JP2016001071A - ヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、図8に示す如く、一対の第1プレート21と第2プレート22が溝形に曲折され、その溝底21a、22aが互いに対向するように嵌着されて偏平チューブ8が形成される。この第1プレート21は、一対の側壁21bの先端部が内側に段付きに形成され、そこに段部21cが形成されている。その段部21cに、第2プレート22の側壁部22bの先端部が嵌着される。また、その偏平チューブ8の両開口端部を厚み方向に拡開して拡開部23が形成されている。
このディンプル6の高さは拡開部23の拡開高さに整合する。
この偏平チューブ8を拡開部23の位置で厚み方向に多数積層し、熱交換器のコア10を構成する。そして、そのコア10の外周にケーシングやタンク等のコア被嵌部材11を被嵌して熱交換器が製造される。
この熱交換器は、拡開部23の位置で厚み方向へ積層しているため、ヘッダプレートが不要であり、部品点数が少なく、組み立てが容易となる。
即ち、ろう付けの際には、各偏平チューブ8の厚み方向に外力を加えて各プレート21、22の間を密着する必要がある。すると、図9に示す如く、拡開部23において、第2プレート22の側壁22bの端面が、段部21cから滑落しやすい傾向にある。これは、その拡開部23にはインナーフィン7が介在せず、内部が空洞だからである。なお、拡開部23以外にはインナーフィン7が介装され、それが外力を支持している。
さらに、このような偏平チューブ8を構成する一対のプレート21、22は互いに形状が異なるため、その品質管理が容易でない欠点があった。
そこで、本発明は品質管理がしやすく、厚み方向に外力が加わっても、偏平チューブの側壁端部にずれが生じず、コーナー部に隙間が生じ難く、ろう付け性の良いヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブを提供することを課題とする。
前記一対のプレートの溝底部が対向するように互いに逆向きに嵌着される偏平チューブを形成し、
その偏平チューブの両開口端部が溝底方向の外方へ拡開されて拡開部を形成するヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(1)が同一形状に形成され、
その各プレート(1)の両側壁(1b)(1c)には、前記拡開部(2)の位置にそれぞれ高さ方向に拡開する拡開側壁部(2b)(2c)が形成され、
各プレート(1)の一方の拡開側壁部(2b)の高さが、他方の拡開側壁部(2c)の高さよりも板厚分低く形成され、
その一方の拡開側壁部(2b)の先端に爪(3)が突設され、
前記他方の拡開側壁部(2c)に隣接する拡開溝底部(2a)の位置で、前記爪(3)に整合する、切欠き部(4)が形成され、
各プレート(1)の前記一方の拡開側壁部(2b)の先端面が、対向するプレート(1)の前記拡開溝底部(2a)に当接されるとともに、前記爪(3)が対向するプレート(1)の前記切欠き部(4)に係合されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
前記一対のプレート(1)を嵌着したときに、各プレート(1)の前記爪(3)の先端面が、対向するプレート(1)の拡開溝底部(2a)の外面と面一に成形されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
前記一対のプレート(1)の切欠き部(4)に隣接する位置で、前記他方の拡開側壁部(2c)に、予め平面視で、偏平チューブ8の開口端部の位置からL字状に欠切して、そこに舌片部(5)を形成しおき、前記プレス成形で溝形に曲折することにより、
前記舌片部(5)の端面を前記拡開溝底部(2a)の外面に面一に整合させたことを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
前記舌片部(5)の長さが前記切欠き部(4)の切欠き長さに整合することを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブである。
即ち、一方の拡開側壁部2bの外面と他方の拡開側壁部2cの内面とが接触して嵌着される際、その側壁部での厚みが偏平チューブの板厚の和となる。このため、ろう付けの際、コア10に外圧がかけられても拡開側壁部2b、2cで圧力を支持することができ、信頼性の高い偏平チューブを提供できる。
