JP2006511881A - 統合医療知識ベースインターフェースシステム及び方法 - Google Patents

統合医療知識ベースインターフェースシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ユーザが統合されコンパイルされたデータリポジトリの膨大な資源を利用することができるインターフェーシング方法を提供する。
【解決手段】 医療関連データの統合知識ベースは、ユーザ固有、機能固有、及び類似のベースに基づいてデータを提供するために種々のユーザ及び資源によってアクセスされる。統合知識ベースは、ユーザ及び資源のような場合には、一連の異なる位置に物理的に位置付けることができる。ユーザ識別、ユーザタイプ、ユーザ機能、ユーザ環境などのような要因に基づいて、システムは、統合知識ベースとインターフェースするために、特に適合されたインターフェースを提供することができる。同様に、統合知識ベースのデータ又は機能の全てではない一部が特定のユーザに提供されるように、類似のベースに基づき管理されたアクセスを提供することができる。

Description

本発明は、一般に、医療データの処理、収集、及び分析の分野に関する。更に具体的には、本発明は、診断、治療、更なるデータの処理、収集、及び分析に関する決定を知らせるための広範囲にわたり利用可能な医療データを利用する技術に関する。
医療分野では、患者の状態を学習し且つ治療するために多くの異なるツールが利用可能である。従来、医師は、患者の身体を診て、長年の研究から収集された莫大な量の個人的知識を利用して患者が経験する問題及び状態を識別し、適切な治療を決定することになる。支援情報源は、従来的に他の開業医、参考図書及びマニュアル、比較的簡単な検査結果及び分析等々を含んでいた。過去十数年にわたって、及び特に近年、利用可能な資源を大きく拡げて患者の治療を向上及び改善する、莫大な量の更なる参考材料が開業医に利用可能になってきた。
医師及び他の介護者が現在利用可能な診断資源の中には、情報並びに情報源のデータベースがあり、これらは管理可能且つ規定可能である。データベースは、幾分従来からの参考ライブラリに対するものであり、多くの情報源から利用可能な知識であり、更に、考えられる病態の詳細な情報、このような状態を認識する方法についての情報、及びその病態の治療を数秒以内に医師に提供することが可能である。薬物の相互作用、疾患及び医療事象に対する素因などのような考慮事項を識別する同様の参考材料も当然利用可能である。これらの参考材料の幾つかは、ケア提供者は無償で利用可能であるが、他のものは通常、契約又はコミュニティの会員と関連付けられる。
また、潜在的な身体状態及び医療事象を調べ、潜在的な医療上の問題の原因を指摘するための管理可能且つ規定可能な特定のデータ収集技術が知られている。従来の規定可能なデータ源は、簡単な血液検査、尿検査、手作業で記録された身体検査結果及び同様のものを含んでいた。ここ数十年にわたって、身体のシステムの動き、及びある程度まで状況及び刺激に対するこのようなシステムの反応を検出し記録する電子データ収集の種々のタイプを含む、より高度な技術が開発されてきた。更により高度なシステムが開発されており、該システムは、この開発以前には外科的な手段によってしか観察し分析することができなかった内部特徴を含む身体の画像を提供し、且つ他のどのような方法でも見ることができなかった他の特徴及び機能の表示及び分析を可能にする。これらの技術の全ては、医師が利用可能な広範囲にわたる資源に加えられており、医療の質を極めて高めてきた。
医療関係の情報源における劇的な増加及び進歩にも関わらず、検査及びデータの指示及び分析、並びに医療事象の診断及び治療は、依然として訓練されたケア提供者の専門知識にかなりの程度依存している。人間の経験によって提供される入力及び判断は、このような状況においては置き換えられることはなく、また置き換えられるべきではない。しかしながら、医療情報源の更なる向上及び統合が必要とされる。ある程度自動化された方式で情報に基づく診断及び分析を可能にする試みが行われてきたが、これらの試みは、迅速且つ効率的な患者ケアに最も有益となる統合及び相関性のレベルにまでは近づいていない。
多様な医療関連データの大量の統合は、従来技術によって対処されない特定の問題及び課題を提起する。実際、大量の本質的に異なる別個のデータセットへのアクセス及びインターフェーシングの調整は、単に医療関連データの高レベルの統合が固有のインターフェーシング方法を必要とする程度まで利用可能でなかった理由により、これまでは対処されていなかった。
大量の医療関連データが利用可能になる場合に生じる特定の課題は、ユーザとデータを分類整理し記憶するシステムとの間のインターフェースの問題及びアクセスの問題の両方に影響を及ぼす。多数のユーザが特定のデータポイントを要求し且つ必要とする可能性がある場合、全てのユーザが、データ、データの処理、或いはデータポイント間の関係のいずれかに同様の関心を持つわけではない。種々の医療関連分野において、ユーザは、患者自身に加えて、医療施設、放射線部門、医師、行政体、事業主、保険会社のような多様な個人及び団体を含むことができる。しかしながら、重要なことは、アクセスのレベルが許可されるのであれば、特定のユーザに対してインターフェースを適合させる必要がある点である。
従って、要求されるユーザ及び機能の対話型インターフェースの最も有用なタイプを提供しながら、ユーザが統合されコンパイルされたデータリポジトリの膨大な資源を利用することができるインターフェーシング方法の改善に対する必要性が存在する。同様に、特定のユーザは、患者固有のベースに基づき種々のタイプの情報にアクセスする権利を持たない場合がある。このような状況では、リポジトリ内の全てのデータへのフリーアクセスは不適切となり、これらの資源へのアクセスを適切な判断により割当てることがふさわしい。同様に、コンパイルされたデータが、人間及び機械の資源を含む種々の資源からアクセスされ、或いはこれによって供給されるデータを含む場合、データの交換は、データ、リポジトリ、及び実行される分析の保全性を保証するよう調整されるのが好都合である。
本発明は、このようなニーズに対処するよう設計された医療関連データの統合知識ベースをインターフェースし且つアクセスする方法を提供する。本発明の1つの態様によれば、医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法が提供され、該方法は、クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、該データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別する段階とを含む。次に、クライアント固有インターフェースが、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへのアクセスのためにクライアントに提供される。
本発明の別の態様によれば、医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法は、クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、データを構文解析して、クライアント固有インターフェースを識別し、且つ複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへのクライアントに許可されたアクセスのレベルを識別する段階とを含む。次に、クライアント固有インターフェースが、統合知識ベースへの識別されたレベルでのアクセスのためにクライアントに提供される。
本発明の別の態様によれば、医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法は、複数のクライアント固有インターフェースと、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの複数のアクセスのレベルとを定める段階と、クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別し、且つクライアントに許可された統合知識ベースへのアクセスのレベルを識別する段階とを含む。次にクライアント固有インターフェースが、統合知識ベースへの識別されたレベルでのアクセスのためにクライアントに提供され、このインターフェース及びアクセスのレベルは、患者固有臨床データの対象である患者が設定する。
このような処理を実施するためのシステム及びコンピュータプログラムも提供される。
本発明は、このような拡張ケアを提供するよう設計された医療データを扱うための新規の技術を提供する。本技術は、統合された知識ベースに含まれるとみなすことができる利用可能な医療データの全範囲にわたって利用することができる。統合された知識ベース自体は、幾つかのデータ資源及び他の管理可能且つ規定可能な資源に分析的に細分することができる。データ資源は、患者固有、母集団固有、状態固有、或いは身体的要因、遺伝的要因、ファイナンシャル及び経済的な要因などを含む任意の数の要因をグループ化するデータベースのようなものを含むことができる。管理可能且つ規定可能な資源は、電気システム、イメージングシステム、患者及び組織の人間及び機械による分析に基づくシステムなどといった、任意の利用可能な医療データ収集システムを含むことができる。このようなデータ、人によって実行されたルーチン、或いはコンピュータシステムのネットワークに基づくと、一般的な処理システムを定義することにより潜在的な医療事象を識別し診断することができる。更に処理システムは、単一の時間期間中の付加的な又は異なるタイプのデータ、或いは延長された時間期間にわたる同じ又は異なるタイプのデータを含む、管理可能且つ規定可能な資源からの付加的なデータ収集を指示することができる。
論理エンジンで利用可能な医療データの分析は、幾つかの目的においてまず第1には、医療事象の診断及び治療のために用いることができる。従って、病態、病状、将来の状態及び事象の素因などのより迅速で且つ情報に基づく識別によって、患者のケアを向上させることができる。更にこのシステムは、最も重大な優先度又は重要性となり得る医療事象又は病状のような要因に基づいて、より迅速で、情報に基づく、目標とされた、且つ効率的なデータ収集を可能にする。しかしながら、このシステムは他の用途を可能にする。例えば、経時的にプログラムされ又は得られる知識に基づいて、このシステムは開業医のスキルを磨くための有用な訓練ツールを提供する。同様にこのシステムは、最も知識豊富なケア提供者及び最も適切な情報収集システムが単純に利用できない地域又は状況において、高品質の医療ケアを提供する場合に多大な便宜をもたらす。
要するに本技術は、データ資源と、当分野で現在考えられ得る規定可能且つ管理可能な資源の両方の最高レベルの統合を提供すると考えられる。このシステムは、資源の幾つかのタイプだけを統合するか或いはデータ収集及び分析だけの目的のためのような、より限定された方式で実施してもよい。しかしながら、このような状況でも、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアモジュールを含むことにより、或いは処理システムによって実行される分析において他のデータ源に対する相関性と共に付加的な又は異なるデータ源を結合することによって更に拡張することができる。この結果として得られるシステムは、医療データの既存ソース及び更に将来のソースと連動して、医療事象及び病状を識別し治療する場合に経験を積んだ開業医並びにあまり経験の無い臨床医のために補完ツール及び極めて有用なリンキングツールを提供する。このシステムは、必要に応じて極めて特定の状態及び事象を対象とするために更に利用することができる。
本発明の上記及び他の利点並びに特徴は、以下の詳細な説明を読み図面を参照すると明らかになるであろう。
ここで各図面に移り、最初に図1を参照すると、コンピュータ支援医療データ交換システム2の概要が示されている。システム2は、図1の参照番号6で示されたケア提供者が利用可能なデータの管理を容易にすることによって、患者4に高品質の医療ケアを提供するよう設計される。ケア提供者は一般に、主治医、放射線科医、外科医、看護師、臨床医、種々の専門医などを含むものとする。しかしながら、本明細書では全体的に臨床医に言及されているが、ケア提供者は、事務スタッフ、保険会社、教師、及び学生なども含むことができる点に留意されたい。
図1に示されるシステムは、臨床医がデータ処理システム10とデータ交換することを可能にするインターフェース8を備える。システムと臨床医との間で交換可能な情報のタイプ、並びにインターフェース及びデータ処理システム、更にこれらの機能について詳細に説明する。データ処理システム10は、図1で示されるように統合知識ベース12及び連合データベース14にリンクされる。システム10及び連合データベース14は、全体が参照番号18で示されるデータ資源の範囲からデータを引き出す。連合データベース14は、ソフトウェアベースとすることができ、以下に説明されるような種々の資源から情報を引き出し、こうした情報のアクセスを調整又は変換するためのデータアクセスツールを含む。一般に、連合データベースは、生データを利用可能な形式に統一する。ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張可能マークアップ言語(XML)、医療用デジタルイメージング及びコミュニケーション(DICOM)、ヘルスレベルセブン(商標)(HL7)などを含む、任意の適切な形式を用いることができ、必要とされる場合には、複数の形式を用いてもよい。本明細書では、統合知識ベース12は、データ処理システムによって処理することができ、要求される医療ケアを提供するために臨床医が利用できる利用可能な医療データのいずれか及び全てのタイプを含むものと考えられる。最も単純な実施形態において、資源18は、イメージングシステムのような医療データ或いはより一般的なデータ抽出技術(例えば患者又はケア提供者によって完成される形式)の単一のソースを含むことができる。しかしながら、資源は、以下により詳細に説明されるように、より多くのタイプ及び多様なタイプのデータを含むことができる。一般に、資源及び知識ベース内のデータは、該データを連合データベース及びデータ処理システムによる抽出及び分析に利用可能にするためにデジタル化され記憶される。従って、より一般的なデータ収集資源が用いられる場合でも、データは、データ処理システムによって行われる種々のタイプの分析で識別及び操作可能な形式にされる。
本明細書で使用される用語「統合知識ベース」は、広義の医療関連データの1つ又はそれ以上のリポジトリ、並びにリポジトリと、分析、診断、報告、表示、及び他の機能を含む要求されたオペレーションをデータに対して実施するための処理機能との間のインターフェース並びに翻訳プログラムを含むものとされる。データ自体は、人、機械、システムなどの部類に関して、患者固有の特徴並びに非患者固有の情報に関連することができる。更にリポジトリは、データを記憶するための専用のシステム、或いはイメージングシステムのような異なるシステムの一部であるメモリ装置を含むことができる。上述のように、統合知識ベースを構成するリポジトリ及び処理資源は拡張可能であり、任意の数の場所に物理的に存在することができ、通常は専用又はオープンネットワークリンクによってリンクされる。更に、統合知識ベース内に収容されるデータは、臨床データ(すなわち患者の状態に固有に関係するデータ)と非臨床データとの両方を含むことができる。非臨床データは、ファイナンシャル資源、物理的資源(医療施設又は納入業者)、人的資源及び同様のものを表すデータを含むことができる。
図1の矢印で示される情報の流れは、以下に更に詳細に説明されるような情報交換のための広範囲のタイプ及び伝達手段を含むことができる。一般に患者4は、通常の来院を通じて、並びに遠隔的に電話、電子メール、帳票及び同様のものによって臨床医6と対話することができる。また患者4は、従来の患者履歴表を含むことができる患者データ収集インターフェース16の範囲、イメージングシステム用インターフェース、及び組織サンプル、体液などを収集し分析するためのシステムを介して資源18の要素と対話することができる。臨床医6とインターフェース8の間の対話は、通常インターフェースの性質に応じて任意の好適な形式を取ることができる。従って、臨床医は、キーボード、コンピュータマウス、タッチスクリーン、ポータブル又は遠隔入力及び記録装置のような通常の入力装置を介してデータ処理システム10と対話することができる。更に、インターフェース8、データ処理システム10、知識ベース12、連合データベース14、及び資源18の間のリンクについて以下により詳細に説明するが、これらは通常、コンピュータデータ交換相互接続、ネットワーク接続、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、専用ネットワーク、仮想私設ネットワーク及び同様のものを含むことができる。
図1に概要として示されるように、種々の資源、データベース、及び処理構成要素のデータ処理及び相互接続は極めて多様なものとすることができる。例えば、図1は、データ処理システム10と資源18との両方にリンクされている連合データベースを示している。このような構成は、連合データベース及びこれに含まれるソフトウェアが、種々の資源からの情報を抽出して、該情報にアクセスすることが可能となると共に、要求に応じてデータ処理システム10に情報を提供できる。場合によっては、データ処理システム10は、このような情報にアクセスして、解釈又は翻訳することができる資源18内の情報を直接抽出し、或いは記憶することができる。同様に、データ処理システム10は、統合知識ベース12にリンクすることができ、これらの構成要素の両方がインターフェース8にリンク可能である。従って、特定のインターフェースタイプ又は構成要素に細分できるインターフェース8を用いて、統合知識ベース12から直接知識にアクセスし、或いはデータ処理システム10に、統合知識ベース又は資源からのデータの収集、分析、処理、又はそれ以外の操作を指令することができる。データ間のこのようなリンクは、説明の目的で図面に概略的に示している。しかしながら、特定のシステムでは、特定の患者、特定の病態、特定の状況などの特定の分析又は相関付けを行う特定のソフトウェアモジュール又はプログラムに続いて高度の統合を行うことができる。
この説明全体を通して、資源12は、資源の2つの主要なタイプを含むものと考えられる。最初に、純粋なデータ資源は、種々のタイプの予め収集され、分析され、記憶されたデータからなることができる。すなわちデータ資源は、以下により詳細に説明されるような医療事象、病状、病態、ファイナンシャル情報及び同様のものに関する情報を表すことのできる基準資源と考えることができる。データ資源は一般に、患者から直接収集されることになる情報を必要としない。むしろ、これらの資源は本質的により一般的なものであり、データ基準ライブラリ、定期契約などによって取得することができる。知識ベース12を含む資源の第2のタイプは、管理可能且つ規定可能な資源からなる。これらの資源は、患者から直接的又は間接的にデータを収集する任意の数のデータ収集装置、機構、及び手順を含む。これらの資源については本説明で後述するが、一般的には、イメージングシステム、電気パラメータ検出装置、完全又は部分的に自動化された手順又は手動の手順での臨床医によるデータ入力、及び同様のものといった臨床資源と考えることができる。
図2は、データ処理システム10に関連する構成要素のタイプを幾分詳細に示している。一般に、データ処理システム10は、単一のコンピュータを含むことができるが、より有用で効果的な実施形態では、幅広いコンピューティング及びインターフェース資源を含むことができる。参照番号20で一般的に示されるこのような資源は、特定用途コンピューティング装置、汎用コンピュータ、サーバ、データ記憶装置などを含むことができる。このような装置は、単一の基本位置に位置付けることができるが、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、仮想私設ネットワークなどを介して要求に応じて広く地理的に設置及び利用することができる。コンピューティング資源は、参照番号22で一般的に示されるプログラムを利用して実行し、このプログラムは、データ抽出、分析、コンパイル、レポーティング、及びデータ処理システムによって行われる同様の機能を暗号化し指示する。一般に、このようなプログラムはソフトウェアで具現化することができるが、幾つかのプログラムは、特定の構成要素にハードワイヤードすることができ、或いは幾つかの構成要素内又は構成要素間のファームウェアを構成することができる。以下に更に詳細に説明されるように、プログラム22は、データ処理システム10によって行われる分析機能を駆動する幾つかの論理エンジン構成要素24を含むものと考えることができる。このような論理エンジン構成要素は、医療事象及び病状の診断の助けとなるが、以下に説明されるような広範な他の機能にも使用することができる。このような機能は、可能性のある用途の例を少し挙げると、管理可能且つ規定可能な資源の指示及び制御、患者ケアに対する提案、ファイナンシャル構成及び状態の分析、患者ケアの分析、教示、及び命令を含むことができる。
コンピューティング資源20は、連合データベース14(図1を参照)の一部とすることができる、データ資源インターフェース26を介して上述のデータ資源を利用してこれと対話するように設計される。更にデータ資源インターフェース26は通常、コンピューティング資源20に記憶されたコンピュータコード、及びこれらの特定のデータ資源内に記憶できる付加的なコード、並びにコンピューティング資源とデータ資源の間の通信を可能にするコードを含むことができる。従って、このようなコードは、コンピューティング資源による処理のために情報をサーチし、抽出し、送信し、且つ記憶することができるようにする。更に、データ資源インターフェース26により、要求される場合には、データをコンピューティング資源から送信することができ、及びデータ資源内に記憶することができるようになる。必要とされる場合、データ資源インターフェースはまた、その検索、分析、及び記憶を容易にするために一方から他方へのデータの変換を可能にする。このような変換は、圧縮及び復元技術、ファイルフォーマッティングなどを含むことができる。
コンピューティング資源20はまた、インターフェース28を介して管理可能且つ規定可能な資源と接続され、該資源はまた、連合データベース内に含めることができる。インターフェース26と同様に、インターフェース28は、コンピュータ資源で上記に示されたような記憶されたコード、並びに管理可能且つ規定可能な資源を含む特定の位置又はシステムで記憶されたコードを含むことができる。従って、インターフェースは通常、情報の位置付け及び抽出、必要とされる場合には情報の変換、情報の操作、及び情報の記憶を許可する、サーチされた情報のタイプを識別するコードを含むことができる。またインターフェースは、検査、レポートなどを行うためのシステムの構成及びパラメータなどに関して、コンピューティング資源から管理可能且つ規定可能な資源に情報がロードできるようにする。コンピューティング資源の幾つかは、イメージング装置、電子データ収集装置、又は他の資源システム内のコンピュータシステム及びコントローラのような、管理可能且つ規定可能な資源の幾つかに実際に設置されるか、又はこれと一体化することができる点に留意されたい。従って、論理エンジン構成要素24、或いはより一般的には、プログラム22によって行われるオペレーション及び分析の幾つかは、管理可能且つ規定可能なソースで直接に、或いはこれにローカルに実施することができる。
データ処理システム10に全体的にリンクされたネットワーク29が図2に示されている。ネットワーク29は、データ資源インターフェース、データ資源、管理可能且つ規定可能な資源などへのリンクを含む場合があるが、ユーザ、医療施設、患者などへの付加的なリンクを形成することができる。従って、ネットワーク29は、より広範囲の参加者に対してより広くデータ収集、分析、及びレポーティング機能を可能にするように、データ処理システム10の種々の構成要素とのデータトラフィックをルーティングすることができる。
図2の矢印で示されるように、広範囲のネットワーク構成は、種々の資源及びインターフェース間及びこれらの中での通信に利用可能とすることができる。例えば矢印30によって示されるように、コンピューティング資源20は、直接(例えばコンピュータシステムの内部で)或いはローカル又は遠隔ネットワーキングを介しての両方でプログラム22を利用することができる。従って、コンピューティング資源は、「必要」に応じて記憶され且つアクセスされるプログラム、更に特定のコンピュータシステム内部から直接アクセス可能なプログラムに基づいてルーチンを実行することができる。
矢印31及び32は、一般に、種々の資源間での高速データ交換を可能にする構成可能及び専用のネットワークなどのより変化に富むデータ交換経路を表す。同様の通信が、図2の矢印33で示されるようなデータ資源インターフェースと管理可能且つ規定可能な資源インターフェースとの間で容易にすることができる。このような交換は、管理可能且つ規定可能な資源を構成又は動作させる場合に特定のデータ資源情報を利用するのに有用とすることができる。一例として、データ資源インターフェースは、コンピューティング資源によって行われる分析によって命令されたオペレーションを容易にするために管理可能且つ規定可能な資源内に記憶することができる、母集団情報の抽出、「最良実施」システム構成などを可能とすることができる。矢印34は、インターフェース26及び28と以下に説明されるような知識ベースの構成要素との間の種々のデータリンクを一般的に示しており、このようなリンクは、ネットワーク接続の任意の適切なタイプ、或いはコンピュータシステム内の内部接続をも含むことができる。全てのデータ通信30、31、32、33、及び34の場合において、データバス、ダイヤルアップネットワーク、高速ブロードバンドデータ交換、無線ネットワーク、衛星通信システムなどのような任意の範囲のネットワーク又はデータ転送手段を想定することができる。
データ資源
図3は、上記に説明され且つ図1に示された資源のデータ資源セグメント内に含めることができる幾つかの例示的な構成要素を示す。図3の参照番号38で一般的に示されるデータ資源は、図2に関して上記に示され、且つ図3の矢印35で示されるように、データ処理システム10と通信するよう設計される。その結果、データ処理システムは、インターフェース8を介して臨床医6が資源として利用可能であり、矢印36で示されるように管理可能且つ規定可能な資源40と更に通信することができる。図3に示されるように、臨床医は、データ処理システムと直接アクセスし且つ直接接続することができ、或いは、直線で折れた矢印37で示されるような遠隔ネットワーキング構成を介して間接的にデータ処理システム10にアクセスできる。
