JP2015505079A - 臨床判断支援のための患者シーケンシングデータからの臨床的に関連する情報の遡及的抽出 - Google Patents

臨床判断支援のための患者シーケンシングデータからの臨床的に関連する情報の遡及的抽出 Download PDF

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Abstract

分子マーカー検査のカタログ(34)は、臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する。電子患者診療記録(22)は、患者の遺伝子シーケンシングデータ(20)を格納する。臨床判断支援(CDS)システム(30)は、少なくとも疾病診断および現在の患者ケア段階を含む、患者の診療状況を追跡するように構成される。カタログ検索モジュール(32)は、CDSシステムによって追跡される臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、分子マーカー検査のカタログを検索するように構成される。検索は、一連の始動規則によって定義されるトリガイベントの発生によって自動的に始動される。検査モジュール(44)は、電子患者診療記録に格納された患者の遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内でカタログ検索モジュールによって特定された分子マーカー検査を行うように構成される。

Description

本出願は、医学分野、腫瘍学分野、ゲノム分野、および関連分野に関する。
一般的な乳がんのワークフローでは、疑わしい乳房病変が検出され、病変の組織サンプルを抽出するために、患者は生検処置を受ける。サンプルに対して、適切な染色を用いて病変が悪性であるか否かを評価する、免疫組織学的処置が行われる。一部の臨床環境では、複数の染色体コピーを有する腫瘍細胞の数を評価するのにDNA染色が用いられることがある。これらの検査は、化学療法計画を指示するのに十分であると見なされることがある。
一部の臨床環境では、免疫組織学的処置に続いて、エストロゲン受容体(ER)分子マーカーの標的評価が行われることがある。エストロゲン受容体陽性(ER+)乳がんと相関する高いERレベルに関して陽性であるという患者の検査結果が出た場合、エストロゲン受容体を標的とするタモキシフェン療法が指示されることがある。積極的治療を要するであろうことが疑われる場合、Oncotype DX(登録商標)検査(ジェノミック・ヘルス社(Genomic Health, Inc.)、米国カリフォルニア州レッドウッド・シティー(Redwood City, CA, USA)から入手可能)が指示されることがある。この検査は、乳がんであることを証明するものとして臨床的に検証されている、21の分子マーカーのレベルを測定する。それに加えて、または別の方法として、MammaPrint(登録商標)など、70の分子マーカーのレベルを測定する別の高度な乳がん検査が指示されることがある。Oncotype DX(登録商標)またはMammaPrint(登録商標)検査の結果に基づいて、化学療法とタモキシフェンとを組み合わせた積極的治療計画が指示されることがある。各検査は腫瘍のサンプルを必要とするが、そのサンプルは、単一の生検、複数の生検で得られてもよく、または外科的に抽出された腫瘍(利用可能な場合)から得られてもよい。
Oncotype DX(登録商標)およびMammaPrint(登録商標)検査は、乳がんの評価において臨床用途向けに検証されている、市販の分子マーカー検査である。乳がんの評価用、および他の医学的状態の評価用に、さらなる分子マーカー検査が利用可能である。さらに、進行中の臨床研究が、利用可能な分子マーカー検査のカタログを継続的に拡張させることが予期されている。
臨床環境において(例えば、内科患者の症状の診断および/またはその患者向けの治療計画の策定、寛解期にあるがんの再発可能性の評価などのために)、所与の分子マーカー検査を使用することの適否は、疾病診断(利用可能な場合)および患者ケア段階(例えば、診断、予後、治療、寛解モニタリングなど)などの多数の要因に基づき得る。また、分子マーカー検査の根本にある臨床研究に関する治療担当医師の見解、ならびに検査に対して付与されていることがある様々な認証についても考慮される。例えば、米国において食品医薬品局(FDA)によって付与される認証または検証は、米国の医師にとっては説得力があるが、欧州を拠点とする医師にとっては説得力が弱いか、または説得力に欠けることがある。
上記に照らして、患者の治療中の異なる時点において、異なる分子マーカー検査が関連性をもつようになり得ることが認識されるであろう。医師が分子マーカー検査を指示する度に、適切なサンプル(例えば、生検サンプル)が取り出され(以前に取得した未使用のサンプルが利用可能なまま残っていない限り)、サンプルを処理することによって検査が行われる。生検処置などのサンプル抽出は、患者にとってストレスが多く、痛みを伴い、かつ不便であり、処置に起因する何らかの併存症の関連リスクを伴う可能性がある。さらに、分子マーカー検査の効果的な使用は、利用可能な検査のカタログに対する最新の知識を医師が維持することに依存する。カタログは常に変化している(通常は拡張しているが、検査が時代遅れになるか、または別の形で「人気を失って」除外されることもある)ので、これは困難である。特に医師がゲノム解析に精通していない場合、臨床医師は、この情報を最新に保ち続ける時間がないことがある。他方で、研究者の方が、利用可能な分子マーカー検査の最新知識を有している可能性が高いが、特定の患者の治療に関与している度合いは低い傾向にあり、または関与していない。
結果として、医師は、証明となる分子マーカー検査を指示するのを遅らせるか、または完全に指示し損なうことがある。このことは、適時に検査することによって特定されたであろう潜在的に有効な治療が遅れるか、または完全に除外されるなど、患者にとって不都合な結果を有する可能性がある。
以下、上述の制約またはその他のものを克服する、改善された装置および方法について検討する。
1つの態様によれば、装置は、臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する分子マーカー検査のカタログと、患者の遺伝子シーケンシングデータを格納する電子患者診療記録と、少なくとも疾病診断および現在の患者ケア段階を含む(かつ任意選択で、ケアサイクルにおける患者の位置、治療に対する反応のモニタリング、治療の副作用のモニタリング、局所転移、領域転移、もしくは遠隔転移を検出するためのモニタリングおよびフォローアップなど、他の状況情報を含んでもよい)患者の臨床状況を追跡するように構成された、臨床判断支援(CDS)システムと、CDSシステムによって追跡される臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、分子マーカー検査のカタログを検索するように構成され、検索が、一連の始動規則によって定義される始動イベントの発生によって自動的に始動される、カタログ検索モジュールと、電子患者診療記録に格納された患者の遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で特定モジュールによって特定された分子マーカー検査を行うように構成された検査モジュールとを備える。CDSシステム、カタログ検索モジュール、および検査モジュールは、1つまたは複数の電子データ処理デバイスによって適切に具体化される。
別の態様によれば、方法は、臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を特定する分子マーカー検査のカタログと併せて、かつ格納された患者の遺伝子シーケンシングデータと併せて動作可能である。方法は、臨床判断支援(CDS)システムを使用して、患者の臨床状況を電子的に追跡するステップと、電子追跡中に、一連の始動規則によって定義される始動イベントの発生を自動的に検出するステップと、CDSシステムによって追跡される臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、カタログの電子検索を自動的に始動するステップと、格納された遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で特定された分子マーカー検査を行うステップとを含む。
別の態様によれば、装置は、臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を特定する分子マーカー検査のカタログと、電子データ処理デバイスとを備え、電子データ処理デバイスは、患者の臨床状況を追跡するステップと、臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査のカタログの検索を始動する、追跡中における臨床状況の変化を検出するステップとを含む方法を行うように構成される。
別の態様によれば、直前のパラグラフで記述したような装置は、患者の全ゲノム配列を格納する電子記憶装置をさらに含み、電子データ処理デバイスはさらに、電子記憶装置に格納された患者の遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で検索によって探索された分子マーカー検査を行うように構成される。いくつかのかかる実施形態では、電子データ処理デバイスはさらに、始動規則または臨床イベントによって始動される検索によって探索された分子マーカー検査を、患者の医療ケアを監督している医師に対して提案し、検索によって探索された分子マーカー検査を行うために医師の指示を受信するように構成され、電子データ処理デバイスは、医師の指示を受信すると、かつ受信した後に、検索によって探索された分子マーカー検査を行う。
