JP2015510589A - ガンマ線‐中性子複合検出システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、熱捕獲反応に続いて重粒子を放出する熱中性子吸収体の混合物に基づくガンマ線‐中性子検出器を提供する。一の構成では、10Bベース検出器が、中性子を熱化して高効率で検出するために、ポリエチレンなどの中性子減速板を電極板の裏面に一体化する平行電極板配置で使用される。減速材に代えて、ガンマ線を同様に検出し、大面積の光増倍管で見ることが可能なプラスチックシンチレータを使用することも可能である。検出器は、門形状やドライブスルー方式、走行通過方式、手持ち式、背負い式等、様々なスキャニング構造で使用可能である。
Description
本出願は、2010年12月22日に出願され「ガンマ線‐中性子複合検出システム」と題された米国特許出願第12/976,861号の一部継続出願であり、2009年12月22日に出願された同一題の米国仮特許出願第61/289,207号を優先権主張の基礎とする。
また、本出願は、2010年12月10日に出願され「光電子増倍管及び検出システム」と題された米国特許出願第12/997,251号の一部継続出願であり、2009年6月11日に出願されたPCT/GB2009/001444の国内移行出願であるとともに、2008年6月11日出願された英国特許出願第0810638.7号を優先権主張の基礎とする。
更に、本出願は、2012年2月4日に出願された米国仮特許出願第61/595,044号を優先権主張の基礎とする。
上記した各出願は、全て、本願明細書に取り込まれている。
本発明は、放射性物質の検出分野に関し、特に、中性子及びガンマ線を検出するシステム及び技術、更に具体的には、費用効率が高く、小型で、簡単に手に入る材料により組立可能な、中性子及びガンマ線を利用する検出システム及び検出方法に関する。
郵便物や、商品、原材料、他の物品等を含む物質の物理的な輸送は、いかなる経済活動にも不可欠である。通常、物質は、格納容器や荷箱等に収められて輸送される。格納容器や荷箱には、コンテナ船や貨物輸送機に載せて運搬可能なコンテナのみならず、セミトレーラーや大型トラック、鉄道車両が含まれる。しかしながら、輸送用や貨物用のコンテナは、核物質や放射性物質などの禁制品の違法な輸送にも使用される可能性がある。このような危険物を検出するためには、特に、空港や積み出し港などの中継地点に加えて、県境や国境においても、隠された核物質の存在を見つけ出すことが可能な、迅速、安心且つ精度の良い検査システムが必要とされる。
現在、受動的及び能動的検出技術が、共に、隠された核物質の検出に利用されている。受動的検出技術とは、核物質や放射性物質などの危険物が、ガンマ線や、場合によっては中性子といった検出可能な放射線を放出するという原理に基づく技術である。受動検出システムは、容易に配備可能である一方、検査対象車両及びその中身による自然バックグラウンドの減衰や、陶器のタイルや肥料等の安全な貨物による自然バックグラウンドスペクトルの変化、貨物内における危険物と同一又は近いガンマ線を放射する放射線治療用の同位体の存在といった不可避の要因により引き起こされる誤検出の割合が高い等、多くの欠点を抱えている。更に、多くのガンマ線源が遮蔽され、且つ/或いは、容易に外部から遮蔽可能であることに加え、放射線は遮蔽により吸収されることから、検出は困難になる。また、一般的に、ガンマ線検出器は中性子検出器としては劣り、優れた中性子検出器はガンマ線検出器としては劣る傾向が有る。
他の検出技術として、中性子や光子(ガンマ線)などの非荷電粒子を疑わしいコンテナに照射する方法もある。非荷電粒子は、比較的大きく高密度な対象物をも通過して、関心のある特定の元素を弁別する能力を有する。このことから、検査対象の物体に存在する特定の元素と相互作用する中性子或いは光子の吸収及び/或いは散乱パターンを利用する検出装置もある。下記特許文献1及び特許文献2には、このような装置、すなわち、熱中性子解析(Thermal Neutron Analysis:TNA)を利用して手荷物内の爆発物を検査する装置の例が挙げられている。また、特許文献3には、パルス状高速中性子解析(Pulsed Fast Neutron Analysis:PFNA)を利用する密輸検出システムの例が開示されている。上述の特許は全て、本明細書に組み込まれる。
微分消滅解析(Differential Dieaway Analysis:DDA)や、中性子或いは光子によって誘導される核分裂に続いて放出される遅発性ガンマ線及び中性子の測定などの能動的検出技術は、核分裂性物質の存在の検出に利用可能である。放射線は、中性子検出器及びガンマ線検出器により測定される。ここで、中性子検出器はガンマ線を感知せず、ガンマ線検出器は中性子を感知しない。遅発性中性子の検出は、核物質を隠す遮蔽構造が存在する場合であっても、また、遅発性ガンマ線に比較してバックグラウンドが低いにもかかわらず、核分裂性物質を検出するための絶対的な手法である。遅発性中性子の数は、遅発性ガンマ線の数よりも2桁小さいため、中性子の検出に最良の感度を得るためには、効率が良く且つ大面積の検出器が必要となる。
上記した検出器システムにはいずれも欠点が無いわけではない。特に、これらの装置は、通常、広いエネルギー範囲を有する高エネルギー中性子を生成可能な加速器を使用する。多数の中性子が相互作用することなく対象物を通過することを考慮すると、特定のエネルギーで動く中性子の吸収/散乱を検出することは困難である。したがって、装置が残す「指紋」は極めて小さく、解析が困難であり、その結果、多くの誤検出を招くこととなる。
また、従来の検出システムには、構造や方法に制約がある。そのため、放射線量を低く抑えることができず、環境のみならず検査業務に従事する職員にも危険が及ぶこととなる。或いは、市場に受け入れられるための必要条件である高画質の生成が妨げられることとなる。
受動的及び能動的検出技術の両方の使用が望ましい一方、費用効率が高く、小型で、簡単に手に入る材料により中性子検出器を組立可能となる中性子及びガンマ線を利用する検出システム及び方法が必要とされる。
最も一般的に使用される中性子検出器は、3Heガス比例チャンバーである。ここで、3Heは、中性子と相互作用して、4Heイオンを生成する。このイオンは、検出器の電場で加速され、他の気体原子のイオン化を引き起こすために充分なエネルギーを得る。注意深く制御することにより、気体のアバランシェ降伏を引き起こすことが可能となり、検出器の出力で測定可能な電流パルスが生じることとなる。気体を加圧することにより、通過熱中性子が気体内で相互作用する確率を妥当なレベルまで高めることができる。しかし、3Heは、比較的乏しい物質であり、自然には発生しない。そのため、このような検出器の入手可能性や将来的な供給は、幾分不確かである。更に、3He加圧管の輸送には特別な許可が必要とされるため、煩雑かつ潜在的問題となり得る。
世界で最も一般的に配備される受動的放射性物質検出器は、図1Aに示されるように、複数の3He検出管116を内蔵し、鉛遮蔽体108によって覆われる中性子減速材105を上部に有し、PMT(光電子増倍管)115を内蔵するプラスチックシンチレータ減速材110を下部に有する。しかしながら、この検出器は、やはり、乏しい3Heを使用する構成となっている。また、他の一般的に使用される検出器は、図1Bに示されるように、ガンマ線検出器及び中性子検出器が分離された構造を有する。中性子減速材105は、図1Bに示されるように、複数の3He検出管116を有し、PMT115及び鉛遮蔽体108を有するプラスチックシンチレータ110に隣接して配置される。しかし、この検出器も、やはり、乏しい3Heを使用する構成であり、より広い設置面積を占めることとなる。
3He検出器に代わる他の検出器もいくつか存在する。しかし、これらの検出器の多くも、また、ガンマ線に感度を有するため、中性子をガンマ線から弁別しなければならない場合には好ましくない。
