JP2015522091A - ポリエステル生成のための触媒および方法 - Google Patents

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Abstract

エポキシドおよび一酸化炭素からポリエステルを形成するための重合系および方法を開示する。この独創的な重合系は、金属カルボニル化合物および重合開始剤の組み合わせを特色とし、金属カルボニル化合物、重合開始剤、および提供されるエポキシドのモル比が、特定の比率で存在することを特徴とする。本発明は、エポキシドおよび一酸化炭素を交互共重合してポリエステルを提供するための重合系および方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、慎重に選択された量の反応性求核剤の存在がそのような共重合の速度および収量を劇的に増加させることができるという認識を包含する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年6月27日に出願された米国仮特許出願第61/664,873号に対して優先権を主張し、その全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、エポキシドの触媒によるカルボニル化の分野に関する。より具体的に、本発明は、エポキシドをカルボニル化して、ポリプロピオラクトン(PPL)、およびポリ3−ヒドロキシ−ブチレート(PHB)等のポリエステルを提供するための触媒および関連する方法に関する。
エポキシドの触媒によるカルボニル化は、汎用化学品の合成のために有用であることが示されている。そのようなカルボニル化反応によって、いくつかの生成物クラスが標的とされている。エチレンオキシドをヒドロホルミル化して3−ヒドロキシ−プロパナールを提供することは、Shellにより商業的に実践されており、1,3プロパンジオールを製造している。SamsungおよびDavy Process Technology Ltdにより開発された関連する過程は、エチレンオキシドをメトキシカルボニル化して、メチル−3−ヒドロキシプロピオネートを形成することを試み、これもまた1,3プロパンジオールに変換され得る。Cornell UniversityおよびNovomer,Inc.は、エチレンオキシドをカルボニル化して、プロピオラクトンおよび/または無水コハク酸を提供するための過程を開発し、これは、アクリル酸、テトラヒドロフラン、1,4ブタンジオール、およびコハク酸等の有用なCおよびC化学物質に変換され得る。
これらのカルボニル化反応に密接に関わる過程を用いて、エポキシドと一酸化炭素とを共重合することによってポリマーを生成する試みが以前に行われた。実際に、そのような方法を用いるポリエステルの形成がベータラクトン生成物の重合の結果であるかどうか、またはエポキシドとCOとの交互連鎖が触媒によって直接促進されるかどうかに関する議論がなされている。エポキシドとCOとを共重合するための系を改善する試みは、プロピレンオキシドからポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)を生成することに主に焦点が合わせられている。この共重合を最適化するための現在までの試みは、反応が高触媒負荷、強烈な温度および圧力、および更にポリマーの適度な収量を生成するのに比較的長い反応時間を必要とするという、残念な結果に終わっている。
高い収量でポリエステルを提供するようにエポキシドと一酸化炭素とを共重合するための効率的な触媒および系が依然として必要である。
本発明は、エポキシドおよび一酸化炭素を交互共重合してポリエステルを提供するための重合系および方法を提供する。
Figure 2015522091
であり、
’は、水素、またはC1−30脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、
各R’、R’、およびR’は、独立して、水素、または、C1−12脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−12ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、
式中、(R’およびR’)、(R’およびR’)、および(R’およびR’)のうちのいずれかは、それらの介在原子と一緒になって、任意に置換されたC−C14炭素環、任意に置換されたC−C14複素環、任意に置換されたC−C10アリール、および任意に置換されたC−C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の環を形成できる。
いくつかの態様において、本発明は、慎重に選択された量の反応性求核剤の存在がそのような共重合の速度および収量を劇的に増加させることができるという認識を包含する。
([M(CO)]と表される)求核金属カルボニルでエポキシドを環拡大カルボニル化してベータラクトンを提供するための重要なステップ、およびヒドロキシアルカノエートを提供するための関連するアルコキシカルボニル化反応はよく研究されており、概して理解されている。一般的な理解としては、金属カルボニルの金属原子は、エポキシドを環開する求核剤として機能し(典型的にはエポキシドの酸素原子に配位されたルイス酸の補助により)、新たな金属炭素結合、CO分子を提供し、次いで新たに形成された金属炭素結合中に挿入して中間体アシル金属カルボニル化合物をもたらすと主張する。反応条件に応じて、アシル金属カルボニル化合物は、次いで、スキーム1に示されるように、ベータラクトンをもたらす分子内閉環、または有用な生成物を提供する加水分解もしくはアルコール分解等の更なる反応を受け、中間体S−1中の部分−Qは、S−1を形成するために使われた反応条件に応じてルイス酸、負の電荷、またはプロトンを表しす。
Figure 2015522091
エポキシドをカルボニル化するための前に報告された系において、アルコール(および水またはカルボン酸等の他のプロトン性種)は、所望の生成物がベータラクトンである場合厳密に除外されるか(例えば、米国特許第6,852,865号)、またはヒドロキシアルカノエートが所望される場合大過剰で提供されるか(例えば、米国特許第2007/0191629号)、のいずれかである。一方で、本発明のいくつかの態様は、プロトン性種(以後重合開始剤またはPInと称される)が金属カルボニルに対して分子過剰で存在するがエポキシドに対して準化学量論的な量で存在することを特徴とする、新規のカルボニル化系および関連する方法を包含する。
理論によって拘束されること、またはそれによって本明細書に添付の請求項の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないが、そのような重合開始剤の存在は、エポキシドとCOとをポリエステルに変換することに関与する反応順序において障害を緩和することができると考えられる。本発明の重合では、反応の初期段階は、スキーム1の右半分に示される加水分解経路(すなわち、提供されるPInが、アシル金属カルボニルを腐食して対応するエステルを産出する)に類似している。しかしながら、エポキシドに対して限定された量のPInが存在するため、この反応の様式は、提供された量のPInが消費されると、止む。その点から、反応の早い段階中に生成されたヒドロキシアルカノエートのヒドロキシル基は、アシル金属カルボニル中間体と続けて反応し、オリゴマーおよび/またはポリマーの形成をもたらす。この系は、アシル金属カルボニル中間体を阻害する混合物においてより高い濃度のポリマー鎖端部が存在するため、PInが存在しないところでの反応よりも更に容易な重合をもたらす。
よってある実施形態では、本発明は、エポキシドおよび一酸化炭素の交互共重合のための重合系を包含し、その系は、金属カルボニル化合物および重合開始剤(PIn)を含み、重合開始剤と金属カルボニル(MC)とのモル比は、1:1を超え、エポキシドと重合開始剤とのモル比は、1:1を超えるか、または別の言い方をすれば、重合系は、MC<PIn<エポキシドのモル基準に基づくことを特徴とする。
ある実施形態では、本発明の重合系は、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が2:1を超えることを特徴とする。ある実施形態では、本発明の重合系は、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が5:1を超えるか、10:1を超えるか、50:1を超えるか、または100:1を超えることを特徴とする。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約10:1〜約100:1の間である。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約50:1〜約500:1の間である。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約200:1〜約1000:1の間である。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約200:1〜約500:1の間である。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約500:1〜約1000:1の間である。ある実施形態では、系におけるPInと金属カルボニルとのモル比が、約1000:1〜約5000:1の間である。
ある実施形態では、本発明の重合系は、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、2:1を超えることを特徴とする。ある実施形態では、本発明の重合系は、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、5:1を超えることを特徴とする。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、10:1を超えるか、20:1を超えるか、50:1を超えるか、または100:1を超えることを特徴とする。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、10:1〜100:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、20:1〜50:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、20:1〜200:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、50:1〜200:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、100:1〜500:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、200:1〜1000:1の間である。ある実施形態では、系におけるエポキシドとPInとのモル比が、500:1〜2000:1の間である。
ある実施形態では、本発明の重合系は、系が、エポキシドとPInとのモル比が5:1を超えることと組み合わせてPInと金属カルボニルとのモル比が10:1を超えることを含むことを特徴とする。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が10:1を超え、エポキシドとPInとのモル比が10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が10:1を超え、エポキシドとPInとのモル比が20:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が20:1を超え、エポキシドとPInとのモル比が10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が50:1を超え、エポキシドとPInとのモル比が10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が100:1を超え、エポキシドとPInとのモル比が5:1を超える。
ある実施形態では、本発明の重合系は、1つ以上の更なる成分を含む。ある実施形態では、本発明の重合系は、ルイス酸を含む。好適なルイス酸としては、遷移金属錯体、金属塩、ホウ素化合物等が含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、本発明の重合系は、エステル交換触媒を含む。好適なエステル交換触媒としては、DMAP、DBU、MeTBD、DABCO、イミダゾール誘導体等のアミン化合物およびジブチルスズアルカオネート(alkaonates)等のスズ化合物等が含まれる。
定義
特定の官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に説明される。本発明の目的のため、化学元素は、元素周期表(CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙)により特定され、特定の官能基は、一般的に、本明細書に記載されるように定義される。加えて、有機化学ならびに特定の官能部分および反応性の一般原則は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rdEdition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されており、そのそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明のある化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、よって、様々な立体異性形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在することができる。よって、本発明の化合物およびその組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であるか、または立体異性体の混合物の形態であり得る。ある実施形態では、本発明の化合物は、高光学純度化合物である。ある他の実施形態では、エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物が提供される。
