JP2009035121A - ハイブリッド車両の内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン始動時における加速性能と制振性能とを両立させたパラレル式ハイブリッド車両の内燃機関の始動制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンとモータとを原動機とし、エンジン停止モードを有するハイブリッド車両において、エンジン始動時、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、エンジンの目標トルクTTENGに応じて変更する構成とした。
【選択図】図5
【解決手段】エンジンとモータとを原動機とし、エンジン停止モードを有するハイブリッド車両において、エンジン始動時、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、エンジンの目標トルクTTENGに応じて変更する構成とした。
【選択図】図5
Description
本発明は、ハイブリッド車両の内燃機関の始動制御装置に関し、特に、エンジンの出力とモータの出力とを直接走行駆動力として用いるパラレル式車両において、エンジン始動時における加速性能と制振性能とを両立させる技術に関する。
特許文献1に記載のハイブリッド車両では、エンジンの始動時、エンジン(マウント系を含む)の共振点よりも高い回転速度において燃焼室への燃料噴射を開始することで、燃焼開始時のトルク変動が起振力となって共振点付近で大きな振動が発生するのを抑制している。
特許第3468881号
特許文献1に記載のハイブリッド車両は、エンジンが発電機の駆動専用とされたシリーズ式であり、走行はすべてモータのトルクによって行われる。
一方、パラレル式のハイブリッド車両では、加速要求時に、モータのトルク不足を補うためエンジンを始動することがある。このとき、上述のようにエンジン回転速度が共振点よりも高い領域に達するまで燃料噴射を停止させると、エンジン始動要求から燃焼開始によるトルク増大までに長い時間を要し、加速が遅れてしまう。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、エンジン始動時における加速性能と制振性能とを両立させたハイブリッド車両の内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、エンジンとモータとを原動機とし、エンジン停止モードを有するハイブリッド車両において、エンジン始動時、燃料噴射を開始するエンジン回転速度を、エンジンの目標トルクに応じて変更する構成とした。
以上の構成によって、エンジン始動時、燃料噴射を開始するエンジン回転速度を、エンジンの目標トルクに応じて適切に変更制御すれば、エンジン始動要求があってから燃料噴射開始及び燃焼開始までの期間を適切に調整できる。
燃料噴射を開始するエンジン回転速度を低く設定するほど、エンジン始動要求があってから早期に燃料噴射及び燃焼が開始して、加速性能が向上する。また、燃料噴射を開始するエンジン回転速度をエンジン共振域よりも高く設定すれば、燃焼開始時のトルク変動が起振力となって共振点付近で大きな振動が発生するのを抑制できる。
このように、加速性能と制振性能とを両立させることができる。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車用のパワートレイン(パラレル式)の一例を示す。
エンジン1の出力軸が、第1のクラッチ2を介してモータ・ジェネレータ3に連結され、モータ・ジェネレータ3の出力軸が第2のクラッチ4を介してトランスミッション5に連結されている。
エンジン1は、エンジンコントローラ(ECM)6、モータ・ジェネレータ3は、モータコントローラ(MC)7らの指令を受けてそれぞれ制御され、ECM6、MC7は、ハイブリッドコントローラ(HCM)8からの指令によって統合的に制御される。
バッテリ9は、前記各コントローラ6〜8に電力を供給する。
また、インバータ10は、バッテリ9からの直流電力を交流電力に変換してモータ・ジェネレータ3に出力し、モータ・ジェネレータ3をモータとして駆動すると共に、モータ・ジェネレータ3がジェネレータとして機能するときには、モータ・ジェネレータ3からの発電電力を直流電力に変換してバッテリ9を充電する。
モータ・ジェネレータ3は、走行駆動用とエンジン1の始動用との機能を兼ね備え、走行時には、第2のクラッチ4を接続し、エンジン1の駆動力を用いる(単独またはモータ・ジェネレータ3の駆動力との併用で)際には、第1のクラッチ2も接続する。また、エンジン1を始動する際には、第2のクラッチ4を切り離し、第1のクラッチ2を接続してクランキングを行う。
そして、前記エンジン1には、吸気ポート又は燃焼室へ燃料を噴射する燃料噴射弁(図示せず)と、暖機用の加熱手段11と、が設けられている。
図2は、パワートレインの別の例を示す。
図1と相違するのは、走行用の第1のモータ・ジェネレータ3とは別に、ベルト12を介してエンジン1と連動するエンジン始動用の第2のモータ・ジェネレータ13を備え、さらに該第2のモータ・ジェネレータ13とバッテリ9との間の第2のインバータ14、第2のモータ・ジェネレータ13に指令を与える第2のモータコントローラ15を備え、前記第2のクラッチ4が省略される点である。
図3は、前記HCM8の入出力状態を示す。
