JP2015509979A - 針葉樹の材種からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するための方法 - Google Patents

針葉樹の材種からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するための方法 Download PDF

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Abstract

元玉、樹皮および根と呼ばれる樹幹の下部を含む木材の一部からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するための方法。この方法は、元玉および根、または機械的木製品の仕上げの際の残渣として得られる樹皮もしくは粉末化された樹皮の乾燥コルク画分を砕いて細かくするかまたはチップに細分することによって得られる、粒子に縮小されたチップ画分を、極性溶媒を用いて抽出する工程を含む。この方法は、そのエキスを回収する工程をさらに含む。この方法において使用される木材は、硬材、またはカラマツ(Larix)属の木材、トウヒ(Picea)属のトウヒ材、モミ(Abies)属のモミ材、マツ(Pinus)属のマツ材およびトガサワラ(Pseudotsuga)属の木材から選択される針葉樹の木材である。上記の属のすべてから単離される主な物質は、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)などのフラボノイドである。【選択図】図3

Description

本発明は、元玉、樹皮および根を含む針葉樹の材種から木材抽出物、すなわち、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するための方法に関する。
森林バイオマスは、地球上で最も重要なバイオマスであり、木材産業が大量の残渣を生成していて、その残渣は、ある程度親水性である生理活性のフラボノイド分子を抽出することによってさらに処理および気化(valorization)するのに重要な植物資源として利用可能であることが知られている。森林バイオマスの溶媒抽出によって得ることができる抽出可能なフラボノイド類は、種々のタイプの森林残渣および木材変形残渣(wood transformation residues)から容易に入手可能であるので、特に興味深い。これらのフラボノイド類に富む食物は、その同じクラスの分子の森林源とともに見直されている。木材変形残渣(例えば、樹皮、元玉、根および節(knotwood))は、フラボノイド類、特にジヒドロケルセチン(タキシホリン)に対する特に豊富な資源であるので、これらの材料が重視されている。フラボノイド類の最もよく知られた生理活性特性の1つは、抗酸化活性である。森林樹木のエキスの抗酸化能力についての最も重要な結果が発表されており、生理活性のフラボノイド分子に富む健康に良い食物由来のエキスについて得られた結果と比較されている[(非特許文献1)]。フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、最も有効な天然の抗酸化剤および抗炎症性化合物の1つである[(非特許文献2),(非特許文献3)]。
フラボノイド類は、フェニルプロパノイド代謝の誘導体である。それらの構造は、C6−C3−C6骨格に基づき、フラボノイド構造のA環は、アセテート由来であり(3×C2)、CおよびB環は、桂皮酸誘導体を起源とする(フェニルプロパノイド経路)。フラボノイド類は、天然ポリフェノール類の巨大なクラスを構成し、アントシアニジン類(より一般的には、それらのグリコシド誘導体であるアントシアニン類の形態で存在する)、フラボン類およびフラボノール類(およびそれらのグリコシド)、フラバノン類、ジヒドロフラボノール類(例えば、ジヒドロケルセチン(タキシホリン))、フラバン−3−オール類、フラバン−3,4−ジオール類(ロイコアントシアニジン類)およびポリマーのプロアントシアニジン類に属する、6000種を超える[(非特許文献4)]異なる化合物がこれまでに同定されている。フラボノイド類は、特に、葉、花成組織および木質部(例えば、幹、樹皮および根)によく存在する。それらは、植物の正常な成長、発生、ならびに感染および損傷からの防御にとって重要である。
