JP2015520178A - 癌の処置における使用のための方法及び医薬的組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌の処置における使用のためのアミノ酸配列:KRFYVVMWKK(配列番号1)又はその機能保存的変異体を含む可溶性ペプチドに関する。本発明は、また、本発明に従った少なくとも1つの可溶性ペプチド又は本発明に従った少なくとも1つの核酸又は本発明に従った少なくとも1つの発現ベクター、又は本発明に従った少なくとも1つの宿主細胞及び医薬的に許容可能な担体を含む、癌の処置における使用のための医薬的組成物に関する。

Description

発明の属する技術分野
本発明は、癌の処置における使用のためのアミノ酸配列:KRFYVVMWKK(配列番号1)又はその機能保存的変異体を含む可溶性ペプチドに関する。
本発明は、また、本発明に従った少なくとも1つの可溶性ペプチド又は本発明に従った少なくとも1つの核酸又は本発明に従った少なくとも1つの発現ベクター、又は本発明に従った少なくとも1つの宿主細胞及び医薬的に許容可能な担体を含む、癌の処置における使用のための医薬的組成物に関する。
発明の背景
癌は、悪性新生物であり、種々の疾患の広い群であり、全てが無秩序な細胞成長を含む。2007年には、癌は、世界中の全てのヒトの死亡の約13%(790万)の原因となった。率は、より多くの人々が老齢まで生きるにつれて、及び、大衆のライフスタイルの変化が開発途上世界において生じるにつれて、上昇している。
特に、慢性リンパ性白血病(CLL)は、西洋諸国において最も一般的な成人白血病であり、末梢血液、骨髄、及び二次リンパ器官におけるモノクローナルCD5+Bリンパ球の進行性の蓄積により特徴付けられる。結果として生じる鬱血は、免疫系及び造血系の進行性の不全に導く。CLL進行の予測的な高リスク特質は、17p13(TP53)及び11q22−q23(ATM)の細胞遺伝学的特長の変異/欠失、IGHV非変異状態、ZAP70の高発現、CD38、可溶性CD23増加、ならびにNOTCH1、MYD88、BIRC3、XPO1、KLHL6、SF3B1、及びPOT1遺伝子における現在試験され、依然として検証されていない変異を含む[Gribben JG, 2010;Lanasa MC, 2010及びChiorazzi N. et al., 2005]。ATM及びTP53遺伝子に関連する機能障害を伴う患者は、同種間幹細胞移植を含む特定の積極的治療を要求する最も不良な予後を有する[Pospisilova N, 2012]。CLLの特徴は;(i)不治である。なぜなら、全ての患者が最終的に再発するからである。現在の処置の選択肢への疾患の耐性を強調する。(ii)まだ非最適な既存の処置への応答に関して非常に異質な疾患。(iii)薬物耐性は、CLLにおける処置の失敗ならびに疾患の長期の自然経過及び反復処置に起因するその不可避な運命の主要な原因のままであり、関連する社会及び健康問題を作る。(iv)主に高齢者に影響し、大半の年齢に関連する癌のパラダイム例と考えられる。(v)処置への応答の予測的で頑強な特異的マーカーは、依然として不足しているが、リスクに適応し、個人化した処置を実施し、コストを最小限にしながら臨床的利益を最大化するために、緊急に必要とされる。
この悪性腫瘍の発生についての直接的の原因は、完全には理解されていないが、CLLが、増殖とプログラム細胞死(PCD)の間での不均衡により起こされるヒト悪性腫瘍の完璧な例を表すことが、現在、十分に実証されている[Chiorazzi N, 2007]。このように、白血病性CLL細胞の寿命を調節するPCD機構のより良い理解によって、この白血病における治療的介入のための重要な進歩が提供されるはずである。
PCDは、定型的な超微細構造の変化(ミトコンドリア変化、核及び細胞質の凝縮、膜小疱形成、及びホスファチジルセリンの外部呈示を含む)により特徴付けられる自己破壊プロセスである。過去10年間において実施された集中的な研究によって、PCDの変調において含まれる多数の酵素及び他の調節タンパク質が同定されてきた。これらの試験では、大半の場合において、システインプロテアーゼ(カスパーゼとして公知である)のファミリーが活性化された場合、PCDが生じると結論付けられる。カスパーゼアクチベーターの使用を通じたアポトーシスの誘導は、理論的には、癌のための処置を構成しうるため、初期のアポトーシス促進抗癌治験では、カスパーゼ活性に焦点が当てられてきた。残念ながら、これらの試験の大半が、それらの低い効力のため、依然として前臨床開発中にある。部分的には、これは、カスパーゼカスケードが遮断された場合でさえ、PCDが進むことができるとの事実に起因しうる。この事実によって、カスパーゼ非依存性として定義される代替経路の存在が明らかにされている。カスパーゼ非依存性PCD経路の包括的な分析によって、従って、CLL及び他の腫瘍性疾患に対する治療的戦略の設計において新たな挑戦が提供される。
上に示した通り、薬物耐性が、CLLにおける処置の失敗の主要な原因のままである。実際には、現在の治療は、いくつかの副作用について責任があり、最終的には、大半の患者の幸福(生存率ではない場合)に影響しうる処置に関連する障害の出現を増加させる。今までは、治療の目標は、最善の生活の質を維持し、患者が彼らの疾患から症候性になった場合にだけ、処置を開始することであった。大多数の患者について、これは、疾患の進行の速度を決定し、症状の発生を評価するための「様子見(wait−and−see)」アプローチに従うことを意味する。CLL患者のための初期処置には、ヌクレオシド類似体(フルダラビン)又はアルキル化薬剤(クロラムブシル)のいずれかが含まれてきた。この初期アプローチは、組み合わせレジメン、例えばフルダラビン及びシクロホスファミド(FC)など、又は、より最近では、標準的な最先端治療として受け入れられている、FC(FCR処置)へのリツキシマブの追加により改善されてきた。代替処置が、耐性患者のために又は再発において開発されてきた(例えばベンダムスチン、プロテアソーム阻害剤、又はモノクローナル抗体(抗CD52、最適化された抗CD20、抗CD23など)など)。
現在の臨床治験に関して、より関連するのは、モノクローナル抗体(GA101、ルミリキシマブ、ルカツムマブ)、BH3模倣物(オバトクラックス、ABT−263)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(フラボピリドール、SNS−032)、Lynキナーゼ阻害剤(ダサチニブ、バフェチニブ)、低メチル化薬剤(アザシチジン、デシタビン)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(パロビナスタト(parobinastat))、プリン類似体(8クロロアデノシン、フォロデシン)、及び小モジュラー免疫薬剤(TRU−016)の使用である。B細胞受容体ライゲーション後に下流のシグナル伝達を阻害する分子は、異なる標的で相互作用する新規の経口薬剤(ホスファチジルイノシトール3キナーゼ阻害剤(CAL−101)、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)(PCI−32765)、及び脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤(ホスタミチニブ(fostamitinib)を含む)である。
上に記載する化学療法的な処置の大半によって、カスパーゼ依存性機構を介した細胞傷害性が誘導され(上を参照のこと、ページ2)、かなり可変の転帰を伴い、多くの患者が、陽性反応を有するのに対し、他は難治性のままである(CLL患者の15〜25%が、疾患の経過の間に難治性になる)。実際に、白血病性B細胞は、それらを、カスパーゼ依存性PCD経路(p53不活化、抗アポトーシス性タンパク質、例えばMcl−1又はBcl−2などの過剰発現)に特に耐性にする分子欠損を提示するため、CLL患者の有意な群が、現在の化学療法的な処置に難治性である。その理由のため、代替のカスパーゼ非依存性PCD経路を介してPCDを誘導する新たな薬物の導入によって、CLL処置において使用される現在の治療的戦略を改善する新たな手段が提供されうる。
CD47受容体は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの広く発現されるメンバーであり、トロンボスポンジン−1(TSP−1)についての受容体として、ならびに膜貫通シグナル調節タンパク質SIRPα及びγについてのリガンドとして機能する[Brown EJ et al., 2001]。これらの分子は、免疫系における種々の生物学的現象(血小板活性化、白血球遊走、マクロファージ多核化、及びPCDを含む)を調節する。SIRPα又はSIRPγのいずれもCD47誘導性PCDに関与しておらず、TSP−1(そのCOOH末端細胞結合ドメインを介してCD47に特異的に結合することが示されている)とは対照的である。多くの癌は、免疫回避の機構として、CD47を上方制御するように見え、最近の研究では、CD47は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の異なる型(CLLを含む)における予後因子及び潜在的な治療的標的であることが示された[Edris, B et al., 2012;Willingham, S.B et al., 2012;Chao, M.P et al., 2010;Jaiswal, S et al., 2009及びChao, M.P et al., 2011]。本発明者及び他は、最近、CD47ライゲーション(固定化抗CD47 mAbによる(可溶性抗CD47によらない))によって、難治性患者からのCLL細胞中でさえ、カスパーゼ非依存性PCDが誘導されることを実証している[Mateo V et al., 1999;Roue G et al., 2003;Barbier S et al., 2009;Merle-Beral H et al., 2009;Bras M et al., 2007;Mateo V et al., 2002]。
発明の概要:
本発明者らは、4N1K(配列番号1)(TSP−1のC末端ドメインを模倣する可溶性の一価デカペプチド)によるCD47ライゲーションによって、B慢性リンパ球性白血病(CLL)初代細胞においてカスパーゼ非依存性PCDが誘導されることを実証する。誘導されたPCDに固定化される必要のある抗CD47 mAbに反して、可溶性4N1Kペプチドは、カスパーゼ非依存性PCDを誘導するために、プラスチック上にコートする必要はない。ネガティブコントロールペプチド4NGG(配列番号2−2つのアミノ酸において変異した4N1K−)は、PCDを誘導することはできず、4N1K PCD誘導の特異性を知らせる(図1)。さらに、4N1K及びその誘導体PKHB1によるCD47ライゲーションによって、CLL患者から、白血病性B細胞が排除され、健常なBリンパ球又は休止正常B細胞はされず(図2、5、及び6)、カスパーゼ依存性PCDよりも良い、死を誘導する手段を表す(死のこの形態は、17p13又は11q22−q23上に欠失を持つ薬物難治性の個人からのCLL細胞においてでさえ効果的である:ATM/TP53不活化、図2)。インビボでのマウス試験では、白血病性細胞においてPCDを誘導する際での、このペプチド戦略の特異性が完全に確認される(図7及び8)。
このように、本発明は、癌の処置における使用のためのアミノ酸配列:KRFYVVMWKK(配列番号1)又はその機能保存的変異体を含む可溶性ペプチドに関する。
本発明は、また、本発明に従った少なくとも1つの可溶性ペプチド又は本発明に従った少なくとも1つの核酸又は本発明に従った少なくとも1つの発現ベクター、又は本発明に従った少なくとも1つの宿主細胞及び医薬的に許容可能な担体を含む、癌の処置における使用のための医薬的組成物に関する。
発明の詳細な説明:
ペプチド及びその使用
本発明の第1の目的は、癌の処置における使用のためのアミノ酸配列:KRFYVVMWKK(配列番号1)又はその機能保存的変異体を含む可溶性ペプチドに関する。
本発明は、また、本明細書において上に記載する通りの、配列番号1を含む可溶性ペプチドの機能保存的変異体であるペプチドを包含する。
一実施態様において、本発明に従った可溶性ペプチドは、1、2、又は3アミノ酸、配列番号1と異なりうる。
別の実施態様において、本発明に従った可溶性ペプチドは、4又は5アミノ酸、配列番号1と異なりうる。
一実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、前記の配列番号1にわたる少なくとも75%同一性、さらにより好ましくは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%を含み、依然として、腫瘍細胞増殖を減少させることができる、又は、依然として、腫瘍細胞においてPCDを誘導することができる。