したがって、費用効率が高く、小型で、簡単に手に入る材料により中性子検出器を組立可能となる中性子及びガンマ線を利用する検出システム及び方法が必要とされている。また、費用効率が高く、小型で、中性子検出器及びガンマ線検出器が分離された検出システムが必要とされている。
本明細書は、一の実施の形態において、現在の放射線ポータル(門形状)モニタ(RPM)3He検出器と直接置換して使用可能な10Bを薄くコーティング(被覆)した平面平板電離箱中性子検出器を開示する。
一の実施の形態において、本明細書の検出器は、ホウ素をコーティングしたアノード電極板及びカソード電極板間に挟まれたアルゴンガスセル(気体電池セル)を備える。
一の実施の形態において、固有効率を向上させるべく、複数のセルが互いに積み重ねて配置される。一の実施の形態において、検出器は重層化され、20以上の層を含む。
一の実施の形態において、複数の検出器ユニットセルは「タイル状」にされ、その面積が1平方メートルに達する。一の実施の形態において、大きな検出器ユニットを容易に輸送可能とすべく折り畳む。
一の実施の形態において、中性子を熱化して高効率で検出すべく電極板の裏面にポリエチレンなどの中性子減速材シートを一体化する平行平板配置が使用される。減速材に代えて、大面積の光電子増倍管で見ることが可能なプラスチックシンチレータシートを使用しても良い。この場合、既存のRPMと同様に、中性子に加えてガンマ線も検出できる。
本明細書は、更に、構造及び製造が単純で、ユニットセル検出器について容易に拡張が可能であり、様々な用途に容易に適合可能であるとともに低コストな大面積の検出器を開示する。
一の実施の形態において、本明細書は、高速中性子を減速するためのポリエチレンを含む第1の層及び第2の層と、減速された高速中性子を捕獲するための10Bを含み、第1の層及び第2の層間に配置される第3の層及び第4の層と、第3の層及び第4の層間に配置され、中性子が捕獲されると層内の気体をイオン化して自由電子・イオン対を生成する荷電粒子を放出する気体セル層と。を有することを特徴とする中性子ユニットセル検出器を目的とする。
一の実施の形態において、中性子検出器は、積み重ねられることにより検出器効率を向上する複数のユニットセル検出器を備える。
他の実施の形態において、本明細書は、高速中性子を減速するとともにガンマ線を検出するガンマ線感知プラスチックシンチレータを含む第1の層及び第2の層と、減速された高速中性子を捕獲するための10Bを含み、第1の層及び第2の層間に配置される第3の層及び第4の層と、第3の層及び第4の層間に配置され、中性子が捕獲されると層内の気体をイオン化して自由電子・イオン対を生成する荷電粒子を放出するガスセル層と、を有することを特徴とするガンマ線‐中性子ユニットセル検出器を目的とする。
一の実施の形態において、ガンマ線‐中性子検出器は、積み重ねられることにより検出器効率を向上する複数のユニットセル検出器を備える。
一の実施の形態において、プラスチックシンチレータは、有機固体シンチレータ、無機固体シンチレータ及びガラス層の間に配置される液体シンチレータのうち少なくとも一つを備える。
他の実施の形態において、本明細書は、検出器に使用するための拡張性を有し、低コストで、大面積のホウ素基板の製造方法であって、薄い銅箔シートを金属ベース(基層)として使用するステップと、銅箔に剛体層を結合して、大面積の構造強度を有する複合ベースを形成するステップと、複合ベースを塩化鉄溶液に浸すことにより複合ベースにタイル模様及び個々の送電線のエッチング加工を行うステップと、複合ベースを真空蒸着のためのドラムに取り付け、銅箔の表面にホウ素を蒸着してホウ素基板を形成するステップと、を有し、ホウ素の送電線への蒸着を防ぐべくマスクを使用する方法を目的とする。一の実施の形態において、銅箔の厚さは50μmから100μmの範囲内である。一の実施の形態において、剛体層はカプトンを含む。
一の実施の形態において、大面積ホウ素基板の製造方法は、ホウ素基板をポリエチレンのシートにラミネート加工することにより、高速中性子検出器を組み立てるステップを含んでも良い。
本願の前述及び他の実施の形態は、図面と、以下に記載する詳細な説明とにおいて、より詳細に記載される。
本願明細書は、ガンマ線及び中性子のいずれの検出にも高感度を有し、ガンマ線及び中性子を充分に分離可能なガンマ線‐中性子複合検出器を用いて、放射性物質である危険物を検出するシステム及び方法を開示するものである。本発明に係るシステムは、誤検出を最低限に抑え、危険物を最大限に検出可能とすることにより、処理能力を向上する。
また、本願明細書は、費用効率が高く、小型で、簡単に手に入る材料により中性子検出器を組み立て可能なガンマ線‐中性子複合検出システム及び方法を得ることを目的とする。
本願明細書は、様々な実施の形態を含んでいる。以下の開示は、当業者が本発明を実施することを可能とするために提供される。本明細書で使用する言語は、いずれかの実施の形態を否定するものとして解釈すべきではなく、特許請求の範囲に記載した表現の意味を超えて特許請求の範囲を制限するように用いられるべきではない。ここに定義される一般的な原理は、発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲で、他の実施の形態や応用例に適用可能である。また、使用される専門用語や表現は、例となる実施の形態を記載するためのものであり、限定的に考慮すべきではない。したがって、本発明は、多くの代替例や、変形例、開示された原理や特徴に整合する同等のものを包含する最も広い範囲に対応する。明瞭性を考慮して、また、本発明を不必要に曖昧としないために、本発明に関連する技術分野において周知の技術内容に関する詳細については、記載しないこととする。
熱中性子の検出断面積が大きい原子核はいくつか存在する。これらの原子核には、He、Gd、Cdや、2つの特に断面積の大きな原子核である6Li、10Bが含まれる。いずれの場合も、断面積の大きな原子核が熱中性子と相互作用した後、エネルギーイオン及び二次エネルギー荷電粒子が得られる。
ここで、括弧内には、断面積と、反応に関するエネルギーを表すQ値とを示す。
荷電粒子及び重イオンは、凝縮物質中では相互作用の範囲が短距離であり、通常、相互作用した位置から数μmしか移動しないことが知られている。したがって、相互作用した位置の周辺では、エネルギー付与率が高くなる。本発明では、中性子断面積の大きな原子核を含む分子が、エネルギーの付与により励起されるとシンチレーション応答する分子と混ざる。このように、中性子が、例えば6Liや10Bとの相互作用で、シンチレーション材料と混ざった場合、閃光を発することとなる。この閃光が媒質を介して光検出器まで輸送されると、光信号を電気信号に変換することが可能となる。ここで、変換された電気信号は、中性子相互作用の間に付与されたエネルギー量を表す。
更に、CdやGd、重粒子を放出せず熱捕獲断面積が大きな他の物質は、数keVから数MeVのエネルギー範囲にある低エネルギーの内部転換電子、オージェ電子、X線及びガンマ線を、略同時に放出する。したがって、硫酸化ガドリニウム(GOS)或いはタングステン酸カドミウム(CWO)など、これらの物質の層は、シンチレータのベースに混ぜられた場合や、シンチレータに加工された場合も、(おそらく、より重い物質よりも少ないが)光を発することとなる。GOSは通常2つの活性化因子を有し、低速(約1ms)及び高速(約5μs)で減衰する。CWOは、比較的高速の減衰定数を有する。全体のエネルギーにもよるが、重要な部分のエネルギーは当該層に付与される一方、一部の電子は周囲のシンチレータにエネルギーを付与する。更に、熱捕獲反応に続いて生じる大量のX線及びガンマ線が、周囲のシンチレータにおいて相互作用する。このように、中性子相互作用により、低速及び高速の減衰定数を有する事象(イベント)がもたらされる。多くの場合、中性子信号は、層内を移動する電子と、周囲のシンチレータにおいて相互作用するガンマ線とにより、低速成分と高速成分とを共に含むこととなる(「同時発生(コインシデンス)」と呼ばれる)。