さらに、本明細書に記載される、ある化合物は、特に記載のない限り、ZまたはEの異性体のいずれかとして存在することができる1つ以上の二重結合を有し得る。本発明は、加えて、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、および別の方法としては様々な異性体の混合物、例えば、エナンチオマーのラセミ混合物としての化合物を包含する。上述の化合物それ自体に加えて、本発明は、1つ以上の化合物を含む組成物も包含する。
本明細書で使用される、用語「異性体」は、任意のおよび全ての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、本発明の範囲内に属する、シス−およびトランス−異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の対応する立体異性体を実質的に含まない化合物が提供され得、「立体化学的に富化される」とも称され得る。
特定のエナンチオマーが好ましい場合、いくつかの実施形態では、反対のエナンチオマーを実質的に含まない化合物が提供され得、「光学的に富化される」とも称される。本明細書で使用される、「光学的に富化される」とは、化合物が非常に大きな割合の1つのエナンチオマーで構成されることを意味する。ある実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%のエナンチオマーで構成される。いくつかの実施形態では、化合物は、少なくとも約95重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.7重量%、99.8重量%、または99.9重量%のエナンチオマーで構成される。いくつかの実施形態では、提供される化合物のエナンチオマー過剰率は、少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%、または99.9%である。いくつかの実施形態では、エナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に既知の任意の方法によってラセミ混合物から単離されるか、または不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981)、Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977)、Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962)、Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。
本明細書で使用される、用語「ハロ」および「ハロゲン」とは、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
本明細書で使用される、用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、炭化水素部分を表し、この炭化水素部分は、直鎖(すなわち非分枝状)、分枝状、または環式(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環式を含む)であり得、完全に飽和されるか、または不飽和の1つ以上の単位を含み得るが、芳香族ではない。特に特定されない限り、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族は、1〜8個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜5個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含み、また他の実施形態では、脂肪族基は1〜3個の炭素原子を含み、また他の実施形態では、脂肪族基は1〜2個の炭素原子を含む。好適な脂肪族基は、直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基、ならびに(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニル等のそれらのハイブリッドを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される、用語「ヘテロ脂肪族」とは、1つ以上の炭素原子が独立して、酸素、硫黄、窒素、リン、またはホウ素からなる群から選択される1つ以上の原子で置換される脂肪族基を指す。ある実施形態では、1または2個の炭素原子は、独立して、酸素、硫黄、窒素、またはリンのうちの1つ以上で置換される。ヘテロ脂肪族基は、置換もしくは非置換、分枝状もしくは非分枝状、環式もしくは非環式であり得、「複素環」、「ヘテルシクリル(hetercyclyl)」、「複素環式脂肪族」、または「複素環式」の基を含む。
本明細書で使用される、用語「エポキシド」とは、置換または非置換のオキシランを指す。置換オキシランは、1置換オキシラン、2置換オキシラン、3置換オキシラン、および4置換オキシランを含む。そのようなエポキシドは、本明細書に定義されるように、更に任意に置換され得る。ある実施形態では、エポキシドは、単一のオキシラン部分を含む。ある実施形態では、エポキシドは、2つ以上のオキシラン部分を含む。
本明細書で使用される、用語「グリシジル」とは、ヒドロキシルメチル基またはそれらの誘導体で置換されたオキシランを指す。本明細書で使用される、用語「グリシジル」とは、オキシラン環の炭素原子のうちの1つ以上の上またはヒドロキシメチル部分のメチレン基の上に更なる置換を有する部分を含むことを意味し、そのような置換の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられるがこれらに限定されない。グリシジルエステル、グリシジルアクリレート、グリジジルエーテル等の用語は、すなわちその酸素原子が、それぞれ、アシル基、アクリレート基、またはアルキル基に結合される上述のヒドロキシメチル基の酸素原子での置換を表す。
本明細書で使用される、用語「アクリレート」または「アクリレート(複数可)」とは、アシルカルボニルに隣接するビニル基を有する任意のアシル基を指す。この用語は、1置換、2置換、および3置換ビニル基を包含する。アクリレートの例としては、アクリレート、メタクリレート、エタクリレート、ケイ皮酸(3−フェニルアクリレート)、クロトン酸、チグリン酸、およびセネシオ酸が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される、用語「ポリマー」とは、構造が実際に、または概念的に、低相対分子量の分子に由来する単位の複数の反復を含む高相対分子量の分子を指す。ある実施形態では、ポリマーは、1つのモノマー種(例えば、ポリエチレンオキシド)のみ含む。ある実施形態では、本発明のポリマーは、1つ以上のエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、または先細りヘテロポリマーである。
本明細書で使用される、用語「不飽和」とは、部分が1つ以上の2重結合または3重結合を有することを意味する。
単独で、または大きな部分の一部として使用される、用語「シクロ脂肪族」、「炭素環」、または「炭素環式」とは、本明細書に記載される、3〜12員を有する飽和もしくは部分的に不飽和の環式脂肪族単環式、2環式、または多環式の環系を指し、脂肪族環系は、上記に定義され、本明細書に記載されるように、任意に置換される。シクロ脂肪族基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3〜6個の炭素を有する。用語「シクロ脂肪族」、「炭素環」、または「炭素環式」は、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある、デカヒドロナフチルもしくはテトラヒドロナフチル等の1つ以上の芳香族環または非芳香族環に縮合される脂肪族環も含む。いくつかの実施形態では、炭素環式基は2環式である。いくつかの実施形態では、炭素環式基は3環式である。いくつかの実施形態では、炭素環式基は多環式である。
本明細書で使用される、用語「アルキル」とは、単一水素原子の除去によって1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族部分から誘導される、飽和、直鎖、または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。特に特定されない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は1〜5個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態では、アルキル基は1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される、用語「アルケニル」は、単一水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から誘導される1価の基を表す。特に特定されない限り、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルケニル基は2〜5個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態では、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は2個の炭素原子を含有する。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等を含む。
本明細書で使用される、用語「アルキニル」は、単一水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素−炭素3重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から誘導される1価の基を指す。特に特定されない限り、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。ある実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基は、エチニル、2−プロピニル(プロパギル)、1−プロピニル等を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される、用語「炭素環」および「炭素環式環」とは、環が炭素原子のみを含む、単環式および多環式の部分を指す。特に特定されない限り、炭素環は、飽和、部分的に不飽和、または芳香族であり得、3〜20個の炭素原子を含有する。代表的な炭素環は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、スピロ[4.5]デカンを含み、
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」にあるように大きな部分の一部として使用される、用語「アリール」とは、合計5〜20環員を有する単環式および多環式の環系を指し、系の少なくとも1つの環は芳香族であり、系のそれぞれの環は3〜12環員を含有する。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用され得る。本発明のある実施形態では、「アリール」とは、1つ以上の置換基を有し得るフェニル、ナフチル、アントラシル等を含むが、これらに限定されない芳香族環系を指す。芳香環がベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナンスリジニル、またはテトラヒドロナフチル等の1つ以上の更なる環に縮合される基も、本明細書で使用される、用語「アリール」の範囲内に含まれる。
単独で、または大きな部分の一部、例えば「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」として使用される、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアリ−」とは、5〜14環原子、好ましくは5、6、9または10環原子を有する、環式配列で共有される6、10、または14π電子を有する、および炭素原子に加え、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。用語「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄のいずれの酸化形態、および塩基窒素のいずれの四級化形態を含む。ヘテロアリール基は、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、およびプテリジニルを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアリ−」は、ラジカルまたは結合点が芳香族複素環上にある、芳香族複素環が1つ以上のアリール環、シクロ脂肪族環、またはヘテロシクリル環に縮合される基も含む。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または2環式であり得る。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「芳香族複素」と互換的に使用され得、その用語のいずれも任意に置換される環を含む。用語「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリールの部分は、独立して、任意に置換される。
