JP2015511641A - 天然油系ゲル、適用および調製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、天然油およびその誘導体の新規非水性ゲルに関し、ゲル化剤の添加または油の不可逆的な熱増粘を必要としない、天然油およびその誘導体の新規なゲル化方法を提供する。本発明のゲルおよび方法は、広範な天然油に適用可能であり、本発明の方法は所望の粘度の熱可逆性ゲルを提供するように容易に調整できる。本発明の天然油系ゲルとその調製法は先行技術に対して多くの利点を有する。提供される天然油系ゲルは模範的な特性を有し、様々な適用に用途がある。【選択図】図1

Description

本出願は、米国特許法119条のもとに、2012年2月25日出願の「天然油脂肪酸および誘導体のゲル化」と題される米国仮特許出願第61/603,253号に優先権を請求し、その全体が本明細書に援用される。
天然油およびその誘導体は、石油の減少しつつある供給に対する代替物として、そしてまた、石油系化学原料に関する環境的懸念のため、ますます重要になり続けている。天然油、例えば大豆油、コーン油、亜麻仁油等は、熱硬化性および熱可塑性材料、燃料、化粧品成分、および多くの他の適用の開発のための原料として、すでに利用されてきている。石油由来炭化水素のゲルは、油田産業における多くの重要な産業適用、例えば破砕流体および粘稠化剤(viscosifer)に有用性を見出す。これらはまた、インク産業におけるキャリアーまたはビヒクルとしても、そして塗料およびコーティングにおける増粘剤としても、有用性を見出す。さらに、これらは、パーソナルケアおよび化粧品産業において、広い有用性を見出す。炭化水素ゲルは、伝統的に、2つの方法の1つによって作製される。1つの方法において、液体炭化水素中でゲル化剤を可溶化するために、有機金属ゲル化剤、最も一般的にはアルミニウムアシレート、または他のアルミニウム化合物を、加熱しながら炭化水素に添加する。ゲル化はおそらく、有機アルミニウム化合物が、炭化水素において長いポリマー鎖または凝集体を形成する機構によって起こる。別の方法は、液体炭化水素中でポリマーを溶解するために、熱可塑樹脂、例えばブロックコポリマーまたはポリアミド樹脂の炭化水素への添加を伴う。これらの系におけるゲル化はおそらく、物理的架橋または水素結合を通じた化学的架橋によって起こる。今日まで、石油系炭化水素を粘稠化するかまたはゲル化するために用いられるこれらの伝統的な方法は、天然油に成功裡に適用されてきておらず、そしてしたがって、これらの天然油ゲルは、炭化水素ゲルに対する代替物として広く利用可能になってきていない。
天然油の粘度またはゲル化を増加させるための主な手段は、歴史的に、油を「熱増粘(heat−bodying)」させると称されてきている。このプロセスにおいて、トリグリセリド油における不飽和部位での化学的架橋を促進するため、不飽和天然油を、不活性大気中、典型的には300〜340℃の高温に供する。このプロセスは、US 5,122,188に記載されるように、典型的には、1600〜1800センチポイズの粘度を持つ油を生じる。より高い粘度を得るため、第二のタイプの熱増粘プロセスが使用されており、この方法では、油が不可逆性にゲル化されるまで、高温加熱を続ける。次いで、この加工しにくいゲルを、非修飾油とともに約340℃で加熱して、所望の粘度を生じる。これらのブレンドからゲル化油の不溶性の塊を濾過することがしばしば必要である。さらに、これらのプロセスはどちらも、トリグリセリド油鎖間の不可逆的な化学的架橋を生じるため、粘度の正確な制御を維持することは困難である。また、これらのプロセスはどちらも、油分解および脱色を防止するため、酸素の厳密な排除を必要とする。このプロセスによって熱可逆性である硬ゲルを提供することも不可能である。
より最近、天然油と適合可能であるように特別に設計された高分子量ブロックコポリマーを用いることによって、天然油が成功裡にゲル化されてきていることが報告されている。US 7,674,848B2およびUS 7,626,967B2は、どちらも、多様なレベルで油に取り込まれるブロックコポリマーを合わせ、そして次いで、均質なゲルを得るために、熱および剪断を適用することによる、天然油のゲル化を開示する。しかし、この方法にはいくつかの不利な点がある。用いるブロックコポリマーは、用いる特定の油と適合するように特異的に設計されていなければならず(1つのコポリマーは広い範囲の油とは適合しないようである);高負荷(20%)のブロックコポリマーであっても、本発明によって提供するゲルに比較して、低粘度のゲルが得られる。常温で、硬い清澄なゲル、あるいは流動または粘着性をまったく示さない清澄なゲルは、高負荷のブロックコポリマーを用いても、得ることが困難であるようである;粘度は、ブロックコポリマーのスチレン含量によって制御され、これにはある範囲の異なるゲル化剤が必要である。これらの「天然油ゲル」は、本質的に、合成ブロックコポリマーの最大50%負荷を伴う天然油のブレンドであり、したがって、環境的観点から、この方法の魅力を減少させることもまた認識すべきである。
