JP2021535221A - 新規精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はポリペプチドを精製するための方法に関する。本発明はさらに具体的に、前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料からの関心のあるポリペプチドの改善された精製に関する。前記改善した方法において、その清澄化及び第一の精製ステップは一ステップのみの部分である。

Description

本発明はポリペプチドを精製するための方法に関する。本発明はさらに具体的に、前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料からの関心のあるポリペプチドの改善された精製に関する。前記改善した方法において、その清澄化及び第一の精製ステップは一ステップのみの部分である。
一般的な方法において、バイオテクノロジーにおける、製剤原料、例えばポリペプチドを入手する製造工程は、いくつかのステップに分かれている。第一に、関心のある分子を発現する宿主細胞はファーメンター(微生物工程)又はバイオリアクター(哺乳動物工程)によって大量に産生される。培養ステップの終わりで、その関心のある分子を回収し、このステップは遠心又は濾過のいずれかによる。
(本質的に微生物工程について)関心のある分子が不溶性の場合に、可溶性の形態を得る前に、リフォールディングステップを実施しなければならない。
清澄化した産物を得て、そしてその次のステップは分子を吸着し、いくつかの混入物質を取り除くクロマトグラフィー技術である。このステップは吸着と呼ばれる。追加のクロマトグラフィーステップはいつもその分子を精製するために必要であり、洗練する工程に続く限外濾過では、その関心のある分子を濃縮し、続いて透析濾過ステップでは規格化した条件において製品を製剤化する。例えば、WO9747650では、清澄化、続いて二つのイオン交換クロマトグラフィーステップを含むポリペプチドの精製方法を記載し、又はWO0048703では、ポリペプチドを精製するために、清澄化ステップに続いて、少なくとも一つのクロスフローフィルトレーションの使用を提唱する。
たいてい時間を消費し、そしてとても高価である、前記精製ステップの時間及びコストの改善のための、さらなる精製方法の需要がある。
本明細書に記載されるように、本発明は、関心のあるポリペプチドを前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料から精製するための方法、以下のステップを含む工程に関係する:i)前記試料を最初の清澄化ステップにかけることなく、前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料と、クロマトグラフィー樹脂とを接触すること;ii)クロマトグラフィー樹脂によるステップi)からの試料を、その関心のあるポリペプチドを、好ましくは撹拌条件下でその樹脂に結合することを可能にする十分な時間においてインキュベートすること;iii)ホローファイバー又は任意のタンジェンシャルフィルトレーションシステムにおいてクロマトグラフィー樹脂を再循環し、その関心のあるポリペプチドの濃縮の有無にかかわらず、少量を得ること;iv)その関心のあるポリペプチド及びその不純物を含む試料を透析濾過することによって洗浄し、不純物を取り除くこと;v)前記クロマトグラフィー樹脂から前記関心のあるポリペプチドを溶出すること;そしてvi)透析濾過によってクロマトグラフィー樹脂から精製した関心のあるポリペプチドを回収すること。
本発明に従い精製される、前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料は、好ましくは細胞培養物からの収集液又は細胞培養物であり、(例えば、その関心のあるポリペプチドが分泌される場合に)粗収集液又は粗細胞培養物のいずれか、又は(例えば、細胞の細胞質又は周辺質内で、そのポリペプチドが内部で産生される場合に、可溶性の又は封入体のいずれかにおいて)溶解、可溶化及びリフォールディングをかける収集液又は細胞培養物である。
本発明に従う関心のあるポリペプチドは、組換え宿主において産生され、組換え宿主によって分泌されるか組換え宿主の細胞質若しくは周辺質内に含まれるかのいずれかである。好ましくは、その組換え宿主は微生物のような原核細胞又は酵母のような下等真核細胞である。好ましい態様において、その関心のあるポリペプチドは、組換えタンパク質、融合タンパク質、免疫グロブリン又は抗体、又はそれらの任意の断片よりなる群から選択される。
定義
「バッファー」という用語は当該技術分野に従い用いられる。「平衡化バッファー」は、クロマトグラフィー樹脂を調製するために用いられるバッファーであり、精製される試料を受ける。「ローディングバッファー」は、クロマトグラフィーカラム又はフィルターに試料をロードするために用いられるバッファーを意味する。「洗浄バッファー」は樹脂を洗浄するために用いられるバッファーである。クロマトグラフィーのモードに依存して、(結合/溶出モードにおいて)不純物の除去又は(フロースルーモードにおいて)精製した試料の回収を可能にするだろう。「溶出バッファー」は、クロマトグラフィー材料からその試料を解離するために用いられるバッファーを意味する。これは、ローディング/洗浄バッファーと溶出バッファーとの間のバッファーの化学的な性質(例えば、イオン強度及び/又はpH)の変化のおかげで可能である。前記関心のあるポリペプチドを含む精製した試料は、それゆえ溶出物として回収されるだろう。
「樹脂」又は「クロマトグラフィー材料」という用語は、不純物から精製されるためにポリペプチドの分離を可能にする任意の固相を意味する。前記樹脂又はクロマトグラフィー材料はアフィニティー、陰イオン、陽イオン、又はミックスモード樹脂/クロマトグラフィー材料でありうる。本発明に従う樹脂は球状のビーズベースの樹脂であると考えられる。
(また、タンジェンシャルフィルトレーション又はクロスフローフィルトレーションとしても称される)タンジェンシャルフローフィルトレーションという用語は、(膜表面に「接線方向の」)膜の表面を横切りポンプを用いて試料を循環させる技術である。その適用した膜差圧は、膜を通じて可溶化物及び小分子を輸送する推進力として働く。膜表面にわたる液体のクロスフローはその表面のから残存する分子を掃き出し、それらを循環流内に保っている。
