JP2016001566A - 蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負極の事前処理と正極の事前処理とが個別に実行可能で、且つ、リチウム極の電位が安定化した蓄電デバイス等を提供する。
【解決手段】蓄電デバイス100は、第1のセパレータ5を介して正極1と負極3とが交互に積層された電極積層体6が外装部材7内に収容され、外装部材7内に非水電解液9が注入された蓄電デバイスであって、外装部材7内には、電極積層体6の正極1及び負極3の少なくとも一方にリチウムイオンを供給するためのリチウム極10と、負極3及び正極1から独立して配置され、且つ、リチウムイオンが吸蔵可能でリチウム極10に電気化学的に接触されたカーボン電極30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスは、携帯電話やノートパソコン、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として使用されている。
特許文献1に開示される蓄電デバイスは、正極と負極とが電極間セパレータを介して交互に積層された電極積層ユニット(以下「電極積層体」と呼ぶ)と、電極積層体の電極積層方向の一端に配置されたリチウム極と、電極積層体とリチウム極との間等に配置された絶縁性を有するセパレータと、これらが収納された外装部材と、外装部材内に充填された電解液と、正極に接続されて外装部材の外部に配置された正極用端子と、負極に接続されて外装部材の外部に配置された負極用端子とを備えた二極方式の蓄電デバイスである。
電極積層体は、正極用の集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極用の集電体上に負極活物質層が設けられた負極と、正極と負極との間に配置された絶縁性を有する電極間セパレータとを備え、正極と負極とが電極間セパレータを介して交互に積層されて構成される。電極間セパレータは正極と負極とを仕切る。このため、両電極間の絶縁性が確保される。
リチウム極は、集電体(例えば金属箔)と、その上に貼り付けられた金属リチウムとで構成される。リチウム極は、外装部材の内部において、負極に電気化学的に接触する。
セパレータは、電極積層体とリチウム極との間、電極積層体と外装部材との間、及びリチウム極と外装部材との間にそれぞれ配置される。このため、電極積層体とリチウム極と外装部材との相互間の絶縁性が確保される。
蓄電デバイスの製造に際しては、負極の事前処理が行われる。負極の事前処理は、負極にリチウムイオンを吸蔵させる吸蔵工程のことである。吸蔵工程により、負極の表面に保護膜が形成される。
特開2011−165627号公報
特許文献1に開示されている蓄電デバイスでは、負極の事前処理(吸蔵工程)が、リチウム極と負極とを蓄電デバイスの内部にて電気化学的に接触させることにより行われる。詳しくは、負極の集電体とリチウム極の集電体とが溶接されて収納された外装部材に電解液が注液され、負極及びリチウム極に電解液を含浸させる。電解液の注液と同時に負極へのリチウムイオン吸蔵が開始される。しかしこの場合には、負極へのリチウムイオン吸蔵が急激に進むことで、負極表面の保護膜の形成に悪影響を与えるという問題がある。それだけでなく、急激な吸蔵反応に伴う発熱により、電解液溶媒が揮発する可能性もある。
また、特許文献1に開示されている蓄電デバイスでは、正極の事前処理が必要となる新しい種類の蓄電デバイスにおいて、正極の事前処理を行う事は想定されていない。例えば、主としてアニオンを挿入・脱離される炭素材料を含む正極とリチウムイオンを挿入・脱離される炭素材料を含む負極を有する蓄電デバイスでは、正極の事前処理が必要となる。正極の事前処理(正極とリチウム極との間の1回以上の充電工程)を特許文献1に開示されている蓄電デバイスで行う為には、正極とリチウム極との間に短時間に大電流を流して正極の電位を金属リチウム基準(リチウムの標準酸化還元電位)で所定電位(例えば6V程度)に少なくとも1回以上充電することで、正極活物質層の結晶構造が安定し、容量を増加させることができる。しかし、リチウム極と負極とが電気化学的に接触された状態で行われることになり、負極から独立して行うことができない。そのため、負極にも大電流が流れ、負極表面の保護膜に悪影響が生じるなど、負極に負担がかかる。
そこで、前記の二極方式ではなく、次のような三極方式の蓄電デバイスとした場合について考察する。三極方式の蓄電デバイスは、負極に対して電気化学的に非接触としたリチウム極に接続されたリチウム極用外部端子を、外装部材の外部に設けた構成である。この場合には、正極の事前処理を負極から独立して行うことができるが、次のような問題がある。
上記の三極方式の蓄電デバイスでは、事前処理の終了後のリチウム極から金属リチウムが完全に消失した状態において、リチウム極の電位が不安定になることがある。例えば、リチウム極が外装部材に接触したり、何らかの原因でリチウム極に電流が流れたりすることによって、リチウム極が金属リチウム基準で規定電位(例えば3.3V)以上に上昇することがある。リチウム極が規定電位以上に上昇すると、リチウム極の集電体を構成する金属(銅又はニッケル)が電解液中に溶出する。溶出した銅又はニッケルは、負極表面上に析出する。析出した銅又はニッケルにより、セパレータが破損し、正負極間の短絡のおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、負極の事前処理と正極の事前処理とが個別に実行可能で、且つ、リチウム極の電位が安定化した蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る蓄電デバイスは、
