JP2015525779A - レバミピドを有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高脂血症及びこれと関連した疾患を予防または治療することに使用されるレバミピドの薬学的用途に関し、詳しくは、レバミピドを有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物に関する。本発明に係るレパミピド化合物は、大食細胞で分泌する高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させ、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成を抑制させ、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで血液脂質を改善させ、脂肪肝を改善させ、B細胞の活性を抑制させ、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現減少と共に、炎症反応が制御できるTreg細胞の発現を増大させることができる。従って、レバミピド化合物は、前記のような多様な機作を通じて高脂血症及びこれと関連した動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患などを予防または治療することができる薬学的組成物として有用に使用することができる。また、薬物に対する毒性及び副作用もないので、長期間服用の際にも安心して使用することができ、体内に対して安定した効果がある。

Description

本発明は、高脂血症及びこれと関連した疾患を予防または治療することに使用されるレバミピド(Rebamipide)の薬学的用途に関し、詳しくは、レバミピドを有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物に関する。
現代人は、西欧的な食生活とライフスタイルの変化、そしてシンプルさを追求する時代的要求により、飽和脂肪とコレステロールの過量を摂取し過ぎており、これは、肥満、高脂血症、動脈硬化及び心筋梗塞などの心血関係の疾患を誘発し、脂質過酸化物などは、生体内で退行性過程を引き起こし、癌、老化を促進し、生体膜を変化または破壊させることが知られている。血中コレステロールは、虚血性脳血管疾患及び冠状動脈疾患の危険因子として明らかとされ、自由ラジカルが老化及び脳血管疾患、心血関係疾患、癌のような慢性疾患の原因になると明らかとされた。
韓国の場合、2008年を基準として、3大死因である悪性新生物(癌)、脳血管疾患、心臓疾患(虚血性心臓疾患及びその他の心臓疾患含み)は、全体死亡者の48.1%であり、1998年に比べて脳血管疾患の死亡率は減少したが、心臓疾患(虚血性心臓疾患及びその他の心臓疾患含み)は増加したことを統計結果により確認することができる[National Statistical Office Republic of Korea:Annual Report on the Cause of Death Statistics 2008(2010)]。
また、このような疾病は、食生活の変化と密接な関係があるが、2008年の国民健康栄養調査の結果をみると、慢性疾患として、肥満(19才以上)30.7%、高血圧(30才以上)26.8%、糖尿病(30才以上)9.7%、高脂血症(30才以上)10.9%で有病率が表れ、ここ最近の10年間、高血圧と糖尿病は減少したが、肥満と高脂血症は増加したことが調査により分かった。
高脂血症(hyperlipemia)とは、必要以上に多くの脂肪成分物質が血液内に存在することで、血管壁に積もって炎症を起こし、その結果、心血管疾患を起こす状態をいう。高脂血症は、コレステロール(cholesterol)、中性脂肪(triglyceride)、リン脂質及び遊離脂肪酸などの血清脂質のいずれか一つ以上の血清内濃度が、空腹時の血清脂質の正常範囲である50〜150mg/dlの中性脂肪、150〜250mg/dlのリン脂質、130〜230mg/dlのコレステロール、及び5〜10mg/dlの遊離脂肪酸より高い状態である。このような高脂血症を放置する場合、高血圧、冠状動脈硬化症(狭心症、心筋梗塞)、脳動脈硬化症(脳梗塞)などの病勢の悪い合併症をもたらす可能性が高くなる。
現在、高脂血症治療剤として胆汁酸と結合するレジン(resin)(例えば、cholestyramine、colesripolなど)、コレステロールの生合成過程の主要酵素であるHMG−CoA還元酵素阻害剤(例えば、ロバスタチン(lovastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、プラバスタチン(pravastatin))などが臨床で使用されているが、長期服用の場合は副作用が発生する恐れがある。特に、HMG−CoA還元酵素阻害剤であるスタチン系列の薬物は、肝の損傷及び筋肉病(myopathy)などをもたらしえることが知られている。
また、現在、市販されている血中コレステロール降下剤は、大きく、3−hydroxy−3−methylglutayl−CoA(HMG−CoA)reductase阻害剤、bile−salt sequestrants、fibrate類、及びniconic acid誘導体がある。この中で、lovastatin、simvastatin及びpravastatinなどは、コレステロール生合成の初期段階のHMG−CoA reductase阻害する最もよく知られたコレステロール降下剤であるが、ステロイドホルモン及びドリコール(dolichol)の合成を阻害することで、深刻な副作用をもたらしている(Havel、R.L.et al.,Ann.Internal Med.,107:609−615,1987;Illingworth,D.R.and Bacon,S.Am.J.Cardiolopy 60:33−42,1987)。
従って、より安全でかつ脂質代謝の抑制及び高脂血症の治療効果に優れた新しい治療剤の開発が切実に要求されている実情である。
そこで、本発明者は、現在、胃潰瘍治療剤として使用されるレバミピド(rebamipide)が大食細胞で分泌する高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させ、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成を抑制させ、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで血液脂質を改善させ、脂肪肝を改善させ、B細胞の活性を抑制させ、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の生成を加速化させるTh17の発現減少と共に、炎症反応が制御できるTreg細胞の発現を増大させることができることを最初に究明し、これにより、高脂血症及びこれと関連した疾患の治療剤として有用に使用できることを確認することで本発明を完成した。
そこで、本発明の目的は、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療効果を有するレバミピドの新規用途を提供することにある。
前記のような本発明の目的を達成するために、本発明は、レバミピド(rebamipide)化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物を提供する。
