JP2016008290A - 両面粘着テープ及び物品 - Google Patents

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【課題】本発明が解決しようとする課題は、優れた静荷重保持力及び耐衝撃性等を有し、一定の力が加えられた場合に2以上の被着体を容易に解体(分離)できるレベルの解体性を有し、かつ、前記被着体の表面に存在しうる糊等の残存物を容易に除去することのできるレベルの除去性を有する両面粘着テープを提供することにある。【解決手段】本発明は、発泡体基材の両面に樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面側に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記発泡体基材が、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層の一方または両方は、歪み量100%における強度−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm2以上の粘着剤層(A)であることを特徴とする両面粘着テープである。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器などを構成する様々な部品の固定に使用可能な両面粘着テープに関する。
両面粘着テープは、例えば電子機器を構成する部品の固定等の場面で広く使用されている。具体的には、前記両面粘着テープは、携帯電子端末、カメラ、パソコンなどの小型電子機器を構成する画像表示部の保護パネルと筐体との固定、前記小型電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定等に使用されている。
前記両面粘着テープとしては、薄型で、被着体への追従性に優れるものとして、例えば、柔軟な発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープが知られている(例えば特許文献1参照)。
前記両面粘着テープとしては、被着体を強固に接着可能なレベルの静荷重保持力を有し、かつ、例えば前記携帯電子端末等を落下等させた場合であっても、その衝撃によって部品の欠落及び剥がれ等を引き起こさないレベルの耐衝撃性を備えたものが求められている。
一方、前記携帯電子端末等には、その薄型化や高機能化がすすむのに伴って、例えば画像表示部を構成する保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池等の剛体からなる薄型で高価な部品が多く使用されるようになっている。
前記高価な部品は、例えば前記携帯電子端末等の不具合が生じた際に、電子機器の本体(きょう体)から容易に取り外すことができ(剥がすことができ)、電子機器の本体や取り外した部品などを再利用等できることが好ましい。
そのため、前記部品の固定に使用する両面粘着テープには、部品をきょう体から取り外す際、前記部品に過度の応力がかかることを抑制することで前記部品の破損や歪みを防止でき、かつ、一定の力を加えることによって前記部品の破損や歪みを引き起こすことなく、部品を容易に取り外すことのできる特性(解体性)が求められている。
また、前記解体された部品やきょう体の表面には、前記両面粘着テープや、それを構成する糊等の残存物が存在したままであることが多い。
前記部品やきょう体の再利用にあたり、前記部品やきょう体の表面に存在する前記両面粘着テープやその残存物は、通常、手作業によって除去される場合が多い。
しかし、前記残存物等の端部をつかみ引っ張ることで、それを除去しようとしても、前記残存物が千切れやすいため、前記部品やきょう体の表面から前記残存物を十分に除去することが難しく、その結果、残存物を除去する作業の効率低下や、前記部品及びきょう体の再利用率(歩留まり)の低下を引き起こす場合があった。
そのため、前記部品の固定に使用する両面粘着テープには、前記残存物を容易に除去できる特性(除去性)が求められている。
以上のとおり、両面粘着テープには、一見、相反する性質である優れた静荷重保持力と前記除去性とを両立でき、かつ、優れた耐衝撃性と解体性とを両立可能な特性が求められているものの、未だ見出されていない。
特開2010−260880号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた静荷重保持力及び耐衝撃性を有し、一定の力が加えられた場合に2以上の被着体を容易に解体(分離)できるレベルの解体性を有し、かつ、前記被着体の表面に存在しうる糊等の残存物を容易に除去することのできるレベルの除去性を有する両面粘着テープを提供することにある。
本発明は、発泡体基材の両面に樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層が積層された両面粘着テープであって、前記発泡体基材が、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層の一方または両方が、歪み量100%における強度−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm以上である粘着剤層(A)であることを特徴とする両面粘着テープにより、上記課題を解決する。
本発明の両面粘着テープは、上記構成により、優れた静荷重保持力及び耐衝撃性を有し、一定の力が加えられた場合に2以上の被着体を容易に解体(分離)できるレベルの解体性を有し、かつ、前記被着体の表面に存在しうる糊等の残存物を容易に除去することのできるレベルの除去性を有するものである。そのため、本発明の両面粘着テープを用いて得られた電子機器に落下などの衝撃が加わった場合であっても、部品の脱離を引き起こしにくく、かつ、前記電子機器を構成する部品を電子機器の本体から解体する際には、一定の力を加えることでそれらを容易に解体することができる。
また、本発明の両面粘着テープは、それを用いて接合された部品を再利用する場合に、一定の力を加えることで前記部品の割れや歪み等を引き起こすことなく、前記部品を電子機器等から容易に取り外すことができる。
また、前記両面粘着テープは、前記部品等の表面に残存した糊等の残存物を、容易に除去することができる。
したがって、本発明の両面粘着テープは、例えば電子機器を構成する部品の固定用途、特に、携帯電子端末等の小型電子機器の情報表示部を構成する保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池などの薄型の剛体部品の固定用途に好適に使用することができる。
耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験の試験方法の概念図である。
本発明の両面粘着テープは、発泡体基材の両面に樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層が積層された両面粘着テープであって、前記発泡体基材が、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層の一方または両方が、歪み量100%における強度−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm以上である粘着剤層(A)であることを特徴とするものである。
前記両面粘着テープは、前記粘着剤層が、前記樹脂フィルムの表面に直接積層されたものであってもよく、他の層を介して積層されたものであってもよい。
前記両面粘着テープとしては、その両面の粘着剤層が、いずれも前記粘着剤層(A)であるものを使用することが好ましい。
はじめに、本発明の両面粘着テープを構成する発泡体基材について説明する。
前記発泡体基材としては、10N/cm以上の層間強度を有するものを使用する。前記発泡体基材としては、10N/cm〜50N/cmの層間強度を有するものを使用することが好ましく、10N/cm〜35N/cmの層間強度を有するものを使用することが、より一層優れた解体性と耐衝撃性とを備えた両面粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、上記層間強度は、以下の方法により測定した値を指す。
前記発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせた後、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作製する。なお、前記強粘着性とは、後述する高速剥離試験によっても被着体及び発泡体基材から剥離しないレベルの粘着力を指す。
次に、前記層間強度測定用の両面粘着テープを構成する粘着剤層の一方を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちし、その発泡体基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断して得た粘着テープと、23℃及び50%RH下で、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムとを、2kgのローラーを1往復させることによって圧着し、60℃で48時間静置した後、23℃で24時間静置する。
23℃及び50%RH下で、前記厚さ50μmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り、前記発泡体基材を引き裂いた際の最大強度を測定する。
前記発泡体基材としては、0.8g/cm以下の密度を有するものを使用することが好ましく、0.6g/cm以下の密度を有するものを使用することがより好ましく、0.1g/cm〜0.55g/cmの密度を有するものを使用することがさらに好ましく、0.1g/cm〜0.45g/cmの密度を有するものを使用することがさらに好ましく、0.15g/cm〜0.42g/cmの密度を有するものを使用することが、より一層優れた解体性と耐衝撃性とを備えた両面粘着テープを得るうえで特に好ましい。
本発明の両面粘着テープは、前記特定の粘着剤層(A)を有することから、高強度または高密度で、優れた耐衝撃性を付与可能な発泡体基材を用いた場合であっても、良好な解体性を維持することができる。
本発明で使用する発泡体基材としては、25%圧縮強度が700kPa以下であるものを使用することが好ましく、10kPa〜500kPaであることがより好ましく、10kPa〜350kPaであることがより好ましく、30kPa〜200kPaであることがさらに好ましく、50kPa〜180kPaであることが特に好ましい。前記範囲の圧縮強度を備えた発泡体基材を使用することによって、好適な耐衝撃性と解体性とを両立でき、かつ、被着体に対する好適な追従性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
なお、前記25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した値をさす。具体的には、25mm角に切断した発泡体基材を厚さ約10mmになるまで重ねたものを積層体とする。前記発泡体基材より大きな面積のステンレス板で前記積層体をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で前記積層体を約2.5mm(もとの厚さの25%分)に圧縮した時の強度を測定することによって得られた値を指す。