US 5,122,188 US 7,674,848B2 US 7,626,967B2
本発明の目的は、天然油およびその誘導体の新規非水性ゲルを提供することである。
本発明の目的は、任意の所望の粘度の天然油およびその誘導体のゲルを得るための単純で好適な方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、インク適用において、ゲル化ビヒクルまたはキャリアーとして有用な、天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、コーティングおよびインク適用において、顔料および充填剤のための分散剤として有用な天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、油田適用における添加剤、ポリマーおよびプロパント(propant)のためのビヒクルまたはキャリアーとして有用な天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、油系および水系の掘削流体における添加剤として有用な天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、潤滑剤として有用な天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、パーソナルケアおよび化粧品適用において有用な天然油およびその誘導体のゲルを提供することである。
本発明は、式(i)および(ii)の、天然油系熱可逆性ゲルを提供し;
式中、天然油または天然油誘導体は、エン反応またはディールス・アルダー反応を経て、付加物を形成することが可能な基質と反応した約80パーセントより多い不飽和または共役不飽和脂肪酸を含有し;前記付加物は、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物またはアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩塩基との反応に供されて、無水熱可逆性アイオノマーゲルを形成する。
本発明はまた、式(iii)および(iv)の、天然油系熱可逆性ゲルも提供し;
式中、天然油または天然油誘導体は、エン反応またはディールス・アルダー反応を経て、付加物を形成することが可能な基質と反応した約80パーセントより多い不飽和または共役不飽和脂肪酸を含有し、該付加物は、アルカノールアミンでさらにエステル化され、そして中和されて、熱可逆性アイオノマーゲルを形成する。
本発明はさらに、天然油、脂肪酸およびその誘導体の熱可逆性ゲルを提供するための方法であって:(a)前記天然油、脂肪酸または誘導体との「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経て付加物を形成することが可能な適切な基質と、天然油、脂肪酸または誘導体を反応させること;および(b)適切な無機塩基を用いた、制御された非水性中和に、前記付加物を供し、ここで中和は、完全な中和に必要な塩基の理論化学量論量未満の量で行われることを含む、前記方法を提供する。
本発明はまた、天然油、脂肪酸および誘導体の熱可逆性ゲルを提供するための方法であって:(a)前記天然油、脂肪酸または誘導体との「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経て付加物を形成することが可能な適切な基質と、天然油、脂肪酸または誘導体を反応させること;および(b)アルカノールアミンを用いた、制御されたエステル化/中和反応に、前記付加物を供し、ここで反応させるアルカノールアミンの量は、完全な反応に必要な理論化学量論量未満であること、を含む前記方法を提供する。
