しかしながら、吸気システムを収容するための組付スペースは、特に車両においては、ほんの僅かしかないことがしばしばである。その結果、吸気システムの個々の部品の組付けもさらに困難になる。特に、互いに接続される部品同士を周方向に回転させることが不可能であるか、又は、非常に小さい角度でしか回転させられない事態が生じる。この場合、吸気システムは、軸方向以外には組み付けることが不可能な場合が多い。組付位置へのアクセスのしやすさや見やすさが限られる中、吸気システムを簡単に組み付けることが望まれている。また、連結装置により、関連部品が例えば保守目的のために取外し可能に接続されなければならない。連結装置の取外しも、できるだけ簡単である必要がある。したがって、前記連結装置はできるだけ簡易に着脱することができるようにするべきである。この目的の達成のためには、実質的に部品の軸方向の相対的な動きのみで、部品が互いに接続もしくは分離される必要がある。
本発明は、このような連結装置、特に取扱いが簡単であること、及び/又は、生産コストが低いことを満たすような、連結装置の改良された実施形態を特定することを課題とするものである。
前記課題は、本発明における独立請求項の発明主題によって解決される。有利な実施形態により、従属請求項の発明主題が実現される。
本発明は、コネクタと、コネクタ内に軸方向に挿入される接続部品とを連結装置に設け、これにより差込み式接続を実現するという一般的な概念に基づくものである。コネクタと接続部品との間で、ロックが係脱可能になされる。この目的のために、コネクタにはロックリングが配設される。このロックリングは、少なくとも固定位置と解放位置との間で周方向に移動可能である。ロックリングには、1つのロック部材が、径方向に弾性を有するように配設されている。複数のロック部材が、ロックリングに周方向に分散して配設されることが好ましい。コネクタには、固定リングが設けられている。固定リングは、ロック部材と共に、ロックリングをコネクタに軸方向に固定する。接続部品は、その外側の面に、外側固定溝を有する。接続部品がコネクタ内に挿入されかつロックリングが固定位置にあるときに、ロック部材が外側固定溝に径方向に係合することができる。この場合、ロック部材が外側固定溝に係合することにより、接続部品がコネクタに機械的にフィットして固定されることで、接続部品がコネクタから不意に引き抜かれることを防ぐ。外側固定溝は周方向の全周に亘って形成されていてもよいし、複数の溝部が周方向に分散配設されて形成されていてもよい。ここに開示されている連結装置は、係脱可能なロック接続を有する差込み式の接続として設計されているため、とりわけ簡単に着脱可能である。軸方向に差込み可能な部品、すなわち、コネクタと接続部品とは、吸気システムの互いに接続される複数の部品に適切な方法で取付けまたは配設可能である。コネクタと接続部品とは、対応する部品にそれぞれ別々に取付けられてもよい。コネクタと接続部品とが、吸気システムの対応する部品とそれぞれ一体構造を有するか、又は一体形成されることも、同様にあり得る。例えば、空気経路の一端部が、接続部品又はコネクタとして形成されてもよい。コネクタに回転可能に配設されたロックリングは、固定位置と解放位置との間で、手で簡単に操作することができる。このロックリングの操作は、特に目視せずに行うことができる。したがって、例えば連結装置の分解、すなわち取外しをより簡単に行うことができる。
有利な一実施形態によれば、ロック部材は、弾性領域と、接続部品がコネクタ内に挿入されかつロックリングが前記固定位置にあるときに、前記外側固定溝に係合するロックノーズ(突端部)とを有する。ロックノーズは、弾性領域によって径方向に弾性を有するようにロックリングに配設される。このため、その弾性領域によって、ロックリングではなくてロック部材に弾性が与えられる。その結果、ロックリングのその他の部分は、比較的簡単にかつ低コストで生産することができる。さらに、複数のロック部材をロックリングに周方向に分散することが簡単になる。