「タンジェンシャルフィルトレーションシステム」という用語は、タンジェンシャルフィルトレーションを行うことを可能にする装置を意味する。そのような装置は例えば、カプセル、カセット、又はホローファイバーモジュールでありうる。タンジェンシャルフローフィルトレーションのカセットは多層構造において収納される膜層で構成される。膜層は、(膜表面にわたり試料を分散する)チャネルスペーサー、その膜及び支持体である三つの主な構成要素からなる。分子及び粒子の分離はそれらのサイズに応じる。タンジェンシャルフローフィルトレーションのカセットはそれらの材料、カットオフ閾値及び膜面積に応じて変動する。その主な供給者はMerck Millipore、GE Healthcare、Sartorius、Pall and Spectrumである。
「ホローファイバー」という用語は、半透性の障壁を含む膜の種類を意味する。それらはファーメンター収集物のような高い粘度の産物を清澄化するために用いられうる。そのホローファイバーは平行に会合し、モジュールを形成する。産業的なモジュールは数千ものファイバーを有しうる。その分子及び粒子の分離はそれらのサイズに応じる。ホローファイバーのモジュールはそれらの材料、カットオフ閾値、膜面積、内腔の細孔径及びそれらの長さに応じて変動する。主な供給者はGE Healthcare及び(修飾したPES(mPES)を開発し濾過を改善した)Spectrumである。
本明細書で用いられる「清澄化」という用語は、宿主の破片を除去し、クロマトグラフィーカラム上の産物の吸着を可能にするステップを意味する。一般的に清澄化を、遠心分離及び/又は濾過、例えば精密濾過、深層濾過、又はさらにタンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)を介して実施する。
また、本明細書で用いられる「ポリペプチド」という用語は、ペプチド及びタンパク質を含み、2以上のアミノ酸残基を含む化合物を意味する。その用語は、これらに限定されないが、サイトカイン、増殖因子(例えば線維芽細胞増殖因子)、ホルモン、融合タンパク質、抗体、又はそれらの断片を含む。治療的なタンパク質は治療に用いられうる又は用いられるタンパク質を意味する。「タンパク質」又は「ポリペプチド」という用語は本明細書で交換可能に用いられる。
(また、組換えタンパク質としても称される)「組換えポリペプチド」という用語は、組換え技術によって産生されるタンパク質を意味する。組換え技術は当業者に周知である(Sambrook et al.,1989、及び最新版を参照)。
「Fc融合タンパク質」という(また、融合物とも呼ばれる)用語は、少なくともFc部分、例えば抗体の一部を含む、一つの単一のタンパク質を得るための少なくとも二つのタンパク質又は少なくとも二つのタンパク質断片の組み合わせを包含する。
「抗体(antibody)」、その複数形の「抗体(antibodies)」という用語は、とりわけ、ポリクローナル抗体、アフィニティー精製したポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗原結合フラグメントを含む。また、抗体は免疫グロブリンとして知られている。一般的に改変抗体は、組換え抗体と呼ばれている。また、組換えインタクト抗体又は断片、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、完全ヒト抗体、及び合成抗原結合ペプチド、及びポリペプチド、例えばナノボディ、scFv、又はFabを含む。また、含まれるものは、SEEDボディーである。(Strand−Exchange Engineered DomainにおけるSEED;複数形;SEED Bodiesである)SEEDボディーという用語は、ヒトIgG及びIgA CH3ドメインの誘導体を含む特定の種類の抗体を意味し、ヒトIgG及びIgA CH3配列の代替配列を含む相補的なヒトSEED CH3ヘテロダイマーを作り出す。それらは非対称の融合タンパク質である。SEEDボディー及びSEED技術は、それらの全体において本明細書に組み込まれる、Davis et al.2010又は米国特許番号8,871,912号において記載される。
単位、接頭語、及び符号は標準(国際単位系(SI))に従い用いられる。
たいてい時間がかかり、とても高価である、前記ステップの所要時間及び費用を改善するためにさらなる精製方法の需要がある。本発明は、クラプチャーと呼ばれる新たな1ステップにおける、清澄化ステップと第一のクロマトグラフィーステップとを組み合わせることにおいて精製の所要時間及びコストを改善しうる本発明者からの見解に基づいている。実施例のセクションにおいて示されるように、本発明に従う方法によって、清澄化/第一のクロマトグラフィーの時間を3分の1に削減でき、そしてこれらのステップに繋がる費用を(1回について)少なくとも65%に減少できた。1ステップ工程の利点は、例えば;大容量のクロマトグラフィーカラムにパックする必要がなく、(クロマトグラフィースキッドの定置洗浄がなく)少ない水の消費量、(消毒、貯蔵などの)排除したステップによる時間の節約等である。本発明に従い、その樹脂が(粗回収物のような)試料内に添加されるだけで、そして全混合物をホローファイバーによって濾過した。夾雑物を除去し、そして関心のある産物をクロマトグラフィー吸着ステップ後に回収した。
それゆえ、第一の側面において、本発明は、前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料から関心のあるポリペプチドを精製するための方法を提供し、前記工程は以下のステップを含む:
i)前記試料を最初の清澄化ステップにかけることなく、関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料と、クロマトグラフィー樹脂とを接触すること;
ii)関心のあるポリペプチドを、好ましくは撹拌条件下で、樹脂に結合することを可能にする十分な時間、クロマトグラフィー樹脂によるステップi)からの試料をインキュベートすること;
iii)ホローファイバー又は任意のタンジェンシャルフィルトレーションシステムにおけるクロマトグラフィー樹脂を再循環し、前記関心のあるポリペプチドを濃縮の有無に関わらず、少量を得ること;