データ処理システムは、データ資源38を利用してこれと通信することに加えて、参照番号40で示し且つ以下に更に詳細に説明されるように、管理可能且つ規定可能な資源と通信する。上述のように、データ資源は一般に、データ処理システム10によって識別され、位置付けられ、抽出され、更に利用することができる情報及びデータを含むものと考えることができる。更にデータ処理システムは、必要に応じて種々の資源にデータを書き込むことができる。
図3に示されるように、データ資源38は、一連の情報のタイプを含むことができる。例えば、情報の多くのソースが、参照番号42で示されるような病院又は医療施設内で利用可能とすることができる。当業者には理解されるように、情報は、スキャナー、制御システム、或いは部門管理システム又はサーバのような放射線医学部門情報システム44内に含むことができる。同様に、このような情報は、類似の方法で病院情報システム46内の医療施設において記憶することができる。多くのこのような医療施設は更に、データ、特に画像データ、圧縮及び復元された画像データの形態でPACS48と通常呼ばれるアーカイビングシステム、このような画像データから得られたデータ、及び画像を収集するのに使用されるシステム設定を記述するデータ(DICOM又は画像ファイルに添付された他のヘッダなど)などを更に含む。医療施設内に記憶されたデータに加えて、参照番号50で示されるような患者履歴データベースからのデータが利用可能とすることができる。このようなデータベースは同様に、医療施設内の中央リポジトリに記憶することができるが、患者固有の履歴データを得るために遠隔ソースからも利用可能とすることができる。必要に応じて、このような患者履歴データベースは、データ処理システムによってサーチ可能であり、種々の医療施設又は診療所に設置された一連の資源をグルーピングすることができる。
他のデータ資源は、病理データベース52のようなデータベースを含むことができる。このようなデータベースは、患者固有の情報、並びに患者母集団又は人々が共有する医学的、遺伝的、人口統計学的、或いは他の特性の両方についてコンパイルすることができる。更に、参照番号54によって一般的に示される外部データベースにアクセスすることができる。このような外部データベースは、母集団を特徴付ける基準材料、医療事象及び病状、治療、診断及び予後の特徴付けなどのデータベースといった、本質的に広範囲にわたるものとすることができる。このような外部データベースは、継続的な定期契約構成又は利用回数制構成などの特定の定期契約ベースに基づきデータ処理システムによってアクセスすることができる。同様に、遺伝及び類似のデータベース56もアクセスすることができる。このような遺伝データベースは、遺伝子配列、特定の遺伝マーカ及び多型性、並びにこのような遺伝子情報と特定の個人又は母集団との関連性を含むことができる。更にファイナンシャル、保険及び類似のデータベース58は、データ処理システム10がアクセス可能である。このようなデータベースは、患者の会計記録、医療施設の財務記録、支払い及び請求記録並びに構成、医療扶助制度又は高齢者医療健康保険制度の規則及び記録などのような情報を含むことができる。
最後に、参照番号60で示されるような他のデータベースは、データ処理システムがアクセスすることができる。このような他のデータベースは同様に、医療施設、イメージング又は他の管理可能又は規定可能なデータ収集システム、基準材料などに固有のものとすることができる。前述のように、他のデータベースは、医療施設又は医療施設のグループと独立して、或いは内部で利用可能であるが、定期契約ベースでアクセスすることもできる。またこのようなデータベースは、データ処理システム10によって行われる分析、処理、及び他の機能を支援するのに、患者固有又は母集団固有とすることができる。更に、他のデータベースは、本質的に臨床的及び非臨床的な情報を含むことができる。ファイナンシャル及び資源割り当ての管理の支援では、例えばこのようなデータベースは、管理、在庫管理、資源、施設、人的資源、及び患者のケアを改善するためにアクセス及び管理することができる他の情報を含むことができる。
図3のデータ資源のグルーピング38において複数の先端を持つ矢印によって示されるように、種々のデータ資源はまた、各資源間及び各資源中で通信することができる。従って、データベース又はデータベース資源の幾つかは、種々のデータベースに記憶されたデータを完成又は補完するように、データの直接交換を備えることができる。このようなデータ交換は、データ処理システム10を通過するものと一般的には考えられるが、より一般的な観点では、資源は、必要に応じて資源の1つ又はそれ以上からのこのような交換データを利用するデータ処理システム10と医療施設、データリポジトリ、コンピュータシステム、及び同様のものとの間で直接データ交換を容易にすることができる。
管理可能/規定可能な資源
図4は、データ処理システム10によってアクセスすることができる例示的な管理可能且つ規定可能な資源の幾つかを同様に示す。前述のように、データ処理システムは、適切なインターフェース8を介して臨床医6と、並びにデータ資源38と接続するように設計される。
一般に、管理可能且つ規定可能な資源40は、患者固有又は患者関連のものとすることができ、すなわち、患者から物理的又は遠隔的(例えばコンピュータリンクを介して)な直接アクセスにより収集することができる。資源データはまた、既知の母集団特徴との比較に基づいて、特定の患者のリスク及び状態の分析を可能にするような母集団固有のものとすることができる。管理可能且つ規定可能な資源は、データを生成するためのプロセスとして一般的に考えることができる点に留意されたい。実際、以下に更に詳細に説明されるシステム及び資源の多くは、自体がデータを包含するが、これらの資源は、患者の適切な治療に必要とされる場合にデータを生成するのに使用できる範囲で管理可能及び規定可能である。例示的な管理可能且つ規定可能な資源40の中には、参照番号62で一般的に示される電子的資源がある。以下に更に詳細に説明されるように、このような資源は、感知された信号に基づいて患者の生理学的パラメータを検出するよう設計された種々のデータ収集システムを含むことができる。このような電子的資源は、例えば、脳波検査資源(EEG)、心電図資源(ECG)、筋電図資源(EMG)、電気インピーダンス断層撮影資源(EIT)、神経伝導検査資源、電気眼振検査資源(ENG)、及びこれらの資源を組み合わせを含むことができる。更に、種々のイメージング資源は、参照番号64で示されるように管理及び規定することができる。X線イメージングシステム、磁気共鳴(MR)イメージングシステム、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステム、陽電子放射断層撮影(PET)システム、フルオログラフィシステム、マンモグラフィシステム、超音波検査システム、赤外線イメージングシステム、核イメージングシステム、熱音響システムなどといった、こうした資源の幾つかのモダリティが現在利用可能である。
このような電子的システム及び高度に自動化されたシステムに加えて、臨床及び実験的性質の種々の管理可能且つ規定可能な資源が、参照番号66で示されるようにアクセス可能である。このような資源は、胃腸、生殖、及び脳脊髄の液体分析システムを含む、血液、尿、唾液及び他の液体分析資源を含むことができる。このような資源は更に、ポリメラーゼ(PCR)連鎖反応分析システム、遺伝マーカ分析システム、ラジオイムノアッセイシステム、クロマトグラフィー及び類似の化学分析システム、受容体測定システム、及びこれらのシステムの組み合わせを含むことができる。幾分類似して、組織学的資源68は、組織分析システム、細胞及び組織型別システムなどを含むことができる。他の組織学的資源は、免疫細胞学及び組織病理学分析システムを含むことができる。同様に、電子及び他の顕微鏡検査システム、原位置ハイブリッド形成システムなどは、例示的な組織学的資源を構成することができる。薬物動態学資源70は、薬物治療管理システム、受容体特性及び測定システムなどのようなシステムを含むことができる。
生理学的な状態及びパラメータを直接的又は間接的に検出するシステムに加えて、管理可能且つ規定可能な資源は、保険及び支払い資源、補助金資源などのようなファイナンシャル資源72を含むことができ、これは、高品質の患者ケアを提供し、継続的にそのようなケアを計上する際に有用とすることができる。種々の他の資源74は、収集されたデータを有用なデジタル形式に変換するために完全に或いは半自動化することができる広範囲のデータ収集システムを含むことができる。このような資源は、健康診断、病歴、精神医学的病歴、心理的な病歴、行動パターン分析、行動テスト、人口統計学的データ、薬物使用データ、食物摂取データ、環境要因情報、全体の病理学情報、及び非生物モデルからの種々の情報を含むことができる。この場合も同様に、このような情報が患者から或いは資格のある臨床医及び医療専門医によって手動で直接収集される場合、データはデジタル化されるか、或いはそうでなければデータ処理システムによる記憶及びアクセスのために有用なデジタル形式で入力される。
図3に関して上述のように、図4の管理可能且つ規定可能な資源40内に示された複数の先端を持つ矢印は、これらの資源の幾つかが、これらの間で及びこれらの中で直接通信することができることを示すものとされる。従って、イメージングシステムは、他のイメージングシステムからの情報を利用することができ、電子的資源は、情報の直接交換のために(画像データ生成のタイミング又は調整などのために)イメージングシステムと接続することができる。同様に、このようなデータ交換はデータ処理システム10を通過するものと考えることができるが、種々の管理可能且つ規定可能な資源の間の直接交換も企図することができる。
上述のように、データ資源は、特定の患者から直接収集されない情報リポジトリとして一般的に考えることができる。他方、管理可能且つ規定可能な資源は通常、自動化、半分自動化、或いは手動の技法によって患者から医療データを収集するための手段を含むことになる。図5は一般に、図4で示された種々の管理可能且つ規定可能な資源タイプに含まれるとみなすことができる機能モジュールの幾つかを示す。図5に示されるように、このような資源は、収集モジュール76、処理モジュール78、分析モジュール80、レポートモジュール82、及びアーカイブモジュール84のような、幾つかの一般的なモジュールを含むものと考えることができる。これらの種々のモジュールの性質は、勿論検討中の資源のタイプによって大きく異なる可能性がある。従って、収集モジュール76は、生の患者データを収集するために使用される、種々のタイプの電気センサ、トランスデューサ、回路、イメージング装置などを含むことができる。また収集モジュール76は、質問票、調査、帳票、コンピュータによる及び他の入力装置、及び同様のものといった、より人間ベースのシステムを含むことができる。
同様に、処理モジュール76の性質及びオペレーションは、収集モジュールの性質及び全体的な資源タイプの性質に依存することになる。従って、処理モジュールは、データの調整、フィルタリング、及び増幅又は減衰回路を含むことができる。しかしながら、処理モジュールはまた、表計算ソフト、データコンパイルソフトウェア、及び同様のものなどのアプリケーションを含むことができる。電気及びイメージングシステムでは、処理モジュールはまた、画像及び他のタイプのデータのスケーリング、再構成、及び表示を行うのに使用されるデータ拡張回路及びソフトウェアを含むことができる。
分析モジュール80は、部分的或いは完全に自動化することができる広範なアプリケーションを含むことができる。電気的及びイメージングシステムにおいては、例えば、分析モジュールによって、ユーザはデータの表示及び再構成画像を強調又は変更することができる。分析モジュールはまた、データを評価又は基準範囲に対して比較するなどのために、臨床医が収集したデータの一部を編成することができる。レポートモジュール82は通常、モジュール80によって行われる分析の出力又は要約を供給する。またレポートは、データを収集するために使用される技術の指示、実行されるデータ収集シーケンスの数、実行されるシーケンスのタイプ、こうしたデータ収集中の患者の状態などを提供することができる。最後に、アーカイブモジュール84により、生のデータ、処理中のデータ、及び処理済みデータは、収集システム又は資源にローカルに、或いはデータベース、リポジトリ、アーカイビングシステム(例えばPACS)などのような遠隔の場所で記憶することができる。
管理可能且つ規定可能な資源内に含まれる典型的なモジュールは、参照番号22で示されるようなプログラムに接続して、種々の収集、処理、及び分析機能の性能を拡張することができる。図5で示されるように、例えば、種々のコンピュータ支援収集ルーチン86は、以前の収集シーケンスを分析し、次に続くデータ収集を指示、制御、又は構成するために利用可能である。同様に、コンピュータ支援処理モジュール88は、処理モジュール78と接続して、収集されたデータの以前の処理及び分析に応じて、追加の処理又は拡張処理を行うことができる。最後に、コンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズム(CAX)モジュール90のようなプログラムを用いて、受信され処理されたデータを分析し、データから行うことができる可能な診断のある指示を提供することができる。
管理可能且つ規定可能な資源のタイプ及びモダリティ、並びにこのような資源からのデータに対して行われる収集、処理、分析、及び診断の機能を助けるのに使用されるモジュールの種々のタイプに関して本説明で更に後述するが、図5において、これらの構成要素と資源との間の種々のリンクが利用可能である点は留意すべきである。従って、一般的なアプリケーションにおいては、コンピュータ支援収集モジュール86は、コンピュータ支援処理モジュール88によって行われる拡張処理の結果に基づいて、画像データのようなデータの後続の収集を指示、制御、或いは構成することができる。同様に、後続のデータ収集に基づいて行われる考えられる診断を向上させるような収集指示は、コンピュータ支援診断モジュール90による出力から得ることができる。同様の方法で、コンピュータ支援処理モジュール88は、コンピュータ支援モジュール86又はコンピュータ支援診断モジュール90の出力に基づいて処理モジュール78による拡張処理、別の処理、或いは後続の処理を命令することができる。その結果、資源及びプログラム両方の種々のモジュールによって、本技術による全体的なシステムへのこれらのモジュールの統合によって、高度な周期的且つ混交したデータ収集、処理、及び分析が可能になる。
また、図5に示されるように、典型的な管理可能且つ規定可能な資源では、データ上で実行され、拡張収集、処理、及び分析を行うのに使用されるプログラムは、プログラム22の論理エンジン24によって駆動することができる。上述のように、及び以下により詳細に説明されるように、論理エンジン24は、その幾つかが図5にCAA、CAP及びCADモジュール86、88及び90として示された、CAXアルゴリズムなどのプログラムの出力をリンクし統合する広範囲なアルゴリズムを取り入れることができ、該アルゴリズムは、プログラムされた相関関係、提言などに基づいて後続の収集、処理、及び分析を指示又は制御する。同様に上述のように、プログラム22は、コンピューティング資源20によってアクセスされ、これを介して実施される。コンピューティング資源20は、一般的に上述のような適切なインターフェース28を介して特定の資源モダリティのアーカイブモジュール84と接続することができる。最後に、コンピューティング資源20は、統合知識ベース12と接続する。図5から、知識ベースがまた、資源62−74の特定のモダリティに関する情報のリポジトリであるモダリティ固有知識ベース19を含むことができる点に留意されたい。このようなモダリティ固有の知識ベースデータは、システム設定、特定の患者又は母集団に好ましい設定、ルーチン及びプロトコル、特定のモダリティに基づいたデータ解釈アルゴリズムなどのような要因を含むことができる。知識ベースは一般的に、臨床医6が利用可能であり、必要とされる場合には、このような臨床医からの入力に基づくことができる。従って、必要に応じて、収集、処理、分析、又はこれらのプロセスの複数の態様を強化し向上させる目的で、知識ベースは、専門医からの構成入力、特に特定の資源モダリティに関する入力によって少なくとも部分的に構築することができる。
モダリティ/タイプの対話
本技術の特に効果的な態様は、管理可能且つ規定可能な資源のタイプの間、これらのタイプの種々のモダリティの間、及び時間の種々のポイントで行われる収集、処理、及び診断の間で、種々の資源データを統合する能力にある。本技術のこのような態様は、図6及び7に概略的にまとめられている。図6は、ブロック形式で一連の管理可能且つ規定可能な資源のタイプ98、100、及び102を示している。図4に示され且つ上述の、種々の名称をほぼたどることができるこれらの資源タイプは、一連のモダリティ104、106、及び108を各々含むことができる。一例として、タイプ98は、図4の参照番号62によって示される種々の電子的資源を含むことができ、資源100の別のタイプは、図4のイメージング資源64を含むことができる。これらのタイプの各々については、種々のモダリティは、タイプ98では、EEG、ECG、EMGなど、及びタイプ100では、X線、MRI、CTイメージングシステムなどのようなシステム及び手順を含むことができる。
一般に、図6の表示は、本技術に従って、患者が第1の時間92で行われる種々の手順を有することができ、これらの手順は、資源タイプ98、100、102のいずれか1つ又はそれ以上についてのデータ収集、処理、及び診断機能の1つ又は範囲、或いは、各タイプ内のモダリティのいずれか1つ又はそれ以上を含むことができることを示している。このような収集、処理、及び診断の結果に基づいて、データ収集、処理、又は診断の後続のセッションが、後続の時間94で行われる。これらの2つの時間のポイントのブロック間の矢印によって示されるように、後続のデータ収集、処理、及び分析の制御及び指示を適切なものとすることができる。後続のオペレーションは、所与の資源タイプ内の同じモダリティ、或いは同じ資源タイプの異なるモダリティ上で行うことができる。同様に、システムは、全く異なるタイプの資源上で、且つ異なるタイプの資源内の特定のモダリティに対してこのような手順を制御又は指示することができる。後続の手順は、図6の参照番号96によって一般的に示されるように後続の時間で行うことができる。
当業者には理解されるように、本技術は、経時的に処理する医療データの管理及び指示に対する極めて効果的で高度に統合された手法を提供する。例えば、時間92などでの電子データの収集及び分析の結果に基づいて、追加のセッションを患者に対して予定することができ、ここではシステムは、自動的又は半自動的に特定のイメージングシステムによる画像の収集を指示又は制御する。またシステムは、臨床検査データ、組織学的データ、薬物動態データ、或いは上記で一般的に説明されたような他の種々のデータタイプの収集、処理、又は分析を指示又は制御することができる。経時的に、及び種々のモダリティと資源タイプとの間で、更に上述の他のデータ資源からのデータと共に、分析は、医療事象、病状、病態、治療、病状及び医療事象の素因などに関して高度に洞察力に優れたフィードバックを提供することができる。
経時的なこの情報の統合は図7に更に示される。図7に示されるように、時間の種々のポイントで収集、処理、及び分析された種々のデータ、及び参照番号98、100、102によって示される種々の資源タイプからの種々のデータは、プログラム22を介してコンピューティング資源20によって利用可能にされ、且つ処理される。上述のように、このような処理は、幾つかのこのようなアルゴリズムCAA86、CAP88、CAD90、或いはコンピューティング資源20が利用可能な他のプログラムモジュールに関して述べられたように、CAXアルゴリズムの使用による分析、指示、及び制御などのための利用可能なデータに関して行われる広範囲なオペレーションを含むことができる。他のこのようなモジュールは、参照番号91で一般的に示されるように、アプリケーションの一部又はソフトウェアスーツとして提供され、或いは経時的に付加することができる。論理エンジン構成要素24は、データの関連付け、後続の収集の指示又は制御、資源タイプの1つ又はそれ以上のモダリティの1つ又はそれ以上からのデータの処理及び分析の助けとなる。最終的には、コンピューティング資源は、統合知識ベース12の一部として臨床医6が情報を利用できるようにする。
図7の概略的な表示に関して幾つかのポイントが強調される。まず、システムの要素間の種々の相互接続が、上述のように直接又は間接通信リンクによって一般に備えられることになる。更に、種々の資源タイプ98、100、及び102間の相互接続及びデータ交換は、上述のような構成要素間の直接相互接続によって容易にすることができる。これは、各タイプのモダリティ間、並びに異なるタイプの種々のモダリティ間の両方の場合がある。図6に関して上述のような、このような経時的なタイプ及びモダリティ間のデータ交換の相互接続についても同様のことが言える。最後に、臨床医6は図7の全体的な概略的表示の種々の位置で示されているが、使用されるモダリティ及びタイプ、並びに患者のニーズに応じて、同じか又は異なる臨床医を含むことができる点に留意されたい。すなわち、特定の臨床医又は専門医が、種々の資源タイプ及び特定のモダリティに対して指名され、他の資源タイプ及びモダリティについては別の訓練されたスタッフが必要とされる。しかしながら、最終的には、本明細書での臨床医6への一般的な言及は、時間毎に、及び個別に又はチームとして、病状によって必要とされる投入量及びケアを提供できる全ての訓練されたスタッフを含むものとされる。
管理可能且つ規定可能な資源の種々のタイプ及びこのような資源タイプのモダリティは、本技術によって提供される収集、処理、分析機能を行うのに有用とすることができる任意の利用可能なデータ資源を含むことができる。具体的には、本技術は、経時的な収集、処理、及び分析の統合などに対してわずかに単一の資源を備えることができ、最も有用な構成では、広範囲なこのような資源が利用可能になることが企図される。図8は、参照番号110によって全体的に示される幾つかの例示的な資源タイプ、及びこれらのタイプの各々のモダリティ112を表にまとめたものである。上述のように、このような管理可能且つ規定可能な資源は、一般的に、電子データ資源、イメージングデータ資源、臨床検査データ資源、組織学的データ資源、薬物動態データ資源、及び他の種々の医療データの資源を含むことができる。これらのタイプ及びモダリティの各々について種々の基準データをデータ資源に含むことができるが、図8の表に列挙されたタイプ及びモダリティは、患者固有のデータ、及び患者から直接的又は間接的に収集されるデータを収集するよう設計される。以下の説明は、図8にまとめられた種々のタイプ及びモダリティに関し、このような資源の性質、及び医療事象及び病状を評価するのに使用できる方法の理解を深めるものである。
電子データ資源
管理可能且つ規定可能なタイプの電子データ資源は、図9に一般的に示されるような幾つかの典型的なモジュール又は構成要素を含むものと考えることができる。これらの構成要素は、医療事象又は病状を示すことができる関心のある幾つかのパラメータを検出するために患者又は患者の近くに設置することができるセンサ又はトランスデューサ114を含むものとなる。従ってセンサは、身体又は身体の一部から発する電気信号、動きの一定のタイプによって発生する圧力(例えば、脈拍、呼吸)、或いは、動き、刺激に対する反応などのようなパラメータを検出することができる。センサ114は、身体の表面領域に設置することができるが、カテーテル、注入又は摂取手段、送信器が装着されたカプセルなどを介して体内に設置することもできる。
センサは、感知されたパラメータを表す信号又はデータを発生する。このような生データはデータ収集モジュール116に送信される。データ収集モジュールは、サンプリングされた又はアナログデータを収集することができ、フィルタリング、多重化などのようなデータの種々の初期オペレーションを行うことができる。次いで、データは信号調節モジュール118に送信され、そこで、追加のフィルタリング、アナログ−デジタル変換などの更なる処理が行われる。次に、処理モジュール120がデータを受信し、データの簡単な又は詳細な分析を含む処理機能を実行する。ディスプレイ/ユーザインターフェース122により、データを操作し、表示し、更にスクリーンディスプレイのトレース、ハードコピーなどのユーザの所望の形式で出力することが可能となる。また、処理モジュール120は、注釈のようなマーキング、区切り、或いは軸又は矢印のラベリングのためにデータをマーク付けし、又は分析することができ、他の指標をインターフェース122によって生成された出力に表示させることもできる。最後に、アーカイブモジュール124が、資源内でローカル的に、或いは遠隔的にデータを記憶するよう機能する。またアーカイブモジュールは、データの再フォーマッティング又は再構成、データ圧縮、データ復元などを可能にすることができる。図9に示された種々のモジュール及び構成要素の特定の構成は、包含される資源及びモダリティの性質に応じて当然変わることになる。最後に、参照番号29によって一般的に表されるように、図9に示されたモジュール及び構成要素は、ネットワークリンクを介して外部のシステム及び資源に直接的又は間接的にリンクすることができる。
以下は、本技術で使用する利用可能な幾つかの電子データ資源のより詳細な説明である。
EEG
脳波検査(EEG)は、一般に1時間から2時間を要する処置であり、患者の頭部に取り付けられコンピュータシステムに結合されたセンサ又は電極を介して脳の電気的活動を記録する。このプロセスは、電極によって感知された脳の放電を記録する。コンピュータシステムは、トレース又はラインとして脳の電気的活動を表示する。展開していくパターンが記録され、脳の活動を分析するのに使用できる。脳波の幾つかのタイプは、各々が特定の特徴及び活動に関係付けられるアルファ、ベータ、デルタ、及びシータ波を含むパターンで識別することができる。その脳の活動の正常のパターンからの変化は、特定の脳の異常、医療事象、病状、病態などを示すことができる。