他の実施形態によれば、コネクタは、少なくとも1つの傾斜領域を有する。この傾斜領域は、ロックリングが前記固定位置から前記解放位置に移動したときに、前記ロック部材と相互に連携して該ロック部材を径方向外側に押し、これにより、ロックリングが前記解放位置にあるときに、接続部品を、ロック部材から解放して、コネクタから軸方向に抜き取り可能とする。ロックリングが解放位置に回動したとき、傾斜領域はロック部材を外側固定溝から引き抜かせる。これにより、連結装置の取外しが非常に簡単になる。ロックリングに複数のロック部材が設けられることが好ましく、この場合には、複数の傾斜領域が各ロック部材毎に対応して設けられる。
更に他の実施形態において、コネクタは、前記固定リングにより軸方向に画定された少なくとも1つの径方向ロック窓を有する。この径方向ロック窓に、前記ロック部材が径方向に挿入して係合する。こうして、接続部品がコネクタ内に挿入されかつロックリングが固定位置にあるときに、ロック部材は、径方向ロック窓を通って外側固定溝に係合する。このような径方向ロック窓が、好適には各ロック部材毎に1つずつ設けられることにより、ロック部材が複数存在する際に、各ロック部材は1つずつ個々の径方向ロック窓に割り当てられる。前記傾斜領域は、径方向ロック窓においてロックリング回転方向の解放位置への側を画定することができる。径方向ロック窓は、ロック部材を固定リングに対して機械的に軸方向にフィットして固定させ、これによりロックリング全体をコネクタに固定させる。こうして、接続状態において、接続部品は、ロック部材によりコネクタに軸方向にフィットした状態で固定される。
更に他の実施形態において、接続部品は、該接続部品がコネクタ内に挿入される際に、外側固定溝よりも先にコネクタ内に挿入される傾斜部を有する。この傾斜部は、ロックリングが前記固定位置へ移動する際に、ロック部材と相互に連携して該ロック部材を径方向外側に押す。この設計により、たとえロックリングが既に前記固定位置に動かされていたとしても、接続部品がコネクタ内に軸方向に確実に挿入可能となって、接続部品がコネクタに接続される。また、この設計によれば、接続部品が所定の挿入深さまでコネクタ内に挿入されたときに、接続部品が自動的にコネクタに固定されることを確実なものとする。これは、接続部品が所定の挿入深さに挿入されたときおいて、ロック部材が、そのばね力により該外側固定溝に係合して、外側固定溝と径方向に位置が合うからである。
更に他の実施形態によれば、ロックリングは、手で把持可能でかつ径方向に突出する操作部を有し、コネクタは、手で把持可能でかつ径方向に突出する把持部を有する。操作部と把持部とは、互いに隣接するように、すなわち、互いに比較的近接するように配置される。操作部と把持部とは、ロックリングを前記解放位置に移動させるために、操作部及び把持部が互いに向かって動かされるように、少なくともロックリングが前記固定位置にあるときに、前記周方向に互いにずれて配置される。この設計により、ロックリングを前記解放位置に移動させるときに、ロックリングを比較的簡単に操作することができる。特に、ロックリングを片手で前記解放位置に移動させることができる。前記固定位置における操作部と把持部との配設位置、及びそれらの形状は、2本の指でロックリングを解放位置に動かすことができるようになっていることが好ましい。例えば、操作部は親指で操作され、把持部は人差し指で保持される。そして、ロックリングを解放位置に回転させるために、作業者は親指を人差し指に向けて動かすだけでよい。この動作も、目視なしで、手の届きにくい箇所でも行うことができる。
更に他の実施形態において、ロックリングは、前記周方向に対して垂直な断面形状がフラットな帯状のリング本体部を有する。このリング本体部に、前記ロック部材が弾性を有するように配設される。このようなリング本体部は、そのフラットな断面形状から、材料(好ましくはプラスチック)の選択によっては、柔軟で弾性を有する。このようにして、例えば、コネクタ及び接続部品の断面を、空気流を通過させることが可能な、円形とは異なる形状にすることが可能である。楕円形断面や卵型断面のような、丸みのある断面が好ましい。リング本体部が弾性を有するということは、たとえリング本体部が円形断面でなくても、リング本体部が、固定位置と解放位置との間で動かすことができるように、コネクタに対して回転可能であることを意味している。ロック部材は、リング本体部に対して横向きに、すなわち軸方向に隣接することで、リング本体部の弾性の悪影響を受けないか、受けても僅かである。
