JP2015510923A - 癌の治療のための6−(4−(1−アミノ−3−ヒドロキシシクロブチル)フェニル)−5−フェニル−(フロ、チエノ、又はピロロ)[2,3−d]ピリミジン−4−オン誘導体 - Google Patents

癌の治療のための6−(4−(1−アミノ−3−ヒドロキシシクロブチル)フェニル)−5−フェニル−(フロ、チエノ、又はピロロ)[2,3−d]ピリミジン−4−オン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、セリン/スレオニンキナーゼAKTの1つ以上のイソフォームの活性の阻害剤として有用な式(I)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、及び癌の治療においてこれらの化合物を使用する方法、及び癌を治療する方法にも関する。

Description

本発明は、セリン/スレオニンキナーゼ、AKTの1つ以上のイソフォームの活性の阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物並びに癌の治療におけるこれらの化合物の使用方法及び癌を治療する方法にも関する。
タンパク質キナーゼB(PKB)としても公知のAKTタンパク質ファミリーは、細胞の増殖、分化、アポトーシス、腫瘍形成並びにグリコーゲン合成及びグルコース取込みを含む様々な生物学的過程に関係することが知られている。これらの酵素は、セリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼファミリーのメンバーである。
PKB/AKT経路は、細胞における細胞生存シグナル伝達及びアポトーシスの重要な制御因子として特定されている。シグナル伝達は血小板由来増殖因子、インスリン増殖因子及び神経増殖因子を含むある範囲の増殖因子受容体を介して行われ、ホスファチジルイノシトール3-OHキナーゼ(PI-3K)の活性化をもたらすと考えられている。この活性化は次にホスファチジルイノシトール(3,4,5)三リン酸(PIP3)の発生をもたらす。活性化されたPIP3は、そのプレクストリン相同ドメインを介して、AKTの主な活性化因子である酵素PDK-1と結合してそれをリン酸化する。活性化されたPDK-1は、PDK-2によるSer473でのAKTのさらなるリン酸化を容易にする構造変化を誘発する、AKTのThr308のリン酸化イベントに関与している。
それがp70 S6キナーゼ及びタンパク質キナーゼCを活性化することが報告されているように、下流キナーゼのPDK-1リン酸化はAKTに特有のものではない。
AKTの活性化は、アポトーシスの阻害、細胞周期の進行、細胞生存、代謝、血管形成及びホルモン耐性を含む細胞内での複数のイベントに影響を及ぼす。
現在、AKT1、AKT2及びAKT3(PKBα、PKBβ及びPKBγとしても知られている)というAKTの3つのファミリーメンバー/イソフォームが特定されている。これらのファミリーメンバーは80%のアミノ酸配列相同性を共有しており、すべて類似した局所構造を保持している。これらは、N末端プレクストリン相同(PH)ドメイン、触媒ドメイン、短いαヘリカルリンカー領域及びカルボキシル末端ドメインを有している。PHドメインはタンパク質がリン脂質相互作用により細胞膜と結合するのを可能にする。AKTファミリーメンバーの触媒ドメインはキナーゼ活性化に必須の2つの残基、すなわちThr308及びSer473を含む。AKTはRXRXXS/T-Bモチーフ(Xは任意のアミノ酸を表し、Bはかさ高い疎水性残基を表す)を含む任意のタンパク質をリン酸化することができる。
次にAKTの細胞機能については、AKTの過剰活性化は、リン酸化に起因する細胞アポトーシスの阻害及びFKHR、FKHRL1及びAFXを含む死滅過程の誘発に関与する様々な遺伝子を制御する転写因子のフォークヘッドファミリーの負の制御に関係している。逆に、AKTは、IKK及びCREBを含む、抗アポトーシス性であることで知られている遺伝子を上方制御することが報告されている。アポトーシスの制御におけるAKTの重要性を際立たせるのはこの正の制御と負の制御の混合である。AKTは、Bad及びプロカスパーゼ9を含むいくつかの重要なアポトーシスタンパク質のそのリン酸化を介して望ましくない細胞生存を促進し、したがってそれらを不活性にし、この経路を介したシグナル伝達を阻害する。AKTは、細胞周期の進行において主要な役割を有する複数の機構を活性化し阻害し、最終的に細胞増殖をもたらす。AKTリン酸化及び主要なp53の負の制御因子MDM2の活性化によって、特徴がはっきりした細胞周期制御因子及び腫瘍サプレッサータンパク質p53を制御不全にすることができる。リン酸化されたMDM2はp53転写を阻害する細胞核に移動する。p53の阻害は、細胞の異常な増殖及び良性状態への進行を可能にする。
同様の仕方で、AKTは細胞周期進行の2つの主要阻害剤であるp27kip1及びp21をリン酸化して、機能の喪失をもたらし、未制御の細胞周期の進行及び過剰増殖をもたらすこともできる。
AKT活性化は、グルコースの代謝速度を増加させることによって解糖速度の増加を引き起こす。活性化AKTはアミノ酸の輸送を刺激し、タンパク質翻訳におけるmTORの依存性の増加をサポートすることも報告されている。血管内皮増殖因子(VEGF)などの血管新生促進因子は、AKTを活性化し、最終的に内皮細胞アポトーシスの阻害をもたらし、並びに内皮酸化窒素シンターゼ(eNOS)を活性化することが報告されている。これを合わせた結果が迅速な新血管形成と細胞移動である。
主に低酸素誘導因子(HIF1α)によって媒介される低酸素誘発血管形成は、VEGFを含む複数のタンパク質の誘発をもたらすことができる。増大した活性化AKTは、低酸素環境に依存しない血管形成の増大をもたらすHIF-1αの発現を増加させることが報告されている。最近のデータでは、浸潤性乳癌におけるHIF-1α活性が活性化AKT1リン酸化の増大と相関することが示されている。
細胞シグナル伝達を阻害しアポトーシスを誘発するように設計されたエストロゲン受容体(ER)及びアンドロゲン受容体(AR)阻害剤は癌治療における極めて重要な手段である。これらの薬物への耐性の発生は前立腺癌、乳癌及び卵巣癌を含む癌において急速に起こる。アンドロゲンによって誘発された前立腺癌において、AKTはアンドロゲン受容体をリン酸化して、AR活性の阻害と正常なアポトーシスシグナル伝達の障害をもたらすことが報告されている。
同様の仕方で、AKTの活性化はERαのリン酸化をもたらし、エストロゲン非依存性シグナル伝達経路の生成と一緒に、タモキシフェン媒介アポトーシスの阻害又は腫瘍退縮をもたらす。活性化AKT2は、乳癌細胞の増殖速度を増大させるエストロゲンの存在下又は非存在下でのERα転写のプロモーターとして特定されている。
乳癌、肺癌、前立腺癌、胃癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、グリア芽腫及び血液癌を含むある範囲の癌において、正常な組織と比較して過剰に活性化したAKTが報告されている。AKTのリン酸化は、増進した腫瘍段階及び腫瘍悪性度並びに不良な予後を含む臨床的特徴とも関連している。AKTの活性化は、AKT/PI-3K経路におけるいくつかの異なる遺伝的変異に起因する可能性がある。
PI-3KCA遺伝子における体細胞変異は、乳癌、前立腺癌及び頭頸部癌を含む多種多様の腫瘍において広範に報告されている。これらの変異の多くは遺伝子のコピー数を増大させてPI-3K活性の増大をもたらす。最近の研究では、細胞の増殖及び浸潤の増大をもたらす結腸癌においてAKTを選択的にリン酸化するPI-3K変異が確認されている。
PI-3K経路の活性を増大させるどの変異も最終的にAKTの活性化の増大をもたらすことになる。遺伝子増幅は癌においてよくあることである。AKT2の増幅は、卵巣、膵臓、乳癌及び頭頸部扁平上皮細胞の癌腫において報告されている。今日までAKT3における増幅又は変異は報告されていないが、過剰活性化をもたらす欠失変異及び増幅変異がAKT1と関連して報告されている。1つの変異であるE17KはAKT1の細胞膜への病理学的局在化をもたらし、その活性化を誘発し、下流でのシグナル伝達及び細胞形質転換をもたらす。インビボで、マウスにおいてこの変異が白血病を誘発することが示されている。
染色体10で欠失しているホスファターゼ及びテンシン同族体(PTEN)は、AKT機能を負に制御することが知られている腫瘍抑制遺伝子である。癌において、PTEN機能の喪失は、AKT及びPI-3K経路の他の下流エフェクターの構成的リン酸化をもたらす。欠失変異又はプロモーターメチル化に起因するPTENの喪失は、グリア芽腫癌、子宮内膜癌、肺癌、乳癌、前立腺癌及び甲状腺癌を含むいくつかの異なる癌において報告されている。この喪失は一般にAKTの過剰活性化と関連している。最近の研究では、PTEN遺伝子でのヘテロ接合性(LOH)の喪失が、胃の癌腫におけるAKT活性化及び化学耐性の増大並びに乳房の癌腫におけるプロゲステロン受容体発現の低下と直接相関していることが示されている。
AKT活性化は一般に、通常チロシンキナーゼファミリーの1つである受容体でのシグナル伝達イベントを介して細胞表面で開始される。癌において通常増幅又は過剰発現される2つのチロシンキナーゼ受容体はHER2とEGFRである。HER2を過剰発現する腫瘍においては、しばしばAKTの過剰活性化が見られ、これは卵巣癌、胃癌及び膀胱癌において報告されている。同様に、非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、最も一般的には悪性度の高い神経膠腫を含むある範囲の癌におけるEGFRを過剰発現する腫瘍、特にEGFRvIIIを活性化する変異を含む腫瘍において、AKTの選択的な活性化が報告されている。
AKT阻害剤の例はWO2008/070134、WO2008/070016及びWO2008/070041に示されている。これらの文献は5員複素環と縮合した特定のナフチリジン化合物を提供している。AKT阻害剤のさらなる例はWO2011/055115に示されている。
第1の態様において、本発明は式(I):
Figure 2015510923
(式中、YはN及びCRから選択され、Rは水素、Z、シアノ又はCONR'R''であり、R'及びR''は独立にH又はZであり;
XはO、NR'''又はSであり、R'''は水素又はZであり;
Arはアリール又はヘテロアリールであり;
R1は水素又はZであり;
R2はZであり;
R3は水素、Z又はNR4R5であり、R4及びR5は独立にH又はZであり;
Zは、少なくとも炭素と水素を含み、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族基を指し、Zは直鎖状であっても分岐状であってもよく、環構造を含まなくてもよく又は1つ以上の環を含んでもよく、Zは飽和又は不飽和であってよく、Zは非置換であっても、又はCN、CO2H、CONH2、CONHR、CONRaRb、CO2R、NH2、NHR、NRaRb、OH、OR、SH、SR、F、Cl、Br及びI等の1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、R、Ra及びRbはそれぞれ、これらの基が結合する原子に各基の炭素原子を介して結合している独立に選択される基であり、ここでRa及びRbが、これらが結合しているヘテロ原子を含む複素環を形成していることを含み、2つ以上のヘテロ原子置換基が存在する場合、特定の官能基の一部を形成していない限り、置換基は互いに独立に選択され、任意のヘテロ原子置換基が他の炭素含有基で置換されていてよく;
「アリール」は、芳香族である少なくとも1つの環を含む基を指し、前記アリール基の1つ以上の環はそれぞれ、炭素原子だけを含むように個別に選択されてもよく、あるいは前記アリール基の1つ以上の環はそれぞれ、炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含んでもよく、前記ヘテロ原子は置換されていてよい)
の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体を提供する。
好ましい実施形態では、XはO又はSである。特に好ましい実施形態では、XはOである。特に好ましい他の実施形態では、XはS又はN-CH3である。
好ましい実施形態では、Yは窒素である。
好ましい実施形態では、R3は水素である。
好ましい実施形態では、R2は、ハロ置換されたZ、より好ましくはフッ素置換されたZである。特に好ましい実施形態では、R2は、2,2,2-トリフルオロエチルである。
Arがヘテロアリールである場合、Arは、好ましくは、窒素含有ヘテロアリール部分である。
好ましい実施形態では、Arは、フェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル又はチオフェンである。特に好ましい実施形態では、Arはフェニルである。
好ましい実施形態では、R1はメチルである。
好ましい実施形態では、本発明の化合物のシクロブタン部分に結合しているヒドロキシル基は、シクロブタン部分に同様に結合しているアミン基に対してトランスである。理論によって拘束されることを望まないが、このトランス配列は一般に、生化学的及び細胞効力を増大させると考えられており、したがって有利な特性をこれらの化合物に付与する。
好ましい他の実施形態では、本発明の化合物のシクロブタン部分に結合しているヒドロキシル基は、シクロブタン部分に同様に結合しているアミン基に対してシスである。また、理論によって拘束されることを望まないが、このシス配列は、当業界で知られている特性より有利な特性をこれらの化合物に付与する。
本発明による化合物の他の好ましい実施形態を、本明細書を通して、特に実施例において示す。
第2の態様では、本発明は、薬剤用担体、及びその中に分散された本明細書で説明する本発明の化合物を含む、医薬組成物を提供する。
第3の態様では、本発明は、治療において使用するための、本明細書で説明する本発明の化合物を提供する。
第4の態様では、本発明は、癌の治療又は予防において使用するための、本明細書で説明する本発明の化合物を提供する。
第5の態様では、本発明は、本明細書で説明する本発明の化合物の1つ以上を投与することを含む、それを必要とする患者の癌を治療する方法を提供する。
Zという用語は、少なくとも炭素と水素を含み、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族基を指し、Zは直鎖状であっても分岐状であってもよく、Zは環構造を含まなくてもよく又は1つ以上の環を含んでもよく、Zは飽和又は不飽和であってよく、Zは非置換であっても1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、2つ以上のヘテロ置換基が存在する場合、特定の官能基の一部を形成していない限り、置換基は互いに独立に選択され、任意のヘテロ原子置換基が他の炭素含有基で置換されていてよい。本発明の一態様では、Zは、本明細書で以下に説明するようなZ'である。
「アルキル」は、少なくとも炭素と水素を含み、1〜15個の炭素原子、例えば1〜10個の炭素原子を含む脂肪族基を指す。そのアルキル基との結合は炭素原子を介している。
「Cnアルキル」基は、n個の炭素原子を含む脂肪族基を指す。例えば、C1〜C10アルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を含む。
「低級アルキル」という用語は、少なくとも炭素と水素を含み、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族基を指す。
アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよい。
アルキル基は環構造を含まなくてもよく又は1つ以上の環を含んでもよい。
例えば、「シクロアルキル」基は少なくとも1個の環を含む。シクロアルキル基との結合はシクロアルキル基の環を介していると理解される。各環は3〜10個の原子、例えば4〜8個又は5〜7個の原子を含むことができる。各環は炭素原子だけを含むか、又は炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含むように独立に選択される。シクロ-ヘテロアルキル基(すなわち、1個以上のヘテロ原子を含むシクロアルキル基)については、シクロアルキル基との結合は炭素原子を介していても、また、1個以上のヘテロ原子が環中に含まれていれば、結合は環中に含まれるヘテロ原子を介していてもよい。
例えば、シクロアルキル基は単環式であっても二環式であってもよい。
したがって、「Cnシクロアルキル」基はn個の炭素原子を含む。n個の炭素原子のすべてがそのシクロアルキル基の環中に含まれてもよく、また、炭素の1つ以上がその環中に含まれておらず、その代わりその環から分岐した1つ以上の鎖を形成していてもよい。
Cnアルキル基が、m個の炭素原子を含む別個のCmアルキル基と結合して、例えば複素環を形成している場合、その2つのアルキル基は合計m+n個の炭素原子を含むことになる。
アルキル基は飽和又は不飽和であってよい。したがって、アルキル基は、アルケニル基(すなわち、炭素-炭素二重結合を含む)及び/又はアルキニル基(すなわち、炭素-炭素三重結合を含む)であってよい。アルキル基が不飽和である場合、それは少なくとも2個の炭素原子を含むことができる。アルキル基の任意の不飽和部分は非芳香族と理解される(芳香族基は「アリール」の定義の範囲に含まれる)。アルキル基の任意の部分は不飽和であってよく、例えばアルキル基の直鎖状、分岐状又は環状部分は炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を含むことができる。不飽和アルキル基との結合は、アルキル基の不飽和部分を介していても、また、その基の不飽和部分を介していてもよい。
例えば、不飽和アルキル基は、1〜4個の炭素-炭素二重結合又は1〜3個の炭素-炭素三重結合、或いは炭素-炭素二重結合と炭素-炭素三重結合の組合せの1つ〜4つを含むことができる。
アルキル基は1個以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい(すなわち、ヘテロ原子を含まない)。2つ以上のヘテロ置換基が存在する場合、特定の官能基(例えば、アミド基)の一部を形成していない限り、置換基は互いに独立に選択される。
ヘテロ原子置換基は他の炭素含有基で置換されていてよい。この場合、置換アルキル基を定義するCn又はCmという接頭語は、その基の中に含まれる、すなわち任意の置換されたヘテロ原子基中に含まれる炭素原子を含む炭素の合計数を指し、その合計アルキル基は上記で定義したように1〜15個の炭素原子を含む。
したがって、アルキル基が置換されている場合、それは、例えばCN、CO2H、CONH2、CONHR、CONRaRb、CO2R、NH2、NHR、NRaRb、OH、OR、SH、SR、F、Cl、Br及びIの1つ以上を含むことができる。ここで各R、Ra及びRbは、これらの基が結合している原子に各基の炭素原子を介して結合している独立に選択される基(例えば、アルキル/アリール基)であり、ここでRa及びRbが、これらが結合しているヘテロ原子を含む複素環を形成することを含む。例えばこれらが結合しているヘテロ原子を含む環を形成する2つのCm−Cnアルキル部分を含む基は、C2m〜C2n個の炭素原子を含むことができる。
環状構造を含まない非置換飽和アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル(分岐状又は非分岐状)、ヘキシル(分岐状又は非分岐状)、ヘプチル(分岐状又は非分岐状)、オクチル(分岐状又は非分岐状)、ノニル(分岐状又は非分岐状)及びデシル(分岐状又は非分岐状)が含まれる。
非置換飽和環状アルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。
不飽和アルキル基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、2-メチルブテニル及びシクロヘキセニルが含まれる。
IUPAC定義と厳密には合致しないが、前記したものは、大まかには「アルキル」とも呼ばれ得ると理解されよう。
IUPACと厳密には合致しないが、「アリール」という用語は、「ヘテロアリール」を含むと理解され得ることも理解されよう。
アルキル及びアリールについてのこれらの定義によれば、本発明はまた、式(I):
Figure 2015510923
(式中、YはN及びCRから選択され、Rは水素、低級アルキル、シアノ又はCONR'R''であり、R'及びR''は独立にH又は低級アルキルであり;
XはO、NR'''又はSであり、R'''は水素又は低級アルキルであり;
Arはアリールであり;
R1は水素又は低級アルキルであり;
R2は低級アルキルであり;
R3は水素、低級アルキル又はNR4R5であり、R4及びR5は独立にH又は低級アルキルである)
の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体も提供する。
本発明の一態様では、Zは、好ましくはZ'である。Z'は、低級アルキル基、低級ヘテロアルキル基、低級シクロアルキル基、低級シクロヘテロアルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級ヘテロアルケニル基、低級ヘテロアルキニル基、低級シクロアルケニル基又は低級シクロヘテロアルケニル基を指す。