正極と負極とがセパレータを介して交互に積層された電極積層体が外装部材内に収容され、前記外装部材内に電解液が注入された蓄電デバイスであって、
前記外装部材内には、
前記電極積層体の前記負極にリチウムイオンを吸蔵させるためのリチウム極と、
前記負極及び前記正極から独立して配置され、且つ、リチウムイオンが吸蔵可能で前記リチウム極に電気化学的に接触された被接続電極と、
を備える、ことを特徴とする。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、
正極と負極とがセパレータを介して交互に積層された電極積層体と、前記電極積層体の前記負極にリチウムイオンを供給するための金属リチウムを有するリチウム極と、前記負極及び前記正極から独立して配置され、且つ、リチウムイオンが吸蔵可能で前記リチウム極に電気化学的に接触された被接続電極とを、セパレータを介して積層して外装部材内に収容する収容工程と、
前記収容工程後の前記外装部材内に電解液を注入して前記外装部材を密閉して密閉後の蓄電デバイスを作製する注液密閉工程と、
前記密閉後の蓄電デバイスの前記負極と前記リチウム極とが外部回路を介して接続されることにより、前記負極にリチウムイオンを吸蔵させる吸蔵工程と、
前記密閉後の蓄電デバイスの前記正極と前記リチウム極との間で少なくとも1回以上の充電を行う充電工程と、
を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、負極の事前処理と正極の事前処理とが個別に実行可能で、且つ、リチウム極の電位が安定化した蓄電デバイスを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る蓄電デバイスの構成を示す断面図である。 実施の形態に係る蓄電デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 リチウム極用外部端子の切断封止後の蓄電デバイスを示す図である。 蓄電デバイスの負極の事前処理を示す図である。 蓄電デバイスの正極の事前処理を示す図である。 本発明の変形例に係る蓄電デバイスの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る蓄電デバイス100は、図1に示す正極1と負極3との両方に炭素材料を含むデュアルカーボン電池である。具体的には、蓄電デバイス100は、図1に示すように、正極1と負極3とが第1のセパレータ5を介して交互に積層された電極積層体6と、負極3にリチウムイオンを供給するためのリチウム極10と、電極積層体6とリチウム極10との間に位置するカーボン電極30と、これらが第2のセパレータ20を介して積層された状態で内部に収容した外装部材7と、外装部材7内に充填される非水電解液9とを備える。
電極積層体6は、正極1と、負極3と、これらの間に介装される第1のセパレータ5とを備え、図1に示す例では正極1と負極3とを合わせて5層積層して構成される。
図1では、理解を容易にするため、電極積層体6を構成する正極1、負極3及び第1のセパレータ5を、積層方向(Z方向)に間隔を空けて図示している。正極1と負極3とは、積層状態において、第1のセパレータ5に接触してZ方向に互いに隙間が無い状態となる。また、図1では、理解を容易にするため、電極積層体6とカーボン電極30とリチウム極10と第2のセパレータ20とを、Z方向に間隔を空けて図示している。電極積層体6とカーボン電極30とリチウム極10とは、積層状態において、第2のセパレータ20に接触してZ方向に互いに隙間が無い状態となる。
正極1は、薄板形状又は箔状の正極集電体2と、正極集電体2の表裏面(両主面)に形成される正極活物質層1aとを備える。正極集電体2は、例えばアルミニウム等の導電性材料で構成された導体であり、その表面と裏面との間を貫通する多数の微小孔を有する。微小孔は、非水電解液9中のアニオン(陰イオン)やカチオン(陽イオン)などのイオンが通過可能である。正極活物質層1aは、充電時にアニオン(例えばPF )が挿入され、放電時にアニオン(例えばPF )が脱離され得る炭素材料である黒鉛を有する。
具体的には、正極集電体2は、Z方向視にて矩形状(例えばX、Y方向の各長さが例えば5cmの正方形)で且つ厚さ(Z方向の長さ)が例えば20μmに形成された主面部2aと、主面部2aのX方向の一端に連通した取り出し電極部15とを備える。主面部2aの表裏面全体には、例えば80μm質層1aがそれぞれ形成される。図1に示す2つの正極1の各取り出し電極部15のX方向の一端と、正極用外部端子16のX方向の他端とが例えば超音波溶接された溶接部13により、各正極1と正極用外部端子16とが電気的に接続される。
負極3は、薄板形状又は箔状の負極集電体4と、負極集電体4の表裏面の少なくとも一方に形成される負極活物質層3aとを備える。負極集電体4は、例えば銅等の導電性材料で構成された導体であり、その表面と裏面との間を貫通する多数の微小孔を有する。微小孔は、非水電解液9中のアニオンやカチオンなどのイオンが通過可能である。負極活物質層3aは、充電時にカチオンであるリチウムイオン(Li)が挿入され、放電時にリチウムイオン(Li)が脱離され得る炭素材料である人造黒鉛を有する。
