JP2015531367A - ベリノスタットおよびトラベクテジンを用いる併用療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般に、(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物と(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物との組合せ(例えば、相乗的組合せ)を使用する、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患および障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)を治療するための療法に関する。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2012年9月28日に出願された英国特許出願第1217439.7号および2012年9月28日に出願された米国仮特許出願第61/707,063号に関連し、前記両方の出願の内容がその全体として参照により本明細書に組み込まれるものとする。
技術分野
本発明は一般に、(a)ベリノスタット(belinostat)、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物と(b)トラベクテジン(trabectedin)、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物との組合せ(例えば、相乗的組合せ)を使用する、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患および障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)を治療するための療法に関する。
本発明および本発明が属する分野の最新技術水準をより完全に説明および開示するために、本明細書において多くの特許および刊行物を引用する。これらの参考文献のそれぞれが、個々の参考文献のそれぞれが具体的かつ個別に参照により組み込まれると指示されているものと同程度に、その全体として参照により本開示に組み込まれるものとする。
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲の全体を通して、文脈上他に要求されない限り、単語「含む」(ならびにその変化形)は、述べられた整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含することを意味するが、他の任意の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群の除外を意味しないと理解されよう。
本明細書および添付される特許請求の範囲において使用される場合、単数形の表現は、文脈が他に明白に指示しない限り、複数の指示物を包含することに留意しなければならない。したがって、例えば、「医薬担体」への言及は、2種以上の前記担体の混合物を包含する。
本明細書において、範囲は、しばしば、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現される。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は前記ある特定の値から、および/または前記別の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用により値が近似値として表現される場合、前記特定の値が別の実施形態を構成することが理解されよう。
この開示は本発明を理解するために役立ち得る情報を含む。これは、本明細書に提供されるいかなる情報も本出願において特許請求されている発明に対する先行技術であるか、もしくはこれに関連していることを認めるものではなく、または明示的にもしくは暗黙に言及されるいかなる刊行物も先行技術であることを認めるものではない。
軟部肉腫
軟部肉腫(STS)は、結合組織に発生する肉腫の型である。これらは比較的稀な癌であり、毎年のすべての新規癌症例の1%未満を占める。これは、軟部組織中の細胞が、より多く悪性腫瘍を発症する組織とは異なり、連続的に細胞分裂を行っていないためであろう。一般に、軟部肉腫の治療は癌のステージに依存する。肉腫のステージは大きさと腫瘍の悪性度、ならびに癌がリンパ節または体の他の部分に拡散しているかどうか(転移)に基づく。軟部肉腫のための治療選択肢としては、手術、放射線療法、および化学療法が挙げられる。軟部肉腫は発生の部位および組織学的特徴に基づいて型を分類することができる。主な細分類は、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫(lyeolar soft part sarcoma)の、隆起性皮膚繊維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、および巨細胞線維肉腫である。
小さい腫瘍は手術によりうまく取り除くことが可能であるが、進行した軟部肉腫を有する患者は、現在利用可能な化学療法レジメンを用いた場合でさえも、非常に不良な予後を有する。したがって、公知の薬物の最適化された新規組合せを含めた軟部肉腫のための新しい薬物治療には、多大の満たされていない医学的要求が存在する。
骨肉腫
骨肉腫は間葉由来の原始的形質転換細胞から生じる侵攻性の悪性新生物であり、骨芽細胞分化を示し、悪性類骨を形成する。これは原発性骨癌の最も一般的な組織学的形態である。骨肉腫は小児癌の8番目に多い形態であり、小児科患者におけるすべての悪性腫瘍の2.4%を占める。骨および関節の悪性新生物に起因する死が小児癌死に占める割合は知られていない。骨肉腫による死亡率は1年あたり約1.3%減少してきており、骨肉腫における長期生存確率は20世紀末の期間に劇的に改善されて、2009年に約68%であった。骨肉腫に対する化学療法の成功にもかかわらず、骨肉腫は小児癌における最も低い生存率を有する癌の1つである。報告された最高の10年生存率は92%であり、使用されたプロトコルは、動脈造影による反応に基づいて療法を個別化する攻撃的動脈内レジメン(aggressive intra-arterial regimen)である。いくつかの研究において、3年無再発生存率は50%〜75%の範囲であり、5年生存率は60%〜85+%の範囲である。全体では、5年前に治療された患者の65〜70%が現在も生存することになろう。それでもなお、公知の薬物の最適化された新規組合せを含めた骨肉腫のための新しい薬物治療には、多大の満たされていない医学的要求が存在する。
卵巣癌
卵巣癌は米国の女性における癌死の原因の4位であり、他の婦人科悪性腫瘍のすべてを合わせたよりも多くの死を引き起こす。
米国において、女性の卵巣癌発症の生涯リスクは70人中1人である。1992年に約21,000例の卵巣癌が報告され、約13,000人の女性がこの病気で死亡した。例えば、Ovarian Cancer, Harrison’s Principles of Internal Medicine、第13版、Isselbacherら編、McGraw-Hill New York (1994)、第321章、1853〜1858ページ;およびAmerican Cancer Society Statistics, Cancer J. Clinicians, Vol. 45, No. 30 (1995)を参照されたい。
最も一般的な卵巣癌である上皮性卵巣癌は特有の進展パターンを有し、癌細胞が腹膜腔全体に移動して臓側腹膜および側壁腹膜ならびに片側横隔膜に多発性転移性小結節を形成する。それに加えて、転移は肝臓、肺および脳などの離れた部位にも起こり得る。初期卵巣癌はしばしば無症候性であり、内診の際に卵巣腫瘤を触診することにより偶然発見される。閉経前の患者において、これらの腫瘤の約95%が良性である。閉経後でさえも、70%の腫瘤が良性であるが、何らかの膨脹を発見した場合には悪性腫瘍を除外するための評価が必要である。骨盤腔内腫瘤を有する閉経後の女性において、65 U/mLを超える著しく上昇した血清CA 125レベルは、96%の陽性適中率で悪性を示す。例えば、Ovarian Cancer, Harrison’s Principles of Internal Medicine、第13版、Isselbacherら編、McGraw-Hill New York (1994)、第321章を参照されたい。
上皮性卵巣癌は35歳未満の女性がかかることは稀である。その発生率は年齢と共に急激に増加して75〜80歳で最大となり、年齢中央値は60歳である。この癌の唯一の最も重要な危険因子は乳癌または卵巣癌の強い家族歴である。卵巣癌に関連する発癌遺伝子としては、卵巣癌の1/3において過剰発現されるHER-2/neu(c-erbB-2)発癌遺伝子、fms発癌遺伝子、および卵巣癌の約半分において見られるp53遺伝子における異常が挙げられる。多くの環境因子も上皮性卵巣癌のリスクの上昇に関連しており、これには高脂肪食、およびガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼの組織レベルが比較的低い被験体におけるラクトースの摂取が含まれる。