Z'に関して、「アルキル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、典型的には1〜15個の炭素原子、例えば1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐状鎖の飽和ヒドロカルビル置換基を意味する。そのアルキル基との結合は炭素原子を介している。このようなアルキル基置換基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル(分岐状又は非分岐状)、ヘキシル(分岐状又は非分岐状)、ヘプチル(分岐状又は非分岐状)、オクチル(分岐状又は非分岐状)、ノニル(分岐状又は非分岐状)及びデシル(分岐状又は非分岐状)が挙げられる。
Z'に関して、「アルケニル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、1つ以上の二重結合及び典型的には2〜15個の炭素原子、例えば2〜10個、2〜8個、2〜6個又は2〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐状鎖ヒドロカルビル置換基を意味する。アルケニル基との結合は炭素原子を介している。このような置換基の例は、エテニル(ビニル)、2-プロペニル、3-プロペニル、1,4-ペンタジエニル、1,4-ブタジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルが挙げられる。
Z'に関して、「アルキニル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、1つ以上の三重結合及び典型的には2〜15個の炭素原子、例えば2〜10個、2〜8個、2〜6個又は2〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐状鎖ヒドロカルビル置換基を意味する。アルキニル基との結合は炭素原子を介している。このような置換基の例は、エチニル、2-プロピニル、3-プロピニル、2-ブチニル及び3-ブチニルが挙げられる。
Z'に関して、「シクロアルキル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、3〜15個の炭素環原子を含む飽和環状ヒドロカルビル置換基を意味する。シクロアルキルは、典型的には3〜10個の炭素環原子、より典型的には4〜8個又は5〜7個の環原子を含む単一の炭素環であってよい。シクロアルキル基との結合はシクロアルキル基の環原子を介していると理解される。単環シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。あるいは、シクロアルキルは、多環式であっても2つ以上の環を含んでもよい。多環式シクロアルキルの例は、架橋構造、縮合構造及びスピロ環状構造が挙げられる。
Z'に関して、「シクロアルケニル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、1つ以上の二重結合を含み、典型的には3〜15個の炭素環原子を含む環状ヒドロカルビル置換基を意味する。シクロアルケニルは、典型的には3〜10個の炭素環原子、より典型的には4〜8個又は5〜7個の環原子を含む単一の炭素環であってよい。シクロアルケニル基との結合は、シクロアルケニル基の環原子を介していると理解される。あるいは、シクロアルケニルは、多環式であっても2つ以上の環を含んでもよい。
Z'に関して、「ヘテロアルキル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、1〜15個の炭素原子、例えば1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を含み、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルキル基を意味する。
Z'に関して、「ヘテロアルケニル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、2〜15個の炭素原子、例えば1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を含み、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルケニル基を意味する。
Z'に関して、「ヘテロアルキニル基」は(単独又は別の用語と組み合わせて)、2〜15個の炭素原子、例えば2〜10個、2〜8個、2〜6個又は2〜4個の炭素原子を含み、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルキニル基を意味する。
Z'に関して、「シクロヘテロアルキル基」は(単独か又は別の用語と組み合わせて)、3〜15個の炭素環原子を含み、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されているシクロアルキル基を意味する。
Z'に関して、「シクロヘテロアルケニル基」は(単独か又は別の用語と組み合わせて)、3〜15個の炭素環原子を含み、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されているシクロアルケニル基を意味する。
Z'に関して、2つ以上のヘテロ原子がヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、シクロヘテロアルキル基又はシクロヘテロアルケニル基に存在する場合、特定の官能基(例えばアミド基)の一部を形成していない限り、各ヘテロ原子は互いに独立に選択される。
Z'に関して、シクロヘテロアルキル基及びシクロヘテロアルケニル基については、シクロヘテロアルキル基又はシクロヘテロアルケニル基との結合は、炭素原子を介していてもよく、また、1つ以上のヘテロ原子が環中に含まれる場合は環中に含まれるヘテロ原子を介していてもよい。
Z'に関して、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、シクロヘテロアルキル基又はシクロヘテロアルケニル基の中のヘテロ原子置換基は、他の炭素含有基で置換されていてよい。この場合、置換ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルケニル基、置換ヘテロアルキニル基、置換シクロヘテロアルキル基又は置換シクロヘテロアルケニル基を定義するCn又はCmという接頭語は、その基の中に含まれる、すなわち置換された任意のヘテロ原子基中に含まれる炭素原子を含む炭素の合計数を指し、その合計ヘテロアルキル基、合計ヘテロアルケニル基、合計ヘテロアルキニル基、合計シクロヘテロアルキル基又は合計シクロヘテロアルケニル基は上記で定義したように1個の炭素原子又は2〜15個の炭素原子を含む。
Z'に関して、「低級アルキル」、「低級ヘテロアルキル」、「低級ヘテロアルケニル」、「低級ヘテロアルキニル」、「低級シクロヘテロアルキル」及び「低級シクロヘテロアルケニル」という用語は、上記定義のそれぞれを有し、1〜6個の炭素原子を含む置換基を指す。
Z'に関して、「Cn」基は、n個の炭素原子を含む基を指す。例えば、C1〜C10基は1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を含む。
Z'に関して、Cn基がm個の炭素原子を含む別個のCm基と結合して例えば複素環を形成している場合、これらの2つの基は、m+nの炭素原子の合計数を含む。
Z'に関して、「Cn」シクロアルキル基又はシクロアルケニル基はn個の炭素原子を含む。n個すべての炭素原子がシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基の環中に含まれてもよいし、あるいはこれらの炭素の1つ以上が環中に含まれなくてもよく、また、環から分岐している1つ以上の鎖を代わりに形成していてもよい。
「アリール基」という用語は、芳香族である少なくとも1つの環を含む基を指し、ここで、各芳香族環は炭素原子だけを含む。
「ヘテロアリール基」という用語は、芳香族である少なくとも1つの環を含む基を指し、ここで、少なくとも1つの芳香族環は、炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含む。2つ以上の芳香族環を含むヘテロアリール基については、各環は、炭素原子だけを含むように独立に選択され、又は炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含むように独立に選択され、ただし、少なくとも1つの環は、炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含む。
ヘテロアリール基の環中に含まれるヘテロ原子は置換されて、例えばN-オキシドを形成していてよいことに留意されたい。
アリール基が特定の位置で置換されていると記載されている場合、アリール基との結合の位置は、そのアリール基の任意の非芳香族側鎖を介してアリール基と結合している位置ではなく、アリール基自体の芳香環上である。例えば、R1がCR1中のアリール基である場合、Cはそのアリール基の芳香族部分と結合している。
ヘテロアリール基については、ヘテロアリール基との結合は炭素原子を介していても、また、環中に含まれるヘテロ原子を介していてもよい。
アリール基又はヘテロアリール基の芳香族基は、単環式であっても二環式系であってもよく、ここで、二環式系の環の片方又は両方が芳香族である。
アリール基及びヘテロアリール基の例には、アクリジニル、フェニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン、ベンズイミダゾリル及びメラミニル(melaminyl)が含まれる。
「複素環」という用語は、その環系内に1個以上のヘテロ原子を含む環状脂肪族基とその環系内に1個以上のヘテロ原子を含むヘテロアリール基の両方をその範囲内に含むことに留意されたい。
「ハロ」という用語は、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素から選択される基を指す。
ここで本発明をさらに説明する。以下の節で、本発明の異なる態様をさらに詳細に定義する。定義される各態様は、明らかにそれと反対のことが示されていない限り、1つ以上の他の任意の態様と組み合わせることができる。具体的には、好ましいか又は有利であると示されている任意の特徴を、好ましいか又は有利であると示されている1つ以上の他の任意の特徴と組み合わせることができる。
どの態様においても、本発明の化合物は、立体化学のいくつかの態様を有することができる。例えば、これらの化合物は、キラル中心及び/又は面及び/又は軸を有することができる。したがって、これらの化合物は、単一の立体異性体、単一のジアステレオマー、立体異性体の混合物又はラセミ混合物として提供することができる。立体異性体は、同じ分子式と結合原子の配列を有するが、その原子及び/又は基の空間的配置が異なる分子を指すことは当業界で公知である。
さらに、本発明の化合物は互変異性を有することができる。各互変異性体は本発明の範囲に包含されるものとする。
さらに、本発明の化合物はプロドラッグとして提供することができる。プロドラッグは、一般にインビボで、1つの形態から本明細書で説明する薬物の活性な形態へ転換される。例えば、プロドラッグは、シクロブタンと結合したアミンを生理的に加水分解性のアミドとして保護することによって形成させることができる。代替的に又は付加的に、分子内の別の窒素原子を、生理的に加水分解性のアミドとして保護することができる。
さらに、本発明の化合物は、その薬学的に許容される塩の形態又は共結晶の形態で提供することができる。例えば、これらの化合物は、プロトン化したアミン基をもつように提供することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、酸又は塩基を加えることによって形成されるイオン化合物を指す。この用語は、例えばインビボで患者と接触させて使用するのに適していると当業界で考えられている塩を指し、薬学的に許容される塩は一般にその非毒性、非刺激性の特徴のため選択される。
「共結晶」という用語は、非イオン性相互作用を含むことができる多成分の分子結晶を指す。
薬学的に許容される塩及び共結晶は、イオン交換クロマトグラフィーによって、又は1つ以上の適切な溶媒中でその遊離塩基又は酸形態の化合物を、化学量論量又は過剰量の所望の塩を形成する無機又は有機の酸又は塩基と反応させることによって調製することができる。
患者と接触して使用するのに一般に適していることが当業界で公知である塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩及び酒石酸塩を含む無機及び/又は有機酸から由来する塩が含まれる。これらは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムをもとにしたカチオンを含むことができる。さらには、適切な薬学的に許容される塩を概説しているいくつかの文献、例えばIUPACから出版されているHandbook of pharmaceutical saltsが参照される。
さらに、本発明の化合物は時には両性イオンとして存在することができ、これらも本発明の一部として考慮される。
本発明の化合物は、これらに限定されないが、癌、特にそのサブユニットのいずれかの中における変異に続いて起こるものなどのキナーゼ自体の中での直接的変化か、或いはこれらに限定されないが増進したPI3K又はPDK活性を含む、増進した上流活性によって起こるAKTの過剰活性に伴う癌を含む、異常な細胞増殖に伴う病状の治療において有用である。増進しPI3K活性は腫瘍サプレッサーPTENの欠失によって生じ得る。
例えば、それらの癌には、噴門癌、肺癌、消化管癌、尿生殖路の癌、肝臓癌、骨癌、神経系の癌、婦人科癌、血液癌、皮膚癌及び副腎癌が含まれる。
例えば、それらの癌には、副腎腫瘍、胆管癌、膀胱癌、血液癌、骨及び結合組織の癌、脳及び中枢神経系の癌、乳癌、頸部癌、結腸癌及び直腸癌(結腸直腸癌)、子宮内膜癌、食道癌、胆嚢癌、頭頸部癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、腎臓癌、喉頭部癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、縦隔腫瘍、黒色腫(悪性黒色腫)、中皮腫、多発性骨髄腫、鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経内分泌腫瘍、非ホジキンリンパ腫、口腔癌、食道癌、口腔咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、下垂体部腫瘍、前立腺癌、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、脊椎癌、胃癌、睾丸癌、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、膣癌及び外陰癌が含まれる。
本発明の化合物は、上記の疾患、特に癌を治療するのに有用な医薬品を調製するのにも有用である。
本発明の化合物は、AKTタンパク質ファミリーの1つ又は2つを、他のAKTイソフォームより選択的に阻害することができる。例えば、これらの化合物は、AKT1、AKT2又はAKT3の1つ又は2つを、AKTの他のイソフォームより選択的に阻害することができる。
例えば、本発明の化合物は少なくともAKT1及び/又はAKT2を阻害することができる。例えば、これらの化合物は、AKT1及び/又はAKT2を、AKT3より選択的に阻害することができる。さらに、特定の化合物は、AKT1及びAKT3よりAKT2を選択的に阻害することができる。
本発明はさらに、それを必要とする哺乳動物に薬学的に有効な量の本発明の化合物を投与することを含む、AKT活性を阻害する方法を対象とする。
本発明の化合物は、標準的な薬剤実務にしたがって、単独か、又は医薬組成物中で薬学的に許容される担体、賦形剤若しくは希釈剤と混合して、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。これらの化合物は、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経直腸及び局所を含む経口又は非経口の投与経路で投与することができる。
本発明はまた、癌の治療において本発明の化合物を第2の薬物と併用することも本発明の範囲に含む。その第2の薬物は、癌の治療において当業界ですでに公知の薬物であってよい。
特に、癌はしばしば治療に対して耐性を示すようになる。本発明の化合物を含む薬物の組合せを投与することによって、耐性の発生を遅延させるか又はそれを克服することができる。
例えば、本発明の化合物と併用できる薬物は、本発明の化合物が標的とするのと同じか又は類似した生物学的経路を標的とするか、或いは、それと異なるか又は関係のない経路に対して作用することができる。
治療を受ける疾患に応じて、様々な組合せ相手を本発明の化合物と併用することができる。第2の活性成分には、これらに限定されないが:シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、メルファラン、クロロエチルニトロソウレア及びベンダムスチンを含むアルキル化剤;シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン及びサトラプラチンを含む白金誘導体;ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビノレルビン及びビンブラスチン)、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、エポチロン並びにオーロラ及びポロキナーゼを含む有糸分裂キナーゼの阻害剤を含む抗分裂剤;アントラサイクリン、エピポドフィロトキシン、カンプトセシン及びカンプトセシンの類似体を含むトポイソメラーゼ阻害剤;5-フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、ゲムシタビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビン、メトトレキサート及びペメトレキセドを含む代謝拮抗物質;イマチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エルロチニブ、ダサチニブ及びラパチニブを含むタンパク質キナーゼ阻害剤;ボルテゾミブを含むプロテアソーム阻害剤;バルプロエート及びSAHAを含むヒストンデアセチラーゼ阻害剤;ベバシズマブを含む抗血管新生剤;トラスツズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、トシツモマブ、セツキシマブ、パニツムマブを含むモノクローナル抗体;ゲムツズマブ オゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタンを含むモノクローナル抗体の抱合体;抗エストロゲン(タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、抗アンドロゲン(フルタミド、ビカルタミド)及び黄体化ホルモンの類似体又はアンタゴニストを含むホルモン療法剤が含まれる。
併用療法に関して、本発明の化合物は、上記したもののいずれかなどの1つ以上の標準的な治療薬と、別個に、逐次的に、同時に若しくは並行して投与するか、又は経時的に交互に投与する(chronologically staggered)ことができる。
本発明は、臨床用途に適した医薬組成物も提供する。
具体的には、医薬組成物は、薬剤用担体、及びその中に分散された治療有効量の本発明の化合物を含むことができる。組成物は固体であっても液体であってもよい。薬剤用担体は一般に用いられる投与の種類をもとに選択され、その薬剤用担体は例えば固体であっても液体であってもよい。本発明の化合物は、薬剤用担体と同じ相内にあっても異なる相内にあってもよい。
医薬組成物は、例えば賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、コーティング剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、安定剤、吸収促進剤及び/又は軟膏基剤を混合することによって、その特定の用途及び目的にしたがって処方することができる。組成物は、経口、注入、経直腸又は局所投与に適していてよい。
例えば、医薬組成物は、錠剤、コーティング錠剤、硬質若しくは軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態などで、経口で投与することができる。投与は、例えば坐剤を用いて経直腸で、例えば軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤又は液剤を用いて局所又は経皮で、或いは、例えば注射可能な薬剤を用いて非経口で実施することもできる。
錠剤、コーティング錠剤又は硬質ゼラチンカプセル剤の調製のため、本発明の化合物を、薬剤として不活性な無機又は有機賦形剤と混合することができる。適切な賦形剤の例には、ラクトース、トウモロコシデンプン若しくはその誘導体、タルク又はステアリン酸若しくはその塩が含まれる。軟質ゼラチンカプセル剤で使用するのに適した賦形剤には、例えば植物油、ワックス、油脂及び半固体又は液体のポリオールが含まれる。
液剤及びシロップ剤の調製のための賦形剤には、例えば水、ポリオール、サッカロース、転化糖及びグルコースが含まれる。
注射可能な液剤のための賦形剤には、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセリン及び植物油が含まれる。
坐剤用並びに局所及び経皮投与のための賦形剤には、例えば天然油若しくは硬化油、ワックス、油脂及び半固体若しくは液体のポリオールが含まれる。