iv)前記関心のあるポリペプチド及び前記不純物を含む試料を透析濾過することによって洗浄し、不純物を取り除くこと;
v)前記クロマトグラフィー樹脂から関心のあるポリペプチドを溶出すること;そして
vi)透析濾過によってクロマトグラフィー樹脂から精製した関心のあるポリペプチドを回収すること。
第二の側面において、本発明は、組換え宿主を培養するステップを含む関心のあるポリペプチドを産生する方法を提供し、(関心のあるポリペプチドを含む試料として定義される)その宿主の細胞培養物の全部又は一部を回収し(又は収集し)、そして、さらに前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む前記試料から前記関心のあるポリペプチドを精製することを含み、ここで、前記精製は以下のステップを含む;
i)前記試料を最初の清澄化ステップにかけることなく、関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料と、クロマトグラフィー樹脂とを接触すること;
ii)関心のあるポリペプチドを、好ましくは撹拌条件下で樹脂に結合することを可能にする十分な時間、クロマトグラフィー樹脂によるステップi)からの試料をインキュベートすること;
iii)ホローファイバー又は任意のタンジェンシャルフィルトレーションシステムにおいて前記クロマトグラフィー樹脂を再循環し、それによって前記関心のあるポリペプチドを濃縮し、一方で、前記不純物を取り除くこと;
iv)前記関心のあるポリペプチド及び前記不純物を含む試料を透析濾過することによって洗浄し、不純物を取り除くこと;
v)前記クロマトグラフィー樹脂から前記関心のあるポリペプチドを溶出すること;そして
vi)透析濾過によってクロマトグラフィー樹脂から精製した関心のあるポリペプチドを回収すること。
全体として本発明の文脈において、ホローファイバーはReadyToProcess 単回使用ホローファイバーカートリッジ、Midikros、MiniKros、又はMicroKrosモジュールからなる群より選択されうる。それは、それらの膜の構成物、カットオフ閾値、膜面積、内腔細孔径及び供給者に応じて選択される。そのようなホローファイバーの例はReadyToProcess 単回使用ホローファイバーカートリッジ及びMidiKrosモジュールであり、0.22μmのカットオフ及び1mmの内腔を有する。その膜面積は濾過される液量に依存する(小スケールで、標的への濾過性は200L/mである)。
全体として本発明の文脈において、そのクロマトグラフィー樹脂はプロテインA、プロテインA関連、陽イオン交換、陰イオン交換、及びミックスモードからなる群より選択されうる。好ましいクロマトグラフィー樹脂が陽イオン交換樹脂である場合に、前記樹脂は例えば、(それらに限定されないが、)以下からなる群から選択されうる;SP−SFF、Eschmuno CPS、poros XS、poros 50HS、Fractogel SO 、GIGA Cap C650M、又はGIGA CAP S650M。これらの樹脂は通常の条件において、試料のpHを上回るpIを有するタンパク質の精製の場合において行われるだろう。好ましいクロマトグラフィー樹脂がプロテインA樹脂である場合に、前記樹脂は例えば、(それらに限定されないが、)以下からなる群より選択されうる;MABSELECT(商標)、MABSELECT(商標)SuRe、MABSELECT(商標)SuRe LX、AMSPHERE(商標)A3、TOYOPEARL(登録商標)AF−rProteinA−650F、TOYOPEARL(登録商標)AF−HC、PROSEP(登録商標)−vA、PROSEP(登録商標)−vA Ultra、PROSEP(登録商標) Ultra Plus又はESHMUNO−A(登録商標)及びそれらの任意の組み合わせ。プロテインAは、例えばFcタンパク質又は免疫グロブリンの精製の場合において、選択の代替材料の一つでありうる。好ましいクロマトグラフィー樹脂が陰イオン交換樹脂である場合に、前記樹脂は例えば、(それらに限定されないが、)以下からなる群から選択されうる:Q Sepharose FF、Capto Q Impres、Capto Q、Capto DEAE、Poros 50HQ、Poros XQ,Fractogel TMAE、Fractogel DMAE、Fractogel DEAE、又はEshmuno Q。この樹脂は通常の条件において試料のpHを下回るpIを有するタンパク質の精製の場合において行われるだろう。好ましいクロマトグラフィー樹脂がミックスモード樹脂である場合に、前記樹脂は例えば、(それらに限定されないが、)以下からなる群から選択されうる:MEP Hypercel又はCapto Adhere。
精製されるタンパク質及びクラプチャーステップに使用される樹脂に応じて、樹脂に結合させるために、精製されるための試料のpH及び塩のある条件が(ローディングの条件に)適合されなければならないことを、当業者は理解するだろう。ある場合において、その試料はそれゆえ調節されなくてはならない(例えば、そのpH及び/又はその電導度の修飾)。当業者は、全体として本発明の文脈において、陽イオン交換樹脂である場合に、関心のあるタンパク質を含む試料のpHが関心のあるタンパク質のpIよりも低くなければならないことを理解すると考えられる。前記pHは好ましくはその樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIよりも少なくとも1ユニット低い。例えば、関心のあるタンパク質のpIが10.0である場合、試料の適当なpHの範囲は、好ましくは6.5.0から9.0、例えば、7.0、7.5、8.8.5、又は9.0であると考えられる。一方で、全体として本発明の文脈において、陰イオン交換樹脂である場合に、関心のあるタンパク質を含む試料のpHは関心のあるタンパク質のpIよりもより高くなければならないことを当業者は理解すると考えられる。例えば、関心のあるタンパク質のpIが5.5である場合に、試料のpHの適当な範囲は好ましくは6.5から8.5、例えば6.5、7.0、7.5、8.0、又は8.5であると考えられる。当業者は、用いられる樹脂の種類に関わらず、用いられる樹脂へ試料のpHを適応させる方法を共通の一般知識から知っているだろう(例えば、プロテインA、プロテインA関連、ミックスモード及び疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂)。