イグニッションキースイッチ信号IGNSW、ブレーキスイッチ信号BRSW、エンジン回転速度信号NE、コモンレールの燃料圧力信号PRail、アクセル開度信号APS、車速信号VSP、バッテリ充電状態信号SOC、吸入空気温度信号TA、エンジン冷却水温度信号TW、エンジン排気浄化用の触媒温度信号TCを入力し、ECM6にエンジン目標トルク、始動許可信号を出力し、MC7にモータ・ジェネレータへのトルク制御/回転速度制御との制御切換信号、モータ目標トルク信号、目標回転速度信号を出力し、各クラッチ2、4にクラッチ制御信号を出力する。
図4は、上記エンジン目標トルク及びモータ目標トルクの計算フローを示す。
ステップS101では、運転状態、即ち、車速VSP、アクセル開度APS、バッテリ充電状態SOC、エンジン冷却水温度TW、触媒温度TC等を読み込む。
ステップS102では、アクセル開度APS又はこれの単位時間あたりの変化量に基づいて、車両の目標総トルク(要求トルク)を算出する。
ステップS103では、エンジン目標トルク、即ち車両の目標総トルクのうちエンジンの目標負担分を算出する。
次いでステップS104では、モータ目標トルク、即ち車両の目標総トルクのうちモータの目標負担分を算出し、リターンとなる。
なお、上記エンジン目標トルク及びモータ目標トルクの分担割合は、車速VSP、トルク又はその変化量、バッテリ充電状態SOC、エンジン冷却水温度TW、触媒温度TC等に基づいて算出される。
図5は、本実施形態における燃料噴射開始制御のフローを示し、図6は、図5の制御時における時間とエンジン回転速度及び燃料噴射量との関係を示す。
図5のフローが実行されるのは、エンジンの停止時からの始動要求時、即ち、エンジン回転速度=0の状態において図4のステップS103でエンジン目標トルク>0となったときである。例えば、エンジンの停止時において、大きな加速力要求があったとき、バッテリの充電要求があったとき、排気浄化触媒やエンジン本体等の暖機要求があったとき、などである。
図5において、まずステップS201では、エンジン目標トルクTTENG(図4のステップS103で算出)、エンジン回転速度NE、燃料圧力PRailを読み込む。
次に、ステップS202では、燃料噴射が停止中であるかを判定する。エンジンの停止中は、燃料噴射の開始前であるので、判定がYESとなってステップS203に進む。燃料噴射が既に開始されていれば、ステップS202の判定がNOとなり、リターンとなる。
ステップS203では、エンジン目標トルクTTENGが第2の所定値TTE2より大きいか、即ち、急加速時等の出力が最優先される状況かを判定する。
ステップS203で、TTENG>TTE2と判定されたときは、ステップS204に進む。
一方、ステップS203で、TTENG≦TTE2と判定されたときは、ステップS209に進み、エンジン目標トルクTTENGが、第2の所定値TTE2より小さい第1の所定値TTE1より大きいか、即ち、加速要求がある状況かを判定する。
ステップS209でTTENG>TTE1と判定されたときは、ステップS210に進む。
一方、ステップS209でTTENG≦TTE1と判定されたとき(加速要求がなく、バッテリ9の充電等のためにエンジン始動要求がされている状況)は、ステップS213に進む。
ステップS204では、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、図6に示すNeQst1に設定し、ステップS205に進む。
ステップS205では、燃料噴射開始時の燃料噴射量QQstを、図6に示すQQst1に設定し、ステップS206に進む。
ステップS210では、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、図6に示すNeQst2(NeQst2>NeQst1)に設定し、ステップS211に進む。
ステップS211では、燃料噴射開始時の燃料噴射量QQstを、図6に示すQQst2(QQst2<QQst1)に設定し、ステップS206に進む。
ステップS213では、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、図6に示すNeQst3(NeQst3>NeQst2)に設定し、ステップS214に進む。
ステップS214では、燃料噴射開始時の燃料噴射量QQstを、図6に示すQQst3(QQst3<QQst2)に設定し、ステップS206に進む。
ステップS206では、エンジン回転速度NEが、前記ステップS205,S211,S214のいずれかにおいて設定されたNeQst以上となったかを判定する。
ステップS206でNE<NeQstと判定されたときは、エンジン回転速度NEが、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstに到達していない状態であるため、ステップS212に進み、燃料噴射を禁止してリターンとなる。
一方、ステップS206でNE≧NeQstと判定されたときは、ステップS207に進む。
ステップS207では、燃料圧力PRailが所定値PLowよりも大きいかを判定する。
ステップS207でPRail≦PLowと判定されたときは、コモンレールの燃料圧力PRailが十分でない状態であるため、ステップS212に進み、燃料噴射を禁止してリターンとなる。
一方、ステップS207でPRail>PLowと判定されたときは、ステップS208に進み、燃料噴射を許可してリターンとなる。
ステップS208で燃料噴射が許可されると、図6に示すように、エンジン目標トルクTTENGが大きいときほど、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstが低く設定され、エンジン始動要求があってから早期に燃料噴射が開始されると共に、燃料噴射開始時の燃料噴射量も多くなる。