前記発泡体基材としては、流れ方向と幅方向の引張強さは特に限定されないが、500N/cm〜1700N/cmであるものを使用することが好ましく、600N/cm〜1500N/cmであるものを使用することがより好ましい。また、引張試験における切断時の引張伸度は、特に限定されないが、流れ方向の引張伸度が100%〜1200%であることが好ましく、より好ましくは100%〜1000%、さらに好ましくは200%〜600%である。前記範囲の引張強さ及び引張伸度を備えた発泡体基材を使用することによって、両面粘着テープの加工性の悪化や貼付作業性の低下を抑制することができる。また、解体後の粘着テープに剥がし易さを付与することができる。
なお、前記発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、JISK6767に準じて測定することができる。具体的には、標線長さ2cm、幅1cmの大きさに裁断した前記発泡体基材を、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した最大強度である。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は、特に制限されないが、10μm〜500μmの範囲であることが好ましく、30μm〜400μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜300μmの範囲であることがさらに好ましい。流れ方向および幅方向の平均気泡径が前記範囲の発泡体基材を使用することによって、接着性や耐衝撃性に優れた両面粘着テープを得ることができる。
前記発泡体基材の流れ方向と幅方向の平均気泡径の比(流れ方向における平均気泡径/幅方向における平均気泡径)は特に限定されないが、0.2〜4が好ましく、より好ましくは0.3〜3、さらに好ましくは0.4〜1である。上記比率範囲であると発泡体基材の流れ方向と幅方向の柔軟性や引張強度のばらつきが生じにくい。
前記発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は3μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜80μmであることがより好ましく、5μm〜50μmであることがさらに好ましい。また、当該厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることが好ましい。厚さ方向の平均気泡径や厚さとの比率を当該範囲とすることで、解体性や耐衝撃性と共に、剛体同士の接合においても優れた密着性を実現しやすく、また、発泡体基材の密度や強度を確保しやすいため好ましい。
前記発泡体基材としては、その厚さ方向の平均気泡径に対する、その流れ方向の平均気泡径の比(流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径)、及び、その厚さ方向の平均気泡径に対する、その幅方向の平均気泡径の比(幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径)が、いずれも1以上であるものを使用することが好ましく、3以上であるものを使用することがより好ましく、4〜25であるものを使用することがさらに好ましい。
前記平均気泡径の比を備えた発泡体基材を使用することによって、厚さ方向の柔軟性に優れ、かつ、被着体として剛体を用いた場合であっても、より一層優れた密着性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
なお、前記発泡体基材の幅方向の平均気泡径、流れ方向の平均気泡径、及び、厚さ方向の平均気泡径は、下記の要領で測定することができる。
はじめに、発泡体基材を幅方方向1cm及び流れ方向1cmの大きさに切断する。
次に、デジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)を倍率200倍に設定し、前記発泡体基材の幅方向または流れ方向の切断面を観察する。その際、前記切断面の流れ方向または幅方向に1.5mmの範囲に存在する気泡の気泡径をすべて測定する。次に、前記1.5mmの範囲を変更し、任意の10か所の範囲に存在する気泡の気泡径をすべて測定する。
前記で測定した気泡径の平均値を算出することによって得られた値を、上記平均気泡径とした。
前記発泡体基材としては、独立気泡構造を有するものを使用することが、発泡体基材の切断面からの浸水または粉じんを効果的に防ぐことができるため好ましい。前記独立気泡構造を形成する気泡の形状としては、その流れ方向または幅方向もしくはその両方向の平均気泡径が、その厚さ方向の平均気泡径よりも大きい形状であることが、被着体に対する適度な追従性とクッション性とを備えた両面粘着テープを得るうえで好ましい。
前記発泡体基材としては、その厚さが350μm以下であるものを使用することが好ましく、50μm〜300μmであるものを使用することがより好ましく、80μm〜250μmであるものを使用することがさらに好ましく、100μm〜200μmであるものを使用することが、薄型であってもより一層優れた耐衝撃性と解体性とを備えた両面粘着テープを得るうえで特に好ましい。
発泡体基材の密度、層間強度、圧縮強度および引張強さなどは、使用する発泡体基材の素材や発泡構造により適宜調整することができる。
前記発泡体基材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなるポリオレフィンを用いて得られるポリオレフィン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、アクリル系発泡体、その他のゴム系発泡体等を使用することができる。
前記発泡体基材としては、前記したなかでも、被着体の表面凹凸に好適に追従でき耐衝撃性に優れた独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいため、ポリオレフィン系発泡体を使用することが好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体基材としては、ポリエチレン系樹脂を用いて得られた発泡体基材を使用することが、比較的均一な厚さで、かつ、より一層好適な柔軟性を備えるため好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂に含まれる前記ポリエチレン系樹脂の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、前記ポリオレフィン系発泡体の製造に使用可能なポリエチレン系樹脂としては、、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体等を、単独で使用または二種以上併用することができる。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
前記ポリエチレン系樹脂としては、前記したなかでも重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られる分子量分布の狭いポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。また、前記方法で得られるポリエチレン系樹脂は、いずれの分子量を有するポリエチレン系樹脂であっても、その共重合成分の共重合割合をほぼ等しく調整することができ、その結果、ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体を得ることができる。前記ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体は、延伸させやすく、また、その厚さを全体的に均一なものとしやすい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたもの以外の、他の製造方法で得られたポリオレフィン系樹脂を使用してもよい。
前記ポリオレフィン系発泡体基材は、架橋構造を有していてもよい。ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤などで発泡させることによってポリオレフィン系発泡体を製造する場合は、前記架橋構造を形成すべく設計することが好ましい。架橋度は5質量%〜60質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜55質量%の範囲であることが、発泡体基材の表面近傍に形成されうる破泡した気泡に起因した表面荒れを防止し、粘着剤層との良好な密着性と、耐衝撃性とをより一層向上するうえでより好ましい。
前記架橋度の測定は以下の方法で行うことができる。40mm×50mm角の発泡体基材5枚一組を試料とし、その合計質量(G1)を測定する。次に、試料をキシレン中に120℃で24時間浸漬した後、キシレン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定する。以下の式に従って求めるキシレン不溶分を架橋度とする。
架橋度(質量%)=(G2/G1)×100
前記ポリオレフィン系発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤等を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによってポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、前記ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、前記ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向もしくは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
前記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられ、中でもアゾジカルボンアミドが好ましい。なお、熱分解型発泡剤は単独でも二種類以上が併用されていてもよい。
前記熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系発泡体の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部であることが好ましく、1質量部〜30質量部であることが、発泡倍率、引張強さ、圧縮回復率などを所望の範囲に調整しやすいためより好ましい。
ポリオレフィン系発泡体基材を架橋させる方法としては、例えば、ポリオレフィン系発泡体基材に電離性放射線を照射する方法、ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られたポリオレフィン系発泡体基材を加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系発泡体基材の架橋度が前記の好ましい範囲になるように適宜調整できるが、5kGy〜200kGyの範囲であることが好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な発泡状態を得やすいことから、ポリオレフィン系発泡体基材の両面に照射するのが好ましく、両面に照射する線量を同じにするのがより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
