JP2015533378A - 2段階接線流限外濾過を使用するポリペプチドの精製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2段階接線流限外濾過(「TFF」)を用いて、関心対象の分子を含む溶液から該分子を分離する方法に関する。特に、本発明の方法は、その後の、すなわち下流の純化単位操作の前に、混入物および/または不純物レベルを劇的に低下させるための、馴化細胞培養上清などの粗製供給流の処理に関する。本発明の方法は、発酵または他の細胞培養工程のような生物学的生産システムからの粗製供給流の処理において使用することができ、さらに、クロマトグラフィー単位操作などの、高不純物負荷に対して感受性の高い下流工程の前の、時間を要する不純物沈殿工程(例えば、pH駆動性)および/または沈殿物濾過工程の必要性を排除することができる。開示される2段階TFF工程は、供給流、例えば細胞培養上清のpHに対応するかまたはそれに近いpFI、典型的には7.5 + 1.0というpHで有利に実施することができる少なくとも2つのTFF単位操作を組み合わせている。供給流の関心対象のタンパク質の精製を目的とした、従来工程を補完する、改善する、またはそれに取って代わるためのTFF単位操作の使用は、直接的および間接的な処理コストの両方の顕著な削減を示し得る。例えば、沈殿工程および沈殿物濾過工程を排除することによる間接的な削減に加えて、2段階TFF単位操作によってもたらされる不純物負荷の減少は、下流のカラム性能、例えば、クロマトグラフィー分離、動的結合能、稼働寿命、および/または必要なカラムサイズの減少を改善することによる間接的削減をもたらし得る。特定の態様において、本発明の方法は、免疫グロブリン分子、例えば抗体の精製の工程において用いられ、このような工程は、アフィニティー精製段階、例えばプロテインAアフィニティークロマトグラフィー精製を欠いている。

Description

発明の分野
本発明は、2段階接線流限外濾過(「TFF」)を用いて、関心対象の分子を含む溶液から該分子を分離する方法に関する。特に、本発明の方法は、その後の、すなわち下流の純化単位操作の前に、混入物および/または不純物レベルを劇的に低下させるための、馴化細胞培養上清などの粗製供給流の処理に関する。本発明の方法は、発酵または他の細胞培養工程のような生物学的生産システムからの粗製供給流の処理において使用することができ、さらに、クロマトグラフィー単位操作などの、高不純物負荷に対して感受性の高い下流工程の前の、時間を要する不純物沈殿工程(例えば、pH駆動性)および/または沈殿物濾過工程の必要性を排除することができる。開示される2段階TFF工程は、供給流、例えば細胞培養上清のpHに対応するかまたはそれに近いpH、典型的には7.5±1.0というpHで有利に実施することができる少なくとも2つのTFF単位操作を組み合わせている。供給流の関心対象のタンパク質の精製を目的とした、従来工程を補完する、改善する、またはそれに取って代わるためのTFF単位操作の使用は、直接的および間接的な処理コストの両方の顕著な削減を示し得る。例えば、沈殿工程および沈殿物濾過工程を排除することによる間接的な削減に加えて、2段階TFF単位操作によってもたらされる不純物負荷の減少は、下流のカラム性能、例えば、クロマトグラフィー分離、動的結合能、稼働寿命、および/または必要なカラムサイズの減少を改善することによる間接的削減をもたらし得る。特定の態様において、本発明の方法は、免疫グロブリン分子、例えば抗体の精製の工程において用いられ、このような工程は、アフィニティー精製段階、例えばプロテインAアフィニティークロマトグラフィー精製を欠いている。
発明の背景
本発明は、関心対象の分子、特に生体分子(例えば、タンパク質)を含む粗製溶液および/または生産溶液から該分子を分離および/または精製する方法に関する。バイオテクノロジーの分野が進歩するにつれて、粗製生産溶液から大量の生体分子を経済的に処理することは、次第に実際的に意味のあるものとなってきた。特に、生産および処理の経済的側面は、酵素、抗体、ならびにその他の特殊なタンパク質およびペプチドを含む生体分子および/または医薬の開発および製造に関する決定において決定的な役割を果たし得る。このような生体分子(例えば、タンパク質、ポリペプチド、抗体)の大部分の生産に関して、組換えDNA技法の使用が最適な生産方法となっている。このような方法を用いて、大量の所望の生体分子を種々の生物系において発現させることができる。このような系には、細胞ベースの系(細菌、酵母、昆虫、および哺乳動物の細胞培養物(例えば、関心対象のタンパク質の内因性発現を有するか、またはトランスジェニック細胞培養物)など)、トランスジェニック動物、およびトランスジェニック植物が含まれる。細胞培養系またはインビボ系の生体分子経路はまた、インビトロ生産システムの実施のために、必須成分にまで減少されている。しかしながら、これらの生産システムを用いた場合、バイオ医薬業界は、粗製生産溶液または生産材料から所望の生体分子(例えば、タンパク質)を回収するための改善されたまたは新規なシステムを開発する、対応した課題に直面する。粗製生産溶液には、馴化細胞培養培地、清澄化されたホモジナイズ/溶解された馴化細胞培養物、トランスジェニック動物由来の体液(例えば、血液、血清、乳汁、および尿)、ならびに最適な生体分子に加えて出発材料および成分を含むインビトロ生産溶液が含まれる。回収方法は、政府の純度および安全基準を満たす回収産物をもたらさなければならないばかりでなく、経済的に実行可能でなくてはならない。
粗製生産溶液から生体分子を単離するのに特に有益な精製工程は、典型的に親和性ベースのクロマトグラフィー工程および/または単位操作を含む。親和性ベースのクロマトグラフィーは、関心対象の生体分子と、マトリックスまたはゲルなどの固体基材に固定化されている結合部分との特異的相互作用に基づいて生体分子を分離する。したがって、関心対象の生体分子が基材(典型的にカラム内に含まれる)に結合するのに対して、供給流の混入物およびその他の望ましくない成分はそのシステムを通過する。生体分子は次に結合部分および/またはカラムから溶出され、収集される。よって、アフィニティークロマトグラフィーカラムは高度に特異的であり、非常に純粋な産物をもたらし得る。例えば細胞培養培地からの抗体の精製に関して、アフィニティークロマトグラフィーに最も頻繁に用いられる結合成分はプロテインAである。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは抗体に対して高度に選択的であり、馴化細胞培養培地などのインプット試料から開始して、95%を超える産物純度をもたらし得る。
アフィニティークロマトグラフィーは強力な捕獲および精製段階であるが、所望の生体分子に結合する生物親和性部分(当技術分野において生物親和性リガンドとしても公知である)は、処理コストの高さとも関連している。例えば、生物親和性リガンド(通常それ自体が生体分子である)、例えばプロテインAは、他のクロマトグラフィー材料の7〜15倍の費用がかかる(Gottschalk, Process Scale Purification of Antibodies (John Wiley & Sons, 1st ed., 2009), chapter 5.3.1を参照されたい)。加えて、生物親和性リガンドは基材およびカラムから浸出しやすい。このことによって、例えば濾過膜を使用するものと比べてカラムの寿命が顕著に短くなるばかりでなく、浸出したリガンドは変性する可能性があり、関心対象の分子において凝集物の形成を誘導し得る。加えて、プロテインAなどの多くの生物親和性リガンドは、毒素と見なされ/見なされると考えられ、産物流をその存在について継続してモニターする必要がある。したがって、生物親和性リガンドの使用は、カラム自体の材料および増加した置換スケジュールなどのための直接的なコストばかりでなく、工程の維持、モニタリング、および潜在的な付加的な単位操作(例えば、沈殿物/凝集物濾過および/または再処理の必要性)と関連した間接的なコストの顕著な支出を示す。それ故に、バイオアフィニティーカラム、その維持、およびそのモニタリングは、あらゆる精製スキームの中で最も顕著なコストを示し得、費用効果の高い様式で工業操作に組み込むことは困難であり得る。
生物親和性リガンドの使用と関連した高コストを考慮して、合成親和性リガンドおよび混合モード樹脂を含む、アフィニティークロマトグラフィー方法を補完するまたは改善するためのいくつかの代替案が探索されている(Gottschalk 2009, chapter 5.3.2を参照されたい)。加えて、アフィニティー単位操作を完全に排除する処理/精製方法もまた研究されている。このような方法には、濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、およびそれらの組み合わせが含まれる。例えば、プロテインAクロマトグラフィーを含まない、抗体を精製するための3段階クロマトグラフィー工程の系統的評価が、Follmann et al., J. Chromatog. 1024(2004), 79-85によって公表されている。
親和性ベースの処理を補完するかまたはそれに取って代わるための最も幅広く研究されている生体分子精製工程のいくつかは、イオン交換クロマトグラフィー工程を含むものである。特に、陽イオン交換クロマトグラフィー(「CEX」)は、親和性ベースの単位操作と組み合わせて、およびそれに取って代わるものとして、いくつかのタンパク質精製スキームにおいて研究されている(例えば、Arunakumari et al., Adv. Process Chromatog. (Supp. BioPharm Int.) (2007),36-40;Arunakumari et al, BioPharm. Int. Supp. March 2, 2009;Wang et al., BioPharm. Int. Supp. March 2, 2008;Gottschalk 2009, chapter 5.3.3;Cacciuttolo, Pharmaceutical Process Scale-Up (CRC Press, 2nd ed. (2006), chapter 5;Morrow, Gen. Eng. Biotech. News 28(2008;オンラインでのみ利用可能)を参照されたい)。その見込みにもかかわらず、イオン交換クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィーに完全に取って代わることはなく、しかし一般的な工業精製工程においてアフィニティークロマトグラフィーと組み合わせた付加的な精製工程として役立つように適合化されている。しかしながら、クロマトグラフィー工程においては、負荷材料(例えば、工程/単位操作/カラムに導入される産物流)の組成が、カラムの適切な機能にとって重要である。それ故に、クロマトグラフィー工程/単位操作を有する精製方法において、クロマトグラフィー工程の前の負荷材料の処理が必須の第1段階である。例えば、クロマトグラフィー単位操作の前に、供給流(関心対象の分子を含む)は、関心対象の分子の特定の等電点および特定のカラムパラメータに応じて、通常は適切なpH、緩衝、および伝導度に調整されなければならない。したがって、特定のクロマトグラフィー工程のみならず供給流の組成もまた、供給流のどのような修飾が必要であるのかを決定する。供給流の変動はこのようにして、単位操作の顕著な修飾およびイオンクロマトグラフィー工程の上流の供給流処理を必要とし得る。
供給流パラメータの処理/調整は、透析濾過/接線流濾過(「TFF」)を用いて行われる場合が多い。この処理段階中に、供給流溶媒は、TFF中の透析濾過によって、特定のクロマトグラフィー操作に適した緩衝液と徐々に交換される。例えば、CEXを用いる抗体の精製に関して、大部分の工程は、多くの抗体が7よりも高い等電点を示すという理由で、CEXの前の供給流を低電導度の約5〜7のpHに調整する。しかしながら、供給流が馴化細胞培地(例えば、上清またはホモジナイズされた細胞培養物)である場合には、緩衝液交換中に供給流pHを中性よりも低く調整すると、宿主細胞DNA(「HCDNA」)および宿主細胞タンパク質(「HCP」)などの混入物の沈殿を引き起こす場合が多い(例えば、Gottschalk 2009, chapter 5.3.3;Wang et al, 2008を参照されたい)。
沈殿事象は、それが少なくとも1つのさらなる単位操作(沈殿物を除去するための)の付加を強制するという理由のみならず、沈殿工程が緩衝液交換単位操作自体に悪影響を及ぼし得る(例えば、操作中に透析濾過/TFFカラムが沈殿物で詰まり得る)という理由で、経済的に著しく重要である。したがって、クロマトグラフィー工程を使用する組換え細胞培養物からのタンパク質の処理は、通常は沈殿タンクおよび/または濾過単位などの、費用のかかる操作の使用を必要とする(例えば、Wang et al, 2009を参照されたい)。
それ故に、イオン交換クロマトグラフィーの見込みにもかかわらず、ほとんどが、工業設定において親和性ベースの単位操作に完全に取って代わることが実行可能ではないと判明し、バイオ医薬の大部分の商業的生産工程は、イオン交換単位操作と組み合わせてアフィニティー精製段階を保持している。しかしながら、上記で詳述したように、これらの複数の単位操作はほとんど適合せず、精製スキームにコストおよび時間を加算する緩衝液パラメータの顕著な修飾を必要とする場合が多い。よって、非親和性ベースの工程によって提供される精製能を、より一貫した様式でより良く実現可能とする、組換えによって生産された生体分子、例えばタンパク質の精製工程のさらなる開発の必要性が存在する。特に、広範囲の供給流と適合し、混入物負荷、特に混入物である宿主細胞タンパク質 (HCP) および/または宿主細胞DNA (HCDNA) を顕著に減少させることができ、かつ、親和性ベースのクロマトグラフィーなどの他の単位操作と、およびイオン交換クロマトグラフィーなどの下流工程と適合する、処理段階の必要性が存在する。
本発明は、2段階接線流限外濾過(「TFF」)を用いて、関心対象の分子を含む細胞培養液から該分子を分離する方法に関する。本明細書に記載される2段階TFF方法は、産物供給流中の混入物および/または不純物レベルを実質的に低下させ、産物流を最終的な製剤および/または純度に至らせるために使用され得る標準的な精製および単離単位操作、例えばイオン交換クロマトグラフィーの前に実行される上流工程として特に有用である。本明細書に記載される2段階TFF方法は、親和性ベースのクロマトグラフィー単位操作およびイオン交換クロマトグラフィーなどの標準的精製方法を補完し、したがってそれらと適合することが特に想定される。しかしながら、本発明はまた、開示される2段階TFF方法が、関心対象の分子の生産および/または精製において親和性ベースのクロマトグラフィー単位操作に取って代わる方法もまた包含する。本発明の方法を、発酵または他の細胞培養工程を含む任意の細胞培養系からの粗製供給流(すなわち、細胞培養液)の処理において用いて、宿主細胞タンパク質 (HCP) および宿主細胞DNA (HCDNA) などの不純物または混入物を実質的に減少させることができ、このアウトプット流は次に、親和性ベースのクロマトグラフィー単位操作を伴うかまたは伴わずに、標準的な精製方法を用いて処理することができる。開示される2段階TFF方法の使用によって提供される、供給流(すなわち、細胞培養上清由来)の混入物および/または不純物の実質的減少は、例えばpH駆動性の不純物沈殿および/もしくは沈殿物濾過(緩衝液組成の変化が必要であるために、通常はイオン交換クロマトグラフィーの前に必要とされる)などの標準的精製単位操作の必要性を排除し、ならびに/または費用のかかる親和性ベースの単位操作の効率を改善し得るか、またはさらにはそれを排除し得る。本明細書において開示される2段階TFF方法は、クロマトグラフィー単位操作などの、不純物負荷に対して特に感受性の高い単位操作の前に実行される上流工程として特に有用である。例えば、下流のクロマトグラフィー単位操作、例えばカラムの使用に関して、本発明の方法によってもたらされる混入物負荷の実質的減少は、クロマトグラフィー分離を改善する、動的結合能を改善する、稼働寿命を増加させる、および/または必要なカラムサイズを減少させるように作用し得、これらはいずれも、関心対象の分子の生産、処理、および精製と関連した直接的および間接的なコストの両方を顕著に減少させる。
特に、本発明の方法は、2段階TFFを使用する、関心対象の分子を含む細胞培養液からの該分子の分離を提供し、これら方法は、混入物および/または不純物レベルを実質的に低下させる。本発明者らは、少なくとも2つのTFF単位操作(関心対象の分子を保持物中に処理するものと、関心対象の分子を透過物中に処理するもの)を組み合わせた2段階TFF工程が、産物流(すなわち、処理中に関心対象の分子を含む溶液)中の混入物および/または不純物レベルを、標準的な処理(沈殿(特に、pH調整によって媒介される)、沈殿物濾過、および親和性ベースの分離)による下流の混入物除去が最小限に抑えられ得るかまたは排除され得るという驚くべき程度まで低下させ得ることを発見した。よって、本発明の方法は、産物流の組成に対して特に感受性が高いと考えられる、下流のクロマトグラフィー工程を含む工程において特に有用である。この点において、本発明の2段階TFF方法は、産物流の混入物および/または不純物レベルの実質的低下をもたらすばかりでなく、産物流パラメータ、例えばpHおよび/または伝導度を調整するために同時に使用することもでき、その結果この方法は下流の単位操作と適合している。このように、本発明の方法は、陽イオン交換クロマトグラフィー(「CEX」)および陰イオン交換クロマトグラフィー(「AEX」)などの下流クロマトグラフィー工程に対して高度に補完的である。
2段階TFF工程は、産物流を最終的な製剤および/または純度に至らせるために用いられる下流の、例えばクロマトグラフィーによる精製および単離工程の前に細胞培養液を処理するのに特に適している。本明細書において開示されるTFF工程は、生物学的工程に由来する典型的な粗製産物流/細胞培養液(例えば、馴化細胞培養培地、細胞培養溶解物、馴化発酵培地等)のpHに対応するかまたはそれに近いpHで有利に実施され得る。典型的に、本明細書において開示されるTFF方法は、7.5±1.0または7.5±0.5というpHで実施される。本明細書において開示される2段階TFF方法は、アフィニティー精製などの当技術分野で公知の下流の標準的な精製工程、または特に、アフィニティー単離に基づかない下流の精製工程、例えばクロマトグラフィー工程と組み合わせることができる。特に、本明細書において開示される方法は混入物レベルを低下させ、その結果として、産物流中に存在し得る宿主細胞タンパク質 (HCP) および/または宿主細胞DNA (HCDNA) のような任意の残存混入物を沈殿させることなく、産物流のpHが下流で修飾され得る、例えば少なくとも約5まで低下され得る。
本発明の方法は任意の分子種について使用することができ、本明細書では、タンパク質を含む溶液からの該タンパク質の分離に関する好ましい態様において例証される。本明細書において開示される2段階TFF方法は、一般的に広範なサイズおよび分子量にわたるタンパク質(例えば、ポリペプチド、ペプチド、免疫グロブリン、抗体、酵素)に適用可能な、頑強でかつ拡大縮小可能な工程である。本明細書において開示される方法は一般的に、サイズに基づいて関心対象のタンパク質を溶液から分離する。言い換えると、本発明の方法は、いかなる特異的親和性にも親和性ベースの精製工程にも基づいておらず、それ故に種々の細胞培養液供給流から種々のタンパク質を経済的かつ加速度的に処理することを可能にする。したがって、本発明の方法は、タンパク質の処理、生産、および/または精製と関連した間接的コストの削減、例えば供給流の解析、または既存のシステムとの適合性を保証するための該供給流の前処理と関連したコストの削減をもたらし得る。
本発明の方法は、細胞培養液である供給流から関心対象のタンパク質を分離するのに特に適している。本明細書で用いられる場合、細胞培養液という用語および類似の用語は、関心対象のタンパク質を含むと予測される生物学的工程または生物系の任意の溶液を指す。それ故に、細胞培養液という用語は、細胞培養物の発酵、すなわち異種または内因性タンパク質の産生が行われている容器の全内容物を意味し得る。本発明による細胞培養液は、関心対象のタンパク質のみならず、他のタンパク質またはタンパク質断片(例えば、細胞培養物によって内因的もしくは異種的に産生されるか、またはさもなくば培地中に存在する(例えば、供給されて));細胞培養物の細胞;細胞断片;ならびに/または細胞増殖およびタンパク質産生を支持するために栄養培地と共に供給された他の成分、もしくは培養中に宿主細胞によって産生された成分を含み得る。したがって、本発明の細胞培養液には、馴化細胞培養上清;清澄化された馴化細胞培養上清(例えば、当技術分野で公知の標準的な方法によって特定の物質が除去されている馴化細胞培養上清);および清澄化されたホモジナイズ/溶解された細胞培養物が含まれるが、これらに限定されない。すべての局面において、細胞培養液は関心対象の分子を含むと理解される;すなわち、これは馴化細胞培養液、例えば馴化細胞培養上清であると理解される。本発明の好ましい態様において、2段階TFFの供給流は、発酵反応からの細胞培養上清である。