6Liや10B原子核を取り囲む物質のシンチレータ応答は、一の実施の形態におけるプラスチックシンチレータのように、ガンマ線のみに応答するように選択された特性を持つ第2シンチレータ内で、この光を輸送可能となるように調整可能である。他の実施の形態では、6Liや10Bを取り囲む物質はシンチレータではないが、透過性無発光プラスチックにより、中性子にのみ感度を有する検出器が得られる。
このように、プラスチックシンチレータは、中性子及びガンマ線のいすれにも感度を有する。中性子が、検出器においてHにより熱化された後、捕獲されると、2.22MeVのガンマ線もまた放出され、頻繁に検出される。このように、本発明は、中性子及びガンマ線を高感度で検出可能なガンマ線‐中性子複合検出器を実現する。また、本発明の複合検出器は、更に、ガンマ線及び中性子の痕跡(シグネチャ)を極めて良く分離する。ここで注目すべきは、荷電粒子に加えて10Bがガンマ線を生じることである。したがって、中性子捕獲反応に続いてガンマ線を生じる物質を用いると、ガンマ線のような検出結果が得られる。しかしながら、ほとんどの用途において、中性子の検出が所望されている。このことから、本発明の検出器は、中性子をも検出する点で好都合である。
図1Cは、本発明の一の実施の形態に係る複合ガンマ‐中性子検出器の配置図である。図1Cを参照すると、本検出器は、単一の中性子検出器103と、これを取り囲む2つのガンマ線感知シンチレーションパネル(ガンマ線検出器)101、102とを有する構成をとる。中性子検出器103は、単一のスラブ(平板)からなる中性子感知複合シンチレータを備えている。このシンチレータにおいては、6Liや10Bなどの中性子に感度を有する原子核が、ZnSなどのシンチレーション材料と混ざっている。一の実施の形態では、20−30%の体積密度が(6Liなどの)中性子に感度を有する物質である一方、ZnSからのシンチレーション応答も高効率で維持している。
一の実施の形態では、ガンマ線検出器パネルは、固体プラスチックシンチレータ(例えばNE102)及びアントラセンを含む有機シンチレータや、これに限らず、NaI(Tl)、CsI(Tl)、CsI(Na)及びBaF2を含む無機シンチレータなどの固体の(無基板)シンチレーション材料から組み立て可能である。
他の実施の形態では、ガラスシートの間に液体シンチレータを配置し、ガンマ線検出器として作動させることが可能である。これらは、アントレセン分子で形成される有機溶媒をベースとして、有機金属化合物とともに使用して、シンチレーション効率を上げるので、通常、固体シンチレータよりも扱いにくい。
一の実施の形態では、中性子検出器は、適切な溶媒で溶かしたスチレンなどのバインダ分子をベース基板として含むが、これに限定されない。溶媒が蒸発して乾くと、非常に安定した自立プラスチックフィルムが形成される。シンチレーション材料(例えばZnS)及び中性子特異元素(Gd、Li,B等)は、溶媒と混ざり、溶媒が蒸発する前に結合する。溶媒が蒸発すると、3つの成分が全て完全に混ざり合った混和物が生成される。
代替例では、Gd、Li或いはBを使用する液体シンチレータ(一般的に、アントラセン分子と、シンチレーション効率を上げるための適切な有機金属化合物とに基づく)が、ガンマ線シンチレーションパネル間の隙間に密閉可能である。好ましくは、薄いガラスのバリアを中性子シンチレータとガンマ線検出器との間に配置し、2つのシンチレータ物質間の化学的相互作用を防ぐ。
一の実施の形態では、パネルのサイズは、通常、手持ちが可能な用途に対する0.1m×0.1mから、定位置に設置される大きな設備に対する2m×1mまでである。この最大サイズを超えると、物理的取扱いや包装に加え、光の収集にも困難が生じる。最小サイズ以下となると、検出効率が有用なレベル以下に下がるため、測定時間がますます長くなってしまう。
一の実施の形態では、ガンマ線検出器は中性子検出器よりも厚みがある。ガンマ線検出器の厚みは、最小で0.01m(手持ちの用途)であり、定位置に設置される大きなシステムでは0.2mである。前面のガンマ線検出器は、ガンマ線及び中性子の全体としての検出効率を最大とするために、背面のガンマ線検出器とは異なる厚みに最適化される。例えば、定位置に設置される大きなシステムには、前面のガンマ線検出器の厚みを0.05mとし、背面のガンマ線検出器の厚みを0.1mとすることができる。中性子検出器は、ガンマ線の相互作用の可能性を最小にするために及びシンチレータから光が逃げる可能性を最大にするために、通常薄く形成される。固体スクリーンシンチレータに基づく通常の中性子検出器は、0.5−1mmの厚みであるのに対し、液体中性子シンチレータでは、0.01から0.05mの厚みでも良い。
ガンマ線検出器101、102及び中性子検出器103からの光信号は、1つ又は複数の光検出器により読み出される。ここで、一の実施の形態では、光検出器は、光電子増倍管(PMT)104である。このように、光信号は電気信号に変換され、ガンマ線相互作用106及び中性子相互作用107により別々に相互作用を割り当てるパルスプロセッサ105によって処理される。
一の実施の形態では、ガンマ線感知パネル101、102は、0.1μs以下の短い(高速の)減衰時間を有するプラスチックを有するプラスチックシンチレータから有利に組み立てられる。また、中性子検出器103の6Liや10B原子核は、ZnSのように、より長い(低速の)減衰時間を有するシンチレーション材料と有利に混ざる。一の実施の形態では、シンチレーション材料の減衰時間は、1μsよりも長い。ガンマ線検出器及び中性子検出器のシンチレータの減衰時間の違いは、ガンマ線痕跡106及び中性子痕跡107の有意な分離をもたらす。一般的に、ガンマ線‐中性子除去の増大をもたらすガンマ線の通過による直接励起の可能性を最小にするためには、原子数の小さなシンチレーション材料を選択することが好ましい。
他の実施の形態では、6Li或いは10Bは、非常に高速応答(〜10ns)する物質と混ざり、低速応答(〜1μs)する物質に取り囲まれる。
6Li周辺で使用される物質が非常に高速のシンチレータである場合、特に、シンチレータが周囲に無い場合、検出器が非常に高い計数率で中性子を測定可能であることに留意すべきである。
当業者は、ZnSなどのシンチレーション材料がその光を吸収可能であるため、ZnSでのシンチレーションをベースとする検出器の厚みには限界があることを理解している。この厚みは、通常数mmに過ぎないことにも留意すべきである。また、各シンチレーション事象の間、光が等方的に放出されるので、シンチレータを大面積のスクリーン形状に形成し、スクリーンの両面で同時に光の放出を捕獲可能とすることは効果的である。したがって、一の実施の形態では、シンチレータベースの中性子検出器103は、両面から高効率で集光可能な広域のスクリーン形状に設計される。
1mmの厚みの6Li/ZnSスクリーンの検出効率は、直径数cmの加圧3Heガス比例管のそれと同じオーダーである点に留意すべきである。つまり、本発明の6Li/ZnSベース中性子検出器は、加圧3Heガス管検出器と比較して、非常に小型化され、同等もしくはそれ以上の検出効率を提供する。
したがって、一の実施の形態では、中性子検出器は、銀活性化硫化亜鉛ZnS(Ag)の混合物と6Li或いは10Bなどの重粒子の放出を伴う熱中性子捕獲断面積の大きな物質を含む混合物とをベースとする。つまり、混合物は、熱捕獲反応に続いて重粒子放出をもたらす熱中性子吸収体からなる。図2に、例示的な中性子検出器200を示す。図2を参照すると、検出器200は、上記したように、ZnS(Ag)をベースにした混合物を含む1つ又は複数の薄いスクリーン201を備える。スクリーン201は、一の実施の形態では、約0.5mmの厚みを有し、透過水素光ガイド202に埋め込まれる。光ガイド202は、中性子減速材としても機能する。ZnS(Ag)リン・スクリーンでの中性子相互作用により生じる光が、光ガイド202により、計数器204を用いて中性子を計数可能な信号を生じる光増倍管(PMT)203などの光検出器に集光される。