前記有機過酸化物は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜3質量部の範囲であることが、前記有機過酸化物の分解残渣の残留を抑制するうえでより好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系発泡体基材の表裏面の外観の差異が少なくなるため好ましい。
前記発泡体基材は、延伸されていてもよい。前記延伸は、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる際に行ってもよい。
ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後、発泡体基材を延伸する場合、発泡体基材を冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸しても、発泡体基材を冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体基材を延伸してもよい。
前記発泡体基材の溶融状態とは、発泡体基材を、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。また、発泡体基材の軟化とは、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の軟化点以上融点未満までの温度に加熱した状態をいう。上記発泡体基材を延伸することによって、発泡体基材の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
前記発泡体基材の延伸方向は、長尺状のポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向であることが好ましい。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡体基材を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状のポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状のポリオレフィン系樹脂シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張しやすいため、前記ポリオレフィン系樹脂シートを用いて得られた発泡体基材を流れ方向に延伸する場合には、ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮し、その膨張分以上に、ポリオレフィン系樹脂シートが流れ方向に延伸されるように、発泡体基材の供給速度と巻取り速度とを調整することが好ましい。
前記発泡体基材を幅方向に延伸する方法としては、発泡体基材の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡体基材を幅方向に延伸させる方法が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡体基材を幅方向に延伸する場合には、ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が幅方向に延伸されるように調整することが好ましい。
前記発泡体基材の流れ方向における延伸倍率は1.1〜5倍が好ましく、1.3〜3.5倍がより好ましい。また、その幅方向における延伸倍率は1.2〜4.5倍が好ましく、1.5倍〜3.5倍であることがより好ましい。前記範囲の延伸倍率を備えた発泡体基材を使用することによって、良好な柔軟性と引張強さとを維持することができる。
前記発泡体基材としては、意匠性、遮光性、隠蔽性、光反射性、耐光性等を備えた両面粘着テープを得るうえで、着色された発泡体基材を使用してもよい。前記着色の際には、従来知られる着色剤を、単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
前記両面粘着テープに遮光性や隠蔽性や耐光性を付与する場合、前記発泡体基材としては、黒色に着色されたものを使用することが好ましい。
前記黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、前記着色剤としては、コスト、入手性、絶縁性、ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐えうるレベルの耐熱性の観点から、カーボンブラックを使用することが好ましい。
また、前記両面粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、前記発泡体基材としては、白色に着色されたものを使用することが好ましい。
前記白色着色剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、前記着色剤としては、コスト、入手性、色調、ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化チタンや酸化アルミニウムや酸化亜鉛を使用することが好ましい。
前記発泡体基材は、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知のものを含有するものであってもよい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤等は、色の濃淡ムラなどの外観不良や、過剰な発泡や無発泡などの発泡不良を防止するうえで、ポリオレフィン系樹脂、または、前記ポリオレフィン系樹脂と相溶しやすい他の熱可塑性樹脂によってマスターバッチ化されていることが好ましい。
前記発泡体基材としては、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理等の表面処理の施されたものを使用することができる。
前記表面処理された発泡体基材の表面は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上であることが好ましく、40mN/m以上であることが好ましく、48mN/m以上であることが、粘着剤層等との良好な密着性を維持するうえでさらに好ましい。
[樹脂フィルム]
次に、本発明の両面粘着テープを構成する樹脂フィルムについて説明する。
前記樹脂フィルムは、前記発泡体基材の両面に、直接または他の層を介して積層される。
前記樹脂フィルムは、本発明の両面粘着テープによって2以上の被着体が貼付された物品を解体した際に、被着体の表面に残存した前記両面粘着テープの残存物を除去する際の支持体として機能する。例えば、前記物品を解体した際、被着体の表面に両面粘着テープを構成する粘着剤層と樹脂フィルムと発泡体基材の一部とが残存する場合がある。前記残存物を被着体から除去する際に、前記樹脂フィルムを含む残存物を引っ張ることによって、被着体の表面から前記残存物を容易に除去することが可能となる。
前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等の樹脂フィルムを使用することができる。
また、前記樹脂フィルムとしては、前記発泡体基材や粘着剤層などの他の層との密着性をより一層向上させることを目的として、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理剤の塗布処理等の表面処理が施されたものを使用することができる。
また、前記樹脂フィルムとしては、前記両面粘着テープの表裏を容易に識別可能とすることを目的として、前記樹脂フィルムのいずれか一方または両方に、同一または異なる、色彩、文字、図形、記号等が付されたものを使用することができる。前記色彩は単色でもよく、複数の色からなるものであってもよい。具体的には、前記樹脂フィルムとしては、、顔料や染料等の着色成分を含有するものを使用することができる。前記着色等された樹脂フィルムを用いることによって、本発明の両面粘着テープの表裏を容易に識別することが可能となる。
前記樹脂フィルムの厚さは、0.5μm〜40μmであることが好ましく、2μm〜25μmの範囲であることがより好ましく、3μm〜20μmであることがさらに好ましく、3μm〜16μmの範囲であることが特に好ましく、5μm〜16μmの範囲であることが特に好ましい。前記範囲の樹脂フィルムを使用することによって、好適な耐衝撃性と解体性とより一層優れた除去性とを備え、被着体に対する好適な追従性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
前記樹脂フィルムと前記発泡体基材との接着には、例えばウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤などの接着剤を使用することができる。なかでも、前記接着剤としては、ウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂系接着剤を使用することが好ましく、ポリエーテル系ウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル系ウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂系接着剤を使用することがより好ましく、ポリエーテル系ウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂系接着剤を使用することが、初期の接着力に優れ、かつ、ドライラミネート法を採用する場合に比較的低温で貼り合せできるため特に好ましい。
前記ウレタン樹脂系接着剤としては、例えばポリオールとポリイソシアネートとを含有する2液型接着剤、水酸基等の官能基を有するウレタン樹脂と、ポリイソシアネート等の硬化剤とを含有する2液型接着剤等を使用することができる。
前記ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを使用することができ、なかでも、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールを使用することが好ましく、ポリエーテルポリオールを使用することがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどを使用することができる。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどを使用することができる。
前記ポリオールと組み合わせ使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートなどを使用することができる。
前記ポリオール及びポリイソシアネートは、それらを含有する前記2液型接着剤を塗布等する直前に混合されることが好ましい。
また、前記ウレタン樹脂と硬化剤とを含有する2液型接着剤としては、予め前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させることによって得た水酸基等の官能基を有するウレタン樹脂と、ポリイソシアネート等の硬化剤とを組み合わせ含有するものを使用することができる。