本明細書で使用される、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」は、互換的に使用され、飽和、または部分的に不飽和のいずれかであり、かつ上記に定義されるように炭素原子に加えて、1つ以上、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する安定した5〜7員単環式または7〜14員2環式の複素環式部分を指す。複素環の環原子に関して使用されるとき、用語「窒素」は、置換された窒素を含む。例として、酸素、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるような)、NH(ピロリジニルにあるような)、またはNR(N−置換されたピロリジニルにあるような)であり得る。
複素環式環は、安定した構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合され得、環原子のいずれも任意に置換され得る。そのような飽和または部分的に不飽和の複素環式ラジカルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオクソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルフォリニル、およびキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」は、本明細書において互換的に使用され、ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある、ヘテロシクリル環がインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナンスリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の1つ以上のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合される基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式または2環式であり得る。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリルの部分は、独立して、任意に置換される。
本明細書で使用される、用語「部分的に不飽和」とは、少なくとも1つの2重結合または3重結合を含む環部分を指す。用語「部分的に不飽和」とは、本明細書で定義されるように、複数の不飽和のサイトを有する環を包含することが意図されるが、アリールまたはヘテロアリールの部分を含むことは意図されない。
本明細書に記載される、本発明の化合物は、「任意に置換された」部分を含有し得る。一般に、用語「任意に」が先行するか否かに関わらず、用語「置換された」は、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されることを意味する。特に記載されない限り、「任意に置換された」基は、基のそれぞれの置換可能な位置で好適な置換基を有することができ、任意の所与の構造における2つ以上の位置が特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得るとき、置換基は全ての位置で同一または異なるかのいずれかであり得る。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定した、または化学的に実行可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される、用語「安定した」とは、その生成、検出、ならびにある実施形態では、その回収、精製、および本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に曝されたときに実質的に変化しない化合物を指す。
本明細書におけるいくつかの化学構造では、示される分子の環において結合と交差する結合に結合される置換基が示される。これは、置換基のうちの1つ以上が任意の利用可能な位置で(通常、親構造の水素原子の代わりに)環に結合され得ることを意味する。そのように置換された環の原子が2つの置換可能な位置を有する場合、2つの基は同一の環原子上に存在し得る。2つ以上の置換基が存在するとき、それぞれは他とは独立して、定義され、それぞれは異なる構造を有し得る。環の結合と交差するように示される置換基が−Rである場合、これは、先の段落で記載されたように、環が「任意に置換される」かのように考えられるのと同じ意味を有する。
「任意に置換される」基の置換可能な炭素原子上の好適な1価の置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0−4R°;−(CH0−4OR°;−O−(CH0−4C(O)OR°;−(CH0−4CH(OR°);−(CH0−4SR°;−(CH0−4Ph(R°と置換され得る);−(CH0−4O(CH0−1Ph(R°と置換され得る);−CH=CHPh(R°と置換され得る);−NO;−CN;−N;−(CH0−4N(R°);−(CH0−4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0−4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0−4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0−4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0−4C(O)OR°;−(CH0−4C(O)N(R°);−(CH0−4C(O)SR°;−(CH0−4C(O)OSiR°;−(CH0−4OC(O)R°;−OC(O)(CH0−4SR−;SC(S)SR°;−(CH0−4SC(O)R°;−(CH0−4C(O)NR°;−C(S)NR°、−C(S)SR°;−SC(S)SR°;−(CH0−4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°、−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0−4SSR°;−(CH0−4S(O)R°;−(CH0−4S(O)OR°;−(CH0−4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0−4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)O−N(R°);または−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)C(O)O−N(R°)であり、式中、各R°は、以下に定義されるように置換され得、独立して、水素、C1−8脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環であるか、あるいは上記の定義にかかわらず、R°の2つの独立した発生は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、以下に定義されるように置換され得る窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分的に不飽和、もしくはアリール単環式または多環式環を形成する。
R°上の好適な1価の置換基(またはR°の2つの独立した発生とその介在原子を一緒にすることにより形成される環)は、独立して、ハロゲン、−(CH0−2、−(ハロR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR、−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−4C(O)N(R°)、−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、式中、各Rは、非置換されるか、「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な2価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「任意に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な2価の置換基は、次の:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2−3O−、または−S(C(R ))2−3S−を含み、式中、Rのそれぞれの独立した発生は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1−6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環から選択される。「任意に置換された」基の隣接する置換可能な炭素に結合される好適な2価の置換基は、−O(CR 2−3O−を含み、式中、Rのそれぞれの独立した発生は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1−6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOを含み、式中、各Rは、非置換されるか、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環である。
「任意に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基は、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)を含み、式中、各Rは、独立して、水素、以下に定義されるように置換され得るC1−6脂肪族、非置換の−OPh、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環であるか、あるいは上記の定義にかかわらず、Rの2つの独立した発生は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの単環式もしくは2環式の環を形成する。
R†の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、式中、各Rは、非置換されるか、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの環である。
本明細書で使用される、用語「触媒」とは、物質であって、消費されずに、またはそれ自体が永久的な化学変化を受けずに、その存在が化学反応の速度を増加する、物質を指す。
「四座」は、単一の金属中心に配位させることができる4つのサイトを有する配位子を指す。
本明細書で使用される、1つ以上の数値に先行する用語「約」とは、数値±5%を意味する。
本発明は、エポキシドおよび一酸化炭素を交互共重合するための重合系および方法を提供する。
I.重合系
一態様では、本発明は、エポキシドと一酸化炭素とを共重合するための重合系を包含する。本独創的重合系は、1つ以上のエポキシド、少なくとも1つの金属カルボニル化合物、および重合開始剤(PIn)を含み、PInが、金属カルボニルに対してモル過剰で存在し、エポキシドが、PInに対してモル過剰で存在することを特徴とする。
I(a)金属カルボニル化合物
上記の通り、本発明の重合系は、少なくとも1つの金属カルボニル化合物を含む。典型的に、単体金属カルボニル化合物が提供されるが、ある実施形態では、2つ以上の金属カルボニル化合物の混合物が提供される。(よって、提供された金属カルボニル化合物が、例えば、中性金属カルボニル化合物を「含む」とき、提供された金属カルボニル化合物は、単体中性金属カルボニル化合物か、または1つ以上の金属カルボニル化合物と組み合わされる中性金属カルボニル化合物であり得ることが理解される。)好ましくは、提供された金属カルボニル化合物は、エポキシドを開環することおよびもたらされる金属炭素結合中にCOを差し込むのを容易にすることができる。この反応度を有する金属カルボニル化合物は、当該分野では既知であり、実験室の研究のためにならびにヒドロホルミル化等の工業過程において使用される。
ある実施形態では、提供された金属カルボニル化合物は、アニオン性金属カルボニル部分を含む。他の実施形態では、提供された金属カルボニル化合物は、中性金属カルボニル化合物を含む。ある実施形態では、提供された金属カルボニル化合物は、金属カルボニル水素化物またはヒドリド金属カルボニル化合物を含む。いくつかの実施形態では、提供された金属カルボニル化合物は、原位置で1つ以上の反応成分と反応するプレ触媒として機能し、初期に提供された成分とは異なる活性種を提供する。そのようなプレ触媒は、具体的に、所与の反応における活性種が確実に知られていない可能性があるという認識で本発明により包含され、よって、原位置のそのような反応性種の特定は、本発明の趣旨または教義からそれ自体を逸脱させない。
ある実施形態では、金属カルボニル化合物は、アニオン性金属カルボニル種を含む。ある実施形態では、そのようなアニオン性金属カルボニル種は、一般式[QM’(CO)y−を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在は必須ではなく、M’は、金属原子であり、dは、0以上〜8以下の整数であり、eは、1以上〜6以下の整数であり、wは、安定したアニオン性金属カルボニル錯体を提供するような数であり、yは、アニオン性金属カルボニル種の電荷である。ある実施形態では、アニオン性金属カルボニルは、一般式[QM’(CO)y−を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在は必須ではなく、M’は、金属原子であり、wは、安定したアニオン性金属カルボニルを提供するような数であり、yは、アニオン性金属カルボニルの電荷である。
