JP2015509594A - 調時機構を有する相互作用的試験デバイスおよび装置 - Google Patents

調時機構を有する相互作用的試験デバイスおよび装置 Download PDF

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Abstract

装置と試験デバイスとで構成されたシステムが記載される。試験デバイスと装置とは、試験デバイス上に置かれた試料中の注目する分析物の存在または非存在を決定するために相互作用するように設計される。試験デバイスと装置とは、相互作用により、試験デバイス上に試料を置いてからの経過時間に関係なくデバイス内の試験ラインからの信号が陽性または陰性結果に相当するかを確認するために用いられる、試験デバイス固有の調整可能なカットオフ値を決定するタイマー機能を提供する。この調整可能なカットオフ値により、本システムは、試験デバイスのインキュベーション時間の影響を相対的に受けにくくなり、インキュベーション時間が正確な試験結果のために必要な時間より短いまたは長い場合、アナライザが無効の結果を報告し、それにより正しくない(偽陰性または偽陽性)結果が報告されることがないようにする。【選択図】図1

Description

[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2012年3月1日出願の米国仮特許出願第61/605,694号、2012年4月20日出願の米国仮特許出願第61/636,105号、2012年6月29日出願の米国仮特許出願第61/666,689号および2013年1月25日出願の米国仮特許出願第61/757,023号の利益を主張する。上記優先権書類のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[0002] 本明細書に記載される主題は、試料中の分析物の存在または非存在の医学的診断または検出を支援する試料分析システムおよび装置に関する。
[0003] 試料中の分析物を検出するアッセイデバイスが当該技術分野において長く知られており、そのようなアッセイデバイスには、検出ゲル、マイクロ流体デバイス、イムノアッセイ等が含まれる。特に、ラテラルフローイムノアッセイデバイスは、試料中の分析物の存在を検出するために日常的に用いられている。ラテラルフローイムノアッセイデバイスは、多孔性材料の試験ストリップ上に分離可能に固定化された、標識された特異的結合試薬を利用していた。人間の生体試料または環境試料といった液体試料が多孔性ストリップの一端にアプライされ、このストリップの毛管特性により、ストリップに沿って液体試料が運ばれ、標識された特異的結合試薬を切り離し、この結合試薬が、試料中に注目する分析物がある場合はその第1の結合部位に特異的に結合する。その後、標識された結合試薬は、通常、注目する分析物の第2の結合部位に対する特異的結合を有する第2の試薬によって試験ゾーンで捕捉される。余剰の標識された結合試薬は、この標識された試薬に特異的に結合する対照試薬によって試験ゾーンの下流の対照ゾーンで捕捉される。
[0004] このようなラテラルフローアッセイデバイスは市販されており、例えば、試験デバイスにアプライされた尿試料中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の存在により妊娠を検出するためのデバイスがある。そのような試験では、ユーザの肉眼で見える2つの信号が生成される。1つは「対照」信号であり、誘導体化された青色ラテックスビーズの局在化により形成される。ラテックスビーズは、免疫グロブリン分子で覆われており、試験ストリップ上に、試料の流れる方向に対して通常直交するライン状に付着された捕捉抗体によって捕捉される。この捕捉抗体は、ビーズ上の免疫グロブリンに対して特異的結合活性を有する。この信号の生成は、ユーザに対し、(i)試験キットの製造または保管中に、ラテックスビーズ上の免疫グロブリンも試験スティック上の捕捉抗体も、2分子間の特異的結合を妨げるほどの大きな変性あるいはその他の劣化をきたしていないこと、および、(ii)分離可能に固定化されたラテックスビーズを可動状態にし、これを試験スティックに沿って、少なくとも捕捉抗体が位置する「対照」ゾーンまで運ぶのに十分な液体試料がアプライされたこと、を知らせる。正しく行われたアッセイにおいてhCGを含む尿試料が試験スティックに接触すると、対照ゾーンと試験ゾーンの両方でラテックスビーズの付着が生じ、ユーザの目に見える2本の青い線が、対照ゾーンに1本および試験ゾーンに1本、形成されることになる。
[0005] ラテラルフローアッセイデバイスのようなほとんどの試験デバイスにおいて、試験結果を読み取る前に一定期間待つようにユーザに指示することは一般的である。例えば、上述の妊娠試験パッケージの説明書では、試験スティックを試料と接触した状態から取り出してから1分後にアッセイ結果を読み取るようにユーザに指示している。これは、試験ストリップ上の標識が、通常、肉眼で容易に見えるものであって、肉眼で見えるようになるには最低限の量の標識が試験ラインおよび対照ラインに蓄積される必要があるためである。
[0006] 結果を読み取る前に最低限の時間インキュベートする必要がある肉眼で読み取る試験デバイスに対し、装置で読み取るデバイス、すなわち、肉眼で視覚的に読み取ることのないアッセイでは、目に比べて感度が優れており、また、装置内の光学システムは肉眼では見えない波長を検出することができるため、インキュベーション不足は通常懸念事項とならない。
[0007] ラテラルフローアッセイデバイスのような試験デバイスであって、肉眼で読み取られる試験デバイスにおいてインキュベーション不足の問題を解決するための1つのアプローチとしては、アッセイデバイスにタイマー信号またはタイマーラインを組み込む方法がある。例えば、試験ストリップは、試料を試験デバイスにアプライしてから所定の時間間隔の後、相互に作用して検出可能な色の変化をもたらす成分を含むことができる。これらの追加的「タイマー」試薬は、試験ストリップの「タイマー」区域に付着され、試料による水和作用によって、相互に作用して色の変化を作り出す。別のアプローチでは、アッセイデバイスの対照ラインを改良して、その信号出現を所望のインキュベーション時間が経過するまで遅らせることにより、対照ラインが、デバイスが正しく操作されたことと、試験ラインを読み取るために十分な時間が経過したことを示す2つの目的をもったラインとなるようにする。対照ラインをデバイスのさらに下流に移動すること、あるいは、対照ラインにおける材料を変更してラインを一定時間見えにくくすることによって、対照ラインからの信号出現を遅らせることができる。
[0008] しかしながら、これらのアプローチは、ラテラルフローアッセイデバイスのような試験デバイスであって、機器または装置によって読み取られる試験デバイスには必要なく、したがって、このような試験デバイスには適さない。機器によって読み取られる試験デバイスには、読み取りタイミングの点で、人間の肉眼で読み取られるデバイスとは全く異なる懸念事項がある。1つの懸念事項として、対照ラインおよび試験ラインからの信号検出における機器の感度が優れているため、過大なインキュベーション時間が経過した後にデバイスが読み取られることがある。すなわち、試料がアプライされ、デバイスが過剰に長くインキュベートされると、機器において結果を報告するために設定されたカットオフ値を信号が超えてしまうことがあり、その結果、結果が確認できない、無効な結果となる、あるいは、不正確な結果(偽陰性または偽陽性)となる場合がある。本発明はかかる問題に対する解決策を提供する。
[0009] 以下に記載され、かつ、図解される本発明の態様および実施形態は、例示および説明を意図したものであって、範囲を制限することを意図していない。
[0010] 一態様において、試料中の分析物の存在または非存在を表す試験デバイスからの信号を検出するための装置が提供される。
[0011] 別の態様において、試験デバイスと、機器または装置(アナライザともいう)とで構成されるシステムが提供される。試験デバイスは、試料中の分析物を検出するための第1の検出可能粒子群と、非試験分析物に対する特異的結合のための第2の検出可能粒子群とを含む。アナライザは、試験デバイス(「試験ストリップ」ともいう)を受入れ可能であり、第1および第2の粒子群の各群が試験ストリップ上の特定位置に到達した際に各群から生成される信号を検出するための光学システムを備える。第2の粒子群の全部または一部から検出された信号を使用して、第1の粒子群の全部または一部からの信号が試料中の分析物の存在を示しているかどうかをアナライザが決定するため、および、第1の粒子群の全部または一部からの信号のアナライザによる検出が3〜10分の期間にわたってインキュベーション時間の影響を受けないようにするためのカットオフ値が決定される。あるいは、第2の粒子群の全部または一部から検出された信号の、第1の粒子群の全部または一部から検出された信号に対する比により、試料中の分析物の存在または非存在をアナライザが決定するためのカットオフ値が決定される。
[0012] 一実施形態において、試験デバイスはラテラルフローイムノアッセイ試験デバイスである。
[0013] 一実施形態において、第2の検出可能粒子群は、特定の非試験分析物に対する特異的結合を有する。別の実施形態において、第1の検出可能粒子群は、特定の試験分析物に対する特異的結合を有する。
[0014] さらに別の実施形態において、第1の粒子群の全部または一部からの信号は、アナライザ内のアルゴリズムによって操作または変換され、試料中に存在する定量的または半定量的な分析物量を提供する。
[0015] 一実施形態において、第2の検出可能粒子群からの信号は、アナライザ内のアルゴリズムによって数学的に変換され、変換された信号を提供する。
[0016] さらに別の実施形態において、第2の検出可能粒子群からの信号は、指数変換を用いて数学的に変換される。さまざまな実施形態において、指数変換は、第2の検出可能粒子群の全部または一部からの信号を、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7および1.8から選択される指数で累乗することを含む。別の実施形態において、数学的変換は、第2の検出可能粒子群の全部または一部からの信号の対数変換である。
[0017] 一実施形態において、指数変換された信号は、これに分析物固有の定数値を乗じることにより、試験ストリップについて個別に決定された変換カットオフ値をもたらす。一実施形態において、定数値は、特定の分析物に関する試験ストリップの特定製造ロットごとに決定される。
[0018] 一実施形態において、第1および第2の検出可能粒子群の一方または両方は、蛍光ランタニド化合物で構成される粒子で構成される。
[0019] 例示的実施形態において、蛍光ランタニド化合物はユーロピウムである。別の実施形態において、粒子は、ポリスチレンの外面を備えるユーロピウムのコアで構成される。
[0020] さらに別の態様において、試料中の分析物の存在または非存在を決定する方法が提供される。かかる方法は、試料中の分析物を検出するための第1の検出可能粒子群と、非試験分析物に対する特異的結合のための第2の検出可能粒子群とを含む試験ストリップ上に試料を付着させることを含む。試験ストリップ(または試験デバイス)は、試験ストリップを受入れ可能なアナライザに挿入され、該アナライザは、第1および第2の粒子群の各群が試験ストリップ上の特定位置に到達した際に各群から生成される信号を検出するための光学システムを備える。第2の粒子群の全部または一部からの信号の強度が検出され、第1の粒子群の全部または一部からの信号が試料中の分析物の存在または非存在に相当するかどうかを決定するために、アナライザのソフトウェア中のアルゴリズムによってカットオフ値が計算される。その後、アナライザによって結果が報告される。
[0021] 一実施形態において、注目する分析物はタンパク質である。例示的実施形態において、かかるタンパク質はヒト絨毛性ゴナドトロピンである。
[0022] 別の実施形態において、注目する分析物は感染性分析物である。例示的実施形態において、かかる感染性分析物はウィルスまたは細菌である。さらに別の実施形態において、かかる感染性分析物はインフルエンザAまたはインフルエンザBである。
[0023] 以下の説明、図面、実施例および請求の範囲から、本システム、装置および方法の追加的実施形態が明らかになるであろう。上述の説明および以下の説明から分かるとおり、本明細書に記載されるあらゆる特徴、および、かかる特徴のうちの2つ以上の特徴のあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる各特徴が相互に矛盾しない限り、本開示の範囲に含まれる。さらに、いずれの特徴、あるいは、いずれの特徴の組み合わせも、本システム、装置または方法のいずれの実施形態からも具体的に除外されることはない。本システムおよび装置の追加的態様および利点は、特に添付の実施例および図面と併せて、以下の説明および請求の範囲に記載される。
