JP2015506942A - 非グリコシル化アポリポタンパク質a−ivを用いて糖尿病を処置する方法 - Google Patents

非グリコシル化アポリポタンパク質a−ivを用いて糖尿病を処置する方法 Download PDF

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Abstract

それを必要とする対象において2型糖尿病を処置するための方法および2型糖尿病の処置のための医薬組成物を開示し、ここで本発明の方法および組成物は、タンパク質発現系、例えば細菌発現系により生成された非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVの使用に基づく。タンパク質発現系により生成された非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVを投与することに基づく、それを必要とする対象において耐糖能を正常なレベルまで実質的に回復させるための方法およびそれを必要とする対象において血糖値を低下させるための方法も開示する。【選択図】なし

Description

[0001] 本開示は、非グリコシル化アポリポタンパク質A−IV(apoA−IV)を用いて糖尿病を処置する方法に関する。より詳細には、本開示は、タンパク質発現系により生成された有効量の非グリコシル化apoA−IVを投与することにより2型糖尿病を処置する方法に関する。
関連出願
[0002] この出願は、2012年1月19日に出願されたPCT出願第PCT/US2012/021802号に対する優先権を主張する。この出願は、2012年7月25日に出願された米国仮特許出願第61/675692号に対する優先権も主張する。優先権出願の全内容を参照により本明細書にそのまま援用する。
[0003] 糖尿病の発生は広範囲に及び、米国における人口のおおよそ8%が糖尿病を患っている。糖尿病は、体がインスリンを有効に産生および/または使用できないことによる高血糖を特徴とする慢性疾患である。糖尿病は、腎不全、失明、神経損傷、心疾患、睡眠無呼吸、およびセリアック病が含まれるがそれらに限定されない様々な身体的合併症をもたらし得る。例えば、米国において、糖尿病は腎不全、失明、切断、卒中、および心臓発作の主因である。また、米国において、糖尿病は死亡の6番目の主因であり、中年成人の平均余命を約5〜10年低減することが示されている。
[0004] 糖尿病の最も一般的な形態は2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)(“T2DM”または“2型糖尿病(type 2 diabetes)”とも呼ばれる)である。2型糖尿病は、高血糖症、インスリン耐性、β細胞機能不全、および肝臓糖新生調節不全を特徴とする。2型糖尿病を患っている人は、インスリン分泌の第1相におけるβ細胞からの貯蔵されたインスリン顆粒の放出障害に関連する、グルコースに刺激されるインスリン分泌の喪失を経験する。インスリン分泌の第2相において、2型糖尿病を患っている人はグルコース刺激に応答して活発にインスリンを合成する能力の徐々の喪失を経験する。
[0005] 2型糖尿病の有病率は増大しており、2002年において2型糖尿病は結果として1300億$より多い健康管理の費用をもたらした。従って、2型糖尿病を有効に処置するための新規の療法が必要とされている。
[0006] 本発明は、アポリポタンパク質A−IV(apoA−IV)タンパク質はヒトにおいてグリコシル化されていないという驚くべき発見に基づいている。本開示より前には、当技術分野においてapoA−IVタンパク質はグリコシル化されていることが知られていた。WeinbergおよびScanu((1983) J of Lipid Res vol. 24:52)は、apoA−IVは6重量%の炭水化物(マンノース1.8%、ガラクトース1.55%、N−アセチルグルコサミン1.55%、シアル酸1.1%)を含有する糖タンパク質であると報告した。従って、apoA−IVは一般に糖タンパク質として記述されている(例えば、Gomaraschi et al. (2010) Biochem Biophys Res Commun. 393(1):126-30を参照)。対照的に、下記の実施例13において記述されるように、apoA−IVは非グリコシル化タンパク質である。
[0007] 従って、1態様において、本発明は、非グリコシル化(non−glycosylated)(非グリコシル化(unglycosylated)とも呼ばれる)apoA−IVタンパク質を用いて2型糖尿病を処置する方法を提供する。その方法は、その対象に有効量の非グリコシル化apoA−IVタンパク質、またはapoA−IVタンパク質に対して少なくとも90、95、96、97、98または99%の同一性を有するその生物学的に活性な類似体もしくは断片を投与することを含む。
[0008] 1態様において、非グリコシル化apoA−IVはグリコシル化する能力を欠いた発現系を用いて生成される。例えば、細菌発現系、例えば大腸菌を用いて非グリコシル化apoA−IVを作ることができる。
[0009] 別の態様において、非グリコシル化apoA−IVを作るために用いることができる細胞発現系には、哺乳類細胞発現系、酵母発現系およびバキュロウイルス発現系が含まれるが、それらに限定されない。別の態様において、無細胞発現系を用いて非グリコシル化apoA−IVタンパク質を作ることができる。
[0010] 別の態様において、非グリコシル化apoA−IVタンパク質を含む医薬組成物を開示する。その医薬組成物は、apoA−IVタンパク質に対して少なくとも90、95、96、97、98もしくは99%の同一性を有する非グリコシル化apoA−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を含む。その医薬組成物は、2型糖尿病の処置のための対象への投与のために配合することができる。
[0011] 1態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるようなアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64に対して少なくとも90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列)を含む非グリコシル化apoA−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を含む医薬組成物を提供する。1態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるようなアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を含む医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を有する医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を有する医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を有する医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を有する医薬組成物を提供する。
[0012] 1態様において、その医薬組成物は医薬的に許容できるキャリヤーまたは希釈剤を含む。
[0013] 別の態様において、その医薬組成物は、液体配合物、水性配合物、および凍結乾燥された配合物からなる群から選択される。
[0014] 1態様において、本発明は、2型糖尿病を有する対象に、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるようなアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64に対して少なくとも90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列)を含むアミノ酸配列を有する非グリコシル化apoA−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を投与することを含む、2型糖尿病を処置する方法を提供する。さらなる態様において、そのapoA−IVタンパク質は、原核生物発現系、例えば細菌発現系、例えば大腸菌を用いて生成される。
[0015] さらに別の態様において、それを必要とする対象において耐糖能を正常なレベルまで実質的に回復させるための方法が開示される。その方法は、その対象に、apoA−IVタンパク質に対して少なくとも90、95、96、97、98または99%の同一性を有する有効量の非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を、例えばその非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体もしくは断片の全身投与により投与することを含む。1態様において、本発明は、それを必要とする対象において耐糖能を正常なレベルまで実質的に回復させるための方法を提供し、前記の方法は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるようなアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64に対して少なくとも90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸配列)を有する非グリコシル化apoA−IVタンパク質(またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片)を投与することを含む。
[0016] さらになお別の態様において、それを必要とする対象において血糖値を低下させるための方法が開示される。その方法は、その対象にその非グリコシル化apoA−IVに対して少なくとも90、95、96、97、98または99%の同一性を有する有効量の非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を、例えば全身投与により、必要とする対象に投与することを含む。1態様において、本発明は、それを必要とする対象において血糖値を低下させるための方法を提供し、その方法は、その対象にSEQ ID NO:1、3、4、または20〜64において示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64に対して少なくとも90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列)を含む有効量の非グリコシル化apoA−IV(またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片)を投与することを含む。
[0017] “有効量”は下記で記述される通りであり、約0.25〜2μg/gのapoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体が含まれてよい。1態様において、その有効量は約0.1mg/kg〜25mg/kgである。別の態様において、その有効量は約1〜1000mgの一定用量である。さらなる態様において、その有効量は約1〜10mgの一定用量である。
[0018] 本開示に従うこれらおよび他の様々な態様のこれらおよび他の特徴および利点は、本明細書で提供される図面、詳細な記述、および特許請求の範囲を考慮してより明らかになるであろう。
