JP2016004009A - センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】試料液の量が比較的少量であっても、効率的に検出できるセンサを提供する。
【解決手段】試料液の導入口26から試料液の排出口27に至る試料液の流路18と、流路18を流れる試料液に含まれる検出対象が付着する感応膜10が形成されると共に、前記検出対象の前記付着によって共振周波数が変化する水晶振動子1とを備え、前記導入口26から前記排出口27に至る前記流路18は、試料液が前記感応膜10の形成領域を複数回流れるように、曲げられて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料液に含まれる物質を検出するセンサに関する。
近年、試料液中の微量な物質を検出するセンサとして、圧電振動子である水晶振動子を試料液に晒して、水晶振動子の電極表面に物質が付着することによって、共振周波数が変化する性質を利用して微量な物質を検出するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサが利用されている(例えば、特許文献1参照)。このQCMセンサは、1ng/cm2オーダーの物質の質量変化を検出することができる。
特許第4784222号公報
上記特許文献1のセンサは、水晶振動子を内蔵するセルの注入口から試料液を注入し、水晶振動子の電極面上を流れた試料液を排出口から排出するフローセル型のQCMセンサである。
QCMセンサを、例えば、バイオセンサとして利用するような場合には、水晶振動子の電極上には、前記試料液中の特定物質と結合するセンサ膜が形成される。具体的には、センサ膜として、例えば抗体を電極上に形成し、抗原−抗体反応によって、特定物質としての試料液中の抗原をセンサ膜に結合付着させ、この付着による共振周波数の変化に基づいて、特定物質の質量変化を検出する。
上記特許文献1のようなフローセル型のQCMセンサでは、セルの注入口から排出口へ至る流路を流れる試料液が、水晶振動子の電極面に形成されたセンサ膜上を流れることによって、試料液中の特定物質が、センサ膜に付着することになるのであるが、試料液が、センサ膜上を1回流れるだけでは、反応が十分に進まず、試料液中の特定成分がセンサ膜に十分付着しない場合がある。
かかる場合には、水晶振動子のセンサ膜に特定物質が十分に付着するまで、試料液を流し続けることになるので、使用する試料液の量が多くなる。
このため、使用できる試料液の量が比較的少量である場合には、精度の高い検出ができないという難点がある。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、試料液の量が比較的少量であっても、検出対象を効率的に検出できるセンサを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
(1)本発明は、試料液の導入口から前記試料液の排出口に至る試料液の流路と、前記流路を流れる前記試料液に含まれる検出対象が付着するセンサ膜が形成されると共に、前記検出対象の前記付着によって共振周波数が変化する圧電振動子とを備えるセンサであって、
前記導入口から前記排出口に至る前記流路が、前記試料液が前記センサ膜の形成領域を複数回流れるように、曲げられて形成される。
前記流路は、前記試料液が前記センサ膜の形成領域を複数回流れるように、曲げられていればよく、緩やかな曲げ、あるいは、急な曲げであってもよく、それらの部分を組合せてもよい。例えば、後述の二重渦巻等の渦巻状であってもよい。
センサ膜は、試料液に含まれる検出対象、例えば、酵素、抗体、たんぱく質、ホルモンなどの各種の物質が付着するものであるのが好ましい。
本発明によれば、圧電振動子には、試料液に含まれる検出対象が付着するセンサ膜が形成され、導入口から排出口に至る試料液の流路は、試料液がセンサ膜の形成領域を複数回流れるように、曲げられて形成されているので、試料液が、複数回に亘ってセンサ膜を繰り返し流れることになり、試料液が、センサ膜を1回だけ流れる場合に比べて、センサ膜に検出対象がより多く付着することになる。これによって、試料液が比較的少量であっても、センサ膜に検出対象を十分に付着させることができる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記圧電振動子は、水晶振動片の両主面に励振電極が対向して形成される水晶振動子であり、前記センサ膜が、前記両主面の少なくとも一方の主面の前記励振電極上に形成される。
