JP2016002625A - Mems素子 - Google Patents

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【課題】固定電極を含むバックプレートの強度を保つことができ、かつ感度の高いMEMS素子を提供する。【解決手段】固定電極5aを含むバックプレート6に形成されている貫通孔7を同心円状に配置し、さらにバックプレート中心部に配置される固定電極部を円形状とすることで、固定電極部端部が貫通孔と重ならない構造としている。さらに、貫通孔の一部は、固定電極部の外周から外側に向かって整列配置しており、この領域に引き出し電極部5bを配置することで、引き出し電極部が貫通孔と重ならない構造としている。【選択図】図1

Description

この発明はMEMS素子に関し、特にマイクロフォン、各種センサ、スイッチ等として用いられる容量型MEMS素子に関する。
従来、半導体プロセスを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子は、半導体基板上に固定電極を含むバックプレート、犠牲層および可動電極を形成した後、犠牲層の一部を除去することで、スペーサーを介して固定電極と可動電極との間にエアーギャップ(中空)構造が形成されている。
例えば、容量型のMEMS素子であるコンデンサマイクロフォンでは、音圧を通過させる複数の貫通孔を備えた固定電極と、音圧を受けて振動する可動電極とを対向して配置し、音圧を受けて振動する可動電極の変位を電極間の容量変化として検出する構成となっている。
図3は、一般的なコンデンサマイクロフォンの製造方法の説明図である。まず、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に、厚さ1μm程度の熱酸化膜2を形成し、熱酸化膜2上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ0.2〜2.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に導電性ポリシリコン膜を通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、可動電極3を形成する(図3a)。可動電極3には、破損防止のためスリットが形成される場合もある。
次に、可動電極3上に厚さ2.0〜5.0μm程度のUSG(Undoped Silicate Glass)膜からなる犠牲層4を積層形成し、さらに、犠牲層4上に厚さ0.1〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。導電性ポリシリコン膜を通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、固定電極5を形成する。固定電極5上には、さらに減圧CVD法により窒化膜を積層形成し、固定電極5と一体となったバックプレート6を形成する。固定電極5とバックプレート6には貫通孔7を形成し、犠牲層4を露出させる(図3b)。
その後、シリコン基板1を裏面側からRIE装置を用いてエッチングすることでバックチャンバー8を形成する。最後に貫通孔7から犠牲層の一部をエッチングし、スペーサー9を介して固定電極5と可動電極3が対向するMEMS素子を形成する(図3c)。
ところで感度の高いコンデンサマイクロフォンを形成するため、固定電極は、大きく変位する領域に形成するのが好ましい。図4は、図3で説明したコンデンサマイクロフォンの固定電極側を模式的に示した平面図である。固定電極5はバックプレート6の中心部に配置されている円形状の固定電極部5aと、固定電極部5aから外側(固定電極部の中心側と逆方向)に延びる引き出し電極部5bとで形成されている。これは、固定電極5を含むバックプレート6と可動電極3は、スペーサー9に固定されている(図3c)ため、エアギャップ10の中心部分が最も変位が大きくなるからである。
一方貫通孔7の配置は、図5に示すようにそれぞれの貫通孔7の間隔(図中破線で示す隣接する貫通孔の中心間の間隔)が等しいヘキサ構造とすることがバックプレート6の強度を保つ上で好ましいことが知られている。また、固定電極の端部と貫通孔が重なってしまうと、貫通孔で応力集中が発生するために、固定電極の破損が生じてしまうことが知られており、図4に示すように固定電極部5a、引き出し電極部5bの端部と貫通孔7が重なるように配置するのは好ましくない。そのため、固定電極の端部と貫通孔が重ならないように固定電極の形状を六角形にする技術等が開示されている(特許文献1)。
特開2011−250169号公報
固定電極の端部と貫通孔が重ならないようにするため、固定電極部の形状を六角形等にすると、固定電極部の端部の角部に応力が集中し、固定電極部を含むバックプレートの強度が低下するという問題があった。本発明はこのような問題点を解消し、固定電極を含むバックプレートの強度を保つことができ、かつ感度の高いMEMS素子を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、バックチャンバーを備えた基板上に、スペーサーを挟んで固定電極を含むバックプレートと可動電極とを配置することでエアーギャップが形成され、前記固定電極を含むバックプレートに前記エアーギャップに連通する複数の貫通孔が同心円状に配置されたMEMS素子において、前記固定電極は、前記バックプレート中心部に配置された円形状の固定電極部と、該固定電極部に接続する引き出し電極部とを含み、前記貫通孔の一部は、前記円形状の固定電極部の外周の一部から前記固定電極中心側と逆方向に延出するように整列配置する領域を備え、該整列配置する領域に、前記引き出し電極部が配置され、前記固定電極部および前記引き出し電極部の端部は、隣接する2つの前記貫通孔の間に配置していることを特徴とする。
本発明のMEMS素子は、貫通孔を同心円状に配置しているため、固定電極部を円形としながら、固定電極部の端部と貫通孔が重ならない形状とすることができる。さらに引き出し電極部の端部と貫通孔が重ならない形状とすることもでき、固定電極を含むバックプレートの強度を劣化させず、MEMS素子の感度を向上させることができる。