EEG検査の準備では、特定の食物及び薬品は、脳の活動に影響を与え且つ異常な検査結果をもたらす可能性があるとして一般的に回避される。患者は、検査中の低血糖(低血糖症)を避けるために必要なステップを取るよう要求される可能性があり、異常な脳の活動の特定のタイプを睡眠中にモニタする必要がある場合には眠る準備をすることがある。EEGの実施は、病院又は診療所で行われ、検査は通常、EEG技師によって行われる。技師は、所定位置に電極を保持させるためにペースト又は小さな針を使用して、通常16−25の電極を患者の頭部の種々の箇所に固定する。内科医、通常神経科医がEEG記録を分析する。処置中、患者は単にリラックスするよう要求され、或いは患者に早く呼吸させ(呼吸亢進)、又はこのような刺激に対する脳の反応を観察するためにストローブを見るなどの種々の形態の刺激を導入することができる。EEGは一般的に、てんかんのような特定の潜在的事象又は病状を診断するため、又はこのような病気と共に患者が生じる可能性のある種々のタイプの発作を識別するために行われる。またEEG検査を用いて、疑わしい脳腫瘍、炎症、感染(脳炎など)、或いは脳の疾病を見極めることができる。また該検査を用いて、無意識又は痴呆の時間期間を判断することができる。また検査は、心停止又は他の大外傷後の回復における患者の予後を判断することができ、昏睡状態の患者の脳死を確認し、睡眠障害を調べ、或いは手術中に一般的な麻酔状態を人が受けている間の脳の活動をモニタすることができる。
ECG
心電図(EKG、ECG)は、一般に10−15分の検査を必要とする処置であり、患者の皮膚に取り付けられデータ収集システムに結合された電極を介して心臓の電気的活動を記録する。電極が電気インパルスを検出し、身体に電気を加えることはない。電極は、心臓の活動を生じる身体の電気システムの活動を検出する。電気的活動は、一般的に、電極が取り付けられた患者の胸、腕、及び足の皮膚を通して検出される。患者の衣服は、ウエストから上が取り除かれ、患者の前腕及び下肢が露出するようにストッキング又はズボンが除かれる。検査は、通常専門の臨床医によって行われ、病院、診療所、又は検査室で予約することができる。検査後、通常は心臓内科医が心電図記録を分析する。処置中、患者は通常ベッド又はテーブルの上に横になるよう求められるが、他の処置は、身体運動を含む特定のタイプの活動が必要である。検査中の適切な時間に、患者は、検査が行われる前にある時間の間安静にするよう指示される。電気的活動を検出するのに使用される電極は、一般的には12又はそれ以上あり、粘着又は他の手段で所要の箇所に取り付けられる。電極の装着及び固定を容易にするために、当該区域は清浄にされ、場合によっては剃毛される。更に、電気インパルスの伝導性を向上させるために導電性パッド又はペーストを用いる場合もある。
収集システムは、インパルスによって示される電気的活動をトレース又はラインに変換する。ECGトレースは通常、心臓によって発生した電気インパルスの特徴的なパターンをたどる。一般にP波、QRS群、STセグメント、及びT波と呼ばれる波形部分を含む特徴的なパターンの種々の部分を識別及び測定することができる。これらのトレースは、医療事象又は病状を示す可能性のある異常について、コンピュータ又は心臓内科医によって分析することができる。ECG処置は、一般的に、心臓肥大、心臓への血流不足の兆候、心臓の新しい又は以前の損傷の兆候(例えば心臓発作によるもの)、心臓不整脈、体内の化学的不平衡によって起こる心臓の電気的活動の変化、心膜の炎症の兆候及び同様のものなどの状態を識別するのに用いられる。
EMG
筋電図(EMG)は、一般に1−3時間を要する、筋肉の収縮から生じる放電を測定するよう設計された処置である。一般に、筋肉が収縮するときに電気信号が発生し、これは患者に取り付けられたセンサによって検出することができる。以下に要約されるEMG及び神経伝導検査を用いて、筋肉組織又は神経に損傷を与える状態及び疾病の有無、位置、及び存在の検出を助けることができる。EMG検査と神経伝導検査は通常、より完全な情報を得るために一緒に行われる。
EMG検査の準備では、患者は通常、検査前の3時間などの一定の期間特定の薬物及び興奮剤を避けるよう指示される。出血又は血が薄くなるような特定の状態、及び心臓刺激装置の使用などの実施は検査の前に書き留められる。EMG検査自体では、病院又は診療所の臨床医が外部からの電気的干渉を遮断する。神経科医又は身体リハビリテーションの専門医が、必要とされる場合に検査を行うこともできる。処置中、患者はリラックスした姿勢を取るよう指示され、検査を受ける筋肉は、扱い易いように位置付けられる。検査されることになる筋肉上の皮膚区域が清潔にされ、基準電極及び記録電極を含む電極が皮膚に取り付けられる。基準電極は、一般に、検査区域近くの皮膚に取り付けられる平坦な金属ディスク、或いは検査区域近くの皮膚のすぐ下に挿入される針を含むことができる。記録電極は、一般に、データ収集装置又は記録装置に電線によって取り付けられた針を含む。記録電極は、検査されることになる筋肉組織内に挿入される。次に、検査されている筋肉の電気的活動が、安静時と、及び通常漸次的に増大する収縮力を印加した状態の収縮中との両方で2つの電極を介して記録される。筋肉の異なる箇所或いは異なる筋肉の活動を記録するために、電極の再位置付けが必要となる。このように収集された電気的活動データは、表示させることができ、一般にスパイク波形の形態を取る。
EMG検査の結果は単独で分析することができるが、一般的にはこれらは状態を診断するのに他のデータと一緒に使用される。このような他のデータには、患者の病歴、特定の症状に関する情報、並びに他の検査から集められた情報を含むことができる。EMG検査は通常、筋肉組織、神経、或いは神経と筋肉との間の接合部に損傷を与える可能性のある疾病を診断する際の支援を提供し、或いは衰弱、麻痺、又は無意識の筋肉刺激の原因を判断するために行われる。また、このような検査を用いて、ポリオ後症候群のような状態、並びに正常な筋肉活動に影響を及ぼす他の状態を診断することができる。
EIT
電気インピーダンス断層撮影(EIT)は、身体の電気的なパラメータに関する情報を提供するように設計された非侵襲性のプロセスである。具体的には、このプロセスは、体内の導電率及び誘電率をマップ化する。導電率は、物質の電気の通し易さの尺度であり、誘電率は、電界が印加されたときの物質内の電荷の分極し易さの尺度である。導電率が高い物質は、直流及び交流を通すことができる。他方、誘電率が高い物質は、交流だけを通すことができる。体内の導電率及び誘電率を集めた別のデータは、患者の皮膚に取り付けられた電極を介して身体に電流を印加し、結果として生じた電圧を測定することによって、一般的な検査で得られる。この測定値によって身体組織のインピーダンスを計算が可能であり、これは、再構成による組織の画像を生成するのに使用することができる。
検査中に供給される電流は、最小インピーダンスの経路を取ることになるので、組織を流れる電流は、患者の組織の導電率の分布に依存することになる。次いで、取得されたデータは、種々の再構成技術によって組織の画像の再構成に使用される。一般に、画像再構成プロセスは、非線形の数学的演算処理を含み、結果として得られた画像は、種々の診断及び治療目的のために使用することができる。例えば、このプロセスを用いて、肺の凝血塊又は肺塞栓を検出することができる。またこのプロセスを用いて、肺の虚脱及び液体の蓄積を含む肺の問題を検出することができる。検出することができる他の状態は、内出血、メラノーマ、乳癌のような癌、並びに種々の他の医療事象及び病状を含む。
神経伝導検査
神経伝導検査は、個々の神経が電気信号をどれだけ伝達するかを測定するのに使用されてきた。神経伝導検査及びEMG検査の両方を用いて、筋肉組織又は神経に損傷を与える可能性のある疾病の検出及び位置特定を助けることができる。神経伝導検査及びEMGは、診断のより完全な情報を提供するために一緒に行われることが多い。神経伝導検査は、両方の検査が一緒に行われる場合は通常最初に行われる。
神経伝導検査の準備では、患者は、薬品、並びにタバコ及びカフェインのような刺激物を避けるよう一般に指示される。更に、出血又は血液が薄くなる問題、及び心臓インプラントの使用が検査の前に確認される。神経伝導調査自体は、通常技師によって行われ、病院又は診療所、或いは電気的干渉を遮断するよう設計された特別な室内で行うことができる。神経科医又は身体リハビリテーションの専門医が通常この検査を行う。処置中、患者は身体を横たえるか座るよう指示され、検査されることになる身体区域はリラックスされる。幾つかの平坦な金属ディスク電極が患者の皮膚に取り付けられ、電荷放出電極が検査されることになる神経上に取り付けられる。記録電極が神経によって制御される筋肉上に取り付けられる。電気インパルスが繰り返し神経に加えられ、その後、伝導速度又は筋肉反応を得るのに必要な時間が記録される。反応時間の比較は、身体の異なる側部の対応する筋肉間で行うことができる。神経伝導検査は、上述のように行われ、周辺の神経系への損傷を検出及び評価し、異常な知覚の原因を識別し、ポリオ後症候群を診断し、並びに他の症状を判定する。
ENG
電気眼振検査(ENG)は、患者が、眼、内耳、及び脳の協働する入力を通じて位置及び平衡の感覚をどのくらい良く維持するかを評価するよう設計された一連の検査を指す。ENG検査は、例えば、動揺性めまい又は回転性めまいが内耳又は脳内の神経構造への損傷によって引き起こされているかどうかを判断するために用いることができる。この検査は、顔部分に取り付けられ、且つ眼の動きをモニタするための装置に配線された電極を利用する。一連のENG検査の間、通常は頭が動くときに起こる眼振と呼ばれる一定の無意識の眼の動きが測定される。自発的又は長期の眼振は、何らかの疾患が内耳又は脳の神経又は構造に影響を及ぼしていることを示すことができる。
一連のENG検査の準備では、患者は通常、長期間、一定の薬品及び刺激物を避けるよう指示される。視覚及び聴覚補助、並びに顔の化粧品は、検査中に使用される電極によって起こり得る干渉のために避けるか或いは取り除く必要がある。検査では、一連の電極、一般的には5つの電極が導電性粘着剤を使用して患者の顔に取り付けられる。患者は、暗くした部屋に座った状態で検査される。検査中、移動しているポイントを患者が眼だけを使ってどのように追うかを測定又はモニタするための器具類が調節される。患者が眼を閉じた状態で精神的作業を行い、真っ直ぐ前方及び両側を凝視し、振り子又は他の物体の動きを眼で追い、更に頭と身体を違う位置に動かしたときの測定値が取得される。更に、眼の動きは、温度試験中にモニタすることができ、これは患者の耳の中にある或いは流れている暖かい空気又は冷たい空気或いは水を必要とする。このような検査中に電極が眼の動きを検出し、モニタリングシステムがその動きをライン記録に変換する。温度検査は、眼の動きを検出するために電極の使用に関わらず行うことができる。検査の結果が分析され、異常な無意識の眼の動きが検出されたかどうか、頭の動きが回転性めまいを生じるか、更に眼の動きが温度検査中に正常な強度及び方向を有するかどうかを判断する。このような異常な無意識の眼の動きが検査中に起こる場合、或いは回転性めまい又は異常な眼の動きが温度検査中に検出された場合には、結果は恐らくは、脳又は神経の損傷の可能性、或いは耳構造への損傷が平衡に影響を及ぼしていることを示している。
組み合わせ
前述の処置の種々の組み合わせを、更に詳細な或いは特定の情報を得るために共に使用することができる。特に、上述のように、神経伝導検査及びEMG検査は、互いを補完するために行われる場合が多い。しかしながら、上述の電気的検査の1つ又はそれ以上の結果に基づいて、同じ性質又は異なるタイプのより詳細な検査が望ましい。分析は、潜在的な異常、体調、或いは病態をより良く識別するために組み合わせるか或いは別個に検討することができる。
イメージングデータ資源
種々のイメージング資源が、軟組織及び硬組織の両方の医療事象及び病状を診断するため、及び特定の解剖学的組織の構造及び機能を分析するために利用可能とすることができる。更に、近づきにくい或いは眼に見えない区域に外科的な構成要素を導く助けとなるような、外科的介入中に使用できるイメージングシステムが使用可能である。図10は、例示的なイメージングシステムの概要図を示し、次の図は、特定のモダリティシステムの主なシステム構成要素を更に詳細に示している。
図10を参照すると、イメージングシステム126は、一般に、信号を検出しその信号を有用なデータに変換する、あるタイプの撮像装置128を含む。以下に更に詳細に説明されるように、撮像装置128は、画像データを生成するための種々の物理的原理に従って動作することができる。しかしながら一般的には、患者の関心領域を示す画像データは、写真フィルムのような従来のサポート、或いはデジタル媒体のいずれかで撮像装置によって生成される。
撮像装置は、システム制御回路130の制御下で動作する。システム制御回路は、放射線源制御回路、タイミング回路、データ収集を患者又はテーブルの動きと協働させるための回路、放射線又は他の線源及び検出器の位置を制御するための回路などといった広範囲の回路を含むことができる。撮像装置128は、画像データ又は信号の収集に続いて、デジタル値への変換などの信号の処理をすることができ、画像データをデータ収集回路132に転送する。写真フィルムのようなアナログ媒体の場合には、データ収集システムは、通常、フィルムのためのサポート、並びにフィルムを現像し、後でデジタル化することができるハードコピーを生成するための装置を含むことができる。デジタルシステムでは、データ収集回路132は、デジタルダイナミックレンジの調整、データの平滑化又は鮮鋭化、並びに必要な場合にはデータストリーム及びファイルのコンパイルなどの広範囲の初期処理機能を行うことができる。次にデータは、付加的な処理及び分析が行われるデータ処理回路134に転送される。写真フィルムのような従来の媒体では、データ処理システムがフィルムにテキスト情報を付加し、並びに特定の注記又は患者識別情報を付けることができる。利用可能な種々のデジタルイメージングシステムでは、データ処理回路は、データの実質的な分析、データの順序付け、鮮鋭化、平滑化、特徴認識などを行う。
最終的に、画像データは、観察及び分析のため、あるタイプのオペレータインターフェース136に転送される。オペレーションが観察前に画像データに対して行われる場合、オペレータインターフェース136は、収集された画像データに基づいて再構成された画像をある時点では観察するのに有用である。写真フィルムの場合、放射線科医及び担当医が画像シーケンスをより容易に読影して注釈を付けることができるように、画像は通常ライトボックス又は同様のディスプレイ上に貼り付けられる点に留意されたい。また画像は、短期記憶装置又は長期記憶装置に記憶することができ、本目的では一般に画像アーカイビング通信システムのようなインターフェース136内に含まれると考えられる。また画像データは、ネットワーク29などを介して、遠隔位置に転送することができる。一般的な観点から、オペレータインターフェース136は、通常システム制御回路130とのインターフェースを介して、イメージングシステムの制御を与える点に留意されたい。更に、1つより多いオペレータインターフェース136を備えることができる点にも留意されたい。従って、イメージングスキャナー又はステーションは、画像データ収集手順に必要なパラメータの調整を可能にするインターフェースを含むことができ、結果として生じる再構成画像を操作、強調、及び観察するために異なるオペレータインターフェースを備えることもできる。
以下は、図10に概略図で示された全体的なシステムアーキテクチャに基づく特定のイメージングモダリティの更に詳細な説明である。
X線
図11はデジタルX線システム150を一般的に表している。図11ではデジタルシステムに対して言及されているが、勿論、従来のX線システムも本技術の管理可能且つ規定可能な資源として備えることができる点に留意されたい。特に従来のX線システムは、写真フィルムの形態、及びデジタイザーの使用などによって写真フィルムから抽出されたデジタル画像データの形態の両方で極めて有用なツールを提供することができる。
図11に示されるシステム140は、放射ビーム144を放出するよう設計された、放射線源142、一般的にはX線管を含む。放射は、一般的に、ターゲットのタイプ、入力電力レベル、及びフィルタタイプなどの放射線源142のパラメータ調整によって調整又は調節することができる。結果として生じる放射ビーム144は通常、患者4に対して向けられるビームの範囲及び形状を決定するコリメータ146により配向される。患者4の一部がビーム144の経路内に配置され、ビームがデジタル検出器148に衝突する。
一般的に画素のマトリクスを含む検出器148が、該マトリクスの種々の位置に衝突する放射線の強度を符号化する。シンチレータが、高エネルギのX線放射線を低エネルギフォトンに変換し、該フォトンは検出器内のフォトダイオードによって検出される。X線放射線は、患者の内部の組織によって減弱され、その結果、画素が最終的な再構成画像の基礎を形成することになる種々の強度レベルをもたらす様々な減衰レベルを識別する。
制御回路及びデータ収集回路は、画像収集プロセスを調整し、結果として生じる信号を検出して処理するために備えられる。特に図11の図では、線源コントローラ150が放射線源142の動作を調整するために備えられる。勿論、テーブル位置、放射線源位置などのようなシステムの制御可能な態様のために、他の制御回路を備えることができる。データ収集回路152は、検出器148に結合され、照射後に光検出器の電荷の読み出しを可能にする。一般に、光検出器の電荷は、衝突する放射線によって減損され、光検出器は減損を測定するために連続して再充電される。読み出し回路は、画像マトリクスの画素位置に対応する光検出器の行及び列を体系的に読取るための回路を含むことができる。次いで、結果として生じる信号は、データ収集回路152によってデジタル化され、データ処理回路154に転送される。
データ処理回路154は、デジタルデータのオフセット、利得、及び同様のものの調整並びに種々のイメージング強調機能を含む一連のオペレーションを行うことができる。次いで、結果として得られるデータは、オペレータインターフェース或いは短期間又は長期間記憶のための記憶装置に転送される。データに基づいて再構成された画像は、オペレータインターフェース上に表示することができ、或いは観察するためにネットワーク29などを介して他の場所に転送することができる。また、デジタルデータは、写真フィルムのような従来のハードコピー媒体上への再構成画像の露光及びプリントのためのベースとして使用することができる。
MR
図12は、磁気共鳴イメージングシステム156の概要図を示す。このシステムは、患者が画像データの収集のために位置付けられるスキャナー158を含む。スキャナー158は一般的に、患者の体内のジャイロ磁気材料に影響を及ぼす磁界を発生するための一次磁石を含む。ジャイロ磁気材料として、一般に水及び代謝物が磁界と整列する傾向があり、勾配コイルが、互いに対して直交して配向する追加磁界を生じる。勾配磁界は、イメージングのために患者を通る組織のスライスを効率的に選択し、その回転の位相及び周波数に応じてスライス内のジャイロ磁気材料を符号化する。スキャナーの無線周波数(RF)コイルが高周波パルスを発生してジャイロ磁気材料を励磁し、材料が磁界に再度整列しようとするときに、無線周波数コイルによって収集される磁気共鳴信号が放出される。
スキャナー158は、勾配コイル制御回路160とRFコイル制御回路162とに結合される。勾配コイル制御回路は、画像データを生成するために使用されるイメージング又は検査方法を定める種々のパルスシーケンスの調整を可能にする。勾配コイル制御回路160によって実施されるパルスシーケンスの記述は、特定のスライス、解剖学的組織を撮像し、並びに血液及び緩和材料のなどの動いている組織の特定のイメージングを可能にするよう設計される。パルスシーケンスは、種々の器官又は特徴の分析のような連続したマルチスライスのイメージング、並びに3次元画像再構成を可能にすることができる。RFコイル制御回路162は、RF励磁コイルへのパルスの印加を可能にし、結果として検出されるMR信号を受信し部分的に処理するよう機能する。RFコイル構造の範囲を、特定の解剖組織及び目的に対して用いることができる点に留意されたい。更に単一のRFコイルは、異なるコイルが結果として生じる信号を受信するよう機能して、RFパルスの送信に使用することができる。
勾配及びRFコイル制御回路は、システムコントローラ164の指示の下で機能する。システムコントローラは、画像データ収集プロセスを定めるパルスシーケンス記述を実行する。システムコントローラは、一般に、オペレータインターフェース136を用いて検査シーケンスのある量の適用又は構築を可能にすることになる。
データ処理回路166は、検出されたMR信号を受信し、該信号を処理し、再構成のためのデータを取得する。一般に、データ処理回路166は、受信された信号をデジタル化し、信号に2次元高速フーリエ変換を行い、MR信号が発生した選択されたスライスの特定の位置を復号化する。結果として生じる情報は、スライスの種々の位置又はボリューム要素(ボクセル)で発生するMR信号の強度を表示する。次いで、各ボクセルは、再構成のための画像データの画素強度に変換することができる。データ処理回路166は、画像強調、ダイナミックレンジ調整、強度調整、平滑化、鮮鋭化などの広範囲の他の機能を行うことができる。結果として生じる処理画像データは、一般に、観察するためのオペレータインターフェース、並びに短期間又は長期間記憶装置に転送される。前述のイメージングシステムの場合のように、MR画像データは、スキャナー位置でローカルに観察することができ、或いはネットワーク接続29などを介して医療施設内の遠隔位置及び医療施設から離れた遠隔位置の両方に送信することができる。
CT
図13はコンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムの基本的な構成要素を示す。CTイメージングシステム168は、扇形ビーム172でX線放射を発生するよう構成された放射線源170を含む。コリメータ174が放射ビームの範囲を定める。放射ビーム172は、フォトダイオードとトランジスタのアレイから構成された湾曲した検出器176に向けられ、線源170からの放射線の衝突によって減損したダイオードの電荷の読み出しが可能になる。放射線源、コリメータ、及び検出器は、回転ガントリ178上に取り付けられ、これらを迅速に回転させることができる(毎秒2回転の速度など)。
検査シーケンス中、線源と検出器が回転するときに、一連のビューフレームが、ガントリ内に位置付けられた患者4の周りに円周方向で変位した位置で生成される。1回転毎に幾つかのビューフレーム(例えば約500から1000の間)が収集され、患者がシステムの軸方向に沿ってゆっくりと移動するにつれて、螺旋パターンなどで何回転か行われる。各ビューフレームについて、データは検出器の個々の画素位置から収集されて大量の個別のデータを生成する。線源コントローラ180は、放射線源170の動作を調整し、ガントリ/テーブルコントローラ182はガントリの回転と患者の移動の制御とを調整する。
検出器によって収集されたデータはデジタル化され、データ収集回路184に転送される。データ収集回路は、データファイルの生成などのため、データの初期処理を行うことができる。データファイルは、心周期、特定の時間でのシステム内の位置などに関するような他の有用な情報を取り入れることができる。次いで、データ処理回路186がデータを受信し、広範囲のデータ操作及び演算処理を実行する。
一般に、CTスキャナーからのデータは、一連の方法で再構成することができる。例えば、回転の全360度のビューフレームを用いて、患者を通るスライス又はスラブの画像を構成することができる。しかしながら、情報の一部は通常冗長であるので(患者の反対の側の同じ解剖学的組織のイメージング)、180度プラス放射線ファン角度を超えて収集されたビューフレームの情報からなる縮小データセットを構成することができる。もしくは、ビューフレームの同じ数が患者の周りの複数の回転サイクルの部分から収集することができる場合に複数セクタの再構成が利用される。次いで、データの有用な画像への再構成は、検出器上の放射線の投影の演算処理と、患者の特定の位置でのデータの相対的減衰の識別とを含む。生のデータ、処理中のデータ、及び処理済みのデータは、処理後の記憶及び画像再構成のために転送することができる。データは、オペレータインターフェース136などにおけるオペレータが直ちに利用することができ、更にネットワーク接続29を介して遠隔位置に転送することができる。
PET
図14は、陽電子放射断層撮影(PET)イメージングシステムの幾つかの基本的な構成要素を示す。PETイメージングシステム188は、サイクロトロンと呼ばれる場合もある放射性標識モジュール190を含む。サイクロトロンは、放射性物質を有するブドウ糖のような幾つかのタグ付き或いは放射性標識化した材料を準備するよう適合される。次いで、放射性物質は、参照番号192で示されるように患者4に注入される。次に患者は、PETスキャナー194内に配置される。スキャナーは、その放射能が患者の体内で崩壊するときにタグ付き物質からの電子放出を検出する。特に、陽電子と呼ばれる場合もあるポジトロンが、放射性の核種レベルが崩壊するときに物質によって放出される。陽電子は短い距離を移動し、最終的には電子と結合して1対のγ線を放射することになる。スキャナー内の光電子倍増シンチレータ検出器が、γ線を検出し、検出された放射線に基づいた信号を発生する。
スキャナー194は、スキャナー制御回路196の制御下で動作し、スキャナー制御回路自体はオペレータインターフェース136によって調整される。ほとんどのPETスキャンでは、患者の全身がスキャンされ、γ放射線から検出された信号がデータ収集回路198に転送される。放射線の特定の強度及び位置をデータ処理回路200によって識別することができ、再構成された画像がオペレータインターフェース136上で構築されて観察することができ、或いは生のデータ又は処理されたデータを後で画像強調、分析、及び観察するために記憶することができる。画像又は画像データはまた、ネットワークリンク29を介して遠隔の場所に送信することができる。
PETスキャンは通常、癌の検出及び癌の治療の効果を調べるために使用される。またこのスキャンを用いて、心臓などへの血流を測定することができ、冠状動脈疾患の兆候を判断することができる。PETスキャンを心筋の代謝作用の検査と組み合わせて使用して、機能していない心臓の筋肉と、血管形成又は冠状動脈バイパス手術などの処置から恩恵を得ている心臓の筋肉とを区別し、適切な血流を確立することができる。また、脳のPETスキャンを使用して、不確定の原因の記憶障害を持つ患者を調べ、脳腫瘍の存在の可能性を調べ、更に発作障害の潜在的な原因を分析することができる。これらの種々の処置では、異なるタイプの組織毎のタグの付いた物質の差動摂取に基づいて、PET画像が生成される。
フルオログラフィ