図1は、トリグリセリドまたは誘導体が共役二重結合を含有する、主なディールス・アルダー付加物を示す。 図2は、ありうるマレイン酸付加物または他の付加物部分へのアルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミン由来の構造を例示する。 図3は、アルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミンに対する付加物の比に応じた、本発明のエステル化産物の構造を例示する。 図4は、無水マレイン酸部分の中和量を変化させることによって、任意の所望の粘度の天然油ゲルを製造するための本発明の方法の有用性を例示する。 図5は、天然油の所定のレベルのマレイン酸化(maleation)で、トリエタノールアミンを用いた無水マレイン酸部分のエステル化/中和の量を変化させることによって、任意の所望の粘度の天然油ゲルを製造するための本発明の方法の有用性を示す。 図6は、実施例23の大豆油ゲルで達成された最大75パーセントのクレイ負荷の一方で、標準的な大豆系アルキド樹脂ではわずか50パーセントの負荷しか達成されなかったことを特徴付ける。
本発明は、天然油およびその誘導体の新規非水性ゲル、ならびにこうしたゲルを得るための新規方法を提供する。任意の所望の粘度の熱可逆性で清澄透明なゲルは、所望の粘度を得るために、ゲル化剤の添加または油の高温「熱増粘」を必要としない、単純で経済的な2工程プロセスによって好適に得られる。得られたゲルは、歴史的に既知の技術で見られてきた、「油にじみ(oil bleeding)」またはゲルからの油の分離を示さない。
第一の工程において、トリグリセリド油の付加物の形成を生じる、不飽和部位との「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経ることが可能な不飽和基質と、トリグリセリド油鎖の二重結合および/または共役二重結合を、熱縮重を通じて反応させるプロセスによって、不飽和天然油またはその誘導体を修飾する。形成される付加物は、優先的に無水物であり、そしてこの方式でトリグリセリド油と反応する基質は、好ましくは無水マレイン酸である。用語「マレイン酸化」は、歴史的に、天然不飽和油、脂肪酸およびその誘導体の、無水マレイン酸との反応に適用されてきている。この方法によるトリグリセリド油の官能化は、当該技術分野に周知であり、そしてUS 2,033,131、2,033,132および2,063,540に記載される。これらの付加物は、一般的に、文献において、「マレイン酸化油」または「マレイン化(maleinized)油」と称される。これらの天然油付加物の水性中和もまた、石鹸、乳化剤および水系潤滑剤を産生することが当該技術分野に周知である。
出願人は、ここで、これまでに報告されていない、こうした付加物の制御された非水性中和が、天然油、脂肪酸およびその誘導体の新規非水性ゲルまたは「オレオゲル」を産生する、単純で便利な方法であることを発見した。この方法は、広い範囲の天然不飽和油およびその誘導体に適用可能であることが立証されてきており、そして粘性液体から硬い固体ゲルまでの、任意の所望の粘度の熱可逆性ゲルが製造されることを可能にする。該方法は、先行技術に勝る多くの利点を有し、ここでゲルは好適にそして経済的に製造され、そして高価なゲル化剤の添加を必要とせず、または油の「熱増粘」を必要としない。本発明の方法はまた、ゲルの水溶性および油溶性を特別の適用のために仕立てるが、先行技術に開示される天然油ゲルは油溶性であるのみである。
無水マレイン酸は、低コストであり、そして安定であるため、付加物形成のために好ましい不飽和基質であるが、当業者には、熱「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経ることが可能な任意のアルファ−ベータ不飽和分子が使用可能であることが周知である。特定の限定されない例には、イタコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸およびメタクリル酸、フマル酸、クエン酸、アコニット酸、シトラコン酸、マレイミド、マレアミド酸等が含まれる。
本発明の方法で使用可能な天然油または天然油誘導体には、不飽和脂肪酸の有意な部分を含有する任意のトリグリセリド油またはその誘導体が含まれる。非共役および共役二重結合の両方を含有する天然トリグリセリド油が適切である。適切なトリグリセリド油の限定されない例としては、大豆油、亜麻仁油、紅花油、ヒマワリ油、アボカド油、菜種油、ヒマシ油、トールオイル、ロジン油およびキリ油が挙げられる。本発明で使用される脂肪酸は、一般的に、トリグリセリド油の脂肪酸構成要素に対応し、そしてこれには、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、トールオイル脂肪酸、ガドレイン酸、リシノール酸等が含まれる。