[0019] 本開示の態様の以下の詳細な記述は、以下の図面と合わせて読まれた場合、よりよく理解することができ、ここで同じ構造は同じ参照数字で示されており、ここで:
[0020] 図1は、本開示の1態様に従う医薬組成物のリザーバーおよび注射器を有する装置の側面斜視図である。 [0021] 図2は、腹腔内グルコース負荷試験(intraperitoneal glucose tolerance test)に関する時間(分)に関するオスのapoA−IVノックアウトおよび野生型マウスにおける血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0022] 図3は、16ヶ月齢のapoA−IV野生型およびノックアウト動物における腹腔内グルコース負荷試験に関する時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0023] 図4は、腹腔内グルコース負荷試験に関する、組み換えapoA−IV(μg/g)または生理食塩水溶液の腹腔内投与後のオスのapoA−IVノックアウトマウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0024] 図5は、腹腔内グルコース負荷試験に関する、組み換えapoA−Iまたは生理食塩水溶液の腹腔内投与後のapoA−IVノックアウトマウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0025] 図6は、組み換えapoA−Iまたは生理食塩水溶液の腹腔内投与後のapoA−IVノックアウトマウスにおける時間(分)に関するインスリン分泌(ng/mL)のグラフである。 [0026] 図7は、腹腔内グルコース負荷試験に関する、慢性的に高脂肪の飼料を与えたapoA−IVノックアウトおよび野生型マウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0027] 図8は、腹腔内グルコース負荷試験に関する、組み換えマウスapoA−IV(1μg/g)または生理食塩水溶液の腹腔内投与後の、慢性的に高脂肪の飼料を与えたapoA−IVノックアウトマウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0028] 図9は、腹腔内グルコース負荷試験に関する、組み換えマウスapoA−IV(1μg/g)または生理食塩水溶液の腹腔内投与後の糖尿病マウスにおける時間(h)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0029] 図10は、apoA−IVノックアウトマウス、野生型マウス、およびapoA−Iノックアウトマウスにおける血清アミロイドAタンパク質構成要素のレベルのウェスタンブロット分析の結果を示す。 [0030] 図11は、腹腔内グルコース負荷試験(IPGTT)の間の時間(分)に関するメスのapoA−IVノックアウトおよび野生型マウスにおける血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0031] 図12は、腹腔内グルコース負荷試験の間の1.0μg/gヒトapoA−IVまたは生理食塩水溶液の腹腔内投与後の野生型マウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0032] 図13は、腹腔内グルコース負荷試験の間の1.0μg/g組み換えマウスapoA−IVまたは生理食塩水溶液の腹腔内投与後のメスの野生型マウスにおける時間(分)に関する血漿グルコース(mg/dL)のグラフである。 [0033] 図14は、3mMまたは20mMグルコースの存在下で30mM KClおよび250μMジアゾキシドにより脱分極させたヒトの島(islets)への10μg/gヒトapoA−IVの作用を示す棒グラフである。 [0034] 図15は、完全長野生型ヒトapoA−IVのアミノ酸配列(SEQ ID NO.1)を有するタンパク質である。 [0035] 図16は、完全長野生型マウスapoA−IVのアミノ酸配列(SEQ ID NO.2)を有するタンパク質である。 [0036] 図17は、N末端にグリシンが付加された完全長野生型ヒトapoA−IVのアミノ酸配列(SEQ ID NO.3)を有するタンパク質である。 [0037] 図18は、多型性置換T347S、Q360H、および/またはE165Kを示し、場合によりグリシン、アラニンまたはバリンがN末端に付加されているヒトapoA−IVのアミノ酸配列(SEQ ID NO.4)を有するタンパク質である。 [0038] 図19は、完全長野生型ヒトアポリポタンパク質A−IVをコードするポリヌクレオチド(SEQ ID NO.5)である。 [0039] 図20には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのOmp−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0039] 図20には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのOmp−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0040] 図21には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのPelB−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0040] 図21には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのPelB−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0041] 図22には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのENX−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0041] 図22には、大腸菌におけるペリプラズム発現のためのENX−Apo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0042] 図23には、大腸菌における細胞質発現のためのApo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0042] 図23には、大腸菌における細胞質発現のためのApo A−IVコンストラクトのアミノ酸配列および最適化されたヌクレオチドコード配列が含まれる。 [0043] 図24AおよびBは、ヒト野生型apoA−IV(図24A)および変異体P393H(図24B)に関するN−グリコシル化の予測結果を示す。 図24AおよびBは、ヒト野生型apoA−IV(図24A)および変異体P393H(図24B)に関するN−グリコシル化の予測結果を示す。 [0044] 図25AおよびBは、ヒト野生型apoA−IV(図25A)および変異体P393H(図25B)に関するO−グリコシル化の予測結果を示す。 図25AおよびBは、ヒト野生型apoA−IV(図25A)および変異体P393H(図25B)に関するO−グリコシル化の予測結果を示す。
[0045] 当業者は、図中の要素は単純性および明確性のために図説されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解しているであろう。例えば、本開示の様々な態様の理解を向上させるのを助けるため、その図中の要素の一部の寸法が他の要素と比較して誇張されている、ならびに従来の部品が取り除かれている可能性がある。
[0046] 以下の用語を本出願において用いる:
[0047] 本明細書で用いられる際、用語“非グリコシル化(non−glycosylated)”または“非グリコシル化(unglycosylated)”は、例えば等電点分画法、PNGアーゼF消化および/またはMALDI分析による検出限界の範囲内で観察可能なN結合型グリコシル化および/またはO結合型グリコシル化を有しないタンパク質を意味する。1態様において、用語“非グリコシル化(non−glycosylated)”または“非グリコシル化(unglycosylated)”は、観察可能なN結合型グリコシル化を有さず、かつ観察可能なO結合型グリコシル化を有しないことを意味する。別の態様において、用語“非グリコシル化(non−glycosylated)”または“非グリコシル化(unglycosylated)”は、観察可能なN結合型グリコシル化を有しないことを意味する。別の態様において、用語“非グリコシル化(non−glycosylated)”または“非グリコシル化(unglycosylated)”は、観察可能なO結合型グリコシル化を有しないことを意味する。
[0048] 本明細書で用いられる際、用語“タンパク質発現系”は、対象のタンパク質、例えばapoA−IVを生成するために用いられる細胞に基づく、または非細胞に基づく発現系を指す。驚くべきことにapoA−IVがグリコシル化を欠いていることが分かったとすれば、グリコシル化機構を欠く発現系を用いて2型糖尿病の処置における使用のためのタンパク質を生成することができる。1態様において、哺乳類細胞のようなグリコシル化を行う細胞に基づく発現系を用いて非グリコシル化apoA−IVを生成することができる。1態様において、apoA−IVを作るために用いられるタンパク質発現系には、細菌発現系、哺乳類細胞発現系、バキュロウイルス(昆虫)細胞発現系、または酵母発現系のいずれかが含まれる。
[0049] 用語“組み換え宿主細胞”(または単に“宿主細胞)は、本明細書で用いられる際、核酸配列により形質転換されており、または形質転換されることができ、それにより対象の遺伝子、例えばapoA−IVを発現する細胞を指す。そのような用語は特定の対象細胞を指すだけでなくそのような細胞の子孫も指すことが意図されていることは理解されるべきである。変異または環境的影響のどちらかにより後に続く世代において特定の修飾が起こる可能性があるため、そのような子孫は実際にはその親細胞と同一ではない可能性があるが、なお本明細書で用いられるような用語“宿主細胞”の範囲内に含まれる。宿主細胞は、外来性の核酸配列を発現することができる原核または真核細胞であってよい。宿主細胞の例には、細菌、例えば大腸菌、酵母、植物細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児性腎臓(HEK)−293細胞および昆虫細胞が含まれる。
[0050] 用語“単離された”は、それがタンパク質に関して用いられる場合、その由来の起源または源により、(1)その未変性状態においてそれを伴う、天然において会合している構成要素と会合していない;(2)同じ種からの他のタンパク質を有しない;(3)異なる種からの細胞により発現されている;または(4)天然に存在しない、タンパク質、ポリペプチドまたは抗体である。従って、例えば化学的に合成された、またはそれが天然において源を発する細胞と異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、その天然において会合している構成要素から“単離されている”であろう。タンパク質は、あらゆる適切なタンパク質精製技法を用いる単離により天然において会合している構成要素を実質的に含まないようにすることもできる。1態様において、本発明の組成物および方法において用いられるapoA IVタンパク質は、組み換え宿主細胞、例えば細菌細胞から得られた単離されたタンパク質である。