当業者は、その樹脂が関心のあるタンパク質と結合する目的のための、その樹脂を平衡化するために、平衡化バッファーのpH及び塩のある条件を適合しなくてはならないことを理解するだろう。当業者は、全体として本発明の文脈において、かつ使用のために選択する樹脂に依存して、当業者が平衡化バッファーの特性のために、その溶液のpH及び/又は電導度を変化しうることを理解するだろう。例えば、前記樹脂が陽イオン交換樹脂である場合に、当業者は関心のあるタンパク質のpIよりも低いpHを有する平衡化バッファーを使用しうる。前記pHは好ましくは、前記樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIよりも1ユニット低いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpIが10.0である場合に、溶出バッファーのpHの適当な範囲は好ましくは7.0から9.0、例えば7.0、7.5、8.0、8.5又は9.0である。一方、当業者は、樹脂が陰イオン交換樹脂である場合に、当業者は関心のあるタンパク質のpIよりも高いpHを有する平衡化バッファーを使用しうることを理解するだろう。前記pHは前記樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIよりも1ユニット高いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpIが5.5である場合、平衡化バッファーのpHの適当な範囲は好ましくは6.5から8.5、例えば6.5、7.0、7.5、8.0又は8.5であるだろう。別の選択肢では、使用する樹脂の種類に関係なく、当業者は、好ましくは低い電導度を有する、例えば0.2M未満、好ましくは0.15M未満の塩を含む平衡化バッファーを使用しうる。前記平衡化バッファーは例えば、0から0.12Mの範囲、例えば、0、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12Mにおける塩類含有量を有する。好ましくは、前記平衡化バッファーは約1から約20mS/cm、さらに好ましくは2から約20mS/cmの範囲における、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20mS/cmの電導度を有する。好ましくは、低い電導度の平衡化バッファーを得るために用いられる塩は、(これらに限定されないが)NaCl又は硫酸アンモニウムからなる群より選択される。前記平衡化バッファーは、(これらに限定されないが、)ホスフェート、クエン酸、酢酸、TRISのような様々な種類からなりうる。
当業者は、樹脂を洗浄するために、その不純物が除去され関心のあるタンパク質を分離しなければならない目的に、ある条件の洗浄バッファーのpH及び塩が適合しなければならないことを理解するだろう。当業者は、全体として本発明の文脈において、当業者が洗浄バッファーの特性のためにその溶液のpH及び/又は電導度を変化しうることを理解するだろう。例えば、前記樹脂が陽イオン交換樹脂である場合に、当業者は関心のあるタンパク質のpIよりも低いpHを有する洗浄バッファーを使用しうる。前記pHは好ましくは前記樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIよりも1ユニット低いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpIが10.0である場合、洗浄バッファーのpHの適当な範囲は好ましくは7.0から9.0、例えば7.0、7.5、8.0、8.5又は9.0であると考えられる。一方で、当業者は、前記樹脂が陰イオン交換樹脂である場合、当業者は関心のあるタンパク質のpIよりも高いpHを有する洗浄バッファーを使用しうる。前記pHは好ましくは前記樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIよりも1ユニット高いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpIが5.5である場合、洗浄バッファーのpHの適当な範囲は好ましくは6.5から8.5、例えば6.5、7.0、7.5、8.0、8.5であるだろう。別の選択肢では、使用する樹脂の種類に関係なく、当業者は、低い電導度を有する洗浄バッファー、例えば0.2M未満、より好ましくは0.15M未満の塩を含む洗浄バッファーを使用しうる。洗浄バッファーは、例えば0から0.12Mの範囲において、例えば0、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11又は0.12Mの塩類含有量を有する。好ましくは、その洗浄バッファーは約1から約20mS/cm、より好ましくは2から20mS/cmの範囲の、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20mS/cmの電導度を有する。好ましくは、低い電導度の洗浄バッファーを得るために使用される塩は、(これらに限定されないが)NaCl又は硫酸アンモニウムからなる群より選択される。前記洗浄バッファーは様々な種類、(これらに限定されないが、)例えばホスフェート、クエン酸、酢酸、TRISからなりうる。
当業者は、全体において本発明の文脈における、前の洗浄の後の第二の洗浄がさらなる不純物を取り除くために適用されうることを理解するだろう。当業者は、当業者が前記洗浄バッファーの特性のために溶液のpH及び/又は電導度を変化しうることを理解するだろう。一方で、当業者は、前記樹脂が陰イオン交換樹脂である場合、当業者が第一の洗浄バッファーよりも低いが、溶出バッファーのpHよりも高いpHを有する第二の洗浄バッファーを使用しうることを理解するだろう。別の選択肢では、使用される樹脂の種類に関係なく、当業者は、第一の洗浄バッファーよりも高いが、溶出バッファーよりも低い電導度を有する第二の洗浄バッファーを使用しうる。