フルオロスコピー又はフルオログラフィシステムは、写真用及びビデオ用カメラに結合されたX線画像倍増管からなる。デジタルシステムにおいて、基本的なフルオロスコピーシステムは、図11に関して上述のものと本質的には同じとすることができる。簡単なシステムでは、例えばビデオカメラを備えた画像倍増管は、ビデオモニタ上に画像を表示することができ、より複雑なシステムでは、静止画像を生成するための高分解能写真カメラと動画像を生成するための異なる分解能のカメラとを含むことができる。デジタルX線システムで使用されるようなデジタル検出器はまた、このようなフルオロスコピーシステムでも使用される。収集されたデータは、後での動画タイプのディスプレイへの再構成のために記録することができる。このような技術は、シネフルオログラフィと呼ばれる場合がある。このような方法は、生体の心臓の動きを記録するような、心臓検査に広く使用される。またこの検査は、後の基準として行うことができ、或いは実際のリアルタイムの外科的インターベンション中に行うことができる。
従来のX線システムでのように、フルオログラフィシステムに使用されるカメラは、直ちに表示するためのビデオモニタによって収集されるビデオ信号を受信する。ビデオテープ又はディスクレコーダーを記憶及び後で再生するために使用してもよい。コンピュータシステム又はデータ処理回路は、リアルタイム及び後での両方で画像データに対して追加の処理及び分析を行うことができる。
フルオログラフィシステムに使用される種々の技術は、ビデオフルオロスコピー又はスクリーニング、及びデジタルフルオログラフィと呼ぶことができる。後者の技術は、多くの従来的な写真ベースの手法に取って変わりつつあり、特定の臨床応用に応じて、デジタルスポットイメージング(DSI)、デジタル心臓イメージング(DCI)、及びデジタル血管イメージング(DVI)/デジタルサブトラクション血管造影(DSA)と呼ばれる場合がある。レーザー撮像装置のようなハードコピー装置は、デジタル画像のハードコピーを出力するために使用される。更にフルオロスコピー技術は、従来のX線技術と共に、特にデジタルX線検出器が上記に説明されるように用いられる場合に使用することができる。すなわち、高エネルギX線画像は、フルオロスコピー画像を割り込ませた間隔で撮像することができ、X線画像はより高い分解能又は鮮明な画像を提供し、フルオロスコピー画像はリアルタイムの動きのビューを提供する。
マンモグラフィ
マンモグラフィは、通常、低線量X線システム、及び高コントラスト、高分解能フィルム、又は上述のようなデジタルX線システムを使用した乳房検査用の特定のタイプのイメージングを意味する。他のマンモグラフィシステムは、有用な画像を再構成するのに使用される情報のセットを収集する上述のタイプのCTイメージングシステムを用いることができる。典型的なマンモグラフィ装置は、種々の放出レベル及び放射線のフィルタ処理に適応できる従来のX線管のようなX線放射源を含む。X線フィルム又はデジタル検出器は、放射源と相対する位置に設置され、乳房はこれらの構成要素間に配置されたプレートによって押し付けられて、有効範囲を広げ且つ再構成された画像において検出可能な特徴又は異常の位置特定を助ける。一般に、微小石灰化、種々の塊及び病変などのような解剖学的特徴を含むことができる関心特徴は、周囲の組織と比較してX線放射線の吸収又は減衰が異なるので収集データ又は露光フィルムにおいて視認することができる。マンモグラフィは、極めて初期の段階で検出された場合に治療が成功する可能性が高い癌の早期発見において中心的な役割を果たしている。
超音波検査
超音波イメージング技術は、一般的に、電離放射線又は他のタイプの放射線ではなく高周波音波を用いる超音波検査法を含む。このシステムは、音波の伝達及び反射の受信を促進するためにジェルが塗布された患者の皮膚に直に接して置かれるプローブを含む。異なる音響特性を有する組織平面及び構造からの音波ビームの反射が検出され処理される。結果として得られるデータの輝度レベルは、反射される音波の強度を示す。
超音波検査は、一般的に、ビデオモニタ上に画像を連続的に表示することでリアルタイムで行われる。リアルタイムの検査中に表示されたビューの記録を取るなどのために、静止画像を取り込むことができる。超音波システムでは、従来のX線撮影システムにおけるように、構造体の外観はその組成に大きく依存する。例えば、水の溜まった構造体(嚢腫のような)は、結果として得られる再構成画像では暗く見え、脂肪を含む構造体は一般的に明るく見える。胆石のような石灰化は、明るく見え且つ特徴的な影付きのアーチファクトを生じる。
超音波検査を判読する場合、放射線科医及び臨床医は通常、専門用語の「エコー発生性」を用いて対象物の明るさを説明する。「低エコー」構造体は再構成画像では暗く見え、「高エコー」構造体は明るく見える。
超音波検査は、電離放射線が無いこと、システムの高度の携帯性、及びその比較的低コストであることなど、他のイメージング技術に優る幾つかの利点をもたらす。特に超音波検査は、可動式システムの使用によってベッドサイド又は救急診療部で行うことができる。またこのシステムは、対象物が固体か包嚢かを区別する点で優れている。他のイメージングシステムと同様に、超音波検査の結果は即座に観察することができ、或いは後で観察し、遠隔の場所へ転送し、及び分析するために記憶することができる。
赤外線
別名赤外線イメージングとしても知られる臨床サーモグラフィは、正常又は異常な人間の生理機能を反映するものとして皮膚表面温度の注意深い分析に基づく。この処置は、液晶プレートを身体の一部に直接取り付けることによって、或いは高性能コンピュータインターフェースを介した超高感度赤外線カメラによって通常行われる。各処置は、温度データを外挿し、可能性のある疾患の兆候又は創傷を判断できる画像を生成する。身体の表面温度の差は、例えば皮下組織への創傷又は損傷から生じる異常な血流の増加を示す可能性がある。

核医学は、少量の放射性物質の投与、及びこれに続き、放射性物質が集積する特定の部位で患者から放出される放射線の記録を伴う。核医学の幅広い診断上及び治療上の応用がある。一般に核医学は、原子核の特定のタイプから放射線の形態でエネルギが自然発生的に放出することに基づいている。放射線は、一般的に、アルファ、ベータ、及びガンマ線の形態を取る。原子核は、イメージングが検出でき、或いはその放射線を治療目的に役立たせることができるトレーサとして放射性医薬品に使用される。
トレーサは、放射線を放出する物質であり、人間の身体内に置かれたときに識別することができる。異なる組織によってトレーサを異なるように吸収することができるので、この放出が体内で感知され適切に位置が特定されると、器官及び種々の内部組織を撮像するのに用いることができる。放射性医薬品は、一般的に経口或いは静脈注射で投与され、特定の器官又は組織内に局所化する傾向がある。スキャン計器が放射性医薬品によって生成された放射線を検出し、検出された信号に基づいて画像を再構成することができる。生物検体の放射性分析はまた、血液又は尿などの患者からのサンプルを放射性物質と混合することによって行われ、サンプルの種々の成分を調べることができる。
治療では、放射性物質が吸収される特定の組織においてその放出が生じるので、放射性物質を用いることができる。例えば放射性ヨウ素は、周囲の健康な組織にまで過度に放射することなく癌組織内で閉じこめることができる。このような合成物は、甲状腺癌の場合のような種々のタイプの治療に使用される。ヨウ素は直接甲状腺に移動する傾向があるので、治療又は診断目的では少線量の放射性ヨウ素が腺に吸収される。診断では、放射線科医が、甲状腺機能低下症又は甲状腺機能亢進症の兆候をそれぞれ提示する、ヨウ素の吸収が少なすぎるか又は多すぎるかを判断することができる。
核医学のイメージングの他のタイプは、他の合成物の使用を伴うことができる。例えば、テクネチウムは、患者の白血球と結合する放射性医薬品物質であり、骨の中の癌の転移又は拡大を識別するのに使用することができる。沈降期間後、転移を診断することができるかどうかを識別するために特定の体肢又は全身のスキャンを行うことができる。またテクネチウムを用いて、胆石による閉塞などの肝臓又は胆嚢の異常を識別することができる。またこの物質は、放射性核種心室造影にも使用される。このような処置では、患者の血液サンプルが取り出され(例えば約10cmなど)、放射性テクネチウムが赤血球に化学的に付着される。次に血液が患者に再度注射により戻され、心臓を通るその循環をフォローアップして画像化される。
核医学でのテクネチウムの他の使用は、炎症の発生及び器官での白血球の存在による虫垂炎の診断を含む。同様に、テクネチウムを伴う技術は、腹部の炎症及び感染の診断に使用することができる。
放射線腫瘍学の既知或いは可能な範囲において腫瘍を診断することができ、周囲の健康な細胞への重大な損傷を防ぎながら、腫瘍細胞を攻撃するために放射線が用いられる。例えば、外部ビーム療法は、線形加速装置、ベータトロン又はコバルト機械からの、既知の位置にある癌を粉砕することを狙う放射線を伴う。近接照射療法では、ヨウ素、セシウム、又はイリジウムのような放射性線源が腫瘍内又はその近傍に結集される。ホウ素中性子捕捉療法(MNCT)として知られる別の癌治療では、アルファ粒子がホウ素を含有する非放射性医薬品によって生成される。次に続く中性子ビーム放射により、中性子が腫瘍中のホウ素と反応して、腫瘍の粉砕を助けるアルファ粒子を発生する。
放射性核種は、自然に発生させるか、或いは原子炉、サイクロトロン、発生器などで発生させることができる。放射線治療、腫瘍学、或いは核医学の他の応用では、放射性医薬品は人工的に生成される。放射性医薬品は、その意図された目的に用いることができるように比較的短い半減期を有し、比較的急速に毒性のない物質に分解する。
熱音響
熱音響イメージングシステムは、特定の組織に短パルスのエネルギを印加することに基づく。エネルギが生成され、患者の組織によってエネルギの一部が吸収されるように印加される。組織の発熱によって組織が膨張され、これによって音波が発生される。組織のエネルギ吸収に関する多次元画像データが得られる。エネルギは、短パルスの無線周波数(RF)波で印加することができる。その結果生じる熱音響放出が超音波検出器(トランスデューサ)のアレイにより検出される。
熱音響スキャナーは一般に、イメージングタンク、マルチチャンネル増幅器、及びRF発生器からなる。発生器及びスキャナーの他の構成要素は、一般に、RFが遮断された部屋又は環境に位置付けられる。デジタル収集システムは、熱音響放出信号を収集するための回転モーターと共に備えられる。次に処理システムは信号をフィルタ処理し、これらを画像再構成のためのデジタル形式に処理する。一般に、画像コントラストは、患者に送出されるエネルギによって決定され、画像空間分解能は、音響伝播特性及び検出器の幾何形状によって決定される。
臨床検査資源
臨床検査資源は、体の組織を分析する種々の技術を含む。資源の多くが、体の異なる部位からの液体の抽出及び分析、及びその液体の検出可能なパラメータと個々の患者又は患者の母集団の平均との比較に基づく。臨床検査分析の方法は、通常は病院又は診療所に来院中の液体又は組織のサンプル採取を含む。このような組織収集は、血液、唾液、尿、脳脊髄液(CPF)などの収集のような種々のサンプル採取法を含むことができる。組織が収集され、特別に用意された容器に入れられ、検査分析のための検査室に送られる。
体液及び組織に臨床検査を行うための多くの異なる方法が存在する。幾つかのこのような技術は、抗体又は抗原と検査される組織との混合を必要とする。抗体は、本質的には免疫システムによって作られる特異的なタンパク質から構成される。身体は、感染の幾つかのタイプ、或いは体内の異物又は有機体の存在に応じてこのようなタンパク質を生成する。抗原は、身体の免疫システム反応を引き起こす物質である。このような抗原には、バクテリア、ウィルス、薬物、或いは特定状況での患者自身の身体組織を含む他の組織が含まれる。
一般に、例えば血液中に抗体が検出されることになる場合、抗原は通常検査及び分析に使用される。抗原の存在が検出されることになる場合は、逆に抗体を使用することができる。一例として、ライム病の存在の分析は、患者の血液のサンプルが入った容器にライム病の原因となるバクテリアの一部、すなわち抗原を加えることに基づくものとすることができる。ライム病のバクテリアに対する抗体が存在すれば、これらは抗原と反応し、種々の方法で検出することができる。陽性反応は病気が存在することを示し、陰性反応は病気が恐らくは存在しないことを示す。
血液
全血球算定(CBC)は、血液中の細胞のタイプ及び数に関する重要な情報を提供する。一般に、血液は、赤血球、白血球、及び血小板を含む多くの成分を含んでいる。CBCは、医師が虚弱、疲労、打撲傷のような症状を判断し、貧血症、感染、及び多くの他の一般的な疾患のような特定の病態及び医療事象を診断するのを助ける。
CBC及び他の血液検査は、血液成分の特定のパラメータを対象にすることができる。特にこのような検査は、白血球数、赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、種々の赤血球指数、血小板数、及び他の血液の化学的な測定値を識別する働きをすることができる。結果として得られる指標は通常、レベル又は範囲の形式で、健康又は潜在的な病態の指標として既知の正常又は異常レベル及び範囲と比較される。時間の経過と共に、この比較は、病気の進行又は治療の結果或いは感染又は他の医療事象に対する身体固有の反応の指標として、患者自身の正常又は異常レベルに基づくことができる。
血液分析で行われる測定の特定のタイプは広範囲の病状を示すことができる。例えば、白血球数の増大したレベルは、感染或いは癌治療などのあるタイプの治療に対する身体の反応の指標とすることができる。白血球は、好中球、リンパ球、単核白血球、好酸球、及び好塩基球を含む白血球の主なタイプを識別するために互いに区別することができる。これらのタイプの血球の各々は、身体による反応で異なる役割を果たしている。これらの白血球タイプの各々の数が、免疫システム及び免疫反応への重要な情報を提供することができる。従って、白血球数のレベル及び変化は、感染、アレルギー又は毒性反応、並びに他の特定の疾患を識別することができる。
赤血球の分析は、多くの目的に役立つ。例えば、赤血球は組織での二酸化炭素と酸素の交換を可能にするので、その相対数は、十分な酸素が身体に供給されているか、或いは増加した場合には、赤血球増加症の危険があるか、毛細血管の凝集及び閉塞を起こす可能性がある状態の指標を提示することができる。ヘマトクリットは血液に赤血球が占める量を測定する。ヘマトクリット値は、一般的に、血液の量における赤血球のパーセンテージとして与えられる。ヘモグロビン検査は、血液中のヘモグロビンの相対量を測定し、身体全体に酸素を運ぶ血液の能力の指標を提供する。他の赤血球指数は、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン量、及び平均赤血球ヘモグロビン濃度を含む。これらの指数は、一般的に、CBCの他の測定中に求められ、赤血球の相対的な大きさ、血球のヘモグロビン含有量、及び平均的な血球でのヘモグロビン濃度の指標を提供する。このような測定値は、例えば貧血症の種々のタイプを識別するために使用することができる。
小板又は血小板数は血液中の血小板の相対レベルの指標を提供し、血液凝固及び出血における異常を示すのに使用することができる。
前述の分析に加えて、血液塗抹検査を行うことができ、ここでは手動又は自動の目視検査のために血液が塗布及び染色される。血液に含まれる細胞の数及びタイプは、種々の異常な細胞のタイプの識別を含む、このような検査から確定することができる。更に、アルブミン、アルカリ、ホスファターゼ、ALT(SGPT)、AST(SGOT)、BUN、カルシウム−血清、血清塩化物、二酸化炭素、クレアチニン、直接ビリルビン、γGTグルコース、LDH、塩化血清、カリウム、血清ナトリウム、総ビリルビン、総コレステロール、総タンパク質、尿酸などを含む様々な化学的成分は、血液検査で検出及び分析することができる。
また血液検査は、腫瘍のバイオ遺伝マーカのレベルでの有無又は変化を識別するのに使用される。例えば、大腸、前立腺、及び肝臓癌のような癌の存在は、以下に更に詳細に説明されるような固相酵素結合免疫測定(ELISA)検査によって検出することができる癌胎児抗原(CEA)、前立腺特異抗原(PSA)、及びα−フェトプロテイン(AFP)などのそれぞれに特有のバイオ遺伝マーカの増大した血液レベルに直接リンクされる。
尿
広範な種類の分析を尿サンプルに行うことができる。これらの分析の幾つかはサンプルの全体的な外観及び特徴に基づき、他は化学的又は顕微鏡的分析に基づく。尿サンプルの肉眼的特徴に基づく分析には、色、透明度、におい、比重、及びpHの検査がある。
尿サンプルの色に影響を与える要因は、体液平衡、食生活、薬物、及び病態を含む。色は、例えば腎臓の病気のような状態の兆候である尿中の血液の存在の指標とすることができる。尿の相対的な透明度(すなわち混濁又は濁度)は、同様に異常な身体状態の兆候とすることができる、バクテリア、血液、精子、結晶又は粘液の存在の指標とすることができる。ある病態又は身体状態が、大腸菌のような血液中で検出することができる異常なにおいをもたらす可能性がある。尿の比重は、サンプル中で溶解した物質の相対量を示す。一般に、比重がより高いことは、固体材料が高いレベルで尿中に溶解することを示し、腎臓の機能の状態の指標を提供する。サンプルのpH(すなわち酸性度とアルカリ度)は、腎臓の状態及び腎臓機能の指標とすることができる。例えば、尿pHは、腎臓結石の幾つかのタイプの形成を防ぐような治療によって調整することができる。
尿サンプルの化学的な分析は、タンパク質、ブドウ糖、及びケトンのような成分の指標を提供するために行うことができる。血中のタンパク質の存在は、熱、正常妊娠などの一定の身体状況及び状態、並びに腎臓疾患のような病気の指標とすることができる。血中に通常見られるブドウ糖は、尿には一般に存在しない。尿サンプルでのブドウ糖の存在は、糖尿病或いは一定の腎障害又は疾患の指標とすることができる。脂肪の新陳代謝の副産物であるケトンは、尿中に普通に存在している。しかしながら、高いケトンレベルは、糖尿病性ケトアシドーシスなどの状態を示唆している可能性がある。また、低糖及びでんぷんの食事、飢餓、及び長期間にわたる嘔吐のような他の異常な状態は、尿中のケトンレベルの増加を引き起こす可能性がある。
尿サンプルの顕微鏡分析を用いて、赤血球及び白血球、円柱、結晶、バクテリア、酵母細胞、及び寄生虫を含む種々の物質の存在を検出することができる。このような固体物質は、一般的に、物質を沈澱させるために尿サンプルを遠心分離器にかけることによって識別される。円柱及び結晶は、異常な腎臓機能の兆候とすることができ、バクテリア、酵母細胞、或いは寄生虫の存在は、種々のタイプの感染の存在を示す可能性がある。
唾液
唾液の分析は、幾つかの臨床目的に役立たせることができる。例えば、性ホルモン検査は、唾液及び血清を含む種々の方法によって実施することができる。通常検査される性ホルモンには、エストラジオール、エストロン、エストリオール、テストステロン、プロゲステロン、DHEA、メラトニン、及びコルチゾールが含まれる。唾液検査を使用する場合は、ホルモンの遊離の分留が、ベースライン値に達するように計算される。唾液は、血流(総レベルを測定する血液又は尿とは異なり)中のステロイドの生物学的に活発な(遊離した)分留を反映する。ホルモンの遊離分留は唾液腺に流れる血液から容易に移動する。性ステロイドホルモンの遊離分留の低下は特に閉経期及び更年期につながる。このような検査を行い、例えばホルモンレベル及びホルモンバランスを現在のレベルから保護範囲に戻すためにホルモン補充療法を考えるべきかどうかを判断することができる。
また唾液検査は、腫瘍バイオ遺伝マーカのレベルでの有無又は変化を識別するのに使用される。例えば女性の乳房の悪性腫瘍の存在は、唾液でのc−erbB−2の上昇レベルに直接関連付けられ、以下に更に詳細に説明されるように固相酵素結合免疫測定法(ELISA)によって検出することができる。
同様に、唾液ベースの検査は、肺癌のような病態の診断に使用することができる。このような診断は、患者が気道から吐き出す液体中に癌細胞が存在することに基づく。典型的な実施形態では、臨床医が、癌細胞に成長する前の肺からの異常な細胞をサンプルが含んでいるかを判定することによるスクリーニングツールとして唾液サンプルを分析する。
胃腸液
同様に、胃腸液の分析は、種々の内臓の機能におけるある病態又は異常を検出及び診断する際に重要な場合がある。例えば、肝機能検査(LFT)は、一次及び二次の肝臓病両方の検出を可能にするが、この検査は一般に明確なものではない。すなわち、この結果は最大限有用な情報を提供するためには理知的に選択され解釈される必要がある。確かに、通常の検査の幾つかは病気の検査ではなく機能的な検査として特徴付けることができる。
1つの例示的な検査では、ビリルビンがサンプル採取され分析される。ビリルビンは、細網内皮系によるヘモグロビン分子の破壊から生じる。ビリルビンは血漿中で肝臓に運ばれ、そこで肝実質細胞によって抽出され、2つのグルクロニド分子と抱合されてビリルビンジグルクロニドを形成し、胆汁に分泌される。ビリルビンは、抱合及び非抱合ビリルビンの両方を含む総ビリルビンとして、更に抱合ビリルビンである直接ビリルビンとして血清で測定することができる。赤血球溶血のような異常な状態は、肝臓によって適切に処理できないレベルにまで上昇する可能性のある非抱合ビリルビンの形成の増大を生じる可能性がある。更に閉塞性黄疸が、血清ビリルビンの増加によって証明されるように、結石又は癌による胆外共通胆管の閉塞により起こる場合がある。長期間の閉塞は、二次的な肝臓障害を起こす場合がある。肝炎又は非代償性活動性肝硬変に見られるような肝細胞障害による黄疸は、ビリルビンのレベル上昇によって証明することができる。
更なる実施例として、酵素アルカリフォスファターゼの分析が肝臓障害の指標を提供することができる。該酵素は、肝臓及び骨で主に生成され、部分的又は中程度の胆道閉塞に極めて敏感である。このような状況では、アルカリフォスファターゼのレベルが、正常な血清ビリルビンと共に上昇する可能性がある。アルカリフォスファターゼは、軽症の急性肝細胞障害では、わずかな上昇があるか又は全く上昇がない場合があるが、肝硬変では、代償及び閉塞の程度に応じて変化することができる。更に、アルカリフォスファターゼの異なるイソ酵素が肝臓及び骨中に見られ、これを用いて血清アルカリフォスファターゼの上昇の原因の指標を提供することができる。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、幾つかの臓器、特に、心臓、骨格筋、及び肝臓で見られる酵素である。肝細胞への障害はASTを放出させ、急性肝炎の場合には、ASTレベルは通常、標本が取り出される特定の時間での肝細胞障害の重症度及び程度に応じて上昇する。肝臓の受動性うっ血などの状態において、特にその発作が重く急性である場合には、AST上昇の変化の程度を検出することができる。
同様に、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)は、これだけではないが、肝臓中に通常見られる酵素である。肝臓病においては、ALTは、ASTとほぼ同じ状況で上昇するが、より広範囲の又は重症の急性実質障害を除いては、該状態にあまり敏感ではないように見える。ALT分析の利点は、肝細胞障害に比較的固有なことである。
胃腸液の他の成分の幾つかは、異常な状態及び病態の同様の指標を提供することができる。例えば、ASTよりも幾分敏感ではないが、乳酸デヒドロゲナーゼは、肝臓障害又は肝炎の指標を提供することができる。γグルタミントランスペプチターゼは、肝臓及び腎臓に主に見られる別の酵素であり、種々の肝臓病で上昇する可能性がある。アルブミンなどの血清タンパク質は、主に肝臓で合成され、急性又は慢性の少なくとも中度の破壊性肝臓疾患は、電気泳動で血清アルブミンの減少を示す。同様に、凝固因子が肝臓で合成され、その結果、ある凝固検査(プロトロンビン時間又はPTのような)は肝機能の比較的感度の良いインジケータになる。AMM(アンモニア)のレベル上昇は、肝機能障害、肝不全、胎児赤芽球症、肺性心、肺気腫、うっ血性心不全、及び運動に伴い生じる場合がある。レベルの低下は、腎不全、本態性又は悪性高血圧により、或いは特定の抗生物質(例えばネオマイシン、テトラサイクリン)の使用と伴い生じる場合がある。更に肝炎関連抗原(HAA)は、A型、B型、非A、及び非B型肝炎の診断、肝炎からの回復のフォローアップ、及び肝炎「キャリア」の識別を助ける。免疫グロブリンG(IgG)レベルは、免疫不全症、タンパク喪失状態、肝臓病、慢性感染症、並びに多発性硬化症、ムンプス、髄膜炎などの特定の病気の診断及び治療に使用され、免疫グロブリンM(IgM)レベルは、免疫不全症、タンパク喪失状態、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、慢性感染症、及び肝臓病の診断及び治療に使用される。分析することができる他の成分は、アルカリフォスファターゼを含み、例えば、肝臓と骨の病気を区別し、副甲状腺及び腸疾患の診断及び治療に使用され、ロイシンアミノペプチターゼは肝臓病を診断するために使用され、アミラーゼは膵炎、及び唾液腺、肝臓、腸、腎臓、及び女性生殖管に影響を及ぼす疾患を診断するのに使用され、リパーゼは膵炎及び膵癌を診断するのに使用される。
生殖体液
生殖器系の機能、並びに病気、外傷、及び老化を含む広範囲の事象及び状態に起因する病態又は異常機能を調べるために生殖体液に関して幾つかの検査を行うことができる。利用可能な多くの検査の中でも、排卵日を予測し排卵が起こるかどうかを測定することによって不妊症の判断を意図した頚管粘液検査がある。同様に精液分析は、不妊症を示す可能性のある異常な量、濃度、運動性、及び形態について調べることによって、男性生殖力を評価し、更に精管切除後に適切な不妊手術であることを立証するために通常行われる。パパニコラウ塗抹検査(一般的には、パップスミア、パップ検査、又は癌の細胞診と呼ばれる)は、子宮頚管及び膣分泌物の腫瘍細胞を検出するか或いは一定の異常(例えば不妊症)を追うのに使用される。
生殖体液の特定の検査又は分析は、対応する特定の病態に向けることができる。例えば、淋菌培養は淋病を診断するのに使用され、クラミジア塗抹は、クラミジア感染を診断するのに使用され、塗抹のグラム染料が多形核白血球を呈するかどうかが示される。
脳脊髄液
脳脊髄液は、脳及び脊髄を取り巻く通常透明で無色の液体である。脳脊髄液は通常、種々の感染性微生物の存在を検出するために分析される。この液体は、一般に、脊髄穿刺とも呼ばれる腰椎穿刺を行うことによって採取される。この処置では、脳脊髄液のサンプルを採取するために脊柱管に針が挿入される。脳脊髄液の圧力は腰椎穿刺中に測定される。次いで、サンプルが集められた後で、色、赤血球数、タンパク質、グルコース、及び他の物質について分析される。液体のサンプルは、感染を調べるためにバクテリア又は菌類のような感染性微生物の成長を促進する種々の培養のために使用することができる。
PCR
