JP2015522079A - 光線感作物質の局所送達のための医薬組成物及びその使用 - Google Patents
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Abstract
本開示は、光線感作物質を含む組成物と、皮膚状態の治療のための光線力学療法におけるそれらの使用を含み、提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2012年7月11日に出願された米国仮特許出願第61/670,554号、2012年9月27日に出願された同第61/706,732号及び2012年10月2日に出願された同第61/708,845号の利益を主張するものであり、これらの内容はその全体が組み込まれている。
本出願は、2012年7月11日に出願された米国仮特許出願第61/670,554号、2012年9月27日に出願された同第61/706,732号及び2012年10月2日に出願された同第61/708,845号の利益を主張するものであり、これらの内容はその全体が組み込まれている。
本開示は、光増感薬剤を含む組成物及び皮膚状態の治療のための光線力学療法におけるそれらの使用を含み、提供する。
光線力学的療法(PDT,photodynamic therapy)は、広範囲の医学的状態を治療するために、光によって活性化される薬物(光線感作物質)を使用する手順である。直接光を当てることができる標的組織に光線感作物質が蓄積することによって、PDTが選択的治療になる。光線感作物質が光によって活性化されると、一重項酸素及び他のフリーラジカルが、薬物を保持している組織中で生成される。これらの活性酸素種と生体高分子との相互作用が、細胞代謝に変化を起こす生化学反応のカスケードを誘導し、高用量の薬物及び/又は光において、細胞死をもたらすことができる。
光線力学的療法(PDT)は、尋常性ざ瘡、機能亢進性皮脂腺、乾癬、アトピー性皮膚炎及びある特定のタイプの皮膚がんを含む、いくつかの皮膚状態の治療法として提案されている。これらの状態に対してPDTを行う際の課題の1つは、光を照射した後に、紅斑、疼痛、灼熱及び痒みなどの全身性の望ましくない皮膚光感受性反応を引き起こすことなく、十分な量の光線感作物質を、皮膚における所望の位置に標的化することであった。例えば、尋常性ざ瘡、皮脂腺過形成、脂漏症及び脂漏性皮膚炎などの状態、皮脂腺機能亢進を特徴とする状態を治療する際には、光線感作物質薬(photosensitizer drug)を皮脂腺中に選択的に局在化させることが望ましい。
皮膚状態を治療するために、光線感作物質のいくつかの局所製剤が提案されている(例えば、国際公開第2005/074987号パンフレットを参照のこと)。製剤組成物は、皮膚及び皮膚付属器官、例えば、毛包脂腺単位(PSU,pilosebaceous unit)、付随した皮脂腺を有する毛包からなる構造などの中への光線感作物質の局所送達に著しく影響し得る。光線感作物質薬を皮脂腺中に有効に送達する、より良好な製剤が必要とされている。
一態様では、本発明は、光線感作物質(photosensitizer)を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物であって、周囲温度で過飽和状態の光線感作物質を含む光増感成分、1又は2以上の溶媒、及びジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME,diethylene glycol monoethyl ether)で構成された製剤を含み、光線感作物質が、医薬組成物中に約0.1%〜約0.4%の最終濃度(w/w)で存在する緑色ポルフィリンであり、1又は2以上の溶媒が、医薬組成物中に、約5%〜約55%の最終濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、及び約25%〜約60%の最終濃度(w/w)のイソプロパノール(IPA,isopropanol)を含み、DGMEが、約15%及び約35%の最終濃度(w/w)で存在し、構成された製剤が、a)ベンジルアルコール中に溶解されている約0.5%〜1.5%の初期濃度(w/w)で存在する緑色ポルフィリンの第1の溶液、並びにb)医薬組成物中に、約15%〜約40%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約0%〜約30%及び約40%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、並びに約30%〜約70%の初期濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分の第2の溶液を組み合わせることによって形成されたものであり、構成された溶液中の光線感作物質の濃度が、周囲温度で過飽和状態である医薬組成物を提供する。一実施形態では、構成された医薬組成物は、少なくとも4時間、物理的に安定である。別の実施形態では、希釈剤成分は、4.0%〜6.0%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、2.5%〜3.0%の初期濃度(w/w)で存在するメントール、0.5%〜1.5%の最終濃度(w/w)で存在するサリチル酸メチル、及び0.25%〜0.60%の最終濃度(w/w)で存在するポリソルベート80を任意に追加的に含む。さらなる実施形態では、緑色ポルフィリンの第1の溶液は、ベンジルアルコール中に約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィンを含み、希釈剤成分は、約35.6%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約54.39%の初期濃度(w/w)で存在するIPA、約5.56%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、約2.78%の初期濃度で存在するメントール、約1.11%の初期濃度で存在するサリチル酸メチル、及び約0.56%の初期濃度で存在するポリソルベート80を含む。別の実施形態では、緑色ポルフィリンの第1の溶液は、約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.00%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含み、希釈剤成分は、約24.30%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、28.55%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、及び約47.15%の初期濃度(w/w)で存在するIPAを含む。さらなる実施形態では、緑色ポルフィリンの第1の溶液は、約0.60%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.40%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含み、希釈剤成分は、約34.00%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、及び約66.00%の初期濃度(w/w)で存在するIPAを含む。別の実施形態では、緑色ポルフィリンはレムテポルフィンである。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるざ瘡を治療する際に、記載されている医薬組成物を使用する方法であって、治療有効量の前記組成物を、ざ瘡病変を有する対象の皮膚の患部に適用するステップと、緑色ポルフィリンの少なくとも一部が患部の皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、緑色ポルフィリンを活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、油性肌の患部を有する対象の皮膚における皮脂腺の皮脂排出率を低減する際に、記載されている医薬組成物を使用する方法であって、治療有効量の前記医薬組成物を、患部に適用するステップと、組成物の少なくとも一部が皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、記載されている医薬組成物を調製する方法であって、緑色ポルフィリン及びベンジルアルコールを含む光増感成分を有する第1のバイアルと、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及びイソプロパノール(IPA)を含み、且つ任意にベンジルアルコールを含む希釈剤成分を有する第2のバイアルとを混合するステップを含み、前記医薬組成物が、約0.1%〜約0.4%の前記緑色ポルフィリン、約5%〜約55%の前記ベンジルアルコール、約7%〜約25%の前記DGME、及び約25%〜約60%の前記IPAの最終濃度(w/w)を有する方法を提供する。一実施形態では、方法は、ベンジルアルコール中に約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンの溶液を含む第1のバイアルと、約35.6%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約54.39%の初期濃度(w/w)で存在するIPA、約5.56%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、約2.78%の初期濃度で存在するメントール、約1.11%の初期濃度で存在するサリチル酸メチル、及び約0.56%の初期濃度で存在するポリソルベート80の溶液を含む第2のバイアルとを混合するステップを含む。別の実施形態では、方法は、約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.00%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む緑色ポルフィリンの溶液を含む第1のバイアルと、約24.30%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、28.55%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、及び約47.15%の初期濃度(w/w)で存在するIPAの溶液を含む第2のバイアルとを混合するステップを含む。さらなる実施形態では、方法は、約0.60%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.40%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む緑色ポルフィリンの溶液を含む第1のバイアルと、約34.00%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、及び約66.00%の初期濃度(w/w)で存在するIPAを含む第2のバイアルとを混合するステップを含む。別の実施形態では、緑色ポルフィリンはレムテポルフィンである。
別の態様では、本発明は、油性肌の領域(area)を有する対象の皮膚における皮脂腺の皮脂排出率を低減するための方法であって、治療有効量の記載されている医薬組成物を、対象の皮膚上の患部に適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を提供する。一実施形態では、光線感作物質は緑色ポルフィリンである。さらなる実施形態では、緑色ポルフィリンはレムテポルフィンである。別の実施形態では、対象の患部を乾熱で前処置した後に、組成物を適用する。さらなる実施形態では、光線感作物質が局在化するのに与えられる時間は、1〜2時間である。別の実施形態では、光エネルギー曝露は、37.5〜300J/cm2の範囲である。
さらなる態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるざ瘡を治療する方法であって、治療有効量の上記の光線感作物質組成物を、ざ瘡病変を有する対象の皮膚の患部に適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が患部の皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、炎症性のざ瘡病変、非炎症性のざ瘡病変、又は炎症性及び非炎症性の両方の病変を有する。別の実施形態では、光線感作物質は緑色ポルフィリンである。さらなる実施形態では、緑色ポルフィリンはレムテポルフィンである。さらなる実施形態では、対象の患部を乾熱で前処置した後に、組成物を適用する。別の実施形態では、光線感作物質が局在化するのに与えられる時間は、1〜2時間である。さらなる実施形態では、光エネルギー曝露は、37.5〜300J/cm2の範囲である。
本開示はまた、光線感作物質を含む光増感成分を含有する第1の容器と、第1の容器中の溶媒と混和できる賦形剤成分を含有する第2の容器と、2つの容器の内容物を合わせ、合わせた内容物を対象の皮膚に局所適用し、1又は2以上の皮膚障害の治療のためのPDTを行うための一連の使用説明書とを含むキットを含み、提供する。
本開示によるある特定の実施形態では、光線感作物質は、レムテポルフィン及びベルテポルフィンなどの緑色ポルフィリンを含む。
概観
本開示は、光線感作物質を含む医薬組成物並びに尋常性ざ瘡及び他の機能亢進性皮脂腺障害などの皮膚障害の治療のための光線力学的療法(PDT)を行うための、製剤化された光線感作物質を使用する方法を提供し、含む。
本開示は、光線感作物質を含む医薬組成物並びに尋常性ざ瘡及び他の機能亢進性皮脂腺障害などの皮膚障害の治療のための光線力学的療法(PDT)を行うための、製剤化された光線感作物質を使用する方法を提供し、含む。
皮脂腺障害に対してPDTを行うために、光線感作物質を皮脂腺中に送達する必要がある。本発明者らは、国際公開第03/039597号パンフレットに記載されているものと類似している、光線感作物質薬レムテポルフィンのこれまでに知られている軟膏製剤が、マウスの皮膚に適用された場合に、この種の皮脂腺に光線感作物質を局在化させることに有効であることに気付いた。しかし、同製剤は、ヒトの皮脂腺に薬物を局在化させる際に、一般には同様に有効ではなかった。したがって、本発明者らは、ヒトの皮膚に適用された場合に、好ましくはより短い時間量で、より多くの量の光線感作物質薬を皮脂腺に送達することができる、改良された製剤を追求した。
思いがけなく、本発明者らは、液剤の形態での光線感作物質の製剤が、増粘剤、ゲル化剤、ワックスなどの、かなりの量の粘度改変剤を加えることなく、ゲル剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤などの製剤に比べてより有効であることを見出した。本発明者らは、ヒドロキシ−プロピルセルロース又はエチルセルロースなどのゲル化剤をかなりの量で加えると、実際には、製剤がマウス又はヒトの皮脂腺に光線感作物質を送達する能力が、比較的に低くなることを発見した。そのような粘度改変剤は、従来の局所療法において頻繁に使用されており、それらは抗核形成剤として作用するため、過飽和溶液を安定化させる際に一般に有用であると考えられている。
本発明者らは、本発明者らが開発した最も有効な溶液製剤が、製剤中の薬物の溶解度に近似し、好ましくはこれを超える濃度の光線感作物質薬を含有していることを見出した。非常に驚いたことに、それらの溶解度を超えて製剤化されたレムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンの溶液(過飽和溶液)は、過飽和溶液中に沈殿物が形成されるのを防ぐために、当技術分野において典型的に使用される抗核形成剤又はゲル化剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC,hydroxypropyl methylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC,hydroxypropyl cellulose)のようなヒドロキシルアルキルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP,polyvinylpyrrolidone)、及びポリアクリル酸などのポリマー)を加えなくとも、最大4時間、8時間、12時間、24時間、32時間、48時間まで又はそれ以上の貯蔵時に安定である。ある特定の実施形態では、レムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンの安定な過飽和溶液は、周囲温度における平衡溶解度が、約150%を超える、約200%を超える、約250%を超える、約260%を超える、約275%を超える、約280%を超える、約300%を超える、約325%を超える、約350%を超える、約375%を超える、約400%を超える、約425%を超えるなどの量で溶液中に溶解されている、光線感作物質の濃度を有して提供される。
例えば、本明細書に記載されている本開示のある特定の医薬製剤中のレムテポルフィンの溶解度は、約0.025%〜約0.037%の範囲である(界面活性剤が加えられ得るか否か、どのような溶媒が、どのような比率で存在するかによる)。最終製剤中に0.05〜0.5%の範囲の濃度を達成するためには、(これは、本発明者らが、PDTを行うための有効な濃度範囲であると決定した)、過飽和溶液が望ましい。過飽和溶液から活性成分が沈殿するのを防ぐために、抗核形成剤として当技術分野において典型的に使用されるポリマーが存在すると、レムテポルフィンの皮脂腺への局在化が妨げられるという本発明者らの観察結果(以下の本明細書における)を考慮すると、4時間を超える時間にわたる、そのような過飽和溶液の予期せぬ安定性は重要な発見であった。よって、本明細書において記載されている製剤は、治療的及び商業的に有用な時間量にわたって溶液中のレムテポルフィンを維持すると同時に、比較的高濃度のレムテポルフィンを使用することを可能にする。
光線感作物質製剤
本明細書において使用される場合、「賦形剤」という用語は、薬学的に許容される希釈剤、媒体、担体、溶媒、保存剤、抗酸化剤、粘度改変剤又はそれらの組合せを含む、医薬品有効成分(API,active pharmaceutical ingredient)以外の薬物製品の成分(複数可)を意味する。他に特に指示されない限り、濃度は、w/w%ベースで開示される。
本明細書において使用される場合、「賦形剤」という用語は、薬学的に許容される希釈剤、媒体、担体、溶媒、保存剤、抗酸化剤、粘度改変剤又はそれらの組合せを含む、医薬品有効成分(API,active pharmaceutical ingredient)以外の薬物製品の成分(複数可)を意味する。他に特に指示されない限り、濃度は、w/w%ベースで開示される。
本明細書において使用される場合、「溶媒」という用語は、光線感作物質を溶解させることができる、薬学的に許容される液体溶媒を意味する。
本明細書において使用される場合、「過飽和状態の」又は「過飽和溶液」という用語は、光線感作物質に関して、溶液中に溶解されている光線感作物質の量が、所与の温度、他に特に指示されない限り、通常、周囲温度又は20℃における平衡溶解度を超えていることを意味する。
本明細書において使用される場合、「溶解度」又は「飽和溶解度」という用語は、光線感作物質に関して、平衡状態の所与の温度、他に特に指示されない限り、通常、周囲温度又は20℃で、所与の溶媒中に溶解することができる光線感作物質の量を意味する。
一態様では、本開示は、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物であって、溶液中に光線感作物質成分及び賦形剤成分を含み、溶液中の光線感作物質の濃度は過飽和しており、光線感作物質は、溶液が作製された後、薬学的に許容されない程度にまで溶液から沈殿しない医薬組成物を含み、提供する。特定のいかなる理論によっても束縛されることなく、そのような過飽和溶液は、レムテポルフィンのような巨大分子にとって非常に有効な送達系であると考えられる。この理由として、媒体中の光線感作物質の熱力学的活性は、その最高状態にあり、得られる高い濃度勾配は、揮発性製剤成分の一部の蒸発によってさらに増大し、レムテポルフィンは、皮脂、皮脂腺によって分泌されるワックス状/油状混合物並びにPSU及び皮脂腺を含む生細胞(皮脂腺細胞)中に有効に分配するためである。
本開示は、可溶化された光線感作物質を含み、且つ任意に他の賦形剤を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物中の光線感作物質の濃度が、前記医薬組成物中の光線感作物質の飽和溶解度を超える、前記医薬組成物をさらに含み、提供する。
本開示はまた、光線感作物質及び1又は2以上の溶媒を含み、且つ任意に1又は2以上の薬学的に許容される賦形剤を含む組成物であって、20℃で50センチポアズ(cps)未満の粘度を有する、光線感作物質の局所送達に有用な前記組成物を含み、提供する。そのような組成物は、粘度改変剤を全く含有せず(又は非常に少量の粘度改変剤を含有し)、過飽和であっても、なくてもよい。
組成物中の光線感作物質成分は、選ばれる光線感作物質のタイプ、その効力及びその溶解度に応じて、約0.001%〜約5%(w/w)の範囲の濃度で存在し得る。典型的には、光線感作物質成分は、約0.01%〜約1.0%の範囲の濃度で存在する。レムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンについては、濃度は、0.025%〜約0.5%の範囲であり得る。ある態様では、濃度は、0.025%又は0.05%であり得る。別の態様では、濃度は、0.075%又は0.1%であり得る。他の態様では、濃度は、0.125%又は0.15%であり得る。さらなる態様では、濃度は、0.175%又は0.2%であり得る。ある態様では、濃度は、0.225%又は0.25%であり得る。さらに別の態様では、濃度は、0.3%又は0.355%であり得る。ある特定の態様では、濃度は、0.375%、0.4%又は0.5%であり得る。本開示によるある特定の態様では、緑色ポルフィリンの濃度は、0.05%〜0.4%の範囲であり得る。本開示によるある特定の態様では、緑色ポルフィリンの濃度は、約0.3%〜約0.4%の範囲であり得る。他の態様では、緑色ポルフィリンの濃度は、0.35%〜0.45%の範囲であり得る。別の態様では、レムテポルフィンの濃度は、約0.1%〜約0.3%の範囲であり得る。