医薬組成物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着臭剤、緩衝剤、コーティング剤及び/又は酸化防止剤も含むことができる。
併用療法のために、第2の薬物を、本発明での医薬組成物中に含めて提供することも、また別個に提供することもできる。
したがって、経口投与のための医薬処方物は、例えば顆粒剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、懸濁剤又は乳剤であってよい。例えば静脈内、筋肉内又は皮下使用のための非経口注射用には、例えば等張液を作製するための塩及び/又はグルコースを含む他の物質を含む滅菌水溶液を提供することができる。抗癌剤は坐剤若しくはペッサリー剤の形態で投与することも、また、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤若しくは粉剤(dusting powder)の形態で局所投与することもできる。
本発明は、本明細書で説明するような本発明による化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む癌を治療又は防止する方法にも関する。
ここで、本発明をいくつかの実施例と関連させて説明することとする。
実施例1〜20を以下で説明する方法にしたがって合成した。次いで、以下に説明するようにしてAKT1、AKT2及びAKT3のイソフォームに対するそれらのIC50値を測定し、この部の終わりにある表に示す。ここで、化合物番号は実施例の番号と対応する。
さらに、pAKTを阻害する化合物の活性を調べた。代表的な実施例(例えば1、2、3、4、5、6及び7)は、PC3細胞株におけるpAKTの阻害を示し、IC50が500nM以下(IC50≦500nM)である。
SelectScreen(登録商標)データをInvitrogenで判定した。血漿タンパク質結合及び薬物動態分析を、標準プロトコルを用いて判定した。
略語
DCM:ジクロロメタン;DME:ジメトキシエタン;DMF:N,N-ジメチルホルムアミド;EtOAc:酢酸エチル;h:時間:HCl:塩酸;HPLC:高圧液体クロマトグラフィー;M:モル;MeOH:メタノール;NBS:N-ブロモスクシンイミド;NMR:核磁気共鳴;Min:分;RT:室温;SCX:強カチオン交換;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン。
一般的実験条件
1H NMRスペクトルは、5mm QNPプローブを備えたBruker Avance(500MHz)分光計を用いて室温で記録した。化学シフトはテトラメチルシランに対するppmで表す。
保持時間(RT)及び関連する質量イオンを測定するための高圧液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)実験は以下の方法を用いて実施した。
システムは、UVダイオードアレイ検出器及びオートサンプラーを備えたAgilent Technologies 1290 Infinity LCシステムと連結されたAgilent Technologies6140シングル四重極質量分析計からなる。分光計は、正及び負イオンモードで動作する多重モードイオン化ソース(エレクトロスプレイ及び大気圧化学イオン化)を有する。LCMS実験を、提供された各サンプルについて以下の条件を用いて実施する:LCカラム-Zorbax Eclipse Plus C18 RRHD 1.8ミクロン50×2.1mm、40℃保持。移動相-A)水 0.1%ギ酸 B)アセトニトリル 0.1%ギ酸。
Figure 2015510923
検出-MS、UV
MSイオン化方法-多重モード(正及び負イオン)
全実験時間-2.50分間(約)
マイクロ波による実験を、CEM Discover(商標)/Explorer24(商標)又はBiotage Initator(商標)装置を用いて実施した。60〜300℃の温度を達成し、最大で20バールの圧力を達成することができた。
相分離を、Biotage Isolute(登録商標)SPEカラムを用いて実施した。
別段の表示のない限り、構造の命名はChemBioDraw Ultra 12.0(CambridgeSoft)による「構造=名称(structure=name)」を用いた。
別段の表示のない限り、出発原料及び中間体は市場の供給業者から入手するか、文献の手順(例えばWO2008/070016、WO2009/148887及びWO2009/148916)にしたがって調製するか、又は、当業者に明らかな標準的転換によって調製した。
[実施例1]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(20ml)中の5-フェニルフロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(2g、9.42mmol、WO2006/004658で説明されたように調製した)の溶液に、炭酸セシウム(6.76g、20.7mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(1.86ml、18.9mmol)を装入した。反応物を窒素雰囲気下、70℃で18h加熱した。さらに1当量の1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタンを反応混合物に装入した。反応物を100℃に5h加熱した後、RTに冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出物をブライン(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン中に0〜50%EtOAc)により精製して表題化合物をベージュ色の固体(730mg、26%)として得た。LCMS RT = 1.27min, M+H+ = 295。
ステップ2:6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(10ml)中の5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(730mg、2.48mmol)の0℃での溶液に、臭素(0.153ml、2.98mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1h撹拌し、次いでRTで3h撹拌した。反応混合物をEtOAc(50ml)及び20%w/wチオ硫酸ナトリウム水溶液(50ml)で希釈し、層を分離した。有機層をブライン(2×50ml)でさらに洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮して表題化合物をオレンジ色固体とした得た。LCMS RT = 1.40min, M+H+ = 373/375。
ステップ3:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
DME(6ml)中のtert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(中間体1、150mg、0.372mmol、調製については以下を参照されたい)及び6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(132mg、0.354mmol)の溶液に、水(1.5ml)中の炭酸カリウム(245mg、1.77mmol)の溶液を加えた。反応混合物中に窒素を通して5minバブリングさせて脱ガスした。
次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40.9mg、0.035mmol)を反応物に装入し、反応混合物を窒素雰囲気下、80℃で一晩加熱した。RTに冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルに分配させた。水相を酢酸エチルで再度抽出した。一緒にした有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 DCM中に0〜5%メタノール)を施して表題化合物を褐色ゴム状物として得た(170mg、84%)。1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 8.05 (1H, s), 7.55-7.39 (7H, m), 7.31 (2H, d), 4.90 (1H, br s), 4.69-4.64 (2H, m), 4.30 (1H, br s) 2.96 (2H, br s), 2.78 (d, 2H), 1.40 (9H, br s), 1.22 (3H, s)。
ステップ4:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
DCM(4ml)中のtert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(170mg、0.298mmol)の溶液にTFA(2ml)を装入した。次いでこの反応物をRTで10min撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、飽和NaHCO3水溶液を用いて残留物を中和し、DCMで抽出した。相分離器を用いて得られた二相溶液を分離し、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 DCM中に0〜10%メタノール)を施して生成物を遊離塩基として得た。この物質を1,4-ジオキサンに溶解し、MeOH中のHCl(1.5当量)の溶液を加えた。30min撹拌した後、形成された沈殿物をろ取し、ジエチルエーテルで洗浄した。次いでこの物質を凍結乾燥して(CH3CN:H2O)表題化合物を白色固体(52mg、37%)として得た。LCMS RT=0.89min, M+H+=470。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.41 (1H, s), 7.61 (2H, d), 7.47-7.42 (7H, m), 4.88 (2H, m), 2.81-2.84 (2H, m), 2.62-2.60 (2H, m), 1.22 (3H, s)。
中間体1:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
Figure 2015510923
ステップ1:(1s,3s)-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
エタノール(100ml)中の2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(4.0g、9.23mmol、WO2010/104933で説明されたように調製した)の溶液に、ヒドラジン水和物(4.53ml、92mmol)をRTで装入した。次いでこの反応物を80℃で4h加熱し、RTで一晩撹拌した。この時間の間に、厚くて白色の沈殿物が形成された。焼結漏斗を用いてろ取した固体にエタノールを加えて分解した。ろ液をほとんど乾燥するまで減圧下で濃縮し、DCM(100ml)に取り込み、水:ブライン(1:1)で洗浄した。相分離器を用いて二相混合物を分離し、有機層を減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。これは静置すると固化した。2つ目の1バッチ分の物質を、酢酸エチルで水性部分を2回抽出して単離した。有機層を一緒にし、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を灰白色固体(1.8g、63%)として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.79 (2H, d), 7.24 (2H, d), 2.47-2.44 (2H, m), 2.22-2.19 (2H, m), 1.31 (3H, s), 1.34 (12H, s)。
ステップ2:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
DCM(70ml)中の(1s,3s)-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブタノール(1.77g、5.84mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.71ml、11.7mmol)をRTで装入した。次いでこの反応物をRTで72h撹拌した。水(25ml)を反応物に加え、RTで20min撹拌した。相分離器を用いて得られた二相溶液を分離し、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に10〜35%酢酸エチル)を施して表題化合物(1.35g、57%)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.81 (2H, d), 7.38 (2H, d), 4.81 (1H, br s), 2.84 (2H, d), 3.02 (2H, br s), 1.41 (9H, s), 1.35 (12H, s), 1.19 (3H, s)。
[実施例2]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(2ml)中の6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(0.075g、0.201mmol)の溶液に、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.086g、0.221mmol)を加え、次いで水(1.3ml)中の炭酸ナトリウム(0.064g、0.603mmol)の溶液を加えた。次いで混合物にN2を通してバブリングさせて脱ガスした後、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリドDCM錯体(0.017g、0.020mmol)を加えた。反応混合物を70℃で2h加熱した後、室温に冷却し、DCM及び水で希釈し、抽出した。有機抽出物をブライン(3×15ml)で洗浄し、(Na2SO4)乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage KP-Sil、シクロヘキサン中に0〜100%EtOAc)で精製して表題化合物を灰白色固体(105mg、94%)として得た。LCMS RT=1.337min, [MH]+-56=500。 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.95 (1H, s), 7.4 (4H, m), 7.3-7.36 (3H, m), 7.2 (2H, m), 5.0 (1H, br s), 4.55-4.6 (2H, q), 4.41-4.52 (1H, m), 2.8 (2H, br s), 2.3 (2H, m), 1.2-1.3 (9H, br s)。
ステップ2:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
DCM(3ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.105g、0.189mmol)の0℃での溶液に、TFA(1ml、13.0mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2min撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をDCM(15ml)と飽和NaHCO3水溶液(15ml)に分配させた。有機抽出物を分離し、乾燥し(相分離器カートリッジ)、濃縮してベージュ色固体を得た。固体を1,4-ジオキサン(2ml)に溶解し、N2下で0℃に冷却した後、MeOH中のHCl(1.3当量、0.5ml)を加えた。得られた沈殿物を集め、1,4-ジオキサン及びエーテルで洗浄し、得られた固体を水に溶解し、凍結乾燥して表題化合物を白色固体(0.049g、53%)として得た。LCMS RT=0.737min, [MH]+-17=439。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.44 (1H, s), 7.63 (2H, d), 7.39-7.51 (7H, m), 4.95 (2H, q), 4.6-4.69 (1H, m), 2.92-3.0 (2H, m), 2.58-2.66 (2H, m)。
中間体2:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
Figure 2015510923
ステップ1:(1r,3r)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル4-ニトロベンゾエート
15mLの反応管中で、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(100mg、0.257mmol)、4-ニトロ安息香酸(86mg、0.514mmol)及びトリフェニルホスフィン(141mg、0.539mmol)を無水テトラヒドロフラン(1ml)に加えた。反応混合物を0℃に冷却し、次いで温度が10℃未満に維持されていることを確保しながらジエチルアゾジカルボキシレート(0.085ml、0.539mmol)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル)で精製し、次いでカラムクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に5〜40%酢酸エチル)で再精製して表題化合物を灰白色固体(50mg、36%)として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 8.26 (2H, d), 8.15 (2H, d), 7.80 (2H, d), 7.38 (2H, d), 5.50-5.61 (1H, m), 5.05 (1H, br s), 2.91-3.33 (2H, br m), 2.68-2.78 (2H, m), 1.39 (9H, s), 1.34 (12H, s)。
ステップ2:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
5mlの丸底フラスコ中で、(1r,3r)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル4-ニトロベンゾエート(50mg、0.093mmol)及び炭酸カリウム(19.3mg、0.139mmol)を、メタノール(1ml)及び水(0.1ml)の混合物に加えた。これを室温で4h撹拌した。反応混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮した。生成物を酢酸エチル(3ml)で再溶解し、水(3×3ml)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で乾燥するまで濃縮して表題化合物を白色固体(35mg、97%)として得た。1H NMR (500MHz, MeOD) δ 7.69 (2H, d), 7.37 (2H, d), 4.40 (1H, p), 2.79-2.93 (2H, br m), 2.25-2.33 (2H, m), 1.30-1.43 (21H, br m)。
[実施例3]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(実施例2、ステップ1)の手順にしたがって、6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(0.050g、0.134mmol)とtert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.057g、0.147mmol、WO2011/77098で説明されたように調製した)を反応させて表題化合物をゴム状物(45mg、60%)として得た。LCMS RT=1.32min, [MH]+-117=439。 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.98 (1H, s), 7.4-7.5 (4H, m), 7.3-7.36 (3H, m), 7.25 (2H, d), 4.55-4.62 (2H, q), 4.05 (1H, m), 2.96 (2H, br s), 2.6 (2H, br s), 1.3 (9H, br s)。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンヒドロクロリド
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンヒドロクロリド(実施例2、ステップ2)の手順にしたがって、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.045g、0.081mmol)を脱保護して表題化合物を白色固体(7mg、17%)として得た。LCMS RT=0.783min, [MH]+-17=439。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.29 (1H, s), 7.39-7.42 (9H, m), 4.8 (2H, q), 3.8 (1H, m), 2.83 (2H, m), 2.1 (2H, m)。
