JP2015531019A - エポキシ置換および有機置換された分枝鎖有機ポリシロキサンの水性エマルション - Google Patents

エポキシ置換および有機置換された分枝鎖有機ポリシロキサンの水性エマルション Download PDF

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Abstract

エポキシ置換および有機置換された分枝鎖有機ポリシロキサンの水性エマルションは、分散剤の助けを借りつつ、エポキシ置換および有機置換された分枝鎖有機ポリシロキサンを水に乳化することによって調製される。このエマルションは、貯蔵時に安定であり、多成分コーティング、接着剤およびバインダー系に有用である。

Description

本発明は、貯蔵時にエポキシ官能基を保持する、エポキシ置換および有機置換された分枝鎖有機ポリシロキサンの安定な水性エマルションに関する。
エポキシ官能性炭素系ポリマーが広く使用されている。特に、コーティング分野では、耐久性のあるコーティングを得るために、溶媒系エポキシ樹脂が使用されてきた。しかし、有機溶媒は、例外的な監視の下で取り扱われるため、炭素系樹脂の水性エマルション(例えば、ビスフェノールに由来するもの)が開発されてきた。これらのエマルションは、使用するエポキシ樹脂の分子量が比較的低く、分散させやすい比較的高い極性のため、可能である。しかし、このようなエポキシ樹脂から作られるコーティングは、時間がたつと黄変する傾向があり、室外で使用するとき、紫外線で劣化する。これに加え、これらのコーティングは、光沢が失われるとともに、熱により劣化する。
有機ポリシロキサンは、非常に熱に安定であるとともに、紫外線にも安定である。有機ポリシロキサンのこれらの望ましい特徴と、エポキシ基の組み込みによって得られる硬化能をあわせもつことが望ましく、実際に、エポキシ官能性有機ポリシロキサン、例えば、α,ω−ビス(グリシドオキシプロピル)が末端にあるポリジメチルシロキサンが市販されている。しかし、これらは、無希釈で用いられるか、または有機溶媒に溶解させる。有機ポリシロキサン骨格の疎水性が大きいことに起因して、水性エマルションの調製は知られていない。さらに、このようなエポキシ官能性有機ポリシロキサンを硬化させることによって調製される生成物は、望ましい耐熱性および耐化学薬品性がない。有機ポリシロキサン成分の分子量を大きくすると、耐化学薬品性および耐熱性は高まるが、必要な溶媒の量が多くなってしまう。エポキシ当量が小さいと、硬いコーティングの製造は、不可能ではないものの、非常に困難となる。
Martinら、米国特許公開US2011/0190415A1は、縮合可能なヒドロキシル基を含有する少なくとも1つの有機ポリシロキサン樹脂、エポキシ官能化された有機ポリシロキサン液、例えば、エポキシシクロヘキシルエチル置換されたポリジメチルシロキサンおよび水溶性のアミノアルキルトリヒドロキシシランまたはこの加水分解物を乳化させることによって調製される水性エマルションを開示する。混合すると、エポキシ官能性シリコーン液のエポキシ基が、縮合可能な基と反応するため、最終的なエマルションは、もはやエポキシ官能基を含まない。組成物は、アルコキシシランを含んでいてはならない。分散した粒子は、石製品の孔に吸収され、合着することによって、石製品に耐水性表面を形成することができる。出発物質の分子量が低いことで、微細なエマルションを調製することができ、原材料が系中で反応した後に分散特徴を保持する。
同様の様式で、Liuら、米国特許公開US2011/0201751A1は、縮合触媒(例えば、トリエタノールアミン)存在下、エポキシアルキル官能性シランとアルコキシシランとを水に乳化させることによる、有機ポリシロキサン樹脂エマルションの調製を開示する。この結果は、アルコキシシラン基からアルコールをノルマル脱離させ、シラノール基を縮合すること、およびエポキシ基とシラノール基との反応によって縮合したポリマーである。この結果は、残った未反応アルコキシ基と1,2−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル基とを含有するが、残留エポキシ基を含まない高度に架橋した樹脂の分散物である。US2011/0190415およびUS2011/0201751において、エポキシ基は、もはや反応には利用できない。
分子量が比較的大きく、その後に、架橋させ、硬質コーティングを含む種々の硬化製品にすることができ、熱および化学薬品に安定であり、多量の溶媒を使用しなくてすむエポキシ官能性有機ポリシロキサンを与えることが望ましいだろう。これらのエマルションは、貯蔵時にエポキシ官能基を保持しているべきである。
米国特許出願公開第2011/0190415号明細書 米国特許出願公開第2011/0201751号明細書
驚くべきことに、また、予測できないことに、比較的分子量が高いエポキシ官能性有機ポリシロキサンの安定な水性エマルションが、1つ以上の乳化剤または分散剤の助けを借りつつ、末端および側鎖にSi−C結合したエポキシ基およびケイ素結合した有機基を含有する分枝鎖有機ポリシロキサンを直接乳化することによって調製され得ることを発見した。有機ポリシロキサンの含有量が高く、分岐が多いにもかかわらず、分散物は安定であり、エポキシ官能基を保持する。これらは、2成分コーティングおよび成型操作、バインダーおよび浸透剤ならびに他の用途で使用するのにきわめて適している。
本発明の水性エマルションは、エポキシ基と有機基(好ましくは、アリール基または長鎖アルキル基、好ましくは、フェニル基)の両方を含有する分枝鎖有機ポリシロキサンを含有する。エマルションは、1つ以上の乳化剤および/または分散固体を含有するが、以下にもっと完全に定義するように、任意の顕著な程度までエポキシ基と反応する成分を含まないか、またはエポキシ基の自己縮合またはエポキシ基とヒドロキシル含有物質(水を含む。)との縮合を触媒する物質を含まず、得られる結果は、エマルションが、室温で長時間、例えば、数週間、数ヶ月、または好ましくは数年貯蔵した後でさえ、元々のエポキシ基含有量のほとんどかなりの部分を保持していることである。
エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、有機ケイ素化学で既知の方法によって、例えば、適切な加水分解可能なシランおよび/またはオルガノシロキサンの縮合によって、または適切な付加反応によって、例えば、不飽和エポキシ化合物、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどのヒドロシリル化によって、適切な有機ポリシロキサン、例えば、特に、ジメチルシロキシ単位、メチルフェニルシロキシ単位、水素ジメチルシロキシ単位およびフェニル水素シロキシ単位を含有する有機ポリシロキサンによって得ることができる。好ましくは、分枝鎖有機ポリシロキサンは、縮合中に脱離するアルコールの除去を伴う、適切なアルコキシシランの水系同時加水分解によって調製される。分枝鎖有機ポリシロキサンは、好ましくは、下式
Figure 2015531019
のシロキシ単位を含有し、式中、
Eは、場合により1個以上の酸素原子を含有するエポキシ官能性C1−18炭化水素基であり、但し、酸素原子は、Si原子に直接結合しておらず;RおよびRは、独立して、場合によりヘテロ原子連結基が間に入ったC1−20炭化水素基、例えば、限定されないが、