当技術分野において認識されているように、かつ本明細書において開示されるように、細胞培養液は一般に、任意の処理スキームにおける第1段階として、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有するフィルター、好ましくは0.2μmまたは0.22μmの細孔サイズを有するフィルターを通して濾過することにより清澄化または滅菌される。よって、ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、本明細書において開示される2段階TFF方法の上流で(すなわち、少なくとも2つのTFF単位操作の上流で)、例えば0.1μm〜0.45μmの細孔サイズ、好ましくは0.2μmまたは0.22μmの細孔サイズを有する、滅菌に適したフィルターを通した細胞培養液の濾過を含む。好ましいか否かにかかわらず、細胞培養液の滅菌のための、本明細書において開示される範囲外の他のサイズのフィルターの使用が、当技術分野において公知であるかまたは理解されており、これもまた本発明によって包含される。本発明は、乳汁、乳汁由来の分画溶液、および/または乳清タンパク質単離物などの乳汁由来の産物の処理を包含しない。したがって、本明細書において開示されるすべての態様について、関心対象の分子、例えばタンパク質を含む供給流および/または産物流は、乳汁、乳汁由来の分画溶液、および/または乳清タンパク質単離物などの乳汁由来の産物ではない。
本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を分離する方法を提供し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、該タンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるように、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、該タンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるように、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過する。
本明細書において開示されるように、本発明のTFF単位操作は限外濾過膜の使用を含む。したがって、本明細書において定義されるように、「TFF」という略語は、本発明の状況において用いられる場合、その単位操作が当技術分野において通常理解される接線流限外濾過に言及することが理解される。少なくとも2つのTFF単位操作の(すなわち、第1および第2のTFF単位操作の)膜のカットオフ値は、関心対象の分子、例えばタンパク質が、(i) 第1のTFF単位操作の膜を通過せず(すなわち、第1のTFF単位操作の保持物中に回収され)、かつ (ii) 第2のTFF単位操作の膜を通過する(すなわち、第2のTFF単位操作の透過物中に回収される)ように選択される。それ故に、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む溶液から該タンパク質を分離する方法としてさらに特徴づけられ得、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるようなカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるようなカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過する。
本明細書において定義されるように、第1のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子が、第1のTFF操作中に膜を通過しないように(すなわち、該タンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるように)選択され、かつ第2のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子が、第2のTFF操作中に膜を通過するように(すなわち、該タンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるように)選択される。通常、濾過膜は、細孔サイズまたはカットオフ値によって分類され、これらは膜の最大細孔サイズおよび/または自由に透過する分子のkD表示での最大分子量に基づいて膜の性能を規定する;したがって、最大細孔サイズのカットオフ値を上回る、および/または最大分子量を上回るサイズの分子は、膜を通過しないはずである。しかしながら、当技術分野において認識されるように、濾過膜の性能は、厳密な分子サイズ以外の因子、例えば分子電荷にも依存し得るため、本開示は、関心対象の分子、例えばタンパク質が、第1のTFF単位操作において第1の膜を通過せず、かつ第2のTFF単位操作の第2の膜を通過する限り、膜が選択され得る基準を限定しない。それ故に、本明細書において開示される2段階TFF方法に従って用いられる膜のカットオフ値は、断定されたカットオフ値または細孔サイズ(例えば、製造業者の仕様書による)に単に基づくのではなく、膜の性能に基づいて選択され得る。膜の性能を決定する、および具体的には、関心対象の分子、例えばタンパク質に対する膜の透過性を決定する方法は、当技術分野において周知であり、日常的に実行される。
本発明のTFF単位操作、例えば本発明に関連して開示される第1のTFF単位操作に関連して、「膜を通過しない」および「TFF単位操作の保持物中にある」という語句は、等価であり、TFF単位操作の膜が関心対象の分子、例えばタンパク質に対して本質的に不透過性であることを示す。さらに、膜の性能は、当技術分野において認識されるように、生物学的溶液および分子(例えば、タンパク質)に関連して変動し得るため、「膜を通過しない」、「TFF単位操作の保持物中にある」、および/または「本質的に不透過性である」という語句は、これらの用語および語句が本開示を通して用いられる場合、絶対的表現として解釈されるものではないことが理解される。むしろ、本明細書で用いられる場合、かつ当技術分野における理解に従って、これらの語句は、第1の濾過膜は「ブレイクスルー」を示し得るが(すなわち、関心対象の分子の最小限の量が膜を透過することを可能にし得るが)、第1のTFF単位操作に適用された関心対象の分子の量の少なくとも90%は、保持物中に回収されるかまたは回収され得るという認識と共に用いられる。
同様に、本発明のTFF単位操作、例えば本発明に関連して開示される第2のTFF単位操作に関連して、「膜を通過する」および「TFF単位操作の透過物中にある」という語句は、等価であり、TFF単位操作の膜が関心対象の分子、例えばタンパク質に対して本質的に自由に透過性であることを示す。さらに、膜の性能は、当技術分野において認識されるように、生物学的溶液および分子(例えば、タンパク質)に関連して変動し得るため、「膜を通過する」、「TFF単位操作の透過物中にある」、および/または「本質的に自由に透過性である」という語句は、これらの用語および語句が本開示を通して用いられる場合、絶対的表現として解釈されるものではないことが理解される。むしろ、本明細書で用いられる場合、かつ当技術分野における理解に従って、これらの語句は、濾過膜は、フィルターに適用された/通された関心対象の分子の100%に対して自由に透過性ではない可能性があり、関心対象の分子の適用負荷物のいくらか微量な割合に対して不透過性を示し得るという認識と共に用いられる。それ故に、本明細書で用いられる場合、これらの用語は、第2のTFF単位操作に適用された関心対象の分子の量の少なくとも90%が、透過物中に回収されるかまたは回収され得ることを示す。
よって、本明細書において開示される2段階TFF方法は典型的に、それぞれが異なるカットオフ値、細孔サイズ、および/または透過性測定値を有する、少なくとも2つの限外濾過膜の使用を包含する。第1のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子が操作中に膜を通過せず、該操作の保持物中に回収され得るように選択される。典型的に、これは、関心対象の分子の分子量よりも小さいカットオフ値を有する第1の限外濾過膜(すなわち、第1のTFF単位操作の膜)を選択することによって達成される。しかしながら、当技術分野において認識されるように、膜の性能は、分子サイズ以外の他の因子にも依存し得る;このように、特定のカットオフ値を有する膜は、それにもかかわらず、表示されたカットオフ値を下回るサイズを有する分子の通過を阻止する上で極めて効率的であり得る。それ故に、関心対象の分子が第1のTFF 単位操作中に膜を通過しない限り、関心対象の分子の分子量よりも大きいカットオフ値を有する膜が、第1のTFF単位操作において使用される場合もある。したがって、本発明に従って、第1のTFF単位操作において使用するために選択される特定の膜は、いかなる他の方法においても限定されず、それが本明細書に記載される他の基準を満たす限り、製造の容易性または商業的利用可能性に基づいて選択され得る。開示される本発明の非限定的な態様において、第1のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子が第1のTFF単位操作中に膜を通過しない限り、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の1.5、1、1/2、1/3、1/5、1/10、または1/15倍であってよい。他の態様において、第1のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子の分子量の1/15よりも小さい。具体的な態様において、本明細書において開示される第1のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の約2分の1以下である。言い換えると、これらの具体的な態様において、本明細書において開示される第1のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子の分子量の0.5倍またはそれ未満である。特定の膜の選択はまた、利用可能性(例えば、市販されているかどうか、または自己での製造によって利用可能であるかどうか)または性能(例えば、関心対象の分子を特定の公知の混入物/不純物から分離する性能)などの付加的なパラメータにも依存し得る。
本発明はまた、第2のTFF単位操作の限外濾過膜が、関心対象の分子が操作中に膜を通過、該単位操作の透過物中に回収され得るように選択されることを提供する。典型的に、これは、関心対象の分子の分子量よりも大きいが、1000 kD(本明細書において説明されるように、「限外濾過」に対する分子の最大サイズである)の最大値を下回るカットオフ値を有する第2の限外濾過膜(すなわち、第2のTFF単位操作の膜)を選択することによって達成される。よって、第2のTFF単位操作において使用するために選択される特定の膜は、いかなる他の方法においても限定されず、それが本明細書に記載される他の基準、すなわち関心対象の分子が第2のTFF単位操作において膜を通過することを満たす限り、製造の容易性または商業的利用可能性に基づいて選択され得、第2の膜は1000 kDの最大カットオフ値を有する。開示される本発明の非限定的な態様において、第2のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子が第2のTFF単位操作中にフィルター膜を通過する限り、かつカットオフ値が1000 kDを超えない限り、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の1、1.5、2、3、4、5、10、15、20、25、50、または100倍であってよい。
それ故に、本発明はまた、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む溶液から該タンパク質を分離する方法を提供し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるようなカットオフ値を有する、および/またはそのカットオフ値が該タンパク質の分子量の0.5倍である第1の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるようなカットオフ値を有し、そのカットオフ値が1000 KDを超えない第2の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過する。
開示される本発明は、限外濾過の方法に関する;それに応じて、本発明に従って使用するための(すなわち、第2のTFF単位操作における)膜の最大カットオフ値は、当技術分野において定義されるような限外濾過の上限サイズ限界であり、すなわち1000 kD以下の分子の濾過に関する。よって、これはまた、本発明の方法によって包含される関心対象の分子、例えばタンパク質のサイズおよび/または分子量を限定する。本発明による関心対象の分子は、限外濾過の上限サイズ以下であり、すなわち1000 kD以下である。開示される本発明の非限定的な態様において、第2のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子が第2のTFF単位操作中にフィルター膜を通過する限り、かつ膜カットオフ値が1000 kD以下である限り、関心対象の分子の分子量の1、1.5、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍であってよい。本発明による関心対象の分子は、約10〜約1000 kDの分子量を有する分子であってよい。本発明のある種の態様において、関心対象の分子は、約25 kD〜約667 kDの分子量を有するタンパク質である。好ましい態様において、関心対象の分子は、約25 kD〜約300 kDの分子量を有するタンパク質である。最も好ましい態様において、関心対象の分子は、抗体、抗体断片、および/または150±75 kDの分子量を有するタンパク質である。
具体的な態様において、本明細書において開示される第2のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の少なくとも2倍であるが、1000 kD以下である。言い換えると、これらの態様において、本明細書において開示される第2のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子の分子量の2倍またはそれ以上であり、かつ1000 kD未満である。この態様に従って、関心対象の分子は、約500 kDの最大分子量を有する。
ある種の態様において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を分離する方法を提供し、この場合、2段階TFFは、少なくとも、
(i) 関心対象のタンパク質の分子量よりも小さいカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過する第1の接線流限外濾過単位操作;および
(ii) 関心対象のタンパク質の分子量よりも大きいカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過する第2の接線流限外濾過単位操作
を含む。本発明の成分 (i) および (ii) は、さらなる態様において、該タンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収され、かつ第2のTFF単位操作の透過物中に回収されることをさらに特徴とし得る。
本発明はまた、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を分離する方法を提供し、この場合、2段階TFFは、少なくとも、
(i) 関心対象のタンパク質の分子量の0.5倍またはそれ未満のカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過する第1の接線流限外濾過単位操作;および
(ii) 関心対象のタンパク質の分子量の少なくとも2倍であるが、1000 KD未満であるカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過する第2の接線流限外濾過単位操作
を含む。本発明の成分 (i) および (ii) は、さらなる態様において、該タンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収され、かつ第2のTFF単位操作の透過物中に回収されることをさらに特徴とし得る。
本明細書において先に開示されたように、本発明の好ましい態様においては、2段階TFFの供給流は細胞培養上清である。細胞培養上清は、本明細書において開示されるように、および/または当技術分野で公知の任意の方法に従って、2段階TFF方法/操作の実行前に滅菌され得る。例えば、本発明は、本明細書において開示される2段階TFF方法/操作の上流の、0.1μm〜0.45μmのフィルターを通した細胞培養上清の濾過を包含する。加えて、またはその代わりに、本発明は、本明細書において開示される残りの2段階TFF操作の上流で、細胞上清が、0.22μm以下の細孔サイズを有するフィルター、好ましくは0.2μmまたは0.22μm細孔サイズのフィルターを通して濾過される方法および/または操作を包含する。よって、細胞培養上清は、本明細書において開示される2段階TFF方法の実行前に、1つもしくは複数の付加的な操作によって処理され得るか、または本発明の少なくとも2つのTFF単位操作のうちの1つに直接供給され得る。それ故に、ある種の態様において、細胞培養上清(0.1μm〜0.45μm細孔サイズのフィルター、好ましくは0.2μmまたは0.22μm細孔サイズのフィルターを通して任意に濾過されている)は、それぞれ本明細書において定義される第1または第2のTFF単位操作によって濾過される第1または第2の産物流である。よって、これらの態様においては、および例えば本明細書に記載される濾過による任意の滅菌を除いて、本明細書において定義される第1または第2のTFF単位操作は、粗製細胞培養上清を処理するための最初の単位操作である。
それ故に、本発明はまた、2段階TFFを用いて、関心対象のタンパク質を含む溶液から該タンパク質を分離する方法を提供し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるようなカットオフ値を有する、および/またはそのカットオフ値が該タンパク質の分子量の0.5倍である第1の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるようなカットオフ値を有し、そのカットオフ値が1000 KDを超えない第2の限外濾過膜を通して、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、該溶液は、該2段階TFFの上流で、0.1μm〜0.45μm細孔サイズのフィルターを通して濾過される細胞培養上清である。
本明細書において開示される2段階TFF方法はまた、1つまたは複数の透析濾過の段階を含み得る。ある種の態様において、透析濾過は、本明細書において開示される第1のTFF単位操作と組み合わせることができる(すなわち、当技術分野で公知であるように、例えば関心対象の分子の緩衝液交換および/または濃縮のために、第1のTFF単位操作の保持物が透析濾過される)。本開示を通して用いられる場合、本明細書において定義される特定の少なくとも2つのTFF単位操作と関連した「第1」および「第2」という用語は、単に個々のTFF単位操作の指定子であることが理解され、2段階TFF方法自体の中の任意の工程または継時的順序を意味することは意図されていない。具体的には、本明細書において定義される第1のTFF単位操作は、関心対象の分子が膜を通過しないようなフィルター膜を含むことを特徴とし、本明細書において定義される第2のTFF単位操作は、関心対象の分子が膜を通過するようなフィルター膜を含むことを特徴とする。具体的な態様において、本明細書において開示される第1のTFF単位操作において用いられるフィルター膜は、関心対象の分子の分子量の約2分の1 (0.5) 倍またはそれ未満のカットオフ値を有することを特徴とし、本明細書において開示される第2のTFF単位操作において用いられるフィルター膜は、関心対象の分子の分子量の少なくとも2倍であるが、1000 kD未満であるカットオフ値を有することを特徴とする。
TFF単位操作に関連した第1および第2という識別子は、工程または継時的順序を意味するものではないため、本明細書において開示される2段階TFF方法は、第1のTFF単位操作が第2のTFF単位操作の上流にある態様のみならず、第1のTFF単位操作が第2のTFF単位操作の下流にある態様もまた包含する。第1のTFF単位操作が第2のTFF単位操作の下流にある場合、第1のTFF単位操作の供給流は、第2のTFF単位操作からの透過物流であってよい。第1のTFF単位操作の供給流が第2のTFF単位操作からの透過物流である場合、第1および第2のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作からの透過物の貯蔵の必要性を排除するために、平行して(例えば、同時に)行うことができる。
好ましい態様において、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にある。この態様において、2段階TFFへの供給流は、最大で0.22μmフィルターを通して任意に濾過される細胞培養上清であってよく、この供給流は、本明細書において開示される第1のTFF単位操作によって直接処理される(すなわち、1つまたは複数の付加的な単位操作によるさらなる処理を欠いた第1の供給流を形成する)。この態様に従って、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にあり、第1のTFF単位操作の保持物流は、第2のTFF単位操作の供給流を直接形成してもよいし、またはしなくてもよい(すなわち、第1のTFF単位操作のすぐ下流に、第2のTFF単位操作が続き得るか、または第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作は1つもしくは複数の付加的な単位操作によって分離され得る)。好ましい態様においては、第1のTFF単位操作のすぐ下流に、第2のTFF単位操作が続き得る。