針葉樹の材種、特に、マツ科(Pinaceae)の材種は、フラボノイドファミリーのジヒドロフラボノールサブクラスに関係するフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の豊富な起源であると考えられている[(非特許文献5),(非特許文献6),(非特許文献7),(非特許文献8),(非特許文献9),(非特許文献10),(非特許文献11),(非特許文献12)]。ジヒドロフラボノール類は、フラボノイド生合成における中心的中間体である。産業用の材種の節に存在する主要なフラボノイド類は、ジヒドロフラボノール類(フラバノン−オール類とも命名されている)に属すると明らかにされた。ジヒドロミリセチンおよびジヒドロケンペロールは、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)とともに、種々のPopulus sppの節において見出された(それらのすべてが、ジヒドロフラボノール類に属する)[(非特許文献13)]。ジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、樹皮の主要なフラボノイド構成物であるとも明らかにされている。ジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、ポプラの節において検出された[(非特許文献14)]。Antonovaら(1980)は、カラマツの心材由来の有機可溶性抽出物を研究した。見出された優勢なフラボノイド類は、ケルセチン(フラボノイド類の総量の11%)、ジヒドロケルセチン(69%)およびジヒドロケンペロールだった[(非特許文献15)]。アメリカカラマツ(tamarack larch)の心材の溶媒可溶性構成物もまた調査された。フラバノノールであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)およびジヒドロケンペロール(アロマデンドリン)が、0.30および0.05%の収率で単離され、微量のケルセチンが得られた[(非特許文献16)]。ヨレハマツ(shore pines)の樹皮は、ジヒドロフラボノール類のジヒドロミリセチンおよびジヒドロケルセチン(タキシホリン)の高含有量を有する[(非特許文献17)]。
本発明よりも前は、針葉樹の材種の異なる部分のエキスは、様々な化合物を含み、そのうちの1つが、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)であることが知られていた。ジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、遊離分子の形態(分子が、細胞壁のポリマー、すなわち、構造用木材の構成要素:セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンに化学的に結合されていないことを意味する)で木材の多孔質構造内に存在するので、この生理活性物質は、溶媒抽出できる。もっと正確に言えば、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、低エネルギー分子間相互作用によってこれらの構造的ポリマーに会合しているか、または単純に細胞内腔もしくは他のタイプの空洞に沈着している。リグノセルロース材料の多孔質の系に自由に位置しているとき、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)分子は、その物理化学的特徴に従って種々の溶媒によって可溶化され得る。ジヒドロケルセチン(タキシホリン)のような物質は、種々の溶媒系への共通の溶解性のことを指す抽出物としてまとめて命名されているが、実際は、それらは、膨大な数の化学構造を含む。
ある特定のフラボノイド類、特に、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)が、幹、樹皮および根を含む木材に存在することは文献[(非特許文献5)〜(非特許文献17)]において述べられているが、これまで、これらの針葉樹の材種の木材の一部からそのような化合物を単離するための実際に有用な一つにまとめられた方法は、発表されていない。
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発明の要旨
1つの一般的な態様において、本発明は、木材からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するプロセスを、様々な機械的木製品を製造する際に木材を使用するプロセスと組み合わせることに関する。したがって、本発明の目的は、i)この有用なフラボノイド物質に対する実際に有用な供給源を提供すること、およびii)従来はエネルギー生産および他の非抽出目的のためにだけ使用されていた副産物に、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)に対する供給源としての新しい用途が提供されるという点において、機械的木製品の製造プロセスに対する経済性を改善することである。
