JP2015508664A - カラムでの酵素的切断 - Google Patents

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Abstract

本明細書において、そのN末端またはC末端に金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグおよびプロテアーゼ切断部位を含むプロ−ポリペプチドから固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーによってポリペプチドを得るための方法が報告され、前記方法は、結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションし、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を尿素溶液を用いて少なくとも1回洗浄することによって、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから前記ポリペプチドを回収する工程を含む。

Description

本発明は、カラムでの切断による金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグの酵素的除去と組み合わせた、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーを使用した、ポリペプチドの精製およびポリペプチドの産生の分野に存する。従って、本明細書において、プロテアーゼを使用した金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグを含むポリペプチドのカラムでの切断のための方法を報告する。
発明の背景
タンパク質は今日の医学ポートフォリオに重要な役割を果たしている。組換えポリペプチドの産生のための発現系は当技術分野の最新技術において周知である。薬学的適用に使用するためのポリペプチドは、主に、原核細胞、例えばE.coli、および哺乳動物細胞、例えばCHO細胞、NS0細胞、Sp2/0細胞、COS細胞、HEK細胞、BHK細胞、PER.C6(登録商標)細胞などで産生される。
ヒトへの適用のために、あらゆる薬学的物質が個別に異なる基準を満たさなければならない。ヒトへの生物学的製剤の安全性を確実にするために、例えば、深刻な害を引き起こすであろう核酸、ウイルスおよび宿主細胞のタンパク質は除去されなければならない。規制の仕様書に沿うために、1回以上の精製工程を、製造プロセス後に行わなければならない。とりわけ、純度、処理量、および収率は、適切な精製プロセスを決定する際に重要な役割を果たしている。
タンパク質の精製のための種々の方法が十分に確立されそして広く使用されており、例えば微生物タンパク質を用いてのアフィニティクロマトグラフィー(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティクロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば陽イオン交換クロマトグラフィー(スルホプロピルまたはカルボキシメチルレジン)、陰イオン交換クロマトグラフィー(アミノエチルレジン)および混合型イオン交換クロマトグラフィー、チオール基吸着クロマトグラフィー(例えばチオエーテルリガンドを用いて)、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたは芳香族吸着クロマトグラフィー(例えば、フェニル−セファロース、アザ−アレノフィリック(aza-arenophilic)レジン、またはm−アミノフェニルホウ酸)を用いて)、金属イオンキレートアフィニティクロマトグラフィー(例えばNi(II)およびCu(II)に親和性の材料を用いて)、サイズ排除クロマトグラフィー、および電気泳動法(例えばゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法)がある(例えばVijayalakshmi, M.A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102参照)。
発明の要約
金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグ(アフィニティタグ)およびプロテアーゼ切断部位を含むプロ−ポリペプチドは、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC)に基づいた方法を使用することによって精製および酵素的に切断することができることが判明した。より正確には、次のプロセス工程の実施を可能とするために、すなわち、切断されたポリペプチドを、次の大規模な下流(例えば精製)のプロセス工程の実施を可能とする濃度および純度で回収することができるようにするために、IMACカラムに結合したプロ−ポリペプチドを、尿素を含む溶液と少なくとも1回接触させる、例えばそれを用いて洗浄しなければならないことが判明した。
本明細書において報告された1つの局面は、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラム上でのプロテアーゼ切断部位のカラムでの酵素的切断によって、プロ−ポリペプチド(前記プロ−ポリペプチドは、そのN末端またはC末端に、金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグ、およびタグとポリペプチドとの間に位置するプロテアーゼ切断部位を含む)からポリペプチドを産生するための方法であって、以下の工程(以下の順序で):
− 金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したプロ−ポリペプチドを変性させる工程、
− 金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したプロ−ポリペプチドを再生する工程、および
− 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションし、それにより前記ポリペプチドを産生する工程
を含む。
1つの態様において、変性は、結合したプロ−ポリペプチドを、変性剤を含む溶液と接触させることによる。1つの態様において、プロ−ポリペプチドの再生は、変性したプロ−ポリペプチドを、変性剤を含まない溶液と接触させることによる。
本明細書において報告された1つの局面は、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラム上でのプロテアーゼ切断部位のカラムでの酵素的切断によって、プロ−ポリペプチド(前記プロ−ポリペプチドは、そのN末端またはC末端に、金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグ、およびタグとポリペプチドとの間に位置するプロテアーゼ切断部位を含む)からポリペプチドを産生するための方法であって、以下の工程:
− 結合したプロ−ポリペプチドを、変性剤を含む溶液と接触させる工程、
− 場合により、前の工程で使用した変性剤を含む溶液が尿素もしくは尿素誘導体を含まないならば、結合したプロ−ポリペプチドを、尿素もしくは尿素誘導体を含む溶液と接触させるか、または、前の工程で使用した変性剤を含む溶液が尿素もしくは尿素誘導体と変性剤との混合物を含むならば、結合したプロ−ポリペプチドを、尿素もしくは尿素誘導体を含む溶液と接触させる工程、
− 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションし、それによりポリペプチドを産生することによって、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから前記ポリペプチドを回収する工程
を含む。
1つの態様において、前記方法は、プロテアーゼとインキュベーションする直前に、変性剤を含まない溶液を用いての洗浄工程を含む。
1つの態様において、前記の金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグは、ポリペプチドのN末端にある。
1つの態様において、前記ポリペプチドは、回収工程前に再生される。1つの態様において、前記ポリペプチドは天然形で回収される。
1つの態様において、前記ポリペプチドは変性形で回収される。
1つの態様において、尿素または尿素誘導体は、約0.5M〜約8Mの濃度を有する。1つの態様において、尿素または尿素誘導体は、約2M〜約8Mの濃度を有する。1つの態様において、尿素または尿素誘導体は、約4Mの濃度を有する。
1つの態様において、変性剤は、塩化グアニジニウム、尿素、チオ尿素、およびテトラメチル尿素から選択される。1つの態様において、変性剤は塩化グアニジニウムである。
1つの態様において、変性剤は、約0.5M〜約6Mの濃度を有する。1つの態様において、変性剤は、約1.5M〜約3Mの濃度を有する。1つの態様において、変性剤は、約2Mの濃度を有する。
1つの態様において、変性剤は塩化グアニジニウムであり、そして約0.5M〜約6Mの濃度を有する。1つの態様において、濃度は約1.5M〜約3Mである。1つの態様において、濃度は約2Mである。
1つの態様において、プロ−ポリペプチドは、天然形または変性形で、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用される。
1つの態様において、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料は、固定化亜鉛アフィニティクロマトグラフィー材料である。
1つの態様において、プロテアーゼはIgAプロテアーゼ、トリプシン、またはグランザイムBから選択される。1つの態様において、プロテアーゼはIgAプロテアーゼである。
1つの態様において、変性剤を含まない溶液は、約0.01M〜約2Mの緩衝剤を含む。1つの態様において、変性剤を含まない溶液は、約0.5M〜約1.5Mの緩衝剤を含む。1つの態様において、変性剤を含まない溶液は、約1M〜約1.2Mの緩衝剤を含む。
1つの態様において、変性剤を含まない溶液は、約pH8のpH値で約0.5M〜約1.5Mのトリスを含む。1つの態様において、変性剤を含まない溶液は、約pH8のpH値で約1M〜約1.2Mのトリスを含む。
1つの態様において、前記ポリペプチドは、非グリコシル化ポリペプチドである。
1つの態様において、前記ポリペプチドは、ヒトアポリポタンパク質A−I、またはアポリポタンパク質A−Iを含む融合ポリペプチドである。1つの態様において、前記ポリペプチドは、テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチドである。1つの態様において、前記ポリペプチドは、配列番号01〜配列番号03から選択されたアミノ酸配列を有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチドである。
1つの態様において、前記ポリペプチドは、ヒトインシュリン様成長因子1(IGF−1)、またはインシュリン様成長因子1(IGF−1)を含む融合ポリペプチドである。1つの態様において、前記ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を有するインシュリン様成長因子1(IGF−1)ポリペプチドである。