[0051] 句“パーセント同一の”または“パーセント同一性”は、少なくとも2つの異なる配列間の類似性(例えば95%、96%、97%、98%、または99%)を指す。このパーセント同一性は、標準的なアラインメントアルゴリズム、例えばAltshulらにより記述された基本的局所的アラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)(BLAST)((1990) J. Mol. Biol. 215:403-10);Needlemanらのアルゴリズム((1970) J. Mol. Biol. 48:444-53);またはMeyersらのアルゴリズム((1988) Comput. Appl. Biosci. 4:11-17)により決定することができる。パラメーターのセットは、例えば12のギャップペナルティー、4のギャップ伸長ペナルティー、および5のフレームシフトギャップペナルティーを用いたBlosum 62スコア行列であることができる。2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、MeyersおよびMillerのアルゴリズム((1989) CABIOS 4:11-17)を用いて決定することもでき、それはPAM120重み残基表(weight residue table)、12のギャップ伸長ペナルティー、および4のギャップペナルティーを用いるALIGNプログラム(バージョン2.0)中に組み込まれている。
[0052] 用語“組み換えタンパク質”は、組み換えDNAから発現されるタンパク質分子を指す。例えば、組み換えApoA−IVタンパク質は、組み換え宿主細胞中で発現されるタンパク質である。好ましくは、本発明の方法および組成物において用いられるApoA−IVタンパク質は組み換えApoA−IVタンパク質である。
[0053] 本明細書で用いられる際、用語“有効量”は、所望の生物学的作用を実現するのに必要または十分な量を記述する。あらゆる特定の適用に関する有効量は、投与される個々の組成物、その対象の大きさ、および/または処置されている疾患および/または病期の重症度が含まれるがそれらに限定されない様々な要因に依存して異なり得る。1態様において、“有効量”は約0.25〜10μg/gの非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体の用量である。あるいは、非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体の“有効量”は、約1〜10μg/g、約0.25〜2μg/g、約1μg/g、または0.1mg/kg〜25mg/kgである。別の態様において、その有効量は約1〜1000mgの一定用量である。さらなる態様において、その有効量は約1〜10mgの一定用量である。
[0054] 非グリコシル化apoA−IVまたは生物学的に活性な類似体は1日1回投与される。あるいは、非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体は1日約2回投与される。さらに別の代替案において、非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体は1日2回より多く、例えば1日3回投与される。さらに別の代替案において、非グリコシル化apoA−IVは2日、3日、4日、5日もしくは6日ごとに1回、または週1回投与される。
[0055] 本明細書で用いられる際、用語“所望の生物学的作用”は、疾患または病気の作用を低減する、疾患または病気を中和する、および/または排除することを記述している。例えば、2型糖尿病の文脈において、所望の生物学的作用には、血糖の低下、耐糖能の向上、耐糖能の正常なレベルへの実質的な回復、インスリン分泌の向上、および/またはインスリン分泌の正常なレベルへの実質的な回復が含まれるが、それらに限定されない。
[0056] 本明細書で用いられる際、用語“正常なレベル”は、処置の必要のない対象におけるレベルと実質的に同じであるレベルを記述する。例えば、2型糖尿病の処置の文脈において、正常な血糖値は、食前に約70mg/dLから約130mg/dLまで、および食事の約1〜2時間後に約180mg/dL未満、または食前に約70mg/dLから約100mg/dLまで、および食事の約1〜2時間後に約140mg/dL未満である。2型糖尿病の処置の文脈における別の例において、耐糖能の正常なレベルは、血糖値が食前に約70mg/dLから約130mg/dLまでおよび食事の約1〜2時間後に約180mg/dL未満、または食前に約70mg/dLから約100mg/dLまでおよび食事の約1〜2時間後に約140mg/dL未満であるように炭水化物を代謝する対象の能力を記述する。2型糖尿病の処置の文脈におけるさらに別の例において、インスリン分泌の正常なレベルは正常なレベルの耐糖能を維持するために必要な量であり、ここでインスリン分泌のレベルは食事の約15時間後に約1ng/mLより大きい。さらなる態様において、正常な血糖値は早朝空腹時血糖試験に関して約70mg/dlから100mg/dlまでである。
[0057] 血糖値の文脈において、用語“回復させる”は、対象の血糖値を正常なレベルまで変化させることを記述する。同様に、耐糖能の文脈において、用語“回復させる”は、対象の耐糖能を正常なレベルまで変化させることを記述する。また、インスリン分泌の文脈において、“回復させる”は、対象のインスリン分泌を正常なレベルまで変化させることを記述する。
[0058] 非グリコシル化apoA−IVの文脈において、用語“生物学的に活性な断片”は、2型糖尿病を有する対象において所望の生物学的作用を実現することができる非グリコシル化apoA−IVの断片を記述する。用語“生物学的に活性な類似体”は、2型糖尿病を有する対象において所望の生物学的作用を実現することができる非グリコシル化apoA−IVの類似体を記述する。1つの例において、所望の生物学的作用は、実施例2において記述されるようにapoA−IVノックアウトマウスにおいて耐糖能を回復させることである。所望の生物学的作用の別の例は、2型糖尿病の動物モデル、例えば実施例7において記述されるマウスモデルにおいて異常なグルコースレベルの統計学的に有意な低下を引き起こすことである。
[0059] 本明細書で用いられる際、用語“肥満の”は、対象が正常な体重をかなり上回っている状態を記述する。1つの特定の例において、肥満のという用語は、対象がそれらの理想的な体重を約20%より大きく超える、および/または約30もしくは約30より大きい肥満指数を有する状態を記述する。1態様において、処置されている対象は肥満であり;別の態様において、処置されている対象は肥満ではなく;そしてさらに別の態様において、処置されている対象は正常な体重を有する。
[0060] 本開示の態様は、それを必要とする対象において2型糖尿病を処置するための方法および2型糖尿病の処置のための医薬組成物に関する。1態様において、糖尿病を処置する方法が開示される。1つの特定の態様において、それを必要とする対象において2型糖尿病を処置する方法が開示され、ここでその方法は有効量の非グリコシル化アポリポタンパク質A−IV(以下“apoA−IV”)またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片をその対象に投与することを含む。
[0061] 1態様において、その2型糖尿病を処置する方法は対象の血糖値を低下させるために有効である。1つの特定の態様において、その方法は対象の血糖値を約20〜50%低下させるために有効である。さらなる態様において、その方法は対象の血糖値を約40%低下させるために有効である。さらなる態様において、その方法は対象の血糖値を約70%低下させるために有効である。さらに別の態様において、その方法は血糖値を正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。
[0062] 1態様において、2型糖尿病を処置する方法は結果として対象の血糖値を低下させる。1つの特定の態様において、その方法は対象の血糖値を投与間隔の過程にわたってベースラインレベルから約1mg/dl、2mg/dl、3mg/dl、4mg/dl、5mg/dl、6mg/dl、7mg/dl、8mg/dl、9mg/dl、10mg/dl、11mg/dl、12mg/dl、13mg/dl、14mg/dl、15mg/dl、16mg/dl、17mg/dl、18mg/dl、19mg/dl、20mg/dl、40mg/dl、60mg/dl、80mg/dl、100mg/dl、120mg/dl、140mg/dl、160mg/dl、180mg/dl、200mg/dl、220mg/dl、または240mg/dl低下させるために有効である。
[0063] 別の態様において、2型糖尿病を処置する方法は、対象の耐糖能を正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。1つの特定の態様において、その方法は対象の耐糖能を1用量の非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体の投与後約2時間以内に正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。別の態様において、その方法は対象の耐糖能を1用量のapoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体の投与後約3時間以内または約4時間以内に正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。別の態様において、対象の耐糖能は約8〜12時間正常なレベルまで実質的に回復している。
[0064] さらに別の態様において、その処置はインスリン分泌を正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。1つの特定の態様において、その処置はインスリン分泌を1用量の非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体もしくは断片の投与後約2時間以内に正常なレベルまで実質的に回復させるために有効である。別の態様において、インスリン分泌は約8〜12時間正常なレベルまで実質的に回復している。さらに別の態様において、その処置はC反応性タンパク質のレベルを低下させるために有効である。
[0065] 1態様において、非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体は全身投与される。非グリコシル化apoA−IVまたはその類似体の全身投与は、経口、皮下、静脈内、筋内、および腹腔内投与からなる群から選択される。
[0066] 別の態様において、医薬組成物が開示される。1つの特定の態様において、その医薬組成物は非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を含む。別の態様において、その非グリコシル化apoA−IVまたはその類似体は2型糖尿病の処置のための対象への投与のために配合される。この特定の態様において、それを必要とする対象において2型糖尿病を処置するための方法も提供され、ここでその方法は有効量のその医薬組成物をその対象に投与することを含む。
