JP2016007672A - ゴム部材の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの品質を損なうことなく、生産性の向上が達成されたゴム部材の作製方法の提供。【解決手段】この作製方法は、高周波で振動するブレード16を往復運動させてゴム組成物からなるリボンを切断し、ゴム部材を作製するための方法である。この作製方法は、(1)ブレード16の前方にリボンをセットする工程、(2)往復運動の下死点に向かってブレード16を前進させる工程、(3)下死点においてブレード16を保持する工程、及び、(4)往復運動の上死点に向かってブレード16を後進させる工程を含む。この作製方法では、前進工程及び保持工程、又は、前進工程、保持工程及び後進工程において、ブレード16は振動しており、この振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、ゴム部材の作製方法に関する。詳細には、ゴム組成物をシート状に加工し、これを切断してゴム部材を作製するための方法に関する。
タイヤは、多数のゴム部材を組み合わせて構成されている。これらのゴム部材には、その全体がゴム組成物から形成されたものがある。このようなゴム部材として、トレッド、サイドウォール及びクリンチが挙げられる。
タイヤの製造方法では、例えばトレッドは、ゴム組成物からなるシートを筒状に巻き回すことにより作製される。このシートは、押し出し成形にてゴム組成物をシート状に加工し、所定の長さでこれを切断することにより得られる。このシートを筒状に巻回した後、このシートの一方の切断面と、その他方の切断面とが接合される。これにより、トレッドが得られる。
シート状に加工されたゴム組成物(以下、リボンとも称される。)の切断では、切断装置が用いられる。この装置の一例が、特開2003−127247公報に開示されている。この公報に記載の装置では、リボンの切断のために、超音波振動をするブレードが用いられている。
ゴム部材の剛性の観点から、ゴム組成物は補強剤を含んでいる。この補強剤としては、カーボンブラックが一般的である。しかし近年、車輌の燃費性能の観点から、カーボンブラックに換えて、又は、このカーボンブラックとともに、シリカを用いることがある。これは、主たる補強剤としてシリカを含むゴム部材は、主たる補強剤としてカーボンブラックを含むゴム部材よりも発熱しにくいからである。シリカを含むゴム部材は、タイヤの転がり抵抗の低減に寄与する。しかしその一方で、シリカを含むゴム部材を採用した場合、例えば、トレッドの作製において、一方の切断面と他方の切断面とが接合しにくいという問題がある。
糊(ジョイント糊とも称される。)を用いて切断面同士を接合すれば、接合不良は解消される。しかしこの場合、糊を塗布するための工程が追加される。工程の追加は、生産性に影響する。
生産性の観点から、リールトレッド工法を採用することがある。この工法では、長尺のリボンはリールに巻かれて中間製品として準備される。この工法では、リールからリボンを引き出しつつ、このリボンは切断される。この切断により形成されたシートは、そのままフォーマーに供給され、トレッドに成形される。この工法では、トレッドが連続的に準備される。
前述の工法では、生産性が重視される。このため、この工法には、切断面の接合のために、この切断面に糊を塗布するための工程は含まれない。したがって、主たる補強剤としてシリカを含むゴム部材の作製にこの工法を適用した場合、切断面同士が十分に接合できない恐れがある。主たる補強剤としてシリカを含むゴム部材を採用したタイヤでは、品質を維持しつつ、生産性の向上を図るにも限界がある。
本発明の目的は、タイヤの品質を損なうことなく、生産性の向上が達成されたゴム部材の作製方法の提供にある。
本発明に係るゴム部材の作製方法は、高周波で振動するブレード、このブレードの進行方向を調整する角度調整手段、及び、このブレードの進行速度を調整する駆動手段を備えた設備を用いて、上記ブレードを往復運動させてゴム組成物からなるリボンを切断し、ゴム部材を作製するための方法である。この作製方法は、
(1)上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
(2)上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程
(3)上記下死点において上記ブレードを保持する工程
及び
(4)上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含む。この作製方法では、上記前進工程及び上記保持工程、又は、この前進工程、この保持工程及び上記後進工程において、上記ブレードは振動しており、この振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。
(1)上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
(2)上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程
(3)上記下死点において上記ブレードを保持する工程
及び