Figure 2015531019
であり、
aは、0、1または2、好ましくは、0または1の整数であり;
bは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2の整数であり;
cは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2の整数であり;
M単位において、a+b+c=3であり、
D単位において、a+b+c=2であり、
T単位において、a+b+c=1であり、
但し、この分子は、平均で、少なくとも2個のE要素を含有する。好ましくは、RまたはRのうち、少なくとも2個がアリール基、例えば、フェニル基またはナフチル基、または長鎖アルキル基、例えば、C4−20、好ましくは、C6−18、最も好ましくは、C10−18アルキル基である。RおよびRについて、アラルキル基およびアルカリール基も想定される。
Eは、好ましくは、エポキシ官能性C2−15炭化水素基、さらに好ましくは、エポキシ官能性C3−12炭化水素基、さらになお好ましくは、エポキシ官能性C3−6炭化水素基である。Eは、好ましくは、グリシドオキシプロピル
Figure 2015531019
である。
好ましくは、RおよびRは、独立して、C1−18アルキル基、C6−20アリール基、C7−18アルキルアリール基、C7−18アリールアルキル基、C5−12シクロアルキル基、C2−18アルケニル基、グリコール基、エポキシ基、C1−18アルコキシ基、C2−20不飽和炭化水素基、例えば基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、または末端C4−18アルケニル基、アルキニル基、ビニルエーテル基およびアリルエーテル基から選択される。RおよびRは、アルコキシ基、好ましくは、C1−4アルコキシ基、さらに好ましくは、メトキシ基またはエトキシ基であってもよい。
さらに好ましくは、RおよびRは、独立して、エチル基、メチル基、ビニル基、アリル基、メトキシ基、エトキシ基およびアリール基、例えば、フェニル基およびナフチル基から選択される。最も好ましくは、RおよびRは、実質的にすべてがメチル基およびフェニル基であるか;すべてがメチル基、アリール基および長鎖アルキル基であるか;またはメチル基および長鎖アルキル基である。
T単位が存在する場合、分子は、シルセスキシロキサンおよびポリシルセスキオキサンを含んでいてもよく、T単位からこれらが生成してもよい。
有機ポリシロキサンは、末端が、従来の末端基、例えばトリアルキルシリル、ジアルキルシラノリル、ジアルキルアルコキシシリル、アルキルジアルコキシシリル、ジアルキルビニルシリルなどであってもよい。末端基は、好ましくは、すでに開示したようなaが1のM基であり、従って、これらの末端基は、少なくとも1個のエポキシ官能基を含有する。
エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、好ましくは、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサン樹脂中のM単位、D単位、T単位およびQ単位の合計モル数を基準として約15モル%未満のQ単位を含み、約3から約60モル%のT単位を含み、さらに好ましくは、約10モル%未満のQ単位と、約5から約20モル%のT単位を含み、さらになお好ましくは、約5モル%未満のQ単位と、約5から約15モル%のT単位を含み、最も好ましくは、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、T単位と、D単位と、末端のM単位とを含み、Q単位は存在しない。
好ましくは、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、アルコキシ含有量が、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンの重量を基準として約20重量%未満、さらに好ましくは、約15重量%未満、最も好ましくは、約10重量%未満である。
エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、好ましくは、重量平均分子量が約400から約15,000g/mol、さらに好ましくは、約700から約5,000g/mol、最も好ましくは、約800から1500g/molの液体である。エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンの粘度は、好ましくは、25℃で約50から70,000cps、さらに好ましくは、70から50,000cps、最も好ましくは、70から10,000cpsである。
エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を有していなければならないが、好ましくは、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、分子あたり2から8個のエポキシ基を有する。さらに好ましくは、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンのエポキシ当量は、約150から1000であり、好ましい範囲は、約200から800、さらに好ましくは、400から700である。エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンの有機基は、好ましくは、メチル基、さらに好ましくは、メチル基およびアリール基、メチル基および長鎖アルキル基、またはメチル基、アリール基および長鎖アルキル基である。最も好ましくは、アリール基は、フェニル基である。本明細書および特許請求の範囲で「アリール基」との用語は、アルカリール基、例えば、メチルフェニル基およびアラルキル基、例えば、ベンジル基を含むことも意味している。従って、アリール基は、好ましくは、6から20個の炭素原子を含むと定義される。
本発明の好ましいエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、下式
Figure 2015531019
によってあらわされてもよい分枝鎖有機ポリシロキサンであり、式中、Rは、場合により酸素が間に入った(C−C18)アルキレン基(但し、酸素原子は、Si原子に直接結合していない。)およびアリーレン基であり;Rは、独立して、アルキル基、アリール基、ビニル基、グリコール基、アルコキシ(C−C)基およびエポキシ基およびエポキシ官能基または有機シリル基またはエポキシ官能性有機(ポリ)シロキシル基から選択されてもよく;nは、1以上である。好ましくは、Rのうち少なくとも2つは、アリール、好ましくは、フェニルである。少なくとも1つのRは、エポキシアルキル基またはSi−O結合したケイ素含有基でなければならず、有機ポリシロキサン中に分岐を与える。
本発明のエポキシ官能性有機ポリシロキサン樹脂は、任意の既知の方法によって調製されてもよく、好ましくは、エポキシ官能性の加水分解可能なシラン(即ち、分子あたり最低でも少なくとも1個のエポキシ基を含むシラン)と、シリコーン「ベース」ポリマーとを同時加水分解によって反応させることによって調製されるか、または、不飽和エポキシ基含有シランとSi−H官能性ベースポリマーとのヒドロシリル化によって調製される。