さらに、偏平チューブ8の外側に位置する拡開側壁部2cの先端を平坦にできるので、その偏平チューブ8が積層されたコア10の外周をコア被嵌部材11で被嵌したときに、拡開部の位置で、コア10とコア被嵌部材11との間に生じる隙間を減少させることができる。それにより、ろう漏れのおそれを軽減することができ、信頼性の高いものとなる。
この場合、各プレート1の爪3の先端面と拡開溝底部2aの外面とが面一に形成されるため、さらにろう付けの信頼性を向上することができる。
この場合、一対のプレート1の嵌着体からなる偏平チューブ8のコーナー部9に形成された舌片部5の位置で直角が切り出されるため、偏平チューブ8の外側に位置する拡開側壁部2cは、舌片部5の位置ではコーナー部9に曲折による曲面が形成されない。
その状態で、各偏平チューブ8を積層しコア10を形成すると、その外周は拡開部2の舌片部5の位置で隙間のない平坦な面が形成される。
その結果、コア10の外周がコア被嵌部材11により被嵌されて一体にろう付けされると、拡開側壁部2cとコア被嵌部材11の間は舌片部5の位置で隙間なく密着し、コア10のコーナー部9での気密性、液密性を確保することができる。
この場合、プレート1を曲折して溝形に形成する際、切欠き部4に隣接する前記他方の拡開側壁部2cに歪みが生じ難く、爪3を欠切き部4に係合しやすい状態にすることができる。
図1に示すごとく、一対のプレート1がプレス成形により同一形状に形成され、互いにその溝底部1aが対向されるように逆向きに嵌着して偏平チューブ8が形成されるものである。
このプレート1は、互いに対向する一対の側壁部1b、1cを有する偏平な溝形に曲折される。この側壁部1b、1cは平坦な面で形成されており、段部を有さない。また、偏平チューブ8の両開口端部の位置で、各プレート1の溝底部1aの厚み方向に拡開する拡開部2が形成される。
そして、各プレート1の両拡開部2以外の中間部分の溝底部1aには、多数のディンプル6が突設形成されている。このディンプル6の高さは、各プレート1の拡開部2の拡開高さと同一である。
また、プレート1の一方の拡開側壁部2bの先端面で、且つ偏平チューブ8の開口端部の位置に爪3が突設されている。さらに、他方の拡開側壁部2cに隣接する拡開溝底部2aの位置に爪3が係合される切欠き部4が形成されている。この切欠き部4は、図1に示す如く、偏平チューブ8の開口端部の位置から拡開側壁部2cに沿って平行に形成され、平面視でコ字状に切り欠かれている。その切欠き部4の長さは、拡開部2の幅方向の付根部に達しない程度に形成される。
なお、この切欠き部4及び爪3は、この例では、図1及び図5に示す如く、偏平チューブ8の両方の開口端部に形成されているが、偏平チューブ8の一方の開口端部のみに形成してもよい。
爪3の突出高さは、ブレージングされたろう材等の厚みを考慮して適宜設定するとよい。それにより、一方のプレート1の爪3が対向するプレート1の切欠き部4に係合したとき、その爪3の先端面が対向するプレート1の拡開溝底部2aの外面に面一に整合するようにする。爪3の長さは、切欠き部4の長さに整合する。
ケーシングの側壁部には、図示しない一対の冷却水出入口が穿設され、そこにパイプが接続される。また、コア10の開口方向の両端には一対のタンクが配置される。
図3および図4に示すごとく、一方のプレート1の拡開側壁部2bの先端面が、対向するプレート1の拡開溝底部2aに当接されるとともに、その爪3が対向するプレートの切欠き部4に係合される。
そして、一方の拡開側壁部2bの外面と他方の拡開側壁部2cの内面とが密接して嵌着される際、それらの側壁部での厚みが偏平チューブの板厚の和となる。
さらに、側壁部1b、1cおよび拡開側壁部2b、2cは段部を有するものではないので、図9に示すような滑落は生じず、信頼性の高いろう付けが実現される。
また、コア被嵌部材11に接触する拡開側壁部2cの先端は、図6に示す如く、コーナー部の上下方向の一方が平坦に形成されているため、拡開部2の位置で、コア被嵌部材11と偏平チューブ8との隙間を従来図の図9の隙間の半分にすることができる。即ち、ろう付けの際、ろう材が流れ出る隙間を減少させることができるので、ろう付けの信頼性が向上する。
拡開側壁部2b、2c以外の側壁部1b、1cについては、一対のプレート1が互いに側壁部で接触して、嵌着されていればよく、側壁部1bの先端面が対向するプレート1の溝底部1aに当接しなくともよい。その理由は、偏平チューブ8の内部に介装されるインナーフィン7により、ろう付け時の圧力を支持することができるからである。