[実施例4]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(実施例2、ステップ1)の手順にしたがって、6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(0.1g、0.268mmol)とtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.11g、0.268mmol)を反応させて表題化合物を灰白色固体(75mg、49%)として得た。LCMS RT=1.39min, [MH]+-56=514。 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 8.06 (1H, s), 7.5-7.55 (4H, m), 7.43 (3H, m), 7.35 (2H, d), 5.0 (1H, br s), 4.65-4.72 (2H, q), 2.65 (4H, br s), 1.4 (9H, br s)。
ステップ2:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンヒドロクロリド(実施例2、ステップ2)の手順にしたがって、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(0.075g、0.132mmol)を脱保護して表題化合物を白色固体(31mg、47%)として得た。LCMS RT=0.7min, [MH]+-17=453。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.31 (1H, s), 7.5 (2H, d), 7.42 (2H, d), 7.3-7.4 (5H, m), 4.75 (2H, q), 2.75 (2H, d), 2.6 (2H, d), 1.39 (3H, s)。
[実施例5]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.TFA
Figure 2015510923
ステップ1:5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(100ml)中の5-フェニルチエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(20g、88mmol)、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(36.8g、175mmol)及び炭酸カリウム(26.6g、193mmol)の混合物を70℃で0.5h加熱し、100℃で2h加熱した。さらにある分量の1,1,1-トリフルオロ-2-ヨード-エタン(36.8g、175mmol)を加え、得られた混合物を100℃でさらに16h加熱した。反応混合物を冷却して水(750ml)で希釈し、沈殿物をろ過して表題化合物を淡黄色固体(13g、48%)として得た。LCMS RT = 1.30min, M+H+ = 311.1。
ステップ2:6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(5ml)中の5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(0.4g、1.29mmol)及びNBS(0.459g、2.58mmol)の混合物を、80℃で2h加熱した。反応混合物を水(40ml)で希釈し、DCM(3×25ml)で抽出した。一緒にした有機相を水(3×45ml)及びブライン(30ml)で洗浄し、乾燥し、濃縮して表題化合物(0.46g、91%)を得た。LCMS RT = 1.46min, M+H+ = 390.9/392.9。
ステップ3:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
ジオキサン(6ml)及び水(2ml)の中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(155mg、0.385mmol)、6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(150mg、0.385mmol)及び炭酸セシウム(628mg、1.93mmol)の混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2 (62.9mg、0.077mmol)を加え、得られた混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスし、次いで55℃で3h加熱した。反応混合物の有機相を分離し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜75%酢酸エチル)で精製して表題生成物(0.15g、66%)を得た。LCMS RT = 1.40min, M+H+ = 586.2。
ステップ4:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.TFA
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(100mg、0.171mmol)をTFA(1ml)に溶解し、30秒間撹拌した。溶液を直ちに、減圧下で乾燥するまで濃縮した。次いで残留物をジエチルエーテル(2ml)にスラリー化し、静置した後、上澄み溶媒をピペットで除去した。これを2回繰り返した。残留溶媒を減圧下で除去し、乾燥して所望の生成物(70mg)を白色固体として得た。LCMS RT=0.77min, M+H+=486.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.39 (1H, s), 7.48 (2H, d), 7.20-7.40 (7H, m), 4.8 (2H, q), 2.89 (2H, d), 2.71 (2H, d), 1.52 (3H, s)。
[実施例6]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:4-クロロ-5-ヨード-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
無水DMF(40ml)中の4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2g、13.0mmol)の撹拌溶液に、水酸化カリウム(2.19g、39.1mmol)を加え、次いでヨウ素(3.64g、14.3mmol)を加えた。混合物を1h撹拌した。ヨウ化メチル(0.814ml、13.0mmol)を加え、混合物をさらに1h撹拌した。混合物を20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液(400ml)に注加した。形成された固体をろ取し、減圧下で乾燥して表題化合物を得た。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS RT = 1.12min, [M(35Cl)+H]+ = 294.0, [M(37Cl)+H]+ = 295.9。
ステップ2:4-クロロ-7-メチル-5-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
1,4-ジオキサン(90ml)及び水(18.0ml)の中の4-クロロ-5-ヨード-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(3.31g、11.3mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.76g、13.53mmol)及び炭酸ナトリウム(3.59g、33.8mmol)の撹拌懸濁液をN2を通して10minバブリングさせることにより脱ガスした。次いで1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.921g、1.13mmol)を加え、反応混合物を再度N2で10min脱ガスした後、70℃で2h加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(90ml)とジクロロメタン(90ml)に分配させた。層を分離し、水相をジクロロメタン(3×45ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(相分離器カートリッジ)、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜50%酢酸エチル)で精製して表題化合物(1.32g、48%)を得た。LCMS RT = 1.26min, [M(35Cl)+H]+ = 244.1, [M(37Cl)+H]+ = 246.1。
ステップ3:7-メチル-5-フェニル-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
1,4-ジオキサン(40ml)中の4-クロロ-7-メチル-5-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1.32g、5.42mmol)の撹拌溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(40ml、80mmol)を加えた。この溶液を100℃に16h加熱した。この溶液を冷却し、有機溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチル(3×40ml)を用いて水性混合物を抽出し、有機抽出物を廃棄した。固体を、焼結漏斗を用いて集め、減圧下で乾燥して表題化合物(0.86g、71%)を得た。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS RT = 0.87min, M+H+ = 226.1。
ステップ4:7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
無水DMF(30ml)中の7-メチル-5-フェニル-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(0.86g、3.82mmol)の撹拌懸濁液に、炭酸カリウム(1.06g、7.64mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(0.564ml、5.73mmol)を加えた。混合物を90℃に16h加熱した。さらにある分量の炭酸カリウム(1.06g、7.64mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(0.564ml、5.73mmol)を加え、混合物を24hで90℃に加熱した。混合物を冷却し、ブライン/水(1:1、300ml)と酢酸エチル(75ml)に分配させた。水性部分を分離し、酢酸エチル(3×75ml)で抽出した。一緒にした有機画分をブライン/水(1:1、4×75ml)で洗浄し、乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜30%酢酸エチル)で精製して表題化合物(719mg、61%)を得た。LCMS RT = 1.25min, M+H+ = 308.0。
ステップ5:6-ブロモ-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
無水DMF(6ml)中の7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(825mg、2.68mmol)の0℃での撹拌溶液に、臭素(0.152ml、2.95mmol)を加え、混合物を30min撹拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)と水性混合物(水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液、3:1:4、100ml)に分配させた。水相を分離し、酢酸エチル(3×25ml)を用いて抽出した。一緒にした酢酸エチル画分をブライン/水(1:1、4×25ml)で洗浄し、乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で減少させた。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜40%酢酸エチル)で精製して表題化合物(0.97g、94%)を得た。LCMS RT = 1.40min, M+H+ = 385.9/388.0。
ステップ6:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(4ml)及び水(0.800ml)の中の6-ブロモ-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(100mg、0.259mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(125mg、0.311mmol)及び炭酸ナトリウム(82mg、0.777mmol)の撹拌懸濁液をN2を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(21.2mg、0.026mmol)を加え、反応混合物をN2で5min再度脱ガスした後、70℃で16h加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(6ml)とジクロロメタン(6ml)に分配させた。層を分離し、水相をジクロロメタン(3×6ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(相分離器カートリッジ)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜60%酢酸エチル)で精製した。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 ジクロロメタン中に0〜7%メタノール)で再精製して表題化合物(74mg、49%)を得た。LCMS RT = 1.37min, M+H+ = 583.2。
ステップ7:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
無水ジクロロメタン(2ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(73.5mg、0.126mmol)の0℃での撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml、13.0mmol)を加えた。室温に加温しながら混合物を1.5h撹拌した。この溶液を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(2ml)と2回共沸させた。SCX-2シリカカートリッジをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。残留物をジクロロメタン(3ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。30min後、カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の7Mアンモニア)(50ml)でフラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。残留物をメタノール(4ml)に溶解した。メタノール(29μLのアセチルクロリドを0.5mlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、メタノールを減圧下で約1mlまで減少させた。ジエチルエーテル(20ml)を加え、得られた懸濁液を10min撹拌した。窒素を流しながら沈殿物を減圧ろ取した。湿潤ケーキをジエチルエーテル(2×5ml)で洗浄し、水(5ml)に溶解し、ろ過し、凍結乾燥して表題化合物(48.3mg、74%)を得た。LCMS RT=0.77min, M+H+=483.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.23 (1H, s), 7.59 (2H, d), 7.44 (2H, d), 7.23-7.26 (2H, m), 7.14-7.17 (3H, m), 4.86 (2H, q), 3.68 (3H, s), 2.90 (2H, d), 2.72 (2H, d), 1.51 (3H, s)。
[実施例7]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(4ml)及び水(0.8ml)の中の6-ブロモ-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(100mg、0.259mmol)、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(121mg、0.311mmol)及び炭酸ナトリウム(82mg、0.777mmol)の撹拌懸濁液をN2を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。次いで1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(21.2mg、0.026mmol)を加え、反応混合物をN2で5min再度脱ガスした後、70℃で16h加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(6ml)とジクロロメタン(6ml)に分配させた。層を分離し、水相をジクロロメタン(3×6ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(相分離器カートリッジ)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜60%酢酸エチル)で精製し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 ジクロロメタン中に0〜5%メタノール)で再精製した。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 ジクロロメタン中に0〜60%酢酸エチル)で再精製して表題化合物(39.5mg、27%)を得た。LCMS RT = 1.30min, M+H+ = 569.1。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
無水ジクロロメタン(2ml)中のtert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(39.5mg、0.069mmol)の0℃での撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5ml、6.49mmol)を加えた。室温に加温しながら混合物を1h撹拌した。この溶液を減圧下で減少させた。残留物をジクロロメタン(2ml)と2回共沸させた。SCX-2シリカカートリッジ(5g)をジクロロメタン中の20%v/vメタノール(50ml)で予備処理した。共沸させた残留物をジクロロメタン(3×1ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。1.5h後、カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(50ml)でフラッシュし、ジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の7Mアンモニア)(25ml)でフラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。残留物を熱い1,4-ジオキサン(4ml)に溶解した。メタノール(24μLのアセチルクロリドを1mlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、ジエチルエーテル(20ml)を加え、得られた懸濁液を10min撹拌した。窒素を流しながら沈殿物を減圧ろ取した。湿潤ケーキをジエチルエーテル(2×5ml)で洗浄し、水(12ml)に溶解し、ろ過し、凍結乾燥して表題化合物(28.3mg、81%)を得た。LCMS RT=0.80min, M+H+=469.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.23 (1H, s), 7.58 (2H, d), 7.44 (2H, d), 7.23-7.25 (2H, m), 7.15-7.17 (3H, m), 4.88 (2H, q), 4.10 (1H, q), 3.69 (3H, s), 3.09-3.13 (2H, m), 2.47-2.51 (2H, m)。
[実施例8]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
ジオキサン(6ml)及び水(2ml)の中の6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(150mg、0.385mmol)、2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(167mg、0.385mmol)及び炭酸セシウム(628mg、1.93mmol)の混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(62.9mg、0.077mmol)を加えた。脱ガスした後、反応混合物を55℃で3h加熱した。反応混合物の有機相を分離し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル)で精製して表題生成物(84mg、35%)を得た。LCMS RT = 1.44min, M+H+ = 616.1。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