本明細書において開示される2段階TFF方法は、1つまたは複数の付加的なTFF単位操作を含み得、1つまたは複数の付加的なTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の上流にあってよく、第2のTFF単位操作の上流にあってよく、第1および第2のTFF単位操作の上流にあってよく、第1のTFF単位操作の下流にあってよく、第2のTFF単位操作の下流にあってよく、第1および第2のTFF単位操作の下流にあってよく、ならびに/または第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作との間に存在してよい。
2段階TFF方法の1つまたは複数の付加的なTFF単位操作は、第3のTFF単位操作であってよい。第3のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子が第3のTFF単位操作中に膜を通過しないように選択される。それ故に、第3のTFF単位操作のフィルター膜の選択の基準は、第1のTFF単位操作のフィルター膜の選択に関するものと同じである。第1および第3のTFF単位操作のフィルター膜は、同じであっても、または異なってもよい:第1および第3のTFF単位操作の膜のカットオフ値または他の透過性パラメータ(例えば、細孔サイズ)は、同じであっても、または異なってもよい。
第1のTFF単位操作に関して本明細書において記載されるように、第3のTFF単位操作の膜のカットオフ値は、典型的に関心対象の分子の分子量よりも小さい。しかしながら、膜の性能に基づいて、関心対象の分子が第3のTFF単位操作中に膜を通過しない限り、関心対象の分子の分子量よりも大きいカットオフ値を有する膜が、第3のTFF単位操作において使用される場合もある。よって、第3のTFF単位操作において使用するために選択される特定の膜は、いかなる他の方法においても限定されず、それが本明細書に記載される他の基準を満たす限り、製造の容易性または商業的利用可能性に基づいて選択され得る。開示される本発明の非限定的な態様において、第3のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子が第3のTFF単位操作中に膜を通過しない限り、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の1.5、1、1/2、1/3、1/5、1/10、または1/15倍であってよい。他の態様において、第3のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子の分子量の1/15よりも小さい。第1のTFF単位操作のフィルター膜と同様に、第3のTFF単位操作のための膜の選択もまた、利用可能性(例えば、市販されているかどうか、または自己での製造によって利用可能であるかどうか)または性能(例えば、関心対象の分子を特定の公知の混入物/不純物から分離する性能)などの付加的なパラメータに依存し得る。具体的な態様において、本明細書において開示される第3のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子、例えばタンパク質の分子量の約2分の1以下である。言い換えると、これらの態様において、本明細書において開示される第3のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、関心対象の分子の分子量の0.5倍またはそれ未満である。
第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の限外濾過膜と同じまたは異なる材料である限外濾過膜を有し得る。よって、第3のTFF単位操作の限外濾過膜は、第1のTFF単位操作の限外濾過膜のカットオフ値と同じまたは異なるカットオフ値を有し得る。第3のTFF単位操作は、本明細書に記載されるように、または当技術分野で公知の任意の方法に従って、透析濾過と組み合わせることができる。具体的な態様において、第3の単位操作のフィルター膜のカットオフ値は、第1のTFF単位操作のカットオフ値と同じである。
ある種の態様において、2段階TFF方法は、第1および第2のTFF単位操作の両方の下流にある第3のTFF単位操作を含み、この場合、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にある。この態様において、第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流にあり得るか、またそれと平行して行われ得、すなわちその結果、第2のTFF単位操作の透過物(関心対象の分子を含む)は、第3のTFF単位操作の産物流を形成する。第3のTFF単位操作はまた、第2のTFF単位操作から1つまたは複数の付加的な単位操作または工程によって分離され得る。ある種の態様において、第3のTFF単位操作は、関心対象の分子の分子量の0.5倍またはそれ未満であるカットオフ値を有するフィルター膜を有する。さらなる具体的な態様において、第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作のフィルター膜のカットオフ値と同じであるカットオフ値を有するフィルター膜を有する。第3のTFF単位操作を含むすべての態様において、2段階TFF方法の供給流は、少なくとも0.22μmのフィルターを通して任意に濾過された細胞培養上清であってよく、この供給流は、本明細書において開示される第1のTFF単位操作によって直接処理される(すなわち、1つまたは複数の付加的な単位操作によるさらなる処理を欠いた第1の供給流または産物流を形成する)。この態様に従って、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にあり、第1のTFF単位操作の保持物流は、第2のTFF単位操作の産物/供給流を直接形成してもよいし、またはしなくてもよい(すなわち、第1のTFF単位操作のすぐ下流に、第2のTFF単位操作が続き得るか、または1つもしくは複数の付加的な単位操作が第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作を分離し得る)。
ある種の態様において、関心対象の分子は、約10〜約300 kD、約25〜約300 kD、約50〜約300 kD、約75〜約300 kD、約100〜約300 kD、約120〜約300 kD、約135〜約300 kD、約10〜約200 kD、約25〜約200 kD、約50〜約200 kD、約75〜約200 kD、約100〜約200 kD、約120〜約200 kD、約135〜約200 kD、約10〜約175 kD、約25〜約175 kD、約50〜約175 kD、約75〜約175 kD、約120〜約175 kD、または約135〜約175 kDの分子量を有するタンパク質である生体分子である。
好ましい態様において、関心対象の分子は、150±75 kDの分子量を有するタンパク質である生体分子である。よって、非限定的な態様において、関心対象のタンパク質は、約75 kD、約80 kD、約90 kD、約95 kD、約100 kD、約105 kD、約110 kD、約115 kD、約120 kD、約125 kD、約130 kD、約135 kD、約140 kD、約150 kD、約155 kD、約160 kD、約165 kD、約170 kD、約175 kD、約180 kD、約185 kD、約190 kD、約195 kD、約200 kD、約205 kD、約210 kD、約215 kD、約220 kD、または約215 kDであってよい。その代わりにまたは加えて、関心対象のタンパク質は、150±15 kD、150±30 kD、150±50 kDの分子量を有することを特徴とし得る。150±75 kDの分子量を有するタンパク質の非限定的な例には、免疫グロブリンおよび抗体が含まれる。150±75 kD(例えば、150±30および/または150±15 kD)の分子量を有するタンパク質と共に使用され得る2段階TFF方法の非限定的な例は、第1のTFF単位操作のための、50 kDまたはそれ未満のカットオフ値を有するフィルター膜;第2のTFF単位操作のための、少なくとも300 kDであるが1000 KD以下のカットオフ値を有するフィルター膜;および50 kDまたはそれ未満のカットオフ値を有する任意の第3のTFF単位操作を含む。このようなタンパク質に関する2段階TFF方法の具体例は、第1のTFF単位操作のための、30 kD〜50 kD(好ましくは50 kD)のカットオフ値を有するフィルター膜;第2のTFF単位操作のための、300 kDのカットオフ値を有するフィルター膜;および30 kD〜50 kD(好ましくは50 kD)のカットオフ値を有するフィルター膜を有する任意の第3のTFF単位操作の使用を含む。
本明細書において開示されるように、本発明は、2段階TFFを用いて、細胞培養上清(例えば、関心対象の抗体を発現しているハイブリドーマ細胞培養物の上清)から関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、30 kD〜50 kD(好ましくは50 kD)のカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、少なくとも300 kDであるが1000 kD以下である(好ましくは300 kDである)カットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 任意の第3のTFF単位操作は、30 kD〜50 kDまたはそれ未満(好ましくは50 kD)のカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過する。
この段落において記載される態様と関連した好ましい局面において、第1の産物流は、任意に滅菌された細胞培養上清である。任意の滅菌は、当技術分野で公知の、および/または本明細書において記載される任意の方法によって達成され得る。例えば、第1のTFF単位操作の上流の第1の産物流の滅菌は、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって達成され得、好ましくは0.2μmまたは0.22μmの細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって達成される。この段落において記載される態様と関連したさらなる好ましい局面において、第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作される;すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない。この段落において記載される態様と関連したさらなる好ましい局面において、任意の第3のTFF単位操作は、もし存在するのであれば、第2のTFF単位操作の直接下流にあるか、またはそれと平行して行われる;すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作(存在する場合)の間に介入する単位操作は存在しない。
本開示を通して概説される好ましい局面および/または態様は、2段階TFF方法に個々に組み入れられ得る別個の局面として明確に開示され、また1つまたは複数の他の好ましい局面と組み合わされ得る組み合わせ局面としても開示される。したがって、例えば、本発明は、2段階TFFを用いて、細胞培養上清(例えば、関心対象の抗体を発現しているハイブリドーマ細胞培養物の上清)から関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 任意の第3のTFF単位操作は、50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し、
この場合、第1の産物流は、0.22μm以下の細孔サイズを有するフィルター膜を通した濾過によって任意に滅菌された細胞培養上清であり;この場合、第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作のすぐ下流にあり;ならびにこの場合、任意の第3のTFF単位操作は、もし存在するのであれば、第2のTFF単位操作のすぐ下流にあるか、またはそれと平行して行われる。
すぐ上に記載された2段階TFF方法の具体的な態様において、第1の産物流は、0.22μmフィルターを用いて単に任意に濾過された細胞培養上清であり、かつ第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作のすぐ上流にあり、第2のTFF単位操作は任意の第3のTFF単位操作のすぐ上流にある(すなわち、2段階TFF方法のこの具体的な態様は、第1第2、および任意の第3のTFF単位操作の間に他の単位操作の使用を含まない)。さらに、第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作と平行して行われ得るか、または第2のTFF単位操作の完了後に実行され得る(すなわち、各TFF単位操作はバッチで行われる)。他の関連態様において、2段階TFF方法は、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間および/または第2のTFF単位操作と任意の第3のTFF単位操作の間に存在する1つまたは複数の付加的な単位操作の使用を含む。
本明細書で用いられる場合、「すぐ上流で操作される」、「直接下流で操作される」、「すぐ上流にある」、「すぐ下流にある」という語句、および類似の語句は、継時的な成分を意味するものではない;したがって、例えば、第1および第2のTFF単位操作または第2および第3のTFF単位操作の操作は、両方が起こる必要はなく、または任意の具体的な期間内に進行する必要もない。むしろこれらの語句は、産物流が、第1の単位操作と第2の単位操作の間または第2の単位操作と第3の単位操作の間に、他の単位操作によって処理されないことを意味する;したがって、例えば、第1のTFF単位操作は例えばバッチ様式で行われ得、産物流、すなわち保持物流は、貯蔵され得、ならびに/または輸送および貯蔵され得、次にいつかその先の時点で、産物流は第2のTFF単位操作によって処理される(介入する単位操作が起こらない限り)。
ある種の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過する。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作される;すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し、
ならびにこの場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し、
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作される(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない)。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
ある種の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過する。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作される(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない)。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
本明細書において開示される2段階TFF方法は、関心対象の分子を含む溶液から混入物および不純物のレベルを低下させるのに効果的である。特に、本発明の2段階TFF方法は、1つまたは複数の単位操作(例えば、クロマトグラフィーカラム)における下流の処理の前に、細胞培養液(例えば、0.22μmの膜を通して任意に濾過された細胞培養上清)の粗製供給流中の混入物および/または不純物レベルを低下させるのに効果的である。本明細書で用いられる場合、「混入物」、「不純物」という用語、および類似の用語は、当技術分野で公知のそれらの標準的な意味を有し、特に、関心対象の分子を含む溶液中の望ましくない成分を意味する。細胞培養液(例えば、0.22μmの膜を通して任意に濾過された細胞培養上清)の粗製供給流中に見出され得るそのような望ましくない成分の非限定的な例には、望ましくないタンパク質、望ましくない小分子、関心対象の分子の断片、関心対象の分子の凝集物、細胞培養培地の望ましくない成分、細胞によって産生される望ましくない成分(内因性であるかまたは異種であるかにかかわらない)が含まれる。一般に、そのような混入物および/または不純物は、文献において宿主細胞タンパク質(「HCP」)および宿主細胞DNA(「HCDNA」)として参照される。
非限定的な例において、本発明の2段階TFFの供給流を形成する細胞培養液(例えば、細胞培養上清)は、本明細書において開示される2段階TFF方法の操作前に、少なくとも500,000 pg/関心対象のタンパク質1 mg、少なくとも750,000 pg/関心対象のタンパク質1 mg、または少なくとも1,000,000 pg/関心対象のタンパク質1 mgのHCDNA濃度を有し得る。その代わりにまたは加えて、本発明の2段階TFFの供給流を形成する細胞培養液(例えば、細胞培養上清)は、本明細書において開示される2段階TFF方法の操作前に、少なくとも100,000 ng/関心対象のタンパク質1 mg、少なくとも150,000 ng/関心対象のタンパク質1 mg、または少なくとも200,000 ng/関心対象のタンパク質1 mgのHCP濃度を有し得る。
本発明の2段階TFF方法は、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液(例えば、細胞培養上清)中のHCPのレベルを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低下させ得る。その代わりにまたは加えて、本発明の2段階TFF方法は、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液(例えば、細胞培養上清)中のHCDNAのレベルを、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下させ得る。ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCDNAのレベルを、85〜95%低下させる。低下のパーセンテージは、HCPおよび/またはHCDNAの濃度の決定に適している、本明細書において開示される、および/または当技術分野で公知の任意の方法に従って決定され得、2段階TFFの実行後の、関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCPおよび/またはHCDNAのレベルを、2段階TFFの実行前の、関心対象のタンパク質を含む溶液中(例えば、粗製供給流中)のそのようなレベルと比較することによって算出される。2段階TFFは、本明細書において開示される透析濾過および/または緩衝液交換の1つまたは複数の段階を含み得るため、HCPおよびHCDNA以外の成分に関する、関心対象のタンパク質を含む溶液の組成もまた、本方法中に顕著に変化し得る。
具体的な態様において、2段階TFF方法の実行前の、関心対象のタンパク質を含む溶液が細胞培養上清である場合、2段階TFF方法は、溶液中のHCDNAの濃度を、該タンパク質1 mg当たり600,000 pgもしくはそれ未満まで、該タンパク質1 mg当たり500,000 pgもしくはそれ未満まで、該タンパク質1 mg当たり400,000 pgもしくはそれ未満まで、該タンパク質1 mg当たり300,000 pgもしくはそれ未満まで、または該タンパク質1 mg当たり200,000 pgもしくはそれ未満まで低下させ、かつ/または溶液中のHCPの濃度を、該タンパク質1 mg当たり450,000 ngもしくはそれ未満まで、該タンパク質1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満まで、または該タンパク質1 mg当たり350,000 ngもしくはそれ未満まで低下させる。
本発明の方法は、ある種の態様において、高濃度のタンパク質を産生する発酵反応物からの関心対象のタンパク質の精製に適している。したがって、ある種の態様において、本発明の方法は、関心対象のタンパク質が溶液中で少なくとも200 mg/l、400 mg/l、600 mg/l、700 mg/l、800 mg/l、900 mg/l、1 g/l、1.5 g/l、2 g/l、2.5 g/l、3 g/l、3.5 g/l、4 g/l、4.5 g/l、または5 g/lの濃度を有する細胞培養液からの該タンパク質の精製を包含する。
ある種の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し、
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し、
この場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;かつ
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、第1および第2のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1および第2のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
ある種の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、ならびにこの場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
ならびにこの場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