ある実施形態では、アニオン性金属カルボニル種は、周期表の第5族、第7族、または第9族からの金属のモノアニオン性カルボニル錯体、または周期表の第4族または第8族からの金属のジアニオン性カルボニル錯体を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物は、コバルトまたはマンガンを含有する。いくつかの実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物は、ロジウムを含有する。好適なアニオン性金属カルボニル化合物は、[Co(CO)、[Ti(CO)2−[V(CO)[Rh(CO)[Fe(CO)2−[Ru(CO)2−、[Os(CO)2−[Cr(CO)102−[Fe(CO)2−[Tc(CO)[Re(CO)、および[Mn(CO)を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、アニオン性金属カルボニルは、[Co(CO)を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のアニオン性金属カルボニル錯体の混合物は、重合系に存在し得る。
[QM’(CO)y−のための用語「安定したアニオン性金属カルボニルを提供するような」は、[QM’(CO)y−が、例えば、NMR、IR、X線結晶解析、ラマン分光法、および/または電子スピン共鳴法(EPR)等の解析手段によって特徴付けることができる種であり、好適なカチオンまたは原位置で形成された種の存在下で、触媒形態で単離可能であることを意味するように本明細書で使用される。安定した金属カルボニル錯体を形成できる金属は、多核錯体を形成する既知の配位能力および性向を有し、それらが存在し得る任意の配位子Qの数および特徴ならびに錯体上の電荷と一緒になって、COが配位するのに利用可能なサイトの数、よってwの値を決定することを理解されたい。典型的に、そのような化合物は、「有効原子番号則」に従う。そのような知識は、金属カルボニル化合物の合成および特徴付けに関係する当業者には把握可能である。
提供された金属カルボニル化合物がアニオン性種である実施形態では、1つ以上のカチオンがまた必然的に存在しなければならない。本発明は、そのようなカチオンの同一性に特定の制約をかけない。ある実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物と関連するカチオンは、以下に記載される別の部類の反応成分を含む。例えば、ある実施形態では、金属カルボニルアニオンは、カチオン性ルイス酸と関連する。他の実施形態では、提供されたアニオン性金属カルボニル化合物と関連するカチオンは、周期表の第1族または第2族からのもの(例えばNa、Li、K、Mg2+等)のような単純金属カチオンである。他の実施形態では、提供されたアニオン性金属カルボニル化合物と関連するカチオンは、「オニウム塩」(例えばBu、PPN、PhPhAs等)のような巨大な非求電子性カチオンである。他の実施形態では、金属カルボニルアニオンは、プロトン化された窒素化合物と関連し、いくつかの実施形態では、そのようなプロトン化された窒素化合物は、以下に更に詳しく記載されるようにアシル転位またはトランエステル交換(tranesterification)触媒(例えばカチオンは、MeTBD−H、DMAP−H、DABCO−H、DBU−H等のような化合物を含み得る)である。ある実施形態では、そのようなプロトン化された窒素化合物を含む化合物は、酸性ヒドリド金属カルボニル化合物(以下に更に詳しく記載)と塩基窒素含有化合物(例えばDBUとHCo(CO)との混合物)との間の反応生成物として提供される。
ある実施形態では、提供された金属カルボニル化合物は、中性金属カルボニルを含む。ある実施形態では、そのような中性金属カルボニル化合物は、一般式QM’(CO)w’を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在は必須ではなく、M’は、金属原子であり、dは、0以上〜8以下の整数であり、eは、1以上〜6以下の整数であり、w’は、安定した中性金属カルボニル錯体を提供するような数である。ある実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式QM’(CO)w’を有する。ある実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式M’(CO)w’を有する。ある実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式QM’(CO)w’を有する。ある実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式M’(CO)w’を有する。好適な中性金属カルボニル化合物は、Ti(CO);V(CO)12;Cr(CO);Mo(CO);W(CO)Mn(CO)10、Tc(CO)10、およびRe(CO)10Fe(CO)、Ru(CO)およびOs(CO)Ru(CO)12、およびOs(CO)12Fe(CO)12およびFe(CO)Co(CO)12、Rh(CO)12、Rh(CO)16、およびIr(CO)12Co(CO)Ni(CO)を含むが、これらに限定されない。
M’(CO)w’のための用語「安定した中性金属カルボニルを提供するような」は、QM’(CO)w’が、例えば、NMR、IR、X線結晶解析、ラマン分光法、および/または電子スピン共鳴法(EPR)等の解析手段によって特徴付けることができる種であり、純粋な形態または原位置で形成された種で単離可能であることを意味するように本明細書で使用される。安定した金属カルボニル錯体を形成できる金属は、多核錯体を形成する既知の配位能力および性向を有し、存在し得る任意の配位子Qの数および特徴と一緒になって、COが配位するのに利用可能なサイトの数、よってw’の値を決定することを理解されたい。典型的に、そのような化合物は、「有効原子番号則」に従う化学量論に従う。そのような知識は、金属カルボニル化合物の合成および特徴付けに関係する当業者には把握可能である。
ある実施形態では、上述の金属カルボニル化合物のうちのいずれかのうちのCO配位子のうちの1つ以上は、配位子Qで置換される。ある実施形態では、Qは、ホスフィン配位子である。ある実施形態では、Qは、トリアリールホスフィンである。ある実施形態では、Qは、トリアルキルホスフィンである。ある実施形態では、Qは、ホスファイト配位子である。ある実施形態では、Qは、任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子である。ある実施形態では、Qは、cpである。ある実施形態では、Qは、cpである。
ある実施形態では、本発明の重合系は、ヒドリド金属カルボニル化合物を含む。ある実施形態では、そのような化合物は、ヒドリド金属カルボニル化合物として提供される一方で、他の実施形態では、ヒドリド金属カルボニルが、原位置で当該分野では既知の方法(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、Chem.Rev.,1972,72(3),pp 231−281 DOI:10.1021/cr60277a003、を参照のこと)を用いて水素ガス、またはプロトン酸との反応により生成される。
ある実施形態では、ヒドリド金属カルボニル(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HCo(CO)、HCoQ(CO)、HMn(CO)、HMn(CO)Q、HW(CO)Q、HRe(CO)、HMo(CO)Q、HOs(CO)Q、HMo(CO)、HFe(CO)Q、HW(CO)、HRuCOQ、HFe(CO)、またはHRu(CO)のうちの1つ以上を含み、各Qは、独立して、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される。ある実施形態では、金属カルボニル水素化物(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HCo(CO)を含む。ある実施形態では、金属カルボニル水素化物(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HCo(CO)PRを含み、各Rは、独立して、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたC1−20脂肪族基、任意に置換されたC1−10アルコキシ基、または任意に置換されたフェノキシ基、である。ある実施形態では、金属カルボニル水素化物(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HCo(CO)cpを含み、各cpは、任意に置換されたペンタジエニル配位子を表す。ある実施形態では、金属カルボニル水素化物(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HMn(CO)を含む。ある実施形態では、金属カルボニル水素化物(提供されたか、または原位置で生成されたかのいずれか)は、HFe(CO)を含む。
ある実施形態では、上述の金属カルボニル化合物のうちのいずれにおいては、M’は、遷移金属を含む。ある実施形態では、上述の金属カルボニル化合物のうちのいずれにおいては、M’は、周期表の第5族(Ti)〜第10族(Ni)から選択される。ある実施形態では、M’は、第9族金属である。ある実施形態では、M’は、Coである。ある実施形態では、M’は、Rhである。ある実施形態では、M’は、Irである。ある実施形態では、M’は、Feである。ある実施形態では、M’は、Mnである。
ある実施形態では、1つ以上の配位子Qが、提供された金属カルボニル化合物に存在する。ある実施形態では、Qは、ホスフィン配位子である。ある実施形態では、Qは、トリアリールホスフィンである。ある実施形態では、Qは、トリアルキルホスフィンである。ある実施形態では、Qは、ホスファイト配位子である。ある実施形態では、Qは、任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子である。ある実施形態では、Qは、cpである。ある実施形態では、Qは、cpである。
I(b)重合開始剤
上述される様に、本発明の重合系は、PInと表される重合開始剤を含む。好適な重合開始剤は、それらの存在が更なるポリマー鎖の形成をもたらすことを特徴とする。一般に、反応における重合開始剤の存在は、提供された触媒の単位当たりの形成されるポリマー鎖の数において増加をもたらす。典型的に、単体の重合開始剤が提供されるが、ある実施形態では、2つ以上の重合開始剤の混合物が提供される。(よって、提供された重合開始剤が例えばアルコールを「含む」と、提供された重合開始剤は、単体アルコールか、または1つ以上の重合開始剤と組み合わせるアルコールであり得ることが理解される。)
好適な開始剤は、アシル金属カルボニル化合物に対して反応性である求核剤を含み、エポキシドを開環できる化合物もまた含む。いくつかの実施形態では、開始剤は、これらの様式のうちの1つまたは両方により機能し得る。好適な重合開始剤の例としては、アルコール、カルボン酸、アミン、ハロゲン化物、スルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、1つ以上の交換可能な水素原子を含む。ある実施形態では、そのような交換可能な水素原子は、酸素または窒素原子に結合される。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、1つ以上の−OH基を含む。そのような−OH基は、脂肪族炭素原子(すなわちアルコール)、芳香族炭素原子(すなわちフェノール)、カルボニル基(すなわちカルボン酸)、SP2炭素原子(すなわちエノール)、またはN、P、B、またはS等(すなわちヒドロキシルアミン、リン酸、ホウ酸塩、スルホン酸等)のヘテロ原子に結合され得る。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、上記のうちのいずれかのアニオン性形態(例えばアルコキシド、カルボキシレート、エノラート等)を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、エポキシドを開環できる求核剤を含む。好適な求核剤は、ハロゲン化物、シアン化物、ニトレート、アジド、カルボキシレート、硫化物、スルホネート等のアニオンを含むが、これらに限定されない。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、水を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、アルコールを含む。ある実施形態では、重合開始剤は、カルボン酸を含む。
I(b)−1重合開始剤としてのアルコール
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、アルコール(またはアルコキシド)を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、または高分子アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ジオール、トリオール、テトラオール、またはより高い多価アルコール等の多価アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、固体で支持されたアルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、モノ−アシル化グリコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、任意に置換されたアルコキシル化アクリレートを含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−20脂肪族アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−12脂肪族アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−8脂肪族アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−6脂肪族アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−4脂肪族アルコールを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノールシクロペンタノール、シクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロペンタノール、アリルアルコール、メチル2−ブテノール、シス−2−ブテノール、トランス−2−ブテノール、およびベンジルアルコールからなる群から選択される。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、式:
Figure 2015522091
を有するアルコールを含み、式中、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りであり、
は、任意に置換されたC1−12脂肪族、C1−4ペルフルオロ脂肪族、任意に置換されたアルケニル、および任意に置換されたアリールからなる群から選択される。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、式:
Figure 2015522091
を有するアルコールを含み、式中、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、式:
Figure 2015522091
を有するアルコールを含み、式中、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、式:
Figure 2015522091
を有するアルコールを含み、式中、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りであり、
Figure 2015522091
高分子支持体を含む。
重合系が上の重合開始剤のうちの1つを含む、ある実施形態では、重合開始剤中の各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、提供されたエポキシド中の対応するRa’、Rb’、Rc’、およびRd’と同一である。
ある実施形態では、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、独立して、−H、および、Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’のうちの2つ以上が一緒になって任意に置換された環を形成できる任意に置換されたC1−30脂肪族から選択される。ある実施形態では、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、独立して、−H、および任意に置換されたC1−12脂肪族から選択される。ある実施形態では、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、独立して、−H、および任意に置換されたC1−6脂肪族から選択される。ある実施形態では、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、独立して、−H、およびメチルから選択される。ある実施形態では、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、−Hである。ある実施形態では、Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’のうちの1つは、−CHであり、残りの3つは、−Hである。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、
Figure 2015522091
からなる群から選択されるアルコールを含み、各
Figure 2015522091
およびRは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、
Figure 2015522091
を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、任意に置換されたフェノールを含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、2つ以上のヒドロキシル基を含む。ある実施形態では、そのような開始剤は、ジオール、トリオール、テトラオール、またはより高い多価アルコールを含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、2価アルコールを含む。ある実施形態では、提供された2価アルコールは、C2−40ジオールを含む。ある実施形態では、2価アルコールは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、イソソルビド、グリセロールモノエステル、グリセロールモノエーテル、トリメチロールプロパンモノエステル、トリメチロールプロパンモノエーテル、ペンタエリスリトールジエステル、ペンタエリスリトールジエーテル、およびこれらのもののうちのいずれかのアルコキシル化誘導体からなる群から選択される。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、2価アルコールであり、2価アルコールは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、220〜約2000g/モルの数平均分子量を有するもののようなより高いポリ(エチレングリコール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、および234〜約2000g/モルの数平均分子量を有するもののようなより高いポリ(プロピレングリコール)からなる群から選択される。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、2価アルコールであり、2価アルコールは、二酸、ジオール、またはヒドロキシ酸からなる群から選択される化合物のアルコキシル化誘導体を含む。ある実施形態では、アルコキシル化誘導体は、エトキシル化またはプロポキシル化化合物を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、2価アルコールであり、2価アルコールは、高分子ジオールを含む。ある実施形態では、高分子ジオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ヒドロキシ末端ポリオレフィン、ポリエーテル−コポリエステル、ポリエーテルポリカーボネート、ポリカーボネート−コポリエステル、ポリオキシメチレンポリマー、およびこれらのもののうちのいずれかのアルコキシル化類似体からなる群から選択される。ある実施形態では、高分子ジオールは、約2000g/モル未満の平均分子量を有する。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、式:
Figure 2015522091
を有するアルコールを含み、各Ra’、Rb’、Rc’、およびRd’は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りであり、
Figure 2015522091
多価の部分を含み、
nは、2〜約100の整数であり、
yは、2〜約10の整数である。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ヒドロキシル末端ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネート等の高分子材料を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ポリプロピオラクトンを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、3−ヒドロキシプロピオン酸のオリゴマーを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ポリ−3−ヒドロキシブチレートを含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、3−ヒドロキシブタン酸のオリゴマーを含む。
I(b)−2重合開始剤としてのカルボン酸
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、−COH官能基を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−20カルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−12カルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−8カルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、C1−6カルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、2−メチルブタン酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸、2−メティル(metyl)ペンタン酸、3−メチルペンタン酸、ヘキサン酸、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、2−メチルブテン酸、安息香酸、フェニル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペンタフルオロプロピオン酸からなる群から選択される。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、酢酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、トリフルオロ酢酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、アクリル酸を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ポリカルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ジカルボン酸、トリカルボン酸、またはより高いカルボン酸を含む。ある実施形態では、提供された重合開始剤は、複数のカルボン酸基を有する高分子材料を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、
Figure 2015522091
からなる群から選択される化合物を含む。
ある実施形態では、二酸の提供された重合開始剤は、カルボキシ末端ポリオレフィンポリマーを含む。ある実施形態では、カルボキシ末端ポリオレフィンは、Nippon Soda Co.Ltd.により製造されるNISSO−PB C−シリーズの樹脂等の材料を含む。
ある実施形態では、提供された重合開始剤は、ヒドロキシ酸である。ある実施形態では、ヒドロキシ酸は、
Figure 2015522091
からなる群から選択される。
ある実施形態では、本発明の重合系は、系が、エポキシドとPInとのモル比が5:1を超えることと組み合わせてPInと金属カルボニルとのモル比が10:1を超えることを含むことを特徴とする。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比は、10:1を超え、エポキシドとPInとのモル比は、10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比は、10:1を超え、エポキシドとPInとのモル比は、20:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比は、20:1を超え、エポキシドとPInとのモル比は、10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比は、50:1を超え、エポキシドとPInとのモル比は、10:1を超える。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比は、100:1を超え、エポキシドとPInとのモル比は、5:1を超える。PInが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮されるPIn種の合計である。同様に、金属カルボニルが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮される金属カルボニル種の合計である。同様に、エポキシドが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮されるエポキシド種の合計である。
ある実施形態では、本発明の重合系は、5:1〜50:1の間のエポキシドとPInとのモル比と組み合わされる10:1〜100:1の間のPInと金属カルボニルとのモル比を含む系を特徴とする。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が、10:1〜100:1の間であり、エポキシドとPInとのモル比が、10:1〜100:1の間である。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が、10:1〜100:1の間であり、エポキシドとPInとのモル比が、20:1〜200:1の間である。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が、20:1〜200:1の間であり、エポキシドとPInとのモル比が、10:1〜100:1の間である。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が、50:1〜500:1の間であり、エポキシドとPInとのモル比が、10:1〜100:1の間である。ある実施形態では、PInと金属カルボニルとのモル比が、100:1〜1000:1の間であり、エポキシドとPInとのモル比が、5:1〜50:1の間である。PInが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮されるPIn種の合計である。同様に、金属カルボニルが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮される金属カルボニル種の合計である。同様に、エポキシドが2つ以上の種を含むとき、比率で考慮されるエポキシド種の合計である。