進行した上皮性卵巣癌に対する国際的に受け入れられた第一選択化学療法はカルボプラチンとパクリタキセルとの組合せである。典型的な結果は、17〜20月の無増悪生存(PFS)中央値および3〜5年の生存中央値である。第二選択治療は寛解の期間により決定される。最後の治療から6か月以内に再発が起こった場合には、患者は「白金耐性」であると見なされる。これらの患者におけるカルボプラチン/パクリタキセルレジメンによる再治療は短期間(3〜6か月)の低い応答率(15%)、および約12か月の生存中央値を伴う。
したがって、公知の薬物の最適化された新規組合せを含めた卵巣癌、特に上皮性卵巣癌のための新しい薬物治療には、多大の満たされていない医学的要求が存在する。
ベリノスタット
ベリノスタット(CAS 414864-00-9)((E)-N-ヒドロキシ-3-(3-フェニルスルファモイル-フェニル)-アクリルアミド、PXD101、およびPX 105684としても知られる)は、下に示す構造を有し、公知のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。これは、Watkinsら、2002により最初に報告された。これはHDACが介在するさまざまな障害の治療のために開発され、種々の癌に対する多くの第I相および第II相臨床試験の対象になっている。
Figure 2015531367
典型的には、ベリノスタットの液体製剤はさらにL-アルギニンを含み、注射、注入、静脈内注入等による投与に適している。例えば、Bastinら、2006を参照されたい。ベリノスタットの長期連続注入を用いる治療方法は、例えば、Sehestedら、2009に記載されている。
トラベクテジン
トラベクテジン(CAS 114899-77-3)(エクチナサイジン743(ecteinascidin-743)、ET-743、ヨンデリス(Yondelis)(登録商標)、およびスピロ[6,16-(エピチオプロパノキシメタノ)-7,13-イミノ-12H-1,3-ジオキソロ[7,8]イソキノ[3,2-b][3]ベンズアゾシン-20,1'(2'H)-イソキノリン]-19-オン、5-(アセチルオキシ)-3',4',6,6a,7,13,14,16-オクタヒドロ-6',8,14-トリヒドロキシ-7',9-ジメトキシ-4,10,23-トリメチル-,[6R-(6α,6aβ,7β,13β,14β,16α,20R*)]としても知られる)は、カリブ海産被嚢類であるエクテイナシジア・ツルビナテ(Ecteinascidia turbinate)から単離された海洋アルカロイドであり(例えば、Rinehartら、1987を参照されたい)、その化学構造は3個の縮合テトラヒドロイソキノリン環を特徴とする。
Figure 2015531367
これらの環のうちの2個がDNA二重らせんの副溝との共有結合相互作用のための骨組みを提供する一方で、第3の環がDNA二本鎖から突き出して、隣接する核タンパク質との相互作用を可能にしているようである。この化合物の化学的相互作用が、いくつかの転写因子、DNA結合タンパク質、およびDNA修復経路を妨げる事象のカスケードのトリガーとなるが、これは、おそらく他のDNAと相互作用する薬剤とは異なっている。トラベクテジンはまた、腫瘍細胞および正常細胞によるサイトカインおよびケモカインの製造の変調を引き起こし、その抗腫瘍活性が腫瘍の微小環境における変化にも起因する可能性が示唆される。トラベクテジンは欧州において2007年に軟部肉腫に対して、2009年に卵巣癌に対して承認された。これは現在ヨンデリス(Yondelis)(登録商標)として市販されている。しかしながら、トラベクテジンにより治療された患者の予後には大きな改善の必要性が存在する。例えば、重要な臨床試験においてヨンデリス(登録商標)により治療された軟部肉腫を有する患者の腫瘍進行までの期間(TTP)はわずか3.9か月であった。
本発明は、(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せが、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患および障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療において相乗効果を示すという驚くべき予期せぬ発見に関する。
したがって、本発明の一態様は、治療を必要とする患者に(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物および(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、前記組合せが治療上有効である量で(例えば、前記組合せが治療的相乗効果を示す量で)投与することを含む、治療を必要とする患者における、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法に関する。
本発明の別の態様は、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物に関する。
本発明の別の態様は、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物に関する。
本発明の別の態様は、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造におけるベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造におけるトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用に関する。
本発明の別の態様は、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療において使用するための医薬品の製造における、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せの使用に関する。
当業者に理解される通り、本発明の一態様の特徴および好ましい実施形態は本発明の他の態様にも関連する。
卵巣癌細胞株A2780においてさまざまな濃度のベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる処理の後に行ったクローン原性アッセイにおける細胞の%生存を示す棒グラフである。 肉腫細胞株MesSaにおいてさまざまな濃度のベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる処理の後に行ったクローン原性アッセイにおける細胞の%生存を示す棒グラフである。 骨肉腫細胞株Saos-2においてさまざまな濃度のベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる処理の後に行ったクローン原性アッセイにおける細胞の%生存を示す棒グラフである。 ヌードマウスにおける21日間の異種移植片(肉腫細胞株MesSa)研究の過程にわたる、ビヒクル、ベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる治療についての時間(日)の関数としての腫瘍体積中央値(mm3)のグラフである。 ビヒクル、ベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる治療の後の、ヌードマウスにおける21日間の異種移植片(肉腫細胞株MesSa)研究の終了時の腫瘍重量中央値(mg)を示す棒グラフである。 ヌードマウスにおける21日間の異種移植片(肉腫細胞株MesSa)研究の過程にわたる、ビヒクル、ベリノスタット単独、トラベクテジン単独、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンによる治療についての時間(日)の関数としての体重中央値(g)のグラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せが、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患および障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療において相乗効果を示すという驚くべき予期せぬ発見に関する。
本明細書において、治療を必要とする患者に(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物および(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、前記組合せが治療上有効である量で(例えば、前記組合せが治療的相乗効果を示す量で)投与することを含む、治療を必要とする患者における、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法について説明する。
また、本明細書において、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物について説明する。
また、本明細書において、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物について説明する。
また、本明細書において、療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造における、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造における、トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用について説明する。