これらの脂肪酸の誘導体、例えばエステル、アミド等もまた使用可能である。これらには、限定されるわけではないが、メチルエステル、エチルエステル、より長鎖のアルコール、一般的にはC4〜C22アルコール由来のエステル、ポリヒドロキシアルコール、例えばグリセロール、ジグリセロールおよびポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等由来のエステルが含まれる。やはり有用なのは、グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等ならびにポリオール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のジエステルである。
本発明の1つの態様において、第一の工程で得られる付加物を、無水物環が開放されて、付加物の完全または部分的中和酸塩を形成する反応に供する。中和反応を完全に無水の方式で実行してもよいし、または反応時間を減少させるため、中和剤を少量の水に溶解してもよい。どちらの場合でも、中和中に添加されるかまたは形成される水を、反応混合物から完全に除去して、無水アイオノマーゲルを提供する。窒素スパージ下で、単に煮沸することによって水の除去を好適に行うことも可能であるし、または望ましい場合、真空を適用してもよい。いかなる特定の理論によっても束縛されないが、熱可逆性ゲル化は、中和に際して形成されるカルボン酸金属基の可逆性イオン性凝集を通じた、アイオノマー架橋または物理的架橋の形成を介して起こると考えられている。イオン基のこうした熱可逆性凝集は特定のポリマーにおいて周知であるが、従来、官能化天然油においては報告されてこなかった。出発トリグリセリド油、脂肪酸または誘導体の組成に応じて、ディールス・アルダー付加物および/またはエン付加物の両方が可能である;トリグリセリドまたは誘導体が共役二重結合を含有する場合、ディールス・アルダー付加物が主である(図1)。
中和は、好ましくは、無水物部分のある程度またはすべてと反応するために十分な量の適切な塩基を添加し、続いて、完全に中和されたまたは部分的に中和されたマレイン酸部分が形成されることによって行われ、次いでゲル形成が生じる。適切な塩基には、金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム等が含まれる。金属炭酸塩塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸リチウム等もまた、使用可能である。アンモニウム塩ならびにアンモニアを形成する三級アミン塩基もまた使用可能である。他の三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチルヘキシルアミン等もまた適切である。二級アミンまたは活性水素を持つアミンは、一般的に、アミドが形成する結果となるため好ましくない。
マレイン酸部分を中和するのにちょうど十分な量の塩基を添加してもよいが、油の十分なゲル化を生じるために、マレイン酸基両方を完全に中和することは必要でないかまたは一般的に望ましくない。無水物/酸官能性を完全に中和するために必要な塩基の理論上の量未満の量を添加することが一般的に望ましい。これによって、トリグリセリド油の望ましくない鹸化、または石鹸形成を生じ、そして望ましい透明なゲル中にヘイズを生じさせるエステル連結が回避される。塩基を添加する温度もまた重要であり、好ましい温度範囲は、約50℃〜約100℃、そして最も好ましくは約60℃〜約80℃である。金属塩基、例えば炭酸ナトリウムを用いる場合、一般的には、これらを固形で添加することが望ましいが、中和反応終了時に真空によって過剰な水を除去するという条件で、これらを水スラリーとして添加してもよい。炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムは、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムよりも好ましく、これは、水酸化物がトリグリセリドをある程度まで鹸化して、望ましくない石鹸形成を生じる傾向があるためである。水酸化リチウムは炭酸リチウムよりも好ましく、これはより弱い塩基では鹸化は重要でないためである。