適切なシリコーンベースポリマーは、当該技術分野で知られているようなM単位、D単位、T単位および/またはQ単位を含んでいてもよく、好ましくは、分子量(Mw)が約300から約15,000g/mol、さらに好ましくは、約1000から2500g/mol、最も好ましくは、約700から約2000g/molである。エポキシ官能性アルコキシシランとの反応(同時加水分解)のためのシリコーンベースポリマーは、残留アルコキシ基を含んでいなければならず、一方、不飽和エポキシ官能性化合物のヒドロシリル化を使用する調製のために使用されるものは、ケイ素−結合した水素を含んでいなければならない。
特に好ましいエポキシおよびアリール置換された有機ポリシロキサン樹脂は、下式
Figure 2015531019
を有するものであり、
式中、xおよびyは、平均で、150から1000、好ましくは、200から800、さらに好ましくは、400から700のエポキシ当量を与える整数である。上の式中のメチル基を、フェニル基、メチル基以外のアルキル基、例えば、C2−20アルキル基と、または水性分散物の形態のときにエポキシ基と非反応性の他の基と置き換えてもよい。後者の基の例としては、例えば、ハロアルキル基、好ましくは、フルオロアルキル基、シアノ基などが挙げられる。特に好ましいエポキシ置換およびアリール置換された有機ポリシロキサンは、Wacker Chemicalsから入手可能なエポキシ当量が約660から680、動的粘度が90から135cstのSILRES(登録商標)HP 1250である。上の式の「ダングリングボンド」は、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基であってもよい。この式において、xは、好ましくは、0から8、さらに好ましくは、0から4であり、yは、0から100、好ましくは、0から10、さらに好ましくは、1から6である。
適切なエポキシ官能性シランは、下式
Figure 2015531019
によってあらわされ、
式中、Rは、アルキル(C1−12)、アリール(C6−9)、アラルキル(C4−20)、アルカリール(C4−20)、ビニル、グリコール、アルコキシ(C1−12)およびエポキシ官能性C1−18炭化水素基のいずれか、またはこれらの組み合わせであり、但し、少なくとも1つのRは、R−Eを含み、Rは、Si−C結合した炭化水素基であり、少なくとも1つのアルコキシ基は、縮合による結合に存在するか、または合成がヒドロシリル化の場合には、少なくとも1つの不飽和基が存在する。
炭化水素基が、場合により、酸素原子が間に入っていてもよいことを注記すべきである。Rは、好ましくは、C3−12炭化水素基、最も好ましくは、C3−6脂肪族炭化水素基を含む。好ましくは、R−Eは、グリシドオキシプロピル
Figure 2015531019
である。
好ましくは、シランは、分子量が、約100から約750、さらに好ましくは、約150から約500、最も好ましくは、約180から約350である。シランは、好ましくは、エポキシ官能基が、約1から約10、さらに好ましくは、1から約5、最も好ましくは、約1である。縮合によって合成することが望ましい場合、シランは、アルコキシ官能基が、約1から約10、さらに好ましくは、1から約5、最も好ましくは、約3である。「シラン」という用語は、本明細書で使用する場合、縮合可能なシランの部分的な加水分解物も含む。好ましくは、シランは、モノシランである。
好ましくは、シランは、ケイ素と結合したC1−18アルコキシ基を有するγ−グリシドオキシプロピルシランである。好ましいシランは、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(OSi、A187)である。最も好ましくは、シランは、γ−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン(Wacker GF−82)である。このようなグリシドオキシプロピルトリアルコキシシランを使用し、加水分解可能なSi−O−C結合を有することなく、共有結合したエポキシ官能基を組み込むだろう。エポキシ基含有部分がSi−Cに結合しているため、Si−O−C結合の存在に起因する加水分解の可能性が避けられることが非常に好ましい。
シリコーンベースポリマーとエポキシ官能性シランの縮合反応は、当該技術分野で知られているように、水中で起こる。好ましくは、アルコキシ含有量が約20重量%未満、さらに好ましくは、約15重量%未満、最も好ましくは、10重量%以下になるような十分な量の水が与えられる。好ましくは、残留アルコキシ基は実質的に残らない。
エポキシを含有し、有機基を含有する有機ポリシロキサンは、好ましくは、それぞれのアルコキシシランの同時加水分解によって製造される。エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、好ましくは、分岐部位としてT単位およびQ単位を含むことによって分岐している。または、分岐部位の幾つかまたはすべては、ポリマー鎖にぶら下がるSi−C結合したエポキシ基からなっていてもよい。このような合成の例は、実施例1として本明細書に含まれ、本明細書に参考として組み込まれるU.S.6,713,586およびU.S.5,814,703に含まれる。
すでに簡単に記載した代替的な調製方法において、エポキシ置換および有機置換されたシリコーンは、ヒドロシリル化によって調製されてもよい。第1の工程において、直鎖または分枝鎖であってもよく、Si結合した有機基、好ましくは、フェニル基、Si結合した水素、好ましくは、Si結合したメチル基を含むベース有機ポリシロキサンが与えられる。このような有機ポリシロキサンは、市販されているか、または、有機ポリシロキサン化学で一般的な方法によって調製されてもよい。例えば、ベース有機ポリシロキサンは、例えば、限定されないが、複数のジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、水素メチルジメトキシシラン、水素フェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、水素ジメチルメトキシシランなどの混合物の適切な加水分解可能なシランの同時加水分解によって調製されてもよく、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、少なくとも2個のケイ素結合したアリール基または長鎖アルキル基、好ましくは、非常に複数のこのような基と、少なくとも2個のケイ素結合した水素原子、好ましくは、ケイ素結合した水素を含む2個以上の末端基、鎖上にあるケイ素結合した水素原子を含む有機ポリシロキサンを与える。同時加水分解は、示されているようなメトキシ官能性シラン、または他のアルコキシシラン、例えば、これらのエトキシ類似体またはプロポキシ類似体であってもよい。メトキシシラン、エトキシシランおよびこれらの混合物の使用が好ましい。アルコキシシランの代わりに、対応するハロシラン、例えば、ジメチルジクロロシランなどを使用してもよい。