1,4-ジオキサン(2ml)及びMeOH(2ml)の中の2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(80mg、0.13mmol)及びヒドラジン水和物(0.5ml、10.2mmol)の混合物をマイクロ波条件下、100℃で20min加熱した。反応混合物をDCM(10ml)と重炭酸ナトリウム溶液(10ml)に分配させた。有機相を重炭酸ナトリウム溶液(2×10ml)、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 DCM中に0〜10%メタノール)で精製して生成物(26mg)を得た。これをDCM(20ml)に再溶解し、エーテル中のHCl(2M、2当量)で酸性化した。懸濁液を濃縮し、凍結乾燥して表題化合物(25mg)を白色固体として得た。LCMS RT=0.866min, M+H+=486.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.27 (1H, s), 7.13-7.30 (9H, m), 4.75 (2H, q), 2.7 (2H, d), 2.5 (2H, d), 1.1 (3H, s)。
[実施例9]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
ジオキサン(6ml)及び水(2ml)の中の6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(150mg、0.385mmol)、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(165mg、0.424mmol)及び炭酸セシウム(628mg、1.93mmol)の混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(62.9mg、0.077mmol)を加えた。得られた混合物を再度脱ガスし、55℃で4h加熱した。反応混合物をRTに冷却し、水(30ml)で希釈し、DCM(3×20ml)で抽出した。一緒にした有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル)で精製して表題生成物(96mg、44%)を得た。LCMS RT = 1.34min, M+H+ = 572。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(90mg、0.157mmol)にTFA(1ml)を加え、混合物をRTで30秒間撹拌した。溶液を直ちに、減圧下で乾燥するまで濃縮した。次いで残留物をジエチルエーテル(2ml)にスラリー化し、懸濁液を静置した後、上澄み溶媒をピペットで除去した。このプロセスを2回繰り返した。固体を減圧下で乾燥して粗生成物を得た。この物質をDCM(15ml)と重炭酸ナトリウム溶液(15ml)に分配させた。有機相を分離し、濃縮した。残留物を、メタノール/DCM 0〜10%で溶出させてカラムクロマトグラフィー(カラムを2容積分の7Mメタノール/DCM 1:1で予備処理しておいた)で精製して生成物を遊離塩基(28mg)として得た。これをDCM(25ml)に再溶解した。エーテル中のHCl(2M、2当量)を加え、得られた懸濁液を濃縮し、凍結乾燥して表題化合物(19mg)を白色固体として得た。LCMS RT=0.809min, M+H+=473。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.26 (1H, s), 7.35 (2H, d), 7.20-7.30 (7H, m), 4.8 (2H, q), 3.95(1H, m), 2.95 (2H, m), 2.34 (2H, m)。
[実施例10]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
6-ブロモ-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(60mg、0.155mmol)、2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(81mg、0.186mmol)及び炭酸セシウム(152mg、0.466mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(5ml)及び水(1.25ml)を加えた。反応混合物に窒素を通して5minバブリングさせて脱ガスした。1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(25.4mg、0.031mmol)を加え、次いでこの反応物を窒素で5min脱ガスした。反応混合物を窒素雰囲気下60℃で5h撹拌した。RTに冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に0〜50%酢酸エチル)を施して表題化合物(65mg、68%)を得た。LCMS RT=1.37min, M+H+=613。 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.94 (1H, s), 7.75-7.82 (4H, m), 7.70-7.75 (2H, m), 7.25-7.30 (4H, m), 7.15-7.18 (3H, m), 4.67-4.74 (2H, m), 4.12-4.17 (1H, m), 3.66 (3H, s), 3.35-3.40 (2H, m), 3.10-3.17 (2H, m), 1.16 (3H, s)。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
密封可能な管の中で、2-((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(60mg、0.098mmol)及びヒドラジン水和物(0.143ml、2.94mmol)を、メタノール(2.5mL)及び水(2.5mL)に加えた。管を密封し、この反応物をマイクロ波条件(Biotage)下、120℃で30min加熱した。溶媒を減圧下で除去した。SCX-2シリカカートリッジをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。残留物をジクロロメタン(3×2ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。カラムを、ジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の)7Mアンモニア(50ml)でフラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。残留物をメタノール(5ml)に溶解した。メタノール(3μlのアセチルクロリドを200μlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、メタノールを減圧下で減少させ、水(50ml)に溶解し、凍結乾燥して表題化合物(20mg、40%)を得た。LCMS RT=0.90min, M+H+=483。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.25 (1H, s), 7.54-7.58 (2H, m), 7.44-7.48 (2H, m), 7.24-7.27 (2H, m), 7.16-7.19 (3H, m), 3.71 (3H, s), 2.89 (2H, d), 2.70 (2H, d), 2.00 (3H, s), 1.25 (3H, s)。
[実施例11]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
6-ブロモ-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(100mg、0.259mmol)、2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(130mg、0.311mmol)及び炭酸セシウム(82mg、0.777mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(5ml)及び水(1.25ml)を加えた。反応混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(42mg、0.05mmol)を加え、次いでこの反応物を窒素で5min脱ガスした。反応混合物を窒素雰囲気下60℃で5h撹拌した。RTに冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に0〜50%酢酸エチル)を施して表題化合物(40mg、26%)を得た。LCMS RT=1.38min, M+H+=599. 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.94 (1H, m), 7.75-7.82 (4H, m), 7.70-7.75 (2H, m), 7.25-7.30 (4H, m), 7.15-7.18 (3H, m), 4.67-4.74 (2H, m), 4.12-4.17 (1H, m), 3.66 (3H, s), 3.35-3.40 (2H, m), 3.10-3.17 (2H, m), 1.16 (3H, s)。
ステップ2:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
密封可能な管の中で、2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(40mg、0.067mmol)及びヒドラジン水和物(0.050ml、2.00mmol)をメタノール(0.5ml)及び水(0.5ml)に加えた。管を密封し、この反応物をマイクロ波条件(Biotage)下、120℃で30min加熱した。溶媒を減圧下で除去した。SCX-2シリカカートリッジをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。残留物をジクロロメタン(3×2ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の)7Mアンモニアで(50ml)フラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCで精製した。純粋画分を濃縮し、得られた残留物をメタノール(4ml)に溶解した。メタノール(5μlのアセチルクロリドを100μlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(10ml)に溶解し、溶液を凍結乾燥して表題化合物(2mg、5%)を得た。LCMS RT=0.85min, M+H+=469。 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.25 (1H, s), 7.54-7.58 (2H, m), 7.44-7.48 (2H, m), 7.24-7.27 (2H, m), 7.16-7.19 (3H, m), 3.71 (3H, s), 2.89 (2H, d), 2.70(2H, d), 2.00 (3H, s), 1.25 (3H, s)。
[実施例12]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
6-ブロモ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(100mg、0.257mmol)、2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(129mg、0.308mmol)及び炭酸セシウム(250mg、0.777mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(5ml)及び水(1.25ml)を加えた。反応混合物を窒素を通して5minバブリングさせることにより脱ガスした。1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(25mg、0.031mmol)を加え、次いでこの反応物を窒素で5min脱ガスした。反応混合物を窒素雰囲気下60℃で5h撹拌した。RTに冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 シクロヘキサン中に0〜50%酢酸エチル)を施して表題化合物(60mg、38%)を得た。LCMS RT = 1.41min, M+H+ = 602。
ステップ2:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
密封可能な管の中で、2-((1r,3r)-3-ヒドロキシ-1-(4-(4-オキソ-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン(120mg、2mmol)及びヒドラジン、H2O(970μl、2mmol)を、メタノール(2.5ml)及び水(2.5ml)に溶解し、管を密封した。この反応物をマイクロ波条件(Biotage)下、120℃で30min加熱した。溶媒を減圧下で除去した。SCX-2シリカカートリッジをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。残留物をジクロロメタン(3×2ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の)4Mアンモニア(50ml)でフラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。残留物をメタノール(4ml)に溶解した。メタノール(30μlのアセチルクロリドを0.5mlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、メタノールを減圧下で減少させ、残留物を水(100ml)に溶解し、得られた溶液をろ過し、凍結乾燥して表題化合物(45mg、45%)を得た。LCMS RT=0.86min, M+H+=472. 1H NMR (500MHz, CD3OD): δ 8.40 (1H, s), 7.25-7.40 (9H, m), 4.90-4.95 (2H, m), 4.65-4.70 (1H, m), 2.97-3.03 (2H, m), 2.58-2.65 (2H, m)。
[実施例13]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.TFA
Figure 2015510923
ステップ1:2-ヨードフラン-3-カルボン酸
窒素雰囲気下-78℃で無水テトラヒドロフラン(200ml)中のフラン-3-カルボン酸(5g、44.6mmol)の撹拌溶液に、BuLi(44.6ml、112mmol)を滴下した。0.5h撹拌した後、冷却のスイッチを切り、混合物を室温に加温した。加温中、無水テトラヒドロフラン(30ml)中の溶液としてのヨウ素(12.5g、49.1mmol)を、撹拌している混合物に滴下した。水(100ml)を加え、有機溶媒を減圧下で除去した。2M塩酸水溶液(約10〜20ml)を用いて水溶液を約pH1まで酸性化した。沈殿した固体をろ取し、減圧下で窒素を流しながら16h乾燥して表題化合物(6.21g、59%)を得た。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS RT = 0.78min, M-H- = 236.8。
ステップ2:2-ヨードフラン-3-カルボニルクロリド
2-ヨードフラン-3-カルボン酸(6.21g、26.1mmol)に、塩化チオニル(20ml、274mmol)を加えた。撹拌しながら溶液を70℃に5h加熱した。混合物を減圧下で減少させ、残留物をトルエン(2×30ml)と共沸させて粗製表題化合物(6.69g、100%)を得た。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップ3:2-ヨード-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)フラン-3-カルボキサミド
無水テトラヒドロフラン(120ml)中の2-ヨードフラン-3-カルボニルクロリド(6.69g、26.1mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(9.11ml、52.2mmol)を加え、次いで2,2,2-トリフルオロエタンアミン(2.08ml、26.1mmol)を加え、溶液を1h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を2M塩酸水溶液(100ml)とジクロロメタン(100ml)に分配させた。水層を分離し、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(相分離器)、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜50%酢酸エチル)で精製して表題化合物(4.38g、53%)を得た。LCMS RT = 0.98min, M+H+ = 319.9。
ステップ4:3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
7つの20mlマイクロ波管の中に、無水DMF(13ml)中の2-ヨード-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)フラン-3-カルボキサミド(0.62g、1.94mmol)、ホルムイミドアミド、HCl(0.78g、9.72mmol)、ヨウ化銅(I)(0.037g、0.194mmol)及び炭酸カリウム(0.81g、5.83mmol)を入れた。これらの管を密封し、撹拌しながら100℃に約68h加熱した。冷却した後、一緒にした混合物をブライン/水(1:1、900ml)と酢酸エチル(225ml)に分配させた。セライト(Celite)のプラグを用いて混合物をろ過した。水相を分離し、酢酸エチル(3×225ml)で抽出した。一緒にした有機層をブライン/水(1:1、4×225ml)で洗浄し、乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で減少させた。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜20%酢酸エチル)で精製して表題化合物(647mg、22%)を得た。LCMS RT = 0.79min, M+H+ = 219.1。
ステップ5:6-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
無水DMF(11ml)中の3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(0.64g、2.93mmol)の0℃での撹拌溶液に、臭素(0.333ml、6.45mmol)を加え、混合物を30min撹拌した。混合物を酢酸エチル(30ml)と水性混合物(3:1:4、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液、110ml)に分配させた。水相を分離し、酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。一緒にした酢酸エチル画分をブライン/水(1:1、4×30ml)で洗浄し、乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で減少させた。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜30%酢酸エチル)で精製して表題化合物(673mg、77%)を得た。LCMS RT = 1.04min, [M+H+(79Br)] = 297.0, [M+H+(81Br)] = 298.9。
ステップ6:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(2ml)及び水(0.400ml)の中の6-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(50mg、0.168mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(81mg、0.202mmol)及び炭酸ナトリウム(53.5mg、0.505mmol)の撹拌懸濁液を、N2で5min脱ガスした。PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(13.8mg、0.017mmol)を加え、反応混合物をN2で5min脱ガスした後、70℃に40h加熱した。さらに、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(13.8mg、0.017mmol)を加え、反応混合物をN2で5min脱ガスした後、70℃に1.5h加熱した。混合物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(5ml)とDCM(5ml)に分配させた。層を分離し、水相をDCM(3×5ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(相分離器)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル)で精製して表題化合物を得た。これをさらに精製することなく使用した(41.5mg、50%)。LCMS RT = 1.20min, M-ブテン+ = 438.1。