所望の粘度に応じて、中和の好ましいレベルは、トリグリセリド油中のマレイン酸付加物または他の付加物のモルパーセントに基づく塩基の理論上の量の約10〜約100パーセントであり、そしてより好ましくは約20〜約60パーセントである。より高いレベルの中和は、一般的には、油の十分なゲル化を生じるには不要である。12〜14パーセントのマレイン酸化レベルでは、一般的に、硬ゲルを得るため、トリグリセリド油中のマレイン酸付加物または他の付加物のモルパーセントに基づく理論上の量の50パーセントを超えて中和する必要はない。残りの酸官能性をさらに中和して、ゲルを水中で可溶性にしてもよいし、または中和されないままにしてもよい。この方法により、油溶性および水溶性の両方であるユニークな特性を有するゲルが製造されることが可能になる。
先行技術に勝る本発明の方法の別の利点は、ゲルの粘度を正確に制御可能であることである。本発明のゲルの粘度は、天然油または誘導体のマレイン酸化のレベル、そしてまた中和のレベルに応じる。所定のレベルのマレイン酸化に関して、中和レベルが増加するにつれて粘度が増加する。所定のレベルの中和に関して、マレイン酸化レベルが増加するにつれて粘度が増加する。したがって、高レベルのマレイン酸化を低レベルの中和と組み合わせると、より油溶性の硬ゲルが製造され、一方、より低レベルのマレイン酸化をより高レベルの中和と組み合わせると、より水溶性の硬ゲルが製造される。
本発明の第二の態様において、マレイン酸化または別の方式で官能化された天然油を、第二の工程において、エステル化/中和反応中、アルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミンと反応させて、熱可逆性ゲル形成を生じる。アルカノールアミンの限定されない例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、そのアルコキシル化誘導体等が挙げられる。好ましいアルカノールアミンはトリエタノールアミンである。アルカリおよびアルカリ土類金属塩基と同様に、一般的に、無水マレイン酸官能性を完全に中和し、および/またはエステル化するのに必要な化学量論量未満の量を用いることが望ましい。好ましくは、アルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミンは、一般的に、マレイン酸付加物または他の付加物部分と反応するために必要な理論モル量の10〜100%の間であり、そして最も好ましくは所望の粘度に応じて、理論量の10〜60%の間である。
アルカノールアミンを用いると、無水マレイン酸部分のエステル化の両方は、同じまたは別のマレイン酸部分の同時中和に沿って起こる。マレイン酸付加物または他の付加物部分に対するアルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミンの比に応じて、異なる構造の混合物が可能である(図2)。
当業者に認識されるであろうように、アルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミン上の1、2またはすべてのヒドロキシル基が、アルカノールアミンまたはアルコキシル化アルカノールアミンに対する付加物の比に応じてエステル化されうる(図3)。
ここでも、ディールス・アルダー付加物および/またはエン付加物の両方が可能である;トリグリセリドまたは誘導体が共役二重結合を含有する場合、ディールス・アルダー付加物が主である。
アルコキシル化アルカノールアミンの使用によって、ゲルの水溶性および油溶性の制御が可能になる;水溶性酸化エチレン誘導体が多いほどより親水性になり、そして油溶性の酸化アルキレン誘導体、例えば酸化プロピレンおよび酸化ブチレン誘導体が多いほど、より親油性になる。したがって、本発明のこの態様のゲルを、修飾して水系および油系のシステムの両方で使用に適するように調整し、開示するゲルが油溶性のみを有する先行技術に勝る実質的な改善を提供してもよい。
アルカノールアミンを添加する温度は重要ではないが、一般的に、添加温度を50〜120℃の間、そして最も好ましくは50〜80℃の間に維持することが望ましい。反応温度は、無水マレイン酸部分の環開放に作用するのに十分であればよい。反応時間は重要ではないが、一般的に、1〜2時間、またはIRスペクトル中の無水物バンドの非存在によって示されるように、反応が完了するまで、反応を維持することが好ましい。
以下の実施例は、本発明の好ましい態様の有用性を示すことを意図し、そしていかなる点でも、その範囲または適用可能性を限定すると見なされてはならない。
実施例1〜10
