JP2016003191A - メラニン生成抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 皮膚のシミ、ソバカス等の斑点は、主にメラノサイトが産生するメラニン色素の沈着によってもたらされることが知られている。本発明は、特殊な添加物等を使用せず、単独でヒトの皮膚の角質層を透過して、基底層に存在するメラノサイトによるメラニン生成を抑制し、かつ化学合成法による生産のみならず、食用植物等からも抽出可能で、安全性が高く、安価で有効性の高い化合物を用いた新規のメラニン生成抑制剤を提供する。
【解決手段】 本発明によるメラニン生成抑制剤は、プロトカテク酸を有効成分とする。
【選択図】図3
【解決手段】 本発明によるメラニン生成抑制剤は、プロトカテク酸を有効成分とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、プロトカテク酸を有効成分として含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤に関する。
皮膚のシミ、ソバカス等の斑点は、主メラニン色素の沈着によってもたらされることが知られている。そのため、メラニンの生成を抑制する化粧料や治療剤に関する研究が古くから行われている。それらの例として、アルブチンを配合した皮膚外用剤(特許文献1)やL−アスコルビン酸及びその誘導体であるL−アスコルビン酸のグルコース配糖体を配合した皮膚化粧料(特許文献2)が提案されている。しかし、これらは美白効果が十分でなかったり、美白効果を得られる濃度に配合すると、安全性に問題を生じることがあった。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、表皮は最も外側にある。表皮を構成する主な細胞はケラチノサイトであり、基底層、有棘層、顆粒層、角質層からなる。最も外側にある角質層は、水をはじき、細菌などの異物が体内に侵入するのを防いでいる。一方、最下層の基底層にはメラノサイトが点在しており、紫外線があたるとメラノサイトからメラニン色素が産生される。
このように、角質層は異物が体内に侵入するのを防いでいることから、従来から美白効果の評価として用いられている、チロシナーゼ阻害活性測定や、B16メラノーマなどの培養細胞系でメラニン生成抑制効果が確認された化合物が、実際に、in vivoで、角質層を透過して、メラノサイトまで到達し、その効果を発揮するとは限らない。
正常ヒト皮膚三次元モデルは、ケラチノサイトとメラノサイトから構成された多層かつ高度に分化した皮膚モデルである。目視で黒色化を観察でき、メラニンを抽出・定量することもできる(非特許文献1)。特に、角質層側から被験物質を添加することで、角質層を透過して、メラニン生成抑制効果を発揮するか判定することができる。
本発明は、後述するように、プロトカテク酸(化1)を利用した技術であるが、三次元皮膚モデルを用いたメラニン生成抑制効果については、検討がなされていなかった。
Analytical Biochemistry 2003;318:260−269
本発明は、ヒトの皮膚の角質層を透過して、メラノサイトまで達して美白作用を有し、かつ化学合成法によるのみならず、食用植物などからも抽出可能な安全・安価で有効性の高いメラニン生成抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、様々な食品抽出物や、食品由来成分について、メラニン生成抑制効果を探索した結果、プロトカテク酸に優れたメラニン生成抑制効果があることを見出し、本発明を完成させた。プロトカテク酸は、効果を損なわない範囲内であれば、プロトカテク酸を含む粗分画品でも良い。
本発明のプロトカテク酸によるメラニン生成抑制剤は、特殊な添加物等を使用せずに、単独で皮膚への透過性を示し、メラニン生成抑制効果を発揮できる。また、様々な食用植物等に含まれる物質であり、極めて安全性に優れている。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、プロトカテク酸を含有するメラニン生成抑制剤に関する。プロトカテク酸は、効果を損なわない範囲内であれば、プロトカテク酸を含む粗分画品でも良い。
本発明のメラニン生成抑制剤は、美白作用を発揮させるための使用にあたり、各種美白剤用の基剤や添加剤等と混合して用いることができる。
本発明のメラニン生成抑制剤は、種々の公知の形態及び用途、例えば、美白用クリーム、美白用化粧水、美白用ファンデーション等として用いることができる。また、本発明のメラニン生成抑制剤は、皮膚外用医薬品、医薬部外品、化粧料を含む。また、本発明のメラニン生成抑制剤は、美白用の経口剤、注射剤、経口医薬としても良い。
本発明のメラニン生成抑制剤を皮膚化粧料として使用する場合、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に通常使用される成分、例えば、精製水、アルコール類、水溶性高分子、油剤、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、抗菌剤、香料、pH調整剤等を加えることができる。皮膚化粧料中のプロトカテク酸の含有量は、化粧料全体に対し、0.01〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量%程度である。
美白用の経口剤としては、プロトカテク酸をそのまま、または種々の栄養成分を添加して、あるいは飲食品中に含有せしめて、栄養補助食品、機能性食品、特定保健用食品または通常食品の素材として用いることができる。経口剤としてのプロトカテク酸の有効投与量は、対象者の年齢、体重、症状等により、適宜選択されるが、例えば、1日当たり1〜5000mg程度が好ましく、より好ましくは10〜1000mg程度である。
次に本発明の実施例を以下に示すが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
プロトカテク酸のチロシナーゼ阻害効果を評価した。