シランの同時加水分解による調製に加え、平衡方法を使用し、Si−H官能性ベースポリマーを調製してもよい。このような方法において、第1の有機ポリシロキサンを、ベース有機ポリシロキサンに組み込むことが望ましい他のケイ素化合物と混合する。従って、例えば、フェニル基も含むポリジメチルシロキサンは、テトラメチルシクロテトラシロキサンとの平衡反応によって、有機ポリシロキサンにケイ素結合した水素を導入してもよい。平衡は、よく知られており、塩基性平衡触媒、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウムなどの存在下、または他の平衡触媒、例えば、ホスホニトリル酸塩化物を用いて行われてもよい。
Si−H含有ベース有機ポリシロキサンを、一般的に、洗浄し、精製し、触媒と、場合により低分子物質とを除去し、ヒドロシリル化触媒存在下、不飽和エポキシ化合物、例えば、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−シクロヘキオセン、1,2−エポキシ−9−デセン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどをヒドロシリル化する。従来の貴金属触媒、好ましくは、白金触媒、例えば、限定されないが、ヘキサクロロ白金酸、Karstedt触媒などを使用してもよい。ヒドロシリル化の結果として、エポキシ基含有部分は、炭素−炭素結合によって有機ポリシロキサンベースポリマーと結合する。
本発明の水性エマルションは、1つ以上の乳化剤および/または分散固体を含有し、さらなる非反応性部分も含有していてもよい。「非反応性」という用語は、さらなる成分が水性エマルション中のエポキシ基と室温で実質的に反応しないことを意味する。好ましくは、このような成分は、水性エマルション中のエポキシ基に対し、室温で反応性を示さず、好ましくは、50℃までの高温貯蔵条件で反応性を示さない。反応性は、水性エマルションの調製および時間が経過したときの特性の観察によって簡単に評価されるだろう。乳化した粒子の凝固は、顕著な反応が起こったことの指標の1つである。これに加え、エポキシ基含有量は、H NMRまたは他の方法によって測定されてもよく、または、エマルションの硬化性は、従来の硬化剤(例えば、酸無水物またはポリアミン)と混合したときに評価されてもよい。乳化剤(界面活性剤)および分散固体は、存在する場合、上に説明したように非反応性でもある。
水性エマルションのエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンの含有量は、広範囲にわたって変わってもよく、好ましくは、例えば、水、乳化剤および/または分散剤および有機ポリシロキサンの重量を基準として、5重量%から70重量%、さらに好ましくは、10から60重量%、さらになお好ましくは、20から60重量%、さらになお好ましくは、30から55重量%、最も好ましくは、約40から約50重量%であってもよい。利用される界面活性剤および/または分散固体の量は、分離に対して安定なエマルション、または好ましくはクリーミングに対して安定なエマルションが得られる量であり、主に、乳化する有機ポリシロキサンの重量%に依存し、界面活性剤の量が少ないほど、一般的に、固体含有量が低い必要がある。界面活性剤の量は、他の分散安定物質の存在によっても変わるが、本質的に無機の性質を有し、乳化を助けるように機能する。これらの「分散固体」物質は、開示内容が本明細書に参考として組み込まれる米国特許公開第2004/0131527号;同第2005/0107520号;同第2008/0096984号;および同第2011/0178207号に開示されるような、部分的にシリル化された無機酸化物、例えば、部分的にシリル化されたシリカ、および親水性金属酸化物と疎水性金属酸化物の混合物である。ある場合には、これらの分散固体を、従来の乳化剤と置き換えてもよい。
分散物を製造するための工程は、連続的または不連続的に行われてもよい。好ましくは、分散物を調製するのに必要な有機ポリシロキサンが調製され、乳化装置に進み、乳化の前に、乳化剤および/または分散媒体としての水の一部と混合し、この混合物を高速剪断ミキサーに供給し、ミキサー内で粘性相が生成し、安定で非常に微細に分割された分散物が製造されるように、ミキサーの下流の圧力および温度を測定し、閉ループで制御する。第1の高剪断ミキサーの上流または下流で、さらなる材料を加えてもよい。適切な場合、第1の高剪断ミキサーの下流のエマルションを、水を加えることによってさらに希釈してもよい。エマルションを調製する他の方法も使用可能である。
本発明の工程は、乳化剤として、水中油型分散物の使用によって得ることができる任意のイオン系乳化剤および非イオン系乳化剤(個々の乳化剤だけではなく、異なる乳化剤の混合物)を利用してもよい。「乳化剤」という用語は、本発明の内容において、有機乳化剤を意味する。すでに示したように、特定の乳化剤または乳化剤の組み合わせは、分散固体が使用される場合を含め、エポキシ置換および有機置換された、好ましくは、フェニル置換された有機ポリシロキサンに含まれるエポキシ基と本質的に非反応性でなければならない。
アニオン系乳化剤の例は、以下のとおりである。
1.アルキルサルフェート、特に、鎖長が8から18個の炭素原子のもの、疎水性基中に8から18個の炭素原子を含み、1から40個のエチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)単位を含む、アルキルエーテルサルフェートおよびアルカリールエーテルサルフェートである。
2.スルホネート、特に、8から18個の炭素原子を含むアルキルスルホネート、8から18個の炭素原子を含むアルキルアリールスルホネート、タウリド、スルホコハク酸と4から15個の炭素原子を含む一価アルコールまたはアルキルフェノールとのエステルおよびモノエステル。適切な場合、これらのアルコールまたはアルキルフェノールは、1から40個のEO単位でエトキシル化されていてもよい。
3.アルキル基、アリール基、アルカリール基またはアラルキル基の中の8から20個の炭素原子を含むカルボン酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩。
4.リン酸の部分エステルおよびこれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、特に、有機基中に8から20個の炭素原子を含むアルキルホスフェートおよびアルカリールホスフェート、アルキル基またはアルカリール基中に8から20個の炭素原子と1から40個のEO単位とを含むアルキルエーテルホスフェートまたはアルカリールエーテルホスフェート。
非イオン系乳化剤の例は、以下のとおりである。
5.5から50%、好ましくは、8から20%の酢酸ビニル単位を含み、重合度が500から3000のポリビニルアルコール。
6.アルキルポリグリコールエーテル、好ましくは、3から40個のEO単位と、8から20個の炭素原子を含むアルキル基とを含むもの。
7.アルキルアリールポリグリコールエーテル、好ましくは、5から40個のEO単位と、8から20個の炭素原子とをアルキル基およびアリール基中に含むもの。