この実施態様によると、水晶振動片の主面の励振電極上に形成するセンサ膜を選択することによって、種々の検出対象をセンサ膜に付着させて検出することができる。
(3)本発明の好ましい実施態様では、前記水晶振動片の前記両主面には、前記励振電極から独立した基準電極が対向して形成され、前記両主面の前記一方の主面の前記基準電極は、前記センサ膜が形成されることなく、前記流路の途中に形成され、前記導入口から導入される前記試料液が、前記基準電極の形成領域を流れる。
試料液を流路に流したときの、励振電極による共振周波数の変化には、励振電極上に形成されたセンサ膜への検出対象の付着による共振周波数の変化以外に、例えば、試料液の粘度や密度などの他の要因による共振周波数の変化が含まれている。一方、基準電極には、検出対象が付着するセンサ膜が形成されていないので、試料液を流路に流したときの、基準電極による共振周波数の変化は、試料液を流したことによる共振周波数の変化であって、センサ膜への検出対象の付着による共振周波数の変化は含まれていない。
この実施態様によると、試料液を流路に流したときの、励振電極の共振周波数の変化を、基準電極の共振周波数の変化に基づいて補正することによって、試料液の粘度や密度などの他の要因による影響を除いて、精度良く検出対象を検出することができる。
(4)本発明の他の実施態様では、前記流路が、蛇行するように屈曲して形成される。
この実施態様によると、流路が蛇行して屈曲形成されているので、試料液を、複数回に亘ってセンサ膜の形成領域を通過するように流すことができ、これによって、試料液が、センサ膜の形成領域を流れる度に、試料液に含まれる検出対象がセンサ膜に付着し、多くの検出対象をセンサ膜に付着させることができる。
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記流路が、複数の互いに略平行に延出する直線流路と、各直線流路を順次連結する折り返し流路とを備える。
この実施態様によると、直線流路を流れた試料液は、折り返し流路で折り返して次の直線流路を流れ、次の折返し流路で折り返して直線流路を流れるといったように、複数回に亘ってセンサ膜の形成領域を通過するように流れるので、試料液が、センサ膜の形成領域を流れる度に、試料液に含まれる検出対象がセンサ膜に付着し、多くの検出対象をセンサ膜に付着させることができる。
本発明によれば、導入口から排出口に至る試料液の流路は、試料液がセンサ膜の形成領域を複数回流れるように、曲げられて形成されているので、試料液が、複数回に亘ってセンサ膜を繰り返し流れることになり、試料液が、センサ膜を1回だけ流れる場合に比べて、センサ膜に検出対象がより多く付着することになる。これによって、試料液が比較的少量であっても、センサ膜に検出対象を十分に付着させて効率よく検出することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るQCMセンサを示す図であり、(a)は概略平面図、(b)はパッケージ内部の構成を示す概略正面図、(c)はパッケージ内部の構成を示す概略側面図である。 図2は図1のQCMセンサの水晶片の電極形成部分を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図3は他の流路の構成を示す図である。 図4は図1の流路形成体の製造工程を示す概略断面図である。 図5は図1のQCMセンサを用いた計測システムの概略構成図である。 図6は本発明の他の実施形態のQCMセンサの概略平面図である。 図7は一重渦巻状の流路及び感応膜の概略構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサを示すものであり、同図(a)は概略平面図であり、同図(b)はパッケージ内部の構成を示す概略正面図であり、同図(c)はパッケージ内部の構成を示す概略側面図である。
この実施形態のセンサは、センサ素子として、圧電振動子である水晶振動子1を備えるQCMセンサ2である。このQCMセンサ2は、表面実装型であり、パッケージ3を備えている。このパッケージ3には、その表面側に、流路形成体17が接合されたATカット水晶振動子1が組込まれ、その裏面側に、水晶振動子1を発振させる少なくとも発振回路を含むICチップ4が搭載される。