組成物中の賦形剤成分は、典型的には、光線感作物質のための、ベンジルアルコール(レムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンのための溶媒)、DGME(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、イソプロピルアルコールなどの1又は2以上の溶媒又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%〜約50%以上、約1%〜約40%、約1%〜約30%、約1%〜約20%、約5%〜約50%又は約20%〜約50%の範囲、例えば5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%などの濃度(w/w)で存在し得る。いくつかの実施形態では、ベンジルアルコールは、約20%を超える量、約20%〜約50%、約25%〜約50%、約30%〜約50%、約40%〜約50%、約45%〜約50%などの量で存在し得る。一実施形態では、ベンジルアルコールは、約10%、約39.8%、約46.9%又は約49.6%で存在する。本開示による他の態様では、ベンジルアルコール溶媒は、35〜50%(w/w)であり得る。他の態様では、ベンジルアルコール溶媒は、40%〜50%又は45%〜50%であり得る。
いくつかの実施形態では、DGMEは、希釈剤成分中に、約5%〜約50%以上、約10%〜約40%又は約15%〜約35%の範囲、例えば15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%及び36%の濃度(w/w)で存在し得る。一実施形態では、DGMEは、約17.5%、約16.7%、約20%又は約32%で存在する。ある態様では、DGMEは、賦形剤成分中に、約15%〜約20%の濃度で存在し得る。ある態様では、DGMEは、希釈剤成分中に、約17.5%〜約22.5%の濃度で存在し得る。ある態様では、DGMEは、賦形剤成分中に、約16.7%〜約22.5%の濃度で存在し得る。ある態様では、DGMEは、希釈剤成分中に、約17.5%〜約32%の濃度で存在し得る。ある態様では、DGMEは、賦形剤成分中に、約16.7%〜約20%の濃度で存在し得る。
いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、希釈剤成分中に、約30%〜約85%以上の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。他の実施形態では、イソプロピルアルコールは、賦形剤成分中に、約40%〜約70%の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。さらに別の態様では、イソプロピルアルコールは、希釈剤成分中に、約50%〜約60%の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。さらに別の態様では、イソプロピルアルコールは、賦形剤成分中に、約30%〜約40%の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、31%又は32%で存在する。いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、33%又は34%で存在する。いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、35%又は36%で存在する。いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、37%又は38%で存在する。さらに他の実施形態では、イソプロピルアルコールは、39%又は40%で存在する。いくつかの実施形態では、イソプロピルアルコールは、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%又は60%で存在する。一実施形態では、イソプロピルアルコールは、約33.3%、約35.2%、約39.8%又は約49%で存在する。
いくつかの実施形態では、アセトンは、賦形剤成分中に、0%〜約10%以上又は約2%〜約10%の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。いくつかの実施形態では、オレイルアルコールは、希釈剤成分中に、0%〜約6%以上又は約2%〜5%の範囲の濃度(w/w)で存在し得る。一実施形態では、オレイルアルコールは、5%で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベート80は、希釈剤成分中に、0%〜約1%以上又は約0.25%〜約0.75%の範囲の濃度で存在し得る。一実施形態では、ポリソルベート80は、0.5%で存在する。いくつかの実施形態では、サリチル酸メチルは、希釈剤成分中に、0%〜約2%以上、約0.5%〜約1.5%又は約0.075%〜約1.25%の範囲の濃度(w/w)で存在する。一実施形態では、サリチル酸メチルは、約1.0%で存在する。いくつかの実施形態では、メントールは、賦形剤成分中に、0%〜約6%以上、約1%〜約5%又は約2%〜約3%の範囲の濃度(w/w)で存在する。一実施形態では、メントールは、2.5%で存在する。
光線感作物質用の他の溶媒及び賦形剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO,dimethylsulfoxide)、ポリエチレングリコール(PEG,polyethylene glycol)、PEG誘導体、グリコールエーテル、プロピレングリコール、ポリソルベート(例えば、Tween(登録商標))、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、グリセロール、油、界面活性剤、グルコシド、チエチレングリコール(thiethylene glycol)、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、セプタチレングリコール(septathylene glycol)、オクタエーチレングリコール(octaehtylene glycol)、プロピレングリコール、脂肪及び脂肪酸のプロピレングリコールモノ−及びジ−エステル(例えば、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート)、グリセロール、鉱物油、ラノリン、ワセリン又は皮膚への適用に適した他の石油製品、マクロゴール、マクロゴールグリセリド又はポリエチレングリコールグリセリド及び脂肪族エステル(例えば、ステアロイルマクロゴールグリセリド、オレオイルマクロゴールグリセリド、ラウロイルマクロゴールグリセリド、リノレオイルマクロゴールグリセリド)、エトキシル化ヒマシ油(例えば、Cremophor、ポリオキシル水添ヒマシ油)、C6−C30トリグリセリド、天然油、グルコシド(例えば、セテアリルグルコシド及び界面活性剤)も含み得る。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.09%〜0.11%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約31.9%〜約32.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約4.95%〜約5.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約53.8%〜約54%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.1%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、32%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、5%のDGME及び53.9%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.065%〜0.085%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約31.9%〜約32.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約4.95%〜約5.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約53.825%〜約54.025%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.075%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、32%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、5%のDGME及び53.925%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.09%〜0.11%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約9.9%〜約10.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約31.95%〜約32.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約48.8%〜約49%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.1%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、10%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、32%のDGME及び48.9%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.065%〜0.085%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約9.9%〜約10.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約31.95%〜約32.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約48.825%〜約49.025%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.075%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、10%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、32%のDGME及び48.925%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.04%〜0.06%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約9.9%〜約10.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約31.95%〜約32.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約48.85%〜約49.05%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.05%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、10%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、32%のDGME及び48.95%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.11%〜0.13%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約11.8%〜約12%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約22.45%〜約22.55%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約57.9%〜約58.1%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.12%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、11.9%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、22.5%のDGME及び58%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.11%〜0.13%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約11.9%〜約12.1%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約22.75%〜約22.85%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約58.5%〜約58.7%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.12%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、12%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、22.8%のDGME及び58.6%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.12%〜0.14%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約12.7%〜約12.9%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約24.35%〜約24.45%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約62.6%〜約62.8%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.13%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、12.8%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、24.4%のDGME及び62.7%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.33%〜0.35%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約48.66%〜約48.86%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約16.89%〜約16.99%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約33.86%〜約34.06%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.34%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、48.76%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、16.94%のDGME及び33.96%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.39%〜0.41%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約39.7%〜約39.9%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約19.95%〜約20.05%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約39.7%〜約39.9%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.4%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、39.8%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、20%のDGME及び39.8%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.49%〜0.51%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約49.7%〜約49.9%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約24.85%〜約24.95%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約24.8%〜約25%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.5%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、49.8%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、24.9%のDGME及び24.9%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.39%〜0.41%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約39%〜約39.2%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約19.45%〜約19.55%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約31.2%〜約31.4%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.4%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、39.1%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、19.5%のDGME及び31.3%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.345%〜0.365%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約46.85%〜約47.05%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約17.49%〜約17.59%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約35.06%〜約35.26%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.355%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、46.95%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、17.54%のDGME及び35.16%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.365%〜0.385%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約49.53%〜約49.73%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約16.62%〜約16.72%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約33.23%〜約33.43%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.375%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、49.63%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、16.67%のDGME及び33.33%のIPAを有する。
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、0.344%〜0.364%の濃度(w/w)で存在する、レムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンである光線感作物質を有する光増感成分と、約46.788%〜約46.988%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む溶媒と、約17.667%〜約17.767%の濃度(w/w)で存在するジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及び約34.94%〜約35.14%の濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分とを含み得る。別の実施形態では、レムテポルフィンを含む光線感作物質は、約0.354%の濃度で存在し得、ベンジルアルコールは、46.888%の濃度で存在し得、希釈剤成分は、17.717%のDGME及び35.04%のIPAを有する。