[0024] 図1は、ラテラルフローイムノアッセイにより例示される試験デバイスの一実施形態の斜視図である。 [0025] 図2は、ラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップにより例示される試験デバイスの別の実施形態の斜視図である。 [0026] 図3Aは、装置の引出しに挿入するための大きさとされたハウジングに収納された試験ストリップの説明図である。 [0026] 図3Bは、装置の引出しに挿入するための大きさとされたハウジングに収納された試験ストリップの説明図である。 [0027] 図4は、例示的な試験ストリップと、このストリップが有する、装置との相互作用のための構造的および免疫化学的特徴の配置を示す上面図である。 [0028] 図5Aは、例示的な装置の前方斜視図である。 [0028] 図5Bは、例示的な装置の前方背面図である。 [0029] 図6Aは、例示的な装置を示す図であって、引出しが開位置にある装置の側面図を示す。 [0029] 図6Bは、例示的な装置を示す図であって、開位置にある引出しを、引出しに挿入されたラテラルフローイムノアッセイ試験デバイスとともに示す上面斜視図を示す。 [0030] 図7Aは、開位置にある装置の引出しを、引出し内に位置決めされた試験デバイスとともに示す拡大図である。 [0030] 図7Bは、閉位置にある装置の引出しを、引出し内に位置決めされた試験デバイスとともに示す拡大図である。 [0031] 図8は、装置内の光学系の概略図である。 [0032] 図9は、任意のバーコードスキャナが取り付けられた例示的な装置を示す図である。 [0033] 図10は、キャリブレーションカセットを示す図である。 [0034] 図11は、装置のソフトウェア構成の説明図である。 [0035] 図12は、本明細書に記載される装置が、イムノアッセイで例示される試験デバイスと相互作用する測定手順の一実施形態において生じる一連の事象を示す。 [0036] 図13Aは、本明細書に記載される装置が、イムノアッセイで例示される試験デバイスと相互作用する測定手順の別の実施形態において生じる一連の事象を示す。 [0036] 13Bは、本明細書に記載される装置が、イムノアッセイで例示される試験デバイスと相互作用する測定手順の別の実施形態において生じる一連の事象を示す。 [0037] 図14Aは、試験デバイスの上面図に対応する。 [0037] 図14Bは、この試験デバイスの試験ウインドウ領域の断面図に対応する。 [0037] 図14Cは、試験ストリップ上の試験ライン、基準ラインおよび対照ラインの配置の一実施形態を示す、試験ストリップの一部分の展開図(図14C)に対応する。 [0038] 図15は、hCG検出用試験デバイス上の試験ラインからの相対蛍光単位(RFU)のグラフであって、各試験ストリップにアプライされた試料が2.5、5、10、15、20および25mlU/mL濃度のhCGを含有しており、これらの試験ストリップを、2分間(ひし形)、4分間(三角)または6分間(四角)インキュベートした場合のグラフである。 [0039] 図16Aは、個別の試験ストリップに関する変換カットオフ値に対する試験ラインからの信号の比を表すグラフであって、異なる量のhCGを含有する試料を試験デバイス上に付着させた後、試験ラインおよび基準ラインから信号を読み取る前に2分(ひし形)、6分(四角)または10分(三角)のインキュベーション時間インキュベートする場合のグラフである。 [0040] 図16Bは、7つの製造ロットからの個別の試験ストリップに関する変換カットオフ値に対する試験ラインからの信号の比を表すグラフであって、異なる量のhCGを含有する試料を各試験ストリップ上に付着させ、これを、試験ラインおよび基準ラインから信号を読み取る前に2分(ひし形)、6分(四角)または10分(三角)のインキュベーション時間インキュベートする場合のグラフである。 [0041] 図17Aは、インフルエンザAおよびインフルエンザB検出用試験デバイスの光学的スキャンから得られる例示的データセットを示すグラフであり、ここで、データは光学モジュールの位置の関数として任意の単位RLUで示される。 [0041] 図17Bは、インフルエンザAおよびインフルエンザB検出用試験デバイスの光学的スキャンから得られる例示的データセットを示すグラフであり、ここで、あるピークが最大であって最小ではないかどうかを決定するためのアルゴリズムの機能性を説明するよう、基準対照ラインの信号ピークが一次導関数として提示される。 [0041] 図17Cは、インフルエンザAおよびインフルエンザB検出用試験デバイスの光学的スキャンから得られる例示的データセットを示すグラフであり、ここで、ピーク高さを決定するためのアルゴリズムの機能性を説明するよう、基準対照ラインの信号ピークが一次導関数として提示される。
I.定義
[0042] さまざまな態様が以下においてさらに十分に説明される。しかしながら、そのような態様は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、本開示がその範囲を当業者に十分伝えるように、これらの実施形態は提供される。
[0043] ある範囲の値が与えられる場合、当該範囲の上限および下限の間に介在する各値、ならびに、この明記された範囲におけるその他のあらゆる明記された値または介在する値が当該開示に包含されることが意図される。例えば、1μmから8μmの範囲が明記される場合、1μm以上の値の範囲および8μm以下の値の範囲とともに、2μm、3μm、4μm、5μm、6μmおよび7μmも明示的に開示されることが意図される。
[0044] 本明細書において用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上そうでないことが明らかに指示されない限り、複数形の指示対象も含む。したがって、例えば、1つの(a)「抗体」への言及は、単一の抗体とともに2以上の同一または異なる抗体も含み、1つの(an)「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤とともに2以上の同一または異なる賦形剤も含む。
II.システム
[0045] 一態様において、試験デバイスと、信号を光学的に検出することができる装置とで構成されるシステムが提供される。試験デバイスと装置とは、以下に説明される通り、互いに独特の相互作用を行うように設計されている。以下の説明において、試験デバイスはラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップによって例示され、試験ストリップと呼ばれる場合もある。試験デバイスは、本システムを例示するために用いられるラテラルフローイムノアッセイ試験デバイスに限定されることが意図されていないことが理解されるだろう。当業者であれば、マイクロ流体デバイスや、ラテラルフローベースのイムノアッセイ以外のイムノアッセイといった、他の試験デバイスが考えられることが理解されるだろう。
試験デバイス:例示的ラテラルフローイムノアッセイ
[0046] 図1は、本実施形態においてラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップ10により例示される試験デバイスの斜視図である。図に示される実施形態において、試験ストリップ10は外部ハウジング部材内に置かれていないが、ユーザによる取扱いを改善するため、剛性または柔軟性のハウジング内に試験ストリップを収容できることが理解されるだろう。試験ストリップ10は、多孔性支持部材12で構成され、これにより試験ストリップの長さを延長し得る。支持部材は、通常、試料が通過可能なさまざまな材料のいずれかで作られる。例えば、そのような材料は、天然材料、合成材料、または、合成的に改質された天然由来の材料、例えば、多糖類(例えば、紙や、酢酸セルロースおよびニトロセルロースのようなセルロース誘導体といった、セルロース材料)、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエステル、ポリプロピレン等であってよいが、これらに限定されない。
[0047] 試験ストリップ10は、下流から上流に向かって、試料パッド14、標識パッド16、検出ゾーン18、吸収パッド20、および、任意の乾燥剤22をさらに備える。検出ゾーン18は、試験ライン24と基準ライン26とで構成される。試料パッド14は、標識パッドと流体連通し、標識パッドは、試験ラインおよび基準ラインが付着した検出ゾーン内の支持部材と流体連通する。試料パッドを形成するために用いることのできるいくつかの好適な材料としては、ニトロセルロース、セルロース、多孔性ポリエチレンパッドおよびガラス繊維ろ紙が挙げられるが、これらに限定されない。試料パッドは、望ましい場合には、拡散的または非拡散的に結合された1以上のアッセイ前処理試薬を含んでもよい。標識パッド16は、試料が通過可能な材料で形成される。例えば、一実施形態において、標識パッドはガラス繊維で形成される。1つの標識パッドのみが示されているが、複数の標識パッドがあってもよいことを理解すべきである。
[0048] 標識パッド上には、注目する分析物に対する特異的結合を有する第1の標識された試薬群と、注目する分析物ではない分析物に対する特異的結合、すなわち、注目する分析物以外の分析物に対する特異的結合、あるいは、注目する分析物以外の特定の分析物に対する特異的結合を有する第2の標識された試薬群とが付着されている。一実施形態において、第1および第2の群の標識された試薬は、その外面がそれぞれの特異的結合部材によって誘導体化されたビーズまたは粒子(マイクロ粒子ともいう)の集合体を含む。例えば、一実施形態において、第1の群は、注目する分析物に特異的に結合できる検出可能粒子群である。第2の群は、注目する分析物以外の分析物に特異的に結合できる検出可能粒子群であり、一実施形態においては、注目する分析物以外の特定の分析物(非試験分析物ともいう)に特異的に結合できる検出可能粒子群である。
[0049] 特異的結合部材が(イオンまたは共有)結合した検出可能物質は、光学的に検出可能な信号を生成する発光性化合物であってよい。例えば、好適な蛍光性分子としては、フルオレセイン、ユーロピウムキレート、フィコビリンタンパク質、ローダミン、ならびにそれらの誘導体および類似体を挙げることができるが、これらに限定されない。他の好適な蛍光性化合物は、一般的に「量子ドット」と呼ばれる半導体ナノ結晶である。例えば、そのようなナノ結晶は、式:CdXで表されるコアを含んでよく、該式において、XはSe、Te、S等である。さらに、好適なリン光性化合物としては、ルテニウム、オスミウム、レニウム、イリジウム、ロジウム、白金、インジウム、パラジウム、モリブデン、テクネチウム、銅、鉄、クロミウム、タングステン、亜鉛等の1つまたは複数の金属からなる金属錯体を挙げることができる。
[0050] 検出可能試薬は、一実施形態において、比較的長い発光寿命を有する化合物であり、比較的大きな「ストークスシフト」を有する。「ストークスシフト」との用語は、通常、発光性放射のスペクトル線またはスペクトル帯の、励起線または励起帯より長い発光波長への変位として定義される。比較的大きなストークスシフトは、発光性化合物の励起波長が、その発光波長から大きく離れた状態にとどまることを可能にし、励起波長と発光波長の間の差が大きいと、反射された励起放射を放出された信号から取り除くことが容易になるため、望ましい。さらに、ストークスシフトが大きいと、試料中の発光性分子、および/または、一部の体液(例えば、血液)に存在するタンパク質またはコロイドにより拡散する光からの干渉が最小限に抑えられる。いくつかの実施形態においては、発光性化合物は、約50ナノメートルより大きいストークスシフトを有し、いくつかの実施形態においては、約100ナノメートルより大きく、またいくつかの実施形態においては、約100〜約350ナノメートルである。ストークスシフトの大きい例示的な蛍光性化合物としては、サマリウム(Sm(III))、ジスプロシウム(Dy(III))、ユーロピウム(Eu(III))およびテルビウム(Tb(III))のランタニドキレートが挙げられる。これらのキレートは、非常に短い波長でのキレートの励起後、大きく赤にシフトした、狭い帯域の、寿命の長い発光を発揮し得る。典型的には、かかるキレートは、分子中のランタニド近くに位置する発色団により、強い紫外線励起帯を持つ。発色団による励起に続いて、励起エネルギーは、励起した発色団からランタニドに移され得る。この後、ランタニドの蛍光発光特性が続いて生じる。フルオレセインがわずか28ナノメートル程度であるのに対し、ユーロピウムキレートは、例えば、約250から約350ナノメートルのストークスシフトを有する。また、ユーロピウムキレートの蛍光発光は長寿命であり、他の蛍光性標識が約1〜約100ナノ秒であるのに対し、約100〜約1000マイクロ秒の寿命を有する。これらのキレートは、狭い発光スペクトルを追加的に有し、典型的には約50%の発光で約10ナノメートル未満の帯域幅を有する。好適なユーロピウムキレートの1つとして、N−(p−イソチオシアナトベンジル)−ジエチレントリアミン四酢酸‐Euがある。
[0051] 検出可能物質は、粒子またはビーズ、特に、合成粒子またはビーズの形態をとることができる。一実施形態において、蛍光または着色染料により標識されたラテックス粒子が利用される。別の実施形態においては、ポリマーで覆われた蛍光性、リン光性または発光性のコアを持つ粒子が利用され、このコアを取り囲むポリマーは、典型的には、ポリスチレン、ブタジエン・スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリジビニルベンゼン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、塩化ビニル−アクリレート等からなる。
[0052] 粒子に結合した特異的結合部材は、抗原、ハプテン、アプタマー、抗体(一次または二次)、およびそれらの複合体であってよく、組換えDNA法またはペプチド合成により形成されたものを含む。抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、組換えタンパク質あるいはその混合物または断片であってよく、さらには、抗体と他の特異的結合部材との混合物であってもよい。その他の一般的な特異的結合対としては、ビオチンとアビジン(またはその誘導体)、ビオチンとストレプトアビジン、炭水化物とレクチン、相補的ヌクレオチド配列(DNAハイブリダイゼーションアッセイにおいて標的核酸配列を検出するために用いられるプローブおよび捕捉核酸配列を含む)、組換え法で形成されるものを含む相補的ペプチド配列、エフェクタ分子とレセプタ分子、ホルモンとホルモン結合タンパク質、酵素補助因子と酵素、酵素阻害剤と酵素等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、特異的結合対としては、元の特異的結合部材の類似体である部材も含み得る。例えば、分析物の誘導体または断片(すなわち、「類似体」)も、分析物と共通する少なくとも1つのエピトープを有する限り使用することができる。
[0053] 特異的結合部材は、通常、様々な周知技術のいずれかを使用して検出可能粒子に結合され得る。例えば、特異的結合部材の検出可能粒子に対する共有結合は、タンパク質のカップリング反応を実現し得るカルボン酸基、アミノ基、アルデヒド基、ブロモアセチル基、ヨードアセチル基、チオール基、エポキシ基、およびその他の反応基または結合官能基、ならびに、残留フリーラジカルおよびラジカルカチオンを用いて実現し得る。検出可能粒子の表面は比較的高い極性基表面濃度を含むことがあるため、表面官能基を官能性コモノマーとして組み込んでもよい。さらに、検出可能粒子は、しばしば、合成後に、例えばポリ(チオフェノール)によって官能化されるが、上記検出可能粒子は、さらなる変性の必要なくタンパク質との直接共有結合が可能であり得る。
[0054] 一実施形態において、イムノアッセイ試験ストリップの標識パッドは、試料中の注目する分析物に特異的に結合する、第1の可動化可能な検出可能粒子群を含む。標識パッドはまた、試料中の注目する分析物以外の分析物に特異的に結合する、第2の可動化可能な検出可能粒子の第2群も含む。一例において、第1の粒子群は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のような注目するタンパク質分析物との特異的結合のためのモノクローナル抗体を含み、第2の粒子群は、免疫グロブリンGに対する特異的結合を有する抗体を含む。例えば、第2の粒子群の各粒子は、hCGのアルファ鎖に対する特異的結合を有する抗体によって誘導体化される。第2の粒子群の各粒子は、試料中のIgGタンパク質に特異的に結合するよう、ヤギ抗ウサギIgG抗体を含むように誘導体化される。