また、本明細書において、例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害(例えば、癌、例えば卵巣癌、軟部肉腫、骨肉腫等を含む)の治療において使用するための医薬品の製造における、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せの使用について説明する。
治療の順序およびタイミング
典型的には、治療は1回以上の治療サイクルで行い、そこでは、活性物質である(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物、および(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を前記各治療サイクル中に患者に投与する。
治療サイクル中に、活性物質である(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物および(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を同時に、または連続的に(連続的の場合、任意の順序で)投与することができる。
治療は1回の治療サイクルを含んでもよく、または2回以上の治療サイクル(同一であっても異なっていてもよい)を含んでもよい。例えば、2回の治療サイクルが存在する場合、それらは、独立して、同一のまたは異なる期間、同一のまたは異なる治療順序、同一のまたは異なる投与量等を有してよい。
治療サイクルの数は、例えば、2〜6(例えば、2、3、4、5、6);例えば、2〜3サイクル;2〜4サイクル;2〜5サイクル;2〜6サイクル;3〜4サイクル;3〜5サイクル;3〜6サイクル;4〜5サイクル;4〜6サイクル等であってよい。
任意のまたはそれぞれの治療サイクルは、例えば、3〜49日の期間;例えば、約3日の期間;約7日の期間;約14日の期間;約21日の期間、約28日の期間;約35日の期間、約42日の期間、約49日の期間等であってよい。
投与量
当業者には、活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)ならびに活性物質を含む組成物の適切な投与量が患者により変化し得ることが理解されるであろう。
至適投与量の決定は、一般に、治療上の利益のレベルと何らかのリスクまたは有害な副作用とのバランスを取ることを含む。選択される投与量レベルは、薬剤活性、投与経路、投与時間、薬物排泄速度、治療期間、併用される他の薬物、化合物、および/または材料、状態の重篤度、ならびに患者の種、性別、年齢、体重、状態、一般的健康状態、および以前の病歴を含むがこれらに限定されない種々の要因に依存する。
投与の量および経路は最終的には医師、獣医、または臨床医の裁量によるが、一般に投与量は、作用の部位において実質的に有害または有毒な副作用を引き起こすことなく所望の効果を達成する局所濃度を達成するように選択されるであろう。
投与経路
一実施形態において、一方または両方の活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を非経口投与する。一実施形態において、両方の活性物質を非経口投与する。
一実施形態において、一方または両方の活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を静脈内投与する。一実施形態において、両方の活性物質を静脈内投与する。
一実施形態において、一方または両方の活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を静脈内注射により投与する。一実施形態において、両方の活性物質を静脈内注射により投与する。
一実施形態において、一方または両方の活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を静脈内注入により投与する。一実施形態において、両方の活性物質を静脈内注入により投与する。
「注入」と「注射」とは、用語「注入」が重力による物質(例えば、流体、電解液等)の静脈または組織中への受動的導入を表し、一方、用語「注射」が力を加えること(例えば、シリンジ内の圧力)による物質の静脈または組織中への能動的導入を表す点で異なる。静脈内注入はしばしば「点滴静注」または「i.v.点滴」と呼ばれる。
一実施形態において、一方または両方の活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を経口投与する。一実施形態において、両方の活性物質を経口投与する。
塩および溶媒和物
対応するベリノスタットの塩、例えば、製薬上許容される塩を調製、精製、および/または処理することが便利であるか、または望ましい可能性がある。
同様に、対応するトラベクテジンの塩、例えば、製薬上許容される塩を調製、精製、および/または処理することが便利であるか、または望ましい可能性がある。
また、対応するベリノスタットの溶媒和物またはベリノスタットの塩の溶媒和物を調製、精製、および/または処理することが便利であるか、または望ましい可能性がある。
同様に、対応するトラベクテジンの溶媒和物またはトラベクテジンの塩の溶媒和物を調製、精製、および/または処理することが便利であるか、または望ましい可能性がある。
製薬上許容される塩の例は、Berge et al., 1977, “Pharmaceutically Acceptable Salts,” J. Pharm. Sci., Vol. 66, pp. 1-19において論じられている。
好適な無機カチオンの例としては、Na+およびK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類金属カチオン、およびAl+3などの他のカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)および置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2 +、NHR3 +、NR4 +)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにリジンおよびアルギニンなどのアミノ酸に由来するものである。一般的な第4級アンモニウムイオンの例はN(CH3)4 +である。
好適な無機アニオンの例としては、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な有機アニオンの例としては、以下の有機酸:2-アセチルオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。好適な高分子有機アニオンとしては、以下の高分子酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースに由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「溶媒和物」は通常の意味で使用され、溶質(例えば、ベリノスタット、ベリノスタットの塩、トラベクテジン、トラベクテジンの塩)と溶媒との複合体を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は便宜的に水和物、例えば、一水和物、二水和物、三水和物等と呼ばれ得る。
製剤
ベリノスタットおよびトラベクテジンは、それぞれ別々に、または組み合わせて一緒に、投与に適した製剤として提供することができる。
例えば、ベリノスタットおよびトラベクテジンのそれぞれを単独で投与することも可能であるが、ベリノスタットおよびトラベクテジンの両方ならびに1種以上の当業者に公知の他の製薬上許容される成分を含む医薬製剤(例えば、組成物、調製物、医薬品)として組み合わせて一緒に、あるいはそれぞれベリノスタットまたはトラベクテジンならびにそれぞれ1種以上の当業者に公知の他の製薬上許容される成分を含む別々の医薬製剤(例えば、組成物、調製物、医薬品)としてのいずれかで、それらを提供することが好ましい。当業者に公知の製薬上許容される成分の例としては、製薬上許容される担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、フィラー、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味料、および甘味料が挙げられるが、これらに限定されない。製剤は、さらに他の活性物質、例えば他の治療薬または予防薬を含んでもよい。
したがって、本明細書において、上に定義した通りのベリノスタットおよびトラベクテジンの両方を含む医薬組成物、ならびにベリノスタットおよびトラベクテジンならびに1種以上の当業者に公知の他の製薬上許容される成分を混合することを含む前記医薬組成物の製造方法についても説明する。分離した単位(例えば、錠剤等)として製剤する場合には、各単位はあらかじめ決められた量(投与量)のベリノスタットおよびトラベクテジンを含有する。
本明細書において使用される場合、用語「製薬上許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を起こすことなく対象となる被験体(例えば、哺乳動物、ヒト)の組織と接触して使用するのに適した化合物、成分、材料、組成物、剤形等に関する。それぞれの担体、希釈剤、賦形剤等はまた、製剤の他の成分と共存可能であるという意味で「許容される」ものでなければならない。