したがって、本発明は、元玉と呼ばれる樹幹の下部、樹皮および根を含む木材の一部からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するための方法に関し、前記方法は、
a)
i)元玉および根を砕いて細かくするかもしくはチップに細分することによって得られる、粒子に縮小されたチップ画分(particle−reduced chip fraction)、または
ii)機械的木製品の仕上げの際の残渣として得られる樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分
を、極性溶媒を用いて抽出する工程、および
b)エキスを回収する工程
を含み、ここで、その木材は、硬材、または
カラマツ(Larix)属の木材;
トウヒ(Picea)属のトウヒ材;
モミ(Abies)属のモミ材;
マツ(Pinus)属のマツ材;
トガサワラ(Pseudotsuga)属の木材
からなる群より選択される針葉樹の木材であり、述べられたすべての属から単離される主な物質は、フラボノイド、例えば、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)である。
上記の態様、利点および特色は、単なる代表的な実施形態である。それらは、請求項によって定義されるような本発明に対する限定として見なされるべきでないことが理解されるべきである。本発明のさらなる特色および利点は、以下の説明において、図面から、および請求項から、明らかになるだろう。
本発明は、類似の参照符号が類似の部分または対応する部分を示す添付の図面の図によって、限定ではなく例として例証される:
図1は、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するために最も適した木材原材料を示している。 図2は、木材材料を模式的に示している。 図3は、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するプロセスにおいて使用されるシステムの模式図を示している。
用語「フラボノイド類」は、アントシアニジン類、フラボン類およびフラボノール類、フラバノン類、ジヒドロフラボノール類、フラバン−3−オール類、フラバン−3,4−ジオール類(ロイコアントシアニジン類)ならびにポリマーのプロアントシアニジン類を包含すると理解されるものとする。
これらの群のすべてが、主として、極性、すなわち親水性の溶媒で抽出され得る親水性物質である。
図1において参照番号12で明示されている用語「元玉」は、「丸太」、すなわち、土壌表面13から最大1メートルの高さまでの幹である樹木の樹幹の下部を含むと理解されるものとする。
図1において参照番号14で明示されている用語「根」または「根鉢」は、「樹木の器官」、すなわち、典型的には土壌表面13より下に位置する樹木の部分を含むと理解されるものとする。
図1において参照番号15で明示されている用語「樹皮」は、維管束形成層の外側の組織、すなわち、木本の幹および根の最外層を含むと理解されるものとする。
図2は、木材材料10に関して使用される種々の用語を説明しており、ここで、参照番号1は、髄を明示し;参照番号2は、年輪を明示し;参照番号3は、一次放射組織(primary wood ray)(放射組織(pith ray))を明示し;参照番号4は、二次放射組織(secondary wood ray)(外側から)を明示し;参照番号5は、形成層を明示し;参照番号6は、内皮を明示し;参照番号7は、外皮を明示し;断面11は、水平断面を指し;断面9は、放射断面を指し;断面8は、接線断面を指す。ジヒドロケルセチン(タキシホリン)などのフラボノイドの性質の抽出物の含有量は、密度とともに増加し、ちょうど、心材のより集中的な形成によってより耐久性のある樹木がもたらされるように、より耐久性のある木材をもたらすと明らかにされている。成長がゆっくりである場合、最も良好な強度特性および最も良好な耐久性が見られ、これは、より幅の広い年輪が、基礎密度がより低いことが原因であるより低い耐久性をもたらすことを意味する。幹の下部由来の心材は、ちょうど耐久性が髄から外側へ向かって増すように、通常、幹のより上部のものよりも耐久性がある。より詳細には、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)などのフラボノイドの性質のエタノール抽出物は、輪が100個増えるごとに1.2%〜2.2%増加し、それは、抽出物濃度を倍増させるための、それぞれ104および175個の輪に等しい。200個をはるかに上回る年輪の期間内に、2倍の濃度に達した。エタノールに可溶性の抽出物であるフラボノイド類は、10cmまたはそれ以下の半径方向距離ごとに倍増した。