本明細書において報告された1つの局面は、以下の工程を含むポリペプチドを産生するための方法である:
− 前記ポリペプチドをコードする核酸を含む原核細胞または真核細胞の培養の培養培地から得られたポリペプチドを、本明細書において報告された固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法を用いて精製し、それにより前記ポリペプチドを産生する工程。
1つの態様において、前記方法は、以下の工程の1つ以上を含む:
− 前記ポリペプチドをコードする核酸を含む原核細胞または真核細胞を培養する工程、および/または
− 細胞および/または培養培地から前記ポリペプチドを回収する工程、および/または
− 前記ポリペプチドが封入体の形態で回収された場合、前記ポリペプチドを可溶化および/またはリフォールディングする工程、および/または
− 前記ポリペプチドを、本明細書において報告された固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法を用いて精製し、それにより前記ポリペプチドを産生する工程。
1つの態様において、原核細胞は、E.coli細胞、または桿菌細胞、または酵母細胞である。
1つの態様において、真核細胞は、CHO細胞、またはBHK細胞、またはHEK細胞、またはNS0細胞、またはSp2/0細胞である。
発明の詳細な説明
本明細書において、プロテアーゼによるプロ−ポリペプチドのカラムでの切断により、プロ−ポリペプチドからポリペプチドを得るための固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法を報告し、前記方法は、1つの態様において、変性条件下、例えば塩化グアニジニウム含有溶液などの変性剤を用いての第1の洗浄工程、および尿素または尿素誘導体を含む溶液を用いての第2の洗浄工程を含む。特に、本明細書において報告された方法によって得られたポリペプチドは、天然形でカラムから回収することができる。
i)前記ポリペプチドは1mg/mlを超える濃度で得られ、そしてii)結合したプロ−ポリペプチドが、酵素的切断前に、尿素または尿素誘導体を含む溶液で洗浄されているならば、IMACに結合したプロ−ポリペプチドを洗浄するために使用された塩化グアニジニウムは除去されているので、前記ポリペプチドは、さらなるクロマトグラフィー工程においてさらに加工され得る形態でカラムから回収することができることが判明した。
「適用する」という用語およびその文法上の同義語は、精製しようとする対象の物質を含む溶液を固定相と接触させる、精製法の中の一部の工程を示す。これは、a)前記溶液を、固定相が配置されたクロマトグラフィー装置に加えるか、またはb)固定相を、対象の物質を含む溶液に加えることを示す。a)の場合、精製しようとする対象の物質を含む溶液は、固定相を通過し、これにより固定相と溶液中の物質との間での相互作用が可能となる。例えばpH、伝導性、塩濃度、温度および/または流速などの条件に依存して、溶液のいくつかの物質は固定相に結合し、従って、前記溶液から除去される。他の物質は溶液中に残存する。溶液中に残存している物質は、通過画分に見出すことができる。「通過画分」は、その起源に関係なく、クロマトグラフィー装置の通過後に得られた溶液を示す。それは、対象の物質を含む適用された溶液、またはカラムを流すために使用されるもしくは固定相に結合した1つ以上の物質の溶出を引き起こすために使用される緩衝液のいずれかであり得る。1つの態様において、クロマトグラフィー装置はカラムまたはカセットである。対象の物質は、例えば沈降、塩析、限外濾過、ダイアフィルトレーション、凍結乾燥、アフィニティクロマトグラフィー、または溶媒の容量の低減などの当業者によく知られた方法によって精製工程後に溶液から回収して、精製された形態またはさらには実質的に均一な形態の対象の物質を得ることができる。b)の場合、固定相を、例えば固体として、精製しようとする対象の物質を含む溶液に加え、これにより固定相と溶液中の物質との間の相互作用が可能となる。相互作用の後、固定相を、例えば濾過によって取り出し、そして対象の物質は、固定相に結合しそしてそれと共に溶液から除去されているか、または対象の物質は、固定相に結合しておらず、そして溶液中に残存している。
「緩衝化」または「緩衝剤を含む」という用語は、酸性または塩基性物質の添加または除去に因るpHの変化が緩衝物質によって同等となっている溶液を示す。このような効果をもたらすあらゆる緩衝物質または緩衝剤を使用することができる。1つの態様において、緩衝物質は、リン酸もしくはその塩、酢酸もしくはその塩、クエン酸もしくはその塩、モルホリン、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸もしくはその塩、イミダゾールもしくはその塩、ヒスチジンもしくはその塩、グリシンもしくはその塩、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)もしくはその塩から選択される。1つの態様において、緩衝物質は、イミダゾールもしくはその塩、またはヒスチジンもしくはその塩から選択される。場合により、緩衝溶液はまた、追加の無機塩を含み得る。1つの態様において、無機塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸カリウムから選択される。
「ポリペプチド」は、天然的に産生されたものであれ合成で作製されたものであれ、ペプチド結合によって接続されたアミノ酸からなるポリマーである。約20個未満のアミノ酸残基のポリペプチドは「ペプチド」と称され得、一方、2つ以上のポリペプチドからなるまたは100個を超えるアミノ酸残基の1つのポリペプチドを含む分子は「タンパク質」と称され得る。ポリペプチドはまた、炭水化物基、金属イオン、またはカルボン酸エステルなどの非アミノ酸成分を含み得る。非アミノ酸成分は、前記ポリペプチドが発現される細胞によって添加され得、そしてそれは細胞の型によって変化し得る。ポリペプチドは本明細書において、そのアミノ酸骨格構造またはそれをコードする核酸に関連して定義される。炭水化物基などの付加は、一般的に明記されないが、それにも関わらず存在し得る。
「結合および溶出モード」という用語は、クロマトグラフィー精製法を実施するための様式を示す。本明細書において、精製しようとする対象のポリペプチドを含む溶液は固定相に、特に固相に適用され、これにより対象のポリペプチドは、固定相と相互作用し、そしてその上に保持される。対象ではない物質は、それぞれ、通過画分または上清と共に除去される。対象のポリペプチドは、溶出溶液の適用によって、第2工程で固定相から後で回収される。
「カラムでの切断」という用語は、クロマトグラフィー精製法を実施するための様式を示す。その方法では、精製しようとするポリペプチドは、タグ(これを用いてプロ−ポリペプチドはクロマトグラフィー材料に結合することができる)を含みそしてタグとポリペプチドとの間にプロテアーゼ切断部位を含むプロ−ポリペプチドとして結合し、そして、切断部位を認識してタグの切断を起こすことによりポリペプチドを遊離する、プロテアーゼと共にインキュベーションすることによって、クロマトグラフィー材料から回収される。前記ポリペプチドは溶液中に見出すことができるが、タグは、クロマトグラフィー材料に依然として結合している。
「封入体」という用語は、原核細胞の全細胞成分を含む、全細胞タンパク質のかなりの部分を構成する、対象のポリペプチドの高密度な細胞内凝集塊を示す。
「リフォールディングされた」または「再生された」という用語は、変性形から得られたポリペプチドを指す。典型的には、リフォールディングの目標は、リフォールディング工程を経ずに産生された場合にタンパク質が有するであろう活性よりも高いレベルの活性を有するタンパク質を産生することである。フォールディングされたタンパク質分子は、最も低い自由エネルギーを有するコンフォメーションにおいて最も安定である。大半の水溶性タンパク質は、大半の疎水性アミノ酸が、水から離れて、分子の内側部分に存在するようにフォールディングする。タンパク質を互いに保持する弱い結合は、ポリペプチドのアンフォールディングを引き起こす、すなわち変性させる多くの処理によって破壊することができる。フォールディングされたタンパク質は、アミノ酸それ自体とその環境との間のいくつかの種類の相互作用(イオン結合、ファンデルワールス相互作用、水素結合、ジスルフィド結合および共有結合を含む)の産物である。
本明細書において使用された「変性した(denatured)」または「変性した(denaturized)」という用語は、その天然状態またはリフォールディングされた状態の分子に存在しているイオン結合および共有結合およびファンデルワールス相互作用が破壊されたポリペプチドを指す。ポリペプチドの変性は、例えば、8Mの尿素または6Mの塩化グアニジニウム、還元剤(例えばメルカプトエタノール)、加熱、pH、温度、および他の化学物質を用いての処理によって達成することができる。8Mの尿素または6Mの塩化グアニジニウムなどの試薬は、水素結合および疎水性結合の両方を破壊し、そしてメルカプトエタノールも添加されれば、システイン間に形成されているジスルフィド橋(S−S)は2つの−S−H基へと還元される。その天然状態またはリフォールディングされた状態のジスルフィド結合を含むポリペプチドのリフォールディングはまた、タンパク質がジスルフィド結合を再形成するための、システイン残基上に存在する−S−H基の酸化を含み得る。「変性した」ポリペプチドは、二次、三次および/または四次構造が天然の構造ではないポリペプチドである。この非天然形のポリペプチドは可溶性であり得るが、同時に生物学的に不活性なコンフォメーションであり得る。またはポリペプチドは不溶性であり得、そして例えば不一致のまたは未形成のジスルフィド結合を含む生物学的に不活性なコンフォメーションであり得る。この不溶性ポリペプチドは、封入体に含まれていてもよいが、含まれている必要はない。
「変性形」という用語は、ポリペプチドがその生物学的活性を有する二次、三次および/または四次構造を有さないポリペプチドの形態を示す。
「天然形」という用語は、ポリペプチドがその生物学的活性を有する二次、三次および/または四次構造を有するポリペプチドの形態を示す。「再生した」ポリペプチドはその天然形である。
「変性剤を含まない」という用語は、変性剤(denaturant)または変性剤(denaturing agent)が、適用した(洗浄)溶液中に存在しないことを示す。これは、変性剤を含まない溶液と接触させたポリペプチドがその天然形で存在することを意味する。