一実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、配列番号1において示す通りのアミノ酸配列又は配列番号1と少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%同一性を含むその変異体にあり、依然として、腫瘍細胞増殖を減少させることができる、又は、依然として、腫瘍細胞においてPCDを誘導することができる。
新たに生成された可溶性ペプチドが、最初に特徴付けられたペプチド4N1Kと同じ型のカスパーゼ非依存性PCDを誘導するか否かを検証するために、フローサイトメトリー分析(例えば、図2において記載する通り)を、各々のペプチドを用いて実施してもよい。カスパーゼ阻害剤Z−VAD.fmkを伴う/伴わない処置において得られた結果の比較によって、4N1K由来ペプチドにより誘導された細胞死の様式が、カスパーゼ非依存性であることが確証されうる。加えて、異なる腫瘍細胞において実施された時間経過及び用量応答によって、各々のペプチド及び各々の悪性細胞型のための最適な条件が決定されうる。
本発明の一実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む50未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本発明の別の実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む45未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本発明の別の実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む40未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本発明の別の実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む30未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本発明の別の実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む20未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本発明の別の実施態様において、前記の可溶性ペプチドは、本明細書で上に定義する通りの、アミノ酸配列配列番号1を含む15未満のアミノ酸長のアミノ酸配列である。
本明細書において使用する通り、用語「機能保存的変異体」は、タンパク質又は酵素中の所与のアミノ酸残基が、ペプチドの全体的な立体構造を及び機能を変えることなく、変化(挿入、欠失、又は置換)されているものを指す。そのような変異体は、アミノ酸変化(例えば欠失、挿入、及び/又は置換など)を有するタンパク質を含む。「欠失」は、タンパク質中での1つ又は複数のアミノ酸の非存在を指す。「挿入」は、タンパク質中でのアミノ酸の1つ又は複数の付加を指す。「置換」は、タンパク質中での、1つ又は複数のアミノ酸の、別のアミノ酸残基による交換を指す。典型的には、所与のアミノ酸は、同様の特性(例えば、極性、水素結合ポテンシャル、酸性、塩基性、疎水性、芳香族など)を有するアミノ酸により交換される。この所与のアミノ酸は、天然アミノ酸又は非天然アミノ酸でありうる。保存されているとして示されるアミノ酸以外のアミノ酸は、同様の機能の任意の2つのタンパク質間でのパーセントのタンパク質又はアミノ酸配列類似性が変動しうるように、又は、例えば、アライメントスキーム(例えばクラスター方法による、など)に従って決定される通りに70%〜99%でありうる(それにおいて類似性は、MEGALIGNアルゴリズムに基づく)ようにタンパク質において異なりうる。「機能保存変異体」は、また、BLAST又はFASTAアルゴリズムにより決定される通り、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、及びさらにより好ましくは少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、それらは、それと比較される天然又は親タンパク質と同じ又は実質的に同様の特性又は機能を有する。2つのアミノ酸配列は、より短い配列の全長にわたり、アミノ酸の80%より大きく、好ましくは85%より大きく、好ましくは90%より大きく同一である、又は、90%より大きく、好ましくは95%より大きく同様である(機能的に同一である)場合、「実質的に相同」又は「実質的に同様」である。好ましくは、同様の又は相同な配列は、アラインメントにより、例えば、GCG(Genetics Computer Group, Program Manual for the GCG Package, Version 7, Madison, Wisconsin)パイルアッププログラム、又は配列比較アルゴリズム(例えばBLAST、FASTAなど)のいずれかを使用して同定する。
典型的には、本発明は、配列番号1を含む可溶性ペプチドと実質的に同一である可溶性ペプチドを包含し、それにおいて、1つ又は複数の残基が、機能的に同様の残基を用いて保存的に置換されており、それは、本明細書において上に記載する通りの、配列番号1を含む可溶性ペプチドの機能的局面を表示し、即ち、依然として、所与のアミノ酸配列からなるペプチドと実質的に同じ方法で腫瘍細胞増殖を減少することができる。
保存的置換の例は、1つの非極性(疎水性)残基(例えばイソロイシン、バリン、ロイシン、又はメチオニンなど)の、別での置換、1つの極性(親水性)残基の、別での置換(例えばアルギニンとリジンの間、グルタミンとアスパラギンの間、グリシンとセリンの間など)、1つの塩基性残基(例えばリジン、アルギニン、又はヒスチジンなど)の、別での置換、又は1つの酸性残基(例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸又は別のものなど)の置換を含む。
用語「保存的置換」は、また、非誘導体化残基の代わりに、化学的誘導体化残基の使用を含む。「化学的誘導体」は、機能的な側基の反応により化学的に誘導体化された1つ又は複数の残基を有する被験ペプチドを指す。そのような誘導体化分子の例は、例えば、遊離アミノ基が誘導体化され、アミン塩酸塩、pトルエンスルホニル基、カルボベンゾキシ基、tブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基、又はホルミル基を形成するそれらの分子を含む。遊離カルボキシル基を誘導体化し、塩、メチルエステル及びエチルエステル又は他の型のエステルもしくはヒドラジドを形成しうる。遊離ヒドロキシル基は、誘導体化され、Oアシル又はOアルキル誘導体を形成しうる。ヒスチジンのイミダゾール窒素は、誘導体化され、N−im−ベンジルヒスチジンを形成しうる。化学的誘導体は、また、20の標準的アミノ酸の1つ又は複数の自然に生じるアミノ酸誘導体を含むペプチドを含む。例えば、4ヒドロキシプロリンは、プロリンについて置換してもよい;5ヒドロキシリジンは、リジンについて置換してもよい;3メチルヒスチジンは、ヒスチジンについて置換してもよい;ホモセリンは、セリンについて置換してもよい;及び、オルニチンは、リジンについて置換してもよい。用語「保存的置換」は、また、ペプチド又はタンパク質の二次構造を制御及び安定化することを目的とした非天然アミノ酸の使用を含む。これらの非天然アミノ酸は、化学的に修飾されたアミノ酸、例えばプロリノアミノ酸、ベータ−アミノ酸、Nメチルアミノ酸、シクロプロピルアミノ酸、アルファ、アルファ置換アミノ酸などであり、本明細書において下に記載する通りである。これらの非天然アミノ酸は、また、フッ素化、塩素化、臭素化、又はヨウ素化された修飾アミノ酸を含みうる。
一実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載される通りでありうる。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2及び3において記載する通りのPKHB1ペプチドである。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載する通りのPKHB3ペプチドである。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載する通りのPKHB4ペプチドである。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載する通りのPKHB9ペプチドである。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載する通りのPKHB10ペプチドである。
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、実施例2において記載する通りのPKHB11ペプチドである。
一実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、タグを含みうる。タグは、可溶性ペプチドの精製のために有用でありうるエピトープ含有配列である。それを、種々の技術(例えば親和性クロマトグラフィーなど)により、免疫標識技術を使用した細胞又は組織サンプル内での前記ペプチド又はポリペプチドの局在化、免疫ブロットなどによる前記ペプチド又はポリペプチドの検出のために、付着させる。当技術分野において一般的に用いられるタグの例は、GST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)タグ、FLAG(商標)タグ、Strepタグ(商標)、V5タグ、mycタグ、Hisタグなどである。
一実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、蛍光色素により標識されうる。色素標識蛍光ペプチドは、細胞試験において重要なツールである。ペプチドは、N末端側で又はC末端側で標識することができる。
アミン反応性蛍光色素を使用したN末端ペプチド標識:
アミン反応性蛍光プローブが、N末端のペプチド又はリジン残基を修飾するために広く使用される。多数の蛍光アミノ反応性色素が、種々のペプチドを標識するために開発されており、結果として得られた複合体は、生物学的適用において広く使用される。アミン反応性蛍光試薬の3つの主要なクラスが、現在、ペプチドを標識するために使用されている:スクシンイミジルエステル(SE)、イソチオシアネート、及び塩化スルホニル。
アミン含有蛍光色素を使用したC末端標識:
アミン含有色素を使用し、水溶性カルボジイミド(例えばEDCなど)を使用してペプチドを修飾し、ペプチドのカルボキシ基をアミド基へ変換する。NHS又はNHSSのいずれかを使用し、EDC媒介性タンパク質−カルボン酸複合体化の共役効率を改善してもよい。
4N1Kから由来する標識ペプチドは、以下の一般的な式を有する:
式中、X及び/又はYは、無あるいは水素及び/又はスペーサー及び/又は蛍光色素でありうる。
PKHB8(式(VII))は、この系列からのペプチドの例であって、式中、2つのベータ−アラニン残基及び蛍光色素(フルオレセイン)により形成されたスペーサーが、ペプチドのN末端側上に、リジン残基のアルファ−アミノ基上に導入されている:
別の実施態様において、本発明の可溶性ペプチドは、PKHB8ペプチドである。
特定の実施態様において、本発明の治療方法において使用される可溶性ペプチドは、それらの治療効力を改善するために修飾されうることが熟慮される。治療的化合物のそのような修飾を使用し、毒性を減少させる、循環時間を増加させる、又は体内分布を修飾させてもよい。例えば、潜在的に重要な治療的化合物の毒性を、体内分布を修飾する種々の薬物担体媒体の組み合わせにより有意に減少させることができる。
薬物バイアビリティーを改善するための戦略は、水溶性ポリマーの利用である。種々の水溶性ポリマーは、体内分布を修飾し、細胞取り込みの様式を改善し、生理学的バリアを通じて透過性を変化させ、及び身体からのクリアランスの速度を修飾することが示されている。標的化効果又は持続放出効果のいずれかを達成するために、末端基として、骨格の一部として、又はポリマー鎖上のペンダント基として薬物部分を含む水溶性ポリマーが合成されている。