「粒子に縮小されたチップ画分」は、機械的木製品の製造プロセスに照準をあてた好ましい寸法のチップにサイジングすることまたは粉砕することによって得られる無用とされた破片のことを意味する。このチップ画分は、元玉および根に加えて、かなりの量の「通常の木材」、すなわち、機械的木製品の製造プロセスにおいて使用可能な木材を含み、材料として使用される。その木材は、好ましくは約5mm〜約20mmの平均長および約3mm〜10mmの平均幅を有するチップに細分されるべきである。粒子に縮小された樹皮画分(particle reduced bark fraction)は、機械的木製品の製造プロセスにおいて使用可能な樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分を含む。
粒子に縮小されたチップ画分、および樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分をジヒドロケルセチン(タキシホリン)などのフラボノイド物質の抽出のためにそのまま使用することが可能であるが、まず、その材料を元玉画分、根画分および樹皮画分に分離し、これらの画分を各画分の抽出のために使用することが好ましい場合がある。「元玉画分」と「根画分」の両方が、機械的木製品を得るプロセスに導かれ得る「通常の木材」のことを意味する。「樹皮の乾燥コルク画分」または「粉末化された樹皮」は、機械的木製品の製造プロセスにおいて使用可能な材料のことを意味する。この画分の分離は、材料から直接行うことができ、チップに細分する前または粉末化の段階の前に、まず、清浄にされ得る。
元玉、根および樹皮は、伐木プロセス(伐採、集材、根、樹皮、枝および頂部を含む樹木全体を利用した現場での加工を含む)の廃材または副産物として得られることがある。使用される材料は、さらにチップにされ得るかまたは粉末化され得、クリーンな電気または熱の生産のために使用され得る。
「極性溶媒」は、単一の極性物質または2つ以上の極性物質の混合物であり、ここで、前記極性物質は、25℃において測定されたとき、3より高い誘電率を有する。極性溶媒の例としては、純水のみ、および水とアルコール(例えば、水とエタノール)との混合物が挙げられ得る。
抽出のために、乾燥された木材または未加工の木材材料が、使用され得る。
抽出は、機械的木製品の製造中の木材の利用と物理的に統合することができるが、代わりに、元玉、根および樹皮、特に、元玉および根の粒子に縮小されたチップ画分ならびに樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分は、後の加工のために、容易に運搬および保管され得るので、その抽出は、別個のプロセスとして行うこともできる。
元玉、根および樹皮中のフラボノイド物質の量は、大きく変動し、当該の適格の各木材材料および使用される木材種に依存する。ゆえに、抽出段階から得られるエキスは、かなりの濃度のフラボノイド物質を含み得るので、目的に応じて、粗フラボノイド生成物を得るためにさらに精製せずにそのまま使用され得る。
さらなる精製が必要な場合、使用されるべき方法は、とりわけ、その物質の所望の純度に依存する。有用な精製方法の例としては、クロマトグラフィーおよび/または結晶化が挙げられ得る。
本発明の方法によって単離される重要なフラボノイド物質は、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)である。しかしながら、用語「フラボノイド物質」は、この化合物に限定されない。
「ジヒドロケルセチン(タキシホリン)」は、C2−C3二重結合が無く、2位および3位に2つのキラル炭素原子を有する、3炭素結合(three carbon link)によって接合された2つの芳香環からなるC6−C3−C6骨格に基づく分子構造を有する化合物である。フラボノイド構造のA環は、アセテート由来であり(3×C2)、CおよびB環は、桂皮酸誘導体を起源とする(フェニルプロパノイド経路)。その結果として、B環は、(2S)−または(2R)−配置であり得る。ジヒドロフラボノールであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)のC−3原子は、水素原子とヒドロキシル基の両方を有するので、さらなる不斉中心である。したがって、各ジヒドロフラボノール構造に対して4つの立体異性体、(2R,3R)、(2R,3S)、(2S,3R)および(2S,3S)が存在し得る。4つすべての配置が、天然に存在するジヒドロフラボノール類において見出されているが、(2R,3R)−配置が、群を抜いて最も一般的である。
