度ムラに応じて制御し、制御された第1画素クロックを元に疑似同期信号を生成することで対向側の光ビームの書き出し位置を一定にする。
また、第1同期信号と同一の面で第1疑似同期信号を生成することにより、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。同様に第2同期信号と同一の面で第2疑似同期信号を生成することにより、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。また、LD毎に初期周波数を個別に設定できることにより、走査光学系毎の誤差を補正でき、感光体の数が実施例1と比べて増えた場合であっても、書込み終了位置の誤差を補正できる。
本実施例では、2つのLD光源で4つの感光体を走査する画像形成装置10について説明する。
図24は、本発明の実施例4における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。図24の画像形成装置10は、2つのLD光源117、713、4つの感光体103,104,703、704、及び、2つのPD110、707を有している。
画像形成装置10は、実施例2の図19で説明した画像形成装置10に対して、感光体703、704、入射ミラー705、706、及び、LD光源713を光学系として有している。
図24ではLD光源713とLD光源117は、離れた位置に描かれているが、実際の光学系ではLD光源117の副走査方向に離れた位置にLD光源713は置かれる。
また、入射光M(714)と入射光Bk(108)は共通の走査レンズ101を、入射光Y(109)と入射光C(715)は共通の走査レンズ102を通る。
また、画素クロック生成装置120は、実施例2の図19で説明した画像形成装置10に対して、第2疑似同期信号生成部1902、画素クロック生成部7(710)、第6変調データ生成部711、及び、第6レーザ駆動部712、を有している。
LD光源117が照射したレーザ光は光束分割素子107で入射光Bkと入射光Yに分割される。入射光Bkは入射ミラー105により反射された後、ポリゴンミラー100で感光体103を走査する。走査の前に入射光BkはPD110に検出される。入射光Yは入射ミラー106により反射された後、ポリゴンミラー100で感光体104を走査する。
LD光源713が照射したレーザ光は光束分割素子107で入射光Mと入射光Cに分割される。入射光Mは入射ミラー705により反射された後、ポリゴンミラー100で感光体703を走査する。走査の前に入射光MはPD707に検出される。入射光Cは入射ミラー706により反射された後、ポリゴンミラー100で感光体704を走査する。
PD110は入射光Bkを検出して第1同期信号を出力する。PD707は入射光Mを検出して第2同期信号を出力する。
第1同期信号は、実施例2と同様に、画素クロック生成部1、疑似同期信号生成部113、画素クロック生成部4(128)に入力される。第2同期信号は、画素クロック生成部7、及び、第2疑似同期信号生成部1902に入力される。
本実施例(実施例4)における画像形成装置10は、実施例2と同様の動作を行う。画素クロック生成部7は画素クロック生成部4と同様の構成であり、第6変調データ生成部711は第5変調データ生成部129と同様の構成である。
しかし、画素クロック生成部4及び画素クロック生成部7に対して初期周波数設定をそれぞれ行うので、走査光学系毎の誤差を補正することができる。画素クロック生成部7は、第3初期周波数と第4初期周波数の設定部を有している。
画素クロック生成部4(128)及び画素クロック生成部7(710)は、実施例1の図18で示した構成を有する。画素クロック生成部4(128)は入射光Bk108と入射光Y109の基準クロックである第4画素クロックを生成し、画素クロック生成部7は入射光M(714)と入射光C(715)の基準クロックである第5画素クロックを生成する。画素クロック生成部4(128)及び画素クロック生成部7(710)はポリゴンミラー100が共通で回転ムラは等しいので、画素クロック生成部111を共通化することができ、回路の簡素化を図ることができる。
また、本実施例(実施例4)では、実施例1の効果に加え、第1画素クロックの周波数をポリゴンミラー100の回転速度ムラに応じて制御し、制御された第1画素クロックを元に疑似同期信号を生成することで対向側の光ビームの書き出し位置を一定にする。
また、第1同期信号と同一の面で第1疑似同期信号を生成することでポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。同様に第2同期信号と同一の面で第2疑似同期信号を生成することで、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。また1つのLD光源に複数の初期周波数を個別に設定できることにより、走査光学系毎の誤差を補正でき、感光体の数が実施例2と比べて増えた場合であっても、書込み終了位置の誤差を補正できる。
本実施例では、2つのLD光源で4つの感光体を操作する画像形成装置10において1つのPDで検出した第1同期信号から第1同期信号AとBを取り出す画像形成装置10について説明する。
図25は、本発明の実施例5における画像形成装置10の全体構成図の一例を示す図である。図25の画像形成装置10は、2つのLD光源117、713、4つの感光体103,104,703、704、及び、1つのPD707を有している。
図25において画像形成装置10は、図24で説明した画像形成装置10に対し、PD110を備えない一方、セレクタ1001を有している。
セレクタ1001は、同期選択信号により第1同期信号を第1同期信号Aと第1同期信号Bとして出力する。なお、同期選択信号は、CPU等、より上位の制御部から与えられる。
第1同期信号Aは、実施例2と同様に、画素クロック生成部1、疑似同期信号生成部113、画素クロック生成部4(128)に入力される。第1同期信号Bは、画素クロック生成部7、及び、疑似同期信号生成部1902に入力される。
図26は、PD707が検出した第1同期信号を第1同期信号Aと第2同期信号Bに分離するタイミングチャートを示す。PD707により検出された第1同期信号はCPU等、より上位の制御部から与えられる同期選択信号により、第1同期信号A又は第1同期信号Bに振り分けられる。
図26では、同期選択信号がLの場合は、セレクタ1001により第1同期信号Aに分離され、Hの場合は第1同期信号Bに分離される。同期選択信号により、PD707がLD光源117,713に共通であっても、第1同期信号A及び第1同期信号Bに分離が可能となる。
図27は、本実施例における疑似同期信号生成部のタイミングチャート図の一例である。図27では、図23のタイミングチャート図に対し、第1同期信号から第1同期信号Aと第1同期信号Bが得られている。なお、2面、3面では図を見やすくするため第1同期信号Bは省略されている。
PD707とセレクタ1001により第1同期信号A,Bがそれぞれ検出される。第1同期信号Aによりカウンターa0〜a2がリセットされ、第1同期信号Bによりカウンターb0〜b2がリセットされる。
カウンターa0のカウント値がNref_psaになると、疑似同期信号1が発生する。同様に、カウンターb0のカウント値がNref_psbになると、疑似同期信号2が発生する。以降は、ポリゴンミラー100の面が切り替わり、第1同期信号が発生するごとに、疑似同期信号1,2が発生する。
疑似同期信号1はLD光源117が感光体103を走査したときのポリゴンミラー100と同一の面で感光体104を走査するタイミングで生成され、疑似同期信号2はLD光源713が感光体703を走査したときのポリゴンミラー100と同一の面で感光体704を走査するタイミングで生成される。
したがって、本実施例では、実施例1の効果に加え、PD707が2つのLD光源117,713に共通であっても、第1同期信号A及び第1同期信号Bに分離可能となる。本実施例では、PD707を共通化することにより、実施例4より画像形成装置10を小型化可能である。
また、第1同期信号Aと同一の面で第1疑似同期信号を生成することにより、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。同様に第1同期信号Bと同一の面で第2疑似同期信号を生成することにより、ポリゴンミラーの面毎の誤差を無視できる。また1つのLD光源117、713で複数の初期周波数を個別に設定できることにより、走査光学系毎の誤差を補正でき、感光体の数が実施例1と比べて増えた場合であっても、書込み終了位置の誤差を補正できる。