本発明の一実施例において、前記レバミピドは、大食細胞で分泌する高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させることができる。
本発明の一実施例において、前記レバミピドは、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成を抑制させることができるだけでなく、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現減少及び炎症反応を制御することができるTreg細胞の発現増大を通じて動脈硬化巣の形成を抑制させることができる。
本発明の一実施例において、前記レバミピドは、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで、血液脂質を改善させることができる。
本発明の一実施例において、前記レバミピドは、組成物に0.1μM〜10000μMの濃度で含まれることができる。
本発明の一実施例において、前記高脂血症は、自己免疫疾患由来の高脂血症であることができる。
本発明の一実施例において、前記高脂血症と関連した疾患は、動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患、不整脈、先天性心臓疾患、心筋梗塞症、狭心症、脳卒中及び末梢血管疾患からなる群から選択されることができる。
本発明に係るレバミピド化合物は、大食細胞で分泌する高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させ、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成を抑制させ、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで血液脂質を改善させ、脂肪肝を改善させ、B細胞の活性を抑制させ、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現減少と共に炎症反応を制御することができるTreg細胞の発現を増大させることができる。従って、レバミピド化合物は、前記のような多様な機作を通じて高脂血症及びこれと関連した動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患などを予防または治療することができる薬学的組成物として有用に使用することができる。また、薬物に対する毒性及び副作用もないので、長期間服用の際にも安心して使用することができ、体内に対して安定した効果がある。
レバミピド処理による大食細胞における分泌する炎症性サイトカイン生成量をELISA分析を通じて測定して示したものである(Nil:LPS及びレバミピド無処理群)。 マウス大食細胞であるRAW264.7に対するレバミピドの細胞毒性を調べるために、MTT assayを行った結果である(Nil:LPS及びレバミピド無処理群)。 ヒト大食細胞株であるTHP1細胞を利用したoxLDL誘導泡沫細胞の形成において、レバミピドを濃度別(100、250、500、1000μM)処理による泡沫細胞の生成程度をOil red O染色を通じて示した写真である。 ヒト大食細胞株であるTHP1細胞を利用したoxLDL誘導泡沫細胞の形成において、レバミピド単独、シンバスタチン単独、またはレバミピドとシンバスタチンとの併用処理による泡沫細胞の生成程度をOil red O染色を通じて示した写真である。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウス血清内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪の濃度変化を測定してグラフに示したものである。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウス血清内のASTとALT活性数値を測定してグラフに示したものである。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウスの大動脈内のaorta branch程度をOil red O染色を通じて示した写真である。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウス血清内の総IgGとIgG1の数値を測定してグラフに示したものである。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウスの脾臓細胞でTh17細胞とTreg細胞の発現程度をFACSで分析したものである。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウスの脾臓断片でTh17細胞とTreg細胞の発現程度を共焦点顕微鏡を通じて分析したものである。 高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した後、マウスの脾臓細胞でMMP−9のmRNA発現量をRT−PCRを通じて分析したものである。
本発明は、レバミピド化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物に関する。
本発明者は、安全でかつ脂質代謝の抑制及び高脂血症の治療効果に優れた新しい治療剤を開発するために、レバミピド化合物に注目したが、レバミピドは、胃潰瘍、急性胃炎または慢性胃炎の急性悪化による胃粘膜損傷の治療に優れた効果を有する医薬で、消化性潰瘍治療剤として広く使用されており、その化学名は、2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−[2(1H)−キノリノン−4−イル]プロピオン酸である。この薬剤は、PGE2生合成を促進させて粘液を増加させることで胃粘膜を保護し、細胞増殖を促進させ、特にヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)菌に感染された患者において、胃粘膜細胞に対する菌の粘着及び浸潤を抑制させることで、胃炎症を抑制する特徴を有する。
しかし、従来は、レバミピドを高脂血症及びこれと関連した疾患の治療のための用途として使用できるという内容については、全く言及されていない。
そこで、本発明では、レバミピド化合物が高脂血症及びこれと関連した疾患を予防または治療するための用途として使用することができ、特に、高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させ、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成を抑制させ、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで血液脂質を改善させ、脂肪肝を改善させ、B細胞の活性を抑制させ、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現減少と共に炎症反応を制御することができるTreg細胞の発現を増大させる機作を通じて前記高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療効果を誘導することができるという事実を最初に究明した。
一般的に、高脂血症は、必要以上に多くの脂肪成分物質が血液内に存在しながら様々な合併を誘発するが、このような合併症としては、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などのような非常に危ない疾患が多いので、格別な予防または治療が要求されている実情である。