[0055] 引き続き図1を参照すると、試験ライン24は、支持膜12上に固定化された結合部材を含む。試験ラインの固定化された結合部材は、注目する分析物に特異的な結合部材を含む第1の粒子群の粒子を捕捉するように機能し、それによって、注目する分析物に結合した第1の群の検出可能粒子の全部または一部を試験ライン上に捕捉する。固定化された結合部材は、検出可能粒子と注目する分析物との結合部位とは異なる位置で注目する分析物に特異的に結合することが好ましい。試験ラインに固定化された結合部材は、抗体、抗原等を含む上述の結合部材のいずれとすることもできる。
[0056] 試験ストリップ内の検出ゾーンは基準ライン26も含む。基準ライン26は、支持膜12上に固定化された結合部材を含む。基準ラインの固定化された結合部材は、注目する分析物以外の分析物に特異的な結合部材を含む第2の粒子群の粒子を捕捉するように機能し、それによって、第2の群の検出可能粒子の全部または一部を基準ライン上に捕捉する。固定化された結合部材は、検出可能粒子と非試験分析物との結合部位とは異なる位置で非試験分析物に特異的に結合することが好ましい。基準ラインに固定化された結合部材は、抗体、抗原等を含む上述の結合部材のいずれとしてもよい。
[0057] 試験デバイスの別の実施形態を図2および図3A〜3Bに示す。この試験デバイスは、順に、試料パッド102と、標識パッド104と、符号106で総称される1以上のラインであって、試験ライン、対照ラインおよび基準ラインから選択されるラインと、吸収パッド108とで構成される試験ストリップ100の形をとる。一実施形態においては、支持部材110が設けられ、試料パッド、標識パッド、各ラインおよび吸収パッドの各々またはいくつかがこの支持部材上に配置される。図4を参照して後述されるように、試験ストリップは、最下流の分析物特異的試験ラインであって、図2に示す実施形態においてはインフルエンザ抗原に結合するための試験ライン(例えば、抗インフルエンザA抗体を含む試験ライン)の下流側縁部と、吸収パッド108の上流側縁部との間の領域を含み、この領域は、図2においてPCZとして示される手順対照ゾーンである。いくつかの実施形態において、試験ストリップは、図2には示されていないが図3Aに示す実施形態には見られる乾燥剤部分をさらに含む。乾燥剤部分は、試験ストリップの支持部材上に位置付けることができ、一実施形態においては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0311002号に記載されるように、吸収パッドの下流における支持部材上に配置される。別の実施形態では、図3Aに見られるように、乾燥剤部分112が、試験ストリップとは物理的に分離された別個のコンポーネントであり、試験ストリップを収容するハウジング部材内に挿入される。
[0058] 一実施形態において、試験ストリップは、カセットと呼ばれるハウジング、例えば、図3Bのハウジング114内に収納される。ハウジングに挿入された試験ストリップは、一体として試験デバイスを形成する。本実施形態のハウジング114は、上部部材116と、これと嵌め合わせてハウジングを形成する下部部材118とで構成される。下部部材118は、試験ストリップ110および任意の乾燥剤112を受け入れるための寸法を有する領域を画定する構造上の特徴を含み得る。上部ハウジング部材116は、第1の試料投入口120と表示ウインドウ122という、少なくとも2つの開口部を含む。試料投入口は、試料投入口に分配された試料が試料パッドと接触し、試験ストリップに沿って流れるように、試験ストリップ上の試料パッドの真上に配置される。図に示される実施形態では、試料投入口は、液体試料を投入口内に受け入れるボール部分を含む。表示ウインドウは、試験ストリップの各ラインを明らかにするように位置付けられ、それにより、後述されるように、装置内の光学系と各ラインとが相互に作用することが可能になる。
[0059] 図3Bに示された実施形態においては、バーコードラベル124が上部ハウジング部材に取り付けられている。バーコードラベルは、ハウジング上の別の部分に位置付けることもでき、装置内に位置付けられた内部バーコードスキャナと相互作用するように位置付けられることが理解されるだろう。一実施形態において、バーコードラベルは、例えば、アッセイ試験ストリップに関する情報をコード化する2次元バーコードであって、例えば、試験ストリップをスキャンするためにメモリ内のどのプロトコルを開始すべきかを装置に知らせる、試験ストリップが検出対象とする病原菌/分析物(インフルエンザA/B、Strep A、RSV、hCG、その他以下に掲げるもの等)や、装置が同じ試験ストリップを2度読み取らないようにするための固有の試験シリアル番号といった情報をコード化する。一実施形態において、バーコードに含まれる情報は、患者に関する情報や試料の種類に関する情報を含まず、試験ストリップに関する情報に限定される。
[0060] 図1〜3に示した試験デバイスは、一般的なラテラルフロー試験デバイスの例示であることが理解されるだろう。試験ストリップは、任意の分析物専用に構成することも可能であり、また、外部ハウジングは任意であって、外部ハウジングがある場合、それはカセットハウジングである必要はなく、米国特許出願公開第2009/02263854号に開示され、かつ、意匠特許第D606664号に記載されるような(両文献は参照により本明細書に組み込まれる)柔軟性のあるラミネートとすることもできる。本システムにおいて必要なことは、装置内の引出しと試験デバイスとが、かかる引出しに試験デバイスが受け入れられるような寸法であること、および、試験デバイスの必要な領域をスキャンする移動経路を装置内の光学系が有することのみである。
[0061] この点に関し、図4は、例示的な試験ストリップと、このストリップが有する、装置との相互作用のための構造的および免疫化学的特徴の配置を示す上面図である。試験ストリップ130は、標識ゾーン134と流体連通する試料受入ゾーン132を含む。試料ゾーン上または試料ゾーン内に置かれた流体試料は、毛管作用により試料ゾーンから下流に向かって矢印135で示される方向に流れる。標識ゾーン134は、少なくとも、試験ラインおよび対照ラインまたは基準ラインと流体連通する。図4に示す実施形態において、標識ゾーンは、分析物試験ライン138、任意の第2の分析物試験ライン140および基準ライン142と流体連通する。この2以上のラインが吸収ゾーン144と流体連通する。すなわち、標識ゾーンは試料ゾーンの下流にあり、一連の1以上の試験ラインおよび基準ラインは標識ゾーンの下流にあり、吸収パッドは、試験ストリップの各ラインが位置付けられた部分の下流にある。最下流にある分析物特異的な試験ライン(図4に示す実施形態においては試験ライン140)の下流側縁部と、吸収パッドの上流側縁部との間の領域は、手順対照ゾーン146である。基準ライン142はこの手順対照ゾーン146内にある。以下に説明されるとおり、手順対照ゾーン、および、特にこのうちの基準ラインは、(i)そのRLU信号(発光)に基づき、試験ストリップに沿った試料の流れが発生したかどうかを確認し、(ii)アナライザ(または、より厳密にはアナライザ内部に保存されたアルゴリズム)が試験ストリップ上の他の線(ある場合は対照ライン、および、1以上の分析物特異的な試験ライン)の相対位置を決定するために使用され得る。また、基準ラインは、以下に説明されるとおり、イムノアッセイがインキュベーション時間の影響を受けないようにするため、特に、1〜15分の期間にわたって、好ましくは1〜12分、さらに好ましくは1〜10分または2〜10分の期間にわたってインキュベーション時間の影響を受けないようにするためのカットオフ値を把握するためにも用いられる。
[0062] 試料ゾーンは、注目する分析物を含むとみられる試料を受け入れ、その流れが標識ゾーンに入るようにコントロールする。一実施形態において、標識ゾーンは、ランタニド元素を含む粒子で構成される2つの乾燥接合体を含む。ランタニド材料には、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウムおよびイットリウムの15の元素が含まれる。一実施形態において、乾燥複合体は、発光性または蛍光性ランタニドを含むポリスチレン粒子またはマイクロ粒子(直径約1000マイクロメートル未満、好ましくは直径約500マイクロメートル未満、さらに好ましくは直径200、150または100マイクロメートル未満の粒子)である粒子であり、一実施形態において該ランタニドはユーロピウムである。好ましい実施形態において、該ランタニドはキレート化されたユーロピウムである。一実施形態において、マイクロ粒子は、ポリマー被膜を備えるランタニド材料のコア、例えば、ポリスチレン被膜を備えるユーロピウムのコアを有する。図1に関して上述したとおり、試料中の1つ以上の注目する分析物の結合相手は、マイクロ粒子の外側表面に付けられ、または、結合される。液体試料が標識ゾーンに入ると、乾燥したマイクロ粒子−抗体接合体を水和し、懸濁し、かつ、可動状態にし、この接合体を、試験ストリップの下流へと、ニトロセルロースストリップ上に配置された対照または基準ラインおよび試験ラインまで試料とともに運搬する。試料中に注目する分析物が存在する場合、その分析物は、この試験体とマイクロ粒子とが標識ゾーンからニトロセルロースの表面上へと流れる際、それぞれの接合体に結合することになる。図4に示す実施形態において、この流動混合物は、その後試験ライン、例えば、試験ライン138に至る。注目する分析物が試料中に存在する場合、注目する分析物に結合している蛍光マイクロ粒子−抗体接合体は、試験ラインに固定化された注目する分析物に対する特異的結合部材に結合することになる。いくつかの実施形態においては、1本の試験ラインが試験ストリップ上に存在する。また別の実施形態においては、少なくとも2本、または、2本以上の試験ラインがストリップ上に存在する。例として、インフルエンザAおよびインフルエンザBの検出および/または区別を目的とする試験ストリップは、インフルエンザAを検出する第1の試験ラインと、インフルエンザBを検出する第2の試験ラインとを含むことになる。標識ゾーンには、インフルエンザAに特異的な抗体で覆われたマイクロ粒子とインフルエンザBに特異的な抗体で覆われたマイクロ粒子とで構成されたマイクロ粒子−抗体接合体が含まれる。インフルエンザA用の第1の試験ラインおよびインフルエンザB用の第2の試験ラインは、標識ゾーンの下流に配置される。インフルエンザA用の第1の試験ラインは、インフルエンザAの核タンパク上の決定因子に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含み、インフルエンザB用の第2の試験ラインは、インフルエンザBの核タンパク上の決定因子に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む。もし試料中に抗原が存在する場合、かかる試料中の抗原に合致するそれぞれの試験ライン上に典型的なイムノアッセイサンドイッチが形成されることになる。
[0063] 試験ラインに結合しないマイクロ粒子−抗体接合体は、毛管作用により流動し続け、基準ラインを越えて吸収パッドに流入する。
[0064] 試料パッド上に置かれ、毛管作用に引かれて標識パッドに流入した液体試料は、注目する分析物(試験分析物)以外の分析物に対して特異的結合親和性を有する乾燥したマイクロ粒子−抗体接合体も水和し、懸濁し、かつ、可動状態にする。この粒子−抗体接合体は、試料中の注目する分析物以外の分析物と特異的に相互作用して、粒子−抗体−非試験分析物複合体を形成し、これが試験ストリップの下流に向かって流れる。この複合体は、基準ラインにおいて、基準ラインに固定化された非試験分析物に対する親和性を有する特異的結合部材との間の結合相互作用によって捕捉される。一実施形態において、基準ライン上には、ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンが付着され、基準ラインでの捕捉のための粒子は、ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンに特異的な抗体を含む。この抗体は、ストリップ上に付着した試料中の免疫グロブリンIgGと特異的な相互作用を呈する。
[0065] 基準ラインで生成された信号は、例えば、試料の流れに関する情報を提供し、また、以下で説明されるように、光学系によってスキャンすべきニトロセルロース上の精密な他の位置に装置を誘導するための位置マーカーとして機能することもできる。基準ラインで生成された信号は、さらに、試験ラインからの信号が注目する分析物の存在を示しているかどうかを装置が確認するために用いられるカットオフ値を提供する。基準ラインが有するこの特徴は、特に実施例1に関連して以下で説明される。しかしながら、まずは装置について説明する。
装置
[0066] 試験デバイスによって生成される信号を検出することができる装置の一実施形態を図5A〜5Bに示す。装置300は、光学系、電子機器、ソフトウェアおよび装置の他のコンポーネントを収納するハウジング312を含む(全て、本明細書において以下で説明される)。装置の前面314はユーザインタフェース316を含み、ユーザインタフェース316は、例えば、キーパッド318および表示画面320を含み得る。キーパッドは、アルファベット文字を表示することも可能な、数値入力のための数字キー、小数点キー、後退キー、およびエンドユーザが必要とするその他のキーを含む。キーパッドの一部として、または、装置上の他の場所に位置付けられた別個のキーとして、このデバイスは、試験結果を印刷するためのキー、プリンタ用紙を送るためのキー、デバイス内の引出しを開閉するためのキー、方向指示のための矢印キー、および、ユーザが装置を相互作用させ、装置に指示を出すためのソフトキーまたは選択キーを含み得る。一実施形態において、キーパッドはアルファベット/数字キーパッドであり、試験結果印刷機能を起動するための印刷キー、紙送りキー、ユーザがインタフェース画面に表示されたメニュー項目を移動するための画面移動キー(例えば、右/左/上/下キー、選択キー)が装置に含まれる。