また、コア被嵌部材11はこの例ではケーシングで説明したが、これに替えて、コア10の開口端をタンクで被嵌し、それらをケーシングで被嵌することも可能である。
この例が、第1実施例と異なる点は、図7に示す如く、切欠き部4に隣接した拡開側壁部2cのコーナー部9に予め舌片部5を設けることにある。
プレート1の切欠き部4に隣接する位置で、他方の拡開側壁部2cの位置に予め平面視で、偏平チューブ8の開口端部の位置からL字状に欠切して、そこに舌片部5を形成しておく。そして、プレート1をプレス成形で溝形に曲折することにより、その舌片部5の端面はそのプレート1の拡開溝底部2aの外面に面一に整合する。
この例では、舌片部5の長さと切欠き部4の切欠き長さが、整合するように形成されている。
その状態で、偏平チューブ8を積層しコア10を形成すると、その外周には拡開部2の舌片部5の位置で隙間のない平坦な壁面が形成される。
その結果、コア10の外周がコア被嵌部材11により被嵌されて、一体にろう付けされると、偏平チューブ8の外側に位置する拡開側壁部2cとコア被嵌部材11の間は隙間なく密着し、気密性、液密性を確保することができる。
また、このように舌片部5を形成しておくと、プレート1を曲折する際、切欠き部4に隣接する拡開側壁部2cのコーナー部9に歪みが生じ難く、爪3を欠切き部4に係合しやすい状態にすることができる。
1a 溝底部
1b 側壁部
1c 側壁部
2 拡開部
2a 拡開溝底部
2b 拡開側壁部
2c 拡開側壁部
3 爪
4 切欠き部
5 舌片部
7 インナーフィン
8 偏平チューブ
9 コーナー部
10 コア
11 コア被嵌部材
21a 溝底部
21b 側壁部
21c 段部
22 第2プレート
22a 溝底部
22b 側壁部
23 拡開部
Claims (4)
- 一対のプレートが、プレス成形により曲折されて、それぞれ溝底部と一対の側壁部を有する溝形に形成され、
前記一対のプレートの溝底部が対向するように互いに逆向きに嵌着される偏平チューブを形成し、
その偏平チューブの両開口端部が溝底方向の外方へ拡開されて拡開部を形成するヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(1)が同一形状に形成され、
その各プレート(1)の両側壁(1b)(1c)には、前記拡開部(2)の位置にそれぞれ高さ方向に拡開する拡開側壁部(2b)(2c)が形成され、
各プレート(1)の一方の拡開側壁部(2b)の高さが、他方の拡開側壁部(2c)の高さよりも板厚分低く形成され、
その一方の拡開側壁部(2b)の先端に爪(3)が突設され、
前記他方の拡開側壁部(2c)に隣接する拡開溝底部(2a)の位置で、前記爪(3)に整合する、切欠き部(4)が形成され、
各プレート(1)の前記一方の拡開側壁部(2b)の先端面が、対向するプレート(1)の前記拡開溝底部(2a)に当接されるとともに、前記爪(3)が対向するプレート(1)の前記切欠き部(4)に係合されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1に記載のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(1)を嵌着したときに、各プレート(1)の前記爪(3)の先端面が、対向するプレート(1)の拡開溝底部(2a)の外面と面一に成形されることを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(1)の切欠き部(4)に隣接する位置で、前記他方の拡開側壁部(2c)に、予め平面視で、偏平チューブ8の開口端部の位置からL字状に欠切して、そこに舌片部(5)を形成しおき、前記プレス成形で溝形に曲折することにより、
前記舌片部(5)の端面を前記拡開溝底部(2a)の外面に面一に整合させたことを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項3に記載のヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記舌片部(5)の長さが前記切欠き部(4)の切欠き長さに整合することを特徴とするヘッダプレートレス熱交換器用偏平チューブ。
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WO2020244446A1 (zh) * | 2019-06-03 | 2020-12-10 | 浙江盾安人工环境股份有限公司 | 扁管及换热器 |
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