ならびにこの場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
ならびにこの場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満である。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり、
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
他の局面において、本発明は、2段階TFFを用いて、関心対象の免疫グロブリン(例えば、抗体)を含む細胞培養上清から該免疫グロブリンを分離する方法を包含し、この場合、2段階TFFは、第1のTFF単位操作、第2のTFF単位操作、および任意の第3のTFF単位操作を含み、
この場合、
(i) 第1のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第1の産物流を濾過し;
(ii) 第2のTFF単位操作は、300 kD〜1000 kD、好ましくは300 kDのカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第2の産物流を濾過し;かつ
(iii) 第3のTFF単位操作は、50 kDまたはそれ未満、好ましくは50 kDのカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、関心対象の免疫グロブリンを含む第3の産物流を濾過し;
この場合、
第2のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の直接下流で操作され(すなわち、この局面において、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作の直接下流で、またはそれと平行して操作され(すなわち、この局面において、第2のTFF単位操作と第3のTFF単位操作の間に介入する単位操作は存在しない);
この場合、
第1の産物流は、0.1μm〜0.45μm(好ましくは0.2μmまたは0.22μm)の細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって滅菌された細胞培養上清であり;
この場合、第1第2、および第3のTFF単位操作の操作後に、
(a) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、細胞培養上清中のHCP濃度と比べて少なくとも10%低下し;かつ/または
(b) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCPの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満であり;かつ/または
(c) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、細胞培養上清中のHCDNA濃度と比べて少なくとも30%低下し;かつ/または
(d) 該免疫グロブリンを含む溶液中のHCDNAの濃度は、該免疫グロブリン1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満であり;
ならびにこの場合、
該方法は、第1第2、および第3のTFF単位操作の下流にクロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程および/またはアフィニティークロマトグラフィー工程)をさらに含む。
本明細書において開示される2段階TFF方法のいずれかは、本発明の局面および/または態様として記載されているかどうかにかかわらず、かつ好ましいものとして記載されているか否かにかかわらず、アフィニティー精製などの当技術分野で公知の下流の標準的な精製工程、または特に、アフィニティー単離に基づかない下流の精製工程、例えばイオン交換クロマトグラフィー工程と組み合わせることができる。具体例では、本明細書において開示される2段階TFF方法のいずれかは、例えばプロテインAの使用を含むアフィニティー精製工程(例えば、プロテインAクロマトグラフィー)の上流にあってよい。他の非限定的な例において、本明細書において開示される2段階TFF方法のいずれかは、例えばCEXおよび/またはAEXなどのクロマトグラフィー工程/単位操作を含む非アフィニティー精製工程の上流にあってよい。特定の態様において、2段階TFF方法は、CEXおよびAEXの両方を含む非アフィニティー精製工程の上流にあってよく、この場合AEXは任意にCEXの上流にある。
ある種の態様において、2段階TFF方法はCEX工程/単位操作の上流にあり、ここで、関心対象の分子を含む溶液のpHは、CEX工程/単位操作の前に、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、または7.0に調整される。この態様の特定の局面において、本発明の方法によるCEXの前のpHの調整は、溶液内のHCPおよび/またはHCDNAの沈殿を伴わない。この態様によるある種の局面において、2段階TFF方法は、CEX工程/単位操作の上流にあり、この場合、沈殿または沈殿物濾過工程は、CEX工程/単位操作の前に実行されない。
本発明の他の目的および利点は、本発明の例証および実施例、ある種の態様として記載される以下の説明から明らかになるであろう。
定義
一般に、以下の語または語句は、概要、説明、実施例、および特許請求の範囲において使用される場合に、示された定義を有する。
本明細書で用いられる場合、数字に関連した「約」という用語は、その数字の±5%を示す。装置によって行われる測定(例えば、pHメーターによって決定されたpH)、または当技術分野で公知の標準的な方法に従って行われる測定(例えば、HPLC、UV吸着、ELISA、標準的なキット(例えば、比色分析アッセイ)によって決定された溶液のタンパク質濃度)に関連して用いられる場合、これは、そのような装置について知られている標準誤差内、またはそのような方法に関する決定値の標準偏差内の数字を意味する。
「抗体」という用語は、最も広い意味で用いられ、具体的には、例えば、単一モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体;ならびに脱免疫化されたマウス、キメラ、ヒト化、およびヒト抗体を含む)、ポリエピトープ的特異性を有する抗体組成物、一本鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディ、免疫複合体、合成抗体、ラクダ化抗体、一本鎖Fv (scFv)、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab')断片、F(ab')2断片、ジスルフィド連結Fv (sdFv)、イントラボディ、および上記のいずれかのエピトープ結合断片を網羅する。特に、抗体には、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的活性断片、すなわち、抗原結合部位を含む分子が含まれる。「抗体」という用語はまた、任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)、またはサブクラスの免疫グロブリン分子を包含する。
本明細書で用いられる場合、範囲の定義に関連した「〜の間」という用語は、その範囲の終点を明確に含む。したがって、パラメータが本明細書において「XとYの間」であると定義される場合、そのパラメータが、Xと等しいかまたはXよりも大きい値であって、最大でYである、すなわちY以下である値を有し得ることが明確に意図される。言い換えると、「XとYの間」という語句および類似の構文によって定義される値は、XおよびYという値を明確に含む。例えば、本開示を通して用いられる場合、「膜が300 kDと100 kDの間のカットオフ値を有する場合」という語句は、膜が300 kDのカットオフ値を有する場合の態様、および膜が1000 kDのカットオフ値を有する場合の態様を包含することが明確に意図される。
本明細書で用いられる場合、「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養物」という表現は互換的に使用され、このような呼称はいずれも子孫を含む。特に、本発明は、細胞、細胞株、および細胞培養物の産物からの関心対象の分子、例えばタンパク質の分離および/または精製を包含する。このような産物には典型的に、馴化細胞培地ならびに/または溶解およびホモジナイズされた細胞および細胞培養物(例えば、馴化細胞培地中のホモジナイズされた細胞および細胞成分)が含まれる。本発明の方法は、関心対象の分子を発現するトランスジェニック細胞、細胞株、および細胞培養物からの産物の処理に特に適している。好ましい態様において、本発明は、清澄化された馴化細胞培養培地の使用を包含する。
本発明の方法は、関心対象の分子、例えばタンパク質を含む溶液からの該分子の分離、精製、および/または処理に関することが理解される。したがって、関心対象の分子を含む溶液が細胞培養培地または細胞培養培地の分画部分もしくは清澄化部分である場合、そのような培地は必然的に馴化細胞培養培地である(関心対象の分子を含むために)ことが理解される。それ故に、本明細書で用いられる場合、「細胞培養液」という用語および類似の用語は、例えば、馴化細胞培養上清;清澄化された馴化細胞培養上清;清澄化されたホモジナイズ/溶解された細胞培養物等を含むがこれらに限定されない、関心対象のタンパク質を含むと予測される生物学的工程または生物系の任意の溶液を指す。本発明の好ましい態様において、2段階TFFの供給流は、本明細書において定義される細胞培養上清である。
本明細書において開示される2段階TFF方法はまた、第1のTFF単位操作の上流の、すなわち本開示において記載される2段階TFF単位操作の操作前の、清澄化および/または滅菌のための細胞培養培地の任意の処理を包含する。本明細書で用いられる場合、「清澄化された」および「清澄化」という用語は、濾過滅菌を含む、溶液からの特定の物質の除去を指す。本明細で用いられる「滅菌された」という用語は、タンパク質を含む溶液に関連して用いられることが理解され;よって、このような溶液の「滅菌」は、タンパク質の変性およびまたはタンパク質の凝集を回避するために、好ましくは熱ではなく濾過によって達成されることが理解される。本発明の方法によって包含される任意の細胞培養培地に関する「清澄化」/「滅菌」された溶液とは、0.1μm〜0.45μmの膜、好ましくは0.2μmまたは0.22μmの細孔サイズを有するフィルターを通して濾過された溶液である。
本明細書で用いられる場合、「2段階接線流限外濾過」、「2段階TFF」という用語、および類似の用語は、少なくとも2つのTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作の組み合わせの使用を指す。ある種の態様において、「2段階TFF」という用語は、3つまたはそれ以上のTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作の組み合わせの使用を指す。「組み合わせの」という用語の使用は、関心対象の分子(例えば、タンパク質)を含む溶液が、2つまたはそれ以上のTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作を経て進行する順序を限定しない。「組み合わせの」という用語はまた、工程方法を、少なくとも2つのTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作の直接的な順序での使用(すなわち、一方の単位操作が他方のすぐ後に続く)に限定しない;それ故に、2段階接線流濾過は、本明細書において記載される方法によって明示的に定義される少なくとも2つのTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作の間に存在する、TFFおよび/または透析濾過/TFFではない1つまたは複数の単位操作を含む工程を包含する。「組み合わせの」という用語はまた、本明細書において記載される個々の2つまたはそれ以上のTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作のタイミングを限定せず、2つまたはそれ以上の個々の単位操作は、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、または72時間だけ分離され得る。さらに、2つまたはそれ以上の個々の単位操作は、互いに同時に進行してもよく、例えば、当技術分野で公知であるように平行して行われ得る。「2段階TFF」という用語はまた、当技術分野で公知の標準的な精製プロトコールまたは工程、例えばCEXおよびAEXと組み合わせた、少なくとも2つのTFF単位操作および/または透析濾過/TFF単位操作の使用を指し得る。
本明細書において開示される方法の状況において用いられる場合、「粗製供給流」という表現は典型的に、最初の単位操作に送達される、生産スキームに由来する未加工の材料または未加工の溶液を指し、未加工の材料は、関心対象の分子(例えば、生体分子、タンパク質、ポリペプチド、抗体等)を含み、様々な混入物(例えば、望ましくないタンパク質、細胞断片、ウイルス、DNA等)をさらに含み得る。対照的に、「産物流」は典型的に、より一般的な状況において用いられて、いくつかの処理(例えば、清澄化、濾過等を含む1つまたは複数の単位操作)に既に供されていてもいなくてもよい、関心対象の分子を含む溶液を指す。しかしながら、本発明の方法の目的のために、「供給流」と「産物流」との間の任意の区別は意味がない、というのは、これらの用語は両方とも、単に関心対象の産物(例えば、生体分子、タンパク質、ポリペプチド、抗体等)を含む溶液を指し、この溶液は一般に、事前の上流の処理が行われたかどうかにかかわらず、本発明の方法に従って処理され得るためである。本開示の目的のために、「供給流」と「産物流」との間に任意の区別が必要である場合、それは状況から当業者には容易に明らかであろう。
本明細書で用いられる場合、「精密濾過」および「限外濾過」という用語は、当技術分野で一般に理解されている濾過パラメータに言及する。特に、精密濾過という用語は一般に、0.1〜10μmの細孔サイズを有する濾過膜の使用を指し、限外濾過という用語は、0.001〜0.1μmの細孔サイズを有する濾過膜の使用を指す。精密濾過は典型的に、清澄化、滅菌、微粒子の除去、および細胞収集のために用いられ;限外濾過は典型的に、溶解された分子(例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、および他の生体分子)の分離および濃縮のため、緩衝液交換のため、ならびに徹底的な分画のために用いられる。本発明の方法は、TFF単位操作および透析濾過/TFF単位操作を用いた限外濾過に関する。ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法はまた、例えば、本明細書において記載される最初の/第1のTFF単位操作の前の、すなわち上流の、滅菌などの単位操作のための、例えば複数の透析濾過単位のうちの1つにおける、さらにより大きな細孔サイズを有する限外濾過膜または膜の使用を含み得る。濾過方法による、負荷液体、例えば関心対象のタンパク質を含む細胞培養上清の滅菌は、当技術分野で周知であり、典型的には、約0.1μm〜約0.45μmの範囲の細孔サイズを有するフィルター膜を通した上清の濾過を含む。よって、本発明はまた、最初の/第1のTFF単位操作の操作前に細胞培養上清の滅菌を含む2段階TFF方法を包含し、この場合、滅菌は、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有する適切なフィルター膜、好ましくは0.2または0.22μmの細孔サイズを有するフィルターを通した濾過によって達成される。
本明細書で用いられる場合、「関心対象の分子」という表現および類似の表現は、溶液または懸濁液から分離されるべき分子を指す。関心対象の分子は、関心対象の分子のサイズに基づいて、溶液または懸濁液中の他の粒子または分子から分離される。本明細書において開示される方法のいくつかの態様において、関心対象の分子はまた、例えば透析濾過単位操作による緩衝液交換の工程によって、溶液または懸濁液の元の液体成分からも分離される。溶液または懸濁液の混入物および/または他の望ましくない成分からの関心対象の分子の分離はまた、「精製」として参照され得る。好ましい態様において、関心対象の分子は生体分子である。すなわち、関心対象の分子は、生物学的もしくは生化学的起源のものであり、および/またはトランスジェニックであってもなくてもよい哺乳動物もしくは微生物(例えば、細菌、真菌 酵母)細胞培養物によって産生される。それ故に、関心対象の分子、例えばタンパク質は、細胞培養物によって天然に産生される分子であってよく、または組換え産物であってもよい。関心対象の分子はまた、動物モデル、例えばトランスジェニック動物を用いてインビボで産生されてもよく、またはインビトロ工程によって産生されてもよい。インビトロ工程は、哺乳動物および/または微生物細胞において見出される生化学的経路に基づき得る。本発明の方法の状況おける関心対象の分子の非限定的な例には、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、抗体、酵素、およびそれらの断片が含まれる。
150±30 kDの分子量を有するタンパク質(例えば、抗体)を分離するための、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を含むTFF/濃縮単位操作を有し、その後に300 kDのカットオフを有する限外濾過膜を含むTFF/透析濾過単位操作を伴う、2段階TFF工程の模式図である。 150±30 kDの分子量を有するタンパク質(例えば、抗体)を分離するための、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を含むTFF/透析濾過単位操作を有し、その後に300 kDのカットオフを有する限外濾過膜を含むTFF/透析濾過単位操作を伴う、2段階TFF工程の模式図である。 150±30 kDの分子量を有するタンパク質(例えば、抗体)を分離するための、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を含むTFF/濃縮/透析濾過単位操作を有し、その後に300 kDのカットオフを有する限外濾過膜を含むTFF/透析濾過単位操作を伴い、その後に50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を有する第3のTFF/濃縮単位操作を伴う、2段階TFF工程の模式図である。 150±30 kDの分子量を有するタンパク質(例えば、抗体)を分離するための、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を含むTFF/濃縮/透析濾過単位操作を有し、その後に300 kDのカットオフを有する限外濾過膜を含むTFF/透析濾過単位操作を伴い、これが50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を有する第3のTFF/濃縮単位操作に平行して接続されている、2段階TFF工程の模式図である。
詳細な説明
驚いたことに、関心対象の分子を含む溶液から該分子を分離するための2段階接線流限外濾過(「2段階TFF」)の使用が、標準的な精製工程と比べて、溶液中の混入物のレベルを劇的に低下させることが発見された。したがって、本明細書において開示される2段階TFF方法は、既存の精製スキームを補完することができ、かつ/または既存の精製スキーム内の1つもしくは複数の単位操作に取って代わることができる。特に、本明細書において開示される2段階TFF方法は、混入物レベルを、付加的な不純物沈殿工程および清澄化/沈殿物濾過工程の必要性なしに、分子の下流の処理および/または精製が進行し得る程度にまで低下させる。本明細書において開示される方法は、生体分子の分離および/または精製工程に特に役に立つ。本明細書において開示される2段階TFF方法は、溶液から関心対象の分子を分離/精製/単離するための任意の工程において使用され得る。本明細書において開示される2段階TFF方法によって提供される混入物/不純物レベルの実質的な低下はまた、混入物/不純物レベルが工程の性能および/または単位操作の機能に悪影響を及ぼす任意の工程にも関連性がある。例えば、2段階TFF方法は、その効果的な可使時間を延長させるために、例えば、親和性分子、例えばプロテインA、またはクロマトグラフィー樹脂を保護するために(不純物負荷の減少による)、アフィニティークロマトグラフィー、例えばプロテインAカラム、またはイオン交換クロマトグラフィー単位操作の上流で使用され得る。ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、既存の精製スキーム内の1つまたは複数の単位操作、例えばアフィニティークロマトグラフィーに取って代わることができ、したがって生体分子、例えば抗体を含む溶液からの該生体分子の非アフィニティー精製/単離/分離において使用することができる。他の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、アフィニティークロマトグラフィー、例えばプロテインAクロマトグラフィーもまた含む工程において使用することができる。