[0067] 表示画面は、例えば、液晶表示画面とすることができ、装置内のデータ処理ユニットからの出力を受け取り、これを装置のユーザに対して表示する。一実施形態において、表示画面は、ユーザとの相互作用のためのタッチスクリーンである。例示的な画面は、320×210(1/4VGA)の解像度を有し、コントラストと輝度を調整可能なカラー画面である。ユーザは、試験結果、エラーメッセージ、指示、キャリブレーション情報、トラブルシューティング情報、ユーザ情報等の情報を画面上で確認できることになる。
[0068] 装置300の後部パネルの一実施形態が図5Bに示され、AC電源322から電源を受け取るポートと、本実施形態においてはソフトウェアを起動するためのソフトキーであるオン/オフトグルスイッチ324とを含むことができる。装置はさらに、装置の後部パネル上またはそれ以外の場所に、光学コンポーネントと接続するためのポートおよび/または外部機器とのインタフェースをとるためのポートを設けてもよい。例えば、装置は、例えば外部のバーコードリーダーとのインタフェースをとるためのPS2コネクタ、ローカルエリアネットワークまたはイーサネット(登録商標)に接続するためのRJ45ポートのようなポート、取り外し可能なメモリカードポートまたはスロット、および/または、USBポートを含み得る。好ましい実施形態において、装置は、SDカードのような、取り外し可能な不揮発性フラッシュメモリカードを挿入するためのスロットまたはポート326を含み、装置は、SDカードの読み書き処理を行うことで、例えば、各試験ストリップからのあらゆるスキャンデータを保存し、システムソフトウェアをアップデートすることができる。
[0069] 再び図5Aを参照すると、装置は、ハウジング内に常駐する、感熱式プリンタのようなプリンタを含むこともでき、また、ハウジング上の取り外し可能なカバー330内に開口部328が設けられ、この開口部を通じて、内部プリンタからの用紙がハウジングの外へ排出される。取り外し可能なカバーは、装置内部のプリンタと相互作用する(図5Aには示されない)給紙部にアクセスし、またはこれを補給するためのアクセスを提供する。
[0070] 装置は、開位置と閉位置との間で移動可能な引出し332も含み、図5Aには閉位置が、図6A〜6Bには開位置が示される。図に示された実施形態において、引出しは、図6Bでもっともよく分かるように、装置の前方縁部334に位置付けられる。引出しは装置の左右どちらかの側面に位置付けることもできることが理解されるだろう。一実施形態において、引出しは、ラッチおよびバネ機構のような機械的機構により、開位置と閉位置の間で移動する。一実施形態において、ユーザが装置の前面または表面上のキー、例えば、「引出しオープン」または「試験デバイス取り出し」ボタンを起動することに応じて引出しが開く。一実施形態において、ユーザが手動で試験デバイスを挿入した後、あるいは、ユーザが装置上のキーまたはボタンを起動したことに応じて、引出しはその閉位置へと移動する。引出しは、イムノアッセイ試験デバイスを受け入れるように構成されており、以下でさらに説明される。一実施形態において、引出し内部は試験デバイスを受け入れるためのサイズを有する区別可能な領域、例えば、凹みになっている。装置の動作中、試験デバイスは引出し内の静止位置にとどまるため、以下で説明するように、移動可能な光学系との精密な相互作用のため、試験デバイスは装置内において精密に位置決めされる。したがって、一実施形態において、引出しは、試験デバイスを光学系と相互作用できるように位置決めするための機構を備える。位置決め機構の例示的実施形態を図7A〜7Bに示す。
[0071] 図7Aは、装置内の引出しエリアにある内部コンポーネントであって、ハウジングを取り外した場合にのみユーザが見ることのできるコンポーネントを図解する。図7Aにおいて、引出し332は開位置にあり、装置内に挿入するために試験デバイス336が引出し内に位置付けられている。引出し332の遠位側縁部338は、引出しが開位置にある場合に装置内部に挿入されたままとなる一方、引出しの近位側縁部は引出しのうちのユーザにもっとも近い部分であり、使用中、装置内に入ったり排出されたりする部分である。装置内部には、引出し332が閉位置に移動した場合にこれを受入れることができる受け口340がある。受け口340内部に向かって、第1の端部344および第2の自由端部346を備える位置決めアーム342が延在している。第1の端部344は受け口内のトラックまたはスロット348内部を移動可能である。引出しが開位置と閉位置の間で移動する際、アームは、その自由端部346または少なくとも自由端部の角部が試験デバイス336の縁部に接触するような寸法とされ、かつ、そのように位置付けられる。このことは図7Bに示す図から明らかであり、同図において、引出しは閉位置にあり、アームの自由端部の角部が試験デバイスに、詳細には、ラテラルフローイムノアッセイストリップを取り囲むハウジングの縁部に接触している。アームは、試験デバイスと接触することにより、引出し内の特定位置まで、より詳細には、試験デバイスを受け入れかつ保持するような寸法の引出し内のスロット内部へと試験デバイスを静かに押す。
[0072] アーム342は、装置内での試験デバイスの横方向の精密な位置決め、より詳細には、装置の左右側面に関して一方側面から他方側面へ向かう方向に装置を通過する平面内での精密な位置決めを保証するような寸法を有し、かつ、そのように位置付けられている。この平面は図7Aにおいて矢印x−xで示されている。縦軸と呼ばれ、図7Aにおいて矢印z−zで示される、装置の前後に延びる軸に沿って試験デバイスを精密に位置決めするために第2のアームを設けることもできる。一実施形態において、第2のアームは、引出しの近位側端部350に位置して、試験デバイスを押してこれを水平面内で位置決めする。一実施形態において、第2のアームはバネによる張力を受け、他の実施形態においては第2のアームは横方向に移動可能であり、試験デバイスの前方側縁部に接触した場合に圧力点を有するように位置付けられる。
[0073] 図7A〜7Bでは、少なくとも受け口340の長さを延長する支持ロッド352を確認することができる。支持ロッド352は、装置内の移動可能な光学系がそれに沿って進み、それにより、装置に挿入された静止状態の試験デバイスをスキャンするためのトラックを提供する。以下、図8を参照して光学系について説明する。
[0074] マイクロプロセッサによって制御される光学系は、(図7Aにおいて矢印z−zで示される)縦軸に沿ってホーム位置またはスタート位置から最終位置まで移動するように、装置のハウジング内に位置付けられる。光学系は、トラック上に取り付けられたキャリッジであって、電気モータまたはアクチュエータによって装置の光学系内を移動可能なキャリッジで構成される光学モジュールを含む。キャリッジと、移動可能な光学モジュールの一部には、照明源354および光ダイオードのような検出器356が固定される。照明源は、試験デバイスに対して直交するように取り付けることができ、検出器は、試験デバイスからの発光を集光するような角度に向けられる。図8に示す実施形態においては、光ダイオードが試験デバイスに対して40度の角度に向けられ、より一般的には、検出器は試験デバイスの表面に対して約20度〜75度の間の角度に向けることができる。一実施形態において、光学モジュールは、単一要素の光検出器(すなわち、光検出器のアレイは存在しない)と単一の照明源とを含む。光学モジュールは、1つまたは複数のフィルタを備えることも可能であり、図に示した実施形態は、照明源の発光側にフィルタ358、好ましくはロングパスフィルタを含み、また、試験デバイスと検出器の間に位置付けられたフィルタ360を含む。一実施形態において、照明源は、試験デバイス内の標識の励起波長に合致する波長のUV光を放出する。一実施形態において、照明源は、365nmのピーク発光、より一般的には、約320〜390nmの間または約325〜380nmの間のピーク発光を有する発光ダイオード(LED)である。この実施形態において、LEDから試験デバイスまでの光路に位置付けられたロングパスフィルタは310〜315nmの間の光を透過する。
[0075] 一実施形態において、光検出器は、試験デバイス内の標識から放出される波長の光を検出するのに適した広帯域検出器である。一実施形態において、光検出器は単一要素の光検出器(すなわち、光検出器のアレイではない)である。一実施形態において、標識は、蛍光性、発光性、または化学発光性化合物であるか、またはこれを含む。以下で説明されるように、例示的な蛍光標識は、ユーロピウム、サマリウム、テルビウムおよびホルミウムといったランタニドイオンであり、それぞれ、特定の波長で蛍光を発する。試験デバイスと検出器の間の光路内に位置付けられたフィルタ360は、一実施形態において、検出器による検出のため、約515nmを超える光を透過する。当業者であれば、さまざまなフィルタ(ロングパス、ショートパス、バンドパス等)が当該分野において知られており、標識を励起するために必要な光の波長や検出のために必要な光の波長に基づいてこれらのフィルタを選択できることが理解されるだろう。
[0076] 光学システムは、光学的フィードバックループを含むこともできる。光学部品の照明路内のモニタダイオードを使用したフィードバックループにより、照明源の強度または光出力が制御される。照明源に対する電力は光出力に基づいて調整され、例えば、光出力が減少すると電流を高めて補償する。一実施形態において、照明源からの出力は2〜5mWの間であり、より好ましくは、2.5〜5mWの間である。フィードバックループサブシステムにより、照明源からの安定した光出力が確保され、装置内の光学システムのキャリブレーションが必要となる頻度が低下する。
[0077] 試験デバイスと装置の動作に関する以下の説明から明らかになるように、試験ストリップ上の個々の離散的ラインを解像または区別するための光学系の解像度は、光学系の特徴部分の1つである。照明源は、第1のラインの中心と隣接するラインの中心とで測定した場合に1〜1.2mm離れている、または、4mm離れている、アッセイ試験ストリップ上の1以上のラインを解像することのできる集束光線を提供することが好ましい。一実施形態において、照明源からの光線の形状は、2.5mm×0.8mmであり、より一般的には、2〜3mm×0.5〜1.2mmである。別の実施形態において、照明源は、試験デバイス上の検出ゾーンの局所的領域を照明し(後述)、移動経路に沿った漸進的移動において単一要素の検出器を照明源に同期させることで、局所的領域の照明と当該局所的領域での検出との同期が可能となる。光線の形状を決定するために視野絞りが設けられ、この視野絞りは、試験ストリップ上の試験ラインの間隔および幅にしたがって調整することができる。以下に説明されるように、一実施形態において、試験ストリップ上の2本の隣接する試験ラインの間隔または公差と、光線の形状とは、放射率信号が発生しない暗空間を試験ライン間にもたらすように選択される。
[0078] 一実施形態において、光学システムは、試験デバイスに投入された試料と光学システムとの間に位置付けられるスプラッシュシールドを備え、それにより、特に、デバイスが後述する「ウォーク・アウェイ(walk-away)」モードで操作される場合に試料口/試料パッドに残存する可能性のある液体試料から光学系およびその移動可能モジュールを保護する。
[0079] いくつかの実施形態において、装置は温度検知手段を含み、好ましい実施形態においては、装置のハウジング内に収納された少なくとも2つの温度検知デバイスを含む。第1の内部温度センサは、光学系に関連付けられた領域の温度を検出するように位置付けられ、第2の内部温度センサは、装置が操作される環境の周辺温度を検出するために、装置内の別の場所であって、内部で発生する熱源から離れた場所に位置付けられる。
[0080] 装置は、試料分析により収集されるデータの処理および保存のため、必要なソフトウェアとともに内部記憶装置を含む。SIMポートにより、または(無線または有線接続された)外部コンピュータにより、装置からデータをエクスポートし、あるいは、装置にデータをインポートすることができる。
[0081] 図5Bを参照して上述したように、装置は、任意の外部デバイスとの接続のためのポートを備えており、一例が図9に示されている。この実施形態においては、装置362の前方またはユーザ側が示され、外部バーコードスキャナ364が装置に取り付けられている。このバーコードスキャナは、装置に設けられた適切なデータポートを介して装置とのインタフェースをとっている。外部接続されるデバイスにより、装置へのデータ転送および装置からのデータ転送が容易になり、ユーザによるキーボード入力を不要とすることができ、分析対象の試験あるいは患者または試料の情報に関して装置への正確なデータ入力が可能になる。一実施形態において、外部バーコードスキャナは装置上のPS−2ポートを介して接続可能であり、直線バーコードまたは1次元バーコードの読み取りが可能である。
[0082] 一実施形態において、装置は、疾病管理センター(CDC:the Centers for Disease Control)のような第三者に対して医学的データを引き渡すためのデバイスに対して無線または有線接続される。例示的な実施形態において、装置は、クアルコム・ライフ(Qualcomm Life)から入手できる2net(商標)プラットフォームにより無線通信を行う。この2net(商標)プラットフォームは、保存のためにデータを装置から安全に転送することを可能にするクラウドベースのシステムである。2net(登録商標)プラットフォームのゲートウェイは、2net(商標)ハブ、「(米)食品医薬品局」がリスト化するスタンドアロンな外部デバイス、および、装置に組み込まれるセルラーコンポーネントを含むがこれらに限定されない。装置からのデータは、2net(商標)プラットフォームのゲートウェイを介してクラウドに転送され、そこでデータの保存、加工および/または共有を行うことができる。例示的実施形態において、そのようなデータは、感染性因子の報告および/または調査のため、CDCへ転送されてもよい。この実施形態においては、クラウドの記憶装置に送信した後、HIPAAのような該当する規則および規制を順守するためにデータを加工する、例えば、「不特定化(de-identified)」することが好ましい。データは、1以上のクラウド記憶装置のサイト(例えば、クアルコムのような第三者クラウドから所有権のあるクラウドまで)に転送してもよいことが理解されるだろう。特定の非制限的実施形態において、装置からのデータは、2net(商標)ハブを介してクアルコムクラウドに無線で送信された後、所有権のあるクラウドに転送され、そこでHIPAA規則を順守するためにユーザ情報を取り除くよう「不特定化(de-identified)」される。データはその後、感染性因子の調査のためCDCに転送される。
[0083] 装置は、追加的に任意の特徴を含むことができ、例えば、エラーや試験終了といった、ユーザに対する可聴フィードバックのための音声を生成する音声出力機能が挙げられる。