ポリエチレングリコール(PEG)が、その高い程度の生体適合性及び修飾の容易さを前提として、薬物担体として広く使用されてきた。種々の薬物、タンパク質、及びリポソームへの付着が、滞留時間を改善し、毒性を減少させることが示されてきた。PEGを、鎖の末端のヒドロキシル基を通じて、及び、他の化学的方法を介して、活性薬剤に共役させることができる;しかし、PEG自体は1分子当たり多くて2つの活性薬剤に限定される。異なるアプローチにおいて、PEGとアミノ酸のコポリマーを、PEGの生体適合性の特性を保持しうるが、しかし、1分子当たりの多数の付着点(より大きな薬物負荷を提供する)という追加の利点を有しうる、種々の適用に適するように合成的に設計されうる、新規生体材料として探索した。
当業者は、薬物の効果的な修飾のためのPEG化技術を知っている。例えば、PEG及び三官能性単量体(例えばリジンなど)の交互ポリマーからなる薬物送達ポリマーが、VectraMed(Plainsboro, N.J.)により使用されてきた。PEG鎖(典型的には、2000ダルトン又はそれ以下)が、安定したウレタン連結を通じて、リジンのa及びeアミノ基に連結される。そのようなコポリマーは、PEGの望ましい特性を保持し、ポリマー鎖に沿った、厳密に制御された既定の間隔で反応性ペンダント基(リジンのカルボン酸基)を提供する。反応性ペンダント基を、誘導体化、架橋、又は他の分子との複合体化のために使用することができる。これらのポリマーは、ポリマーの分子量、PEGセグメントの分子量、及び薬物とポリマーの間での開裂可能な連結を変動させることにより、安定した長期循環プロドラッグを産生する際に有用である。PEGセグメントの分子量は、薬物/連結基錯体のスペーシング及び複合体の分子量当たりの薬物の量に影響を与える(より小さいPEGセグメントは、より大きな薬物負荷を提供する)。一般的には、ブロックコポリマー複合体の全体的な分子量を増加させることによって、複合体の循環半減期が増加する。それにもかかわらず、複合体は、容易に分解可能である、又は、閾値を限定する糸球体ろ過を下回る分子量(例、45kDa未満)を有しなければならない。
また、循環半減期及び体内分布を維持する際に重要であるポリマー骨格に、リンカーを使用し、特定の誘因、典型的には、標的組織中での酵素活性により、骨格ポリマーから放出されるまで、治療的薬剤をプロドラッグ形態中に維持してもよい。例えば、この型の組織活性化薬物送達は、体内分布の特定部位への送達が要求され、治療的薬剤が病変の部位で又はその近くで放出される場合に特に有用である。活性化薬物送達における使用のための連結基ライブラリーは、当業者に公知であり、酵素反応速度、活性酵素の保有率、及び選択した疾患特異的酵素の切断特異性に基づきうる(例、VectraMed, Plainsboro, N.J.により確立された技術を参照のこと)。そのようなリンカーは、治療的送達のための、本明細書において記載する可溶性ペプチド由来物を修飾する際に使用しうる。
本発明に従い、可溶性ペプチドは、従来の自動化されたペプチド合成方法により又は組換え発現により産生されうる。タンパク質を設計及び作製するための一般的な原則は、当業者に周知である。
本発明の可溶性ペプチドは、従来技術に従って、溶液中で又は固体支持体上で合成してもよい。種々の自動シンセサイザーが、商業的に利用可能であり、Stewart and Young;Tam et al., 1983;Merrifield, 1986 and Barany and Merrifield, Gross and Meienhofer, 1979において記載される通りの公知のプロトコールに従って使用することができる。本発明の可溶性ペプチドは、また、例示的なペプチドシンセサイザー(例えばApplied Biosystems Inc.からのモデル433Aなど)を用いた固相技術により合成されうる。任意の所与のタンパク質の純度(自動化されたペプチド合成を通じて又は組換え方法を通じて生成された)を、逆相HPLC分析を使用して決定してもよい。各々のペプチドの化学的信憑性は、当業者に周知の任意の方法により確立されうる。
自動化されたペプチド合成への代替物として、組換えDNA技術を用いてもよく、それにおいて、選んだタンパク質をコードするヌクレオチド配列を発現ベクター中に挿入し、適切な宿主細胞中に形質転換又はトランスフェクトし、発現のために適した条件下で培養する(本明細書において下に記載する通り)。組換え方法は、より長いポリペプチドを産生するために特に好ましい。
種々の発現ベクター/宿主系を利用し、ペプチド又はタンパク質をコードする配列を含み、発現させてもよい。これらは、しかし、限定しないが、微生物、例えば、組換えバクテリオファージ、プラスミド、又はコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換された細菌;酵母発現ベクター(Giga-Hama et al., 1999)を用いて形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例、バキュロウイルス、Ghosh et al., 2002を参照のこと)を用いて感染された昆虫細胞系;ウイルス発現ベクター(例、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)を用いてトランスフェクトされた又は細菌発現ベクター(例、Ti又はpBR322プラスミド;例、Babe et al., 2000を参照のこと)を用いて形質転換された植物細胞系;又は動物細胞系を含む。当業者は、タンパク質の哺乳動物発現を最適化するための種々の技術を知っている(例、Kaufman, 2000; Colosimo et al., 2000を参照のこと)。組換えタンパク質産生において有用である哺乳動物細胞は、しかし、限定しないが、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、COS細胞(例えばCOS−7など)、W138、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、及び293細胞を含む。細菌、酵母、及び他の無脊椎動物におけるペプチド基質又は融合ポリペプチドの組換え発現のための例示的なプロトコールが、当業者に公知であり、本明細書において下に簡単に記載される。米国特許第6,569,645号;米国特許第6,043,344号;米国特許第6,074,849号;及び米国特許第6,579,520号は、可溶性ペプチドの組換え産生についての特定の例を提供し、これらの特許は、本明細書において、それらの教示についての参照により明示的に組み入れられる。組換えタンパク質の発現のための哺乳動物宿主系が、また、当業者に周知である。宿主細胞株は、発現タンパク質をプロセシングする、又は、タンパク質活性を提供する際に有用であろう特定の翻訳後修飾を産生する特定の能力について選ばれうる。ポリペプチドのそのような修飾は、しかし、限定しないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、及びアシル化を含む。タンパク質の「プレプロ」形態を切断する翻訳後プロセシングは、また、正確な挿入、フォールディング、及び/又は機能のために重要でありうる。異なる宿主細胞(例えばCHO、HeLa、MDCK、293、WI38など)は、特定の細胞機構及びそのような翻訳後活性についての特徴的な機構を有し、導入された外来タンパク質の正確な修飾及びプロセシングを確実にするために選ばれうる。
本発明の可溶性ペプチド由来物の組換え産生において、可溶性ペプチド由来物をコードするためのポリヌクレオチド分子を含むベクターを用いることが必要であろう。そのようなベクターを調製し、ならびに、そのようなベクターを用いて形質転換された宿主細胞を産生する方法は、当業者に周知である。そのような努力において使用されるポリヌクレオチド分子をベクターに連結してもよく、それは、一般的に、宿主おいて伝播するための、選択可能マーカー及び複製起点を含む。発現コンストラクトのこれらのエレメントは、当業者に周知である。一般的に、発現ベクターは、適した転写又は翻訳調節配列(例えば、哺乳動物、微生物、ウイルス、又は昆虫の遺伝子から由来するものなど)に動作可能に連結されている所与のタンパク質をコードするDNAを含む。調節配列の例は、転写プロモーター、オペレーター、又はエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、ならびに転写及び翻訳を制御する適切な配列を含む。
用語「発現ベクター」、「発現コンストラクト」、又は「発現カセット」は、本明細書を通して互換的に使用され、遺伝子産物をコードする核酸を含む任意の型の遺伝子コンストラクトを含むことを意味し、それにおいて、配列をコードする核酸の部分又は全部を転写することが可能である。
本発明のペプチド又はポリペプチドの発現のための適した発現ベクターの選択は、もちろん、使用される特定の宿主細胞に依存し、当業者の技術の範囲内である。哺乳動物発現ベクターの構築のための方法は、例えば、Okayama and Berg, 1983;Cosman et al., 1986;Cosman et al., 1984;EP−A−0367566;及びWO 91/18982において開示されている。発現ベクターを産生するための他の考察が、例えば、Makrides et al., 1999;Kost et al., 1999において詳述されている。Wurm et al., 1999が、組換えタンパク質産生のための哺乳動物細胞における大規模な一過性発現における考察のための教示因子として、本明細書において組み入れられる。
発現は、適当なシグナルがベクター中に提供されることを要求する(例えば、宿主細胞において目的の核酸の発現を駆動するために使用されうるウイルス及び哺乳類の両方の供給源からのエンハンサー/プロモーターなど)。通常、発現される核酸は、プロモーターの転写制御下にある。「プロモーター」は、細胞の合成機構、又は導入された合成機構により認識されるDNA配列を指し、遺伝子の特異的な転写を開始するために要求される。ヌクレオチド配列は、調節配列が、目的のペプチド(即ち、4N1K、変異体など)をコードするDNAに機能的に関連する場合、動作可能に連結される。このように、プロモーターヌクレオチド配列は、プロモーターヌクレオチド配列が、配列の転写に向ける場合、所与のDNA配列に動作可能に連結される。
同様に、語句「転写制御下」は、プロモーターが、RNAポリメラーゼ開始及び遺伝子の発現を制御するための核酸に関して、正確な位置及び配向にあることを意味する。核酸の発現を駆動する任意のプロモーターを使用してもよい。目的の核酸配列の発現を制御するために用いられる特定のプロモーターは、それが標的細胞において核酸の発現に向けることが可能である限り、重要であるとは考えられない。このように、ヒト細胞を標的とする場合、核酸コード領域を、ヒト細胞において発現させることが可能であるプロモーターに隣接して及びその制御下に位置づけることが好ましい。一般的に言えば、そのようなプロモーターは、ヒトプロモーター又はウイルスプロモーターのいずれかを含みうる。一般的なプロモーターは、例えば、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)最初期遺伝子プロモーター、SV40初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復、[ベータ]−アクチン、ラットインスリンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼプロモーター、及びグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターを含み、それらの全てが、当業者に周知であり、容易に利用可能であり、目的のコード配列の高レベル発現を得るために使用することができる。目的のコード化配列の発現を達成するための、当技術分野において周知である他のウイルス又は哺乳動物細胞又は細菌ファージのプロモーターの使用も、発現のレベルが目的のタンパク質の回収可能収率を産生するために十分であるという条件で、熟慮される。周知の特性を伴うプロモーターを用いることにより、トランスフェクション又は形質転換に続く目的のタンパク質の発現のレベル及びパターンを最適化することができる。誘導性プロモーターも使用してもよい。
タンパク質発現において使用される別の調節エレメントは、エンハンサーである。これらは、DNAの同一分子上の遠い位置に位置づけられるプロモーターからの転写を増加させる遺伝子エレメントである。発現コンストラクトにcDNAインサートを用いる場合、典型的には、遺伝子転写物の適当なポリアデニル化をもたらすためのポリアデニル化シグナル配列を含むことが望まれるであろう。選択したトランスジェニック動物種の細胞により認識される任意のポリアデニル化シグナル配列は、本発明の実行のために適している(例えばヒト又はウシ成長ホルモン及びSV40ポリアデニル化シグナルなど)。