(4)上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含む。この作製方法では、上記前進工程及び上記保持工程、又は、この前進工程、この保持工程及び上記後進工程において、上記ブレードは振動しており、この振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。
本発明に係るゴム部材の他の作製方法も、高周波で振動するブレード、このブレードの進行方向を調整する角度調整手段、及び、このブレードの進行速度を調整する駆動手段を備えた設備を用いて、上記ブレードを往復運動させてゴム組成物からなるリボンを切断し、ゴム部材を作製するための方法である。この作製方法は、
(1)上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
(2)上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程
及び
(3)上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含む。この作製方法では、上記前進工程及び上記後進工程において、上記ブレードは振動しており、この振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。
(1)上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
(2)上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程
及び
(3)上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含む。この作製方法では、上記前進工程及び上記後進工程において、上記ブレードは振動しており、この振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。
本発明に係るゴム部材の作製方法では、ブレードの進行方向及び進行速度、並びに、ブレードの振動のための周波数が適切に調整されるとともに、このブレードの振動が前進工程だけでなく、その後に続く、保持工程や後進工程のような後工程においても、維持されうる。この作製方法では、シートの切断面の温度が効果的に調節される。このため、主たる補強剤としてシリカを含むゴム組成物からなるゴム部材の作製に、この作製方法を適用した場合、シートの切断面は十分に温められる。適度な温度を有する切断面は、十分な接合に寄与する。この作製方法には、切断面に糊を塗布するための工程は不要である。本発明によれば、タイヤの品質を損なうことなく、生産性の向上が達成される。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された切断設備2は、タイヤのゴム部材としてのトレッドの作製に用いられる。この設備2は、フレーム4、カッター6、駆動手段8、角度調整手段10、刀受部11、搬送手段12及び押圧手段14を備えている。この設備2では、カッター6、駆動手段8等のパーツはフレーム4で支持されている。
この図1において、紙面の右側がこの装置の上流側である。符号Rは、シート状に加工されたゴム組成物(以下、リボン)を表している。この図1においては、リボンRは紙面の右側からその左側に向かってこの設備2を移動していく。この図1の矢印Cは、この設備2におけるリボンRの搬送方向を表している。
この作製方法では、リボンRをなすゴム組成物は、補強剤としてシリカを含んでいる。このシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ及びコロイダルシリカが挙げられる。このゴム組成物では、補強剤全量の60質量%以上がシリカである。このゴム組成物においてシリカは、主たる補強剤である。
この設備2では、カッター6はリボンRの上方に位置している。カッター6は、ブレード16と、振動発生部18とを備えている。このカッター6では、ブレード16が高周波で振動する。このカッター6は、いわゆる、超音波カッターである。
ブレード16は、カッター6の前方部分をなしている。ブレード16は、そのエッジ20に向かって先細りである。図から明らかなように、このブレード16のエッジ20は片刃である。より詳細には、このブレード16では、そのエッジ20の上面に刃が付けられている。なお、このエッジ20が両刃とされてもよい。
振動発生部18は、カッター6の後方部分をなしている。この振動発生部18の先に、前述のブレード16が取り付けられている。この振動発生部18には、ブレード16を高周波で振動させるための手段が内蔵されている。この手段は、通常、振動を発生する圧電素子と、この振動を増幅するホーンとで構成される。図1において、両矢印Vはこのブレード16の振動の方向を表している。この振動の方向は、後述するブレード16の進行方向に沿っている。