動脈硬化の特徴は、内皮に脂質が蓄積されて、炎症反応が起こりアテロームプラーク(atherosclerotic plaque)が形成されるが、プラークは動脈を狭小化させ、細くなった動脈は血栓によって塞がれる場合に破裂しやすいので、心血管疾患を起こしえる。
このような動脈硬化の初期段階で重要な役割をするものは、単核球(monocyte)に由来する大食細胞である。高脂血症により血液内のLDL濃度が高過ぎるか、LDLが酸化によって変形される場合、大食細胞は、スカベンジャー受容体(scavenger receptor)を利用して酸化されたLDL(oxLDL:oxidized LDL)を移入するが、酸化されたLDLを移入した大食細胞を泡沫細胞(foam cells)という。一般的に、病原体を貪食した大食細胞は他の場所に移動するが、泡沫細胞は酸化されたLDLを移入した後もその場から離れないため、正常な生物学的機能を喪失し、血管内皮細胞に浸透して動脈硬化巣(atherosclerotic plaque)の形成を通じて平滑筋を肥厚させる。さらに、泡沫細胞が動脈の内皮に捕獲される場合、局地的な炎症反応を触発すると知られている。
本発明の下記の実施例1では、レバミピドが大食細胞に与える影響を観察するために、マウス腹腔大食細胞にレバミピドを処理した後、LPSで刺激させた場合、高脂血症誘発因子であるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を効果的に抑制させることを確認することができた(図1参照)。
また、本発明の下記の実施例3では、レバミピドが動脈硬化巣の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成に与える影響を観察し、その結果、レバミピド処理濃度に依存的に血管病因細胞である泡沫細胞の生成が抑制されることが表れ(図3参照)、特に既存の高脂血症治療薬物であるシンバスタチン(Simvastatin)と比べて泡沫細胞の生成抑制効果がさらに優れていることを確認することができた(図4参照)。
また、本発明の下記の実施例4では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による血液脂質の改善効果を観察し、その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪濃度が効果的に減少することを確認することができた(図5参照)。
また、本発明の下記の実施例5では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による脂肪肝の改善効果を観察し、その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清AST及びALT活性が有意的に減少することが表れ、レバミピドが高脂血症動物モデルで肝損傷抑制可能なことを確認することができた(図6参照)。
また、本発明の下記の実施例6では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による動脈硬化巣の形成抑制効果を観察し、その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した実験群で、大動脈で見えるaorta branchがOil red O陽性が顕著に少ないことが表れ、レバミピドが実際に動脈硬化巣の形成を抑制することを確認することができた(図7参照)。
また、本発明の下記の実施例7では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるB細胞抗体の免疫反応を調査し、その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清内のIgGとIgG1の数値が減少することが表れ、レバミピドによってB細胞の活性が抑制可能なことを確認することができた(図8参照)。
また、本発明の下記の実施例8では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるTh17細胞抑制及びTreg細胞誘導の同時調節反応を観察し、その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現が脾臓細胞内で減少することが表れた一方、免疫調節細胞であるTreg細胞の発現は増加したことを確認することができた(図9及び図10参照)。
参考として、各種の病原体に対する生体防御システムとして免疫系で中心的役割をする細胞群の一つとしてT細胞がある。T細胞は、人体の胸腺で生成され、一連の分化過程を経て固有の特性を持ったT細胞に分化するが、分化を完了したT細胞は、その機能によって大きく1型ヘルパー細胞(Th1)と2型ヘルパー細胞(Th2)に区分される。この中で、Th1細胞の主な機能は細胞媒介性免疫に関与し、Th2細胞は体液性免疫に関与し、免疫系でこのような二つの細胞集団は、互いに活性化しないように互いに牽制を通じて免疫系のバランスを維持している。
従って、免疫疾患の多くは、このような二つの免疫細胞間のバラツキに起因するとみることができるが、例えば、Th1細胞の活性が非正常的に増加する場合は免疫疾患が発生し得て、Th2細胞の活性が非正常的に増加する場合は過敏反応による免疫疾患が発生すると知られている。
一方、Th1細胞の分化に対する最近の研究結果によると、Th1細胞の活性を調節することができる新しいグループである免疫調節T細胞(Regulatory T cell、以下、簡単に「Treg」と略称する)の存在が知られ、これを利用した免疫疾患の治療に対する研究が取り上げられているが、Treg細胞は、非正常的に活性化した兔疫細胞の機能を抑制して炎症反応を制御する特性があり、Treg細胞の活性を増加させる作用を通じて免疫疾患と炎症疾患を治療する実験が多く報告されている。
また、Treg細胞の他に分化過程で作られるまた他のグループとしてTh17細胞があるが、Th17細胞は、未分化T細胞の分化過程で、Treg細胞の分化と類似した過程を経て形成されると知られている。即ち、Treg細胞とTh17細胞の分化は、共通してTGF−βの存在下でなされるが、Treg細胞の場合、IL−6を要しないことに対し、Th17細胞の場合は、TGF−βと共にIL−6が存在する状況で分化をする。また、分化したTh17細胞は、IL−17を分泌することを特徴とする。
Th17細胞は、Treg細胞とは違って、免疫疾患で見える炎症反応の最前方で関与して、炎症反応の信号を最大化させて疾病の進行を加速化させることが明かされている。
従って、Th17細胞の抑制及びTreg細胞の誘導の同時調節が可能な場合、過度な免疫反応または炎症反応を効果的に抑制することができるが、レバミピドの場合、Th17細胞の発現抑制と同時にTreg細胞の発現を増進させることができるので、過度な免疫反応または炎症反応を効果的に抑制することができると判断された。
また、本発明の下記の実施例9では、高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるMMP−9のmRNA発現量を調査した。非線維性(non−fibrillar)コラーゲンを分解するMMP−9は、動脈硬化巣で発現され、動脈硬化巣の破裂に重要な病態生理学的機転に主な役割をすることが知られている。その結果、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、マウスの脾臓細胞でMMP−9の発現量が陽性対称群であるシンバスタチンを経口投与した群に比べて確実に減少したことを確認することができた(図11参照)。これにより、本発明者は、レバミピドがMMP−9の発現を効果的に減少させることで、動脈硬化巣の破裂によって引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の発生をさらに効果的に防止することができると判断した。