核酸、ベクター、組換え宿主細胞、及びそれらの使用
本発明の別の目的は、癌の防止又は処置における使用のための、本明細書において上に記載する通りの、配列番号1を含むアミノ酸配列又はその機能保存的変異体をコードする核酸に関する。
一実施態様において、配列番号1からなるアミノ酸配列をコードする前記核酸。
本発明の核酸は、当技術分野においてそれ自体が公知の任意の技術、例えば、限定を伴わず、任意の化学的、生物学的、遺伝的、又は酵素的技術などの単独又は組み合わせのいずれかにより産生されうる。
本発明の別の目的は、癌の防止又は処置における使用のための、本明細書において上に記載する通りの、配列番号1を含むアミノ配列又はその機能保存的変異体をコードする核酸配列を含む発現ベクターである。
本発明に従い、本発明における使用のために適した発現ベクターは、核酸配列に操作的に連結された少なくとも1つの発現制御エレメントを含みうる。発現制御エレメントをベクター中に挿入し、核酸配列の発現を制御及び調節する。発現制御エレメントの例は、しかし、限定しないが、lac系、ファージラムダのオペレーター領域及びプロモーター領域、酵母プロモーター、ならびにポリオーマ、アデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、又はSV40から由来するプロモーターを含む。追加の好ましい又は要求される操作エレメントは、しかし、限定しないが、リーダー配列、終止コドン、ポリアデニル化シグナル、及び宿主系における核酸配列の適切な転写及びその後の翻訳のために必要な又は好ましい任意の他の配列を含む。要求される又は好ましい発現制御エレメントの正確な組み合わせは、選ばれた宿主系に依存するであろうことが、当業者により理解されるであろう。発現ベクターは、宿主系における核酸配列を含む発現ベクターのトランスファー及びその後の複製のために必要な追加エレメントを含むはずであることが、さらに理解されるであろう。そのようなエレメントの例は、しかし、限定しないが、複製の起点及び選択可能マーカーを含む。そのようなベクターが、従来の方法を使用して簡単に構築される、又は商業的に利用可能であることは、当業者によりさらに理解されるであろう。
本発明の別の目的は、癌の防止又は処置における使用のための、本明細書において上に記載する通りの発現ベクターを含む宿主細胞である。
本発明に従い、使用してもよい宿主細胞の例は、真核細胞(例えば動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、及び酵母細胞など)及び原核細胞(例えば大腸菌など)である。遺伝子を運ぶベクターが細胞中に導入されうる手段は、しかし、限定しないが、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、形質導入、DEAEデキストラン、リポフェクション、リン酸カルシウム、又は当業者に公知の他の手順を使用したトランスフェクションを含む。
別の実施態様において、真核細胞において機能する真核生物発現ベクターが使用される。そのようなベクターの例は、しかし、限定しないが、ウイルスベクター(例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス;レンチウイルスなど)、細菌発現ベクター、プラスミド(例えばpcDNA3など)又はバキュロウイルストランスファーベクターを含む。好ましい真核細胞株は、しかし、限定しないが、COS細胞、CHO細胞、HeLa細胞、NIH/3T3細胞、293細胞(ATCC# CRL1573)、T2細胞、樹状細胞、又は単球を含む。
治療的方法
特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、副腎皮質癌、肛門癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳及び中枢神経系癌、乳癌、キャッスルマン疾患、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胆嚢癌、胃腸カルチノイド腫瘍、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭癌、肝癌、肺癌、中皮腫、形質細胞腫、鼻腔及び副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔及び中咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、膣癌、外陰癌、ならびに子宮癌からなる群より選択される癌の処置において有用でありうる。
別の特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、白血病及び特に急性リンパ芽球性白血病、B慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、成人T細胞白血病、T細胞型の前リンパ球性白血病又は骨髄性白血病の防止及び処置において有用でありうる。
一実施態様において、白血病はB慢性リンパ性白血病(CLL)である。
特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、難治性CLLの処置において有用でありうる。別の特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、非変異IGHV、複雑な核型、ならびに機能不全又は変異TP53、ATM、NOTH1、MYD88、XPO1、KLHL6、SF3B1、POT1、及びBIRC3 B細胞を含む、不良な予後を伴う難治性CLLの処置において有用でありうる。
本明細書において使用する通り、用語「難治性CLL」は、白血病に対して使用される一般的な処置に難治性であるCLLを表示する(ページ2〜3に記載される)。
特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、薬物耐性を許しうる内在性変異を提示する難治性CLL(例、TP53、ATM、NOTH1、MYD88、XPO1、KLHL6、SF3B1、POT1、及びBIRC3遺伝子における変異/欠失又はページ2及び3において記載する処置に難治性)の処置において有用でありうる。
特定の実施態様において、本発明の可溶性ペプチド、核酸、発現ベクター、又は宿主細胞は、一般的な処置(抗CD20、フルダラビン、又はクラドリビンなど)が作用していない難治性CLLの処置において有用でありうる。
本発明の別の目的は、それを必要とする被験者に、上に記載する通りの可溶性ペプチド又は本発明に従った核酸又は本発明に従った発現ベクター又は本発明に従った宿主細胞の治療的に効果的な量を投与することを含む、癌を処置するための方法に関する。
一局面において、本発明は、それを必要とする被験者に、配列番号1の可溶性ペプチド又は上に記載する通りのその機能保存的変異体の治療的に効果的な量を投与することを含む、癌を処置するための方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、それを必要とする被験者に、本発明に従った可溶性ペプチドの治療的に効果的な量を投与することを含む、癌を処置するための方法に関する。
本明細書において使用する通り、用語「治療的に効果的な量」は、被験者に治療的利益を与えるために必要である、活性薬剤の最少量について意図される。例えば、被験者への「活性薬剤の治療的に効果的な量」は、被験者に影響する疾患に関連付けられる病理学的症状、疾患進行、又は身体状態において改善を誘導する、回復する、又は起こす活性薬剤の量である。
本明細書において使用する通り、用語、障害又は状態を「処置する」は、そのような障害又は状態の1つ又は複数の症状のプロセスを逆転、緩和、又は阻害することを指す。
本明細書において使用する通り、用語「被験者」は、哺乳動物(例えば齧歯類、ネコ、イヌ、及び霊長類など)を表示する。好ましくは、本発明に従った被験者はヒトである。
医薬的組成物
本発明の別の目的は、癌の処置における使用のための医薬的組成物であって、以下を含む:
a)本発明に従った少なくとも1つの可溶性ペプチド;又は
b)本発明に従った少なくとも1つの核酸;又は
c)本発明に従った少なくとも1つの発現ベクター又は;
d)本発明に従った少なくとも1つの宿主細胞
e)及び医薬的に許容可能な担体。
一実施態様において、前記の医薬的組成物は、配列配列番号1を有する少なくとも1つの可溶性ペプチドを含む。
別の実施態様において、前記の医薬的組成物は、配列配列番号1を有するペプチドのその機能保存的変異体を含む。
さらに別の実施態様において、前記の医薬的組成物は、ペプチドPKHB1を含む。
上に記載する通りの、本発明の任意の治療的薬剤は、医薬的に許容可能な賦形剤、及び、場合により、持続放出マトリックス(例えば生物分解性ポリマーなど)と組み合わせて、治療的組成物を形成しうる。
「医薬的に」又は「医薬的に許容可能な」は、哺乳動物、特にヒトに投与した場合(適切な場合)、有害の、アレルギー性の、又は他の厄介な反応を産生しない分子実体及び組成物を指す。医薬的に許容可能な担体又は賦形剤は、非毒性の固体、半固体、もしくは液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、又は任意の型の製剤補助剤を指す。
医薬的組成物の形態、投与の経路、投与量及び投与計画は、自然に、処置される状態、疾病の重症度、患者の年齢、体重、及び性別などに依存する。
本発明の医薬的組成物を、局所、経口、鼻腔内、眼内、静脈内、筋肉内、又は皮下投与などのために製剤化することができる。
好ましくは、医薬的組成物は、注射することが可能な製剤用の医薬的に許容可能である賦形剤を含む。これらは、特に等張性の無菌生理食塩溶液(リン酸一ナトリウム又はリン酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム又は塩化マグネシウムなど、あるいはそのような塩の混合物)、又は乾燥した、特に凍結乾燥組成物でありうるが、それらは、場合に依存して、滅菌水又は生理学的食塩水の添加時に、注射用溶液の構成を許す。
投与のために使用される用量を、種々のパラメーターの関数として、特に、使用される投与の様式の、関連する病変の、又は、あるいは、処置の所望の持続期間の関数として適応することができる。
医薬的組成物を調製するために、本発明に従ったポリペプチド又は核酸の効果的な量を、医薬的に許容可能な担体又は水性媒質中に溶解又は分散させてもよい。
注射用の使用のために適した医薬的形態は、無菌水溶液又は分散剤;ゴマ油、ピーナッツ油、又は水性プロピレングリコールを含む製剤;及び無菌注射用溶液又は分散剤の即時調製のための無菌粉末を含む。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度まで液体でなければならない。それは、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、微生物(例えば細菌及び真菌など)の混入作用に対して保存されなければならない。
遊離塩基又は薬理学的に許容可能な塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(例えばヒドロキシプロピルセルロースなど)と適切に混合し、水中で調製することができる。分散剤は、また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、それらの混合物、及び油中で調製することができる。保存及び使用の普通の条件下では、これらの調製物は、微生物の成長を防止するための保存剤を含む。
本発明に従ったそのペプチド又は核酸は、中性又は塩の形態で組成物中に製剤化することができる。医薬的に許容可能な塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)を含み、それらは、無機酸、例えば、塩酸又はリン酸、あるいは酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸と形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩は、また、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、又は水酸化鉄など、及びイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から由来しうる。