本実施形態によれば、エンジン目標トルクが高いとき(アクセル踏込みによる加速要求時など)は、エンジン目標トルクが低いとき(バッテリの充電要求によるエンジン始動時など)と比べて、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを低く設定している。これにより、エンジン始動要求時、燃料噴射及び燃焼が早期に開始し、加速性能が向上する。
さらに、エンジン目標トルクが高いときは、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstをエンジン(マウント系及び駆動系を含む)の共振域まで引き下げ、かつ、燃料噴射開始時の燃料噴射量QQstを大きく設定しているため、より大きなエンジントルクを早期に発生させ、加速性能をより向上させることができる(加速を優先)。
また、TTENG>TTE2のようにエンジン目標トルクが著しく高いときを除き、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQstを、マウント系及び駆動系を含むエンジンの共振域よりも高く設定している。これにより、燃焼開始時のトルク変動が起振力となって共振点付近で大きな振動が発生するのを最小限に抑えている(制振を優先)。
このように、本実施形態によって、エンジン始動時における加速性能と制振性能とを両立させることができる。
また、本実施形態では、燃料圧力PRailが所定値PLowよりも大きくなってから燃料噴射を許可することで、燃料噴射量を十分に確保し、燃焼を安定させると共に未燃燃料排出量を低減することが可能となる。したがって、燃料圧力PRailを速やかに上昇させて早期に燃料噴射を開始するために、前回のエンジン運転時の燃圧を保持したり、エンジン始動前に予め燃料に加圧を行ったりするポンプ(図示せず)を設けてもよい。
上記実施形態では、燃料噴射を開始するエンジン回転速度NeQst及び燃料噴射開始時の燃料噴射量QQstの切り換え制御のため、エンジン目標トルクの閾値(TTE1及びTTE2)を設けている。しかし、本発明はこれに限られず、エンジン目標トルクの変化に対するハンチングを抑制するため、前記閾値にヒステリシスを与えたり、NeQst及びQQstをエンジン目標トルクに対してマップで割り付け、エンジン目標トルクに応じて求めたりしてもよい。
1 エンジン、
3 モータ・ジェネレータ
6 エンジンコントローラ
7 モータコントローラ
8 ハイブリッドコントローラ
9 バッテリ
13 第2のモータ・ジェネレータ
15 第2のモータコントローラ
3 モータ・ジェネレータ
6 エンジンコントローラ
7 モータコントローラ
8 ハイブリッドコントローラ
9 バッテリ
13 第2のモータ・ジェネレータ
15 第2のモータコントローラ
Claims (7)
- エンジンとモータとを原動機とし、エンジン停止モードを有するハイブリッド車両において、
エンジン始動時、燃料噴射を開始するエンジン回転速度を、エンジンの目標トルクに応じて変更することを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。 - エンジンの目標トルクは、アクセル開度、又は、アクセル開度の変化量、の少なくとも一方に基づいて求めることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
- 燃料噴射を開始するエンジン回転速度は、エンジンの目標トルクが第1の所定値よりも大きいとき、該第1の所定値以下のときと比べて低く設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
- エンジンが発電機を駆動して発生した電力を充電可能なバッテリを備え、
前記第1の所定値は、バッテリの充電要求時におけるエンジンの目標トルクよりも、大きな値とすることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。 - 燃料噴射を開始するエンジン回転速度は、エンジンの目標トルクが前記第1の所定値以下のとき、マウント系を含むエンジンの共振点よりも高い第1の所定回転速度に設定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
- 燃料噴射を開始するエンジン回転速度は、
エンジンの目標トルクが前記第1の所定値より大きく、かつ、該第1の所定値と比べて大きい第2の所定値以下のときは、前記第1の所定回転速度と共振点との間の第2の所定回転速度に設定し、
エンジンの目標トルクが前記第2の所定値より大きいときは、前記第2の所定回転速度よりも低く設定することを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。 - 燃料噴射を開始するエンジン回転速度が低いときほど、燃料噴射開始時の燃料噴射量を多くすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
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JP2007200958A JP2009035121A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | ハイブリッド車両の内燃機関の始動制御装置 |
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