サンプルは50%DMSOに溶解した。サンプル溶液40μl、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)70μl、マッシュルーム由来チロシナーゼ溶液(40U/mL)40μl、2.5mM L−DOPA溶液50μlの混合液を、25℃で10分間インキュベート後、490nmの吸光度を測定することで、チロシナーゼ活性を評価した(反応液A)。ブランクとして、チロシナーゼを加えない反応液の490nmを測定した(反応液B)。コントロールとして、被験物質を加えない反応液の490nmを測定した(反応液C)。コントロールのブランクとして、L−DOPAのみ加えた反応液の490nmを測定した(反応液D)。
チロシナーゼ活性(%)={(A−B)/(C−D)}×100
A=被験物質、チロシナーゼ、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
B=被験物質、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
C=チロシナーゼ、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
D=L−DOPAを添加した反応液の吸光度
チロシナーゼ活性(%)={(A−B)/(C−D)}×100
A=被験物質、チロシナーゼ、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
B=被験物質、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
C=チロシナーゼ、L−DOPAを添加した反応液の吸光度
D=L−DOPAを添加した反応液の吸光度
図1が示すように、被験物質を加えていないコントロールと比較して、プロトカテク酸10mg/mLではチロシナーゼ活性が14.8%、アルブチン10mg/mLでは活性が86.6%に減少しており、プロトカテク酸には、アルブチンより優れたチロシナーゼ阻害活性があることが確認された。
実施例1のプロトカテク酸を用いて、ヒト三次元皮膚モデルでのメラニン生成の抑制効果を確認した。
評価は、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングから購入したメラノサイト含有ヒト3次元培養表皮モデル(LabCyte MELANO−MODEL)を使用し、その取扱い説明書に従って行った。評価物質はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解した溶液50μlを使用した。コントロールとして、PBS50μlを使用した。培養14日目に、メラニン生成量、細胞の生存の確認を行った。
細胞の生存率は、MTT(3-(4,5−dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyltetrazolium bromide)試薬を使用して、前記取扱い説明書に従って求めた。コントロールの生細胞率を100%として、相対値を求めた。この結果を図2に示す。
メラニン生成量は、前記取扱い説明書に従って、メラニンを抽出した。抽出液の405nmの吸光度から570nmの吸光度を差し引き、別途作成した検量線から、ウェルあたりのメラニン生成量を算出した。また、コントロールにおけるメラニン生成量を100%として、相対値を求めた。この結果を図2に示す。
培養14日目の産生メラノサイトは、顕微鏡(150倍)により確認した。この結果を、図3に示す。図3において、黒い部分がメラノサイトを示す。
図2が示すように、プロトカテク酸1000μg/mLからメラニン生成の抑制がみられ、3000μg/mLでは、68.4%のメラニン生成率であった。一方、プロトカテク酸3000μg/mLでも、生細胞率はほとんど減少せず、安全性に関しても問題ないことがわかった。また、本実施例において、プロトカテク酸は、リン酸緩衝生理食塩水に溶解させて、添加したのみにもかかわらず、メラニン生成を抑制することができた。このため、有効成分を皮膚に浸透させるために、様々な添加剤を使用することなく、製剤化することが可能である。
本発明のメラニン生成抑制剤は、プロトカテク酸を含むことによって、メラニン生成抑制が可能である。プロトカテク酸は、例えば、特殊な添加物等を使用しなくても、単体で生体への透過性を示し、メラニン生成抑制効果を発揮できる。また、プロトカテク酸は、安全性にも優れており、メラニン生成抑制剤として有用である。プロトカテク酸は、様々な食用植物に含まれ、例えば、たまねぎの皮など、廃棄されるものにも含まれる。そのため、安価に製造することが可能である。
Claims (3)
- 下記式(1)で示されるプロトカテク酸を有効成分として含有することを特徴とする、メ
ラニン生成抑制剤。
- 請求項1に記載のプロトカテク酸を有効成分として含有することを特徴とする美白剤
- 請求項1に記載のプロトカテク酸を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014123101A JP2016003191A (ja) | 2014-06-16 | 2014-06-16 | メラニン生成抑制剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019044773A1 (ja) * | 2017-08-30 | 2019-03-07 | 住友ベークライト株式会社 | 機能性皮膚外用剤および抗菌剤ならびにポリヒドロキシ芳香族カルボン酸またはその誘導体の製造方法 |
US11337934B1 (en) * | 2021-04-08 | 2022-05-24 | Lanny Leo Johnson | Compositions including a cannabinoid and protocatechuic acid |
US11896561B2 (en) | 2021-04-08 | 2024-02-13 | Lanny Leo Johnson | Compositions including a cannabinoid and protocatechuic acid |
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