[0067] “アポリポタンパク質A−IV”は哺乳類のapoA−IVを指し、それには完全長apoA−IVおよびapoA−IVの生物学的に活性な断片が含まれる。完全長ヒトapoA−IVタンパク質は376アミノ酸のタンパク質(SEQ ID NO:1)であり、そのアミノ酸配列は図15において示されており、その分子量は43.4kDaである。完全長マウスapoA−IVタンパク質のアミノ酸配列(SEQ ID NO.2)は図16において示されている。完全長ヒト配列のapoA−IVのN末端にグリシンが追加された既知の類似体(SEQ ID NO.3、図17において示されている)およびそのN末端グリシンに関する保存的置換(例えばアラニンおよびバリン)を有するその類似体も、用語“アポリポタンパク質A−IV”に含まれる。“アポリポタンパク質A−IV”には、SEQ ID NO.1により表されるヒトの配列またはSEQ ID NO.3の対応する位置に対するT347S、Q360H、またはE165K置換が含まれるその多型形態も含まれる。従って、“アポリポタンパク質A−IV”には、図18において示されているSEQ ID NO.4のタンパク質が含まれる。加えて、ヒトの“アポリポタンパク質A−IV”には、下記の表1において示されるように、それぞれ以下のミスセンス変異を有する変異体(SEQ ID NO:20〜64)が含まれる:P393H、Q385K、Q381K、Q380H、Q377P、T367S、S353A、N352Y、V336M、D335H、G311R、V307L、R305C、R304Q、E291G、V274M、V274A、R264Q、A260T、E250K、N235S、Q231K、R220C、Q214H、E207K、T202M、R200C、D191N、D184N、P181L、A172T、R169W、A161S、R154W、T148M、S147N、A139E、N127K、S95L、R90C、T85A、Q77H、G74S、V13M、またはV6M。SEQ ID NO:20〜65にはシグナル配列が含まれる。1態様において、本明細書で記述される方法および組成物には、SEQ ID NO:20〜65において記述されるタンパク質の成熟形態が含まれる。
[0068] 1態様において、本明細書で記述される方法および組成物は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む非グリコシル化apoA−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を用いる。あるいは、本明細書で記述される方法および組成物は、SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64からなる群から選択される配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む非グリコシル化ApoA−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を用いる。
[0069] apoA−IVの生物学的に活性な類似体は、apoA−IVに対して少なくとも90、95、96、97、98または99%の同一性を有する。前の段落において記述したように、apoA−IVには完全長の哺乳類のapoA−IV(例えばヒトまたは哺乳類)(ヒトはSEQ ID NO:1において記述されている)、その多型形態、SEQ ID NO.3および4のタンパク質、ならびに前記のもののいずれかの生物学的に活性な断片が含まれる。生物学的に活性な類似体におけるアミノ酸変異は、好ましくはその野生型配列と比較して保存的置換を有する。“保存的置換”は、同じ正味の電子電荷ならびにおおよそ同じ大きさおよび形状を有する、アミノ酸の別のアミノ酸による置き換えである。脂肪族または置換脂肪族アミノ酸側鎖を有するアミノ酸残基は、それらの側鎖中の炭素および複素原子の総数が約4より多くなく異なる場合、おおよそ同じ大きさを有する。それらは、それらの側鎖中の分枝の数が1より多くなく異なる場合、おおよそ同じ形状を有する。それらの側鎖中にフェニルまたは置換フェニル基を有するアミノ酸残基は、およそ同じ大きさおよび形状を有すると考えられる。下記に5つのアミノ酸の群を列挙する。あるアミノ酸残基の同じ群からの別のアミノ酸残基による置き換えは、結果として保存的置換をもたらす:
第I群:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イロソイシン、セリン、スレオニン、システイン、およびC1〜C4脂肪族またはC1〜C4ヒドロキシル置換脂肪族側鎖(直鎖またはモノ分枝状)を有する非天然存在アミノ酸。
第II群:グルタミン酸、アスパラギン酸およびカルボン酸置換C1〜C4脂肪族側鎖(未分枝または1分枝点)を有する非天然存在アミノ酸。
第III群:リシン、オルニチン、アルギニンおよびアミンまたはグアニジン置換C1〜C4脂肪族側鎖(未分枝または1分枝点)を有する非天然存在アミノ酸。
第IV群:グルタミン、アスパラギンおよびアミド置換C1〜C4脂肪族側鎖(未分枝または1分枝点)を有する非天然存在アミノ酸。
第V群:フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシンおよびトリプトファン。
[0070] apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体は、好ましくはグリコシル化されていない。組み換え非グリコシル化ヒトおよびマウスapoA−IVの調製が図12において記述されている。完全長野生型ヒトアポリポタンパク質(SEQ ID NO.1)のポリヌクレオチド配列が図19においてSEQ ID NO.5として示されている。
[0071] 実施例1〜10において用いられるapoA−IVはグリコシル化されていない。非グリコシル化apoA−IVは、分子生物学の分野において既知の標準的な方法に従って調製することができる。例えば、非グリコシル化apoA−IVは伝統的な分子クローニング技法により調製することができる。
[0072] 1態様において、apoA−IVはTubb et al. (2009) J of Lipid Res 50:1497において記述されている方法に従って調製され、ここで著者は親和性タグ(ヒスチジン(His)タグ)を有する組み替えapoA−IVを細菌発現系、すなわち大腸菌において発現させた。Tubbらは、そのapoA−IVタンパク質からのHisタグの切断のための手段としてのタバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼの使用を記述している。従って、そのapoA−IVタンパク質を組み替え宿主細胞、例えば大腸菌中でHisタグを用いて発現させることができ、それはTEVプロテアーゼにより切断される。あるいは、そのapoA−IVタンパク質を組み替え宿主細胞、例えば大腸菌中でグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)タグを用いて発現させることができ、それはTEVプロテアーゼにより切断される。1態様において、TEVプロテアーゼはそのapoA−IVタンパク質から親和性タグを切断するために用いられる。
[0073] 1態様において、細菌宿主を用いて非グリコシル化apoA−IVを生成することができる。細菌宿主の例には、大腸菌BL−21、BL−21(DE3)、BL21−AI(商標)、BL21(DE3)pLysS、BL21(DE3)pLysE、BL21 Star(商標)(DE3)、およびBL21 Star(商標)(DE3)pLysS(Invitrogen)が含まれるが、それらに限定されない。コリネバクテリウムもapoA−IVを発現させるための宿主として用いることができる。その細菌宿主中への形質転換の前に、ApoA−IVまたはその類似体をコードするDNA断片をその細菌宿主中への形質転換のための適切な発現ベクターのいずれかの中に組み込むことができる。適切な発現ベクターには、例えばSambrook, et al., Molecular Cloning Manual, 第2版, 1989において記述されているような、当業者に様々な形で知られているプラスミドベクター、コスミドベクター、およびファージベクターが含まれる。発現ベクターの例には、pETベクター(Invitrogen)、pDESTベクター(Invitrogen)、pRSETベクター(Invitrogen)、およびpJexpressベクター(DNA2.0 Inc.)が含まれる。1態様において、大腸菌BL−21(DE3)をApoA−IVをコードする遺伝子を含有するpET30発現ベクターを用いて形質転換する。
[0074] 原核生物に加えて、真核微生物、例えば糸状菌または酵母はapoA−IVをコードするベクターに関する適切なクローニングまたは発現宿主である。出芽酵母、または一般的なパン酵母は、低級真核性宿主微生物の中で最も一般的に用いられる。しかし、分裂酵母;例えばK.ラクチス(K.lactis)、K.フラジリス(K fragilis)(ATCC 12,424)、K.ブルガリクス(K.bulgaricus)(ATCC 16,045)、K.ウイッケルハミイ(K.wickeramii)(ATCC 24,178)、K.ワルティ(K.waltii)(ATCC 56,500)、K.ドロソフィラルム(K.drosophilarum)(ATCC 36,906)、K.サーモトレランス(K.thermotolerans)、およびK.マーキシアヌス(K.marxianus)のようなクリベロマイセス属の宿主;ヤロウイア(yarrowia)(EP 402,226);ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(EP 183,070);カンジダ;トリコデルマ・リーシア(Trichoderma reesia)(EP 244,234);アカパンカビ;シュワンニオマイセス属(Schwanniomyces)、例えばシュワンニオマイセス・オキシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis);ならびに糸状菌、例えばニューロスポーラ属、ペニシリウム属、トリポクラディウム属、ならびにアスペルギルス属の宿主、例えばA.ニデュランス(A.nidulans)およびA.ニゲル(A.niger)のような多くの他の属、種、および株が一般的に入手可能であり、本明細書において有用である。
[0075] apoA−IVの発現のための適切な宿主細胞は、多細胞生物に由来することもできる。無脊椎動物細胞の例には、植物および昆虫細胞が含まれる。数多くのバキュロウイルス株および変異体ならびにヨトウガ(Spodoptera frugiperda)(イモムシ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(蚊)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(蚊)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、およびカイコガ(Bombyx mori)のような宿主からの対応する許容的昆虫宿主細胞が同定されている。形質移入のための様々なウイルス株、例えばキンウワバ科(Autographa californica)NPVのL−1変異体およびカイコガNPVのBm−5株が公的に利用可能であり、そのようなウイルスを本発明に従う本明細書におけるウイルスとして、特にヨトウガ細胞の形質移入のために用いることができる。
[0076] ワタ、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、ペチュニア、トマト、およびタバコの植物細胞培養物も宿主として利用することができる。