本明細書において開示される2段階TFF方法は、下流の精製工程が、中間の沈殿および清澄化工程、例えば、例えば陽イオン交換クロマトグラフィー (CEX) 前の沈殿および清澄化工程を使用することなく進行し得るように、混入物/不純物レベルを低下させる。ある種の態様において、2段階TFF方法はまた、従来の精製工程の1つまたは複数の単位操作、例えばアフィニティークロマトグラフィーに取って代わり得る。よって、本発明の方法は、任意の生産、処理、および/または精製流と関連した直接的コストおよび間接的コストの両方の実質的削減をもたらし得る。直接的コストに関して、本発明の2段階TFF方法は、ある種の態様において、親和性ベースのクロマトグラフィー方法に取って代わり得る。濾過膜は、親和性ベースのクロマトグラフィー材料(例えば、典型的な工業用カラムを提供するため)よりも実質的に費用はかからず(例えば、せいぜい1/4の費用がかかる)、より長い稼働寿命を示すため、膜ベースの2段階TFF方法の使用は、この最初の精製段階の材料コストを直接削減し得る。その上、アフィニティークロマトグラフィーの使用はまた、親和性材料との適合性を保証するための負荷材料の注意深い調製;親和性材料の浸出のモニタリング;および親和性材料を再生するための工程の停止時間を含む、多くの間接的コストとも関連している。さらに、アフィニティークロマトグラフィーのための結合および/または溶出緩衝液のパラメータは、下流の工程と不適合である場合があるため、産物流は、イオン交換クロマトグラフィーなどの通常の付加的な下流の精製/仕上げ段階の前に、緩衝液交換などのさらなる単位操作を必要とし得る。これらの付加的なコストのそれぞれが、本発明の2段階TFF方法の使用によって間接的に削減される。本発明の2段階TFF方法は、サイズに基づくものであり、その膜の性能は供給流パラメータに対して感受性を示さず、また浸出が起こり得ないためにモニタリングも必要ない。さらに、最小限の付加的な処理を伴って、任意のアウトプット流が下流工程、例えばCEXと完全に適合するように、流液パラメータを同時に処理しながら、供給流中の関心対象の分子を処理/精製することも可能である。
関心対象の分子を含む溶液から該分子を、そのサイズ、例えば分子量に基づいて分離する方法は、公知である。最も広く実施されているそのような方法は、膜濾過工程である。現在、2つの主要な膜濾過方法:シングルパス (Single Pass) またはダイレクトフロー (Direct Flow) 濾過 (DFF) およびクロスフロー (Crossflow) または接線流濾過 (TFF) が存在する。本明細書において開示される2段階TFF方法は、特にTFFに関連している。TFFは、濾過される溶液の流動がDFFのように膜に対して垂直に強制されるのではなく、むしろ濾過膜と平行に進行するという点で、DFFと区別される限外濾過システムである。TFFは、保持された溶質を膜表面から離し、供給物のバルクに戻す輸送を強化するように、供給流の液体流動パターンを制御するために設計された。
TFFでは、関心対象の分子を含む流れを、膜の面に対して接線方向のベクトルで高速で膜上を通過させる。TFF中は、液体および濾過可能な溶質をフィルターに通過させるために、膜の長さに沿って圧力差が加えられる。これは、逆拡散を可能にするように物質輸送係数を増加させるために行われる。フィルター膜と平行な方向に流動する液体はまた、フィルター表面を連続して浄化するように働き、それによって目詰まりを防ぐ。保持された溶質(保持物)は、再循環させ、膜上を繰り返し通過させることができ、フィルターを通過する液体(透過物)は、分離ユニット中に連続して流出される。本明細書において記載される本発明の方法によると、フィルターのカットオフ値、細孔サイズ、または他の透過性パラメータに依存して、関心対象の分子は個々のTFF単位操作の透過物または保持物中に見出され得、したがって、任意のTFF単位操作の透過物または保持物のいずれかを、本明細書において記載される2段階TFF方法による下流工程、または2段階TFF方法後の下流工程のために収集することができる。当業者によって理解されるように、TFFの操作は完全に効率的であることはめったにない。すなわち、TFF単位操作の保持物中に保持されることが設計によって予測される分子のわずかな割合は、それにもかかわらずフィルター膜を通過して、透過物中に見出され得る;同様に、膜を通過してTFF単位操作の透過物中にあると予測される分子の少量は、それにもかかわらず膜によって保持され、保持物中に残存し得る。よって、TFF単位操作の操作に関連して、「膜を通過しない」および「保持物中に見出される」という用語の使用は、絶対的なものと解釈されるべきではなく、TFF単位操作に適用された関心対象の分子の少なくとも90%が保持物中に回収されることを示す。同様に、「膜を通過する」および「透過物中に見出される」という用語もまた、絶対的なものと解釈されるべきではなく、TFF単位操作に適用された関心対象の分子の少なくとも90%が透過物中に回収されることを示す。
TFF単位操作の使用および実行は、当技術分野で周知である。TFF方法は、血液成分の濾過(例えば、米国特許第4,888,115号を参照されたい)、食物生産(例えば、ビール、EP-A2 0,208,450)、乳汁または初乳からの免疫グロブリンの精製(例えば、米国特許第4,644,056号を参照されたい)、および生産細胞培養物からのインターフェロンなどの抗ウイルス物質の分離(例えば、米国特許第4,420,398号を参照されたい)に有用であることが実証されている。よって、本明細書において開示される、または当技術分野で公知の任意の方法を用いて、本明細書において開示される方法の個々のTFF単位操作を達成することができる。本発明の2段階TFF方法の使用のこの開示は、乳汁または乳汁の分画溶液、例えばカゼインの豊富なまたはカゼインが不足した乳汁溶液/画分、乳清タンパク質単離物等の処理を包含しない。よって、本発明の方法によって包含される供給流または産物流は、乳汁または乳汁の分画溶液ではない。
本明細書において開示される2段階TFF方法は、関心対象の分子を分子のサイズに基づいて分離する少なくとも2つのTFF単位操作(すなわち、第1および第2のTFF単位操作)の使用を含む。
本明細書において開示される2段階TFF方法の第1のTFF単位操作は、関心対象の分子が該TFF単位操作の保持物中に回収され得るまたはされるように、該分子を含む第1の産物流を濾過することを特徴とする。TFF単位操作の保持物中への関心対象の分子の保持は、関心対象の分子に対して不透過性であるような限外濾過膜を選択することによって達成される。選択は、例えば、当技術分野において認識されているように、実際のまたは有効なサイズよりも小さいカットオフ値または細孔サイズを有する膜を選択することによるなど、関心対象の分子の実際のまたは有効なサイズに基づき得るが、膜の性能は他の因子(例えば、膜電荷)にも依存し得る。それ故に、関心対象の分子のサイズよりも大きな、報告されたカットオフ値または細孔サイズを有する膜が、それにもかかわらずTFF操作中に該分子に対して機能的に不透過性である場合もある。よって、第1のTFF単位操作は、関心対象の分子の分子量よりも小さいカットオフ値を有する限外濾過膜の使用を含むことを特徴とし、および/または第1のTFF単位操作中に該分子が膜を通過し得ないことを特徴とする。具体的な態様において、第1のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子の分子量の2分の1以下であるカットオフ値;すなわち、該分子の分子量の0.5倍またはそれ未満のカットオフ値を有する。
本明細書において開示される2段階TFF方法の第2のTFF単位操作は、関心対象の分子が該TFF単位操作の透過物中に回収され得るまたはされるように、該分子を含む第2の産物流を濾過することを特徴とする。TFF単位操作の透過物中への関心対象の分子の回収は、関心対象の分子に対して自由に透過性であるような限外濾過膜を選択することによって達成される。選択は、例えば、当技術分野において認識されているように、実際のまたは有効なサイズよりも大きいカットオフ値または細孔サイズを有する膜を選択することによるなど、関心対象の分子の実際のまたは有効なサイズに基づき得るが、膜の性能は他の因子(例えば、膜電荷)にも依存し得る。それ故に、本明細書において開示される2段階TFF方法の第2のTFF単位操作は、関心対象の分子の分子量よりも大きいカットオフ値を有する限外濾過膜の使用を含むことを特徴とし、および/または関心対象の分子が膜を通過し得ることを特徴とする。ある種の態様において、限外濾過膜は、関心対象の分子の分子量の少なくとも2倍であるカットオフ値;すなわち、関心対象の分子の分子量の2倍またはそれ以上であるカットオフ値を有する。さらに、本発明は、分子の限外濾過を含む方法に関する;よって、第2のTFF単位操作のカットオフ値はまた、当技術分野において認識および/または許容される限外濾過の上限サイズ範囲、1000 kDによって限定される。
本発明の開示を通して詳述されるように、好ましい態様において、本発明の方法は、任意に清澄化および/または滅菌された、例えば0.1μm〜0.45μの細孔サイズを有する膜を通して濾過された、好ましくは0.2μmまたは0.22μmの細孔サイズを有する膜を通して濾過された、タンパク質、例えば免疫グロブリンを含む溶液、例えば細胞培養上清からの該タンパク質の分離に関する。本発明の一般的な方法に従って、第1および第2のTFF単位操作のカットオフ値は、それぞれ関心対象の分子の分子量よりも小さくなるおよび大きくなるように選択される。これは、特に、関心対象の分子がフィルター膜を通過しない第1のTFF単位操作、および関心対象の分子がフィルター膜を通過する第2のTFF単位操作をもたらすことが理解される。しかしながら、濾過膜の性能は、厳密な分子サイズ以外の因子にも依存し得る(例えば、分子電荷に依存し得る)ため、本開示は、膜が選択され得る基準を限定しない(関心対象の分子が、第1のTFF単位操作の膜を通過せず、かつ第2のTFF単位操作の膜を通過する限り)。したがって、ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法に従って用いられる膜のカットオフ値は、断定されたカットオフ値(例えば、製造業者の仕様書による)に厳密に基づくのではなく、膜の性能に基づいて選択される。膜の性能を決定する、および具体的には、関心対象の分子、例えばタンパク質に対する膜の透過性を決定する方法は、当技術分野において周知であり、日常的に実行される。
本明細書において開示される2段階TFF方法の少なくとも2つのTFF単位操作の識別子としての「第1」および「第2」という用語の使用は、順序を意味するものではないことが強調される。言い換えると、現在開示される方法は、第1のTFF単位操作(関心対象の分子が保持物中にあることを特徴とする)が第2のTFF単位操作(関心対象の分子が透過物中にあることを特徴とする)の上流にあることを必要としない。むしろ本明細書で用いられる「第1」および「第2」という用語は単に、本明細書において開示される2段階TFF方法の少なくとも2つのTFF単位操作を識別する識別子である。したがって、本明細書において開示されるある種の態様では、第2のTFF単位操作が第1の単位操作の上流にある。好ましい態様では、第1のTFF単位操作が第2のTFF単位操作の上流にある。ある種の態様において、第1のTFF単位操作の保持物流は、本明細書において開示される第2のTFF単位操作の第2の産物流を形成する。他の態様では、1つまたは複数の付加的な単位操作が、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の間に存在し得る。
ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法はまた、本明細書において記載される第1および第2のTFF単位操作に加えて、1つまたは複数のTFF単位操作を含有し得るかまたは含み得る。1つまたは複数の付加的なTFF単位操作は、第1のTFF単位操作と同じもしくは異なる限外濾過膜の使用を含み得るか、またはカットオフ値が、関心対象の分子の分子量よりも小さい、および/もしくは関心対象の分子が膜を通過し得ないようなものである限り、第1のTFF単位操作とは異なるカットオフ値を有する限外濾過膜の使用を含み得る。
具体的な態様において、本発明は、関心対象の分子がそのTFF単位操作の保持物中に回収され得るまたはされるように、該分子を含む第3の産物流を濾過することを特徴とする、第3のTFF単位操作を提供する。したがって、この態様による第3のTFF単位操作の基準は、第1のTFF単位操作の操作基準と同じである。それ故に、この態様による第3のTFF単位操作は、関心対象の分子の分子量よりも小さいカットオフ値を有する限外濾過膜の使用を含むことを特徴とし、および/または第3のTFF単位操作中に該分子が膜を通過し得ないことを特徴とする。具体的な態様において、第3のTFF単位操作の限外濾過膜は、関心対象の分子の分子量の2分の1以下であるカットオフ値;すなわち、関心対象の分子の分子量の0.5倍またはそれ未満のカットオフ値を有する。
本明細書において開示されるように、第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作を任意の順序で組み合わせることができる。したがって、本発明の2段階TFF方法において、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にあってよく、または第2のTFF単位操作は第1のTFF単位操作の上流にあってよい。さらに、本明細書において記載される2段階TFF方法はまた、第1および第2のTFF単位操作に加えて1つまたは複数のTFF単位操作、例えば第3のTFF単位操作の使用を包含し、付加的なTFF単位操作は、第1および第2のTFF単位操作の上流にあってよく、下流にあってよく、またはそれらの間に存在し得る。第3のTFF単位操作を含む本発明の好ましい態様において、第1のTFF単位操作は第2のTFF単位操作の上流にあり、第2のTFF単位操作は第3のTFF単位操作の上流にあり、ここで第3のTFF単位操作は、関心対象の分子の分子量よりも小さいカットオフ値を有する限外濾過膜の使用を含むことを特徴とし、および/または第3のTFF単位操作中に該分子が膜を通過し得ないことを特徴とする。この態様に従って、第1第2、および第3のTFF単位操作は、互いの直後に実行され得るか、またはそれらの間に1つもしくは複数の付加的な単位操作が組み入れられ得る。ある種の態様において、第3のTFF単位操作は、第2のTFF単位操作と平行して行われ得るか、または第2のTFF単位操作の完了後に実行され得る。
第1および第2単位操作ならびに/または第2および第3単位操作は、互いのすぐ上流/下流で操作され得る。本明細書で用いられる場合、「すぐ上流で操作される」、「直接下流で操作される」、「すぐ上流にある」、「すぐ下流にある」という語句、および類似の語句は、継時的な成分を意味するものではない;したがって、例えば、第1および第2のTFF単位操作または第2および第3のTFF単位操作の操作は、起こる必要はなく、または任意の具体的な期間内に進行する必要もない。むしろこれらの語句は、産物流が、第1単位操作と第2単位操作の間または第2単位操作と第3単位操作の間に、他の単位操作によって処理されないことを意味する;したがって、例えば、第1のTFF単位操作は例えばバッチ様式で行われ得、産物流は、貯蔵され得、ならびに/または輸送および貯蔵され得、次にいつかその先の時点で、産物流は第2のTFF単位操作によって処理される(介入する単位操作が起こらない限り)。
ある種の態様において、本発明の2段階TFF方法は、任意の精製または処理スキームにおいて親和性ベースのクロマトグラフィー工程に取って代わることが企図されるが、本発明はまた、本発明の2段階TFF工程および親和性ベースの精製の両方を含む精製方法も企図する。したがって、本発明は、2段階TFF方法と、親和性ベースのクロマトグラフィー、例えばプロテインAまたはプロテインGクロマトグラフィーを含む1つまたは複数の付加的な精製段階および/または単位操作との組み合わせを企図する。例示的なさらなる精製段階または単位操作には、本明細書において明確に開示される方法、ならびに/または微生物由来タンパク質を用いたアフィニティークロマトグラフィー(例えば、記述されるようなプロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陽イオン交換(カルボキシメチル樹脂)、陰イオン交換(アミノエチル樹脂)、および混合モード交換クロマトグラフィー)、チオフィリック (thiophilic) 吸着(例えば、β-メルカプトエタノールおよび他のSHリガンドを用いたもの)、疎水性相互作用、もしくは芳香族吸着クロマトグラフィー(例えば、フェニル-セファロース、アザ-アレノフィリック (arenophilic) 樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸を用いたもの)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えば、Ni(II)-親和性材料およびCu(II)-親和性材料を用いたもの)、サイズ排除クロマトグラフィー、および予備電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)などの、当技術分野で公知の方法 (Vijayalakshmi, M. A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102) が含まれる。当技術分野で周知である精製段階または単位操作の付加的な非限定的な例には、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー;透析、タンパク質を捕獲するために抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー (HIC)、疎水性電荷相互作用クロマトグラフィー (HCIC)、硫酸アンモニウム沈殿、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、およびゲル濾過が含まれる。
本明細書において開示される2段階TFF方法による少なくとも第1のTFF単位操作と第2のTFF単位操作の組み合わせは、関心対象の分子を含む溶液の望ましくない成分から関心対象の分子を分離するだけでなく、さもなくば下流工程を妨げ得る混入物を顕著に減少させる。したがって、本明細書において開示される2段階TFF方法は、種々のインプット流の処理を提供し、加速度的、効率的、かつ経済的様式で、当技術分野で公知の下流精製方法によってさらに処理され得るアウトプット産物をもたらす。特に、2段階TFF方法は、沈殿および沈殿物濾過などの費用のかかる単位操作を使用せずに、産物流から混入物および不純物を顕著に減少させる。沈殿物画分から産物溶液を回収することは不可能であるため、事前に、沈殿工程が望ましくなく、収率の減少をもたらすことが、当技術分野で認識されている。収率の減少に加えて、沈殿および沈殿物濾過単位操作は、処理時間の増加(例えば、沈殿物の形成および濾過に必要な時間)、エネルギーコストの増加(例えば、沈殿時の冷蔵)、および設備コストの増加(例えば、沈殿反応用の大きな貯蔵タンク)を含むがこれらに限定されない因子に起因する直接的なコストの増加をもたらす。よって、本発明の2段階TFF単位操作を用いる下流沈殿単位操作の潜在的排除は、処理収率の増加、処理時間の減少、および固定費(例えば、沈殿物単位操作と関連した)の排除を含む、顕著な経済的利点をもたらす。加えて、不純物/混入物レベルの顕著な低下は、クロマトグラフィー工程などの下流工程にさらなる経済的利点をもたらし得る。例えば、2段階TFF方法の混入物減少は、下流のカラム性能を改善することができ(例えば、動的結合の改善、汚損の減少による)、処理時間を増加させることができ(例えば、より高い流速を可能にする)、かつカラム寿命を改善することができる。さらに、本明細書において例証されるように、下流工程への混入物負荷が実質的に減少することで、より小さなクロマトグラフィーカラムを過負荷の脅威なしに使用することが可能となり、より大きな経済的利点が生じる。それ故に、本発明の2段階TFF方法は、それらの使用を含む工程に対して複数の経済的利点を提供する。
ある種の態様において、関心対象の分子は、哺乳動物細胞、微生物培養物、および/または動物(いずれもトランスジェニックであってもなくてもよい)から産生された生体分子であり、生体分子は培養液または動物の体液から分離される。あるいは、関心対象の分子は、生化学的な反応および経路に基づいてインビトロ系で産生された生体分子であってもよく、該生体分子を生産するために用いられたインビトロ系の成分、例えば酵素および出発材料から分離される必要がある。好ましい態様において、関心対象の分子は、細胞培養液(例えば、任意に0.22μmの膜を通して濾過された細胞培養上清)から分離されるべきタンパク質、例えば抗体である。
本明細書において開示される方法は、限外濾過膜を有するTFF単位操作の使用を含む。当技術分野において定義されるように、限外濾過は典型的に、0.001〜0.1μmの範囲の細孔サイズを有する膜の使用を含む。加えてまたはその代わりに、限外濾過膜は、膜を自由に通過し得る最大のおよその分子量である、kD表示でのカットオフ値に従って等級づけされ得る。限外濾過膜は、タンパク質、ポリペプチド、コロイド、免疫グロブリン、融合タンパク質。免疫グロブリン断片、マイコプラズマ、エンドトキシン、ウイルス、アミノ酸、DNA、RNA、および炭水化物を含むがこれらに限定されないものの分離に有用であることが知られている。
様々な種類の膜が公知であり、商業的に購入することができ、かつ/または所望の分子量カットオフを有するように、および関心対象の分子(例えば、タンパク質、抗体等)を吸着しないように、当技術分野で周知の方法に従って作製することができるため、本明細書において開示される方法は、任意の特定の限外濾過膜に限定されない。本発明の方法に適している限外濾過膜の非限定的な例には、セルロース、および酢酸セルロース (CA) のようなセルロース誘導体、ポリスルホン (PS)、ポリエーテルスルホン (PES) 、ポリフッ化ビニリデン (PVDF)、ポリアミド (PA)、および/またはポリアクリロニトリル (PAN) から形成された膜が含まれる。
ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法の少なくとも2つのTFF単位操作のうちの少なくとも1つは、高性能接線流濾過 (HPTFF) である。HPTFFは、サイズおよび電荷の両方に基づいてタンパク質溶質を分離する二次元単位操作であり、サイズが10倍未満だけ異なるタンパク質種の分離を可能にする。TFF単位操作とHPTFF単位操作との主な区別は、後者における荷電膜(特に、単位操作の保持物中に回収されることが望ましい種と同じ極性を有する)の使用である。当技術分野で公知であるように、HPTFFは、産物/供給流中の異なる荷電種の有効容積の違いを最大限にするために、緩衝液pHおよびイオン強度を注意深く調節することによって、高い選択性を獲得する。これは、操作中に、透過物流動および緩衝液交換/透析濾過を注意深く制御することによって達成される。荷電タンパク質の有効容積(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定される)は、タンパク質の周囲の拡散電気二重層の存在を説明する。タンパク質の電荷が増加するか、または溶液のイオン強度が減少すると、タンパク質の有効容積は増加し、ひいてはタンパク質の膜の透過性が減少する。このように、HPTFFは、サイズおよび電荷の両方の違いを利用することによって分離をもたらし、その寄与の大きさは、タンパク質の特性、膜、および緩衝液条件によって決定される。最適な分離は典型的に、(1) 膜を透過する(膜に染み透る)べき種の等電点の近くで、かつ (2) 静電相互作用を最大限にするために比較的低塩濃度で操作することによって達成される。直接的な電荷効果はまた、操作条件下で保持されるおよび/または濾過されることが所望される種に対して、好ましい電荷プロファイルを有するフィルター膜を選択することによって、利用され得る(例えば、Zydney and Kuriyel, Methods in Biotechnol. 9(2000), 35-46;Lebreton et al., Biotechnol. Bioeng. 2008(100), 964-974;および米国特許第5,256,294を参照されたい)。
本明細書において開示されるように、2段階TFF方法は、(1) 関心対象の分子、例えばタンパク質がそのTFF単位操作の保持物中に回収されるように、第1の産物流を濾過する第1のTFF単位操作;および (2) 関心対象の分子、例えばタンパク質がそのTFF単位操作の透過物中に回収されるように、第2の産物流を濾過する第2のTFF単位操作を含む、少なくとも2つのTFF単位操作の使用を必要とする。ある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、(1) 第1のTFF単位操作が、関心対象の分子の分子量よりも小さいカットオフ値(好ましい態様では、関心対象の分子の分子量の最大で2分の1(すなわち、関心対象の分子の分子量の0.5倍またはそれ未満のカットオフ値))を有する限外濾過膜、および/または関心対象の分子が第1のTFF単位操作中に膜を通過しないことを特徴とする限外濾過膜を含み、かつ (2) 第2のTFF単位操作が、関心対象の分子の分子量よりも大きいカットオフ値(好ましい態様では、関心対象の分子の分子量の少なくとも2倍(すなわち、関心対象の分子の分子量の少なくとも2倍またはそれ以上であるが、1000 kD未満のカットオフ値))を有する限外濾過膜、および/または関心対象の分子が第2のTFF単位操作中に膜を通過することを特徴とする限外濾過膜を含むことを特徴とし得る。本明細書において開示される方法に従って使用するための限外濾過膜は、その他の方法で限定されず、任意の材料のものであってよく、またはそれらが本明細書に記載される広範な除外基準(すなわち、関心対象の分子がTFF単位操作中に膜を通過しないというような、第1のTFF単位操作における膜のカットオフ値;および関心対象の分子がTFF単位操作中に膜を通過するというような、第2のTFF単位操作における膜のカットオフ値)を満たす限り、任意のカットオフ値を有し得る。様々な材料、カットオフ範囲、細孔サイズ、および透過性プロファイルの膜は、当技術分野で公知の日常的な方法によって調製することができ(例えば、米国特許出願公開第2010/0190965号を参照されたい)、およびまたは商業的に入手することができる。例えば、Pall GmbH (Dreieich, Germany) は、1、5、10、30、50、70、100、および300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を提供し;Satorius AG (Goetting, Germany) は、1、2、3、5、10、30、50、100、および300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を提供し;EMD Millipore (MA, USA) は、1、3、5、10、30、100、300、500、および1000 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を提供し;およびNovasep (Pompey, France) は、1、3、5、10、30、50、70、100、および300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を提供する。
本明細書において開示される2段階TFF方法は、商業的規模での使用にうまく適合化される。本方法は、バッチ操作もしくは連続操作で、または半連続的様式で、例えば、大きなバッチ全体が濾過されるまで、少なくとも2つのTFF単位操作を経過する、所望の種を含む溶液の連続流ベースで(濾過段階の間には1つまたは複数の任意の洗浄段階が存在する)、行うことができる。このようにして、連続サイクル工程を行って、比較的短期間で、許容される純粋な形で所望の産物の大きな収率をもたらすことができる。
ある種の態様において、本明細書において開示される方法による個々のTFF単位操作は、透析濾過と組み合わせることができる。透析濾過とは、TFF濾過膜を通してより小さな分子を洗浄し、より大きな分子を保持物中に残すことを含む分画工程である。これは、関心対象の分子を濃縮する、および/または塩を除去もしくは交換する、界面活性剤を除去する、結合している分子から取り除いて分離する、低分子量物質を除去する、またはイオン環境もしくはpH環境を迅速に変更するのに、簡便でかつ効率的な技法である。典型的に、透析濾過は緩衝液交換のために用いられ、この場合、関心対象の分子は保持物中に残存する。透析濾過は、本明細書において開示される2段階TFF方法の任意のTFF単位操作と組み合わせることができ、および/またはそのような任意のTFF単位操作において使用することができる。例えば、透析濾過は、例えば供給流成分をさらなる処理に適した緩衝液と置換するために、2段階TFF方法の最も上流のTFF単位操作において使用され得る(例えば、図1を参照されたい)。その代わりにまたは加えて、透析濾過は、例えば濃縮中、および/または処理過程にわたって複数の緩衝液交換を達成するためなど、2段階TFF方法のTFF単位操作の2つ以上に存在してよい(例えば、図2を参照されたい)。透析濾過工程は周知であり、当技術分野で日常的に使用されており、当技術分野で公知の、および/または本明細書において記載される任意の適切な方法によって実行され得る。
本明細書において開示される方法は、組換えタンパク質生産工程由来の供給流から混入物を排除するのに特に適している。具体的には、開示される方法は、細胞培養液からタンパク質を処理するのに特に有用であり、一般的な混入物/不純物であるHCPおよびHCDNAを減少させることができ、その結果として下流工程におけるHCPおよびHCDNAの沈殿は、減少するかまたは排除される。特に、本明細書において開示される2段階TFF方法は、産物流(例えば、細胞培養上清などの細胞培養液)のHCPおよびHCDNA負荷レベルを低下させ、その結果として、産物流は、HCPおよび/またはHCDNAの沈殿なしに、下流工程、例えばCEXの前に調整され得る。細胞培養液からのタンパク質の処理に関連した特定の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、産物流のHCPおよびHCDNA負荷レベルを低下させ、その結果として、溶液は、HCPおよび/またはHCDNAの沈殿なしに、約5というpHに調整され得る。
細胞培養液(例えば、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有する膜を通して任意に濾過された細胞培養上清)からのタンパク質の分離に関連したある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、粗製供給流(すなわち、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有するフィルターを通した任意の濾過を除いた任意の単位操作の前の、最初の細胞培養液)中のHCDNA負荷を、少なくとも50%減少させ得る。言い換えると、本明細書において開示される2段階TFF方法の後の、および/またはそれによって生じる、関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCDNAの濃度は、2段階TFF方法の操作の前の粗製細胞培養液中のHCDNA濃度と比べて、少なくとも50%低下し得る。本発明の方法はまた、HCDNA負荷の減少におけるより高い効率を実証し、ある種の態様においては、関心対象の分子を含む溶液中のHCDNAの濃度を、少なくとも90%または95%低下させ得る。よって、本明細書において開示される方法は、関心対象の分子を含む溶液中のHCDNA濃度を、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下させ得る。
細胞培養液(例えば、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有する膜を通して任意に濾過された細胞培養上清)からのタンパク質の分離に関連したある種の態様において、本明細書において開示される2段階TFF方法は、粗製供給流(すなわち、0.1μm〜0.45μmの細孔サイズを有する膜を通した任意の濾過を除いた任意の単位操作の前の、最初の細胞培養液)中のHCP負荷を、少なくとも10%減少させ得る。言い換えると、本明細書において開示される2段階TFF方法の後の、および/またはそれによって生じる、関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCPの濃度は、本発明の2段階TFF方法の操作の前の細胞培養液中のHCP濃度と比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低下し得る。
ある種の態様において、関心対象の分子がタンパク質(例えば、抗体)であり、かつ供給流が細胞培養上清である場合、本明細書において開示される2段階TFF方法の実行によって生じる、および/またはその実行後の、該分子を含む溶液のHCP負荷は、タンパク質1 mg当たり450,000 ngまたはそれ未満であり、結果として得られる溶液中のHCDNA負荷は、タンパク質1 mg当たり600,000 pgまたはそれ未満である。
本発明による抗体は、好ましくは組換え手段によって生産される。抗体の組換え生産のための一般的な方法は、最新技術において周知であり、原核細胞または真核細胞におけるタンパク質の発現を含む(例えば、以下の総説:Makrides, S.C., Protein Expr. Purif. 17, 183-202 (1999);Geisse, S., et al., Protein Expr. Purif. 8 (1996) 271-282;Kaufman, R.J., MoI. Biotechnol. 16 (2000) 151-160;Werner, R.G., Drug Res. 48 (1998) 870-880を参照されたい)。本発明による方法は、原理上は任意の抗体の生産に適している。1つの態様において、本発明による方法によって生産される免疫グロブリンは、組換え免疫グロブリンである。他の態様において、免疫グロブリンは、ヒト化免疫グロブリン、キメラ免疫グロブリン、ヒト免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、または免疫グロブリン複合体である。本発明の別の局面において、抗体はモノクローナルおよびポリクローナル抗体である。好ましい態様において、抗体はモノクローナル抗体である。本発明による方法によって生産される抗体は、治療用抗体または診断用抗体であってよい。1つの態様において、抗体は治療用抗体である。治療用抗体の非限定的な例には、腫瘍抗原(例えば、増殖因子受容体および増殖因子)、例えば、EGFR、HER3、HER4、Ep-CAM、CEA、TRAIL、TRAIL受容体1、TRAIL受容体2、リンホトキシン-β受容体、CCR4、CD19、CD20、CD22、CD28、CD33、CD40、CD80、CSF-1R、CTLA-4、線維芽細胞活性化タンパク質 (FAP)、ヘプシン、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン (MCSP)、前立腺特異的膜抗原 (PSMA)、VEGF受容体1、VEGF受容体2、IGF1-R、TSLP-R、PDGF-R、TIE-1、TIE-2、TNF-α、TNF様のアポトーシスの弱い誘導因子 (TWEAK)、IL-1R、VEGF、EGF、PDGF、HGF、およびアンジオポエチンなどに対する抗体が含まれる。本発明による抗体はまた、アレムツズマブ、アポリズマブ、セツキシマブ、エプラツズマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、イピリムマブ、ラベツズマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、ニモツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ペルツズマブ、またはING-Iであってもよい。
ある種の態様において、関心対象の分子は、150±75 kD(例えば、150±30 kDまたは150±15 kD)の分子量を有するタンパク質であり、2段階TFFは、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う第1のTFF単位操作;300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う第2のTFF単位操作;および50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う任意の第3のTFF単位操作を含む。50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜の使用は、保持物(関心対象の分子を含む)から、240〜475塩基対を下回るサイズを有する二本鎖核酸を排除し;300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜の使用は、透過物(関心対象の分子を含む)から、1450〜2900塩基対よりも大きいサイズを有する二本鎖核酸を排除する(すなわち、1450〜2900塩基対よりも大きいサイズを有する二本鎖核酸は、TFF保持物内に保持され、関心対象の分子は膜を通過し、透過物から収集され得る)。任意の第3のTFF単位操作が第1および第2のTFF単位操作の下流にある場合、任意の第3のTFF単位操作を用いて、第2のTFF単位操作によって生じた透過物溶液から該タンパク質を濃縮することができる。
本明細書において開示されるすべての態様に関して、任意の第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作において用いられるものと同じまたは異なる;すなわち、関心対象のタンパク質の分子量よりも小さいカットオフ値を有することを特徴とし、および/または該タンパク質が膜を通過せず第3のTFF単位操作の保持物中に回収され得ることを特徴とする限外濾過膜の使用を含み得る。ある種の態様において、第3のTFF単位操作は、関心対象のタンパク質の分子量の0.5倍以下であるカットオフ値を有する限外濾過膜を含むことを特徴とし、関心対象のタンパク質が操作中に通過することを可能にしない限外濾過膜を含むことを特徴とする。本発明のTFF単位操作に関連して用いられる「第1」および「第2」という記述子と同様に、この2段階TFF方法によるTFF単位操作と関連した「第3」という記述子は、開示される方法における個々のTFF単位操作の実行に対する任意の限定的な順序を意味するものではない;すなわち、第3のTFF単位操作は、必ずしも、本明細書において開示される第1および第2のTFF単位操作の後に続く、すなわちそれらの下流にある必要はない。むしろ、第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の上流にあってよく、第2のTFF単位操作の上流にあってよく、または第1および第2のTFF単位操作の両方の上流にあってもよい。その代わりにまたは加えて、第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作の下流にあってよく、第2のTFF単位操作の下流にあってよく、または第1および第2のTFF単位操作の両方の下流にあってもよい。好ましい態様において、2段階TFF方法は、第1のTFF単位操作、下流の第2のTFF単位操作、ならびに第1および第2のTFF単位操作の両方の下流にある第3のTFF単位操作の使用を含み、この場合、第3のTFF単位操作は、第1のTFF単位操作において用いられるものと同じであってもなくてもよい、および/または関心対象のタンパク質の分子量の0.5倍以下である限外濾過膜の使用を含む。
ある種の態様において、関心対象の分子は、150±75 kDの分子量を有するタンパク質であり、2段階TFFは、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う第1のTFF単位操作、300 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う下流の第2のTFF単位操作、ならびに第1および第2のTFF単位操作の両方の下流にある、50 kDのカットオフ値を有する限外濾過膜を伴う第3のTFF単位操作の使用を含む。第1第2、および/または第3のTFF単位操作は、透析濾過と組み合わせることができる。第1第2、および/または第3のTFF単位操作は、バッチで、互いの直後に実行され得るか、または連続流システムとして連続して実行され得る。本明細書において開示される2段階TFF方法はまた、本発明による第1第2、および/または第3のTFF単位操作の間に存在する1つまたは複数の単位操作の使用を包含する。第1第2、および/または第3のTFF単位操作のうちの1つまたは複数は、本発明の他のTFF単位操作と平行して操作されてよく、または1つもしくは複数の付加的な単位操作と平行して操作されてもよい。
下流のCEXと組み合わせた、本明細書において開示される2段階TFF方法は、当技術分野で公知の対応する工程に勝るタンパク質処理の明確な利点を提供し、特に、タンパク質のさらなる下流の処理/精製に対する利点を提供する。具体的には、1段階TFFを含む工程と比較して、本発明の方法に従って処理された、関心対象のタンパク質を含む供給流および/または産物流の下流の処理(例えば、CEX)は、明確な処理の利点および経済的利点を提供した。例えば、本方法による2段階TFFを用いた細胞培養上清の処理は、驚いたことに、CEXの前の任意の沈殿および沈殿物濾過工程の必要性を排除した。対照的に、1段階TFF方法を含む工程は、CEXの前に、産物流からHCDNAおよびHCP混入物を除去するために、付加的な沈殿/沈殿物濾過段階の挿入を必要とした。よって、本明細書において目下開示される方法は、下流の精製工程中の直接的および間接的な時間および費用を削減する利点を提供する。
先行技術の非アフィニティー工程における沈殿/沈殿物濾過の必要性は、公知の方法による1段階TFF処理が、下流のクロマトグラフィー処理の前に、試料流から混入物(例えば、HCPおよび/またはHCDNA)を十分に除去することができないことに起因する。例えば、当技術分野で公知の方法による非アフィニティーのタンパク質処理/精製は、典型的に、産物流をさらに純化/精製するためにAEXおよび/またはCEXを使用する。しかしながら、1段階TFFによって生じる混入物レベルは、典型的に、カラム容量の過負荷により、すぐ下流でのAEXまたはCEXの使用を妨げる(例えば、本明細書における実施例の項を参照されたい)。さらに、試料流から混入物を十分に精製できないことはまた、多くのクロマトグラフィー精製工程、例えばCEX処理の前に必要なpH/緩衝液調整時に沈殿を生じ得る。よって、標準的な処理方法における混入物レベル自体および/またはその沈殿は、アフィニティー精製の代わりに用いられるクロマトグラフィー工程に悪影響を及ぼし得る。しかしながら、混入物、および特に結果として生じる沈殿物の必要な除去は、精製工程に顕著な時間およびコストを上乗せする(例えば、工業の沈殿は通常4〜8℃で一晩行われるという理由で、冷蔵コスト)。沈殿工程にはまた、沈殿物の性質および容積に依存して、産物の回収が不十分である場合があるという欠点がある。例えば、沈殿物および上清の両方をデプスフィルターに適用することは、フィルターの遮断を誘導するために、典型的に適切ではない;それ故に、沈殿物画分中に存在する可溶性産物は通常失われる。