好適な担体、希釈剤、賦形剤等は、標準的な薬学の教科書、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990;およびHandbook of Pharmaceutical Excipients、第5版、2005に記載されている。
製剤は、薬学の技術分野において公知の任意の方法により調製することができる。このような方法には、化合物を1種以上の副成分からなる担体と混合する工程が含まれる。一般に、製剤は、化合物を担体(例えば、液体の担体、微細に粉砕された固体の担体等)と均一かつ緊密に混合した後、必要な場合には製品を形作ることにより調製される。
製剤は、即効性または遅効性;即時放出、遅延放出、時限放出、持続放出;またはそれらの組合せを提供するように調製することができる。
製剤は、ベリノスタットおよび/またはトラベクテジンが例えば血液成分または1以上の器官を標的とするように設計されたリポソームまたは他の微粒子を提供するように調製することができる。
製剤は、適切に、液体、溶液(例えば、水溶液、非水溶液)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、エマルション(例えば、水中油型、油中水型)等の形態とすることができる。
製剤は、適切に、非経口投与(例えば、注射による、注入による)に適した形態とすることができる。好適な非経口製剤の手引きは、例えば、Avisら、1992に提供されている。非経口投与(例えば、注射による、注入による)に適した製剤としては、水性または非水性の、等張の、発熱物質を含まない、無菌の液体(例えば、溶液、懸濁液)が挙げられ、その中にベリノスタットおよび/またはトラベクテジンが溶解、懸濁、または他の方法により(例えば、リポソームまたは他の微粒子中に)提供されている。このような液体は、さらに、抗酸化剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、静菌剤、懸濁剤、増粘剤、および製剤を意図される受容者の血液(もしくは他の適切な体液)と等張にするための溶質などの他の製薬上許容される成分を含有してもよい。賦形剤の例としては、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等が挙げられる。このような製剤において使用するのに適した等張担体の例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、または乳酸加リンゲル液が挙げられる。製剤は、単位投与または多回投与密閉容器、例えばアンプルおよびバイアルに入れて提供することができ、凍結乾燥された状態で貯蔵して、使用の直前に無菌の液体担体、例えば注射用水の添加のみが要求される製品とすることもできる。即席注射溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。
ベリノスタットの投与
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を非経口投与する。
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を静脈内投与する。
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を静脈内注射により投与する。
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を静脈内注入により投与する。
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を長時間静脈内注入により投与する。
一実施形態において、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を長時間連続静脈内注入により投与する。
「長時間」により、静脈内注入が約12時間以上の期間に渡ることが意図される。
「連続」により、静脈内注入が実質的に中断されないこと、すなわち、投与に必要なもの、例えばリザーバー、i.v.バッグ等の交換が必要な場合を除いて連続的であることが意図される。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約12時間;約16時間;約24時間;約36時間;約48時間;約60時間;または約78時間の期間に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約12時間以上の期間、例えば12〜24時間の期間、例えば12〜48時間の期間、12〜60時間の期間、12〜72時間の期間、12〜96時間の期間等に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約16時間以上の期間、例えば16〜24時間の期間、16〜48時間の期間、16〜64時間の期間、16〜72時間の期間、16〜96時間の期間等に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約24時間以上の期間、例えば24〜48時間の期間、24〜72時間の期間、24〜96時間の期間等に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約36時間以上の期間、例えば36〜48時間の期間、36〜72時間の期間、36〜96時間の期間等に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約48時間以上の期間、例えば48〜72時間の期間、48〜96時間の期間等に渡る。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)は約72時間以上の期間、例えば72〜96時間の期間等に渡る。
ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の適切な投与量を決定する基準については上述のとおりである(例えば「投与量」の見出し述べたとおり)。
しかしながら、一般に、ベリノスタットの適切な用量は100〜2500 mg/m2/日、例えば500〜1500 mg/m2/日であろう。ベリノスタットが塩、水和物、または溶媒和物として提供される場合には、投与量は親化合物に基づいて計算するので、使用される実際の量は比例して増加する。
一実施形態において、静脈内注入(例えば、長時間静脈内注入、例えば長時間連続静脈内注入)には、静脈内注入中の投与量は100〜2500 mg/m2/日のベリノスタットである。
一実施形態において、範囲の下限は300 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の下限は500 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の下限は700 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は2000 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は1500 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は1300 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は300〜2000 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は500〜1500 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は700〜1300 mg/m2/日である。
ベリノスタットの製剤
上述の通り、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を単独で投与することも可能であるが、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)(および場合によりさらにトラベクテジン)ならびに1種以上の当業者に公知の他の製薬上許容される成分を含む医薬製剤(例えば、組成物、調製物、医薬品)としてベリノスタットを提供することが好ましい。
一実施形態において、ベリノスタットを使用する。
一実施形態において、ベリノスタットの塩を使用する。
一実施形態において、ベリノスタットの水和物を使用する。
一実施形態において、ベリノスタットの塩の水和物を使用する。
上述の通り、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)は、非経口投与に適した製剤、例えば、静脈内投与、例えば静脈内注入による投与に適した製剤として提供することができる。
ベリノスタットは生理学的pHで水に難溶性であり、そのため、例えば、Bastinら、2006に記載される通りの、L-アルギニンと組み合わせた、ベリノスタットが容易に溶解し、かつ組成物が良好な耐容性を示す医薬製剤として投与しなければならない。
一実施形態において、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)は、さらにL-アルギニンを含む非経口投与(例えば、静脈内、例えば静脈内注射、静脈内注入等による)に適した製剤として提供される。