8.エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)ブロックコポリマー、好ましくは、8から40個のEO単位および/またはPO単位を含むもの。
9.8から22個の炭素原子を含むアルキル基を含むアルキルアミンと、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの付加生成物。
10.6から24個の炭素原子を含む脂肪酸。
11.一般式R−O−Zのアルキルポリグリコシド、式中、Rは、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和の平均で8から24個の炭素原子を含むアルキル基であり、Zは、oの平均が1から10のヘキソース単位またはペントース単位を含むオリゴ糖基、またはこれらの混合物である。
12.天然材料およびこの誘導体、例えば、レシチン、ラノリン、サポニン、セルロース;アルキル基がそれぞれ4個までの炭素原子を含む、セルロースアルキルエーテルおよびカルボキシアルキルセルロース。
13.極性基、特に、O、N、C、S、P、Si元素を含む極性基を含む直鎖有機(ポリ)シロキサン、特に、24個までの炭素原子を含むアルコキシ基および/または40個までのEO基および/またはPO基を含むこれらの直鎖有機(ポリ)シロキサン。
カチオン性乳化剤の例は、以下のとおりである。
14.8から24個の炭素原子を含む一級、二級および三級の脂肪族アミンと、酢酸、硫酸、塩酸およびリン酸との塩。
15.四級アルキルアンモニウム塩および四級アルキルベンゼンアンモニウム塩、特に、アルキル基が6から24個の炭素原子を含むもの、特に、ハロゲン化物、サルフェート、ホスフェートおよびアセテート。
16.アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩およびアルキルオキサゾリニウム塩、特に、アルキル鎖が18個までの炭素原子を含むもの、特に、ハロゲン化物、サルフェート、ホスフェートおよびアセテート。
有用な両性乳化剤としては、特に、以下のものが挙げられる。
17.長鎖置換基を有するアミノ酸、例えば、N−アルキルジ(アミノエチル)グリシンまたはN−アルキル−2−アミノプロピオン酸塩。
18.ベタイン、例えば、C−C18−アシル基およびアルキルイミダゾリウムベタインを有するN−(3−アシルアミドプロピル)−N,N−ジメチル−アンモニウム塩。
乳化剤として使用するのに好ましいのは、非イオン系乳化剤、特に、上の6で引用したアルキルポリグリコールエーテルである。好ましくは、HLBが12以上、好ましくは14以上の少なくとも1つの非イオン系界面活性剤を使用し、場合により、他の界面活性剤、特に、HLBが12未満、好ましくは10未満の他の非イオン系界面活性剤と組み合わせて使用する。酸性乳化剤を使用する場合、これらは、好ましくは、アンモニウム塩または金属塩、例えば、このナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩の形態で使用される。
エマルション中にポリマー粒子も存在していてもよい。好ましいポリマー粒子は、ビニルモノマーの乳化重合の後、界面活性剤および/または噴霧乾燥中の不可逆的な凝集および融着を防ぐ保護コロイド噴霧助剤存在下での噴霧乾燥によって調製される、いわゆる水に再分散可能なポリマー粉末である。このような水に再分散可能なポリマー粉末は、塩化ビニル;塩化ビニルおよびエチレン;酢酸ビニル;酢酸ビニルおよびエチレン;スチレンおよびブチル(メタ)アクリレート;酢酸ビニルおよびもっと高級のビニルエステル、場合によりエチレンなどとの重合によって調製されるものである。多くのコモノマーおよび補助モノマーが含まれていてもよいが、一般的に、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基および三級アミノ基を含むさらなるモノマーを組み込むことは、エポキシ置換およびアリール置換された有機ポリシロキサンの時期尚早の反応を引き起こす場合があるため、推奨されない。任意のポリマー固体は、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンと本質的に非反応性でなければならない。いかなる場合であっても、任意の個々のポリマーの適切さは、時間が経過したときのエマルションのエポキシ含有量を測定することによって評価することができる。
本発明のエマルションは、他の有機ケイ素化合物も含有していてもよい。これらの中で、特に、有機ポリシロキサン、特に、幾つかのメチル基がフェニル基または他の有機基と置き換わったポリジメチルシロキサンおよびポリジメチルシロキサン;および水性エマルション中のエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンのエポキシ基と顕著に反応しない官能基(例えば、不飽和基、例えば、ビニル基および(メタ)アクリロイル基、ω−アルケニル基、ウレタン基、尿素基、ケイ素結合したアルコキシ基、シアノ基など)を有する有機ポリシロキサンである。添加剤としてさらに適切なのは、アルコキシシランおよびアルキルアルコキシシランである。例えば、イソオクチルトリエトキシシランを加え、撥水性を高めてもよい。未官能化有機ポリシロキサンは、例えば、可塑剤、内部離型剤および押出成型可能な潤滑剤として役立つ場合がある。
特に、乳化から作られる硬化した生成物の架橋密度を高めるために、エポキシ官能性シラン、例えば、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランおよびグリシドオキシプロピルトリエトキシシランを加えてもよい。
エマルションは、例えば、シリコーン、ポリエステルおよびアクリル系流動添加剤のような成分を、一般的に、エマルションの合計重量に対して8重量未満、好ましくは、5重量%未満、さらに好ましくは、3重量%未満の量で含んでいてもよい。
エマルションは、所望な場合、顔料も含んでいてもよい。顔料は、存在する場合、好ましくは、粒径が小さく、好ましくは、水相に乳化する前に有機ポリシロキサン成分に分散し、この結果、水相を蒸発させ、その後、融着および硬化させると、顔料は、硬化した生成物(例えば、硬化した着色コーティング)に均一に分散する。染料、特に、油溶性染料も存在していてもよい。
適切な顔料は、有機カラー顔料および無機カラー顔料から選択されてもよく、これらの顔料は、二酸化チタン、カーボンブラック、ランプブラック、酸化亜鉛、天然および合成の赤色、黄色、褐色および黒色の酸化鉄、トルイジンおよびベンジジンイエロー、フタロシアニンブルーおよびグリーン、およびカルバゾールバイオレット、体質顔料、粉砕シリカおよび結晶性シリカ、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、マイカ、雲母酸化鉄、炭酸カルシウム、亜鉛粉末、アルミニウムおよびケイ酸アルミニウム、石膏、長石などを含んでいてもよい。組成物を作成するために用いられる顔料の量は、特定の組成物用途に依存して変わることが理解され、透明組成物が望ましいときには、ゼロであってもよい。顔料は、典型的には、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンに加えられ、Cowlesミキサー、例えば、粉砕の微細度がHegman少なくとも3になるように分散させてもよく、または、ボールミルまたはサンドミルによって望ましい粉砕微粒度まで粉砕してもよい。