元玉、根および樹皮からのフラボノイド物質またはジヒドロケルセチン(タキシホリン)の単離は、他の供給源の利用に比べて非常に好都合である。これらの「元玉画分」、「根画分」および「樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分」の供給源において、フラボノイド物質の濃度は、通常の木材よりも2〜20倍高い。これらの化合物の多くは、通常の木材に存在することはない。結果として、この方法に従って得られるエキスの約20〜70%は、フラボノイド物質であり得る。別の特色は、ある特定の化合物が、得られたフラボノイド群の物質の優勢な化合物として存在し得る点である。例えば、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、カラマツ材の元玉から得られるフラボノイド類の約65〜85%であり得る。
したがって、本発明は、所望のフラボノイド化合物またはジヒドロケルセチン(タキシホリン)をエキス中に高濃度で得るための独特の方法を提供する。この利点のほかに、抽出に使用される木材材料は、従来、エネルギー源としてのみ有用な木材画分と考えられていた材料である。
単離方法
例証目的で、カラマツの樹木の木材からの、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の単離が、例として本明細書中に記載されるが、しかしながら、この方法は、他の繊維質の植物材料(例えば、他のタイプの針葉樹の樹木)からの化合物の単離に容易に適合することができる。処理の前に、当該分野において利用可能な方法を使用して、例えばカラマツ(Larix)属の樹木に由来する繊維質の植物材料(例えば、木材、根または樹皮)を必要に応じて好ましい寸法にサイジングしてよい。典型的なシステムにおいて、木材材料の元玉12、根14および樹皮15は、未加工の木材材料を木材粒子に細かく砕くために、切断および粉砕されなければならないか、または当該分野で公知の機械によって処理されなければならない。カラマツ材の粒子の好ましいサイズは、木材粒子を処理するために使用される装置のタイプに依存する。次いで、木材粒子が次の工程に必要になるまで、未加工の木材粒子を、貯蔵のためにホッパー入口に供給する。
図3に示されているように、適切にサイジングされ、粉砕され、準備された木材粒子は、処理される用意ができており、ホッパー入口からシュート16を介して抽出器ユニット20に運搬される。抽出器ユニットは、当該分野で周知であり、典型的には、入口および出口、レベル制御のためのレベル検出器、ならびに必要に応じて、調製された溶媒混合物を木材粒子と混合するための溶媒前処理用入口を備える。その溶媒混合物による前処理は、木材粒子を温めて柔らかくする(thaw)または柔らかくする(soften)ために使用され、その結果、後の処理工程において木材粒子から滲出物を得るために必要なエネルギーが減少する。
所望のフラボノイド化合物またはジヒドロケルセチン(タキシホリン)を得るための方法は、木材粒子からフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を抽出するために、エネルギーを使用して、木材粒子と接触した溶媒混合物、2つ以上の極性物質の混合物を加熱する真空システムにおいて抽出が行われることを好む。抽出条件としては、最適化される、固体/液体比、抽出時間、抽出温度および真空の程度が挙げられる。最適化された条件は、固体/液体比1:4および1:6、38℃〜40℃の温度での抽出、ならびに80〜60%の水を含む20〜40%のエタノールという(v/v)エタノール/水比の混合物中の食品グレードの溶媒としてのエタノールの使用であると考えられる。
真空における抽出溶媒混合物の沸点は、通常の大気圧における沸点より低い。したがって、抽出は、25℃〜最高40℃のより低い温度において行われる。これは、感熱性の化合物であるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の分解を防ぐためにふさわしい。また、溶媒混合物は、30℃〜38℃の最適範囲などにおけるより低い温度において煮沸および還流を維持され得る。これは、木材材料を溶媒混合物と混合し、木材材料から化合物を抽出するために好ましい。さらに、抽出システム内の空気は、ほとんど排出されるので、抽出プロセス中にほとんど酸素が存在しないことから、感熱性の化合物の酸化は、回避されるかまたは減少する。
真空の程度および抽出温度は、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の抽出収量に明らかな影響を及ぼした。真空の程度は、溶媒混合物がそのような温度においてより高い能力を有し、かつ溶媒を継続的に還流させるのに十分な、30℃〜38℃における抽出温度に従って調整され得る。さらに、抽出前の段階において溶媒および木材粒子を混合することにより、化合物のより高い抽出収量がもたらされる。