具体的には、負極集電体4は、Z方向視にて矩形状(例えばX、Y方向の各長さが例えば5cmの正方形)で且つ厚さ(Z方向の長さ)が例えば15μmに形成された主面部4aと、主面部4aのX方向の他端に連通した取り出し電極部17とを備える。主面部4aの表面全体と裏面全体の少なくとも一方には、片面当り例えば130μm厚の負極活物質層3aが形成される。図1に示す3つの負極3の各取り出し電極部17のX方向の他端と、負極用外部端子18のX方向の一端とが例えば超音波溶接された溶接部19により、各負極3と負極用外部端子18とが電気的に接続される。
第1のセパレータ5は、正極1と負極3との接触を防止するために電気絶縁性の材料により形成され、且つ、その表面と裏面とを連通する微細な孔が多数形成された微多孔膜や不織布である。第1のセパレータ5の微細な孔は、非水電解液9中のイオンが通過可能である。第1のセパレータ5は、そのX−Y平面上の大きさが正極活物質層1a及び負極活物質層3aよりも大きい矩形状に形成されている。
第1のセパレータ5には、電極積層体6内に充填された非水電解液9が含浸される。第1のセパレータ5は、絶縁性を確保しつつ、非水電解液9を介してアニオンやカチオンなどのイオンの透過を許容するために、例えば厚さ50μmで気孔率70%程度の膜で形成されている。第1のセパレータ5は、例えばセルロース系の不織布である。
カーボン電極30は、電極積層体6の正極1及び負極3から独立し、且つ、リチウム極10に電気化学的に接触している被接続電極である。具体的には、カーボン電極30は、集電体である金属箔31(例えばその表面と裏面との間を貫通する多数の微小孔を有する銅箔)と、金属箔31の両主面の片側のみに形成された活物質層であるカーボン層32とを備える。カーボン層32は、負極活物質層3aと同一材料で且つ同一面積(XY平面の面積が同じ)に形成されている。金属箔31の厚さは、例えば15μmである。カーボン層32の厚さは、例えば30μmである。カーボン層32の厚さは、3つの負極3の全て負極活物質層3aの厚さを合計した合計厚さ(Z方向の全長:例えば130μm×4=520μm)よりも小さい。これにより、後述する負極3の事前処理において、負極3へのリチウムイオンの吸蔵量の減少を抑制しつつ、カーボン電極30にもリチウムイオンを吸蔵させることができる。
カーボン電極30は、第2のセパレータ20を介して電極積層体6のZ方向の一端に配置される。金属箔31のX方向の一端には、取り出し電極部33が連通されている。カーボン電極30の取り出し電極部33と、リチウム極10の後述する取り出し電極部14と、リチウム極用外部端子25とが例えば超音波溶接された溶接部34により、カーボン電極30の金属箔31(集電体)とリチウム極10の金属箔11(集電体)とリチウム極用外部端子25とが電気的に接続される。
リチウム極10は、集電体である金属箔11(例えば銅箔)と、金属箔11の主面に貼り合わせた金属リチウム12とを備える。リチウム極10は、第2のセパレータ20を介してカーボン電極30のZ方向の一端に配置される。第2のセパレータ20を介して電極積層体6とカーボン電極30とリチウム極10とが積層された状態では、リチウム極10の金属リチウム12と、電極積層体6の負極3と、カーボン電極30のカーボン層32とが、第2のセパレータ20を介して互いに対向する。金属箔11のX方向の一端には、取り出し電極部14が連通されている。金属箔11の厚さは、例えば15μmである。
リチウム極用外部端子25は、リチウム極10の取り出し電極部14とカーボン電極30の取り出し電極部33とに超音波溶接され、外装部材7の外部に露出した外部端子である。なお、リチウム極用外部端子25は、後述する負極3の事前処理及び正極1の事前処理が終了した後に、切断される。図3に示すように、その切断された部位25aは、封止部40により封止される。なお、後述する負極3の事前処理(吸蔵工程)により、金属リチウム12が負極3などに吸蔵され、金属リチウム12がリチウム極10上から完全に消失する。このため、図3では、消失した金属リチウム12が破線で図示されている。
図1に示す第2のセパレータ20は、リチウム極10とカーボン電極30と電極積層体6の負極3との相互接触を防止するために電気絶縁性の材料により形成され、且つ、その表面と裏面とを連通する微細な孔が多数形成された微多孔膜や不織布である。第2のセパレータ20の微細な孔は、非水電解液9中のイオンが通過可能である。第2のセパレータ20は、そのX−Y平面上の大きさが、電極積層体6、カーボン電極30及びリチウム極10よりも大きい矩形状に形成されている。
第2のセパレータ20は、非水電解液9が含浸される。第2のセパレータ20は、絶縁性を確保しつつ、非水電解液9を介してアニオンやカチオンなどのイオンの透過を許容するために、例えば厚さ50μmで気孔率70%程度の膜で形成されている。第2のセパレータ20は、セルロース系の不織布である。
外装部材7は、第2のセパレータ20を介して積層した電極積層体6とカーボン電極30とリチウム極10とを、内部に収容する外装ケースである。外装部材7は、例えばアルミニウムからなるラミネートフィルムで構成される。外装部材7は、内部に非水電解液9が充填された状態で密封されている。