ポリメラーゼ連鎖反応とは、一般に、特定のDNA又はRNA配列を検出し増幅する方法を意味する。通常、幾つかの既知の遺伝領域が臨床応用で対象とされるが、総ゲノムの幾つかは、これまでも研究及び臨床目的の配列であったが、今後も同様である。一般に、異常な状態、病態、或いは特定の状態の発生素因の根源とすることができる特定の遺伝子は、構成分子の固有の配列を示す。更にウィルス及びバクテリアを含む感染性微生物は、有機体の特定の種又は網に固有の特異的DNA又はRNA配列を有する。これらはこのような標的配列によって検出することができる。
PCR技術は、一連の単純な温度媒介性の酵素及び分子反応での大量の特異的核酸配列(DNA/RNA)の生成に利用される。遺伝物質の単一分子から始まり、10億を超える同じコピーを合成することができる。臨床試料でのユニーク配列の有無を検査することによって、PCRは、幾つかのウィルス感染を診断するような極めて多くの目的に使用することができる。またPCRは、臨床試料でのウィルス材料の量を定量化する方法の1つとして使用されている。またこの技術は、父子及び系統などを分析するための法医学的な目的にも使用することができる。更にPCR検査は、種々のウィルス及びウィルス性疾患の診断、定量化、及び研究の目的に利用可能である。
遺伝マーカ
遺伝子検査及びゲノム配列決定法から生まれたものとして、遺伝マーカを参考にすることにより、状態及び疾患に対する極めて特異的な素因を判断することが可能となってきた。ヒトゲノム計画は、推定50,000から100,000の遺伝子並びにその間の空間を含む、ヒトゲノムを構成する特異的な遺伝物質及び配列の理解を有意に前進してきた。結果として得られるマップは、遺伝子個々及び遺伝子グループの機能を示すデータと共に改良及び検討したときに、患者の現在、過去、及び将来考えられる状態の全てを判断するのに役立たせることができる。
幾つかの方法が遺伝マッピングに存在するが、一般にまず科学者は、既知の病気又は病状に関連する遺伝子近くに位置付けられ、病気を持つ人によって常に受け継がれるが病気を持たない血族には見られない既知のDNA断片を含む容易に識別可能な遺伝マーカを調べる。次に検査は、変化した1つ又は複数の遺伝子の正確な位置付けを目標とし、特異的な塩基の変化を特徴付けるよう試みる。遺伝子及び他のDNAランドマークが染色体に沿って見られる配列で示した遺伝マーカのマップが作られる。
突然変異の正確な位置が認知される前でも、信頼できる遺伝マーカのためのプローブを作ることができる場合がある。このようなプローブは、放射性分子にリンクし、関心のある遺伝子近傍領域に適合する単鎖DNAの長さからなることができる。プローブはその領域に結合し、次いで、プローブとDNAが適合する場所を示すプローブからの放射性信号が、X線フィルム上で見えるようになる。
プローブ及び遺伝マーカに基づく予測遺伝子検査は、遺伝子が関連している病気及び状態の診断において益々重要となる。予測遺伝子検査は、嚢胞性線維症及びテイ・サックス病などの生命に関わる病気を含む、約20数種の障害に対して既に利用可能である。また、幾つかのタイプの癌に関連付けられる遺伝子が発見されており、幾つかの珍しい癌についての検査が既に臨床上で使用されている。最近になって、科学者は、大腸癌及び乳癌を含む通常の進行する癌に対する遺伝的な傾向につながる遺伝子の突然変異を特定した。一般に、このような遺伝マーカ及び検査は、通常今後の病気が発現する可能性を保証するものではなく、単に特定の配列又は突然変異が存在する指標(恐らくはこれに強く結び付いているとしても)を提供するものに過ぎない点に留意されたい。
放射免疫測定検査
放射免疫測定検査(RIA)は、少量の抗体(Ab)又は抗原(Ag)、及びこれらの間の相互作用又は反応を検出するのに使用される技術である。Ab又はAgは、ヨウ素125などの放射性同位体で標識化され、次いで、抗体又は抗原の存在をガンマカウンターによって検出することができる。通常の方法では、Abはフィルタに付けられたホルモンに結合される。血清サンプルが加えられ、任意のホルモン(Ag)がAbに結合する時間が許容される。結合を検出するために、放射性標識化ホルモンが加えられ、結合する時間が許容される。未結合物質の全ては洗い流される。結合放射能の量がガンマカウンターで測定される。血清サンプルでのホルモンの存在は放射性標識化ホルモンの結合を妨げるので、検査に現れる放射能の量は血清サンプルのホルモン量に反比例する。ホルモンの既知の濃度の増加する量を用いる標準曲線は、サンプルの数量を決定するのに使用される。
RIAを用いてAg又はAbのごく少量を検出することができ、従って患者の血清中に存在するホルモン又は薬物の量を測定するのに使用される。また、RIAはフィルタ上ではなく溶液中で行うことができる。場合によっては、RIAは酵素免疫測定法(ELISA)又は蛍光偏光免疫測定法(FPIA)に置き換えられる。このような検査法は同様の感度を有する。FPIAは高度に定量的であり、期間を同様に定量的であるよう適切に設計することができる。またRIAは、種々のアレルゲンに固有の血清IgE抗体の量を測定するのに使用することができ、この場合、これらの検査法は放射性アレルゲン吸着試験(RAST)と呼ばれることもある。
ELISAは、AgとAbの結合を検出するために酵素を用いる。酵素は、色原体と呼ばれる無色の物質をAg/Ab結合を示す色の付いた生成物に変える。作製プロトコルは、Ab又はAgのどちらかが検出されることになるかに基づいて異なるようにすることができる。一般に、Ag及びAbの組み合わせが表面に付けられ、検査されるサンプルが加えられ培養が可能になる。酵素に共有結合した抗グロブリン又は2次Abが加えられ、培養が可能になり、未結合抗グロブリン又は酵素結合抗体が表面から洗い落とされる。酵素の無色の基質が加えられ、酵素結合物質が表面上にある場合は、酵素が検出用の色の付いた生成物に変わることになる。
ELISA技術の変型は、サンプル内のAbがAgと結合し、Agに反応する酵素結合Agの結合を妨げる競合ELISAと、サンプルの陽性度にほぼ比例する色変化の強さが定量化される定量ELISAとを含む。
クロマトグラフィー
クロマトグラフィーは、複合混合物を固定相ベッドと移動相に分離し固定ベッドに浸透させることによって複合混合物を分離又は分析するのに使用される一連の技術を含む。このような技術では、成分は異なる速度でクロマトグラフィー装置を通過する。吸収性材料を越える移動速度は望ましい分離をもたらす。一般に、分子が固定相において有する親和性が小さいほど、分離カラムで費やす時間が短くなる。
クロマトグラフィーの利点は、高精度の複合混合物の分離能力を含み、これには単一のアミノ酸毎に異なるタンパク質などの極めて類似した成分の分離が含まれる。従ってこれらの技術は、溶性又は揮発性物質の浄化、或いは測定の目的に使用することができる。またクロマトグラフィーは、生成物が分離される状態により傷つきやすい生成物を分離するのに利用することができる。
クロマトグラフ分離は、通常ガラス又は金属で作られたクロマトグラフィーカラムの中で行われる。このカラムは、充填層又は管状構造のいずれかで形成される。充填層カラムは、固定相を作る粒子を含む。開いた管状カラムは、薄膜固定相に並べられる。カラムの中心は空洞である。移動相は一般的に、分離されることになる混合物を運ぶカラムを移動する溶剤である。固定相は、一般的にカラムに充填された固体粒子の表面にコードされた粘性液体であるが、固体粒子は固定相としてもよい。固定相と移動相の間の溶質の分別により、要求された分離が得られる。
クロマトグラフィーの幾つかのタイプが存在し、医療データ収集の目的で用いることができる。一般に、これらのタイプには、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、分子排除クロマトグラフィー、及びアフィニティークロマトグラフィーが含まれる。
受容体測定
ニューロンは、神経繊維が順次に分極及び脱分極される電気現象に基づいてインパルスを伝達する。一般に、約80mvの細胞境界両端の電位は、ニューロン内のカリウムイオン及びニューロン外のナトリウムイオンの集中により生じる。刺激が細胞に加えられると、電位の変化が起こり、脱分極におけるイオンの流れを生じる。次に神経伝達物質がシナプス間隙をわたり、神経インパルスを伝播する。
神経応答を引き起こす神経伝達物質及び毒素などを含む物質の有無を判定するための検査が開発されてきた。一般に、このような検査は、特定の関心のある応答を引き起こす化学物質の存在を評価するのに使用される。一例として、ドーモイ酸受容体結合測定を用いて、脳内のグルタミン酸受容体に結合する物質を識別することができる。
ドーモイ酸受容体結合測定の場合、例えばHのような放射性遺伝マーカを含むカイニック酸(cainic acid)の生成が行われる。放射性カイニック酸をグルタミン酸受容体が含まれる細胞に付着させることを可能にすることによって、カイニック酸(類似の方法で機能する)をグルタミン酸(通常のアミノ酸神経伝達物質)並びにドーモイ酸に結合することができる細胞内に存在する放射能を測定することができる。特に、標準曲線は一般に、細胞にドーモイ酸の既知の量を付加することに基づいて生成され、次いで、この標準曲線は準備されたサンプルにおいて測定された物質の濃度を推定するのに用いられる。
組織学的データ資源
組織分析
組織学は、組織の構造及び行動の顕微鏡的研究である。これは、調査中の標本の生きている状態に基づく2つのカテゴリー、すなわち死んでいる標本と生きている標本とに分類される。第1のカテゴリーは死んでいる標本の従来的な調査である。通常、調査される組織のタイプによって決定づけられる、検査用の標本を作製する際に多くの異なる方法を使用することができる。幾つかの共通の作製方法には、ガラスのスライド又は金属のグリッド上に薄くスライスした断面を置くこと、ガラスのスライドに塗抹すること、組織を薄く広げシートにすること、及び糸状構造から繊維組織に分けることがある。これらの方法が使用される幾つかの共通の標本タイプには、臓器、血液、尿、粘液、疎性結合組織、及び筋肉組織が含まれる。
死んでいる標本の作製方法の多くは、極めて簡単であるが、断面を作製するために使用される実際の方法はかなり複雑になる可能性がある。標本はまず、腐敗を防ぎ、細胞組織を維持し、更に後での染色を強めるために強化しなければならない。標本は、一般に、適切にカットできるように冷凍され、或いはワックス又は樹脂に埋め込まれる。関心のある断面は、光学顕微鏡では1−150ミクロン或いは電子顕微鏡では30−60ナノメートルなどといった、通常観察手段によって指示される厚さにカットされる。断面はガラスのスライド又は金属グリッド上に置かれる。次に断面は、一般に、化学染料又は試薬を用いて、場合によっては幾つかの段階で染色される。標本が光学顕微鏡で観察される場合には、余分な水及び染料が取り除かれ、スライド上の標本はガラススリップで覆われることになる。最後に、標本が観察及び分析されて、観察されたデータが記録される。
生きている標本の標本タイプ及び調査方法は、標本を生きた状態に維持する要件により大きく制限される。一般に標本は、生体内又は生体外で観察される。典型的な生体外標本は、組織培養システムである。通常の生体内標本はまた、観察可能な状況、すなわち耳又は皮膚組織で利用可能でなければならない。染色及び他の作製方法は適切ではないので、特殊な位相差顕微鏡又は暗視野顕微鏡が固有の組織間の強調されたコントラストを提供するために通常使用される。
細胞学
細胞学は、細胞の構造、機能、病理、及び生育歴の研究である。他の組織学データ収集技術と比較した組織学の利点は、これが迅速に実施できること、比較的コストが安価であること、及び特定の診断を導くことができることが含まれる。欠点は、一般に観察されるサンプルサイズが比較的小さいこと、組織構造に関する情報が無いこと、及び調査を行う臨床医に比較的高いレベルのスキルが必要とされることが含まれる。一般的に、使用される標本収集方法は、収集されることになる標本のタイプに依存する。このような方法には、細針吸引、固体組織痕跡標本(impression smear)又は擦過標本、及び液体標本が含まれる。アスピレーションは、本質的に吸引による標本収集である。これらの種々の方法によって収集される幾つかの共通の標本タイプには、甲状腺、乳房、或いは平伏標本(prostrate specimens)、子宮、子宮頚管又は胃の組織、及び排出物(尿又は糞便)又は分泌物(唾液、前立腺液、或いは膣分泌液)が含まれる。
細胞学のための標本作製方法は比較的簡単である。最初に、検査される領域からサンプルが取り出され、次いでガラススライド上に置かれ、染色されて、検査される。サンプルが固体である場合、押しつぶし作製と呼ばれる追加のステップが好適とすることができる。この処置では、サンプルは、第1のガラススライド上に置かれ、第2のガラススライドによって押しつぶされ、次に第2のスライドを使用して第1のガラススライド全体に広げられる。
細胞学的標本の分析は通常、サンプルの解剖学的位置の正常な細胞と標本との比較を含む。次に細胞は正常又は異常に分類される。異常性は通常、炎症、過形成、又は新生組織形成の存在によって決定される。過形成は、より多くの細胞の形成に起因する組織又は器官の大きさの増大であり、身体の自然の成長とは無関係である。新生組織形成は、異常な成長の形成、すなわち腫瘍である。異常細胞は、炎症性又は非炎症性に細分することができ、優勢な炎症性細胞のタイプが決定される。炎症は、白血球又は大食細胞が、高く、すなわち正常よりも多く存在することによって決定付けることができる。白血球は、その外見によって、顆粒状又は非顆粒状の2つのグループに分けられる。顆粒白血球の例は、好中球及び好酸球である。非顆粒状白血球はリンパ球を含む。標本細胞が非炎症性である場合、これは悪性度について検査される。細胞が悪性である場合、悪性組織のタイプが決定される。
組織タイピング
組織タイピングは、患者のヒト白血球抗原(HLA)パターンの識別である。HLAパターンは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)と呼ばれる第六染色体領域上に位置する。HLAシステムは、身体の免疫システムにおいて異質細胞と体内に生じた細胞とを区別するので、感染と闘うのに不可欠である。従ってこのパターンはまた、ドナーとドニーのHLAパターンが十分に類似しない場合は、ドニーの免疫システムが移植された臓器又は組織を攻撃(拒絶)することになるので、臓器移植分野には不可欠である。HLAパターンを構成する抗原には、遺伝子座と呼ばれる5つのグループ、すなわちHLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−D、及びHLA−DRがある。抗原の各遺伝子座は、対立遺伝子と呼ばれ、既知の場合には番号(すなわちHLA−A2)で識別される多くの変種を含む。暫定的には、識別された対立遺伝子は、文字と番号(すなわちHLA−Cw5)で示される。各個人が親から各遺伝子座の対立遺伝子を受け継いでいる。従って2人の兄弟が全く同じHLAパターンを有する可能性は25%である。2人の間の関係が近いほど、その2つのそれぞれのHLAパターンの相似性が高くなる。従って、組織タイピングは、2人が血縁関係である可能性を判断するのに使用されてきた。また、一定のHLAパターンを持つ患者は、一定の病気によりかかりやすいが、しかしながら、この現象の原因は未だ分かっていない。組織タイピング検査を行うのに一般的に必要なものは、血液サンプルだけである。
組織タイプを調べるための2つの代表的な方法は、血清及びDNA検査を含む。最近まで血清検査だけが行われていた。しかしながら、HLA−A、B、Cw、及びDR遺伝子座の対立遺伝子のアミノ酸配列が求められているので、DNA検査はHLAパターンのこれらの遺伝子座の最も広く使用される検査方法になってきた。血清検査は、一般的に、一定の対立遺伝子を破壊又は溶解させる抗血清を含んだ皿で血液サンプルからのリンパ球を培養することによって行われる。次に、何らかの溶解された細胞が存在するかどうかを明らかにするために染料が加えられる。存在する場合には、その検査は当該特定の対立遺伝子について陽性である。
免疫細胞学
細胞化学は、種々の化合物及び細胞内でのその活動の識別及び位置特定を伴う組織及び細胞の化学成分の研究である。免疫細胞学は、顕微鏡検査において組織又は細胞内の抗原を位置付けるために抗体が用いられる幾つかの方法を含む。抗体を視覚化するために幾つかの方法がある。
透過光学顕微鏡では、酵素の発色基質が使用される場合が多い。抗体は酵素で直接標識を付けることができる。しかしながら、抗体と酵素との間のこのような共有結合は、酵素及び抗体の両方の活動の損失を生じることがある。このような理由で、中間リンク抗体が使用される幾つかの複数ステップの染色方法が開発されてきた。
立体的解析学は、ランダムに位置付けられ規則的に配列された幾何学的プローブと関心のある構造体が遭遇する可能性を予測するために、必要な数学的背景を提供する定量化技術である。立体的解析方法は、定量的な免疫細胞学に導入されている。要約すると、カメラが高精度の電動標本ステージを備えた顕微鏡及びマイクロケーターに取り付けられ、動きをモニタする。カメラは、立体学的ソフトウェアを実行するよう構成されたコンピュータに結合される。分析は、高開口数の対物レンズを使用して高い倍率で行われ、これにより、組織を厚さ0.5μmまでのような薄いスライスに光学的に切開することが可能になる。定量分析は、免疫細胞学的染色の均一且つ十分な浸透性を有する厚い断面(40μm)を必要とする。
また、電子顕微鏡は、免疫細胞学に通常使用される。典型的なサンプル作製方法では、最初にサンプルが保存される。1つのアセンブリタイプでは、標本がエポキシ樹脂に埋め込まれる。次に、幾つかのサンプルが、スタックと呼ばれる積層アセンブリに組み立てられ、複数のサンプルの同時切片作製を容易にする。モザイクと呼ばれる別のアセンブリタイプは、スタックアセンブリが実行できない場合に使用することができる。モザイクアセンブリは、幾つかのサンプルを横に並べて置き、次いでこれをエポキシ樹脂に埋め込むことを伴う。スタック又はモザイクが組み立てられた後、切片化され検査される。
組織病理学的分析
組織病理学的分析は、裸眼及び顕微鏡の両方での組織の検査による診断を必要とする。組織病理学は、外科病理学、細胞学、及び病理解剖の3つの主な領域に分類される。外科病理学は、生検及び切除された標本の検査である。細胞学は、主要な部分のスクリーニングプログラム(例えば乳癌スクリーニング及び子宮頚管細胞診プログラム)と症候性の病変を有する患者の調査(例えば乳房のしこり或いは頭部及び頚部のしこり)の両方を含む。
電子顕微鏡
電子顕微鏡は、極めて細かいスケールで対象物を検査するために高度に励起された電子のビームを使用する科学機器である。電子顕微鏡には、透過型と走査型の2つの一般的なタイプがある。更に標本断面が、電子ビームに透過するように真空で観察され、且つ極めて薄くスライスされる必要がある。
顕微鏡では、倍率と分解能の2つの主要な指標が使用される。倍率は、実際の大きさに対する標本の見掛けの大きさ(観察されるとき)の比率である。電子顕微鏡は、標本の倍率を光学顕微鏡の倍率の最大200倍まで可能にする。分解能は、2つの対象物の間の、これらを区別することができる最小距離を評価する。電子顕微鏡の分解能は、光学顕微鏡の分解能の最大100倍まで、約0.002μmである。
電子顕微鏡による標本の検査は、地形、形態、組成、及び結晶情報などの標本における有用な情報をもたらすことができる。標本の地形学とは、対象物の表面特徴を意味する。標本のこれらの特徴と物質特性(堅さ、反射率など)との間には一般に密接な関係がある。標本の形態は、標本を構成している粒子の形状と大きさである。標本の粒子の構造は、一般に、その物質特性(柔軟性、強さ、反応性など)に関係する。組成は、標本を構成する元素及び化合物、並びにこれらの相対量を含む。標本の組成は、一般に、その物質特性(融点、反応性、硬度など)を示している。結晶情報は標本の原子配列に関係する。また標本の原子配列は、その物質特性(導電性、電気特性、強度など)に関係する。
原位置ハイブリッド形成法
原位置ハイブリッド形成法(ISH)は、クローン化細菌性細胞又は培養真核細胞での相補DNA配列の存在を検出するためにDNA又はRNAプローブを使用する。真核細胞は、膜結合型、構造的に個別の核、及び他のよく成長した細胞内コンパートメントを有する細胞である。真核生物は、ウィルス、バクテリア、及び藍藻を除く全ての有機体を含む。ISHには蛍光(FISH)と酵素ベースの2つの一般的なタイプがある。
ISH技術によって、特定の核酸配列を形態学的に保存された染色体、細胞、又は組織断面で検出することができる。免疫細胞学との組み合わせにおいて、原位置ハイブリッド形成法は、顕微鏡的地形情報をDNA、mRNA、及びタンパク質レベルでの遺伝子活動に関係付けることができる。更に安定した非放射性標識を持つ核酸プローブを作製することで、ISHの一般的な応用を妨げる主な障害を取り除くことができる。更にこれは、1つの実験で種々の標識を組み合わせる新しい可能性を拓く可能性がある。このようなプローブに対して利用可能な多くの高感度の抗体検出システムは、この方法の柔軟性を更に高める。
幾つかの異なる蛍光又は酵素ベースのシステムが、標識核酸プローブを検出するのに使用される。こうしたオプションは、実験的なシステムを最適化して最高の感度を達成し、或いは内因性ビオチン又は酵素活性のような潜在的な問題を回避し、もしくは単一の実験で複数の標識を取り入れるような柔軟性を研究者に提供する。組織固定、内因性ビオチン又は酵素活性、要求される感度、及び記録の恒久性といったこうした因子は、最適なプローブ標識及び次の検出システムの両方を選択する場合に全て考慮される。
組み合わせ
上記の方法の全体又は一部の任意の組み合わせを用いて、患者の病気、又はより一般的には、身体状態或いは状態のリスク又は素因を最適に診断することができる。
薬物動態データ資源
薬物治療管理
薬物治療管理(TDM)は、薬物の血中濃度とこの血中濃度の血中治療域との協働した測定である。血中治療域は、その薬物がほとんどの人に毒作用を引き起こさずに有効であることが示された濃度範囲である。推奨治療域は一般に商業的及び学術的医薬品文献に見られる。
TDMのサンプルは、誤差が排除されるような結果の有効な解釈を得るために、投与後の適切な経過時間に取得される必要がある。治療域は、薬物の定常状態の濃度に基づいて設定され、一般的には経口服用開始後の約5半減期で達成される。場合によっては、ピーク及びトラフレベルを作ることが有用である。ピークレベルは最大薬物吸収の時点で得られる。トラフレベルは次回投与直前に得られる。また、TDMに使用されるサンプルのタイプも重要である。ほとんどの薬物では、治療域は血清濃度について報告される。幾つかのTDM検査方法は、血清と血漿の両方での使用に対して認証することができる。製品は通常、サンプルが許容可能であることを表示する。
幾つかの薬物に対してTDMを行うことができる。例えば、治療モニタリングを必要とする一般的な抗痙攣薬には、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸、プリミドン、及びフェノバルビタールが含まれる。抗痙攣薬は通常、免疫学的検定法により測定される。免疫学的検定法は一般に干渉がなく、ごく少量のサンプル量しか必要としない。
別の例として、心作用性の薬物ジゴキシンは、治療モニタリングの対象である。種々の経口ジゴキシン調製の生物学的利用能は極めて変わりやすい。ジゴキシン薬物動態は、排出の主な経路が腎臓である場合に、2つのコンパートメントモデルに従う。患者の排出半減期は変化するので、通常は、腎臓病又は腎機能が変化する患者がモニタされる。ジゴキシンの治療域は、正常な腎機能を有する患者に最後に投与した後、8時間などの所定の時間期間後に採取された血液サンプルに基づく。また、サンプルが採られる前の定常状態のレベルを決定する基準として特定の期間を指定することができる。通常はキットで利用可能な免疫学的検定法は、検査において有意な干渉又は交差反応性を示す。
別の例として、テオフィリンは、薬物動態が個人間で極めて変わりやすい気管支拡張薬である。血中濃度は、最大の治療効果を保証し毒性を防ぐために定常状態の濃度が達成された後でモニタされることになる。トラフレベルは通常、この薬物をモニタするために使用される最も一般的な方法である免疫学的検定法により測定される。同様に、双極性抗うつ障害の治療に使用されるリチウム化合物では、血清リチウム濃度がイオン選択電極技術によって測定される。イオン選択電極は、関心のあるイオンの通過を許容するが他のイオンの通過は許容しない膜を有する。pHメータは、水素イオン濃度に反応するイオン選択電極の例である。リチウム電極は、リチウム濃度には反応するが、カリウムなどの他の小さな陽イオンには反応しない。
更に別の実施例として、三環系抗うつ薬には、イミプラミン、その薬理的活性代謝産物であるデシプラミン、アミトリプチリン及びその代謝産物のノルトリプチリン、並びにドクセピン及びその代謝産物のノルドクセピンが含まれる。親剤と代謝産物の両方が調合薬として利用可能である。これらの薬物は主に、双極性抗うつ障害の治療に使用される。またイミプラミンは、子供の遺尿症、及びメチルフェニデートでは効果がない重症注意欠陥多動性障害の治療に使用することができる。潜在的な心臓毒性は、これらの薬物レベルをモニタする主因である。免疫測定法は、イミプラミン及び他の三環系の測定に利用可能であるが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法が一般に好ましい。薬理的活性代謝産物を有する三環系抗うつ薬を測定するときには、親剤と代謝産物とが一般的に測定される。
受容体の特徴付け及び測定
受容体の特徴付けは、従来的に幾つかの方法の1つを用いて行われる。これらの方法には、直接放射性リガンド結合測定、放射受容体測定、及びアゴニスト及びアンタゴニスト相互作用の全部及び一部が含まれる。放射性リガンドは、放射活性物質で標識した薬物であり、受容体、トランスポーター、酵素、或いは関心のある任意のタンパク質に関連付けることができる。結合の速度及び範囲により、結合部位の数とこれらの親和性及び薬理的特徴についての情報が得られる。
一般的に使用される3つの実験プロトコルは、飽和結合実験、速度実験、及び競合結合実験を含む。飽和結合プロトコルは、放射性リガンドの種々の濃度の存在下で結合の程度を測定する。結合とリガンド濃度の関係の分析から、結合部位の数、結合親和性、及び同様のものを含むパラメータを決定することができる。速度プロトコルにおいて、飽和及び競合実験は、結合が平衡に達するまでインキュベートが許容される。速度プロトコルは、結合及び解離の経時変化を測定して、放射性リガンドの結合及び解離の速度定数を決定する。同時に、これらの値はまたKDの計算を可能にする。競合結合プロトコルでは、標識のない競合体の種々の濃度で放射性リガンドの単一の濃度の結合が測定される。このようなプロトコルは、競合体に対する受容体の親和性の測定を可能にする。