同様に、当業者は、その樹脂から関心のあるタンパク質を溶出するために、精製されるタンパク質及びクラプチャーステップのために用いられる樹脂に応じて、溶出バッファーのある条件のpH及び塩を適合させる必要があることを理解するだろう。当業者は、全体として本発明の文脈において、当業者が溶出バッファーの特性のためにその溶液のpH及び/又は電導度を変化しうることを理解するだろう。例えば、前記樹脂が陽イオン交換樹脂である場合、当業者は関心のあるタンパク質のpIよりも高いpHを有する溶出バッファーを用いうる。
前記pHは好ましくはその樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIより1ユニット高いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpHが10.0である場合、溶出バッファーのpHの適当な範囲は好ましくは11.0から12.0、例えば、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9又は12.0であるだろう。一方で、当業者は、前記樹脂が陰イオン交換樹脂である場合、当業者が、関心のあるタンパク質のpIより低いpHを有する溶出バッファーを使用しうることを理解するだろう。前記pHは好ましくはその樹脂の効率を最大化するタンパク質のpIより1ユニット低いpHである。例えば、関心のあるタンパク質のpIが5.5である場合、溶出バッファーの適当な範囲は好ましくは3.0から4.5、例えば、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4又は4.5であるだろう。別の選択肢では、使用される樹脂の種類に関係なく、当業者は高い電導度を有する溶出バッファー、例えば0.4Mを超える塩を含む溶出バッファー、好ましくはその溶出バッファーは0.4から3M、さらに好ましくは0.5から2Mの範囲内の、例えば0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3.1.4、1.5、1.7、1.8、1.9又は2Mの塩類含有量を有する溶出バッファーを用いうる。好ましくは、前記溶出バッファーは約40から約300mS/cmの、より好ましくは50から約200mS/cmの範囲における、例えば50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、170、200mS/cmの電導度を有する。好ましくは、高い電導度の溶出バッファーを得るために用いられる塩は、(これらに限定されないが、)NaCl又は硫酸アンモニウムからなる群より選択される。前記溶出バッファーは様々な種類、例えば(これらに限定されないが、)ホスフェート、クエン酸、Tris、酢酸からなりうる。
全体として本発明の文脈において、関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料は、(これらに限定されないが、)細胞培養物、細胞培養物の上清、又は細胞培養物からの収集液からなる群より選択される。好ましくは、前記試料は1)前記タンパク質が細胞培地内に分泌される場合に、粗細胞培養物、細胞培養物の粗上清、若しくは粗収集液か、2)精製されるタンパク質が封入体の形状である場合に、粗細胞培養物、細胞培養物の粗上清、粗収集液、溶解、可溶化及びリフォールディングにかけられた粗細胞ホモジネートのいずれかである。
全体として本発明の文脈において、その組換え細胞は微生物細胞のような原核細胞又は酵母のような下等真核生物細胞である。その原核細胞が微生物細胞である場合に、(これらに限定されないが)グラム陰性又はグラム陽性菌、例えば大腸菌(E.Coli)、枯草菌(B.subtilis)、乳酸菌、ラクトコッカス、緑膿菌(P.aeruginosa)、ネズミチフス菌、又は霊菌からなる群より選択されうる。その細胞が酵母である場合に、(これらに限定されないが、)出芽酵母又はピキア・パストリスからなる群より選択されうる。
全体として本発明の文脈において、(また、本明細書に関心のあるタンパク質として称される)関心のあるポリペプチドは、本明細書に定義されるように、組換えタンパク質、融合タンパク質、免疫グロブリン、又は抗体、又はそれらの任意の断片からなる群より選択される。それは、例えば、(これらに限定されないが、)サイトカイン、(線維芽細胞増殖因子のような)増殖因子、ホルモン、ナノボディ又はSEEDボディーを含む。
全体として本発明の文脈において、取り除かれる不純物は、関心のあるポリペプチドの凝集体又は断片、又はそれらの混合物、一以上の宿主細胞のタンパク質、エンドトキシン、ウイルス、核酸分子、脂質、多糖、及び任意のそれらの組み合わせからなる少なくとも一つの群から選択される。
全体として本発明の文脈において、ステップv)から回収した精製したポリペプチドは、任意にさらに少なくとも一つの追加の精製ステップを通じて精製される。その少なくとも一つの追加の精製ステップはアフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及びミックスモードクロマトグラフィーからなる群より選択されうる。行われる場合に、この任意の追加の精製ステップは、ステップvi)と称される。ステップv)及び/又はステップvi)より回収される精製したポリペプチドは、任意の濾過システム、例えば限外濾過(UF)、透析濾過(DF)又はそれらの組み合わせ(UF/DF)を用いて、任意にさらに濃縮されうる。
本明細書の特許請求の範囲内の本発明の他の態様は、本明細書に開示される本発明の明細書又は実施を考慮することから当業者に明らかだろう。本明細書は、実施例と共に、実施例に従う請求項によって示される発明の範囲及び精神により、例示のみと考えられることを意図される。
プロテイン1を精製するための従前の工程 プロテイン1のためのクラプチャー工程 1時間撹拌後の、プロテイン1のための異なるCEX樹脂の静的容量 プロテイン2を精製するための従前の工程 プロテイン2のためのクラプチャー工程 1時間撹拌後の、プロテイン2のための異なるCEX樹脂の静的容量
材料
プロテイン1はE.Coliからの封入体において産生される増殖因子である。それは20kDaの分子量及び10.5のpIを有する。
プロテイン2はピキア・パストリスにおける分泌されるタンパク質として産生されるタンパク質である。それは40.1kDaの分子量及び5.85のpIを有する。