前記ウレタン樹脂としては、重量平均分子量50,000〜120,000の範囲のものを使用することが好ましい。
前記硬化剤としては、前記ウレタン樹脂が有する官能基に応じて適宜選択でき、例えばイソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤、アジリジン系硬化剤などを使用することができる。前記硬化剤としては、例えば前記ウレタン樹脂として水酸基を有するウレタン樹脂を使用する場合であれば、イソシアネート系硬化剤を使用することが好ましい。
前記イソシアネート系硬化剤としては、前記で例示したポリイソシアネートと同様のものを使用することができる。
前記ウレタン樹脂系接着剤などの接着剤を用いて、前記発泡体基材と前記樹脂フィルムとを接着する方法としては、例えばドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、ウェットラミネート法などが挙げられる。そのなかでも、ラミネート工程を効率よく行うことができ、かつ、接着剤層に残留し得る溶剤を低減可能なドライラミネート法を採用することが好ましい。
また、前記接着剤としては、顔料や染料等の着色成分を含有するものを使用することができる。前記接着剤を用いて形成される接着剤層が着色されることによって、本発明の両面粘着テープの表裏を容易に識別することが可能となる。
前記接着方法としては、具体的には、前記樹脂フィルムに前記接着剤を、ダイレクトグラビアなどを用いて塗工し、前記接着剤に含まれる溶剤を、ドライヤーなどを用いて乾燥し除去した後、その接着剤層と、前記発泡体基材とラミネートする方法(ドライラミネート法)が好ましい。
前記乾燥温度は、30℃〜100℃が好ましく、さらに好ましくは35℃〜70℃である。前記接着剤層と前記発泡体基材とをラミネートする際の温度は、20℃〜80℃が好ましく、30℃〜50℃であることが、樹脂フィルムと発泡体基材とを強固に接着でき、かつ、樹脂フィルムのしわを発生させにくいためより好ましい。
前記接着剤の塗布量としては、0.5g/m〜10g/mの範囲であることが好ましく、2g/m〜6g/mであることがより好ましく、3g/m〜5g/mであることが、樹脂フィルムと発泡体基材とを強固に接着できるため、さらに好ましい。
次に、本発明の両面粘着テープを構成する粘着剤層について説明する。
本発明の両面粘着テープが有する粘着剤層の一方または両方は、後述する特定の粘着剤層(A)である。
前記粘着剤層は、発泡体基材の両面に前記樹脂フィルムが積層された中芯の、前記樹脂フィルムの表面側に、直接、または、他の層を介して積層される。
前記粘着剤層のうち一方または両方の粘着剤層(A)としては、歪み量100%における応力−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm以上であるものを使用する。
ここで、前記引張強さは、厚さ50μmの粘着剤層を積層することによって得た厚さ約400μm、標線間隔2cm及び幅1cmの粘着剤層からなる試験片を、温度23℃及び湿度50%の測定環境下で、引張試験機を用い、引張速度300mm/分で引張試験することによって測定される応力−歪み曲線(いわゆる、S−Sカーブ)において、歪み量が100%であるときの引張強さを指す。
前記粘着剤層(A)の代わりに、前記引張強さが6N/cm未満である粘着剤層を備えた両面粘着テープでは、優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立することができない場合がある。
前記引張強さの上限は、特に制限ないが、30N/cm以下であることが好ましく、25N/cm以下であることがより好ましく、20N/cm以下であることがさらに好ましい。
また、前記粘着剤層(A)としては、前記特定の引張強さを有するとともに、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下でアルミニウム板に、2kgローラーを使用し一往復させることで圧着させ、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後に測定される剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が10N/20mm以上である粘着剤層を使用することが好ましく、12N/20mm以上である粘着剤層を使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力等の接着力と、より一層優れた解体性とを両立するうえでより好ましい。前記180°引き剥がし接着力の上限は、特に制限されないが、25N/20mm以下であることが好ましく、20N/20mm以下であることが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立するうえでさらに好ましい。
前記粘着剤層(A)等の前記粘着剤層は、各種粘着剤を用い形成することができる。なかでも、前記粘着剤層(A)としては、例えば、アクリル重合体(a1)、粘着付与樹脂(a2)及び架橋剤(a3)を含有する粘着剤を用いて形成される粘着剤層であることが、前記特定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
前記粘着剤に含まれていてもよい前記アクリル重合体(a1)としては、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、その結果、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を備えた粘着剤層を形成するうえで、1〜50の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましいく、10〜50の範囲の酸価を有するものを使用することがより好ましく、25〜40の範囲の酸価を有するものを使用することがさらに好ましい。また、前記酸価は、もっぱらカルボキシル基に由来した酸価であることが好ましい。なお、前記酸価は、前記アクリル重合体(a1)溶液中に存在する酸基を中和するのに要した水酸化カリウムのmgを指す。
また、前記アクリル重合体(a1)としては、より一層優れた静荷重保持力及び耐衝撃性を備えた粘着剤層を形成するうえで、脂肪族環式構造を有するものを使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、プロピルシクロヘキシル基、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デシル基、ビシクロ〔4,3,0〕−ノニル基、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、プロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、なかでもシクロヘキシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、アダマンチル基であることが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性及びプッシュ強度とを両立した粘着シートを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)としては、80万以上の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、80万〜300万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、100万〜220万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、その結果、優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでさらに好ましい。なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量である。
前記GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定し、ポリスチレン換算した値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル重合体(a1)としては、−15℃以下のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましく、−45℃〜−20℃のガラス転移温度を有するものを使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、前記ガラス転移温度は、「POLYMER HANDBOOK,THIRD EDITION」IVに記載のアクリル単量体のホモポリマーのガラス転移温度と、FOXの式によって算出される計算値を指す。
前記アクリル重合体(a1)は、前記粘着剤層(A)の形成に使用できる粘着剤の全量に対して、5質量%〜80質量%含まれることが好ましく、10質量%〜50質量%含まれることが、良好な塗工作業性を維持するうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)としては、ビニル単量体を含有するビニル単量体成分を重合することによって得られるものを使用することが好ましい。
前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、酢酸ビニルやスチレン等の(メタ)アクリル単量体以外の単量体の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である、(メタ)アクリル単量体の混合物によって構成されるものであることが好ましい。
前記ビニル単量体としては、例えば水酸基を有するビニル単量体、酸基を有するビニル単量体、アルキル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記アクリル重合体(a1)を製造する際に使用できる水酸基を有するビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