非水電解液9は、リチウム塩を含む電解質を有機溶媒に溶解した有機電解液である。非水電解液9は、アニオン(例えばPF )、カチオン(例えばLi)などのイオンの移動媒体として機能する。また、リチウム塩以外に他の電解質を含んでいてもよい。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiCIO、LiN(CFSO、LiN(SO、LiCFSO、LiC(SOCF、LIAsF、及びLiSbFからなる群から選ばれる一種以上の塩が用いられる。本実施の形態では、リチウム塩としてLiPFが使用されている。また、非水電解液9におけるリチウム塩の濃度(電解質濃度)は、0.5〜5.0mol/Lの何れかの値に設定される。さらに好ましくは、1.0〜3mol/Lの何れかの値に設定される。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、ジメトキシエタン等を用いる。これら有機溶媒は、単独溶媒として用いてもよく、二種以上の混合溶媒として用いてもよい。本実施の形態では、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを重量比1:1で混合してなる混合溶媒を用いる。
続いて、上述した実施の形態に係る蓄電デバイス100の製造方法について、図2を用いて説明する。
<積層工程>
図2に示す積層工程(ステップS101)では、図1に示すように電極積層体6とカーボン電極30とリチウム極10とが第2のセパレータ20を介して積層される。
図1に示すように、外装部材7とリチウム極10との間、外装部材7とZ方向の他端の負極3との間にも第2のセパレータ20が配置される。
<外部端子接続・収容工程>
図2に示す外部端子接続・収容工程(ステップS102)では、正極用外部端子16、負極用外部端子18及びリチウム極用外部端子25が、正極1、負極3及びリチウム極10にそれぞれ溶接され(外部端子接続工程)、その後、各外部端子(正極用外部端子16、負極用外部端子18及びリチウム極用外部端子25)が接続された電極積層体6、リチウム極10及びカーボン電極30がそれらの相互間に第2のセパレータ20を介して積層された状態で外装部材7内に収容される(収容工程)。
具体的には、図1に示すように、2つの正極1の各取り出し電極部15と正極用外部端子16とが超音波溶接される。また、3つの負極3の各取り出し電極部17と負極用外部端子18とが超音波溶接される。また、カーボン電極30の取り出し電極部33とリチウム極10の取り出し電極部14とリチウム極用外部端子25とが超音波溶接される。
<注液・密閉工程>
図2に示す注液・密閉工程(ステップS103)では、前記の収容工程を終えた外装部材7内に非水電解液9が注入され(注液工程)、注液工程後に外装部材7が密閉される(密閉工程)。このようにして密閉工程後の蓄電デバイス100(事前処理前の蓄電デバイス100)が作製される。
<吸蔵工程(負極3の事前処理)>
吸蔵工程である負極3の事前処理(ステップS104)では、事前処理前の蓄電デバイス100の負極3とリチウム極10とが外部回路50を介して接続されることにより、負極3にリチウムイオンを吸蔵させる。
従来のように負極3とリチウム極間を電気的に短絡させて、負極3の事前処理を行うと、負極3へのリチウムイオン吸蔵が急激に進むことで、負極3表面の保護膜形成に悪影響を与える可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、図4に示すように、負極用外部端子18とリチウム極用外部端子25との間に外部回路50が接続される。外部回路50は、スイッチSW1と抵抗R1とが直列接続されて構成されている。抵抗R1は、負極3とリチウム極10との間に流れる電流値を、負極3とリチウム極10とを短絡させた場合に流れる電流値よりも低い設定値に制限するのに必要な抵抗値を有する。詳しくは、負極3の電位が金属リチウム基準(リチウムの標準酸化還元電位)で終了条件電位(例えば0.01〜0.2V程度の電位)になるまでは、電流を制限して、数時間〜数日程度かけて電位を低下させるように放電させ、金属リチウム基準で終了条件電位になると放電を終了させることで、負極3へのリチウムイオン吸蔵が行われる。これにより、負極3表面に良好な保護膜を形成させることができる。外部回路50の代わりに、充放電装置を用いて事前処理を行ってもよい。
<充放電工程(正極1の事前処理)>
図2に示す充放電工程である正極1の事前処理(ステップS105)では、上記の吸蔵工程を終えた蓄電デバイス100の正極1とリチウム極10との間で、図5に示す充放電回路60を用いて少なくとも1回の充放電が行われる。ここでは、1回の充放電を行うものとする。なお、負極3の事前処理(吸蔵工程)を終えているので、金属リチウム12は、負極3などに吸蔵され、リチウム極10上から完全に消失しているため、図5では、消失した金属リチウム12が破線で図示されている。
図5に示すように、充放電回路60は、接点P1又は接点P2に接続切り替え可能なスイッチSW2と、接点P1側に配置された直流電源Vと、接点P2側に配置された抵抗R2とを備える。正極1とリチウム極10との間に充放電回路60が接続され、正極1とリチウム極10との間で充電と放電とが行われる。充電は、充放電回路60のスイッチSW2が接点P1に接続されることにより、開始される。放電は、充放電回路60のスイッチSW2が接点P2に接続されることにより、開始される。
詳しくは、正極1とリチウム極10間の事前処理は、例えば電流密度1.85mA/cmにて金属リチウム基準で5.0〜6.0Vとなるまで充電することによって行われる。正極1の事前処理は、短時間で且つある程度大きな電流密度で実行される必要がある。つまり、短時間に大電流を流す必要がある。これにより、正極1にアニオン(例えばPF )が大量に挿入され、正極活物質層1a中にナノバブルと呼ぶナノサイズの空間が発生し、正極活物質層1aの結晶構造を安定させることができ、正極1の容量を増加させることができる。充電後に、充放電回路60のスイッチSW2が接点P2に切り替えられ、放電が行われる。充放電回路60の代わりに、充放電装置を用いて事前処理を行ってもよい。
