例証目的のために、より具体的に図面を参照すると、本発明の一実施形態は、一般的に、図1から図6に示される方法に描写される。本明細書において開示される基礎概念から逸脱することなく、本方法は、具体的ステップおよびシーケンスに関して、変化してもよく、装置は、構造的詳細に関して、変化してもよいことを理解されるであろう。本明細書における方法に描写および/または使用されるステップは、図に描写されるもの、または記載されるものと異なって行われてもよい。ステップは、これらのステップが生じ得る順序の単なる例示である。ステップは、依然として、主張される発明の目標を達成するように、所望の任意の順序で生じてもよい。
本発明は、本発明の適応の例証として、エレクトロスピニングによって、液体シランインクから生成される、シリコン含有ナノワイヤ/繊維複合体および薄膜を生成するための方法を提供する。四成分および五成分液体シラン系「インク」組成物からのナノワイヤ生成物は、組成物および方法を実証するために、生成および特性評価される。本方法によって生成される例示的なナノワイヤは、リチウムイオンバッテリのためのアノードといった他の材料組成物の成分として使用することができる。
ここで図1を見ると、任意の伝導性コーティングとともに四成分液体シランインクを使用してシリコン系ナノワイヤ材料を生成するための本方法の好ましい実施形態10に係るステップが例証される。ブロック12において、液体シラン、ポリマー、促進剤、および溶媒の溶液が提供される。結果として生じる粘性溶液は、好ましくは、エレクトロスピニング手順のために、約100cPから約10,000cPの粘度を有する。
好ましい液体シランは、式SinH2n(式中、n=3、4、5、6、7、または8である)を有する。式SinH2n+2(式中、n=3、4、5、6、7、または8である)の直鎖および分岐液体シランもまた、使用されてもよい。これらのシランのうちの1つ以上の混合物もまた、使用されてもよい。
シクロヘキサシラン(Si6H12)は、特に、好ましいシクロシランである。液体Si6H12は、好ましくは、トリクロロシラン(HSiCl3)から調製される、塩素化塩の還元によって、合成される。シクロヘキサシランは、減圧上流ならびに周囲光に対して安定している、高融点液体(18℃)である。Si6H12は、数日間、室温蛍光灯に対して安定していることが示されており、顕著な劣化を伴うことなく、固体状態において、数ヶ月間、保管することができる。Si6H12は、超音波噴霧に対して安定しており、a−Siラインの平行エアロゾルビーム直接書込蒸着における前駆体として使用されている。加えて、Si6H12は、高電圧処理およびエレクトロスピニング手順に供される時に安定しており、リチウムイオンバッテリおよび他の材料におけるアノードとしての用途を見出し得る、a−Siナノワイヤをもたらす。
図1に示される実施形態では、Si6H12は、熱またはレーザ光への長時間曝露下、開環重合を受け、追加の熱処理が、最初に、固体ポリジヒドロシラン(SiH2)nを非晶質シリコンに、次いで、結晶シリコン材料に転換させる。具体的には、Si6H12は、ラジカル重合を介して、熱処理または光活性化によって、固体ポリジヒドロシラン(SiH2)nに転換させることができる。追加の熱分解は、H2(g)の発生を引き起こし、約350℃でa−Si:Hを、および約850℃で結晶シリコンをもたらす。
別の好ましい実施形態では、液体シランは、SinH2n(式中、n=5または6である)に対応する、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、および/または1−シリルシクロペンタシランである。
好ましいポリマーは、ポリ(メタクリル酸メチル)である。しかしながら、ポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキセンカーボネートといったポリカーボネート、またはポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)およびポリビニルブチラールもまた、図1のブロック12に示される実施形態において使用されてもよい。
一実施形態では、粘性溶液におけるシラン対有機ポリマーの割合は、約5%から20%のシランの範囲内に維持され、10%から16%のシランの範囲が好ましい。
ブロック12における組成物の一部である好ましい促進剤は、ポリヒドロポリシランである。多様なポリヒドロポリシランが、シクロヘキサシラン、Si6H12(CHS)の重合のための促進剤として作用する。直鎖、分岐、および環状構造を有するポリヒドロポリシランは、これらの化合物のうちの1つ以上がCHSに添加され、結果として生じる混合物が熱、電磁、または機械的源からのエネルギーに曝露される時、CHSの重合を促進することが示されている。重合、または膜形成プロセスへの「プロモータ」または「促進剤」としてのポリヒドロポリシランの使用には、有意な利点が存在する。それらは、SiおよびHのみから成るため、したがって、それらは、生成物材料と完全に適合性がある。促進剤は通常、それらが促進する材料とははっきりと異なり、そのため、最終生成物(複数を含む)において不純物となる。
例えば、式SinHn+2のポリヒドロポリシランは、直鎖もしくは分岐で、個々に、または組み合わせて、CHSに添加される時、CHSの重合を促進する。例えば、式SinHn+2(式中、nは、2〜10,000の範囲である)の直鎖および分岐ポリヒドロポリシランは、CHSと混合される時、重合を促進して、光に応答する種々のデバイス、例えば、太陽電池において配置することができる膜を形成する。
環上の置換基を有する、または有さない、別のポリヒドロシクロポリシランに結合した、1つ以上のポリヒドロシクロポリシランから成るポリヒドロポリシランは、CHSに添加される時、CHSの重合を促進する。同様に、環上の置換基を有する、または有さない、1つ以上のシクロポリシラン環から成るポリヒドロポリシランは、CHSに添加される時、CHSの重合を促進する。
CPS(シクロペンタシラン、Si5H10)は、CHSと混合される時、CHSに添加される時、CHSの重合を促進する。環に結合した1つ以上のシリル基を有するCPSの誘導体は、CHSと混合される時、CHSの重合を促進する。
シリルシクロペンタシランもまた、重合および膜形成を促進する。この構造は、Si6H12の式を有するが、環に結合した6番目のシリコンを有するシリコン原子の5員環から成る。
加えて、環に結合した1つ以上の直鎖または分岐シリル基を有するCHSの誘導体は、CHSと混合される時、重合を促進する。部分的または完全にハロゲン化されたシランおよびポリシランが、CPSおよびCHSの重合を促進することもまた観察された。
ブロック12における好ましい溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロオクタン、1、2、4−トリクロロベンゼン、およびジクロロメタン、またはそれらの混合物が挙げられる。しかしながら、これらの溶媒が好ましいが、他の溶媒が、採用されるポリマーおよびシランに基づいて、選択されてもよいことが理解されるであろう。
図1のブロック14において、ブロック12において生成された粘性溶液が、ノズルから放出される、または膜から引き出され、高電場に曝露され、溶液から生じる連続繊維が形成され、基板上に蒸着される。
本方法の一実施形態では、高電圧環境は、溶液がノズルから収集基板に放出される点から、直流バイアスを印加することによって、形成される。エレクトロスピニングプロセスのために使用される電圧は、通常、約5000Vから約20,000Vの範囲であり、典型的に、約7000Vから11,000Vが使用される。好ましい実施形態では、約2kVを上回る直流バイアスが、窒素環境において、10cmの間隙を隔てて印加される。
エレクトロスピニング装置もまた、内環および外環を有するノズルを有することができる。この構成において、液体シランは、同軸送達チューブの内環を通して、放出される一方、粘性ポリマー溶液は、外環を通して放出され、双方の流体は、高電場に曝露され、基板上に蒸着される繊維の連続形成をもたらす。