上記した技術は、また、同一の基礎的な電子機器を用いて、同時にガンマ線を検出すべく実装可能である。このように、検出器200は、更に、ガンマ線検出器及び減速材の機能を有するプラスチックシンチレータ205を備える。プラスチックシンチレータは、ポリビニル・トルエン、或いは他の適切な既知のプラスチックシンチレータ材料からなる。シンチレータ205においてガンマ線相互作用により生じる光は、別のPMT206により検出され、計数器207を用いてガンマ線事象を計数可能な信号を生じる。一の実施の形態では、計数器207は、ガンマ線のスペクトルの測定に使用される多チャンネル解析器(MCA)である。
リフレクタホイル(箔)208は、中性子からの光信号とガンマ線検出物質からの光信号との間の二次汚染を防ぐべく、プラスチックシンチレータ205とスクリーン201との間に配置される。このように、リフレクタは、ガンマ線から生じる光が中性子から生じる光と同じPMTにより集光されることを防ぐために使用される。これにより、ガンマ線からの中性子の誤計数を防止する。リフレクタ208により、スクリーンにおける中性子相互作用により生じる光の一部は反射され、光ガイドに戻る。
図2の構成により、一般的な電子機器を用いて非常に高いガンマ線除去をもたらす小型のガンマ線/中性子検出器が得られる。ごく少量のガンマ線が、6Liシートと相互作用し、低強度の信号を生成する。この信号は、閾値化することにより、中性子検出の一部を犠牲にして除去可能である。一の実施の形態では、パルス波形弁別器を中性子チャネル204内で使用することにより、ガンマ線の除去を高めることが可能である。
図3に、中性子及びガンマ線を同時に検出する別の例示的な検出器300を示す。この場合、光ガイド材料は、ガンマ線検出器、減速材及び光ガイドとして機能するプラスチックシンチレータ301に置換される。検出器300は、また、スクリーン302を含む。スクリーン302は、望ましくは薄く、中性子検出のためのZnS(Ag)ベース混合物から作られる。中性子事象とガンマ線事象とは、ZnS(Ag)及びプラスチックシンチレータ(PVT)から生成されるパルス304間で、パルス波形弁別(PSD)回路303を用いて分離される。更に、ガンマ線除去は、スクリーンにおける電子相互作用によって生じた光がPVTのそれと同様の減衰時間を持つとすることにより得られ、PSDにより取り除かれる。生じる光は、透過中性子減速媒体301を介して、光をガンマ線事象及び中性子事象を測定可能な信号に変換する光増倍管(PMT)305に輸送される。このハイブリッド中性子/ガンマ線検出器の手法の優位性は、同一のPMTがガンマ線事象のみならず中性子事象をも測定するために使用され得ることにある。
図4は、光ガイドに内蔵され2つの6LiF濃度及び厚みを有する6LiF:ZnS(Ag)スクリーンを備える例示的な検出器の性能を示す。図4に示される結果は、1:2の重量比でスクリーンの厚みが0.45mmの場合の信号である。ポリエチレンに埋め込まれた1、2、3枚の6LiF:ZnS(Ag)スクリーンを用いたシミュレーションでも、同様の結果が得られ、約12%から22%の範囲の検出効率が得られた。当業者は、この検出効率が、隙間なく並べられた3列の3He検出器により到達可能な最高の効率である約25%に匹敵すると評価する。
図4の信号分布は、吸収された粒子エネルギーが全て光に変換されるとは限らず、一部の光はスクリーンにより吸収され得ることを示している。これは、6Liをまっすぐ集中させることにより高い中性子吸収を生じさせるような総合的最適化の必要性を実証するが、それでもまだシンチレータにおいてかなり大きな光出力を生じる十分な相互作用を有する。スクリーンの厚み、スクリーンの数及び減速材の厚みもまた、最適化の重要なパラメータである。
中性子検出が重要な用途に対し、ZnS(Ag)リンの大きな利点は、ガンマ線相互作用により生じる電子と比較して重粒子に対する光出力が大きいことである。また、スクリーンの厚みが薄いことにより、ガンマ線検出効率は低くなる。更に、PVT光の時間減衰が〜3nsであり、ZnS(Ag)スクリーン内の電子により生じる光と同様であるので、PSDもまた、PVT内で相互作用するガンマ線を除去する。
当業者に周知であるように、関心のある放射性物質により生じる中性子はエネルギー範囲を有し、検出器内での中性子相互作用の効率は、通常、相互作用する中性子のエネルギーが減るにつれ、著しく増える。このため、たいていの3He検出器は、ポリエチレンなどの水素が豊富な減速材内に配置される。ここで、水素が豊富な減速材は、高エネルギー中性子の中性子散乱を促進して、相当量のエネルギーを失わせることにより、3Heガス比例計数管における検出確率を更に増大させる機能を有する。この特徴が全体の検出器の構成に組み込まれているため、プラスチックシンチレータ材料は極めて効率的な減速材である。
図5は、本発明の複合検出器におけるガンマ線相互作用及び中性子相互作用に対応するパルス信号を、時間の関数として示す図である。図5を参照すると、中性子感知シンチレータのシンチレーション特性曲線502は、周囲のガンマ線感知検出器の特性曲線501とは非常に異なる。これら2つの特性信号501、502は、更に調整することにより、重要な差異を示すことが可能である。これは、適切なパルス波形弁別方法によりなし得る。このように、本発明の一の実施の形態では、検出器で付与される全エネルギー及び相互作用の種類の両方が判定される。全エネルギーは、パルス信号のピークの大きさを分析することにより判定可能であるが、相互作用の種類は、シンチレーションパルスの減衰率を分析することにより判定される。
図6は、アナログパルス波形弁別によりガンマ線を中性子事象から分離した場合の252Cf及び60Co線源に対するガンマ線及び中性子間の弁別を説明する図である。分布曲線601は、60Co線源から放射されるガンマ線の測定を反映しており、分布曲線602は、252Cf線源から放射される中性子の測定を反映している。2つの分布曲線は分離され、明瞭に識別可能であることが当業者には明らかである。
一の実施の形態では、ガンマ線除去は、測定された中性子のカウント数から、ガンマ線のカウント数の調整分を差し引くことにより、改善される。
一の実施の形態では、デジタルパルス処理は、検出器の出力で直接、有利に実施される。検出器での処理は、データ転送速度を極めて高速とすることができるので、他の処理システムへの伝達のために低い帯域幅に至るまでデータをフィルタリングすることに役立つ。このデータは、検出される放射線の量を監視し、多数の手段により、適切な警告を発する、及び/或いは、データを表示するために使用することができる。
本願の更にもう一つの観点では、中性子相互作用が関連するガンマ線放出をも生み出すことに留意する。例えば、中性子と157Gdとの相互作用では、励起された158Gd原子核がガンマ線を放出しながら崩壊する。このガンマ線は、中性子相互作用の有限時間内に生じ、それゆえ、周囲のガンマ線検出器で測定されたガンマ線応答を、中性子シンチレータ応答と組み合わせて、パルス波形弁別及び時間領域相関の原理を用いて結合信号を生成することが可能である。
図1Cは、例示的な複合検出器の構成を示すが、中性子及びガンマ線の検出効率を更に向上させるために、他の構成をとることも可能である。2つの例示的な構成を図7A及び図7Bに示す。図7Aに示されるように、第1の構成では、ガンマ線感知シンチレータスラブ701及び中性子感知シンチレータスラブ702が互いに交互に配置される多重層を、入射放射線705の到着の方向に略垂直方向に結合させる。この構成では、ガンマ線‐中性子検出器の効率は、検出器材料のスラブの数に比例する。一方、第1の層の検出器では、後に続く層の検出器と比較して放射線を優先的に吸収するため、徐々に効果は減っていくこととなる。検出器スラブがこのように配置される場合、中性子感度は大いに増大される。