なおここでは、1回の充放電が行われるとしたが、1回の充電のみとし、その後の放電を行わなくてもよい。また、2回以上の充放電を行ってもよい。正極1の事前処理を行った後、リチウム極10と負極3を短絡させておくことが望ましい。リチウム極に残留する金属リチウムがあった場合に、完全に消失させることが出来る。また、正極1の事前処理は、負極3の事前処理の前に行ってもよい。
<切断・封止工程>
図2に示す切断・封止工程(ステップS106)では、前記の吸蔵工程(ステップS104)と充放電工程(ステップS105)とが実行された後に、リチウム極用外部端子25が切断され、その切断後の箇所が封止される。切断・封止工程は、リチウム極用外部端子25への外部接触を防止するために、実行される。
詳しくは、図3に示すように、吸蔵工程(負極3の事前処理)及び充放電工程(正極1の事前処理)が終了した蓄電デバイス100におけるリチウム極用外部端子25の切断後の部位25aに、電気絶縁性を有する例えば光硬化樹脂材料が付着される。そして、その光硬化樹脂材料を硬化させて封止部40が形成される。封止部40により、切断後の部位25aが封止される。光硬化樹脂材料に代わり、電気絶縁性を有する粘着テープ等を用いてもよい。
以上の工程により、本実施の形態に係る蓄電デバイス100が完成する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る蓄電デバイス100の製造方法によれば、吸蔵工程は、負極3とリチウム極10とを外部回路50を介して接続することにより実行される。このとき、外部回路50の抵抗R1により、負極3とリチウム極10との間に流れる電流は設定値(負極3とリチウム極10とを短絡させた場合に流れる電流値よりも低い電流値)に制限されるため、負極3へのリチウムイオンの吸蔵速度は低下される。このため、負極3の表面の保護膜を良好に形成することができる。
また、充電工程は、正極1とリチウム極10との間で少なくとも1回以上の充電を行うことにより実行される。すなわち、正極1の事前処理を、負極3から独立して行うことができる。従って、負極3の事前処理と正極1の事前処理とは個別に実行される。また、蓄電デバイス100の完成後においても、カーボン電極30とリチウム極10との電気的接触が保持されるので、リチウム極10がカーボン電極30と同電位に保たれる。これにより、リチウム極10の電位を安定化させることができる。
また、リチウム極10に接続されて外装部材7の外部に配置されたリチウム極用外部端子25の切断後の部位25aが、封止部40によって封止される。これにより、事前処理が終了したリチウム極10、つまり、電極としての役割を終えたリチウム極10を、誤って正極1又は負極3として使用されることが防止される。
また、本発明の実施の形態に係る蓄電デバイス100によれば、カーボン電極30がリチウム極10に電気化学的に接触するので、リチウム極10からのリチウムイオンがカーボン電極30に吸蔵される。カーボン電極30は、リチウムイオンの吸蔵により、金属リチウム基準で0V近くになる。負極3の事前処理により金属リチウム12が消失したリチウム極10は、カーボン電極30との接触が保持され、カーボン電極30と同電位に保たれる。これにより、リチウム極10の電位を、金属リチウム基準で0V近くの電位に安定化させることができる。
また、吸蔵工程(負極3の事前処理)では、図4に示すように、正極1を負極3とリチウム極10とから切り離した状態にして、負極3とリチウム極10とを接続できる。また、充放電工程(正極1の事前処理)では、図5に示すように、負極3を正極1とリチウム極10とから切り離した状態にして、正極1とリチウム極10とを接続できる。このように、負極3の事前処理と正極1の事前処理とが個別に実行できる。
また、リチウム極10に接続されて外装部材7の外部に配置されたリチウム極用外部端子25の切断後の部位25aが、封止部40によって封止される。これにより、事前処理が終了したリチウム極10、つまり、電極としての役割を終えたリチウム極10が、誤って正極1又は負極3として使用されることが防止される。
また、正極活物質層1aと負極活物質層3aとに炭素材料を含むように構成された蓄電デバイス、いわゆるデュアルカーボン電池においても、負極3の事前処理と正極1の事前処理とが個別に実行可能で、リチウム極10の電位を安定化させることができる。
また、負極3の負極活物質層3aとカーボン電極30のカーボン層32とが、同一材料で且つ同一面積(XY平面の面積が同じ)に形成されている。カーボン電極30のカーボン層32の厚さは、全ての負極活物質層3aを厚さ方向(Z方向)に合わせたときの合計厚さよりも小さい。これにより、カーボン電極30が吸蔵するリチウムイオン量を、負極3が吸蔵するリチウムイオン量に比べて小さくすることができる。従って、金属リチウム12を増量することなく、負極3へのリチウムイオン吸蔵が確保でき、且つ、カーボン電極30に少量のリチウムイオンを吸蔵させることができる。つまり、負極3に吸蔵されるリチウムイオン量の減少を最小限に抑制しつつ、カーボン電極30へのリチウムイオン吸蔵を賄うことができる。