対照的に、本発明の方法(すなわち、本明細書において開示される2段階TFFを含む)は、驚いたことに、産物流の混入物を、下流工程に最小限の影響を示すかまたは影響を示さない濃度まで減少させ、例えば、pH調整の際に通常必要とされる沈殿/沈殿物濾過を排除する。例えば、当技術分野で公知の細胞培養上清の1段階TFF処理を用いると、HCDNAはたった17〜24%減少し得る;対照的に、本発明の2段階TFF方法は、細胞培養上清中のHCDNAレベルを、少なくとも85%〜92%、および潜在的にはそれ以上低下させ得る。同様に、当技術分野で公知の1段階TFF処理を用いると、細胞培養上清中のHCPは単に0〜28%減少し得る;対照的に、本発明の2段階TFF方法は、細胞培養上清のHCPレベルを、少なくとも17〜46%またはそれ以上低下させ得る。
本明細書において開示される2段階TFF方法の個々の工程に関して、第2のTFF単位操作は、特に工程への供給流が細胞培養液(すなわち、細胞培養上清)である場合、関心対象の分子、例えばタンパク質を含む溶液からの混入物精製の大部分を提供し得る。例えば、細胞培養上清供給流に対する、すなわち関心対象の分子が透過物中に回収されることを特徴とする第2のTFF単位操作の操作は、関心対象のタンパク質を含む、結果として生じる溶液から、HCDNA負荷の少なくとも86%およびHCP負荷の少なくとも22%を排除し得る。第2のTFF単位操作はまた、関心対象の分子を含む溶液中のHCDNA負荷の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%を排除し得る。第2のTFF単位操作はまた、関心対象の分子を含む溶液中のHCP負荷の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%を排除し得る。
本明細書において開示されるように、本明細書において開示される2段階TFF方法による混入物レベルの顕著な低下は、下流および上流の両方の工程に関して顕著な影響を及ぼす。例えば、本明細書において開示される2段階TFF方法を用いた混入物の堅固な除去は、この方法を、広範囲の供給流品質にわたって効果的なものとし、例えば広範囲の供給流混入物レベル/濃度にわたって効果的なものとする。したがって、本明細書において開示される方法は、供給流の質(例えば、馴化され清澄化された細胞培養上清の質)に関係なく実行することができ、最低限の品質必要要件を満たすための上流処理への依存を排除し得る。同様に、混入物の顕著な排除はまた、イオン交換カラム容量などの、下流処理に関する考慮を除去することができ、流動の増加および処理時間の改善を可能にする。2段階TFF処理はまた、例えば沈殿および沈殿物濾過段階を含む、当技術分野で公知の現行法と比較して、時間がかからない。
本開示の2段階TFF方法(すなわち、第1および第2のTFF単位操作、ならびに任意に1つまたは複数の第3のTFF単位操作を含む)を形成する個々のTFF単位操作は、組み合わせて連結して、連続流工程を提供することができ、または別個のバッチ操作として個々に実施することもできる。本明細書において開示される方法の個々のTFF単位操作はまた、例えば1つの操作の産物流が別の操作に供給し、その産物流が次に元の操作に再循環されるように、当技術分野で公知であるように平行して連結することもできる。個々の単位操作の平行での使用はまた、貯蔵容量および処理時間の増加と関連したコストを軽減し得る。
現在開示される2段階TFF方法は、当技術分野において認識されるように、直接アップスケールすることができる。これにより、沈殿を含まない下流工程が望ましい任意の工程でこの方法を使用することが可能になる。例えば、2段階TFFは、カラム寿命を延ばすために、任意のクロマトグラフィー段階の前に実行することができる。HCPおよびHCDNA負荷の劇的な減少は、直接的および間接的手段の両方によりカラム寿命の延長をもたらし得る。直接的様式では、本発明の方法は、吸収体と接触する不純物の量を減少させ、フィルターの妨害/汚損を妨げる。間接的には、混入物の減少は、カラム再生に必要な現場浄化条件の厳しさを軽減することを可能にし得る。本発明の方法は、診断目的のための抗体(非医薬)の精製について特定の用途を見出し得る。
本明細書において言及されるすべての特許および出版物は、本発明が関連する当技術分野における当業者のレベルを示す。本発明のある種の形態が例示されているが、それらは、本明細書において説明され示されている部分の具体的な形態または配置に限定されないことが理解されるべきである。本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、本発明が、本明細書において示され説明されているものに限定されると見なされないことは、当業者に明らかであろう。本明細書において記載される本発明がより十分に理解され得るように、以下の非限定的な実施例を記載する。
実施例1:
1段階TFFを用いた溶液からのタンパク質の処理
本実施例は、非アフィニティー精製方法、特に陰イオン交換クロマトグラフィー(「AEX」)および陽イオン交換クロマトグラフィー(「CEX」)を用いた、抗体を含む溶液からの該抗体の単離および/または精製に関する。抗体を含む最初の溶液は、清澄化された馴化細胞培養培地の供給流である。供給流は、50 kDカットオフを有する1段階の接線流濾過(「TFF」)を用いて前処理する。本実施例は、典型的な供給流から抗体を非アフィニティー単離する際の、当技術分野において日常的に用いられる一般的実践に関する(例えば、Gottschalk 2009;Alahari et al., BioPharm Int. March 2, 2009 (Supp.);Wang et al., BioPharm. Int. October 2, 2009を参照されたい)。特に、抗体は、その抗体の分子量を下回るカットオフ値を有する限外濾過膜を用いる1段階のTFFを用いて、最初に濃縮される(および本明細書において開示されるように部分精製される)。TFF工程に続いて、緩衝液交換/透析濾過してから、クロマトグラフィー工程を行う。本明細書において開示および例証される特定の方法とは関係ないが、本実施例に用いられる具体的な抗体は、抗コロニー刺激因子1受容体抗体(抗CSFR1;WO 2011/131407を参照されたい)である。
方法:
1段階接線流濾過および透析濾過(保持物中の産物)
1段階接線流濾過は、Tandem Pump Model 1082(Satorius Stedim Biotech S.A.、Aubagne, France)およびSartocon Slice Cassette PESU 50 kD(濾過面積200 cm2、製品# 3081465002 E-SG;Satorius Stedim)を備えたSatorius Sartocon Sliceユニットを用いて達成した。1段階のTFFにおいて、2.9 mg/mlの濃度の関心対象の抗体を含む945 mlの清澄化細胞培養上清(すなわち、供給流)を、136 mlまで濃縮した。
続いて、10倍量の25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5に対する透析濾過により、緩衝液交換を行った。TFF/透析濾過条件は、当技術分野における標準的実践に従って選択した。特に、1段階TFFのカットオフ値、50 kDは、産物流から低分子量の宿主細胞タンパク質、DNA、および産物断片を濾過しながら産物(すなわち、免疫グロブリン)を濃縮するために日常的に選択される10〜50 kDカットオフの例示的なものである。
陰イオン交換クロマトグラフィー
TFF/緩衝液交換段階からの産物流(すなわち、保持物)を、当技術分野で公知の標準的方法に従って陰イオン交換クロマトグラフィー(「AEX」)に供した。クロマトグラフィー条件は以下の通りであった:
交換材料:Q-Sepharose FF(GE Healthcare、Freiburg, Germany)
カラム:内径8 mm、長さ100 mm、体積5.03 ml
流速:150 cm/時間(1.25 ml/分)*
平衡化溶液:25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5
負荷:タンパク質80 g/クロマトグラフィー材料1 l
洗浄溶液:25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5
溶出方法:均一濃度
(*) 試料の負荷および溶出中に背圧の上昇が観察されたため、流速を低下させた。
抗体含有試料(産物供給物または産物流)を、上記のようにクロマトグラフィーカラムに負荷した。負荷後、カラムを洗浄溶液で洗浄し、均一濃度溶出方法(フロースルーモード)を用いて抗体を回収した。
5.0へのpH調整
上記の通り、AEXカラムから溶出された抗体は、pH 7.5を有する緩衝液中に存在した。その後のCEXを行うために、抗体含有溶出液を、1 Mクエン酸の添加によりpH 5.0にpH調整した。
当技術分野において頻繁に報告されているように、処理中のこの対応する段階でのpH調整は、供給物混入物、例えば宿主細胞タンパク質(「HCP」)および宿主細胞DNA(「HCDNA」)の沈殿を生じた(例えば、Gottschalk 2006;Anakumari et al., BioPharm Int. Feb. 2007 (Supp);Arunakumari et al., BioPharm. Int. Mar. 2, 2009 (Supp);Arunakumari, Bioprocess Int. Feb. 2009;Jue et al., BioPharm Int. Mar. 2, 2008 (Supp);Jue et al.., BioPharm Int. Oct. 2, 2009を参照されたい)。それ故に、CEXの前に、試料を遠心分離および濾過により清澄化しなければならなかった。
陽イオン交換クロマトグラフィー:結合および溶出モード
pH調整および濾過の後に、CEXを用いて抗体を産物流から単離した。クロマトグラフィー条件は以下の通りであった。
交換材料:Poros 50HS(Life Technologies Co.、Carlsbad, CA, USA)
カラム:内径8 mm、長さ100 mm、体積5.03 ml
流速:150 cm/時間(= 1.25 ml/分)
平衡化溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、pH 5.0
負荷:タンパク質40 g/クロマトグラフィー材料1 l
洗浄溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、pH 5.0
溶出溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、750 mM NaCl、pH 5.0
溶出方法:22.5カラム体積での0% (v/v) 〜100% (v/v) 溶出溶液の直線勾配
上記のようにCEXカラムに負荷した後、カラムを洗浄溶液で洗浄した。塩化ナトリウムの添加により、pH値が一定に保持され、伝導率が変動する(増加する)直線勾配溶出方法を用いて、単量体型の抗体を回収した。
抗体および混入物の決定
最初のおよび最終的な産物流、ならびに精製工程の様々な中間段階における(典型的には各単位操作後)の産物流について、抗体、ならびに混入物である宿主細胞タンパク質(「HCP」)および宿主細胞DNA(「HCDNA」)の両方の濃度を決定した。清澄化細胞培養上清(最初の供給流)およびすべての中間産物流の抗体濃度は、プロテインA‐HPLC(プロテインAアフィニティー高速液体クロマトグラフィー;使用カラム:Applied BiosystemsのPA ImmunoDetection(登録商標)Sensor Cartridge for Perfusion Immunoassay(商標)Technology)によって決定した。CEXからプールされた溶出液中の抗体濃度は、UV 280 nm吸着によって決定した。
単量体抗体の比率は、SE-HPLC(サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;使用カラム:Tosoh BioscienceのTSK-GEL G3000SWXL;7.8 mm ID x 30.0 cm L、5 μm)によって決定した。
残存宿主細胞タンパク質 (HCP) は、ポリクローナルサンドイッチ型酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA) により決定した。簡潔に説明すると、ストレプトアビジンで予めコーティングされたマイクロタイタープレートを、ビオチン‐ストレプトアビジン相互作用により、ビオチンで標識されたチャイニーズハムスター卵巣 (CHO) HCPに対する抗体でコーティングし、「産物抗体」溶液と共にインキュベートした。結合したHCPは、ジゴキシゲニン結合抗CHO HCP抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ジゴキシゲニン抗体と組み合わせることによって検出した。結合したCHO HCPは、基質2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸) (ABTS) を添加することにより可視化した。「産物抗体」溶液の測定と平行して、検量線をモニターした。
CHO DNAの定量的決定には、q-PCRベースのアッセイを使用した。試料(必要に応じて、アッセイ緩衝液で希釈)を高度変性条件下で溶解して、無傷のDNAの単離を保証した。単離されたDNAをシリカゲルベースの膜に結合させ、遠心分離により、残存する緩衝液および試料マトリックスから分離した。DNAを溶出緩衝液中に溶出した。DNAの熱変性後、フォワードおよびリバースプライマーを標的配列に選択的に結合させた。2つのプライマーの間で、配列特異的CHO DNAプローブを標的DNAとハイブリダイズさせた。
プローブは、その5'末端において蛍光レポーター色素で標識し、その3'末端においてクエンチャー色素で標識してあった。プローブが無傷のままである限り、クエンチャー色素とレポーター色素は相対的に近接しているため、蛍光は消光される。増幅中、Taqポリメラーゼは、その5'→3'エキソヌクレアーゼ活性により、標的配列に結合しているプローブを加水分解する。レポーター色素は放出され、蛍光強度の増加はPCR産物の量に直接比例する。試料中のDNAの量は、外部検量線によって定量した。
最終結果のため、測定されたCHO DNA濃度に、該当する場合には試料の希釈係数を乗じ、タンパク質濃度で除した。
結果
最初の供給流、中間産物流、および最終的な溶出液の抗体の濃度、抗体単量体の比率、および混入物レベルを表1に提供する。段階収率は、特定の単位操作について保持された抗体の割合を提供する。
Figure 2015533378
n.d.(未検)
先に報告されたように、最初の供給流は、2.9 g/lの抗体濃度を有する945 mlの清澄化細胞培養上清であった。HCP負荷は245635 ng/mgであり、HCDNA負荷は6982759 pg/mgであった。
50 kDカットオフによる1段階TFFおよび緩衝液交換/透析濾過の後に、単量体抗体の算出された段階収率はおよそ77%であった(すなわち、適用された供給物中の単量体抗体の77%が、この単位操作から回収された)。SE-HPLCによって検出された保持物の「単量体ピーク」は69%であった。1段階TFFにより、産物流中のHCP負荷は28%減少し、HCDNA負荷は24%減少した。
TFF/透析濾過に続くAEXは、フロースルーモードで操作した。カラム負荷は80 g/lであった。試料をAEXカラム上に負荷している間に、カラム背圧の劇的な上昇が観察された。しかしながら、負荷工程は中止せず、体積流量を減じて継続した。背圧の上昇は、供給産物流のHCDNA濃度が高く(5300722 pg/mg)、これがAEXカラムの容量に過負荷をかけたためであると考えられる。HCDNA ELISAデータに基づき、カラムは0.42μg/ml HCDNA(5300722 pg/mg HCDNA x 80 mg/ml負荷)に直面したと算出された。同様のHCDNA濃度に直面した過負荷を防止するには、顕著により大きなカラムを必要としたと考えられる。
AEXについて算出された段階収率(単量体抗体)は90%であった(すなわち、適用された供給溶液(1段階TFF/透析濾過に由来)の単量体抗体の90%が、この単位操作後に回収された)。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は73%であり、供給試料(69%)と比較してわずかに高かった。緩衝液交換/AEX単位操作により、産物流のHCP負荷は65%減少したのに対して、HCDNA負荷は5%だけわずかに増加した。HCDNAデータから、少なくともこの実験においては、AEX段階が、HCDNAに関して精製工程に顕著には寄与しないことが説明される。この実験におけるHCDNAに関する精製の欠如は、カラム過負荷に起因すると考えられ、その防止は、顕著により大きなカラムを使用することによって潜在的に改善され得る。
CEX段階の前に、産物流のpHを5.0に調整した。この段階で、試料中に沈殿が観察された。産物流の抗体濃度がpH調整前の値と比べて変化しなかったため、不純物のみが沈殿したと想定された。沈殿物を濾過により除去した。しかしながら、pH調整/濾過段階は、わずか25%という低い産物収率を伴った。これは、小規模での濾過中に、試料の体積が失われることに起因する。対応する沈殿および濾過段階に関して体積が失われるため、広範な不純物沈殿事象は、産物回収の減少を招く可能性が最も高い(ここで観察されるように)。しかしながら、大規模工程における対応する体積の喪失は、ここで示される小規模データと比較して軽減されると予測され得る。
pH調整および濾過の後、SE-HPLCによって検出された産物の「単量体ピーク」は73%であり、これは供給試料と比較して同じである。pH調整/濾過により、産物流のHCP負荷は60%減少し、HCDNA負荷は99.9%減少した。
産物流をその後CEXカラム上に負荷し、結合および溶出モードで操作した。算出された段階収率(単量体抗体)は73%であった。産物に関して、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は86%であり、これは供給試料におけるもの(73%)と比較して顕著に高かった。CEXにより、産物流のHCPおよびHCDNA負荷は、それぞれ88%および98%減少した。抗体の凝集物および断片の除去、ならびにHCPおよびHCDNAの劇的な減少から、CEXが40 g/lのカラム負荷において残存不純物を効率的に除去することが実証される。
実施例2:
2段階TFFを用いた溶液からのタンパク質の処理
本実施例は、非アフィニティー精製方法、特にAEXおよびCEXを用いた、抗体を含む溶液からの該抗体の単離および/または精製に関する。最初の溶液は、清澄化された馴化細胞培養培地の供給流である。供給流を2段階接線流濾過を用いて前処理したことを除いて、本実施例は実施例1と同一である。本実施例において、2段階TFFの第1のTFF単位操作は、実施例1で用いられた1段階TFF段階と同一であり、すなわち50 kDカットオフ値を有する限外濾過膜によって行われ、その後に緩衝液交換/透析濾過が行われた。しかしながら、実施例1とは異なり、本研究は、2段階TFFを提供する、300 kDカットオフを有するカラムを用いて行われる第2のTFF単位操作の付加を実証する。この設定は、図1または図2において見ることができる。例証される研究はさらに、50 kDカットオフを有するカラムを用いて行われる、300 kD TFFに続く第3のTFF/濃縮単位操作を付加した。本実施例において用いられる2段階TFFの模式図を図3に提供する。第2および第3のTFF単位操作(任意に透析濾過と組み合わされる)は、図4中の模式図に示されるように、平行して組み合わせることもできる。2段階TFF処理(TFF 50 kD、TFF 300 kD、TFF 50 kD)の後、AEXおよびCEXを実施例1と同様に行った(以下に説明されるように、遠心分離/濾過段階を除いて)。本研究は、実施例1で用いられた抗CSFR1抗体を用いて行った。
方法:
第1段階接線流濾過および透析濾過(保持物中の産物)
第1段階TFFおよび透析濾過は、実施例1において報告された1段階TFFについて記載されているように達成した。第1段階において、2.9 mg/mlの濃度の関心対象の抗体を含む945 mlの清澄化細胞培養上清を、136 mlまで濃縮した。
続いて、10倍量の25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5に対する透析濾過により、緩衝液交換を行った。
第2段階接線流濾過(透過物中の産物)
第2段階TFFは、Sartocon Slice Cassette PESU 300 kD(濾過面積200 cm2、製品# 3081467902E-SG;Satorius Stedim)を使用すること以外は、第1段階のTFFと同様に行った。この第2段階TFF中に、産物(抗体)はフィルターを通過し、透過物中に見出される(よって、この第2段階TFFの透過物は産物流を形成する)。この第2段階TFFにおいて、15.2 mg/mlの濃度の抗体を含む108 mlの試料(すなわち、第1段階TFFからの保持物)を、15倍の緩衝液容積(25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5)に対して第2カラム上で透析濾過した。
濃縮
第2段階TFFは、産物が透過物中に存在し、産物を含む試料の容積の劇的な増加(すなわち、産物流の容積の劇的増加)をもたらすように設計された。よって、50 kDカットオフを有するカラムを使用する第3のTFFを用いて、産物を濃縮し、産物流の容積を減少させた。この第3のTFF段階は、上記の第1段階TFFおよび実施例1におけるものと同一である、50 kDカットオフを有するカラムを使用した。この第3段階では、1.1 mg/mlの濃度の1627 mlの産物流(すなわち、第2段階TFFからの透過物)を、143 mlの容積まで濃縮した。
陰イオン交換クロマトグラフィー
2段階TFF処理段階後のAEXは、実施例1と同様に進めた。クロマトグラフィー条件は以下の通りであった:
交換材料:Q-Sepharose FF(GE Healthcare、Freiburg, Germany)