本出願において使用された「アフィニティクロマトグラフィー」という用語は、「アフィニティクロマトグラフィー材料」を使用するクロマトグラフィー法を示す。アフィニティクロマトグラフィーにおいては、前記ポリペプチドは、静電気的相互作用の形成、クロマトグラフィー官能基との疎水性結合および/または水素結合の形成に依存して、その生物学的活性または化学構造に基づいて分離される。特異的に結合したポリペプチドをアフィニティクロマトグラフィー材料から回収するために、競合性リガンドを加えるか、またはクロマトグラフィー条件、例えば緩衝液のpH値、極性度もしくはイオン強度を変化させる。「アフィニティクロマトグラフィー材料」は、特定の種類のポリペプチドのみに結合するために異なる単一のクロマトグラフィー官能基が組み合わせられている、複雑なクロマトグラフィー官能基を含むクロマトグラフィー材料である。このクロマトグラフィー材料は、そのクロマトグラフィー官能基の特異性に依存して、特定の種類のポリペプチドに特異的に結合する。例示的な「アフィニティクロマトグラフィー材料」は、ヘキサヒスチジンタグを含む融合ポリペプチドまたは多数の表面に露出したヒスチジン、システインおよび/またはトリプトファン残基を有するポリペプチドの結合のための、Ni(II)−NTA(NTA=ニトリロ三酢酸)、Zn(II)−IDA(IDA=イミノ二酢酸)またはCu(II)−NTA含有材料などの「固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料」、あるいはプロテインAなどの「抗体結合クロマトグラフィー材料」、あるいは、酵素基質類似体、酵素補因子、または酵素阻害剤をクロマトグラフィー官能基として含むクロマトグラフィー材料などの「酵素結合クロマトグラフィー材料」、あるいは、多糖、細胞表面レセプター、糖タンパク質、またはインタクト細胞をクロマトグラフィー官能基として含むクロマトグラフィー材料などの「レクチン結合クロマトグラフィー材料」である。1つの態様において、アフィニティクロマトグラフィー材料はZn(II)−IDAである。
本出願において使用された「固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー」という用語は、「固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料」を使用するクロマトグラフィー法を示す。金属イオンアフィニティクロマトグラフィーは、クロマトグラフィー官能基としてのバルク材料に結合している金属イオン(例えばCu(II)、Ni(II)またはZn(II)など)と、表面に露出したポリペプチドのアミノ酸側鎖(特にイミダゾール含有側鎖およびチオール基含有側鎖)の電子供与基との間のキレートの形成に基づく。キレートは、側鎖が少なくとも部分的にプロトン化されてないpH値で形成される。結合したポリペプチドは、pH値の変化によって、すなわちプロトン化によってクロマトグラフィー材料から回収することができる。
例示的な「固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料」は、HiTrapキレーティングHP(GE Healthcare Europe GmbH, Germany)またはFractogel EMDキレート(Merck, Darmstadt, Germany)である。
ポリペプチドを精製するための方法は、十分に確立されそして広く使用されている。それらは、単独でまたは組み合わせて使用される。このような方法は、例えば、錯体形成した金属イオン(例えばNi(II)およびCu(II)に親和性の材料)を有するチオールリガンドまたは微生物由来タンパク質(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティクロマトグラフィー)を使用したアフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(例えば陽イオン交換(カルボキシメチルレジン)、陰イオン交換クロマトグラフィー(アミノエチルレジン)および混合型交換クロマトグラフィー、チオール基吸着クロマトグラフィー(例えばチオエーテルリガンドを用いて)、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたは芳香族吸着クロマトグラフィー(例えば、フェニル−セファロース、アザ−アレノフィリックレジン、またはm−アミノフェニルボロン酸)を用いて)、サイズ排除クロマトグラフィー、および分取電気泳動法(例えばゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法)である。
「酵素的切断部位」という用語は、プロテアーゼによって特異的に切断することのできるペプチド結合を介して互いに接続されたアミノ酸残基の配列を示す。1つの態様において、プロテアーゼ切断部位は、IgA−プロテアーゼ切断部位、またはグランザイムB切断部位、またはTevプロテアーゼ切断部位、またはプレシジョンプロテアーゼ切断部位、またはトロンビン切断部位、または第Xa因子切断部位、またはトリプシン切断部位、またはキモトリプシン切断部位、またはエンテロキナーゼ切断部位である。
1つの態様において、プロテアーゼは、IgA−プロテアーゼ、グランザイムB、Tevプロテアーゼ、プレシジョンプロテアーゼ、トロンビン、第Xa因子、トリプシン、キモトリプシン、またはエンテロキナーゼである。
「IgA−プロテアーゼ」という用語は、以下の配列の1つを含む認識部位を有する淋菌に由来するプロテアーゼであり、「↓」は、切断された結合の位置を示す:
Pro-Ala-Pro ↓ Ser-Pro (配列番号05)、
Pro-Pro ↓ Ser-Pro (配列番号06)、
Pro-Pro ↓ Ala-Pro (配列番号07)、
Pro-Pro ↓ Thr-Pro (配列番号08)、
Pro-Pro ↓ Gly-Pro (配列番号09)、
Pro-Arg-Pro-Pro ↓ Thr-Pro (配列番号10)、
Val-Val-Ala-Pro-Pro ↓ Ala-Pro (配列番号11)、
Val-Val-Ala-Pro-Pro ↓Ser-Pro (配列番号12)、
Val-Val-Ala-Pro-Pro ↓Thr-Pro (配列番号13)、
Val-Val-Ala-Pro-Pro ↓Gly-Pro (配列番号14)、
Ala-Pro-Pro-Ala ↓ Ala-Pro (配列番号15)、
Pro-Arg-Pro-Pro ↓ Ala-Pro (配列番号16)、
Pro-Arg-Pro-Pro ↓ Ser-Pro (配列番号17)、
Pro-Arg-Pro-Pro ↓ Gly-Pro (配列番号18)、
ただし、最初の3つがより頻繁に選択および切断される。
プロ−ポリペプチドのカラムでの切断を使用した本明細書において報告された方法において、すなわち、プロ−ポリペプチドからのポリペプチドの遊離を、プロ−ポリペプチドがクロマトグラフィーカラムに結合している間に行ない、そしてプロ−ポリペプチドを塩化グアニジニウム含有溶液で洗浄する方法においては、カラムを、尿素または尿素誘導体を含む溶液で少なくとも1回洗浄しなければならないことが判明した。
1つの態様において、カラムを、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合しているプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションする前に尿素または尿素誘導体を含む溶液で洗浄する。
1つの態様において、カラムを、プロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションした後に、尿素または尿素誘導体を含む溶液で洗浄する。1つの態様において、尿素または尿素誘導体を含む溶液で洗浄することによって、前記ポリペプチドを、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから回収する。
1つの態様において、尿素または尿素誘導体を含む溶液を用いての洗浄の直後に、すなわち、プロテアーゼと共にインキュベーションする前に、変性剤を含まない緩衝溶液(緩衝剤を含む溶液)で洗浄する。
グアニジニウム塩または尿素などの変性剤を用いての洗浄中に、前記ポリペプチドがE.coliにおいて産生された場合には例えば内毒素を除去することができる。
変性剤を用いての洗浄工程中に、前記ポリペプチドをそれが天然形で存在する場合には洗浄工程前に変性させるか、またはそれがすでに変性形で存在している場合にはそれを変性形で維持する。
プロテアーゼを用いてのプロ−ポリペプチドのカラムでの切断前における、尿素または尿素誘導体以外の他の変性剤の除去は、プロ−ポリペプチドのカラムでの切断を改善し、そして次のプロセス工程を実施することを可能とする。
変性剤を含まない緩衝溶液を用いての洗浄中、すなわち天然条件下で、プロ−ポリペプチドは、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したままでその天然状態に戻る。
それ故、本明細書において報告された1つの局面は、ポリペプチドを得るまたは精製するための方法であり、以下の工程:
−結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションすることによって、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから前記ポリペプチドを回収する工程
を含み、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したプロ−ポリペプチドは、尿素または尿素誘導体を含む溶液を用いて少なくとも1回洗浄される。
1つの態様において、尿素を含む溶液を用いての洗浄は、プロテアーゼの適用前またはプロテアーゼとのインキュベーション後である。尿素含有溶液を用いての洗浄がプロテアーゼとのインキュベーション後である場合、洗浄工程は、ポリペプチドの回収工程と同時である。
従って、本明細書において報告された方法は、結合および溶出モードで操作され、すなわち、プロ−ポリペプチドをまず固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合させ、その後、さらなる工程において、前記ポリペプチドを金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料から、プロ−ポリペプチド中のプロテアーゼ切断部位の切断によって回収する。断続的な洗浄工程が本明細書において報告された方法に含まれ得る。
「変性剤(denaturant)」または「変性剤(denaturing agent)」という用語は、その天然形ポリペプチドから、非天然ポリペプチド、すなわち変性形ポリペプチドへと移行する化合物を示す。変性剤は、一般的に、カオトロピック剤である。例示的な変性剤は、尿素または尿素誘導体(例えばチオ尿素およびテトラメチル尿素)、グアニジンおよびグアニジン誘導体(例えば塩化グアニジニウム)、テトラアルキルアンモニウム塩、長鎖スルホン酸エステル、並びに過塩素酸リチウムである。「変性剤」という用語はまた、変性剤の混合物として理解され得る。
1つの態様において、変性剤は尿素または尿素誘導体である。
1つの態様において、変性剤は塩化グアニジニウムである。
1つの態様において、変性剤は尿素である。1つの態様において、尿素は2M〜8Mの濃度を有する。
1つの態様において、変性剤はチオ尿素である。1つの態様において、チオ尿素は1.5M〜3Mの濃度を有する。
本明細書において報告された局面の1つの態様において、ポリペプチドを精製または産生するための方法は以下の工程:
− プロ−ポリペプチドを含む溶液を、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用し、それにより、プロ−ポリペプチドを固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合させる工程、
− 場合により、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を、塩化グアニジニウムを含む溶液で洗浄し、それにより不必要なポリペプチドを除去する工程、