なかでも、前記水酸基を有するビニル単量体としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえより好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜0.2質量%の範囲で使用することが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%未満の範囲で使用することがより好ましく、0.02質量%〜0.08質量%の範囲で使用することが、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)を製造する際に使用できる前記酸基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル単量体等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえより好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体(a1)の酸価が所定の好ましい範囲となる量であれば特に限定されないが、前記ビニル単量体成分の全量に対して1質量%〜30質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜15質量%の範囲で使用することより好ましく、1質量%〜7質量%の範囲で使用することがさらに好ましく、2.5質量%〜7質量%の範囲で使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)を製造する際には、脂肪族環式構造をアクリル重合体(a1)に導入するうえで、前記ビニル単量体成分として脂肪族環式構造を有するビニル単量体を使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することが好ましく、シクロヘキシルアクリレートを使用することがより好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して、0.5質量%〜30質量%の範囲で使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえ好ましく、4質量%〜25質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)の製造に使用可能なビニル単量体成分としては、前記したものの他に、必要に応じてその他のビニル単量体を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記したなかでも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで好ましい。
前記その他のビニル単量体として使用可能な前記アルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体(a1)の製造に使用するビニル単量体成分の全量に対して、合計50質量%〜98質量%の範囲で使用することが好ましく、60質量%〜98質量%の範囲で使用することがより好ましく、70質量%〜96質量%の範囲で使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで好ましい。
なかでも、前記n−ブチル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体(a1)の製造に使用するビニル単量体成分の全量に対して50質量%〜98質量%の範囲で使用することが好ましく、60質量%〜96質量%の範囲で使用することが、前記特定範囲の引張強さを備えた粘着剤層を形成し、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)の製造に使用可能なその他のビニル単量体としては、例えばアミド基を有するアクリル単量体、アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体、イミド基を有する(メタ)アクリル単量体等の窒素原子を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
前記アミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等を使用することができる。
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記イミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記した以外に、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有アクリル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを使用することもできる。
前記アクリル重合体(a1)は、例えば有機溶剤の存在下に、前記ビニル単量体成分を供給しそれらをラジカル重合させることによって製造することができる。具体的には、前記アクリル重合体(a1)は、前記ビニル単量体成分と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させることによって製造することができる。前記ビニル単量体成分は、一括して供給してもよく、分割して供給してもよい。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロキシパーオキサイド等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
本発明で使用することのできる粘着剤としては、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで、粘着付与樹脂(a2)を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂(a2)としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂(a2)としては、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる2種以上を組み合わせ使用することが、前記アクリル重合体(a1)との相溶性に優れ、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで好ましく、3種以上を組み合わせ使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂(a2)は、前記アクリル重合体(a1)100質量部に対して、10質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、20質量部〜50質量部の範囲で使用することがより好ましく、20質量部〜40質量部の範囲で使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着剤としては、より一層優れた凝集力を備えた粘着剤層を形成するうえで、架橋剤(a3)を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤(a3)としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル重合体(a1)またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することができる。なかでも、前記イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することが好ましい。
前記架橋剤(a3)を含有する粘着剤を用いて形成された粘着剤層(A)の架橋度合いの指標としては、粘着剤層(A)をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が挙げられる。前記ゲル分率としては、20質量%〜70質量%の範囲であることが好ましく、30質量%〜60質量%の範囲であることがより好ましく、35質量%〜55質量%の範囲であることが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでより好ましい。
なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定することができる。
任意の離型ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングすることによって粘着剤層を形成する。それを50mm角に切り取ったものを試料とする。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求める。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤としては、前記したものの他に、必要に応じてその他の成分を含有するものを使用することができる。
前記その他の成分としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維やバルーンやビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を使用することができる。
また、前記粘着剤としては、良好な塗工作業性を付与するうえで、前記アクリル系重合体(a1)の他に、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば有機溶剤、水等の水性媒体等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を使用することができる。
前記粘着剤を用いて形成された粘着剤層(A)としては、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が−40℃〜15℃の範囲であるものを使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで好ましく、−35℃〜10℃であるものを使用することがより好ましく、−18℃〜6℃であるものを使用することがさらに好ましく、−14℃〜6℃であるものを使用することが特に好ましく、−10℃〜6℃であるものを使用することが特に好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G”/G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、直径8mm、厚さ約2mmの円筒形に形成した粘着剤層を、同試験機の測定部である直径8mmのステンレス製パラレルプレートの間に挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘着剤層(A)の厚さは、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえで5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、10μm〜80μmの範囲であることがより好ましく、15μm〜80μmの範囲であることがさらに好ましい。
[両面粘着テープ]
本発明の両面粘着テープは、特定の発泡体基材と特定の粘着剤層(A)を含む粘着剤層とともに樹脂フィルムを積層することによって得られるものである。前記両面粘着テープは、薄型の構成であっても好適な耐衝撃性や静荷重保持力を有し、かつ、一定の力が加わった際には前記発泡体基材が層間割れを生じて好適に解体でき、解体後に被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に除去することができる。このため、本発明の両面粘着テープは、例えば小型電子機器の部品固定用途、特に、小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池などの解体時に過剰な力が加わると破損や歪みが生じやすい剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
本発明の両面粘着テープの実施形態としては、例えば発泡体基材の両面に樹脂フィルムが積層したものを中芯とし、その樹脂フィルムの表面(外側面)に粘着剤層が積層されたもののうち、少なくとも一方の粘着剤層が前記所定の引張強さを備えた粘着剤層(A)であるものを基本構成とする。
