JP2016008726A - ヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一対のプレート1をプレス成形により同一形状に形成し、各プレート1を断面L字状に曲折するとともに、その長手方向の両端部で厚み方向の外方へ拡開された拡開部2が形成され、各プレート1の底部1aが対向するように互いに逆向きに配置されるとともに、各プレート1に形成された当接面3aと対向するプレート1の被当接面4とが互いに当接されてろう付け固定されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、図7に示す如く、一対の第1プレート21と第2プレート22が溝形に曲折され、それらの溝底部21a、22aが互いに対向するように嵌着されて偏平チューブ8が形成される。この第1プレート21は、一対の側壁部21bの先端部が内側に段付きに形成され、そこに段部21cが形成されている。その段部21cに、第2プレート22の側壁部22bの先端部が嵌着される。また、その偏平チューブ8の両開口端部を厚み方向に拡開して拡開部23が形成されている。
このディンプル6の高さは拡開部23の拡開高さに整合する。
この偏平チューブ8を拡開部23の位置で厚み方向に多数積層し、熱交換器のコア10を構成する。そして、そのコア10の外周にケーシングやタンク等のコア被嵌部材11を被嵌して熱交換器が製造される。
この熱交換器は、拡開部23の位置で厚み方向へ積層しているため、ヘッダプレートが不要であり、部品点数が少なく、組み立て容易である特徴がある。
即ち、ろう付けの際には、各偏平チューブ8の厚み方向に外力を加えて各プレート21、22の間を密着する必要がある。すると、図8に示す如く、拡開部23において、第2プレート22の側壁部22bの端面が、段部21cから滑落しやすい傾向にある。これは、その拡開部23にはインナーフィン7が介在せず、内部が空洞だからである。なお、拡開部23以外にはインナーフィン7が介装され、それが外力を支持している。
また、このような偏平チューブ8を構成する一対のプレート21、22は互いに形状が異なるため、その品質管理が容易でない欠点があった。さらに、溝形プレートを嵌め合いにより嵌着させる場合、それらの組み付けが煩わしい欠点がある。
そこで、本発明は一対のプレートの品質管理および組み付けがしやすく、偏平チューブの厚み方向に外力が加わっても、偏平チューブの側壁端部にずれを生じ難いヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブを提供することを課題とする。
各プレート(1)は、底部(1a)と、その一側に設けた側壁部(1b)とにより断面L字状に曲折されると共に、各プレート(1)の長手方向の両端部で、その底部(1a)および側壁部(1b)が、厚み方向の外方へ拡開されて、拡開底部(2a)および拡開側壁部(2b)を有する拡開部(2)が形成され、
前記側壁部(1b)の先端縁が、底部(1a)に平行に内方へ曲折された当接面(3a)を形成し、
前記底部(1a)の幅方向の先端縁に、前記当接面(3a)に整合する被当接面(4)が形成され、
被当接面(4)の長手方向の少なくとも一部は、その底部(1a)の外面より僅かに凹陥して幅方向のズレを防止する段部(4b)が形成されると共に、その段部(4b)に整合する凸部(3b)が前記当接面(3a)に形成され、
各プレート(1)の底部(1a)が対向するように互いに逆向きに配置されるとともに、各プレート(1)の前記当接面(3a)が、対向するプレート(1)の前記被当接面(4)に当接されてろう付け固定されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
前記当接面(3a)には、前記凸部(3b)に対して凹陥した凹陥面(3d)をその長手方向に有し、その凹陥面(3d)に整合する凸面 (4d)が前記被当接面(4)に設けられ、その凹陥面(3d)と凸面 (4d)とにより、長手方向のずれを防止するヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
前記一対のプレート(1)の間にインナーフィン(7)が介装され、
各プレート(1)の当接面(3a)の先端縁および/または被当接面(4)の段部(4a)が前記インナーフィン(7)の幅方向の両端部に当接し、そのインナーフィン(7)の幅方向を位置決めすることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
また、水平な面においてろう付けが行われるため、ろう付けの信頼性が向上する。
図1〜図4は、本発明のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブの実施例を示すものであり、図5、図6は、その偏平チューブを用いたコアの要部の説明図である。なお、説明の都合上、図1において、プレート1の横方向(左右方向)を幅方向とし、それに直交する奥行き方向を長手方向とする。
本願の偏平チューブ8は、プレス成形により同一形状に形成される一対のプレート1の嵌着体からなる。
図1に示す如く、各プレート1は断面L字状に曲折され、底部1aと側壁部1bとを有する。そして、各プレート1の長手方向の両端部には、底部1aの外方向に拡開する拡開部2が形成される。この拡開部2は、拡開底部2aと、拡開側壁部2bとからなる。
また、底部1a及び拡開底部2aの先端縁には、帯状の被当接面4が形成される。この被当接面4は、当接面3aに整合する。そして、この被当接面4の長手方向の中間部は、底部1aの外面より僅かに凹陥する段部4bが形成されている。そして、段部4bの長手方向の両側には凸面4dが形成されている。