このような結果を通じて、本発明者は、レバミピドが多様な機作を通じて高脂血症及びこれと関連した疾患の予防及び治療に効果的であることを実験的に立証した。
従って、レバミピドまたはこの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む本発明の組成物は、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療に有用に使用することができる。
本発明に係る前記レバミピドは、下記の化学式1で表される化合物である。
本発明に係る前記レバミピド化合物は、炎、好ましくは、薬学的に許容可能な塩の形態で使用されることができる。前記塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩が好ましく、前記遊離酸としては、有機酸と無機酸を使用することができる。前記有機酸は、これに制限されるものではなく、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゾ酸、グルコン酸、メタスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4−トルエンスルホン酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含む。また、前記無機酸は、これに制限されるものではなく、塩酸、臭素酸、硫酸及びリン酸を含む。
本発明に係るレバミピド化合物は、市中で販売されるものを使用してもよく、または、天然から分離されるか当業界に公知された化学的合成法で製造されたものを使用してもよい。
本発明の一具体例において、前記レバミピドは、大食細胞で高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させる機作を通じて、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療効果を有することができる。
また、本発明の他の具体例において、前記レバミピドは、本発明の組成物に0.1〜10000μMの濃度で含まれることができる。
一方、本発明で提供する高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物は、薬剤学的組成物であることが好ましい。
本発明において、「高脂血症関連疾患」は、高脂血症によって誘発するか促進する疾患を意味し、例えば、動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患、不整脈、先天性心臓疾患、心筋梗塞症、狭心症、脳卒中及び末梢血管疾患からなる群から選択されることができるが、特にその種類を限定するものではない。
本発明で「治療」とは、他に言及がない限り、前記用語が適用される疾患または疾病、または前記疾患または疾病のいずれか一つ以上の症状を逆転させるか、緩和させるか、その進行を抑制するか、または予防することを意味し、本願で使用された前記治療という用語は、「治療する」が前記のように定義される場合に治療する行為をいう。従って、哺乳動物において、高脂血症及びこれと関連した疾患の「治療」または「治療療法」は、下記の一つ以上を含む。
(1)高脂血症及びこれと関連した疾患の発達を阻止させる、
(2)高脂血症及びこれと関連した疾患の拡散を予防する、
(3)高脂血症及びこれと関連した疾患を軽減させる、
(4)高脂血症及びこれと関連した疾患の再発を予防する、及び
(5)高脂血症及びこれと関連した疾患の症状を緩和する(palliating)。
本発明の薬剤学的組成物は、有効成分であるレバミピドの他に、薬剤学的に適合で生理学的に許容される補助剤を使用して製造されることができ、前記補助剤としては、賦形剤、崩解剤、甘味剤、結合剤、被覆剤、膨張剤、潤滑剤、滑沢剤または香味剤などを使用することができる。
また、前記薬剤学的組成物は、投与のために有効成分であるレバミピドの他にさらに薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含んで薬剤学的組成物として好ましく製剤化することができる。
前記薬剤学的組成物の製剤形態は、顆粒剤、散剤、錠剤、被覆錠、カプセル剤、坐剤、液剤、シロップ、汁、懸濁剤、乳剤、点滴剤または注射可能な液剤などからなってもよい。例えば、精製またはカプセル剤の形態への製剤化のために、有効成分は、エタノール、グリセロール、水などのような経口、無毒性の薬剤学的に許容可能な不活性担体と結合してもよい。また、望むか必要な場合、適合な結合剤、潤滑剤、崩解剤及び発色剤も混合物として含まれてもよい。適合な結合剤は、これに制限されるものではなく、片栗粉、ゼラチン、グルコースまたはベータラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガントまたはソジウムオレートのような天然及び合成ガム、ソジウムステアレート、マグネシウムステアレート、ソジウムベンゾエート、ソジウムアセテート、ソジウムクロライドなどを含む。崩解剤は、これに制限されるものではなく、片栗粉、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどを含む。液状溶液で製剤化される組成物において、許容可能な薬剤学的担体としては、滅菌及び生体に適合なもので、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれら成分の中で1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など他の通常の添加剤を添加してもよい。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または精製で製剤化してもよい。さらに、当該分野の適切な方法として、Remington’s Pharmaceutical Science、Mack Publishing Company、Easton PAに開示されている方法を利用し、各疾患によって又は成分によって好ましく製剤化することができる。
本発明の一実施例において、本発明のレバミピドは、組成物に0.1〜10000μMの濃度で含まれてもよく、また、本発明のレバミピドは、組成物の総重量に対して、0.1〜95重量%で含まれてもよい。
本発明の薬剤学的組成物が治療効果を表すことができる疾患の種類としては、高脂血症、動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患、不整脈、先天性心臓疾患、心筋梗塞症、狭心症、脳卒中及び末梢血管疾患からなる群から選択された疾患であるが、これに限定されるものではない。
本発明の薬剤学的組成物は、レバミピドを薬剤学的に許容される担体と共に薬剤学的に有効な量で含んでもよい。