− 固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を、尿素を含む溶液で洗浄し、それにより、酵素的切断のためのプロ−ポリペプチドおよびさらなる下流のプロセシングのためのポリペプチドを調整する工程、および
− 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションすることによって、前記ポリペプチドを固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから回収する工程
を含む。
ポリペプチド(プロ−ポリペプチドを含む)は、CHO細胞、HEK細胞、およびE.coli細胞などの真核細胞および原核細胞において組換え産生することができる。前記ポリペプチドが原核細胞で産生される場合、それは一般的に不溶性の封入体の形態で得られる。封入体は、原核細胞および培養培地から容易に回収することができる。封入体中で不溶形で得られた前記ポリペプチドは、精製前に可溶化しなければならないか、そして/またはリフォールディング手順を実施することができる。
従って、本明細書において報告された第2の局面は、以下の工程を含むポリペプチドを産生するための方法である:
− 前記ポリペプチドをコードする核酸を含む原核細胞または真核細胞を培養する工程、
− 前記ポリペプチドを、原核細胞または真核細胞または/および培養培地から回収する工程、
− 場合により、前記ポリペプチドが封入体の形態で回収される場合、前記ポリペプチドを可溶化および/またはリフォールディングする工程、
− 前記ポリペプチドを、本明細書において報告された固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法で精製し、それによりポリペプチドを産生する工程。
1つの態様において、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法は、以下の工程を含む:
− プロ−ポリペプチドを含む溶液を、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用する工程(前記溶液は、変性剤を含むか、または変性剤を含まない)、
− 場合により、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を、塩化グアニジニウムを含む溶液で洗浄する工程、
− 固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を、尿素または尿素誘導体を含む溶液で洗浄する工程、
− 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションすることによって、前記ポリペプチドを固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから回収する工程。
1つの態様において、前記ポリペプチドはプロ−ポリペプチドである。
以下に、以前に報告された全ての局面の異なる態様が提示されている。
1つの態様において、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料は、第1の工程において、緩衝溶液で調整されている。この溶液は変性剤を含んでいても良いが、含む必要はない。調整溶液の緩衝剤は、プロ−ポリペプチドを含む溶液の緩衝剤と同じでも異なっていても良い。
その後、プロ−ポリペプチドを含む溶液は、調整された固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用される。この工程において、プロ−ポリペプチドは、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に保持(結合/吸着)している。この溶液は変性剤を含んでいても良いが、含む必要はない。ローディング溶液の緩衝剤は、続く洗浄溶液の緩衝剤と同じでも異なっていても良い。
場合により、プロ−ポリペプチドと共に固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料をローディングした後、洗浄溶液を、ローディングされた固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用することができる。この溶液は、(唯一の)変性剤として、塩化グアニジニウムを含む。
プロ−ポリペプチドの結合した固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に、洗浄溶液を適用する。この溶液は、唯一の変性剤として尿素または尿素誘導体を含む。
場合により、洗浄工程後、プロ−ポリペプチドは依然として固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合しているので、プロ−ポリペプチドの結合した固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を、変性剤を含まない緩衝溶液で洗浄することによって天然形に移行する。
最後に、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料から前記ポリペプチドを回収するために、カラムを、固定化金属イオンクロマトグラフィーアフィニティタグと前記ポリペプチドとの間のプロテアーゼ切断部位を特異的に切断するプロテアーゼと共にインキュベーションする。インキュベーション後、切断されたプロ−ポリペプチド、すなわち前記ポリペプチドを、カラムの通過画分から回収する。回収は、場合により、変性剤を含む溶液によって行なうことができる。
1つの態様において、ポリペプチドを精製または得るための方法は、カラムクロマトグラフィー法である。
固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に種々の工程で適用された、プロ−ポリペプチドを含む溶液(すなわちローディング溶液)を除く、種々の溶液の容量は、互いに独立して、1〜20カラム容量であり、1つの態様において、1〜10カラム容量である。
1つの態様において、洗浄溶液の適用は、3〜20カラム容量である。1つの態様において、洗浄溶液の適用は3〜10カラム容量である。
本明細書において報告された方法は、以下において、国際公開公報第2012/28526号に報告されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合タンパク質および国際公開公報第2008/025527号に報告されたIGF−1を用いて例示されている。
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチドは、(N末端からC末端の方向へ)ヒトテトラネクチン三量体形成構造エレメントおよび野生型ヒトアポリポタンパク質A−Iを含む。ヒトテトラネクチン三量体構造エレメントのアミノ酸配列は、最初の9個のアミノ酸だけ短縮することができ、従って、天然の切断短縮部位である10位のイソロイシン残基から始まる。この切断短縮の結果として、4位のトレオニン残基のO−グリコシル化部位が欠失する。テトラネクチン三量体構造エレメントとヒトアポリポタンパク質A−Iの間の5個のアミノ酸残基SLKGSは除去された。
向上した発現および精製のために、N末端精製タグ(例えばヘキサヒスチジンタグ)および精製タグの除去のためのプロテアーゼ切断部位を含む構築物を作製することができる。1つの態様において、プロテアーゼはIgAプロテアーゼであり、そしてプロテアーゼ切断部位は、IgAプロテアーゼ切断部位である。プロテアーゼの特異的な切断の結果、プロテアーゼ切断部位のいくつかのアミノ酸残基は、ポリペプチドのN末端に保持され、すなわち、IgAプロテアーゼ切断部位の場合には、2つのアミノ酸残基(1番目としてアラニンまたはグリシンまたはセリンまたはトレオニン、2番目としてプロリン)が、ポリペプチド(例えばテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド)のN末端に維持される。
テトラネクチン三量体形成構造エレメントは、個々のテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I単量体の各々の間の非共有結合的相互作用によって構成されるテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iホモ三量体の形成を可能とするドメインを提供する。
1つの態様において、アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチドは、保存的アミノ酸置換を含む変異体である。
1つの態様において、テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド(インターフェロンフラグメントおよびタグおよび切断部位を含むテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド)は、発現タグおよび精製タグを含み、そして
Figure 2015508664

のアミノ酸配列を有する。
1つの態様において、テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド(タグおよび切断部位を含むテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド)は、発現タグおよび精製タグを含み、そして
Figure 2015508664

のアミノ酸配列を有する。
1つの態様において、テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド(タグおよび切断部位を含むテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチド)は、発現タグおよび精製タグを含み、そして
Figure 2015508664

のアミノ酸配列を有する。
ポリペプチドがE.coli株において組換え産生されているならば、N末端メチオニン残基は、通常、E.coliプロテアーゼによって効率的に切断されないことを注記しなければならない。従って、N末端メチオニン残基は、一部、産生されたポリペプチドに存在する。
以下の実施例、配列表、および図面は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される。本発明の精神から逸脱することなく、示された手順に改変を行なうことができることが理解される。
天然条件下で切断および溶出する前に尿素含有溶液でIMACカラムを洗浄することがなかった、カラムで切断されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの溶出図。タンパク質は可溶化され、そして塩化グアニジニウム含有溶液中でカラムに適用される。 ポリペプチドの図Aの溶出図の拡大。その後の尿素を用いての洗浄により、シャープなピークが得られる。 プロ−ポリペプチドの酵素的なカラムでの切断前に、塩化グアニジニウム含有溶液、尿素含有溶液および緩衝溶液(トリス緩衝液)で洗浄する工程を含む、カラムで切断されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの溶出図。 プロ−ポリペプチドの酵素的なカラムでの切断前に、塩化グアニジニウム含有溶液、尿素含有溶液および緩衝溶液(トリス緩衝液)で洗浄する工程を含む、カラムで切断されたIGF−1プロ−ポリペプチドの溶出図。