典型的には、非経口製剤(すなわち、非経口投与、例えば静脈内注入に適した製剤)は典型的にはプラスチックまたはガラス製の大量非経口投与医薬品(LVP)容器に充填されて、注入を行う時にこれに好適な静脈内投与(i.v.)セットを取り付ける。静脈入口は典型的には金属針またはプラスチックカテーテルによる。
連続注入システムは、あらかじめ設定された速度での連続的な制御された流体の流れを提供する。一旦処方された流速(例えば、125 mL/時間)が確立されると、リザーバー容器が空になるまでシステムから流体が正確に流れ続ける。
注入は連続的または断続的投与スケジュールに従って注入される。連続的スケジュールは典型的には比較的大量の流体(例えば、成人に対して8時間あたり1リットル)の止まることのない注入を含む。連続治療は、典型的にはさらに、流体、電解質、酸塩基バランスを調節するための薬剤、栄養素、および何種かの他の薬物を提供する。総流体摂取量は患者の要求(成人に対して1日あたり約2400 mL)を越えてはならない。
したがって、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)は、非経口投与用に製剤することが可能であり、例えば、単位投与剤形として、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量注入容器、または場合により保存剤を加えて多回投与容器中に提供することができる。製剤は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルションの形態を取ることができ、懸濁剤、安定剤、分散剤等などの製剤用薬剤を含有してもよい。
例えば、ベリノスタットは、50 mg/mLのベリノスタットおよび100 mg/mLのL-アルギニンをpH 9.0〜9.9の注射用水中に含有する注入溶液のための濃縮物として提供することができる。投与の直前に、例えば注射用水、グルコース溶液、または塩化ナトリウム溶液により濃縮物を希釈する。
あるいは、ベリノスタットは、例えば、ベリノスタット(例えば、250 mg)を充填した硬ゼラチンカプセル(例えば、サイズ00)として、経口投与用に製剤してもよい。
トラベクテジンの製剤および投与
上述の通り、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を単独で投与することも可能であるが、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)(および場合によりさらにベリノスタット)ならびに1種以上の当業者に公知の他の製薬上許容される成分を含む医薬製剤(例えば、組成物、調製物、医薬品)としてトラベクテジンを提供することが好ましい。
一実施形態において、トラベクテジンを使用する。
一実施形態において、トラベクテジンの塩を使用する。
一実施形態において、トラベクテジンの水和物を使用する。
一実施形態において、トラベクテジンの塩の水和物を使用する。
上述の通り、トラベクテジンは、非経口投与に適した製剤、例えば、静脈内投与、例えば静脈内注入による投与に適した製剤として提供することができる。
トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の投与(例えば、静脈内投与、静脈内注入による投与)に適した製剤は当業者に公知である。
トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の適切な投与量を決定する基準については上述のとおりである(例えば「投与量」の見出しで述べたとおり)。
さらに、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の許容される投与量は、トラベクテジンを単独で用いる治療およびトラベクテジンを他の活性物質または療法と共に用いる併用治療の両方において、当業者に公知である。
一実施形態において、トラベクテジンの投与量は、当業者に公知のトラベクテジンの公知の投与量または標準的投与量いずれかに相当する。例えば、公知の推奨投与量は、サイクル間に3週間の間隔を開けて24時間の静脈内注入として投与される1.5 mg/m2である。
一実施形態において、静脈内注入に関して、静脈内注入中の投与量は0.1〜5.0 mg/m2/日のトラベクテジンである。
一実施形態において、範囲の下限は0.2 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の下限は0.5 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の下限は1 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は4.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は3.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲の上限は2.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は0.2〜4.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は0.5〜3.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、範囲は1.0〜2.0 mg/m2/日である。
一実施形態において、投与量は約1.5 mg/m2/日である。
一実施形態において、投与量は約1.1 mg/m2/日である。
一実施形態において、トラベクテジンを21日サイクルの第1日に投与し;例えば、21日サイクルの第1日に1.5 mg/m2/日のトラベクテジンを静脈内注入により投与し;例えば、21日サイクルの第1日に1.1 mg/m2/日のトラベクテジンを静脈内注入により投与する。
治療される状態
一実施形態において、疾患または障害はヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害である。
一実施形態において、疾患または障害は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤により治療可能であるまたは治療可能であることが公知である疾患または障害である。
一実施形態において、疾患または障害は増殖性状態である。
一実施形態において、疾患または障害は腫瘍である。
一実施形態において、疾患または障害は固形腫瘍である。
一実施形態において、疾患または障害は癌である。
一実施形態において、疾患または障害は固形腫瘍癌である。
一実施形態において、疾患または障害は以下のものである:
肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃腸癌、胃癌、腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、甲状腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、精巣腫瘍、肝癌、腎癌、腎細胞癌、膀胱癌、膵癌、脳腫瘍、神経芽細胞腫、神経膠腫、肉腫、骨肉腫、骨癌、上咽頭がん(例えば、頭部癌、頚部癌)、皮膚癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒色腫、悪性黒色腫、リンパ腫、または白血病。
一実施形態において、疾患または障害は以下のものである:
癌腫、例えば、膀胱、乳、結腸(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫などの結腸直腸癌)、腎臓、表皮、肝臓、肺(例えば、腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓(例えば、膵外分泌癌)、胃、頚部、甲状腺、前立腺、皮膚(例えば、扁平上皮癌)の癌腫;
リンパ系統の造血器腫瘍、例えば、白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、またはバーキットリンパ腫;
骨髄系統の造血器腫瘍、例えば、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、または前骨髄球性白血病;
間葉由来の腫瘍、例えば、線維肉腫または横紋筋肉腫(habdomyosarcoma);
中枢または末梢神経系の腫瘍、例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫または神経鞘腫;
黒色腫;精上皮腫;奇形がん;骨肉腫;色素性乾皮症(xenoderoma pigmentoum);角化棘細胞腫(keratoctanthoma);甲状腺ろ胞癌;またはカポジ肉腫。
一実施形態において、疾患または障害は以下のものである:
頭部癌;頚部癌;神経系癌;脳腫瘍;神経芽細胞腫;肺/縦隔癌;乳癌;食道癌;胃癌;肝癌;胆道癌;膵癌;小腸癌;大腸癌;結直腸癌;婦人科癌;尿生殖器癌;卵巣癌;甲状腺癌;副腎癌;皮膚癌;黒色腫;骨肉腫;軟部肉腫;小児悪性腫瘍;ホジキン病;非ホジキンリンパ腫;骨髄腫;白血病;または原発不明の転移。
一実施形態において、疾患または障害は以下のものである:
肺癌、胸腺癌、胸腺腫、前立腺癌、腎癌、肝癌、膀胱癌、大腸癌、膵癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、軟部肉腫、脳腫瘍、骨肉腫、肝細胞癌、原発不明癌(CUP)、皮膚癌、白血病またはリンパ腫。