Figure 2021535221
Figure 2021535221
実施例1:プロテイン1における従来の精製工程
プロテイン1を精製するための従来の工程は、バイオリアクターにおける組換えE.Coli細胞の培養後、以下のステップを含む(図1参照):
a)通常の手順に従い、プロテイン1を含む粗試料に含まれる細胞を溶解し、封入体を放出する。
b)通常の手順に従い、封入体を可溶化及び封入体に含まれるプロテイン1のリフォールディングにより、リフォールド試料を産生する(量:2,500L)。
c)ポリフッ化ビニリデン(PDVF;10〜12mの表面、<300L/mの濾過性)上のリフォールド試料の清澄化。このステップの所要時間は約120〜180分である。
d)結合溶出モードにおいて、15g/Lのローディング容量を有するCEX樹脂、SP−SFF型のプレ処理した試料内に含まれる関心のあるタンパク質を吸着し、関心のあるタンパク質を含む溶出物を産生する。
e)溶出物内に含まれるプロテイン1の洗練(すなわち、プロテイン1のさらなる精製)
f)関心のあるタンパク質の最終の精製及び濃縮のためのUF/DF。
従来の工程に従い、清澄化ステップに続いて、クロマトグラフィーカラム上のSP−SFF樹脂による吸着ステップは約24時間(清澄化について約5時間そして吸着について約19時間)の所要時間を有した。収率は60%であり、吸着ステップ後のHCPsは250ppm未満であった。プロテイン1の純度は100%だった。
実施例2:プロテイン1のための新規精製工程
プロテイン1のためのホローファイバーの濾過性の評価
まず第一に、ホローファイバーがプロテイン1において使用されうるか調べる必要があった。それゆえホローファイバー(PES)の濾過性を、PVDFの濾過性と比較した。
用いられた濾過の条件を以下の表1に報告する(表1):
Figure 2021535221
上記の表1に示すように、濾過の所要時間を約60%減少することができた。ホローファイバーによる濾過がより速かっただけでなく、また、:1)低圧で実施され、メンブランフィルターによって頻繁に見られうる目詰まりのリスクを減らし、2)小さな表面(420cm対1000cm)によって、それによって必要な濾過表面を約60%まで減少した。ホローファイバーの使用は、以下の表2において分かるように精製した産物(ここではプロテイン1)の質に影響を及ぼさなかった:
Figure 2021535221
ホローファイバー上の樹脂ビーズの影響の評価
ファイバーの変質に繋がる、摩耗高価を有すると考えられるので、ホローファイバー上の樹脂ビーズの影響を評価することを必要としていた。それゆえ、透過水量を測定する目的によって研究を実施した。時間の経過後の一定の流量はファイバーがビーズの存在によって影響を受けないことを意味する。それとは反対に、その流速が増加する場合、ファイバーの変質の兆候であると考えられる。その条件を以下の通りである(表3):
Figure 2021535221
ホローファイバーを含むシステムにおいて、樹脂ビーズの添加前に第一の透過水速度を決定した:基準の流速は300LMHBだった。続いて、SP−SFFビーズをホローファイバーモジュール内で再循環した。再循環1時間後、その透過水量を測定した。9の独立した試験において試験を繰り返した。ホローファイバー上のビーズの負の影響を検出しなかった(データは示されていない)。
新たなクラプチャーステップ
ホローファイバーはプロテイン1を濾過するために効果的に用いられうり、そして樹脂ビーズは濾過膜に損傷を与えないので、クラプチャー法を試験できる。
樹脂ビーズの調製:使用する前に、その樹脂ビーズを高い塩濃度のバッファー(2M NaCl)によって一度洗浄し、樹脂ビーズから保存用バッファーを除去した。続いて、遠心後、上清を除去し、(50mM Tris、120mM NaCl、pH8.0の)平衡化バッファーを添加した(加えられた容量は最大10容量の樹脂と等量だった)。ビーズの平衡化を(同じ平衡化バッファーによって)3回実施した。その樹脂ビーズが適当に平衡化されたか確認するために、pH及び電導度を最後の上清において測定した。最後の上清のpH及び電導度が平衡化バッファーのpH及び電導度に一致する場合に、ビーズの平衡化は良好だった。
クラプチャー法の主なステップを以下に示す(図2):
a)任意の濾過ステップの前にリフォールド試料内に平衡化した樹脂ビーズを直接加えた。この段階では、そのリフォールド試料は8.0±0.05のpH及び16.5±0.5mS/cmの電導度を有する。その樹脂ビーズをクロマトグラフィーカラム内にパックしなかった。
b)樹脂ビーズとリフォールド試料との混合物を撹拌し、プロテイン1を樹脂ビーズに結合させた。従来の工程の滞留時間をシミュレートするために試験した接触時間は15分だった。
c)樹脂ビーズ/プロテイン1とリフォールド試料との混合物をホローファイバーによる濾過を介して濃縮した。
d)樹脂ビーズを、樹脂ビーズに結合しないタンパク質及び不純物(これらは透過によって排除される)を除去する目的を有する(平衡化バッファーと同じ、すなわち50mM Tris、120mM NaCl、pH8.0で)洗浄バッファーによる透析を介して洗浄した。その樹脂ビーズは循環内にある。
e)洗浄した樹脂ビーズ(すなわち循環)を(50mM Tris、1M NaCl pH8.0を含む)溶出バッファー内にかけ、樹脂ビーズから関心のあるプロテイン1を溶出した。
従前の工程による60%に対して、収率は15%だけだった。第一に、最善の撹拌時間を決定する必要があった。未パックの条件において、タンパク質とビーズとの結合が異なる。
異なる撹拌時間、樹脂及び容量の評価
第一の試験の収率がとても低かったので、撹拌時間のパラメータを3点評価した。異なるCEX樹脂を2容量で試験した:15及び30g/L(使用前、その樹脂ビーズを上記のように調製した)。
a)平衡化した樹脂ビーズを任意の濾過ステップ前にリフォールド試料内に直接加えた。この段階で、そのリフォールド試料をクロマトグラフィーカラム内にパックしなかった。
b)異なるCEX樹脂を試験した:SP−SFF(元々の工程の樹脂)、Eschmuno CPS、POROS XS、Fractogel SO 、Giga Cap C650M及びGiga Cap S650M。