1つの利点は、分子マーカー検査が、患者に関する治療ワークフロー全体の一部として、(治療担当医師によって適切と見なされると)統合的に適時に考慮され実施されることである。
別の利点は、複数の分子マーカー検査を行うのに要する患者の組織または血液サンプルの数が低減され、その結果、コストおよび患者に対する負担が低減されることである。
別の利点は、新たに開発された、または新たに検証された、または新たに認証された分子マーカー検査を迅速に導入するのが容易なことである。
別の利点は、患者の臨床状況が変化したときに、関連する分子マーカー検査が自動的に検索される、分子マーカー検査の更新可能で自動的に検索可能なカタログが提供されることである。
別の利点は、患者の状況の変化、臨床判断支援システムのガイドラインの変化、またはカタログの内容の変化などのイベントに付随する規則を始動させることによって、新たな検索が自動的に始動される、分子マーカー検査の更新可能で自動的かつ能動的に検索可能なカタログが提供されることである。カタログは、臨床判断支援(CDS)システムと統合されるが、カタログの更新はCDSシステムに依存しない。
別の利点は、臨床判断支援(CDS)と統合されるが、CDSシステムについて詳細に理解していない管理者(human curator)が更新することができる、更新可能で自動的に検索可能な分子マーカー検査のカタログが提供されることである。
別の利点は、提案される臨床的に適用可能な分子マーカー検査を医師が指示するのに応答して、リアルタイムでコンピュータ内での分子マーカー検査が提供されることである。
以下の詳細な説明を読むことにより、多数の追加の利点および利益が当業者には明白となるであろう。
本発明は、様々な構成要素、および構成要素の配列の形態を成し、ならびに様々なプロセス動作、およびプロセス動作の配列の形態を成してもよい。図面は、単に好ましい実施形態を例示するためのものであり、本発明を限定するものとして解釈すべきでない。
本明細書に開示されるような、状況依存の医療マーカー検査の特定および管理のための医療用システムを示す概略図である。 状況依存の医療マーカー検査の特定を行うため、図1の分子マーカー検査のカタログの能動的な状況依存の検索を示す概略図である。 図1に概略的に示される分子マーカー検査のデータベースにおける項目を示す概略図である。 図1のシステムによって適切に行われるような状況依存の医療マーカー検査の特定を示す概略図である。 図3の動作にしたがって特定される医療マーカー検査の、図1のシステムによる実行を示す概略図である。
図1を参照すると、患者6は、サンプル抽出検査室8内で組織サンプル抽出を受ける。サンプリング検査室8は、1つまたは複数の組織サンプルを被検体6から抽出する。例えば、病変からの組織サンプルが、任意選択で、病変以外の位置(および好ましくは、がんが転移していることが見込まれない位置)から抽出される正常組織サンプルと共に、抽出されてもよい。図1の概略図は、例証の抽出された組織サンプル10を示す。いくつかの実例として、サンプル10は、生検針または他の介入器具を使用して抽出される生検サンプル、外科組織サンプル、痰、引抜きによって抽出される毛嚢、皮下注射針を使用して抜き取られる血液などを含んでもよい。例証となる図1では、サンプル10は例証のバイアルによって表されるが、サンプル10は、一般に、サンプリングされている組織の種類に適した任意の形態を成してもよく、その種類の組織に適した任意の容器または支持体によって収容もしくは支持されてもよいことを理解すべきであることに留意されたい。例えば、サンプル10は、流体サンプル、表面サンプル(例えば、口腔スワブによって得られ、無菌スライドもしくは他の適切な表面上に配置される)などであってもよい。さらにまた、例証の組織サンプル10は単一のサンプルとして表されているが、材料を一連の検査にかけるために複数のサンプルが取得されてもよく、かつ/または異なる範囲からサンプル(例えば、病変からの疑わしい組織サンプルと健康な組織サンプル)が取得されてもよいことを理解すべきである。
組織サンプル10は、シーケンサ装置14によって処理されて、配列アライメント/アセンブリモジュール16(一般的に、例証のコンピュータ18もしくは他の電子データ処理デバイスによって具体化される)によって整列され組み立てられる配列断片を生成して、患者6に対する電子患者診療記録22に格納される患者6の遺伝子シーケンシングシーケンシングデータ20を生成する。いくつかの実施形態では、格納される遺伝子シーケンシングシーケンシングデータは全ゲノムDNAおよび/またはRNA配列(WGS)であるが、ゲノムのより小さい部分も想到される。格納される遺伝子シーケンシングデータはまた、任意選択で、トランスクリプトーム、メチローム、クロマチン免疫沈降シーケンシング(ChIPseq)、RNA免疫沈降シーケンシング(RIPseq)、エクソームシーケンシングデータ、メチル化シーケンシングデータ、またはシーケンシングによって測定される他の情報を含む。遺伝子シーケンサ装置14は、実質的に、全ゲノム配列(WGS)を生成することができるいずれかのシーケンサーを用いることができる。一部の適切なシーケンサ装置は、米国カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego, CA, USA)のイルミナ社(Illumina)、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge, MA, USA)のノーム社(Knome)、および米国コネティカット州ギルフォード(Guilford, CT, USA)のイオン・トレント社(Ion Torrent, Inc.)から入手可能である。
実例となる実施形態では、WGS 20が取得される。本明細書で使用するとき、「全ゲノム配列(whole genome sequence)」、即ちWGS(当該分野では、「full」、「complete」、もしくは「entire」ゲノム配列とも呼ばれる)または類似の語句は、被検体のゲノムの必ずしも全体でなくとも、ほぼ全てを包含するものと理解すべきである。当該分野において、「全ゲノム配列」、即ちWGSという用語は、被検体のゲノムのほぼ全体、例えば用法によっては全体の少なくとも95%を指すのに使用される。「全ゲノム配列」、即ちWGSという用語は、本明細書で使用するとき、単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型決定など、一般的に対象となるゲノムが0.1%未満である、遺伝子特異的な技術に用いられる「配列」を包含しない。WGS 20は、整列したDNA配列および/または整列したRNA配列を含んでもよく、それに加えて、一般的にアライメントおよびアセンブリ処理後に「使い残されている」ような、任意の整列していないDNAまたはRNA断片を含んでもよい。一般に、WGS 20は、例えば配列アライメント/マップ(Sequence Alignment/Map:SAM)形式または二進等価数(binary equivalent)(例えば、BAM)形式の、データファイルである。これらの形式では、塩基は一般的に対応する文字(例えば、FASTA形式)によって表され、塩基アデニン、シトシン、グアニン、チミン(DNAの場合)、およびウラシル(RNAの場合)はそれぞれ、文字「A」、「C」、「G」、「T」、および「U」によって表される。任意選択で、phredクオリティ測定など、塩基のクオリティ測定は、例えばFASTQ形式の場合と同様に各塩基と関連付けられてもよい。WGS 20はまた、任意選択で、例えばコード配列、突然変異型または異型などの遺伝的特徴を描写する、様々な注釈を含んでもよい。上記は単なる実例であり、WGS 20は、取得した遺伝子配列情報を適切に表す任意の形式で格納されてもよいことが理解されるべきである。
さらにまた、実例となる図1は、単一の組織サンプル10に対する単一のWGS 20を示しているが、より一般的には、異なる組織サンプルに対して、例えば病変から抽出した疑わしい組織サンプルおよび健康な組織と考えられるものから抽出した正常組織サンプルに対して、プロセスが繰り返されてもよい。この場合、各組織サンプルがシーケンシングされ、整列され、組み立てられるので、WGS 20は(一例として)、疑わしい病変組織に対する全ゲノム配列と、正常組織に対する全ゲノム配列とを含んでもよい。かかる場合において、全ゲノム配列はそれぞれ、例えば「病変」WGSおよび「正常」WGSとして、適切に組織化され分類される。
患者6に関する電子患者診療記録22はまた、任意選択で、WGS 20に加えて、患者の病歴24、医用画像26など、他の患者関連情報を格納する。電子患者診療記録22は、一般的に、病院、診療所、または患者6の治療を監督する責任がある他の医療施設もしくは組織によって維持される、安全な医療データベースに格納される。医療データベースは、一般的に、例証のサーバー28など、コンピュータまたは他の電子データ処理デバイス上に常駐する。様々なデータ20、24、26は、実質的にどこに物理的に配置されてもよく(例えば、サーバー28は実際には病院に配置されずに、それよりもむしろ、インターネットもしくは別のデジタルデータネットワークを介してアクセスされてもよい)、様々に論理的に組織化されてもよい(例えば、医用画像26は実際には画像データ保管通信システムに、即ちPACSに格納され、診療記録22は画像に対するリンクを格納してもよい)ことを認識されたい。