真空システムにおける固体−液体抽出の原理は、固体材料が、溶媒混合物と接触するとき、固体の木材粒子内の、混合物成分に可溶性の物質(例えば、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン))が、溶媒に移動するというものである。したがって、真空下での木材材料の溶媒抽出は、溶媒への可溶性の有効成分(ジヒドロケルセチンまたはタキシホリン)の物質移動をもたらし、これにより、濃度勾配が生じる。有効成分であるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の物質移動は、溶媒混合物におけるその溶解性にも依存するので、溶媒混合物の加熱によって、その物質移動が増大し得る。
抽出のために、溶媒または溶媒混合物は、必要とされるフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)のタイプに応じて選択される。極性は、ここで考慮すべき重要な事柄である。より極性のフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)は、エタノールまたはエタノール/水混合物を用いて抽出される。フラボノイド含有材料の抽出の大半は、未だ、真空システムにおける単純な直接的な溶媒抽出によって行われている。
得られた水−エタノール滲出物またはエキスは、糖および樹脂、脂肪、テルペン類、リグナン類などのような数多くの物質を含むことが多い。その結果として、精製工程が必要である。そのように得られたエキスは、濾布で覆われた抽出器の一体型の二重底18を通じて貯蔵タンク22内に少しずつゆっくりそのエキスを流すことによって、絞りかす(使い果たされた木材材料)から分離される。その絞りかすは、二重底に保持され、エキスは、貯蔵タンクに受けられる。そのエキスは、貯蔵タンクからスパークラー濾過器(sparkler filter)24に注ぎ込まれて、エキスから微粒子またはコロイド粒子が除去される。
ミセラとして知られる、抽出器からの濃縮エキスは、ワイプ(wiped)薄膜真空蒸発器26に供給され、そこで、それを真空下で濃縮することにより、濃厚な濃縮エキスが得られる。その濃縮エキスをさらに真空チャンバードライヤー28に供給することにより、溶媒を含まない固体ペースト塊が得られる。ワイプ薄膜蒸発器26および真空チャンバードライヤー28から回収された溶媒は、再利用され、次のバッチの木材材料のために抽出器に戻される。このようにして得られた濃縮エキスは、フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を単離するためのさらなる処理のためにそのまま使用される。
最先端技術(state of art)は、蒸発温度が45℃を超えない慎重な真空蒸発である。蒸発時間に関係する温度は、特に、エキスがフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)のような熱不安定性の構成物を含む場合、この工程の良否にとって特に重要である。
次いで、水性の濃縮エキスを、例えば、Gulf晶析装置を使用して凍結することによって、2段階で濃縮する。第1段階の後、エキスは、汲出し可能なスラリーの形態であり、それを遠心分離して、約40%の総固体を含む濃縮液を得て、さらにそれを、第2段階において約50%の総固体に濃縮する。次いで、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)エキスを、下記に記載されるように凍結する。凍結された生成物を分割し、0.1mm〜0.2mmの粒径に粉砕する。凍結乾燥の後、好適な凝塊形成チャンバーにおいて粉末を塊りにする。最大0.5g/cmの密度を有する塊にされた粉末を、不活性雰囲気において気密容器に詰めてもよい。
濃縮エキスの乾燥は、好ましくは、完成品が適切な密度および色を有するように、制御された条件下において行われるべきである。ペースト塊のエキスを、板または塊の形態の固体塊に凍結する。第1段階において、エキスのペースト塊を、−12℃〜−29℃の温度に冷却し得、第2段階において、冷却を、それより低い温度、例えば、−40℃〜−70℃において行い得る。通常、冷却中の体積でのペースト塊のエキスの滞留時間は、約7分以上であり、25分もの長さであり得ることが望ましい。
凍結乾燥の終わりに、エキスを連続的な硬質シートとして取り出し、次いで、それを、粉砕に適した断片に分割し得る。これらの断片を、例えば、好ましくは上記範囲内の粒径に粉砕し得る。次いで、粉砕された粒子を、従来のキャビネットにおいて、例えば、最大0.1mmの層の厚さに載せられたトレイの上で凍結乾燥する。約150〜175ミクロンの氷晶の昇華を、高真空下で行い、通常、およそ7時間継続する。0.2〜0.5g/cmの密度を有する塊になった粉末を、不活性雰囲気において気密容器に詰めてもよいし、所望のとおり詰めてもよい。