図7Bに示されるもう一つの構成では、ガンマ線検出器材料710及び中性子検出器材料720が互いに交互に配置される多重層が、入射放射線715の方向に対してある角度をなして配置される。すなわち、層710、720は、入射放射線715の方向に平行ではない。このように検出器スラブに角度を持たせた検出器構成により、中性子の検出効率が大いに向上される。これは、中性子或いは光子が、この場合、各検出器スラブを介してより長い路程を有し、図7Aに示されるスラブの配置と比較して、検出効率に貢献することとなるためである。しかしながら、この検出器の配置は、また、組み立て費用がより高価になり、より大規模な読出回路が必要となる。
当業者は、シンチレータ材料及び光検出器を他の構成とすることも可能であり、いかなる構成も用途への適合性に依存して選択され得ることを理解している。したがって、図1、図7A及び図7Bを参照して記載した本発明のガンマ線‐中性子複合検出器は、6Li/ZnS中性子検出器を有するプラスチックシンチレータガンマ線検出器に限定されない。一の実施の形態では、例えば、複合検出器は、非常に短い(高速の)減衰時間を有するリチウム、ホウ素或いはガドリニウムベース液体シンチレータと共に、NaI(Tl)をガンマ線検出器として用いて構成することが可能である。ここで、NaI(Tl)ガンマ線検出器は、ガンマ線相互作用について有意なパルスの高さ情報を提供する一方、中性子検出器は、入射中性子束についての情報の提供を継続する。
当然のことながら、適切な光結合物質に光反射コーティングを使用すると、全体の集光効率が向上し、検出器の応答性を均質にすることができる。また、当然のことながら、光学光ガイド及びシンチレータ材料の成形もまた、検出システムの集光効率の向上に使用される。更に、シンチレーション材料の周囲に、鉛、ポリエチレン及びカドミウム箔(foil)のような放射線遮蔽物質を付加することは、自然発生するバックグラウンド放射線への検出システムの応答を減らすために使用され得ることも、当然のことである。
発明の更なる実施の形態では、高速熱中性子相互作用により異なるパルス波形を提供する中性子シンチレータを使用することができる。この場合、各パルス波形は、ガンマ線検出器に対して選択されたものとは異なる。
図8は、例示的な検出器読出回路構造を説明する図である。図8を参照すると、回路800は、光電子増倍管(PMT)801を備えている。PMT801は、接地されたアノード803と負の高電圧で接続されるカソード802で操作される。アノード803は、変圧器804を介して、高速サンプリングアナログーデジタル変換器(ADC)805にAC接続される。ADC805は、PMT801からの入射信号のタイムドメインサンプルを形成する。一の実施の形態では、ADCは、100MHzもしくはそれ以上のクロック速度で作動し、ピークの高さ及び増減する減衰時間を正確に測定すべく、最大でも10nsのサンプリング期間で提供する。一の実施の形態では、フィルタリング回路は、PMT801とADC805の入力側との間に備えられ、ナイキストフィルタとして、サンプルデータにおける不要なエイリアシングを防ぐべく作動する。一の実施の形態では、LCR多極フィルタは、誘導分として交流結合トランス804を用いて実行される。
代わりの構成では、PMT801は、高帯域幅アナログ増幅器を用いて、ADC805の入力にDC接続される。様々な他の回路構成が、当業者には明らかである。
ADCにより生成されるデジタルデータは、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)806などのデジタル処理回路に直接入力される。FPGAは、高速デジタルパルス波形処理を提供し、(1)パルスの到着時間の記録、(2)パルス強度の判定、(3)中性子及びガンマ線相互作用間の弁別のためのパルスの立下り時間の判定、を実施する。このパルス毎のデータは、ランダム・アクセス・メモリ807にヒストグラム化された後、コンピュータ808上で動くソフトウェアプログラムにより解析され、動的に調整された基準値に対する検出計数率を決定する。この結果は、画像表示画面809、可視的表示器、音響器、或いは他の適切な装置を介して、放射性物質が検出されたことを知らしめるべく、オペレータに表示される。
パルス波形を弁別するための他の様々な方法が、当業者には明らかである。
図9は、ガンマ線‐中性子検出器の可動性システム、走行中の車両からのスキャニング構成の用途を示す。図9を参照すると、ガンマ線‐中性子検出器901は、車両902内に位置する。この構成によれば、一の位置から他の位置への検出器901の迅速な移動が可能となり、車両が道路を通過する間に内密にスキャンする際に便利でもある。この実施の形態では、車両902は路側などの位置へ運転され、検出システム901が起動される。一の実施の形態では、1つ又は複数のセンサ(不図示)が車両902に搭載され、通過車両などのスキャンすべき通過対象物の存在を判定し、検出システム901が自動的にオンされる。車両がひとたびスキャンされると、ガンマ線‐中性子検出器901は、自動的にオフされる。特定の位置でのスキャンが完了した時点で、車両を新しい位置に運転してたやすく移動可能であり、スキャンは必要に応じて再開される。この特徴は、適度に内密な方法での無作為の位置におけるスキャニング機能を提供する。
スキャニング位置において車両を動的にスキャンしない場合、オフ状態のガンマ線‐中性子検出器は、自然バックグラウンド放射線を記録するために使用される。この自然バックグラウンド率は、適切な警告閾値を設定することにより、スキャナのオン状態の間に通過する車両における放射能の増加を検出するために使用される。
他の用途では、ガンマ線‐中性子複合検出器901は、車両902にインストールされ、静止する対象物を既知の速度で通過する。車両902が進むにつれ、放射線放出データが、静止する対象物における放射性物質の存在を判定するために収集される。
図10は、1つ又は複数のガンマ線‐中性子複合検出器のドライブスルースキャニング構成への用途を示す図である。図10を参照すると、複数のガンマ線‐中性子複合検出器1001、1002、1003が、右、左、上側を有する門形状で、車両貨物1004が通り抜け可能な固定のドライブスルーシステムとして配置される。検出器1001、1002、1003からの信号は処理され、その結果はディスプレイ1005で見ることが可能である。ディスプレイには、また、警報音1006及び警報表示1007が組み合わせられ、スキャン中の車両1004に放射性物質が疑われる場合に、自動的に生成される。ディスプレイ1005に表示される結果と、警報1006、1007とは、車両1004が更なる検査を必要としているか否かを判断するために使用され、車両は、例えば手動で検査するために、保持領域に迂回させられることとなる。図10のドライブスルースキャニングシステムは、また、交通管制システム1008を用いて、検査のために車両を停止させるバリア1009を作動させる。バリアは、ディスプレイ1005にスキャン結果が表示されると、自動的に上げられる。
他の構成では、1つ又は複数の本発明のガンマ線‐中性子検出器が、空港で使用される手荷物処理システムにインストールされる。このように、本発明のシステムは、空港ターミナルを通過する手荷物内の放射性物質の検出にも利用される。別の構成では、1つ又は複数の本発明のガンマ線‐中性子検出器を航空貨物取扱施設及び金属スクラップ施設の入口にインストール可能である。
