JP2015512637A - 反芻動物におけるメタン排出を低減するための飼料中のパラニトロアミノ誘導体の使用 - Google Patents

反芻動物におけるメタン排出を低減するための飼料中のパラニトロアミノ誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、飼料と一緒に動物に投与されるパラニトロアミノ誘導体の種類に属する活性化合物またはその塩を使用することによって、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法に関する。また本発明は、プレミックス、濃縮物および完全混合飼料(TMR)などの飼料および飼料添加物における、あるいは巨丸剤の形態におけるこれらの化合物の使用にも関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、パラニトロアミノ誘導体の種類に属する少なくとも1つの化合物の使用に関する。
本発明はまた、上記の化合物を含む動物飼料または動物飼料組成物および飼料添加物に関する。飼料または飼料組成物という用語は、動物による摂取に適した、あるいは動物による摂取を目的とした任意の化合物、調製物、混合物、または組成物を意味する。
本文脈では、反芻動物は、植物ベースの食物を最初に動物の第1の胃(第一胃として知られている)の中で軟化させ、次に半消化塊(これは食い戻しとして知られている)を吐き戻し、これを再度噛み砕くことによって消化する偶蹄目の哺乳類である。食い戻しを再度噛み砕いて植物質をさらに分解し、消化を刺激する過程は、「反芻」と呼ばれる。
第一胃発酵はいくつかの不都合をもたらす。嫌気性発酵の自然の結果としてメタンが生成され、これは、宿主動物にとってエネルギー損失を意味する。典型的な乳牛飼料において炭水化物は乾物の70〜80%を構成するが、これにもかかわらず胃腸管からの炭水化物の吸収は通常、非常に限られている。この理由は、主生成物としてアセタート、プロピオナートおよびブチラートの生成をもたらす第一胃内での炭水化物の徹底的な発酵である。これらの生成物は、いわゆる揮発性脂肪酸(VFA)の一部である。
エネルギー損失に加えて、メタンは、COよりも何倍も強力な温室ガスでもある。その大気中の濃度は過去1世紀の間に倍増し、不安をいだかせるほど増加し続けている。反芻動物は生物起源のメタン形成の主要原因であり、反芻動物からのメタン形成を防止すると、大気中メタンの濃度がほぼ安定化され得ると推定されている。
さらに、2009年のコペンハーゲン気候サミット(climate summit)によって追従される京都議定書のアセスメントは、マルチガス戦略の一環としてメタン排出を削減することをより一層優先している。メタンの形成を低減するために現在使用されている最も有効な添加剤は、メタン生成菌に水素(H)を提供する微生物の増殖を減少させる抗生物質を含有する。(Sauer et al.1998.American Society of Animal Science;76:906−914)。しかしながら、メタン形成に対する抗生物質の効果は、短期間(2〜3週間)のうちに意図される効果の完全な損失をもたらす細菌叢の急速な適応および/または耐性の発現のために、そしてヨーロッパでは抗生物質の非治療的な用途での使用は禁止されているために、いくつかの不都合を有する。
生体外第一胃シミュレーションモデルを用いて試験したときにメタン排出の低減をもたらす非抗生物質製品(胆汁酸誘導体)が最近公開されている(国際公開第2010072584号パンフレット)。しかしながら、メタン排出の適度な低減を生じるために必要とされる量は、反芻動物飼料産業のコスト制約と両立できない。
これらの状況下で、メタンの形成を低減し、信頼性のある一般に受け入れられた実施に適合し、医薬的性質を持たない新しい物質を開発することが依然として必要とされている。メタン排出の低減に加えて、このような物質は、飼料転換率(feed conversion ratio)を改善し、飼料摂取量を低減し、体重増加を改善し、かつ/あるいは屠体または乳の生産量を改善することによって、反芻動物の能力を改善することにも寄与し得る。
本発明者らはここで驚くことに、宿主動物に有害であり得るような形で微生物発酵に影響を及ぼすことなくメタン形成を本質的に低減するために、本明細書中で以下に規定される化合物が、動物飼料中で使用する大きな可能性を有することを見出した。さらに、本発明の化合物は、飼料転換率、飼料摂取量、体重増加、屠体生産量、または乳生産量によって測定される全体的な動物能力に関しても大きな利益を有する。また前記化合物は従来技術に記載されるものよりも安定であり、動物およびヒトにとって安全であり、持続的なメタン低減効果をもたらし、おいしさに影響を与えず、動物栄養産業に適合したコストにおいて工業規模で生産することが可能であり、そして中でも、前記組成物が補給された動物の乳または食肉中の任意の代謝産物の蓄積を誘発せず、第一胃内において非常に低濃度で活性である。
特に、本発明者らにより、少なくとも1つのパラニトロアミノ誘導体化合物の反芻動物への給餌は、VFAの全生成量に悪影響を与えることなく反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するときに、かつ/あるいは反芻動物の能力を改善するために非常に有効であることが観察された。さらに、本発明者により、アミン官能基が置換されるか、あるいはニトロ基のパラ位がメタ位に変化されると、メタンの生成に対する技術的な効果が失われることが示された。
従って、本発明は、反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、動物給餌における活性化合物としての式(I)
Figure 2015512637