担体は、また、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、その適した混合物、及び野菜油を含む溶媒又は分散媒質でありうる。適当な流動性は、例えば、コーティング(例えばレシチンなど)の使用により、要求される粒子サイズの維持により(分散剤の場合において)、及び界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌薬剤及び抗真菌薬剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によりもたらすことができる。多くの場合において、等張薬剤(例えば、糖又は塩化ナトリウム)を含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤の組成物(例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン)中での使用によりもたらすことができる。
無菌注射用溶液は、上に列挙する種々の他の成分を伴う適切な溶媒中に、要求される量で活性化合物を取り込ませることにより調製し、要求に応じて、ろ過滅菌が続く。一般的に、分散剤は、種々の滅菌活性成分を、基礎分散媒質及び上に列挙するものからの要求される他の成分を含む無菌賦形剤中に取り込ませることにより調製する。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合において、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥技術であり、それによって、活性成分+以前に無菌ろ過されたその溶液からの任意の追加の所望の成分の粉末がもたらされる。
直接注射用のより多くの、又は高度に濃縮された溶液の調製も熟慮され、そこでは、溶媒としてのDMSOの使用が、極めて迅速な浸透をもたらすことが想定され、高濃度の活性薬剤を、小さな腫瘍領域に送達する。
製剤化時に、溶液は、投与製剤と適合する様式で、治療的に効果的な量で投与されうる。製剤は、種々の投与形態(例えば上に記載する注射用溶液の型など)で容易に投与されるが、しかし、薬物放出カプセルなども用いることができる。
水溶液中での非経口投与のために、例えば、溶液は、適切に緩衝化し、液体希釈剤は、最初に、十分な生理食塩水又はグルコースを用いて等張にされうる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与のために特に適する。これに関連して、用いることができる無菌水性媒質は、本開示に照らして当業者に公知であろう。例えば、1投与量を、1mlの等張性NaCl溶液中に溶解し、1000mlの皮下注入液に加える又は提案された注入部位に注射しうる(例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences" 15th Edition, pages 1035-1038 and 1570-1580を参照のこと)。投与量におけるいくらかの変動が、処置されている被験者の状態に依存して必ず生じる。投与について責任のある人は、任意の事象において、個々の被験者のために適切な用量を決定する。
非経口投与(例えば静脈内又は筋肉内注射など)のために製剤化された化合物に加えて、他の医薬的に許容可能な形態は、例えば、経口投与のための錠剤又は他の固体;時間放出カプセル;及び現在使用されている任意の他の形態を含む。
一実施態様において、医薬的組成物は、本発明に従ったペプチド又はその変異体を安定的に発現する細胞を含みうる。例えば、医薬的組成物は、本発明のポリペプチドのペプチドを安定的に発現しているHEK293T細胞、又は本発明のペプチドを安定的に発現しているHCT116細胞を含みうる。細胞をアルギン酸ゲルビーズ中にカプセル化してもよく、Desille et al., 2001, 2002及びMahler et al., 2003において記載される通りである。このベクター化アプローチによって、本発明のポリペプチドの局在化された送達が可能になる。
本発明の組成物は、さらなる治療的活性薬剤を含んでもよい。本発明は、また、本発明に従ったポリペプチド又は核酸及びさらなる治療的活性薬剤を含むキットに関する。
一実施態様において、前記の治療的活性薬剤は抗癌剤である。例えば、前記の抗癌剤は、しかし、限定しないが、フルダラビン、ゲムシタビン、カペシタビン、メトトレキサート、タキソール、タキソテール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシウレア、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア、白金錯体(例えばシスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチンなど)、マイトマイシン、ダカルバジン、テノポシド、エトポシド、テニポシド、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、ドキソルビシン、エピムビシン(epimbicm)、5−フルオロウラシル、タキサン(例えばドセタキセル及びパクリタキセルなど)、ロイコボリン、レバミゾール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ナイトロジェンマスタード、BCNU、ニトロソウレア(例えばカルムスチン(carmustme)及びロムスチンなど)、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビンなど)、イマチニブメシラート(imatimb mesylate)、ヘキサメチレンアミン(hexamethyhnelamine)、トポテカン、キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、ATPアーゼ阻害剤、チルホスチン、プロテアーゼ阻害剤、阻害剤ハービマイシン(herbimycm)A、ゲニステイン、エルブスタチン、及びラベンダスチンAを含む。一実施態様において、追加の抗癌剤は、しかし、限定しないが、以下のクラスの薬剤の1つ又は組み合わせより選択されうる:アルキル化薬剤、植物性アルカロイド、DNAトポイソメラーゼ阻害剤、抗葉酸、ピリミジン類似体、プリン類似体、DNA代謝拮抗剤、タキサン、ポドフィロトキシン、ホルモン治療、レチノイド、光増感剤又は光線力学的治療、血管新生阻害剤、抗有糸分裂剤、イソプレニル化阻害剤、細胞周期阻害剤、アクチノマイシン、ブレオマイシン、アントラサイクリン、MDR阻害剤、及びCa2+ ATPase阻害剤。
追加の抗癌剤は、しかし、限定しないが、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、成長阻害因子、ホルモン、可溶性受容体、デコイ受容体、モノクローナル又はポリクローナル抗体、一特異性、二特異性、又は多特異性抗体、モノボディ(monobodies)、ポリボディ(polybodies)より選択されうる。
追加の抗癌剤は、しかし、限定しないが、成長因子又は造血因子(例えばエリスロポエチン及びトロンボポエチンなど)及びそれらの成長因子模倣物より選択されうる。
癌を処置するための本方法において、さらなる治療的活性薬剤は、制吐剤でありうる。適した制吐剤は、しかし、限定しないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエマノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート(dunenhydrinate)、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン(meclizme)、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン(thiefhylperazine)、チオプロペラジン、及びトロピセトロンを含む。特定の実施態様において、制吐剤は、グラニセトロン又はオンダンセトロンである。
別の実施態様において、さらなる治療的活性薬剤は、造血コロニー刺激因子でありうる。適した造血コロニー刺激因子は、しかし、限定しないが、フィルグラスチム、サルグラモスチム、モルグラモスチム、及びエポエチンアルファを含む。
さらに別の実施態様において、他の治療的活性薬剤は、オピオイド又は非オピオイド鎮痛剤でありうる。適したオピオイド鎮痛剤は、しかし、限定しないが、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、オキシモルフォン、オキシコドン、メトポン、アポモルフィン、ノミオイフィン、エトイプビン、ブプレノルフィン、メペリジン、ロペラミド(lopermide)、アニレジン、エトヘプタジン、ピミニジン、ベタプロジン、ジフェノキシレート、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、レミフェンタニル、レボルファノール、デキストロメトルファン、フェナゾドン、ペマゾシン、シクラゾシン、メタドン、イソメタドン、及びプロポキシフェンを含む。適した非オピオイド鎮痛剤は、しかし、限定しないが、アスピリン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム及びスリンダクを含む。
さらに別の実施態様において、さらなる治療的活性薬剤は、抗不安剤でありうる。適した抗不安剤は、しかし、限定しないが、ブスピロン、及びベンゾジアゼピン(例えばジアゼパム、ロラゼパム、オキサザパム、クロラゼペート、クロナゼパム、クロルジアゼポキシド、及びアルプラゾラムなど)を含む。
本発明を、さらに、以下の図面及び実施例により例証する。しかし、これらの実施例及び図面は、本発明の範囲を限定するものとして任意の方法で解釈すべきではない。
35人の異なるCLL患者(非変異IGHV、複雑な核型及び機能障害TP53又はATM遺伝子を含む、現在の治療法への内在性の耐性を伴う患者を含む)から単離されたB細胞を、固定化CD47 mAb(クローンB6H12)、可溶性TSP−1由来ペプチド4N1K(300μM)、又はネガティブ可溶性コントロールペプチド4NGG(2つのアミノ酸において変異した4N1K;配列:KRFYGGMWKK、配列番号2)の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。 (A)パネルCLL患者から又はコントロール志願者から単離されたB細胞を、50μMの広域カスパーゼ阻害剤z−VAD.fmkを用いてプレインキュベートし(1時間)又はせず、4N1K(300μM)又はネガティブコントロールペプチド4NGG(2つのアミノ酸において変異した4N1K;配列:KRFYGGMWKK、配列番号2)の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。***、p<0.001(CLL細胞及び正常B細胞における4N1Kへの異なる応答)。NS、カスパーゼ阻害剤ZVADを用いて処理された又はされていないCLL細胞の間での4N1K誘導性PCDにおける有意差はない。(B)CLL患者からのB細胞のパネルを、機能的P53活性により分析し、上の通りに、4N1Kの存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITCを用いて測定した。NS、機能的及び非機能的TP53を提示するCLL細胞の間での4N1KへのPCD応答における有意差はない。 (A)パネルCLL患者から又はコントロール志願者から単離されたB細胞を、50μMの広域カスパーゼ阻害剤z−VAD.fmkを用いてプレインキュベートし(1時間)又はせず、4N1K(300μM)又はネガティブコントロールペプチド4NGG(2つのアミノ酸において変異した4N1K;配列:KRFYGGMWKK、配列番号2)の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。***、p<0.001(CLL細胞及び正常B細胞における4N1Kへの異なる応答)。NS、カスパーゼ阻害剤ZVADを用いて処理された又はされていないCLL細胞の間での4N1K誘導性PCDにおける有意差はない。(B)CLL患者からのB細胞のパネルを、機能的P53活性により分析し、上の通りに、4N1Kの存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITCを用いて測定した。NS、機能的及び非機能的TP53を提示するCLL細胞の間での4N1KへのPCD応答における有意差はない。 4N1K(CD47)を用いて処理されていない(コントロール)又はインキュベートされたCLL細胞の電子顕微鏡写真。上パネルは、ミトコンドリア(MT)及びERの正常な形態の典型的な例を実証する。