コスト及び技術的に困難であることに起因して、直接放射性リガンド結合測定は、競合結合測定に置き換えられる場合が多い。後者の技術はまた、薬物の放射性標識化を可能にし、これらの受容体の特性の理解を促進する。コンビナトリアル・ケミストリーに基づく薬物デザイン及び開発のための技術は、多くの場合放射受容体測定を用いる。放射受容体測定技術は、高分子ターゲットに対して高い親和性を有するリガンドの結合が、リガンド−受容体複合体が遊離リガンドと区別可能である限り平衡透析を必要とせずに測定することができることに基づいている。リガンドに適切な放射性物質で標識付けすることによって、リガンド−受容体の組み合わせを測定することができる。このような測定は迅速であり且つ高感度である。アンタゴニズムは、アゴニスト誘導性受容体反応を抑制又は防止するプロセスである。このような影響をもたらす薬物はアゴニスト(拮抗薬)と呼ばれる。選択的なアゴニストの可用性は、競合結合プロトコルにおける重要な要素を与えてきた。
他の資源
健康診断
総合的な健康診断は、医療従事者に対して将来使用するための患者についての基本情報を得る機会を提供する。検査は、通常臨床目的で行われ、患者の病歴に関する情報を収集し、且つ診断に関する情報及び健康習慣を得る機会を提供する。健康診断は、すなわち身体の多く又は実質的に全てを網羅する完全なものであってもよく、或いは患者に生じている症状に特化することもできる。
通常の健康診断では、検査者が、患者の外見、身体全体の健康、行動を観察し、幾つかの主要測定を行う。測定値は通常、身長、体重、バイタルサイン(例えば、脈、呼吸数、体温、及び血圧)を含む。次いで、この情報は通常患者ファイルの用紙に記録される。本技術の態様によれば、統合知識ベースをコンパイルし患者に対してより改善された医療を提供する資源として含めるために、情報の大半をデジタル化することができる。例示的な患者データ収集技術及び知識ベースと他の資源の間の相関性については以下に更に詳細に説明する。
総合的な健康診断では、患者の身体の種々のシステムが座った位置などにおいて検査されることになる。これらは露出した皮膚区域を含み、ここでは任意の観察可能な病変の大きさ及び形状が示される。次に、毛髪、頭皮、頭蓋骨、及び顔区域を含む頭部が検査される。外部構造及び内部構造を含む眼は、検眼鏡によって観察される。同様に、外部構造及び内部構造を含む耳は、耳鏡によって検査される。外部鼻構造と鼻粘膜と内部構造とを含む鼻及び鼻腔は、鼻鏡によって検査される。同様に、唇、歯肉、歯、口蓋、舌、及び咽喉を含む口及び咽頭が検査される。続いて、頸部の両側のリンパ節及び甲状腺を含む頸部及び背部が一般的に検査される。背部では、背骨と背筋が一般に触診されて圧痛が調べられ、上背は右側と左側が触診される。また患者の呼吸も調べられ記録される。病変の兆候を見るために上腕の弛緩した位置と引き上げた位置での女性の胸部の検査を含む、胸部と腋窩が検査される。男性及び女性両方に対して、腋窩のリンパ節が検査され、同様に手、上腕、肩、頸部、及び顎の関節の動きが検査される。
続いて、一般に患者が横になった状態で、胸が触診され、しこりが検査される。胸及び肺の前方が触診及び打診を用いて検査され、内部の呼吸音が再度確認される。次に、心拍数及び心臓の鼓動が聴診器によって調べられ、頸部の血管が観察され触診される。
また、下半身は、肝臓、膵臓、腎臓、及び大動脈を含む内臓の検査のために腹部を浅く及び深く触診することによって検査される。直腸及び肛門は指診によって検査することができ、前立腺は触診することができる。生殖器官が検査され、この区域はヘルニアについて調べられる。男性は陰嚢が触診され、女性は通常骨盤検査が膣鏡診及びPapテストを用いて行われる。脚は、腫脹があるか調べられ、膝、大腿部、及び足区域の脈が調べられる。鼠蹊部はリンパ節の状態が触診され、関節及び筋肉も観察される。筋骨格系についても、背骨の真直度及び脚及び足の配列を確認するなどして検査される。血管についても、通常脚に生じる異常な肥大静脈について調べられる。
一般的な健康診断士は、患者の敏捷性と知能の評価を含む。また神経系も、ステップ又はホップのような簡単な身体動作を患者に行わせることによって、膝及び足の反射神経を調べるなどして神経系スクリーニングによって調べることができる。眼、顔、顎の筋肉などのような幾つかの反射機能も確認することができ、同様に全体的な筋の緊張及び強調性も調べることもできる。
病歴
病歴情報は一般に、質問票から収集され、医療施設に患者を登録すると完成される。以下に示されるように、本技術の態様によると、このような情報は患者の来院の前にデジタル化することができ、追加情報もまた、患者の来院前又は来院中に収集することができる。情報は通常、保険業者、及び患者を診察或いはケアしたことのある一次診療医、専門医、及び同様のものを含む特筆すべき又は最近の開業医の名前と住所又は電話番号に関するデータを含むことができる。患者に生じている症状及び病態又は事象を含む現在の病状が一般に重要である。糖尿病、高血圧、慢性又は急性の疾病及び疾患などの状態が特に重要である。名称、服用した場合の用量、処方した医師名、副作用などを含む現在の投薬も記録される。最後に、自然物質及び合成物質に対するアレルギー反応を含む、患者に既知の現在のアレルギー反応が記録される。
また病歴情報は、過去の病歴、患者の小児期までさかのぼる医療情報、予防接種記録、妊娠、重要な短期の疾患、長期病状などを含む。同様に、病状及び医療事象に対する潜在的な素因の一般的指標を提供するために、患者の家族の病歴が記録される。麻酔及び特定の侵襲的処置に関する情報と共に、大小両方の手術の際の入院滞在、及び救急処置室への来院を含む、入院も記録される。
病歴データはまた、患者に生じた病状の一般的な背景を提供する重要な又は最近の血液検査などの他の医師及び情報源からのデータも含むことができる。フィルムベースの画像の形態のような類似の情報も、このタイプの背景情報を提供するために探すことができる。
また、患者によって提供される情報には、患者の一般的な社会的履歴及びライフスタイルに関する幾つかの情報も含むことができる。これらは、アルコール又はタバコの消費量、食生活、運動、スポーツと趣味、などのような習慣を含むことができる。現在又は最近従事した職業又は仕事を含む職歴、特に、有害な仕事、危険な仕事、或いは緊張の多い仕事に関する情報は、重要とすることができる。
精神病理学、心理学的履歴、及び行動試験
患者の精神医学的病歴は、特に、治療可能又は識別可能な精神状態の症状又は素因に関係する場合に重要なものとすることができる。具体的には、精神科医は、広範囲な精神科的症状をコントロールするために薬物を提供することができる。またほとんどの精神科医が、患者、並びに必要に応じてカップル、グループ、及び家族に対して心理療法及びカウンセリング業務を提供する。更に精神科医は、電気ショック療法(ECT)を施すことができる。精神科医は、精神分析医よりも深刻な精神疾患を有する個人を治療し、臨床目的で入院ベースに基づいて患者を扱う可能性が高い。精神医学的病歴は、外来診療前又は外来診療の際の質問票などで極めて一般的に求めることができ、或いはより広範囲の質問又は試験から求めることができる。
心理学的履歴は、精神医学的病歴とは全く異なり、患者が求めるケアの特定の関心事に応じて決まる場合がある。具体的には、精神分析医によって提供される業務は、通常精神分析医の訓練に応じて異なり、精神分析医の中には、個人、グループ、カップル、及び家族に対して心理療法及びカウンセリングを提供する。精神分析医はまた、通常、心理テストの実施、採点、及び解釈の訓練をされている。このようなテストは、知能、性格特性(例えば、カーシーの気質分類(Keirsey Temperament Sorter)、マイヤーズ・ブリックス・タイプインディケーター(Meyers−Briggs Type Indicator))、関係要因、脳の機能障害、及び精神病理学を含む種々の心理的要因を評価することができる。また、神経心理士は、脳損傷患者に認知再訓練を行うことができる。
行動試験は心理テストに幾分類似しており、認知行動障害又は単なる行動パターンを識別することができる。このような試験は、患者に観察される一定の行動に対する、精神病理学的、心理学的、或いは生理学的な根本原因を特定するために精神病理学的又は心理学的評価と共に提供することができる。必要に応じて、治療はカウンセリング又は薬物投与を含むことができる。
人口統計学的データ
患者から収集されたデータの幾つかは、患者を既知の特徴のあるグループ又は母集団と関連付けることを意図するものとすることができる。人間母集団の統計的調査は、一般に、特に特定の特徴を有する母集団の大きさ及び密度、分布、並びに人口動態統計に関する人口統計学的データを含む。通常記録することができる人口統計学的変数の中には、性別、年齢、人種、民族性、信仰している宗教、配偶者の有無、世帯人員、母国語、市民権、職業、平均余命、出生率、死亡率、教育レベル、収入、住民数、上水道及び下水設備、住居、識字率、失業率、有病率、及び健康リスク要因がある。以下に示されるように、本技術の態様によれば、このような人口統計学的データに少なくとも基づく本技術による自動化ベースのものを含む、患者固有の或いは患者に適合したフィードバック又はカウンセリングを提供することができる。
薬物使用
薬物使用に関する情報は、検査中に収集された一般情報と同様、一般的には特に重要である。このような情報は、合法及び違法薬物、処方薬、市販薬などの使用を含む。また特定物質は、一般的には患者によって薬とみなされないが、ビタミン、栄養補助食品、アルコール、タバコなどを含むこうしたカテゴリーで記録することができる。
食物摂取
食事及び薬物に関して患者から一般的に収集された情報に加えて、患者の状態に応じて特定の食物摂取情報が重要な場合がある。このような情報を利用して、患者の特定の状態又は身体全体の健康に対処するために特定の栄養カウンセリングを提供することができる。また、食物摂取情報は一般に、患者の身体活動、民族又は文化的背景、並びに家庭生活と食事パターンに関する情報を含む。また、食物及び摂食に対する欲求及び態度に関する特定の情報が記録され、患者と話し合うことができる。特定のアレルギー反応、過敏症、及び食物回避は、患者に生じる既知及び未知の症状に対処するために特に重要である。同様に、歯科及び口腔衛生、胃腸障害、及び慢性疾患の問題は、食物摂取又は類似の問題のクライアントのカウンセリングの際に重要となる可能性がある。食物摂取情報はまた、特定の薬物或いは患者には既知の知覚している食事上又は栄養上の問題に対処することができる。以前及び最近の経験した有意な体重変化に関する事項もまた特に重要である。
患者から収集又は検出された情報に基づく食物摂取に関して、幾つかの評価を行うことができる。このような評価は、身体計測データ、生化学的評価、体格指数データ、及びカロリー必要量を含むことができる。同様に、更なるカウンセリング及び診断の目的で、患者の身体計測データから理想体重及び健常時の体重の情報を計算することができる。
環境要因
患者の状態及び幾つかの状態の素因を調べる際には、種々の環境要因が特に重要である。人口統計学的情報と同様に、環境要因は、はるかに捕らえにくく識別するのが難しい潜在的な状態の評価を助けることができる。典型的な環境要因は、ごく一般的な生活上の出来事、運動、及び同様のものを含むことができる。更に、大気汚染、オゾン層破壊、農薬、気候、電磁放射レベル、紫外線暴露、化学物質暴露、アスベスト、鉛、ラドン、又は他の特定の暴露、及び同様のものを含む、特定の患者或いは患者の生活環境についての情報を記録することができる。このような情報は、フッ化物に関係する歯と骨の問題、揮発性有機化合物(例えば、ベンゼン、四塩化炭素、及び同様のもの)に関係する潜在的な癌の関連性、バクテリア及びウィルス(例えば、大腸菌、ランブル鞭毛虫症、及び同様のもの)に関連する胃腸病及び他の問題、及び無機物(例えば、アスベスト、水銀、硝酸エステル、及び同様のもの)に関係する癌、肝臓障害、腎臓障害、及び神経系障害の期間といった、母集団情報又は既知の関係データに関連付けることができる。
肉眼病理学
肉眼病理学は、一般に、主要な人間系の構造及び機能についての情報に関する。このような系は、骨格系、内分泌系、生殖器官、神経系、筋系、泌尿系、消化器系、及び呼吸器系を含む。このような肉眼病理学情報は、特定の問診又は検査で収集することができ、或いは上述の健康診断又は患者履歴データの収集プロセスなどの他の一般問診と共に収集することができる。更に、肉眼解剖学情報の幾つかの態様は、参考テキスト、死体解剖、可視化人体画像プロジェクト(Visible Human Project)のような擬人化データベース、及び同様のものから収集することができる。
非生物学的モデルからの情報
非生物学的モデルからの情報もまた、患者の状態を評価し診断する際に特に重要とすることができる。またこの情報は、患者ケアの総合的な管理において特に重要である。資源のこの一般カテゴリーに含まれる情報は、健康保険情報及びヘルスケアファイナンシャル情報を含む。更に医療施設では、運営、ワークフロー、及び人的資源の細心の管理を含む適時ベースでの十分な患者ケアを提供するために莫大な量の情報が必要である。また、患者に居住形態を提供する施設では、データは、給食、病院のファイナンシャル情報、及び患者のファイナンシャル情報のような項目を含む必要がある。患者固有の情報の多くは、施設により一般患者記録に蓄積することができる。
全体的な運営に役立つ施設向けの他の特定の情報は、その施設単独のビジネス関連の態様の情報、或いは他の関連施設との共同の情報を含むことができる。この情報は、病院の地理的位置、診療所のタイプ、診療所の規模、診療所又は診療部門又は医師の専門性、及び同様のものを示すデータを含むことができる。また患者教育材料は、このグループにおいて特に重要であり、以下に更に詳細に説明するように、個々の患者向けに適合させることができる。最後に、医師の紹介状及び医師のニーズ及び好みを含む、医師との関係に関する情報もまた、資源のこのカテゴリーにおいて特に重要とすることができる。
処理及び分析
データ処理システム10によって行われる上述の処理及び分析機能は、処理のベースとなるデータ、要求される分析のタイプ、及びデータ出力の目的に応じて多くの形態を取ることができる。しかしながら特に、処理及び分析は、統合知識ベース12を併用して種々の資源からの広範囲のデータに対して行われるのが好ましい。種々のモダリティ及び資源のタイプの中では、処理及び分析を行うための幾つかのシナリオを想定することができる。これらは、シングルモダリティ医療システム又は資源、シングルタイプマルチモダリティの組み合わせ、及びマルチタイプ−マルチモダリティ構成に基づいて行われる分析を含む。更に上述のように、種々のコンピュータ支援処理、収集、及び分析モジュールは、1つ又はそれ以上のモダリティ及びタイプのシナリオで用いることができる。以下は、本システムによって収集され記憶されるデータを使用するための、モダリティベース、タイプベース、及びコンピュータ支援処理ベースの手法の幾つかの例示的な実施形態の説明である。
モダリティ及びタイプ
シングルモダリティ医療システムでは、臨床医が患者データの一連の事象を開始する。事象は、上述のような収集モジュール、処理モジュール、分析モジュール、記録モジュール、及びアーカイブモジュールなどの種々のモジュールに分けられる。従来的な方法では、報告書が担当臨床医に戻る。
本技術では、幾つかのデータオペレーションタスクを行うためにコンピュータ処理を導入することができる。一般に本説明では、このようなオペレーションを行うためのアルゴリズムは、データオペレーティングアルゴリズム又はCAXアルゴリズムと呼ばれる。現在企図される各CAXアルゴリズムとその相互作用及び統合について更に説明するが、この点に関しては、幾つかのこのようなアルゴリズムは、コンピュータ支援収集アルゴリズム(CAA)、コンピュータ支援処理アルゴリズム(CAP)、コンピュータ支援検出アルゴリズム(CAD)を含むものを一般的に指すものとする。実装されるソフトウェアはまた、全体的なワークフローを管理する働きをし、現時点或いは前の時点での同じモジュールの知識からの各段階のパラメータ、及び/又は現時点又は前の時点での他のモジュールからのデータを最適化する。更に図1に示されるように、知識ベース12が新しいデータで生成/更新され、本質的には種々のコンピュータ支援モジュールを駆動する。従って、知識ベース12の生成及び更新は、シングルモダリティユニットを実施するためのコンピュータ支援方法とリンクされる。CAA、CAP、CADモジュール86、88、90(図5を参照)を含むCAXモジュールと知識ベース12の詳細は以下に示される。更に、これらのモジュールの各々は、所与の臨床的な質問について特化することができる点に留意されたい。従って、同じ臨床的質問が、例えば複数の収集、或いは異なる時点での複数の処理及び複数の分析を必要とする場合、本技術は、データの時間的態様に対処するように一般化することができる。
本明細書でのシングルタイプ−マルチモダリティ医療システムは、図8の縦列のいずれかからなることができる。図7では、N個の異なる時点でのM個のモダリティを考慮した、時間属性を有するシングルタイプ−マルチモダリティシステムの概略図が示されている。当然、シングルモダリティの全ての属性もまた、マルチモダリティ関連でのモダリティのいずれにも適用可能であり、概略図は単にマルチモダリティ間の対話を強調している。図6及び7では、データの収集、処理、及び分析を最適化するような、各タイプ内での対話も明らかになっている。データの時間属性に基づき、収集、処理、及び分析モジュールを修正するような、医療事象の時間的な態様も本明細書では考慮される。以下に説明されるように、論理エンジン24(図5を参照)、或いはより一般的には処理システム10は、知識ベース12を使用するモダリティ間のデータの収集、処理、及び分析を最適化するために規則を使用することができる。
マルチタイプ−マルチモダリティ医療システムは、基本的に図8に要約されたタイプ及びモダリティを含む利用可能な資源の全範囲をカバーすることができる。図6には、種々の時点を考慮した場合の時間属性を有するマルチタイプ−マルチモダリティシステムが示されている。上記のように、シングルタイプ−マルチモダリティシステムの属性の全てがそのタイプのいずれにも適用可能であり、この概略図は、マルチタイプとマルチモダリティとの間の対話を強調している。マルチタイプ−マルチモダリティの関連では、種々のタイプのモダリティ間の対話を用いて、データの収集、処理、及び分析を最適化することができる。この場合も、マルチタイプからの医療事象の時間的態様は、データの時間的な属性に基づく収集、処理、及び分析モジュールを修正するために考慮及び使用することができる。論理エンジン24、及びより一般的には処理システム10は、知識ベースを使用するモダリティ間のデータの収集、処理、及び分析を最適化するために規則を使用することができる。システム10は、CAXモジュールのような、或いはCAA、CAP、CADモジュール86、88、90のような幾つかの特定のモジュールで示されるようなツール又はモジュールからのデータ、及び知識ベース12からのデータを使用し、次いで知識ベース12の一部とすることができる関係を設定する。
任意の適切な処理アルゴリズム及びプログラムを用いて、本技術の統合知識ベース法の利点を得ることができ、利用可能なプログラムのタイプの幾つかの適合及び統合をこの目的のために行うことができる。上述のように、医療関連データを分析するための例示的なコンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズム及びモジュールは、コンピュータ支援診断モジュール、コンピュータ支援収集モジュール、及びコンピュータ支援処理モジュールを含む。本技術は、高レベルの統合が提供されることにより、このようなアルゴリズムを開発し、改良し、更に実装する機能を大いに強化する。アルゴリズムの性質及びオペレーション、並びに本技術の態様によるこれらの対話及び接続に関する詳細は以下に示される。
統合知識ベース
上述のように、本技術で用いられる統合知識ベースは、任意の望ましいネットワークリンクを介して互いにリンクされた1つ又はそれ以上の場所において、1つ又はそれ以上のメモリ装置からなる高度に統合された資源とすることができる。統合知識ベースは更に、通常は幾つかのイメージングシステムの場合であるように、資源自体などのクライアント構成要素上にメモリ装置を含むことができる。限定された実施形態において、統合知識ベースは、極めて少数のこのような資源を組み合わせることができる。より大きな実施形態、或いは実施形態が経時的に拡大される場合、データと資源との間の更なる統合及び相関性を形成することができる。本検討全体を通して述べられるように、資源のいずれか及び全ては、データのユーザとして機能するだけではなく、要求される場合にデータを供給することもできる。
本発明で企図される統合知識ベースは、生データ、並びに処理中のデータ、処理済みデータ、レポート、集計データ、タグ付きデータなどを含むことができる。最小の実施形態では、統合知識ベースは、生データのサブセット又は生データの基礎を含むことができる。しかしながら、より好ましい実施形態では、統合知識ベースは、このような生データベースの上位セットであり、更に、フィルタリングされたデータ、処理されたデータ、或いは大きさが縮小されたデータ、臨床事象の規則に関するようなエキスパートの意見情報、症状又は他の入力と病気又は治療の検討事項又は他の出力に基づくような予測モデル、関係、相互接続、傾向などを含む。本検討全体を通して述べられるように、統合知識ベースのコンテンツは、妥当性が検査され及び検証され、並びに知識ベースに存在する知識を提供又は利用する種々のメモリ装置間で同期させることができる。
一般に、本発明で企図される統合知識ベースは、科学的証拠に基づいた医療を医療の一般的な方法及び医療施設全体にシームレスに統合することができる。すなわち統合知識ベースは、臨床医又はユーザ、並びにデータを提供し且つ実装された種々のアルゴリズムプログラムでデータを利用する関連の臨床及び非臨床団体が頭の中に保持する豊富な専門知識及び経験を増やすよう機能する。また、本検討全体を通して述べられるように、統合知識ベースは、生データベース、データ資源、及び管理可能且つ規定可能な資源を収容するように事実上分配及び連合させることができる。
知識ベース生成の本発明の手法は、特定の臨床事象の代表的データを収集し、データを調べるために専門エキスパートパネルをセットアップし、該エキスパートを使用して種々の有効なグループにデータを分類し、更にエキスパートの所見を幾つかの参照標準技術で裏付けることである。例えば、放射線画像からの肺結節決定の画像知識ベースを生成するために、エキスパートパネルは、結節の微妙さの程度の観点から画像を分類し、放射線所見を生検によって裏付けることができる。本技術では、このような方法は、臨床的適合性の所与のデータの第1の基本ステップとしての役割を果たすことができる。しかしながら、分類プロセスは、専門エキスパート及び補助方法によって提供される属性に基づいて自動化することができる。1つの実施形態では、任意の臨床データを、種々の意図する目的の要求に応じて検索できるように自動的に分類され索引付けすることができる。
論理エンジン
論理エンジンは本来、システムによって行われる種々の機能を調整する規則を含む。このような調整は、知識ベースのデータへのアクセス及び記憶、並びに特徴検出、診断、収集、処理、及び決定サポートなどに関しての種々のコンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズムの実行を含む。論理エンジンは、規則ベースとすることができ、教師あり学習又は教師なし学習システムを含むことができる。一例として、論理エンジンによって行われる機能は、データトラフィック制御、処理の初期化、資源へのリンク付け、接続性、処理の調整(例えば順序付け)、及びアクセス制御のような幾つかのアクティビティの調整、構成要素の「ハンドシェーキング」、インターフェース定義などを含むことができる。
時間処理モジュール
本技術の1つの態様によれば、シングルモダリティデータ上での時間的変化分析を単に実施する段階を伴う。この結果は、時間的変化データ及び現在のデータを横に並べて表示することによって、或いは現在のデータ上に時間的な結果を融合させて時間的変化を強調することによりユーザに提示することができる。別の方法は、少なくとも1つのモダリティのデータと別のモダリティからのその時間的対応データを使用して時間的変化分析を行うことである。更に別の方法は、問題の病状を完全に特徴付けるように複数タイプのデータ上で時間的分析を行う段階を含むことになる。
時間的な処理は、通常、以下の一般的モジュール:収集/記憶モジュール、セグメント化モジュール、位置合わせモジュール、比較モジュール、及びレポーティングモジュールを含むことができる。
収集/記憶モジュールは収集された医療データを含む。時間的変化分析では、記憶装置からのより早い時点に対応するデータにアクセスする手段が備えられる。以下の説明では表記を簡単にするために、2つの時点t及びtのみを説明するが、一般的な手法では、収集及び時間シーケンスでの任意のタイプの医療データに拡張することができる。セグメント化モジュールは、関心のある特徴、ボリューム、領域、ライン、及び/又はポイントを分離するための、自動又は手動的手段を提供する。実際に関心のある多くの事例では、全データをセグメント化モジュールの出力とすることができる。位置合わせモジュールは、本質的に異なる医療データの位置合わせ方法を提供する。幾つかの実施例は、このポイントの例証に役立つことができる。
シングルモダリティ医療画像の事例において、時間的変化分析用の関心領域が小さい場合には、並進、回転、拡大、及びシャーリングを含む剛体位置合わせ変換は、t1及びt2からの画像ペアを位置合わせするのに十分とすることができる。しかしながら、ほぼ画像全体を含むように関心領域が大きい場合には、変形変換、弾性変換を適用することができる。変形位置合わせを実施する1つの方法は、複数スケール複数領域ピラミッド手法を使用するものである。この方法では、変化を強調する異なるコスト関数をスケール毎に最適化することができる。画像は、所与のスケールで再サンプリングされ、次に複数領域に分割される。別々のシフトベクトルが種々の領域で計算される。シフトベクトルを補間して平滑シフト変換を生成し、これを適用して画像を変形させる。画像は再サンプリングされ、所定の最終スケールに達するまで、次に高いスケールで変形位置合わせプロセスを繰り返す。
マルチモダリティ医療画像の場合、相互の情報を最大にすることで、剛体位置合わせ及び変形位置合わせを行うことができる。幾つかの医療データでは、どのような空間位置合わせも行う必要がない場合がある。このような場合、データはシングルスケール値又はベクトルとなる。