駆動手段8は、動力部22と、スライダ24とを備えている。図示されていないが、この動力部22には、サーボモータ及びボールネジが内蔵されている。この駆動手段8では、サーボモータの駆動により、ボールネジが回転する。この回転により、スライダ24がこのボールネジに沿って移動する。このボールネジの回転が反転すると、スライダ24は逆向きに移動する。この駆動手段8は、スライダ24が往復運動するように構成されている。この駆動手段8では、ボールネジの回転速度の調節により、スライダ24の移動速度が制御される。このような駆動手段8としては、株式会社アイエイアイ社製の商品名「ロボシリンダ(RCP3シリーズ)」が例示される。
この設備2では、カッター6は駆動手段8のスライダ24に固定されている。前述したように、この駆動手段8のスライダ24は往復運動をする。この設備2では、駆動手段8によりカッター6の一部をなすブレード16の往復運動が実現されている。本発明では、ブレード16がリボンRに向かって進む方向、すなわち、往復運動の下死点に向かってブレード16が進む方向が前進と称される。この前進とは逆向きにブレード16が進む方向、すなわち、往復運動の上死点に向かってブレード16が進む方向が後進と称される。図1において、実線Lはブレード16の進行方向を表している。この設備2では、ブレード16は、この実線Lに沿って往復運動をする。前述したように、この駆動手段8では、ボールネジの回転速度の調節により、スライダ24の移動速度が制御される。この設備2では、この駆動手段8により、ブレード16の前進又は後進における進行速度が調整される。
角度調整手段10は、プレート26、支点ネジ28、長穴30及び誘導ネジ32を備えている。プレート26は、支点ネジ28及び誘導ネジ32によりフレーム4に固定されている。長穴30は、フレーム4に設けられている。誘導ネジ32は、この長穴30に通されている。この角度調整手段10では、プレート26は支点ネジ28を中心に旋回するように構成されている。これにより、プレート26のリボンRに対する向きが調整される。図示されていないが、この角度調整手段10は、制御ネジをさらに備えている。この設備2では、制御ネジは、その先端がプレート26をその下側から押圧できるようにフレーム4に取り付けられている。この設備2では、制御ネジの微調整により、プレート26の向きが制御される。なお、この設備2では、角度調整手段10におけるプレート26の向きを設定するための機構に特に制限はない。この機構は、設備2の仕様に応じて適宜決められる。
この設備2では、駆動手段8は角度調整手段10のプレート26に固定されている。前述したように、カッター6は駆動手段8に固定されている。角度調整手段10では、プレート26が支点ネジ28を中心に旋回することにより、このプレート26のリボンRに対する向きが調整される。この設備2では、角度調整手段10により、カッター6、すなわち、ブレード16の進行方向が調整される。
刀受部11は、リボンRの下側に位置している。この刀受部11は、溝33を備えている。この設備2では、往復運動の下死点に到達したブレード16は、この溝33に収容される。これにより、ブレード16の破損が防止される。
この設備2では、角度調整手段10により、ブレード16の進行方向が調整された後、図示されない移動手段により、この角度調整手段10が固定されたフレーム4が上流側又は下流側(図1の両矢印Mで示された方向)に動かされる。これにより、往復運動の下死点に到達したブレード16が確実に刀受部11の溝33に収容されるように、この往復運動の上死点にあるブレード16の位置が調整される。この設備2は、ブレード16の耐久性に寄与する。
搬送手段12は、複数のローラ34を備えている。この搬送手段12では、リボンRの長手方向、すなわち、リボンRの搬送方向に、複数のローラ34が並列されている。この設備2では、ローラ34の本数、間隔等は、設備2の仕様に応じて適宜決められる。
この設備2では、ローラ34の回転により、リボンRが下流に向かって搬送される。ローラ34の回転速度の調節により、リボンRの搬送速度が制御される。
押圧手段14は、カッター6よりも下流側に位置している。押圧手段14は、リボンRを押さえてこのリボンRを拘束する。この設備2では、押圧手段14は駆動部36及び押圧部38を備えている。図示されていないが、駆動部36はフレーム4に固定されている。
この設備2では、駆動部36はロッド40を備えている。この駆動部36は、ロッド40が上下に移動するように構成されている。押圧部38は、ロッド40に固定されている。ロッド40が下方に移動することにより、押圧部38は下降する。これにより、押圧部38がリボンRと接触する。リボンRは未架橋のゴム組成物からなるので柔軟である。接触によるリボンRの形態変化を防止するために、押圧部38の先端部分42は柔軟性のある素材で構成されている。この先端部分42はリボンRの形態変化を防止できればよく、この先端部分42に特に制限はない。
図示されていないが、この設備2は制御手段をさらに備えている。この制御手段は、カッター6における圧電素子の振動を制御する。これにより、ブレード16の振動の周波数が調整される。この制御手段は、駆動手段8におけるサーボモータの動作を制御する。これにより、ブレード16の往復運動、例えば、このブレード16の前進又は後進のための進行速度が調整される。さらにこの制御手段は、搬送手段12におけるローラ34の回転速度を制御する。これにより、リボンRの搬送の開始及び停止並びにこのリボンRの搬送速度が調整される。そしてこの制御手段は、押圧手段14におけるロッド40の動きを制御する。これにより、リボンRの拘束及び解放が調整される。このような制御手段としては、パーソナルコンピュータが例示される。