以下の一般的な方法を用いて、表1に列挙する天然油ゲルを調製した。第一の工程において、天然油2000gおよび無水マレイン酸の望ましい量を、3L 四つ口丸底フラスコに投入した。フラスコの内容物を、窒素スパージ下、攪拌しながら、徐々に210℃まで加熱した。GC分析によって、反応混合物中に遊離無水マレイン酸がまったく検出されなくなるまで、反応混合物をこの温度に維持した。反応混合物を50℃に冷却し、そして炭酸ナトリウムのある量(無水マレイン酸当量あたり、0.25当量)をゆっくりと添加した。炭酸ナトリウムは固体としてまたは水スラリーとして添加し得た。すべての炭酸ナトリウムが反応し、そして反応混合物が清澄になるまで、反応混合物を60℃で維持した。過剰な水を真空下で揮散させ、そして得たゲルを放出させた。得たゲルは、例示的な特性を有し、清澄で、そして透明であり、そして油にじみをまったく示さない。
表1中のゲルの特性はまた、本発明の方法の多用途性を示し、そして先行技術に勝るいくつかの利点を例示する。1)天然油の比較的低レベルの修飾しか必要でない;生じる最終ゲルは、86〜93%の天然油で構成され、一方、US7674848に報告されるゲルは、硬ゲルを得るため、合成ブロックコポリマー添加の20〜50重量%の間の添加を必要とする。2)粘着性をまったく示さない硬ゲルが容易に得られる、一方、こうしたゲルは先行技術に開示される方法によっては得ることが困難である。3)US7674848に記載される天然油ゲルは、用いる天然油に応じて異なるゲル化剤を必要とする一方、本発明の方法は、広範な天然油およびその誘導体に適用可能である。4)本発明の方法は、天然油上に結びつく無水マレイン酸または他の部分の量を単純に変化させることによって、あるいは中和剤の量を変化させることによって、ゲルの粘度の正確な制御を可能にする、実施例11(図4)。
実施例11
図4は、無水マレイン酸部分の中和量を変化させることによって、任意の所望の粘度の天然油ゲルを製造するための本発明の方法の有用性を示す。こうした正確な粘度制御は、先行技術の方法によっては、不可能でないとしても困難である。
実施例12〜18
以下の方法を用いて、表2中の天然油ゲルを調製した。第一の工程において、天然油2000gおよび無水マレイン酸の望ましい量を、3L 四つ口丸底フラスコに投入した。フラスコの内容物を、窒素スパージ下、攪拌しながら、徐々に210℃まで加熱した。GC分析によって、反応混合物中に遊離無水マレイン酸がまったく検出されなくなるまで、反応混合物をこの温度に維持した。反応混合物を50℃に冷却し、そして望ましい量の固形水酸化リチウムを添加した。反応混合物が清澄になるまで、反応混合物を125〜140℃で加熱した。真空を適用して、過剰な水を除去してもよいが、必要なわけではない。得たゲルは、清澄で透明である模範的な特性を有し、そして油にじみまたは溶解されない鹸化トリグリセリドをまったく示さない。
実施例23〜34
以下の一般的な方法を用いて、表3に列挙する天然油ゲルを調製した。第一の工程において、天然油2000gおよび無水マレイン酸の望ましい量を、3L 四つ口丸底フラスコに投入した。フラスコの内容物を、窒素スパージ下、攪拌しながら、徐々に210℃まで加熱した。GC分析によって、反応混合物中に遊離無水マレイン酸がまったく検出されなくなるまで、反応混合物をこの温度に維持した。反応混合物を90℃に冷却し、そしてトリエタノールアミンまたはアルコキシル化トリエタノールアミン(無水マレイン酸1.0当量あたり、0.67当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を、1時間、または反応混合物の赤外スペクトルにおいて未反応無水マレイン酸が観察されなくなるまで、80℃で維持し、得たゲルを放出させた。
表3中のゲルの特性はまた、先行技術に勝る、本発明の方法のこの態様の多用途性および利点を例示する。
実施例35
図5は、天然油の所定のレベルのマレイン酸化で、トリエタノールアミンを用いた無水マレイン酸部分のエステル化/中和の量を変化させることによって、任意の所望の粘度の天然油ゲルを製造するための本発明の方法の有用性を示す。
実施例36〜42
表5の実施例は、天然油誘導体のゲル調製における本発明の方法の有用性を例示する。これらの実施例は、本発明の方法の適用可能性の例示であり、そしていかなる点でも方法の範囲および適用可能性を限定すると見なしてはならないことを理解するべきである。