1つの好ましい構成において、内環を通して方向付けられる液体シランは、Si6H12シクロヘキサシラン、Si6H12、1−シリル−シクロペンタシラン、またはSi5H10シクロペンタシランであり、外環を通って流れる溶液は、ジメチルホルムアミド中のポリアクリロニトリルである。
ブロック14において、高電場においてノズルから放出される溶液から形成されるナノ繊維材料の撚り糸は、ブロック16において、基板上に蒸着および収集される。図1に示される実施形態では、基板は、銅箔またはアルミニウム箔といった金属箔から成る。一構成において、基板は、伝導性金属部分および絶縁部分を含み、生成されるシリコン含有ワイヤは、基板の絶縁部分に跨る。別の実施形態では、基板は、カーボンナノチューブから構築される炭素繊維マットを含む、伝導性炭素繊維マットである。基板はまた、銅箔といった箔の回転マンドレルまたは可動金属ウェブであってもよい。
図1のブロック18において、蒸着および収集されたナノワイヤは、熱処理またはレーザ処理を使用して転換される。例えば、シクロヘキサシラン系溶液では、蒸着物は、約150℃から300℃の範囲の温度での熱処理を使用して転換し、ポリシラン含有材料を生成することができる。蒸着物はまた、約300℃から約850℃の範囲の温度での熱処理を使用して転換し、非晶質シリコン含有材料を生成することができる。ブロック16からの蒸着物は、約850℃から1414℃の温度での熱処理を使用して転換し、結晶シリコン含有材料を生成することができる。例証として、同軸ノズルから放出されるシクロヘキサシランおよびポリマー溶媒の熱処理は、N2下で350℃で1時間、続いて、空気中で350℃で1時間、続いて、N2中で800℃で1時間から成る。蒸着物はまた、レーザ処理を使用して転換され、結晶シリコン含有材料を生成することができる。
任意に、ブロック20において、転換された繊維は、凝集性伝導性コーティングでコーティングすることができ、コーティングされた転換された繊維は、例えば、リチウムイオンバッテリのためのアノード材料といった複合体材料の成分として使用することができる。
一実施形態では、伝導性コーティングは、前駆体ガスとして、アルゴン/アセチレン、水素/メタン、または窒素/メタンを使用して、化学蒸着によって、蒸着される。別の実施形態では、凝集性伝導性コーティングは、ブロック20において、溶液蒸着によって、蒸着される。例えば、溶液蒸着は、溶媒中のシリコン含有断片とともに圧延された伝導性炭素の分散を採用してもよい。伝導性炭素は、本実施形態では、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、またはカーボンナノチューブであることが可能である。
ここで図2を参照すると、任意の伝導性コーティングとともに、五成分液体シランインクを使用してシリコン系ナノワイヤ材料を生成するための本方法の好ましい実施形態100に係るステップが例証される。本発明に係る五成分インクは、本質的に、固相の追加を伴って、本明細書において説明される四成分インクと同じ成分を有し得る。固相成分は、粒子、光活性、または反応性化合物であってもよい。五成分インクの処理は、典型的に、四成分インクの処理と同じである。
ブロック110において、粘性溶液は、好ましくは、式SinH2nの液体シラン、ポリマー、固相、促進剤、および溶媒を組み合わせることによって形成される。四成分インクと同様に、成分は、任意の順序において、または対合によって、連続的に組み合わせられてもよい。
好ましい液体シランは、式SinH2n(式中、n=3、4、5、6、7、または8である)を有する。式SinH2n+2(式中、n=3、4、5、6、7、または8である)の直鎖および分岐液体シランもまた、使用されてもよい。これらのシランのうちの1つ以上の混合物もまた、使用されてもよい。
好ましいポリマーは、図2のブロック110に示される実施形態では、ポリ(メタクリル酸メチル)またはポリカーボネートである。図2のブロック110における好ましい溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロオクタン、1、2、4−トリクロロベンゼン、およびジクロロメタン、またはそれらの混合物が挙げられる。しかしながら、これらのポリマーおよび溶媒が好ましいが、他のポリマーおよび溶媒が、採用されるポリマー、固相、およびシランに基づいて、選択されてもよいことが理解されるであろう。
1つ以上の固相成分は、図2のブロック110に提供されるインク混合物の一部であることが可能である。例えば、固相は、複数の金属粒子、好ましくは、球状であり得るか、または高いアスペクト比を有し得る、ナノスケール粒子を含むことができる。一実施形態では、金属粒子は、Al、Au、Ag、Cu、In−Sn−O、フッ素ドープ酸化スズ、または金属合金といった金属から作製される。別の実施形態では、粒子は、黒鉛、カーボンブラック、またはグラフェンから作製されてもよい。金属粒子はまた、カーボンナノチューブまたはシリコンナノワイヤといった好適な寸法のワイヤまたはチューブから成ってもよい。
他の実施形態では、インクの固相成分は、ホウ素、リン、ヒ素、またはアンチモン含有化合物等の置換的にドープしたシリコンとして知られる、要素を含有する。固相成分はまた、カーボンナノチューブ、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、ZnO、またはSiといった材料から形成される、半導体粒子であることが可能である。
固相成分はまた、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、および/または1−シリルシクロペンタシランに対応する、SinH2n(n=5,6)のUV照射によって形成される、ポリジヒドロシラン−(SiH2)n−を含むことができる。
別の実施形態では、金属シリサイドワイヤが形成され、図2のブロック110における固相は、金属試薬を含む。固相金属試薬の例としては、CaH2、CaBr2、Cp2Ti(CO)2、V(CO)6、Cr(CO)6、Cp2Cr、Mn2(CO)10、CpMn(CO)3、Fe2(CO)9、Co2(CO)8、CO4(CO)12、Cp2Co、Cp2Ni、Ni(COD)2、BaH2、[Ru(CO)4]∞、Os3(CO)12、Ru3(CO)12、HFeCo3(CO)12、Co2(CO)8、およびH2FeRu3(CO)13が挙げられる。ブロック110における金属試薬はまた、TiCl4またはFe(CO)5といった液体であってもよい。
別の実施形態では、固相は、光活性固相である。例えば、光活性相は、カーボンフラーレン、カーボンナノチューブ、CdSe、PbS、Si、またはGeの量子ドット、ZnSe/CdSeまたはSi/Geのコアシェル量子ドットの粒子であることが可能である。
ブロック120において、溶液は、高電場内のノズルを通して、噴出され、エレクトロスピニングプロセスを通して、実質的に、連続ナノ繊維を形成する。単一ノズルを通しての単一溶液の排出が、図2の実施形態に説明されるが、他の溶液およびノズル構成を四および五成分インクとともに使用することができる。例えば、内環および外環を有する同軸ノズルおよびディスペンサシステムを使用することができる。ポリマー、固相、および溶媒を組み合わせて、外環を通して流れる流体源である、粘性溶液を形成することができる。選択される液体シランおよび促進剤は、内環を通って伝達される、第2の流体源である。
例えば、内環を通って流れる液体シランは、Si6H12シクロヘキサシラン、Si6H121−シリル−シクロペンタシラン、またはSi5H10シクロペンタシランであり、外環を通って流れる溶液は、ジメチルホルムアミド中のポリアクリロニトリルおよび金属粒子またはカーボンナノチューブである。