前記樹脂フィルムと粘着剤層(A)とは、直接積層されていても、他の層を介して積層されていてもよい。これら態様は使用用途によって適宜選択すればよく、両面粘着テープに遮光性を付与する場合には遮光層を、光反射性を確保する場合には光反射層を、電磁波シールド特性や面方向の熱伝導性を付与したい場合には金属箔や金属メッシュ導電性の金属をメッキした不織布を設けても良い。
遮光層としては、顔料などの着色剤を含有するインキから形成されるものが簡便に用いられ、黒インキからなる遮光層が、遮光性に優れるため好ましく用いられる。反射層としては、白色インキから形成される層を簡便に使用できる。これらの層は1μm〜20μmの厚さであることが好ましく、2μm〜6μmの厚さであることがより好ましい。
本発明の両面粘着テープは、例えば、前記発泡体基材の両面に前記樹脂フィルムが予め積層された中芯を用い、前記中芯の両面に、前記粘着剤を塗布し乾燥等させることによって、前記中芯の両面に粘着剤層(A)を含む粘着剤層を形成する直接法、または、離型ライナーの表面に前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって形成された粘着剤層(A)等を、前記中芯の両面に転写する方法によって製造することができる。
前記粘着剤として架橋剤を含有するものを使用する場合、前記架橋反応を進行させるうえで、両面粘着テープを好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2日間〜7日間の熟成させることが、静荷重保持力や180°引き剥がし接着力に優れ、樹脂フィルムと粘着剤層(A)との密着性をより一層向上できる。
前記離型ライナーとしては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されたものを使用することができる。
なかでも、前記離型ライナーとしては、厚さ10μm〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙、ポリエステルフィルムの基材の片面または両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの等を使用することが好ましい。
本発明の両面粘着テープの厚さは、使用する態様によって適宜調整すれば良いが、400μm以下であると、小型電子機器の薄型化に貢献しやすいため好ましく、80μm〜300μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることがさらに好ましい。本発明の両面粘着テープは、当該薄型の構成であっても、好適な耐衝撃性と解体性とを有する。
本発明の両面粘着テープは、上記構成により好適な耐衝撃性や静荷重保持力を有し、かつ、一定の力が加わった際には前記発泡体基材が層間割れを生じて好適に解体でき、解体後に被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に除去できることから、例えば、小型電子機器の部品、小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池、スピーカー、レシーバー、圧電素子、プリント基板、フレキシブルプリント基板(FPC)、デジタルカメラモジュール、センサー類、その他のモジュールや、ポリウレタンやポリオレフィン系などのクッション材ゴム製部材、加飾用部品や各種部材の固定などに好適に適用できる。特に小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池などの薄型の剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
[調製例1]アクリル重合体(A−1)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体(A−1)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量であり、以下の方法で測定した。
GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
[調製例2]アクリル重合体(A−2)の製造方法
前記4−ヒドロキシブチルアクリレートの使用量を0.06質量部から0.02質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から80.98質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−2)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例3]アクリル重合体(A−3)の製造方法
前記4−ヒドロキシブチルアクリレートの使用量を0.06質量部から0.1質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から80.9質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量162万のアクリル重合体(A−3)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例4]アクリル重合体(A−4)の製造方法
前記シクロヘキシルアクリレートを使用しないこと、及び、2−エチルヘキシルアクリレートの使用量を5質量部から15質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量132万のアクリル重合体(A−4)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例5]アクリル重合体(A−5)の製造方法
前記アクリル酸の使用量を4質量部から2質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から97.94質量部に変更し、かつ、2−エチルヘキシルアクリレートを使用しないこと以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−5)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例6]アクリル重合体(A−6)の製造方法
前記アクリル酸の使用量を4質量部から6質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から93.94質量部に変更し、かつ、2−エチルヘキシルアクリレートを使用しないこと以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−6)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例7]アクリル重合体(A−7)の製造方法
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液の使用量を2質量部(固形分0.1質量%)から1質量部(固形分0.05質量%)に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量178万のアクリル重合体(A−7)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例8]アクリル重合体(A−8)の製造方法
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液の使用量を2質量部(固形分0.1質量%)から10質量部(固形分0.5質量%)に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量81万のアクリル重合体(A−8)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[比較調製例1]アクリル重合体(B−1)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート95.9質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量186万のアクリル重合体(B−1)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[比較調製例2]アクリル重合体(B−2)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート63.9質量部、2−エチルヘキシルアクリレート32質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量75万のアクリル重合体(B−2)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[実施例1]
容器に、前記アクリル重合体(A−1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂であるD−125(荒川化学工業株式会社製)15質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂であるA−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.4質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(p−1)を得た。
前記粘着剤(p−1)を用い、後述する方法で測定された引張強さは10.8N/cm、ゲル分率は48質量%、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度は−9.0℃であった。
次に、上記で調製した粘着剤(p−1)を、2枚の離型ライナーの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが15μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥することによって粘着剤層を作製した。
次に、2枚のポリエチレンテレフタレート(厚さ6μm)からなる樹脂フィルムの片面に、後述するウレタン系接着剤を塗布し乾燥させた。
次に、黒色ポリオレフィン系発泡体(h−1)(厚さ100μm、見かけ密度0.40g/cm、層間強度12.6N/cm、25%圧縮強度:103kPa、流れ方向の引張強さ:1084N/cm、幅方向の引張強さ:790N/cm、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理することによって濡れ指数54mN/mとしたもの)からなる基材の両面に、前記樹脂フィルムを貼付することによって、前記基材の両面に前記樹脂フィルムが厚さ4μmのウレタン系接着剤層を介して接着された積層体(H−1)を作製した。前記ウレタン系接着剤としては、水酸基を有するポリエーテル系ウレタン樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含有する2液型溶剤系ウレタン接着剤を使用した。
前記積層体(H−1)を構成する樹脂フィルムの両面に、前記厚さ15μmの粘着剤層を貼付した後、23℃下、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。その後、40℃の環境下で48時間エージングすることによって、厚さ150μmの両面粘着テープ(P−1)を得た。