比較モジュールは、異なる医療データの比較の方法を与える。例えば、位置合わせされた画像比較は、幾つかの方法で行うことができる。1つの方法は、差分画像を生成するために2つの画像を差し引く段階を必要とする。もしくは、2つの画像S(t1)とS(t2)を強化分割法を使用して比較することができ、これは[S(t1)S(t2)]/[S(t2)S(t2)+Φ](ここでスカラー定数Φ>0)で記述される。シングルスカラー値の場合、医療事象の時間的傾向は、正常及び異常の場合の既知の傾向に対して比較することができる。
レポートモジュールは、ユーザが時間的比較の結果を視覚化及び/又は定量化するための表示及び定量化機能を提供する。実際には、ユーザは、分析に利用可能なデータの全てを使用することになる。医療画像の場合、幾つかの異なる視覚化法を用いることができる。時間比較の結果は、ある予め指定された基準に基づく論理演算子を用いて同時表示されるか又は互いに重ねることができる。定量的比較では、カラールックアップテーブルを使用することができる。また結果として得られるデータは、自動パターン認識技術を用いて結合され、結果を更に定性的及び/又は手動/自動の定量的に分析することができる。
人工ニューラルネットワーク
人工ニューラルネットワークの一般的な概略図が図15に示され、参照番号202によって示されている。人工ニューラルネットワークは、幾つかのユニット及びこれらの間の接続部から成り、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって実施することができる。ニューラルネットワークのユニットは、一般的に、図15に示されるようにその機能に応じて、3つのタイプの異なるグループ(層)の範疇に分けることができる。第1層、すなわち入力層204は、入力パターンを表すデータのセットを受け付けるよう割り当てられ、第2層、すなわち出力層208は、出力パターンを表すデータのセットを提供するよう割り当てられ、任意の数の中間層、すなわち隠れ層206は、入力パターンを出力パターンに変換する。各層のユニットの数は任意に決定されるので、入力層と出力層は、解決されるべき問題の入力パターン及び出力パターンそれぞれを表すのに十分な数のユニットを含む。ニューラルネットワークは、事象のオブジェクト又はクラスを区別するよう学習する計算方法を実施するのに使用されてきた。ネットワークは事象のオブジェクト又はクラスについての既知のデータの提示によって最初に訓練され、次に、事象の未知のオブジェクト又はクラスを区別するために適用される。
要約すると、ニューラルネットワーク202の原理は、以下のようにして説明することができる。0から1までの範囲の数によって表すことができる正規化入力データ210が、ニューラルネットワークの入力ユニットに供給される。次に出力データ212が、隠れ層208及び出力層210にある2つの連続する非線形計算(1つの隠れ層206の場合)によって出力ユニットから与えられる。入力ユニットを除く層内の各ユニットでの計算は、全ての入力数字の加重総和、幾つかのオフセット項の付加、及び通常S字関数を使用した0から1までの範囲の数への変換を含むことができる。特に図16に概略的に表示されるように、OからOのラベルを付けることができるユニット214は、入力又は隠れユニットを表し、WからWは、これらの入力又は隠れユニットからの各それぞれの出力に割り当てられた加重係数216を表し、Tはそれぞれの加重係数を乗算した出力の合計を表す。出力218、或いはOは、θがTのオフセット値を表す場合に、S字形関数220を使用して計算される。例示的なS字形関数は、式:1/[1+exp(−T+θ)]によって与えられる。加重係数及びオフセット値は、ニューラルネットワーク202の内部パラメータであり、これは入力及び出力データの所与のセットについて決定される。
2つの異なる基本プロセス、すなわちトレーニングプロセス及びテストプロセスがニューラルネットワーク202に包含される。ニューラルネットワークはトレーニング入力データと要求される出力データのペアを使用して、バックプロパゲーションアルゴリズムによって訓練される。ニューラルネットワークの内部パラメータは、ニューラルネットワークの実際の出力と要求される出力との間の差を最小にするよう調整される。入力及び出力データの同じセットに対するランダムシーケンスでのこの手順の反復により、ニューラルネットワークはトレーニング入力データと要求される出力データとの間の関係を学習する。十分に訓練されると、ニューラルネットワークはその学習経験に従って異なる入力データを区別することができる。
エキスパートシステム
人工知能(AI)の分野での研究成果の1つが、より高レベルの抽象化での情報のモデリングを可能にする技術の開発であった。これらの技術は、言語又はツールにおいて具現化され、これによりプログラムをその実行において人間の論理に密接に類似して構築することができ、従って開発及び維持がより容易になる。明確な問題領域での人間の専門知識を真似るこれらのプログラムは、一般にエキスパートシステムと呼ばれる。
問題に知識を適用するエキスパートシステムの構成要素は、推論エンジンと呼ばれる。4つの基本制御構成要素、すなわちマッチング(現在の規則を与えられたパターンと比較する)、選択(最も適切な規則を選択する)、実装(最適規則の実装)、及び実行(結果として得られる動作を実行する)が、推論エンジンで一般的に識別することができる。
所与の領域で問題を解決するエキスパートシステムを構築するために、知識エンジニア、AI言語のエキスパート及び表現は、領域関連の文献を読むことによって問題点及び用語に詳細に精通することに着手する。そこで基礎として、知識エンジニアは、これらの知識を「収集する」ために1つ又はそれ以上の専門エキスパートとの広範囲にわたるインタビューを保持する。最後に、知識エンジニアは、これらのインタビューの結果を編成して、これらをコンピュータが使用できるソフトウェアに翻訳する。インタビューは通常、これらの段階のいずれに対しても多くの時間及び労力を要する。
規則ベースのプログラミングは、エキスパートシステムを開発するために最も一般的に使用される技術の1つである。他の技術は、データ間の関係を推論するために、ブール論理ではなくファジーメンバーシップ関数及び規則の集まりを使用するファジーエキスパートシステムを含む。規則ベースのプログラミングパラダイムでは、規則は、所与の状況で行われることになる動作のセットを指定するヒューリスティックス又は「経験則」を表すのに使用される。規則は一般的に、「if」部分と「then」部分とから構成される。規則の「if」部分は、規則を適用できるようにする事実(又はデータ)を規定する一連のパターンである。事実をパターンに一致させるプロセスは、一般にパターンマッチングと呼ばれる。エキスパートシステムツールは、事実をパターンに対して自動的に一致させ、最も適切な規則を選択する推論エンジンを提供する。事実に対して変更が加えられるときは必ずパターンマッチングが起こるので、規則の「if」部分は、実際には規則の「whenever」部分と考えられる。規則の「then」部分は、規則を適用できる場合に実装されることになる動作のセットである。適用可能な規則の動作は、推論エンジンが実行を開始するよう命令されるときに実行される。推論エンジンは規則を選択し、次に選択された規則の動作が実行される(これは事実を付加又は除くことによって適用可能な規則のリストに影響を与える可能性がある)。次に推論エンジンは、別の規則を選択し、その動作を実行する。適用可能な規則が無くなるまでこのプロセスが続く。
処理関数及びストリングの開始
本明細書で使用される用語「処理ストリング」は、収集、分析、操作、拡張、生成、或いは統合知識ベース内のデータを修正又は導出するために行われるコンピュータベースの活動に広く関係することを意味する。処理は、患者固有の臨床データの分析を含むことができるが、これに限定されない。処理ストリングは、このようなデータ、或いは非臨床的データに基づいて動作できるが、一般的にはこの両方に基づいて動作することになる。従って処理ストリングは、データの収集(収集の開始及び収集の終了の両方、及び収集セッティング及びプロトコルの設定、或いは収集が要求されるか望ましいかの通知)のための活動を含むことができる。
ユーザが開始する処理ストリングは、例えば、心臓CTデータ内で見られる場合がある石灰化を識別するためのコンピュータ支援検出ルーチンの開始を含むことができる。この処理ストリングが進む間、更にシステムは、要求されたルーチン及び他の資源からの利用可能なデータに基づいて、要求されたデータ分析とコレステロール検査結果との可能性のある関係を分析するために、統合知識ベースからのコレステロール検査結果を取り出す処理ストリングを自動的に開始することができる。逆に、コレステロール検査結果の分析が要求され或いは開始される場合、システムは、関係する状態の評価又は診断を支援するイメージングを行うユーティリティを検出し、ユーザ(又は異なるユーザ)に相補的評価の基礎を形成する画像の収集を予定する必要性又は望ましさを伝えることができる。
処理ストリングを開始できるユーザには、生データ及び処理済みデータに対して多様な必要性及び用途を有する広範囲の人々を含むことができる点に留意されたい。これらは、例えば、画像内のデータ及び画像から導出されたデータを要求する放射線科医、保険金請求に関する情報或いはこれをサポートする情報を要求する保険業者、患者の病歴情報を必要としている看護師、処方せんデータにアクセスする薬剤師などを含むことができる。またユーザは、診断情報又は自己の記録にアクセスする、患者自身を含むことができる。データ状態の変化に基づく開始は、実際のデータ自体に基づくことができるが、新しいワークステーションとのデータの動き、データのアップロード又はダウンロード、及び同様のものに依存することもできる。最後に、システム開始処理ストリングは、単純なタイミング(定期的な間隔などの)に依存し、或いはパラメータ又は資源の相対レベルなどの要因に依存してもよい。また、既存のデータを探索して新規に利用可能な処理が認識されていない状態を識別するのを支援できるかどうかを判断するために、新しいプロトコル又はルーチンが利用可能になるときにシステム開始処理ストリングを開始することができる。
上述のように、データ処理システム10、統合知識ベース12、及び連合データベース14は全て、互いに通信して、利用可能な多様な資源からの種々のタイプのデータのアクセス、翻訳、分析、及び処理を提供することができる。図17は、同様に本技術のこの特徴を示し、臨床医及び医師などのユーザに提供されるインターフェース8を強調している。インターフェース8は、データ処理システム、統合知識ベース、及び連合データベースを含む、システムの種々の資源へのアクセスを可能にし、一般的には広範囲のインターフェースタイプ及びシステムが可能である。特に、図17の参照番号222によって概略的に示されるように、インターフェース8を含む「非連合」インターフェース層は、単一の医療施設、或いは互いに地理的に離れて配置された広範囲の異なる医療施設における一連の異種及び異なるインターフェース構成要素を含むことができる。更に、インターフェースの基本オペレーティングシステムは同じである必要はなく、本技術は、インターフェースの種々のタイプが一元化されて非連合インターフェース層に別々に構成され、それにもかかわらずデータ処理システム、統合知識ベース、及び連合データベースの1つ又はそれ以上と通信することができることが企図される。特に、統合知識ベースと連合データベースとが備えられる場合、これらは、HTML、XML、及び同様のものを含む上述の標準プロトコルの使用などにより、インターフェースの種々のタイプを層内に収容することができる。またインターフェース層は、統合知識ベース、データ処理システム、又は連合データベースの自動クエリー又は使用を促すクエリーを可能にする。特に、場合によってはユーザは、クライアントデータの入力又は出力、クレームのファイリング、データ収集シーケンスの指示、薬物治療などの管理によって、ワークステーションに実装されたプログラムが実行するクエリーに気付かない可能性がある。
インターフェース層と、該インターフェース層及びデータ処理システムに含まれるプログラミングは、一連のトリガ事象に基づいて広範囲の処理機能を実行することが可能である。これらの事象は、ユーザ要求と共に開始され実行される場合があり、或いは種々の他の方法で開始することができる。図18は、この方法で行うことができる開始及び処理機能の幾つかを概略的に示したものである。
図18に示されるように、種々の開始ソース224は、上述の資源及び知識ベースからのデータ収集、処理、及びデータの分析を開始するためのものとみなすことができる。開始ソース224は、1つ又はそれ以上のデータ処理システム、統合知識ベース、及び連合データベース内、又は更に、管理可能且つ規定可能な資源及びデータ資源を含む資源内に記憶されたルーチンに従って、図18の参照番号226で一般的に示されるような処理を開始する。特定の処理は、上述のように記憶することができ、単一のコンピュータシステムは、データ処理システムに含まれ、或いは互いに協同する種々のコンピュータシステムによって分散されて、データ処理及び分析を行う。処理の開始に続いて、処理ストリングが、図18の参照番号228で一般的に示されるように実行される。これらの処理ストリングは、ケア提供者に患者ケアの高度な見識を提供し、臨床及び非臨床データを含む患者ケアに必要とされるデータを処理し、ケア提供施設の機能を拡張し、患者データ内の傾向又は関係を検出し、更に一般的な発見及び将来の使用のための関係のマイニングを行うように一般的に設計された広範囲の処理及び分析の機能を含むことができる。
本技術は、一連の開始資源224がシステムによって実行されるルーチンに従って、処理及び分析機能を開始することができることを企図する。特に、ユーザ開始ソース230、事象又は患者開始ソース232、データ状態変更ソース234、及びシステム又は自動開始ソース236を含む開始ソースが、図18に示されている。臨床医、医師、保険業者、診療所又は病院の勤務者、管理又はスタッフユーザなどのユーザが、統合知識ベース又は上述の種々の統合資源を利用する要求を開始する場合に、処理ストリングを開始することができ、統合知識ベース内に既に記憶されていた情報、或いは1つ又はそれ以上の種々の資源内のデータを位置付け、アクセスし、更に処理することによってアクセス可能な情報を要求する。一般的な設定では、ユーザは、クエリー又は他の機能が行われるワークステーションでこのような処理を開始することができる。上述のように、クエリーはユーザに明らかであるか、或いはワークステーションで実行される機能に固有のものとすることができる。
別の企図される開始ソースは、図18の参照番号232で示されるような事象又は患者である。一般に、多くの医療的な相互作用が、医療施設又は開業医との接触を生じる特定の症状又は医療事象で始まることになる。患者又は患者と対話する臨床医によるこのような事象のロギングに応じて、患者記録へのアクセス、患者記録の更新、症状に関する詳細の収集、及び以下に更に詳細に説明されるものなどの一連の双方向ステップを含む処理ストリングを開始することができる。患者開始処理ストリングへの事象は、従来利用可能ではなく、本明細書では高度に統合された処理を行うのに使用される場合、最新の医療サービス提供を推進するタイプの事象に一般的に類似したものとすることができる。
データ処理システム10は、一般的に、新しいデータが利用可能になった時点を検出するデータのまさにその状態(静的な又は変化している)を含む、広範囲のデータパラメータをモニタすることができる。新しいデータは、患者記録の更新、新しい情報へのアクセス、種々の管理可能且つ規定可能な資源、及びデータ資源とのデータのアップロード又はダウンロードなどによって利用可能になることができる。要求される場合、データ処理システムによって実行されるプログラムは、データの状態のこのような変化に基づく処理を開始することができる。一例として、患者記録が、臨床又は非臨床データの最近の患者接触又は利用度によって更新されたことを検出すると、処理ストリングは、次の動作、通知、レポート、或いは検査が適切であるかどうかを判断することができる。同様に、データ処理システムによって実行されるプログラムは、図18の参照番号236で示されるような一定の処理を自動的に開始することができる。このようなシステム開始処理は、所定の時間間隔のようなルーチンベースで、或いは、在庫管理レベル、新規に利用可能なデータ又はデータ間の関係の識別などのような種々のシステムパラメータのトリガで実行することができる。
本技術の高度に統合された手法の特に有効な態様は、処理の開始ソースにかかわらず、種々の処理ストリングが生じ得る点に帰する。図18に一般的に要約されるように、例えば処理ストリング228は、図の種々の開始ソースと一般に整合されているが、他の開始ソース及び実行プログラムから生じることができる。例えば、ユーザ又は関連ストリング238は、ユーザ開始処理事象に正確に応答し、又はユーザがシステムにアクセスする特定の関連と連動して、処理された情報にアクセスして戻す処理を含むことができる。しかしながら、このような処理ストリングはまた、事象又は患者開始処理、データ状態変更、及びシステム開始処理から生じることができる。更に、特定のストリングの幾つかのタイプが種々のカテゴリー内で続く点に留意されたい。例えば、ユーザ又は関連ストリング238は、ユーザによって与えられた特定のクエリーに応じたデータを識別し戻すよう設計された、参照番号240で示されるような特定のクエリーベースの処理を含むことができる。もしくは、ユーザ或いは環境ベースのストリング242は、処理され戻されたデータがユーザ固有又は環境固有のものとなる可能性がある。このような処理ストリングの実施例は、臨床医又は医師、金融機関、及び保険会社の特定のタイプのような特定のユーザへの関心の分析のためのデータのアクセス及び処理を含むことができる。
開始ソース処理から生じることができる種々の処理ストリングの別の実施例として、事象ストリング244は、患者によって経験される医療事象、或いは過去に経験し、又は将来起こる可能性のある事象に固有の処理を含むことができる。従って、事象ストリング244は、ユーザ開始、事象又は患者開始、データ状態変更開始、或いはシステム開始から生じることができる。一般的な関連では、事象ストリングは、患者によって経験される医療事象又は症状のプロセスを単純にたどって、情報にアクセスし、その情報を処理し、更にその処理に基づいて提案又は診断を提供することができる。上述のように、提案は、自動的及び手動支援の両方による、付加的な処理又は分析の実行、付加的な情報の収集などを含むことができる。
また、一般検出ストリング246は、種々の開始ソースによって開始することができる。本明細書では、一般検出ストリング246は、ユーザ、事象、患者、データ状態変更、或いはシステムによって明確に要求されなかった関係データ又は関係を識別するよう設計された処理段階を含むことができる。このような一般検出ストリングは、データ処理システム又は統合知識ベースによって識別された関係に従って新しいデータを関連付けることができる。従って、患者又はユーザが、関係又は潜在的相関関係の特に要求される検出を持たない場合、データ処理システム10によって実行されるプログラムは、それにも関わらず比較及びグルーピングを実行して、一般検出ストリング下で、リスク、可能な治療、ファイナンシャル管理オプション、及び同様のものを識別することができる。
最後に、システムストリング248として図18に示される処理ストリングは、本質的により一般的なものとすることができる。システムストリングは、種々の資源から利用可能なデータ間の関係を発見する目標で実行される処理とすることができる。これらの新しい関係は、認識可能な傾向又は相関関係、成功率又は失敗率の分析、患者ケアの結果の統計的な分析、及び同様のものに基づくような患者の診断又は治療の新しい方法を示すことができる。前記の実施例のように、システムストリングは、システムの自動開始、データ状態の変更と共に、新規に検出された医療事象の発生に応じて、或いは患者の開始によって、或いはユーザの特定の要求によって、などを含む種々の方法で開始することができる。
コンピュータ支援患者データ取り込み及び処理
本技術の1つの態様によれば、患者データの拡張処理は、統合知識ベース12内に記憶されたデータを有する患者からのデータ収集の調整及び直接処理によって提供される。本発明の目的では、統合知識ベース12が、種々の資源自体内の情報、或いはこのような生データの分析から結果として生じた処理情報を含むと考えることができる点を留意されたい。更に本明細書では、統合知識ベースは、施設内部及び単一の場所又は全く別の場所にある種々の施設内部の種々の場所に記憶することができるデータを含むものと考えられる。従って統合知識ベースは、種々の調整されたデータ収集及びリポジトリサイトを含むことができる。関連する例示的な動作を有する例示的な論理動作のクラス及び時間フレームが図19に一般的に示されている。
図19を参照すると、統合知識ベースに含まれる患者情報は、上述のモダリティのタイプ、更に一般的には種々の資源タイプ1つ又はそれ以上のいずれかから得ることができる。更に上述のように、患者情報は、種々のグラフィック情報、固有又は一般的にアクセス可能なデータベース、定期契約データベース、デジタル参照資料、及び同様のものといったデータ資源内で他の一般的に利用可能なデータと共にデータのこのタイプの分析から得ることができる。しかしながら、医師又は施設への訪問など、患者との接触と協働するときに該情報は特に有用である。図19の概略的な表示では、参照番号250で一般的に示される動作の種々の異なるクラスを、患者対話、システム対話、及びレポート又は教育タイプの動作のように論理的に分類することができる。これらの動作クラスは、一般的に、システム全体の入力、処理、及び出力として更に考えることができる。更に動作クラスは、オンサイト訪問のような患者接触を基準にすることによって発生するものと考えることができる。この意味で、動作は一般的に、参照番号252で示されるような来院又は接触の前に起こるもの、参照番号254で示されるような接触中に起こるもの、及び参照番号256で示されるような接触後の動作に分類することができる。
本技術において、対話のこれらの種々の段階である患者情報を収集することにより、統合知識ベースからの情報が、拡張診断、分析、患者ケア、及び患者指示を提供する際に極めて有用とすることができることが分かってきた。特に、患者接触又はオンサイト訪問の前のデータの収集及び処理について、幾つかの一般的なシナリオを想定することができる。
患者接触の前に収集することができる情報のタイプの実施例として、図19の参照番号258で示されるようなサブクラスの動作を実行することができる。一例として、患者来院の前に、患者接触又は医療事象(例えば来院の理由)の記録を取り込み、新しい又は継続の記録を開始することができる。このような開始は、患者の電話、ウェブサイト又は他のインターフェースに入力された情報、インスタント・メッセージ、チャット・ルーム・メッセージ、電子メッセージ、ウェブカメラを介した情報入力、及び同様のものによって開始することができる。記録に関するデータは、人的対話、或いは自動プロンプトによって、或いは非構造化質問票によっても入力することができる。このような質問票において、患者は音声、文字又はグラフィカルインターフェースからのプロンプティングによって主訴又は症状、医療事象、及び同様のものの入力を指示することができる。1つの例示的な実施形態では、例えば、患者はまた、身体の症候的な領域の選択などに関して人体の図形描写に応答することができる。
他の情報は、生物測定情報のように患者接触の前に収集することができる。このような情報は、データが患者記録に入力される前の患者識別及び/又は認証に用いることができる。更に遠隔バイタルサイン診断は、利用可能な場合には、患者入力或いは遠隔モニタによって収集することができる。データが音声レコーディングによって収集される場合、音声認識ソフトウェア又は同様のソフトウェアエンジンが後で分析するための主要医療用語を識別することができる。また必要とされる場合、特に緊急時において、患者の物理的位置を識別するために自宅又は職場の住所、携帯電話位置特定、コンピュータ端末位置特定、及び同様のものにアクセスすることができる。更に患者の保険情報へは、このような情報が既知又は利用可能である範囲内で患者による入力で照会することができる。
患者対話258に基づいて、患者来院又は接触の前に種々のシステム対話260を行うことができる。特に患者固有のデータが収集されるときは、データは、患者情報の分析のための統合知識ベース(種々の資源を含む)からアクセスされる。従って、未だ手配されていない場合は来院の予約が適切であるかどうかを識別するためデータを関連付け、又は分析することができ、このような予約は、資源及び施設の利用可能性、患者の好み及び位置などに基づいて予定することができる。更にこのような予定された予約の緊急性を患者による情報入力に基づいて評価することができる。
分析、来院前のイメージング、及び臨床検査などに基づいて行うことができる種々の提言の中から、患者来院中又はその直後の効率的な診断及びフィードバックに必要とされる可能性がある最も適切な情報を提供するよう提言及び予定することができる。このような提言は、上述の種々のタイプの資源の1つ又はそれ以上、及び各資源内のモダリティの1つ又はそれ以上を必要とする場合がある。また種々の情報は、考えられる診断又は適切な質問の指標、及び患者来院中に集めることができる情報を提供するために、統合知識ベース内の情報と関連付けることができる。次にデータの全セットは、統合知識ベース内の患者履歴データベースを生成又は補足するために統合知識ベースにアップロードすることができる。
統合知識ベースへのデータのアップロードの結果として、種々のタイプの構造化データは、後でアクセス及び処理するために記憶することができる。例えば、最も関連のある取り込まれた患者データは、来院中及び来院後に、診察前に使用された手順に対する可能な提言を評価するために探索及び使用することができるクラス又はフィールドなどによって構造化形式で記憶することができる。次にデータは、患者の状態の変化の時間分析、傾向の識別、患者によって認識される症状の評価、及び患者によって認識されていない可能性があり且つ特には訴えてはいない状態の一般的評価について使用することができる。またデータは、潜在的に適切な実証的データ、人口統計学的リスク評価、及び医療事象及び病状の存在又は素因についての比較の結果及び仮説の分析を含むことができ、更にこれらを認識するために処理することができる。