別の実施形態では、ポリマーおよび溶媒の粘性混合物が生成され、該混合物は、ノズルの外環を通して噴出される一方、同時に、液体シランをノズルの内環を通して噴出する。2つの流れは、高電場を通して方向付けられ、コアシェル繊維を形成する。繊維は、炭素外側コーティングでシリコンワイヤに転換される。多くの他の組み合わせもまた、この同軸ノズル構成で可能である。
図2のブロック130において、エレクトロスピニング装置からブロック120において形成されるナノ繊維は、伝導性基板上に蒸着される。ブロック130における基板は、好ましくは、銅箔またはアルミニウム箔といった金属箔である。基板はまた、カーボンナノチューブから構築される炭素繊維マットを含む、伝導性炭素繊維マットであることが可能である。一構成において、基板は、伝導性金属部分および絶縁部分を含み、生成されるシリコン含有ワイヤは、基板の絶縁部分に跨る。
ブロック130で収集される生成された繊維は、ブロック140においてラジカル重合を介して、熱処理または光活性化を通じて、非晶質シリコンまたは結晶シリコン複合体に転換させることができる。蒸着された材料はまた、異なる時間および場所において、収集および転換することができる。
四成分インクと同様に、五成分インクから生成される繊維は、典型的に、150℃から300℃の温度での熱処理を使用して転換させ、ポリシラン含有材料をもたらす。蒸着物はまた、300℃から850℃の温度での熱処理を使用して転換させ、非晶質シリコン含有材料を生成することができる。蒸着物はまた、約850℃から1414℃の温度での熱処理を使用して転換させ、結晶シリコン含有材料をもたらすことができる。これらの温度範囲のいくつかの変形例は、インクにおいて使用される特定の固相の性質に依存して、見られ得る。最後に、蒸着物は、ブロック140において、レーザ処理を使用して転換させ、結晶シリコン含有材料をもたらすことができる。
任意の凝集性伝導性コーティングが、図2のブロック150において、熱処理の前または後に、転換された材料に塗布されてもよい。ブロック150におけるコーティングは、前駆体ガスとして、アルゴン/アセチレン、水素/メタン、または窒素/メタンを使用する、化学蒸着によって、塗布することができる。コーティングはまた、シリコン含有断片および溶媒と、炭素源として、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、ナノチューブ、またはワイヤとともに圧延される、伝導性炭素の分散を使用して、溶液蒸着によって、塗布することができる。
本発明に従って生成される、コーティングされたもしくはコーティングされていないナノ繊維またはワイヤは、さらなる処理によって、他の複合体材料の成分として、使用することができることが分かる。これは、四成分インクまたは五成分インクを有する、電気伝導性シリコン複合体電極の生成とともに例証することができる。また、図3を参照すると、本発明に従って、アノード材料を生成するための方法200が、概略的に示される。ブロック210において、ナノ繊維は、四または五成分インクをエレクトロスピニングすることによって生成される。繊維は、ブロック220において、熱またはレーザ処理によって、転換される。処理された繊維は、ブロック230において、炭素でコーティングされる。炭素コーティングは、化学蒸着または溶液蒸着によって、塗布することができる。炭素コーティングは、好ましくは、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、またはナノチューブもしくはナノワイヤのコーティングを含む。
ブロック240において、コーティングされた繊維は、イオン伝導性結合剤と組み合わされて、電極の本体を形成する。ポリマー結合剤は、本質的に、リチウムイオン伝導性であってもよく、または電解質溶液を吸収することによって、リチウムイオン伝導性となってもよい。コーティングされたナノ繊維は、結合剤と混合され、さらにサイズ決定および形状化することができる材料構造をもたらす。例えば、結合剤は、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)またはナトリウムカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。一部の結合剤は、揮発性であってもよく、かつ追加の熱またはレーザ処理で除去されることが可能であってもよい。他の結合剤もまた、イオンまたは電気伝導性であってもよいか、またはKBカーボンまたは黒鉛のような炭素粒子といった伝導性充填剤を有してもよい。
コーティングされたシリコン繊維を有する電極は、例えば、サイクルの間、リチウム化および脱リチウム化プロセス中に生じる、相当な体積変化からの亀裂に耐性がある。KBカーボンは、弾性炭素であり、通常の体積変化の間、伸縮および圧縮が可能であり、ブロック240における好ましい伝導性結合剤または充填剤である。
一実施形態では、電極は、(a)式SinH2nの液体シランを、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリカーボネート、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、またはポリマー、促進剤、および溶媒の混合物といった、ポリマーと組み合わせて、粘性溶液を形成することと、(b)粘性溶液を高電場に曝露し、連続繊維が形成され、金属箔基板上に蒸着されることと、(c)<400℃の温度で不活性ガスの下、熱処理によって、ポリシラン、非晶質シリコン、および/または結晶シリコン断片を含有する材料に、蒸着物を転換させることと、(d)蒸気または溶液蒸着によって蒸着されるシリコン含有断片の外部空隙上に、凝集性イオン伝導性コーティングを形成することと、(e)コーティングされたシリコンナノ繊維材料を、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはKBカーボンの結合剤と混合して、電極を形成することと、によって、生成することができる。
本発明は、付随の実施例を参照することによって、より理解され得るが、これは、例証目的のみを意図し、本明細書に添付の請求項に定義される本発明の範囲を限定するものとして、いかようにも解釈されるべきではない。
実施例1
液体シランインクの異なる配合による、エレクトロスピニング法の機能性を実証するために、試験反応器が、構築された。全てのエレクトロスピニング処理および蒸着後処理は、別途規定がない限り、活性酸素洗浄を伴う、不活性窒素ガスグローブボックス内で行われた。適切なインク配合後、インク溶液および/または混合物を、長さ2.5cmの刃先の丸い18ゲージステンレス鋼と嵌合された1mL HDPE注射器の中に吸引した。インク含有注射器および針は、針から基板の隔離距離約25cmの水平位置で、注射器ポンプ内に配置した。
金属銅箔片(5cm×5cm×0.8mm)が、エレクトロスピニングプロセスにおける電極基板として採用され、以下のプロトコルに従って、清浄された:噴射ボトルを使用して、約5mLのイソプロパノールですすぎ、噴射ボトルを使用して、約5mLの1.5M塩酸ですすぎ、噴射ボトルを使用して、約10mLの脱イオン水ですすぎ、粒子濾過された高純度窒素ガス流で乾燥させた。次いで、これらの基板を、エレクトロスピニングプロセスグローブボックスに導入した。
次いで、基板を、電源の接地への電気接続を行う役割も果たす、ワニ口クリップを使用して、金属箔をアクリル背景に接続することによって、蒸着位置に配置した。高電圧源(Gamma High Voltage Research Inc. Model ES40P−12W/DDPM)を、針上の正極および金属基板上の負極(接地)と接続した。注射器ポンプ(Cole ParmerモデルEW−74900−00)は、0.4〜0.5mL/時の流速に設定し、針に液体が入るまで、動くことを可能にした。一度液滴が、針の外側に形成されると、電源は、15kVに調節された。平行ハロゲン光源を使用して、スピニング溶液/混合物を可視化した。15kVが印加された直後、スピニング繊維が、針から、基板に水平に移動するのが見られた。接地板および針の場所は、繊維が、箔の中心に蒸着されるように調節された。
