JP2016008517A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記道路情報取得部は、自車両の走行予定経路に関する道路情報を取得する。
前記速度予測部は、前記道路情報取得部によって取得した道路情報に基づき、前記走行予定経路での走行速度を予測する。
前記エンジン動作予測部は、前記速度予測部によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での前記エンジンの動作状態を予測する。
前記触媒温度予測部は、前記速度予測部によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での触媒温度を予測する。
前記エンジン制御部は、前記走行予定経路でのエンジン停止中に触媒温度が前記下限温度以下になると予測されるとき、それよりも前のエンジン駆動時、前記エンジンの運転条件を通常の運転条件よりも高負荷側に変更する。
そのため、触媒温度が下限温度以下になると予測されるときよりも前のエンジン駆動時におけるエンジン出力トルクが高くなる。そして、エンジンを停止したタイミングでの触媒温度を、通常の運転条件でエンジン駆動してから停止したときよりも上昇させておくことができる。
これにより、エンジン停止中であっても触媒温度が下限温度よりも高くなる時間を長くすることができ、エンジン停止中に触媒暖機の発生を抑制することができる。そして、エンジンの始動回数を抑制してエンジン運転効率を向上し、無駄な燃料消費を抑えることができる。
まず、実施例1のハイブリッド車両の制御装置の構成を、「ハイブリッド車両の全体システム構成」、「ハイブリッド車両の制御装置の制御系の詳細構成」、「エンジン制御処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、実施例1のハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
なお、「ドライバーの個人特性情報」とは、例えばドライバーの年齢、性別、運転経験年数、運転モードの好み(燃費重視か駆動力重視か)等、ドライバー個人の情報である。
前記HCM20は、図1に示すように、道路情報取得部41と、速度予測部42と、エンジン動作予測部43と、触媒温度予測部44と、エンジン制御部45と、を備えている。
ここで、「エンジン運転条件を高負荷側に変更する」とは、エンジン負荷を高く設定し、エンジン出力トルクを通常の運転条件で走行した場合のエンジン出力トルクよりも高くすることである。なお、「通常の運転条件時のエンジン出力トルク」とは、ここでは、予測走行速度に応じて必要となるエンジン出力トルクである。
ここで、「触媒温度低下の予測値(エネルギー)」は、制御対象EV期間(時刻t1〜t2)での予測外気温と、制御対象EV期間(時刻t1〜t2)での予測走行速度と、制御対象EV期間の長さ(時刻t1〜t2までの時間:エンジン停止からエンジン再始動までの時間)に基づいて求める。
なお、予測外気温は、触媒温度が下限温度Tmin以下になると予測した時点(予測時点)での外気温に基づいて求める。ここでは、予測時点の外気温を制御対象EV期間(時刻t1〜t2)での予測外気温とする。
また、予測走行速度は、制御対象EV期間(時刻t1〜t2)における予測走行速度の平均速度とする。
ここで、触媒9の放熱温度は、触媒9にあたる走行風量に依存するが、この走行風量は車速に比例する。また、外気温が温度勾配となる。
つまり、制御対象EV期間中の平均車速及び外気温に基づき触媒9の放熱勾配を求め、制御対象EV期間中放熱し続けても制御対象EV期間の終了時点で予測触媒温度が下限温度Tminになることを前提に、予測触媒温度「T1」を求める。
図5は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにて実行されるエンジン制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、エンジン制御処理を表す図5の各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、走行中に繰り返し実行される。
ここで、初期暖機モードの終了は、イグニッションキーがON操作されてからエンジン2が一旦駆動し、その後停止したか否かに基づいて判断する。
また、ここでは、道路情報に加えてドライバーの個人特性情報もNAVI/C25から取得する。
ここでは、エンジン動作状態として、エンジン2の駆動/停止と、エンジン駆動時のエンジン出力トルクを予測する。