パッケージ3は、基板部を構成する矩形平板状の基材層3aを備えると共に、この基材層3aの上面に、上枠部を構成する第1,第2上部層3b,3cが形成され、基材層3aの下面に、下枠部を構成する下部層3dが形成される。このパッケージ3は、積層したセラミック等の絶縁シートを焼成して形成される。
基板部としての基材層3a上面の第1,第2上部層3b,3cには、矩形の貫通孔がそれぞれ形成されて、水晶振動子1の矩形の水晶片5を載置するための第1収納凹部6が形成される。第1,第2上部層3b,3cは、第1収納凹部6を囲む上枠部を構成する。第1収納凹部6の第2上部層3c部分の貫通孔は、第1上部層3b部分の貫通孔に比べて大きく、第1収納凹部6には、水晶片5の周縁部を支持する段部が形成される。
基材層3a下面の下部層3dには、矩形の貫通孔が形成されて、ICチップ4を収納すると共に、封止用樹脂7で封止された第2収納凹部が形成される。
水晶振動子1の水晶片5は、平面視矩形に形成され、この水晶片5の表面及び裏面の両主面には、電極形成部分を示す図2に示すように、その中央部に長手方向(図2(a)の上下方向)に延びる矩形の励振電極8a,9aが対向して形成されている。
表面側の励振電極8a上には、試料液に含まれる検出対象である特定物質が吸着等によって付着するセンサ膜としての感応膜10が、電極形成部分を示す図2の仮想線で示されるように全面に形成されている。
励振電極8aの一方側の長辺の一端(図2(a)では右側の長辺の下端)から引出電極8bが、水晶片5の端縁へ引出され、更に裏面側へ回り込むように延出されている。励振電極9aの他方側の長辺の他端(図2(a)では左側の長辺の上端)から引出電極9bが、上記引出電極8bとは反対方向に引出されて水晶片5の端縁まで延出されている。
これら電極8a,9a;8b,9bは、例えばクロム(Cr)/金(Au)やTi(チタン)/Au(金)の積層膜により形成される。なお、電極材料は、これら金属に限らず、ニッケル(Ni)/銀(Ag)やその他の金属を用いてもよい。
パッケージ3の第1収納凹部6の段部の上面には、図1(b),(c)に示すように、水晶片5の引出電極8b,9bに対応するように接続電極11,12が形成されており、これら接続電極11,12に、水晶片5の引出電極8b,9bが、エポキシ樹脂等を用いた導電性接着剤13を介して接続される。なお前記導電性接着剤として、エポキシ系以外の樹脂を用いてもよい。
基材層3aの下面には、複数の電極パッド14が設けられており、これら電極パッド14には、ICチップ4が、該ICチップ4に設けられた金属バンプによって接続される。この基材層3aの下面の複数の電極パッド14は、図示しない内部配線を介して第1収納凹部6の接続電極11,12、及び、下部層3dの底面角部の実装用の外部端子15に接続される。
水晶片5の周縁とパッケージ3の第1収納凹部6の内壁との間には、試料液が、第1収納凹部6内へ浸入するのを防止するために、絶縁性の封止材16が充填されてシーリングされる。
水晶片5の表面側には、下面に溝が形成された流路形成体17が、図1に示すように接合され、水晶片5の表面と流路形成体17の下面とによって、試料液が流れる流路18が形成される。
この流路18の一端の導入口26には、試料液を矢符で示すように導入する導入チューブ19が接続され、他端の排出口27には、試料液を排出する排出チューブ20が接続されている。
この実施形態のQCMセンサ2は、導入チューブ19から導入した試料液を、感応膜10上を通過させて排出チューブ20へ排出する流路18を有するフローセル型のQCMセンサである。
この実施形態では、使用できる試料液の量が比較的少量であっても、試料液に含まれる検出対象を効率よく検出できるように、次のようにしている。
すなわち、流路18は、図1(a)に示すように、試料液が、励振電極8a上の感応膜10上を繰り返し流れることがきるように、蛇行した形状に屈曲形成されている。
この蛇行した流路18は、複数の互いに平行に延びる直線流路18aと、各直線流路18aを順次連結する折り返し流路18bとを備えており、折り返し流路18bは、略直角に屈曲された2つの屈曲部によって構成されている。なお、屈曲部を緩やかに曲線状に屈曲させて折り返すようにしてもよい。
このように流路18は、直線流路18aと折り返し流路18bとを、交互に繰り返すように屈曲形成されているので、導入口26から排出口27に至る流路18は、その途中で感応膜10が形成された領域を、複数回、この例では5回横切ることになる。試料液が流れる流路8と感応膜10とが重なる領域が、試料液中の検出対象である特定物質を検出するための検出領域となる。この例では、図1(a)に示すように、流路18が感応膜10を横切る5つの第1〜第5検出領域301〜305を合わせた全領域が、検出領域となる。
