JP5792591B2 - ヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブ - Google Patents
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Description
これは、一対の溝型プレートを互いに逆向きに嵌着して、偏平チューブを構成し、その両端開口部を厚み方向に拡開したものである。このような偏平チューブを厚み方向に多数積層し、熱交換器コアを構成する。そして、コアの外周に横断面方形のケーシングを被嵌するとともに、コアの長手方向両端にヘッダを被嵌したものである。なお、偏平チューブには通常インナーフィンが介装される。このようなコアは、偏平チューブの長手方向両端部の外面どうしが互いに接触し、その中間部には隙間が形成され、その各隙間に冷却水が流通する。そして、チューブ内には高温の排ガスが流通し、それと冷却水とが熱交換して排ガスを冷却するものである。
そこで本発明は、かかる欠点を取除き、組立て容易で、且つヘッダープレートレスの機能を損なわない、偏平チューブを提供することを課題とする。
両プレート(1)(2)の溝底を対向させ、第1プレート(1)の側壁(1a)の外面に第2プレート(2)の側壁(2a)内面が嵌着されて偏平チューブ(4)を構成し、
多数の前記偏平チューブ(4)がその膨出部(3)で厚み方向に互いに接触するように積層されてコア(5)を構成し、
そのコア(5)の外周にケーシング(6)が被嵌されて、少なくとも、各偏平チューブ(4)の長手方向の両端部でそのケーシング(6)の平坦な面と各偏平チューブ(4)とが気密に接合されたヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブにおいて、
各プレート(1)(2)の膨出部(3)の両側壁に、その底面と直交する断面コ字状の垂直壁部(1b)(2b)が形成され、その膨出部(3)以外では、各プレート(1)(2)の両側壁(1a)(2a)の断面が外側に湾曲する湾曲壁部(7)を形成し、
第1プレート(1)の前記垂直壁部(1b)は、その高さ方向の中間で、その肉厚分だけ内側に段付きに形成された段付き端部(8)を有し、その各段付き端部(8)の先端縁に内側に曲折する一対の第1案内面(9)が形成され、その両第1案内面(9)の外面側の先端間の距離Dと、第2プレート(2)の両垂直壁部(2b)の内面側の先端間の距離Eとが、
E>Dであり、
第1プレート(1)の両湾曲壁部(7)には、その先端縁が内側に曲折する第2案内面(10)を有し、その両第2案内面(10)の外面側の先端間の距離(B)と、第2プレート(2)の湾曲壁部(7)の内面側の先端間の距離(A)と、第2プレート(2)の両湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の内面間の距離(C)が、
A>B,C>Aであり、
第1プレート(1)の第1案内面(9)の先端は、第2プレート(2)の垂直壁部(2b)の根元に当接し、
さらに、嵌着後、両プレート(1)(2)の湾曲壁部(7)の弾性により、それらが圧着されるように、前記第2プレート(2)の湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の内面間の距離(C)は、その自由状態で、第1プレート(1)の湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の外面間の距離(G)より僅かに小に形成されることを特徴とするヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブである。
各プレート(1)(2)の各垂直壁部(1b)(2b)とそれらの各湾曲壁部(7)との境に、その高さ方向に欠切部(16)(17)を設け、両欠切部(16)(17)が重ならないように、各プレート(1)(2)の長手方向の先端からそれらの欠切部(16)(17)までの距離を互いに異ならせ、
第2プレート(2)の垂直壁部(2b)の先端が、第1プレートの垂直壁部(1b)の段付き部(8)の根元に当接するヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブである。
さらに、第2プレート2の湾曲壁部7の高さ方向の中間位置の内面間の距離(C)が、その自由状態で、第1プレート1の湾曲壁部7の高さ方向の中間位置の外面間の距離(G)より僅かに小に形成されることに基づく。
また、第1プレート1の第1案内面9の先端は、第2プレート2の垂直壁部2bの根元に当接するから、その当接により各偏平チューブの両端が積層されても、その高さ寸法が特定され、精度の高いコアを形成できる。
本発明のヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブは、一対の第1プレート1と第2プレート2とインナーフィン11とを有する。
第1プレート1および第2プレート2は、それぞれ金属板を偏平な溝形にプレス成形するともに、その長手方向の両端に厚み方向に膨出した膨出部3を形成する。両第1プレート1、2は、図4〜図6に示す如く、その溝底を対向して、第1プレート1の側壁1aの外面に第2プレート2の側壁2a内面が嵌着されて、偏平チューブ4を構成する。そして、多数の偏平チューブ4が図9、図10に示す如く、その膨出部3で厚み方向に互いに接触するように積層されて、コア5を構成する。そして、そのコア5の外周にケーシング6が被嵌されて、各偏平チューブ4の長手方向両端部で、そのケーシング6の平坦な内面と各偏平チューブ4の両側壁並びに、積層方向の上下両端の偏平チューブ4の上縁および下縁とケーシング6とが気密且つ液密に接合される。