で定義される少なくとも1つの化合物またはその塩の使用を提供し、式中、RおよびRは互いに独立してH、−CH、または−CHを表し、Rは飽和または不飽和の線状、分枝状または環状C〜C−炭化水素基であって、場合により、−OH、−NH、−COOHから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、C〜C炭化水素中の炭素原子の1つまたは2つは、場合により、窒素または酸素原子によって置換されていてもよい。
本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法であって、十分な量の式(I)によって定義される少なくとも1つのパラニトロアミノ誘導体またはその塩を動物に経口的に投与することを含む方法を提供する。経口投与とは、単純な給餌、または手作業による巨丸剤投与であると理解されるべきである。
本発明のすべての実施形態において、式(I)の化合物またはその塩は、以下の式(I)
Figure 2015512637


の化合物によって定義され、式中、RおよびRは互いに独立してH、−CH、または−CHを表し、Rは飽和または不飽和の線状、分枝状または環状C〜C−炭化水素基であって、場合により、−OH、−NH、−COOHから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、C〜C炭化水素中の炭素原子の1つまたは2つは、場合により、窒素または酸素原子によって置換されていてもよい。
別の実施形態では、本発明に従う式(I)の好ましい化合物は、RがHまたは−CHである化合物である。式(I)のより好ましい化合物は、RがHまたは−CHであり、RがH、−CH、または−CHであり、Rが飽和または不飽和の線状または分枝状C〜C−炭化水素基である化合物である。式(I)のさらにより好ましい化合物は、RがHまたは−CHであり、RがH、−CH、または−CHであり、Rが飽和の線状または分枝状C〜C−炭化水素基である化合物である。
本発明に従う最も好ましい化合物は、表1に記載および描写されるように、(4−ニトロ−フェニル)−アミン、メチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、エチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、ジメチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、(4−ニトロ−フェニル)−プロピル−アミン、イソプロピル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−エタノール、3−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール、4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリン、4−((4−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル)−安息香酸、および3−((4−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル)−安息香酸を含む化合物の群から選択される。
Figure 2015512637