組み合わされた2成分溶液の追加の実施形態は、0.10%の濃度(w/w)のレムテポルフィン、10.0%の濃度のベンジルアルコール、48.9%の濃度のイソプロピルアルコール、32.0%の濃度のDGME、5.0%の濃度のオレイルアルコール、2.5%の濃度のメントール、1.0%の濃度のサリチル酸メチル及び0.50%の濃度のポリソルベート80を含む。さらなる実施形態は、0.30%の最終濃度(w/w)のレムテポルフィン、49.7%の濃度のベンジルアルコール、33.0%のイソプロピルアルコール、17.0%の濃度のDGMEを含む。<注意:Delphineのコメントについて、前の文章は、表38由来のLTS、0.3%の構成された溶液を記載していることを意味する。たとえそれがTK1と同一であり、本明細書における他の場所に記載されることがあるとしても、本明細書においてそれを繰り返すことに害は全くない。古い製剤のうちのどの程度が新しい製剤に関連しているかを本発明者が正確に理解することは困難であったため、たとえそれが繰り返しになったとしても、慎重になり過ぎて、新しい情報のすべてを加えた。たとえ本出願が非常に繰り返しの多いものであるとしても、本発明者らは、容易に理解できる開示に特許審査官の注意を引き付けることができることを望む。>
本開示による実施形態では、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物は、54.39%の濃度(w/w)で存在するイソプロピルアルコール、35.60%の濃度で存在するDGME、5.56%の濃度で存在するオレイルアルコール、2.78%の濃度で存在するメントール、1.11%の濃度で存在するサリチル酸メチル、及び0.56%の濃度で存在するポリソルベート80を含む希釈剤成分を含み得る。この希釈剤成分は、1.00%の濃度のレムテポルフィン及び99.00%の濃度のベンジルアルコールを含むレムテポルフィン光増感成分と混合され得、0.1%レムテポルフィンを含む組み合わされた溶液を得る。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、28.55%の濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、47.15%の濃度で存在するイソプロピルアルコール、及び24.30%の濃度で存在するDGMEを含む希釈剤成分を含み得る。この希釈剤成分は、1.00%の濃度のレムテポルフィン及び99.00%の濃度のベンジルアルコールを含むレムテポルフィン光増感成分と混合され得、0.3%レムテポルフィンを含む組み合わされた溶液を得る。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、66.00%の濃度(w/w)で存在するイソプロピルアルコール及び34.00%の濃度で存在するDGMEを含む希釈剤成分を含み得る。この希釈剤成分は、0.60%の濃度のレムテポルフィン及び99.40%の濃度のベンジルアルコールを含むレムテポルフィン光増感成分と混合され得、0.3%レムテポルフィンを含む組み合わされた溶液を得る。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、54.39%の濃度(w/w)で存在するイソプロピルアルコール、35.60%の濃度で存在するDGME、5.56%の濃度で存在するオレイルアルコール、27.8%の濃度で存在するメントール、1.11%の濃度で存在するサリチル酸メチル、及び0.56%の濃度で存在するポリソルベート80を含む希釈剤成分を含み得る。この希釈剤成分は、1.00%の濃度のレムテポルフィン及び99.00%の濃度のベンジルアルコールを含むレムテポルフィン光増感成分と混合され得、0.1%レムテポルフィンを含む組み合わされた溶液を得る。
いくつかの実施形態では、製剤組成物は、かなりの量の粘度増強剤、例えば増粘剤、ゲル化剤などを含有する必要はない。そのような製剤組成物は、20℃で50センチポアズ(cps)未満の粘度を有する。必要ならば又は所望ならば、製剤組成物は、高MWポリエチレングリコール、セルロース(ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースなど)アクリル酸ベースのポリマー(カルボポールポリマー又はカルボマー)、アリルスクロース又はアリルペンタエリスリトールで架橋されたアクリル酸のポリマー(カルボポールホメポリマー(carbopol homepolymers))長鎖(C10−C30)アルキルアクリレートによって修飾され、アリルペンタエリスリトールで架橋されたアクリル酸のポリマー(カルボポールコポリマー)、ポロキサマー(pluronicsとしても知られている;ブロックポリマー、例えば、Poloxamer124、186、237、338、407など)、ワックス(パラフィン、グリセリルモノステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、グリコールステアレート)、硬い油脂(例えば、飽和C8−C18脂肪酸グリセリド)、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、固形アルコール又はそれらの混合物などのような粘度増強剤を加えることによって増粘することができる。しかし、以上に注記されているように、粘度改変剤を使用する場合には、それらが光線感作物質の皮脂腺への送達を妨げる量で使用されないことを保証するように、注意を払わなければならない。本明細書において例示されている、ある特定の実施形態では、いかなる粘度改変剤も加えないことが望ましい。
ある特定の態様では、製剤は、賦形剤の濃度が、一般に、U.S. FDA Inactive Ingredient Guide (IIG)に掲載されている最大レベル未満であるように、調製され得る。一例として、2013年4月13日、局所使用のための例示的な不活性成分のIIGレベルは、以下の表1に限定されない。しかし、当業者は、そのようなレベルは改定されることがあるということを理解している。
光線感作物質の過飽和製剤は、いくつかのやり方で作製することができる。一実施形態では、光線感作物質は、光線感作物質にとって良好な溶媒中に溶解され(加熱して又は加熱せずに)、次いで、光線感作物質がそれほど溶けない他の賦形剤が加えられる。別の実施形態では、光線感作物質及び溶媒(複数可)、並びに任意に他の賦形剤の懸濁液を、溶媒(複数可)中の溶解度を超える量の光線感作物質が完全に溶解するまで、加熱することができる。別の実施形態では、光線感作物質は、エタノール、水、プロパノール、イソプロパノール又は当技術分野において知られている他の揮発性液体などの、1又は2以上の揮発性成分を有する1又は2以上の溶媒(複数可)に、飽和溶解度未満で加えられる。揮発性成分は蒸発して、より少ない揮発性成分中に過飽和状態を創り出す。例えば、ざ瘡の治療のための、飽和していない光線感作物質製剤は、揮発性成分を含む賦形剤中に調製することができる。この光線感作物質製剤が対象の皮膚に適用されると、揮発性成分の一部が蒸発し、その位置で過飽和溶液を創り出す。さらに別の実施形態では、過飽和溶液は、1又は2以上の揮発性成分を含む賦形剤中に調製され、次いで、溶液が対象の皮膚に適用される場合、揮発性成分が蒸発する際に、さらなる過飽和が起こる。
製剤の長期安定性
本発明者らは、レムテポルフィンの過飽和溶液は、少なくとも4時間、8時間、12時間、24時間、32時間、48時間又はそれ以上の間、物理的に安定である(即ち、レムテポルフィンは、溶液から沈殿し始めない)ことを見出している。製剤組成物中の光線感作物質の所望の濃度が飽和溶解度を超え、且つ、組成物の長期安定性/貯蔵寿命(例えば、1〜2年)が望まれる場合、成分を別個に貯蔵し、使用前に混合することができる2成分製剤(又は多成分製剤)を提供することが有利であり得る。さらに、個々の成分バイアルは、それ自体過飽和状態ではなく、個々の成分が一緒に混合される場合に過飽和溶液を提供することが有利であり得る。
本発明者らは、レムテポルフィンの過飽和溶液は、少なくとも4時間、8時間、12時間、24時間、32時間、48時間又はそれ以上の間、物理的に安定である(即ち、レムテポルフィンは、溶液から沈殿し始めない)ことを見出している。製剤組成物中の光線感作物質の所望の濃度が飽和溶解度を超え、且つ、組成物の長期安定性/貯蔵寿命(例えば、1〜2年)が望まれる場合、成分を別個に貯蔵し、使用前に混合することができる2成分製剤(又は多成分製剤)を提供することが有利であり得る。さらに、個々の成分バイアルは、それ自体過飽和状態ではなく、個々の成分が一緒に混合される場合に過飽和溶液を提供することが有利であり得る。
よって、別の実施形態では、過飽和溶液は、光線感作物質成分を含有する溶液を、光線感作物質の溶解度がより低い、賦形剤成分を含む第2の溶液と混合することによって調製される。本開示のこの態様は、光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物であって、光線感作物質を含む光増感成分と、それに付随して、しかしそれとは別個に、賦形剤成分とを含み、光線感作物質は、混合時にその過飽和溶液を形成するのに十分な量で存在し、また光線感作物質は、光増感成分と賦形剤成分とが一度混合されると、少なくとも4時間、8時間、12時間、24時間、32時間、48時間又はそれ以上の期間にわたって、薬学的に許容されない程度にまで溶液から沈殿しない医薬組成物を提供する。好ましくは、2つの成分は混和性であり、それ故に、穏やかな振盪、撹拌又は旋回によって容易に組み合わされ得る。
関連した態様では、本開示は、2つの液相を含む2成分医薬組成物であって、液相の少なくとも一方は、その中に溶解した光線感作物質を含み、2つの液相は混和性であり、第1の液相及び第2の液相は、光線感作物質の異なる溶解度を有し、各液相中の光線感作物質の濃度は、2つの液相を組み合わせた時に、液体混合物中の総光線感作物質濃度がその液体混合物中の光線感作物質の溶解度を超えており、得られる液体混合物が光線感作物質で過飽和しているような医薬組成物をさらに提供する。代替の実施形態では、光線感作物質は、溶液としてよりはむしろ、固相として提供される。光線感作物質固体は、光線感作物質を第2の液相と混合する前に又は混合すると同時に、溶媒中に溶解される。固体の光線感作物質は、溶解する時間を短くするために、非晶質にされ得る又は微粉化され得る。
いくつかの実施形態では、2成分製剤は、DGMEを含む又は含まないベンジルアルコール中に溶解されているレムテポルフィンを含む第1の光増感成分を含む。いくつかの実施形態では、2成分製剤は、DGME及び/又はイソプロピルアルコールを含み、且つ任意にベンジルアルコールを含む第2の希釈剤成分を含む。いくつかの実施形態では、希釈剤成分は、オレイルアルコール、メントール、サリチル酸メチル又はポリソルベート80を追加的に含む。光増感成分及び希釈剤成分の要素の濃度は、2つの成分が組み合わされる場合に、要素の最終濃度が、レムテポルフィン、ベンジルアルコール、DGME、イソプロパノール、オレイルアルコール、メントール、サリチル酸メチル及びポリソルベート80について、以上に提供されている濃度範囲内であるように調整される。
光増感成分中の光線感作物質の濃度は、溶媒中の飽和溶解度の上から、下方の範囲であり得る。ベンジルアルコール中に溶解されているレムテポルフィンを含む光増感成分については、加熱後の見かけの溶解度は、約1.0%w/w〜2.5%w/wの範囲である。一例として、一実施形態では、光増感成分は、ベンジルアルコール中レムテポルフィンの1%w/w溶液を含み、使用前に、それはおよそ10中1の比率で希釈剤成分と混合されて、約0.1%w/wという、製剤組成物中のレムテポルフィンの最終濃度を得る。別の実施形態では、光増感成分は、ベンジルアルコール中レムテポルフィンの2%溶液を含み、使用前に、それはおよそ10中1の比率で賦形剤成分と混合されて、約0.2%w/wという、製剤組成物中のレムテポルフィンの最終濃度を得る。(同様の最終生成物も、レムテポルフィンの1%溶液を含む光増感成分を、5中1の比率で賦形剤成分と混合することによって、得ることができる。)それ故に、2成分中の濃度を調整及び操作して、PDTにおいて使用される製剤中の所望の最終濃度の光線感作物質及び賦形剤を得ることができることが分かる。本開示のいくつかの2成分製剤についての例示的な方法及び組成物は、以下の実施例に示されている。
一態様では、本開示は、医薬組成物を調製する方法であって、(a)溶媒中に溶解した光線感作物質を含む光増感成分を準備するステップと、(b)光増感成分と混和できる希釈剤成分を準備するステップと、(c)ある量の光増感成分をある量の希釈剤成分と混合して、混合溶液を準備するステップとを含み、混合溶液が光線感作物質で過飽和している方法を提供する。好都合なことに、光増感成分及び希釈剤成分は、ガラス製バイアルなどの、適した別個の容器中に提供され得る。光増感成分は、レムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンを含み得、溶媒は、ベンジルアルコールを上記の両方の濃度で含み得る。希釈剤成分は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及びイソプロピルアルコール(IPA)を、上記の両方の濃度で含み得る。希釈剤成分は、任意にベンジルアルコールを上記の濃度で含み得る。
臨床的に有用であるために、光線感作物質は、医薬組成物が対象に適用されるまで、医薬組成物から沈殿するべきではない。好ましくは、光線感作物質は、光増感成分が希釈剤成分と混合された後、少なくとも約30秒間、約1分間、約5分間、約15分間、約30分間、約45分間又は約1時間又はそれ以上の間、医薬組成物から沈殿しない。他の実施形態では、光線感作物質は、光増感成分が賦形剤成分と混合された後、少なくとも1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間又は少なくとも約12時間又はそれ以上の間、医薬組成物から沈殿しない。いくつかの実施形態では、光線感作物質は、光増感成分が賦形剤成分と混合された後、最大少なくとも約16時間、少なくとも約24時間、少なくとも約48時間、少なくとも約3日間、少なくとも約5日間、少なくとも約7日間、少なくとも約9日間、少なくとも約11日間、少なくとも約14日間、少なくとも約3週間又は少なくとも約4週間まで、医薬組成物から沈殿しない。他の実施形態では、光線感作物質は、光増感成分が賦形剤成分と混合された後、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間又は少なくとも約6カ月間、溶解したままであり得る。さらに別の実施形態では、光線感作物質は、光増感成分が希釈剤成分と混合された後、少なくとも約1年間又は少なくとも約2年間、溶解したままであり得る。
光線感作物質が本開示の所与の医薬組成物から沈殿し始め得る時間を決定するために、よって、組成物が使用前にどの程度長く保持され得るかを決定するために、組成物を以下のように試験することができる。光増感成分と希釈剤成分とを組み合わせた後の種々の時点で、組成物の試料を採取する。試料の半分を、例えば適切なサイズのフィルター、限定されないが0.22μmフィルターなどに通してろ過し、いかなる沈殿物をも除去する。ろ過した溶液を、例えば、HPLCを使用して、光線感作物質の含有量又は濃度について分析する。溶液が安定であり、光線感作物質が全く沈殿しなかった場合には、ろ過した溶液中の光線感作物質の濃度は、実験誤差の範囲内で、ろ過していない溶液中の光線感作物質の濃度とおおよそ同じであるはずである。(この方法を以下の実施例において実施し、本開示の製剤中のレムテポルフィンの安定性が少なくとも4時間、8時間、12時間、24時間、32時間、48時間又はそれ以上であることを実証している。)ろ過した試料中及びろ過していない試料中の光線感作物質の濃度が、実験誤差の範囲内で、おおよそ同じでない場合、薬学的に許容されない程度に沈殿が起こったとみなされ得る。
医薬組成物の成分は、混合され、次いで、光線感作物質が組成物中に溶解したままである時間内に、対象に適用されるべきである。いくつかの実施形態では、成分は、使用する約1分〜約24時間以内に組み合わされる。一実施形態では、成分は、使用直前に組み合わされる。別の実施形態では、成分は、使用する約30秒、約1分、約5分、約15分、約30分、約45分又は約1時間以内に組み合わされる。他の実施形態では、成分は、使用する約1時間〜約12時間以内、例えば、使用する約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12時間以内などに組み合わされる。いくつかの実施形態では、成分は、使用する約12〜約24時間以内、例えば、使用する約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23又は約24時間以内などに組み合わされる。いくつかの実施形態では、成分は、使用する約3〜4時間以内に組み合わされる。
別の態様では、本開示はまた、光線感作物質を含む光増感成分を含有する第1の容器と、第1の容器中の溶媒と混和できる賦形剤成分(複数可)を含有する1又は2以上の容器と、それら容器の内容物を組み合わせ、組み合わされた内容物を対象の皮膚に局所適用し、1又は2以上の皮膚障害の治療のためのPDTを行うための一連の使用説明書とを含むキットを含み、提供する。一実施形態では、容器は物理的に分離しており、例えば、2又は3以上のバイアルである。別の実施形態では、光増感成分及び希釈剤成分(複数可)は、成分を最初に互いに物理的に隔離させることが可能な2又は3以上のチャンバーと、チャンバー間の接触を可能にするための放出システムとを有する単一の容器内にパッケージされる。
光線感作物質
本明細書において使用される場合、「光線感作物質(photosensitizer)」又は「光増感薬剤(photosensitizing agent)」又は「光増感薬(photosensitizing drug)」は、最も一般的には可視スペクトル内の電磁放射線を吸収し、別形態のエネルギーとして、最も一般には活性酸素種及び/又は熱エネルギーとしてそれを放出する化合物を意味する。好ましくは、この化合物は、ヒトに対して非毒性である又は非毒性組成物中に配合されることが可能である。好ましくは、光分解で生成される化合物も非毒性である。疎水性及び親油性の光線感作物質は、本開示の組成物及び方法における使用に特に有用である傾向がある。この理由として、それらは、皮脂中への分配、皮脂を通じた拡散、皮脂腺中への局在化により有効であり得るためである。
本明細書において使用される場合、「光線感作物質(photosensitizer)」又は「光増感薬剤(photosensitizing agent)」又は「光増感薬(photosensitizing drug)」は、最も一般的には可視スペクトル内の電磁放射線を吸収し、別形態のエネルギーとして、最も一般には活性酸素種及び/又は熱エネルギーとしてそれを放出する化合物を意味する。好ましくは、この化合物は、ヒトに対して非毒性である又は非毒性組成物中に配合されることが可能である。好ましくは、光分解で生成される化合物も非毒性である。疎水性及び親油性の光線感作物質は、本開示の組成物及び方法における使用に特に有用である傾向がある。この理由として、それらは、皮脂中への分配、皮脂を通じた拡散、皮脂腺中への局在化により有効であり得るためである。
光線感作物質のうちの特に強力な群は、緑色ポルフィリンとして知られており、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,171,749号明細書に詳細に記載されている。「緑色ポルフィリン」という用語は、ポルフィリン核をディールス−アルダー型反応でアルキンと反応させて、モノ−ヒドロベンゾポルフィリンを得ることによって得られるポルフィリン誘導体を指す。得られたそのようなマクロピロール化合物(macropyrrolic compound)は、ベンゾポルフィリン誘導体(BPD,benzoporphyrin derivative)と呼ばれ、それらは、種々の構造アナログを有する合成クロリン様ポルフィリンであり、米国特許第5,171,749号明細書に示されている。
典型的には、緑色ポルフィリンは、プロトポルフィリン−IX環系(環A及びB)中に存在する2つの利用可能な共役非芳香族ジエン構造の一方のみで反応を促進する条件下における、アセチレン誘導体とプロトポルフィリンとのディールス−アルダー反応によって得られるテトラピロールポルフィリン誘導体の群から選択される。金属陽イオンが環系の中心の1つ又は2つの水素を置き換える、緑色ポルフィリンの金属化形態(metallated form)も、開示されている組成物及び方法を実施する際に使用され得る。
本開示において有用な緑色ポルフィリン化合物の調製は、米国特許第5,095,030号明細書に詳細に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれている。緑色ポルフィリンの非限定例には、ベンゾポルフィリンジエステル二酸(BPD−DA,benzoporphyrin diester di-acid)、ベンゾポルフィリンジエステル一酸環A(BPD−MA,benzoporphyrin diester mono-acid ring A、ベルテポルフィンとしても知られている)、ベンゾポルフィリンジエステル一酸環B(BPD−MB,benzoporphyrin diester mono-acid ring B)又はそれらの混合物が含まれる。これらの化合物は、良好な組織透過性を有する波長約692nmの光を吸収する。本明細書における使用に特に有用なものは、米国特許第5,929,105号明細書に記述されているような、エチレングリコールエステルとして知られている緑色ポルフィリンの群である。その明細書においてA−EA6と称されている例示的な光線感作物質化合物は、一般名レムテポルフィンによっても知られており、以下の化学構造
を有する。
加えて、光線感作物質は、皮脂腺又はその成分への標的化を容易にするために、種々のリガンドにコンジュゲートされ得る。これらのリガンドには、受容体特異的ペプチド及び/又はリガンド並びに免疫グロブリン及びその断片が含まれる。限定されないリガンドには、一般に抗体及びモノクローナル抗体並びに両方の免疫学的に反応性の断片が含まれる。