WGS 20の取得および格納は、一般に、いつ行われてもよい。シーケンシングのコストが十分に低い場合、WGSの取得は、病院に入院する患者または特定の外来患者治療計画に入る患者に対する標準的処置として行われることが想到される。あるいは、WGS 20は、後の時点で、例えば医師が最初に分子マーカー検査を指示する時点で行われてもよい。また、検査室8における組織サンプル10の取得と、シーケンサー14によるサンプル処理と、アライメント/アセンブリ構成要素16、18によるアライメント/アセンブリ処理との間に、様々な遅れがあってもよい。
WGS 20は莫大な量のデータを含み、患者のゲノムデータの異なる部分は、ケアサイクルを経る患者の進行における異なる時点に関連する。ジャンクであると以前に見なされたゲノムの部分であっても、疾病状況、特にがんに関連するものとして最近特定されてきた。例えば、これまでジャンクであると考えられていた、マイクロRNA、HSATIIの反復型(HSATII repeats)、および他の非コーディングRNAは、がんの病因学、進行、および治療に対する応答可能性に関連する、重要な細胞過程に関係があるとされていた。患者6の治療中の様々な時点において、ある種の特定の分子マーカー検査を行うことが有用になっている。その時点において、行われるべき特定の分子マーカー検査で利用されるWGS 20の特定の遺伝子(または他の部分)は、WGS 20から適切に抽出され、検査で使用される。そのため、特定の分子マーカー検査は、コンピュータ内で、即ち、WGS 20から抽出されたデータに対して動作するコンピュータまたは他の電子データ処理デバイスによって、行われると言われている。コンピュータ内での検査は、実際の組織サンプル(例えば、図1のサンプル10)に対して行われ、したがって、単なるシミュレーションではないことが理解されるべきである。しかし、組織サンプルは、具体的には、検査に使用される遺伝子または他の遺伝子情報を測定するために処理されるのではなく、むしろ、WGS 20を抽出するために処理される。次に、検査で使用される特定の遺伝子の測定値が、WGS 20から抽出される。
実質的にいかなる分子マーカー検査も、任意の時点で、単一の組織サンプルのみ(または各種の組織サンプル、例えば1つの病変サンプルおよび1つの正常組織サンプル)を使用して行うことができるので、この方策は潜在的に、広範囲の分子マーカー検査を開拓する。しかし、コンピュータ内での分子マーカー検査を介してWGS 20に含まれる膨大な量のデータを活用することは困難であるが、それは、上述したように、WGS 20に含まれるデータが存在する場合に、そのほとんどが患者の症状を証明するものではないためである。
1つの方策は、WGS 20を使用して全ての利用可能な分子マーカー検査を行い、それらの結果を患者記録に格納し、結果のコピーを治療担当医師に提供することであってもよい。しかし、この方策に関する多数の困難がある。第一に、大量の、場合によっては極めて高額な電子データ処理を伴うことがある。第二に、適用される管轄の医療プライバシーに関する規則により、患者および/または患者の医師によって具体的に認定されていない医療検査の実施が禁止されることがある。第三に、分子マーカー検査のカタログ全体の結果の供給は、医師の手に余る可能性が高い。
別の方策は、どの分子マーカー検査を行うか、またそれらをいつ指示するかについて、医師が評価することに依存することがある。しかし、上述したように、医師は利用可能な検査についての最新の知識を有さないことがある。また、状況が変化すると、医師が評価を行ったときには示唆されなかった検査が関連性をもつようになることがある。
図1を引き続き参照すると、本明細書に開示されるのは、電子臨床判断支援(CDS)システム30と併せて動作する、改善された方策である。この目的のため、状況依存のカタログ検索モジュール32は、CDSシステム30と動作可能に連通している。例えば、検索モジュール32は、CDSシステム30の制御下で動作する差込み型であってもよく、検索モジュール32は、CDSシステム30と連通する完全に別個のプログラムであってもよい。検索モジュール32は、任意の示唆される分子マーカー検査を特定するために、分子マーカー検査カタログ34に含まれる分子マーカー検査の臨床上の適用可能性の注釈を、CDSシステム30によって提供される患者6の臨床状況と比較する。実例のCDSシステム30は、患者6に関する臨床ガイドラインを用いる。ガイドラインは、様々な医学的状態に対する臨床ガイドラインを含むデータベース36から、治療担当医師によって適切に選択されるが、その選択は患者の症状に対する医師の最初の診断に基づく。
一般的な実施形態では、ガイドラインはノードとエッジまたはパスとを備える決定木である。患者の現在の状態はノードによって表され、そのノードから離れて進むエッジまたはパスは、患者の状態において起こり得る行為または変化を表す。一般的に、ガイドラインは、最初の診断から始まって診断段階(疾病の性質が判断される)、予後段階(起こり得る医学的成果が評価される)、治療段階(疾病を排除もしくは緩和するために治療が適用される)、およびモニタリング段階(排除された、もしくは寛解期にある疾病がモニタリングされて、何らかの再発があれば早期に検出する)を横断する、予測される治療のワークフローを模倣または追随するように設計される。これらの患者ケア段階はそれぞれ、さらに分割されてもよく、例えば、治療段階は化学療法計画段階などを含んでもよい。CDSシステム30は、任意選択でフローチャートまたは他のグラフ形式で、患者の過去および現在の臨床状況を評価するための便利なメカニズムを提供する。CDSシステム30はまた、患者特異的な情報を考慮しながら、治療担当医師をガイドラインによって能動的に導く、能動的な動作態様を有する。例えば、CDSシステム30は、現在のノードから離れて進む可能なパスを分析し、治療担当医師に対する推奨または他のガイダンスを提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、CDSシステム30は、かかる推奨またはガイダンスを提供する際に医療関係者の委員会によって策定される一連のコンセンサス判定規則を用いてもよい。いくつかの実施形態では、CDSシステム30は、事例の成果を有する過去の医療事例(好ましくは個人識別要素を除去したもの)を含む過去事例のデータベースに対するアクセスを有してもよく、CDSシステム30は、過去事例のデータベースからの類似の事例およびそれらの成果を表す形態でガイダンスを提供する。
図1を引き続き参照し、さらに図2を参照すると、患者6と関連付けられ、CDSシステム30によって詳しく検討されるガイドラインは、分子検査カタログ34を検索するための入力情報である、患者6に関する臨床状況を提供する。実例となる図2では、各患者に関する臨床状況は、完了した処置(例えば、ICD−10−PCSコードとして捕捉することができる、左乳房の生検)と、関連する臨床変数が入力されている患者に関する現在の診断(例えば、生検サンプルから得られた患者に関するER、PR、およびHER2状態も、ICD−10コードとして捕捉することができる)とを記録する、患者データベース22内の一連のフィールドである。状況依存のカタログ検索モジュール32は、これらの患者データベースフィールド内のデータを、バイオマーカーデータベース34内の各バイオマーカーに対して提供される適格性基準と照合する。バイオマーカーデータベースは、複数の遺伝子/遺伝子座を含む単一のまたは多変量マーカー(シグネチャー)と、マーカーの状態を解釈するための判定規則とを含むことができる。その意味で、マーカーは、単なるデータの断片(例えば、遺伝子名、もしくは突然変異の位置に対する特定のゲノム座標を有する遺伝子名)ではなく、遺伝子/遺伝子座に適用される方法と、臨床的質問に対する回答を表す推定値とを含む一連のゲノム位置である。例えば、閾値に基づいてESR1遺伝子の発現レベルが評価される、ER検査であることができる。別の例は、患者が積極的な化学療法を要するか否かについて、0〜1の確率的値で表される最終的な予後評価を提供することができる分類アルゴリズムが付随した、70の遺伝子群である。検索モジュール32によって用いられる患者/バイオマーカー検査照合アルゴリズムは、ファジィ論理もしくはベイズの推論などの述語論理または確率的意思決定方法論を使用する、規則に基づく決定木であることができる。検索モジュール32の出力は、臨床的意思決定に有用である可能性が高い、提案される患者/バイオマーカー対である。これらの照合は、さらなる考察のため、医師指示要求/受信モジュール40を介して臨床医に提示される。この臨床状況はまた、有利には、CDSシステム30が臨床ガイドラインに沿って患者を進捗させる度に更新される。臨床状況における材料の変化(例えば、患者の診断状態または処置完了状態に対する変化)ごとに、関連する分子マーカー検査に対する新たな検索が始動する。新たな検索を始動させるために様々な方策が使用されてもよい。例えば、新たな検索は、CDSシステム30によって「推し進められ」(つまり、始動され)てもよく、それは、CDSシステム30がガイドラインまたは処置完了に対応して患者の状態を更新すると常に、CDSシステム30がカタログ検索モジュール32を呼び出して検索を行わせることを意味する。あるいは、新たな検索は、カタログ検索モジュール32によって「引き出され」てもよく、それは、カタログ検索モジュール32が分子カタログ内における材料の変化を検出し、新たな検索34を始動することを意味する。