Si6H12およびSi5H10といったシクロシランは、減圧真空下、調製および蒸留され、99+%の純粋な無色液体(1H NMRによって)をもたらした。Si5H10は、Si5Cl10をLiAlH4と反応させることによって調製され、追加の精製を行わずに使用した。不活性雰囲気グローブボックスおよび標準的なSchlenk技術を使用して、液体シランの酸化を防止した。これは、Si6H12およびSi5H10が、空気と接触して燃焼する自然発火性液体であり、発火源として扱われ、かつ不活性雰囲気中で取り扱われるために必要である。加えて、(SiH2)nは、空気および湿気とゆっくりと反応し、非晶質シリカをもたらす。
最初にトルエン中の三成分インクSi6H12/PMMAを使用して、エレクトロスピニング法を実証し、促進剤を伴わないその熱分解生成物を図4に示されるように比較のためのベースラインとして特性評価した。トルエン中のPMMAの溶液は、4.60gの乾燥トルエンを、磁気撹拌を介して混合された0.52グラムのPMMA(Aldrich P/N 182265−500G Lot# 07227DH、MW=996,000)を含む、フレーム乾燥されたバイアルに添加することによって調製した。混合物を75℃まで加熱し、ポリマーの分解を促進した。次に、500μLのこのPMMA/トルエン溶液を室温まで冷却し、100μLのSi6H12を液滴添加し、一方がかなり粘性のある、2つの無色の不混和相をもたらした。15分間撹拌した後、混合物は、三成分マイクロエマルションまたは単相混合物の形成を示す、見掛け粘度が、不混和相のいずれよりも高く、均質であるように見えた。エレクトロスピニングは、基板として銅箔を使用して、上で説明されるように実現された。エレクトロスピニング後、試料片をはさみで切断し、約350℃まで30分間熱処理した。
種々の潜在的な促進剤を有するインクの試料は、3回以上の凍結融解サイクルを使用して、個々の化合物の脱ガス後、注射器技術を使用して、無酸素雰囲気中で、室温で調製した。様々な候補の重合速度は、ベースラインと比較した。
実施例2
促進剤を伴わない、溶媒ジクロロメタン(DCM)を使用する、三成分インクSi6H12/PMMAのエレクトロスピニングを行って、代替溶媒を実証し、電極として、結果として生じる材料の性能を特性評価した。DCM中のPMMAの溶液は、500RPMで3時間、磁気撹拌を介して混合された2.681gのPMMAを含む、フレーム乾燥されたバイアルに、18.0mLの乾燥DCMを添加することによって調製した。次に、8.220gのこのPMMA/DCM溶液、858μLのDCM、および418μLのSi6H12を磁気撹拌しながら液滴添加し、2つの不混和液体の混合物をもたらした。15分間撹拌した後、混合物は、三成分マイクロエマルジョンまたは単相混合物の形成を示唆する、見掛け粘度が、不混和相のいずれよりも高く、均質であるように見えた。エレクトロスピニングは、基板として銅箔を使用して、上で説明されるように実現された。
各1mLの分割量をエレクトロスピニングした直後、蒸着されたワイヤを、銅箔から削り落とし、フレーム乾燥されたバイアルに配置した。次いで、試料を含有するバイアルを、16℃/分を下回らない立ち上がり速度で、アルミニウム側板を有するセラミック熱板上で550℃まで加熱し、1時間保持した。熱処理された蒸着物の微細構造を、高分解能走査電子顕微鏡を使用して、精査し、多孔性ワイヤと一次粒径が約150nmの凝集体から成ることが示された。生成物のラマン顕微鏡特性評価は、485cm−1における特性ブロードバンドを与える非晶質シリコン相の存在を確認した。ラマンレーザもまた、レーザビームが約100kW/cm2に集束された後に観察された、516cm−1のバンドによって証明されるように、a−Siワイヤを結晶Siに転換し得る。
より高い電力密度に供された、エレクトロスピニングされた蒸着物の光学顕微鏡写真は、ワイヤ内の融解および緻密化の明白な兆候を示した。加熱された試料のうちの80mgの試料が、ICP−OESおよび燃焼分析のために、Galbraith Laboratories(Knoxville、TN)に発送され、重複分析が、83.6重量%のシリコンおよび6.6重量%の炭素を示した。
次いで、生成されたナノワイヤ材料は、電気化学電池内のアノードを作製するために使用された。パウチ電池内における組立前に、a−Siワイヤは、空気に曝露され、化学蒸着チャンバ内に装填され、薄い伝導性炭素層約10nm厚が、蒸着された。その後、Cコーティングされたa−Siワイヤを、第2の不活性雰囲気アルゴン充填グローブボックス(H2OおよびO2<1ppm)の中に移動させた。リチウム金属/a−Siワイヤ半電池は、セパレータとしてCelgard−2300、および質量負荷4mg/cm2の電解質としてエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート1:1中の1M LiPF6を使用して加工した。電気化学試験は、ArbinモデルB2000試験器を使用して、100mA/gで、0.02から1.50V間のサイクルによって行われた。リチウム金属および化学蒸着炭素コーティングされたa−Siナノワイヤから成る、半電池に対する充電/放電データが、取得された。具体的容量データは、初期容量3400mAh/g、2回目のサイクル容量2693mAh/gで、21サイクル後、16.6%の減衰を示した。
実施例3
60分間の550℃の蒸着後処理およびレーザ曝露を使用した、促進剤を伴わない、DCM中の第2の三成分インクSi5H10/PMMAの生成物を特性評価した。10重量%のポリマー溶液は、乾燥および窒素散布されたDCMを、約12時間撹拌することによって溶解されたPMMAを含む、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加することによって、調製された。その際、45μLのSi5H10を、マイクロピペットを使用して、溶液に添加し、この混合物を、10分間、PTFEコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、撹拌した。銅箔基板を洗浄し、装置に載置および接続される前に、エレクトロスピニンググローブボックスの中に移動させた。エレクトロスピニングは、20cmの隔離距離、12kVの励起、0.5mL/時のインク流速で行われ、約75μLの総溶液堆積が分注された。
銅箔上のエレクトロスピニングされた試料の後熱処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料は、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。
エレクトロスピニングされた収集された試料の光学顕微鏡写真は、直径約1μmであったワイヤを描写した。これらのワイヤのラマン特性評価は、ラマンレーザによる融解後の結晶質シリコンの存在を示した。
実施例4
促進剤を伴わないトルエン中の三成分インクSi6H12/QPAC100の生成物を、2つの異なる蒸着後処理によって特性評価した:350℃で20分間加熱する、または355nmのレーザ曝露後、350℃で20分間加熱する。これらの2つのプロセスの後者を、図5に概略的に示す。
ポリマー溶液は、1.06gの乾燥させたトルエンを、フレーム乾燥されたバイアルに配置し、PTFEコーティングされた磁気撹拌棒で2.5時間、500rpmで撹拌しながら、120mgのQPAC100を添加することによって調製した。この際、50μLのSi6H12をピペットを介して添加し、若干の不混和性が着目された。混合物を、約40時間撹拌し、均質混合物をもたらした。銅箔基板を洗浄し、装置に載置および接続される前に、エレクトロスピニンググローブボックスの中に移動させた。エレクトロスピニングに先立って、基板を350℃で1分間、熱処理し、いかなる微量水分も脱着させた。エレクトロスピニングは、30cmの隔離距離、0.5mL/時のインク流速、および10kVの励起で行った。