また、カーボン電極30が電極積層体6とリチウム極10との間に配置されるので、負極3の事前処理において、リチウム極10からのリチウムイオンがカーボン電極30を透過して負極3に吸蔵される。
<実施の形態の蓄電デバイス100の作製と性能確認>
実施の形態の蓄電デバイス100を、次の通り作製し、その性能を確認した。
<正極1の作製>
正極1は、具体的に次のようにして作製される。まず、バインダであるポリフッ化ビニリデンを溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を作製する。この溶液に、活物質としてグラファイト(KS6:Timcal社製)を分散させ、正極用スラリー溶液を得る。なお、グラファイト:ポリフッ化ビニリデンの重量比は、90:10である。正極用スラリー溶液は、正極集電体2である多孔アルミニウム箔(市販品;厚さ20μm)の両面に、ドクターブレードにより塗工され、その塗工後の箔を乾燥させる。乾燥後の塗布層(つまり、正極活物質層1a)の層厚さは片面80μmである。その乾燥後の箔を規定の大きさに切り出すことにより正極1が作製される。
<負極3の作製>
負極3は、具体的に次のようにして作製される。まず、バインダであるポリフッ化ビニリデンを溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を作製する。この溶液に、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる人造黒鉛を分散させ、負極用スラリー溶液を得る。なお、人造黒鉛:ポリフッ化ビニルデンの重量比は、90:10である。この負極用スラリー溶液は、負極集電体4である多孔銅箔(市販品;厚さ15μm)の正極1と対抗する面に、ドクターブレードにより塗工され、その塗工後の箔を乾燥させる。乾燥後の塗布層(つまり、負極活物質層3a)の層厚さは片面当り例えば130μmである。その乾燥後の箔を規定の大きさに切り出すことにより負極3が作製される。
<リチウム極10の作製>
リチウム極10は、厚さが例えば15μmである金属箔11上に、金属リチウム12を形成して作製される。
<カーボン電極30の作製>
カーボン電極30は、負極3と同様に作製される。具体的には、バインダであるポリフッ化ビニリデンを溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を作製する。この溶液に、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる人造黒鉛を分散させ、負極用スラリー溶液を得る。なお、人造黒鉛:ポリフッ化ビニルデンの重量比は、90:10である。この負極用スラリー溶液が、集電体である多孔銅箔(市販品;厚さ15μm)の負極3と対抗する面に、ドクターブレードにより塗工され、その塗工後の箔を乾燥させる。乾燥後の塗布層(つまり、カーボン層32)の層厚さは片面当り例えば30μmである。その乾燥後の箔を規定の大きさに切り出すことによりカーボン電極30が作製される。
<非水電解液9の作製>
非水電解液9は、混合溶媒に、リチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF)を1.5mol/L(1.5M)の電解質濃度となるように溶解して作製される。混合溶媒は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを重量比1:1で混合したものである。
<電極積層体6の作製>
電極積層体6は、第1のセパレータ5を介して正極1と負極3とを積層することにより作製される。
<蓄電デバイス100の作製>
蓄電デバイス100は、ドライ雰囲気下で作製される。まず、上述した両面に正極活物質層1aが形成された正極1を2つ、両面に負極活物質層3aが形成された負極3を1つ、片面に負極活物質層3aが形成された負極3を2つ用い、第1のセパレータ5を介して正極1と負極3とを交互に5層積層した電極積層体6が作製される。さらに、電極積層体6のZ方向の一端に第2のセパレータ20を介してカーボン電極30が配置され、カーボン電極30のZ方向の一端に第2のセパレータ20を介してリチウム極10が配置される。2つの正極1の各取り出し電極部15と正極用外部端子16とが溶接部13にて溶接される。また、3つの負極3の各取り出し電極部17と負極用外部端子18とが溶接部19にて溶接される。また、カーボン電極30の取り出し電極部33とリチウム極10の取り出し電極部14とリチウム極用外部端子25とが、溶接部34にて溶接される。そして、外装部材7内に非水電解液9が充填され、外装部材7が密閉されることにより、蓄電デバイスが作製される。
カーボン電極30とリチウム極10とが電気化学的に接触しているため、外装部材7内への非水電解液9の注液と同時に、カーボン電極30へのリチウムイオン吸蔵が開始される。負極3とカーボン電極30とは同一材料により構成され、全ての負極活物質層3aの合計厚さが520μmであり、カーボン層32の厚さが30μmである。このため、カーボン電極30へのリチウムイオンの吸蔵容量は、カーボン層32の厚さに比例するので、蓄電デバイス100の負極3へのリチウムイオンの吸蔵容量の約6%(30μm÷520μm=5.7%)である。
吸蔵工程(負極3の事前処理)が行われる。詳しくは、負極用外部端子18とリチウム極用外部端子25とを、図4に示す外部回路50に接続し、スイッチSW1を閉じることにより、負極3へのリチウムイオンの吸蔵工程が行われる。