本発明のエマルションは、有機溶媒も含有していてもよいが、これは好ましくはない。有機溶媒は、膜形成向上剤として役立つ場合があり、有機ポリシロキサン分散相、連続水相、またはこれら両方の相に存在していてもよい。環境的に過度な問題がない溶媒が特に好ましい。これらの溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトンおよび第三級ブチルアセテートが挙げられる。有機溶媒が、存在する場合、エマルションの20重量%未満、好ましくは、10重量%未満、さらに好ましくは、5重量%未満を構成する。最も好ましくは、エマルションは、有機溶媒を含まず、有機溶媒を含まないとは、種々の要素の調製中に本質的に避けることができない程度のみの有機溶媒、例えば、出発物質であるアルコキシシランの同時加水分解からの痕跡量のメタノールおよび/またはエタノールを含むことを意味するとも解釈すべきである。
エマルションは、好ましくは、塩基性であり、さらに好ましくは、pHが7から11、さらになお好ましくは、7.5から10.5、最も好ましくは、8から9である。pHの調節は、界面活性剤および他の添加剤の選択、塩基、例えば、水酸化アンモニウムまたは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、または塩基性物質、例えば、弱酸の塩基性塩、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、例えば、酢酸ナトリウムまたはプロピオン酸カリウムの添加によって行われてもよい。
エマルションは、1つ以上の殺生物剤を含んでいてもよい。適切な殺生物剤は、よく知られている。好ましい殺生物剤は、Troy CorporationからTroysan 192およびMergal 192として市販される2−((ヒドロキシメチル)アミノ)−2−メチル−1−プロパノールである。他の殺生物剤、例えば、テブコナゾールおよび他のトリアゾール殺生物剤、オキサチアゾリノン殺生物剤なども効果的である。殺生物剤の量は、一般的に、微生物の成長に対して安定性を与えるのに必要な最小限の量であり、好ましくは、組成物の合計重量に対して5重量%未満、さらに好ましくは、0.1重量%から2重量%である。
エポキシ置換および有機置換された水性有機ポリシロキサンエマルションは、接着剤、塗料、コーティング、ポリマーのためのバインダーおよび圧力により固定可能な鉱物組成物、例えば、スタッコ、しっくい、下塗り、スクリーン、タイルの接着剤などを含め、多孔性材料(例えば、革、木材、建築用コーティング、セメントなど)の含浸材料として、多くの用途を有する。これらを、織物および不織布および繊維のための含浸材料またはコーティング、繊維、糸および繊維紐のサイズ剤として使用してもよい。このリストは例示的であり、限定するものではない。
一般的に、本発明の水性エマルションは、硬化されなければならない。硬化は、従来のエポキシ樹脂硬化剤(硬膜剤)の助けを借りて達成されてもよく、または例えば三級アミン触媒によってのみ触媒されてもよく、エポキシ基が縮合する。
好ましい硬膜剤としては、限定されないが、以下のいずれかまたは組み合わせが挙げられる。酸、例えば、リン酸;アミン、例えば、脂肪族アミン;脂肪族アミン付加物;ポリアミドアミン;脂環式アミンおよび脂環式アミン付加物;芳香族アミン;少なくとも1つの反応性水素を有するアルキルアミン;ポリアルキレンポリアミン;Mannich塩基;ケチミン、シロキサンポリマー上の反応したエポキシのヒドロキシル基;メルカプト−リン含有化合物およびカルボン酸基および/またはカルボン酸無水物を含む化合物。好ましい硬膜剤要素は、二官能アミン、即ち、2個の活性水素を含むアミンを含み、一般式
Y−Si−(O−X)
を有するアミノシランで完全に、または部分的に置換されていてもよく、式中、Yは、H(HNRであり、ここで、aは、1から約8であり、「a」は、1に等しく、各Rは、独立してアリール基、アルキル基、ジアルキルアリール基、アルコキシアルキル基およびシクロアルキル基から選択される二置換有機基であり、Rは、各Y分子の中で異なっていてもよい。各Xは、同じであってもよく、または異なっていてもよく、約6個未満の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される。アミノ官能性硬膜剤を使用する場合、エポキシ1当量あたり、少なくとも約0.5から約1.2、好ましくは、約0.7当量のアミンまたは約0.05から約0.5、好ましくは、約0.4モルのアミノシランが硬膜剤要素に存在していてもよい。
好ましいアミノシランとしては、限定されないが、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、3−(3−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェニルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリス[2 エチルヘキシル]シランおよびN−アミノヘキシルアミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
他の好ましいアミノシランは、アミノプロピル単位を含む二官能シランである。2つの反応性を有する、即ち、たった2個のアミン水素を含むアミノシランの組み合わせを、非芳香族エポキシ(これも2つの反応性を有する。)と反応させ、改良された濡れ能を示し、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンに含まれるエポキシ基の数によって確立された架橋度を有する実質的に直鎖のエポキシポリマーを生成することがわかったため、二官能アミノシランが望ましい。従って、架橋度は、実質的に架橋がない状態から、非常に高い架橋密度までさまざまであってもよい。鎖末端に、ポリシロキサン鎖に沿って、またはこの両方の位置にアミノアルキル置換基を有する有機ポリシロキサンも適している。このような有機ポリシロキサンは、Wacker ChemicalsからSILRES(登録商標)HP−2000として市販されている。
このような好ましいアミンおよびアミノシランは、基材コーティングとして塗布される場合、色および光沢の保持という両方の観点で優れた耐候性を示すエポキシ−ポリシロキサン組成物を製造する。好ましいアミノシランの具体例としては、Wacker Chemical GF 80およびGF 82、Dow 6020、OSi A1100、OSiA1100、OSiA1120、OSiA 1130、OSi A1387およびY9632が挙げられる。