本発明において「薬剤学的に有効な量」とは、治療しようとする疾患に対して緩和、抑制、好転及び/または完治効果を表す有効成分の量をいう。本発明のレバミピドの投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法及び疾患の重症度などによってその範囲が多様である。例えば、治療的に有効な投与量は、初期は、細胞培養を通じた試験管内分析を使用して決定することができる。当分野で過度な実験を経ることなく治療に有効な量を決定することができ、このような情報を利用して人間で有用な投与量をさらに正確に決定することができる。
本発明の一具体例において、本発明に係るレバミピド化合物またはその塩の薬学的に有効な量は、0.5〜100mg/day/体重kg、好ましくは、0.5〜5mg/day/体重kgである。
本発明は、また、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用医薬の製造のための前記レバミピドを有効成分として含む組成物の用途を提供する。レバミピドを有効成分として含む本発明の組成物は、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用医薬の製造のための用途として利用することができる。
本発明は、また、哺乳動物に治療上、有効量の本発明の薬剤学的組成物を投与することを含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療方法を提供する。
ここで使用された用語の「哺乳動物」は、治療、観察または実験の対象である哺乳動物をいい、好ましくは人間をいう。
ここで使用された用語の「治療上有効量」は、研究者、獣医師、医者またはその他の臨床によって考えられる組織系、動物または人間で生物学的または医学的反応を誘導する有効成分または薬学的組成物の量を意味し、これは、治療する疾患または障害の症状の緩和を誘導する量を含む。本発明の有効成分に対する治療上の有効投与量及び投与回数は、所望の効果によって変化されることは当業者に自明である。従って、投与される最適の投与量は、当業者によって容易に決定されることができ、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含有された有効成分及び他成分の含量、剤形の種類、及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、同時に使用される薬物を含む多様な因子によって調節されることができる。
また、本発明は、レバミピドを有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または改善用健康機能食品を提供する。
本発明の健康機能食品は、高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または改善を目的として、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状、丸剤などの形態で製造及び加工することができる。
本発明において、「健康機能食品」とは、健康機能食品に関する法律第6727号による人体に有用な機能性を持った原料や成分を使用して製造及び加工した食品をいい、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節するか生理学的な作用などのような保健用途に有用な効果を得る目的で摂取することを意味する。
本発明の健康機能食品は、通常の食品添加物を含むことができ、食品添加物として適合するか否かは、他の規定がない限り、食品医薬品安全庁から承認された食品添加物公典の総則及び一般試験法などによって当該品目に関する規格及び基準により判定する。
前記「食品添加物公典」に収載された品目としては、例えば、ケトン類、グリシン、クエン酸カルシウム、ニコチン酸、ケイヒ酸などの化学的合成物;柿色素、甘草抽出物、結晶セルロース、高梁色素、グアガムなどの天然添加物;L−グルタミン酸ナトリウム製剤、麺類添加アルカリ剤、保存料製剤、タール色素製剤などの混合製剤類などを挙げることができる。
例えば、錠剤形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるレバミピドを賦形剤、結合剤、崩解剤及び他の添加剤と混合した混合物を通常の方法で顆粒化した後、滑沢剤などを入れて圧縮成形するか、前記混合物を直接圧縮成形することができる。また、前記錠剤形態の健康機能食品は、必要に応じて矯正薬などを含んでもよい。
カプセル形態の健康機能食品の中で硬質カプセル剤は、通常の硬質カプセルに本発明の有効成分であるレバミピドを賦形剤などの添加剤と混合した混合物を充填して製造することができ、軟質カプセル剤は、レバミピドを賦形剤などの添加剤と混合した混合物をゼラチンのようなカプセル基剤に充填して製造することができる。前記軟質カプセル剤は、必要に応じてグリセリンまたはソルビトールなどの可塑剤、着色剤、保存剤などを含むことができる。
丸剤形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるレバミピドを賦形剤、結合剤、崩解剤などを混合した混合物を既存に公知された方法で成形して調剤することができ、必要に応じて白糖や他の製皮剤で製皮することができ、または、片栗粉、タルクのような物質で表面をコーティングしてもよい。
顆粒形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるレバミピドと賦形剤、結合剤、崩解剤などを混合した混合物を既存に公知された方法で粒状に製造することができ、必要に応じて着香剤、矯正薬などを含んでもよい。
前記健康機能食品は、飲料類、肉類、チョコレート、食品類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、キャンディー類、アイスクリーム類、アルコール飲料類、ビタミン複合剤及び健康補助食品類などであってもよい。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのもので、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
大食細胞にレバミピド処理による炎症性サイトカインの生成抑制効果
本発明者は、レバミピドが大食細胞に与える影響を調べるために、マウス大食細胞にレバミピドを前処理した後、LPS(lipopolysaccharide)で刺激して大食細胞から分泌する炎症性サイトカインTNF−a(tumor necrosis factor−alpha)、IL−6(interleukin−6)及びIL−1β(interleukin−1β)の生成程度をELISA分析を通じて評価した。
<1−1>細胞培養
マウスの大食細胞株であるRAW264.7細胞は、韓国細胞株銀行(KCLB)から分譲され、細胞培養のために、10%のFBSと1%のpenicillin−streptomycinを含むDMEM(Dulbeccos Modified Eagle Medium)培地を使用した。細胞は、37℃、5%のCO2条件で培養した。
<1−2>レバミピドが炎症性サイトカイン(TNF−a、IL−6及びIL−1β)の生成量に与える影響
先ず、RAW264.7細胞にレバミピドを20,100μg/mlの濃度で前処理し、1時間後、LPSを100ng/ml濃度で処理して37℃のインキュベーターで48時間の間培養しながら大食細胞で炎症反応を誘導した。