Figure 2015512637

本発明の全ての実施形態について、式(I)の化合物が任意の異性体形態であり得ることは理解されるべきである。
本発明の化合物は、式(I)の化合物の塩も含む。塩の調製のための好ましいカチオンは、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群から選択され得る。また塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から調製されてもよい。
本発明の化合物は、原則として、当該技術分野においてそれ自体が既知である合成方法に従って、かつ/あるいは実施例において記載される方法に基づいて製造することができる。
全てのこれらの場合において、生成物(式(I)の化合物)を精製するために適切な方法は当業者により選択することができ、すなわちカラムクロマトグラフィによるか、あるいは、それ自体が既知である方法によって、式(I)の化合物を単離および精製することができる。
反芻動物によるメタン排出は、当該技術分野で既知の方法によって、代謝チャンバー内で個々の動物において容易に測定することができる(Grainger et al.,2007 J.Dairy Science;90:2755−2766)。さらに、レーザービームを用いる新たな技術によって、家畜小屋レベルで評価することもできる(McGinn et al.,2009,Journal of Environmental Quality;38:1796−1802)。あるいは、酪農反芻動物によって生成されるメタンは、国際公開第2009/156453号パンフレットに従って乳中のVFAプロファイルの測定によって評価することもできる。
反芻動物の能力は当該技術分野において周知の方法によって評価することができ、通常、飼料転換率、飼料摂取量、体重増加、屠体生産量、または乳生産量によって特徴付けられる。
また本発明は、第一胃内のメタン形成に関して類似の効果を示し、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせた、本発明に従う式(I)の化合物またはその塩の使用にも関する。
本発明に従う化合物と一緒に付与され得るさらなる成分は、例えば、酵母、精油、およびモネンシン、ルメンシン(rumensin)のようなイオノフォアである。
現在のところ、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体は、例えば、飼料1kgあたり0.01〜500mgの活性物質(ppm)の用量範囲で独立して投与されることが考えられる。これらの化合物は市販されているか、あるいは従来技術において周知の過程および方法を用いて当業者により容易に調製することができる。
本発明に従う反芻哺乳類には、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイが含まれる。
本発明の全ての実施形態のために、ウシ、ヤギ、ヒツジ、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、および水牛が好ましい種である。より好ましい種は、家畜のウシ、ヒツジおよびヤギであり、最も好ましい種は家畜のウシである。この用語は、全ての品種の家畜のウシ、および全ての生産種のウシ、特に乳牛および肉牛を含む。
また本発明は、本発明に従う式(I)の少なくとも1つの化合物またはその塩の使用に関し、乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される反芻動物のメタン生成量は、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される。好ましくは、メタンの低減は少なくとも15%であり、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%である。レーザービームの使用、あるいは酪農反芻動物の場合にはメタン生成量と乳中のVFAプロファイルとの相関のように、代替的なメタン排出測定が使用されてもよい。
また本発明は、本発明に従う式(I)の少なくとも1つの化合物またはその塩の使用に関し、反芻動物の飼料転換率は、従来の能力試験で測定される場合に少なくとも1%低減される。好ましくは、飼料転換率は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも2.5%、さらにより好ましくは少なくとも3%、最も好ましくは少なくとも3.5%低減される。
また本発明は、本発明に従う式(I)の少なくとも1つの化合物またはその塩の使用に関し、反芻動物に投与される式(I)の化合物の量は、飼料1Kgあたり1mg〜10gであり、好ましくは飼料1Kgあたり10mg〜1g、より好ましくは飼料1Kgあたり50mg〜500mgである。しかしながら、動物飼料において使用する場合、式(I)の化合物またはその塩はそれほど純粋である必要はなく、例えば、他の化合物および誘導体を含んでいてもよい。
上記のように、本発明の化合物は、反芻動物の飼料添加物および動物飼料組成物のための化合物として有用であり、従って、動物の消化管におけるメタン形成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、このような飼料中の活性成分として有用である。反芻動物の飼料のためのこのような成分としてのその使用を実現するために、飼料の配合および加工の分野においてそれ自体が既知である方法によって、化合物を飼料中に取り込むことができる。