更に他の実施形態において、コネクタは、その外側面に少なくとも1つの回転止めを有する。この回転止めは、ロックリングに形成された受入部と共に、ロックリングの移動を前記固定位置と前記解放位置との間に制限する。よって、ロックリングが各位置に到達すると、そのことをユーザに触覚的に知らせる。
更に他の実施形態によれば、コネクタは、コネクタ本体部に取り付けられる別体の固定部を有する。この固定部に、前記固定リングが配設される。単品で一体成形されるのとは対照的に、2つの部品で構成されるコネクタは、射出成形型によって、より簡単に製造することができる。この結果、コネクタ本体部及び固定部をプラスチックで安価に製造可能である。基本的に、固定部とコネクタ本体部とを、異なった材料要求を満たすことができるように、異なった材料、特に異なったプラスチックで製造することも可能である。
有利な発展形態では、前記別体の固定部は、多少複雑に製造されてもよい。この場合、固定部は少なくとも固定リングを有する。また、固定部は、任意で前記傾斜領域を有することもできる。これに加えて、又は、これに代えて、固定部は、前記径方向ロック窓を有していてもよい。これに加えて、又は、これに代えて、固定部は、前記把持部を有していてもよい。これに加えて、又は、これに代えて、固定部は、前記回転止めを有していてもよい。
更に他の有利な発展形態では、コネクタは、その径方向内側に、径方向にシールするシール部材を収容するシール受入部を有する。このシール部材は、コネクタ内に挿入された前記接続部品と該コネクタとの間を径方向にシールする。前記コネクタ本体部に形成された環状の段差部により、前記シール受入部の径方向と軸方向の一方側とが画定され、前記固定部の軸方向の端面により、前記シール受入部の軸方向の他方側が画定される。これにより、シール受入部を、アンダーカットなしで射出成形することができる。これは、アンダーカットの輪郭が別々の部品により形成される、すなわち一方の輪郭はコネクタ本体部により、他方の輪郭は固定部によりそれぞれ形成されるからである。同時に、Oリングシール、Yリングシール、又はXリングシールとして設計され得るシール部材が容易に導入される。
更に他の有利な発展形態では、前記固定部は、径方向に弾性を有する少なくとも1つのスナップフックを有する。このスナップフックは、前記固定部が前記コネクタ本体部に取り付けられた状態で、該コネクタ本体部に開口されたスナップ窓に対して、径方向外側に向けて係合する。こうして固定部は、追加の別体の留め具なしで、コネクタ本体部に固定可能である。このようなスナップフックが複数設けられて、複数のスナップフックが前記周方向に分散して配設されることが好ましい。この場合、複数のスナップ窓のそれぞれが、各スナップフック毎に設けられることが好ましい。
更に他の発展形態では、前記コネクタ本体部は、前記固定部が該コネクタ本体部に軸方向に挿入される際、前記スナップフックを径方向内側に押す導入スロープ部を有する。この結果、固定部のコネクタ本体部への取付けがより一層簡単になる。好適には、導入スロープ部は、スナップ窓に対して前記周方向にずれて配設される。この場合、固定部をコネクタ本体部に取付ける間、固定部は、先ず軸方向に挿入されなければならず、次にスナップフックがスナップ窓に径方向に固定されるまで、前記周方向に回転されなければならない。この設計の利点は、スナップ窓における、軸方向の固定部が引き抜かれる側を画定する縁部を、比較的厚くできることにより、スナップフックとコネクタ本体部との間に、比較的大きな力が伝達可能な点にある。
更に他の有利な発展形態では、複数の前記スナップフックが、前記周方向に分散して配設され、前記周方向に相隣接するスナップフック同士は、軸方向に延びるスロットによって互いに分離されている。これらのスロットは、固定用のスナップフックの径方向の弾性力を格段に向上させる。スロットは、全てのスナップフックを同時に内側に押すことが容易にできるように、周方向の寸法が決められる。特に、相隣接するスナップフック同士が周方向に互いに接触や邪魔をしないように、固定部をコネクタ本体部に挿入可能である。これにより、取付けが簡単になる。
本発明に係る吸気システムは、該吸気システムの動作中に空気を導入する少なくとも2つの部品を備え、少なくとも1つの前記連結装置により、前記少なくとも2つの部品を互いに接続する。