[0077] apoA−IVタンパク質の生成のための別の適切な宿主細胞は、脊椎動物細胞である。有用な哺乳類宿主細胞株の例には、SV40により形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児性腎臓株(例えば、293または懸濁培養での増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、例えばATCC CCL 10);CHO K1、CHO pro3.sup.−、CHO DG44、CHO DUXB11、Lec13、B−Ly1、およびCHO DP12細胞が含まれるがそれらに限定されないチャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))、好ましくはCHO DUX(DHFR−)またはその下位クローン(本明細書において“CHO DUX”と呼ばれる);C127細胞、マウスL細胞:Ltk.sup.−細胞;マウスセルトリ細胞((TM4、Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット(buffalo rat)肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス骨髄腫細胞;NS0;ハイブリドーマ細胞、例えばマウスハイブリドーマ細胞;COS細胞;マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TR1細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982));MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝細胞癌株(Hep G2)が含まれるが、それらに限定されない。
[0078] 宿主細胞にapoA−IVタンパク質の生成のための発現またはクローニングベクターを用いて形質移入し、誘導性プロモーターのために適宜改変された一般に用いられる栄養培地中で培養し、形質転換体を選択し、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅する。
[0079] 本実施例において用いられるapoA−IVノックアウトマウスはJ Lipid Res. 1997 Sep;38(9):1782-94において開示されている手順に従って生成され、その全教示を参照により本明細書に援用する。
[0080] 2型糖尿病を処置するための併用療法も本発明の方法に含まれる。アポリポタンパク質A−IVとの組み合わせで用いることができる追加の療法剤の例には、スルホニル尿素類、メグリチニド類、ビグアニド類、チアゾリジンジオン類、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−4阻害剤、インクレチン模倣物、およびインスリンが含まれるが、それらに限定されない。追加の療法剤は、apoA−IVの投与の前に、apoA−IVの投与と同時に、またはapoA−IVの投与後にそれを必要とする対象に投与することができる。
[0081] 2型糖尿病の処置のために対象に投与されるapoA−IVの有効量は、例えば体重に基づく用量(例えばmg/kg)であってよく、または別の態様において一定用量(体重に依存しない)であってよい。1態様において、約1〜10mg/kg、約0.25〜2mg/kg、約1mg/kg、または0.1mg/kg〜25mg/kgのapoA−IVがそれを必要とする対象に投与される。別の態様において、それを必要とする対象に投与されるapoA−IVの有効量は、約1〜1000mgの一定用量である。さらなる態様において、その有効量はそれを必要とする対象に投与されるapoA−IVの一定用量であり、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11、mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、または1000mgである。
[0082] 1つの特定の態様において、その医薬組成物はさらに医薬的に許容できるキャリヤーを含むことができる。医薬的に許容できるキャリヤーには、この分野で一般的に用いられる広い範囲の既知の希釈剤(すなわち溶媒)、充填剤、増量剤、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤(disintegrates)、界面活性剤、潤滑剤、賦形剤、湿潤剤等が含まれる。その医薬組成物は好ましくは水性であり、すなわちそれは液体配合物であり、好ましくは発熱物質を含まない水を含む。これらのキャリヤーは、その医薬製剤の形態に応じて、単独で、または組み合わせで用いることができる。結果として得られた製剤は、必要であれば、医薬製剤の分野で広く用いられる1種類以上の可溶化剤、緩衝剤、保存剤、着色剤、香料、香味料等を組み込むことができる。
[0083] その非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体は、錠剤、カプセル、顆粒、丸剤、注射剤、液剤、エマルジョン、懸濁液、およびシロップ剤からなる群から選択される剤形中に配合することができる。その医薬組成物に関する形態および投与経路は限定されず、適切に選択することができる。例えば、錠剤、カプセル、顆粒、丸剤、シロップ剤、液剤、エマルジョン、および懸濁液は経口投与することができる。加えて、注射剤(例えば皮下、静脈内、筋内、および腹腔内)は、単独で、もしくはグルコース、アミノ酸および/または同様のものを含有する一般的に用いられる補液(replenisher)との組み合わせで静脈内投与することができ、または単独で筋内、皮内、皮下および/または腹腔内投与することができる。
[0084] 2型糖尿病を処置するための本発明の医薬組成物は、この種類の医薬分野で既知の方法に従って、医薬的に許容できるキャリヤーを用いて調製することができる。例えば、経口形態、例えば錠剤、カプセル、顆粒、丸剤等は、賦形剤、例えばサッカロース、ラクトース、グルコース、デンプン、マンニトール等;結合剤、例えばシロップ、アラビアガム、ソルビトール、トラガカント、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等;崩壊剤、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロースまたはそのカルシウム塩、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール等;潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、シリカ等;および湿潤剤、例えばラウリン酸ナトリウム、グリセロール等を用いて既知の方法に従って調製される。
[0085] 注射剤、液剤、エマルジョン、懸濁液、シロップ剤等は、既知の方法に従って、その有効成分を溶解させるための溶媒、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油等;界面活性剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン、レシチン等;懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース等が含まれるセルロース誘導体、トラガカント、アラビアガム等が含まれる天然ガム;および保存剤、例えばパラヒドロキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸塩類等を適切に用いて調製することができる。
[0086] 2型糖尿病を処置するための本発明の医薬組成物中に含有されるべき有効成分の割合は、広い範囲から適切に選択することができる。
[0087] 1つの特定の態様において、2型糖尿病の処置を必要とする対象は哺乳類である。その哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ、ブタ、およびウサギからなる群から選択することができる。1つの特定の態様において、その哺乳類はヒトである。別の態様において、非グリコシル化apoA−IVまたはその生物学的に活性な類似体を2型糖尿病の処置のために対象に投与することができ、ここでその対象は肥満である。あるいは、非グリコシル化apoA−IVを2型糖尿病の処置のために対象に投与することができ、ここでその対象は肥満ではない。
[0088] さらに別の態様において、図1を参照すると装置1が開示されている。1態様において、その装置1は前に上記で論じられた医薬組成物のリザーバー10を含む。さらなる態様において、そのリザーバー10はバイアル12を含む。そのバイアル12はその医薬組成物の機能を阻害しないあらゆる材料で形成されていてよい。例えば、そのバイアル12はガラスおよび/またはプラスチックを含んでいてよい。加えて、そのバイアル12は、それを通してその医薬組成物を取り出すことができる突き通すことができる隔壁14を含んでいてよい。使用において、そのバイアルの隔壁14を注射器20の針22により突き通し、その医薬組成物をバイアル12から注射器20により取り出し、そしてその医薬組成物を必要とする対象に注射により投与する。
[0089] 以下の限定的でない実施例は、本開示の方法を説明する。
実施例1:apoA−IVノックアウトマウスのグルコース不耐性
[0090] 実験プロトコル。オスのapoA−IVノックアウト(“以下“KO”)マウスを得た。野生型(以下“WT”)マウスは対照の役目を果たした。apoA−IV KOおよびWTマウスはシンシナティ大学(オハイオ州シンシナティ)において維持されているコロニーから得られた。apoA−IV KOおよびWTマウスは固形飼料を与えられた。グルコース負荷試験を実施する前に、ApoA−IV KOマウスおよびWTマウスを5時間絶食させた。そのグルコース負荷試験において、そのapoA−IV KOマウスおよびWTマウスに約2mg/g体重の用量のグルコースを腹腔内注射し、血漿グルコースをグルコースの注射後約0、15、30、60、および120分の時点で測定した。そのグルコース負荷試験を2回(3ヶ月齢において1回、16ヶ月齢においてもう1回)実施した。
[0091] 実験結果。図2において示されるように、apoA−IV KOマウスはWTマウスと比較してグルコース不耐性であった。具体的には、図2は、WTマウスにおける血漿グルコースレベルはapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルよりもグルコースの腹腔内注射後2時間の間低かったことを示している。理論により束縛されるわけではないが、これらの研究の意味することは、apoA−IVは(少なくともオスにおいて)正常なグルコースの恒常性に必要であることであった。さらに、図3において示されるように、apoA−IV KOマウスは16ヶ月齢において試験した際に増大したグルコース不耐性を示した。具体的には、図3は、16ヶ月齢において試験したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルは3ヶ月齢において試験したapoA−IV KOにおける血漿グルコースレベルよりも高かったことを示している。理論により束縛されるわけではないが、これらの研究の意味することは、apoA−IV KOマウスの耐糖能は年齢と共に悪化することであった。
メスの野生型およびapoA−IVノックアウトマウスを用いた実験
[0092] メスのApoA−IV野生型およびノックアウトマウスに対して、この実施例1中でより早く記述されたようなオスのapoA−IV KOおよびWTマウスに関して用いられた試験と同じ腹腔内グルコース負荷試験を実施した。その結果が図11において示されている。メスのapoA−IV−/−マウスは、腹腔内にグルコースで負荷をかけた際、メスのWT動物と比較して増大した血漿グルコースレベルを有するが、統計学的に有意な差は存在しない。一方で、オスはWTおよびKO動物の間で有意差を有する。
実施例2:apoA−IVノックアウトマウスにおける耐糖能の回復