金属リチウム12の重量は、負極3及びカーボン電極30が吸蔵し得るリチウムイオンの最大容量(理論容量)よりも小さい容量となるよう決定され、吸蔵させるイオン量を任意に選択し、決定される。つまり、金属リチウム12は、吸蔵工程の終了時に、リチウム極10から消失する量とする。金属リチウム12の消失時をモニタすることにより、吸蔵工程の完了時を把握できる。そのため、図示省略の計測手段(例えばクーロンメータ)を用いる。クーロンメータは、リチウムがイオン化するプロセスにより生じる、外部回路50に流れる電流を計測する。クーロンメータの計測値により、負極3へのリチウムイオンの吸蔵が完了したと判断することができる。
充放電工程(正極1の事前処理)が行われる。詳しくは、正極用外部端子16とリチウム極用外部端子25との間に充放電回路60を接続し、正極1とリチウム極10との間で少なくとも1回以上の充放電工程が行われる。
負極3の事前処理及び正極1の事前処理の終了後の蓄電デバイス100のリチウム極用外部端子25が切断され、その切断された部位25aが封止部40によって封止される。
以上の工程により、実施の形態に係る蓄電デバイス100を作製した。
上記の作製した蓄電デバイス100を、25℃の恒温槽中で3Vから5.3Vの電圧範囲で、1C−CC(constant current)充電、1C−CC放電レートによる充放電サイクル試験を100サイクル行った。なお、1Cレートとは、電池の全容量を1時間かけて充放電する電流値のことをいう。例えば10Cレートの場合には、1Cレートの10倍の電流値で充放電することを意味する。すなわち、全電池容量を約360秒で充電し、且つ、約360秒で放電させることを意味する。
100サイクル試験の終了後、蓄電デバイスを解体し、カーボン電極30と溶接されたリチウム極10の電位を測定した。100サイクル試験の終了後においても、リチウム極10の電位は、金属リチウム基準で0.2Vであり、リチウム極10の電位を長期的に安定化させることができた。
なお、リチウム極用外部端子25を未切断とした蓄電デバイスの場合には、リチウム極用外部端子25を用いてリチウム極10の電位が測定可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
実施の形態の蓄電デバイス100では、被接続電極であるカーボン電極30は、リチウム極10の電位をリチウム金属基準で0Vに近い電位で安定化させるために、負極3を構成する炭素材料と同じ材料で構成することが望ましいが、リチウムイオンを吸蔵可能な金属も適用することができる。具体的にはアルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)等のリチウムイオン二次電池用負極として適用可能な金属又はその合金を備えた電極を被接続電極としてもよい。なお、リチウムイオンを吸蔵した被接続電極の電位がリチウム金属基準で0Vに近いほど好ましい。金属リチウム12が消失したリチウム極10を、リチウム金属基準で0Vに近い電位である被接続電極と同電位にすることができるからである。
前述した実施の形態の蓄電デバイス100は、図3に示すように、リチウム極用外部端子25が切断され、その切断された部位25aが封止部40により封止された構成としているが、これに限定されない。図1に示すように、リチウム極用外部端子25の切断及び封止を未実施とした蓄電デバイス100であってもよい。また、リチウム極用外部端子25の切断は行わず、封止部40による封止のみを行った蓄電デバイス100であってもよい。
実施の形態のカーボン電極30は、金属箔31の両主面の片側のみにカーボン層32が形成されているが、金属箔31の両主面に形成されたものであってもよい。
実施の形態の蓄電デバイス100では、カーボン電極30へのリチウムイオンの吸蔵容量は、蓄電デバイス100の負極3へのリチウムイオンの吸蔵容量と比較して約6%としているが、例えば10%以下としてもよい。
また、カーボン電極30の吸蔵容量分だけ金属リチウム12を予め増量させておいてもよい。この場合には、負極3に吸蔵すべきリチウムイオンの一部をカーボン電極30に割り振る必要がないので、負極3に吸蔵されるリチウムイオン量の減少が無い。
リチウム極10及びカーボン電極30は、図1に示すように、電極積層体6のZ方向の一端のみに配置されるが、他端のみに配置されるようにしてもよい。また、リチウム極10及びカーボン電極30は、図6に示すように、電極積層体6のZ方向の両端(一端及び他端)に配置されるようにしてもよい。電極積層体6を複数積層するような多積層構造の場合、重なり合う電極積層体6の間に配置されるようにしてもよい。
実施の形態の蓄電デバイス100であるデュアルカーボン電池では、正極活物質層1aは、アニオンを挿入、脱離し得る炭素材料である黒鉛を含むとしているが、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、活性炭の何れかを含むものであってもよい。また、負極活物質層3aは、カチオンとしてのリチウムイオンを挿入、脱離し得る炭素材料である人造黒鉛を含むとしているが、天然黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、活性炭の何れかを含むものであってもよい。
前述した実施の形態では、蓄電デバイス100はデュアルカーボン電池であったが、これに限定されない。例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスであってもよく、負極3の事前処理及び正極1の事前処理が必要な二次電池であってもよい。