ステップ7:tert-ブチル((1r,3r)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート
DMF(4ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(41.5mg、0.084mmol)の撹拌溶液に、NBS(74.8mg、0.420mmol)を加え、溶液を80℃に10min加熱した。混合物を冷却し、ブライン/水/20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液(10:9:1、40ml)と酢酸エチル(10ml)に分配させた。層を分離し、水相を酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル)で精製して表題化合物(13.6mg、28%)を得た。LCMS RT=1.28分, [M-ブテン+(79Br)]=516.0, [M-ブテン+(81Br)]=518.0。 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.04 (2H, d), 8.01 (1H, s), 7.52 (2H, d), (5.07 (1H, br s), 4.70 (2H, q), 2.51-2.78 (4H, m), 1.73 (1H, br s), 1.60 (3H, s), (1.40 (9H, br s)。
ステップ8:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(0.5ml)及び水(0.100ml)の中のtert-ブチル((1r,3r)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート(13.6mg、0.024mmol)、ピリジン-4-イルボロン酸(3.50mg、0.029mmol)及び炭酸ナトリウム(7.56mg、0.071mmol)の撹拌懸濁液を、N2で5min脱ガスした。PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(1.9mg、2.38μmol)を加え、反応混合物をN2で5min脱ガスした後、70℃に加熱し、21h撹拌した。ピリジン-4-イルボロン酸(3.50mg、0.029mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(1.9mg、2.38μmol)を加え、混合物をN2で5min脱ガスした後、24h加熱し続けた。ピリジン-4-イルボロン酸(3.50mg、0.029mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(1.9mg、2.38μmol)を加え、混合物をN2で5min脱ガスした後、4h加熱し続けた。冷却した後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(3ml)とDCM(3ml)に分配させた。層を分離し、水相をDCM(3×3ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥し(相分離器)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル中に0〜10%メタノール)で精製して表題化合物(4.6mg、34%)を得た。LCMS RT = 1.03min, M+H+ = 571.2。
ステップ9:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.TFA
無水ジクロロメタン(1ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(4.6mg、8.06μmol)の0℃での撹拌溶液に、TFA(0.1ml、1.30mmol)を加え、溶液を30min撹拌した。この溶液を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(2ml)と2回共沸させた。残留物を蒸留水(2.5ml)に溶解し、凍結乾燥して表題化合物(3.5mg、62%)を得た。LCMS RT=0.54min, M+H+=471.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.68-8.76 (2H, m), 8.50 (1H, s), 7.81-7.87 (2H, m), 7.69 (2H, d), 7.64 (2H, d), 4.95 (2H, q), 2.90 (2H, d), 2.74 (2H, d), 1.52 (3H, s)。
[実施例14]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
無水トルエン(3ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート(165mg、0.288mmol)及び2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(0.114ml、0.317mmol)の撹拌溶液を、N2で5min脱ガスした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16.7mg、0.014mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下で6h還流加熱した。冷却した後、反応混合物をシリカカラムに直接配置し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン中に0〜100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル中に0〜20%メタノール)で精製して表題化合物(94.8mg、58%)を得た。LCMS RT=1.14min, M+H+=571.2. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.70 (1H, d), 8.04 (1H, s), 7.79 (1H, td), 7.60 (1H, d), 7.52 (2H, d), 7.32-7.36 (3H, m), 4.94 (1H, br s), 4.67 (2H, q), 2.46-2.73 (4H, m), 1.68 (1H, br s), 1.57 (3H, s), 1.37 (9H, br s)。
ステップ2:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
無水ジクロロメタン(2ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(94.8mg、0.166mmol)の0℃での撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml、13.0mmol)を加えた。60min後、溶液を減圧下で減少させた。残留物をジクロロメタン(2ml)と2回共沸させた。SCX-2シリカカートリッジ(10g)をジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。共沸させた残留物をジクロロメタン(4×1ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。1h後、カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の7Mアンモニア)(50ml)でフラッシュした。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。得られた残留物を分取HPLCで精製した。純粋画分を濃縮し、残留物を1,4-ジオキサン(1ml)に溶解し、メタノール(35.4μlのアセチルクロリドを0.3mlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を撹拌しながら加えた。2min後、ジエチルエーテル(20ml)を加え、得られた懸濁液を5min撹拌した。窒素を流しながら沈殿物を減圧ろ取した。湿潤ケーキをジエチルエーテル(2×4ml)で洗浄し、水(4ml)を用いて溶解し、ろ過し、凍結乾燥して表題化合物(40.0mg、44%)を得た。LCMS RT=0.59min, M+H+=471.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 9.00 (1H, d), 8.60 (1H, s), 8.59 (1H, td), 8.16 (1H, d), 8.10 (1H, t), 7.74 (4H, m), 5.01 (2H, q), 2.92 (2H, d), 2.79 (2H, d), 1.54 (3H, s)。
[実施例15]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.TFA
Figure 2015510923
ステップ1:4-クロロ-5-ヨード-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
無水DMF(40ml)中の4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2g、13.0mmol)の撹拌溶液に、水酸化カリウム(2.19g、39.1mmol)を加え、次いでヨウ素(3.64g、14.3mmol)を加えた。混合物を1h撹拌した。ヨウ化メチル(0.814ml、13.0mmol)を加え、混合物をさらに1h撹拌した。混合物を20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液(400ml)に注加した。形成された固体をろ取し、減圧下で乾燥して表題化合物を得た。これをさらに精製することなく使用した。LCMS RT = 1.12min, [M(35Cl)+H]+ = 294.0, [M(37Cl)+H]+ = 295.9。
ステップ2:5-ヨード-7-メチル-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
1,4-ジオキサン(481ml)中の4-クロロ-5-ヨード-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(19.0g、64.9mmol)の撹拌溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(479ml、959mmol)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、4h加熱した。溶液を冷却した。有機溶媒を減圧下で除去した。濃塩酸を用いて水相(The aqueous)を約pH4まで酸性化した。得られた懸濁液をろ過し、減圧下で窒素を流しながら乾燥して表題化合物を得た。これをさらに精製することなく使用した(15.7g、88%)。LCMS RT=0.65min, M+H+=276.0. 1H NMR (500MHz, d6-DMSO) 11.93 (br s, 1H), 7.90 (s, 1H), 3.68 (s, 3H)。
ステップ3:5-ヨード-7-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
無水DMF(137ml)中の5-ヨード-7-メチル-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(13.7g、49.8mmol)の撹拌懸濁液に、炭酸カリウム(13.8g、100mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(7.36ml、74.7mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で24h加熱した。反応混合物をブライン/水(1:1、1.4l)と酢酸エチル(350ml)に分配させた。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3×350ml)で抽出した。一緒にした有機相をブライン/水(1:1、4×350ml)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜45%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(13.7g、77%)を得た。LCMS RT = 1.05min, M+H+ = 358.0。
ステップ4:7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
トルエン(20ml)中の5-ヨード-7-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(2g、5.60mmol)及び2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(2.2ml、6.79mmol)の混合物を脱ガスした。混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.324g、0.280mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で18h加熱した。反応混合物を冷却し、シリカカラムに直接配置し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(0.37g、21%)を得た。LCMS RT = 0.63min, M+H+ = 309.1。
ステップ5:6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
無水DMF(1.8ml)中の7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(53.6mg、0.174mmol)の0℃での撹拌溶液に、臭素(9.85μl、0.191mmol)を加え、混合物を5min撹拌した。さらに臭素(9.85μl、0.191mmol)を加え、混合物を5min撹拌した。混合物を酢酸エチル(5ml)と水性混合物(3:1:4、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と20%w/wチオ硫酸ナトリウム水溶液、20ml)に分配させた。水相を分離し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。一緒にした酢酸エチル画分をブライン/水(1:1、4×5ml)で洗浄し、乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、ろ過し、減圧下で減少させた。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル中に0〜5%メタノール)で精製して表題化合物(46.8mg、70%)を得た。LCMS RT = 0.74min, [M+H+(79Br)] = 387.0, [M+H+(81Br)] = 389.0。
ステップ6:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
ジオキサン(6ml)及び水(1ml)の中の6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(80mg、0.207mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(100mg、0.248mmol)、炭酸ナトリウム(65.7mg、0.620mmol)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(17mg、0.021mmol)の混合物を脱ガスし、70℃で3h加熱した。冷却した後、有機相を分離し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン、次いで0〜10%メタノール/酢酸エチル)で精製して表題化合物(14mg、12%)を得た。LCMS RT = 0.97min, M+H+ = 584.2。
ステップ7:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.TFA
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(13mg、0.022mmol)をTFA(0.5mL)に溶解し、30秒間撹拌した。次いで溶液を減圧下で乾燥するまで濃縮した。残留物をジエチルエーテル(2mL)に懸濁し、減圧下で乾燥するまで3回濃縮した。次いで残留物をジエチルエーテル(2mL)にスラリー化し、静置した後、上澄み溶媒をピペットで除去した。これを2回繰り返した。残留溶媒を減圧下で除去、乾燥して表題化合物(14mg、97%)を得た。LCMS RT=0.49min, M+H+=484.2. 1H-NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.74 (1H, m), 8.48 (1H, s), 8.05 (1H, m), 7.86 (2H, m), 7.66 (3H, m), 7.35 (1H, d), 5.08 (2H, q), 3.70 (3H, s), 2.98 (2H, d), 2.82 (2H, d), 1.56 (3H, s)。
[実施例16]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.TFA
Figure 2015510923
ステップ1:7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
1,4-ジオキサン(8ml)及び水(1.5ml)の中の5-ヨード-7-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(358mg、1.00mmol)、ピリジン-3-イルボロン酸(148mg、1.20mmol)、炭酸ナトリウム(319mg、3.01mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(82mg、0.100mmol)の混合物を脱ガスした。得られた混合物を70℃で16h加熱した。反応混合物を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム(35mL)とDCM(35mL)に分配させた。有機相を分離し、減圧下で濃縮した。残留する残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(280mg、90%)を得た。LCMS RT = 0.647min, M+H+ = 309.1。
ステップ2:6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(0.28g、0.908mmol)を、DMF(8ml)に溶解した。この溶液を0℃に冷却した。臭素(0.056ml、1.09mmol)を滴下した。30min後、反応混合物を水性混合物(3:1:4、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及び20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液、80ml)で希釈し、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。一緒にした有機相を水(4×60ml)、ブラインで洗浄し、濃縮して表題化合物(0.13g、37%)を得た。LCMS RT = 0.81min, [M+H+(79Br)] = 387.0、[M+H+(81Br)] = 389.0。
ステップ3:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(4ml)及び水(1ml)の中の6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(75mg、0.194mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(78mg、0.194mmol)、炭酸ナトリウム(61.6mg、0.581mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(15.8mg、0.019mmol)の混合物を脱ガスした。混合物を70℃で3h加熱した。反応混合物を冷却し、水(50ml)とDCM(50ml)に分配させた。有機相を分離し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(82mg、73%)を得た。LCMS RT = 1.0min, M+H+ = 584.2。
ステップ4:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.TFA