一実施形態において、疾患または障害は軟部肉腫である。
一実施形態において、疾患または障害は、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である。
一実施形態において、疾患または障害は卵巣癌である。
一実施形態において、疾患または障害は上皮性卵巣癌である。
一実施形態において、疾患または障害は骨肉腫である。
患者
一実施形態において、患者は哺乳動物、すなわち、生存する哺乳動物である。一実施形態において、患者はヒト、すなわち、生存するヒト胎児、生存するヒト小児、および生存するヒト成人を含む生存するヒトである。
治療
本明細書において状態を治療するという文脈において使用される場合、用語「治療」は、一般に、ある所望の治療効果、例えば、状態の進行の阻害が達成される、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的適用において)のいずれかの治療および療法に関し、進行速度の減少、進行速度の停止、状態の改善、および状態の治癒を含む。予防手段としての治療(すなわち、予防)も含まれる。例えば、未だ状態を発症していないが、状態を発症するリスクを有する被験体における使用は用語「治療」に包含される。
例えば、腫瘍の治療は腫瘍の縮小により示され得る。
白血病に関して、「腫瘍の縮小」は血中(例えば、末梢血中)の芽細胞の減少(例えば、芽細胞の数、芽細胞のパーセンテージ)および/または骨髄中の芽細胞の減少(例えば、芽細胞の数、芽細胞のパーセンテージ)により示され得る。
固形腫瘍に関して、「腫瘍の縮小」は、例えば放射線検査(例えば、PETおよび/またはNMR法を用いる)または身体所見検査により測定した、腫瘍の質量の減少により示され得る。
本明細書において使用される場合、用語「治療上有効である量」は、所望の治療レジメンに従って投与された時に、合理的な利益/リスク比に見合って、ある所望の治療効果を生み出すのに有効な活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の量に関する。
本明細書において使用される場合、用語「治療的相乗効果を示す」は、1種以上の所望の治療効果に関して相乗的である活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の量に関する。
用語「治療」には2種以上の治療または療法を、例えば連続的にまたは同時に組み合わせる、併用治療および療法が含まれる。例えば、活性物質(ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物;およびトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)をさらなる併用療法において、例えば、他の薬剤(例えば他の細胞毒性物質等)と併せて、使用することも可能である。さらなる治療および療法の例としては、化学療法(例えば他のHDAC阻害剤、抗体(例えば、免疫療法において)、プロドラッグ(例えば、光力学療法、GDEPT、ADEPT等において)を含む他の活性物質の投与);手術;放射線療法;および遺伝子療法が挙げられるが、これらに限定されない。
キット
本発明の一態様は、(a)例えば、好ましくは好適な容器に入れて、および/または好適な包装を付けて提供される、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)またはベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を含む組成物;および(b)使用説明書、例えば、本発明に従って、例えば、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)と組み合わせて化合物または組成物を投与する方法に関する書面の説明書を含むキットに関する。
一実施形態において、キットはさらに、(b)例えば、好ましくは好適な容器に入れて、および/または好適な包装を付けて提供される、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)またはトラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を含む組成物を含む。
本発明の一態様は、(a)例えば、好ましくは好適な容器に入れて、および/または好適な包装を付けて提供される、トラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)またはトラベクテジン(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を含む組成物;および(b)使用説明書、例えば、本発明に従って、例えば、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)と組み合わせて化合物または組成物を投与する方法に関する書面の説明書を含むキットに関する。
一実施形態において、キットはさらに、(b)例えば、好ましくは好適な容器に入れて、および/または好適な包装を付けて提供される、ベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)またはベリノスタット(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を含む組成物を含む。
書面の説明書は、活性成分(1種または複数種)が適切な治療である適応症のリストを含んでもよい。
以下の実施例は、単に本発明を説明する目的で提供されるものであり、本明細書に記載される発明の範囲を限定することを意図するものではない。
研究1:トラベクテジンと組み合わせたベリノスタットのin vitro研究
ベリノスタットとトラベクテジンとの組合せの効果をクローン原性アッセイにより研究した。クローン原性アッセイは腫瘍細胞の抗クローン原性活性を評価するものである。クローン原性アッセイにおける「標的」は、特定の単一の標的ではなく、腫瘍細胞に特徴的なすべての生化学的および分子的要素または改変である。クローン原性アッセイは抗癌剤の開発に広く使用されており、単独の薬剤として(例えば、Kumageiら、2007;Hurtubiseら、2006;Takaiら、2004を参照されたい)、および他の抗癌治療と組み合わせて(例えば、Sarcarら、2010;Hurtubiseら、2008;Chinnaiyanら、2008;Verheulら、2008;Gengら、2006;Boivinら、2002を参照されたい)の両方でのヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤の抗癌効果を明らかにするために、広範に使用されてきた。
方法:
細胞を標準培地で解凍後1週間以上増殖させて、サブコンフルエント培養物を得た。3.3%寒天を、電気加熱板上の水浴中で60分以上沸騰させた(30 mL PBS + 990 mg Bacto寒天)。90 mLの増殖培地(RPMI-1640 + 10% FCS)を水浴中で37℃に加熱した。細胞を50 mL遠心管中で、室温で1200 rpmで5分間遠心分離した。
薬物(ベリノスタットまたはトラベクテジン)を、増殖培地またはDMSOにより最終濃度の300倍の濃度に溶解および希釈した。
1 mLシリンジおよび18ゲージの針を用いて溶液を上下に15回出し入れすることにより細胞を7 mLの増殖培地中に懸濁した。細胞をニグロシン(Nigrosin)(0.3 mL細胞 + 0.3 mL 0.1%ニグロシン、PBS中)により染色し、8分後にフックス-ローゼンタール計算板を用いて計数した。細胞を希釈して、未処理の対照プレート上に約2000コロニーを得た。これは、ほとんどの細胞株に関して、10,000生細胞/mLを与える。
次に、10 mLの寒天および90 mLの増殖培地を混合し(0.33%)、水浴中で37℃に加熱した。ディスペンサーを用いて0.35 mLの細胞懸濁液を10 mLの円錐遠心管に移した。35μLの薬物(ベリノスタットまたはトラベクテジン)を加えた。それぞれの管に3.15 mLの寒天/培地を加えた(その時点で最大8本の管)。
試験したそれぞれのベリノスタットの組合せに対して、単剤療法および併用療法として、約30、40、50、60、70、80、90%阻害に相当する一連の7回の滴定を行った。
卵巣癌細胞(A2780):
卵巣癌細胞(A2780)を用いた研究の結果を下記の表にまとめる。結果は図1にも表す。
Figure 2015531367
併用指数(CI)は相互作用の尺度を提供する。1未満のCI値は相乗作用を示し、1のCI値は相加作用を示し、1を超えるCI値は拮抗作用を示す。
データは、ベリノスタットが、トラベクテジンと組み合わせた場合に、in vitroで卵巣癌細胞(A2780)に対して相乗効果を示すことを証明する。
肉腫細胞(MesSa):
肉腫細胞(MesSa)を用いた研究の結果を下記の表にまとめる。結果は図2にも表す。
Figure 2015531367
データは、ベリノスタットが、トラベクテジンと組み合わせた場合に、in vitroで肉腫細胞(MesSa)に対して相乗効果を示すことを証明する。
骨肉腫細胞(Saos-2):
骨肉腫細胞(Saos-2)を用いた研究の結果を下記の表にまとめる。結果は図3にも表す。
Figure 2015531367