生成されたサイトカイン(TNF−α、IL−6及びIL−1β)の量を測定するために、前記培養された細胞の上層液を集めてELISAを利用してTNF−α、IL−6及びIL−1βの生成程度をそれぞれ調査した。96ウェルプレートに単クローン性のanti−TNF−α、anti−IL−6、anti−IL−1βのそれぞれを1μg/mLで4℃で一晩中反応させ、反応後の遮断溶液(1%のBSA/PBST)で非特異的結合を遮断させた。TNF−α recombinant、IL−6 recombinant、IL−1β recombinantを1/2ずつ連続希薄してstandardとして使用し、細胞培養上層液を入れて室温で2時間の間反応させた。以後、biotinylated anti−TNF−α、biotinylated anti−IL−6、biotinylated anti−IL−1βを2時間の間室温で反応させた後、4回洗浄した後、ExtraAvidin−Alkaline Phosphatase conjugateを希薄して添加し、室温で2時間の間反応させた。以後、PNPP/DEA溶液を入れて発色した後、405nmの波長で吸光度を測定した。
その結果、図1に示すように、レバミピドの前処理なしにLPSのみ処理した場合、TNF−α及びIL−6の生成量は、対照群(正常細胞)に比べて顕著に増加することで表れたが、レバミピドを前処理した実験群では、濃度依存的にTNF−α及びIL−6の生成量が減少することを確認することができた。また、レバミピドの前処理なしにLPSのみ処理した場合、IL−1βの生成量は、対照群(正常細胞)と比べて差がなかったが、レバミピドを100μg/mlの濃度で処理した実験群では、生成量が減少することで表れた。Nilは、陰性対照群として無処理群を表したものである。
このような結果を通じて、レバミピドが高脂血症及び動脈硬化の初期段階で重要な役割をする大食細胞の炎症反応を抑制する機作を通じて、高脂血症及びこれと関連した疾患を予防または治療することに有用であると判断した。
<実施例2>
レバミピドの細胞に対する毒性の測定
マウス大食細胞であるRAW264.7に対するレバミピドの細胞毒性を調べるために、MTT assayを行った。
この方法は、MTT(3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyl tetrazolium bromide)がホルマザンに転換することを測定し、96ウェルプレートに1×104cells/wellのRAW264.7細胞を分株し、レバミピドを濃度別(20、100、500、1000、5000μM)に18時間の間処理した。各ウェル当り100μlのMTT溶液を添加して37℃、5%のCO2培養器で4時間の間反応させた後、マイクロプレートリーダー(VERSAmax,Molecular Devices、USA)を利用して570nmで吸光度の変化を測定した。
その結果、図2に示すように、効果のある有効濃度である20μM、100μM、及びそれ以上の濃度でも細胞毒性が低く、基本的に細胞の生存率には影響を与えないという事実が分かった。このような事実は、レバミピドの大食細胞における炎症反応の抑制効果が単純に細胞の死滅による細胞の炎症性媒介物質(TNF−α、IL−6及びIL−1β)の生成抑制ではなく、レバミピドの固有の効果であるという点を意味する。
<実施例3>
レバミピドの処理による血管病因細胞の抑制効果
本実験では、レバミピドを血管病因細胞に処理する場合、実際に血管病因細胞の形成を抑制することができるか否かを観察した。前記「血管病因細胞」とは、動脈硬化を誘発する動脈硬化巣の前駆細胞を形成する泡沫細胞を意味し、動脈硬化を起こす原因となる細胞であるという点で、本発明で血管病因細胞であると任意に命名した。
<3−1>レバミピドの処理による血管病因細胞の抑制効果
本実験のために、ヒト大食細胞株であるTHP1細胞に160nM濃度のPMA(phorbol 12’−myristate 13’−acetate)を処理して細胞を活性させた後、PAF(platelet−activating factor)を10ug/ml処理と同時に、レバミピドを濃度別(100、250、500、1000μM)に処理して動脈硬化を誘発する動脈硬化巣の前駆細胞を形成する泡沫細胞の生成程度をOil Red O溶液(Sigma aldrich−シグマアルドリッチ)染色を通じて測定した。
その結果、図3に示すように、レバミピド処理濃度に依存的に血管病因細胞である泡沫細胞が抑制されることを確認することができた。
<3−2>既存の高脂血症治療薬物に比べてレバミピドの血管病因細胞の抑制効果の比較
レバミピドの血管病因細胞の抑制効果を現在市中で脂質低下剤(高脂血症治療薬物)として使用されているシンバスタチンと比べた。
本実験のために、ヒト大食細胞株であるTHP1細胞に160nM濃度のPMA(phorbol 12’−myristate 13’−acetate)を処理して細胞を活性させた後、PAF(platelet−activating factor)を10ug/mlの処理と同時に、レバミピド(1000μM)またはシンバスタチン(10μM)をそれぞれ処理して、動脈硬化を誘発する動脈硬化巣の前駆細胞を形成する泡沫細胞の生成程度をOil Red O溶液染色を通じて測定した。
その結果、図4に示すように、レバミピドを単独処理した実験群がシンバスタチンを単独処理した実験群に比べて、泡沫細胞がさらに少なく形成されることを確認することができ、これは、既存の高脂血症治療薬物であるシンバスタチンに比べて20%が増大した効果であることが表れた。
<実施例4>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による血液脂質の改善効果
本実験では、in vivo上でレバミピドの血液脂質の改善効果を測定するために、高脂血症動物モデルにレバミピドを一定量経口投与した後、マウスの血清内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を測定した。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド100mg/kgを経口投与した後、Western diet食餌後に8週になった時に犠牲して、血清で総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を測定した。陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。総コレステロール計算は、一般的な総コレステロール計算法を使用した(LDL=T−CHO−(0.2*TG)−HDL、T−CHO=HDL+(0.2*TG)+LDL)。
その結果、図5に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪濃度が効果的に減少することを確認することができ、特に、陽性対称群であるシンバスタチン投与群で、より効果的にLDLコレステロール及び中性脂肪濃度が低くなることが分かった。
<実施例5>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による脂肪肝の改善効果
本実験では、in vivo上でレバミピドの脂肪肝の改善効果を測定するために、高脂血症動物モデルにレバミピドを一定量経口投与した後、マウスの血清内のASTとALT数値を測定した。