エンジン2の駆動/停止は、予測走行速度が予め設定したHEV-EV切替速度以上のときにエンジン2を駆動する(HEVモード)と予測し、予測走行速度がHEV-EV切替速度未満のときにエンジン2を停止する(EVモード)と予測する。また、エンジン出力トルクは、予測走行速度に応じてエンジン出力トルクを一義的に設定するマップ(図6参照)に基づき予測する。
ここでは、エンジン出力トルクに応じて決まる触媒加熱エネルギーと、走行速度に応じて決まる触媒放熱エネルギーに基づいて、予測触媒温度を求める。
なお、「現時点から直近のエンジン停止予測期間」とは、演算時点がHEVモードであれば、現在のHEVモード(演算時点のHEVモード)終了後に生じると予測されるEVモード期間である。また、演算時点がEVモードであれば、現在のEVモード終了後に生じると予測されるHEVモード後のEVモード期間である。
ここで、「触媒温度が下限温度Tmin以下になる時点の直前のエンジン駆動時」とは、演算時点がHEVモードであれば、現在のHEVモード(演算時点のHEVモード)時である。また、演算時点がEVモードであれば、現在のEVモード終了後に生じると予測されるHEVモード時である。
これにより、触媒温度が下限温度Tmin以下になる時点の直前のエンジン駆動時では、エンジン出力トルクが通常時(予測走行車速に応じた必要最低限)よりも増大する。
これにより、現在のHEVモード又は次回のHEVモードでは、エンジン出力トルクが予測走行車速に応じた必要最低限となる。
まず、「比較例のハイブリッド車両の制御装置の構成と課題」を説明し、続いて実施例1のハイブリッド車両の制御装置におけるエンジン制御作用を説明する。
図7は、比較例の制御装置において所定の経路を走行したときの実際の走行速度・運転モード・エンジン出力トルク・触媒温度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図7に基づき、比較例の制御装置の構成と課題を説明する。
そのため、この触媒9を暖機するために必要な燃料が消費され、燃費が悪化していた。また、エンジン2を再始動するために、モータ/ジェネレータ4の出力トルクを増加する必要があり、EV走行を継続した場合よりも電力消費量が増加してしまうといった問題もあった。
そのため、必要最低限の触媒容量のみを暖機するように、触媒暖機モードでのエンジン出力トルクを制御し、燃料消費を抑制することが考えられる。しかしながら、触媒暖機モードへのモード移行に伴ってエンジン2を再始動する必要があり、EVモードを継続する場合と比較すると燃費が悪化していた。
図8は、実施例1の制御装置において所定の経路を走行するときの予測走行速度・予測運転モード・予測エンジン出力トルク・予測触媒温度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図8に基づき、実施例1のエンジン制御作用を説明する。
ここで、現在地から直近の走行予定経路上の一部において、例えば図8に示すように走行速度が予測されたとする。
すなわち、図8に示すように、時刻t21以前では、予測走行速度がHEV-EV切替線を下回っているので、エンジン2を停止したEVモードと予測される。また、時刻t21時点で、予測走行速度がHEV-EV切替線を越えるため、エンジン2を駆動するHEVモードになると予測される。さらに、時刻t22時点において予測走行速度がHEV-EV切替線を下回ると、エンジン2を停止してEVモードになると予測される。そして、時刻t23時点において予測走行速度が再びHEV-EV切替線を越えると、エンジン2を駆動するHEVモードになると予測される。
すなわち、図8に実線で示すように、時刻t21以前では、エンジン2が停止したEVモードであるので、触媒温度は低下する。時刻t21時点においてエンジン2が駆動すると、触媒温度は上昇する。さらに、時刻t22時点においてエンジン2が停止すると、触媒温度は低下する。
このため、時刻tyから時刻t22の間、エンジン出力トルクが、予測走行速度に応じて予測された値(実線)よりも増大する。
これにより、触媒温度を下限温度Tmin以上に確保することで、エンジン停止中に触媒暖機モードになることを防止して、エンジン始動回数を抑制してエンジン運転効率を向上し、無駄な燃料の消費を抑制することができる。
そのため、運転条件の変更量を必要最小限に抑えることができて、燃費の向上を図ることができる。
そのため、走行速度の予測精度を向上し、適切な制御を行うことができて、さらに燃費の向上を図ることができる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
自車両の走行予定経路に関する道路情報(例えば、地図情報、渋滞情報等)を取得する道路情報取得部41と、
前記道路情報取得部41によって取得した道路情報(例えば、地図情報、渋滞情報等)に基づき、前記走行予定経路での走行速度を予測する速度予測部42と、