[実施例2]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−2)溶液を使用し、バーノックD−40の配合量を1.4質量部から1.6質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−2)及び両面粘着テープ(P−2)を得た。
[実施例3]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−3)溶液を使用し、バーノックD−40の配合量を1.4質量部から1.2質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−3)及び両面粘着テープ(P−3)を得た。
[実施例4]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−4)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−4)及び両面粘着テープ(P−4)を得た。
[実施例5]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−5)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−5)及び両面粘着テープ(P−5)を得た。
[実施例6]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−6)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−6)及び両面粘着テープ(P−6)を得た。
[実施例7]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−7)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−7)及び両面粘着テープ(P−7)を得た。
[実施例8]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−8)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−8)及び両面粘着テープ(P−8)を得た。
[実施例9]
前記粘着付与樹脂として、前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂であるD−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂であるA−125(荒川化学工業株式会社製)5質量部と石油系粘着付与樹脂であるFTR6125(三井化学株式会社製)15質量部とを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−9)及び両面粘着テープ(P−9)を得た。
[実施例10]
前記厚さ100μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−1)の代わりに、厚さ300μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−2)(層間強度22N/cm、見かけ密度0.20g/cm、25%圧縮強度90kPa、表面をコロナ処理することでぬれ指数54mN/mに調整したもの)を用いて作製した積層体(H−2)を使用したこと、乾燥後の粘着剤層の厚さを両面とも40μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−10)を得た。
[実施例11]
前記厚さ100μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−1)の代わりに、厚さ80μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−3)(層間強度10.2N/cm、見かけ密度0.40g/cm、25%圧縮強度92kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を用いて作製した積層体(H−3)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−11)を得た。
[実施例12]
前記厚さ100μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−1)の代わりに、厚さ140μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−4)(層間強度19.1N/cm、見かけ密度0.40g/cm、25%圧縮強度130kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を用いて作製した積層体(H−4)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−12)を得た。
[実施例13]
前記厚さ100μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−1)の代わりに、厚さ150μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−5)(層間強度26.9N/cm、見かけ密度0.52g/cm、25%圧縮強度400kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を用いて作製した積層体(H−5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−13)を得た。
[実施例14]
前記厚さ100μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−1)の代わりに、厚さ170μmのポリオレフィン系発泡体基材(h−6)(層間強度30.6N/cm、見かけ密度0.45g/cm、25%圧縮強度350kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を用いて作製した積層体(H−6)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−14)を得た。
[実施例15]
前記厚さ6μmポリエチレンテレフタレートの代わりに、厚さ3μmポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムを用いて作製した積層体(H−7)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−15)を得た。
[実施例16]
前記厚さ6μmポリエチレンテレフタレートの代わりに、厚み16μmポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムを用いて作製した積層体(H−8)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(P−16)を得た。
[比較例1]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、アクリル重合体(B−1)溶液を使用し、バーノックD−40の使用量を1.4質量部から1.24質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(q−1)及び両面粘着テープ(Q−1)を得た。
[比較例2]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、アクリル重合体(B−2)溶液を使用し、バーノックD−40の使用量を1.4質量部から1.6質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(q−2)及び両面粘着テープ(Q−2)を得た。
[比較例3]
前記黒色ポリオレフィン系発泡体(h−1)の代わりに、ポリオレフィン系発泡体(h−7)(厚さ100μm、見かけ密度0.33g/cm、層間強度8.9N/cm、25%圧縮強度:50kPa、流れ方向の引張強さ:799N/cm、幅方向の引張強さ:627N/cm、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−3)を得た。
[比較例4]
樹脂フィルムを使用しなかったこと、および、乾燥後の粘着剤層の厚さを両面とも25μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−4)を得た。
[比較例5]
粘着付与樹脂として、前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂であるD−125(荒川化学工業株式会社製)5質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂であるA−100(荒川化学工業株式会社製)20質量部と石油系粘着付与樹脂であるFTR6100(三井化学株式会社製)20質量部とを使用すること、バーノックD−40の使用量を1.4質量部から1.5質量部に変更すること以外は、実施例5と同様の方法で粘着剤(q−3)及び両面粘着テープ(Q−5)を得た。
[比較例6]
ポリエチレンテレフタレート(厚さ6μm)からなる樹脂フィルム1枚の片面に、前記ウレタン系接着剤を塗布し乾燥した。
次に、前記黒色ポリオレフィン系発泡体(h−1)からなる基材の片面に、前記樹脂フィルムを貼付することによって、前記発泡体(h−1)の片面に前記樹脂フィルムが厚さ4μmのウレタン系接着剤層を介して接着された積層体(H−8)を作製した。
前記積層体(H−8)を構成する樹脂フィルム側の面に、前記厚さ25μmの粘着剤層を貼付し、前記積層体(H−8)を構成する発泡体基材側の面に、前記厚さ15μm粘着剤層を、実施例1と同様の方法で貼付することによって両面粘着テープ(Q−4)を得た。
[歪み量100%における応力−歪み曲線に基づく引張強さの測定方法]
任意の剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、両面粘着テープの製造に使用した前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。次に、この粘着剤層を厚さ約400μmになるまで積層することによって、標線間隔2cm、幅1cmの試験片を作成した。
前記試験片を、温度23℃、湿度50%の測定環境下で、引張試験機を用い、引張速度300mm/分で測定される応力−ひずみ曲線(いわゆる、S−Sカーブ)から、ひずみ量が100%での引張強さを求めた。
[粘着剤の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度の測定方法]
任意の剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。次に、この粘着剤層を厚さが約2mmになるまで積層したのち、内径8mmの皮ポンチで打ち抜くことによって、直径8mm、厚さ約2mmの円筒形の試験片を作成した。