この実施形態では、導入口26から導入された試料液は、排出口27へ至る流路18の途中で、5回に亘って各検出領域301〜305を流れることになる。これによって、試料液が、第1検出領域301を流れる際に、試料液中の特定物質が感応膜10に付着しなくても、試料液が、第2検出領域302を流れる際に、試料液中の特定物質が感応膜10に付着することができ、試料液が、第2検出領域302を流れる際に、試料液中の特定物質が感応膜10に付着しなくても、試料液が、第3検出領域303を流れる際に、試料液中の特定物質が感応膜10に付着することができるといったように、上流側の検出領域で感応膜10に付着しなかった試料液中の特定物質が、下流側の検出領域で感応膜10に付着することができ、第1〜第5検出領域301〜305を合わせた検出領域全体として、感応膜10に付着する特定物質の付着量が多くなる。
したがって、試料液が、感応膜10を1回だけ流れる従来の構成に比べて、試料液が、各検出領域301〜305を流れる度に、試料液中の特定物質が感応膜10に付着し、感応膜10に付着する特定物質の付着量が多くなる。これによって、試料液が、比較的少量であっても、試料液中の特定物資を、感応膜10に効率よく付着させて、特定物質を精度良く検出することができる。
しかも、流路18を蛇行するように屈曲形成して、試料液が、感応膜10上を繰り返し流れるようにしているので、パッケージ3内の限られたスペースで、試料液を、感応膜10と効率的に接触させて特定物質を付着させることができる。
また、この実施形態では、各折り返し流路18bの2つの屈曲部は、略直角に屈曲しているので、この屈曲部で試料液の流れが阻害され、試料液が攪拌されるという効果を有し、試料液が、屈曲部の下流側の検出領域を流れる際に、特定物質が効率よく感応膜10に付着する。
流路18は、上記の形状に限らず、例えば、図1(a)において、斜め下方に延びる流路が折り返して連続する鋸歯状やその他の形状、例えば、図3に示すように、外周側の導入口26から内周側の中央部へ向けて反時計回り(又は時計回り)に渦巻状に形成し、連続して中央部から外周側の排出口27へ向けて時計回り(又は反時計回り)に渦巻状に形成する二重渦巻状の流路181等の渦巻状としてもよい。
このような渦巻状の流路に、遠心力の影響を受けない程度の流速で試料液を導入することによって、2つの屈曲部で流路を180度屈曲させて折り返す流路に比べて、より安定した検出が可能となる。すなわち、流路が曲げられることによる抵抗の変化は、流路を流れる試料液の流量の変化と等価であり、試料液の流量が変化すると、試料液の粘性が変化するために、水晶振動子に対する質量付加が変化して検出に影響を及ぼすことになるが、渦巻状の流路は、180度屈曲させて折り返す流路に比べて流路の抵抗変化が小さく、安定した検出が可能となる。
上記図1の流路18を形成するための流路形成体17は、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなり、次のようにして、蛇行した溝を形成する。
すなわち、図4(a)に示すように、予め流路18の溝に対応する凸部21aが形成された金型基板21を準備する。この金型基板21は、例えば、水晶、ガラス、シリコンなどからなり、フォトリソグラフィーなどによって流路18の溝に対応した蛇行した凸部21aが形成される。
この金型基板21上に、図4(b)に示すように、ポリジメチルシロキサン(PDMS)17aを流して硬化させ、図4(c)に示すように、ポリジメチルシロキサン(PDMS)17aを、金型基板21から剥離し、流路18に対応する溝17bが形成されたポリジメチルシロキサン(PDMS)、すなわち、流路形成体17を得ることができる。
この流路形成体17を、感応膜10等が形成された水晶片5の表面側に、位置合わせして接合することによって、試料液が流れる流路18が形成される。
流路形成体17と水晶片5との接合は、例えば、水晶片5側から紫外線を照射することによって行うことができ、あるいは、両者17,5を加圧接触させることによって行うことができる。
なお、溝17bの断面形状、すなわち、溝17bを、その長手方向に垂直な面で切断したときの形状は、矩形状に限らず、V字状、U字状、円弧状など任意である。