I(c)重合系の他の成分
ある実施形態では、本発明の重合系は、1つ以上の更なる成分を含む。ある実施形態では、本発明の重合系は、ルイス酸を含む。好適なルイス酸としては、遷移金属錯体、金属塩、ホウ素化合物等が含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、本発明の重合系は、エステル交換触媒を含む。好適なエステル交換触媒としては、DMAP、DBU、MeTBD、DABCO、イミダゾール誘導体等のアミン化合物およびジブチルスズアルカオネート等のスズ化合物等が含まれる。
I(c)−1エステル交換触媒
ある実施形態では、本発明の重合系は、エステル交換反応を促進または触媒することができる化合物を含む。これに関して、エステル交換は、金属カルボニル化学を論じる章において上述のもの等のアシル金属種の関与を含むことができる。よって、ある実施形態では、本発明の重合系は、(重合開始剤の一部、または反応混合物において形成されたポリマーまたはオリゴマーの鎖端部の一部であり得る)ヒドロキシル基とアシル金属カルボニル化合物との反応を促進することができる1つ以上の化合物を含む。ある実施形態では、そのような反応は、以下のスキーム
Figure 2015522091
に従い得る。
ある実施形態では、提供されたエステル交換触媒は、アミン化合物を含む。ある実施形態では、提供されたエステル交換触媒は、アミジン、またはグアニジンを含む。ある実施形態では、提供されたエステル交換触媒は、DMAP、DBU、TBD、MeTBD、DABCO、イミダゾール誘導体、ジブチルスズアルカオネート等のスズ化合物、ビスマス化合物等の既知の触媒を含む。
I(c)−2ルイス酸
ある実施形態では、本発明の重合系は、ルイス酸を含み、その含まれたルイス酸は、金属錯体を含む。ある実施形態では、含まれたルイス酸は、ホウ素化合物を含む。
ある実施形態では、含まれたルイス酸は、ホウ素化合物を含み、ホウ素化合物は、トリアルキルホウ素化合物またはトリアリールホウ素化合物を含む。ある実施形態では、含まれたホウ素化合物は、1つ以上のホウ素−ハロゲン結合を含む。ある実施形態では、含まれたホウ素化合物は、1つ以上のホウ素−ハロゲン結合を含み、化合物は、ジアルキルハロホウ素化合物(例えばRBX)、ジハロモノアルキル化合物(例えばRBX)、アリールハロホウ素化合物(例えばArBXまたはArBX)、またはトリハロホウ素化合物(例えばBClまたはBBr)である。
ある実施形態では、含まれたルイス酸は、金属錯体を含み、金属錯体は、カチオン性である。ある実施形態では、含まれたカチオン性金属錯体は、そのバランスのとれた電荷を、1つ以上のアニオン性金属カルボニル部分により、部分的にか、または全体的にかのいずれかで有する。好適なアニオン性金属カルボニル化合物は、上述のものを含む。ある実施形態では、金属錯体の電荷のバランスをとっている1〜17個のそのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。ある実施形態では、金属錯体の電荷のバランスをとっている1〜9個のそのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。ある実施形態では、金属錯体の電荷のバランスをとっている1〜5個のそのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。ある実施形態では、金属錯体の電荷のバランスをとっている1〜3個のそのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。
ある実施形態では、本発明の重合系は、カチオン性金属錯体を含み、金属錯体は、式[(Lz+を有し、式中、
は、配位子であり、2つ以上のLが存在するとき各々が同一かまたは異なってもよく、
Mは、金属原子であり、2つのMが存在するとき各々が同一かまたは異なってもよく、
vは、1以上〜4以下の整数であり、
bは、1以上〜2以下の整数であり、
zは、金属錯体上でカチオン性電荷を表す0を超える整数である。
ある実施形態では、提供されたルイス酸は、構造I:
Figure 2015522091
に従い、式中、
Figure 2015522091
は、多座配位性配位子であり、
Mは、多座配位性配位子に配位される金属原子であり、
aは、金属原子の電荷であり、0〜2の範囲であり、
ある実施形態では、提供された金属錯体は、構造II:
Figure 2015522091
に従う。式中、aは、(各aは、同一かまたは異なってもよく)上に定義される通りであり、
は、第1の金属原子であり、
は、第2の金属原子であり、

Figure 2015522091
両方の金属原子を配位できる多座配位性配位子系を含む。
明瞭にし、本明細書の錯体IおよびII、ならびに他の構造の金属原子の正味電荷と合計電荷との間の混同を避けるために、上の錯体IおよびIIの金属原子上に示される電荷(a)は、多座配位性配位子の任意のアニオン性サイトを満たした後の金属原子上の正味電荷を表す。例えば、式Iの錯体における金属原子がCr(III)であった場合、配位子は、ポルフィリン(−2の電荷を有する四座配位子)であり、クロム原子は、+1の正味電荷を有し、aは、1であった。
好適な多座配位性配位子は、ポルフィリン誘導体1、サレン誘導体2、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)誘導体3、フタロシアニネート誘導体4、トロスト配位子の誘導体5、テトラフェニルポルフィリン誘導体6、およびコロール誘導体7を含むがこれらに限定されない。ある実施形態では、多座配位性配位子は、サレン誘導体である。他の実施形態では、多座配位性配位子は、ポルフィリン誘導体である。他の実施形態では、多座配位性配位子は、テトラフェニルポルフィリン誘導体である。他の実施形態では、多座配位性配位子は、コロール誘導体である。
Figure 2015522091
式中、各R、R、R、R1a、R2a、R3a、R1a’、R2a’、R3a’、およびMは、本明細書のクラスおよびサブクラスに定義され記載される通りである。
ある実施形態では、本発明の重合系に提供されたルイス酸は、金属−ポルフィナト錯体を含む。ある実施形態では、部分
Figure 2015522091
は、構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、各Mおよびaは、上に定義され本明細書のクラスおよびサブクラスに記載される通りであり、
は、各発生にて独立して、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR 、−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR、または、C1−20脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、2つ以上のR基は、一緒になって、1つ以上の任意に置換された環を形成し得、各Rは、独立して、水素、アシル、カルバモイル、アリールアルキル、6〜10員のアリール、C1−12脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有するC1−12ヘテロ脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基、酸素保護基、および窒素保護基であり、同一の窒素原子上の2つのRは、窒素原子と一緒になって、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される0〜2個の更なるヘテロ原子を有する4〜7員の任意に置換された複素環式環を形成し、各Rは、独立して、ヒドロキシル保護基またはRである。
ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、M、a、およびRは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、M、a、およびRは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、本発明の重合系に含まれるルイス酸は、メタロサレネート(salenate)錯体を含む。ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、
Mおよびaは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
1a、R1a’、R2a、R2a’、R3a、およびR3a’は、独立して、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR 、−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR、または、C1−20脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、各R、R、およびRは、独立して、上に定義され本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の通りであり、
式中、(R2a’およびR3a’)、(R2aおよびR3a)、(R1aおよびR2a)、および(R1a’およびR2a’)のうちのいずれかは、任意にそれらが結合される炭素原子と一緒になって、1つ以上のR基で次々に置換され得る1つ以上の環を形成し得、
4aは、
Figure 2015522091
からなる群から選択され、式中、
は、各発生にて独立して、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR 、−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR、または、C1−20脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、
2つ以上のR基は、それらが結合される炭素原子および介在原子と一緒になって、1つ以上の環を形成し得、
2つのR基が同一の炭素原子に結合されると、それらは、基が結合される炭素原子と一緒になって、3〜8員のスピロ環式環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾン、イミン、および任意に置換されたアルケンからなる群から選択される部分を形成し得、
Yは、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、ポリエーテル、C〜C置換されたまたは非置換の炭素環、およびC〜C置換されたまたは非置換の複素環からなる群から選択される2価の架橋剤であり、
m’は、0か、または1以上〜4以下の整数であり、
qは、0か、または1以上〜4以下の整数であり、
xは、0、1、または2である。
ある実施形態では、提供されたルイス酸は、式Ia:
Figure 2015522091
に示されるようにメタロサレン化合物を含み、式中、各M、R、およびaは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りであり、
Figure 2015522091
は、サレン配位子のジアミン部分の2つの窒素原子を架橋する任意に置換された部分を表すであり、
Figure 2015522091
は、C−C14炭素環、C−C10アリール基、C−C14複素環、およびC−C10ヘテロアリール基、または任意に置換されたC2−20脂肪族基からなる群から選択され、1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−C(=NOR)−、または−N=Nにより置換される。
金属錯体が上の式Iaを有するある実施形態では、金属錯体のサリチルアルデヒド誘導の部分を含むフェニル環のうちの少なくとも1つが、独立して、
Figure 2015522091
Figure 2015522091
からなる群から選択される。
ある実施形態では、提供されたルイス酸は、式VaまたはVb:
Figure 2015522091
のうちの1つに従う、メタロサレン化合物を含み、式中、M、a、R、R1a、R3a、R1a’、R3a’、および
Figure 2015522091
は、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
式VaまたはVbを有する金属錯体のある実施形態では、各R1’およびR3’は、独立して、任意に置換されたC−C20脂肪族である。
ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
任意に置換された1,2−フェニル部分を含む。
ある実施形態では、本発明の重合系に含まれるルイス酸は、金属−tmtaa錯体を含む。ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、M、a、およびRは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りであり、Rは、各発生にて独立して、水素、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR、−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR、または、C1−20脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基である。
ある実施形態では、部分は、
Figure 2015522091
構造:
Figure 2015522091
を有し、式中、各M、a、R、およびRは、本明細書の上およびクラスおよびサブクラスに定義される通りである。
ある実施形態では、本発明の重合系は、ルイス酸金属錯体を含み、金属原子は、周期表の第2〜第13族の中から選択される。ある実施形態では、Mは、周期表の第4、第6、第11、第12、および第13族から選択される遷移金属である。ある実施形態では、Mは、アルミニウム、クロム、チタン、インジウム、ガリウム、亜鉛コバルト、または銅である。ある実施形態では、Mは、アルミニウムである。他の実施形態では、Mは、クロムである。