III.光学系のためのキャリブレーションカセット
[0084] 上述のとおり、この装置は、光源を含む光学モジュールで構成される光学系を備え、一実施形態において、光源は365nmのピーク発光を有するLED光源である。試験ストリップ内の標識からの蛍光光のような、放出される信号のための検出器は、蛍光試薬からの光が周辺光によっても励起光によっても汚染されないようにするためのフィルタを備えた光ダイオードである。光ダイオードからの信号は、アナログ−デジタル変換器により変換され、デジタル信号が装置内のマイクロプロセッサにより処理されて試験結果が生成される。安定した光出力を確保するため、LEDはフィードバックループを有し、これにより、光学系はLEDの光出力をモニタし、LEDへの電流の調整を引き起こして、励起光線の安定した強度をリアルタイムで保証する。信号の変動をさらに確実に制御するため、装置は、ユーザが、該装置用に設計され、該装置に設けられたキャリブレーションカセットを挿入することを可能にするキャリブレーションアルゴリズムを有する。キャリブレーションカセットを図10に示す。
[0085] 図10は、ハウジング部材374のようなハウジング部材内に固定されたキャリブレーションストリップ372で構成されるキャリブレーションカセット370を示し、この実施形態において、ハウジング部材374は上部部材374aと下部部材374bとに分離可能である。装置内の光学系とキャリブレーションストリップ上の1以上のラインとの相互作用が可能なように、上部ハウジング部材374aにはウインドウ376が設けられる。
[0086] キャリブレーションストリップは1以上のラインを備えることができ、さまざまな実施形態においては、2以上のライン、3以上のライン、または4以上のラインを備える。別の実施形態において、キャリブレーションストリップは少なくとも2本のライン、少なくとも3本のライン、または少なくとも4本のラインを備える。図10に示す実施形態は、符号378、380、382および384で特定される4本のラインを備えるキャリブレーションストリップを示し、これらのラインは本明細書において、以下、キャリブレーションラインまたはキャリブレーション試験ラインと呼ぶ。キャリブレーションラインは、ストリップがハウジング内に固定された場合にウインドウを通して視認できるように、ストリップ上でハウジングに対して位置付けられる。一実施形態において、キャリブレーションストリップは、装置の光学系内の照明源からの光によって励起されると、光ダイオードの光路内の1以上のフィルタを通過した後、該光ダイオードにより検出可能な波長で蛍光を発する材料で構成される。一実施形態において、キャリブレーションストリップは、蛍光を発する材料で構成され、キャリブレーションラインはマスキングにより画定される。例えば、蛍光発光材料は、露光された1以上のキャリブレーションラインを出る光を遮る材料を使ってシルクスクリーン印刷することができる。あるいは、蛍光を発しない材料の上に蛍光発光材料を離散的ライン状に付着させることもできる。一実施形態において、キャリブレーションストリップ内の蛍光発光材料は、支持材上に付着されるか、支持材内に拡散される蛍光増白剤である。例示的な蛍光増白剤・光学的光沢剤は、通常、電磁スペクトルの紫外および紫領域(340〜370nm)の光を吸収し、青領域(典型的には420〜470nm)の光を再放出する染料である。例示的な光学的光沢剤としては、(ジ、テトラ、またはヘキサスルホン化)スチルベン、クマリン、イミダゾリン、ジアゾール、トリアゾール、ベンゾオキサゾリン、ビフェニル−スチルベンといった化合物が挙げられる。具体的な例示的化合物群は、チオフェネジルベンゾオキサゾール化合物であり、具体的な例示的蛍光増白剤は、光学的光沢剤の2,5−チオフェネジルビス(5−tert−ブチル1,3−ベンゾオキサゾール)である。例示的な支持材としては、ポリマーが挙げられ、特に、ポリメチルメタクリレートおよびポリエステル、とりわけ、二軸延伸ポリエステルといったプラスチックが挙げられる。増白剤は、ポリマー支持材の製造中に支持材と重合させることができ、あるいは、ポリマー支持体の製造後に該支持体上に付着させることもできる。好ましい実施形態においては、キャリブレーションカセット上の1以上のキャリブレーションラインを形成する蛍光発光材料は、励起された場合に500〜550nmの間の蛍光を発する。
[0087] キャリブレーションカセットは、任意で、図10のカセット上にあるバーコード386のようなラベルを含むことができる。一実施形態において、バーコードは2次元バーコードであり、例えば、当該カセットがキャリブレーションカセットであることを装置が確認するための情報や、カセットの有効期限に関する情報を含む。
[0088] キャリブレーションカセットは、光学系との相互作用のため、装置の引出し内に適合するような寸法とされ、一実施形態においては、装置と専用の特定キャリブレーションカセットとがキットとして一体で提供される。典型的には、装置のユーザは、例えば、30日ごと、または1か月に1回、または2か月に1回等、一定の定められた周期で装置から指示を受けることにより、装置の引出しにキャリブレーションカセットを挿入する。装置内の内部バーコードリーダーは、キャリブレーションカセットのバーコード上の情報をアナライザ内のプロセッサに転送する。バーコードラベル上の情報は、ユーザがキーパッドを使って、または、外部のバーコードスキャナを介して装置に入力することができるので、内部バーコードリーダーは任意の特徴であることが理解されるだろう。この情報から、アナライザは、キャリブレーションカセットがアナライザに挿入されたことを確認し、キャリブレーションストリップ上のキャリブレーションラインについて得られる実際の信号と比較するためにアナライザが使用するターゲット信号を提供し、かつ、キャリブレーションカセットの有効期限を付与することになる。その後、アナライザは、光学系を起動してキャリブレーションカセットの照明を開始し、具体的には、キャリブレーションカセットウインドウ内部に見える各キャリブレーションラインを順次照明する。アナライザは、次に、各キャリブレーションラインからの蛍光信号を検出し、この信号をメモリに保存する。キャリブレーションラインのうちの2本について検出された信号を、このキャリブレーションラインに関する(期待される)ターゲット信号と比較する。2本のキャリブレーションラインのそれぞれについて検出された信号がターゲット信号の所定範囲内である場合、例えば、(+/−)1.75、2%、2.25%、2.5%または3%である場合、アナライザのキャリブレーションは有効であり、装置に対する調整は不要となる。このキャリブレーションチェック事象は装置のメモリに記録および保存される。
[0089] 2本のキャリブレーションラインのうちの一方または両方について検出された信号がターゲット信号の所定範囲外であるが、所定の最大限度の範囲外ではない場合、例えば、特定のラインに関する所定のターゲット信号の+/−3.25%、+/−3.5%、+/−3.75%または+/−4%の範囲外である場合、アナライザ内のプロセッサは、キャリブレーション試験ストリップ上の第3のまたは別のキャリブレーションラインを使用して自己キャリブレーションを行うためのアルゴリズムを起動する。この第3のラインからの(期待される)ターゲット信号に関する情報もバーコード情報の形をとっており、該情報は、キャリブレーションカセットを挿入し、バーコードのスキャンすることにより装置に渡される。この第3のキャリブレーションラインについての信号が定められた許容範囲内である場合、アナライザは最初の2本のキャリブレーション線を再度読み出して、これら2本のラインについて期待されるターゲット信号が検出されることを確認する。信号が最大限度の範囲外である場合、アナライザは再度自己のキャリブレーションを行うことはできず、システムはエラーメッセージを生成し、これがユーザに対して表示される。
装置のソフトウェア
[0090] 装置は、ラテラルフロー試験アッセイからのデータを収集し、該データを処理し、結果をユーザに対して表示するために使用される統合ソフトウェアシステムを含む。このソフトウェアは、例えば、ラテラルフロー試験アッセイの設計により異なるものであってよい。例示的な試験アッセイを、この例示的な試験アッセイと装置との相互作用を制御するように調整されたソフトウェアとともに以下で説明する。ここで、ソフトウェア要件の全般的説明をする。
[0091] ソフトウェア要件は、試験ストリップの特徴および要件に基づく。この要件は、アッセイ要件およびユーザの要求を充足するためにソフトウェアが満たすことが望ましい機能的および非機能的要件を含む。ソフトウェア仕様としては、「操作者」、「監督者」および「点検」という3つのユーザ操作モードを含むことが好ましい。これらのメインユーザモードに加えて、ソフトウェアの仕様には、イーサネット/実験室情報システム(LIS:Laboratory Information System)通信、印刷、SDカードインタフェースおよびバーコードスキャナ機能が含まれることが好ましい。ソフトウェア仕様は、さらに、電源オン/オフ処理、バッテリ、エラーハンドリング、言語および音声通知を提供することが好ましい。ソフトウェア仕様は、以下の高度機能、すなわち、アッセイ試験ストリップ、キャリブレーションカセットまたは品質管理試験からの蛍光データの分析;自己キャリブレーション;ユーザログインの管理;試験結果の保存、管理および呼び出し;内部設定の管理;結果の印刷;LISへの結果送信;英語以外の言語でのインストールおよび操作;起動時または連続的な内部ソフトウェアチェック、を備えることが好ましい。一実施形態において、ソフトウェア仕様は、メモリや電源;光学部品性能;ステッピングモータ機能;内部温度;内部時計;バーコード読取り、のうちの全てまたはその一部を起動時にまたは連続的にチェックすることが好ましい。エラーがあれば、メッセージログに記録され、該当する場合にはユーザに通知される。装置は、安全な方法でエラーから復旧するように設計される。
[0092] この装置のソフトウェアは、図11に示される3層構造に基づく。簡単に説明すると、ソフトウェアは、システムタスクを制御する機能を有するアプリケーション層390を含む。これらは、平行して動作し、かつ、専用の機能を実行する別々のタスクである。これには、例えば、測定スキャンの制御、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)画面の更新、ユーザのキーパッド入力の受領、印刷および遠隔通信の実行が含まれる。タスク同士は、メッセージキューを介して相互に作用する。スケジューラが動作準備ができたタスクを探し、これを起動する。ソフトウェアはまた、別々のソフトウェアサブシステムを構築するモジュール群で構成される抽象化層392を含む。これは、アプリケーション層に対する「簡便性の層(convenience layer)」を築く。ソフトウェアサブシステムには、データベースサブシステム、GUIオブジェクト、測定シーケンス、システムステータスおよびSDC転送が含まれる。また、ソフトウェアは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)上でシステムのハードウェアコンポーネントと通信するためのモジュールで構成されるハードウェア(HW)−ドライバレベル394も含む。このハードウェアコンポーネントは、IC間バス(「I2C−バス」としても知られ、電子コンポーネント間の通信を容易にするコンポーネントである)、シリアルインタフェースバス(SPIバス)、バッテリ、電子部品、任意の内部バーコードリーダーおよびSDカードである。
[0093] 以下でさらに説明されるように、このソフトウェアは、複数のモードで装置が操作されることを可能にし、かかるモードには、装置に挿入された試験デバイスをすぐに読み取る「リード・ナウ(read now)」モード、装置に挿入された試験デバイスを読み取る前に選択した期間または予め設定した期間インキュベートする「ウォーク・アウェイ」モード、試験結果を呼び出すモード、制御結果を呼び出すモードが含まれる。したがって、一実施形態において、装置は、2以上、3以上、または4以上のモードで操作されるように設計される。
III.試験手順およびシステム操作
[0094] 上述のとおり、この装置は、「リード・ナウ」モードまたは「ウォーク・アウェイ」モードという2つのモードで操作することができる。試料パッドへの付着から吸収パッドへと試料が流れていくには2〜20分、より典型的には5〜18分、さらに典型的には7〜15分かかる。ユーザは、試験デバイスの試料パッドに試料を置き、試験デバイスを装置の引出しに挿入し、装置を「ウォーク・アウェイ」モードに設定することを選択でき、その場合、装置は、試験デバイス上のバーコードをスキャンし、この試験デバイスのための正しいインキュベーション時間であって、試料が試料パッドから吸収パッドまで流れていくために十分な時間を可能とするインキュベーション時間を決定することになる。あるいは、ユーザは、試験デバイスの試料バッドに試料を置き、装置の外でこの試験デバイスをインキュベートすることを選択することもできる。そして、装置の外でのインキュベーション期間の後、試験デバイスは装置の引出しに挿入され、ユーザは「リード・ナウ」モードで装置を操作することができる。この場合、装置は、試験デバイス上のバーコードをスキャンしてアッセイタイプを決定し、このアッセイタイプのためのスキャンプロトコルをすぐに開始することになる。いずれのモードにおいても、試験デバイスと装置とは、インキュベーション時間に関係なく正確な結果が得られるように相互作用するべく設計されている。例えば、ユーザは、「ウォーク・アウェイ」モードで装置を利用するつもりで試験デバイスに試料を置き、かつ、注意散漫により、装置に挿入する前に試料を試験デバイス上で一定期間インキュベートしてしまう場合があり得る。この状況においては、試験デバイス上の試料のインキュベーション時間が望ましい時間または必要な時間より長くなり、偽陽性結果が出る可能性が生じる。別の例として、ユーザは、インキュベーション時間を注意深く計測し、適切なインキュベーションの後に装置に試験デバイスを挿入するつもりで試験デバイスに試料を置くが、それでもなおインキュベーション時間の判断にミスをしてしまう場合がある。このミスが、過剰インキュベーションになると、すなわち、特定の分析物と試験ストリップにとって望ましい時間または必要な時間より長いインキュベーション時間となると、偽陰性の結果となる可能性がある。本明細書に記載される試験デバイスおよび装置は、相互作用により、約1〜15分、好ましくは2〜10分のインキュベーション期間にわたって試験結果がインキュベーション時間の影響を受けないようにするよう設計されている。システムおよびスキャンプロトコルが有するこの調時機構、ならびに、スキャンによる情報の処理に関し、図12〜14と、実施例1に記載され、かつ、図15〜17に示されるデータとを参照して、以下で説明する。