いくつかの実施形態では、カタログ検索モジュール32が患者6の現在の臨床状況によって示される分子マーカー検査を特定すると、患者6のWGS 20を使用して、コンピュータ内で行われるべき検査を即座に指示する。しかし、かかる方策は、患者および/または患者の医師による特定の認定を要する一部の管轄においては、問題であることがある。したがって、図1の実例では、医師指示要求/受信モジュール40が呼び出されて、指示された分子マーカー検査を治療担当医師に通知し、医師がこの検査の指示を検討することを要求する。医師指示要求/受信モジュール40はまた、任意選択で、治療担当医師が検査を指示するのに用いることができる自動メカニズムを提供する。治療担当医師によって正当に認定された検査に対する指示を受信すると、医師指示要求/受信モジュール40は、医師の指示を、コンピュータ内分子マーカー検査モジュール44の医師指示検証サブモジュール42に伝達する。医師の指示を検証すると、コンピュータ内分子マーカー検査モジュール44は、分子マーカー検査を行うのに必要な遺伝子データをWGS 20から取得し、その遺伝子データを使用して検査を行い、適切な出力(例えば、治療担当医師に向けたテキスト形式の報告、および電子患者診療記録22の記録)を生成する。
CDSシステム30および処理モジュール32、40、44は、コンピュータ46、またはデスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、ネットワークサーバー(例えば、任意選択で、電子患者診療記録22を含むデータベースを具体化するものと同じサーバー28)などの他の電子データ処理デバイスによって適切に具体化される。実例となる図1は、単一のコンピュータ46によって具体化される全ての処理構成要素30、32、40、44を示しているが、あるいは、これらの処理構成要素を具体化するのに異なるコンピュータを用いることが想到される。例えば、いくつかの実施形態では、CDSシステム30は1つのコンピュータによって具体化されてもよく、分子マーカー検査構成要素32、40、44は異なるコンピュータによって具体化されてもよい。
さらに、本明細書に開示されるようなモジュール32、40、44によって行われる処理の様々な実施形態は、開示される処理を行うのに電子データ処理デバイス46によって実行可能な命令を格納する持続性記憶媒体(図示なし)として、物理的に具体化されてもよい。かかる持続性記憶媒体は、例えば、ハードディスクもしくは他の磁気記憶媒体、または光学ディスクもしくは他の光学記憶媒体、またはフラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他の電子記憶媒体などであってもよい。
治療担当医師に対して分子マーカー検査を推し進めるための開示されるシステムの有効性は、包括的であって現在の医療研究によって最新である、分子マーカー検査カタログ34に依存する。この目的のため、検査カタログ34は、適切に訓練された医療従事者、または訓練された医療従事者の委員会もしくは他のグループによって、カタログ編集モジュール50を使用して管理される。一人または複数の管理者は、一般的に、上級医師、研究者、または医療事例研究の品質を評価し、FDAまたは他の所管の監督官庁の規制決定などの関連情報を調査し、かつ別の方法で、カタログ34に所与の分子マーカー検査を含めることの適否を判断する資格を持つ他の医療関係者である。一人または複数の管理者は、他の職位および他の職務を有してもよいことが理解されるべきであり、例えば、いくつかの想到される状況では、病院における特権を有する全ての上級医師が、カタログ34を更新する権限を持ち、したがって、カタログ34の管理者であってもよい。カタログ編集モジュール50は、CDS 30および他の処理構成要素32、40、44を具体化するのと同じコンピュータ46または他の電子処理デバイスによって具体化されてもよい。あるいは、図1に示されるように、カタログ編集モジュール50は、分子マーカー検査カタログ34と連通している、異なるコンピュータ52または他の異なる電子データ処理デバイスによって具体化することができる。例えば、コンピュータ52は、カタログ34の監督にのみ使用される(または、カタログ34およびCDSガイドラインデータベース36の監督にのみ使用される)専用ワークステーションであってもよい。別の想到される例として、複数の管理者が存在する場合、コンピュータ52は、管理者に割り当てられた一連のデスクトップまたは他の「作業」コンピュータとして具体化されてもよい。カタログ編集モジュール50によって、管理者は、カタログ34内で分子マーカー検査を追加、削除、または編集することができる。
図1のシステムでは、分子マーカー検査特定構成要素32、34は、CDSシステム30によって処理される臨床ガイドラインに組み込まれず、それよりもむしろ、CDSシステム30によって示される臨床状況に基づいて検索可能なカタログ34として実現される。それに加えて、カタログ34は、カタログ編集モジュール50を使用して更新可能である。結果として、本明細書に開示される分子マーカー検査の特定は柔軟性があって、CDS臨床ガイドラインに強く結び付けられず、最新の医療研究を用いて最新なままであるように簡単に更新される。カタログ管理者は、CDSシステムアーキテクチャのある程度高度な知識を要する複雑なタスクであり得る、CDSシステム30の臨床ガイドラインを編集する方法を理解する必要はない。それに加えて、カタログ管理者がカタログ34内の分子マーカー検査項目を更新すると、この更新は、CDSデータベース36の全ての臨床ガイドラインに対して有効であるが、対照的に、分子マーカー検査の特定が、CDSシステム30によって処理される臨床ガイドラインに統合された場合、単一の分子マーカー検査を更新することによって、その分子マーカー検査を要求する全てのあらゆる臨床ガイドラインの更新を伴うことになる。
図3を参照すると、上述のことに加えて、カタログ34は、好ましくは、臨床状況に基づく自動検索、および管理の容易さの両方を単純化する形で設計される。図3は、単一分子マーカー検査に関する項目のフィールドを含む、分子マーカー検査カタログ34を概略的に示している。これらの項目としては、ゲノムデータタイプの定義、文献参照の注釈、疾病状況の注釈、適格性基準の注釈、1つまたは複数の分子マーカー検査定義(2つの検査定義が図3の例証の項目に含まれる)、ならびに、結果/推奨マトリックスが挙げられる。これらのフィールドについて次に記載する。
ゲノムマーカーの定義は、分析されるゲノムマーカーを特定する。分子マーカー検査の根拠を(単独でもしくは様々な組み合わせで)形成してもよい、いくつかの適切なゲノムマーカーとしては、突然変異、コピー数の変動、遺伝子発現メトリックス、DNAメチル化メトリックスなどが挙げられる。ゲノムマーカーは異なる方法で測定されてもよい。例えば、特定のタンパク質に対する遺伝子コード化を考慮すると、その遺伝子の特定の突然変異によってタンパク質の過剰産生がもたらされる。この場合、原則として、DNA中の遺伝子の値を測定することによって、または対応する転写されたメッセンジャーRNAの値を測定することによって、またはタンパク質の発現レベルを直接測定することによって、このゲノムマーカーを測定することができる。タンパク質の発現レベルの直接測定は、WGS 20において利用不能であるが、最初の2つの測定は、一般的に、WGS 20のDNA成分およびRNA成分においてそれぞれ利用可能である。ゲノムマーカーの定義は、ゲノムマーカーを特定するが、測定(例えば、この場合、DNA、RNA、またはタンパク質発現)は指定しない。
文献参照の注釈は、分子マーカー検査に関連する公表された研究に対する引用を含み、また任意選択で、検査に関係する政府規制の刊行物(利用可能な場合)など、他の関連する「文献」に対する引用も含んでもよい。医師指示要求/受信モジュール40は、任意選択で、分子マーカー検査を行う提案において、これらの文献に対する引用を(任意選択で、ハイパーリンクとして)医師に提供する。このように、医師は、分子マーカー検査を指示するか否かを判定する際に参照するのに便利な関連文献を有し、また、(医師が実際に検査を指示すると仮定して)検査結果を評価するときに考慮するのに便利なその文献を有する。
疾病状況の注釈は、分子マーカー検査がその証拠となる疾病を特定する。いくつかの実施形態では、疾病状況は、分子マーカー検査が当てはまる各疾病の国際疾病分類(ICD)コードを列挙することによって指定される。CDSシステム30が疾病を特定する際にICDコードを使用する場合、臨床状況の疾病態様に対応してカタログ34の検索を行うことはICDコードの検索を伴うが、これは迅速であり、また例えば問題の疾病が複数の名称を有する場合に、起こり得る曖昧さが回避される。しかし、それに加えて、または別の方法として、疾病状況は名称によって疾病を列挙してもよい。
適格性基準の注釈は、分子マーカー検査の臨床上の適用可能性に関連する任意の付加的な臨床状況を指定する。いくつかの可能性のある適格性基準は(一例として)、現在の患者ケア段階、患者の年齢、患者の性別、患者の人種または地理的起源などを含んでもよい。現在の患者ケア段階の適格性基準の注釈は、CDSシステム30が患者ケアのワークフローと協調する、またはそれを詳しく記述する臨床ガイドラインを用いる実施形態において、臨床ガイドラインの段階によって表されてもよい。より一般的には、同じ患者ケア段階の命名法を、CDSシステム30およびカタログ34の両方に対して使用することによって、現在の患者ケア段階に対応する高速で曖昧さのない検索が可能になる。適格性基準はまた、非常に疾病特異的であることができる。例えば、Oncotype DX(登録商標)検査に関する適格性基準は、患者がリンパ節転移陰性、ER陽性、かつタモキシフェン治療を受けるのに適格であることを含む。