本発明の重要な特徴や効果は、従属請求項、図面、及び、明細書の、図面に対応する記載に見ることができる。
上述の特徴及び以下に説明される特徴は、個々に紹介された組み合わせのみで使用されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、他の組み合わせ又は単独で使用され得ることは自明である。
本発明の好ましい実施形態は図面に例示され、以下の記載で詳細に述べられる。同一の参照符号は、同一、類似、又は機能的に均等な構成要素を参照している。
図1によると、特に自動車に配設される内燃機関(図示せず)に空気(新気)を供給する吸気システム10は、処理前空気経路11と、フィルタ装置12と、清浄空気経路13とを備えるとともに、ここでは空気分配部としての吸気モジュール48を備える。ここに示された例において、清浄空気経路13は、連結装置14によりフィルタ装置12に接続されている。他の構成において、連結装置14はまた、ブローバイガス経路、二次空気経路又は排出ガス再循環経路のような、吸気システム10の他の空気導入経路を、別の空気導入経路に接続するために設けられ得る。例えば、処理前空気経路11もまた、このような連結装置14によってフィルタ装置12に接続され得る。一般的に、吸気システム10の何れの2つの部品も、このような連結装置14によって、流体的にかつ機械的に互いに接続され得る。
この例示的な実施形態では、フィルタ装置12は、フィルタ濾材16を持つ筐体15を有する。連結装置14の一部であるコネクタ17は、筐体15に配設されている。このコネクタ17は、恒久的に筐体15に接続されている。特に、コネクタ17は、筐体15と一体化され得る。この場合、コネクタ17は、プラスチック製の筐体15と一体形成が可能である。また、コネクタ17は、取外しできないように、特に溶接又は接着接合により、後から筐体15に接続することも可能である。連結装置14の内部において、コネクタ17は、同じく連結装置14の一部を構成する接続部品29と相互に連係する。図1の例によると、接続部品29は、恒久的に清浄空気経路13に接続されていて、特に清浄空気経路13と一体形成されている。これに代えて、接続部品29を、清浄空気経路13に取付けて、取外しできないように恒久的に接続することも可能である。順序を逆にした配設、すなわち、接続部品29が筐体15側に配設されかつコネクタ17が清浄空気経路13側に設けられることも同様にあり得る。
連結装置14の詳細を、図2〜図12を参照して以下に更に詳しく述べる。図中、連結装置14によって互いに接続される、吸気システム10の部品は、省略されるか、又は、連結装置14の部品の部分(すなわち接続部品29及びコネクタ17)のみにおいて図示される。
連結装置14は、図2〜図12に図示されるコネクタ17と、図6〜図12に図示されかつコネクタ17内に軸方向に挿入される接続部品29と、を備える。コネクタ17は、該コネクタ17上を周方向49に移動可能に配設されたロックリング18を有する。ロックリング18は、少なくとも、図5、図6、図8、図11及び図12に示される固定位置と、図9に示される解放位置との間で移動可能である。接続部品29は、周方向49に連続する無端状の外側固定溝30を有する。ロックリング18は、周方向49に分散して配設された複数のロック部材22を有する。これらロック部材22は、ロックリング18に、径方向に弾性を有するように配設されている。コネクタ17はまた、周方向49に連続する無端状の固定リング26を有する。ロックリング18は、取付状態で、ロック部材22と固定リング26とによって、コネクタ17に軸方向にフィットして固定される。ロック部材22は、接続部品29がコネクタ17内に挿入された状態でかつロックリング18が固定位置にあるとき、外側固定溝30に径方向に係合することによって、接続部品29をコネクタ17に対して不意に引き抜かれたり外れたりしないように軸方向に固定する。