A.装置の操作
[0095] 試験デバイスのスキャンを開始するため、必要であれば装置の電源を入れ、装置のソフトウェアを開始するためのトグルスイッチを起動する。試料を含む試験デバイスを装置に挿入する前に、任意の外部バーコードリーダーを使って、ユーザ、試料、患者等に関する情報をスキャンして装置のメモリ内に取り込むことができる。図12を参照すると、装置上またはタッチスクリーン上の「試験スタート」ボタンが押され(450)、試験デバイスの測定がスタートする。装置は、温度を読み取ると(452)、自動的に装置内の引出しを開き(454)、試料パッド上に試料が分配された試験デバイスを受け入れる。試料を搭載した試験デバイスが引出し内に挿入され(456)、ユーザが静かに押すことで、引出しが手動で閉じられる(458)。引出しが閉じられると、1つまたは複数の位置決めアームが試験デバイスを押すことにより、引出し内の、試験と試験の間で一貫した精密な位置に試験デバイスが位置決めされる。装置内部の光学シールドは、引出しが閉まる時に試料投入口から飛び散る可能性のある液体試料から光学系およびその移動可能光学モジュールを保護するように位置付けられている。
[0096] 引出しが閉まると一連の事象が開始され(458)、これは以下で構成される。内部バーコードリーダーが試験デバイス上のバーコードをスキャンして、試験デバイスのアッセイタイプ(例えば、インフルエンザA/B、hCG、Strep A、RSV等)、シリアル番号および有効期限に関する情報、ならびに、試験デバイスに固定されたバーコードに含まれるその他の情報を受け取る。一実施形態においては、内部バーコードスキャナからの光線と試験デバイス上のバーコードラベルとの相互作用を容易にするようにミラーが位置付けられる。バーコードラベル上の情報は、ユーザがキーパッドを使用して、または、外部バーコードスキャナを介して装置に入力することができるので、上記内部バーコードリーダーは任意の特徴であることが理解されるだろう。バーコードラベル上の情報から確認された、あるいは、その他の方法で装置のプロセッサに提供された試験アッセイタイプに基づき、装置は、装置のメモリに保存された、試験デバイスの設計対象であるアッセイに関するアルゴリズムを開始し、また、ユーザが定める「リード・ナウ」モードか「ウォーク・アウェイ」モードかの選択に基づき、メモリに保存されたプロトコルが開始する。「ウォーク・アウェイ」モードでは、装置は、試験デバイスのスキャンを開始する(462)前に一定時間インキュベートし(460)、「リード・ナウ」モードでは、この特定のアッセイについて予め設定されたインキュベーション時間を待つことなく、直ちに試験デバイスのスキャンを始める(462)。
[0097] 試験デバイスのスキャンおよび評価(462)は、最初の温度チェック(452)と同じまたは異なる場所での再度の温度チェック(464)を含む。開始されたアルゴリズムは、装置内で静止状態にある試験デバイスに対して光学モジュールを移動させるステッピングモータを含む光学系を起動する。光学系は、(後述される)ホーム位置を検索する(466)と、試験デバイスのハウジング内の測定ウインドウであって、これを通して基準/対照ラインおよび(1以上の)試験ラインが見える測定ウインドウのスキャンを行う(468)。光学系のモータは、行われている特定のアッセイのためのアルゴリズムにより定義されるパラメータにしたがって、定められたスタート地点から試験デバイスの測定ウインドウの長さ方向に漸進的に光学モジュールを移動させる。以下により詳細に説明されるとおり、光学モジュールは、光学系内のモータによって、試験ウインドウの長さ方向に、試験ストリップ上の試料流体の流れに対して下流から上流に向かうように漸進的ステップで動かされ、光学キャリッジは各漸進的ステップまたは漸進的位置で止まって当該位置を照明し、この位置での照明後に放出される光を検出した後、次の位置へと上流に向かって前進する。
[0098] 試験ウインドウの長さ方向に沿った複数の漸進的位置のそれぞれにおいて放出される光を集めると、アルゴリズムは、基準ラインに関連付けられたデータアレイの中にデータを位置づけ、かつ、該データを評価し(470)、カットオフアルゴリズムを使用して定性的、半定量的または定量的な分析物評価を行う(472)。
[0099] その後、アルゴリズムは、この試験が臨床試験であるか、外部の対照試験またはキャリブレーション試験であるかを決定し(474)、(試験デバイスのバーコード上の情報に基づき、または、ユーザが入力する情報に基づき)その判定がイエスである場合、結果をメモリに、例えば、SDカード上または装置のメモリ内に保存する(476)。試験が臨床試験でない場合は、結果をフラッシュメモリに保存(480)し、表示および/または印刷する(482)。その後、測定シーケンスの最後に、ユーザが試験デバイスを取り除くため(486)、装置またはユーザにより引出しが開かれる(484)。
[0100] 図13A〜13Bは、本明細書に記載される装置に関する第2の例示的試験シーケンスを示す。この試験シーケンスは、デバイス内のソフトウェアプログラムのプログラミングを変えて、測定手順における一連の事象、各事象に割り当てられた時間等を変更するだけで容易に変えられることが理解されるだろう。図13A〜13Bの例示的手順において、装置上のボタンまたはスイッチを押すことで測定手順のスタートが起動する(490)。装置上のキーパッドを使った入力または外部バーコードスキャナを介して、患者に関する情報(氏名、性別、年齢等)がユーザにより入力される(492)。装置上のボタンを使って装置内の引出しが開かれ、引出しに試験デバイスが挿入される(494)。引出しを閉じると、手動でまたは装置により自動的に、自動化された一連の事象が開始される(496)。この一連の事象には、装置内部の1以上の位置で、例えば、試験ウインドウに隣接する位置で温度を読み取ること、および/または、周辺温度を読み取ること(498)が含まれる。ユーザが「ウォーク・アウェイ」モードを選択することにより、または、特定の試験アッセイに関して予めプログラムされた要件により、インキュベーション時間が指示されると、インキュベーション時間がスタートする(500)。このインキュベーション時間が終了すると、あるいはインキュベーション時間が必要でないまたは指示されない場合、光学系による測定シーケンスが自動的に開始される(502)。
[0101] 次に図13Bを参照すると、光学系による測定シーケンスは、光学モジュールを移動させるモータを起動すること(504)、および、光学モジュールがそのホーム位置を検索すること(506)を含む。光学系の近傍で温度を読み取ることもできる(508)。装置に挿入された試験デバイス上の試験ウインドウに対応する光学的読取経路に沿った第1の位置において、光学モジュールの照明源がオンされ、その後オフされ、このオフ期間の間に、光学モジュールの光検出器によって蛍光発光が検出される。検出された発光はメモリに保存され、光学系のモータが光学モジュールを次の位置まで一定量前進させるが、この次の位置は、一実施形態において、デバイス内の試料ゾーンに向かう方向にあり、したがって、試験ウインドウ内のラインの測定が試験ストリップ上の流体の流れに対して下流から上流へ向かう方向に行われることになる。試験ウインドウの長さ方向に沿って所定回数の漸進的ステップが行われ、各ステップにおいて発光が捕捉されると(510)、光学モジュールはモータによりそのホーム位置に戻され(512)、モータの電源がオフされる(514)。この説明から、一実施形態において、装置は、照明源と光検出器とからなる動的光学モジュールを備え、このモジュールは照明/検出シーケンスの間は静止状態にあり、その後、動的移動を再開することが理解されるだろう。また、暗読み取り(dark reading)、すなわち、照明−検出シーケンスのオフ期間または暗期間に検出された発光は、時間分解蛍光のためではなく、ベースラインおよびバックグラウンドの目的で利用されることが理解されるだろう。
[0102] その後、この特定のアッセイに関して装置のメモリ内に保存されたアルゴリズムは、試験ラインおよび基準ラインのそれぞれのピーク発光をデータアレイから検索し(516)、ピーク面積またはピーク高さの線強度を計算する(518)。アルゴリズムは、データアレイからの結果を計算し(520)、その結果を、例えば、デバイス内に挿入されたSDカードのようなメモリに保存する。この計算結果は、装置の画面上に表示する、または、ユーザが印刷を指示する、または必要であればフラッシュメモリに保存することが可能である(522)。その後、ユーザは、引出しを開くように装置に指示して試験デバイスを取り除き(524、526)、測定手順を終了することができる(528)。
[0103] 一実施形態において、具体的には、インフルエンザAおよびインフルエンザBのような試料中の2つの分析物の検出および/または区別を目的とする図4に示されるような試験デバイスに関して、「ウォーク・アウェイ」モードで操作される場合の装置において、ストリップはおよそ15分インキュベートされ、その後、装置は試験デバイスの光学的スキャンを開始し、ストリップの長さにわたって蛍光信号を測定し、計算を実行し、試験結果を報告する。試験デバイスストリップのスキャンおよび分析には、約60秒未満を必要とし、より好ましくは約20〜60秒の間であり、より好ましくは30〜45秒の間である。
[0104] 装置と試験デバイス上の基準ラインとは、正しい結果が決定され、かつ、報告されることを保証するため、いくつかの方法で相互作用するように設計されている。まず、試験デバイス上の基準ラインの位置は、装置のアルゴリズムが試験デバイス上の分析物特異的試験ラインの相対位置を決定するために用いられる。ソフトウェアプログラムは、基準ラインが、特定の予め定義された位置範囲内にあると予想する。この基準ライン位置の許容範囲は、試験ストリップ上での免疫化学的配置、ハウジング内での試験ストリップの位置、および、装置の引出し内における試験デバイス(ハウジング(カセット)内の試験ストリップ)の位置決めに関する製造上の公差に基づく。基準ラインの位置が特定されると、他の試験ラインおよびゾーンのそれぞれの位置はアルゴリズムにより決定され、これが、試験ストリップ上に付着されたさまざまな化学的要素(chemistries)の位置と突き合せられる。
[0105] より詳細には、図14A〜14Cを参照すると、外部ハウジング532を有する試験デバイス530の上面図が示される。ハウジングの内部には、特に図14Aにおいてハウジングのウインドウ536を通して見える試験ストリップ534が挿入されている。図14Cには、試験ストリップ534の基準ラインおよび少なくとも1つの試験ラインを含む部分であって、本明細書において試験ストリップの「ニトロセルロース領域」とも呼ばれる部分が示される。試験ストリップ上の基準ライン538は、試料パッドが位置付けられた試験ストリップの近位端に対して、試験ストリップ上もっとも遠位側のラインである。すなわち、基準ラインは、試験ストリップ上(試料流体の流れる方向に対して)もっとも下流にあるラインである。光学系は、ハウジング内の試験ウインドウを通して見えるニトロセルロース領域を、図14Cの矢印540で示される下流から上流に向かう方向(かかる下流から上流は、試験ストリップ上の試料流体の流れる方向に対するものである)にスキャンするため、基準ラインは、光学系が試験デバイスのスキャンを開始してから最初に遭遇するラインである。
[0106] 上述のように、基準ラインは、例えば、(i)試料中の注目する分析物でない分析物(すなわち、注目する分析物以外の分析物)、または(ii)試料中の注目する分析物以外の分析物に特異的結合親和性を有する試薬に対する結合部材、のいずれかに特異的結合親和性を有する結合部材で構成される。一実施形態において、十分な試料の流れがあることを示すために、基準ラインの相対蛍光単位(RFU)信号は特定の最小値(例えば、500RFU、または1000RFU、または1500RFU、または2000RFU等)を超えることが望ましく、そうでない場合は試験が無効と解釈される。最小RFUは、各試験デバイスのバーコードに設けることのできる情報、または、メモリに保存された情報である。試験ストリップの基準ラインに関する最小RFUはアッセイ固有のものであってよく、Strep Aの試験デバイスに関する最小RFUはRSVを検出する試験デバイスに関する最小RFUとは異なり得ることが理解されるだろう。上述のように、収集されたRFU信号のデータアレイにおける基準ラインのピーク位置により、アルゴリズムを使用して試験ストリップ上の(1以上の)試験ラインの位置を特定し、それにより(1以上)の試験ラインのスキャン位置を特定することが可能になる。あるいは、または別の言い方をすると、基準ラインからの信号により、アルゴリズムは、試験ラインからの信号に対応するアレイ中のデータを識別することができる。すなわち、基準ラインは、最大値と最小値の間の信号を提供し、この信号を使用して基準ラインの位置が定められ、これを使用して、他の分析物ラインを検索するエリアを識別し得る。試験ラインからの信号がなければ、分析値はゼロであり(すなわち、分析物は存在しない)、試験は陰性である。試験ラインからの信号がある場合、その信号が基準ラインの位置により定められた位置から来るものであれば有効な信号として識別されることになる。
[0107] また、基準ラインは、システム、すなわち、装置と試験ストリップのための「タイマー機構」としても機能する。これは、基準ラインからの信号(例えば、RLU、RFU)を使用して装置に挿入された個々の試験ストリップに固有のカットオフ値を決定するアルゴリズムによりアナライザをプログラムすることで達成され、試験結果は、かかるカットオフ値に対して(1以上の)試験ラインからの信号が比較されることで決定される。当業者であれば理解されるように、試験ストリップ上の対照ライン、試験ラインまたは基準ラインからの信号はインキュベーション時間、つまり、ストリップ上に試料を置いてから試験結果を決定するためにラインを目視確認するまでの経過時間に強く依存する。この依存性が図15に示され、同図は、試料中にさまざまな濃度(単位:mlU/mL)で存在するhCGを検出するためのイムノアッセイ試験ストリップ上の試験ラインからの相対蛍光単位(RFU)を示す。2.5、5、10、15、20および25mlU/mLの濃度の試料が試験ストリップ上に置かれ、これらの試験ストリップが2分間(ひし形)、4分間(三角)または6分間(四角)インキュベートされた。インキュベーション時間の後、試験ラインからのRFUを装置で読み取った。いずれの濃度レベルにおいても、インキュベーション時間が増加するとRFUも増加することがデータから明らかである。このデータは、試験ストリップの過剰インキュベーションと偽陽性の問題を表している。例えば、陽性結果のための最小RFUを表す固定カットオフ値を7000RFU(図15において点線で示す)としてプログラムされた装置では、インキュベーション時間が少なくとも6分である場合にのみ、濃度10mlU/mLの試料に対して妥当な結果をもたらす。7000RFUの固定カットオフ値でプログラムされた装置では、インキュベーション時間が6分未満である10mlU/mLの試料に対しては偽陰性を報告することになる。