カラム:内径8 mm、長さ100 mm、体積5.03 ml
流速:150 cm/時間(1.25 ml/分)
平衡化溶液:25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5
負荷:タンパク質86 g/クロマトグラフィー材料1 l
洗浄溶液:25 mM Tris/HCl、50 mM NaCl、pH 7.5
溶出方法:均一濃度
産物供給物を、上記のようにクロマトグラフィーカラムに負荷した。負荷後、カラムを洗浄溶液で洗浄し、均一濃度溶出方法(フロースルーモード)を用いて抗体を回収した。実施例1とは対照的に、AEX中の背圧の劇的な上昇は観察されず、流速の低下は必要なかった。
5.0へのpH調整
実施例1と同様に、CEXの前に、AEXカラムから溶出された試料を、1 Mクエン酸の添加によりpH 5.0にpH調整した。しかしながら、実施例1とは対照的に、この段階で沈殿は観察されず、したがって産物流の遠心分離/濾過は必要なかった。それどころか、産物流をCEXカラム上に直接負荷した。
陽イオン交換クロマトグラフィー:結合および溶出モード
pH調整の後に、実施例1に記載されるように、CEXを用いて抗体を産物流から単離した。クロマトグラフィー条件は以下の通りであった。
交換材料:Poros 50HS(Life Technologies Co.、Carlsbad, CA, USA)
カラム:内径8 mm、長さ100 mm、体積5.03 ml
流速:150 cm/時間(= 1.25 ml/分)
平衡化溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、pH 5.0
負荷:タンパク質20 g/クロマトグラフィー材料1 l
洗浄溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、pH 5.0
溶出溶液:10 mMクエン酸ナトリウム、750 mM NaCl、pH 5.0
溶出方法:22.5カラム体積での0% (v/v) 〜100% (v/v) 溶出溶液の直線勾配
上記のようにCEXカラムに負荷した後、カラムを洗浄溶液で洗浄した。塩化ナトリウムの添加により、pH値が一定に保持され、伝導率が変動する(増加する)直線勾配溶出方法を用いて、単量体型の抗体を回収した。
抗体および混入物の決定
抗体濃度、ならびに混入物である宿主細胞タンパク質(「HCP」)および宿主細胞DNA(「HCDNA」)の濃度は、実施例1に記載される方法に従って、実験の様々な段階で決定した。
結果
最初の供給流、中間産物流、および最終的な溶出液の抗体の濃度、抗体単量体の比率、および混入物レベルを表2に提供する。段階収率は、特定の単位操作について保持された抗体の割合を提供する。
Figure 2015533378
n.d.(未検)
先に報告されたように、最初の供給流は、2.9 g/lの抗体濃度を有する945 mlの清澄化細胞培養上清であった。HCP負荷は245635 ng/mgであり、HCDNA負荷は6982759 pg/mgであった。
50 kDカットオフによる第1段階TFFおよび緩衝液交換/透析濾過の後に、単量体抗体の算出された段階収率はおよそ77%であった。SE-HPLCによって検出された産物流(保持物)の「単量体ピーク」は69%であった。1段階TFFにより、産物流中のHCP負荷は28%減少し、HCDNA負荷は24%減少した。これは、実施例1において報告された1段階TFFと同じ単位操作である。
300 kDカットオフによる第2段階TFFの後に、単量体抗体の算出された段階収率は112%であった。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は72%であり、これは適用された供給物のもの (69%) よりもわずかに高い。第2段階TFFにより、産物流のHCP負荷およびHCDNA負荷は、それぞれ22%および94%減少した。
50 kDカットオフを有するカラムを使用するその後のTFF/濃縮段階について、算出された段階収率(単量体抗体)は93%であった。溶出試料について、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は72%であり、これは適用された供給試料と同一であった。TFF/濃縮段階により、産物流のHCP負荷は5%減少したのに対して、HCDNA負荷は78%増加した(これはアッセイの変動に起因する)。
2段階TFF前処理に続くAEXは、フロースルーモードで操作した。カラム負荷は86 g/lであった。AEXの算出された段階収率(単量体抗体)は92%であった。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は75%であり、供給試料 (72%) と比較してわずかに高かった。AEX単位操作により、産物流のHCP負荷は85%減少し、HCDNA負荷は89%減少した。実施例1におけるような1段階TFF前処理を用いるAEXとは対照的に、2段階TFF前処理に続くAEXは、比較的高いカラム負荷においてフロースルーモードで操作されても、精製工程に顕著に寄与したことが、HCPおよびHCDNAデータから示される。
CEX段階の前に、産物流のpHを5.0に調整した。実施例1の1段階TFFとは対照的に、この段階で試料中に沈殿は観察されず、試料/産物流をCEXカラム上に直接負荷した。
CEXカラムは、結合および溶出モードで操作した。算出された段階収率(単量体抗体)は90%であった。産物に関して、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は96%であり、これは供給試料におけるもの (72%) と比較してはるかに高かった。CEXにより、産物流のHCPおよびHCDNA負荷は、それぞれ73%および99%減少した。抗体の凝集物および断片の除去、ならびにHCPおよびHCDNAの劇的な減少から、CEXが20 g/lのカラム負荷において残存不純物を効率的に除去することが実証される。
実施例3:
1段階TFFを用いた溶液からのタンパク質の処理
関心対象の異なるタンパク質、特に抗アンジオポエチン2 (Ang2)/VEGF抗体(例えば、米国特許出願公開第2010/0111967号を参照されたい)を含む供給流を用いて、実施例1を繰り返した。実施例1の方法からの逸脱のみを、本明細書において報告する。
方法:
1段階接線流濾過および透析濾過(保持物中の産物)
1段階TFFにおいて、2.7 mg/mlの濃度の抗Ang2/VEGF抗体を含む950 mlの清澄化細胞培養上清を、134 mlまで濃縮した。続いて、緩衝液交換もまた実施例1と同様に達成した。
陰イオン交換クロマトグラフィー
カラムの負荷がタンパク質19 g/カラム材料1 lであったことを除いて、AEXは実施例1に従って進めた。実施例1において報告されたAEX工程とは対照的に、抗Ang2/VEGF抗体処理のこの段階において、背圧の上昇は観察されなかった;全単位操作を通して、流速150 cm/時間を維持した。これは、実施例1における最初の抗CSFR1供給流と比較して、最初の抗Ang2/VEGF抗体供給流中のHCDNAの濃度が劇的により低かったことによる可能性が高い(およそ80%低い;表1と表3を比較されたい)。これによって、沈殿および濾過の前のすべての単位操作について、HCDNAの濃度はより低くなる。
5.0へのpH調整
本工程を通して、HCDNAの濃度は実施例1におけるものと比較してより低いにもかかわらず、抗Ang2/VEGF産物流についても、5.0へのpH調整中に沈殿が観察された。この場合もやはり、産物流中の抗体の濃度が変化しなかったため、不純物のみが沈殿したと想定された。実施例1と同様に、CEXの前に、試料を遠心分離および濾過により清澄化した。
陽イオン交換クロマトグラフィー:結合および溶出モード
カラム負荷をタンパク質13 g/クロマトグラフィー材料1 lに下げたことを除いて、抗Ang2/VEGF試料のCEXは実施例1と同様に実施した。
抗体および混入物の決定
抗体濃度、ならびに混入物HCPおよびHCDNAの濃度は、本実験を通して、実施例1に記載されるように決定した。
結果
供給流、中間産物流、および最終的な溶出液の抗体の濃度、抗体単量体の比率、および混入物レベルを表3に提供する。
Figure 2015533378
n.d.(未検)
先に報告されたように、最初の供給流は、2.7 g/lの抗体濃度を有する950 mlの清澄化細胞培養上清であった。HCP負荷は420531 ng/mgであり、HCDNA負荷は1443609 pg/mgであった。
50 kDカットオフによる1段階TFFおよび緩衝液交換/透析濾過の後に、単量体抗体の算出された段階収率はおよそ86%であった。SE-HPLCによって検出された保持物の「単量体ピーク」は65%であった。1段階TFFにより、産物流中のHCP負荷は約6%増加し、HCDNA負荷は17%減少した。
TFF/透析濾過に続くAEXは、フロースルーモードで操作した。カラム負荷は79 g/lであった。AEXについて算出された段階収率(単量体抗体)は79%であった。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は78%であり、供給試料(65%)と比較してわずかに高かった。緩衝液交換/AEX単位操作により、産物流のHCP負荷は62%減少したのに対して、HCDNA負荷は3%だけわずかに増加した。HCP除去はある程度まで達成されたが、本データから、実施例1の結果、すなわち1段階のTFF処理に続くAEX段階が、抗体の精製工程に顕著には寄与しないことが確認される。この場合もやはり、実施例1と一致して、カラムの過負荷に起因して、AEX処理がHCDNAの濃度の低下に顕著には寄与しなかったと考えられる。過負荷の防止はおそらくは、顕著により大きなかつより高価なカラムを使用することによって改善され得る。
CEX段階の前に、産物流のpHを5.0に調整した。この試料は実施例1の対応する試料と比較して、HCPおよびHCDNAの顕著により低い濃度を有するにもかかわらず、本産物流中に沈殿がやはり観察された。この場合もやはり、試料の抗体濃度がpH調整前の値と比べて変化しなかったため、不純物のみが沈殿したと想定された。沈殿物を濾過により除去した。試料のpH調整/沈殿/濾過の後には、抗体単量体の解析も混入物の解析も行わなかった。
試料をその後CEXカラム上に負荷し、結合および溶出モードで操作した。算出された段階収率(単量体抗体)は99%であった。産物に関して、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は94%であった。先に報告したように、中間産物流を混入物濃度について試験しなかったため、混入物減少へのCEXの段階寄与は評価することができなかった。しかしながら、最終的なHCP負荷は16308 ng/mgであり、最終的なHCDNA負荷は65 pg/mlであった。
実施例4:
2段階TFFを用いた溶液からのタンパク質の処理
本実施例は、実施例3の、すなわち抗Ang2/VEGF抗体を含む供給流を用いて、実施例2を繰り返す。実施例2の方法は再度詳述せず、その方法からの逸脱のみを本明細書において報告する。
方法:
第1段階接線流濾過および透析濾過(保持物中の産物)
第1段階TFFでは、2.7 mg/mlの濃度の関心対象の抗体を含む950 mlの清澄化細胞培養上清を、134 mlまで濃縮した。緩衝液交換は実施例2と同様に進めた。
第2段階接線流濾過(透過物中の産物)
第2段階TFFでは、11.9 mg/mlの濃度の抗体を含む98 mlの産物流試料(すなわち、第1段階TFFからの保持物)を、18倍の緩衝液容積に対して透析濾過した。
濃縮
第3段階TFF/濃縮では、1.0 mg/mlの抗体を含む1524 mlの産物流を、157 mlの容積まで濃縮した。
陰イオン交換クロマトグラフィー
負荷がタンパク質80 g/クロマトグラフィー材料1 lであったことを除いて、AEXは実施例2の方法に従って進めた。
5.0へのpH調整
pH調整は、実施例2に詳述される通りに行った。
陽イオン交換クロマトグラフィー:結合および溶出モード
CEXは、実施例2に詳述される通りに行った。
抗体および混入物の決定
抗体濃度、ならびに混入物である宿主細胞タンパク質(「HCP」)および宿主細胞DNA(「HCDNA」)の濃度は、本実験を通して、実施例1に記載される方法に従って決定した。
結果
最初の供給流、中間産物流、および最終的な溶出液の抗体の濃度、抗体単量体の比率、および混入物レベルを表4に提供する。
Figure 2015533378
n.d.(未検)
先に報告されたように、最初の供給流は、2.7 g/lの抗体濃度を有する950 mlの清澄化細胞培養上清であった。HCP負荷は420531 ng/mgであり、HCDNA負荷は1443609 pg/mgであった。
50 kDカットオフによる第1段階TFFおよび緩衝液交換/透析濾過の後に、単量体抗体の算出された段階収率はおよそ86%であった。SE-HPLCによって検出された保持物の「単量体ピーク」は65%であった。1段階TFFにより、産物流のHCP負荷は6%だけわずかに増加し、HCDNA負荷は17%減少した。これは、実施例3において報告された1段階TFFと同じ単位操作である。
300 kDカットオフによる第2段階TFFの後に、単量体抗体の算出された段階収率は100%であった。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は75%であり、これは適用された供給物のもの (65%) よりも顕著に高い。第2段階TFFにより、産物流のHCP負荷およびHCDNA負荷は、それぞれ29%および86%減少した。
50 kDカットオフを有するカラムを使用するその後のTFF/濃縮段階について、算出された段階収率(単量体抗体)は100%であった。溶出試料について、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は76%であり、これは適用された供給試料におけるものよりもわずかに高かった。TFF/濃縮段階により、産物流のHCP負荷は10%増加したのに対して、HCDNA負荷は3%減少した。
2段階TFF前処理に続くAEXは、フロースルーモードで操作した。AEXの算出された段階収率(単量体抗体)は90%であった。SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は80%であり、供給試料 (76%) と比較してわずかに高かった。AEX単位操作により、産物流のHCP負荷は64%減少し、HCDNA負荷は87%減少した。実施例3(および実施例1)におけるような1段階TFF処理を用いるAEXとは対照的に、実施例2の結果、すなわち2段階TFF処理に続くAEXが、比較的高いカラム負荷においてフロースルーモードで操作されても、精製工程に顕著に寄与することが、HCPおよびHCDNAデータから確認される。
CEX段階の前に、産物流のpHを5.0に調整した。この場合もやはり、実施例1および3において報告された1段階TFFよりとは対照的に、かつ実施例2において報告された2段階TFF処理と一致して、この段階で産物流中に沈殿は観察されず、試料をCEXカラム上に直接負荷した。
CEXカラムは、結合および溶出モードで操作した。算出された段階収率(単量体抗体)は100%であった。産物に関して、SE-HPLCによって検出された「単量体ピーク」は95%であり、これは供給試料におけるもの(80%)と比較してはるかに高かった。CEXにより、供給試料のHCPおよびHCDNA負荷は、それぞれ93%および99.8%減少した。抗体の凝集物および断片の除去、ならびにHCPおよびHCDNAの劇的な減少から、CEXが20 g/lのカラム負荷において残存不純物を効率的に除去することが実証される(実施例2と一致)。
実施例1〜4の結果を考慮した一般的結論
当技術分野で公知の方法に従った1段階TFFを使用すると、混入物レベル(例えば、HCPおよびHCDNA)を満足に低下させることができず、下流クロマトグラフィー工程、例えばAEXの過負荷を招く。しかしながら、本発明による2段階TFFを使用することにより、AEXカラムの過負荷は所与のカラムサイズで妨げられた。これは、2段階TFF方法によって、現在実行されているよりも顕著に小さいクロマトグラフィーカラムを用いて、同じ最初の供給流に関して、効率的な混入物減少、例えばHCDNAおよび/またはHCP除去が可能になることを示す。これは、本明細書において開示される2段階TFF方法に付随する顕著な経済的利点を表す。
最新技術は、非親和性ベースの精製、例えばAEXおよびCEXの使用への関心を示している。しかしながら、これらの方法は満足できるものではなく、現在のところ、親和性ベースのシステムの有意義な代替物と見なされていない。特に、非アフィニティークロマトグラフィー工程の実行は、産物流中の沈殿物形成などの望ましくない影響と関連している場合が多い。例えば、CEXの前にpHを7.5から5.0に調整するための、1段階TFFの下流の産物流処理は、不純物の沈殿を引き起こした。沈殿物を除去するための産物流の処理は、時間を要し、かつさもなくば本明細書において詳述される顕著なコストを伴う。しかしながら、本発明の2段階TFF方法の実行により、この処理段階における沈殿物形成は排除され、収率は増加し、かつ沈殿物処理と関連したコストは削減される。
1段階TFFと本発明の2段階TFFの直接的な比較から、後者が、単量体産物のレベル、HCPレベル、およびHCDNAレベルに関する産物の品質に関して優れていることが明らかになった。

Claims (15)

  1. 2段階接線流限外濾過 (TFF) を用いて、関心対象のタンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を分離する方法であって、該2段階TFFが第1のTFF単位操作および第2のTFF単位操作を含み、
    第1のTFF単位操作が、該タンパク質が第1のTFF単位操作の保持物中に回収されるようなカットオフ値を有する第1の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第1の産物流を濾過し;かつ
    第2のTFF単位操作が、該タンパク質が第2のTFF単位操作の透過物中に回収されるようなカットオフ値を有する第2の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第2の産物流を濾過し;
    かつ、第1または第2の産物流が細胞培養上清である、
    方法。
  2. 第1の産物流が細胞培養上清であり、かつ第1のTFF単位操作が第2のTFF単位操作の上流にある、請求項1記載の方法。
  3. 2段階TFFが、前記タンパク質が第3のTFF単位操作の保持物中にあるようなカットオフ値を有する第3の限外濾過膜を用いて、該タンパク質を含む第3の産物流を濾過する第3のTFF単位操作をさらに含み、かつ第3のTFF単位操作が第1および第2のTFF単位操作の下流にある、請求項1または2記載の方法。
  4. 第3の限外濾過膜のカットオフ値が第2の限外濾過膜のカットオフ値と同じである、請求項3記載の方法。
  5. 前記タンパク質が、少なくとも10 kDであるが500 kD以下の分子量を有する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 第1の限外濾過膜が、前記タンパク質の分子量の2分の1(0.5倍)またはそれ未満のカットオフ値を有し、かつ
    第2の限外濾過膜が、該タンパク質の分子量の少なくとも2倍であるが1000 kD以下であるカットオフ値を有する、
    請求項5記載の方法。
  7. 前記タンパク質が150±75 kDの分子量を有する、請求項5または6記載の方法。
  8. 前記タンパク質が抗体である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  9. 第1の限外濾過膜が50 kDまたはそれ未満のカットオフ値を有し、かつ第2の限外濾過膜が300 kD〜1000 kDのカットオフ値を有する、請求項5〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 第1の限外濾過膜が50 kDのカットオフ値を有し、かつ第2の限外濾過膜が300 kDのカットオフ値を有する、請求項9記載の方法。
  11. 2段階TFFが、関心対象のタンパク質を含む溶液中の宿主細胞タンパク質 (HCP)の濃度を細胞培養上清と比べて少なくとも10%低下させ、かつ/または関心対象のタンパク質を含む溶液中の宿主細胞DNA (HCDNA)の濃度を細胞培養上清と比べて少なくとも30%低下させる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  12. 2段階TFFが、関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCPの濃度を、該タンパク質1 mg当たり400,000 ngもしくはそれ未満まで低下させ、かつ/または関心対象のタンパク質を含む溶液中のHCDNAの濃度を、該タンパク質1 mg当たり1,500,000 pgもしくはそれ未満まで低下させる、請求項8〜10のいずれか一項記載の方法。
  13. 2段階TFFの下流にカラムクロマトグラフィー工程をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  14. カラムクロマトグラフィー工程が非アフィニティーカラムクロマトグラフィー工程である、請求項13記載の方法。
  15. カラムクロマトグラフィー工程が陰イオン交換クロマトグラフィー (AEX) 単位操作または陽イオン交換クロマトグラフィー (CEX) 単位操作である、請求項13または14記載の方法。
JP2015538482A 2012-10-30 2013-10-28 2段階接線流限外濾過を使用するポリペプチドの精製 Active JP6345184B2 (ja)

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