実施例
材料および方法
特記しない限り、クロマトグラフィー材料に関する製造業者のマニュアルに従って、種々のクロマトグラフィー法が実施される。
組換えDNA技術:
標準的な方法を使用して、Sambrook, J., et al., Molecular cloning: A laboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, (1989)に記載されたようにDNAを操作した。分子生物学的試薬を、製造業者の説明書に従って使用した。
タンパク質の決定:
タンパク質濃度は、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を使用して、320nmにおける基準波長を用いて、280nmにおける吸光度(OD)を決定することによって決定された。
サイズ排除HPLC:
クロマトグラフィーを、ASI-100 HPLCシステム(Dionex, Idstein, Germany)でTosoh Haas TSK 3000 SWXLカラムを用いて実施した。280nmの溶出ピークを、UVダイオードアレイ検出器(Dionex)によってモニタリングした。濃縮試料を1mg/mlとなるまで溶解した後、カラムを、200mMのリン酸二水素カリウムおよび250mMの塩化カリウム(pH7.0)からなる緩衝液で、安定な基線が得られるまで洗浄した。分析の実行は、室温で30分間かけて流速0.5ml/分を使用して均一濃度の条件下でなされた。クロマトグラムをChromeleon (Dionex, Idstein, Germany)を用いて手作業で積分した。
逆相HPLC(RP−HPLC):
純度をRP−HPLCによって分析する。アッセイを、アセトニトリル/TFA水の勾配を使用してPhenomenexC18カラムで実施する。溶出プロファイルを215nmのUV吸光度としてモニタリングする。溶出された物質の比率を、溶出タンパク質の全ピーク面積に基づいて計算する。
DNA−閾値系:
例えば、Merrick, H., and Hawlitschek, G., Biotech Forum Europe 9 (1992) 398-403を参照されたい。
宿主細胞タンパク質の決定:
マイクロタイタープレートのウェルの壁を、血清アルブミンとストレプトアビジンとの混合物でコーティングする。HCPに対するヤギに由来するポリクローナル抗体を、マイクロタイタープレートのウェルの壁に結合させる。洗浄工程後、マイクロタイタープレートの種々のウェルを、種々の濃度のHCP検量シーケンスおよび試料溶液と共にインキュベーションする。インキュベーション後、結合していない試料材料を、緩衝溶液を用いて洗浄することによって除去する。検出のために、ウェルを、抗体ペルオキシダーゼコンジュゲートと共にインキュベーションして、結合した宿主細胞タンパク質を検出する。固定化ペルオキシダーゼの活性を、ABTSとのインキュベーションおよび405nmにおける検出によって検出する。
DNAの決定:
ビオチンをマイクロタイタープレートに結合させた。ストレプトアビジン、一本鎖DNAおよびビオチニル化一本鎖DNA結合タンパク質の反応混合物を加えた。結合タンパク質はDNAに結合することができ、そしてビオチニル化された。このように、試料混合物からDNAを特異的に取り出すことが可能であった。ストレプトアビジンは、マイクロタイタープレート上のビオチンに並びに一本鎖DNA結合タンパク質に結合したビオチンに結合した。ウレアーゼに結合したDNA特異的抗体を、この全複合体に添加した。尿素の添加により、尿素が加水分解され、これはpHの局所的変化を引き起こした。この変化は、変化した表面電位として検出することができる。表面電位の変化は、結合したDNAの量と比例していた。一本鎖DNAが、プロテイナーゼKによる消化およびSDSによる変性によって得られた。
封入体からのポリペプチドの単離、可溶化およびリフォールディングのための一般的な方法
引用した文献において実施された方法の他に、封入体の調製を、例えば、Rudolph, et al. (Rudolph, R., et al., Folding Proteins, In: Creighton, T.E., (ed.): Protein function: A Practical Approach, Oxford University Press (1997) 57-99)による方法に従って実施することができる。封入体を−70℃で保存した。封入体の可溶化は、同様に、Rudolph, et al. (Rudolph, R., et al., Folding Proteins, In: Creighton, T.E., (ed.): Protein function: A Practical Approach, Oxford University Press (1997) 57-99)による方法に従って実施することができる。
実施例1
E.coli発現プラスミドの作製および説明
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドを組換え手段によって調製した。N末端からC末端方向へ発現されたプロ−ポリペプチドのアミノ酸配列は、以下の通りである:
− アミノ酸メチオニン(M)、
− CDLPQTHSL(配列番号19)のアミノ酸配列を有するインターフェロン配列のフラグメント、
− GSリンカー、
− HHHHHH(配列番号20)のアミノ酸配列を有するヘキサヒスチジンタグ、
− GSリンカー、
− VVAPPAP(配列番号11)のアミノ酸配列を有するIgAプロテアーゼ切断部位、および
− 配列番号04のアミノ酸配列を有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I。
前記したようなテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドは、前駆体ポリペプチドであり、これから、成熟したテトラネクチン−アポリポタンパク質A−I融合ポリペプチドが、IgAプロテアーゼを使用したin vitroにおける酵素的なカラムでの切断によって遊離された。
プロ−ポリペプチドをコードする融合遺伝子は、公知の組換え法および技術を用いて、適切な核酸セグメントとの接続によって構築された。化学合成によって作製された核酸配列は、DNAシークエンスによって確認された。配列番号04の融合ポリペプチドをコードする配列番号01のテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの産生のための発現プラスミドは、以下のように調製された。
E.coli発現プラスミドの作製
プラスミド4980(4980−pBRori−URA3−LACI−SAC)は、E.coliにおけるコア−ストレプトアビジンの発現のための発現プラスミドである。それは、プラスミド1966(1966−pBRori−URA3−LACI−T−リピート;EP−B1422237において報告されている)に由来する3142bp長のEcoRI/CelIIベクターフラグメントを、435bp長のコア−ストレプトアビジンをコードするEcoRI/CelIIフラグメントとライゲーションすることによって生成された。
コア−ストレプトアビジンE.coli発現プラスミドは、以下のエレメントを含む:
− E.coliにおける複製のためのベクターpBR322の複製起点(Sutcliffe, G., et al., Quant. Biol. 43 (1979) 77-90によると、2517〜3160bp位に相当する)、
− E.colipyrF突然変異株の補完(ウラシル栄養要求性)によるプラスミドの選択を可能とする、オロチジン5’−リン酸デカルボキシラーゼをコードするSaccharomyces cerevisiaeのURA3遺伝子(Rose, M. et al. Gene 29 (1984) 113-124)、
− 以下を含むコア−ストレプトアビジン発現カセット
− Stueber, D., et al., Immunol. Methods IV (1990) 121-152 による合成リボソーム結合部位を含む、T5ハイブリッドプロモーター(Bujard, H., et al. Methods. Enzymol. 155 (1987) 416-433およびStueber, D., et al.(前記参照)によるT5-PN25/03/04ハイブリッドプロモーター)、
− コア−ストレプトアビジン遺伝子、
− 2つのバクテリオファージ由来転写終結因子、すなわちλ−T0終結因子(Schwarz, E., et al., Nature 272 (1978) 410-414)およびfd−終結因子(Beck, E.およびZink, B., Gene 1-3 (1981) 35-58)、
− E.coli由来のlacIリプレッサー遺伝子(Farabaugh, P.J., Nature 274 (1978) 765-769)。
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの発現のための最終発現プラスミドは、単一のフランキングしているEcoRIおよびCelII制限エンドヌクレアーゼ切断部位を使用してベクター4980からコア−ストレプトアビジン構造遺伝子を切り出し、そして前駆体ポリペプチドをコードするEcoRII/CelII制限酵素部位にフランキングしている核酸を、3142bp長のEcoRI/CelII−4980ベクターフラグメントに挿入することによって調製された。
実施例2
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの発現
プロ−ポリペプチドの発現のために、E.coli栄養要求性(PyrF)の補完による抗生物質を用いないプラスミドの選択を可能とするE.coli宿主/ベクター系を使用した(欧州特許第0972838号および米国特許第6,291,245号を参照)。
E.coliK12 CSPZ−2株(leuB、proC、trpE、th−1、ΔpyrF)を、発現プラスミドp(IFN−His6−IgA−テトラネクチン−アポリポタンパク質A−I)を用いての電気穿孔によって形質転換した。形質転換されたE.coli細胞をまず37℃で寒天プレート上で増殖させた。
発酵プロトコール1:
前発酵のために、約1g/lのL−ロイシン、約1g/lのL−プロリンおよび約1mg/lのチアミン−HClの補充されたSambrook et al (Molecular Cloning: A laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press;第2版(1989年12月))によるM9培地を使用した。
前発酵のために、整流装置を有する1000mlのエーレンマイヤーフラスコ中の300mlのM9培地に、初代種子バンクアンプルからの2mlを接種した。培養を、1〜3の吸光度(578nm)が得られるまで、37℃で13時間回転振とう機で実施した。