下パネルは、CD47 mAb処理細胞において観察されたミトコンドリア形態及びER拡張を示す。 4N1Kを用いたCD47刺激後のコントロール志願者(n=4;左)からのBリンパ球及び代表的なCLL患者(n=4;右)からのB細胞におけるTillフォトニクスによるFura−2 AMを用いて評価された遊離Ca2+動員。イオノマイシン(Iono)は、ポジティブコントロールとして使用されたが、モニターされたCa2+の最大値をシグナル化する。重要なことに、CLLにおいて、4N1Kにより誘導されたCa2+動員は、基礎レベルには戻らず(正常B細胞において観察された通り)、4N1K処理CLL細胞におけるカルシウム過負荷を明確に示した。 図2において描写するCLL患者からのB細胞の同じパネルを、上の通り、4N1KによるPCDの誘導に先立ち、カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いてプレインキュベートした又はしなかった。***、p<0.001。BAPTAを用いた処理によって、4N1K媒介性PCDが抑止されることに注意すること。 (A)CLL患者から単離されたB細胞を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは示した濃度での4N1K又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。データは、8つの非依存性の実験での平均値である。(B)同様の実験において、14人の異なるCLL患者(非変異IGHV、複雑な核型、及び機能異常TP53を伴う個人を含む)からのBリンパ球を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは4N1K(300μM)又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1(150μM)の存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITC標識により、フローサイトメーターにおいて測定した。(C)細胞死を、Aにおいて記載する通り、各々のCLL患者からフローサイトメトリーにより同定された4N1K又はPKHB1処理CD19+/CD5−(残存B細胞)及びCD19+/CD5+ Bリンパ球(CLL細胞)において決定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=8患者)。(D)細胞死を、細胞内カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いてプレインキュベートした又はしていない4N1K又はPKHB1処理CLL細胞におけるアネキシンV陽性染色により測定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=10患者)。 (A)CLL患者から単離されたB細胞を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは示した濃度での4N1K又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。データは、8つの非依存性の実験での平均値である。(B)同様の実験において、14人の異なるCLL患者(非変異IGHV、複雑な核型、及び機能異常TP53を伴う個人を含む)からのBリンパ球を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは4N1K(300μM)又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1(150μM)の存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITC標識により、フローサイトメーターにおいて測定した。(C)細胞死を、Aにおいて記載する通り、各々のCLL患者からフローサイトメトリーにより同定された4N1K又はPKHB1処理CD19+/CD5−(残存B細胞)及びCD19+/CD5+ Bリンパ球(CLL細胞)において決定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=8患者)。(D)細胞死を、細胞内カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いてプレインキュベートした又はしていない4N1K又はPKHB1処理CLL細胞におけるアネキシンV陽性染色により測定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=10患者)。 (A)CLL患者から単離されたB細胞を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは示した濃度での4N1K又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。データは、8つの非依存性の実験での平均値である。(B)同様の実験において、14人の異なるCLL患者(非変異IGHV、複雑な核型、及び機能異常TP53を伴う個人を含む)からのBリンパ球を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは4N1K(300μM)又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1(150μM)の存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITC標識により、フローサイトメーターにおいて測定した。(C)細胞死を、Aにおいて記載する通り、各々のCLL患者からフローサイトメトリーにより同定された4N1K又はPKHB1処理CD19+/CD5−(残存B細胞)及びCD19+/CD5+ Bリンパ球(CLL細胞)において決定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=8患者)。(D)細胞死を、細胞内カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いてプレインキュベートした又はしていない4N1K又はPKHB1処理CLL細胞におけるアネキシンV陽性染色により測定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=10患者)。 (A)CLL患者から単離されたB細胞を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは示した濃度での4N1K又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1の存在において1時間培養した。ホスファチジルセリンを曝露する細胞のパーセンテージ(アネキシンV−FITCを用いて測定した)を記録し、プロットとして表現した。データは、8つの非依存性の実験での平均値である。(B)同様の実験において、14人の異なるCLL患者(非変異IGHV、複雑な核型、及び機能異常TP53を伴う個人を含む)からのBリンパ球を、無処理で放置した(コントロール)、あるいは4N1K(300μM)又は4N1K誘導体ペプチドPKHB−1(150μM)の存在において1時間培養した。PCDを、アネキシンV−FITC標識により、フローサイトメーターにおいて測定した。(C)細胞死を、Aにおいて記載する通り、各々のCLL患者からフローサイトメトリーにより同定された4N1K又はPKHB1処理CD19+/CD5−(残存B細胞)及びCD19+/CD5+ Bリンパ球(CLL細胞)において決定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=8患者)。(D)細胞死を、細胞内カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いてプレインキュベートした又はしていない4N1K又はPKHB1処理CLL細胞におけるアネキシンV陽性染色により測定した。データを、平均値±標準偏差として提示する(n=10患者)。 (A及びB)MEC−1細胞を用いて皮下移植したNSGマウス(n=8/群)は、4N1K、PKHB1、又はPBS(コントロール)の腹腔内注射を週3回受けた。腫瘍容積は、カリパスを用いて測定し、グラフとしてプロットした。(C)処理後の腫瘍成長も、写真において、グルコース取り込み2−DGにより可視化した。カラースケールは、任意単位における蛍光強度を示す。 (A及びB)MEC−1細胞を用いて皮下移植したNSGマウス(n=8/群)は、4N1K、PKHB1、又はPBS(コントロール)の腹腔内注射を週3回受けた。腫瘍容積は、カリパスを用いて測定し、グラフとしてプロットした。(C)処理後の腫瘍成長も、写真において、グルコース取り込み2−DGにより可視化した。カラースケールは、任意単位における蛍光強度を示す。 (A及びB)MEC−1細胞を用いて皮下移植したNSGマウス(n=8/群)は、4N1K、PKHB1、又はPBS(コントロール)の腹腔内注射を週3回受けた。腫瘍容積は、カリパスを用いて測定し、グラフとしてプロットした。(C)処理後の腫瘍成長も、写真において、グルコース取り込み2−DGにより可視化した。カラースケールは、任意単位における蛍光強度を示す。 4N1K及びPKHB1ペプチドの安定性を、ヒト血清中で、37℃で6時間にわたり評価した。残りの可溶性ペプチドの相対濃度を、HPLCにより、保持時間の関数としての220nmでの吸光度の統合により分析した。
実施例
実施例1:治療的化合物としての4N1Kの使用
材料&方法
患者、B細胞精製、及び培養条件。
公認の同意が形成された後、新鮮血サンプルを、Pitie-Salpetriere Hospital(Service d'Hematologie Biologique)での標準的な形態学的及び免疫表現型基準に従って診断されたCLL患者から収集する。正常なBリンパ球を、EFS(Etablisement Francais du Sang)から得る。Pitie-Salpetriere Hospitalでの施設内倫理委員会によって、本試験は承認された。単球細胞を、血液サンプルから、標準的なフィコール−ハイパック勾配を使用して精製し、B細胞を、抗CD19モノクローナル抗体(ポジティブ選択)に又は抗CD16、CD3、及びCD14モノクローナル抗体(ネガティブ選択)(Miltenyi Biotech)に共役された磁気ビーズによりポジティブに又はネガティブに選択した。変化は、ポジティブ又はネガティブ選択された細胞の細胞死応答において見出されなかった。精製Bリンパ球を、完全培地(10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン−ストレプトマイシンを添加したRPMI 1640培地)中で培養した。特定されない限り、試薬はSigma-Aldrichからであった。
細胞死誘導及び阻害。
細胞死を誘導するために、Bリンパ球を、TSP−1由来ペプチド4N1K(300μM;配列KRFYVVMWKK、配列番号1)、ネガティブコントロールペプチド4NGG(300μM;配列KRFYGGMWKK、配列番号2)、新たに開発されたペプチドPKHB1(150μM;配列(D)K−R−F−Y−G−G−M−W−(D)K)(式I)、又は抗CD47 mAbを用いて1時間培養した(可溶化条件中又は固定化プレコートプレート中;5μg/ml;クローンB6H12)。あるいは、B細胞を、細胞死の誘導前に、カルシウムキレーターBAPTA−AM(20μM)、カスパーゼ阻害剤Z−VAD.fmk(50μM)を用いて、30分間にわたり前処理した。
フローサイトメトリー。
本発明者らは、ホスファチジルセリン(PS)曝露の評価のために、アネキシンV−FITC(BD Biosciences)を使用した。データ分析を、FACSCanto II(BD Biosciences)において、全細胞集団(10,000細胞)で行った。データを、FlowJoソフトウェア(TreeStar)を使用して分析した。
Ca2+測定。
ポリリジンコートしたガラス底ペトリディッシュ中に付着した細胞を、Fura-2 AM(1μM/30分/37℃)を用いて負荷した。細胞を、次に、340及び380nmの波長で励起し、いくつかの細胞の蛍光放射を、510nmで、波長1Hzで、TILL-Visionソフトウェアにより制御された二重励起蛍光イメージングシステム(TILLフォトニクス)を使用して同時に記録した。シグナルを、異なる波長(340/380nm)の蛍光強度の相対比率単位にコンピューター化した。個々の蛍光値を、次に、Originソフトウェアを用いて分析し、等式(F/F0)-1(式中、「F」は、特定の時間点での蛍光であり、「F0」は、時間0での蛍光である)に従った最初の値を用いて、蛍光を標準化した。