従って、本発明のさらなる態様は、本明細書において上記で定義された化合物を含有する配合物、すなわち飼料添加物および動物飼料組成物である。従って、本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物にも関する。好ましい実施形態では、組成物は、ミネラルプレミックス、ビタミンプレミックス(ビタミンおよびミネラルを含む)、または巨丸剤である。
飼料摂取によって動物に提供される本発明に従う化合物の通常の1日の投与量は、動物の種類およびその状態に依存する。通常、この投与量は、飼料1kgあたり約1mg〜約10g、好ましくは約10mg〜約1g、より好ましくは50mg〜500mgの化合物の範囲内でなければならない。
式(I)の化合物またはその塩は、炭酸カルシウム、電解質、例えば塩化アンモニウム、タンパク質、例えば大豆ミール、小麦、デンプン、ヒマワリミール、コーン、肉骨粉、アミノ酸、動物性脂肪、ビタミンおよび微量ミネラルなどの、動物飼料組成物(食餌)中に存在する従来の成分と組み合わせて使用され得る。
本発明の組成物の特定の例は、以下の通りである:
− (a)表1から選択される少なくとも1つの化合物、および(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、(d)少なくとも1つの微量ミネラル、および/または(e)少なくとも1つの多量ミネラルを含む動物飼料添加物、
− 表1から選択される少なくとも1つの化合物を含み、粗タンパク質含量が50〜800g/kg飼料である動物飼料組成物。
いわゆるプレミックスは本発明の動物飼料添加物の例である。プレミックスは、1つまたは複数の微量成分と、希釈剤および/またはキャリアとの好ましくは均一の混合物を示す。プレミックスは、より大きい混合物中での微量成分の均一な分散を容易にするために使用される。
本発明の活性成分は別として、本発明のプレミックスは、少なくとも1つの脂溶性ビタミン、および/または少なくとも1つの水溶性ビタミン、および/または少なくとも1つの微量ミネラル、および/または少なくとも1つの多量ミネラルを含有する。言い換えると、本発明のプレミックスは、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラル、および多量ミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの付加的な成分と共に、本発明に従う少なくとも1つの化合物を含む。
多量ミネラルは、単独で飼料に添加されてもよい。従って、特定の実施形態では、プレミックスは、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、および微量ミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの付加的な成分と共に、本発明の活性成分を含む。
以下は、これらの成分の例の非排他的なリストである:
− 脂溶性ビタミンの例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、およびビタミンK、例えばビタミンK3である。
− 水溶性ビタミンの例は、ビタミンB12、ビオチンおよびコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸およびパントテナート(panthothenate)、例えば、Ca−D−パントテナートである。
− 微量ミネラルの例は、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレン、およびコバルトである。
− 多量ミネラルの例は、カルシウム、リンおよびナトリウムである。
雌ウシなどの反芻動物のための飼料組成物およびその成分に関して、反芻動物の食餌は、通常、容易に分解可能な画分(濃縮物と命名)と、繊維が豊富であまり容易に分解されない画分(干し草、まぐさ、または食物繊維と命名)とから構成される。
干し草は、乾燥した牧草、マメ科植物または全穀物で作られている。牧草としては、とりわけ、オオアワガエリ、ドクムギ、フェスク(fescue)が挙げられる。マメ科植物としては、とりわけ、クローバー、ムラサキウマゴヤシまたはアルファルファ、エンドウ豆、豆およびカラスノエンドウが挙げられる。全穀物としては、とりわけ、大麦、トウモロコシ(コーン)、オート麦、ソルガムが挙げられる。その他のまぐさ作物としては、サトウキビ、ケール、セイヨウアブラナ、およびキャベツが挙げられる。また、カブ、スウェーデンカブ、マングル(mangle)、飼料用ビート、および甜菜(甜菜パルプおよびビート糖蜜を含む)などの根菜作物も、反芻動物を育てるために使用される。またさらなる作物は、ジャガイモ、キャッサバおよびサツマイモなどの塊茎である。サイレージは、繊維の豊富な画分(例えば、牧草、マメ科植物または全穀物から)がサイロ発酵されたものであり、制御された嫌気性発酵プロセス(自然発酵または添加剤処理による)によって高含水量の材料が処理される。
濃縮物は、大部分は穀物(醸造穀類および蒸留穀類を含む大麦、トウモロコシ、小麦、ソルガムなど)で作られているが、大豆、菜種、パーム核、綿実およびヒマワリなどのタンパク質が豊富な飼料成分を含有することも多い。
また雌ウシには、全ての食餌成分、例えば、まぐさ、サイレージおよび濃縮物が供給前に混合された完全混合飼料(TMR)が与えられてもよい。
上記のように、プレミックスは、本発明に従う活性化合物を含むことができる飼料添加物の一例である。化合物は、異なる他の形態で動物に投与されてもよいことが理解される。例えば、第一胃内に入れられて、明確に定義された投与量において規定量の活性化合物を特定の期間にわたって連続的に放出し得る巨丸剤中に、化合物が含まれることも可能である。
本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法に関し、上記の好ましい実施形態による式(I)の十分な量の少なくとも1つの化合物またはその塩を経口的に投与することを含む。