[0093] 実験プロトコル。apoA−IV KOマウスがグルコース不耐性であることを実証する際、apoA−IVのapoA−IV KOマウスへの投与が耐糖能を正常なレベルまで回復させるであろうかどうかを決定するため、一連の広範な試験を実施した。具体的には、投与すべきapoA−IVの量だけでなくapoA−IVをグルコース負荷試験を実施する前に投与すべき最適な時点も決定するため、一連の試験を実施した。
[0094] オスのapoA−IV KOマウスに重量により約0.25、0.5、1、および2μg/gの用量のapoA−IVを腹腔内注射した。また、apoA−IV KOマウスに対照としての役目を果たさせるために生理食塩水溶液を腹腔内注射した。マウスapoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射後、3ヶ月齢において前に論じたようにグルコース負荷試験を実施した。具体的には、apoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射の約2時間後にグルコース負荷試験を実施した。実験結果は、apoA−IV KOマウスにおいて耐糖能を回復させるための最適な時点はグルコース負荷試験を実施する約2時間前にapoA−IVを投与することであることを示した。
[0095] 実験結果。図4において示されるように、apoA−IVのapoA−IV KOマウスへの投与は耐糖能を正常なレベルまで回復させた。具体的には、図4はapoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルは生理食塩水溶液を注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルよりも低かったことを示している。さらに、図4において示されるように、apoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルは最高投与量のapoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおいて最低であり;同様に、apoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルは最低投与量のapoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおいて最高であった。従って、耐糖能の向上の程度は投与されるapoA−IVの用量に依存しており、より高い用量は結果として向上した耐糖能をもたらすことが発見された。
実施例3:apoA−IV ノックアウトマウスにおける耐糖能の回復におけるapoA−IVの特異性
[0096] 実験プロトコル。apoA−IVの特異性を評価するため、我々はアポリポタンパク質AI(以下“apoA−I”)をapoA−IV KOマウスに投与した。apoA−Iは、apoA−IVも産生する小腸上皮細胞により作られるタンパク質である。apoA−IはapoA−IVの機能の多くを共有している。apoA−IV KOマウスに重量により1μg/gの用量のapoA−Iを腹腔内注射した。また、apoA−IV KOマウスに対照としての役目を果たさせるために生理食塩水溶液を腹腔内注射した。apoA−Iまたは生理食塩水溶液の注射後、3ヶ月齢において前に論じたようにグルコース負荷試験を実施した。具体的には、apoA−Iまたは生理食塩水溶液の注射の約2時間後にグルコース負荷試験を実施した。
[0097] 実験結果。図5において示されるように、apoA−IのapoA−IV KOマウスへの投与は耐糖能を回復または向上させなかった。
実施例4:apoA−IV ノックアウトマウスにおける耐糖能の回復の機序
[0098] 実験プロトコル。ApoA−IVがapoA−IV KOマウスにおいて耐糖能を向上させる機序を評価するため、我々はapoA−IV KOマウスにおいてグルコースに誘導されるインスリン分泌を測定した。より具体的には、我々は前に論じたような3ヶ月齢におけるグルコース負荷試験の間にグルコースに誘導されるインスリン分泌を測定した。この研究において、グルコース負荷試験を実施する2時間前に、apoA−IV KOマウスに重量により約1μg/gの用量のマウスapoA−IVを腹腔内注射した。apoA−IV KOマウスに、グルコース負荷試験を実施する約2時間前に、対照としての役目を果たさせるために生理食塩水溶液を注射した。
[0099] 実験結果。図6において示されるように、第I相インスリン分泌は生理食塩水溶液を注射したapoA−IV KOマウスには存在しなかった。しかし、図6において示されるように、apoA−IVをグルコース負荷試験を実施する2時間前に腹腔内注射した場合、apoA−IV KOマウスにおいて第I相インスリン分泌が回復した。
実施例5:高脂肪飼料を与えたapoA−IVノックアウトおよび野生型マウスにおけるapoA−IVの有効性
[00100] 実験プロトコル。apoA−IV KOおよびWTマウスに、Dyets(ペンシルバニア州ベスレヘム)から購入した高脂肪の半精製の栄養的に完全な実験飼料(AIN−93M)を10週間慢性的に与えた。その高脂肪飼料は、100gの飼料あたり約20gの脂肪(すなわち約19gのバター脂および必須脂肪酸を提供するための1gの大豆油)を含有する。そのapoA−IV KOおよびWTマウスは、温度(約22±1℃)および光(約12時間明/12時間暗)制御された動物施設中に置かれたコーンコブ(corncob)を有する個々のタブケージ(tub cages)中に収容された。3ヶ月齢において前に論じたようにグルコース負荷試験を実施した。そのグルコース負荷試験を実施する前に、apoA−IV KOおよびWTマウスを5時間飢えさせた。そのグルコース負荷試験において、apoA−IV KOマウスおよびWTマウスに約2mg/g体重の用量のグルコースを腹腔内注射した。
[00101] 実験結果。図7において示されるように、apoA−IV KOマウスはWTマウスと比較してより大きいグルコース不耐性を示した。具体的には、図7はグルコースの腹腔内注射後2時間の間WTマウスにおける血漿グルコースレベルがapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルよりも低かったことを示している。
実施例6:高脂肪飼料を与えたapoA−IVノックアウトおよび野生型マウスにおける耐糖能の回復。
[00102] 実験プロトコル。3ヶ月齢において高脂肪飼料(20重量%の脂肪、19%のバター脂および1%のサフラワー油)を14週間与えたapoA−IV KOおよびWTマウスへのapoA−IVの投与に関連して一連の試験を実施した。具体的には、apoA−IV KOおよびWTマウスに約1μg/g体重の用量のマウスapoA−IVを腹腔内注射した。また、apoA−IV KOおよびWTマウスに対照としての役目を果たさせるために生理食塩水溶液を腹腔内注射した。apoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射後、グルコース負荷試験を実施した。具体的には、apoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射の2時間後にグルコース負荷試験を実施した。
[00103] 実験結果。図8において示されるように、apoA−IV KOマウスにおけるapoA−IVの投与は耐糖能を有意に向上させた。具体的には、図8はapoA−IVを注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルが生理食塩水溶液を注射したapoA−IV KOマウスにおける血漿グルコースレベルよりも低かったことを示している。[前の文は、次の文が同じことを記述しているため、余分である。データは本明細書に含まれていないが、慢性的に高脂肪飼料を与えたWTマウスにおけるapoA−IVの投与も耐糖能を有意に向上させることも発見された。
実施例7:2型糖尿病を有するマウスにおける耐糖能の回復
[00104] 実験プロトコル。apoA−IVが2型糖尿病を有する動物における耐糖能の促進において有効であることを確証するため、ヘテロ接合性のKK Cg−A/J(以下“Cg−A/J”)マウスをジャクソン研究所(メイン州バーハーバー)から得た。Cg−A/Jマウスは8週齢までに高血糖症、高インスリン血症、肥満、およびグルコース不耐性を発現する。これらのマウスにおける糖尿病の主因は、A変異との多遺伝子相互作用によりもたらされたインスリン耐性であり、それはagouti関連タンパク質およびメラノコルチン−IV受容体の拮抗物質をコードしている。Cg−A/Jマウスに固形飼料を与えた。加えて、その固形飼料を与えた10から14週間まで血糖における顕著な上昇が存在した。
[00105] 14週齢において、Cg−A/JマウスにマウスapoA−IV(約1μg/g体重)または生理食塩水溶液(対照の役目を果たす)のどちらかを腹腔内注射により投与した。次いで血漿グルコースを約0、0.5、1、2、3、4、5、7、11、および24時間の時点で決定した。
[00106] 実験結果。図9において示されるように、apoA−IVは生理食塩水対照と比較してCg−A/Jマウスの血糖値の低下において顕著な作用を有する。生理食塩水溶液を注射したCg−A/Jマウスは24時間の試験期間全体を通して不変の(steady)血漿グルコースレベルを維持していたが、apoA−IVを注射したCg−A/Jマウスは10時間より長い間血漿グルコースにおける低下を経験し、そしてこの期間のほとんどの間、その血漿グルコースレベルは我々が研究していたC57BL/6J動物と比較可能であった。この試験から、我々はapoA−IVの投与はCg−A/Jマウスにおける血漿グルコースの低下において有効であると結論付ける。
実施例8:apoA−IV KO、apoA−I KO、およびWTマウスにおける血清アミロイドP構成要素のレベル
[00107] 実験プロトコル。アテローム生成性飼料を与えたapoA−IV KO、apoA−I KO、およびWTマウスにおける血清アミロイドAタンパク質構成要素(以下“SAP”)のレベルの決定に関連して一連の試験を実施した。apoA−IV KO、apoA−I KO、およびWTマウスはシンシナティ大学から得た。SAPはアミロイドP構成要素(以下“AP”)の血清形態であり、アミロイドと呼ばれる生体内の病的沈着物の5角形の構成要素として最初に同定された25kDaの5量体タンパク質である。SAPはヒトにおいてC反応性タンパク質のように振る舞う。具体的には、apoA−IV KO、apoA−I KO、およびWTマウスにおける血漿SAPのレベルをapoA−IV KO、apoA−I KO、およびWTマウスにおいてアテローム生成性飼料を12週間与えた後に決定した。血漿SAPのレベルはウェスタンブロット分析により決定された。
[00108] 実験結果。図10において示されるように、apoA−IV KOマウス(マウス番号1、8、および10に対応する)におけるSAPのレベルはapoA−I KOマウス(マウス番号28、29、および30に対応する)およびWTマウス(マウス番号19、20、および25に対応する)と比較して増大した。
[00109] 本開示を記述および定義する目的のため、用語“約”および“実質的に”は本明細書においてあらゆる定量的比較、値、測定、または他の表現に帰することができる本来備わっている不確定性の程度を表すために利用されていることを特筆する。用語“約”および“実質的に”は、本明細書において定量的表現が結果的に問題の主題の基本的な機能における変化をもたらすことなく記載された参照から変動してよい程度を表すためにも利用されている。
[00110] 上記の記述および図は典型的な態様を説明するものとだけ考えられるべきであり、それは本開示の特徴および利点を達成する。記述された特徴および工程の修正および置換は、本開示の意図および範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本開示は前記の記述および図により限定されるものとして考えられるべきではなく、それは添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。