1つまたは複数の分子マーカー検査定義は、実際の測定(即ち、入力分子マーカーデータフィールド)およびそれらの測定に適用される分析アルゴリズムの観点から、実際の分子検査を定義する。上述したように、場合によっては、同じゲノムマーカーを評価するのに異なる量が測定される可能性があり、例えば、上述の例では、DNA中の遺伝子値、転写RNA中の遺伝子値、または翻訳タンパク質の発現レベルを測定することができる。これらはそれぞれ異なる分子マーカー検査定義を要する。また、所与の分子マーカー検査が複数の遺伝子測定を利用してもよく、例えば、Oncotype DX(登録商標)検査は21の異なる分子マーカーを測定することが認識されるべきである。検査定義の分析アルゴリズム部分は、これらのマーカーの組み合わせと組み合わせの出力とを指定する。
要するに、検査定義はそれぞれ、マーカーにおける個々の遺伝子座のゲノム座標、それらの実際の値、およびそれらの値と照会される臨床的成果との間の数学的関係を含む、完全な分子マーカー検査を定義する。やはり、一例として、Oncotype DX(登録商標)検査は、合計21の遺伝子の測定を要する。このマーカーの定義は、それらの遺伝子のそれぞれを適切に列挙し、それらのゲノム座標、およびWGS 20においてそれら遺伝子の値を照会するための他の任意の情報を提供する。分析アルゴリズムは、適切には、この場合、21の遺伝子の測定された遺伝子発現値を用い、対応する「再発スコア」を計算する数学的方程式によって具体化される。
2つの異なる分子マーカー検査定義が図3の例証の項目に示されているが、わずか1つの分子マーカー検査定義が所与の分子マーカー検査に対して提供されてもよいことを認識されたい。他方で、2つ以上の異なる定義を有する(2つの異なる検査定義を有する図3に示される例証の項目のような)分子マーカー検査では、異なる定義は任意選択で好みに対して順位付けされる。1つの適切な方策では、最初に列挙される定義が最も好ましく、次に列挙される定義は、最も好ましい検査が利用不能である場合(例えば、WGS 20が、第1の検査定義の全ての必須入力分子マーカーデータフィールドを埋めるデータを含まないという理由による)の第1の代替物であり、以下同様である。所与の分子マーカー検査定義は、任意選択で他の情報を含んでもよい。例えば、実例となる図3では、検査定義に与えられている任意の認証(例えば、FDA認可)が列挙される。この情報は、任意選択で、検査定義を優先順位付けするのに使用されてもよい(即ち、FDA認可の検査は最も好ましい可能性が高く、FDA認可の検査を行うことができない場合、代替検査がそれに続く)。複数の検査定義を順位付けし、それによって複数の検査定義の中から自動選択を用いることは、治療担当医師がどの検査定義を使用すべきかを決定する必要がないという理由で有利である。かかる決定は、分子マーカー検査に関する知識がない治療担当医師にとって困難なことがある。しかし、別の方法として、複数の検査定義を順位付けせず、医師指示要求/受信モジュール40によって、行うべき分子マーカー検査に対する医師の指示の一部として、どの検査定義を用いるかを治療担当医師が特定することを要求することが想到される。
結果/推奨マトリックスは、分子マーカー検査の臨床的結論または成果を指定する。マトリックスの異なる要素は、異なる可能な検査結果および対応する推奨に相当する。離散的な結果要素を備えたマトリックスではなく、場合によっては、このフィールドは、検査の成果に対して継続的に依存する算出結果を指定してもよい。このフィールドは、分子マーカーによる影響を受けるであろう臨床判断について記述する。結果および/または推奨は臨床状況に依存してもよい。例えば、同じ検査結果の場合、マトリックスにおいて指定されるような異なる臨床ガイドライン段階に対する異なる推奨にリンクしてもよい。
図3に示される分子マーカー検査項目は単なる実例であり、カタログ34の異なる実施形態では、追加のもしくは異なる情報が含まれてもよく、または異なる配列および/もしくは形式であってもよいことを理解されたい。より広くは、各項目は少なくとも、(1)分子マーカー検査定義、および(2)患者6の臨床状況と比較するための臨床上の適用可能性の注釈を含むべきである。臨床上の適用可能性の注釈は、少なくとも、疾病診断(もしくは複数の診断)、および分子マーカー検査が臨床上の適用可能性を有する現在の患者ケア段階(もしくはステージ)を含む。
図4を参照すると、図1のシステムによって適切に行われる状況依存の医療マーカー検査の特定が、例証のフローチャートとして記載されている。動作60で、新たなカタログ検索を始動するイベントが検出される。例えば、イベントは、CDSシステム30によって追跡される臨床状況において検出された変化であってもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、かかる検出はCDSシステム30によって行われてもよいが、他の実施形態では、検出は、CDSシステム30のモニタリングを介してカタログ検索モジュール32によって行われてもよい。より広くは、患者と分子マーカー検査の照合が行われるように、システムの「始動」を発動する様々な可能な方法が存在する。例えば、ガイドラインが更新されると、または患者記録が更新されると、カタログ検索が始動されてもよい。患者記録の更新の始動は、医師によるものであることができ、または自動で生じる場合がある。例えば、患者の年齢が毎年変わると、患者はガイドラインの1つまたは複数の基準に対して適格になってもよい。予防およびスクリーニングのためのガイドラインを考慮すると、分子マーカーは45歳超過の人々に対してのみ適用されるので、システムは、この患者に対して患者の46歳の誕生日に可能な新しい検査を始動するべきである。患者と可能なバイオマーカー検査との照合を行うようにシステムを始動する別の方法は、分子マーカー34のカタログを変更または更新するものである。マーカーに対する新たな証拠が浮上するにつれて、患者に対して状況的に利用可能となっている1つまたは複数の基準が存在し得る。かかる更新は、カタログ編集モジュール50を使用して行われるカタログ更新を即時に検出することによって始動されてもよく、または遅らせた更新であってもよい。例えば、カタログの更新は、カタログの編集を検出し、システムを始動して患者と可能なバイオマーカー検査との照合を行うように、定期的に、例えば毎日チェックされる更新フラグを設定してもよい。
バイオマーカー検査カタログ34の自動検索は、適切には、規則として記述される(例えば、述語論理、もしくはファジィ論理の形で、または確率的フレームワークの形で表現される)一連の「トリガ」の任意の始動イベントに応答して、検索モジュール32によって行われる。例えば、患者の乳房腫瘍をシーケンシングしていると仮定して、患者の臨床的特性(年齢、ER/PR/HER2の状態)およびバイオマーカー検査(例えば、OncoType DX)に基づいて、タモキシフェンに加えて補助化学療法が与えられるように患者を割り当てた。後の時点で作動させることができるトリガの1つは、「治療計画に対する患者の反応が止まる」という規則である。補助療法の間に患者の疾病が進行する時期に、トリガを作動させ、システムは、補助療法に対する反応が止まった患者に適用することができるバイオマーカーを検索する。患者の新たな状態によって、データベース内のバイオマーカーに対して患者が適格になった場合、医師指示要求/受信モジュール40は、この可能性に関して医師に警告する。
卵巣がんの診断環境におけるものであり得る別の実例では、患者は、血中のCA125レベルに関して定期的にモニタリングされる。トリガは、患者のCA125レベルが診断閾値を超えたときであることができ、したがって、患者が今度は、電子患者診療記録22に格納された格納遺伝子シーケンシングデータを使用する、カタログ34に格納された新たな分子マーカーを使用した検査に対して適格になっている。その一方で、カルボプラチン感度に関する新たな血液ベースのマーカーが存在すると仮定して、この患者を今度は、追加の生検を必要とすることなく、デジタル形式で最初に格納されている遺伝子シーケンシングデータを使用して評価することができる。この例では、患者の状態の変化によって、カタログ34において利用可能な分子マーカー検査の評価が始動されるが、患者は再び生検を受ける必要はなく、それよりもむしろ、既存のデジタル的に格納された遺伝子シーケンシングデータが生検の代用物であることができ、分子マーカーの評価をコンピュータ内で行うことができる。
臨床のガイドラインの変化などの他の変化(例えば、新たなガイドラインは、補助化学療法に対する適格性に関して異なる患者の年齢基準を有する場合がある)は、データベース内の全ての患者の再評価を始動して、任意の追加の患者がバイオマーカーに対して適格であるかをチェックし、それが次に、新たな患者が化学療法に反応するか否かの検査に対して評価される場合がある。さらに別の例として、長期的なタモキシフェン治療を受けている乳がん患者が、レトロゾールまたはアナストロゾールなどの異なる療法への切替えに対して適格であり得る可能性があり、この切替えは、最初の生検に対する分子シグネチャーの評価に基づく可能性がある。十分な患者配列データが最初の生検から利用可能なので、患者の成功可能性を評価するためにやはりコンピュータ内で照会することができる。