ある実施形態では、Mは、+2の酸化状態を有する。ある実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)、またはMg(II)である。ある実施形態では、Mは、Zn(II)である。ある実施形態では、Mは、Cu(II)である。
ある実施形態では、Mは、+3の酸化状態を有する。ある実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)In(III)、Ga(III)、またはMn(III)である。ある実施形態では、Mは、Al(III)である。ある実施形態では、Mは、Cr(III)である。
ある実施形態では、Mは、+4の酸化状態である。ある実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。
ある実施形態では、MおよびMはそれぞれ、独立して、周期表の第2〜第13族の中から選択される金属原子である。ある実施形態では、Mは、周期表の第4、第6、第11、第12、および第13族から選択される遷移金属である。ある実施形態では、Mは、アルミニウム、クロム、チタン、インジウム、ガリウム、亜鉛コバルト、または銅である。ある実施形態では、Mは、アルミニウムである。他の実施形態では、Mは、クロムである。ある実施形態では、MおよびMは、同一である。ある実施形態では、MおよびMは、同一の金属であるが、異なる酸化状態を有する。ある実施形態では、MおよびMは、異なる金属である。
ある実施形態では、1つ以上のMおよびMは、+2の酸化状態を有する。ある実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)、またはMg(II)である。ある実施形態では、Mは、Zn(II)である。ある実施形態では、Mは、Cu(II)である。ある実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)、またはMg(II)である。ある実施形態では、Mは、Zn(II)である。ある実施形態では、Mは、Cu(II)である。
ある実施形態では、1つ以上のMおよびMは、+3の酸化状態を有する。ある実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)In(III)、Ga(III)、またはMn(III)である。ある実施形態では、Mは、Al(III)である。ある実施形態では、Mは、Cr(III)である。ある実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)In(III)、Ga(III)、またはMn(III)である。ある実施形態では、Mは、Al(III)である。ある実施形態では、Mは、Cr(III)である。
ある実施形態では、1つ以上のMおよびMは、+4の酸化状態を有する。ある実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。ある実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。
ある実施形態では、1つ以上の中性の2つの電子供与体は、M MまたはMに配位し、金属原子の配位原子価を充電する。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、溶媒分子である。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、エーテルである。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、二硫化炭素、またはピリジンである。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、テトラヒドロフランである。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、エポキシドである。ある実施形態では、中性の2つの電子供与体は、エステルまたはラクトンである。
エポキシド
任意のエポキシドが、上述の重合系において使用され得る。実際面で、比較的低価格で大容量が利用可能であるエポキシドの使用において更なる価値が存在し得る。
ある実施形態では、提供されたエポキシドは、式:
Figure 2015522091
を有し、式中、
’は、水素、または、C1−30脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、
各R’、R’、およびR’は、独立して、水素、または、C1−12脂肪族、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1−12ヘテロ脂肪族、6〜10員のアリール、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、および窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式からなる群から選択される任意に置換された基であり、
(R’およびR’)、(R’およびR’)、および(R’およびR’)のうちのいずれかは、それらの介在原子と一緒になって、任意に置換されたC−C14炭素環、任意に置換されたC−C14複素環、任意に置換されたC−C10アリール、および任意に置換されたC−C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の環を形成できる。
ある実施形態では、提供されたエポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2ブチレンオキシド、2,3ブチレンオキシド、より高いアルファオレフィンのエポキシド、エピクロロヒドリン、グリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、シクロペンテンオキシド、3−ビニルシクロヘキセンオキシド、3−エチルシクロヘキセンオキシド、およびジエポキシドからなる群から選択される。
ある実施形態では、提供されたエポキシドは、上のうちの任意の2つ以上のうちの混合物を含み得る。(よって、提供されたエポキシドが例えば、エチレンオキシドを「含む」とき、提供されたエポキシドは、エチレンオキシドか、または1つ以上のエポキシドと組み合わせるエチレンオキシドか、であり得ることが理解される。)
ある実施形態では、提供されたエポキシドは、エチレンオキシドである。
ある実施形態では、提供されたエポキシドは、プロピレンオキシドである。ある実施形態では、提供されたプロピレンオキシドは、エナンチオ富化である。
II.方法
別の態様では、本発明は、本明細書において上に記載の重合系を用いてエポキシドおよびCOからポリエステル生成物を生成する方法を提供する。ある実施形態では、本発明の方法は、本明細書の上の、または本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の任意の重合系においてエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させるステップを含む。
ある実施形態では、本発明の方法は、
a)エポキシドを提供するステップと、
b)エポキシドを、金属カルボニル化合物および重合開始剤の存在下で一酸化炭素と接触させるステップであって、エポキシドが、重合開始剤に対してモル過剰で提供され、重合開始剤が、金属カルボニル化合物に対してモル過剰で提供される、ステップと、
c)式
Figure 2015522091
のポリマーを含むポリエステル生成物を生成するステップであって、式中、Eが、エポキシドから誘導される任意に置換されたエチレン単位であり、nが、約5〜5000の間の整数である、ステップと、を含む。
ある実施形態では、(消費されたエポキシドに基づく)ポリエステル生成物の収率は、少なくとも10%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも15%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも20%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも25%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも30%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも35%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも40%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも45%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも50%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも55%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも60%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも65%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも70%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも75%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも80%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも85%である。ある実施形態では、ポリエステル生成物の収率は、少なくとも90%である。
ある実施形態では、方法は、ポリエステル生成物を単離させるステップ(c)の後にステップを含む。ある実施形態では、方法は、ポリエステル生成物から少なくとも触媒の一部分を分離するステップ(c)の後にステップを含む。ある実施形態では、方法は、ポリエステル生成物から少なくとも触媒の一部分を分離し分離された触媒を用いてステップ(b)を実施するステップ(c)の後にステップを含む。
ある実施形態では、ステップ(a)で提供されたエポキシドは、エチレンオキシドである。
ある実施形態では、ステップ(b)に存在する金属カルボニル化合物は、コバルトカルボニル化合物を含む。
ある実施形態では、ステップ(b)に存在する重合開始剤は、アルコールを含む。
ある実施形態では、提供されたエポキシドと存在する重合開始剤とのモル比は、5:1を超えるか、10:1を超えるか、20:1を超えるか、または50:1を超える。ある実施形態では、提供されたエポキシドと存在する重合開始剤とのモル比は、5:1〜50:1の間か、10:1〜100:1の間か、20:1〜200:1の間か、または50:1〜2000:1の間である。
ある実施形態では、ステップ(b)の重合開始剤と存在する金属カルボニル化合物とのモル比は、5:1を超えるか、10:1を超えるか、20:1を超えるか、50:1を超えるか、100:1を超えるか、または200:1を超える。ある実施形態では、ステップ(b)の重合開始剤と存在する金属カルボニル化合物とのモル比は、5:1〜50:1の間か、10:1〜100:1の間か、20:1〜200:1の間か、50:1〜500:1の間か、100:1〜1000:1の間か、または200:1〜5000:1の間である。
ある実施形態では、本発明の方法は、本明細書の上記、または本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の任意の重合系においてプロピレンオキシドを一酸化炭素と接触させるステップを含む。
本発明の方法は、種々の反応器の形式を利用して実施されることができる。反応は、バッチ過程、連続過程、またはバッチと連続との過程の組み合わせにおいて行われることができる。方法は、任意の好適な反応器型において実施されてもよく、または、直列式にまたは並列式に配置された複数の反応器で実施されることができる。そのようなバッチおよび連続流動反応過程を実行するのに必要なハードウエアおよび制御計装は、文献においてよく知られている。
ある実施形態では、本発明の方法は、ポリエステルを小分子生成物に変換する更なるステップを含む。ある実施形態では、小分子生成物は、アクリル酸、置換されたアルファベータ不飽和カルボン酸、アクリレートエステル、アクリルアミド、またはエステルまたはアルファベータ不飽和酸のアミドを含む。提供されたエポキシドがエチレンオキシドである、ある実施形態では、方法は、ポリエステルをアクリル酸に変換することを含む。提供されたエポキシドがエチレンオキシドである、ある実施形態では、方法は、ポリエステルを、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、およびエチルアクリレートからなる群から選択されるアクリレートエステルに変換することを含む。
ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルを熱分解することを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルを熱分解することおよびアルファベータ不飽和酸を単離することを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルを加水分解することを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルを加水分解することおよびヒドロキシ酸を単離することを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルをアルコールと接触させることを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルをアルコールと接触させることおよびアクリレートエステルを単離することを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルをアミンと接触させることを含む。ある実施形態では、ポリエステルを小分子生成物に変換するステップは、ポリエステルをアミンと接触させることおよびアクリルアミドを単離することを含む。