[0108] 本発明のシステムは、試験ストリップの個別のカットオフ値を決定するために装置が使用する基準ラインを試験ストリップ上に設けることで、この問題を解決する。このアプローチでは、基準ラインから放出される信号(RFU、RLU)が装置により検出され、数学的に変換されてカットオフ値が決定される。この変換カットオフ値は、特定の試験ストリップに合わせて個別化された値を表し、試験ストリップがインキュベーション時間の影響を受けないようにする。このことが図16Aに示されたデータから分かる。実施例1において詳細に記載されるが、この調査では、さまざまなhCG濃度の尿試料が試験ストリップ上に置かれ、2分から10分の間の時間インキュベートされた。インキュベーション時間が終了すると、基準ラインおよび試験ラインからの信号が検出された。基準ラインからの信号は、指数を用いて数学的に変換され、変換カットオフ値が決定された。いくつかの実施形態においては、指数変換された信号は、試験ストリップの製造ロットごとに経験的に決定された定数値によりさらに調整された。実施例1は、独自に異なる抗体で覆われたマイクロ粒子−抗体接合体の2つの個体群が調製された例示的実施形態であることが理解されるだろう。アッセイによっては、試験ストリップ上へのスポッティングと接合体ビーズへの結合の両方に同じ抗体を使用できることが当業者には理解されるだろう。
[0109] 試験ラインに捕捉された粒子群の全部または一部から検出された信号は、変換カットオフ値と比較され、試験ラインからの信号が変換カットオフ値より大きい場合、装置は陽性の試験結果を報告し、試験ラインからの信号が変換カットオフ値より小さい場合、装置は陰性結果を報告した。図16Aにそのデータが示され、同図において、各個別の試験ストリップにおける変換カットオフ値に対する信号の値が、試料中のhCG濃度の関数として、2分(ひし形)、6分(四角)および10分(三角)のインキュベーション時間について示されている。このデータは、2分間または10分間インキュベートされた試験ストリップが同じ変換カットオフ値に対する信号の比をもたらし、したがって、2〜10分間のインキュベーション時間とは無関係に一貫した試験結果をもたらしているため、インキュベーション時間がもはや試験結果に対する変数となっていないことを示している。図16Bは、7つの異なる製造ロットで製造された試験ストリップについて収集されたデータを示し、試験ストリップが1〜15分またはそれ以上(例えば、1〜25分)の期間にわたってインキュベーション時間の影響を受けないようにするための機構を提供する上での基準ラインの一貫性を示している。
[0110] 図16A〜16Bのデータを参照した当業者であれば、基準ラインと、この基準ラインからの信号の数学的変換により注目する分析物の存在(または非存在)を決定するというアプローチの利点および新規性が理解されるだろう。試験ラインおよび基準ラインの信号はアッセイがインキュベートされた時間の長さに比例し、試験ストリップの個別のカットオフ値を決定するアルゴリズムでアナライザをプログラムすることにより、信号のインキュベーション時間に対する依存が取り除かれる。このアプローチは、インキュベーション時間が試験結果の正確性のために必要な時間よりも短いまたは長い場合に直面する問題を解決する。例えば、試料のアプライとアナライザによる試験ラインの読み取りの間の時間が長すぎると、結果として生じる信号が高すぎて正確な結果をもたらすことができない可能性がある。また、試験ラインの読み取り時間が早すぎると(インキュベーション不足)、アナライザが陽性と読み取るために十分な信号を生成するには不十分なインキュベーション時間であるため偽陰性という結果になる可能性がある。試験ラインが所定のインキュベーション時間以後に読み取られると(試験ストリップが過剰にインキュベートされると)、試験ラインでの信号蓄積のために余分な時間が許されること、および、アナライザに事前にプログラムされたカットオフ値に近いがそれより低い信号により、偽陽性という結果になる可能性がある。本明細書に記載される基準ラインおよびアナライザのアルゴリズムはこれらの問題を解決する。
[0111] 試験ストリップ上のライン(分析物特異的ライン、基準ラインおよび任意の対照ライン)間の公差は精密であるため、光学モジュールはこれらのラインの中間領域の真上を照明する。いくつかの実施形態において、基準ラインは試験ストリップ上の他のラインより幅が広く、その基準点を検索するためにより大きなターゲットを光学モジュールに与える。各ラインの間でベースラインを決定できるようにピーク発光の重なりを避けるため、これらのラインは一定の最小間隔を必要とすることが理解されるだろう。再び図14B〜14Cを参照すると、試験デバイスのウインドウの断面が示され、試験ウインドウ536の壁548の角度により影550がもたらされている。この影により、実際のウインドウ長が有効ウインドウ長へと減少する。図14Cから分かるように、基準ライン538は一定の幅wrefを有し、この幅は、一実施形態において、分析物特異的な試験ラインの幅wtestより大きい。基準ラインは、試験ストリップ上の流体の流れる方向に対する上流側縁部552および下流側縁部554を有する。基準ラインの下流側縁部554と有効ウインドウ長の下流端556により、手順対照ゾーン555が画定される。一実施形態において、手順対照ゾーン555の幅寸法は、基準ラインより上流のライン間の幅より小さい。例えば、図14Cに示される実施形態において、試験ライン544は下流側縁部558を有し、試験ライン546は上流側縁部560を有する。縁部558と560の間の距離が、基準ラインより上流のライン間の幅wl1→l2を画定し、一実施形態において、この幅wl1→l2は、手順対照ゾーンの幅より大きい。試験ストリップのニトロセルロース領域における2本のライン間の間隔wl1→l2は、放射率信号が発生しない暗空間が2本の隣接するライン間に存在するように、LEDからの光線の形状と連動して決定される。これにより、順次隣接する試験ラインからの各ピーク発光の間でベースラインが確実に検出されるようになる。
[0112] 装置内の光学系は、紫外線発光ダイオード(UV−LED)により試験ストリップを照明し、結果として生じる信号(例えば、ユーロピウム蛍光発光)を、光ダイオードを使って収集、処理および変換し、アナログ−デジタルコンバータにより使用可能な分析データへ変換される電子信号を得るように機能する機械的、電子的および光学的コンポーネントの集まりである。LEDは、(一実施形態においては365nmの紫外線である)光を放出する半導体デバイスであり、測定手順の間、LEDは、試験ウインドウにより画定される光路に沿った光学系の各漸進的ステップにおいてパルス状にオンオフされる。結果として生じる(蛍光または反射)発光は、照明パルスの間、および、パルスとパルスの間、光ダイオードにより集められる。未処理の信号は、LEDがオンされている場合の信号からバックグラウンド信号(LEDがオフされている)を差し引くことにより操作される。光学モジュールが、複数のラインが配置されたニトロセルロース領域の長さ方向に沿った複数の漸進的位置のうちの1つに位置付けられている際に、光学系は、(基準、試験および対照)ラインのそれぞれからRFUで表される信号データを収集する。一実施形態において、各漸進的ステップにおける光学モジュールの停止時間は、およそ2000〜8000マイクロ秒であり、より一般的には、3000〜4500マイクロ秒の間である。各ステップでの停止時間は、アッセイの感度を操作するために変更可能であり、各ステップでの停止時間を長くすると感度が上昇し、停止時間を短くすると全体の試験時間を短縮できることが理解されるだろう。
[0113] ウインドウ内の各ラインのスキャン終了時、収集されたデータは、LEDがオンされている(365nm)位置での試験ストリップからの発光信号と、その位置でLEDがオフされた際の試験ストリップからの発光信号とからなる。各位置でのこれらの値の差分が求められ、これが、LEDがオンの場合とオフの場合とにおける各位置での放射率差分の1次元アレイとしてメモリに保存される。データ処理アルゴリズムは、等間隔に並んだ一連の差分放射率値に対する(次数kの)局所多項式回帰(例えば、Savitzky−Golay法)を使用して、このデータアレイを平滑化し、各地点の平滑値を決定する。一実施形態において、このアルゴリズムはアレイ内の13の地点で平滑化を行い、平滑データアレイの一次導関数を求め、導関数ピーク高さのピーク/谷を生のカットオフ値として決定する。この生のカットオフ値は、好ましくは指数変換を使用して変換され(例えば、生の信号カットオフ値を1.2〜1.9の範囲の指数で累乗して)、試験ストリップに固有の変換カットオフ値がもたらされる。信号対変換カットオフの比率は、試験ラインで得られたRFU単位の信号をその変換カットオフで単に割った比率に相当する。集められた信号データは、不要な電子ノイズを低減する加重平均平滑化法を使用するSavitzky−Golay平滑化アルゴリズムを使って処理される一方、実際の試験信号も保存され、これには、実際の大きさにほとんど影響しない最大値、最小値およびピーク幅が含まれる。
[0114] 図17A〜17Cは、インフルエンザAおよびインフルエンザBを検出するための試験デバイスの光学的スキャンから得られる例示的なデータセットを示すグラフである。試験ストリップのスキャンが終了すると、LEDがオンされた照明測定中に検出された信号(s(i)illum)と、LEDがオフされた暗測定中に検出された信号(s(i)dark)との差分を取ることで、各漸進的位置における信号差分を求める。各位置iにおける「暗補正信号」s(i)DCは、
sDC=sillum−sdark
により計算される。暗補正信号は、全てのiについて、以下の条件
sDC(i)>MinDarkCorrCounts
を調べることで一貫性がチェックされる。上記において、MinDarkCorrCountsは暗補正信号の最小許容値に相当する。信号指標(i)から位置x(mm)への変換は、
(i)=xstart+Δx・i
(x)=roundtonearest(x−xstart)/Δx
により行われ、上記において、xstartはスキャンのスタート位置であり、xは信号の2つのサンプル間の距離(mm)である。
[0115] 信号の調整は、この信号を平滑化し、一次導関数を計算することにより行われる。平滑化信号と、この平滑化信号の導関数の両方が、ピーク分析の入力パラメータとして使用される。スキャンにおける第1のラインは基準ラインに相当するが、これは試験ストリップ上の他のラインのための位置基準ラインである。基準ラインは、典型的には、他のラインより広い検索範囲を有し、より大きな公差を与えている。この位置制御に基づき、データセット中の他のピークの予測位置(x)が分かる。アルゴリズムは、(1以上の)分析物特異的試験ラインと(ある場合は)対照ラインに相当するピークの導関数に対して極性チェックを行い、ピークが最大であって最小ではないかどうか決定する。図17Bから分かるように、正のピーク(最大値)の導関数は最大値、ゼロ交差および最小値をもつ。極性チェックでは、導関数の2つの点、すなわち、(予測される)ピーク中心の(予測される)左半分のピーク幅に位置する点と、中心に対して右半分のピーク幅にある点とを考慮する。これらの点を直線で結ぶと、この直線は負の傾きをもっていなければならない。基準ラインに関する位置公差は高いので、基準ラインの極性チェックは通常行われない。ピーク検出の次のステップは導関数における最大値および最小値を検索することであり、これは図17Bに示される。それにより、図17Cに示されるようにピーク高さを計算することができる。アルゴリズムは、変換カットオフ値に対するピーク高さを計算し、ピーク高さが、試験ストリップ上の基準ラインに基づき決定された、試験ストリップの個別化された変換カットオフ値より大きければ、分析物は存在し、陽性結果が報告される。
[0116] いくつかの実施形態において、試験ストリップは、任意の特徴として陰性対照ラインも含むことができる。この陰性対照ラインは、正常マウスの免疫グロブリン(IgG)で構成され、2つの機能を提供する。陰性対照ラインは、マイクロ粒子−抗体接合体の非特異的結合レベルの測定を可能にし、それにより、(1以上の)試験ライン上で生じる非特異的結合のレベルを概算する。また、陰性対照ラインは、十分なインキュベーション時間と試料流れを示すインジケータとしても機能する。例えば、陰性対照ラインのRFU信号が特定の最大値を超える場合、十分な流れが生じておらずアッセイは無効と解釈される。
[0117] 陰性対照ラインが存在する場合、陰性対照閾値は、各試験デバイスのバーコード情報に設けることができる。陰性対照閾値は、カットオフの計算に影響を及ぼす試験ストリップのロット固有のRFU(またはRLU)値である。例えば、陰性対照のRFUが陰性対照閾値を超えると、カットオフの計算は、固定カットオフ値675RFUから、各試験ストリップ上で検索された陰性対照値のRFUにロット固有の補正係数を乗算することに基づくカットオフへと変更される。別の実施形態においては、各試験デバイスに対して二重陽性閾値が設けられ、この閾値は、抗原A(例えば、インフルエンザA)に関するRFU信号と抗原B(例えば、インフルエンザB)に関するRFU信号がともにそれぞれのカットオフ値を上回っている場合、すなわち、二重の陽性結果が得られる場合に、試料に関する臨床転帰を決定するために使用されるRFUレベルに相当する。抗原AおよびBに関するカットオフ値が決定された後、抗原AおよびBの試験ライン信号のRFU値がこの二重陽性閾値と比較される。この比較結果に応じて、陽性または陰性の試験結果を計算するために特別のアルゴリズムが起動されてもよい。