分子マーカー検査のカタログ34の更新も、新たな検索を始動することができる。例えば、既存のバイオマーカーよりも感度および特異性が良好である、より新しいバイオマーカーが最近見つかっており、カタログ34に追加されている場合、このことによって、臨床判断を改善するために、データベース内の全ての適格な患者の再評価が始動される。
動作62で、カタログ検索モジュール32は、患者6の臨床状況に基づいた検索クエリを策定する。臨床状況は、例えば、疾病診断および現在の患者ケア段階を含んでもよい。これらは、一般的に、CDSシステム30から得ることができる。例えば、CDSシステム30は、一般的に、患者6に対して適切な臨床ガイドラインを選択するのに使用される疾病診断を格納し、現在の患者ケア段階は、患者に対する現在の臨床ガイドライン段階によって適切に表されてもよい。臨床状況は、任意選択で、性別、年齢、現在の投薬など、患者の病歴24から一般的に得られる、他の関連情報をさらに含む。クエリは、カタログ34の記憶形式に適した形式で策定される。例えば、カタログ34がリレーショナルデータベースとして格納されている場合、クエリは、適切には構造化クエリ言語(SQL)で策定されてもよい。カタログ34がテキスト形式で格納されている場合、クエリは、適切には、論理積(例えば、「AND」)、論理和(例えば、「OR」)、否定(例えば、「NOT」)などの適切な演算子を使用する、キーワード検索として策定されてもよい。あるいは、検索は確率的フレームワークを用いてもよい。クエリの策定は、患者の臨床状況を適用可能な分子シグネチャーと照合する、システムの自動「始動規則」に基づく。照合は、二者択一(はい/利用可能もしくはいいえ/利用不能)をもたらす一階論理、または閾値化した確率値に基づいて軟判定規則が適用される、より洗練されたベイズのフレームワークに基づくことができる(これは自律計算の特色も有し得る)。
動作66で、カタログ検索モジュール32は、変化した臨床状況(変化は動作60で検出されている)における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を探索するために、策定した検索クエリを使用して、カタログ34に対する検索を行う。判定動作70で、カタログ検索モジュール32は、臨床的に適用可能な検査が探索されているか否かを判断する。探索されていない場合、動作72で、カタログ検索モジュール32は、判定動作60によって始動された、状況依存の分子マーカー検査の検索動作を終了する。
他方で、判定動作70によって判断されるように、臨床的に適用可能な分子マーカー検査が動作66において探索されている場合、探索された検査が医師に対して提案される。いくつかの実施形態では、電子患者診療記録22に格納されたWGS 20が、探索された分子マーカー検査をコンピュータ内で行うのに十分な全ての遺伝子情報を含むか否かを判断する、動作74が行われる。通常、これは事実であるが、例外があってもよい。例えば、場合によっては、WGS 20は不完全なことがあり、失われている部分は、検査によって要求される分子マーカーを偶発的に含むことがある。他の場合では、分子マーカー検査は、実際に測定されたタンパク質発現レベルなど、WGS 20から抽出することができないデータを要求することがある(原則として、通常は、WGS 20に含まれるDNAまたはRNAシーケンシングデータから等価の情報を得ることができるが、いくつかの例では、DNAまたはRNAシーケンシングデータに関して探索された分子マーカー検査を定義する検査定義が、カタログ34内に存在しないことがある)。
動作76で、医師指示要求/受信モジュール40は、探索された分子マーカー検査を医師に対して提案する。この提案は、任意選択で、関連文献(カタログの項目から得られる)に対するリンク、検査をコンピュータ内で行うことができるか否かの指示(これが任意の動作74によって判断されている場合)、検査の結果に基づいて示されることがある、可能な治療の修正の指示(例えば、放射線治療が選択肢にない患者の診察によって医師が既に決定している場合、および検査が提案するであろう唯一の治療の改正が放射線治療を開始することである場合)など、提案される検査を指示するか否かを決定する際に医師にとって役立つことがある、様々な情報を含んでもよい。
図5を参照すると、図1のシステムによる、図4の動作にしたがって特定される医療マーカー検査の実行について、フローチャートによって記載されている。図5のフローチャートの出発点は図4の動作76であり、即ち、臨床的に適用可能な分子マーカー検査が探索され、医師に提案されている。また、図5のフローチャートにおいて、格納されている患者の遺伝子シーケンシングデータ20は、提案された検査で使用される全ての分子マーカーを含むので、コンピュータ内で行うことができるものと仮定される。この出発点から、動作80で、医師指示要求/受信モジュール40は、提案された分子マーカー検査を行う指示を受信する(代替例では、医師は検査を指示することを拒否し、実行が終了する。別の可能な代替例では、医師は一切措置を講じない。この場合、任意選択で1つまたは複数のリマインダが医師に送信された後で、提案が時間切れになり、実行が終了してもよい。これらの可能性は図5には例証されていない)。医師の指示を受信すると、コンピュータ内検査モジュール44の指示検証サブモジュール42に伝達され、指示検証サブモジュール42は動作82で指示を検証する。検証メカニズムは医師の指示の形式に依存する。例えば、電子署名が使用されている場合、医師の既知の電子署名に対してチェックされる。医師が指示を送信する際にパスワードを使用した場合、パスワードが適切にチェックされる(例証されていないが、いくつかの実施形態では、検証動作は、検査モジュール44によってではなく、医師指示要求/受信モジュール40によって行われてもよい。これは、例えばパスワードのチェックの場合に、より便利な構成であることがある)。検証に失敗した場合、例えば医師がパスワードを入力し直すように要求することによって、動作84で是正措置が講じられる。
検証が成功したと仮定して、分子マーカー検査は、分子マーカー検査モジュール44によってコンピュータ内で実施される。動作90で、検査モジュール44は、分子マーカー検査定義をカタログ34から取り出す。動作92で、検査モジュール44は、電子患者診療記録22内のWGS 20にアクセスし、検査定義の入力分子マーカーデータフィールドを、WGS 20から抽出した適切なデータで埋める。動作94で、任意の追加の入力データフィールド(例えば、患者の年齢、患者の性別など)を、患者の病歴24から(または必要に応じて別のアクセス可能なソースから、もしくは失われているデータを管理者がリアルタイムで入力するように要求することによって)得られたデータで埋める。動作96で、検査定義の分析アルゴリズムが、動作92、94で埋めたデータフィールドに含まれるデータに適用され、その結果は、任意選択で、探索された分子マーカー検査項目の結果/推奨マトリックスに格納された治療推奨を調べるのに使用される。動作98で、結果(および任意選択で治療推奨)が医師に報告される。
医師に対する図3および4を参照して記載したプロセスの明示は変更することができる。有利には、動作60、62、66、70、74は一般に医師の目から隠されているが、いくつかの実施形態では、カタログ34が検索され、臨床的に適用可能な検査が探索されなかったという旨の指示(例えば、電子患者診療記録24における、またはCDSシステム30に格納された適切な患者データにおける表記)を出力することが想到される。一般的には、医師との最初の相互作用は、図4の動作76で、検査が探索され、医師に対して提示されるときである。1つの適切な方策では、この提示は、コンピュータを、例えば医師のデスクトップもしくはノート型コンピュータを介するか、または患者の病室もしくは関連するナースステーションに置かれたコンピュータなどを介するものである。医師は、探索された検査について通知を受け、関連文献に対するリンクを提供され、探索された検査を指示するか否かを尋ねられる。医師は、任意選択で、(例えば、マウスを使用してリンクをクリックし、それによって関連文献記事をポップアップ式のブラウザウィンドウまたは他のウィンドウに表示させることによって)他の文献のリンクを辿ってもよい。医師が検査を指示することを選択した場合、医師は「検査指示(ORDER TEST)」ボタンをクリックするか、または他の何らかの等価のユーザ入力を作動させる(図5の破線の動作100を参照)。医師はまた、例えば電子署名を入力することによって、指示を検証する措置を講じることが必要なことがあり、あるいは、医師がコンピュータにログインした場合、このログイン状態が任意選択で検証として役立つことがある。
コンピュータ内での検査の利点は高速である点である。図5において、これが、動作90、92、94、96を行うための時間間隔を示す矢印102が、検査結果の受信(報告動作98に相当する)を示す動作104で終了する、コンピュータ内検査を含むことを示すことによって、概略的に例証されている。時間間隔102は、動作96で適用される分析アルゴリズムの複雑さ、動作92、94を介して埋められる入力パラメータの数、コンピュータ46の処理能力および負荷などに依存する。しかし、特定された分子マーカー検査が、指示の受信80、100に応答する遅れを伴わずに行われると仮定し、さらに、動作98、104における遅れを伴わずに、検査結果がコンピュータを介して医師に対して表示されると仮定すると、時間間隔102はかなり短いことを合理的に予想することができる。したがって、検査結果の受信98、104は、指示動作80、100のほとんど直後(例えば、数秒以内)に起こる。前記の別のやり方で、検査は医師の視点から見てリアルタイムで行われる。