即ち、図4に示す如く、段部4bが底部1aの外面より僅かに厚み方向に突出して、そこに凸部3bが嵌入して、幅方向の位置決め部5が形成される。
このように形成された一対の同形状のプレート1は、図1に示す如く、それらの底部1aを対向するように互いに逆向きに配置され、インナーフィン7を介装した状態で、偏平チューブ8を構成する。
図2〜図4は、各部(拡開部2は図2、段部4aは図3、長手方向の中間位置の段部4bは図4)における当接面3a、3cと被当接面4、4cとの接触の状態を示している。
図4に示す断面の左側では、上側のプレート1の凸部3bの下面が、下側のプレート1の段部4bの上面に接触するとともに、凸部3bの先端面が位置決め部5に当接され、各プレート1の側壁部1bが幅方向に位置ずれしないように構成されている。
これに対して、従来のように、各プレートどうしが垂直な面で接触してろう付けされると、重力方向にろう材が漏れ出すおそれがある。
図3において、偏平チューブ8の組立ての際、先ず、下面を構成するプレート1が配置され、それにインナーフィン7が載置される。この時、インナーフィン7の幅方向の一方の下縁(左側)が、そのプレート1の段部4aに当接するとともに、他方の上端縁(右側)が、当接面3aの先端面に当接する。そのため、インナーフィン7の幅方向両側縁の仮位置決めが可能となる。その後、上側のプレート1が被嵌される。その時、インナーフィン7の上端縁はその上面側のプレート1の段部4aにより、さらに幅方向が位置決めされる。
このようにしてなる偏平チューブ8が、拡開部4とディンプル6の頂部により、多数厚み方向に積層され、図5、図6のごとく熱交換器のコア10を構成する。そして、そのコア10の外周にコア被嵌部材11が被嵌される。
一例として、このコア被嵌部材11がケーシングの場合、そのケーシングは、一対の溝状材で形成することができ、積層方向の中間部で互いに嵌着することができる。ケーシングの側壁部には、図示しない一対の冷却水出入口が穿設され、そこにパイプが接続される。また、コア10の開口方向の両端には一対のタンクが配置される。
コア被嵌部材11はこの例ではケーシングとして説明したが、これに替えて、先ずコア10の開口端をタンクで被嵌し、次にコアとタンクの外周をケーシングで被嵌することもできる。
図5および図6に示すごとく、側壁部1bおよび拡開側壁部2bの平面でコア被嵌部材11の内面と接触するので、信頼性の高いろう付けが実現される。
さらに、図6に示す如く、拡開底部2aも被当接面4cまで平坦に形成されており、その端面は角が切出され、対向するプレート1の拡開側壁部2bの外面に面一に整合している。そして、その端面がコア被嵌部材11の内面に当接される。
そのため、コア被嵌部材11と偏平チューブ8との隙間を、従来図の図8の隙間の半分にすることができる。即ち、ろう付けの際に、偏平チューブ8のコーナー部9により生じる隙間をろう材で容易に閉塞することができる。そして、ろう付けの際のろう切れに伴う、漏れが起こり難い、信頼性の高いヘッダプレートレス型熱交換器を提供できる。
1a 底部
1b 側壁部
2 拡開部
2a 拡開底部
2b 拡開側壁部
3a 当接面
3b 凸部
3c 当接面
3d 凹陥面
4a 段部
4b 段部
4c 被当接面
4d 凸面
5 位置決め部
7 インナーフィン
8 偏平チューブ
9 コーナー部
10 コア
11 コア被嵌部材
21a 溝底部
21b 側壁部
21c 段部
22 第2プレート
22a 溝底部
22b 側壁部
23 拡開部
Claims (3)
- 一対のプレート(1)がプレス成形により同一形状に形成され、
各プレート(1)は、底部(1a)と、その一側に設けた側壁部(1b)とにより断面L字状に曲折されると共に、各プレート(1)の長手方向の両端部で、その底部(1a)および側壁部(1b)が、厚み方向の外方へ拡開されて、拡開底部(2a)および拡開側壁部(2b)を有する拡開部(2)が形成され、
前記側壁部(1b)の先端縁が、底部(1a)に平行に内方へ曲折された当接面(3a)を形成し、
前記底部(1a)の幅方向の先端縁に、前記当接面(3a)に整合する被当接面(4)が形成され、
被当接面(4)の長手方向の少なくとも一部は、その底部(1a)の外面より僅かに凹陥して幅方向のズレを防止する段部(4b)が形成されると共に、その段部(4b)に整合する凸部(3b)が前記当接面(3a)に形成され、
各プレート(1)の底部(1a)が対向するように互いに逆向きに配置されるとともに、各プレート(1)の前記当接面(3a)が、対向するプレート(1)の前記被当接面(4)に当接されてろう付け固定されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1に記載のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記当接面(3a)には、前記凸部(3b)に対して凹陥した凹陥面(3d)をその長手方向に有し、その凹陥面(3d)に整合する凸面 (4d)が前記被当接面(4)に設けられ、その凹陥面(3d)と凸面 (4d)とにより、長手方向のずれを防止するヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1に記載のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(1)の間にインナーフィン(7)が介装され、
各プレート(1)の前記当接面(3a)の先端縁および/または前記被当接面(4)の段部(4a)が前記インナーフィン(7)の幅方向の両端部に当接し、そのインナーフィン(7)の幅方向を位置決めすることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。
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