その上、本発明はさらに、式(I)の化合物が、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせて動物に投与される、上記の方法にも関する。
また本発明は、反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイからなる群から選択され、より好ましくは、ウシ、ヤギおよびヒツジからなる群から選択される、上記の方法にも関する。
また本発明は、反芻動物に投与される式(I)で定義される少なくとも1つの活性化合物の量が飼料1kgあたり約1mg〜約10g、好ましくは約10mg〜約1g、より好ましくは飼料1kgあたり50mg〜500mgの化合物である、上記の方法にも関する。
また本発明は、乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される反芻動物のメタン生成が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減された、上記の方法にも関する。好ましくは、メタンの低減は、少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%である。レーザービームの使用、あるいは酪農反芻動物の場合にはメタン生成と乳中のVFAプロファイルとの相関のように、代替的なメタン排出測定が使用されてもよい。
また本発明は、反芻動物の飼料転換率が従来の能力試験で測定される場合に少なくとも1%低減された、上記の方法にも関する。好ましくは、飼料転換率は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも2.5%、さらにより好ましくは少なくとも3%、最も好ましくは少なくとも3.5%低減される。
本発明は、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない以下の実施例によってさらに説明される。
[実施例]
[実施例1:メタン生成についての生体外試験]
この生体外システムによって模倣される第一胃の機能に対する特定の化合物の効果を試験するために、「Hohenheim Forage value Test(HFT)」の修正版を用いた。
[原理]
第一胃液の組成物および緩衝液の適切な混合物と共に、飼料をシリンジ内に供給する。溶液を39℃でインキュベートする。8時間後に、生成したメタンの量(および組成)を測定し、転換のための式に入力する。
[試薬]
[質量要素溶液(mass element solution)]
− 6.2gのリン酸二水素カリウム(KHPO
− 0.6gの硫酸マグネシウム七水和物(MgSO 7HO)
− 9mlの濃リン酸(1mol/l)
− 蒸留水に溶解させて1lにする(pH約1.6)
[緩衝溶液]
− 35.0gの炭酸水素ナトリウム(NaHCO
− 4.0gの炭酸水素アンモニウム((NH)HCO
− 蒸留水に溶解させて1lにする
[微量元素溶液]
− 13.2gの塩化カルシウム二水和物(CaCl 2HO)
− 10.0gの塩化マンガン(II)四水和物(MnCl 4HO)
− 1.0gの塩化コバルト(II)六水和物(CoCl 6HO)
− 8.0gの塩化鉄(III)(FeCl 6HO)
− 蒸留水に溶解させて100mlにする
[ナトリウム塩溶液:]
− 100mgのナトリウム塩
− 蒸留水に溶解させて100mlにする
[還元溶液]
− 最初に3mlの水酸化ナトリウム(c=1mol/l)、次に427.5mgの硫化ナトリウム水和物(NaO)を、71.25mlのHOに添加する
− 溶液は、媒体溶液に添加する直前に調製されなければならない
[手順]
[サンプルの秤量]
通常はTMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージおよび13%の牧草サイレージ)である飼料材料を1mmのふるいにかけ、64本のシリンジ内に正確に秤量する。これらのシリンジのうちの4本は基質対照であり、試験化合物の効果がない場合のガス生成を示す。別の4本のシリンジは正の対照であり、ブロモエタンスルホナートが0.1mMまで添加されている。必要であれば、4本のシリンジはキャリア対照を含有する(試験化合物がキャリアを必要とする場合)。残りのシリンジは、4本のシリンジ群によって試験物質を含有する。
[媒体溶液の調製]
成分をWoulffボトル内で以下の順序で混合する:
− 711mlの水
− 0.18mlの微量元素溶液
− 355.5mlの緩衝溶液
− 355.5mlの質量要素溶液
完成溶液を39℃まで温めた後、1.83mlのナトリウム塩溶液を添加し、36℃の還元溶液を添加する。指示薬が無色になったら第一胃液を添加する。
[第一胃液の抽出]
継続的に攪拌しながらCOガス処理の下、750mlの第一胃液を約1,400mlの媒体溶液に添加する。
[シリンジの充填、インキュベーション、ならびにガス容積およびVFA値の決定]
希釈した第一胃流体(24ml)をガラスシリンジに添加する。次に、シリンジを穏やかに攪拌しながら39℃で8時間インキュベートする。8時間後に、生成したガスの容積を測定し、ガスクロマトグラフィによって気相中のメタンの割合を決定する。
[結果]
発酵される食物は、人工TMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージおよび13%の牧草サイレージ)であった。実施例3〜11に記載されるように生成された化合物を、乾物(DM)の1〜0.1%の濃度で発酵シリンジに添加した。生体外効果の結果は以下の表に示される。
Figure 2015512637