図5のフローチャートは、WGS 20が探索された分子マーカー検査で使用される全ての分子マーカーを含むものと仮定しているので、検査をコンピュータ内で行うことができる。そうでない場合、コンピュータ内分子マーカー検査モジュール44は適用不能であるが、状況依存のカタログ検索モジュール32は、依然として、図4のフローチャートに示される動作を行うことができる。この場合、動作74は、コンピュータ内検査が不可能であることを検出し、提案動作76は、検査を行うためには、組織サンプルを抽出することが必要であろうという、または既に抽出済みの組織サンプルを処理することが必要であろうという追加情報と共に、探索された臨床的に適用可能な分子マーカー検査を提案する。図5の動作80、82はまた、検査を行うという医師の指示を受信するように適切に行われる。しかし、検査に対する認証された医師の指示は、コンピュータ内で実行されず、それよりもむしろ、適切な医療関係者または検査室などの適切な組織的実体に通信され、そこで次に、組織サンプル処理(および必要であれば組織サンプル抽出)を介して必要な分子マーカーデータを取得する。これは、リアルタイムのコンピュータ内検査の利点を提供しないが、本明細書に開示される他の利点、例えば、新たな分子マーカー検査を迅速に導入することが容易になる点、患者の臨床状況が変化すると関連する分子マーカー検査に関して自動的に検索される、更新可能で自動的かつ能動的に検索可能な分子マーカー検査のカタログが提供される点などを提供する。
好ましい実施形態を参照して本発明について記載してきた。上述の詳細な説明を読み、理解することによって、改変および変更が他の人々に想起されることは明白である。本発明は、かかる全ての改変および変更が添付の請求項またはその均等物の範囲内にある限りにおいて、それらを含むと解釈されるものとする。
心筋梗塞の分野において、EP0962878A2は、自動診断プラットフォームに適した心筋梗塞の早期かつコスト効率の良い診断のための、反射アルゴリズムを開示している。生化学マーカー検査は、自動臨床化学・免疫診断分析器に対して実行される。アルゴリズムは、患者に対するさらなる生化学マーカー検査の性能が、以前に行われた検査の成果に依存するという事実を使用する。この知識に基づいて、アルゴリズムは、二番目に適切な生化学マーカー検査を判断する。それによって、心筋梗塞を判断するのに必要な検査の数が、したがって引き出され分析されるべきサンプルの数が最小限に抑えられる。
臨床環境において(例えば、内科患者の症状の診断および/またはその患者向けの治療計画の策定、寛解期にあるがんの再発可能性の評価などのために)、所与の分子マーカー検査を使用することの適否は、疾病診断(利用可能な場合)および患者ケア段階(例えば、診断、予後、治療、寛解モニタリングなど)などの多数の要因に基づき得る。また、分子マーカー検査の根本にある臨床研究に関する治療担当医師の見解、ならびに検査に対して付与されていることがある様々な認証についても考慮される。例えば、米国において食品医薬品局(FDA)によって付与される認証または検証は、米国の医師にとっては説得力があるが、欧州を拠点とする医師にとっては説得力が弱いか、または説得力に欠けることがある。
1つの態様によれば、装置は、臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する分子マーカー検査のカタログと、患者の遺伝子シーケンシングデータを格納する電子患者診療記録と、少なくとも疾病診断および現在の患者ケア段階を含む(かつ任意選択で、ケアサイクルにおける患者の位置、治療に対する反応のモニタリング、治療の副作用のモニタリング、局所転移、領域転移、もしくは遠隔転移を検出するためのモニタリングおよびフォローアップなど、他の状況情報を含んでもよい)患者の臨床状況を追跡するように構成された、臨床判断支援(CDS)システムと、CDSシステムによって追跡される臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、分子マーカー検査のカタログを検索するように構成され、検索が、一連の始動規則によって定義される始動イベントの発生によって自動的に始動される、カタログ検索モジュールと、電子患者診療記録に格納された患者の遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内でカタログ検索モジュールによって特定された分子マーカー検査を行うように構成された検査モジュールとを備える。CDSシステム、カタログ検索モジュール、および検査モジュールは、1つまたは複数の電子データ処理デバイスによって適切に具体化される。
本発明は、請求項ではなく、本明細書の一部を形成する以下の節において定義される、態様を備える。
1.臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を特定する分子マーカー検査のカタログ(34)と、
電子データ処理デバイス(46)とを備え、電子データ処理デバイスが、
患者の臨床状況を追跡するステップと、
追跡中に臨床状況の変化を検出するステップと、
変化した臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査の検出に応答して、カタログ(34)を検索するステップとを含む方法を行うように構成された、装置。
2.管理者がカタログ(34)を編集して、分子マーカー検査を追加、削除、および編集することができるように構成される、管理者電子データ処理デバイス(52)をさらに備える、第1節に記載の装置。
3.電子データ処理デバイス(46)が、さらに、
カタログ(34)の編集を検出し、
追跡された臨床状況における患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査に関する編集の検出に応答して、カタログ(34)を検索するように構成される、第2節に記載の装置。
4.患者の全ゲノム配列(20)を格納する電子記憶装置をさらに備え、
電子データ処理デバイス(46)が、さらに、電子記憶装置に格納された患者の全ゲノム配列から抽出される遺伝子データを使用して、コンピュータ内で検索によって探索された分子マーカー検査を行うように構成される、第1〜3節のいずれか1つに記載の装置。
5.電子データ処理デバイス(46)が、さらに、
検索によって探索された分子マーカー検査を、患者の医療ケアを監督している医師に対して提案し、
検索によって探索された分子マーカー検査を行うために医師の指示を受信するように構成される、第1〜4節のいずれか1つに記載の装置。
6.電子データ処理デバイス(46)が、追跡を行う臨床判断支援(CDS)システム(30)を定義する、第1〜5節のいずれか1つに記載の装置。
7.電子データ処理デバイス(46)が、さらに、
患者の臨床状況を追跡する際にCDSシステム(30)によって使用される臨床ガイドラインの変化を検出し、
変化した臨床ガイドラインを使用して臨床状況が追跡される患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査に対する、臨床ガイドラインの変化の検出に応答して、カタログ(34)を検索するように構成される、第6節に記載の装置。
8.臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する分子マーカー検査のカタログ(34)が、各分子マーカー検査に関する項目を格納し、項目が、
分子マーカー検査が臨床上の適用可能性を有する1つまたは複数の疾病を示す、疾病状況の注釈と、
入力分子マーカーデータフィールドと、入力分子マーカーデータフィールドに対して動作して分子マーカー検査を行う分析アルゴリズムとを定義する、少なくとも1つの分子マーカー検査定義とを含む、第1〜7節のいずれか1つに記載の装置。
好ましい実施形態を参照して本発明について記載してきた。上述の詳細な説明を読み、理解することによって、改変および変更が他の人々に想起されることは明白である。本発明は、かかる全ての改変および変更が添付の請求項またはその均等物の範囲内にある限りにおいて、それらを含むと解釈されるものとする。

Claims (22)

  1. 臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する分子マーカー検査のカタログと、
    患者の遺伝子シーケンシングデータを格納する電子患者診療記録と、
    少なくとも疾病診断および現在の患者ケア段階を含む、前記患者の臨床状況を追跡するように構成された臨床判断支援(CDS)システムと、
    前記CDSシステムによって追跡される前記臨床状況における前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、前記分子マーカー検査のカタログを検索するように構成されるカタログ検索モジュールであって、前記検索が、一連の始動規則によって定義されるトリガイベントの発生によって自動的に始動される、カタログ検索モジュールと、
    前記電子患者診療記録に格納された前記患者の前記遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で特定モジュールによって特定された分子マーカー検査を行うように構成された検査モジュールとを備え、