[0118] まとめると、本明細書に記載される装置および試験デバイスは、独特な相互作用により感度の高い特有のシステムを提供するいくつかの特徴部分を含んでいる。一実施形態において、試験デバイスは、蛍光性物質のような標識または検出可能部分を有し、注目する分析物に対する特異的結合親和性を有する抗体で覆われた粒子またはマイクロビーズを備える標識パッドを含む。試験デバイスは、試験ストリップ上の最終分析物特異的試験ラインの後に位置する手順対照ゾーン(PCZ)を含む。この手順対照ゾーンは最終分析物試験ラインと吸収パッドとの間に位置する領域である。アナライザは、試験デバイスの下流端に位置付けられたこのゾーンをスキャンし、十分な量の試料流れが生じているかどうかを決定する。この手順対照ゾーンに関する最小および最大蛍光信号の仕様は、アッセイに組み込まれたフェールセーフ機能の1つである。蛍光アッセイカセットの試験ウインドウ内で、着色試験ラインまたは手順対照ラインが人間の目に見えることはない。装置は試験ストリップを自動的にスキャンし、放出される信号(例えば、蛍光発光データ)を収集かつ分析して、結果を計算し、これを報告する。これらの特徴は、人間の目で読み取られるラテラルフローアッセイにおける結果を解釈する際に求められる主観性を排除する。さらに、試験ストリップ上の標識パッドより下流であって、分析物特異的試験ラインの前に陰性対照ラインが置かれる。この陰性対照ラインは、別の手順対照として機能し、また、各アッセイのカットオフを計算するための情報源としても機能する。
[0119] 一実施形態において、アッセイの感度は、ユーロピウムのキレートで染色された独特なポリスチレンマイクロビーズを使用することに由来する。マイクロビーズ内部に閉じ込められたユーロピウム化合物(ビーズ当たり1×10より多い蛍光性分子)は、温度安定的で、室内照明における脱色に耐性があり、365nmのUVエネルギーから618nmの波長への極めて効率的な変換をもたらす。この大きいストークスシフトにより、試験材料および/または臨床試験体に存在し得る多くの天然由来の蛍光性化合物から保護される。
[0120] これまでの説明を参照すると、当業者には、手順対照ゾーンおよびタイマー機構を使用するという概念は蛍光信号を検出する装置に限られず、蛍光発光は検出可能信号全般の単なる例示であり、他の信号を提供および検出するために相互作用する装置および試験デバイスが考えられることが理解できるだろう。例えば、反射信号を検出する装置が考えられる。同様に、本明細書に記載される概念は、試料を受け入れ、当該試料から検出可能な方法で分析物を分離するように設計された試験デバイスに等しく適用可能であるので、試験デバイスは、ラテラルフローイムノアッセイに限定される必要はない。マイクロ流体デバイスやゲルといったデバイスがその例である。
B.アッセイおよび検出対象分析物
[0121] 本明細書に記載されるような装置と試験デバイスとで構成されるシステムは、何らかの注目する分析物の検出を目的とする。疾患または感染に関連する分析物が考えられ、生体分析物および環境分析物が含まれる。分析物としては、タンパク質、ハプテン、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、ポリヌクレオチド、ステロイド、リポタンパク質、医薬品、細菌抗原、ウィルス抗原が挙げられるがこれらに限定されない。当該分野においてはより一般的に感染性抗原と呼ばれる細菌およびウィルス抗原に関しては、注目する分析物として、ストレプトコッカス、インフルエンザA、インフルエンザB、呼吸器合胞体ウィルス(RSV)、A型、B型および/またはC型肝炎、肺炎球菌、ヒトメタニューモウィルス、およびその他の当業者に周知の感染性因子が挙げられるがこれらに限定されない。
[0122] 他の実施形態において、試験デバイスは、ライム病に関連する1つまたは複数の抗原の検出を目的とする。
[0123] 別の実施形態において、装置と相互作用するように設計された試験デバイスは、女性の健康に関する分野で使用することを目的とする。例えば、胎児性フィブロネクチン、クラミジア、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、高グリコシル化絨毛性ゴナドトロピン、ヒトパピローマウィルス(HPV)等のうちの1つまたは複数を検出するための試験デバイスが考えられる。
[0124] 試験デバイスは、人間の体液からの生体試料を含む幅広い種類の試料を受け入れることが意図され、例えば、鼻分泌物、鼻咽頭分泌物、唾液、粘液、尿、膣分泌物、糞便試料、血液等が含まれるがこれらに限定されない。
[0125] 一実施形態において、試験デバイスは陽性対照スワブまたは陽性対照試料を備える。別の実施形態においては、陰性対照スワブまたは陰性対照試料が設けられる。外部の陽性および/または陰性対照を必要とするアッセイについては、陽性対照試料または陰性対照試料を付着させた試験デバイスを装置に挿入することをユーザに要求するよう、装置がプログラムされる。本試験デバイスを備えたキットは、該試験デバイスと連動して使用されるあらゆる試薬、チューブ、ピペット、スワブをさらに含むことができる。
IV.実施例
[0126] 以下の実施例は、本質的に例示のためのものであり、いかなる意味においても限定を意図していない。
実施例1:ヒト絨毛性ゴナドトロピンの検出
[0127] 試験ストリップとハウジングとで構成されるラテラルフロー試験デバイスを準備した。試験ストリップは、ニトロセルロースストリップと流体連結するガラス繊維マトリックスで構成される試料パッドを有し、その一方または両方が支持膜上に支持されるように作製された。
[0128] 標準NHS/カルボキシル化学構造により、ユーロピウムキレート(β−ジケトン)を組み込んだポリスチレンビーズの表面に特定のモノクローナル抗体を共有結合させて蛍光マイクロ粒子−抗体接合体を作成した。このマイクロ粒子−抗体接合体をガラス繊維マトリックス上に付着させて標識パッドを作成した。標識パッドは、試料パッドの下流方向に隣接するように位置付けられた。独自に異なる抗体で覆われたマイクロ粒子−抗体接合体の2つの個体群が調製された。一方の粒子群は、hCGのベータサブユニットに対するモノクローナル抗体で覆われた粒子で構成され、第2の検出可能粒子群は、ウサギIgGに特異的なヤギ抗ウサギIgG抗体で覆われた検出可能粒子で構成された。試験ストリップの標識パッドに、この第1および第2の粒子群を付着させた。
[0129] 第1の粒子群の粒子上の抗体との結合とは異なる位置で試験分析物であるhCGに特異的に結合する結合部材を試験ストリップ上に付着させることにより、第1の粒子群の全部または一部を捕捉するための試験ラインが調製された。また、非ヒトまたはマウスIgGに対する特異的結合を有する結合部材を試験ラインより下流のニトロセルロース上に付着させることにより、基準ラインが調製された。
[0130] ニトロセルロースストリップから流体を吸引するための芯として機能し、それにより試験ストリップ全体に十分な量の試料が確実に流れるようにすることを助ける、高吸収性材料で構成される吸収パッドが、試験ストリップ上の、標識パッドならびに検出ゾーン(ニトロセルロース領域とも呼ぶ)内の試験ラインおよび基準ラインより下流に位置付けられた。
[0131] 試験ストリップは、取扱いを容易にするため、ハウジング内に固定された。ハウジングの外側上面には、例えば、目的とする検出対象分析物(hCG)、デバイス固有の識別番号および有効期限を含む、試験ストリップに関する情報を含むバーコードラベルが設けられた。
[0132] 既知量のhCGを添加した尿試料をハウジングの試料投入口から試料パッド上に分配した。試験ストリップが装置に挿入され、内部バーコードスキャナが試験デバイスのバーコードラベル上の情報を読み取ることにより、アッセイタイプ、デバイスのロット番号、試験デバイスのシリアル番号および試験デバイスの有効期限が決定された。マイクロプロセッサにより、このアッセイタイプに対して実行すべき正しいプログラムがメモリ内にロードされた。
[0133] 装置にプログラムされた、hCG検出のために試験ストリップを読み取る前に待機すべき時間が経過した後、装置は、その測定シーケンスを開始して試験デバイスのスキャンを行った。マイクロプロセッサにより制御された装置内の光学ユニットにより、試験ストリップ上の検出ゾーン/ニトロセルロース領域の長さにほぼ相当する表示ウインドウの長さの漸進的、段階的スキャンが行われた。ニトロセルロースストリップ上のラインが、もっとも下流のラインである基準ラインから順次読み取られた。光学モジュールは、静止状態の試験デバイスに対して、分析物特異的試験ラインに向かって上流方向に移動した。各漸進的ステップにおいて、UV−LEDからの365nmのピーク発光を有するUV光が瞬間的にオンされ、その後オフされた。UV光がユーロピウム蛍光体を励起し、励起されたユーロピウム蛍光体は618nmの波長の光を放出した。
[0134] 装置は、試験デバイス上の試験ウインドウの光学的スキャンを完了し、蛍光発光データを収集すると、アッセイ結果の客観的解釈を行った。基準ラインから放出された信号は、指数値1.4で変換されて変換カットオフ値が与えられた。試験ラインからの信号をこの変換カットオフ値と比較して、試料中のhCGの存在が判定された。結果を図16A〜16Bに示す。
[0135] 以上、多数の例示的態様および実施形態について論じてきたが、当業者には、これらの態様および実施形態の変形、置換、追加および部分的組み合わせが認識されるだろう。したがって、そのような変形、置換、追加および部分的組み合わせの全てが、以下に添付の請求の範囲および今後導入される請求の範囲の真の精神および範囲内にあるものとしてかかる請求の範囲に含まれると解釈されることが意図される。

Claims (21)

  1. 試料中の分析物を検出するための第1の検出可能粒子群と、非試験分析物に対する特異的結合のための第1の検出可能粒子群とを備える試験デバイスと、
    前記試験デバイスを受入れ可能なアナライザであって、前記第1および第2の粒子群の各群が試験デバイス上の特定位置に到達した場合に各群から生成される信号を検出するための光学システムを備えるアナライザと、を備えるシステムであって、
    前記第2の粒子群の全部または一部から検出された信号を使用して、前記第1の粒子群の全部または一部からの信号が前記試料中の分析物の存在を示しているかどうかを前記アナライザが決定し、かつ、前記第1の粒子群の全部または一部からの信号のアナライザによる検出が3〜10分の期間にわたってインキュベーション時間の影響を受けないようにするためのカットオフ値が決定されるか、あるいは、
    前記第2の粒子群の全部または一部からの検出された信号の、前記第1の粒子群の全部または一部から検出された信号に対する比により、前記試料中の分析物の存在または非存在を前記アナライザが決定するためのカットオフ値が決定される、システム。
  2. 前記第2の検出可能粒子群は、特定の非試験分析物に対する特異的結合を有する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第1の検出可能粒子群は、特定の試験分析物に対する特異的結合を有する、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記第1の粒子群の全部または一部からの前記信号は、前記アナライザ内のアルゴリズムによって操作されて前記試料中に存在する定量的または半定量的な分析物量を提供する、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記第2の検出可能粒子群からの信号は、前記アナライザ内のアルゴリズムによって数学的に変換され、変換された信号を提供する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記第2の検出可能粒子群からの前記信号は、指数変換を用いて数学的に変換される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記指数変換は、1.3〜1.8の間の指数値から選択される、請求項6に記載のシステム。
  8. 変換された信号に分析物固有の定数値を乗じることにより、変換カットオフ値が与えられる、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記定数値は、分析物の特定の製造ロットごとに決められる、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記試験デバイスは、ラテラルフローイムノアッセイである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記第1および第2の検出可能粒子群の一方または両方は、蛍光ランタニド化合物で構成される粒子で構成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記蛍光ランタニド化合物はユーロピウムである、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記粒子は、ポリスチレンの外面を備えるユーロピウムのコアで構成される、請求項12に記載のシステム。
  14. 試料中の分析物の存在または非存在を決定する方法であって、
    試料中の分析物を検出するための第1の検出可能粒子群と、非試験分析物に対する特異的結合のための第2の検出可能粒子群を備える試験デバイス上に試料を付着させることと、
    前記試験デバイスを受入れ可能であって、前記第1および第2の粒子群の各群が試験デバイス上の特定位置に到達した際に各群から生成される信号を検出するための光学システムを備えるアナライザに、前記試験デバイスを挿入することと、
    前記第2の粒子群の全部または一部からの信号の強度を検出することと、
    前記アナライザ内のアルゴリズムにおいて前記第1の粒子群の全部または一部からの信号が前記試料中の分析物の存在又は非存在に相当するかどうかを決定するために用いられるカットオフ値を計算、決定することと、
    前記計算による結果を報告することと、を含む方法。
  15. 注目する前記分析物はタンパク質である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記タンパク質はヒト絨毛性ゴナドトロピンである、請求項15に記載の方法。
  17. 注目する前記分析物は感染性分析物である、請求項14に記載の方法。
  18. 前記感染性分析物はウィルスまたは細菌である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記感染性分析物はインフルエンザAまたはインフルエンザBである、請求項18に記載の方法。
  20. 計算することは、前記第2の粒子群の全部または一部からの前記信号の指数演算により変換カットオフ値計算することと、該変換カットオフ値を前記第1の粒子群の全部または一部からの信号で比較することと、を含む、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記指数演算における指数は1.2〜1.8の間である、請求項20に記載の方法。
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