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(82mg、0.141mmol)をTFA(2mL)に溶解し、30秒間撹拌した。この溶液を減圧下で乾燥するまで濃縮した。残留物をジエチルエーテル(2mL)に溶解し、減圧下で乾燥するまで3回濃縮した。次いで残留物をジエチルエーテル(2mL)にスラリー化し、静置した後、上澄み溶媒をピペットで除去した。これを2回繰り返した。残留溶媒を減圧下で除去し、乾燥して表題化合物(55mg、66%)を得た。LCMS RT=0.52min, M+H+=484.1。 1H-NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.63 (1H, m), 8.49 (1H, m), 8.33 (1H, s), 8.09 (1H, m), 7.71 (2H, d), 7.61 (1H, m), 7.55 (2H, d), 4.95 (2H, q), 3.74 (3H, s), 2.93 (2H, d), 2.77 (2H, d), 1.54 (3H, s)。
[実施例17]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
1,4-ジオキサン(8ml)及び水(1.5ml)の中の5-ヨード-7-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(358mg、1.00mmol)、ピリジン-4-イルボロン酸(148mg、1.20mmol)、炭酸ナトリウム(319mg、3.01mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(82mg、0.100mmol)の混合物を脱ガスした。得られた混合物を70℃で48h加熱した。反応混合物を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)とDCM(100ml)に分配させた。有機相を分離し、減圧下で濃縮した。残留する残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(105mg、34%)を得た。LCMS RT = 0.64min, M+H+ = 309.1。
ステップ2:6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
DMF(6ml)中の7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(130mg、0.422mmol)の溶液を、0℃に冷却した。臭素(0.026ml、0.506mmol)を滴下した。得られた混合物を0℃で60min撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(40ml)と水性混合物(3:1:4、水、重炭酸ナトリウム溶液及び20%w/wチオ硫酸ナトリウム溶液、40ml)に分配させた。有機相を分離し、水(3×30ml)、ブラインで洗浄し、濃縮して表題化合物(160mg、98%)を得た。LCMS RT = 0.72min, [M+H+(79Br)] = 387.0, [M+H+(81Br)] = 389.0。
ステップ3:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(8ml)及び水(1ml)中の6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(160mg、0.413mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(200mg、0.496mmol)、炭酸ナトリウム(131mg、1.24mmol)及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(33.7mg、0.041mmol)の混合物を脱ガスした。得られた混合物を70℃で3h加熱した。反応混合物を酢酸エチル(100ml)と水(100ml)に分配させた。有機相を分離し、減圧下で濃縮した。残留する残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(86mg、36%)を得た。LCMS RT = 0.96min, M+H+ = 584.2。
ステップ4:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(85mg、0.146mmol)を、2,2,2-トリフルオロ酢酸(4ml、51.9mmol)に溶解した。得られた溶液を濃縮した。残留物をDCM(15ml)/重炭酸ナトリウム溶液(15ml)に分配させた。有機相を分離し、濃縮した。残留物を分取HPLCで精製した。純粋画分を一緒にし、HCl溶液(ジエチルエーテル中に2M、2当量)で処理し、減圧下で濃縮し、凍結乾燥して表題化合物を得た(21mg、27%)。LCMS RT=0.50min, M+H+=484.2。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.57 (2H, m), 8.41 (1H, s), 7.95 (2H, m), 7.80 (2H, d), 7.60 (2H, d), 4.96 (2H, q), 3.74 (3H, s), 4.95 (2H, q), 2.94 (2H, d), 2.80 (2H, d), 1.56 (3H, s)。
[実施例18]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(8ml)及び水(2ml)の中のtert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(200mg、0.496mmol)、6-ブロモ-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン(160mg、0.413mmol)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(33.7mg、0.041mmol)及び炭酸ナトリウム(131mg、1.24mmol)の混合物を脱ガスし、70℃に3h加熱した。有機相を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサン、次いで0〜10%MeOH/DCM)で精製して表題化合物(38mg、16%)を得た。LCMS RT = 0.94min, M+H+ = 584.2。
ステップ2:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン.HCl
2,2,2-トリフルオロ酢酸(1ml、13.0mmol)を、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(7-メチル-4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(38mg、0.065mmol)に加えた。得られた溶液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(カラムをMeOH/DCM中の20%7M NH3で予備処理しておき、MeOH/DCM 0〜20%で溶出させた)で精製して遊離塩基(9mg)として生成物を得た。この物質をMeOH(2ml)/DCM(2ml)の混合物に溶解した。エーテル中の2M HCl(2当量)を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮して表題化合物(9.5mg、24%)を得た。LCMS RT=0.57min, M+H+=484.2. 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.74 (1H, m), 8.49 (1H, s), 8.06 (1H, m), 7.78 (2H, m), 7.66 (3H, m), 7.35 (1H, d), 5.08 (2H, q), 3.69 (3H, s), 2.97 (2H, d), 2.76 (2H, d), 1.32 (3H, s).
[実施例19]
6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(100ml)中のチエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(25g、164mmol)、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(32.4ml、329mmol)及び炭酸セシウム(53.5g、164mmol)の混合物を丸底フラスコ中で、100℃で18h加熱した。1Lの水を反応混合物に加え、酢酸エチル(3×300ml)で抽出した。一緒にした有機相を水(500ml)で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機相をMgSO4で脱水し、ろ過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/DCM)で精製して表題化合物(27g、70%)を得た。LCMS RT = 0.88min, M+H+ = 235.1。
ステップ2:6-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
DMF(20ml)中の3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(2g、8.54mmol)及び臭素(0.484ml、9.39mmol)の0℃での溶液を60min撹拌した。反応混合物を1:1チオ硫酸ナトリウム(25%水溶液)/飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100ml)で希釈し、酢酸エチル(100ml)で抽出した。濃縮した粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜60%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(2.5g、94%)を得た。LCMS RT = 1.16min, M+H+ = 312.9/314.9。
ステップ3:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(40ml)及び水(5ml)の中の6-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(1g、3.19mmol)、tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(1.29g、3.19mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(0.522g、0.639mmol)及び炭酸セシウム(3.12g、9.58mmol)の混合物を脱ガスし、60℃で2h加熱した。反応混合物を室温に冷却した。有機相を分離し、乾燥するまで濃縮した。残留物をDCM(25ml)で懸濁した。不溶性の固体を減圧下でろ過して除き、さらにDCMを用いて洗浄して表題化合物(1.3g、80%)を得た。LCMS RT = 1.24min, M+H+ = 510。
ステップ4:tert-ブチル((1s,3s)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート
tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(1g、1.96mmol)の混合物を、DMF(45ml)に懸濁した。臭素(0.121ml、2.36mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で50min撹拌した。反応混合物を1:1チオ硫酸ナトリウム(25%水溶液)/飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200ml)で希釈し、酢酸エチル(2×150ml)を用いて抽出した。一緒にした有機相を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜70%酢酸エチル/シクロヘキサン)で精製して表題化合物(0.35g、23%)を得た。LCMS RT = 1.30min, M+H+ = 588/590。
ステップ5:tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
トルエン(10ml)中のtert-ブチル((1s,3s)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート(150mg、0.255mmol)、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(113mg、0.306mmol)及びPd(Ph3P)4(29.5mg、0.025mmol)の混合物を、90℃で4h加熱した。反応混合物をカラムに直接移し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで0〜5%メタノール/DCM)で精製して表題化合物(60mg、40%)を得た。LCMS RT = 1.11min, M+H+ = 587.1。
ステップ6:6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
tert-ブチル((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(24mg、0.041mmol)を、トリフルオロ酢酸(1ml、13.0mmol)で処理した。1min後、TFAを減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(カラムを5%7Mメタノール/DCMで予備処理しておき、0〜20%メタノール/DCMを用いて溶出させた)で精製して生成物を遊離塩基として得た。これをジエチルエーテル中の2M HCl(4当量)で処理し、濃縮し、凍結乾燥して表題化合物(19mg、88%)を得た。LCMS RT=0.697min, M+H+=487.1。 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.91 (1H, m), 8.50 (1H, s), 8.42 (1H, m), 8.01 (1H, m), 7.85 (1H, m), 7.54 (2H, d), 7.44 (2H, d), 4.92 (2H, q), 2.85 (2H, d), 2.68 (2H, d), 1.24 (3H, s)。
[実施例20]
6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
Figure 2015510923
ステップ1:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
6-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(1g、3.19mmol)、tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(1.55g、3.83mmol)及び炭酸セシウム(3.12g、9.58mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(20ml)及び水(5ml)を加えた。反応混合物を窒素下で5min脱ガスした。ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.522g、0.639mmol)を加え、次いでこの反応物を窒素で5min脱ガスした。反応混合物を窒素下60℃で1h撹拌した。RTに冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水(60ml)と酢酸エチル(60ml)に分配させた。次いで有機層を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 ジクロロメタン中に0〜70%酢酸エチル)を施して表題化合物(1.2g、74%)を得た。LCMS RT= 1.24min, M+H+ = 510。
ステップ2:tert-ブチル((1r,3r)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート
DMF中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(1.2g、2.35mmol)の溶液に、臭素(270μl、5.20mmol)をRTで加えた。反応混合物を50℃で18h撹拌した。RTに冷却した後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)を加えた。有機層を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 ジクロロメタン中に0〜50%酢酸エチル)を施して表題化合物(850mg、61%)を得た。LCMS RT = 1.31min, M+H+ = 588/590。
ステップ3:tert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート
無水トルエン(15ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-1-(4-(5-ブロモ-4-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバメート(100mg、0.170mmol)、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(0.066ml、0.204mmol)の撹拌溶液を、窒素で5min脱ガスした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg、8μmol)を加え、混合物を窒素下で110℃に5h加熱した。RTに冷却した後、反応混合物を水(50ml)で希釈し、次いで酢酸エチル(50ml)を加えた。次いで有機層を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残留物にフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 ジクロロメタン中に0〜50%酢酸エチル)を施して表題化合物(30mg、32%)を得た。LCMS RT = 1.11min, M+H+ = 587。
ステップ4:6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.HCl
DCM(1.5ml)中のtert-ブチル((1r,3r)-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4-オキソ-3-(ピリジン-2-イル)-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル)フェニル)シクロブチル)カルバメート(35mg、0.099mmol)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を0℃で加えた。30min後、溶媒を減圧下で除去した。SCX-2シリカカートリッジをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)で予備処理した。残留物をジクロロメタン(3×2ml)に溶解し、SCX-2カラムに配置した。カラムをジクロロメタン中の20%v/vメタノール(100ml)でフラッシュし、次いでジクロロメタン中の20%v/v(メタノール中の)4Mアンモニア(50ml)。アンモニア含有画分を減圧下で減少させた。残留物をメタノール(4ml)に溶解した。メタノール(30μLのアセチルクロリドを500μlのメタノールに加えておいた)中のHClの溶液を加えた。10min後、メタノールを減圧下で減少させ、水(100ml)に溶解し、ろ過し、凍結乾燥して表題化合物を白色固体(20mg、69%)として得た。LCMS RT=0.58min, [M+H]+=487. 1H NMR (500MHz, d6-DMSO): δ 8.60 (1H, d), 8.56 (1H, s), 8.45 (3H, bs), 7.84-7.89 (1H, m), 7.43-7.50 (4H, m), 7.30 (2H, d), 4.91 (2H, d), 2.60-2-62 (4H, m), 1.40 (3H, s)。
AKTキナーゼアッセイ試験
化合物の試験を、AKTキナーゼアッセイを用いて実施した:
活性化AKTイソフォーム1、2及び3を、5'FAMクロスタイド(Seq. GRPRTSSFAEG-OH)を用いてアッセイした。キナーゼリン酸化の度合いを、その試薬が共有結合的な配位錯体結合を介してリン酸残基と特異的に結合できるようにする結合ビーズを導入する、IMAPプログレッシブ結合試薬を用いた蛍光偏光により判定した。
iMAP結合溶液は、クロスタイド/キナーゼ相互作用を停止させ、リン酸化された基質と特異的に結合する。リン酸化度を、蛍光偏光(励起485nm;発光528nm)か又は励起された基質の回転速度の低下によって判定する。
アッセイにおいて以下の物質を使用した:
a)アッセイが線形範囲内でなされるように選択された所定濃度で、完全反応緩衝液(Complete Reaction Buffer)に溶解した活性化AKTイソフォーム(SignalChem.)。