硬膜剤を使用する場合、有機ポリシロキサンのエポキシ基と硬膜剤との反応を促進するために、触媒を加えてもよい。このような触媒は、よく知られており、組成物の硬化を促進するのに効果的な触媒量で使用される。適切な触媒としては、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)および水酸化カリウム(KOH)が挙げられる。他の適切な触媒の例としては、アルミニウム、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、チタン、コバルト、鉄、鉛およびスズを含有する化合物、例えば、有機スズ触媒、例えば、ジブチルスズジラウレートおよびジブチルスズジアセテート、有機チタネート、酢酸ナトリウムおよびアミン、例えば、プロピルアミン、エチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、イミダゾールおよびポリアミンを含む脂肪族二級アミンまたは三級アミンが挙げられる。触媒を単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
多くの硬化方法を適用してもよい。例えば、本発明の水性エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンエマルションを、まず、型に入れるか、または基材に塗布した後、硬膜剤および/または触媒(場合により、水性エマルションの形態でもある。)を塗布してもよく、または硬膜剤および/または触媒をまず塗布し、次いで、本発明のエマルションを塗布してもよい。または、硬膜剤および/または触媒を無希釈で、溶液で、またはエマルションまたは分散物として本発明のエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンに添加し、ブレンドしてもよい(好ましくは、均質に)。得られた混合物は、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンおよび硬膜材および/または触媒の別個の分散相を含んでいてもよく、または、分散したエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンの相に硬膜剤および/または触媒を吸収させてもよい。混合すると、混合物は、限定された可使時間を有するだろう。硬化速度は、特に、水相を除去すると、エマルションの固体含有量が増えるにつれて大きくなるだろう。硬膜剤および/または触媒は、望ましい可使時間を与えるような種類および量で選択されるべきであり、加熱し得る基材について、潜在的な触媒を使用してもよく、これらは、市販されている。
本発明のエマルションの好ましい用途は、本発明のエマルションが、任意要素の(本質的に非反応性の)成分を含む第1の要素と、硬膜剤および/または触媒を含有する溶液、エマルションまたは分散物を含む第2の要素とともに存在する2成分組成物としての用途であり、これらは、使用直前に混合する。このような2成分系は、圧力により硬化可能な組成物として、例えば、タイル接着剤およびグラウト、または塗料またはコーティングのためのバインダーおよび接着促進剤として使用するのに著しく適している。後者は、浸漬、刷毛塗り、ロール塗布、噴霧、またはこれらの方法および/または他の方法の組み合わせを含む任意の有用な方法によって塗布してもよい。混合した要素は水性であり、これをセメント、モルタル、しっくいなどと混合するための水源として使用することができる。
硬化した生成物は、突出した熱安定性およびUV安定性を有する。この安定性は、これ自体がシリコーン系の硬膜剤を使用することによって、さらに大きくなるだろう。UV安定化剤および熱安定化剤を加えてもよい。
本発明を一般的に記載したが、単に例示の目的のために本明細書で提示する特定の具体例を参照することによってさらなる理解を得ることができ、別段の定めがない限り、限定することを意図していない。
(樹脂配合物の実施例)
3ッ口丸底フラスコ中、60.90gの量のメチルフェニルジメトキシシランを、167.43gのフェニルトリメトキシシラン、21.67gのジメチルジメトキシシランおよび24.88gの脱イオン水とブレンドし、均質になるまで混合する。1.37gの19%KOH溶液を混合物に加える。混合物を80℃まで加熱し、79.22g(101.5ml)のアルコールが集まるまで保持する。
186.53gのγ−グリシドオキシプロピルトリエトキシシランおよび17.13gの脱イオン水を、上述の反応生成物にブレンドし、均質になるまで混合する。得られた混合物を80℃まで加熱し、70.19g(90.75ml)のアルコールが集まるまで環流させる。最終生成物は、Brookfield粘度計を用い、スピンドル6番、20rpmで約18,590cpsの粘度を有する黄色液体である。
残留アルコキシ基の反応後、溶液の固体含有量は、93.11重量%である。樹脂のアルコキシ含有量は約13%である。エポキシ当量は、約492である。
(エマルションの調製)
第1に油中水型エマルションを調製し,次いで、激しく混合しつつ水を徐々に加え、水中油型エマルションへとエマルションを反転させる反転乳化技術によってエマルションを調製した。
[実施例1]
32gの水および24gのTergitol(登録商標)15−S−15非イオン系界面活性剤を1000mlビーカーに加え、Ultra−Turrax(登録商標)T50型ミキサーを用い、均質になるまで(6000s−1で約2から3分)混合した。Wacher Chemical Corp.から入手可能であり、エポキシ当量が660から680g/エポキシ基のモル数であり、動的粘度が90から135cstの176gのエポキシ置換およびアリール置換されたポリジメチルシロキサンを、SILRES(登録商標)HP 1250として、均一になるまで6000s−1で連続的に攪拌しつつ、すばやく加えた。次いで、連続して攪拌しつつ、40gの水を迅速に加え、2から3分混合した。前述の工程を2回繰り返し、同様に、最終的に48gの水を加えた。得られた水中油型エマルションは、6重量%の界面活性剤と、44重量のエポキシ置換およびアリール置換された有機ポリシロキサンと、50%の水とを含んでいた。RVT Brookfield粘度計を用い、6/60rpm、2番のスピンドル、25℃で測定したとき、粘度が35/30cpsの不透明エマルションを得た。エマルションに対する試験結果を表1に示す。分散相のエポキシ含有量を4ヶ月後に測定し、変化していないことがわかった。このエマルションは、pHが8から9であった。
[実施例2]
実施例1の手順に従うが、4.8重量%の界面活性剤を用い、これに対応して、SILRES(登録商標)HP 1250を少なくし、固形分が40%(有機ポリシロキサンと界面活性剤)のエマルションを得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の手順に従うが、Tergitol(登録商標)15−S−15およびTergitol(登録商標)15−S−30の6.0重量%のブレンドを用い、このブレンドは、HLBが約16.1であった。結果を表1に示す。粘度は、実施例1と同様に測定すると、121/420cpsであった。
[実施例4]
実施例2の手順に従い、実施例3からの界面活性剤ブレンドを使用した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1の手順に従うが、ARLYPON(登録商標)IT−16を界面活性剤として使用した。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例2の手順に従うが、ARLYPON(登録商標)IT−16を界面活性剤として使用した。結果を表1に示す。