電子顕微鏡法。
細胞を、リン酸緩衝液(pH 7.4)中の2%グルタルアルデヒドを用いて、2時間にわたり室温で固定し、洗浄し、Durcupan(商標)中に包埋する前に、2% OsO4中に後固定した。分析を、透過型電子顕微鏡(Carl Zeiss MicroImaging)を用いて、酢酸ウラニル及びクエン酸鉛を用いて染色した超薄切片上で実施した。
局在化CLL異種移植モデルにおけるインビボ4N1K及びPKHB−1処置。
3×10個のMEC−1細胞を、NOD scidガンマ(NSG)マウス(Charles River)中に皮下注射した。腫瘍容積が0.1cm3に達した場合、マウスに、4NIK又はPKHB1(200μl PBS中の400μg)を用いて週3回、腹腔内注射した。腫瘍サイズを、2〜3日毎に、カリパーを用いて測定し、腫瘍容積(式(長さ×幅2)/2を使用して算出)をmm3として表現した。あるいは、処置の終わりに、マウスに、副鼻腔後眼窩中に、XenoLight RediJect 2-DG-750 Probe(Caliper)を用いて注射し、腫瘍細胞のグルコース取り込み(細胞増殖を反映する)を可視化した。蛍光を、In vivoイメージングシステムFX Pro(Kodak)により測定し、画像を、Carestream MIソフトウェアを用いて分析した。
統計分析。
実験データ間での差の有意性を、対応のない観察について、スチューデントのt検定を、又は、異なる群の比較分析について、記載された通りのマン・ホイットニー検定を使用し、グラフパッドプリズムソフトウェアを使用して決定した。
結果
CLL患者からのB細胞に対する4N1Kペプチドの効果:
本発明者らは、最近、TSP−1のC末端ドメインを模倣する4N1Kペプチド(配列番号1)の使用では、抗CD47 mAbと比較した通り(図1)、及び、難治性患者(ATM又はTP53変異/欠失、それらは、この白血病に対して使用される最も一般的な薬物処置、例えば抗CD20、フルダラビン、又はクラドリビンに難治性である;図2)からのCLL細胞中でさえ、誘導されたカスパーゼ非依存性PCDに固定化される必要がないことを特定している。
本発明者らの以前の結果では、CD47媒介性カスパーゼ非依存性PCDが、CLLにおいて通常は遮断されるカスパーゼ依存性アポトーシスレギュレーターから非依存的である非定型的に調節されたミトコンドリア変化の誘導を介して進むことが示されている。実際に、CD47に関するこれらの結果は、カスパーゼの関与を伴わずに誘導された大量のミトコンドリア変化の最初に発表された発生率である(図3)。また、コントロールドナーからの及び多数のCLL患者(今日まで150人を上回る)からのB細胞において実施された実験では、CD47ライゲーションによって、細胞死が、迅速に、CLL細胞中で、正常B細胞中よりも高い効力を伴い誘導されることが示されている。及び、それは、薬物難治性CLL患者からのB白血病性細胞中でさえ。
CLLにおいて4N1Kにより誘導されるカスパーゼ非依存性PCD
1.細胞内オルガネラは、プログラム細胞死の調節における重要エレメントであり、本発明者らは、CD47ライゲーション後にCLL細胞の超微細構造試験を実施してきた。CD47誘発後、小胞体(ER)は膨張し、ミトコンドリアは膨らみ、形態学的変化を受ける(図3)。これらの変化は、Ca2+媒介性PCDの典型的な特質であり、ミトコンドリア及びERが、主にカルシウムイオンを通じて、物理的に及び生理学的に相互接続されることを示すと思われる:(i)ミトコンドリアは、細胞性アデノシン三リン酸の主な供給源であり、また、ERのCa2+シグナル伝達をモジュレート及び同期化する;(ii)イノシトール1,4,5−三リン酸(IP3)を生成する刺激は、ERからのCa2+の放出を起こし、それは、密接に並置されたミトコンドリアにより迅速に取り込まれる。
Tillフォトニクスイメージング技術を使用し、本発明者らは、CLL細胞中でのCD47のライゲーションに、細胞内遊離Ca2+動員が続くことを確認している。顕著には、正常B細胞と比較し、記録された細胞内Ca2+動員は、白血病性B細胞中で(しかし、正常Bリンパ球中ではない)より強く、持続される。実際に、CLLにおいて、4N1Kにより誘導されるCa2+動員は、基礎レベルに戻らず、特にこれらの細胞中でのCa2+過負荷を示している。これらの結果は、CD47媒介性PCDへのCLL及び正常B細胞の異なる感受性に相関する(図2)。
2.細胞内カルシウムキレーターBAPTA−AMを用いたB細胞の前処理によって、CD47媒介性PCDが遮断される(図5)。これは、4N1K誘発後にサイトゾル中へ放出されたCa2+が、CLL細胞中でのこの型のカスパーゼ非依存性PCDにおいて中心的な役割を果たすことを示す。
重要なことには、本発明者らは、良い予後を伴う患者及び難治性CLL(非変異IGHV遺伝子状態、高レベルのチミジンキナーゼ、可溶性CD23、CD38、及びZAP−70発現、ならびにATM又はTP53変異/欠失)を伴う患者からのCLL細胞中で、PCD及び細胞内カルシウム動員を分析する場合、本発明者らは、悪い予後を伴う患者からの細胞(それらは、抗CD20、フルダラビン、又はクラドリビンにより誘導されるカスパーゼ依存性PCDに耐性である)が、同様のレベルのCD47媒介性PCD、及び、結果的に、同様のレベルの細胞内Ca2+動員をCD47誘発後に提示することを見出している。これらの結果は、CD47により可能になるカルシウム経路が、難治性患者(欠損したカスパーゼ依存性PCD経路を伴う)からのCLL細胞中でさえ機能的であることを示す。このように、4N1K媒介性カスパーゼ非依存性PCDが、健常ドナーからのBリンパ球中よりもCLL細胞中でより効率的に生じ、カスパーゼ依存性PCDよりも、死を誘導するより良い手段を表す。
3.本発明者らは、CD47受容体のライゲーションが、健常ドナーからのBリンパ球中よりもCLL細胞中でより効率的にPCDを誘導し、カスパーゼ依存性PCDよりも、死を誘導する良い手段を表すことを示している。このように、本発明者らは、CD47により誘導されるCa2+媒介性カスパーゼ非依存性PCD経路を使用し、インビボでB白血病性細胞を排除することができるとの仮説を立てている。この仮説を立証するために、本発明者らは、異種移植マウスモデルを開発し、インビボ実験を行ってきた(詳細については、材料及び方法ならびに図7)。コントロールとは対照的に、CD47リガンド4N1K誘導体のIP注射によって、腫瘍容積における低い低下が誘導される。
これらの新たな知見は、4N1K誘導体(例えばPKHB1など)の潜在的な適用、CLLのための処置としての治療を前提として、特に興味深い。この方法において、以下に注意することが重要である:(i)4N1K誘導体ペプチドは、マウスにおいて毒性を発揮しない、及び(ii)4N1K誘導体処置は、「私を食べて(eat me)シグナル」(例えばホスファチジルセリン又はカルレティキュリンなど)の外部曝露を引き起こす(データ示さず)。これによって、専門の食細胞による死細胞のその後の排除が促進される。
癌細胞株及び原発癌細胞に対する4N1Kペプチドの効果:
本発明者らは、4N1Kを用いた刺激が、35%を上回る細胞死誘導を、癌細胞株及び原発癌細胞に誘導するのに対し、4NGG(コントロールペプチド)は、カスパーゼ非依存性PCDを誘導する際に非効率的であることを示す(表1及び2)。
これらの結果は、可溶性ペプチド4N1K誘導体が、多種多様な腫瘍モデルにおいて使用することができうることを示す。
実施例2:新たな可溶性ペプチドの合成
4N1Kペプチドの構造は、以下の通りである:
4N1Kは、以下の配列を伴うウンデカペプチドである:K−R−F−Y−V−V−M−W−K−K(配列番号1)。
ペプチドの溶解性、安定性、及び薬理学的特性を改善するために、4N1Kを、以下の2つのモデルで確立されている化学的修飾により修飾する:
モデル1:

モデル2:
モデルペプチド1において、A(1から10)は、無及び/又は天然アミノ酸及び/又は非天然アミノ酸又はアミノ酸誘導体(例えば、プロリノアミノ酸(prolinoamino acids))[Mothes C et al., 2008]、ベータ−アミノ酸[Moumne R et al., 2007]、シクロプロピルアミノ酸[Joosten A et al., 2009]、Nメチルアミノ酸[Sagan S et al., 2004]、及び/又はアルファ−アルファ分布アミノ酸、及び/又は分布ベータ−アミノ酸(ベータ2,2、ベータ3,3 ouベータ2,3)、及び/又はアザアミノ酸(Proulx, C et al., 2011)又はアジドリジン[Larregola M et al., 2001]に対応する。立体中心の絶対配置が示されていない。なぜなら、全てのアミノ酸が、天然アミノ酸又は合成的に得られたアミノ酸(鏡像異性的に(L)もしくは(D)系列まで、又はラセミ体として使用される)であるからである。
モデル2について、立体中心の絶対配置が示されていない。なぜなら、全てのアミノ酸が、天然アミノ酸又は合成的に得られたアミノ酸(鏡像異性的に(L)もしくは(D)系列まで、又はラセミ体として使用される)であるからである。
R基(1から10)は、天然又は合成アミノ酸側鎖でありうるアミノ酸側鎖に対応する。グリシン残基について、この側鎖は水素原子に対応する。
P1及びP2は、それぞれ、ペプチドのN末端側及びC末端側での機能に対応する。
このように、P1は、アミン官能基(P1 = −NR11、式中、R11は、水素原子又はアルキル(alkyle)鎖(メチル、エチル、又はベンジルと同様)である)、カルボキシ官能基(P1 = −COH)、カルボキサミド官能基(P1 = −CONR12R13、式中、R12及びR13は、水素原子及び/又はアルキル(alkyle)鎖(メチル、エチル、又はベンジルと同様)である))又はアミン官能基、又はアジド官能基(N)でありうる。
このように、P2は、アミン官能基(P2 = −NR11、式中、R11は、水素原子又はアルキル(alkyle)鎖(メチル、エチル、又はベンジルと同様)である)、カルボキシ官能基(P2 = −COH)、カルボキサミド官能基(P2 = −CONR12R13、式中、R12及びR13は、水素原子及び/又はアルキル(alkyle)鎖(メチル、エチル、又はベンジルと同様)である))又はアミン官能基、又はアジド官能基(N)でありうる。
Y基(1から10)は、水素原子及び/又はメチル基、及び/又は天然アミノ酸側鎖に対応する。
Y1は、また、保護基(例えばアセトアミド、ベンズアミド、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、フェニルフルオレニルメトキシカルボニル保護基など)でありうる。
ペプチド及び類似体は、SPPS又はLPPSにより、Boc、Fmoc、又はZ戦略を用いて合成される。全ての官能基(アミノ基、カルボキシル官能基、グアニジウム・・・)のプロトン化状態は、合成及び精製手順に依存しており、スキーム上に示されるものとは異なりうる。
I−モデル1に基づく短い類似体:A1−A2−A3−A4−A5−A6−A7−A8−A9−A10
オクタペプチドR−F−Y−V−V−M−W−K(配列番号3)の溶解性及び安定性を改善するために、以下の化学的修飾を実現する:
a)混合塩:
Nメチルモルホリン及びクロルハイドレート又はトリフルオロアセチルカルボキシレートの混合塩:
R7は、メチオニン、メチオニンスルホキシド(sulfoxyde)、メチオニンスルホン又はアラニン又はブチルグリシン又はリジン側鎖を指す。
A2は、リジン又はアジドリジン又はアルギニン又はビス−オルニチン[Aussedat B et al., 2006]又はビス−アルギニン又はベータ−2−ホモリジン、又はベータ−2−ホモアルギニン又はベータ−2−ビス−ホモオルニチン又はベータ−2−ビス−ホモアルギニンを指す。N末端アミン官能基は、遊離でありうる又はBoc基、Fmoc基、もしくはCbz基により保護されうる、及び/又はNメチル化されうる。
A9は、リジン又はアルギニン又はビス−オルニチン又はビス−アルギニン又はベータ−3−ホモリジン、又はベータ−3−ホモアルギニン又はベータ−3−ビス−ホモオルニチン又はベータ−3−ビス−ホモアルギニンを指す。A9カルボキシル官能基は、遊離である又はカルボキサミドとして保護される(P2 = −CONR12R13、式中、R12及びR13は、水素原子及び/又はアルキル基、例えばメチル基、エチル(ethyle)基、ベンジル基及びそれらの誘導体などである)。
遊離の又はNメチル化アミン官能基は、クロルハイドレート又はTFA塩として得ることができる(nは可変的であり、A2、R7、又はA9の性質に依存する)。