この実施形態のQCMセンサ2は、例えば、有機化合物や生体分子を検出対象としたケミカルセンサやバイオセンサなどに好適であり、次に、この実施形態のQCMセンサ2を用いた計測システムの構成例について説明する。
図5は、図1のQCMセンサ2を用いた計測システムの概略構成図である。
この計測システムは、導入チューブ19を介してQCMセンサ2の流路18に導入され、排出チューブ20へ排出される試料液中の特定物質の質量等を計測するものである。試料液は、例えば、特定物質を含む緩衝液であり、緩衝液としては、生理食塩水、人工汗液、純水などである。
発振回路を含むICチップ4を内蔵したQCMセンサ2は、外部の周波数カウンタ22に接続される。QCMセンサ2の励振電極8aの表面には、特定物質が付着する感応膜10が形成されており、このQCMセンサ2に導入された試料液は、上記流路18によって感応膜10上を複数回に亘って横切るようにして流れた後、排出チューブ20へ排出される。
先ず、QCMセンサ2のICチップ4によって水晶振動子1を発振させ、周波数カウンタ22によって水晶振動子1の共振周波数を計測する。QCMセンサ2の流路18には、図示しないマイクロポンプによって、導入チューブ19を介して試料液が、例えば、数ml/min程度の流速となるように導入される。QCMセンサ2に導入された試料液は、感応膜10上を複数回に亘って横切るように流れ、試料液中の特定物質が、感応膜10と反応して結合付着し、励振電極8aの質量が増加する。励振電極8aの質量が増加すると、水晶振動子1の共振周波数が低下する。この共振周波数の低下量等を、周波数カウンタ22を介してコンピュータ23によって解析することによって、試料液中の特定物質の質量等を算出する。
[実施形態2]
QCMセンサでは、試料液の特定物質が感応膜10に付着することによる共振周波数の変化は極めて小さいため、流路18を流れる試料液の流速によっては、試料液の粘度や密度などの他の要因の影響を無視できない場合がある。
かかる場合、従来では、感応膜を形成していないQCMセンサを用いて、試料液を流したときの共振周波数の変化を予め計測しておき、次に、感応膜が形成されているQCMセンサを用いて、試料液を流したときの共振周波数の変化を計測し、予め計測した共振周波数の変化分を差し引くことによって、試料液の粘度や密度などの他の要因の影響を補正するようにしている。
図6は、試料液の粘度や密度などの他の要因の影響を補正するためのQCMセンサ2aを示す概略平面図であり、図1の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態のQCMセンサ2aでは、水晶片5の表面及び裏面には、励振電極8a,9aと独立して、励振電極8a,9aよりも小さい矩形の基準電極24a,25aが、対向して形成されている(図6では、表面側の基準電極24aのみを示している)。表面側の基準電極24aは、試料液が流れる流路18の途中、この例では、第5検出領域305よりも上流側に形成されている。
この基準電極24aには、励振電極8aとは異なり、試料液に含まれる特定物質が付着する感応膜10は、形成されていない。基準電極24a,25aは、励振電極8a,9aと同様に、引出電極、及び、図示しない接続電極や電極パッドを介して対応する発振回路を含むICチップ4に接続される。
基準電極24aには、感応膜10が形成されていないので、流路18を流れる試料液が、基準電極24a上を流れても検出対象である特定物質が付着することはない。
この実施形態では、流路18に試料液を流したときの、基準電極24a,25aによる共振周波数の変化に基づいて、励振電極8a,9aによる共振周波数の変化を補正して、試料液の粘度や密度などの他の要因による影響をなくすようにしている。
この実施形態によれば、従来のように、感応膜を形成していないQCMセンサを用いて、試料液を流したときの共振周波数の変化を予め計測しておくことなく、試料液の粘度や密度などの他の要因による影響を補正することができる。
なお、基準電極24a,25aは、上記の位置に限らず、上流側に形成してもよいし、あるいは、下流側に形成してもよい。また、基準電極24a,25aは、一対に限らず、複数対形成してもよく、例えば、上流側の導入口26の近傍、下流側の排出口27の近傍、及び、それらの中間位置などに各対の基準電極をそれぞれ形成してもよい。
(他の実施形態)
QCMセンサのパッケージの材料は、セラミックに限らず、ガラス、水晶、シリコンなどであってもよい。