特に、感度を高くするため固定電極部が変位の大きいバックプレート中心部に配置され、引き出し電極部が貫通孔が形成された領域を横切る構造となっているが、貫通孔は引き出し電極部が延出する方向と一致させて形成されるため、引き出し電極部の端部が貫通孔と重なることを防止することができる。
本発明のMEMS素子は、同一円周上に配置される貫通孔の数、その配置、あるいは中心からの寸法を適宜設定することで、MEMS素子として機能するために必要なバックプレートの強度を保つことができる。
本発明の実施例の説明図である。 本発明の実施例の貫通孔の配置を説明する図である。 一般的なコンデンサマイクロフォンの製造方法の説明図である。 図3に示すコンデンサマイクロフォンの固定電極側を模式的に示した平面図である。 従来の貫通孔の配列を説明する図である。
本発明のMEMS素子は、固定電極を含むバックプレートに形成されている貫通孔を同心円状に配置し、さらにバックプレート中心部に配置される固定電極部を円形状とすることで、固定電極部端部が貫通孔と重ならない構造としている。さらに貫通孔の一部は、固定電極部の外周から外側に向かって整列配置しており、この領域に引き出し電極部を配置することで、引き出し電極部が貫通孔と重ならない構造としている。以下、本発明を実施例について詳細に説明する。
本発明の実施例について、MEMS素子としてコンデンサマイクロフォンを例にとり説明する。従来例同様、本発明のコンデンサマイクロフォンは、まず、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に、厚さ1μm程度の熱酸化膜2を形成し、熱酸化膜2上に、CVD法により厚さ0.2〜2.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に導電性ポリシリコン膜を通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、可動電極3を形成する(図3a)。可動電極3には、破損防止のためスリットが形成される場合もある。
次に、可動電極3上に厚さ2.0〜5.0μm程度のUSG膜からなる犠牲層4を積層形成し、さらに、犠牲層4上に厚さ0.1〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。導電性ポリシリコン膜を通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、固定電極5を形成する。固定電極5上には、さらに減圧CVD法により窒化膜を積層形成し、固定電極5と一体となったバックプレート6を形成する。固定電極5とバックプレート6には貫通孔7を形成し、犠牲層4を露出させる(図3c)。ここで、本発明では、貫通孔7の配置を後述するように同心円状とする。
その後、シリコン基板1を裏面側からRIE装置を用いてエッチングすることでバックチャンバー8が形成される。最後に貫通孔7から犠牲層の一部をエッチングし、スペーサー9を介して固定電極5と可動電極3が対向するMEMS素子を形成する(図1a)。
図1(b)は、貫通孔7の配置を説明する図である。図4で説明した従来例と異なり、円形状の固定電極部5aの端部は、同心円状に配置されている貫通孔7の間に配置されている。さらに引き出し電極部5bは、貫通孔7が直線上に配置された領域で、外側に延びるように形成され、引き出し電極部5bの端部も、貫通孔7の間に配置されるように形成されている。
引き出し電極部5bと貫通孔7の関係をさらに詳細に説明する。図2では、同心円状に貫通孔7が形成されている。図2の配置では、中心の貫通孔を通り、図面右上から左下へ、左上から右下へ、あるいは上から下へ向かって直線上に貫通孔が整列配置する部分がある。そこで、このような整列配置する部分に引き出し電極部が形成されるように貫通孔を配置することで、引き出し電極部5bの端部が貫通孔7の間に配置させることができる。
なお、図2に示す貫通孔の配置は、中心から所定の寸法にある一つの円周上に配置する貫通孔について、それぞれの貫通孔間の寸法が同一となるように配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、引き出し電極部の形成予定領域に貫通孔を整列配置するため適宜貫通孔間の寸法を変更することができる。また、貫通孔の数や大きさも適宜設定することが可能である。この場合、バックプレートの強度が劣化しないように設計することは言うまでもない。
このように本発明は、固定電極部5aを円形状とし、応力が集中する角部を無くすことで、バックプレートの強度の低下を防止することができる。さらに固定電極部5aおよび引き出し電極部5bともその端部が貫通孔と重ならないように、隣接する貫通孔の間に配置する構造とすることでも、バックプレートの強度の劣化を防止することができる。特に本発明では、MEMS素子の感度を高くするため、固定電極部5aが変位の大きいバックプレート中心部に配置されるため、引き出し電極部が貫通孔が形成された領域を横切る構造となっているが、貫通孔は引き出し電極部が延出する方向と一致させて形成されるため、引き出し電極部の端部が貫通孔と重なることを防止することができる。
1:シリコン基板、2:熱酸化膜、3:可動電極、4:犠牲層、5:固定電極、5a:固定電極部、5b:引き出し電極部、6:バックプレート、7:貫通孔、8:バックチャンバー、9:スペーサー、10:エアギャップ

Claims (1)

  1. バックチャンバーを備えた基板上に、スペーサーを挟んで固定電極を含むバックプレートと可動電極とを配置することでエアーギャップが形成され、前記固定電極を含むバックプレートに前記エアーギャップに連通する複数の貫通孔が同心円状に配置されたMEMS素子において、
    前記固定電極は、前記バックプレート中心部に配置された円形状の固定電極部と、該固定電極部に接続する引き出し電極部とを含み、
    前記貫通孔の一部は、前記円形状の固定電極部の外周の一部から前記固定電極中心側と逆方向に延出するように整列配置する領域を備え、
    該整列配置する領域に、前記引き出し電極部が配置され、
    前記固定電極部および前記引き出し電極部の端部は、隣接する2つの前記貫通孔の間に配置していることを特徴とするMEMS素子。
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