各ロック部材22は、弾性領域23と、ロックノーズ(突端部)24とを有する。各ロックノーズ24は、接続部品29がコネクタ17内に挿入されかつロックリング18が前記固定位置にあるときに、外側固定溝30に係合する。また、各ロックノーズ24は、弾性領域23によって径方向に弾性を有するようにロックリング18に配設される。コネクタ17は、各ロック部材22毎に傾斜領域39を有する。この傾斜領域39は、ロックリング18が前記固定位置から前記解放位置に移動したときに、対応するロック部材22と相互に連携して該ロック部材22を径方向外側に押す。これにより、ロック部材22が外側固定溝30から外側に外れるので、ロックリング18が前記解放位置にあるとき、接続部品29が、各ロック部材22から解放されることになる。この結果、接続部品29が、コネクタ17から軸方向に抜き取り可能となる。
コネクタ17は、各ロック部材22毎に、固定リング26により軸方向に画定された径方向ロック窓28を有する。各径方向ロック窓28に、対応するロック部材22が径方向に挿入して係合する。少なくともロックリング18が前記固定位置にあるとき、各ロック部材22は、対応する径方向ロック窓28を通って、接続部品29の外側固定溝30に係合し、この結果、ロック部材22は、接続部品29をコネクタ17に軸方向に固定することになる。
図6、図10及び図11によると、接続部品29は傾斜部31を有する。傾斜部31は周方向49の全周に亘って設けられていて、接続部品29がコネクタ17内に挿入される際に、外側固定溝30よりも先にコネクタ17内に挿入される。そして、接続部品29がコネクタ17内に挿入される際において、傾斜部31は、ロックリング18が固定位置へ移動する際にロック部材22を径方向外側に押すように、ロック部材22と相互に連携する。接続部品29がコネクタ17に対して所定の挿入深さまで挿入されるのと同時に、ロック部材22は、そのばね力により外側固定溝30に対して径方向内側に自動的に係合して、外側固定溝30と径方向に位置が合う。
図12によると、ロックリング18は、手で把持可能でかつ径方向に突出する操作部40を有し得る。コネクタ17は、手で把持可能でかつ径方向に突出する把持部41を有する。操作部40と把持部41とは、互いに隣接するように配設されていて、少なくともロックリング18が前記固定位置にあるときに、周方向49に互いにずれて配置されている。このずれは、ロックリング18を前記解放位置に移動させるために、操作部40及び把持部41を互いに向かって動かせるようなずれである。図12に示される実施形態では、操作部40及び把持部41により、ロックリング18を2本の指で操作するためのシステムを構成している。これにより、連結装置14は、作業者の2本の指で取り外すことができる。
ロックリング18は、好適には、周方向49に対して垂直な断面形状がフラットな帯状のリング本体部42を備える。これにより、リング本体部42は、比較的弾性的で柔軟性を有する。そして、ロック部材22は、リング本体部42に弾性を有するように配設され、好適には、リング本体部42に軸方向に隣接する。
図2〜図9によると、コネクタ17は、その外側面に少なくとも1つの回転止め37を有し得る。この回転止め37は、ロックリング18に形成された受入部20と共に、該ロックリング18の移動を前記固定位置と前記解放位置との間に制限する。こうして、前記固定位置及び前記解放位置は、それぞれ終点位置として画定される。この両終点位置間で、ロックリング18がコネクタ17に対して回転可能になる。
図2〜図9の実施形態によると、固定リング26はコネクタ17と一体形成されている。これに対して、図10〜図12は、他の実施形態を示している。この実施形態では、コネクタ17は、別体の固定部32と、この固定部32が取付けられるコネクタ本体部17’と、を有する。固定部32は、固定リング26を有する。ここで示されている実施形態においては、固定部32はまた、前記傾斜領域39と、前記径方向ロック窓28と、前記把持部41と、前記回転止め37と、を有している。