本発明の更なる実施の形態では、ガンマ線‐中性子検出器が、ガンマ線‐中性子複合X線画像を生成するために、可動性のX線スキャナと結合される。これは、図11に示される。図11を参照すると、ガンマ線‐中性子検出器1101は、可動式X線スキャナ1100にインストールされる。可動式X線スキャナ1100は、更に、車両1103に搭載されるX線走査システム1102を備える。この場合、ガンマ線‐中性子検出器1101からの放射能信号がX線走査システム1102からの伝送X線画像と同時に得られる。これにより、ガンマ線‐中性子検出器1101からの信号をX線画像と関連づけて、オペレータによる検査中の積荷内の放射性物質の存在の探索を助けることが可能となる。米国特許出願第10/201,503号、第10/600,629号、第10/915,687号、第10/939,986号、第11/198,919号、第11/622,560号、第11/744,411号、第12/05,910号、第12/263,160号、第12/339、481号、第12/349,534号、第12/395,760号及び第12/404,913号に開示された可動性システムは、いずれも利用可能である。なお、これらの各出願は、全て参照として本願明細書に取り込まれている。
更に別の実施の形態では、本発明のガンマ線‐中性子検出器は、門或いは構台構造で、X線撮像システムと結合される。図12を参照すると、複数のガンマ線‐中性子検出器1201が、門構造に配置された伝送X線システム1202と共同設置される。検査中の対象物或いは車両は、この門或いは構台を通過することが可能である。この作動形態も、また、放射能信号を検査中の対象物のX線画像と関連づけることにより、検査効率を向上させることが可能である。例えば、X線画像で観測される高減衰領域の発生や、閾値以下のガンマ線及び/又は中性子信号のわずかな増加が、遮蔽された放射線源の存在を示すこともあり得る。
図13は、他の実施の形態に係る運搬及び手持ち可能な構造のガンマ線‐中性子検出器を示す図である。図13には、ガンマ線‐中性子検出器具1300が示される。この器具は、メインユニット1301と、ハンドル1302とを備える。一の実施の形態では、ガンマ線‐中性子複合検出器のシンチレーションパネル(不図示)はメインユニット1301に位置し、電子機器及びバッテリーは器具のハンドル1302に位置する。はめ込まれたメーター1303は、器具1300の付近に存在する放射線量をオペレータに知らせる。この構造は、無作為探索、特に、小さな対象物や車両内の隅や角の探索に、非常に便利である。
本願は、新しい手法により、中性子シンチレーション検出器をガンマ線検出器と組み合わせて、ガンマ線‐中性子ハイブリッド検出器を形成する。この手法には、ガンマ線及び中性子双方の痕跡を検出するという利点があり、これにより、検出効率が向上される。更に、パルス波形弁別の方法を用いて、本発明のシステムは、また、中性子信号をガンマ線信号から良好に分離する。本発明のシステムは、固定、ドライブスルー用の門形状、構台、可搬及び手持ち可能など、様々な構造を含むがこれらに限定されず、用途に応じた構造で用いられる。組み合わせられた検出器は、海上輸送貨物の検査や、陸地を横断する車両の検査、スクラップ金属施設の車両検査、手荷物や航空貨物内、他の用途にも使用可能である。本発明の組み合わせられた中性子‐ガンマ線検出器及び/或いは中性子検出部及び/又はガンマ線検出部は、更に、放射線検出に関するアメリカ規格協会(ANSI)の規格を満たすよう設計される。
3Heの不足に起因する問題に直面する3Heベースシステムに比較して、本発明は、特定の原子核のシステムの使用に限定されない。上述したように、リチウム(6Li)や、ホウ素(10B)、カドミウム(Cd)、ガドリニウム(Gd)、ヘリウム(3He)など、粒子の放出を伴う中性子熱捕獲断面積の大きないかなる物質も、本発明のシステムにおける放射性物質の検出に使用され得る。この特徴は、コストの抑制及び制御下での供給に役立つ。更に、3Heベースシステムでは複数の電子機器が使用される一方、本発明の検出器は、一の実施の形態では、一組の電子機器のみを使用する。したがって、本発明の組み合わせられたガンマ線‐中性子検出器は、3Heベースシステムと比較して、より小型で軽くなる。なお、本発明は、他の実施の形態では、複数の電子機器を使用することも可能である点に注意すべきである。
世界で使用されている放射線ポータルモニタ(RPM)の大部分は、ガンマ線の検出にはプラスチックシンチレータを、中性子の測定には減速3He検出器を利用する。通常のRPMでは、コストを抑えるため、次善の減速構造を有するモジュール毎に、1つ又は2つの3He管のみが使用される。これにより、中性子検出効率は数パーセントとなる。
ここで提案される中性子検出器は、中性子検出及びガンマ線除去の機能が3Heのそれと同様となるように、放射線ポータルモニタ(RPM)において3He検出器を置換可能である。更に、本発明の検出器は、有害物質を含まず、商業的に利用可能であり、特別な輸送制限を必要とせず、機械的にも環境面でも非常に頑丈であり、妥当なコストで容易に製造される。この検出器は、また、手持式や背負式の検出器に適しており、3Heのものと比較して効率が上回る。最終的に、本願の手法は、単一のPMTを比較的単純で小型の電子機器と共に使用するため、中性子ガンマ線複合検出器に適している。
上述したように、10Bは、3Heのように、大きな熱中性子捕獲断面積を有し、2つの検出可能な高エネルギー荷電粒子を放出するとともに、3Heとは異なり、自然界に豊富に存在する。他方、3Heの供給は、結果として急速に減少しつつあり、3Heガスは、非常に高価で取得が困難となっている。ホウ素でコーティングされた検出器は、過去には利用可能であり、例えばリアクター中性子束モニタとして使用されていたが、これらは非効率的であり、使用が限られていた。
本明細書は、したがって、一の実施の形態では、現在の放射線ポータルモニタ(RPM)3He検出器に直接差し込んで使用される、薄くコーティングされた10B平面電離箱中性子検出器について記載する。様々な実施の形態において、10Bコーティングは、0.1から2.0μmの範囲の厚さを有する。一の実施の形態では、10Bコーティングは、1.0μmの厚さである。より厚いコーティングでは、コーティングを通過してガスチャンバーに入る荷電粒子からのエネルギーの損失が大きくなる。これにより、信号に損失が生じることとなる。しかし、より厚いコーティングは、検出効率を向上させるため、ある効率に達するために必要な層の数を少なくすることができる。
一の実施の形態では、本明細書の検出器は、ホウ素でコーティングされたアノード電極板及びカソード電極板間に挟まれたアルゴンガスセルを備える。
一の実施の形態では、電極板が平行に配置され、中性子を熱化して高い効率で検出可能とすべく、ポリエチレンなどの中性子減速シートが電極板の裏面に結合される。既存のRPMと同様に、減速材を、中性子に加えガンマ線を検出し大面積光増倍管で見ることのできるプラスチックシンチレータシートに置換しても良い。
本明細書は、更に、構造及び製造が単純で、ユニットセル検出器について容易に拡張可能且つ様々な用途に容易に適合可能であり、低コストである大面積検出器について記載する。
一の実施の形態では、上記したように、大面積の10Bベース3He置換検出器を開発する手法は、図14に示される平行平板電離箱の概念を利用する点に集約される。図14を参照すると、1つのユニットセル検出器の基本的な配置は、第1ホウ素層1401及び第2ホウ素層1402からなる。第1ホウ素層1401及び第2ホウ素層1402は、高電圧が印加され、気体セル(ガス電池セル)1403を挟み込んでいる。2つのホウ素層は、熱中性子を捕獲する。中性子が捕獲されると、2つの荷電粒子、7Li及びアルファ粒子が放出され、気体をイオン化する。これにより、自由イオン及び電子が生成される。印加電圧1405は、信号を生成する電荷を一掃する。
この反応で見られるように、7Liとアルファ粒子とは、逆方向に放出される。1つの粒子が気体セル1403内の気体をイオン化し、自由電子・イオン対を生成する。高電圧バイアスが、生成された電子/イオン対の数に比例する信号パルスを生成するイオンを一掃する。チャンバーは、電子の増加をあてにせず、比例計数管が信号を増大させるために使用するので、より低い電圧を印加可能である。アルファ粒子は、この反応の94%では1.47MeVを受け取り、反応の約6%では1.78MeVを受け取る。