1時間スピンした後、試料を除去し、小片に切断し、その1つを、20分間、350℃での熱処理に供した。興味深いことに、ワイヤ状蒸着物は、この熱処理後、光学顕微鏡によって着目されなかった。走査電子顕微鏡特性評価は、エレクトロスピニングされた蒸着物に由来する暗領域を示し、ラマン特性評価は、基板上にa−Siの存在を示した。
この現象の説明は、この三成分インクの成分の各々の熱特性の考慮によって、想定することができる。第1に、Si6H12は、約225℃で蒸発を開始し、350℃までの加熱後、32.9%の残渣塊をもたらすいくらかの重合を伴うことを示す。第2に、QPAC100は、約150℃で熱化を開始し、270℃で50%の質量損失、および350℃で1%未満の残渣が観察される。したがって、促進剤を伴わない三成分Si6H12/QPAC100インクによって形成されるエレクトロスピニングされたワイヤが、熱処理される時、ポリマー成分は、構造的に安定したポリ(ジヒドロシラン)の形成に先立って、揮発した。Si6H12断片は、未だ重合されていなかったため、ナノサイズのSi膜が、元々のワイヤの陰影として現れた。
1時間スピンした後、第2の試料を、小片に切断し、その1つを、気密容器内に配置し、HIPPOレーザ(355nm照射、Spectra Physics Inc.)を含有したグローブボックスに移動させた。1分間の500mW、1W、2W、3W、および4W、また5分間の500mWおよび4Wの可変レーザ出力が、Si6Hi2/QPAC100蒸着物の入射領域に対する黄色/茶色変色の出現によって証明されるように、Si6H12をポリシランに転換した。この光分解ステップ後、(SiH2)n/QPAC100試料を室温熱板上に配置し、合計20分間、341℃まで加熱した。形成されたa−Siワイヤは、高分解能走査電子顕微鏡によって特性評価され、著しい空隙を保有することが示された。生成物のラマン特性評価は、ラマンレーザを集束させることによって、融解された非晶質シリコン相の存在を確認した。
実施例5
促進剤を伴わないDCM中のインクPMMA/Si6H12/Co2(CO)10のエレクトロスピニングされた繊維および結果として生じた熱分解生成物を、特性評価した。トルエン中のPMMAの溶液は、10.38mLの乾燥トルエンを、磁気撹拌を介して混合された980mgのPMMAを含むフレーム乾燥されたバイアルに添加することによって調製した。50mgのコバルト/シリコン溶液、および1mLのPMMA/トルエン溶液を、4mLのフレーム乾燥されたバイアルにおいて混合した。15分間撹拌した後、混合物は、均質であると考えられた。エレクトロスピニングは、基板として銅箔を使用して、上で説明されるように実現された。
エレクトロスピニング後、試料片をはさみで切断し、IRランプを使用して、約600℃まで急速熱アニーリングした。この試料片を、速乾性銀塗料を使用して、木製楊枝とともに蒸着された銀接点を有するガラススライドに接着した。2つの銀接点にわたる抵抗が、I−V分析を使用する、Agilent B1500A半導体分析器によって、2点法を使用して、測定された。抵抗率値は、手動で、電極間を接続するワイヤの量を概算し、電極間の長さ(2mm)を概算し、かつワイヤ径(3〜4μm)を概算することによって、取得した。抵抗を測定し、抵抗率は、4×104Ω−mであると計算された。
熱処理されたワイヤの微細構造は、高分解能走査電子顕微鏡を使用して精査され、直径1から3μmのワイヤから成ることが示された。EDSマッピングは、ワイヤ内のコバルトおよびシリコンの存在を確認した。この四成分エレクトロスピニングインクの非ポリマー成分(即ち、Si6H12およびCo2(CO)8)は、これまでに、シリコン−コバルト膜を形成するための試薬として報告されている。
実施例6
促進剤を伴わないDCM中の別のインクPMMA/Si6H12/CdSe、およびその熱分解生成物を、特性評価した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%の溶液を、約12時間混合し、次いで、0.931gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、トルエン中の46μLのSi6H12および47μLのCdSe量子ドット(Lumidot(商標)480nm励起、トルエン中に5mg/mL、Sigma Aldrich P/N662356)を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように実現された。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)で行われた。試料を、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持された。その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。次いで、試料をラマン分光法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザによる処理後、着目された。
実施例7
促進剤を伴わないDCM中の第3のインクPMMA/Si6H12/カーボンブラック、およびその熱分解生成物を、特性評価した。カーボンブラック(Cabot Industries、Black Pearls 2000)の懸濁液は、フレーム乾燥されたガラス製バイアルにおいて、52mgのカーボンブラックを、1mLの乾燥および窒素散布されたDCMと混合することによって調製し、30分間、超音波分解した。
第2のフレーム乾燥されたガラス製バイアルに、乾燥および窒素散布されたDCM中の0.963gのPMMAの10重量%溶液を配置し、約12時間混合した。該溶液に、48μLのSi6H12および12mgの乾燥された超音波分解されたカーボンブラック懸濁液を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、先に説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。次いで、試料を室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが図6に示されるようにラマンレーザでの処理後、着目された。
実施例8
比較のため、促進剤を伴わないDCM中の第4のインクPMMA/Si6H12/黒鉛、およびその熱分解生成物が、特性評価された。黒鉛(Asbury Carbon、グレード4934)の懸濁液は、フレーム乾燥されたガラス製バイアルの中で、52mgの黒鉛を、1mLの乾燥および窒素散布されたDCMと混合することによって調製し、30分間、超音波分解した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%の溶液を、12時間混合し、0.942gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、47μLのSi6H12および47μLの超音波分解された黒鉛懸濁液を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料を、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆し、温度不均質性を低減させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザによる処理後、着目された。
実施例9