    前記CDSシステム、前記カタログ検索モジュール、および前記検査モジュールが、1つまたは複数の電子データ処理デバイスによって具体化される、装置。
  2. 前記一連の始動規則が、患者状態の変化に応答して検索を始動させる規則、および前記マーカーの分子カタログの内容の変化に応答して検索を始動させる規則を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記CDSシステムが、ノードおよび接続エッジまたはパスを備える臨床ガイドラインにおいて前記患者の位置を追跡することによって、前記患者の前記臨床状況を追跡するように構成され、前記カタログ内の分子マーカー検査が、臨床ガイドラインの段階適用可能性をさらに含む臨床上の適用可能性の注釈を付され、前記一連の始動規則が、前記臨床ガイドラインの変化に応答して検索を始動させる規則をさらに含む、請求項2に記載の装置。
  4. 電子処理デバイスによって具体化されると共に、前記特定モジュールによって特定された分子マーカー検査を提案し、前記提案された分子マーカー検査を行うための医師の指示を受信するように構成された、指示要求/受信モジュールをさらに備え、
    前記検査モジュールが、前記電子患者診療記録に格納された前記患者の前記遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で前記提案された分子マーカー検査を行うのに先立って、前記医師の指示を検証するように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 管理者が前記カタログを編集して、分子マーカー検査を追加、削除、および編集できるように構成された、カタログ編集モジュールをさらに備え、
    前記一連の始動規則が、分子マーカー検査を追加、削除、または編集する、検索に応答する前記カタログの編集を始動する規則をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記カタログ検索モジュールが、前記CDSシステムによって追跡される現在の患者ケア段階の変化を自動的に検出すると共に、前記変化の検出に応答して前記CDSシステムによって追跡される前記臨床状況において、前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、前記分子マーカー検査のカタログの検索を自動的に始動するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記CDSシステムが、前記分子マーカー検査のカタログを検索して、前記CDSシステムが現在の患者ケア段階の変化を追跡するのに応答して、前記CDSシステムによって追跡される前記臨床状況において、前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、前記カタログ検索モジュールを自動的に始動させるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  8. 臨床上の適用可能性の注釈が付され、患者の遺伝子シーケンシングデータが格納された、分子マーカー検査を特定する分子マーカーのカタログと併せて動作可能である、方法であって、
    臨床判断支援(CDS)システムを使用して、前記患者の臨床状況を電子的に追跡するステップと、
    前記電子的な追跡中に、一連の始動規則によって定義されたる始動イベントの発生を自動的に検出するステップと、
    前記検出に応答して、前記CDSシステムによって追跡される前記臨床状況における前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査を特定するため、前記カタログの電子検索を自動的に始動するステップと、
    格納された前記遺伝子シーケンシングデータを使用して、コンピュータ内で特定された前記分子マーカー検査を行うステップとを含む、方法。
  9. 前記一連の始動規則が、
    前記CDSシステムによって使用される臨床ガイドラインの変化に応答して、前記カタログの電子探索を始動する規則と、
    患者記録データの変化に応答して、前記カタログの電子探索を始動する規則と、
    前記分子マーカー検査のカタログの内容の更新に応答して、前記カタログの電子探索を始動する規則とを含む、請求項8に記載の方法。
  10. コンピュータ内で前記特定された分子マーカー検査を行う前記ステップが、前記分子マーカー検査を行うという医師の指示を受信することを条件とする、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記電子検索が、少なくとも疾病診断および現在の患者ケア段階を含む前記患者の前記臨床状況を定義する検索パラメータを用いる、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記患者の全ゲノム配列を含む遺伝子シーケンシングデータを取得するステップと、
    前記患者の電子病歴も格納する電子患者診療記録に前記全ゲノム配列を格納するステップとをさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ユーザインターフェースデバイスを介して、分子マーカー検査の追加、修正、または削除を含むカタログ更新を受信するステップと、
    受信した前記カタログ更新を用いて前記カタログを更新するステップとをさらに含み、
    前記更新が、前記CDSシステムによって使用されるいかなる臨床ガイドラインも修正しない、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項8から13のいずれか一項に記載の方法を行うため、電子処理デバイスによって実行可能な命令を格納する、非一時的な記憶媒体。
  15. 臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を特定する分子マーカー検査のカタログと、
    電子データ処理デバイスとを備え、前記電子データ処理デバイスが、
    患者の臨床状況を追跡するステップと、
    前記追跡中に前記臨床状況の変化を検出するステップと、
    変化した前記臨床状況における前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査の前記検出に応答して、前記カタログを検索するステップとを含む方法を実行するように構成された、装置。
  16. 管理者が前記カタログを編集して、分子マーカー検査を追加、削除、および編集することができるように構成される、管理者電子データ処理デバイスをさらに備える、請求項15に記載の装置。
  17. 前記電子データ処理デバイスが、さらに、
    前記カタログの編集を検出し、
    追跡された前記臨床状況における前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査に関する編集の前記検出に応答して、前記カタログを検索するように構成される、請求項16に記載の装置。
  18. 前記患者の全ゲノム配列を格納する電子記憶装置をさらに備え、
    前記電子データ処理デバイスが、さらに、前記電子記憶装置に格納された前記患者の前記全ゲノム配列から抽出される遺伝子データを使用して、コンピュータ内で前記検索によって探索された分子マーカー検査を行うように構成される、請求項15から17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記電子データ処理デバイスが、さらに、
    前記検索によって探索された前記分子マーカー検査を、前記患者の医療ケアを監督している医師に対して提案し、
    前記検索によって探索された前記分子マーカー検査を行うために医師の指示を受信するように構成される、請求項15から18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記電子データ処理デバイスが、前記追跡を実行する臨床判断支援(CDS)システムを定義する、請求項15から19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記電子データ処理デバイス(46)が、さらに、
    患者の前記臨床状況を追跡する際に前記CDSシステムによって使用される臨床ガイドラインの変化を検出し、
    前記変化した前記臨床ガイドラインを使用して臨床状況が追跡される前記患者に対する臨床上の適用可能性を有する分子マーカー検査に対する、前記臨床ガイドラインの変化の前記検出に応答して、前記カタログを検索するように構成される、請求項20に記載の装置。
  22. 臨床上の適用可能性の注釈が付された分子マーカー検査を指定する前記分子マーカー検査のカタログが、各分子マーカー検査に関する項目を格納し、前記項目が、
    前記分子マーカー検査が臨床上の適用可能性を有する1つまたは複数の疾病を示す、疾病状況の注釈と、
    入力分子マーカーデータフィールドと、前記入力分子マーカーデータフィールドに対して動作して前記分子マーカー検査を行う分析アルゴリズムとを定義する、少なくとも1つの分子マーカー検査定義とを含む、請求項15から21のいずれか一項に記載の装置。
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