細胞膜の構造と機能が破壊されれば、肝細胞質内に広く存在する酵素であるAST(Aspartateamino−transferase)及びALT(Alanine aminotransferase)が血液に流出されるので、血液内のAST及びALT数値は、肝損傷の指標として頻繁に使用されている。本実験では、レバミピドが脂肪肝の予防及び脂肪肝の改善に関する効果があるかを検証するために、血清内のASTとALT数値を測定した。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド100mg/kgを経口投与した後、Western diet食餌後に8株になった時に犠牲して、血清でASTとALT数値を測定した。陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。ASTとALTの活性は、定量用kit試薬(ヨンドン製薬、韓国)で測定した。ASTとALT基質液1.0mLを37水槽で2分間加温した後、血漿を0.2mL入れ、37℃の水槽で30分間反応させた。30分後、発色試薬を1.0mL入れて室温で20分間放置した後、0.4N NaOH 10.0mLを入れて505nmで吸光度を測定した。ASTとALT基準液(2mM pyruvate)を濃度別に上記の方法と同一に発色させて吸光度を測定した後、標準曲線に外挿して試料の活性を計算した。
その結果、図6に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清AST及びALT活性が有意的に減少したことを確認することができた。これにより、レバミピドが高脂血症動物モデルで血液脂質の改善と共に肝損傷を抑制する活性があることを推測することができた。
<実施例6>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与による動脈硬化巣の形成抑制効果
本実験では、in vivo上でレバミピドの動脈硬化巣の形成抑制効果を測定するために、高脂血症動物モデルにレバミピドを一定量経口投与した後、マウスのaorta branchを染色を通じて観察した。aorta branchは、動脈硬化の発生時に動脈硬化巣が形成されるところにあたる。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド 100mg/kgを経口投与した後、Western diet食餌後に8株になった時に犠牲して、全体大動脈(Aorta)を得て固定過程を経た後、Oil red O染色を施した。陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。
その結果、図7に示すように、陰性対照群(高脂血症動物モデルマウス)の場合、aorta branchが大部分Oil red O陽性であると表れたことに対し、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した実験群では、大動脈で見えるaorta branchがOil red O陽性が顕著に少ないことを確認することができ、特に陽性対照群(シンバスタチン経口投与群)と比べても、aorta branchがOil red O陽性部分がさらに少ないことが分かった。
<実施例7>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるB細胞抗体の免疫反応の調査
本実験では、in vivo上でレバミピドのB細胞抗体の免疫反応に与える影響を観察するために、高脂血症動物モデルにレバミピドを一定量経口投与した後、マウス血清内の総IgGとIgG1の数値を測定した。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド100mg/kgを経口投与した後、Western diet食餌後に8株になった時に犠牲して、血清で総IgGとIgG1数値をELISA分析を通じて測定した。陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。血清内の総IgG及びIgG1濃度は、ELISA kit(bethyl社)を利用して製造者の指示に従って測定した。即ち、96well plat plateにCaptureを敷いてOvernight反応した後、血清を1:1000でdilutionして1時間の間反応させた後、Total IgG、IgG1 detection abで1時間反応させ、HRPを付けてからTMB solutionで発色させて吸光度を読んだ。
その結果、図8に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、血清内のIgGとIgG1の数値が減少することが表れ、レバミピドによってB細胞の活性が抑制されることを確認することができた。
<実施例8>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるTh17細胞抑制及びTreg細胞誘導の同時調節反応
本実験では、in vivo上でレバミピドのTh17/Treg細胞に与える影響を観察するために、高脂血症動物モデルにレバミピドを一定量経口投与した後、マウス脾臓細胞でTh17細胞とTreg細胞の発現程度を調査した。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド100mg/kgを経口投与した後、Western diet食餌後に8株になった時に犠牲して、脾臓断片でCD4+細胞のIL−17発現量の測定を通じてTh17細胞の発現有無を分析し、CD4+CD25+細胞のFoxp3発現量の測定を通じてTreg細胞の発現有無を分析した。Th17細胞及びTregの発現分析は、染色を通じたFACS及び共焦点顕微鏡を通じて行われた。一方、陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。
参考として、分化されたTh17細胞は、IL−17を分泌することを特徴とするので、IL−17の発現確認は、Th17細胞の活性または増幅が測定可能な指標となる。また、Foxp3は、胸腺(thymus)から由来する免疫調節T細胞(Regulatory T cell、Treg)に主に存在し、CD4+CD25+標識抗原を持った細胞に存在する転写調節因子(transcriptional factor)であり、その機能は、Foxp3を発現するT細胞に対する抗原認知の際に抗原に対して低反応性を有すると同時に、胸腺から分化してきたFoxp3を発現しないCD4+CD25−T細胞の中で潜在的に自己免疫症を誘発することができるT細胞に対して、IL−2の生成と細胞分裂現象を抑制する抑制性T細胞(suppressor T cell)としての役割を持っている。Foxp3は、Foxp3を発現する調節T細胞及びこれと細胞−細胞間の接触(cell−cell contact)を通じて、CD25−T細胞に対してはIL−2だけでなく、転写因子であるNFATの影響を受けるIL−4、IFN−などの転写調節を抑制する機能をすることが明かされている。従って、前記のような作用をするFoxp3を発現しているT細胞の場合、免疫反応を抑制または調節する作用を通じて免疫疾患を治療することに応用されており、また、人間に存在するFoxp3を発現するCD4+T細胞の自己抗原の特異的なT細胞(self−antigen specific T cell clone)を高濃度のIL−2サイトカイン処理及び抗CD3、抗CD28抗体との組合処理を通じてその数を増加させて、細胞治療方法として応用しようとする試みが続けられてきた。従って、Foxp3の発現確認は、Treg細胞の活性または増幅が測定可能な指標となる。
<8−1>FACS stainの分析