促進剤を伴わないDCM中の第5のインクPMMA/Si6H12/Agの生成物を、比較のために特性評価した。この例証において、銀ナノ粒子(<100nm直径、Sigma Alrich P/N 576832)の懸濁液は、フレーム乾燥されたガラス製バイアルにおいて、35mgの銀ナノ粉末を、700μLの乾燥および窒素散布されたDCMと混合することによって調製し、30分間、超音波分解した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%の溶液を、約12時間混合し、その際、0.923gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、46μLのSi6H12および46μLの超音波分解された銀のナノ粒子懸濁液を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料は、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザによる処理後、観察された。
実施例10
促進剤を伴わないDCM中の第6のインクPMMA/Si6H12/AIPを特性評価し、本方法の範囲を実証した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を、約12時間混合し、その後、0.949gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、47μLのSi6H12および47μLの両親媒性可逆性ポリマー(AIP)(ポリ(エチレングリコール)(PEG)および脂肪族ジカルボン酸から合成)を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料は、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザでの処理後、着目された。
実施例11
促進剤を伴わないDCM中の第7のインクPMMA/Si6H12/BBr3の生成物もまた、特性評価した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を、約12時間混合し、0.931gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、46μLのSi6H12および1.5μLのBBr3(>99.99%純度、Sigma Aldrich P/N 230367)を添加し、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料は、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザでの処理後、着目された。
実施例12
促進剤を伴わないDCM中の第8のインクPMMA/ Si6H12/PBr3のエレクトロスピニングされた生成物を、比較のために特性評価した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を、約12時間撹拌し、その際、1.522gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、75μLのSi6H12および2.3μLのPBr3(>99.99%純度、Sigma Aldrich P/N 288462)を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料は、室温セラミック熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆され、温度均一性を改善させた。熱板は、30℃/分を下回らないように550℃まで上げられ、公称上、550℃で1時間保持され、その後、試料を、熱板から除去し、室温アルミニウム板上に配置し、周囲温度まで素早く冷却した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピークが、図6に示されるように、ラマンレーザでの処理後、着目された。
実施例13
促進剤を伴わないDCM中の第9のインクPMMA/Si6H12/CNTの生成物もまた、特性評価した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を、約12時間混合し、その際、1.960gのこの溶液を、4.04mgのカーボンナノチューブ(Sigma Aldrich P/N 704148)を含有した、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに添加した。該溶液に、98μLのSi6H12を添加し、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。エレクトロスピニングは、銅基板を採用し、上で説明されるように行われた。
エレクトロスピニングされた蒸着物の蒸着後処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。スピン後、試料を小片に切断し、その1つを気密容器内に配置し、HIPPOレーザ(355nm照射、Spectra Physics Inc.)からのビームを含有するグローブボックスの中に移動させた。1cm2のスポットサイズを伴う、750mWのレーザ出力を使用して、5mm/秒の速度で、試料全体にわたって走査した。この光分解ステップ後、(SiH2)n/PMMA試料を室温熱板上に配置し、50℃/10分のランプ速度で350℃まで加熱した。試料をラマン法によって分析し、結晶シリコンに対する特徴的ピーク、ならびにカーボンナノチューブのDおよびGバンドが、ラマンレーザでの処理後、着目された。
実施例14
DCM中のSi6H12/PMMAインクを使用する薄膜のスピンコーティングを実証し、従来のノズルによって生成されるナノ繊維と比較した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を約12時間混合し、その際、0.862gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに移動させた。該溶液に、43μLのSi6H12を添加し、次いで、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。次いで、溶液体積を、追加のDCMで希釈することによって2倍にした。
溶融シリカおよび石英(1cm×1cm×1mm)を、スピンコーティングプロセスにおける基板として採用し、以下のプロトコルに従って洗浄した:ゴム手袋で30秒間擦過することによってLiquinox(商標)洗剤洗浄し、15秒間、熱湯流の中ですすぎ、噴射ボトルを使用して、約10mLの脱イオン水ですすぎ、噴射ボトルを使用して、約10mLのアセトンですすぎ、噴射ボトルを使用して、約10mLのイソプロパノールですすぎ、プロパントーチのフレームで乾燥させる。スピンコーティング手順のため、30μLのSi6H12/PMMA試料を、3000RPMでスピンさせながら、赤外線光子を濾過するために使用されるダイクロイックミラーを有する、Hg(Xe)アーク灯(Newport Corp、ランプモデル66142、電力密度約50mW/cm2)からのUV照射下、石英基板上に分注した。
溶融シリカおよび石英上に蒸着された試料の熱処理は、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料を、室温アルミニウム熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆し、温度均一性を改善させた。熱板は、250℃/時で350℃まで上げられ、その際、熱処理は、試料を熱板から周囲温度のアルミニウム板へ除去することによって急冷された。これらの膜のラマン特性評価は、ラマンレーザでの融解後の結晶シリコンの存在を示した。
実施例15