以下の一般的な方法を用いて、表5に列挙する天然油ゲルを調製した。第一の工程において、天然油誘導体2000gおよび無水マレイン酸の望ましい量を、3L 四つ口丸底フラスコに投入した。フラスコの内容物を、窒素スパージ下、攪拌しながら、徐々に210℃まで加熱した。GC分析によって、反応混合物中に遊離無水マレイン酸がまったく検出されなくなるまで、反応混合物をこの温度に維持した。反応混合物を50℃に冷却し、そして望ましい量の塩基またはアルカノールアミンをゆっくりと添加した。反応混合物を80℃で1時間、または反応混合物の赤外スペクトルにおいて未反応無水マレイン酸が観察されなくなるまで維持し、得たゲルを放出させた。
実施例43〜48
以下の実施例は、多様な適用における本発明の新規ゲルの特定の有用性を例示するよう意図され、そしていかなる点でも適用可能性または有用性の範囲を限定すると見なしてはならない。
生体分解性天然油系ゲル化インクビヒクル
実施例1〜13および実施例23〜25において調製するような異なる粘度の大豆油ゲルを、安定なポリテトラフルオロエチレン分散物の調製のためのキャリアーとして利用した。こうした分散物は、非水性インク配合物における添加剤として有用であり、最終印刷物に摩擦減少および耐摩耗性を提供することが知られている。微粉末化PTFEを、ゲル化大豆油内で、80℃で1時間混合して、混合物を冷却させ、次いで放出させることによって、分散物を調製した。分散物を25%および75%PTFE負荷で調製した。標準的な大豆系アルキド樹脂を用いて、対照分散物を作製した。次いで、分散物安定性を評価するため、分散物を50℃でエイジングさせた。次いで、大豆油ゲルおよび対照アルキド系添加剤を色素性インクに配合し、印刷物を調製した。印刷物を乾燥させ、次いで耐摩耗性試験に供した。結果を表6に示す。
実施例46
クレイ分散物
6000cPの粘度を有する、実施例23中で調製されるような大豆油ゲルを、ヒートセットインクにおける充填剤として利用される、大豆油中のベントナイトクレイの安定な分散物の調製のためのキャリアーまたは分散剤として利用した。産業において一般的に用いられる、大豆系アルキド樹脂を対照または比較例として用いた。図6に示すように、実施例23の大豆油ゲルでは、最大75パーセントのクレイ負荷が達成されたが、標準的な大豆系アルキド樹脂では、わずか50パーセントの負荷しか達成されなかった。
実施例47
二酸化チタン分散物
実施例24において調製されるような大豆油ゲルを、80/20イソプロパノール/酢酸イソプロピル溶媒混合物中の高固体二酸化チタン分散物の調製に利用した。当該技術分野において例示的分散物として知られる標準的ポリエチレンイミン(polyethylenime)分散物および標準的ポリカルボン酸分散物を比較例として用いた。図7に示すように、比較分散剤では、50〜60パーセントの二酸化チタン負荷を含有する安定で注げる分散物が達成されたのみだったが、実施例24の大豆油ゲルでは、最大80パーセントの負荷を含む、安定で注げる分散物が達成された。
実施例48
顔料分散物
実施例23において調製されるような大豆油ゲルを、不飽和ポリエステル樹脂中の多様な顔料の分散物の調製に利用した。当該技術分野において例示的な分散剤として知られる、カルボン酸アルキルアンモニウム塩系の分散剤を比較目的のために用いた。表8に示すように、いくつかの顔料に関して、30パーセント顔料負荷の対照分散剤と比較した際、同じ分散剤レベルで、実施例23の大豆油ゲルは、分散粘度の50%の減少を生じた。同じ顔料負荷での分散物粘度の実質的な減少は、先行技術に勝る実質的な改善に相当し、さらに、本発明の天然油系ゲルの有用性を示す。
実施例49
安定なグアー懸濁物
実施例2および24で調製されたような大豆油ゲルを、油井およびガス井の水圧破砕法で用いられる安定グアー懸濁物の調製のためのキャリアーとして用いた。グアーの懸濁物は、40%固体で作製され、キャリアーおよび粘性化(viscosifying)剤としての疎水性クレイとしてミネラルオイルを用いた40%固形懸濁物と比較された。ゲル化大豆油系懸濁物は、時間とともに沈殿したグアーの量によって測定されたように、同一の、そしてある場合には優れた、安定性を示した。大豆油ゲル懸濁物は、環境的に許容されうるという追加的な利点を有し、また、クレイ粘性化添加物を必要としない。
実施例50
油系掘削流体
実施例2および24で調製されたような大豆油ゲルを、油系掘削流体の調製のためのキャリアーとして用いた。クレイ増粘剤の使用を伴わず、バライトおよびゲル化大豆油を混合することによって、40〜50重量%のバライトを含有する掘削流体を作製した。クレイ粘性化剤とともに、ケロセンなどの慣用的なキャリアーを用いて、対照掘削流体を作製した。ゲル化大豆油系掘削流体は、対照に比較して、同一の、そしてある場合には改善された、安定性および流動特性を示した。大豆油系掘削流体は、環境に優しいという追加的な利点を有し、また、クレイ粘性化添加物を必要としない。