緑色ポルフィリン光線感作物質の追加の例には、限定されないが、米国特許第5,283,255号明細書、同第4,920,143号明細書、同第4,883,790号明細書、同第5,095,030号明細書及び同第5,171,749号明細書に開示された緑色ポルフィリン並びに米国特許第5,880,145号明細書及び同第5,990,149号明細書に論じられている緑色ポルフィリン誘導体が含まれる。典型的な緑色ポルフィリンのいくつかの構造は、上記に引用されている特許に示されており、これらは、化合物を生成するための詳細も提供している。
使用され得る種々の他の合成光線感作物質及び天然に存在する光線感作物質が存在し、かかる光線感作物質は、限定されないが、プロ−ポルフィリンδ−アミノレブリン酸(5−ALA,δ-aminolevulinic acid)及びその誘導体などのプロドラッグ、ポルフィリン及びポルフィリン誘導体、例えば、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、フタロシアニン及びナプトタロシアニン(napththalocyanine)並びに他のテトラ−及びポリ−大環状化合物並びに関連化合物(例えば、ピロフェオホルビド、サフィリン及びテキサフリン(texaphrin))並びに金属錯体(限定されないが、スズ、アルミニウム、亜鉛、ルテチウムなど)が挙げられる。テトラヒドロクロリン、プルプリン、ポルフィセン及びフェノチアジニウムの使用も企図されている。他の適した光線感作物質には、国際公開第97/1981号パンフレット、同第99/45382号パンフレット及び同第01/40232号パンフレットに記載されているものなどのバクテリオクロロフィル誘導体が含まれる。1つのバクテリオクロロフィルは、パラジウム−バクテリオフェオホルビドWST09(Tookad(商標))である。
光線感作物質は、プロポルフィリン(proporphyrin)若しくはポルフィリン又はこれらの混合物であり得る。プレドラッグのいくつかの例には、Levulan(商標)などのアミノレブリン酸並びに国際公開第02/10120号パンフレットに記載され、Metvix(商標)、Hexvix(商標)及びBenzvis(商標)として入手可能なものなどのアミノレブリン酸エステルが含まれる。ジ−ヒドロ又はテトラ−ヒドロポルフィリンのいくつかの例は、欧州特許第0337,601号明細書又は国際公開第01/6650号パンフレットに記載されており、Foscan(商標)(テモポルフィン)として入手可能である。2又は3以上の光線感作物質の組合せを、開示されている組成物及び方法において使用することができる。光感受性化学物質の非網羅的リストは、Kreimer-Birnbaum, Sem. Hematol., 26:157-173 (1989)及びRedmond et al., Photoderm. Photobiol., 70(4):391-475 (1999)に見出すことができ、これらはどちらも、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
光エネルギー投与
適した波長の光が皮膚に適用されて、適用された光線感作物質を活性化する。光は、光線感作物質の吸収ピークの少なくとも1つに近い波長を含むことが好ましい。吸収ピークは、異なる光線感作物質で異なる。例えば、レムテポルフィンは、約688±1nmに吸収ピークを有するため、レムテポルフィンが光線感作物質である場合、光の波長は、約688±1nmである又はこれに近いことが好ましい。光線感作物質がALA−メチルエステル(Metvix(商標))である場合、これは635nmに吸収ピークを有し、使用される活性化エネルギーは、635nmである又はこれに近いことが好ましい。光線感作物質がALA(商標名Levulan(商標)で入手可能)である場合、これは417nm及び630nmに吸収ピークを有し、使用される活性化エネルギーは、417及び/又は630nmである又はこれらに近いことが好ましい。
適した波長の光が皮膚に適用されて、適用された光線感作物質を活性化する。光は、光線感作物質の吸収ピークの少なくとも1つに近い波長を含むことが好ましい。吸収ピークは、異なる光線感作物質で異なる。例えば、レムテポルフィンは、約688±1nmに吸収ピークを有するため、レムテポルフィンが光線感作物質である場合、光の波長は、約688±1nmである又はこれに近いことが好ましい。光線感作物質がALA−メチルエステル(Metvix(商標))である場合、これは635nmに吸収ピークを有し、使用される活性化エネルギーは、635nmである又はこれに近いことが好ましい。光線感作物質がALA(商標名Levulan(商標)で入手可能)である場合、これは417nm及び630nmに吸収ピークを有し、使用される活性化エネルギーは、417及び/又は630nmである又はこれらに近いことが好ましい。
活性化エネルギー又は光エネルギーは、任意の適した手段によって供給され得る。一般に、活性化エネルギーは、可視光源によって供給される。光エネルギー源は、限定されないが、レーザー、発光ダイオード(LED,light emitting diode)、白熱電球、標準的な蛍光灯、U.V.ランプ又はこれらの組合せを含み得る。例示的な光源は、発光ダイオードである。
市販の光源には、CureLight(商標)(Photocure ASA社, Oslo, Norwayから入手可能)、BLU-U(商標)(DUSA Pharmaceuticals社, Wilmington MA, USAから入手可能)、PDT Laser(Diomed, Andover, MA, USAから入手可能)、Ceralas(商標)(Biolitec AG社, Jena, Germanyから入手可能)、Omnilux PDT(商標)(PhotoTherapeutics Ltd.社, Birmingham, UKから入手可能)並びにQ-Beam(商標)、SpectraLife(商標)及びQuantamed(商標)(Quantum Devices Inc.社, Barneveld, WI, USA製)が含まれる。
いくつかの実施形態では、光は、発光ダイオード(LED)によって少なくとも部分的に供給される。顔などの輪郭のある表面に照射するには、米国特許第7,723,910号明細書に記載されているものなどの、輪郭をたどるように構成されている光源を使用することが好都合であり得る。ざ瘡を治療するためのPDTは、本開示のいくつかの実施形態では、青色光光線療法と組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態は、赤色光(例えば、600〜750nm)及び青色光(例えば、390〜450nm)の両方を供給するLEDデバイスによって送達される光を含む。いくつかの場合には、デバイスは、約420nm及び約690nmの光を供給する。
PDT治療の間に投与される光エネルギー又は活性化エネルギーの線量は、選ばれる光線感作物質の効力に応じて変化し得る。緑色ポルフィリンなどの、高い効力の光線感作物質については、光の線量は、非限定例として、約5〜約400J/cm2の範囲又はより好ましくは、約25〜約300J/cm2の範囲である。いくつかの実施形態では、PDT治療で使用される光線量は、約25〜約50J/cm2、約50〜約100J/cm2、約100〜約150J/cm2、約150〜約200J/cm2、約200〜約250J/cm2、約250〜約300J/cm2、約300〜約350J/cm2、約350〜約400J/cm2、約400〜450J/cm2、約450〜約500J/cm2、約500〜約550J/cm2又は約550〜600J/cm2の範囲である。光線量の他の非限定例には、約25、約50、約75、約100、約125、約150、約175、約200、約250又は約300J/cm2の線量が含まれる。
総光線量は、放射線源の強度(フルエンス率又は放射照度としても知られている)及び照射時間によって決まる。照射の総線量が一度選ばれると、治療が妥当な期間で完了することができるように、フルエンス率を調整することができる。照射又は露光の期間は、典型的には、約10秒〜約4時間まで続く。レムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンについては、露光は典型的には、1分〜2時間、より好ましくは約5分〜約60分続く。いくつかの例示的な照射時間は、約1、約5、約10、約15、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55又は約60分である。
エネルギー又は光源の強度は、一般に、600mW/cm2未満である。ある特定の態様では、放射照度は、約10〜500mW/cm2であり得る。本開示による他の実施形態では、放射照度は、約25〜約100mW/cm2であり得る。いくつかの実施形態では、放射照度は、50mW/cm2である。他の実施形態では、放射照度は、80mW/cm2である。他の実施形態では、光線量は、80mW/cm2の固定フルエンス率で、7分49秒〜31分15秒で照射時間を変化させることによって、37.5J/cm2〜150J/cm2に変化する。
ざ瘡及び他の機能亢進性皮脂腺状態のPDT治療
本開示はまた、それを必要とする対象の皮膚の患部における機能亢進性皮脂腺障害を治療するための方法であって、治療有効量の本開示の光線感作物質組成物を、対象の皮膚の患部に局所適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を含み、提供する。いくつかの実施形態では、機能亢進性皮脂腺障害は、ざ瘡(尋常性ざ瘡を含む)、脂漏症(又は油性肌)、脂漏性皮膚炎、汗腺膿瘍(反対型ざ瘡(acne inversa))及び皮脂腺過形成である。いくつかの実施形態では、対象は、ざ瘡及び油性肌の両方を有する。
本開示はまた、それを必要とする対象の皮膚の患部における機能亢進性皮脂腺障害を治療するための方法であって、治療有効量の本開示の光線感作物質組成物を、対象の皮膚の患部に局所適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を含み、提供する。いくつかの実施形態では、機能亢進性皮脂腺障害は、ざ瘡(尋常性ざ瘡を含む)、脂漏症(又は油性肌)、脂漏性皮膚炎、汗腺膿瘍(反対型ざ瘡(acne inversa))及び皮脂腺過形成である。いくつかの実施形態では、対象は、ざ瘡及び油性肌の両方を有する。
本開示はまた、それを必要とする対象の皮脂腺による皮脂生成を低減するための方法であって、治療有効量の本開示の光線感作物質組成物を、治療を必要とする対象の罹患した皮膚に局所適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含み、それによって対象の皮脂排出率が低減される方法を含み、提供する。
本開示はまた、それを必要とする対象におけるざ瘡を治療する方法であって、治療有効量の本開示の光線感作物質組成物を局所適用するステップと、光線感作物質の少なくとも一部が対象の皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、対象の皮膚を曝すステップとを含む方法を含み、提供する。
本開示はまた、ざ瘡などの機能亢進性皮脂腺障害に苦しんでいる対象の皮脂腺細胞を剥離するための方法であって、治療有効量の光線感作物質を対象の皮脂腺細胞に送達するステップと、光線感作物質が皮脂腺細胞中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、皮脂腺細胞を曝すステップとを含む方法を含み、提供する。
治療され得る状態には、光線感作物質の局所製剤が適している任意の状態が含まれる。非限定例には、皮膚炎、乾癬、悪性及び前悪性皮膚病変などの皮膚状態、光線性角化症並びに機能亢進性皮脂腺障害が含まれる。機能亢進性皮脂腺障害には、限定されることなく、ざ瘡(尋常性ざ瘡を含む)、脂漏症(又は油性肌)、脂漏性皮膚炎、汗腺膿瘍及び皮脂腺過形成が含まれる。体の任意の部分を治療することができるが、ざ瘡及び油性肌などの状態は、典型的には、顔、胸部及び/又は背部を侵す。
PDT治療のために、皮膚は、最初に抗菌性洗浄剤で洗浄され、乾燥されることが好ましい。皮膚は、皮膚温が45℃に到達するまで又は20分などの一定時間、乾熱(IR)で処理され得る。これは、光線感作物質の皮脂腺内への透過を高め得る。或いは、皮膚は、マイクロ皮膚剥離で処理することもできる。必要であれば、光線感作物質の適用前に、(例えば、アセトン又はイソプロピルアルコールを使用して)皮膚を脱脂してもよい。
この皮膚表面が一度浄化及び前処理されると、光線感作物質の選ばれた製剤が、領域が完全に浄化された後、皮膚表面の患部に適用される。光線感作物質含有製剤を、十分な時間皮膚と接触したままにすることによって、光線感作物質を対象の皮脂腺中に局在化させることが可能になる。一般に、接触時間は、製剤中の光線感作物質のタイプ及び濃度に応じて、約1分〜約24時間又はそれより長い場合がある。好ましくは、製剤は、光線感作物質がレムテポルフィンなどの緑色ポルフィリンである場合、約1〜180分間皮膚と接触している。例示的な接触時間は、約1、約5、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170又は約180分である。追加の例示的な接触時間は、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5又は約8時間である。次いで、過剰な製剤は、微温水で湿らせた清潔なガーゼ又は布で除去されることが好ましい。次いで、照射が上記のように適用される。対象の最大耐量(MTD,maximum tolerated dose)が決定されるまで、漸増する光線量のレジメンを使用することが得策であり得る。PDT後の照射部位の疼痛又は紅斑は、MTDを超えている徴候である。その後、その人は、MTD又はMTD未満で治療され得る。
治療は、治療効果を有するのに必要な回数だけ繰り返され得る。繰り返される場合、治療頻度を変更してもよい。例えば、治療は、毎日、約2日毎、毎週約2回、約毎週、約2週間毎、毎月約2回、約4週間毎、約毎月、約6週間毎、約8週間毎、約2カ月毎、約年4回、毎年約2回若しくは約毎年又は他の適した時間間隔とすることができる。ある特定の態様では、治療間隔は、2週間毎〜6カ月毎である。治療は、皮膚状態に所望の程度の改善が起こるまで、継続することができる。例えば、治療は、ざ瘡病変の総数が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%若しくは約90%又はそれ以上低減されるまで繰り返され得る。別の非限定例を挙げれば、治療は、皮脂排出率が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%若しくは約90%又はそれ以上低減されるまで繰り返され得る。
治療の有効性の決定
開示されている組成物及び方法の有効性は、任意の適した手段によって決定され得る。多くの場合、熟練した医師によって認識されるような、皮脂腺障害又は他の皮膚障害における単純な減少、低減又は改善が、有効性を決定するのに使用され得る。それ故に、対象のざ瘡、脂漏症、脂漏性皮膚炎、汗腺膿瘍又は皮脂腺過形成の改善などの機能亢進性皮脂腺障害の改善が、有効性の指標として使用され得る。
開示されている組成物及び方法の有効性は、任意の適した手段によって決定され得る。多くの場合、熟練した医師によって認識されるような、皮脂腺障害又は他の皮膚障害における単純な減少、低減又は改善が、有効性を決定するのに使用され得る。それ故に、対象のざ瘡、脂漏症、脂漏性皮膚炎、汗腺膿瘍又は皮脂腺過形成の改善などの機能亢進性皮脂腺障害の改善が、有効性の指標として使用され得る。
ざ瘡を非限定例として挙げれば、有効性は、定量的及び/又は定性的データに基づいて決定され得る。治療の開始前に、1又は2以上の試験領域を事前に定めておくことによって、病変の総数を評価することができる。病変の計数(非炎症性、炎症性及び総数又は開放性面皰、閉鎖性面皰、丘疹、膿疱及び小結節)が、治療前及び治療後の試験領域内で行われる。試験領域内の病変のサイズも記録される。試験領域は撮影もされる。各対象について、いくつかの試験領域が選択され得、試験領域の位置は、対象のざ瘡病変の場所に応じて変更され得る。試験領域は、最初のPDT治療から第1週以内、1週間後、2週間後又は1カ月若しくは2カ月後或いは他の所望の頻度で評価され得る。FDAによって推奨され、表2に示されているような、尋常性ざ瘡についての医師による5ポイント制の包括的評価(IGA,Investigator Global Assessment)などの包括的評価尺度が、有効性を測定するのに使用され得る。
皮脂生成を低減するためのPDTの有効性は、その目的のために特に設計され、CuDerm Corporation社, Dallas, TX, USAから入手可能な製品であるSebuTape(商標)を使用して測定され得る。本明細書における実施例9は、皮脂滲出の正確な測定を得るための、SebuTape(商標)の使用方法を実証するものである。SebuTape(商標)による測定は、最初のPDT治療から第1週以内、1週間後、2週間後又は1カ月若しくは2カ月後或いは他の所望の頻度で行われ得る。皮脂腺の数を低減するためのPDTの有効性は、PDT治療後に生検材料を採取し、Oil Red O染色を用いた組織学検査を使用して、1枚の画像内のPSU(皮脂腺を含む又は含まない毛包構造)の総数を決定し、その後PSUを染色している脂質染色(皮脂腺を含有)の数を計数することによって測定され得る。この手順は、本明細書における実施例3に記載されている。
[実施例]
[実施例]
種々の溶媒中のレムテポルフィンの溶解度
種々の溶媒組成物中のレムテポルフィンの溶解度を、表3の最後の列に示す。すべての値は、HPLC分析によって分析的に得られた。
種々の溶媒組成物中のレムテポルフィンの溶解度を、表3の最後の列に示す。すべての値は、HPLC分析によって分析的に得られた。
レムテポルフィンについての溶解度の結果は、主にベンジルアルコールを含有する溶媒ベースの製剤中で、最大の溶解度を示した。加熱後に、ベンジルアルコール中に可溶化することができるレムテポルフィンの量は、およそ2.5%w/wである。他の溶媒を加えると、導入された新しい溶媒のおおよその量によって溶解度が低減する。ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)は、レムテポルフィンを溶解させると、ベンジルアルコールの効率の約20%である。
粘度増強剤が光線感作物質製剤に及ぼす効果
レムテポルフィン製剤の粘度の増加が、マウスの皮脂腺を切除するPDTの有効性に及ぼす影響を評価するために、光線感作物質組成物を、表4に示されている成分を用いて調製し、毛を剃ったマウスの側腹部皮膚上に30分間適用した後、688nmの赤色光(50mW/cm2の割合で供給された50J/cm2又は100J/cm2)に曝した。各処置群は、5匹の動物からなっていた。
レムテポルフィン製剤の粘度の増加が、マウスの皮脂腺を切除するPDTの有効性に及ぼす影響を評価するために、光線感作物質組成物を、表4に示されている成分を用いて調製し、毛を剃ったマウスの側腹部皮膚上に30分間適用した後、688nmの赤色光(50mW/cm2の割合で供給された50J/cm2又は100J/cm2)に曝した。各処置群は、5匹の動物からなっていた。
皮脂腺の変化を評価するために、PDTから72時間後にマウスを屠殺した。PDT処置した右側腹部上の入れ墨箇所の内側から、全層皮膚を慎重に切除した。これらの組織の四角片の上半分を、Neg-50(商標)凍結用包埋剤(cryo embedding medium)で満たされたプラスチック製の鋳型内に置き、液体窒素で凍結させた。下半分は、ホルモル酢酸アルコール中で18時間保存した。標準的な社内プロトコルによって、加工処理してワックスを塗るまで、組織を70%のアルコールに移した。その後、必要に応じて、ホルマリンで固定した試料を標準的な試薬(例えば、ヘマトキシリン及びエオシン)で染色して、組織内の一般的な組織学的変化を評価した。
皮脂腺を評価するために、凍結した組織試料を、クリオスタットを用いて8μmの切片に薄切し、ガラススライド上に載せて、10%の緩衝ホルマリン中で直ちに固定した。2枚のスライドからなる3セットを、およそ200μmのセット間距離で各塊から切り取った。各セットからの1枚のスライドを、Oil Red Oで染色し、次いで、アクリル樹脂封入剤でカバースリップし、硬化させた。各セットからの第2のスライドは、第1のスライドが損傷した場合の「予備」として使用した。
デジタルカメラを備えたOlympus BX61顕微鏡に取り付けられた4倍対物レンズを使用して、各断面からの代表的な切片の画像を撮った。スライドの評価は、1枚の画像内のPSU(皮脂腺を含む又は含まない毛包構造)の総数を計数し、その後PSUを染色している脂質染色(皮脂腺を含有)の数を計数することによって行った。スライドは、2つの独立した読み取り装置によって評価した。結果を図1に示す。
各製剤についての対応媒体(matched-vehicle)を試験するのに必要とされるマウスが多数であるために、この実験では、対照群を全く含めなかった。しかし、典型的に、未処置のマウスの側腹部皮膚について、PSUのうちの70〜80%が、検出可能なOil Red O−陽性皮脂腺を含有していた。最低数のOil Red O陽性皮脂腺を有するPSUを生成する際に最も有効な組成物は、製剤LT−G−002であった(図1)。この製剤は、粘度改変剤を含有していなかった。平均で、LT−G−002及びいずれかの光線量で処置した側腹部皮膚におけるPSUのうちのおよそ30%が、Oil Red O−陽性腺を含有していた。LTO−TG1を用いたPDTは、皮脂腺数に、同様であるが幾分低い低減効果を及ぼした。対照的に、製剤LT−G−001、LT−G−003、LT−G−004又はLT−G−005(すべて、ヒドロキシ−プロピルセルロース、エチルセルロース又は両方であった粘度増強剤を含有する)を使用して、PDTで処置したマウスの皮脂腺数は、全く有効ではなかった。それ故に、そのような粘度増強剤は、皮脂腺中のレムテポルフィンの局在化を妨げる可能性がある。
粘度増強剤を欠くレムテポルフィン組成物を用いたマウス皮脂腺に及ぼす異なるPDT光線量の効果