促進剤を伴わないDCM中のSi6H12/PMMA/Agインクを使用する薄膜のスピンコーティングが、他の繊維生成方法と比較するために、薄膜からの繊維形成を例証するために行われた。銀ナノ粒子(<100nm直径、Sigma Alrich P/N 576832)の混合物は、フレーム乾燥されたガラス製バイアルにおいて、35mgの銀ナノ粉末を、700μLの乾燥および窒素散布されたDCMと混合することによって調製した。バイアルは、超音波浴に配置し、30分間、超音波で処理した。乾燥および窒素散布されたDCM中のPMMAの10重量%溶液を、約12時間混合し、その際、0.923gのこの溶液を、フレーム乾燥されたガラス製バイアルに移動させた。このPMMA溶液に、46μLのSi6H12および46μLの超音波分解されたAg/DCM混合物を添加し、内容物全体をテフロンコーティングされた磁気撹拌棒を使用して、10分間撹拌した。次いで、溶液体積を、追加のDCMで希釈することによって、2倍にした。
溶融シリカおよび石英基板(1cm×1cm×1mm)は、上で説明されるように洗浄した。薄膜は、30μLの四成分インク(Si6H12/PMMA/Ag)を使用して、上で説明されるようにスピンコーティングすることによって調製した。スピンコーティング後、溶融シリカおよび石英上に蒸着された試料の熱処理が、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で行われた。試料を室温アルミニウム熱板上に配置し、アルミニウム熱遮蔽で被覆し、温度均一性を改善させた。熱板は、250℃/時で350℃まで上げられ、その際、熱処理は、試料を熱板から周囲温度のアルミニウム板に除去することによって急冷した。これらの膜のラマン特性評価は、ラマンレーザでの融解後の結晶シリコンの存在を示した。
実施例16
一部の事例において、ポリマーのための溶媒としての役割を果たす液体は、Si6H12と反応し得る。同軸エレクトロスピニング手法は、一部の溶媒とのSi6H12の有害な相互作用を回避するために採用することができる。ジメチルホルムアミド(DMF)溶液中の未希釈Si6H12およびポリ(アクリロニトリル)(PAN)が、内側および外側チューブから放出される、同軸エレクトロスピニングによって形成される生成物は、それぞれ、350℃の窒素雰囲気中で1時間、350℃の空気中で1時間、および800℃の窒素中で1時間、熱処理した。
DMF溶液中のPANは、2.465gの乾燥されたDCMを、フレーム乾燥されたバイアルに配置し、PTFEコーティングされた磁気撹拌棒で500rpmで24時間撹拌しながら、合計548mgのPANを添加することによって調製した。7.62cm×7.62cm×0.762mmの銅箔基板を先で言及されるように洗浄し、装置に載置および接続される前に、エレクトロスピニンググローブボックスに移動させた。エレクトロスピニングは、20cmの隔離距離、内側および外側流体の両方とも0.5mL/時の流速、ならびに10から19kVの励起によって行った。
1時間、スピンした後、試料を除去し、200℃/時のランプ速度で、窒素雰囲気(<1ppm O2およびH2O)中で、熱板上で1時間、350℃での熱処理、続いて、空気中において350℃で1時間、および窒素雰囲気において800℃で1時間、管状炉処理に供した。アニーリングされた同軸エレクトロスピニングされた試料の光学顕微鏡写真は、直径約1μmを有するワイヤ様の蒸着物の存在を確認する。この同じ試料のラマン分析は、それぞれ、a−Siおよびc−Siに対応する、約480cm−1および520cm−1バンドによって証明されるように、シリコンの存在を示す。
この現象の説明は、この三成分インクの成分のそれぞれの熱特性を考慮することによって、想定することができる。第1に、Si6H12は、約225℃で蒸発を開始し、350℃まで加熱後、32.9%の残渣塊をもたらす、いくらかの重合を伴うこと示す。第2に、PANは、空気中において、約350℃で架橋し、窒素中において約800℃で熱化して炭素になる。したがって、三成分Si6H12/PANインクから形成される同軸エレクトロスピニングされたワイヤが、熱処理される時、シリコン成分は、a−Siおよび/またはc−Siに変換し、ポリマー成分は、炭化して、構造的に安定した、かつ伝導性の炭素を形成する。
実施例17
直鎖、分岐、および環状構造を有するポリヒドロポリシランは、これらの化合物のうちの1つ以上が、CHSに添加され、結果として生じる混合物が、熱、電磁、または機械的源からのエネルギーに曝露される時、CHSの重合を促進する。
例えば、式SinHn+2のポリヒドロポリシランは、直鎖もしくは分岐、個々に、または組み合わせて、CHSに添加される時、CHSの重合を促進することが示されている。
式SinHn+2(式中、nは、2〜10,000の範囲である)の直鎖および分岐ポリヒドロポリシランは、CHSと混合される時、重合を促進して、光に応答する種々のデバイス、例えば、太陽電池に配置することができる膜を形成する。
環上に置換基を有する、または有さない、別のポリヒドロシクロポリシランに結合した、1つ以上のポリヒドロシクロポリシラン環から成る、ポリヒドロポリシランもまた、CHSに添加される時、CHSの重合を促進することが示された。
環上に置換基を有する、または有さない、1つ以上のシクロポリシラン環から成る、ポリヒドロポリシランもまた、CHSに添加される時、CHSの重合を促進する。
実施例18
CHS中に溶解されるSi3H8といった1%〜50%(体積で)の直鎖シランから成る試料は、熱、電磁、または機械的源からのエネルギーに曝露される時、純粋なCHSの重合と比較して、10%〜200%の促進された重合速度を示した。
実施例19
CHS中に溶解されるネオペンタシラン(H3Si)4Siといった1%〜50%(体積で)の分岐ポリシランから成る試料は、熱、電磁、または機械的源からのエネルギーに曝露される時、純粋なCHSの重合と比較して、10%〜200%の促進された重合速度を示した。
実施例20
CPS(シクロペンタシラン、Si5H10)は、CHSと混合される時、CHSに添加される時、CHSの重合を促進することを示した。CHS中に溶解される1%から50%(体積で)のCPSから成る試料は、紫外線領域内の光または80℃を超える温度に曝露される時、純粋なCHSの重合と比較して、10%〜200%の促進された重合速度を有する。
環に結合した1つ以上のシリル基を有するCPSの誘導体もまた、CHSと混合される時、CHSの重合を促進することが示された。実験はまた、10mgから10gの試料サイズにおいても行われた。H3Si−Si5H9(式中、Si5H9は、シクロペンタシラン構造を表す)が、200nmから210nm範囲内で光を効率的に吸収すること、およびCHSとのこの化合物の混合物の曝露が、これらの波長において、容易に重合し得ることが発見された。この観察は、環に5つのシリコン原子を含有する全ての化合物に対して同じであると予想される。純粋なCHSおよび純粋なCPSは、200nmを上回る波長において、有意な光の吸収を有しない。H3Si−Si5H9(式中、Si5H9は、シクロペンタシラン構造を表す)が、より低いエネルギー光に応答するという事実は、予想外であった。したがって、CHSは、これらの促進剤を使用して、より低いエネルギー光で重合することができる。これらの技術は、多くのシリコン含有材料の生成における、潜在的に有意な費用削減を表す。
実施例21
シリルシクロペンタシランは、CHSおよび他の液体シランの重合および膜形成を促進することが示された。この構造は、Si6H12の式を有するが、環に結合した6番目のシリコンを有する、5員環のシリコン原子から成る。CHS中に溶解される1%から50%(体積で)のシリルシクロペンタシランから成る試料は、熱、電磁、または機械的源からのエネルギーに曝露される時、純粋なCHSの重合と比較して、10%から200%の促進された重合速度を示した。一実施例において、シリルシクロペンタシランのCHSへの添加は、純粋なCHSの試料よりも200nmを上回る波長のより効率的な吸収を可能にする。この化合物に対して使用される光は、CPSおよびCHSの双方に対して必要とされるものよりもより低いエネルギーである。
実施例22
加えて、環に結合した1つ以上の直鎖または分岐シリル基を有するCHSの誘導体は、CHSと混合される時、CHSの重合を促進する。部分的にまたは完全にハロゲン化されたシランおよびポリシランが、CPSおよびCHSの重合を促進することもまた観察された。