望ましい生物学的活性を示す天然物の異なる純度のエキスは、活性な成分が単離され、同定されるまで、活性によって誘導される分画に供される。この分画の探索プロセスは、典型的には、最適以下のクロマトグラフィー条件を含み;ゆえに、潜在的に不安定な成分であるジヒドロケルセチン(タキシホリン)の破壊を回避するために、単離プロセス全体にわたって最大限の注意が払われなければならない。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が、調製用スケールと分析用スケールの両方において、フラボノイド類を分離するための群を抜いて最も一般的な手法になっている。分析用の方法と調製用の方法との差異は、分析HPLCが、サンプルの回収に依存しない一方で、分取HPLCが、精製プロセスであって、混合物からの純粋な物質の単離を目指している点である。処理スケールのHPLCは、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)などの価値ある分子を商業化用の所望の純度で単離するための選択肢である。健康管理のためにフラボノイドの製品、栄養補助食品および天然物が世界中でますます必要とされていることから、フラボノイド類のエキスの製造者は、バッチ間の変動が最小である規定の品質のエキスを生成するために、最も適切な抽出技術を使用し始めた。
前述の明細書では、本発明を、その特定の例示的な実施形態を参照して記載してきた。しかしながら、以下の請求項に示されるような本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改変および変更が行われ得ることが明らかだろう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例証の様式で見なされるべきである。
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Claims (9)

  1. 元玉、樹皮および根を含む木材からフラボノイドを単離するための方法であって、該方法は、
    a)
    i)該元玉および該根をチップに細分することによって得られる、粒子に縮小されたチップ画分、および
    ii)機械的木製品の仕上げの際の残渣として得られる樹皮または粉末化された樹皮の乾燥コルク画分
    のうちの少なくとも1つを含む木材粒子と極性溶媒の組み合わせからエキスを抽出する工程;および
    b)該抽出する工程の結果として得られたエキスを回収する工程
    を含み、
    該木材は、カラマツ(Larix)属の木材、トウヒ(Picea)属のトウヒ材、モミ(Abies)属のモミ材、マツ(Pinus)属のマツ材およびトガサワラ(Pseudotsuga)属の木材からなる群より選択される針葉樹の木材であり、述べられたすべての属から単離される主な物質は、フラボノイドであるか、または該木材は、硬材である、方法。
  2. 前記極性溶媒が、単一の極性物質、または2つ以上の極性物質の混合物である、請求項1記載の方法。
  3. 前記混合物中の2つの極性物質が、20%〜40%のエタノールおよび80%〜60%の水(v/v)をさらに含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記抽出する工程が、前記木材粒子から前記フラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシホリン)を抽出するために、エネルギーを使用して、該木材粒子と接触した前記極性溶媒の前記組み合わせを加熱する真空システムにおいて行われる、請求項1記載の方法。
  5. 前記抽出する工程が、前記木材粒子から前記フラボノイドを抽出するために、エネルギーを使用して、該木材粒子と接触した前記混合物を加熱する真空システムにおいて行われる、請求項3記載の方法。
  6. 前記エキスが、所望のフラボノイド物質を放出させるためにさらに精製される、請求項1記載の方法。
  7. 前記所望のフラボノイド物質が、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)である、請求項6記載の方法。
  8. 精製された前記エキスを凍結乾燥する工程をさらに含む、請求項6記載の方法。
  9. 前記硬材が、カラマツであり、単離される前記フラボノイドが、ジヒドロケルセチン(タキシホリン)である、請求項1記載の方法。
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