この実験は、3つの異なる赤色光線量において、LT−G−002を用いたPDTの効果を、LTO−TG1(これは、2倍の量のレムテポルフィンを含有する)のPDTの効果と比較する。対照媒体及び100J/cm2の赤色光線量を用いて処置したマウスについて得られた結果と比較したところ、いずれのレムテポルフィン局所製剤を用いたPDTも、20、50又は100J/cm2の赤色光線量において、低減効果を伴って、皮脂腺数に影響を与えた(図2)。いずれのレムテポルフィン製剤を用いても、20J/cm2と比べて、50及び100J/cm2の赤色光線量で、腺数により大きな効果が生じた。
この実験は、3つの異なる赤色光線量において、LT−G−002を用いたPDTの効果を、LTO−TG1(これは、2倍の量のレムテポルフィンを含有する)のPDTの効果と比較する。対照媒体及び100J/cm2の赤色光線量を用いて処置したマウスについて得られた結果と比較したところ、いずれのレムテポルフィン局所製剤を用いたPDTも、20、50又は100J/cm2の赤色光線量において、低減効果を伴って、皮脂腺数に影響を与えた(図2)。いずれのレムテポルフィン製剤を用いても、20J/cm2と比べて、50及び100J/cm2の赤色光線量で、腺数により大きな効果が生じた。
ヒト毛包及び皮脂腺中のレムテポルフィンの局在化
ヒト皮膚におけるレムテポルフィンの局在化のモデルでは、新鮮な(死後24時間以内の)、Ohio Valley Tissue Bankから得た、ダーマトームで採取したヒト死体皮膚及びNDRI(National Disease Research Interchange)から得たヒト皮膚を利用した。この実験は、粘度増強剤を含まないレムテポルフィン局所溶液(LTS)を、レムテポルフィン局所軟膏(LTO)(実施例2、表4由来のLTO−TG1)と比較した。LTS製剤は、すべてw/wで、0.1%のレムテポルフィン、5%のオレイルアルコール、5%のベンジルアルコール、32%のDGME、0.5%のビタミンE TPGS、5%のメントール及び52%のエタノールを含んでいた。製剤を、正確に計った量で皮膚に適用し、空気に開放したままにした。皮膚を指定の期間(1時間又は8時間)にわたって製剤と接触させて維持し、生検を行い、Neg-50(商標)凍結用組織培地中で固め、次いで、薄切して蛍光顕微鏡検査評価するために準備した。
ヒト皮膚におけるレムテポルフィンの局在化のモデルでは、新鮮な(死後24時間以内の)、Ohio Valley Tissue Bankから得た、ダーマトームで採取したヒト死体皮膚及びNDRI(National Disease Research Interchange)から得たヒト皮膚を利用した。この実験は、粘度増強剤を含まないレムテポルフィン局所溶液(LTS)を、レムテポルフィン局所軟膏(LTO)(実施例2、表4由来のLTO−TG1)と比較した。LTS製剤は、すべてw/wで、0.1%のレムテポルフィン、5%のオレイルアルコール、5%のベンジルアルコール、32%のDGME、0.5%のビタミンE TPGS、5%のメントール及び52%のエタノールを含んでいた。製剤を、正確に計った量で皮膚に適用し、空気に開放したままにした。皮膚を指定の期間(1時間又は8時間)にわたって製剤と接触させて維持し、生検を行い、Neg-50(商標)凍結用組織培地中で固め、次いで、薄切して蛍光顕微鏡検査評価するために準備した。
組織の蛍光の結果は、LTS製剤が、2倍の量のレムテポルフィンを含有するLTO製剤が達成するのに8時間を要した程度に、1時間以内にヒト死体皮膚皮脂腺中に局在化していることを示した(図3)。それ故に、溶液タイプの製剤は、軟膏形態に比べて、レムテポルフィンのヒト皮脂腺へのより急速な送達をもたらす。このことは、対象が、光線感作物質含有製剤の適用と、光を用いた光線感作物質の活性化との間の特定の時間待たなければならない臨床現場において重要である。時間が短いほどより優れている。
LTS光線感作物質組成物の安定性
1バッチのレムテポルフィン局所溶液を、表5における配合に従って調製し、5mlバイアル中に分注し、安定性試験のために維持した。3カ月後に、沈殿がいくつかのバイアル中で観察された。沈殿は、標準的な分析技術によって、レムテポルフィンと同定された。レムテポルフィンの最適な送達系は、比較的高濃度のレムテポルフィンを含有するが、レムテポルフィンが容易に可溶性でないDGMEなどの成分も含有しなければならない(実施例1を参照のこと)。それ故に、長期の貯蔵が望まれる場合、レムテポルフィンを製剤化するための異なる手法を実行することが必要であった。
1バッチのレムテポルフィン局所溶液を、表5における配合に従って調製し、5mlバイアル中に分注し、安定性試験のために維持した。3カ月後に、沈殿がいくつかのバイアル中で観察された。沈殿は、標準的な分析技術によって、レムテポルフィンと同定された。レムテポルフィンの最適な送達系は、比較的高濃度のレムテポルフィンを含有するが、レムテポルフィンが容易に可溶性でないDGMEなどの成分も含有しなければならない(実施例1を参照のこと)。それ故に、長期の貯蔵が望まれる場合、レムテポルフィンを製剤化するための異なる手法を実行することが必要であった。
製剤化されたレムテポルフィンの溶解度試験
レムテポルフィンを、表5における他の成分(既に予備混合されている)に室温で加えることによって、レムテポルフィン局所溶液(LTS)を調製した。溶液を撹拌し、試料を種々の時点で取り出し、次いでろ過して、未溶解のレムテポルフィンの量を決定した。結果を表6に提示する。溶解したレムテポルフィンの量は、およそ0.048%であった。
レムテポルフィンを、表5における他の成分(既に予備混合されている)に室温で加えることによって、レムテポルフィン局所溶液(LTS)を調製した。溶液を撹拌し、試料を種々の時点で取り出し、次いでろ過して、未溶解のレムテポルフィンの量を決定した。結果を表6に提示する。溶解したレムテポルフィンの量は、およそ0.048%であった。
およそ75℃という高温で、DGME及びベンジルアルコール中に薬物を溶解させることによって、レムテポルフィン局所溶液0.1%を製造することが可能であった。次いで、溶液を室温に冷却し、残りのLTS成分を加え、混合して均質な溶液を形成した。溶解度データに基づいて、この製造プロセスは、結果として過飽和溶液をもたらした。
ある特定のLTS賦形剤が、レムテポルフィンの溶解度に及ぼす影響を決定するために、試験を実施した。溶液系からイソプロピルアルコールを除くと、レムテポルフィンの溶解度が、およそ0.03%から0.07%w/wに増加した(データを示さず)。ポリソルベート80の場合は、溶解度を0.027%から0.037%w/wに増加させた(データを示さず)。
2成分製剤系
有効な局所送達製剤中のレムテポルフィンの溶解度及び長期安定性の問題を解決するために、2成分製剤系を開発した。第1の成分は、レムテポルフィンが最も可溶性である溶媒中に溶解したレムテポルフィンを含む光線感作物質成分である。第2の成分は、LTS賦形剤の残りを含む希釈剤成分である。LTS2成分製剤のいくつかの例を、表7〜24に示す。
有効な局所送達製剤中のレムテポルフィンの溶解度及び長期安定性の問題を解決するために、2成分製剤系を開発した。第1の成分は、レムテポルフィンが最も可溶性である溶媒中に溶解したレムテポルフィンを含む光線感作物質成分である。第2の成分は、LTS賦形剤の残りを含む希釈剤成分である。LTS2成分製剤のいくつかの例を、表7〜24に示す。
表7〜24に記載されている組成物を、以下のように作製した。光線感作物質成分(レムテポルフィン含有)及び希釈剤成分を、別個の混合容器中で製造した。水浴に接続されたジャケット付きビーカーを75℃に設定し、撹拌プレート上に置いた。光線感作物質成分を、およそ1時間加熱しながら混合した。1時間加熱した後、混合を継続しながら、活性溶液を室温に冷却した。希釈剤賦形剤を計量し、別個のガラス容器に移した。希釈剤賦形剤を、室温でおよそ30〜60分間混合した。
充填は、Flexicon(登録商標)バイアルフィラーを使用して行った。充填の検査を行い、平均充填重量は、目標充填重量の2%以内であった。各バッチ製造について、希釈剤成分を最初に充填し、その後、光線感作物質成分を充填した。充填後、すべてのバイアルにラベルを付け、次いで、USP制御された室温に又は所望の温度に(例えば、2〜8℃に)置いた。
表25A及び表25Bは、活性な光線感作物質を2成分系中に加えることを目指した、追加の可能なレムテポルフィン製剤の例を提供している。これらの製剤を上記のように調製した。
周囲室温における、最終溶液中のレムテポルフィンの平衡溶解度(mg/mL)及びt=0時点での過飽和(比重について補正せず)を、表26に示す。
ヒト皮脂腺中のレムテポルフィン薬物局在化:LTS(0.02%)、LTS(0.1%)及びLTO(0.2%)の比較
LTS製剤を用いたレムテポルフィンの皮脂腺局在化を、ヒトを対象とした臨床試験において検討した。この試験は、2つの含量(0.02%、0.1%)のレムテポルフィン局所溶液(LTS)製剤を、先に皮膚を前処理する又は前処理しない、健常な対象の上背の皮脂腺中へのレムテポルフィン関連の蛍光の分布を支持するこれらの潜在性について評価するために行った。より早期の世代の製剤であるレムテポルフィン局所軟膏(LTO)0.2%を、閉鎖下で、赤外線(IR)加熱による皮膚の前処理と組み合わせたものを、対照治療として並行して試験した。その理由は、この軟膏の皮脂腺送達特性が以前に試験されていたためである。LTOの組成物は、レムテポルフィンをヒト皮脂腺に送達するのに最適でないと決定されていた。異なる皮膚前処理法と組み合わせた及び組み合わせない、LTSの安全性及び局所忍容性も、この試験において評価した。
LTS製剤を用いたレムテポルフィンの皮脂腺局在化を、ヒトを対象とした臨床試験において検討した。この試験は、2つの含量(0.02%、0.1%)のレムテポルフィン局所溶液(LTS)製剤を、先に皮膚を前処理する又は前処理しない、健常な対象の上背の皮脂腺中へのレムテポルフィン関連の蛍光の分布を支持するこれらの潜在性について評価するために行った。より早期の世代の製剤であるレムテポルフィン局所軟膏(LTO)0.2%を、閉鎖下で、赤外線(IR)加熱による皮膚の前処理と組み合わせたものを、対照治療として並行して試験した。その理由は、この軟膏の皮脂腺送達特性が以前に試験されていたためである。LTOの組成物は、レムテポルフィンをヒト皮脂腺に送達するのに最適でないと決定されていた。異なる皮膚前処理法と組み合わせた及び組み合わせない、LTSの安全性及び局所忍容性も、この試験において評価した。
試験デザイン
それぞれ10例の健常なヒト対象の2つのコホート(合計20例の対象)からなる部分盲検、連続、無作為化薬物局在化試験を、インフォームドコンセント下で実施した。20例の試験対象のそれぞれは、すべての来院予定日に参加し、試験を完了した。対象の平均年齢は24歳であった(範囲:18〜30歳)。対象のうちの11例(55%)は女性であった。コホート1及び2では、LTSの2つの異なる投薬含量、即ち0.02%w/w及び0.1%w/wをそれぞれ評価した。各対象は、上背に位置した4つの試験部位(2cm×2cm)を有していた。対象は、4つの治療レジメンのそれぞれを受けた:
− いかなる皮膚の前処理も行わないLTS
− マイクロ皮膚剥離(MDA,micro-derm-abrasion)で皮膚を前処理した後のLTS
− IR加熱デバイスからの乾熱で皮膚を前処理した後のLTS
− IRデバイスからの乾熱で皮膚を前処理した後にプラスチック膜閉鎖を行ったLTO
各製剤をおよそ60分間、皮膚と接触させたままにした。接触時間の完了時に、微温水で湿らせた清潔なガーゼを使用して、過剰な物質を試験部位から除去し、次いで、4mmパンチ生検材料を各試験部位から採取した。
それぞれ10例の健常なヒト対象の2つのコホート(合計20例の対象)からなる部分盲検、連続、無作為化薬物局在化試験を、インフォームドコンセント下で実施した。20例の試験対象のそれぞれは、すべての来院予定日に参加し、試験を完了した。対象の平均年齢は24歳であった(範囲:18〜30歳)。対象のうちの11例(55%)は女性であった。コホート1及び2では、LTSの2つの異なる投薬含量、即ち0.02%w/w及び0.1%w/wをそれぞれ評価した。各対象は、上背に位置した4つの試験部位(2cm×2cm)を有していた。対象は、4つの治療レジメンのそれぞれを受けた:
− いかなる皮膚の前処理も行わないLTS
− マイクロ皮膚剥離(MDA,micro-derm-abrasion)で皮膚を前処理した後のLTS
− IR加熱デバイスからの乾熱で皮膚を前処理した後のLTS
− IRデバイスからの乾熱で皮膚を前処理した後にプラスチック膜閉鎖を行ったLTO
各製剤をおよそ60分間、皮膚と接触させたままにした。接触時間の完了時に、微温水で湿らせた清潔なガーゼを使用して、過剰な物質を試験部位から除去し、次いで、4mmパンチ生検材料を各試験部位から採取した。
皮脂腺の蛍光分析
生検材料を、Neg-50(商標)凍結切片用包埋剤中に置き、液体窒素中で瞬時凍結させた。試料は、−70℃で貯蔵し、必要とされる方法で、広範な経験を有する組織学実験室へ、ドライアイスに乗せて発送した。組織塊をMicrom EM500 Cryostatのチャック上に置き、次いで、トリミングして組織領域を露出させた。これを厚さ8ミクロンの切片に薄切し、顕微鏡スライド上に置き、これらをProlong(登録商標)Antifade(分子プローブ)が付着したガラスカバースリップで直ちに覆い、光不透明ボックス内で、4℃で貯蔵した。
生検材料を、Neg-50(商標)凍結切片用包埋剤中に置き、液体窒素中で瞬時凍結させた。試料は、−70℃で貯蔵し、必要とされる方法で、広範な経験を有する組織学実験室へ、ドライアイスに乗せて発送した。組織塊をMicrom EM500 Cryostatのチャック上に置き、次いで、トリミングして組織領域を露出させた。これを厚さ8ミクロンの切片に薄切し、顕微鏡スライド上に置き、これらをProlong(登録商標)Antifade(分子プローブ)が付着したガラスカバースリップで直ちに覆い、光不透明ボックス内で、4℃で貯蔵した。
各生検試料について、およそ20のスライドセットを準備した。これらのセットのそれぞれは、3枚のスライドからなっていた。最初の3つのセットを、皮脂腺の非存在/存在について鑑定した。一般に、次の5つのセットを除外し、その後の3つのセットを、皮脂腺構造の存在について評価した。許容される皮脂腺の存在を有する合計9つのセットが確認されるまで、この選択プロセスを継続した。しかし、最後のスライドセットが、適切な皮脂腺が表れている9つのセットの候補として挙げられないと評価された場合、9つのセットが得られるまで、除外したセットをそれらが準備された順序で検査した。9つのセットが生検試料から得られなかった場合、入手可能な最大数のセットを最終的に評価した。
蛍光顕微鏡検査を使用して、皮膚中のレムテポルフィンの分布を評価し、皮脂腺中にレムテポルフィンが特異的に蓄積されているか否かを決定した。単色Photometrics 350カメラ(Roper Scientific製)を備えたZeiss Axiovert TV100顕微鏡でスライドを観察した。切片を明視野照明下で最初に観察し、皮脂腺を有する切片を確認した。次いで、レムテポルフィンに適切なエピ蛍光照明(励起425nm;発光690nm)を用いて画像を撮った。各蛍光画像の露光時間は、5倍対物レンズを用いて5秒であり、この拡大率で2×2mmの領域をカバーした。各画像は16ビットの深さで撮り、これは結果として、65500のグレー色調をもたらした。この設定によって、蛍光検出の精度が増大した。すべての試料についての表示範囲(即ち、コントラストの強度)は、Image-Pro Plusソフトウェアを使用して500〜5000のスケールに設定した。以前の試験では、レムテポルフィンを投与されていない皮膚から得られる皮膚生検試料は、検出可能な蛍光を全く呈さないことが一貫して観察された。
試料の素性及び起源を知らされていない経験豊かな評価者の一団による検査によって、皮脂腺内の蛍光の分布について、生検試料画像を鑑定した。グループの総意を得て、蛍光によって、一般的な腺構造及び/又は輪郭が際立った腺小葉が、周囲組織よりも大きい強度を伴って、明瞭に明らかになった場合には、試料は、レムテポルフィンの皮脂腺への取込みについて陽性であるとみなされた。ノンパラメトリックなカイ−(X2)−二乗検定を実施して、各コホート内の異なる治療に対する皮脂腺のレムテポルフィン蛍光結果において、観察された差異が統計的に有意であるか否かを明らかにした。
結果
この薬物分布試験において、用いた異なる皮膚前処理方法及びLTS/LTO製剤の適用は、一般に忍容性がより良好であった。水腫は、いずれの試験部位でも観察されなかった。局所性の皮膚紅斑が観察された場合、これは主に、皮膚前処理手順に関連していた。
この薬物分布試験において、用いた異なる皮膚前処理方法及びLTS/LTO製剤の適用は、一般に忍容性がより良好であった。水腫は、いずれの試験部位でも観察されなかった。局所性の皮膚紅斑が観察された場合、これは主に、皮膚前処理手順に関連していた。
異なる局所製剤中に適用したレムテポルフィンの皮脂腺局在化を、組織蛍光画像分析を使用して評価した。レムテポルフィンの蛍光シグナルは、異なる試験レジメンを用いて、毛包及び皮脂腺内で明白であったが、程度はさまざまであった。すべての試料について、周囲の非毛包脂腺構造内に感知できる蛍光シグナルは全くなかった。いくつかの試料において、強いレムテポルフィン蛍光は、毛包の外側孔領域内のプラグに関連していた。この状況は、これらの試料の隣接部分内に発散する蛍光フレアリング(fluorescence flaring)現象を生じさせた。そのような観察結果は、典型的に、十分に顕著で分離した皮脂腺蛍光も存在しない限り、陰性結果として記録した。いくつかの切片は、角質層内で薬物蛍光を呈し、一部の残留薬物が皮膚表面上に残っていることを示唆した。
対照(IR加熱による前処理+閉鎖を行った0.2%LTO)部位、MDAと組み合わせた0.1%のLTS又は異なる前処理を行ったより低い含量のLTS(0.02%)に曝された皮膚領域から得た切片について、これらのスライドのうちのおよそ20%は、皮脂腺内に明白な蛍光シグナルを有していた(表27)。対照部位(IR加熱による前処理+0.2%LTO)についての蛍光画像の所見は、コホート1及び2(それぞれ19.2%及び19.1%)のものと同様であり、治療及び分析方法の再現性を示した。0.02%のLTS対閉鎖下の0.2%のLTOで治療した対象について、ノンパラメトリックなカイ二乗統計的検定(X2値=1.36、自由度3、P=0.715)によって決定した場合、レムテポルフィン関連の皮脂腺の蛍光を有する群試料の割合において、有意差は全くなかった。
評価したすべてのセットから少なくとも2つの蛍光陽性スライドセットを有する生検試料と定義される陽性生検の数が最多の試験群は、コホート2(0.1%のLTS)であった。0.1%のLTSについては、9つの評価可能な(皮脂腺含有)生検のうちの6つが、皮脂腺蛍光について陽性であるとみなされた(皮脂腺の蛍光画像について図4を参照のこと)。IR熱処理+0.1%のLTSを受けた群については、9つの評価可能な生検のうちの7つが、薬物特異的な皮脂腺蛍光について陽性であると判断された。閉鎖下の0.2%のLTOと比較して、0.1%のLTSで治療した対象について、カイ二乗統計分析(X2値=15、自由度3、P=0.002)によって決定した場合、レムテポルフィン特異的蛍光を呈する群試料の割合において、有意差は全くなかった。総括的に、単独で又はIR加熱による前処理とともに、LTS0.1%で治療した対象は、MDA+0.1%のLTS又はIR熱処理を行った後に閉鎖下の0.2%のLTOを行った場合に比べて、より大きな程度の背部の皮膚皮脂腺の蛍光を呈した。
これらのデータは、以下の結論を支持する。LTSを投与された対象において、蛍光顕微鏡検査によって、生検の50以上〜70%及び生検スライドの17〜45%にレムテポルフィンが観察されたという事実によって立証されるように、LTSは、レムテポルフィンのヒト皮脂腺への分布を可能にする。生検試料及びスライドは、同様の条件下で、LTOよりもLTSを投与された対象において陽性である頻度が高かった(レムテポルフィンの濃度は、LTOよりもLTSにおいて2分の1〜10分の1低かったという事実にもかかわらず)という事実によって立証されるように、LTSは、LTOと比べてレムテポルフィンの皮脂腺への分布の改善を可能にする。生検試料及びスライドは、0.02%LTSよりも0.1%LTSを投与された対象において陽性である頻度が高かったという事実によって立証されるように、LTSの濃度が高いほど、皮脂腺へのより良好な分布が可能になる。LTSを適用する前に、加熱又はマイクロ皮膚剥離を施すことによって皮膚を「前処理する」ことは、そのような皮膚前処理手順を受けなかった対象よりも、そのような皮膚前処理手順を受けた対象において、陽性の生検試料及びスライドの頻度が有意に高くなかったという事実によって立証されるように、皮脂腺へのレムテポルフィンの分布を必ずしも改善することができるわけではない。
対象の前額部の皮脂排出比(SER,sebum excretion ratio)の決定
皮脂排出比は、対象の治療の有効性をモニターするために使用され得、以下のように決定することができる。以下のことを行うことによって対象の前額部を最初に脱脂する:1)水で化粧用パッドを湿らす;2)パッドにシャンプーをかけ(約1クォーターのサイズの量)、パッドを半分に折り畳んでシャンプーを広げる;3)小さい円運動を使用し、前額部の中央からこめかみに移動して穏やかに対象の前額部を洗浄する。各側部で1回繰り返す;4)水で湿らせたガーゼを用いて穏やかに前額部を拭く;5)清潔な化粧用パッドで前額部を軽くたたいて乾燥させる;6)70%のイソプロピルアルコールで前額部を拭く。前額部の各側部に対して3つのイソプロピルアルコールパッドを使用し、前額部の中心からこめかみに動かして、1つのパッドで前額部の下半分を拭き、別のパッドで上半分を拭き、次いで3つ目のパッドを広げ、前額部の側部全体を拭く;7)対象の前額部を、少なくとも5分乾燥させる。
皮脂排出比は、対象の治療の有効性をモニターするために使用され得、以下のように決定することができる。以下のことを行うことによって対象の前額部を最初に脱脂する:1)水で化粧用パッドを湿らす;2)パッドにシャンプーをかけ(約1クォーターのサイズの量)、パッドを半分に折り畳んでシャンプーを広げる;3)小さい円運動を使用し、前額部の中央からこめかみに移動して穏やかに対象の前額部を洗浄する。各側部で1回繰り返す;4)水で湿らせたガーゼを用いて穏やかに前額部を拭く;5)清潔な化粧用パッドで前額部を軽くたたいて乾燥させる;6)70%のイソプロピルアルコールで前額部を拭く。前額部の各側部に対して3つのイソプロピルアルコールパッドを使用し、前額部の中心からこめかみに動かして、1つのパッドで前額部の下半分を拭き、別のパッドで上半分を拭き、次いで3つ目のパッドを広げ、前額部の側部全体を拭く;7)対象の前額部を、少なくとも5分乾燥させる。