本明細書に引用するすべての参考文献の内容およびこれらの参考文献各々に引用される参考文献すべては、これらの参考文献が本文中に示されているかのように、本明細書にその全体が援用される。
本発明の多くの態様が上記に開示され、そしてこれには、現在好ましい態様が含まれるが、本開示の範囲内で、そして以下の付随する請求項において、多くの他の態様および変動が可能である。したがって、好ましい態様の詳細および提供された実施例は、限定と見なされるものではない。本明細書で用いる用語は、限定するというよりは単に説明しており、そして多様な変化、多くの同等物が、請求する本発明の精神または範囲から逸脱することなく作製可能である。

Claims (18)

  1. 式(i)および(ii)の、天然油系熱可逆性ゲル;
    式中、天然油または天然油誘導体は、エン反応またはディールス・アルダー反応を経て、付加物を形成することが可能な基質と反応した不飽和または共役不飽和脂肪酸を約80パーセントより多く含有し;前記付加物は、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物またはアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩塩基との反応に供されて、無水熱可逆性アイオノマーゲルを形成する。
  2. 前記基質がマレイン酸無水物である、請求項1の天然油系熱可逆性ゲル。
  3. 式(iii)および(iv)の、天然油系熱可逆性ゲル;
    式中、天然油または天然油誘導体は、エン反応またはディールス・アルダー反応を経て、付加物を形成することが可能な基質と反応した不飽和または共役不飽和脂肪酸を約80パーセントより多く含有し、該付加物は、アルカノールアミンでさらにエステル化され、そして中和されて、熱可逆性アイオノマーゲルを形成する。
  4. 前記基質がマレイン酸無水物である、請求項3の天然油系熱可逆性ゲル。
  5. 前記アルカノールアミンがトリエタノールアミン、またはアルコキシル化トリエタノールアミンである、請求項3の天然油系熱可逆性ゲル。
  6. 天然油、脂肪酸およびその誘導体の熱可逆性ゲルを提供するための方法であって:
    (a)前記天然油、脂肪酸または誘導体との「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経て付加物を形成することが可能な適切な基質と、天然油、脂肪酸または誘導体を反応させること;および
    (b)適切な無機塩基を用いた、制御された非水性中和に、前記付加物を供し、ここで前記中和は、完全な中和に必要な塩基の理論化学量論量未満の量で行われることを含む、方法。
  7. 前記基質がマレイン酸無水物である、請求項6の方法。
  8. 前記塩基がアルカリ水酸化物もしくは炭酸塩またはアルカリ土類金属水酸化物もしくは炭酸塩である請求項6の方法。
  9. 天然油、脂肪酸およびその誘導体の熱可逆性ゲルを提供するための方法であって:
    (a)前記天然油、脂肪酸または誘導体との「エン」反応またはディールス・アルダー反応を経て付加物を形成することが可能な適切な基質と、天然油、脂肪酸または誘導体を反応させること;および
    (b)アルカノールアミンを用いた、制御されたエステル化/中和反応に、前記付加物を供し、ここで反応させるアルカノールアミンの量は、完全な反応に必要な理論化学量論量未満であることを含む、方法
  10. 前記アルカノールアミンがトリエタノールアミンまたはアルコキシル化トリエタノールアミンである、請求項9の方法。
  11. 請求項1の熱可逆性ゲルを含むインクビヒクル。
  12. 請求項3の熱可逆性ゲルを含むインクビヒクル。
  13. 請求項1の熱可逆性ゲルを含む分散剤。
  14. 請求項3の熱可逆性ゲルを含む分散剤。
  15. 油田適用におけるキャリアーおよび添加剤としての請求項1の熱可逆性ゲル。
  16. 油田適用におけるキャリアーおよび添加剤としての請求項3の熱可逆性ゲル。
  17. 掘削流体の増粘剤および添加剤としての請求項1の熱可逆性ゲル。
  18. 掘削流体の増粘剤および添加剤としての請求項3の熱可逆性ゲル。
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