前述した実施の形態では、電極積層体6は、正極1及び負極3を合わせて5層積層したものとしているが、正極1及び負極3を5層以外の複数層積層したものとしてもよい。また、3層以上に積層する場合において、電極積層体6の最外層を負極3とすることで、外装部材7に対して第1のセパレータ5及び第2のセパレータ20を介して負極3が位置する。すなわち、外的ストレスがかかった場合でも外装部材7に正極1が接触することを防止できる。この様な配置は、負極3を接地して使用する場合に有用となる。逆に、正極1を接地して使用する場合は正極1と負極3の配置を逆にすればよい。
前述した実施の形態では、第1のセパレータ5及び第2のセパレータ20は、セルロース系の不織布により形成されているが、これに限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルペンテン、ポリ乳酸などの重合体からなる微多孔膜又はこれを使用した不織布により形成されてもよい。また、絶縁性を確保しつつイオン透過を許容するろ紙などとしてもよい。
1 正極
1a 正極活物質層
2 正極集電体
2a 主面部
3 負極
3a 負極活物質層
4 負極集電体
4a 主面部
5 第1のセパレータ
6 電極積層体
7 外装部材
9 非水電解液(電解液)
10 リチウム極
11 金属箔
12 金属リチウム
13 溶接部
14 取り出し電極部
15 取り出し電極部
16 正極用外部端子
17 取り出し電極部
18 負極用外部端子
19 溶接部
20 第2のセパレータ
25 リチウム極用外部端子
25a 部位
30 カーボン電極(被接続電極)
31 金属箔
32 カーボン層(活物質層)
33 取り出し電極部
34 溶接部
40 封止部
50 外部回路
60 充放電回路
100 蓄電デバイス
P1,P2 接点
SW1,SW2 スイッチ
R1,R2 抵抗
V 直流電源

Claims (7)

  1. 正極と負極とがセパレータを介して交互に積層された電極積層体が外装部材内に収容され、前記外装部材内に電解液が注入された蓄電デバイスであって、
    前記外装部材内には、
    前記電極積層体の前記負極にリチウムイオンを吸蔵させるためのリチウム極と、
    前記負極及び前記正極から独立して配置され、且つ、リチウムイオンが吸蔵可能で前記リチウム極に電気化学的に接触された被接続電極と、
    を備えることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 前記被接続電極は、前記電極積層体と前記リチウム極との間に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記正極は、貫通孔を有する正極集電体と、前記正極集電体上に形成された、アニオンを挿入、脱離し得る炭素材料を含む正極活物質層とを備え、
    前記負極は、貫通孔を有する負極集電体と、前記負極集電体上に形成された、リチウムイオンを挿入、脱離し得る炭素材料を含む負極活物質層とを備え、
    前記電解液は、非水電解液であり、
    前記被接続電極は、リチウムイオンを吸蔵可能な炭素材料、又は、リチウムイオンを吸蔵可能な金属材料若しくは合金材料の何れかを含む活物質層を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記被接続電極の前記活物質層は、前記負極活物質層と同一材料で且つ同一面積に形成され、
    前記被接続電極の前記活物質層の厚さは、全ての前記負極活物質層の厚さを合計した合計厚さよりも小さい、
    ことを特徴とする請求項3に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記リチウム極に接続されて前記外装部材の外部に配置されたリチウム極用外部端子の切断後の部位を封止した封止部を備える、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の蓄電デバイス。
  6. 蓄電デバイスの製造方法であって、
    正極と負極とがセパレータを介して交互に積層された電極積層体と、前記電極積層体の前記負極にリチウムイオンを供給するための金属リチウムを有するリチウム極と、前記負極及び前記正極から独立して配置され、且つ、リチウムイオンが吸蔵可能で前記リチウム極に電気化学的に接触された被接続電極とを、セパレータを介して積層して外装部材内に収容する収容工程と、
    前記収容工程後の前記外装部材内に電解液を注入して前記外装部材を密閉して密閉後の蓄電デバイスを作製する注液密閉工程と、
    前記密閉後の蓄電デバイスの前記負極と前記リチウム極とが外部回路を介して接続されることにより、前記負極にリチウムイオンを吸蔵させる吸蔵工程と、
    前記密閉後の蓄電デバイスの前記正極と前記リチウム極との間で少なくとも1回以上の充電を行う充電工程と、
    を備えることを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  7. 前記吸蔵工程と前記充電工程とを行った後に、前記リチウム極用外部端子を切断し、その切断後箇所を封止する切断封止工程を備える、
    ことを特徴とする請求項6に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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