担体シートからSebuTape(商標)パッチを慎重に持ち上げ、テープが、しわを伴うことなく皮膚表面に滑らかに貼り付けられることを確実にして、部位に適用する。パッチをしっかりと押しつけて、テープが皮膚の表面と良好に接触していることを確実にする。30分〜120分後(プロトコルに応じて)、パッチを取り除き、ストレージカード上の黒色長方形に移す。正確な日付、時間及びパッチが適用された側(即ち、左又は右)を、パッチの下のコメント欄に記録する。
サンプリング直後に、ストレージカードを600dpiの画像解像度でスキャンする。説明的なファイルネームを使用して、適切なフォルダ内に各画像ファイルをJPEG形式で保存する。PhotoShop(登録商標)(Adobe, San Jose, CA)などの適切なソフトウェアを使用して、パッチ上のすべての濃いピクセルを選択する。皮脂の排出量は、黒色ピクセルによって表され、次いで、これに807.5の係数を乗じることによって皮脂排出率に変換することができる。
レムテポルフィンの過飽和溶液の安定性
A.バイアル1ベンジルアルコール溶媒についてのLTS製剤の安定性
バイアル1の光線感作物質成分が、ベンジルアルコール及び組み合わされた最終的なLTS溶液中に3つのレムテポルフィン濃度、即ち、0.1、0.075及び0.05%w/wのレムテポルフィンからなる3つの製剤(バッチC(表9)、D(表10)及びH(表11))を、バイアル2中の残りの賦形剤を用いて再構成した後の安定性について試験した。
A.バイアル1ベンジルアルコール溶媒についてのLTS製剤の安定性
バイアル1の光線感作物質成分が、ベンジルアルコール及び組み合わされた最終的なLTS溶液中に3つのレムテポルフィン濃度、即ち、0.1、0.075及び0.05%w/wのレムテポルフィンからなる3つの製剤(バッチC(表9)、D(表10)及びH(表11))を、バイアル2中の残りの賦形剤を用いて再構成した後の安定性について試験した。
各製剤について、バイアル2の内容物をバイアル1に加え、混合し、再構成してから時間0及び4時間後にサンプリングした。試料を0.22μmのフィルターに通してろ過した後、HPLCによって分析した。この分析は、組み合わされた生成物が適切な安定性を有し、対象に投与する前に沈殿しないことを保証するために行った。データを表28に提示する。
再構成データは、試験した製剤について、再構成後4時間及び最大48時間まで、レムテポルフィンは依然として溶解しており、LTS溶液から沈殿していなかったことを実証した。
B.バイアル1ベンジルアルコール及びDGME溶媒についてのLTS製剤の安定性
バイアル1中の光増感成分が、DGME、ベンジルアルコール並びに最終製剤中に0.1(バッチA、表7)及び0.075%(バッチB、表8)の2つのレムテポルフィン濃度のレムテポルフィンからなる2つの製剤を試験した。バイアル2の内容物をバイアル1の内容物に加え、混合し、再構成してから0時間及び4時間後にサンプリングした。試料を0.2μmのフィルターに通してろ過した後、分析した。この実験は、組み合わされた生成物が適切な安定性を有し、対象に投与する前に沈殿しないことを保証するために行った。得られたデータを表29に提示する。
バイアル1中の光増感成分が、DGME、ベンジルアルコール並びに最終製剤中に0.1(バッチA、表7)及び0.075%(バッチB、表8)の2つのレムテポルフィン濃度のレムテポルフィンからなる2つの製剤を試験した。バイアル2の内容物をバイアル1の内容物に加え、混合し、再構成してから0時間及び4時間後にサンプリングした。試料を0.2μmのフィルターに通してろ過した後、分析した。この実験は、組み合わされた生成物が適切な安定性を有し、対象に投与する前に沈殿しないことを保証するために行った。得られたデータを表29に提示する。
再構成データは、最大4時間後まで、レムテポルフィンは依然として溶解しており、溶液から沈殿していなかったことを実証している。本発明者らは、バッチCのバイアル1中のレムテポルフィンの化学的安定性が、5℃で少なくとも12カ月及び40℃で少なくとも6カ月にまで及ぶことも見出した。追加の試験は、レムテポルフィンTK1が、少なくとも48時間、物理的に安定であることを実証している。
C.0.1%LTSの物理的安定性(目視評価)
表9由来のバッチCを使用して、ベンジルアルコール中1%レムテポルフィン溶液0.9gを、不活性バイアルの全内容物と組み合わせて、0.1%LTSを得た。この溶液は、毎時点での目視評価によって、許容される物理的安定性を実証した。結果を表30に示す。
表9由来のバッチCを使用して、ベンジルアルコール中1%レムテポルフィン溶液0.9gを、不活性バイアルの全内容物と組み合わせて、0.1%LTSを得た。この溶液は、毎時点での目視評価によって、許容される物理的安定性を実証した。結果を表30に示す。
D.表9(バッチC)における0.1%LTSの短期の物理的安定性(48時間にわたるHPLC評価)
表9由来のバッチCを使用して、構成された0.1%(w/w)レムテポルフィン溶液を、種々の時点で(0、2h、4h、6h、8h、10h、16h、24h及び48h)ろ過し、サンプリングし、レムテポルフィンの含有量について評価した。表31に提示されている結果は、ろ過後の0.1%LTS中のレムテポルフィンの含有量は、少なくとも48時間、安定しており、約100%の配合含量で残存していることを示している。
表9由来のバッチCを使用して、構成された0.1%(w/w)レムテポルフィン溶液を、種々の時点で(0、2h、4h、6h、8h、10h、16h、24h及び48h)ろ過し、サンプリングし、レムテポルフィンの含有量について評価した。表31に提示されている結果は、ろ過後の0.1%LTS中のレムテポルフィンの含有量は、少なくとも48時間、安定しており、約100%の配合含量で残存していることを示している。
E.0.3%LTSの短期の化学的及び物理的安定性(48時間にわたるHPLC評価)
表23由来のバッチU(F21)を使用して、構成されたLTS(0.3%)溶液を、種々の時点で(0、2h、4h、6h、8h、10h、16h、24h及び48h)ろ過し、サンプリングし、レムテポルフィンの含有量及び全関連化合物(TRC, Total Related Compound)について評価した。結果は、ろ過後の0.3%LTS中のレムテポルフィンの含有量は、48時間中、非常に残存していることを示した。評価は、ろ過した溶液とろ過しなかった溶液との間に差異は全くないことを示しており、このことは、過飽和溶液が、48時間にわたって物理的に安定であることを実証していた(表32及び表33)。
表23由来のバッチU(F21)を使用して、構成されたLTS(0.3%)溶液を、種々の時点で(0、2h、4h、6h、8h、10h、16h、24h及び48h)ろ過し、サンプリングし、レムテポルフィンの含有量及び全関連化合物(TRC, Total Related Compound)について評価した。結果は、ろ過後の0.3%LTS中のレムテポルフィンの含有量は、48時間中、非常に残存していることを示した。評価は、ろ過した溶液とろ過しなかった溶液との間に差異は全くないことを示しており、このことは、過飽和溶液が、48時間にわたって物理的に安定であることを実証していた(表32及び表33)。
レムテポルフィンPDTを使用したヒト対象におけるざ瘡のPDT治療
これは、健常な対象及び軽度のざ瘡を有する対象における、レムテポルフィン局所溶液(LTS)を用いた光線力学的療法(PDT)の効果についての、第I/II相、二重盲検、連続試験である。最大202例の対象が、4つのステージ(ステージ1に12例、ステージ2に30〜90例、ステージ3に30〜60例及びステージ4に20〜40例)に登録する。試験はFDAガイドラインに従って行い、対象はインフォームドコンセントを与えるように求められる。
これは、健常な対象及び軽度のざ瘡を有する対象における、レムテポルフィン局所溶液(LTS)を用いた光線力学的療法(PDT)の効果についての、第I/II相、二重盲検、連続試験である。最大202例の対象が、4つのステージ(ステージ1に12例、ステージ2に30〜90例、ステージ3に30〜60例及びステージ4に20〜40例)に登録する。試験はFDAガイドラインに従って行い、対象はインフォームドコンセントを与えるように求められる。
ステージ1
12例の健常な対象を、ステージ1における2つの異なるコホートに割り付ける。このステージは、赤色光の最大耐量(MTDred,maximum tolerated dose of red light)を決定するために、6種の光線量(25、50、75、125、225及び300J/cm2;688nm)を用いたLTS−PDTを評価する。露光は、LTS適用後、60±5分行う。MTDredは、(1)結果として、光線治療に関連する消退する紅斑及び/又は不快感のうちで、最も忍容性の高いものをもたらす又は(2)忍容できない不快感若しくは紅斑を有さない、試験された光線量のうちの最も高いものである光線量と定義される。6種の光線治療を、2つのコホートすべてに投与する。各コホートは、6例の対象を含む。各対象の上背にそれぞれ5cm×8cmの4つの試験部位が存在する。
12例の健常な対象を、ステージ1における2つの異なるコホートに割り付ける。このステージは、赤色光の最大耐量(MTDred,maximum tolerated dose of red light)を決定するために、6種の光線量(25、50、75、125、225及び300J/cm2;688nm)を用いたLTS−PDTを評価する。露光は、LTS適用後、60±5分行う。MTDredは、(1)結果として、光線治療に関連する消退する紅斑及び/又は不快感のうちで、最も忍容性の高いものをもたらす又は(2)忍容できない不快感若しくは紅斑を有さない、試験された光線量のうちの最も高いものである光線量と定義される。6種の光線治療を、2つのコホートすべてに投与する。各コホートは、6例の対象を含む。各対象の上背にそれぞれ5cm×8cmの4つの試験部位が存在する。
同日に、4つの試験部位のそれぞれに以下を適用する。
コホート1:
− 治療なし(陰性対照)
− LTS0.1%の適用後に25J/cm2(50mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に50J/cm2(50mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に75J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート2:
− 治療なし(陰性対照)
− LTS0.1%の適用後に125J/cm2(80mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に225J/cm2(80mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に300J/cm2(80mW/cm2)の光線量
3例又はそれ以上の対象が、ある光線量で忍容できない不快感(0〜4のポイント尺度でグレード4)を経験する場合、その線量は中止される。
コホート1:
− 治療なし(陰性対照)
− LTS0.1%の適用後に25J/cm2(50mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に50J/cm2(50mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に75J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート2:
− 治療なし(陰性対照)
− LTS0.1%の適用後に125J/cm2(80mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に225J/cm2(80mW/cm2)の光線量
− LTS0.1%の適用後に300J/cm2(80mW/cm2)の光線量
3例又はそれ以上の対象が、ある光線量で忍容できない不快感(0〜4のポイント尺度でグレード4)を経験する場合、その線量は中止される。
各試験来院時に(0、1及び14日目)、紅斑及び水腫を評点システムによって評価し、色素沈着過度及び丘疹膿疱性ざ瘡様反応の評価を、有害事象の評価とともに行う。対象に、赤色光による治療直後に問診も行い、不快感を評価する。臨床検査及びバイタルサイン評価も、安全性評価の一部である。治療後2週間、対象を追跡する。
ステージ2
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ30例の対象を、ステージ2における3つの異なるコホートに割り付け、10例の対象からなる最大6つまでの追加のコホートを加える可能性がある。総括的な目的は、ざ瘡病変を有する対象の顔面上に、光線量をMTDredまで増量した後に、皮脂排出率及び生検によって、安全性を評価し、臨床活性を測定することである。これは、各コホートにおける10例の対象を、前額部にLTS0.1%及び媒体を適用した後、赤色光に曝して治療することによって評価される。活性治療薬及び媒体の投与は、正中線によって分離される前額部の片側半分に分けて行われる。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。投与され得る最大赤色光線量は、ステージ1において決定したMTDred線量である。
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ30例の対象を、ステージ2における3つの異なるコホートに割り付け、10例の対象からなる最大6つまでの追加のコホートを加える可能性がある。総括的な目的は、ざ瘡病変を有する対象の顔面上に、光線量をMTDredまで増量した後に、皮脂排出率及び生検によって、安全性を評価し、臨床活性を測定することである。これは、各コホートにおける10例の対象を、前額部にLTS0.1%及び媒体を適用した後、赤色光に曝して治療することによって評価される。活性治療薬及び媒体の投与は、正中線によって分離される前額部の片側半分に分けて行われる。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。投与され得る最大赤色光線量は、ステージ1において決定したMTDred線量である。
光線量及びLTS/媒体適用を、それぞれのコホートについて以下のように行う。
コホート1:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に25J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート2:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に75J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート3:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に150J/cm2(50mW/cm2)の光線量
スポンサー及び医師が、コホート1〜3からの有効性及び安全性のデータを再検討した後、有効性を高めるため又は忍容性を改善するために追加のコホートを加えるか否かについて決定する。10例の対象からなる最大6つのコホートが加えられ得る。これらの追加のコホートにおける対象に使用される、LTS及び媒体でのインキュベーションの時間並びに赤色光線量は、コホート1〜3の結果に基づいて決定される。これらの追加のコホートにおける対象に使用されるパラメータは、ステージ1において試験されるパラメータを超えない。特に、追加のコホートにおける対象に使用される最大光線量は、MTDredである。追加のコホートにおける対象に使用される放射照度は、ステージ1において試験される2種の放射照度(50mW/cm2又は80mW/cm2)のうちの1つである。追加のコホートにおける対象についての、LTS適用と赤色光露光との間のインキュベーション時間は、60分を超えない。
コホート1:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に25J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート2:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に75J/cm2(50mW/cm2)の光線量
コホート3:LTS0.1%及び媒体の適用(60±5分のインキュベーション)後に150J/cm2(50mW/cm2)の光線量
スポンサー及び医師が、コホート1〜3からの有効性及び安全性のデータを再検討した後、有効性を高めるため又は忍容性を改善するために追加のコホートを加えるか否かについて決定する。10例の対象からなる最大6つのコホートが加えられ得る。これらの追加のコホートにおける対象に使用される、LTS及び媒体でのインキュベーションの時間並びに赤色光線量は、コホート1〜3の結果に基づいて決定される。これらの追加のコホートにおける対象に使用されるパラメータは、ステージ1において試験されるパラメータを超えない。特に、追加のコホートにおける対象に使用される最大光線量は、MTDredである。追加のコホートにおける対象に使用される放射照度は、ステージ1において試験される2種の放射照度(50mW/cm2又は80mW/cm2)のうちの1つである。追加のコホートにおける対象についての、LTS適用と赤色光露光との間のインキュベーション時間は、60分を超えない。
ざ瘡病変の計数及びSebuTape(商標)を使用した皮脂排出率(SER, Sebum Excretion Rate)は、ステージ2のすべての対象において、スクリーニング時、0日目、1日目、14日目にモニターする。加えて、コホート1〜3の対象のうちの50%は、さらなる評価のために、LTS−PDT治療から24±4時間後に、媒体及びLTSで治療された領域から、前額部において3mmパンチ生検材料を採取される。続いて、これらの試料を加工処理し、PDT活性を立証するために、免疫組織化学的方法を使用して、組織切片を評価する。
各試験来院時に(0日目、1日目及び14日目)、紅斑及び水腫を評点システムによって評価し、色素沈着過度及び丘疹膿疱性ざ瘡様反応の評価を、有害事象の評価とともに行う。対象に、赤色光による治療直後に問診も行い、不快感を評価する。臨床検査及びバイタルサイン評価も、安全性評価の一部である。治療後2週間、対象を追跡する。写真撮影に同意した対象について、0日目のLTS/媒体適用前、0日目の光線治療後並びに1日目、7日目及び14日目の追跡来院時に、前額部の高品質デジタル医療写真を撮影する。
ステージ3
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ30例〜最大60例までの対象を、ステージ3における3つの異なるコホートに割り付ける。総括的な目的は、ざ瘡病変を有する対象の顔面上におけるLTS/媒体−PDT治療後に、皮脂排出率によって、安全性を評価し、臨床活性を測定することである。これは、各コホートにおける10〜20例の対象を治療することによって評価される。LTS0.1%を前額部の片側に、媒体を他方側に適用した後、赤色光に曝す。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。ステージ3において使用される赤色光線量の決定は、ステージ2の対象からのデータに基づいて行われる。最大赤色光線量は、ステージ1において達成されるMTDred(300J/cm2)を超えない。
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ30例〜最大60例までの対象を、ステージ3における3つの異なるコホートに割り付ける。総括的な目的は、ざ瘡病変を有する対象の顔面上におけるLTS/媒体−PDT治療後に、皮脂排出率によって、安全性を評価し、臨床活性を測定することである。これは、各コホートにおける10〜20例の対象を治療することによって評価される。LTS0.1%を前額部の片側に、媒体を他方側に適用した後、赤色光に曝す。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。ステージ3において使用される赤色光線量の決定は、ステージ2の対象からのデータに基づいて行われる。最大赤色光線量は、ステージ1において達成されるMTDred(300J/cm2)を超えない。
光線量及びLTS/媒体適用を、それぞれのコホートについて以下のように行う。
コホート1:0日目に行うLTS−PDTの分割治療。
LTS0.1%(総平均用量1.5mgに対する分割用量:0.0375mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− 全量のLTS0.1%及び媒体のうちの半分を30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この1回目の治療後に、LTS0.1%/媒体の残りの量をさらに30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)〜最大300J/cm2(80mW/cm2)までの2回目の露光をする。
コホート2:0日目に行う1つのLTS−PDT治療後、3日目に別の治療。
LTS0.1%(総平均用量3mgに対する用量:0.075mg/cm2)
− 0日目に、LTS0.1%及び媒体を60±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。同一の治療を3日目に繰り返す。
コホート3及び3b:0日目に行うLTS−PDTの分割治療及び3日目に繰返し。
LTS0.1%(総平均用量1.5mgに対する分割用量:0.0375mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− 全量のLTS0.1%及び媒体のうちの半分を30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。次いで、LTS0.1%/媒体の残りの量をさらに30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)〜最大300J/cm2(80mW/cm2)までの2回目の露光をする。同一の治療を3日目に繰り返す。