10Bは、原子番号Zの小さな物質の中では2番目に大きな熱中性子捕獲断面積を有する。10Bの断面積は3837barnsであり、3Heでは、断面積が5333barnsである。10Bはこのように大きな熱中性子捕獲断面積を有するので、10Bベース検出器は、3Heと同等の効率を達成可能である。大面積の平行平板電離箱は、純粋に熱中性子検出器として設計されるのみならず、さらに高速中性子を検出するために設計及び最適化される。
全ての中性子が、生成時には(0.1MeV以上のエネルギーを有する)「高速」であるので、高速中性子の検出は、多くの場合、純粋な熱中性子検出効率よりも、検査領域により多く関連づけられる。一の実施の形態では、図14のユニットセル検出器を複数互いに積み重ねることにより、検出器の固有効率を向上させる。一の実施の形態では、検出器は多層化され、20以上の層を含む。
図15(a)、15(b)は、それぞれ、大面積の放射線ポータルモニタ(RPM)に置換可能な第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る高速中性子検出器の配置を示す。図15(a)を参照すると、ユニットセル検出器は、第1ポリエチレン層1501、第1ホウ素コーティング金属層1503、気体セル層1505、第2ホウ素コーティング層1507及び第2ポリエチレン層1509を備える。一の実施の形態では、気体セル層1505は、アルゴンからなる。作動中、高速中性子が、ポリエチレン層によって減速、熱化され、ホウ素により捕獲される。ポリエチレン層は、このように、減速された高速中性子を供給する。
図15(b)に示されるように、光子検出器は、中性子検出器と一体化される。ここで、ポリエチレンシートに代えて、プラスチックシンチレータが、2つの層1510、1520の形で検出器に一体化される。プラスチックシンチレータは、以下の二つの目的を果たす。すなわち、プラスチックシンチレータは、ガンマ線シンチレーション検出器であるため、高速中性子の減速が可能であると同時に、ガンマ線の検出が可能である。また、図15(a)の配置は、現在のRPMで3Heモジュールと置換することができるが、単一のモジュールである図15(b)の配置は、現在のRPMのガンマ線及び中性子検出モジュール全体と置換することができる。
上記したように、平行平板電離箱の概念により、大面積をカバーできるように検出器を拡張することが可能である。図16Aから16Cは、拡張が達成されることを示す3つの例示的なステップの図である。図16Aは、図15(a)及び15(b)で詳細に記載した2つの積み重ねられたユニット電池セル検出器1601を示す。一の実施の形態では、積み重ねられた検出器は、2つのユニットセル検出器1601を備え、全体で4つのホウ素層1605、2つのアルゴンガスセル1607及び3つのカプトン層1609を備える。カプトン層1609は、薄いホウ素コーティングに対して剛性を付与するために使用される。当業者は、他の適切な物質を用いても、この目的を達成可能であることを理解する。
より多くのホウ素を追加することにより、或いは別の言い方をすれば、ホウ素の層を更に追加することにより、ユニットセル検出器を一つよりも多く積み重ねることにより、積み重ねられた検出器内における中性子吸収物質の量は多くなる。ホウ素を多くすると、検出器を通過中の中性子が少なくとも一つのホウ素層と相互作用する機会が増えるため、中性子を検出する可能性はより高くなる。このように、一の実施の形態では、複数のユニットセル検出器が検出器の固有効率を向上させるべく互いに積み重ねられる。一の実施の形態では、検出器は重層化され、20以上の層を含む。
図16Bは、本発明の検出器を拡張する他の実施の形態を示す。一の実施の形態では、ユニットセルが「タイル状」にされ、1m2の面積に達する。検出器マトリックス1606の各正方形1605は、1つのユニットセル検出器を意味し、10タイル×10タイルの検出器により、大面積への拡張が達成される。各タイルは、データ収集システムへの独立した送電線を有する。また、タイルは、電気絶縁のための溝1608により分離される。
更に他の実施の形態では、図16Cが、折り畳み形状の検出器1610を示す。この検出器1610は、図16Bに示されるような1m×1mの検出器を共に折り畳んでパッケージ化することにより、より大面積に達することが可能となる。折り畳むことにより、検出器の輸送可能性が広がるとともに、折り畳みを広げることにより、検出器の面積が広くなり、検出効率が向上される。
図17は、本発明の10B検出器の検出効率を示す図であり、直径2インチで4気圧の3He管と同じ熱中性子検出効率1702に達するために必要な10B層1701の数をプロットしている。例示的なシミュレーションでは、1μmの厚さの10Bの各層に対し、捕獲事象の数が算出される。この厚さは、1.47MeVのアルファ粒子の金属ホウ素内でのエネルギー距離が3.5μm前後であることに基づき、選択された。ホウ素の層が厚すぎる場合、荷電粒子は全てのエネルギーを層内で失い、信号に寄与することなく消え失せる。図17を参照すると、3He管と同じ熱中性子検出効率に達するためには、1μmの厚さを有する40層の10B層が必要となることがわかる。なお、3He管の熱中性子検出効率は85%前後であり、直線1703で示される。
大面積の10B熱中性子検出器は、また、良好な高速中性子検出器でもある。多くの能動的な調査の手法において、高速中性子の検出は、特別な核物質が隠されていることを示唆している。図18は、本発明の10B中性子検出器の熱中性子検出効率を、3Heベース微分消滅解析(DDAA)検出器と比較する図である。DDAAの手法は、検出器内で熱化された調査中の線源の中性子が減衰した後に、熱中性子により誘発された核分裂中性子を検出可能である。図18は、10B中性子検出器の減衰時間1801と検出効率1802とを、ポリエチレンの厚さの関数としてプロットする。ここで、ポリエチレンは、10B検出器内に重ねられる。
DDAA検出器は、25%前後の検出効率で40μsの減衰時間を達成する。これは、DDAA検出器と同じ減衰時間とするためには、10B中性子検出器内の各ポリエチレン層は、曲線1801で示されるように、厚さ6mmでなければならないことを意味する。また、現時点での10B中性子検出器の固有検出効率は、曲線1802に示されるように20%前後であり、DDAA検出器に非常に近くなっている。
図19Aから19Fは、一の実施の形態における本発明のユニットセル検出器の製造に使用される大面積ホウ素基板層の作成手順を段階的に示す。ここで、一の実施の形態では、大面積ホウ素基板層は約1m2の面積を有する。提案する方法は、確立された半導体技術に従うものであり、経済的で拡張性を有する。
図19Aに示されるように、ステップ1900では、非常に薄いシート上の銅箔1911が、良好な電気伝導性を有する金属ベース層として使用される。一の実施の形態では、銅箔1911の厚さは、50−100μmの範囲である。一の実施の形態では、銅箔シート1901の面積は、100cm2である。
図19Bに示されるように、ステップ1910では、銅箔1911がカプトン層などのより剛性を有する層1912に付加され、大面積の構造強度を得る。銅/カプトン層は、その後、10cm×10cmのタイル模様及び個々の送電線のエッチング加工のために、塩化鉄溶液に浸される。
トレースがエッチングされると、この層は、ステップ1920として、図19Cに示されるように、真空蒸着のためのドラム1921に取り付けられる。
図19Dに示されるように、ステップ1930は、ホウ素1931の銅の表面1911への蒸着を示す。ドラム1933に取り付けられた基板は、蒸着のために、スパッタリングチャンバー(不図示)において回転される。一の実施の形態では、スパッタリングチャンバーは、B10C/B4Cスパッタリングのためのマグネトロン1934を備えている。線状スパッタリングソース1934の使用により、ターゲットと基板との距離は小さくなり、一次元におけるホウ素の損失は抑制される。更に、蒸着速度は、マグネトロンの出力密度の最大化及び尺度法により、向上可能である。一の実施の形態では、余分な電子の放出体がスパッタリングの間ホウ素ターゲットに組み込まれる。余分な電子の使用は、蒸着の安定性及び温度を上げ、より早く安定なホウ素フィルムの作成へと導く。余分な電子の放出体を使用する方法は、Hilliardによる米国特許第7,931,787号「電子補助蒸着方法及び装置」に記載されており、全て参照として本明細書に取り込まれている。