c)ビーズ+リフォールド試料の混合物を撹拌し、プロテイン1を樹脂ビーズに結合させた。異なる接触時間を試験した:1時間、6時間及び15時間。プロテイン1について各樹脂の結合容量を評価するために、いくつかの試料を次のステップの前に除去した。
d)ビーズ/プロテイン1+リフォールド試料の混合物を遠心した。
e)その上清を分析した。
第一に、最善の条件の樹脂ビーズ+の撹拌時間を決定する必要があった。それは、Eschmuno CPS及びFractogel SO は、30g/Lを超えるプロテイン1が1時間の接触時間後に吸着されたと考えられるので、他の樹脂よりもさらにより高い吸着効率を有した驚くべき発見だった(図3)。
工程条件の確認
a)(Fractogel SO 、上記と同様のプロトコルに従い平衡化した)樹脂ビーズを任意の濾過ステップ前に(30g/Lのリフォールドの容量で)リフォールド試料に直接添加した。この段階で、そのリフォールド試料は8.0±0.05のpH及び16.5±0.5mS/cmの電導度を有した。その樹脂ビーズをクロマトグラフィーカラム内にパックしなかった。
b)樹脂ビーズ+リフォールド試料の混合物を撹拌し、プロテイン1を樹脂ビーズに結合させた。その接触時間は1時間だった。
c)樹脂ビーズ/プロテイン1+リフォールド試料の混合物をホローファイバーによる濾過を介して濃縮した(12倍)。
d)樹脂ビーズを、樹脂ビーズに結合しないタンパク質及び不純物を除去する(それらは透過によって排除される)目的で、(平衡化バッファーと同じ、すなわち50mM Tris、120mM NaCl、pH8.0で)洗浄バッファーによる透析を介して洗浄した。その樹脂ビーズは循環内にある。
e)洗浄した樹脂ビーズ(すなわち循環)を1M NaClで調節し、溶出を実施した。
f)その循環物を溶出バッファーによって透析し、樹脂ビーズから関心のあるプロテイン1を溶出した。
その収率は46%であり、HCPsは130ppmだった。
様々な試験の後に、プロテイン1について、最善の条件が以下のように決定した:
−120mM NaCl、50mM tris、pH8.0を含む平衡化バッファー
−ステップc):12倍濃縮
−ステップd):120mM NaCl、50mM tris、pH8.0を含む平衡化バッファー
−ステップe):粉末のNaClの追加による1M NaClでの循環物の調節後、1mM NaCl、50mM tris pH8.0を含む溶出バッファーによるf)溶出。
新たな工程に従い、その清澄化ステップに続いてFractogel SO による吸着ステップは(ステップb)における接触の1時間を含む)5時間の所要時間を有した。さらに、元々の工程では、フィルターの早いファウリングのため、大きな膜表面が必要である。本明細書に示される新たな発明によって、シリンダーのようなホローファイバーの形状は目詰まりを避けることを可能にした。それゆえ、精製は速くなりうり、より小さな膜を用いられうる。
この新たなクラプチャーステップのおかげで、(特に、短い所要時間、より簡単な実行、少量の必要とされる樹脂、カラム内に樹脂をパッキングする必要がないことに関連し、)コストを著しく(製造スケールについてデータ計算で)1回あたり約65%削減した。
実施例3:プロテイン2の従来の精製工程
プロテイン2を精製するための従来の工程は、バイオリアクター内の組換えP.pastorisの培養後、以下のステップを含む(図4参照):
a)ホローファイバー上の収集物の清澄化。
b)結合溶出モードにおいて、50g/Lのローディング容量を有するMEP型のミックスモード樹脂上のプレ処理した試料を含む関心のあるタンパク質へ吸着し、関心のあるタンパク質を含む溶出物へと繋げること。
c)溶出物内に含まれる関心のあるタンパク質の洗練(すなわち、関心のあるタンパク質のさらなる精製)。
d)関心のあるタンパク質の最終精製及び濃縮のためのUF/DF。
従来の工程に従い、清澄化ステップに続きクロマトグラフィーカラム上のMEP樹脂による吸着ステップは(清澄化について約5時間、吸着について約13時間の)約18時間の所要時間を有した。その収率は95%であり、そのHCPsは吸着ステップ後、おおよそ500〜800ppmだった。プロテイン2の純度は97.7%だった。
実施例4:プロテイン2について新たな精製工程(図5参照)
a)(実施例2において記載されるように平衡化した)樹脂ビーズを、任意の濾過ステップ前に直接粗試料(100g/Lの粗試料)に添加した。この段階で、その粗試料は7.0±0.1のpH及び4±0.5mS/cmの電導度を有する。その樹脂ビーズをクロマトグラフィーカラム内にパックしなかった。
b)異なるCEX樹脂を試験した:SP−SFF、Eschmuno CPS、POROS 50HS、Fractogel SO 、Giga Cap C650M及びGiga Cap S650M。
c)樹脂ビーズ+粗試料の混合物を撹拌し、プロテイン2を樹脂ビーズに結合させた。試験した接触時間は1時間である。
d)ビーズ/プロテイン+粗試料の混合物を遠心した。
e)その上清を分析した。
第一に樹脂ビーズの最善の条件を決定することを必要とされた。驚くべきことに、Eschmuno CPS及び、比較的程度は低いがPOROS 50HSは、Eschmuno CPSとの接触1時間後に80g/Lを超えるプロテイン2が、そしてPOROS 50HSにより最大で60g/Lが吸着しうるように、他の樹脂よりも高い吸着能力を有したことが分かった(図6参照)。
工程条件の確認
a)樹脂ビーズ(平衡化バッファーを除いて、上記のプロトコルごとに平衡化された、Eschmuno CPS)を任意の濾過ステップ前に(粗試料の80g/Lの容量で)粗試料に直接添加した。樹脂に関心のある分子を結合させるために、その試料を修飾した。試料のpHを酢酸により4.0±0.2に調整した。その樹脂ビーズをクロマトグラフィーカラムにパックしなかった。
b)樹脂ビーズ+リフォールド試料の混合物を撹拌し、プロテイン2を樹脂ビーズに結合させた。その接触時間は1時間である。
c)樹脂ビーズ/プロテイン2と粗試料との混合物をホローファイバーによる濾過を介して濃縮した。
d)その樹脂ビーズを、樹脂ビーズに結合しないタンパク質及び不純物(これらは透過によって排除される)を除去する目的により、洗浄バッファーによる透析を介して洗浄した。
e)循環物を溶出バッファー(200mM Tris、pH11)によって透析し、樹脂ビーズから関心のあるプロテイン2を溶出した。