第1プレート1の垂直壁部1bは、その高さ方向の中間でその板厚分だけ内側に段つきに形成された段付き端部8を有する。そして、その段付き端部8の先端縁は、内側に湾曲する第1案内面9が図4、図6のごとく形成されている。さらに、その膨出部3を除く、第1プレート1の湾曲壁部7には、その先端縁を内側に曲折した第2案内面10が図5、図6のごとく形成されている。なお、第1プレート1と第2プレート2は、図6に示すごとく、その垂直壁部1b及び垂直壁部2bとそれ以外の湾曲壁部7との間に欠切部16、欠切部17が形成され、それを境に各側壁の横断面の形状が異なる。両欠切部16と欠切部17は、その端部からの距離が異なり、互いに重ならない位置にある。それにより、互いに嵌着したとき、両者が気密に保持される。各第1プレート1、第2プレート2の外面側には、多数のディンプル12が互いに整合する位置で、外面側に突出する。そのディンプル12の突出高さは、膨出部3の突出高さと同一である。
また、偏平チューブ4の膨出部3においては、垂直壁部2bの先端が垂直壁部1bの段付き端部8に当接され且つ、図4の如く、第1プレート1の第2案内面9の先端が第2プレート2の平面に接触しているため、膨出部3部分においても、その高さが特定される。
そして、コア5の各偏平チューブ4内には排気ガスが流通し、偏平チューブ4の外面側には冷却水が流通して、その冷却水によって排気ガスが冷却される。コア5の両端部は、図9に示すごとく、その両端における開口部外周が方形に形成され、その外周とケーシング6とが密着した状態で、両者間がろう付けされ、液密性を保つ。
1a 側壁
1b 垂直壁部
2 第2プレート
2a 側壁
2b 垂直壁部
3 膨出部
4 偏平チューブ
5 コア
6 ケーシング
8 段付き端部
9 第1案内面
10 第2案内面
11 インナーフィン
12 ディンプル
14 ヘッダ
15 冷却水出入口
16 欠切部
17 欠切部
Claims (2)
- それぞれ金属板が溝形にプレス成形されると共に、その長手方向の両端に厚み方向に膨出した膨出部(3)が形成された一対の第1プレート(1)と第2プレート(2)とを有し、
両プレート(1)(2)の溝底を対向させ、第1プレート(1)の側壁(1a)の外面に第2プレート(2)の側壁(2a)内面が嵌着されて偏平チューブ(4)を構成し、
多数の前記偏平チューブ(4)がその膨出部(3)で厚み方向に互いに接触するように積層されてコア(5)を構成し、
そのコア(5)の外周にケーシング(6)が被嵌されて、少なくとも、各偏平チューブ(4)の長手方向の両端部でそのケーシング(6)の平坦な面と各偏平チューブ(4)とが気密に接合されたヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブにおいて、
各プレート(1)(2)の膨出部(3)の両側壁に、その底面と直交する断面コ字状の垂直壁部(1b)(2b)が形成され、その膨出部(3)以外では、各プレート(1)(2)の両側壁(1a)(2a)の断面が外側に湾曲する湾曲壁部(7)を形成し、
第1プレート(1)の前記垂直壁部(1b)は、その高さ方向の中間で、その肉厚分だけ内側に段付きに形成された段付き端部(8)を有し、その各段付き端部(8)の先端縁に内側に曲折する一対の第1案内面(9)が形成され、その両第1案内面(9)の外面側の先端間の距離Dと、第2プレート(2)の両垂直壁部(2b)の内面側の先端間の距離Eとが、
E>Dであり、
第1プレート(1)の両湾曲壁部(7)には、その先端縁が内側に曲折する第2案内面(10)を有し、その両第2案内面(10)の外面側の先端間の距離(B)と、第2プレート(2)の湾曲壁部(7)の内面側の先端間の距離(A)と、第2プレート(2)の両湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の内面間の距離(C)が、
A>B,C>Aであり、
第1プレート(1)の第1案内面(9)の先端は、第2プレート(2)の垂直壁部(2b)の根元に当接し、
さらに、嵌着後、両プレート(1)(2)の湾曲壁部(7)の弾性により、それらが圧着されるように、前記第2プレート(2)の湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の内面間の距離(C)は、その自由状態で、第1プレート(1)の湾曲壁部(7)の高さ方向の中間位置の外面間の距離(G)より僅かに小に形成されることを特徴とするヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブ。 - 請求項1に記載のヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブにおいて、
各プレート(1)(2)の各垂直壁部(1b)(2b)とそれらの各湾曲壁部(7)との境に、その高さ方向に欠切部(16)(17)を設け、両欠切部(16)(17)が重ならないように、各プレート(1)(2)の長手方向の先端からそれらの欠切部(16)(17)までの距離を互いに異ならせ、
第2プレート(2)の垂直壁部(2b)の先端が、第1プレートの垂直壁部(1b)の段付き部(8)の根元に当接するヘッダープレートレス熱交換器の偏平チューブ。
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