Figure 2015512637

[実施例2:比較例:メタンの生成の生体外試験]
いずれかのアミン基が置換されているか、あるいはアミン基がパラ位でない一連の分子を用いて、実施例1に記載されるものと同じ生体外アッセイを実施した。このデータにより、アミノ基が存在する場合、かつそれがパラ位である場合にのみ有意なメタン低減活性が観察されることが実証される(表2と表3を比較)。
Figure 2015512637

この比較例のために、表3の化合物は、化学物質供給業者から購入するか、あるいは以下のプロセスに従って製造した。
[化合物B:3−ニトロ−フェニルアミン]
Figure 2015512637


3−ニトロ−フェニルアミンは、Lancasterから購入した。CAS[99−09−2]。カタログ#4063。バッチ#000084111H。NMR(300MHz,DMSO−d6):□5.79(ブロードs,2H)、6.89−6.96(m,1H)、7.19−7.31(m,2H)、7.35(t,J=2.0Hz,1H)。MS:139.0[C6H6N2O2+H]
[化合物D:4−(4−ニトロ−フェノキシメチル)−安息香酸の合成]
Figure 2015512637


[4−(4−ニトロ−フェノキシメチル)−安息香酸メチルエステル2:]
無水ジメチルホルムアミド(100mL)中の水酸化カリウム(1.70g、2.0eq)の懸濁液に、4−ニトロフェノール(2.53g、1.2eq)および4−(ブロモメチル)安息香酸メチル1(3.48g、1.0eq)を添加した。反応混合物を100℃で18時間攪拌した。水の添加(200mL)の後、混合物を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残存した懸濁液(ジメチルホルムアミド中)をろ過し、残留溶媒を真空で蒸発させて、化合物2を帯黄色の粉末として得た。収量2.98g(10.37mmol、68%)。
[4−(4−ニトロ−フェノキシメチル)−安息香酸3:]
アセトニトリル(200mL)中の化合物2(2.98g、1.0eq)の溶液に、塩酸(3N)溶液(200mL)を添加した。反応混合物を100℃で72時間攪拌した。得られた沈殿物をろ過して、化合物3を白色粉末として得た。収量1.33g(4.87mmol、47%)。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):□5.35(s,2H)、7.22(d,J=9.3Hz,2H)、7.56(d,J=8.4Hz,2H)、7.96(d,J=8.4Hz,2H)、8.21(d,J=9.3Hz,2H)、12.97(ブロードs,1H)。MS:274.1[C14H11NO5+H]
[化合物F:4−(4−ニトロフェニル)モルホリン]
Figure 2015512637


4−(4−ニトロフェニル)モルホリンは、ABCRから購入した。CAS[10389−51−2]。カタログ#AV24933/AB146794。バッチ#1196165。
[実施例3:メチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンの合成]
Figure 2015512637


メチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンは、Alfa Aesarから購入した。CAS[100−15−2]。カタログ#A15548。バッチ#A6950A。1HNMR(300MHz,DMSO−d6):□2.77(d,J=5.0Hz,3H)、6.58(d,J=9.3Hz,2H)、7.27(ブロードs,1H)、7.98(d,J=9.3Hz,2H)。MS:153.0[C7H8N2O2+H]
[実施例4:エチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンの合成]
Figure 2015512637


エチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンは、Sigma−Aldrichから購入した。CAS[3665−80−3]。カタログ#328499。バッチ#1061MC。1HNMR(300MHz,CHCl3−d):δ1.16(t,J=7.2Hz,3H)、3.07−3.22(m,2H)、6.60(d,J=9.3Hz,2H)、7.15−7.25(m,1H)、7.97(d,J=9.3Hz,2H)。MS:167.0[C8H10N2O2+H]
[実施例5:ジメチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンの合成]
Figure 2015512637


ジメチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンは、Alfa Aesarから購入した。CAS[100−23−2]。カタログ#L0040G。バッチ#10107319。1HNMR(300MHz,CHCl3−d):δ3.07(s,6H)、6.75(d,J=9.5Hz,2H)、8.03(d,J=9.5Hz,2H)。MS:167.0[C8H10N2O2+H]
[実施例6:(4−ニトロ−フェニル)−プロピル−アミンの合成]
Figure 2015512637


70mLの無水エタノール中の4−ニトロアニリン1(3.00g、1.0eq)の溶液に、プロピオンアルデヒド(1.90g、1.2eq)および氷酢酸(2.48mL、2.0eq)を添加した。反応混合物を密封管中70℃で24時間加熱した。室温まで冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.18g、1.6eq)を数回に分けて添加し、混合物を室温で18時間攪拌した。水の添加(50mL)の後、混合物を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル100/0から100/0、続いてシクロヘキサン/酢酸エチル100/0から80/20)により精製して、0.87gの化合物2を黄色粉末として得た。収量0.78g(4.33mmol、22%)。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ0.89(t,J=7.3Hz,3H)、1.56(sext,J=7.3Hz,2H)、3.02−3.15(m,2H)、6.61(d,J=9.3Hz,2H)、7.20−7.32(m,1H)、7.96(d,J=9.3Hz,2H)。MS:181.0[C9H12N2O2+H]
[実施例7:イソプロピル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンの合成]
Figure 2015512637


イソプロピル−(4−ニトロ−フェニル)−アミンは、Alfa Aesarから購入した。CAS[25186−43−0]。カタログ#H52375。バッチ#A05X026。1HNMR(300MHz,CHCl3−d):δ1.15(d,J=6.4Hz,6H)、3.58−3.77(m,1H)、6.60(d,J=9.3Hz,2H)、7.13(d,J=7.5Hz 1H)、7.96(d,J=9.3Hz,2H)。MS:191.0[C9H12N2O2+H]
[実施例8:2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−エタノールの合成]
Figure 2015512637


4−ニトロアニリン1(2.00g、1.0eq)を密封管内で2−ブロモエタノール(0.71mL、0.7eq)中に混合した。反応混合物を90℃で72時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)および(1N)水酸化ナトリウム溶液(50mL)で希釈した後、混合物を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、(1N)水酸化ナトリウム溶液(2x50mL)で洗浄し、水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル100/0から100/0、続いてシクロヘキサン/酢酸エチル100/0から30/70)により精製して、化合物2を黄色粉末として得た。収量1.13g(6.2mmol、61%)。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ3.15−3.27(m,2H)、3.49−3.60(m,2H)、4.78(t,J=5.3Hz,1H)、6.64(d,J=9.3Hz,2H)、7.20−7.35(m,1H)、7.96(d,J=9.3Hz,2H)。MS:183.0[C8H10N2O3+H]
[実施例9:3−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オールの合成]
Figure 2015512637