様々な試験後、プロテイン2について、最善の条件を以下のように決定した:
−平衡化バッファー:50mM 酢酸 pH4.0。
−ステップc):1.8倍濃縮。
−ステップd):洗浄バッファーは平衡化バッファーと同じであるが、pHがごくわずかに高い(一方で精製されるタンパク質のpIを未だに下回る)。
−ステップe)200mM Tris、pH11を含む溶出バッファーによる溶出。
新たな工程に従い、Eschmuno CPSによるクラプチャーステップは(ステップb)の1時間の接触を含む)5時間の所要時間を有した。その収率は100%で、そのHCPsはクラプチャーステップ後35000ppmだった。
この新たなクラプチャーステップのおかげで、特に、短い所要時間、より簡単な実行、少量の必要な樹脂、カラム内に樹脂をパッキングする必要がないことに関連し、製造スケールでコストを著しく(1回あたり)約64%削減した。
全体の結論:
本発明は驚くべきことに、クラプチャーと称される新たな工程が精製時間を減少し、(クラプチャーは、小スケールで清澄化と第一の精製ステップとの両方を含む工程と比較して、第一の精製工程の時間について少なくとも3分の1に減らし、)そしてE.Coli又はピキアのいずれかにおいて産生したタンパク質の精製について、生産コストを(1回あたり)約65%削減することを発見した。
参考文献
1.WO9747650
2.WO0048703
3.Sambrook et al.,1989,及び最新版

Claims (14)

  1. 関心のあるポリペプチドを前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む試料から精製するための方法であって、次のステップ:
    i)前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む前記試料と、クロマトグラフィー樹脂とを、前記試料を最初の清澄化ステップにかけることなく、接触すること;
    ii)ステップi)からの前記試料を、前記クロマトグラフィー樹脂と、前記樹脂が前記関心のあるポリペプチドに結合することを可能にする十分な時間、好ましくは撹拌条件下で、インキュベートすること;
    iii)ホローファイバー又は任意のタンジェンシャルフィルトレーションシステムにおいて前記クロマトグラフィー樹脂を再循環し、それによって前記関心のあるポリペプチドを濃縮し、一方で、前記不純物を取り除くこと;
    iv)不純物を取り除くために、前記関心のあるポリペプチド及び前記不純物を含む前記試料を透析濾過によって洗浄すること;
    v)前記クロマトグラフィー樹脂から前記関心のあるポリペプチドを溶出すること;そして
    vi)透析濾過によって前記クロマトグラフィー樹脂から前記精製した関心のあるポリペプチドを回収すること;
    を含む方法。
  2. 前記クロマトグラフィー樹脂がプロテインA、プロテインA関連、陽イオン交換及び陰イオン交換樹脂からなる群より選択される、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  3. 前記クロマトグラフィー樹脂が陽イオン交換樹脂である、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記回収した精製したポリペプチドが、さらに任意に少なくとも一つの追加の精製ステップを通じて精製される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも一つの追加の精製ステップがアフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及びミックスモードクロマトグラフィーからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記回収した精製したポリペプチドが、任意にさらに限外濾過(UF)、透析濾過(DF)、又はその組み合わせ(UF/DF)を用いて濃縮される、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記関心のあるタンパク質を含む前記試料のpHが前記関心のあるタンパク質のpIよりも少なくとも1ユニット高い、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 精製される前記関心のあるタンパク質を含む前記試料が、約0から約20mS/cmの範囲内の電導度である、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記関心のあるポリペプチド及び不純物を含む前記試料が、収集液又はポストハーベスト(すなわち、さらなる加工前に冷却した温度で維持される収集物)からなる群より選択される。
  10. 前記収集液が可溶化及びリフォールディングにかけられる粗収穫物、粗ポストハーベスト又は収穫物、ポストハーベストのいずれかである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記関心のあるタンパク質が組換え細胞内において産生され、かつ前記組換え細胞によって分泌される又は前記組換え細胞により産生される封入体に含まれるかのいずれかである、先の請求項のいずれか一項の方法。
  12. 前記組換え細胞が細菌性細胞のような原核細胞又は酵母のような下等真核細胞である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記関心のあるポリペプチドが組換えタンパク質、融合タンパク質、免疫グロブリン又は抗体、又はそれらの任意の断片からなる群から選択される、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記不純物が前記関心のあるタンパク質、一以上の宿主細胞のタンパク質、エンドトキシン、ウイルス、核酸分子、脂質、多糖、及び任意のそれらの組み合わせの凝集物又は断片、又はその混合物、からなる少なくとも一つの群から選択される、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
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