多くの異なる新規の四成分または五成分インクは、エレクトロスピニング反応器において、シリコン系ナノワイヤおよび類似の材料を商業的に生成するために考案することができ、促進剤は、重合を促進し、シリコン系材料を生成するために必要なエネルギー入力を低減するように選択することができることが分かる。
上の論述から、本発明は、以下を含む、種々の方法において、具現化することができることが理解されるであろう。
1.シリコンナノ繊維を合成するための方法であって、液体シラン、ポリマー、促進剤、および溶媒を組み合わせて、粘性溶液を形成することと、粘性溶液流を高電場に通過させて、繊維を形成することと、前記形成された繊維を基板上に蒸着することと、前記蒸着された繊維をシリコンナノ構造に転換させることと、を含む、方法。
2.シリコンナノ繊維を合成するための方法であって、液体シラン、ポリマー、促進剤、固相、および溶媒を組み合わせて、粘性溶液を形成することと、粘性溶液流を高電場に通過させて、繊維を形成することと、前記形成された繊維を基板上に蒸着することと、前記蒸着された繊維をシリコンナノ構造に転換させることと、を含む、方法。
3.前記促進剤は、シクロペンタシランを含み、前記液体シランは、シクロヘキサシランを含む、実施形態1または2に記載の方法。
4.前記促進剤は、式H3Si−Si5H9(n−シリルシクロペンタシラン)のSi置換シクロペンタシランを含む、実施形態1または2に記載の方法。
5.前記蒸着された繊維の前記転換は、前記形成された繊維の、200nmから210nmの範囲内の波長を有する光への曝露を含む、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
6.前記促進剤は、式SinHn+2(式中、nは、2〜10,000の範囲である)のポリヒドロポリシランを含む、実施形態1または2に記載の方法。
7.前記促進剤は、式Si3H8の直鎖シラン、環に結合した1つ以上の直鎖もしくは分岐シリル基を有するシクロヘキサシラン誘導体、ハロゲン化シラン、別のポリヒドロシクロポリシランに結合したポリヒドロシクロポリシラン環、および式(H3Si)4Siのネオペンタシランから成る促進剤の群から選択される、実施形態1または2に記載の方法。
8.前記ポリマーは、本質的に、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリカーボネート、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、およびポリビニルブチラールから成るポリマーの群から選択される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
9.前記溶媒は、本質的に、トルエン、キシレン、シクロオクタン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物から成る溶媒の群から選択される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
10.前記転換された繊維を、本質的に、黒鉛、カーボンブラック、KBカーボン、カーボンナノチューブ、およびグラフェンから成るコーティングの群から選択される凝集性伝導性コーティングでコーティングすることをさらに含む、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
11.エレクトロスピニングインク組成物であって、式SinH2nの液体シランと、促進剤と、ポリマーと、溶媒と、を含む、組成物。
12.エレクトロスピニングインク組成物であって、式SinH2nの液体シランと、促進剤と、ポリマーと、固相と、溶媒と、を含む、組成物。
13.前記液体シランは、本質的に、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、および1−シリルシクロペンタシランから成るシクロシランの群から選択される、シクロシランである、液体シランを含む、実施形態11または12に記載のインク組成物。
14.前記液体シランは、式SinH2n+2の液体シランを含む、先行実施形態のいずれかに記載のインク組成物。
15.前記促進剤は、シクロペンタシランを含む、実施形態11または12に記載のインク組成物。
16.前記促進剤は、式H3Si−Si5H9(n−シリルシクロペンタシラン)のSi置換シクロペンタシランを含む、実施形態11または12に記載のインク組成物。
17.前記促進剤は、式SinHn+2(式中、nは、2〜10,000の範囲である)のポリヒドロポリシランを含む、実施形態11または12に記載のインク組成物。
18.前記促進剤は、式Si3H8の直鎖シラン、環に結合した1つ以上の直鎖もしくは分岐シリル基を有するシクロヘキサシラン誘導体、ハロゲン化シラン、別のポリヒドロシクロポリシランに結合したポリヒドロシクロポリシラン環、および式(H3Si)4Siのネオペンタシランから成る促進剤の群から選択される、実施形態11または12に記載のインク組成物。
19.前記固相は、本質的に、Al、Au、Ag、Cu、In−Sn−O、フッ素ドープ酸化スズ、およびカーボンブラックの金属粒子から成る金属粒子の群から選択される金属粒子である、実施形態12に記載のインク組成物。
20.前記固相は、本質的に、カーボンナノチューブ、シリコンナノワイヤ、ポリジヒドロシラン(SinH2)n、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、ZnO、およびSiから成る半導体粒子の群から選択される半導体粒子である、実施形態12に記載のインク組成物。
21.前記固相は、本質的に、CaH2、CaBr2、Cp2Ti(CO)2、TiCl4、V(CO)6、Cr(CO)6、Cp2Cr、Mn2(CO)10、CpMn(CO)3、Fe(CO)5、Fe2(CO)9、Co2(CO)8、CO4(CO)12、Cp2Co、Cp2Ni、Ni(COD)2、BaH2、[Ru(CO)4]∞、Os3(CO)12、Ru3(CO)12、HFeCo3(CO)12、およびH2FeRu3(CO)13から成る金属試薬の群から選択される金属試薬である、実施形態12に記載のインク組成物。
22.前記固相は、本質的に、カーボンフラーレン、CdSe、PbS、Si、もしくはGeの量子ドット、およびZnSe/CdSeもしくはSi/Geのコアシェル量子ドットから成る光活性粒子の群から選択される光活性粒子である、実施形態12に記載のインク組成物。
上の説明は、多くの詳細を含有するが、これらは、本発明の範囲を限定するものではなく、単に、本発明の現在好ましい実施形態のうちのいくつかの例証を提供するものと解釈されたい。したがって、本発明の範囲は、当業者に明白となり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって、本発明の範囲は、単数形要素への言及が、明示的に記載されない限り、「1つかつ1つのみ」を意味するのではなく、「1つ以上」であることが意図される、添付の請求項によってのみ限定されることが理解されるであろう。当業者に既知の上で説明される好ましい実施形態の要素の全ての構造的、化学的、および機能的同等物は、参照することによって、明示的に本明細書に組み込まれ、本請求項によって包含されることが意図される。さらに、本請求項によって包含されるデバイスまたは方法が、本発明によって解決されることが求められるあらゆる問題に対処する必要はない。さらに、本開示におけるいかなる要素、成分、または方法ステップも、その要素、成分、または方法ステップが、請求項に明示的に列挙されているかどうかに関わらず、公衆に提供されることは意図されない。本明細書のいかなる請求項要素も、その要素が、「〜のための手段」という句を使用して、明示的に列挙されない限り、35 U.S.C.112の第6段落の規定に基づいて解釈されない。