コホート1:0日目に行うLTS−PDTの分割治療。
LTS0.1%(総平均用量1.5mgに対する分割用量:0.0375mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− 全量のLTS0.1%及び媒体のうちの半分を30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この1回目の治療後に、LTS0.1%/媒体の残りの量をさらに30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)〜最大300J/cm2(80mW/cm2)までの2回目の露光をする。
コホート2:0日目に行う1つのLTS−PDT治療後、3日目に別の治療。
LTS0.1%(総平均用量3mgに対する用量:0.075mg/cm2)
− 0日目に、LTS0.1%及び媒体を60±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。同一の治療を3日目に繰り返す。
コホート3及び3b:0日目に行うLTS−PDTの分割治療及び3日目に繰返し。
LTS0.1%(総平均用量1.5mgに対する分割用量:0.0375mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− 全量のLTS0.1%及び媒体のうちの半分を30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。次いで、LTS0.1%/媒体の残りの量をさらに30±5分間適用した後、150J/cm2(50mW/cm2)〜最大300J/cm2(80mW/cm2)までの2回目の露光をする。同一の治療を3日目に繰り返す。
ざ瘡病変の計数は、ステージ3のすべての対象において、スクリーニング時、0日目、7日目、14日目にモニターする。SebuTape(商標)を使用した皮脂排出率(SER)は、ステージ3のコホート1〜3のすべての対象において、スクリーニング時、無作為化前、0日目、7日目、8日目、14日目及び15日目にモニターする。コホート3bの対象については、対象の資格を決定するために、SebuTapeはスクリーニング来院時にのみ使用される。
写真撮影に同意した、ステージ3の対象について、0日目及び3日目(該当する場合)のLTS/媒体適用前及び光線治療後並びに1日目、4日目(該当する場合)、7日目及び14日目の追跡来院時に、前額部の高品質デジタル医療写真を撮影する。コホート3bの10例の追加の対象については、すべての試験来院時に、Visiaを用いて皮膚の蛍光を測定するために、写真は必須である。
ステージ4
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ20例〜最大40例までの対象を、ステージ4における2つのコホートに割り付ける。総括的な目的は、顔面上におけるLTS/媒体−PDT(0.1%及び0.3%)治療の治療効果及び安全性を評価することである。これは、各コホートにおける10〜20例の対象を、LTS/媒体の2種の製剤を使用して、治療することによって評価される。コホート1に登録された対象は、LTS0.1%を前額部の片側に、その対応媒体を他方側に適用され、赤色光露光を受ける。コホート2に登録を始める前に、コホート1に登録された対象からの安全性データを、医師及びスポンサーが再検討する。コホート2は、LTS0.3%を前額部の片側に、その対応媒体を他方側に適用され、赤色光露光を受ける。各コホートの用量を、以下に概説する。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。ステージ4において使用される赤色光線量は、ステージ2及び3における対象からのデータに基づいて設けられる。最大赤色光線量は、ステージ1において達成されるMTDred(300J/cm2)を超えない。
前額部のざ瘡のうちの少なくとも2つの炎症性病変を有するおよそ20例〜最大40例までの対象を、ステージ4における2つのコホートに割り付ける。総括的な目的は、顔面上におけるLTS/媒体−PDT(0.1%及び0.3%)治療の治療効果及び安全性を評価することである。これは、各コホートにおける10〜20例の対象を、LTS/媒体の2種の製剤を使用して、治療することによって評価される。コホート1に登録された対象は、LTS0.1%を前額部の片側に、その対応媒体を他方側に適用され、赤色光露光を受ける。コホート2に登録を始める前に、コホート1に登録された対象からの安全性データを、医師及びスポンサーが再検討する。コホート2は、LTS0.3%を前額部の片側に、その対応媒体を他方側に適用され、赤色光露光を受ける。各コホートの用量を、以下に概説する。活性治療薬及び媒体の適用の決定は、無作為化され、二重盲検的に行われる。ステージ4において使用される赤色光線量は、ステージ2及び3における対象からのデータに基づいて設けられる。最大赤色光線量は、ステージ1において達成されるMTDred(300J/cm2)を超えない。
光線量及びLTS/媒体適用を、コホート1及び2について以下のように行う。
コホート1:0日目、1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目及び7週目に行うLTS/PDTの分割治療。
LTS0.1%(総平均用量3mgに対する分割用量:0.075mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− LTS及びその対応媒体を適用し、30±5分間の接触時間の間そのままの状態にしておいた後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この治療後に、LTS及び媒体の2回目の適用を30±5分間行った後、同一の光線量で、2回目の露光を行う。同一の分割治療を、毎週全8治療を目指して繰り返す。
コホート2:0日目、1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目及び7週目に行うLTS/PDTの分割治療。
LTS0.3%(総平均用量6mgに対する分割用量:0.150mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− LTS及びその対応媒体を適用し、30±5分間の接触時間の間そのままの状態にしておいた後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この治療後に、LTS及び媒体の2回目の適用を30±5分間行った後、同一の光線量で、2回目の露光を行う。同一の分割治療を、毎週全8治療を目指して繰り返す。
コホート1:0日目、1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目及び7週目に行うLTS/PDTの分割治療。
LTS0.1%(総平均用量3mgに対する分割用量:0.075mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− LTS及びその対応媒体を適用し、30±5分間の接触時間の間そのままの状態にしておいた後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この治療後に、LTS及び媒体の2回目の適用を30±5分間行った後、同一の光線量で、2回目の露光を行う。同一の分割治療を、毎週全8治療を目指して繰り返す。
コホート2:0日目、1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目及び7週目に行うLTS/PDTの分割治療。
LTS0.3%(総平均用量6mgに対する分割用量:0.150mg/cm2、その後にそれぞれの光線量)
− LTS及びその対応媒体を適用し、30±5分間の接触時間の間そのままの状態にしておいた後、150J/cm2(50mW/cm2)で露光する。最大300J/cm2(80mW/cm2)までの可能性有り。この治療後に、LTS及び媒体の2回目の適用を30±5分間行った後、同一の光線量で、2回目の露光を行う。同一の分割治療を、毎週全8治療を目指して繰り返す。
ざ瘡病変の計数を、ステージ4のすべての対象において、スクリーニング時、0日目、3週目、7週目及び11週目の来院時に行う。SebuTape(商標)を使用した皮脂排出率(SER)は、対象の資格を決定するためのスクリーニング来院時並びに3週目、7週目及び11週目の来院時に行う。
ステージ4の対象について、スクリーニング時、治療日のLTS/媒体適用前及び光線治療後並びに11週目の試験終了来院時に、前額部の高品質デジタル医療写真を撮影する。医療写真は、すべての試験来院時に、皮膚の蛍光を測定し、皮脂排出を間接的に測定するために使用される。
統計解析
試料サイズ
ステージ1
このステージについて、選択された試料サイズのための統計的根拠はない。健常な対象に不必要な曝露を最小限に抑えると同時に、安全性及び忍容性が、適切に評価されることを保証するために、試料サイズは前の経験に基づいて選択された。
試料サイズ
ステージ1
このステージについて、選択された試料サイズのための統計的根拠はない。健常な対象に不必要な曝露を最小限に抑えると同時に、安全性及び忍容性が、適切に評価されることを保証するために、試料サイズは前の経験に基づいて選択された。
ステージ2
対応のあるスチューデントのt検定に基づいて、コホート1〜3の10例の対象の試料サイズは、ベースラインにおいて6.5の平均皮脂排出率及び媒体側に皮脂排出率の改善なしと仮定すると、皮脂排出率において14日目に1.42というベースラインからの差異を検出するための80%の検定力を達成する。検定の多重性を制御するために、Bonferroniの補正を使用して、0.05の有意水準を調整した(0.05/3=0.0167)。
対応のあるスチューデントのt検定に基づいて、コホート1〜3の10例の対象の試料サイズは、ベースラインにおいて6.5の平均皮脂排出率及び媒体側に皮脂排出率の改善なしと仮定すると、皮脂排出率において14日目に1.42というベースラインからの差異を検出するための80%の検定力を達成する。検定の多重性を制御するために、Bonferroniの補正を使用して、0.05の有意水準を調整した(0.05/3=0.0167)。
ステージ3
対応のあるスチューデントのt検定に基づいて、1コホート当たり10例の対象の試料サイズは、ベースラインにおいて6.5の平均皮脂排出率、媒体側に皮脂排出率の改善なしと仮定すると、皮脂排出率において14日目に1.42というベースラインからの差異を検出するための80%の検定力を達成する。検定の多重性を制御するために、Bonferroniの補正を使用して、0.05の有意水準を調整した(0.05/3=0.0167)。
対応のあるスチューデントのt検定に基づいて、1コホート当たり10例の対象の試料サイズは、ベースラインにおいて6.5の平均皮脂排出率、媒体側に皮脂排出率の改善なしと仮定すると、皮脂排出率において14日目に1.42というベースラインからの差異を検出するための80%の検定力を達成する。検定の多重性を制御するために、Bonferroniの補正を使用して、0.05の有意水準を調整した(0.05/3=0.0167)。
ステージ4
ステージ4についての試料サイズは、検定力分析によって推進されるのではなく、むしろ他のステージと一致した試料サイズを維持することによって推進される。皮脂排出の測定値における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定ANOVAは、皮脂排出を測定する各方法について、皮脂排出率の変化を比較するために使用される。モデルにおける要因は、治療群、対象及び時間である。加えて、一変量解析は、各来院時に実施され、反復測定「対象間効果の仮説検定」のp−値が有意である場合には、統計的に有意であると解釈される。最後に、時間対治療の交互作用は、来院時点の治療間における治療効果の差の一致性に関して、情報を提供する。
ステージ4についての試料サイズは、検定力分析によって推進されるのではなく、むしろ他のステージと一致した試料サイズを維持することによって推進される。皮脂排出の測定値における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定ANOVAは、皮脂排出を測定する各方法について、皮脂排出率の変化を比較するために使用される。モデルにおける要因は、治療群、対象及び時間である。加えて、一変量解析は、各来院時に実施され、反復測定「対象間効果の仮説検定」のp−値が有意である場合には、統計的に有意であると解釈される。最後に、時間対治療の交互作用は、来院時点の治療間における治療効果の差の一致性に関して、情報を提供する。
統計及び解析計画
連続変数は、表に要約されており、対象の数、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値を含む。カテゴリー変数は、頻度及び百分率として、表に提示される。すべての統計的検定は、両側であり、0.05の有意水準で行われる。試験に登録され、LTS−PDT治療を受けたすべての対象が、解析に含まれる。安全性解析対象集団は、LTS−PDT治療を受けたすべての対象として定義される。
連続変数は、表に要約されており、対象の数、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値を含む。カテゴリー変数は、頻度及び百分率として、表に提示される。すべての統計的検定は、両側であり、0.05の有意水準で行われる。試験に登録され、LTS−PDT治療を受けたすべての対象が、解析に含まれる。安全性解析対象集団は、LTS−PDT治療を受けたすべての対象として定義される。
人口統計的及びベースラインのデータの解析
人口統計的及びベースラインのデータは、LTS−PDT治療を受けた、すべての登録された対象について解析される。対象の人口統計的データ及びベースラインの特性は、連続変数については、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値によって、カテゴリー変数については、計数及び百分率によって要約される。要約は、各ステージについて、別々に提供される。
人口統計的及びベースラインのデータは、LTS−PDT治療を受けた、すべての登録された対象について解析される。対象の人口統計的データ及びベースラインの特性は、連続変数については、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値によって、カテゴリー変数については、計数及び百分率によって要約される。要約は、各ステージについて、別々に提供される。
有効性の解析(ステージ2及び3のみ)
SER値及び皮膚の蛍光における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS0.1%治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定のためのANOVAは、LTS治療側と媒体処置側との間の、皮脂排出率及び皮膚の蛍光の変化を比較するために使用される。加えて、皮脂排出率の変化の95%信頼区間は、各コホートについて提供される。
SER値及び皮膚の蛍光における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS0.1%治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定のためのANOVAは、LTS治療側と媒体処置側との間の、皮脂排出率及び皮膚の蛍光の変化を比較するために使用される。加えて、皮脂排出率の変化の95%信頼区間は、各コホートについて提供される。
有効性の解析(ステージ4)
皮脂排出の測定値における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定ANOVAは、皮脂排出を測定する各方法について、皮脂排出率の変化を比較するために使用される。モデルにおける要因は、治療群、対象及び時間である。加えて、一変量解析は、各来院時に実施され、反復測定「対象間効果の仮説検定」のp−値が有意である場合には、統計的に有意であると解釈される。最後に、時間対治療の交互作用は、来院時点の治療間における治療効果の差の一致性に関して、情報を提供する。
皮脂排出の測定値における、ベースラインからの、媒体処置側とLTS治療側との間の差異は、平均、標準偏差、中央値、最小値及び最大値の決定を使用して要約される。反復測定ANOVAは、皮脂排出を測定する各方法について、皮脂排出率の変化を比較するために使用される。モデルにおける要因は、治療群、対象及び時間である。加えて、一変量解析は、各来院時に実施され、反復測定「対象間効果の仮説検定」のp−値が有意である場合には、統計的に有意であると解釈される。最後に、時間対治療の交互作用は、来院時点の治療間における治療効果の差の一致性に関して、情報を提供する。
これらのデータを図によって示す。皮脂排出率の変化の95%信頼区間は、それぞれの来院時、コホート、治療及び方法について提供される。この項の総括的統計的評価は、皮脂排出率を評価する種々の方法の頑健性を探るためのメトリックを提供するために、0.05の一定のα水準で行われる。多重性を制御するための補正は行わない。相関分析は、皮脂排出を測定するための方法の一致性を評価するために行われる。総病巣計数におけるベースラインからの変化についての記述統計量は、治療群による来院時及びコホートについて提示される。
安全性の解析
ステージ1
不快感のスコアは、試験部位(対照及び各光線量)によって要約される。紅斑スコア、水腫スコア、PDT−誘発性の丘疹膿疱性ざ瘡様反応の有無及び色素沈着過度の有無は、試験部位、来院時の評価及びコホートによって要約される。MTDredは、各対象について要約される。AEは、MedDRAを使用して、器官別大分類、優先使用語及び試験部位(対照及び各光線量)によって要約される、AEを経験している対象の数及び百分率並びにAEの総数を用いてコードされる。併用薬は、WHO-Drug Dictionaryを用いてコードされ、対象によって掲載される。臨床的に有意な、化学的及び血液学的検査値も、AEとして記録される。バイタルサインは、対象によって掲載される。
ステージ1
不快感のスコアは、試験部位(対照及び各光線量)によって要約される。紅斑スコア、水腫スコア、PDT−誘発性の丘疹膿疱性ざ瘡様反応の有無及び色素沈着過度の有無は、試験部位、来院時の評価及びコホートによって要約される。MTDredは、各対象について要約される。AEは、MedDRAを使用して、器官別大分類、優先使用語及び試験部位(対照及び各光線量)によって要約される、AEを経験している対象の数及び百分率並びにAEの総数を用いてコードされる。併用薬は、WHO-Drug Dictionaryを用いてコードされ、対象によって掲載される。臨床的に有意な、化学的及び血液学的検査値も、AEとして記録される。バイタルサインは、対象によって掲載される。
ステージ2、3及び4
不快感のスコアは、コホート及び治療によって要約される。紅斑スコア、水腫スコア、PDT−誘発性の丘疹膿疱性ざ瘡様反応の有無及び色素沈着過度の有無は、治療、来院時の評価及びコホートによって要約される。AEは、MedDRAを使用して、器官別大分類、優先使用語、コホート及び治療によって要約される、AEを経験している対象の数及び百分率並びに事象の総数を用いてコードされる。併用薬は、WHO−DDを用いてコードされ、対象によって掲載される。臨床的に有意な、化学的及び血液学的検査値も、AEとして記録される。バイタルサインは、対象によって掲載される。
不快感のスコアは、コホート及び治療によって要約される。紅斑スコア、水腫スコア、PDT−誘発性の丘疹膿疱性ざ瘡様反応の有無及び色素沈着過度の有無は、治療、来院時の評価及びコホートによって要約される。AEは、MedDRAを使用して、器官別大分類、優先使用語、コホート及び治療によって要約される、AEを経験している対象の数及び百分率並びに事象の総数を用いてコードされる。併用薬は、WHO−DDを用いてコードされ、対象によって掲載される。臨床的に有意な、化学的及び血液学的検査値も、AEとして記録される。バイタルサインは、対象によって掲載される。
治療の割付け
ステージ1及びステージ2のコホート1〜3の完了後、最後の対象が14日目の来院を終えた後に、各コホートの治療評価をスポンサーに公表する。治療評価情報は、追加のコホートを試験に加えるか否かについての決定を支持する。治療評価情報は、試験側のスタッフで共有しない。
ステージ1及びステージ2のコホート1〜3の完了後、最後の対象が14日目の来院を終えた後に、各コホートの治療評価をスポンサーに公表する。治療評価情報は、追加のコホートを試験に加えるか否かについての決定を支持する。治療評価情報は、試験側のスタッフで共有しない。
製剤スクリーニングのための皮脂拡散キャピラリーモデル
製剤TK1、P12、P14及びP15を上記のように調製し、機能亢進性皮脂腺障害を治療する際に使用するために、皮脂拡散キャピラリーモデルを使用して、スクリーニングを行った。最初に、Lu et al., “Comparison of artificial sebum with human and hamster sebum samples”, Inter. Jour. of Pharm., 367 (2009) 37-43 (Sebum L)に記載されているように、ガラスキャピラリーを合成の皮脂で満たした。満たしたキャピラリー(n=7)を、少量の製剤中に浸し(7つのキャピラリーに対して250μl)、キャップ付コニカル遠心チューブに入れた。試験溶液の蒸発を避けるように注意を払った。設定した拡散時点で、キャピラリーを注意深く拭き取り乾燥させ、各キャピラリーの最初の5mmをダイヤモンドナイフで折り取った。7つの5−mm切片の内容物を有機溶媒混合物中に溶解し、HPLCによってレムテポルフィンについて評価した。人工皮脂中に拡散したレムテポルフィンの量を、接触時間の関数として報告する。32.5℃における60分間の拡散時間の結果を、表34に示す。