発酵のために、Riesenberg et al.によるバッチ培地を使用した(Riesenberg, D., et al., J. Biotechnol. 20 (1991) 17-27): 27.6g/l グルコース*HO、13.3g/l KHPO、4.0g/l (NHHPO、1.7g/l クエン酸塩、1.2g/l MgSO*7 HO、60mg/l クエン酸鉄(III)、2.5mg/l CoCl*6 HO、15mg/l MnCl*4 HO、1.5mg/l CuCl*2 HO、3mg/l HBO、2.5mg/l NaMoO*2 HO、8mg/l Zn(CHCOO)*2 HO、8.4mg/l チトリプレックスIII、1.3ml/l シンペロニック10%消泡剤)。バッチ培地に、それぞれ5.4mg/lのチアミン−HCl並びに1.2g/lのL−ロイシンおよびL−プロリンを補充した。フィード1溶液は、19.7g/l MgSO*7 HOの補充された700g/lのグルコースを含んでいた。pH調節のためのアルカリ溶液は、それぞれ50g/lのL−ロイシンおよび50g/lのL−プロリンの補充された12.5%(w/v)NH水溶液であった。全ての成分を脱イオン水に溶解した。
10リットルのバイオスタットC DCU3発酵槽(Sartorius, Melsungen, Germany)で発酵を実施した。6.4リットルの無菌の発酵バッチ培地と前発酵からの300mlの接種材料を用いて開始し、バッチ発酵を、37℃、pH6.9±0.2、500mbarおよび通気速度10リットル/分で実施した。最初に補充したグルコースを枯渇させた後、温度を28℃にシフトし、そして発酵はフェッドバッチモードに入った。ここで溶存酸素(pO)の相対値を、一定して増加する撹拌速度(10時間以内に550rpmから1000rpmに、そして16時間以内に1000rpmから1400pmに)および通気速度(10時間以内に10リットル/分から16リットル/分に、そして5時間以内に16リットル/分から20リットル/分に)と組み合わせてフィード1に加えることによって50%に維持した(DO-stat、例えば Shay, L.K., et al., J. Indus. Microbiol. Biotechnol. 2 (1987) 79-85参照)。追加のアミノ酸の供給は、約8時間の培養後にpHが調節下限(6.70)に達した場合に、アルカリ溶液の添加からもたらされた。組換え治療タンパク質の発現は、吸光度70で1mMのIPTGの添加によって誘導された。
発酵槽から取り出した試料(1つは誘導前、そしてその他はタンパク質発現の誘導後の特定の時点でのもの)を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分析する。どの試料からも、同量の細胞(ODターゲット=5)を5mLのPBS緩衝液に再懸濁し、そして超音波を介して氷上で破砕した。その後、100μLの各懸濁液を遠心分離にかけ(15,000rpm、5分間)、そして各上清を取り出し、そして別々のバイアルに移す。これは、可溶性発現ターゲットタンパク質と、不溶性発現ターゲットタンパク質とを識別するためである。各上清(=可溶性)画分に、SDS試料緩衝液300μLを、および各ペレット(=不溶性)画分に、SDS試料緩衝液400μL(Laemmli, U.K., Nature 227 (1970) 680-685)を加える。試料を15分間95℃で振とう下で加熱し、試料中の全てのタンパク質を可溶化および還元する。室温まで冷却した後、5μLの各試料を4〜20%のTGX Criterion Stain Freeポリアクリルアミドゲル(Bio-Rad)に移す。さらに既知の製品タンパク質濃度(0.1μg/μl)を有する5μlの分子量標準物質(Precision Plus Protein Standard, Bio-Rad)および3つの量の(0.3μl、0.6μl、および0.9μl)定量標準物質をゲル上に配置する。
電気泳動を200Vで60分間行ない、その後、ゲルをGelDOC EZ Imager (Bio-Rad)に転写し、そしてUV照射により5分間処理した。ゲルの画像を、Image Lab分析ソフトウェア(Bio-Rad)を使用して分析した。3つの標準物質を用いて、直線回帰曲線を、0.99超の係数を用いて計算し、そして元の試料中のターゲットタンパク質の濃度を計算した。
発酵終了時に、細胞質内および可溶性の発現テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドを、加熱工程(発酵槽中の全培養ブロスを収集前に1または2時間、50℃まで加熱する)により、不溶性のタンパク質凝集物(いわゆる封入体)へと移行する(例えば、EP−B1486571参照)。その後、発酵槽の内容物を、フロースルー遠心機(13,000rpm、13リットル/h)を用いて遠心分離し、そして収集したバイオマスをさらに処理するまで−20℃で保存した。合成されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドは、不溶性のタンパク質凝集物、いわゆる封入体(IB)の形態で、不溶性細胞片画分においてのみ認められた。
発酵プロトコール2:
前発酵のために、約1g/lのL−ロイシン、約1g/lのL−プロリンおよび約1mg/lのチアミン−HClの補充されたSambrook et al. (Molecular Cloning: A laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press; 第2版(1989年12月))によるM9培地を使用した。
前発酵のために、整流装置を有する1000mlのエーレンマイヤーフラスコ中の300mlの改変M9培地に、寒天プレートから、または初代種子バンクアンプルからの1〜2mlを接種した。培養を、1〜3の吸光度(578nm)が得られるまで、37℃で13時間回転振とう機で実施した。
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iの発酵および高収率での発現のために、以下のバッチ培地およびフィードを使用した。
8.85g/lのグルコース、63.5g/lの酵母抽出物、2.2g/lのNHCl、1.94g/lのL−ロイシン、2.91g/lのL−プロリン、0.74g/lのL−メチオニン、17.3g/lのKHPO*H2、2.02g/lのMgSO*7 HO、25.8mg/lのチアミン−HCl、1.0ml/lのシンペロニック10%消泡剤。フィード1溶液は、1.67g/lのL−メチオニン並びに各々5g/lのL−ロイシンおよびL−プロリンの補充された、333g/lの酵母抽出物および333g/lの85%グリセロールを含んでいた。フィード2は、600g/lのL−プロリン溶液であった。pH調節のためのアルカリ溶液は10%(w/v)KOH溶液であり、そして酸として75%グルコース溶液を使用した。全ての成分を脱イオン水に溶解した。
発酵を、10リットルのバイオスタットC DCU3発酵槽(Sartorius, Melsungen, Germany)で行なった。5.15リットルの無菌の発酵バッチ培地と前発酵からの300mlの接種材料を用いて開始し、フェッドバッチ発酵を、25℃、pH6.7±0.2、300mbarおよび通気速度10リットル/分で実施した。最初に補充したグルコースが枯渇する前に、培養液は吸光度15(578nm)に達し、そしてフィード1を70g/hで開始した場合、発酵はフェッドバッチモードに入った。培養液中のグルコース濃度をモニタリングしながら、フィード1を、グルコース蓄積を回避しつつ、そしてpHを調節上限6.9付近に保持しながら、最大150g/hまで増加させた。吸光度50(578nm)でフィード2を一定フィード速度10ml/hで開始した。溶存酸素(pO)の相対値を、撹拌速度(500rpmから1500rpmに)、通気速度(10リットル/分から20リットル/分に)および圧力(300mbarから500mbarに)を平行して増加させることによって50%超に保持した。組換え治療タンパク質の発現は、吸光度90で1mMのIPTGの添加によって誘導された。
発酵槽から取り出した7つの試料(1つは誘導前、そしてその他はタンパク質発現の誘導後の特定の時点でのもの)を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分析する。どの試料からも、同量の細胞(ODターゲット=5)を5mLのPBS緩衝液に再懸濁し、そして超音波を介して氷上で破砕した。その後、100μLの各懸濁液を遠心分離にかけ(15,000rpm、5分間)、そして各上清を取り出し、そして別々のバイアルに移す。これは、可溶性発現ターゲットタンパク質と、不溶性発現ターゲットタンパク質とを識別するためである。各上清(=可溶性)画分に、SDS試料緩衝液300μLを、および各ペレット(=不溶性)画分に、SDS試料緩衝液200μL(Laemmli, U.K., Nature 227 (1970) 680-685)を加える。試料を15分間95℃で振とう下で加熱し、試料中の全てのタンパク質を可溶化および還元する。室温まで冷却した後、5μLの各試料を10%ビス−トリスポリアクリルアミドゲル(Novagen)に移す。さらに既知の製品タンパク質濃度(0.1μg/μl)を有する5μlの分子量標準物質(Precision Plus Protein Standard, Bio-Rad)および3つの量の(0.3μl、0.6μl、および0.9μl)定量標準物質をゲル上に配置する。
電気泳動を200Vで35分間行ない、その後、ゲルをクーマシーブリリアントブルーR色素で染色し、加熱した水で脱染し、そしてデジタル化のために吸光光度計に移す(GS710, Bio-Rad)。ゲル画像を、Quantity One 1-D分析ソフトウェア(Bio-Rad)を使用して分析した。3つの標準物質を用いて、直線回帰曲線を、0.98超の係数を用いて計算し、そして元の試料中のターゲットタンパク質のその濃度を計算した。
発酵終了時に、細胞質内および可溶性の発現テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドを、加熱工程(発酵槽中の全培養ブロスを収集前に1または2時間、50℃まで加熱する)により、不溶性のタンパク質凝集物(いわゆる封入体(IB))へと移行する(例えば、EP−B1486571参照)。加熱工程後、合成されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドは、IBの形態で不溶性細胞片画分においてのみ認められた。
発酵槽の内容物を4〜8℃まで冷却し、フロースルー遠心機(13,000rpm、13リットル/h)を用いて遠心分離し、そして収集したバイオマスをさらに処理するまで−20℃で保存する。収集した全バイオマスは、発現構築物に依存して、39g/lから90g/lの乾燥物の範囲であった。
実施例3
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの封入体の調製
封入体の調製は、リン酸カリウム緩衝溶液またはトリス緩衝溶液(0.1M、1mMのMgSOが補充されている、pH6.5)中に収集された細菌細胞を再懸濁することによって実施された。DNAseの添加後、細胞を、900barの圧力でホモジナイズすることによって破砕した。1.5MのNaClおよび60mMのEDTAを含む緩衝溶液を、ホモジナイズされた細胞懸濁液に加えた。25%(w/v)HClを用いてpH値を5.0に調整した後、最終の封入体スラリーがさらなる遠心分離工程の後に得られた。スラリーは、さらなる処理まで、単回使用の無菌プラスチックバッグに−20℃で保存された。
実施例4a