データは、ベリノスタットが、トラベクテジンと組み合わせた場合に、in vitroで骨肉腫細胞(Saos-2)に対して相乗効果を有することを証明する。
研究2:トラベクテジンと組み合わせたベリノスタットのin vivo研究
トラベクテジンと組み合わせたベリノスタットの効果を、マウス異種移植片モデルにおいても試験した。
異種移植片モデルはMesSa細胞株(ATCC: CRL-1976ヒト肉腫細胞)を使用した(in vitro細胞通過数(cell passage number)67、第5日に凍結ストック(数65)から)。腫瘍細胞(1×107)(トリプシン処理したもの)(100μL、100μLマトリゲル中)をそれぞれのマウスの右脇腹にマウスあたり1つの結節(node)で皮下注射(s.c.)した。細胞希釈から注射の終了までの時間は24分間であった。腫瘍細胞を注射する時に、それぞれのマウスをヒプノルム(Hypnorm)/ドルミカム(Dormicum)皮下注射(s.c.)またはイソフルラン(isofluran)(吸入による)により麻酔した。
下記の表にまとめた通り、それぞれ12匹のマウスを有する4群を、ビヒクル、ベリノスタット単独、トラベクテジン単独、またはベリノスタットおよびトラベクテジンの両方により3週間治療した。ベリノスタットを投与した日には、ベリノスタットを3時間の間隔で2回投与した。ベリノスタットおよびトラベクテジンの両方を投与した日には、2回のベリノスタット投与の間にトラベクテジンを投与した。
Figure 2015531367
異種移植片受容の確認の後、マウスを治療群に登録した。腫瘍直径および体重の両方を第0、3、7、10、14、17、および21日に測定した。第21日に動物を屠殺した(頸椎脱臼により)。第21日に腫瘍重量を測定した(屠殺の後)。
腫瘍体積の結果を下記の表にまとめる。「T/C%」は、マン・ホイットニー統計分析を用いて対照のパーセントで表した治療後の腫瘍重量を表す。結果(腫瘍体積中央値)は図4にも表す。
Figure 2015531367
腫瘍重量の結果を下記の表にまとめる。「T/C%」は、マン・ホイットニー統計分析を用いて対照のパーセントで表した治療後の腫瘍重量を表す。結果(腫瘍重量中央値)は図5にも表す。
Figure 2015531367
体重中央値の結果を図6に表す。
ベリノスタット(40 mg/kg、1日2回、i.p.、週5日、3週間)は、ヌードマウス上のMesSaヒト肉腫異種移植片モデルにおいて、いくらかの腫瘍増殖遅延を引き起こしたものの、有意の腫瘍増殖遅延を引き起こさなかった。第21日の腫瘍体積のT/C%は67%であり、増殖の33%減少に相当した(p=0.10)(表4を参照されたい)。第21日の腫瘍重量のT/C%は77%であり、増殖の23%減少に相当した(p=0.180)(表5を参照されたい)。ベリノスタットは十分な耐性を示した(図6を参照されたい)。
トラベクテジン(0.1 mg/kg、1日1回、i.v.、3週間サイクルの第0、3、7、および10日)は、ヌードマウス上のMesSaヒト肉腫異種移植片モデルにおいて、有意の腫瘍増殖遅延を引き起こした。第21日の腫瘍体積のT/C%は25%であり、増殖の75%減少に相当した(p=0.01)(表4を参照されたい)。第21日の腫瘍重量のT/C%は30%であり、増殖の70%減少に相当した(p=0.027)(表5を参照されたい)。トラベクテジンは静脈刺激を引き起こし、第10日に注射を中止しなければならなかった。
ベリノスタットとトラベクテジンとの組合せは、ヌードマウス上のMesSaヒト肉腫異種移植片モデルにおいて、有意の腫瘍増殖遅延を引き起こした。第21日の腫瘍体積のT/C%は18%であり、増殖の82%減少に相当した(p=0.002)(表4を参照されたい)。第21日の腫瘍重量のT/C%は18%であり、増殖の82%減少に相当した(p=0.023)(表5を参照されたい)。ベリノスタット/トラベクテジンの組合せにより治療された群においていくらかの体重減少(20%未満)が観察された(図6を参照されたい)
要約すると、データは、ベリノスタットとトラベクテジンとの組合せに関して、軟部肉腫細胞、骨肉腫細胞、および卵巣癌細胞における驚くべき予期せぬ相乗効果を証明するものである。
上に本発明の原理、好ましい実施形態、および実施の方式を記載した。しかしながら、本発明は論じられた特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。そうではなく、上記の実施形態は限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、当業者が本発明の範囲を逸脱することなく上記実施形態に変更を加えることが可能であると理解されるべきである。
参考文献
本発明および本発明が属する分野の最新技術水準をより完全に説明および開示するために、上で多くの特許および刊行物が引用されている。これらの参考文献の完全な引用を下に提供する。
これらの参考文献のそれぞれが、個々の参考文献のそれぞれが具体的かつ個別に参照により組み込まれると指示されているものと同程度に、その全体として参照により本開示に組み込まれるものとする。
参考文献
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Sarcar et al., 2010, “Vorinostat enhances the cytotoxic effects of the topoisomerase I inhibitor SN38 in glioblastoma cell lines”, J. Neurooncol., Vol. 99, No. 2, pp. 201 207
Sehested et al., 2009, “Methods of treatment employing prolonged continuous infusion of belinostat”, international patent application publication number WO 2009/109861 published 11 September 2009
Takai et al., 2004, “Histone deacetylase inhibitors have a profound antigrowth activity in endometrial cancer cells”, Clin. Cancer Res., Vol. 10, No. 3, pp. 1141-1149
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Claims (66)

  1. 治療を必要とする患者に、
    (a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物、および
    (b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、
    前記組合せが治療上有効である量で投与することを含む、治療を必要とする患者におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害の治療方法。
  2. 疾患または障害が癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項1に記載の方法。
  4. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項1に記載の方法。
  5. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項1に記載の方法。
  6. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項1に記載の方法。
  7. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記治療が、1回以上の治療サイクルを含み、前記各治療サイクル中に前記(a)ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物および(b)トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を前記患者に投与する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記治療が2〜6回の治療サイクルを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記治療サイクルまたは前記各治療サイクルが3〜49日の期間である、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記治療サイクルまたは前記各治療サイクルが約21日の期間である、請求項8または9に記載の方法。