実施例9:ヒトapoA−IVは腹腔内グルコース負荷試験を受けている野生型マウスにおいて血糖値を低下させる。
[00111] 実験プロトコル。ヒトapoA−IVの野生型マウスへの投与がグルコース負荷試験を受けているマウスにおける血糖値に影響を及ぼすであろうかどうかを決定するための試験を実施した。
[00112] 3ヶ月齢の野生型マウスに重量により約1μg/gの用量のヒトapoA−IVを腹腔内注射した。対照として、別の群の野生型マウスに生理食塩水溶液を腹腔内注射した。ヒトapoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射後、グルコース負荷試験を実施した。具体的には、apoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射の約2時間後および絶食の約5時間後にグルコース負荷試験を実施した。尾の血液を採取し、グルコメーター(glucometer)により測定した。
[00113] 実験結果。図12において示されるように、ヒトapoA−IVはグルコース負荷試験を受けている野生型マウスにおける血糖の低下において有効であった。
実施例10.腹腔内グルコース負荷試験を受けている野生型のメスのマウスにおけるマウスapoA−IVの作用
[00114] 実験プロトコル。マウスapoA−IVのメスの野生型マウスへの投与がグルコース負荷試験を受けているマウスにおける血糖値に影響を及ぼすであろうかどうかを決定するための試験を実施した。
[00115] 3ヶ月齢のメスの野生型マウスに重量により約1μg/gの用量のマウスapoA−IVを腹腔内注射した。対照として、別の群のメスの野生型マウスに生理食塩水溶液を腹腔内注射した。ヒトapoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射後、グルコース負荷試験を実施した。具体的には、apoA−IVまたは生理食塩水溶液の注射の約2時間後および絶食の約5時間後にグルコース負荷試験を実施した。尾の血液を採取し、グルコメーターにより測定した。
実験結果。図13において示されるように、マウスapoA−IVはグルコース負荷試験を受けている野生型のメスのマウスにおける血糖の低下において有効であった。
実施例11 ヒトapoA−IVはヒトの島においてインスリンの放出を刺激する
[00116] 高純度のヒトの島はバージニア大学、Axon Cellsにより提供された。島を10% FBSおよび11mMグルコースを含有するRPMI 1640中で95%空気および5%COの加湿した雰囲気中で37℃において48時間培養した。次いで4つの群の50個のIEQ島を3.0mMグルコースを含有する通常のKRB(129mM NaCl、4.8mM KCl、2.5mM CaCl、1.2mM MgSO、1.2mM KHPO、5mM NaHCO、10mM HEPESおよび0.2% BSA)中で37℃において1時間前保温した。次いで最初の2つの群中の島を3.0mMグルコースを含有する通常のKRB中で10μg/mlヒトA−IVの存在下または非存在下で1時間保温し、さらに10μg/mlヒトA−IVの存在下または非存在下で20mMグルコースと共に追加で1時間保温した。最後の2つの群中の島を3.0mMグルコースを含有する30mM KCl KRB(103.8mM NaCl、30mM KCl、2.5mM CaCl、1.2mM MgSO、1.2mM KHPO、5mM NaHCO、10mM HEPESおよび0.2% BSA)+250μmol/lジアゾキシド中で10μg/mlヒトA−IVの存在下または非存在下で1時間保温し、さらに10μg/mlヒトA−IVの存在下または非存在下で20mMグルコースと共に追加で1時間保温した。それぞれの1時間保温の終了時に培地を収集した。インスリンレベルをELISAキット(Millipore)により測定した。
[00117] 図14から理解できるように、ヒトの島を30mM KCl+250μMジアゾキシドにより最大限に脱分極させた場合、10μg/mlのhA−IVはインスリン分泌への有意な刺激作用を示した。
実施例12 非グリコシル化apoA−IVの調製
[00118] ヒトおよびマウスのapoA−IVのcDNAはpSP65維持ベクター中に含有されており、AflIII制限部位が成熟apoA−IVタンパク質に関するコード配列のすぐ5’側に設計されていた(engineered)。その遺伝子をその維持ベクターから切り出し、pET30発現ベクター中にライゲーションした。そのコンストラクトを大腸菌BL−21(DE3)細胞中に形質移入し、カナマイシン(30μg/ml)を補ったルリア−ベルターニ培地中で37℃において増殖させた。その細胞におけるapoA−IVタンパク質合成の誘導後、その細胞を回収し、超音波処理した。その溶解物からのapoA−IVタンパク質をHis結合親和性カラムクロマトグラフィーおよび透析により精製した。結果として得られたapoA−IVタンパク質を、生理食塩水中で1.0mg/mlの終濃度に希釈した。
実施例13 ヒトapoA−IVにおけるN−およびO−グリコシル化の非存在
[00119] www.cbs.dtu.dk/cgi-bin/webface?jobid=netNglyc, 4F9C6AD203AFBD5CにおけるNetNGlyc 1.0サーバーを用いて、ヒトapoA−IVおよび45種類のミスセンス変異体をインシリコで分析した。そのミスセンス変異体に関する詳細が表1において提供されている。そのO−およびN−結合型グリコシル化分析は、図24および25において天然のapoA−IVおよび典型的な変異体、すなわちP393Hにより例示されている。その結果は、ヒトapoA−IVおよびミスセンス変異体はN結合型またはN結合型グリコシル化部位を一切有しないことを示している。特に、表1において記述されている変異体(SEQ ID NO:20〜64において記述されているアミノ酸配列より表される;SEQ ID NO 65はシグナル配列を有するApoAIVを表す)は、図24および25において示されるグリコシル化プロフィールと同一のグリコシル化プロフィールを有していた。これらの結果は、apoA−IVはマンノース、ガラクトース、N−アセチルグルコサミン、およびシアル酸によりグリコシル化されているという当技術分野における常識(例えばWeinberg, et al., J Lipid Res. 1983, 24(1):52-9)を考慮すると予想外である。
実施例14 apoA−IVの細菌発現に関する最適化
[00120] apoA−IVの大腸菌におけるペリプラズム発現を促進するため、様々なシグナルペプチドを用いてコンストラクトを調製した(prespared)。これらのシグナルペプチド(すなわちOmpA、PelB、およびENX)をそれぞれapoA−IVのN末端に融合させた。それぞれのこれらのシグナル配列のアミノ酸および核酸配列は以下のように提供される:
[00121] OmpAシグナルペプチド
PelBシグナルペプチド
ENXシグナルペプチド
[00122] 大腸菌におけるタンパク質収率を向上させるため、apoA−IVに関するコドン使用頻度を最適化した。最適化はDNA2.0のアルゴリズム(DNA2.0 Inc.)または実験データおよびtRNA装填能力(chargeability)(アミノアセチル化)に基づく他のアルゴリズムを用いて実施された。次いで、最適化されたコドンを有するapoA−IVのコード配列を5’末端においてシグナルペプチドのヌクレオチド配列の3’末端に融合させた。加えて、そのコドン最適化された配列をその3’末端において二重停止コドンに連結することができる。最適化されたコドンおよびクローニング部位を有するコンストラクトが図20〜23において例示されている。その最適化されたDNA配列はそれぞれSEQ ID NO:13、15、17、および19において記述されており、結果として生じるアミノ酸配列はSEQ ID NO:12、14、16、および18において示されている。特に、その最適化された配列(SEQ ID NO:12〜19)も本発明の方法および組成物において用いることができる。
[00123] 次いでそのapoA−IVコンストラクトをDNA2.0 Inc.により合成し、pJexpressベクター(例えばpJexpress401)中にNdeI−XhoI制限部位を用いてサブクローニングすることができる。これらのコンストラクトをBL21大腸菌株(Novagen)(F OmpT hsdS(r )gal dcm)中に形質転換することができ、これらのコンストラクトを含有するクローンをカナマイシンを用いて選択することができる。125mlのカナマイシン含有(例えば50μg/ml)YES培地中での前培養物を、1つの単離されたコロニーから出発して植え付け、270rpmで攪拌しながら37℃で約16時間培養することができる。500mlのカナマイシン含有YES培地中での新しい培養物に10mLのその前培養物を植え付け、270rpmで攪拌しながら37℃でOD600が0.5〜1.0(最適=0.6)に達するまで培養することができる。次いで結果として得られた培養物をIPTG(例えば1mMの終濃度で)を用いて誘導し、37℃で1時間、2時間、4時間、または22時間保温するであろう。
[00124] apoA−IVタンパク質を上記で調製された培養物のペリプラズムおよび細胞質画分から単離することができる。より具体的には、その培養物をペレットにすることができる。結果として得られた培養物のペレットを、高張性TES緩衝液(スクロース20%)/OD600/mL中で懸濁し、室温で5分間保温した後、4℃において4体積の精製水中で希釈することができる。その希釈された懸濁液を氷上でさらに10分間保温し、13,000rpmで5分間遠心分離することができる。結果として得られた上清はペリプラズム画分(P)であり、そのペレットは細胞質画分である。apoA−IVの発現をSDS−PAGEまたはウェスタン分析により分析することができる。次いでこれらの画分中のapoA−IVを、一般に用いられる、および/または親和性クロマトグラフィーにより精製し、II型糖尿病の処置のためのヒトへの送達のために配合することができる。
参照による援用
本明細書で引用された全ての参考文献および特許の内容を、参照により本明細書にそのまま援用する。
均等物
当業者は、本明細書で記述された本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識しており、またはルーチン的な実験法のみを用いて確かめることができるであろう。そのような均等物は以下の特許請求の範囲により包含されることが意図されている。
1 装置
10 リザーバー
12 バイアル
14 隔壁
20 注射器
22 針

Claims (44)

  1. それを必要とする対象において2型糖尿病を処置する方法であって、該方法が該対象に有効量の非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、または該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも90%の同一性を有するその生物学的に活性な類似体もしくは断片を2型糖尿病が該対象において処置されるように投与することを含み、該アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片がタンパク質発現系を用いて生成される、前記方法。