変性条件下におけるHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのIBの可溶化
実施例3からの封入体スラリーを、6Mの最終GdmCl濃度の塩化グアニジニウム(GdmCl)を用いて可溶化した。可溶化後、スラリーを、デプスフィルターの組合せによって濾過した。変性したテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのこの溶液を、3倍に希釈して、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)中2Mの最終GdmCl濃度を得て、そして、再度濾過して、続くクロマトグラフィー工程(実施例5参照)に適した透明な溶液を得た。
実施例4b
非変性条件下におけるHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのIBの可溶化
実施例3からの封入体スラリーを、1時間かけて、約30mMの水酸化カリウム溶液(pH11.5に調整)を用いて可溶化した。その後、pH値をpH8に調整し、そしてスラリーを、デプスフィルターの組合せによって濾過した。濾液は、続くクロマトグラフィー工程(実施例5参照)に適している。
実施例5a
変性したHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドをIMACカラムにローディング
実施例4aの溶液を、Zn2+イオンが前以てローディングされ、そして変性ローディング緩衝液(2MのGdmCl、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0、4カラム容量)で平衡化された、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC; Fractogel(登録商標)EMDキレート、製造番号110338、Merck、Darmstadt、Germany、230mlのカラム容量、24cmのベッド高さ、3.5cmの直径)カラムに、充填ゲルベッド1mlあたり15〜20mgのテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのロードでローディングした。タンパク質とカラムの結合は、His−タグと固定Zn2+イオンとの相互作用によって行なわれた。
実施例5b
天然のHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドをIMACカラムにローディング
実施例4bの溶液を、Zn2+イオンが前以てローディングされ、そして天然のローディング緩衝液(30mMのリン酸ナトリウム、pH8.0、4カラム容量)で平衡化された、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC; Fractogel(登録商標)EMDキレート、製造番号110338、Merck、Darmstadt、Germany、230mlのカラム容量、24cmのベッド高さ、3.5cmの直径)カラムに、充填ゲルベッド1mlあたり15〜20mgのテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのロードでローディングした。タンパク質とカラムの結合は、His−タグと固定Zn2+イオンとの相互作用によって行なわれた。
実施例6
IMACカラムにローディングされたHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの洗浄
ローディング後、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を含むカラムを、4〜6カラム容量の変性ローディング緩衝液(2MのGdmCl、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0)を用いて洗浄して、非特異的に結合したタンパク質および他の混入物を変性条件下で除去した。
この洗浄工程に続いて、変性条件下で、250mMのトリス緩衝液(pH8.0)に溶解した4Mの尿素を3カラム容量用いて第2の洗浄工程を実施して、カラムから残存するGdmClを除去した。
尿素による洗浄工程の直後に(結合したタンパク質のカルバモイル化を回避するために)、天然条件下での洗浄工程を行ない、変性させる尿素を除去し、そしてIMACに結合したテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの再生を可能とした(結合したタンパク質の再生は、以下のタンパク質分解的切断および天然の溶出のための必要条件である)。天然の洗浄工程は、例えば、1Mのトリス緩衝液、pH8.0を少なくとも3カラム容量用いて実施した。この洗浄工程の後に、1Mのトリスに加えて、例えばイミダゾールおよび/またはアルギニン(例示的なトリス/イミダゾール/アルギニン緩衝液は、1Mのトリス、70mMのイミダゾール、および180mMのアルギニンの組成を有する)を含む他の天然の洗浄工程を行なって非特異的に結合した混入物をさらに除去し得、その後、1〜1.2Mのトリス、pH8.0を用いて最終的な洗浄工程を行なった。例えばイミダゾールおよび/またはアルギニンの濃度は、結合したタンパク質が固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料から溶出しないように選択されるべきである。
実施例7
Hisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのカラムでの切断およびテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iの溶出
IgAプロテアーゼ(EC3.4.24.13)を、最終の天然の洗浄緩衝液(1〜1.2Mのトリス、pH8.0)に、最初にローディングしたHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドと比較して1:500の濃度で(すなわち例えば、15mg/mlのテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iのロードの場合には30μg/mlのIgAプロテアーゼ)溶解した。この溶液から、1カラム容量をカラムにローディングし、その後、少なくとも12時間流すのを止めることにより、プロテアーゼがカラムに結合したプロ−タンパク質を切断することができ、すなわち、Hisタグを切断除去することができ、それによりカラムからテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iを遊離させることができた。
プロテアーゼとのインキュベーション後、Hisタグから切断されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iを、カラムを天然の洗浄緩衝液(1〜1.2Mのトリス、pH8.0)で洗浄することによって溶出した。
切断され回収されたポリペプチドの収率は、適用したプロ−ポリペプチドに対して約60%〜75%である。
記載の実施例によって得られた溶出されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iは、さらなるクロマトグラフィー工程によってさらに精製することができ、その後、例えば国際公開公報第2012/28524号に記載のように脂質化することができる。
以下の表において、1つの例示的な実行について得られた結果を要約する。
Figure 2015508664
実施例8
実施例6に記載されたような尿素による洗浄工程を省略した、IMACカラムにローディングされたHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの洗浄、並びにHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドのカラムでの切断およびテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iの溶出
実施例5aに従って変性条件下でローディングした後、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を含むカラムを、4〜6カラム容量の変性ローディング緩衝液(2MのGdmCl、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0)で洗浄し、非特異的に結合したタンパク質および他の混入物を変性条件下で除去した。
GdmClによる洗浄工程の後に、天然条件下で洗浄工程を行ない、変性させるGdmClを除去し、そしてIMACに結合したテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの再生を可能とした(結合したタンパク質の再生は、以下のタンパク質分解的切断および天然の溶出のための必要条件である)。天然の洗浄工程は、例えば、1Mのトリス緩衝液、pH8.0を少なくとも3カラム容量用いて実施した。この洗浄工程の後に、1Mのトリスに加えて、例えばイミダゾールおよび/またはアルギニン(例示的なトリス/イミダゾール/アルギニン緩衝液は、1Mのトリス、70mMのイミダゾール、および180mMのアルギニンの組成を有する)を含む他の天然の洗浄工程を行なって、非特異的に結合した混入物をさらに除去し得、その後、1〜1.2Mのトリス、pH8.0を用いて最終的な洗浄工程を行なった。例えばイミダゾールおよび/またはアルギニンの濃度は、結合したタンパク質が固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料から溶出しないように選択されるべきである。
IgAプロテアーゼ(EC3.4.24.13)を、最終の天然の洗浄緩衝液(1〜1.2Mのトリス、pH8.0)に、最初にローディングしたHisタグを有するテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドと比較して1:500の濃度で(すなわち例えば、15mg/mlのテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iのロードの場合には30μg/mlのIgAプロテアーゼ)溶解した。この溶液から、1カラム容量をカラムにローディングし、その後、少なくとも12時間流すのを止めることにより、プロテアーゼがカラムに結合したプロ−タンパク質を切断することができ、すなわち、Hisタグを切断除去することができ、それによりカラムからテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iを遊離させることができた。
プロテアーゼとのインキュベーション後、Hisタグから切断されたテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iを、カラムを天然の洗浄緩衝液(1〜1.2Mのトリス、pH8.0)で洗浄することによって溶出した。
尿素による洗浄工程を省略した場合の切断および回収されたポリペプチドの収率は、約20カラム容量の天然の洗浄緩衝液で溶出した後でさえも、アプライしたプロ−ポリペプチドに対して50%未満である。これらの条件下の溶出液中のタンパク質濃度は、実施例7に記載の条件下で得られた溶出液(約2mg/ml)と比較して非常に低い(約0.2mg/ml)。
テトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iを天然の洗浄緩衝液で溶出した後に尿素による洗浄工程を実施した場合、さらに約40%の切断されたポリペプチドを、約0.9mg/mlの濃度で回収することができる。
実施例9
IGF−1プロ−ポリペプチドの封入体の調製
封入体の調製は、リン酸カリウム緩衝溶液またはトリス緩衝溶液(0.1M、1mMのMgSOが補充されている、pH6.5)中に収集された細菌細胞を再懸濁することによって実施された。DNAseの添加後、細胞を、900barの圧力でホモジナイズすることによって破砕した。1.5MのNaClおよび60mMのEDTAを含む緩衝溶液を、ホモジナイズされた細胞懸濁液に加えた。25%(w/v)HClを用いてpH値を5.0に調整した後、最終の封入体スラリーがさらなる遠心分離工程の後に得られた。スラリーは、さらなる処理まで、単回使用の無菌プラスチックバッグに−20℃で保存された。
実施例10
変性条件下におけるHisタグを有するIGF−1プロ−ポリペプチドのIBの可溶化
実施例9からの40gの封入体スラリーを、6Mの最終GdmCl濃度の可溶化緩衝液(6.7Mの塩化グアニジニウム(GdmCl)、1mMのEDTA、10mMの酢酸ナトリウム、pH4.0)を用いて可溶化した。可溶化後、スラリーを、デプスフィルターの組合せによって濾過した。変性したIGF−1プロ−ポリペプチドのこの溶液を、3倍に希釈して、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)中2Mの最終GdmCl濃度を得て、そして、再度濾過して、約400mlの最終容量の透明な溶液を得た。
実施例11
変性したHisタグを有するIGF−1プロ−ポリペプチドの再生
400mlの可溶化IGF−1プロポリペプチドを、3.6リットルの再生緩衝液(1Mのアルギニン、2mMのGSH、0.1mMのGSSG、pH8.0)に、3時間の時間をかけて加えた。IGF−1プロ−ポリペプチドを、撹拌しながら5時間かけて、そしてその後、撹拌せずに12時間かけて再生する。再生が完了した後、前記溶液を続くIMACクロマトグラフィーの平衡緩衝液の容量のその7倍に対して透析し(2Mのグアニジニウム塩酸塩、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0)、全容量は2リットルとなった。
実施例12
変性したHisタグを有するIGF−1プロ−ポリペプチドをIMACカラムにローディング
実施例11の1リットルの溶液を、Zn2+イオンが前以てローディングされ、そして変性ローディング緩衝液(2MのGdmCl、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0、2カラム容量)で平衡化された、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC; Fractogel(登録商標)EMDキレート、製造番号110338、Merck、Darmstadt、Germany、230mlのカラム容量、24cmのベッド高さ、3.5cmの直径)カラムにローディングした。タンパク質とカラムの結合は、His−タグと固定Zn2+イオンとの相互作用によって行なわれた。
実施例13
Hisタグを有するIGF−1プロ−ポリペプチドのローディングされたIMACカラムの洗浄
ローディング後、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料を含むカラムを、10カラム容量の変性ローディング緩衝液(2MのGdmCl、50mMのリン酸ナトリウム、pH8.0)を用いて洗浄して、非特異的に結合したタンパク質および他の混入物を変性条件下で除去した。
この洗浄工程に続いて、変性条件下で、250mMのトリス緩衝液(pH8.0)に溶解した4Mの尿素を3カラム容量用いて第2の洗浄工程を実施して、カラムから残存するGdmClを除去した。
尿素による洗浄工程の直後に(結合したタンパク質のカルバモイル化を回避するために)、天然条件下での洗浄工程を行ない、変性させる尿素を除去し、そしてIMACに結合したテトラネクチン−アポリポタンパク質A−Iプロ−ポリペプチドの再生を可能とした(結合したタンパク質の再生は、以下のタンパク質分解的切断および天然の溶出のための必要条件である)。天然の洗浄工程は、例えば、1Mのトリス緩衝液、pH8.0を4カラム容量用いて実施した。この洗浄工程の後に、1Mのトリスに加えて、例えばイミダゾールおよび/またはアルギニン(例示的なトリス/イミダゾール/アルギニン緩衝液は、1Mのトリス、70mMのイミダゾール、および180mMのアルギニンの組成を有する、pH8.0)を含む他の天然の洗浄工程を行なって、非特異的に結合した混入物をさらに除去し得、その後、1.2Mのトリス、pH8.0を用いて最終的な洗浄工程を行なった。
実施例14
Hisタグを有するIGF−1プロ−ポリペプチドのカラムでの切断およびIGF−1の溶出
IgAプロテアーゼ(EC3.4.24.13)を、最終の天然の洗浄緩衝液(1.2Mのトリス、pH8.0)に、最初にローディングしたHis−IGF−1プロ−ポリペプチドと比較して1:500の濃度で溶解した。この溶液から、1.1カラム容量をカラムにローディングし、その後、12時間流すのを止めることにより、プロテアーゼがカラムに結合したプロ−タンパク質を切断することができ、すなわち、Hisタグを切断除去することができ、それによりカラムからIGF−1を遊離させることができた。
プロテアーゼとのインキュベーション後、Hisタグから切断されたIGF−1を、カラムを天然の洗浄緩衝液(1.2Mのトリス、pH8.0)で洗浄することによって溶出した。
それぞれのクロマトグラムを図3に示す。

Claims (15)

  1. 以下の工程:
    − 金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したプロ−ポリペプチドを変性させる工程、
    − 金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に結合したプロ−ポリペプチドを再生する工程、および
    − 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションし、それにより前記ポリペプチドを産生する工程
    を含む、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラム上でのプロテアーゼ切断部位のカラムでの酵素的切断によって、プロ−ポリペプチド(前記プロ−ポリペプチドは、そのN末端またはC末端に、金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグ、およびタグとポリペプチドとの間に位置するプロテアーゼ切断部位を含む)からポリペプチドを産生するための方法。
  2. 以下の工程:
    − 結合したプロ−ポリペプチドを、変性剤を含む溶液と接触させる工程、
    − 場合により、前の工程で使用した変性剤を含む溶液が尿素もしくは尿素誘導体を含まないならば、結合したプロ−ポリペプチドを、尿素もしくは尿素誘導体を含む溶液と接触させるか、または、前の工程で使用した変性剤を含む溶液が尿素もしくは尿素誘導体と変性剤との混合物を含むならば、結合したプロ−ポリペプチドを、尿素もしくは尿素誘導体を含む溶液と接触させる工程、
    − 結合したプロ−ポリペプチドをプロテアーゼと共にインキュベーションし、それによりポリペプチドを産生することによって、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラムから前記ポリペプチドを回収する工程
    を含む、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィーカラム上でのプロテアーゼ切断部位のカラムでの酵素的切断によって、プロ−ポリペプチド(前記プロ−ポリペプチドは、そのN末端またはC末端に、金属イオンアフィニティクロマトグラフィータグ、およびタグとポリペプチドとの間に位置するプロテアーゼ切断部位を含む)からポリペプチドを産生するための方法。
  3. 前記方法が、プロテアーゼとインキュベーションする直前に、変性剤を含まない溶液を用いての洗浄工程を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項記載の方法。
  4. 前記ポリペプチドが天然形で回収されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記ポリペプチドが変性形で回収されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記変性剤が、塩化グアニジニウム、尿素、チオ尿素、およびテトラメチル尿素から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記変性剤が、0.5M〜6Mの濃度を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記尿素または尿素誘導体が、0.5M〜8Mの濃度を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. プロ−ポリペプチドが、天然形または変性形で、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料に適用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記の固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー材料が、固定化亜鉛アフィニティクロマトグラフィー材料であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記プロテアーゼが、IgAプロテアーゼ、トリプシン、またはグランザイムBから選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記の変性剤を含まない溶液が、約pH8のpH値で0.5〜1.5Mのトリスを含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記ポリペプチドが、非グリコシル化ポリペプチドであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが、アポリポタンパク質A−I、またはアポリポタンパク質A−Iもしくはヒトインシュリン様成長因子1(IGF−1)を含む融合ポリペプチド、またはインシュリン様成長因子i(IGF−1)を含む融合ポリペプチドであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 以下の工程:
    − 前記ポリペプチドをコードする核酸を含む原核細胞または真核細胞の培養の培養培地から得られたポリペプチドを、請求項1〜14のいずれか一項記載の固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー法を用いて精製し、それにより前記ポリペプチドを産生する工程
    を含む、ポリペプチドを産生するための方法。
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