特に図10及び図11に図示されるように、コネクタ17は、その径方向内側に、径方向にシールするシール部材35を収容するシール受入部43を有し得る。シール部材35は、コネクタ17内に挿入された接続部品29と該コネクタ17との間を径方向にシールする。コネクタ本体部17’に形成された環状の段差部44により、シール受入部43の径方向と軸方向の一方側(図10及び図11の右側)とが画定される。固定部32の軸方向の端面45により、シール受入部43の軸方向の他方側(図10及び図11の左側)が画定される。これにより、固定部32がコネクタ本体部17’に取付けられる前に、シール部材35をコネクタ本体部17’に装着することが可能であるので、コネクタ17の組立てを簡略化することができる。この場合、固定部32は、周方向49に分散して配設された、径方向に弾性を有する複数のスナップフック33を有する。各スナップフック33は、固定部32がコネクタ本体部17’に取り付けられた状態で、該コネクタ本体部17’に開口されたスナップ窓34に対して、径方向外側に向けて係合する。コネクタ17を組立てるために、固定部32は、コネクタ本体部17’に挿入されて、スナップフック33によってコネクタ本体部17’に固定される。スナップ窓34は、各スナップフック33毎にそれぞれ設けられている。図10には、スナップフック33のためにコネクタ本体部17’に設けられた複数の導入スロープ部46もまた図示されている。各導入スロープ部46は、各スナップフック33毎にそれぞれ設けられている。各導入スロープ部46は、固定部32がコネクタ本体部17’に軸方向に挿入される際、対応するスナップフック33を径方向内側に押す。図10にも示されるように、導入スロープ部46は、スナップ窓34に対して周方向49にずれて配設される。特に、導入スロープ部46は、相隣接するスナップ窓34の間の略中央に位置している。
周方向49に分散して配設されたスナップフック33の間には、軸方向に延びるスロット47が設けられている。このスロット47は、周方向49に相隣接するスナップフック33同士を互いに分離する。
図2〜図5は、連結装置14のプリアセンブリを示している。連結装置14をプリアセンブリするために、コネクタ17の外周に分散配設されたアセンブリノーズ19が、軸方向に見て弾性領域23と位置が合うように、ロックリング18がコネクタ17の前方に位置付けされる。また、受入部(切欠き)20が、回転止め37に対して位置が合うようになされる。好適には、各アセンブリノーズ19は、各ロック部材22毎に設けられる。ロックリング18は、触覚的な滑り止めの把持面を全周に亘って有する把持領域21を持つ。この場合、その把持面は、リング本体部42上に形成される。上述した通り、複数のロック部材22がロックリング18に設けられている。これらロック部材22は、ロックリング18の周方向に分散して配設され、それぞれが弾性領域23とロックノーズ24とを有する。弛緩状態では、ロックノーズ24は、径方向内側に突出していて、内側内接円25を画定する。内側内接円25の直径は、把持領域21及びリング本体部42の直径よりも小さい。
コネクタ17に配設された固定リング26は、軸方向においてアセンブリノーズ19の後側、すなわち接続部品29を挿入する方向の進み側に配設されている。この例では、アセンブリノーズ19は、固定リング26から軸方向に突出している。アセンブリノーズ19が画定する内接円径と固定リング26の内径とは同じである。固定リング26の外径もまた、アセンブリノーズ19が画定する外接円径に部分的に一致している。しかし、各アセンブリノーズ19は、それぞれ傾斜領域27を有している。傾斜領域27は、例えば、内側から外側へ向かって連続した上り傾斜に形成されている。径方向ロック窓28(連結装置14の組立て完成状態で、これを通ってロックノーズ24が係合可能となる)は、軸方向、すなわちここでも接続部品29の挿入方向において、固定リング26に隣接している。
図3に示すように、プレアセンブリのためにコネクタ17に設置されたロックリング18は、ロックノーズ24によって固定リング26を軸方向に支持する。また、プレアセンブリのために、ロックリング18は、反時計回りに回転されて、ロックノーズ24がアセンブリノーズ19の傾斜領域27上を摺動して径方向外側に押圧される。図4に示すように、ロックノーズ24は、撓んで固定リング26と同じ径となる。そして、ロックノーズ24は、固定リング26の上側位置へと軸方向に押される。ロックノーズ24は固定リング26の上側を通過した後、径方向ロック窓28内に係合し、再び内側に撓む。これが、図5に示される、連結装置14が部分的に組み立てられた状態である。