ある実施形態では、本発明の方法は、(d)ポリエステル生成物またはポリエステル生成物を形成する小分子生成物から有用な物品を製造するステップを更に含む。そのような過程のステップは、当該分野では既知である。ある実施形態では、ポリエステル生成物から有用な物品を製造することは、民生用包装品を製作することを含む。ある実施形態では、民生用包装品は、瓶、使い捨て食品用容器、発泡物品、ブリスター包装等を含む。ある実施形態では、有用な物品は、農業用フィルム等のフィルム、または包装フィルムを含む。ある実施形態では、有用な物品は、食器等の成形されたプラスチック物品、プラスチック製玩具、冷却器、バケツ、電子機器等の民生用製品におけるプラスチック構成要素、自動車部品、スポーツ用品等を含む。ある実施形態では、有用な物品は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PVC等の熱プラスチックから現在製作される無数の物品のうちのいずれかを含む。ある実施形態では、有用な物品は、繊維、または布を含む。
実施例証
実施例1(ルイス酸/コバルトカルボニル錯体触媒を用いる重合)
ステンレス鋼製の圧反応器中の(1モル相当の)[(tpp)Al][Co(CO)]のテトラヒドロフラン溶液を、400psi(2750kPa)COおよび50℃に供する。(100モル相当の)エチレンオキシドおよび(10モル相当の)エタノールを、この溶液中に添加し、合計反応圧力を、COで800psi(5500kPa)に増加させる。反応をこの圧力で維持し、温度および反応を監視する。生成物形成が完了すると、反応器を、室温まで冷却し減圧する。
実施例1b
本実施例を、実施例1と同一の手順を用いて実施するが、1000モル相当のエチレンオキシドと20モル相当のエタノールとの比率を利用する。本実施例は、実施例1より高い平均分子量を有するベータプロピオラクトンの形成をもたらす。
実施例1c
本実施例を、実施例1bと同一の手順を用いて実施するが、エチレンオキシドの代わりにR−プロピレンオキシドを代用する。
実施例2(ルイス酸/コバルトカルボニル錯体およびエステル交換触媒を用いる重合)
テトラヒドロフラン中の(1モル相当の)[(tpp)Al][Co(CO)]の溶液を、最大400psi(2750kPa)COおよび50℃に供する。(100モル相当の)エチレンオキシド、(10モル相当の)エタノール、および(DMAP、1モル相当の)4−ジメチルアミノピリジンを、次いで、この溶液中に添加し、合計反応圧力をCOで800psi(5500kPa)に増加させる。反応を監視し、生成物形成が完了すると、反応器を、室温まで冷却し減圧する。
実施例3
本実施例を、実施例2と同一の手順を用いて実施するが、DMAPの代わりにエステル交換触媒として1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デ−5−セン(TBD)を代用する。
実施例4
本実施例を、実施例2と同一の手順を用いて実施するが、DMAPの代わりにエステル交換触媒として7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デ−5−セン(MTBD)を代用する。
実施例5
本実施例を、実施例2と同一の手順を用いて実施するが、DMAPの代わりにエステル交換触媒としてジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)を代用する。
実施例6(HCo(CO)およびエステル交換触媒を用いる重合)
(1モル相当の)Co(CO)を、高圧蒸気滅菌器において1,2−ジメトキシエタン中に溶解させる。この溶液に、400psi(2750kPa)の合成ガス(H/CO、1/3のモルによる)を添加し、反応器を80°Cに加熱してHCo(CO)を原位置で生成する。(100モル相当の)エチレンオキシド、(10モル相当の)エタノール、および(2モル相当の)MTBDを、次いで溶液に添加し、合計反応器圧力を800psi(5500kPa)に増加させる。反応を監視し、生成物形成が完了すると、反応器を、室温まで冷却し減圧する。
実施例7
本実施例を、実施例6と同一の手順を用いて実施するが、エステル交換触媒としてDMAPを用いる。
実施例8
本実施例を、実施例6と同一の手順を用いて実施するが、重合開始剤としてエチレングリコールを用いる。
実施例9
本実施例を、実施例6と同一の手順を用いて実施するが、重合開始剤としてメチル−3−ヒドロキシプロピオネートを用いる。
実施例10
本実施例を、実施例6と同一の手順を用いて実施するが、重合開始剤として酢酸を用いる。
実施例11(補助配位子およびエステル交換触媒で変性されたHCo(CO)を用いる重合)
(1モル相当の)Co(CO)を、高圧蒸気滅菌器においてテトラヒドロフラン中に溶解させる。この溶液に、400psi(2750kPa)の合成ガス(H/CO、1/3のモルによる)を添加し、反応器を80℃に加熱してHCo(CO)を原位置で生成する。テトラヒドロフラン中の(2モル相当の)トリフェニルホスフィンの溶液を、添加してHCo(CO)(PPh)錯体を原位置で作製する。(100モル相当の)エチレンオキシド、(10モル相当の)エタノール、および(2モル相当の)MTBDを、次いで溶液に添加し、合計反応器圧力を800psi(5500kPa)に増加させ、温度を80℃にする。反応を監視し、生成物形成が完了すると、反応器を、室温まで冷却し減圧する。
実施例11
本実施例を、実施例10と同一の手順を用いて実施するが、補助配位子としてトリブチルホスフィンを用いる。
実施例12
本実施例を、実施例10と同一の手順を用いて実施するが、補助配位子としてトリシクロヘキシルホスフィンを用いる。
実施例13(HRh(CO)(PPhおよびエステル交換触媒を用いる重合)
(1モル相当の)HRh(CO)(Phを、高圧蒸気滅菌器においてテトラヒドロフラン中に溶解させる。この溶液に、400psi(2750kPa)の合成ガス(H/CO、1/3のモルによる)を添加し、反応器を80°Cに加熱する。(100モル相当の)エチレンオキシドおよび(10モル相当の)エタノールを、次いで溶液中に添加し、合計反応圧力を、800psi(5500kPa)に増加させる。反応を監視し、生成物形成が完了すると、反応器を、室温まで冷却し減圧する。
実施例14
本実施例を、実施例13と同一の手順を用いて実施するが、合成ガスの代わりに純正COを用いる。
実施例15
本実施例を、実施例13と同一の手順を用いて実施するが、カルボニル化触媒としてRh(acac)(CO)を用いる。
実施例16
本実施例を、実施例13と同一の手順を用いて実施するが、Rhに対して1モル相当のMTBDを含む。
他の実施形態
前記のものは、本発明の非限定的な実施形態の説明である。したがって、本明細書に記載の本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の例示的なものにすぎないことを理解されたい。本明細書中の例示された実施形態の詳細への言及は、それ自体が本発明に必要不可欠であるとみなされるそれらの特徴を列挙する、特許請求の範囲に限定されることを意図するものではない。

Claims (22)

  1. エポキシドと一酸化炭素とを共重合するための方法であって、
    a)エポキシドを提供するステップと、
    b)前記エポキシドを、金属カルボニル化合物および重合開始剤の存在下で一酸化炭素と接触させるステップであって、前記エポキシドが、前記重合開始剤に対してモル過剰で提供され、前記重合開始剤が、前記金属カルボニル化合物に対してモル過剰で提供される、ステップと、
    c)式
    Figure 2015522091
    のポリマーを含むポリエステル生成物を生成するステップであって、式中、Eが、前記エポキシドから誘導される任意に置換されたエチレン単位であり、nが、約5〜5000の間の整数である、ステップと、を含む、方法。
  2. 前記金属カルボニル化合物が、ヒドリド金属カルボニルを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒドリド金属カルボニルが、HCo(CO)を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記重合開始剤が、アルコールを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記重合開始剤が、カルボキシレートアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記エポキシドが、エチレンオキシドを含む、請求項1に記載の方法。
  7. エポキシドと重合開始剤とのモル比が、5:1を超えるか、
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、10:1を超えるか、
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、20:1を超えるか、または
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、50:1を超える、請求項1に記載の方法。
  8. 重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、5:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、10:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、20:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、50:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、100:1を超えるか、または
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、200:1を超える、請求項1に記載の方法。
  9. 前記エポキシドが、エチレンオキシドであり、前記金属カルボニル化合物が、コバルトカルボニル化合物であり、前記重合開始剤が、アルコール、カルボン酸、カルボキシレート塩、およびこれらのうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択され、
    前記エポキシドと前記重合とのモル比が、10:1を超え、重合開始剤とコバルトカルボニル化合物とのモル比が、5:1を超える、請求項1に記載の方法。
  10. (消費されたエポキシドに基づく)ポリエステル生成物の収率が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ポリエステル生成物を小分子生成物に変換することを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記小分子生成物が、アクリル酸、置換されたアルファベータ不飽和カルボン酸、アクリレートエステル、アクリルアミド、またはアルファベータ不飽和酸のエステルもしくはアミドを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ポリエステル生成物を民生用包装品、フィルム、成形されたプラスチック物品、民生用製品のプラスチック構成要素、繊維、または布に変換することを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  14. エポキシドと一酸化炭素とを共重合するための重合系であって、エポキシド、金属カルボニル化合物、および重合開始剤を含み、前記エポキシドが、前記重合開始剤に対してモル過剰で存在し、前記重合開始剤が、前記金属カルボニル化合物に対してモル過剰で存在することを特徴とする、重合系。
  15. 前記金属カルボニル化合物が、ヒドリド金属カルボニルを含む、請求項14に記載の重合系。
  16. 前記ヒドリド金属カルボニルが、HCo(CO)を含む、請求項15に記載の重合系。
  17. 前記重合開始剤が、アルコールを含む、請求項14に記載の重合系。
  18. 前記アルコールが、ジオールを含む、請求項17に記載の重合系。
  19. 前記重合開始剤が、カルボキシレートアニオンを含む、請求項14に記載の重合系。
  20. 前記エポキシドが、エチレンオキシドを含む、請求項14に記載の重合系。
  21. エポキシドと重合開始剤とのモル比が、5:1を超えるか、
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、10:1を超えるか、
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、20:1を超えるか、または
    エポキシドと重合開始剤とのモル比が、50:1を超える、請求項14に記載の重合系。
  22. 重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、5:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、10:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、20:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、50:1を超えるか、
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、100:1を超えるか、または
    重合開始剤と金属カルボニル化合物とのモル比が、200:1を超える、請求項14に記載の重合系。
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