  12. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を静脈内投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、静脈内注入により投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、長時間連続静脈内注入により投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、12〜72時間の期間に渡って連続静脈内注入により投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を、約48時間の期間に渡って連続静脈内注入により投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の前記静脈内注入中の投与量が、100〜2500 mg/m2/日のベリノスタットである、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の前記静脈内注入中の投与量が、500〜1500 mg/m2/日のベリノスタットである、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を経口投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物を静脈内投与する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の投与量が、静脈内投与で0.1〜5 mg/m2/日である、請求項20に記載の方法。
  22. 療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  23. 療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  24. 療法によりヒトまたは動物の体を治療する方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物。
  25. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害を治療する方法においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  26. 疾患または障害が癌である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  27. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  28. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  29. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  30. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  31. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項25に記載の使用のためのベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  32. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害を治療する方法においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  33. 疾患または障害が癌である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  34. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  35. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  36. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  37. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  38. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項32に記載の使用のためのトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物。
  39. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害を治療する方法において使用するための、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せ物。
  40. 疾患または障害が癌である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  41. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  42. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  43. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  44. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  45. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項39に記載の使用のための組合せ物。
  46. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害の治療においてトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造における、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用。
  47. 疾患または障害が癌である、請求項46に記載の使用。
  48. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項46に記載の使用。
  49. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項46に記載の使用。
  50. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項46に記載の使用。
  51. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項46に記載の使用。
  52. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項46に記載の使用。
  53. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害の治療においてベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物と併用するための医薬品の製造における、トラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用。
  54. 疾患または障害が癌である、請求項53に記載の使用。
  55. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項53に記載の使用。
  56. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項53に記載の使用。
  57. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項53に記載の使用。
  58. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項53に記載の使用。
  59. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項53に記載の使用。
  60. ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が介在する疾患または障害の治療において使用するための医薬品の製造における、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物とトラベクテジン、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物、ベリノスタット、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物との組合せの使用。
  61. 疾患または障害が癌である、請求項60に記載の使用。
  62. 疾患または障害が軟部肉腫である、請求項60に記載の使用。
  63. 疾患または障害が、線維肉腫、粘液線維肉腫、類腱腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、血管肉腫、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、ユーイング腫瘍、胞巣状軟部肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、または巨細胞線維肉腫である、請求項60に記載の使用。
  64. 疾患または障害が卵巣癌である、請求項60に記載の使用。
  65. 疾患または障害が上皮性卵巣癌である、請求項60に記載の使用。
  66. 疾患または障害が骨肉腫である、請求項60に記載の使用。
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