前記速度予測部42によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での前記エンジン2の動作状態を予測するエンジン動作予測部43と、
前記速度予測部42によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での触媒温度を予測する触媒温度予測部44と、
前記走行予定経路でのエンジン停止中に触媒温度が前記下限温度Tmin以下になると予測されるとき、それよりも前のエンジン駆動時、前記エンジン2の運転条件を通常の運転条件よりも高負荷側に変更するエンジン制御部45と、
を備える構成とした。
これにより、エンジンの始動回数を抑制してエンジン運転効率を向上し、無駄な燃料消費を抑えることができる。
これにより、(1)の効果に加え、エンジン運転条件を適切に高負荷側に変更(シフト)することができ、無駄な燃料消費を抑制しつつ、触媒暖機が生じることを防止してエンジン運転効率の向上を図ることができる。
前記速度予測部42は、前記道路情報取得部41によって取得した道路情報及び個人特性情報に基づき、前記走行予定経路での走行速度を予測する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、走行速度の予測精度が向上することができて、適切な制御を行うことが可能となり、さらに燃費の向上を図ることができる。
しかしながら、例えば、予測触媒温度が下限温度Tmin以下になると予測したタイミングが、HEVモード中であって、その予測時点から直ちに且つHEVモード終了時点までエンジン運転条件を最大限高負荷側に変更しても、触媒温度低下の予測値(エネルギー)を賄えない場合が想定される。
そのときには、触媒暖機モードで必要なエネルギー(燃料量)と、エンジン停止時に触媒暖機を不要とするために必要なエネルギー(増大負荷総量に見合う燃料量)と、を比較し、触媒暖機に必要なエネルギーよりも、触媒暖機を不要とするために必要なエネルギーが小さければ、HEVモードを延長することで、エンジン運転条件を高負荷側に変更する。
つまり、エンジン運転条件を高負荷側に変更(シフト)したことで余分に消費される燃料が、触媒暖機に要する消費燃料量よりも有利な場合にのみ、エンジン運転条件を高負荷側に変更する。
2 エンジン
2a 排気通路(排気系)
3 第1クラッチ
4 モータ/ジェネレータ(モータ)
5 第2クラッチ
6 自動変速機
8 駆動輪
9 触媒
20 ハイブリッドコントロールモジュール(HCM)
41 道路情報取得部
42 速度予測部
43 エンジン動作予測部
44 触媒温度予測部
45 エンジン制御部
Claims (3)
- 駆動と停止を間欠的に繰り返すと共に排気系に排気ガスを浄化する触媒を有するエンジンを含む複数の駆動源を備えたハイブリッド車両に搭載され、前記エンジンの停止中に触媒温度が予め設定した下限温度を下回ったら前記エンジンを駆動して触媒暖機を行うハイブリッド車両の制御装置において、
自車両の走行予定経路に関する道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記道路情報取得部によって取得した道路情報に基づき、前記走行予定経路での走行速度を予測する速度予測部と、
前記速度予測部によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での前記エンジンの動作状態を予測するエンジン動作予測部と、
前記速度予測部によって予測した予測走行速度に基づき、前記走行予定経路での触媒温度を予測する触媒温度予測部と、
前記走行予定経路でのエンジン停止中に触媒温度が前記下限温度以下になると予測されるとき、それよりも前のエンジン駆動時、前記エンジンの運転条件を通常の運転条件よりも高負荷側に変更するエンジン制御部と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジン制御部は、前記エンジンの運転条件を高負荷側に変更する際の該運転条件の変更量を、前記触媒温度が前記下限温度以下になると予測されるエンジン停止期間中の予測平均走行速度と、当該エンジン停止期間の長さと、に基づいて設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記道路情報取得部は、前記道路情報に加えて、ドライバーの個人特性情報を取得し、
前記速度予測部は、前記道路情報取得部によって取得した道路情報及び個人特性情報に基づき、前記走行予定経路での走行速度を予測する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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