つぎに、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)の測定部である直径8mmのステンレス製パラレルプレートの間に、前記試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの損失正接(tanδ=損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)を測定して、tanδの極大値を示した温度を求めた。
[ゲル分率の測定方法]
粘着剤層のゲル分率は、下記に示す方法で測定した。
任意の剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。それを50mm角に切り取ったものを試料とした。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
[耐衝撃性の評価方法]
1)厚さ2mm、外形50mm×50mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、アクリライトL「商標名」、色相:透明)に、長さ40mm及び幅5mmに裁断した2枚の両面粘着テープの一方の粘着剤層を40mmの間隔をあけて平行に貼付(図1)したのち、厚さ2mm、外形150mm×100mmのABS板(住友ベークライト株式会社製、タフエースR「商標名」色相:ナチュラル、シボなし)の中央部に貼付した(図2)。それらを2kgローラーで1往復加圧したのち、23℃で1時間静置したものを試験片とした。
2)デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字型測定台(厚さ5mmのアルミ製)を設置し、その上に、前記試験片を、アクリル板からなる面を下向きにして載せた(図3)。直径25mm、質量300gのステンレス製の撃芯を、高さ30cmから前記試験片のABS板側の面の中心部分に10秒間隔で5回落下させた。前記落下後、前記試験片を目視で確認し、それを構成する両面粘着テープの剥がれや前記試験片の破壊が認められなかった場合、前記撃芯をさらに10cm高い位置(40cm)から、10秒間隔で5回落下させた。かかる試験を繰り返し行い、前記試験片を構成する両面粘着テープの剥がれや前記試験片の破壊が認められた時の撃芯の落下高さを測定した。
○:前記撃芯の落下高さが60cm以上であった。
×:前記撃芯の落下高さが高さ60cm未満であった。
[静荷重保持力の評価方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの雰囲気下、外形14mm×14mm及び幅2mmの額縁状に裁断した両面粘着テープの一方の粘着剤層の表面に、厚さ2mm、外形15mm×15mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、アクリライトMR200「商標」、色相:透明)を貼付した。
次に、中心部に直径8mmの穴がある、厚さ2mm、外形65mm×30mmの長方形のステンレス板に、前記両面粘着テープが貼付したアクリル板を、前記穴を塞ぐ様に貼付したのち、50N/cmで10秒圧着したものを試験片とした。
温度40℃及び相対湿度50%RHの雰囲気下、前記アクリル板からなる面が下になるように前記試験片を水平に載置し、その短辺側の両端部を固定した。次に、前記アクリル板の中央部に400gの重りを取り付けることで、下方向に荷重した状態で放置した。
前記重りを取り付けた前記アクリル板とステンレス板との距離が、試験開始前と比較して0.2mm離れるまでの時間(分)を測定した。なお、試験開始から24時間経過しても、前記アクリル板とステンレス板との距離の増加が0.2mm未満のものは、後述する表に「1440分以上」と記載した。前記時間(分)が300分以上である両面粘着テープは、静荷重保持力に優れるといえ、特に700分以上である両面粘着テープは、静荷重保持力の点で特に優れると判断した。
[発泡体基材と両面粘着テープとの厚さ]
発泡体基材の厚さは、尾崎製作所製のダイヤルシクネスゲージG型を用いて測定した。 両面粘着テープの厚さは、剥離ライナーを剥がしたものの厚さを、ダイヤルシクネスゲージG型を用いて測定した。
[発泡体基材の密度]
発泡体基材の密度は、JISK6767に準じて測定した。具体的には、4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を15cm分用意し、その質量を測定して密度を求めた。
[発泡体基材の層間強度]
発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたものを、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作成した。
次に、前記両面粘着テープの片側の粘着面を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした後、発泡体基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断したものを、23℃及び相対湿度50%RH下、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに貼付し、その表面を、2kgローラーを1往復させることで、それらを圧着した後、60℃の環境下に48時間静置し、次いで23℃で24時間静置することによって試験片を得た。
次に、23℃及び相対湿度50%RH下、前記試験片を構成する厚さ50μmのポリエステルフィルム側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、前記試験片を構成する厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張ることで、前記試験片を構成する発泡体基材が引き裂かれた際の最大強度を測定した。
[解体性]
1)実施例及び比較例で得た両面粘着テープを、長さ(発泡体基材の流れ方向)2cm及び幅1cmに裁断したものを、縦2.5cm、横4.0cm、2mm厚のポリカーボネート板(バイエル社製、バイロン)の中心から横方向に2cmの間隔をあけて2枚を平行に貼付した。なお、比較例6で得た両面粘着テープを用いて解体性を評価する場合には、前記両面粘着テープを構成する発泡体側の面の粘着剤層に、前記ポリカーボネート板を貼付した。
2)次に、長さ20cm、幅1.5cm、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の端部を、前記ポリカーボネート板の前記両面粘着テープを貼付した面の反対側の面の中央部に固定した。次に、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムが、前記2枚の両面粘着テープの間を通るように、前記ポリカーボネート板のまわりに1周巻き付けた。
3)前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたポリカーボネート板と、縦20cm及び横20cmのアルミニウム板とを、前記両面粘着テープを用いて貼付し、それらを5N/cmの荷重で10秒間圧着し、23℃及び50%RH環境下で72時間静置したものを試験片とした。
4)前記試験片を構成するポリエチレンテレフタレートフィルムの端部を、前記アルミニウム板の水平方向に対して90°方向に手で引きあげることによって、前記ポリカーボネート板を引きはがした。その際の両面粘着テープの剥離状態を観察した。
◎:両面粘着テープを貼付した全面(10割)の範囲で、前記発泡体基材がその層間で破壊し、前記アルミニウム板とポリカーボネート板とが解体された。
○:両面粘着テープを貼付した面積の9割以上10割未満の範囲で、前記発泡体基材がその層間で破壊し、前記アルミニウム板とポリカーボネート板とが解体された。
×:両面粘着テープを貼付した面積に対し前記発泡体基材がその層間で破壊した範囲が9割未満であった。
[除去性]
上記解体性の試験後に残ったポリカーボネート板及びアルミニウム板上の(両面粘着テープ)残存物の端部をつまみあげ、135°方向に600mm/分の引張速度で手剥がしにて剥離した。その際の残存物の剥離除去の状態を観察した。
◎:両面粘着テープの残存物の全て(10割)が剥離除去された。
○:両面粘着テープの残存物の9割以上10割未満が剥離除去された。
△:両面粘着テープの残存物を剥離除去できた部分が5割以上〜9割未満であった。
×:両面粘着テープの残存物を剥離除去できた部分が5割未満であった。
Figure 2016008290
Figure 2016008290
Figure 2016008290
Figure 2016008290
上記実施例1〜14とおり、本発明の両面粘着テープは、被着体との優れた静荷重保持力および落下衝撃耐性、易解体性(層間割れ性)、テープ残存物の剥離性を有するものであった。一方、比較例1〜5の両面粘着テープは、静荷重保持力、耐衝撃性、解体性または除去性の点でに劣るものであった。
1 両面粘着テープ
2 アクリル板
3 ABS板
4 コの字型測定台
5 撃芯

Claims (10)

  1. 発泡体基材の両面に樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層が積層された両面粘着テープであって、
    前記発泡体基材が、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層の一方または両方は、歪み量100%における強度−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm以上の粘着剤層(A)であることを特徴とする両面粘着テープ。
  2. 前記粘着剤層(A)の、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)の極大値を示す温度領域が、−40℃〜15℃の範囲である請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記発泡体基材が、密度0.8g/cm以下である請求項1または2に記載の両面粘着テープ。
  4. 総厚さが400μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 前記発泡体基材の引張強さが、500N/cm〜1700N/cmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  6. 前記樹脂フィルムが、ポリエステル樹脂またはウレタン樹脂を用いて得られるフィルムである請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  7. 前記発泡体基材と前記樹脂フィルムとが、接着剤層を介して積層されたものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  8. 前記接着剤層が、ウレタン樹脂を含有する層である請求項7に記載の両面粘着テープ。
  9. 電子機器の部品間の固定に使用する請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着テープを用いて、2以上の被着体が接着された物品。
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