遊離のカルボキシル官能基は、Nメチルモルホリン塩(p=1)として得ることができる(しかし、必ずしもそうではない)。
PKHB3は、これらの系列からのペプチドの例であり、そこでは、A2及びA9は、それぞれ、ベータ−2−ホモアルギニン及びベータ−3−ホモリジンに対応する:
b)テトラフェニルボレート塩:
R7は、メチオニン、メチオニンスルホキシド(sulfoxyde)、メチオニンスルホン又はアラニン又はブチルグリシン又はリジン側鎖を指す。
A2は、リジン又はアジドリジン又はアルギニン又はビス−オルニチン又はビス−アルギニン又はベータ−2−ホモリジン、又はベータ−2−ホモアルギニン又はベータ−2−ビス−ホモオルニチン又はベータ−2−ビス−ホモアルギニンを指す。遊離N末端アミン官能基は、Boc基、Fmoc基、もしくはCbz基により保護されうる、及び/又はNメチル化されうる。
A9は、リジン又はアルギニン又はビス−オルニチン又はビス−アルギニン又はベータ−3−ホモリジン、又はベータ−3−ホモアルギニン又はベータ−3−ビス−ホモオルニチン又はベータ−3−ビス−ホモアルギニンを指す。A9のカルボキシル官能基は、遊離である又はカルボキサミドとして保護される(P1 = −CONR12R13、式中、R12及びR13は、水素原子及び/又はアルキル基、例えばメチル、エチル、ベンジル誘導体などである)。
遊離の又はNメチル化アミン官能基は、テトラフェニルボレート塩として得られ、mは可変的であり、A2、R7、又はA9に依存する。
下のペプチドの構造及び合成を、例として与える:
c)N及びC末端保護:
上に記載するペプチドは、また、N及びC末端保護基を用いて調製される。
d)種々の化学的修飾:
N末端アミノ酸を、本明細書において下に記載する通りに、種々の位置に導入する:
R7を上に記載する。
e)(D)アミノ酸:
ペプチド配列中での(D)アミノ酸の導入によって、タンパク質分解性の分解に向かって、ペプチドが安定化され、このように、その薬理学的特性が増強される。(D)アミノ酸は、N末端に及び/又は末端に及び/又はペプチド配列中の1、2、3、4、5、6、又は7残基の代わりに導入される:
f)レトロ−インベルソ配列:
レトロ−インベルソ配列は、(D)アミノ酸を用いて部分的に又は完全に修飾され、しかし、決定的なアミノ酸側鎖の空間的配向を保つペプチドに導いた。以下のペプチドを調製し、C末端側及びN末端側にそれぞれ導入されたジアミン及び二酸の周りのペプチド極性を維持するために、一部の化学的修飾を組み入れる:
R4は、メチオニン側鎖又はアラニン側鎖又はブチルグリシン側鎖又はリジン側鎖に対応する。
g)修飾アミノ酸を取り込むモデル1:A1−A2−A3−A4−A5−A6−A7−A8−A9−A10に基づく一部の類似体:
A1及びA10は、(D)リジン残基又は(D)アルギニン残基あるいはベータ−2及び/又はベータ−3ホモリジン及び/又はベータ−2及び/又はベータ−3ホモアルギニン又はベータ2,2又はベータ3,3−ホモリジン又はベータ2,2又はベータ3,3−ホモアルギニンに対応しうる。PKHB4(式III)は、この系列からの例であり、式中、A10は、(D)リジン残基により交換されている:
PKHB11は、この系列からのペプチドの別の例であり、式中、A1及びA2残基の両方が、ベータ−2,2ホモリジンにより交換されており、Dリジンが、ペプチドのC末端位置中に導入されている(例えば、PKHB11(式(IV))を参照のこと):
A2は、アルギニン残基又はリジン残基に対応しうる。
Nメチル化アミノ酸又はシクロプロピルアミノ酸を、配列において、位置A2及び/又はA3及び/又はA4及び/又はA5及び/又はA6及び/又はA7及び/又はA8及び/又はA9中に導入することができる。プロリノバリンを位置A5及び/又はA6中に導入することができる。PKHB9(式V)及びPKHB10(式VI)は、両方とも、この系列からのペプチドの例である:
プロリノメチオニンを位置A7中に導入することができる。プロリノトリプトファン又はプロリノホモトリプトファンを位置A8中に導入することができる。プロリノリジンを位置A9中に導入することができる。
II−モデル2に基づく類似体:
a)ペプチドのN及びC末端の保護
P1は、アミン官能基(P1 = −NR11、式中、R11は、水素原子又はアルキル鎖、例えばメチル基などである)又はカルボン酸(P1 = −COH)又はアジド基(N)である。
P2は、アミン官能基(P2 = −NR11、式中、R11は、水素原子又はアルキル鎖、例えばメチル基などである)又はカルボン酸(P1 = −COH)又はアジド基(N)でありうる。
以下のペプチドを例として与える:
アジド基がN末端側に存在する。S又はR配置を伴うアジド−リジンを導入する。R2基は、リジン側鎖又はアルギニン側鎖に対応する。R7基は、メチオニン側鎖、メチオニンスルホキシド側鎖、メチオニンスルホン側鎖又はメチル、又はn−ブチルもしくはリジン側鎖である。
b)アミノ酸配列の修飾
−(D)残基:
ペプチド配列中での(D)アミノ酸の導入によって、タンパク質分解性の分解に向かって、ペプチドが安定化され、このように、その薬理学的特性が増強される。(D)アミノ酸は、N末端に及び/又はC末端に及び/又はペプチド配列中の1、2、3、4、5、6、7、8、又は9残基の代わりに導入される:
レトロ−インベルソ配列は、(D)アミノ酸を用いて部分的に又は完全に修飾され、しかし、決定的なアミノ酸側鎖の空間的配向を保つペプチドに導いた。以下のペプチドを調製し、C末端側及びN末端側にそれぞれ導入されたジアミン及び二酸の周りのペプチド極性を維持するために、一部の化学的修飾を組み入れる:
特定の化学的修飾を、ペプチド極性を保つために、レトロ−インベルソペプチド配列中に導入する。以下のペプチドを調製する:
このペプチドにおいて、(D)アミノ酸を、(L)アミノ酸の代わりに導入し、二酸(N末端)及びジアミン(C末端)が導入され、4N1Kペプチド極性が保たれているN末端及びC末端上を除く。
III−ポリマー類似体
ポリマー(二量体又は三量体)類似体は、ヒュスゲン型環化付加反応を通じて、アジドペプチド(短い又は長い類似体)を反応させることにより得られる:
例えば、三量体類似体は、アジドペプチド(短い又は長い類似体)をトリプロパルギルアミンと以下の通りに反応させることにより得られる:
R基は、本明細書において上に記載するアジドペプチドの配列に対応する。
V−生成された可溶性ペプチドのテスト
1.新たに生成された可溶性ペプチドが、最初に特徴付けられたペプチド4N1Kと同じ型のカスパーゼ非依存性PCDを誘導するか否かを検証するために、フローサイトメトリー分析(例えば、図2において記載する通り)を、各々のペプチドを用いて実施する。カスパーゼ阻害剤Z−VAD.fmkを伴う/伴わない処置において得られた結果の比較によって、4N1K由来ペプチドにより誘導された細胞死の様式が、カスパーゼ非依存性であることが確証される。加えて、異なる腫瘍細胞において実施された時間経過及び用量応答によって、各々のペプチド及び各々の悪性細胞型のための最適な条件が決定される。
2.図3及び4において示す通り、4N1Kの誘導によって、カルシウム動員の強力で持続性の増加が誘導される。このCa2+過負荷によって、オルガネラ(例えば、アポトーシスにおいて細胞を駆動するミトコンドリアなど)の形態学的構造が劇的に変化する。従って、本発明者らのイオン測定プラットフォームを使用し、本発明者らは、4N1K由来ペプチドにより誘発されるfura−2負荷CLL細胞におけるCa2+動員を評価する。
3.本発明者らは、4N1K誘導体(例えばPKHB1ペプチドなど)の注射を使用し、インビボでB白血病細胞を排除しうることを示しているため(図7)、本発明者らは、同じアプローチを使用し、新たに合成され、インビボで検証されたペプチドをテストする。その目的は、生成されたペプチドが、インビボで腫瘍退縮を誘導する際に効率的であるか否かを確証することである。そのようにするために、CLL確立MEC1 B細胞を、NSG(NOD scidガンマ)マウス(最も適した免疫不全系統の1つ)の側腹部中に皮下注射する。確立されたリンパ腫を伴うマウスを、4週間にわたり週3回、4N1K誘導体又はPBSコントロールの腹腔内注射により処置し、腫瘍の発生は、カリパー測定により、2−DG−750プローブを使用したKodakインビボイメージングシステムFX-Proにおいて実施した非侵襲的な光学的分析により追跡調査する(腫瘍容積を一日おきにモニターする)。
実施例3:治療的化合物としてのPKHB1の使用
PKHB1化合物は、実施例2パートIIb)において説明する通りの(D)アミノ酸(右旋性アミノ酸)バージョンにおいてアミノ酸C末端及びN末端(配列番号1のA1及びA10)を伴うペプチド4N1K(配列番号1)に対応する。
PKHB1ペプチドは、ヒト血清実験において分解されず、6時間にわたり安定であることが証明されている(図8)。
PKHB1ペプチドは、CLL患者から単離されたB細胞上で、4N1Kペプチドよりも明らかに良い効率を示す(図6A)。これは、多様な予後特長(非変異IGHV、複雑な核型、及び機能異常TP53を含む)を伴う14人のCLL患者のコホートにおいて検証した(図6B、4N1Kは、300μMでのCLL細胞における細胞死の約45%を誘導したのに対し、PKHB1は、150μMでの同様の死亡率を誘導した)。さらに、4N1Kとして、PKHB1は、悪性細胞において(しかし、正常Bリンパ球においてではない)細胞傷害性を誘導した(図6C、PKHB1は、CD19/CD5腫瘍細胞を有意に殺したが、しかし、残存CD19/CD5 Bリンパ球は、このペプチドに耐性であった、n=8)。最後に、本発明者らは、BAPTA−AM(細胞内Ca2+キレーター)を用いたCLL細胞の前処理によって、CLL細胞中のPKHB1媒介性PCDが有意に減少したことを確証している(図6D、n=10)。これらの結果によって、PKHB1が、CLLにおいて、4N1Kと同様の方法で、細胞内カルシウム動員を介して、細胞死を誘導することが確認された。全体的に、PKHB1に関する本発明者らの結果によって、4N1Kのペプチド配列中での(D)アミノ酸の導入によって、その薬理学的な細胞死活性が増強されることが確認された。
PKHB1がより良い安定性及びインビトロ効果を有したため、本発明者らは、腫瘍成長におけるPKHB1のインビボでの役割をテストした。図7において描写する通り、PKHB1注射のわずか数日後、本発明者らは、コントロールマウスと比較し、腫瘍成長及びグルコース取り込みの両方の低下を観察した。これらのインビボでの結果は、腫瘍細胞の根絶のための治療的ツールとしての4N1K誘導体(PKBH1など)の使用を強調する。
参考文献:
本願を通して、種々の参考文献で、本発明が関係する技術分野の状態が記載される。これらの参考文献の開示は、本開示への参照により、本明細書により組み入れられる。


Claims (14)

  1. 癌の処置における使用のためのアミノ酸配列:KRFYVVMWKK(配列番号1)又はその機能保存的変異体を含む可溶性ペプチド。
  2. 可溶性ペプチドが、1、2、又は3アミノ酸、配列番号1と異なりうる、請求項1記載の使用のための可溶性ペプチド。
  3. 可溶性ペプチドがアミノ酸配列配列番号1にある、請求項1記載の使用のための可溶性ペプチド。
  4. 癌が白血病である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用のための可溶性ペプチド。
  5. 白血病がB慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項4記載の使用のための可溶性ペプチド。
  6. CLLが難治性CLLである、請求項5記載の使用のための可溶性ペプチド。
  7. 癌の防止又は処置における使用のための請求項1〜6のいずれかに記載の可溶性ペプチドをコードする核酸。
  8. 癌の防止又は処置における使用のための請求項7記載の核酸を含む発現ベクター。
  9. 癌の防止又は処置における使用のための請求項8記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項記載の少なくとも1つの可溶性ペプチド又は請求項7記載の少なくとも1つの核酸又は請求項8記載の少なくとも1つの発現ベクター、又は請求項9記載の少なくとも1つの宿主細胞及び医薬的に許容可能な担体を含む、癌の処置における使用のための医薬的組成物。
  11. 式(I):

    の可溶性ペプチド。
  12. 式(II):

    の可溶性ペプチド。
  13. 式(III):

    の可溶性ペプチド。
  14. 癌の処置における使用のための請求項11〜13記載の可溶性ペプチド。
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