ホウ素は電気伝導性を有するため、マスク1935が、エッチングされた伝送線にホウ素が蒸着することを防ぐために用いられる。これにより、伝送線の短絡が防止される。
図19Eに示されるように、ステップ1940では、ホウ素が蒸着された後、大面積のホウ素層1941が真空から取り出され、検出器にインストール可能な状態になっている。
図19Fに示されるように、任意で追加されるステップ1950において、高速中性子検出器が検出器に組み込まれ、ホウ素/銅/カプトン層1951が、ポリエチレンのシート1952にラミネート加工される。
各層が組み立てられた後、各個別の基板層が、図15(a)、15(b)について記載したように、検出器に積み重ねられ/重層化されて、ホウ素の量を増大させるとともに、中性子検出効率を最大化する。
このように、本発明のユニットセル検出器は、気体セルを間に挟む少なくとも2つのホウ素コーティング金属層を備える。一の実施の形態では、検出器は複数のユニットセル検出器を含み、全体で20以上の層を含むこととなる。
高速中性子(核分裂スペクトル)では、その大部分が、ホウ素による捕獲が起こる前に減速される必要がある。注目すべきは、捕獲反応の断面積が、中性子のエネルギーが減るにつれて増すことである。ひとたび減速されると、中性子はホウ素により吸収され、或いは捕獲され、荷電粒子を放出する。粒子は180°に放出されるので、1つのみが気体セルを横切り、検出可能な電子/イオンを生成する。第1のポリエチレン又はシンチレータ層が高速中性子を減速しない場合、第2の層が減速を行い、第nの層まで続くことにより、検出効率が向上される。中性子が第1の衝突でエネルギーを全て損失することも可能である一方、これが通例ではなく、追加されたポリエチレン又は発光シートを含む積み重ねられた各層を有するユニットセル検出器全体を利用することが必要とされる。したがって、多くの層が積み重ねに追加されるほど、より多くの中性子を検出する確率が増えることとなる。
上記した実施の形態は、本発明のシステムの多くの様との例示に過ぎない。ここでは、本発明の実施の形態のいくつかを記載したに過ぎず、本発明は、発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲で、様々な他の特別な形態で具体化され得ることを理解すべきである。したがって、本実施の形態及び実施例は、例示に過ぎず、これらに限定されるものではない。本発明は、添付の請求項の範囲内で変更が可能である。
Claims (21)
- 中性子感知複合シンチレータの第1の層と、
ガンマ線感知シンチレータの第2の層及び第3の層と、を有し、
前記第1の層は、前記第2の層及び前記第3の層の間に位置することを特徴とするガンマ線‐中性子検出器。 - 前記第1の層は、6Li、10B、Cd及びGdのいずれかとZnSとの混合物を含むことを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記第1の層は、ZnS又はZnS(Ag)と、6Li、10B、Cd及びGdのいずれかとを、バインダ及び溶媒を含む混合物中で蒸発乾燥させることにより形成されることを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記6Li又は前記10Bは、前記ZnSに対し20%から30%の体積密度であることを特徴とする請求項2記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記第2層及び前記第3層は、有機固体シンチレータ、無機固体シンチレータ及び液体シンチレータのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記第2層及び前記第3層は、減衰時間の短いプラスチックシンチレータを含み、前記第1層は、減衰時間の長いシンチレータを含むことを特徴とする請求項1記載のガンマ線−中性子検出器。
- 前記第2層及び前記第3層は、前記第1層よりも厚いことを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記第2層及び前記第3層は、0.01mから0.20mの厚みを有することを特徴とする請求項7記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 前記第2層及び前記第3層は、それぞれ、異なる厚みの表面及び裏面パネルを形成することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 複数の前記ガンマ線感知シンチレータと複数の前記中性子感知シンチレータとが、入射放射線の方向と略垂直方向に交互に配置されることを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 複数の前記ガンマ線感知シンチレータと複数の前記中性子感知シンチレータとが、入射放射線の方向に対し角度をなして交互に配置されることを特徴とする請求項1記載のガンマ線‐中性子検出器。
- プラスチックシンチレータのガンマ線検出器と、
銀活性化ZnSと6Li及び10Bのいずれかとの混合物を含む少なくとも一つのスクリーンを有する中性子検出器と、
前記中性子検出器及び前記ガンマ線検出器により生成された光を収集し、それぞれ、中性子事象及びガンマ線事象に変換する少なくとも一つの光検出器と、を備えることを特徴とするガンマ線‐中性子検出器。 - 前記中性子事象及び前記ガンマ線事象を弁別するためのパルス波形弁別器を更に備え、
前記少なくとも一つのスクリーンは、前記プラスチックシンチレータに内蔵されることを特徴とする請求項12記載のガンマ線‐中性子検出器。 - 前記少なくとも一つのスクリーンと前記プラスチックシンチレータとの間に位置するリフレクタホイルを更に備え、前記少なくとも一つのスクリーンは、透過水素光ガイドに内蔵されることを特徴とする請求項12記載のガンマ線‐中性子検出器。
- 少なくとも一つの中性子セルを備える検出器であって、
前記少なくとも一つの中性子セルは、
中性子を捕獲するための10Bを含む第1の層及び第2の層と、
前記第1の層及び前記第2の層間に配置される気体を含むセル層と、を有し、
中性子が捕獲されると、前記第1の層及び前記第2の層は、前記セル層内の前記気体をイオン化して自由電子・イオン対を生成する荷電粒子を放出することを特徴とする検出器。 - 前記気体は、アルゴンであることを特徴とする請求項15記載の検出器。
- 前記少なくとも一つの中性子セルは、ポリエチレンの第3の層及び第4の層を更に有し、前記第1の層及び前記第2の層は、前記第3の層及び前記第4の層の間に位置することを特徴とする請求項15記載の検出器。
- 前記少なくとも一つの中性子セルは、ガンマ線感知プラスチックシンチレータの第3の層及び第4の層を更に有し、前記第1の層及び前記第2の層は、前記第3の層及び前記第4の層の間に位置することを特徴とする請求項15記載の検出器。
- 複数の中性子ユニットセルが積み重ねられることにより、複合検出器の効率を向上させることを特徴とする請求項15記載の検出器。
- 複数の中性子ユニットセルがタイル状にされることにより、面積を増やして複合検出器の効率を向上させることを特徴とする請求項15記載の検出器。
- 複数の中性子ユニットセルが、折り畳み可能な形状で互いに結合されることを特徴とする請求項15記載の検出器。
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