そして、吸気システム10の対応する部品に接続される接続部品29が、部分的に組み立てられた連結装置14に押し込まれる。先に述べたように、接続部品29も、対応する部品若しくは経路(ここでは、清浄空気経路13)と実質的に一体形成可能であるか、又は、連続的に取付け可能である。この取付けは、接着、溶接又は焼嵌め等の方法が適切である。先に述べたように、接続部品29は、その外側面に外側固定溝30を有している。外側固定溝30は環状に連続していて、傾斜部31の軸方向(組立て方向)後側に配設されている。傾斜部31も、同様に、環状に連続している。図7に矢印で示されるように、接続部品29をコネクタ17内に挿入することにより、ロックノーズ24が、傾斜部31上を摺動して径方向外側に押圧される。ロックノーズ24は、最外部の点に到達するまで、径方向外側にずらされる。接続部品29をコネクタ17に挿入し続けることにより、ロックノーズ24が外側固定溝30の領域に達する。それから、各ロックノーズ24は、対応する弾性領域23により、径方向内側に移動させられることにより、外側固定溝30内に固定される。これにより、連結装置14における接続部品29とコネクタ17との間で、不意に軸方向に外れることを防ぐ、フィットした接続がなされる。
図10〜図12は、連結装置14の他の構造を示す断面図又は部分的な断面図である。これらの構造は、図2〜図9における上述の実施形態とは異なり、コネクタ17が2つの部品で形成され、これのために固定部32とコネクタ本体部17’とを有する。この二部品構成では、コネクタ17の個々の部品が形状的に簡単に製作可能で、その結果、コネクタ17は、アンダーカットや分割コアのない簡単な金型により、射出成形部品として製造することができる。固定リング26は、スナップフック33によりコネクタ本体部17’に接続された別体の固定部32上に形成されている。この接続のために、スナップフック33は、該スナップフック33と同数であることが好ましいスナップ窓34に係合する。スナップフック33は、固定リング26に対して伸縮的かつ弾力的に接続されており、コネクタ17又はコネクタ本体部17’の組み立てに際し遊びがないようになっている。また、この構成の利点は、径方向にシールするシール部材35がより簡単に装着できることにある。シール部材35は、コネクタ本体部17’にアンダーカットを設けることなく配置可能である。シール受入部43を閉鎖する、固定部32の軸方向の端面45は、スナップフック33の自由端に形成されている。
尚、図2〜図9に示される実施形態にも、シール部材35が挿入されるシール受入部43が存在する。
さらに、図10〜図12の実施形態が、図2〜図9の実施形態と異なる点は、固定部32をコネクタ本体部17’に装着する前に、ロックリング18を取付可能なことである。その装着のために、ロックリング18はコネクタ本体部17’上に設けられる。そして、固定部32は、コネクタ本体部17’に対して対応するように位置合わせされ、コネクタ本体部17’に軸方向に押し込まれる。このとき、固定部32は、スナップフック33がスナップ窓34に係合するまで周方向49に回転される。こうして、ロックリング18は、コネクタ17に係止状態で配設される。これらの異なった実施形態は、他の特徴や特性の面で、互いに大きく関係しあっている。また、二部品構成のコネクタ17においては、ロックリング18を先に固定部32に装着することも可能であり、この装着により、単体としてコネクタ本体部17’に取付け可能なプレアセンブリユニットが実質的に形成される。
接続を解除する、すなわち連結装置14を取外すためには、ロックリング18を、その受入部(切欠き)20が回転止め37に当接するまで、図9の矢印方向36に回転する。ロックリング18の回転により、ロックノーズ24が、傾斜領域39を有するリブ38上を径方向外側に摺動する。このロックノーズ24の動きは、図2〜図5を参照して説明した、ロックリング18のコネクタ17への組付けに類似している。その違いは、ロックノーズ24の径方向の動きが、アセンブリノーズ19の代わりに、リブ38を使って行われることだけである。上述した通り、リブ38もまた、アセンブリノーズ19の傾斜領域27と同様の傾斜領域39を有する。
図9の回転位置、すなわちロックリング18の解放位置において、ロックノーズ24は外側固定溝30内に突き出ることはない。これにより、接続部品29は、コネクタ17から軸方向に引き出すことができる。