FACS染色は、マウスを致死させた後、マウスの脾臓細胞で行った。Th17細胞は、抗CD4抗体を先に4〜30分反応させた後、Cytofix/Cytopermを処理して30分反応させた後に洗浄し、以後、抗IL−17抗体を処理して30分反応させた後、FACScaliburでリーディング後、Flow jo programを使用して分析した。Treg細胞は、抗CD4と抗CD25抗体を処理して30分反応させた後、Treg専用Cytofix/Cytopermを処理して30分反応させ、以後洗浄した後、抗Foxp3抗体で30分反応させて、FACScaliburでリーディング後、Flow jo programを使用して分析した。
その結果、図9に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現が脾臓細胞内で減少することで表れたことに対し、免疫調節細胞であるTreg細胞の発現は増加したことを確認することができた。特に、陽性対称群であるシンバスタチンの投与群よりレバミピド投与群でTh17の発現がさらに減少したことで表れた。
<8−2>共焦点顕微鏡の分析
共焦点顕微鏡の分析方法は、前記マウスを致死させた後、マウスの脾臓断片を利用してOCT compoundを包埋した後、液化窒素で急速冷却した組職を冷凍切片機を利用して7mの厚さでスライドに付着した。その切片は、アセトンで固定後、10%の正常塩素血清で30分間非特異的な反応を遮断した。Th17細胞は、PE−labeled anti−CD4及びFITC−labeled anti−IL−17抗体を利用した。Treg細胞は、PE−labeled anti−CD4、FITC−labeled anti−Foxp3及びAPC−labeled anti−CD25抗体を利用した。染色した組職は、共焦点顕微鏡で分析した(LSM 510 Meta.Zeiss,Go ttingen,Germany)。
その結果、図10に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現が脾臓細胞内で減少することで表れたことに対し、免疫調節細胞であるTreg細胞の発現は増加したことを確認することができた。
<実施例9>
高脂血症動物モデルにレバミピドの投与によるMMP−9発現量の分析
本実験では、高脂血症動物モデルマウスのMMP−9のmRNA発現量を調査した。非線維性(non−fibrillar)コラーゲンを分解するMMP−9(matrix metalloproteinase−9)は、動脈硬化巣で発現され、動脈硬化巣の破裂に重要な病態生理学的機転に主な役割をすることが知られている。
詳しくは、8週齢のApoe koマウス(アポリポたんぱく質E遺伝子を除去したマウス)に、Western dietを給与しながらレバミピド20mg/kg、100mg/kgをそれぞれ経口投与した後、Western diet食餌後に8株になった時に犠牲して、脾臓細胞を得た。このように得られた脾臓細胞にPMAの25ng/mlとIonomycinの250ng/mlを処理して4時間の間刺激させ、以後、前記細胞のRNAでMMP−9の発現をRT−PCRを通じて調査した。RT−PCRは、LightCycler FastStart DNAmaster SYBR green I(Takara)fluorescent dyeでABI PCR機械を利用して行い、このための反応化合物は、1μgで合成したcDNAを1/3に希薄したもの1μl、LightCycler FastStart DNAmaster SYBR green I(Takara)10μl、Taqman probe(Applied biosystems)1μlを混合した後、蒸溜水で最終体積を20μlに作って使用した。反応条件は、95℃で10分、95℃で10秒、64℃で30秒と全50回反応させた。Cycle threshold(Ct)値を分析してMMP−9のmRNA発現量を house keeping geneであるβ−actinのmRNA発現量との相手定量で表した。前記RT−PCRで使用したプライマーは、Forward:5’−CTG TCC AGA GTA CAG CCT−3’,Reverse:5’−GAG GTA TAG TGG GAC ACA TAG TGG−3’を使用した。一方、陽性対照群は、現在市中で脂質低下剤として使用されているシンバスタチンの25mg/kgをレバミピドの代わりに経口投与した。
その結果、図11に示すように、高脂血症動物モデルマウスにレバミピドを経口投与した場合、マウスの脾臓細胞でMMP−9の発現量がシンバスタチンを経口投与した群に比べて確実に減少したことを確認することができた。
従って、このような結果を通じて、レバミピドが動脈硬化巣の破裂において病態生理学的機転に主な役割をするMMP−9の発現を効果的に減少させることで、動脈硬化巣の破裂によって引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の発生をさらに効果的に防止することができると判断された。
これまで本発明についてその好ましい実施例を中心として検討した。本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に具現可能なことが理解できるであろう。従って、開示された実施例は、限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されなければならない。
本発明に係るレバミピド化合物は、多様な機作を通じて高脂血症及びこれと関連した動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患などを予防または治療することができる薬学的組成物として有用に使用することができる。

Claims (7)

  1. レバミピド(rebamipide)化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  2. 前記レバミピドは、大食細胞で分泌する高脂血症誘発炎症性サイトカインであるTNF−a、IL−6及びIL−1bの生成を抑制させることを特徴とする請求項1に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  3. 前記レバミピドは、動脈硬化巣(Artherosclerotic plaque)の前駆細胞を形成する泡沫細胞(Foam cell)の生成抑制と共に動脈硬化巣の生成を加速化させるTh17の発現減少を通じて動脈硬化巣の形成を抑制させることを特徴とする請求項1に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  4. 前記レバミピドは、血液内の総コレステロール、LDLコレステロール及び中性脂肪数値を低くすることで、血液脂質を改善させることを特徴とする請求項1に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  5. 前記レバミピドは、組成物に0.1μM〜10000μMの濃度で含まれることを特徴とする請求項1に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  6. 前記高脂血症は、自己免疫疾患由来の高脂血症であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
  7. 前記高脂血症と関連した疾患は、動脈硬化症、心不全症、高血圧性心臓疾患、不整脈、先天性心臓疾患、心筋梗塞症、狭心症、脳卒中及び末梢血管疾患からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高脂血症及びこれと関連した疾患の予防または治療用組成物。
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