Figure 2015531019
すべてのエマルションは、満足のいく結果であり、優れた凍結解凍安定性を示した。ARLYPON(登録商標)IT−16から調製したエマルションは、かなり大きな粒径を有しているが、遠心分離後にも沈殿を示さず、1ヶ月貯蔵した後にいくらか沈降を示した。
本発明において、それぞれの要素は、単一成分として、または複数の成分として存在していてもよい。本発明のエマルションは、少なくとも1つのエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサン、乳化剤および/または分散剤および水を必要とする。それぞれのさらなる要素は、明細書で特定されているか否かに拘わらず、任意要素であり、本発明のエマルションは、このような成分存在下で製造されてもよく、または、無名のものを含め、このような成分が存在しなくてもよい。好ましくは、本発明のエマルションは、エポキシ置換およびアリール置換された有機ポリシロキサン、乳化剤および/または分散剤および水からなるが、これらの成分から本質的になっていてもよく、例えば、硬化特徴または乳化安定性を変え得るさらなる成分を含まない。
「貯蔵時に安定」という用語は、室温(例えば、20から25℃)で2週間貯蔵した後、組成物が、観察できる沈殿または相分離を起こさないことを意味する。組成物は、好ましくは、少なくとも1ヶ月間、同様の様式で貯蔵時に安定である。
「本質的に非反応性」とは、例えば、エポキシ置換およびアリール置換された有機ポリシロキサンの重量を基準として重量%で測定されたエポキシ基の含有量が、室温で2週間貯蔵した後、減少が20%未満、好ましくは、10%未満、さらに好ましくは、5%未満であることを意味する。好ましくは、このような減少は、1ヶ月貯蔵した後に観察されず、最も好ましくは、実質的にみられず、またはエポキシ含有量の測定可能な減少は少なくとも観察されない。
本発明の実施形態が示され、記載されてきたが、これらの実施形態は、本発明のあらゆる可能な形態を示し、記載することを意図していない。むしろ、明細書で用いられた用語は、限定ではなく、記述のための用語であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされてもよいことが理解される。

Claims (13)

  1. 貯蔵時に安定な水性エマルションであって、
    (a)第1の分散相として、複数のケイ素−炭素結合したエポキシ含有基を有する少なくとも1つの分枝鎖エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンと;
    (b)連続相として、水と;
    (c)(a)を(b)に安定に分散させ、貯蔵時に安定な水中油型エマルションを形成するのに十分な量の少なくとも1つの乳化剤および/または分散固体と
    を含む、エマルション。
  2. 少なくとも1つの分枝鎖エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンが、Si−C結合したアリール基、Si−C結合した長鎖アルキル基、またはSi−C結合したアリール基と長鎖アルキル基の両方を含む、請求項1に記載のエマルション。
  3. 1つ以上のアリール基が、アリールアルキル基またはアルカリール基である、請求項2に記載のエマルション。
  4. エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンが、下式
    Figure 2015531019
    のM単位、D単位、T単位および場合によりQ単位で構成され、
    式中、Eは、場合により1個以上の酸素原子を含有するエポキシ官能性C1−18炭化水素基であり、但し、酸素原子は、Si原子に直接結合しておらず;RおよびRは、独立して、場合によりヘテロ原子連結基が間に入ったC1−20炭化水素基であり、
    aは、0、1または2、好ましくは、0または1の整数であり;
    bは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2の整数であり;
    cは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2の整数であり;
    M単位において、a+b+c=3であり、
    D単位において、a+b+c=2であり、
    T単位において、a+b+c=1であり、
    但し、この分子は、平均で、少なくとも2個のE要素を含有し、RまたはRのうち、少なくとも2個がアリール基または長鎖アルキル基である、請求項1に記載のエマルション。
  5. ヘテロ原子連結基は、独立して、
    Figure 2015531019
    からなる群から選択される、請求項4に記載のエマルション。
  6. エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンは、式
    Figure 2015531019
    を有し、式中、Rは、場合により酸素およびアリーレン基が間に入った、SiC結合した(C−C18)アルキレン基であり;Rは、独立して、アルキル、アリール、ビニル、グリコール、(C−C)アルコキシおよびエポキシからなる群から選択され;nは、1以上であり、但し、Rのうち少なくとも2つは、アリール基または長鎖アルキル基であり、少なくとも1つのRは、エポキシ官能基がケイ素に結合したSi−Cである分岐部位を構成するか、または有機シロキシ基またはポリ有機シロキシ基である、請求項1に記載のエマルション。
  7. 乳化剤は、少なくとも1つの非イオン系界面活性剤を含む、請求項1に記載のエマルション。
  8. 分散固体は、部分的に水可湿性の金属酸化物、親水性金属酸化物と疎水性金属酸化物の混合物、またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載のエマルション。
  9. エマルションは、さらに、部分的に水可湿性の金属酸化物、親水性金属酸化物と疎水性金属酸化物の混合物、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載のエマルション。
  10. [(a)+(c)]の合計は、[(a)+(b)+(c)]の合計を基準として、30から60重量%である、請求項1に記載のエマルション。
  11. 請求項1に記載の水性エマルションと、エポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンを硬化させて固体にするのに有効な量の硬膜剤、触媒、または硬膜剤および触媒の両方とを含む、接着剤、塗料、コーティングまたはバインダー。
  12. 分散相は、さらに、染料、フィラー、顔料、可塑剤および有機溶媒からなる群から選択される1つ以上の成分を含む、請求項1に記載の水性エマルション。
  13. 固体ポリマー粒子の第2の分散相をさらに含み、固体ポリマー粒子は、前記水性エマルション中のエポキシ置換および有機置換された有機ポリシロキサンのエポキシ基と室温で実質的に非反応性である、請求項1に記載の水性エマルション。
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