b)完全反応緩衝液中に希釈されたAKT基質ペプチド:FAMクロスタイド(R7110)Molecular Devices。
c)iMAPプログレッシブスクリーニングエクスプレスキット(R8127) Molecular Devices
d)0.1%BSA、10mM トリス-HCl、10mM MgCl2、0.05%NaN3及び0.01%リン酸非含有BSA、1mM DTTを含む完全反応緩衝液
e)75%緩衝液A、25%緩衝液B、及びアッセイのための結合実体を含む低容量の結合試薬を含むプログレッシブ結合溶液
f)完全反応緩衝液中に希釈されたATP
g)黒色ポリスチレン384ウェルアッセイプレート(Nunc)。
h)Biotek Synergy 4ハイブリッドプレートリーダー。
5μlの試験化合物をDMSO(Sigma Aldrich)に溶解し、完全反応緩衝液に連続希釈して14点の半対数用量応答を得、384ウェル黒色プレートに入れた。化合物を室温で、所定の濃度の活性化AKTイソフォーム(5μl)とともに45minインキュベートした。
2.5μlのAKT基質ペプチド(FAMクロスタイド(R7110)Molecular Devices)と混合した2.5μlのATP溶液を各ウェルに分注し、プレートを1000rpmで20秒間遠心分離にかけて試薬を確実に均一混合させた。試薬ミックスを暗所、1h室温でインキュベートした。
プログレッシブ結合溶液を加えることによりキナーゼ反応を停止させ、混合物を暗所で、室温で1h平衡させた。
各ウェルで発生した蛍光偏光をBiomek Synergy 4ハイブリッドプレートリーダーを用いて測定した。簡単に述べると、各反応溶液を485nmで励起させ、発光を528nmで平行経路と垂直経路の両方で測定した。
各ウェルで発生した偏光値をGen5ソフトウェア(Biotek)を用いて計算し、溶媒対照と比較したキナーゼ活性の阻害率%をGraphPad Prismで計算した。各化合物のIC50値を、Prismソフトウェアを用いて非線形回帰分析により計算した。
すべてのプレートを2つの方法により内部制御した。第1の方法は、阻害剤なしでのキナーゼ偏光と、活性化されたキナーゼの非存在下での完全反応緩衝液により発生した偏光をもとにしてシグナル:ノイズ比を計算することによるものである。第2の方法は、AKTイソフォームの既知の阻害剤によってもたらされるIC50値を測定することによるものである。
データをGraphPad Prismを用いて分析した。IC50値は、データセットの非線形回帰を用いて得た。
AKTシグナル伝達経路への化合物効果の分析:PC3細胞内でのpAKTの阻害
PC3細胞を96ウェルプレートに一晩播種し、次いで血清飢餓を4h行った。完全培地(RPMI 1640)中のAKT阻害剤の濃度を増大させて細胞に加え、さらに24hインキュベートした。
細胞をパラホルムアルデヒドに固定し、透過処理し、BSAでブロッキングし、次いでpAKT(Ser473)及び総AKT抗体(R&D Systems)で一晩インキュベーションした。二次抗体混合物を加え、次いである組合せの蛍光基質を最後のインキュベーションのために加えた。
各抗体の蛍光強度を、540/600nm及び360/450nmのそれぞれでSynergy 4プレートリーダーで読んだ。蛍光強度のパーセンテージ変化を阻害剤の対数濃度に対してプロットして、IC50値を得た(GraphPad Prism)。
比較例の試験
直下の表に示した化合物は、本発明者らが合成した化合物である。化合物A、F及びLは、WO2011/055115に記載されたような主構造式に含まれる化合物ではあるが、本発明の化合物中に存在するヒドロキシ置換シクロブタン環を欠いている。化合物Aは上記国際出願の実施例106であり、化合物F及びLは、WO2011/055115中の式に包含されるが、その明細書の実施例の中で特に言及されてはいない。残りの化合物が本発明による化合物であり、本発明によるシクロブタン環での誘導体化を示している。
Figure 2015510923
Figure 2015510923
Figure 2015510923
Figure 2015510923
Figure 2015510923
Figure 2015510923
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驚くべきことに、本発明に包含される化合物のシクロブタン環へのヒドロキシ置換の組み込みは、ヒドロキシル化されていないその対応物に比べて予想外の利点をもたらしている。本発明に従ったシクロブタン環の誘導体化に伴う利点についての論述は、以下の実験データの後にある:
Figure 2015510923
Figure 2015510923
先述したように、化合物A、F及びLは、WO2011/055115で提示されたような主構造式に含まれる化合物である。化合物Aはフラン誘導体に相当し、化合物Fはチオフェン誘導体であり、化合物Lはピロールである。WO2011/055115の化合物と本発明の化合物の差は、本発明の化合物中のシクロブタン環の特異的置換である。
化合物2は、化合物Aに関連したトランスヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、化合物Aと比較した場合、AKT2に対する効力の改善を示している。
化合物4は、ヒドロキシル部位と同じ部位でメチル置換されていることを除けば、化合物2と類似している。化合物4はまた、トランス配向になった極性基も有しており、化合物Aと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善、及びSelectScreen(登録商標)パネルにおけるオフターゲットキナーゼ活性の低下を示している。
化合物3は、化合物Aに関連したヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体という点で化合物2と類似しているが、今度は極性基がシス配置になっている。化合物3もまた、化合物Aと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。
化合物1は化合物4の異性体であるが、シス配置になった2つの極性基を有する。この化合物は、化合物Aと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。化合物1はまた、化合物Aに見受けられるものより著しく高い非結合率(ヒト血漿)、及びげっ歯類におけるT1/2の短縮も示しており、これは、より上位の種における1日1回/1日2回の投与により適した半減期につながると予測されている。
化合物5は化合物Fと類似しているが、シクロブタン環がヒドロキシル置換及びメチル置換されている。化合物5の極性基は、トランス配向になっている。化合物5は、化合物Fと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。化合物5はまた、化合物Aに見受けられるものより著しく高い非結合率(ヒト血漿)、及びげっ歯類におけるT1/2の短縮も示しており、これは、より上位の種における1日1回/1日2回の投与により適した半減期につながると予測されている。
化合物8は化合物5の異性体であり、極性基の配向がシス配置になっている。化合物8はまた、化合物Fと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を実証している。
化合物9は、化合物8のときと同様にシス配置になった極性基を有するが、メチル置換が存在しない。化合物9は、化合物Fと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。
化合物6は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体である。化合物6では、極性基がトランス配置になっている。化合物6は、化合物Lと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。化合物6はまた、化合物Aに見受けられるものより著しく高い非結合率(ヒト血漿)、及びげっ歯類におけるT1/2の短縮も示しており、これは、より上位の種における1日1回/1日2回の投与により適した半減期につながると予測されている
化合物7は、化合物Lに関連したシスヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体である。化合物7は、化合物Lと比較した場合、すべてのAKTイソフォームに対する効力の改善を示している。
化合物10は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がシス配置になっている。化合物10は、化合物Lと比較した場合、AKT2及びAKT3に対する効力の改善を示している。
化合物11は、化合物Lに関連したトランスヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体である。
化合物12は、化合物Fに関連したトランスヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体である。化合物12は、化合物Fと比較した場合、AKT2及びAKT3に対する効力の改善を示している。
化合物13は、化合物Aに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物13は、化合物Aと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 4-ピリジンになっている。化合物13は、化合物Aと比較した場合、AKT2に対する効力の改善、並びに、AKT1及びAKT3に対するよりも大きなAKT2に対する選択性を示している。
化合物14は、化合物Aに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物14は、化合物Aと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 2-ピリジンになっている。
化合物15は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物15は、化合物Lと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 2-ピリジンになっている。
化合物16は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物16は、化合物Lと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 3-ピリジンになっている。
化合物17は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物17は、化合物Lと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 4-ピリジンになっている。
化合物18は、化合物Lに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がシス配置になっている。化合物18は、化合物Lと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 2-ピリジンになっている。
化合物19は、化合物Fに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がシス配置になっている。化合物19は、化合物Fと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 2-ピリジンになっている。
化合物20は、化合物Fに関連したメチルヒドロキシアミノシクロブタニル誘導体であり、極性基がトランス配置になっている。化合物20は、化合物Fと比較した場合、Ar =フェニルに対してAr = 2-ピリジンになっている。
本発明者らは驚くべきことに、既知の化合物のアミノ基に対して遠位側のシクロブタン環をヒドロキシ置換すると、本明細書で提供されている有利な効果が得られることを見出した。さらに、小型のアルキル基を付加し、シクロブタン環における結合の配向を改変して化合物のシス型とトランス型の両方を得ると、これらの化合物から他の有利な特性を実現できることが示された。
本発明の化合物は、AKTの様々なイソフォームに対する効力の改善を示している。上記で提供されている比較データから分かるように、本発明の化合物が提供する利点は他にもいくつかある。
参照しやすくするために、上記化合物は、それらが調製されている実施例に応じて番号づけされていることに留意されたい。

Claims (23)

  1. 式(I):
    Figure 2015510923
    (式中、YはN及びCRから選択され、Rは水素、Z、シアノ又はCONR'R''であり、R'及びR''は独立にH又はZであり;
    XはO、NR'''又はSであり、R'''は水素又はZであり;
    Arはアリール又はヘテロアリールであり;
    R1は水素又はZであり;
    R2はZであり;
    R3は水素、Z又はNR4R5であり、R4及びR5は独立にH又はZであり;
    Zは、少なくとも炭素と水素を含み、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族基を指し、Zは直鎖状であっても分岐状であってもよく、環構造を含まなくてもよく又は1つ以上の環を含んでもよく、Zは飽和又は不飽和であってよく、Zは非置換であっても又はCN、CO2H、CONH2、CONHR、CONRaRb、CO2R、NH2、NHR、NRaRb、OH、OR、SH、SR、F、Cl、Br及びI等の1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、R、Ra及びRbはそれぞれ、これらの基が結合する原子に各基の炭素原子を介して結合している独立に選択される基であり、ここでRa及びRbが、これらが結合しているヘテロ原子を含む複素環を形成していることを含み、2つ以上のヘテロ置換基が存在する場合、特定の官能基の一部を形成していない限り、置換基は互いに独立に選択され、任意のヘテロ原子置換基が他の炭素含有基で置換されていてよく;
    「アリール」は、芳香族である少なくとも1つの環を含む基を指し、前記アリール基の1つ以上の環はそれぞれ、炭素原子だけを含むように個別に選択されてもよく、あるいは前記アリール基の1つ以上の環はそれぞれ、炭素原子とO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子の両方を含んでもよく、前記ヘテロ原子は置換されていてよい)
    の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体。
  2. XがO又はSである、請求項1に記載の化合物。
  3. XがOである、請求項2に記載の化合物。
  4. XがS又はN-CH3である、請求項1に記載の化合物。
  5. Yが窒素である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. R3が水素である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. R2がハロ置換されたZである、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. R2がフッ素置換されたZである、請求項7に記載の化合物。
  9. R2が2,2,2-トリフルオロエチルである、請求項8に記載の化合物。
  10. Arが窒素含有ヘテロアリール部分である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
  11. Arがフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル又はチオフェンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  12. Arがフェニルである、請求項11に記載の化合物。
  13. R1がメチルである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  14. シクロブタン部分に結合しているヒドロキシル基が、シクロブタン部分に同様に結合しているアミン基に対してトランスである、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
  15. シクロブタン部分に結合しているヒドロキシル基が、シクロブタン部分に同様に結合しているアミン基に対してシスである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;及び
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-3-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-4-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン;
    6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-(ピリジン-2-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
    から選択される、請求項1に記載の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体。
  17. 6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン;及び
    6-(4-((1r,3r)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-7-メチル-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(7H)-オン
    から選択される、請求項1に記載の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体。
  18. 6-(4-((1s,3s)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-5-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
    である、請求項1に記載の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体。
  19. 式(I):
    Figure 2015510923
    (式中、YはN及びCRから選択され、Rは水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル、シアノ又はCONR'R''であり、R'及びR''は独立に、H、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル又はシクロヘテロアルケニルであり;
    XはO、NR'''又はSであり、R'''は水素又はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル又はシクロヘテロアルケニルであり;
    Arはアリール又はヘテロアリールであり;
    R1は水素又はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル又はシクロヘテロアルケニルであり;
    R2はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル又はシクロヘテロアルケニルであり;
    R3は水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル又はNR4R5であり、R4及びR5は独立に、H又はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルケニル又はシクロヘテロアルケニルであり;
    前記アルキル部分、ヘテロアルキル部分、シクロアルキル部分、シクロヘテロアルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、ヘテロアルケニル部分、ヘテロアルキニル部分、シクロアルケニル部分、シクロヘテロアルケニル部分はそれぞれ、低級アルキル、低級ヘテロアルキル、低級シクロアルキル、低級シクロヘテロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級ヘテロアルケニル、低級ヘテロアルキニル、低級シクロアルケニル又は低級シクロヘテロアルケニルである)
    の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び互変異性体。
  20. 薬剤用担体、及びその中に分散された請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  21. 治療において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  22. 癌の治療又は予防において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  23. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与すること含む癌を治療又は予防する方法。
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