以上説明された設備2を用いて、トレッドは次のようにして作製される。この作製方法では、ブレード16を往復運動させてリボンRを切断し、トレッドが作製される。
この作製方法では、トレッドのためのゴム組成物が準備される(STEP−1)。このゴム組成物を押し出して、このゴム組成物がシート状に加工される(STEP−2)。これにより、中間製品としてのリボンRが得られる。このリボンRは、リール(図示されず)に巻き取られる(STEP−3)。リボンRが巻かれたリールは、本発明の設備2に供給される(STEP−4)。
このトレッドの作製方法では、設備2を動作させるための条件が設定される。言い換えれば、この作製方法は、設備2を動作させるための条件を設定する工程(STEP−5)を含んでいる。この動作のための条件としては、ブレード16の進行方向、ブレード16の振動の周波数、ブレード16の振動の開始及び停止のタイミング、ブレード16の進行速度、リボンRの搬送速度、並びに、リボンRの拘束及び解放のタイミングが挙げられる。この工程(STEP−5)では、リボンRに含まれる補強剤の種類、その配合量等を考慮して、前述された、動作のための条件が決められる。ブレード16の進行方向は、角度調整手段10により調整される。ブレード16の振動の周波数、ブレード16の振動の開始及び停止のタイミング、ブレード16の進行速度、リボンRの搬送速度、並びに、リボンRの拘束及び解放のタイミングに関する情報は、制御手段を通じて、対応するパーツに入力される。このようにして、この作製方法では、この工程(STEP−5)において、設備2を動作させるための条件が設定される。
この作製方法では、リールからリボンRが引き出され、搬送手段12により、リボンRが供給される。これにより、リボンRがブレード16の前方にセットされる。言い換えれば、この作製方法は、ブレード16の前方にリボンRをセットする工程(STEP−6)を含んでいる。この工程(STEP−6)では、リボンRのセットとともに、押圧手段14の押圧部38が下降し、この押圧部38がリボンRに接触する。これによりリボンRが押さえられ、このリボンRが拘束される。
この作製方法では、駆動手段8によりブレード16の往復運動が開始される。詳細には、往復運動の下死点に向かって、ブレード16が前進させられる。言い換えれば、この作製方法は、往復運動の下死点に向かって、ブレード16を前進させる工程(STEP−7)を含んでいる。この前進工程(STEP−7)の開始の様子が、図2に示されている。
この前進工程(STEP−7)では、ブレード16はリボンRに接触する。これによりリボンRの切断が開始される。この設備2では、ブレード16の往復運動の下死点は、リボンRよりも下方に位置している。ブレード16のエッジ20がこの往復運動の下死点に到達することにより、このリボンRは切断される。これにより、前進工程(STEP−7)は終了する。この前進工程(STEP−7)の終了の様子が、図3に示されている。この図3に示されているように、リボンRを貫通したブレード16は刀受部11の溝33に収容されている。
図4には、図1の設備2の一部としてのブレード16がリボンRとともに示されている。ブレード16のエッジ20は、リボンRの幅方向に延在している。図4において、両矢印WBはブレード16の幅を表している。この幅WBは、ブレード16のエッジ20の長さでもある。両矢印WRは、リボンRの幅を表している。
この作製方法に用いられる設備2では、ブレード16の幅WBはリボンRの幅WRよりも大きい。したがって、この設備2によれば、ブレード16の1回の往復運動でリボンRが確実に切断される。このブレード16によるリボンRの切断は、生産性を阻害しない。
この作製方法では、往復運動の下死点においてブレード16が一旦保持される。言い換えれば、この作製方法は、下死点においてブレード16を保持する工程を含んでいる(STEP−8)。なお、前進工程(STEP−7)の終了と同時に、後述するブレード16の後進が開始されてもよい。この場合、この保持工程(STEP−8)は作製方法には含まれない。
この作製方法では、下死点においてブレード16をしばらく保持した後、ブレード16の往復運動が再開される。詳細には、往復運動の上死点に向かって、ブレード16が後進させられる。言い換えれば、この作製方法は、往復運動の上死点に向かって、ブレード16を後進させる工程(STEP−9)を含んでいる。これにより、ブレード16がリボンRから引き抜かれ、リボンRの切断が完了する。そして、押圧部38が上昇し、リボンRが押圧部38による拘束から解放される。
この作製方法では、リボンRの切断により、シートが得られる。このシートは、搬送手段12により、フォーマーに供給される。言い換えれば、この作製方法は、リボンRの切断により得たシートをフォーマーに供給する工程(STEP−10)を含んでいる。