励振電極8a,9aの大きさや形状、及び、流路18の長さや形状は、上記実施形態に限るものではなく、また、各検出領域301〜305は、上記実施形態のように、同じ大きさでなくてもよく、例えば、下流側の検出領域ほど、長さを短くしてもよく、またこれとは逆に下流側の検出領域ほど、長さを長くしてもよい。あるいは、各検出領域301〜305を、1つの直線流路18aに対して互いに離間した状態で複数それぞれ形成し、例えば、検出領域301〜305からなる列を、複数列形成してもよい。さらには、上流側および下流側の検出領域の大きさに対して、中流側の検出領域の大きさを相対的に大きく、若しくは、小さくなるように形成してもよい。
図7(a),(b)は、一重渦巻状の流路182,183及び感応膜102,103の構成例を示す概略平面図である。
図7(a)は、外周側の導入口26から内周側である中央部の排出口27に向かう一重渦巻状の流路182において、例えば、菱形状の感応膜101を形成したものであり、試料液が、流路181の外周側から内周側へと進むにつれて感応膜102上を通過する、太い実線で示される検出領域が漸次長くなる傾向となる。
図7(b)は、内周側である中央部の導入口26から外周側の排出口27に向かう一重渦巻状の流路183おいて、例えば、胴の中央部が細い鼓形状の感応膜103を形成したものであり、試料液が、流路183の内周側から外周側へと進むにつれて感応膜103上を通過する、太い実線で示される検出領域が漸次長くなる傾向となる。
流路182,183を流れる試料液中の特定物質は、より早い段階で試料液と接触することになる上流側の検出領域で感応膜102,103に付着し易い傾向があり、下流側へ進むにつれて、上流側の感応膜102,103に付着した分、特定物質の濃度が低下することになる。上記図7(a),(b)では、下流側の検出領域が、上流側の検出領域に比べて長くなるので、試料液中の濃度の低くなった特定物質が、下流側の検出領域で感応膜102,103に付着し易くなり、特定物質を効率的に検出することができる。
QCMセンサは、発振回路を内蔵することなく、外部の発振回路に接続するようにしてもよい。
上記実施形態では、流路形成体に溝を形成して流路を構成したが、水晶片、あるいは、水晶片と流路形成体の両者に溝を形成して流路を構成してもよい。
深さや幅といった流路の大きさは、試料液が流れる方向に沿って一定でなくてもよく、流路の大きい部分などがあってもよく、例えば、折り返し流路の部分の流路を大きくしてもよい。
1 水晶振動子
2,2a QCMセンサ
3 パッケージ
5 水晶片
8a,9a 励振電極
10 感応膜(センサ膜)
17 流路形成体
18 流路
18a 直線流路
18b 折り返し流路
24a 基準電極

Claims (5)

  1. 試料液の導入口から前記試料液の排出口に至る試料液の流路と、前記流路を流れる前記試料液に含まれる検出対象が付着するセンサ膜が形成されると共に、前記検出対象の前記付着によって共振周波数が変化する圧電振動子とを備えるセンサであって、
    前記導入口から前記排出口に至る前記流路が、前記試料液が前記センサ膜の形成領域を複数回流れるように、曲げられて形成されることを特徴とするセンサ。
  2. 前記圧電振動子は、水晶振動片の両主面に励振電極が対向して形成される水晶振動子であり、
    前記センサ膜が、前記両主面の少なくとも一方の主面の前記励振電極上に形成される、
    請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記水晶振動片の前記両主面には、前記励振電極から独立した基準電極が対向して形成され、
    前記両主面の前記一方の主面の前記基準電極は、前記センサ膜が形成されることなく、前記流路の途中に形成され、
    前記導入口から導入される前記試料液が、前記基準電極の形成領域を流れる、
    請求項2に記載のセンサ。
  4. 前記流路が、蛇行するように屈曲して形成される、
    請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサ。
  5. 前記流路が、複数の互いに略平行に延出する直線流路と、各直線流路を順次連結する折り返し流路とを備える、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサ。
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