  2. それを必要とする対象において血糖値を低下させる方法であって、該方法が該対象に有効量の非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、または該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも90%の同一性を有するその生物学的に活性な類似体もしくは断片を該対象の血糖値が低下するように投与することを含み、該アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片がタンパク質発現系を用いて生成される、前記方法。
  3. それを必要とする対象において耐糖能を正常なレベルまで実質的に回復させるための方法であって、該方法が該対象に有効量の非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、または該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも90%の同一性を有するその生物学的に活性な類似体もしくは断片を該対象の耐糖能が回復するように投与することを含み、該アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片がタンパク質発現系を用いて生成される、前記方法。
  4. 該非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質が該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも95%の同一性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 該非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質が該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも99%の同一性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 該対象がヒトである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸配列が次の配列:
    式中、XはG、A、Vであり、または存在せず;
    はEまたはKであり;
    はTまたはSであり;そして
    はQまたはHである;
    またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片である、前記方法。
  8. アポリポタンパク質A−IVタンパク質が完全長ヒトアポリポタンパク質A−IVタンパク質である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸が次の配列:
    またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片である、前記方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸配列が次の配列:
    またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片である、前記方法。
  11. タンパク質発現系の使用が細菌発現系である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 細菌発現系が大腸菌である、請求項11に記載の方法。
  13. タンパク質発現系が哺乳類発現系、酵母発現系、バキュロウイルス発現系、および無細胞発現系からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 2型糖尿病を有する対象において2型糖尿病を処置する方法であって、該対象に組み替え非グリコシル化apoA−IVタンパク質を投与することを含み、該apoA−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、前記方法。
  15. apoA−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも96%の同一性を有するアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項14に記載の方法。
  16. apoA−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項14に記載の方法。
  17. apoA−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項14に記載の方法。
  18. アポリポタンパク質A−IVタンパク質が全身投与される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片の全身投与が経口、皮下、静脈内、筋内、および腹腔内投与からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片が約1〜約10μg/gの用量で投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片が約0.25〜約2μg/gの用量で投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片が約1μg/gの用量で投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  23. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片が1日1回投与される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片が1日約2回投与される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、または該アポリポタンパク質A−IVタンパク質に対して少なくとも90%の同一性を有するその生物学的に活性な類似体もしくは断片を含む医薬組成物であって、該アポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片がタンパク質発現系を用いて生成される、前記医薬組成物。
  26. SEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示されるアミノ酸配列、もしくはSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む非グリコシル化アポリポタンパク質A−IVタンパク質、またはその生物学的に活性な断片を含む医薬組成物。
  27. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも96%同一であるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも97%同一であるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
  29. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも98%同一であるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
  30. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つに対して少なくとも99%同一であるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
  31. さらに医薬的に許容できるキャリヤーまたは希釈剤を含む、請求項25〜30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  32. 請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が液体配合物、水性配合物、および凍結乾燥された配合物からなる群から選択される、前記医薬組成物。
  33. 請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸配列が次の配列:
    式中、XはG、A、Vであり、または存在せず;
    はEまたはKであり;
    はTまたはSであり;そして
    はQまたはHである;
    またはその生物学的に活性な断片である、前記医薬組成物。
  34. アポリポタンパク質A−IVタンパク質が完全長ヒトアポリポタンパク質A−IVタンパク質である、請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  35. 請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸が次の配列:
    またはその生物学的に活性な断片である、前記医薬組成物。
  36. 請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、アポリポタンパク質A−IVタンパク質のアミノ酸配列が次の配列:
    またはその生物学的に活性な断片である、前記医薬組成物。
  37. アポリポタンパク質A−IVが細菌発現系であるタンパク質発現系を用いて生成される、請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  38. 細菌発現系が大腸菌である、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. アポリポタンパク質A−IVが哺乳類発現系、酵母発現系、バキュロウイルス発現系、および無細胞発現系からなる群から選択されるタンパク質発現系を用いて生成される、請求項22〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  40. それを必要とする対象において2型糖尿病を処置する方法であって、前記の方法が以下の工程:
    タンパク質発現系においてアポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を生成し、そして
    該アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片を2型糖尿病を有する対象に2型糖尿病が処置されるように投与する;
    を含み、ここで該アポリポタンパク質A−IVタンパク質またはその生物学的に活性な類似体もしくは断片はグリコシル化されていない、前記方法。
  41. タンパク質発現系が細菌発現系である、請求項40に記載の方法。
  42. タンパク質発現系が酵母または哺乳類細胞発現系である、請求項40に記載の方法。
  43. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64において示されるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項40〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. アポリポタンパク質A−IVタンパク質がSEQ ID NO:1、3、4、もしくは20〜64のいずれか1つにおいて示される配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列またはその生物学的に活性な断片を含む、請求項40〜42のいずれか1項に記載の方法。
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