図5には、フォーマーFに供給されたシートSの様子が示されている。図5(a)に示されているように、フォーマーFにおいて、シートSは筒状に巻回される。巻回されたシートSにおいては、図5(b)に示されているように、一方の切断面44aと他方の切断面44bとが接合される。これにより、トレッドが得られる。この作製方法は、フォーマーFにおいてシートSを筒状に巻回す工程(STEP−11)を含んでいる。
この作製方法では、高周波で振動するブレード16でリボンRは切断される。このため、この作製方法は、ブレード16の振動を開始する工程(STEP−A)を含んでいる。この作製方法では、ブレード16の振動の開始のタイミングは制御手段により制御される。
この作製方法では、開始工程(STEP−A)は前述された前進工程(STEP3)の前に実行される。これにより、振動するブレード16でリボンRは切断される。振動状態にあるブレード16でリボンRが切断されればよいので、ブレード16のエッジ20がリボンRに接触する直前に、この開始工程(STEP−A)が実行されてもよい。
この作製方法では、リボンRの切断が完了すると、ブレード16の振動は停止される。言い換えれば、この作製方法は、ブレード16の振動を停止する工程(STEP−B)を含んでいる。この作製方法では、ブレード16の振動の停止のタイミングは制御手段により制御される。
保持工程(STEP−8)の開始の直前に停止工程(STEP−B)が実行された場合には、前進工程(STEP−7)においてブレード16は振動し、保持工程(STEP−8)及び後進工程(STEP−9)ではブレード16は振動していない。この停止工程(STEP−B)が後進工程(STEP−9)の開始の直前に実行された場合には、前進工程(STEP−7)及び保持工程(STEP−8)においてブレード16は振動し、後進工程(STEP−9)ではブレード16は振動していない。停止工程(STEP−B)が後進工程(STEP−9)の終了時点において実行された場合には、前進工程(STEP−7)、保持工程(STEP−8)及び後進工程(STEP−9)において、ブレード16は振動している。後進工程(STEP−9)においては、ブレード16のエッジ20がリボンRから離れるとこのブレード16の振動は不要となる。このため、前進工程(STEP−7)、保持工程(STEP−8)及び後進工程(STEP−9)においてブレード16を振動させる場合には、このブレード16がリボンRから引き抜かれた直後に、この停止工程(STEP−B)が実行されてもよい。なお、この作製方法が保持工程(STEP−8)を含まない場合には、前進工程(STEP−7)の終了の時点、又は、後進工程(STEP−9)の終了の時点において、停止工程(STEP−B)が実行される。したがって、この場合には、前進工程(STEP−7)においてブレード16は振動させられる、又は、前進工程(STEP−7)及び後進工程(STEP−9)においてブレード16は振動させられる。
前述したように、この作製方法では、高周波で振動するブレード16でリボンRは切断される。高周波の振動は、リボンRを滑らかに切断する一方で、このリボンRの切断面44に熱を帯びさせる。
この作製方法では、ブレード16のエッジ20がリボンRにその上面から進入していく。この作製方法では、リボンRの略厚み方向にブレード16が進行することにより、このリボンRは切断される。この作製方法では、リボンRの幅方向にブレード16を進行させてこのリボンRを切断した場合に比べて、リボンRの変形が効果的に抑えられる。振動するブレード16とリボンRとの接触時間が短縮されるので、発熱による切断面44の変質も効果的に抑えられる。この作製方法では、高品質なトレッドが作製されるとともに、良好な生産性が維持される。
この作製方法では、角度調整手段10を用いて、ブレード16のリボンRへの進入角度が調整される。これにより、切断により得られるシートSの切断面44の面積が適切に調整されるので、振動するブレード16との接触による、切断面44の過剰な発熱が防止される。この作製方法では、切断面44の変質が効果的に抑制される。この作製方法によれば、高品質なトレッドの作製と、良好な生産性との両立が達成される。
図1において、ブレード16の進入角度がθで表されている。この進入角度θは、進行方向Lが搬送方向Cに対してなす角度で表される。この作製方法では、高品質なトレッドの作製と、良好な生産性との観点から、進入角度θは10°以上45°以下の範囲で調整される。
この作製方法では、ブレード16の進行速度は駆動手段8により調整される。詳細には、制御手段により駆動手段8におけるサーボモータの動作を制御し、このブレード16の前進速度及び後進速度が調整される。この作製方法では、適切な、ブレード16の前進速度及び後進速度が設定されるので、振動するブレード16との接触による切断面44の過剰な発熱が防止される。この作製方法では、切断面44の変質が効果的に抑制される。この作製方法によれば、高品質なトレッドの作製と、良好な生産性との両立が達成される。
この作製方法では、ブレード16の振動の周波数は10kHz以上20kHz以下である。この周波数が10kHz以上に設定されることにより、ブレード16による滑らかな切断が達成される。この作製方法では、高品質なトレッドの作製と、良好な生産性との両立が達成される。この周波数が20kHz以下に設定されることにより、振動するブレード16との接触による切断面44の過剰な発熱が防止される。この作製方法では、切断面44の変質が効果的に抑制される。この場合においても、高品質なトレッドの作製と、良好な生産性との両立が達成される。