製剤TK1、P12、P14及びP15を上記のように調製し、機能亢進性皮脂腺障害を治療する際に使用するために、皮脂拡散キャピラリーモデルを使用して、スクリーニングを行った。最初に、Lu et al., “Comparison of artificial sebum with human and hamster sebum samples”, Inter. Jour. of Pharm., 367 (2009) 37-43 (Sebum L)に記載されているように、ガラスキャピラリーを合成の皮脂で満たした。満たしたキャピラリー(n=7)を、少量の製剤中に浸し(7つのキャピラリーに対して250μl)、キャップ付コニカル遠心チューブに入れた。試験溶液の蒸発を避けるように注意を払った。設定した拡散時点で、キャピラリーを注意深く拭き取り乾燥させ、各キャピラリーの最初の5mmをダイヤモンドナイフで折り取った。7つの5−mm切片の内容物を有機溶媒混合物中に溶解し、HPLCによってレムテポルフィンについて評価した。人工皮脂中に拡散したレムテポルフィンの量を、接触時間の関数として報告する。32.5℃における60分間の拡散時間の結果を、表34に示す。
バッチU、製剤F21とバッチC、製剤TK1との皮脂拡散キャピラリーモデルの比較
Lu et al. (2009)に記載されているように、ガラスキャピラリーを合成の皮脂で満たした。満たしたキャピラリー(n=7)を、少量の製剤中に浸し(7つのキャピラリーに対して250μl)、キャップ付コニカル遠心チューブに入れた。設定した時点で、キャピラリーを注意深く拭き取り乾燥させ、チューブの最初の5mmをダイヤモンドナイフで折り取った。7つの5−mm切片の内容物を有機溶媒混合物中に溶解し、HPLCによってレムテポルフィンについて評価した。皮脂中に拡散したレムテポルフィンの量を、接触時間の関数として報告する。LTS、0.3%(F21)をLTS、0.1%(バッチCについて示されている製剤TK1)と比較した結果を、32.5℃での閉鎖系(表35)、32.5℃での開放系(表36)及び35℃での閉鎖系(表37)について、以下に示す。結果を、それぞれ図5、6及び7に、グラフで示す。
Lu et al. (2009)に記載されているように、ガラスキャピラリーを合成の皮脂で満たした。満たしたキャピラリー(n=7)を、少量の製剤中に浸し(7つのキャピラリーに対して250μl)、キャップ付コニカル遠心チューブに入れた。設定した時点で、キャピラリーを注意深く拭き取り乾燥させ、チューブの最初の5mmをダイヤモンドナイフで折り取った。7つの5−mm切片の内容物を有機溶媒混合物中に溶解し、HPLCによってレムテポルフィンについて評価した。皮脂中に拡散したレムテポルフィンの量を、接触時間の関数として報告する。LTS、0.3%(F21)をLTS、0.1%(バッチCについて示されている製剤TK1)と比較した結果を、32.5℃での閉鎖系(表35)、32.5℃での開放系(表36)及び35℃での閉鎖系(表37)について、以下に示す。結果を、それぞれ図5、6及び7に、グラフで示す。
製剤CUF−1(LTS、0.3%活性溶液)及びCUG−1(LTS、0.3%不活性溶液)の調製
実施例7には、2成分製剤系の開発を記載した。第1の成分は、レムテポルフィンが最も可溶性である溶媒中に溶解したレムテポルフィンを含む光線感作物質成分である。第2の成分は、LTS賦形剤の残りを含む希釈剤成分である。この実施例は、別の2成分レムテポルフィン光線感作物質溶液(表38)を、対応媒体(プラセボ)製剤(表39)とともに説明している。表40及び41は、最終的に同一の構成された溶液を得る、2バイアル系の2種の形態を示す。これらの製剤は、使用する賦形剤を簡素化し、上記のように調製した。新規な賦形剤の組合せは、FDA基準を満たしている。さらに、臨床現場において投与を簡略化するために、この実施例では、組み合わされた2成分系の全量を減らしている。
実施例7には、2成分製剤系の開発を記載した。第1の成分は、レムテポルフィンが最も可溶性である溶媒中に溶解したレムテポルフィンを含む光線感作物質成分である。第2の成分は、LTS賦形剤の残りを含む希釈剤成分である。この実施例は、別の2成分レムテポルフィン光線感作物質溶液(表38)を、対応媒体(プラセボ)製剤(表39)とともに説明している。表40及び41は、最終的に同一の構成された溶液を得る、2バイアル系の2種の形態を示す。これらの製剤は、使用する賦形剤を簡素化し、上記のように調製した。新規な賦形剤の組合せは、FDA基準を満たしている。さらに、臨床現場において投与を簡略化するために、この実施例では、組み合わされた2成分系の全量を減らしている。
LTS、0.3%(CUF−1 LTS、0.3%活性溶液及びCUG−1 LTS、0.3%不活性溶液から構成される)の特徴付け
6.000−gLTS、0.3%の構成された溶液の、新規な製剤形態についての特徴付け試験を実施するために、バイアル1(LTS、0.3%活性溶液、コードCUF−1)、バイアル2(LTS、0.3%不活性溶液、コードCUG−1)及び媒体(LTS、0.3%媒体、コードPCTK−1)を、実施例14に従って調製した。これらの製剤の比重を決定した。LTS、0.3%の新規な形態の化学的及び物理的安定性の試験は、ろ過した試料及びろ過しなかった試料を調製し、48時間の期間にわたって分析することによって行った。
6.000−gLTS、0.3%の構成された溶液の、新規な製剤形態についての特徴付け試験を実施するために、バイアル1(LTS、0.3%活性溶液、コードCUF−1)、バイアル2(LTS、0.3%不活性溶液、コードCUG−1)及び媒体(LTS、0.3%媒体、コードPCTK−1)を、実施例14に従って調製した。これらの製剤の比重を決定した。LTS、0.3%の新規な形態の化学的及び物理的安定性の試験は、ろ過した試料及びろ過しなかった試料を調製し、48時間の期間にわたって分析することによって行った。
比重の決定
試料の比重を決定する前に、比重瓶を完全に洗浄した。次いで、空の比重瓶の重量を正確に決定した。次いで、比重瓶から蓋を外し、水を満たした後、蓋を注意深く元の位置に戻した。水がオーバーフローオリフィスから溢れ出した後、比重瓶の外表面を拭き取り、乾燥させた。次いで、比重瓶及び水の重量を正確に測定した。構成された溶液LTS、0.3%、LTS、0.3%媒体、配合物PCTK−1及びLTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、配合物CUG−1について、比重試験を行った(N=5)。それぞれの溶液の比重を決定する際に関係する計算には、
− 水の重量=水を含む比重瓶の重量−空の比重瓶の重量
− 試料の重量=試料を含む比重瓶の重量−空の比重瓶の重量
− 試料の比重=(試料の重量)/(水の重量)
が含まれた。
試料の比重を決定する前に、比重瓶を完全に洗浄した。次いで、空の比重瓶の重量を正確に決定した。次いで、比重瓶から蓋を外し、水を満たした後、蓋を注意深く元の位置に戻した。水がオーバーフローオリフィスから溢れ出した後、比重瓶の外表面を拭き取り、乾燥させた。次いで、比重瓶及び水の重量を正確に測定した。構成された溶液LTS、0.3%、LTS、0.3%媒体、配合物PCTK−1及びLTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、配合物CUG−1について、比重試験を行った(N=5)。それぞれの溶液の比重を決定する際に関係する計算には、
− 水の重量=水を含む比重瓶の重量−空の比重瓶の重量
− 試料の重量=試料を含む比重瓶の重量−空の比重瓶の重量
− 試料の比重=(試料の重量)/(水の重量)
が含まれた。
LTS、0.3%の構成された溶液の化学的及び物理的安定性
LTS、0.3%の構成された溶液の調製は、バイアル1中に、3.000−gの不活性溶液を加えることによって行った。0、4、8、24及び48時間の時点で、バイアル1の全内容物を、シリンジ及びニードルを使用して、ろ過して又はろ過せずに、新しいバイアル中に移した。試料の複製を3つ調製し、各時点について評価した。試料を光から遠ざけて貯蔵し、暗室の温度を48時間にわたって記録した。48時間後、化学分析のために、試料を送った。比重の結果は、表42に示されているデータに基づいて、以下の通りであった。
− LTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、配合物CUG−1=0.85
− LTS、0.3%の構成された溶液=0.93
− LTS、0.3%媒体、配合物PCTK−1=0.94
LTS、0.3%の構成された溶液の調製は、バイアル1中に、3.000−gの不活性溶液を加えることによって行った。0、4、8、24及び48時間の時点で、バイアル1の全内容物を、シリンジ及びニードルを使用して、ろ過して又はろ過せずに、新しいバイアル中に移した。試料の複製を3つ調製し、各時点について評価した。試料を光から遠ざけて貯蔵し、暗室の温度を48時間にわたって記録した。48時間後、化学分析のために、試料を送った。比重の結果は、表42に示されているデータに基づいて、以下の通りであった。
− LTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、配合物CUG−1=0.85
− LTS、0.3%の構成された溶液=0.93
− LTS、0.3%媒体、配合物PCTK−1=0.94
化学的及び物理的安定性
LTS、0.3%不活性溶液及び活性溶液を、実施例14に記載されているように調製した。LTS、0.3%の構成された溶液を含有するバイアル1を、48時間にわたって、ろ過して又はろ過せずに、新しいバイアル中に移した。試験を実施した暗室の温度を、48時間の間に複数回記録した。すべての試料を光から遠ざけて貯蔵した。これらの試験の結果を、表43、44及び45に示す。
LTS、0.3%不活性溶液及び活性溶液を、実施例14に記載されているように調製した。LTS、0.3%の構成された溶液を含有するバイアル1を、48時間にわたって、ろ過して又はろ過せずに、新しいバイアル中に移した。試験を実施した暗室の温度を、48時間の間に複数回記録した。すべての試料を光から遠ざけて貯蔵した。これらの試験の結果を、表43、44及び45に示す。
結論
LTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、CUG−1は、0.85の比重を有しており;バイアル1活性溶液(CUF−1)及びバイアル2不活性溶液(CUG−1)を混合することから得られた、LTS、0.3%の構成された溶液は、0.93の比重を有しており;LTS、0.3%媒体、コードPCTK−1は、0.94の比重を有していた。レムテポルフィン内容物は、6.000−gLTS、0.3%の構成された溶液の新規な製剤形態中で、物理的及び化学的に安定であった。48時間にわたる周囲温度での安定性試験中に、ろ過した試料又はろ過しなかった試料中のレムテポルフィン内容物に重要な変化は見られなかった。レムテポルフィン関連の化合物は、安定性試験中に変化しなかった。
LTS、0.3%不活性溶液(バイアル2)、CUG−1は、0.85の比重を有しており;バイアル1活性溶液(CUF−1)及びバイアル2不活性溶液(CUG−1)を混合することから得られた、LTS、0.3%の構成された溶液は、0.93の比重を有しており;LTS、0.3%媒体、コードPCTK−1は、0.94の比重を有していた。レムテポルフィン内容物は、6.000−gLTS、0.3%の構成された溶液の新規な製剤形態中で、物理的及び化学的に安定であった。48時間にわたる周囲温度での安定性試験中に、ろ過した試料又はろ過しなかった試料中のレムテポルフィン内容物に重要な変化は見られなかった。レムテポルフィン関連の化合物は、安定性試験中に変化しなかった。
これまでに、本発明の主題が十分に説明されているため、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、過度の実験を用いることなく、同じことを広範囲の等価なパラメータ、濃度及び条件の中で行うことができることが、当業者によって認識される。本開示は、その特定の実施形態と関連して記載されているが、さらなる改変をすることができることが理解される。本出願は、一般に本開示の原理に従い、本開示が属する技術分野の範囲内で知られている又は慣例的な実施の範囲内に入るような及び先に示した本質的な特徴に適用され得るような本開示からの逸脱を含む、本開示の任意の変更、使用又は適応に及ぶことを意図する。
Claims (27)
- 光線感作物質を皮脂腺に局在化させるのに有用な医薬組成物であって、周囲温度で過飽和状態の光線感作物質を含む光増感成分、1又は2以上の溶媒、及びジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)で構成された製剤を含み、
前記光線感作物質が、前記医薬組成物中に約0.1%〜約0.4%の最終濃度(w/w)で存在する緑色ポルフィリンであり、
前記1又は2以上の溶媒が、前記医薬組成物中に、約5%〜約55%の最終濃度(w/w)で存在するベンジルアルコールと、約25%〜約60%の最終濃度(w/w)のイソプロパノール(IPA)とを含み、
前記DGMEが、約15%及び約35%の最終濃度(w/w)で存在し、
前記構成された製剤が、
a)ベンジルアルコール中に溶解されている約0.5%〜1.5%の初期濃度(w/w)で存在する緑色ポルフィリンの第1の溶液と、
b)前記医薬組成物中に、約15%〜約40%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約0%〜約30%及び約40%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、並びに約30%〜約70%の初期濃度(w/w)で存在するイソプロパノール(IPA)を含む希釈剤成分の第2の溶液と
を組み合わせることによって形成されたものであり、
構成された溶液中の前記光線感作物質の濃度が、周囲温度で過飽和状態である、前記医薬組成物。 - 構成された製剤が、少なくとも4時間、物理的に安定である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 希釈剤成分が、4.0%〜6.0%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、2.5%〜3.0%の初期濃度(w/w)で存在するメントール、0.5%〜1.5%の最終濃度(w/w)で存在するサリチル酸メチル、及び0.25%〜0.60%の最終濃度(w/w)で存在するポリソルベート80を任意に追加的に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- (a)緑色ポルフィリンの第1の溶液が、ベンジルアルコール中に約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィンを含み、
(b)希釈剤成分が、約35.6%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約54.39%の初期濃度(w/w)で存在するIPA、約5.56%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、約2.78%の初期濃度で存在するメントール、約1.11%の初期濃度で存在するサリチル酸メチル、及び約0.56%の初期濃度で存在するポリソルベート80を含む、請求項1に記載の医薬組成物。 - (a)緑色ポルフィリンの第1の溶液が、約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.00%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含み、
(b)希釈剤成分が、約24.30%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、28.55%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、及び約47.15%の初期濃度(w/w)で存在するIPAを含む、請求項1に記載の医薬組成物。 - (a)緑色ポルフィリンの第1の溶液が、約0.60%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.40%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含み、
(b)希釈剤成分が、約34.00%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、及び約66.00%の初期濃度(w/w)で存在するIPAを含む、請求項1に記載の医薬組成物。 - 緑色ポルフィリンがレムテポルフィンである、請求項1に記載の医薬組成物。
- それを必要とする対象におけるざ瘡を治療する方法に使用するための請求項1に記載の医薬組成物であって、前記方法が、治療有効量の前記医薬組成物を、ざ瘡病変を有する前記対象の皮膚の患部に適用するステップと、緑色ポルフィリンの少なくとも一部が前記患部の皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、前記緑色ポルフィリンを活性化することができる波長での光エネルギーに、前記対象の前記皮膚を曝すステップとを含む、前記医薬組成物。
- 油性肌の患部を有する対象の皮膚における皮脂腺の皮脂排出率を低減するための方法に使用するための請求項1に記載の医薬組成物であって、前記方法が、治療有効量の前記医薬組成物を、前記患部に適用するステップと、前記医薬組成物の少なくとも一部が前記皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、前記対象の前記皮膚を曝すステップとを含む、前記医薬組成物。
- 請求項1に記載の医薬組成物を調製する方法であって、緑色ポルフィリン及びベンジルアルコールを含む光増感成分を有する第1のバイアルと、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)及びイソプロパノール(IPA)を含み、且つ任意にベンジルアルコールを含む希釈剤成分を有する第2のバイアルとを混合するステップを含み、前記医薬組成物が、約0.1%〜約0.4%の前記緑色ポルフィリン、約5%〜約55%の前記ベンジルアルコール、約7%〜約25%の前記DGME、及び約25%〜約60%の前記IPAの最終濃度(w/w)を有する、前記方法。
- a)第1のバイアルが、ベンジルアルコール中に約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィンを含む緑色ポルフィリンの溶液を含み、
b)第2のバイアルが、約35.6%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、約54.39%の初期濃度(w/w)で存在するIPA、約5.56%の初期濃度(w/w)で存在するオレイルアルコール、約2.78%の初期濃度で存在するメントール、約1.11%の初期濃度で存在するサリチル酸メチル、及び約0.56%の初期濃度で存在するポリソルベート80の溶液を含む、請求項10に記載の方法。 - a)第1のバイアルが、約1.00%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.00%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む緑色ポルフィリンの溶液を含み、
b)第2のバイアルが、約24.30%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、28.55%の初期濃度(w/w)で存在するベンジルアルコール、及び約47.15%の初期濃度(w/w)で存在するIPAの溶液を含む、請求項10に記載の方法。 - a)第1のバイアルが、約0.60%の初期濃度(w/w)で存在するレムテポルフィン、及び約99.40%の濃度(w/w)のベンジルアルコールを含む緑色ポルフィリンの溶液を含み、
b)第2のバイアルが、約34.00%の初期濃度(w/w)で存在するDGME、及び約66.00%の初期濃度(w/w)で存在するIPAの溶液を含む、請求項10に記載の方法。 - 緑色ポルフィリンがレムテポルフィンである、請求項10に記載の方法。
- 油性肌の領域を有する対象の皮膚における皮脂腺の皮脂排出率を低減するための方法であって、
(a)治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を、前記対象の前記皮膚上の患部に適用するステップと、
(b)光線感作物質の少なくとも一部が前記皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、
(c)前記光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、前記対象の前記皮膚を曝すステップと
を含む前記方法。 - 光線感作物質が緑色ポルフィリンである、請求項15に記載の方法。
- 緑色ポルフィリンがレムテポルフィンである、請求項16に記載の方法。
- 対象の患部を乾熱で前処置した後に、組成物を適用する、請求項15に記載の方法。
- 光線感作物質が局在化するのに与えられる時間が、1〜2時間である、請求項15に記載の方法。
- 光エネルギー曝露が、37.5〜300J/cm2の範囲である、請求項15に記載の方法。
- それを必要とする対象におけるざ瘡を治療する方法であって、治療有効量の請求項1〜9のいずれかに記載の光線感作物質組成物を、ざ瘡病変を有する対象の皮膚の患部に適用するステップと、前記光線感作物質の少なくとも一部が前記患部の皮脂腺中に局在化するのに十分な時間を与えるステップと、前記光線感作物質を活性化することができる波長での光エネルギーに、前記対象の前記皮膚を曝すステップとを含む前記方法。
- 対象が、炎症性のざ瘡病変、非炎症性のざ瘡病変、又は炎症性及び非炎症性の両方の病変を有する、請求項21に記載の方法。
- 光線感作物質が緑色ポルフィリンである、請求項21に記載の方法。
- 緑色ポルフィリンがレムテポルフィンである、請求項23に記載の方法。
- 対象の患部を乾熱で前処置した後に、組成物を適用する、請求項21に記載の方法。
- 光線感作物質が局在化するのに与えられる時間が、1〜2時間である、請求項21に記載の方法。
- 光エネルギー曝露が、37.5〜300J/cm2の範囲である、請求項21に記載の方法。
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