4−ニトロアニリン1(5.00g、1.0eq)を密封管内で3−ブロモプロパノール(2.61mL、0.7eq)中に混合した。反応混合物を90℃で18時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)および(1N)水酸化ナトリウム溶液(50mL)で希釈した後、混合物を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル100/0から100/0、続いてシクロヘキサン/酢酸エチル100/0から30/70)により精製して、化合物2を黄色粉末として得た。収量3.29g(16.76mmol、58%)。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ1.69(quint、J=6.3Hz,2H)、3.12−3.24(m,2H)、3.41−3.53(m,2H)、4.51(t,J=5.1Hz,1H)、6.61(d,J=9.3Hz,2H)、7.24(t,J=5.2Hz,1H)、7.96(d,J=9.3Hz,2H)。MS:197.0[C9H12N2O3+H]
[実施例10:4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリンの合成]
Figure 2015512637


4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリンは、AURORA FINE CHEMICALSから購入した。CAS[408365−67−3]。カタログ#A00.198.769。バッチ#1108894。
[実施例11:3−((4−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル)−安息香酸の合成]
Figure 2015512637


100mLのエタノール(乾燥)中の3−カルボキシベンズアルデヒド1(2.17g、1.0eq)の溶液に、4−ニトロアニリン(2.00g、1.0eq)および氷酢酸(1.66mL、2.0eq)を添加した。反応混合物を50℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.46g、1.6eq)を数回に分けて添加し、混合物を室温で18時間攪拌した。真空下で溶媒を蒸発させた後、残渣を水(100mL)中で粉砕し、ろ過し、ジクロロメタン/メタノール(95/5)混合物(10mL)で洗浄して、化合物2を黄色固体として得た。収量2.18g(8.0mmol、55%)。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ4.48(d,J=6.1Hz,2H)、6.66(d,J=9.3Hz,2H)、7.46(t,J=7.7Hz,1H)、7.58(d,J=7.7Hz,1H)、7.77−8.00(m,5H)、12.95(s,1H)。MS:273.1[C14H12N2O4+H]

Claims (15)

  1. 反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、動物の給餌における活性化合物としての式(I)
    Figure 2015512637


    (式中、RおよびRは互いに独立してH、−CH、または−CHを表し、Rは飽和または不飽和の線状、分枝状または環状C〜C−炭化水素基であって、場合により、−OH、−NH、−COOHから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、前記C〜C炭化水素中の炭素原子の1つまたは2つは、場合により、窒素または酸素原子によって置換されていてもよい)
    で定義される少なくとも1つの化合物またはその塩の使用。
  2. がHまたは−CHである、請求項1に記載の使用。
  3. がHまたは−CHであり、RがH、−CH、または−CHであり、Rが飽和の線状または分枝状C〜C−炭化水素基である、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記式(I)の化合物が、(4−ニトロ−フェニル)−アミン、メチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、エチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、ジメチル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、(4−ニトロ−フェニル)−プロピル−アミン、イソプロピル−(4−ニトロ−フェニル)−アミン、2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−エタノール、3−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール、4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリン、4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリン、および3−((4−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル)−安息香酸を含む化合物の群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記式(I)の少なくとも1つの化合物またはその塩が、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、および水牛からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される前記反芻動物におけるメタン生成量が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記反芻動物に投与される前記式(I)で定義される少なくとも1つの活性化合物の量が、飼料1kgあたり1mg〜10gである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を含む、飼料組成物または飼料添加物。
  10. ミネラルプレミックス、ビタミンプレミックス、またはビタミンおよびミネラルを含むプレミックス、または巨丸剤である、請求項9に記載の組成物。
  11. 反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法であって、十分な量の式(I)
    Figure 2015512637


    (式中、RおよびRは互いに独立してH、−CH、または−CHを表し、Rは飽和または不飽和の線状、分枝状または環状C〜C−炭化水素基であって、場合により、−OH、−NH、−COOHから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、前記C〜C炭化水素中の炭素原子の1つまたは2つは、場合により、窒素または酸素原子によって置換されていてもよい)
    の少なくとも1つの化合物またはその塩を前記動物に経口的に投与することを含む方法。
  12. 前記式(I)の少なくとも1つの化合物が、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせて前記動物に投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイからなる群から選択される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記反芻動物に投与される前記式(I)の少なくとも1つの化合物の量が、飼料1kgあたり1mg〜10gである、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される前記反芻動物におけるメタン生成量が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
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