この作製方法では、ブレード16の進行方向及び進行速度、並びに、ブレード16の振動のための周波数が適切に調整されるとともに、このブレード16の振動が前進工程(STEP−7)だけでなく、その後に続く、保持工程(STEP−8)や後進工程(STEP−9)のような後工程においても、維持されうる。この作製方法では、シートSの切断面44の温度が効果的に調節される。
前述したように、この作製方法では、リボンRをなすゴム組成物は主たる補強剤としてシリカを含んでいる。主たる補強剤としてシリカを含むゴム組成物は、ブレード16による切断において、熱を帯びにくい。
この作製方法では、前進工程(STEP−7)及び保持工程(STEP−8)、又は、前進工程(STEP−7)、保持工程(STEP−8)及び後進工程(STEP−9)において、ブレード16の振動が維持される。この作製方法が保持工程(STEP−8)を含まない場合には、前進工程(STEP−7)及び後進工程(STEP−9)において、ブレード16の振動が維持される。この作製方法では、リボンRが主たる補強剤としてシリカを含んでいるにもかかわらず、シートSの切断面44は十分に温められる。適度な温度を有する切断面44は、十分な接合に寄与する。この作製方法には、切断面44に糊を塗布するための工程は不要である。本発明によれば、タイヤの品質を損なうことなく、生産性のさらなる向上が達成される。
以上説明された方法は、様々なゴム部材の作製にも適用されうる。
2・・・切断設備
4・・・フレーム
6・・・カッター
8・・・駆動手段
10・・・角度調整手段
12・・・搬送手段
14・・・押圧手段
16・・・ブレード
18・・・振動発生部
20・・・ブレード16のエッジ
38・・・押圧部
42・・・押圧部38の先端部分
44a、44b、44・・・切断面
4・・・フレーム
6・・・カッター
8・・・駆動手段
10・・・角度調整手段
12・・・搬送手段
14・・・押圧手段
16・・・ブレード
18・・・振動発生部
20・・・ブレード16のエッジ
38・・・押圧部
42・・・押圧部38の先端部分
44a、44b、44・・・切断面
Claims (2)
- 高周波で振動するブレード、このブレードの進行方向を調整する角度調整手段、及び、このブレードの進行速度を調整する駆動手段を備えた設備を用いて、上記ブレードを往復運動させてゴム組成物からなるリボンを切断し、ゴム部材を作製するための方法であって、
上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程、
上記下死点において上記ブレードを保持する工程
及び
上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含んでおり、
上記前進工程及び上記保持工程、又は、この前進工程、この保持工程及び上記後進工程において、上記ブレードが振動しており、この振動の周波数が10kHz以上20kHz以下である、ゴム部材の作製方法。 - 高周波で振動するブレード、このブレードの進行方向を調整する角度調整手段、及び、このブレードの進行速度を調整する駆動手段を備えた設備を用いて、上記ブレードを往復運動させてゴム組成物からなるリボンを切断し、ゴム部材を作製するための方法であって、
上記ブレードの進行方向及び進行速度を決定する工程、
上記ブレードの前方に上記リボンをセットする工程、
上記往復運動の下死点に向かって上記ブレードを前進させる工程、
及び
上記往復運動の上死点に向かって上記ブレードを後進させる工程
を含んでおり、
上記前進工程及び上記後進工程において、上記ブレードが振動しており、この振動の周波数が10kHz以上20kHz以下である、ゴム部材の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014129854A JP2016007672A (ja) | 2014-06-25 | 2014-06-25 | ゴム部材の作製方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108927843A (zh) * | 2018-08-27 | 2018-12-04 | 重庆梦马致新科技有限公司 | 一种瓦楞纸板斜切机构 |
JP2020531303A (ja) * | 2017-08-23 | 2020-11-05 | ヘルマン ウルトラシャルテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト | ゴム織布を切断する方法 |
JP7018428B2 (ja) | 2016-07-26 | 2022-02-10 | アイサパック・ホールディング・ソシエテ・アノニム | 包装材を生産する機械用の回転ナイフおよびナイフを使用する方法 |
-
2014
- 2014-06-25 JP JP2014129854A patent/JP2016007672A/ja active Pending
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