システム対話に続いて、及びシステム対話の結果として、種々の出力タイプ機能をシステムによって実行することができる。例えば図19の参照番号262で示されるように、患者固有の提言は、患者接触の前に患者に伝えることができる。これらの提言は、接触或いは他の検査又は分析のための予約、このような処置に関する教育的情報、処置の前に採り入れることになるプロトコル(例えば食事に関する提言、処方、来院の時期及び期間)を含むことができる。更に、患者情報は、患者に特化して合わせ又は適合させることができる。本技術の1つの態様によると、例えば、教育的な情報は、統合知識ベースで利用可能なテキスト情報に基づく好みの特定の言語及び患者記録において患者が指示する好みの言語に基づいて患者に伝えることができる。このような指示は更に、運転又は公共の交通機関の道順、連絡先(電話及びファクシミリ番号、ウェブサイトアドレスなど)のような詳細なデータを含むことができる。上述のように、動作は、検査及びデータ収集の指示及びスケジューリングを含むことができる。
来院前及びオンサイト訪問でシステムが行うことができる別の出力動作は、臨床医及び医師へのレポート又は提言を含むことができる。特に、レポートは、患者が経験する症状の適応及び名称、患者履歴情報収集、及びその他に基づく出力を含むことができる。またレポートは、画像の電子バージョン、コンピュータ支援処理(例えば拡張)画像、及びその他を含むことができる。更にこのような医師レポートは、提言、或いは特定の診断を絞り込むか又は除外するために来院中に行われるべき検査又は情報の優先リストを含むことができる。
図19に要約されたプロセスは、参照番号264で示されるようにオンサイト訪問のような接触中の患者との対話によって収集される情報に関して継続する。この本実施例では、接触の時間に収集される情報は、患者識別及び認証のために再度使用することができる生物測定情報で始めることができる。従って来院は、患者がオンサイト登録されるか或いは来院前のオフサイト事前登録されるチェックインプロセスで始まる。この時間の間、来院前段階の間に設定された患者記録への自動アクセスなどの、調整されたシステム対話を行うことができる。次に、来院前に収集された情報に類似するか或いはこれを補足する追加情報を患者記録に入力することができる。患者の会話及び入力は、臨床医又は医師のインタビューの準備においてこのインタビュープロセス中に手動或いは自動で記録することができる。上記のように、音声データが収集される場合、音声認識エンジンは、診断又は治療を更に向上させるために統合知識ベース内の情報と関連付けることができる主要医療用語又は症状を識別することができる。ビデオデータは同様に、患者対話、精神状態又は身体状態、及びその他を評価するために収集することができる。このチェックインプロセス全体は、臨床医、看護師、又は医師との実際のインタビューの前に施設資源を最適に使用するために部分的又は完全に自動化することができる。
オンサイト訪問は、臨床医又は看護師によるインタビューに関して継続することができる。患者の会話又は対話は同様に、状態又は事象の傾向の識別及び時間的分析などの、統合知識ベースに入力される病訴、症状、及び他の主要データと共に、音声又はビデオフォーマットで記録することができる。この場合も同様に、バイタルサイン情報を更新することができ、更新された患者記録は、上記に示されたような傾向の識別及び考えられる診断、並びに付加的な医療処置の提言について評価することができる。
オンサイト訪問は通常、医師又は臨床医のインタビューに関して継続する。上述のように、オンサイト訪問自体の間、統合知識ベース内の情報の分析及び関係付けは、インタビュー時に医師に提供される記録又は提言に基づいて行うことができる。同様に記録は、診断及び治療を向上させるために患者から直接収集できる、考えられる診断、処置、或いは単なる情報について順序づけられた提案などを提言することができる。またインタビュー自体は、全体又は一部を記録することができ、更に主要医療用語を認識して、後で使用するために患者記録に記憶することができる。またオンサイト訪問中、記録、提言、教育的材料、及びその他を患者又は患者ケア提供者用に生成することができる。また、検査の結果の説明、ある場合にはフォローアップ処置の提示及びその他を含む、このような情報は、患者及び患者の状態に合わせてカスタマイズすることができる。材料は更に、患者記録、接触中の対話、及び統合知識ベースからの情報に基づいて、一般参考材料を含む一般健康提言を含むことができる。患者に提供される材料は、限定ではないが、テキスト、画像、アニメーション、グラフィックス、及び他の参考材料、質問及び回答の生の或いは処理済みの構造化ビデオ及び/又は音声記録、背景、診断、医療的な生活規制、リスク、紹介、及びその他に関する一般的データを含むことができる。このような出力の形式は、ハードコピープリントアウト、コンパクトディスク出力、ポータブル記憶媒体、暗号化電子メッセージ、及びその他を含む任意の要求形式にも適合することができる。上記のように、伝達はまた、好みの言語で患者に特化して適合させることができる。また出力は、保険データ、請求データ、及びその他を含むファイナンシャル構成上の情報を含むことができる。
本技術は更に、接触後のデータ収集及び分析を可能にする。例えば、患者来院の後で、図19の参照番号266で一般的に示されるように種々の患者対話を想定することができる。このような対話は、接触前に収集された情報とほぼ同様の、一般フォローアップ質問、症状の更新、遠隔のバイタルサイン取り込み、及び同様のものを含むことができる。更に、接触後の患者対話は、施設又はケア提供者の患者評価、保険請求のファイリング又は処理の支援、請求、及び同様のものを含むことができる。この場合もやはり、このような入力に基づいて、患者固有或いは本質的により一般的なものとすることができるデータが、統合知識ベースからアクセスされ、情報を患者記録及び全ての他の利用可能なデータと調和させて、フォローアップ活動を容易にし、及び患者及びケア提供者両者への任意のレポート及びフィードバックを生成できるようにする。
統合知識ベースインターフェース
上述のように、統合知識ベースのための、更により一般的には処理システム及び資源のための「非連合」インターフェースは、種々のユーザ、環境、機能、及び同様のものに特に適合させることができる。図20は、統合知識ベースとの対話を容易にするインターフェース処理システムを一般的に示している。このシステムは一般に、一連の入力パラメータ又はソース270を含み、これらは、性質、位置、及びユーティリティの点で大きく異なる。このような資源からの入力に基づいて、一般的に上述のデータ処理システム10の一部とすることができる論理パーサ272は、ユーザ間、ハードウェア間、及び一方のシステムと他方のユーザワークステーションとの間の対話のインターフェース及びアクセス、並びに統合知識ベースへのアクセスを識別する。次に、一般的に参照番号274で示されるインターフェース及びアクセス出力機能は、パーサによって受信された入力に応じて統合知識ベースに対するカスタマイズされたインターフェース及びアクセスを提供するのに使用される。
図20で要約されるように、入力パラメータ又はソース270は一般に、患者4及び臨床医6を含むユーザ、並びに金融又は保険会社、研究者、及びデータへのアクセス権を有する任意の他の人々又は施設などの、システムの他のユーザに関するパラメータを含むことができる。ユーザ開始事象、或いはユーザが関わる統合知識ベースとの任意の接触では、種々のアクセスレベル、機能、プロファイル、環境、及び同様のものが、統合知識ベースデータ及び処理能力に対するユーザインターフェース及びアクセスレベルをカスタマイズする際に考慮することができる。一例として、レビューワークステーションで1つ又は複数の画像をレビューする放射線科医、CTスキャナーを操作する技師、或いは予約を計画し又は請求情報を入力する管理者は、全てシステムのユーザとすることができる。論理パーサ272によって考慮することができるユーザのパラメータ又は特徴は、上述のように大きく異なる場合がある。本発明の例示的な実施形態では、このような特徴は、参照番号276で示されるようなユーザによって実行される機能、並びに参照番号278で示されるようなユーザの個人プロファイルを含む。機能及び個人プロファイルに関する情報は、必要に応じて、図20の参照番号280で示されるように手動オーバーライド下に置くことができる。更に特定のユーザによるアクセスの全ては、参照番号282で示されるような種々のタイプの認証を通じてフィルタリングすることができる。
一般的なシナリオでは、ユーザは、図20で示されるワークステーション304上などで認証モジュールに入ることができ、システムへの安全なアクセスを可能にする。ユーザによって行われる機能がインターフェーシング及びアクセスに対して考慮される基準の1つである場合、現在の機能を入力するようユーザに促すことができ、或いは個々のユーザプロファイルに対して機能を認識することができる。このように、同じユーザは、ある関係ではインターベンション専門医としての役割を担い、他の時間期間ではマンモグラム読影医(マンモグラファー)、ある期間は管理者などとしての別の職務を有する病院の胸部放射線専門医の場合のように、システムにおいて複数の職務を有することができる。別の実施例として、一般診療の看護師は、病歴情報を入力するなど、ある時間は臨床家として、及び他の時間は予約管理者として、更に別の時間には料金請求、記録データ、或いは保険データの入力の事務職員としての役割を担うことができる。各個人又は施設は、各職務について個人の選択又は情報を包含する1つ又はそれ以上のプロファイルをカスタマイズすることができる。プロファイルは、ユーザについてのデータ、及び種々のデータアクセスモード又は機能に対して、あるとすればユーザインターフェースの優先を記述する情報を含むことができる。
同様に、幾つかのハードウェア又はモダリティシステムは、システムによって行われる分析、処理、或いはデータ収集機能の点で有用な情報のアップロード又はダウンロードなどのために、統合知識ベースへ直接アクセスすることができる。図20で示されるように、参照番号284によって一般的に示されるこのようなハードウェアは、イメージングシステム、患者入力ステーション、ウェブサイトを介してリンクされた汎用コンピュータ、及びその他を含むことができる。ハードウェアは、ユーザについて上述のものと同様の方法で、1つ又はそれ以上の機能286の同じ指示によってパーサと接続することができる。同様に、参照番号288で示されるようにハードウェアの環境などのパラメータを考慮することができる。このような環境は、例えば、救急処置室設定で使用されるイメージングシステムの特定の機能と、他の臨床応用、可動式設定、及びその他で使用される特定の機能とを区別するような、システムが使用される場所及び方法の指標を提供することができる。当業者には理解されるように、このような機能及び環境情報は、統合知識ベースからアクセスされ、或いは統合知識ベースにアップロードすることができるデータのタイプ及び量に影響を与える可能性があり、更に例えば、治療の緊急性などに応じた統合知識ベースからの情報の優先付け又は処理に使用することができる。
また、一般的なシステム入力290が図20に示されており、これは論理パーサによって考慮することができる。一般的なシステム情報は、ユーザ又はハードウェア部分が知識ベースと接続するシステムを含む、個々のインターフェーシングシステムに関係することができる。一例として、知識ベースと接続するためにユーザによって利用されるシステムは、自動的或いはユーザ介入によって、特定のハードウェア装置、パラメータ、システム能力、装置の機能、装置が設置又は使用される環境などに関する情報を提供することができる。このような情報は、例えば、装置が画像レビューワークステーションとして使用され、その結果種々のデフォルトインターフェース特性が放射線読影室及び集中治療室で利用できるようになることを示すことができる。このようなインターフェース特性は、同じデータの種々の表示モード、カスタマイズされた分解能及び帯域幅利用、及びその他のような固有の利点をもたらすことができる。
論理パーサ272に提供された情報に基づいて、パーサは、適切なユーザインターフェース定義、並びに統合知識ベースへのアクセスの定義を決定する。論理パーサ272によって行われる決定には、ユーザ、ハードウェア、或いはシステムによって開始することができる許容可能なデータ状態変更、データ入力及び出力に対して許可される方法及びフィールド、定義されたグラフィカル又は他の(例えば音声)表示モード、及びその他とすることができる。このような定義を与える場合に、論理パーサは、アクセスの特定のレベル又は分類、並びにインターフェースの構築で利用される予め定義された特定のグラフィカルインターフェース又は他のフィールドを利用することができる。特に、所与の知識ベース要求では、論理パーサ272は、このような予め定義されたアクセス及びインターフェース構成に加えて、知識ベースインターフェースソフトウェア内に組み込まれたアルゴリズム、インターフェース管理者からの予め定義された命令セット、或いは自己学習アルゴリズムを利用することができる。ユーザが特徴データ又は構成を手動でオーバーライドすることが許容される場合、論理パーサは、インターフェース或いは所与のアプリケーション又は機能をカスタマイズすることができる。例えば、個々のユーザは、外傷症例をレビューするために集中治療室でレビューワークステーション304を利用し、集中治療室の設定を無効にすることによってデフォルトの救急処置室設定を利用することができる。種々の他の定義機能及びオーバーライドは、統合知識ベースへの標準及びカスタマイズされたインターフェース並びにアクセスレベルを全て可能にすると想定することができる。
論理パーサによって定義された機能には、ユーザインターフェースを定義するための幾つかの機能、及び統合知識ベースへのアクセスを定義するための他の機能がある。図20に示されるように、このような機能は、参照番号292で示されるような許可された入力フィールドの定義を含むことができる。このようなフィールドは、グラフィカルユーザインターフェースの関連では、上述の因子に応じて特定のユーザインターフェースで示され、又は示されず、或いは「グレイアウト」される。更に参照番号294で示されるような許可された入力モードはまた、特定の入力ページ、対話型ウェブページ、及びその他の表示又は非表示などによる、種々のタイプの入力を可能にするように定義することができる。同様に特定のグラフィカルインターフェースは、参照番号296で示されるように論理パーサによって定義することができる。種々のインターフェースフィールド、モード、及び入力情報に基づいて論理パーサによって識別される表示は、処理システム又はシステムデータリポジトリのように遠隔的に、或いは管理システム又はワークステーション304自体の内部でローカルに記憶することができる。
また論理パーサは、ユーザ間、システム間、及び一方のハードウェアと他方の統合知識ベースとの間で許可される対話又はアクセスの特定のレベルを定義することができる。このようなアクセス制御は、知識ベースからの情報のアクセス、及び知識ベースへの情報の提供の両方を定義することができる。またアクセス制御は、データ処理システムを介して知識ベースに関連する許可された処理機能を定義することができる。図20に示される実施例では、このような機能は、参照番号298で示されるような読み出しアクセスが許可されるデータの定義、参照番号300で示されるような読み出し−書込みアクセスが許可されるデータの定義、及び参照番号302で示されるような書込みアクセスが許可されるデータの定義を含むことができる。
上述のように、インターフェース処理システム268によって、特に統合知識ベースにアクセスしようとするユーザに対して、種々のタイプの認証を行うことが可能になる。この認証機能は、パスワード比較、音声認識、生体認証、インターフェース装置内に含まれるスクリプト又はファイル(例えば「クッキー」)、或いはパスワードファイル、及びその他を含む、一連の方法で達成することができる。広範囲のデータを統合知識ベースに含むことができるので、認証及びセキュリティの問題は、アクセスを注意深く保護し且つ改ざん又は不正アクセスを防ぐための特定のソフトウェア及び装置の対象とすることができる。従って、標準ユーザ認証プロトコルの使用に加えて、知識ベースと伝達し合う知識に対してデータ暗号化技術を用いることができ、関連するインフラストラクチャを、インターフェースの入力側及び出力側に提供することができる。
一般に、ユーザは、ユーザによって生成又は管理されるデータのセキュリティ又はアクセスレベルの設定を担当し、或いは他の関係者がこのようなセキュリティ及びアクセス制御に対して責任を負う。従ってシステムは、上述のようにユーザ又はユーザ機能の種々のタイプのデフォルトアクセスレベルを実施するようプログラムすることができる。更に種々のプライバシーレベルは、種々の状況及び他のユーザに関してユーザが設定することができる。具体的には、患者又は一次診療医師は、患者の医療データへのアクセスを設定するベストポジションにいることができ、その結果、医師又は施設の特定のグループは、必要に応じて情報にアクセスできるようになる。また、患者の事故又は無能力などに際して、他の医師及び施設を含むようアクセスを拡大することができる。更にアクセスレベルは、個人、状況、施設、及び同様のものによってソートすることができ、緊急時、来院時、休暇期間中の他の医師への管理又は監督の移管時などのように、特定の状況において特定のアクセスレベルを実施する。
一般に、認証及びセキュリティ手順は、患者に質問しその応答に基づいて初期設定を実行するソフトウェアによって実施することができる。従って患者は、個人、保険会社、一次診療医師及び専門医、親族、及び同様のもののクラス、並びに各クラスに提供されることになるアクセスレベルの表示について指示を受けることができる。その結果、パーシング及び情報へのアクセス並びにインターフェースのカスタマイズは、このような指示に従うことができる。
幾つかの固有の利点は、上述のインターフェースシステムに由来する。一例として、個々の患者は、効率的に、患者の要求及び目的に基づいて情報へのアクセスを許可するデータ又はケース管理者になることができる。また、このメカニズムは、地方、州、及び連邦、或いは他の法律又は規制、特に患者データへのアクセスに関する法律又は規制に適合するように、カスタマイズすることができ、及び容易に変更することができる。またこのような規制は、料金請求及びファイナンシャル情報へのアクセス、雇用者によるアクセス、身体障害情報、保険請求、高齢者医療健康保険及び医療扶助情報及びその他へのアクセスに関係することができる。更にこの技術は、病院情報システムのデータアクセス規則に関する自動的又は容易に適合される規制適合を提供し、その結果、データにフラグが付けられ、ユーザ又はアクセス方法に基づくプライバシーを守ることができるようになる。最後に、本技術は、クラス、機能、環境などによる広範囲のユーザのプライバシーレベルの迅速且つ好都合な設定(患者又は医師などによる)を可能にする。
マルチレベルシステムアーキテクチャ
上記に一般的に説明されたように、本技術は、種々のレベルで、種々のユーザに対して、更に種々の必要性のために、データの入力、分析、処理、出力、及び一般的なアクセスを提供する。特にこのシステムは、データアクセス及び処理の種々のレベルを与える能力を提供し、全ての種々のレベルは、本明細書で説明される統合知識ベース及び機能の部分に寄与し、これを維持し、或いはこれを利用するとものとして一般に見なされる。患者又はユーザレベルから生じる種々のレベルは、必要とされるデータに寄与し、及び対応するレベルで実行される機能に必要とされるデータを抽出するワークステーション、入力装置、データ処理システムの部分などを含むことができる。システムアーキテクチャのレベルが、特定の施設、保険会社、部門、領域などの中でユーザのニーズを満たすことができる場合、データの共有及び管理は、こうした各レベルだけで行うことができる。しかしながら、付加的な機能が要求される場合、システムアーキテクチャは、このような機能に対応するのに必要なより低いレベル及び任意の中間レベルのリンキングを提供する。
図21及び22は、一般的に、このようなマルチレベルのアーキテクチャに従って実行される例示的なアーキテクチャ及び管理機能を示す。図21は、入力及び出力ステーション又はユーザの幾つかの統合レベル及びクラスタを含む、本発明のデータ交換システム2を示す。通常は患者4又は臨床医6(放射線科医、看護師、医師、管理スタッフ、保険会社、研究所などを含む)であるユーザは、基本レベル又はローカルレベル306に存在する。上述のように、データ入力及び出力機能、アクセス制御、インターフェースカスタマイズなどの調整を含む、種々の機能は、こうしたローカルレベルで実行することができる。次いで、ローカルグループ又はクラスタレベル308内で、このようなユーザは、互いに及び上述のタイプのシステム要素と通信することができる。すなわち、各ローカルグループ又はクラスタレベル308は、データ資源と管理可能且つ規定可能な資源の両方を含む、上述の種々の資源のいずれか或いは全てを含むことができる。実際の実施形態では、ローカルグループ又はクラスタレベル308は、一例として、特定の施設内の部門、何らかの点で関連のある施設、特定の地理的領域に配置された施設、これらの実施エリア又は専門に基づいてリンクされた施設などを含むことができる。次に、このようなローカルグループ又はクラスタレベルでのユーザ及び構成要素のリンキングにより、かなりローカル的に、且つ遠隔データ資源或いは他のローカルグループ又はクラスタにアクセスする必要なく、可能な限り特定の機能を実行することができるようになる。
次いで、同様の遠隔グループ又はクラスタは、リンクさせることができ、更に図21の参照番号310、312、及び314で示されるような同様の又はほぼ同様の内部構造とすることができる。しかしながら、このようなクラスタの各々は、グループ又はクラスタ内のユーザのニーズ及び機能に応じて、サイズ、文字、及び自己のネットワークアーキテクチャにおいても大きく異なることができる点に留意されたい。次に、種々のローカルグループ及びクラスタレベルは、参照番号318で一般的に示されるような、1つ又はそれ以上の中央クラスタによってリンクさせることができる。
「集中/非集中」システムアーキテクチャが図21に一般的に示されているが、本技術の態様によって提供されるマルチレベルシステムの機能は、種々の分析形式を取ることができる点を留意する必要がある。すなわち、集中アーキテクチャ、リング構造、階層構造、非集中構造、集中構造、及びこれらの組合せを含む利用可能なネットワークアーキテクチャのいずれか或いは全ては、システム全体での種々のレベルで存在することができる。更に、種々の遠隔グループ又はクラスタは、必要とされる場合、中央グループ又はクラスタを必ずしも通過する必要の無い他の方法で互いにリンクすることができる。従って、「仮想クラスタ」がデータの交換及びデータの処理について定義されるように特定の施設又は開業医の間の優先リンクを備えることができる。このようなリンクは、当該ユーザ間で特定の関係又は繰り返し操作が実行される場合に特に有用とすることができる。
データ収集、処理、分析、及び他の機能を含む上述の機能は、ローカルグループ又はクラスタ内で、或いは1つ又はそれ以上の遠隔グループ又はクラスタを組み込んだ拡張資源の使用により図21のアーキテクチャ内の特定のワークステーションで実行することができる。マルチレベルアーキテクチャシナリオに従うこれらの機能の幾つかは、図22に一般的に示される。図22に示されるように、幾つかの機能は、ローカルグループ又はクラスタレベル308で実行することができ、ほぼ同様の機能がより高いレベル318で実行される。この場合もやはり、同じ或いは同様の機能を個々の端末又はワークステーションで実行することができること、及び別のレベルをそのアーキテクチャ内に備えることができる点に留意されたい。
図22で示されるように、ユーザ4、6は、セキュリティ/アクセス制御モジュール320を通じてシステムにリンクされ、入力及びアクセスをフィルタリングすることができる。上述のように、このようなモジュールは、パスワード、音声認識、生体認証、及びより高度な技術などに基づいて、セキュリティ及びアクセス制御の種々の形式を用いることができる。一般にモジュール320は、ネットワークへのこれらのリンキングが特定のデータをアップロード、ダウンロード、或いは処理する権利を有することの確実性の要求レベルを維持することになる。モジュール320によって、ユーザは、一般的な観点から上述の統合知識ベースの一部と考えることができるローカル知識ベース322へアクセスすることが可能となる。ローカル知識ベース322はまた、上述のような連合データベースの特徴を取り入れることができ、ここではあるデータは、プログラム機能によって使用するために事前に処理又は翻訳できる点に留意されたい。
妥当性検査又はデータ管理モジュール324は通常、ローカル知識ベース322内のデータ及びシステム全体の他の構成要素からのデータへのアクセス及び品質を制御するようなある形式で備えられることになる。すなわち、あるデータ、特にローカルレベルで使用される当該データは、ローカル知識ベース322内に優先的に記憶することができる。しかしながら、システム全体の機能が必要である場合、このようなデータは、より高いレベルに、或いは他のローカルグループ又はクラスタのピアーにアップロードすることができる。同様に、データは、他の遠隔資源からダウンロード又は処理することができる。このようなデータの妥当性及び品質を維持するために、妥当性検査及びデータ管理モジュール324は、図22で示されるように特定の機能を通常双方向で実行することができる。このような機能は、参照番号326で示されるような調整モジュールの機能を含むことができ、該モジュールは、入力の時間、データのソース、或いは任意の他の妥当性検査基準などに基づいて、あるデータを調整又は妥当性検証することができる。更新又は入力の競合により、このような調整又は妥当性検査が利用可能でない場合は、このような事柄には調整のためのユーザに対してのフラグを立てることができる。同期モジュール328は、同様に、ローカル知識ベース322と遠隔資源との間の記録の同期を可能にする。最後に、リンク−アップロード/ダウンロードモジュール330は、ローカル知識ベースからのデータに対して、位置付け、アクセス、及び他のメモリ又はリポジトリからの蓄積又はダウンロードを可能にする。
次に、ほぼ同様の機能が、図22の318によって一般的に示されるように他のレベルで或いは他の関係の中で実行することができる。従って、ローカルグループ又はクラスタ間のように、セキュリティ及びアクセス制御モジュール332は、モジュール320と共に他のユーザ、グループ、クラスタ、或いはレベルからのデータに安全にアクセスできるようにしている。更に、ローカル知識ベースデータの幾つかを補完或いは複製するクラスタ知識ベース334を保守することができる。ローカル知識ベース322と同様に、クラスタ知識ベース334は一般的に、統合知識ベース全体の一部と考えることができる。他の機能は、同様に高いレベルで実行することができる。従って、参照番号336で示されるように、妥当性検査及びデータ管理モジュールを実装することができ、これは、またローカルレベルで同様のモジュール324の機能と調整させることができる。このようなモジュールはまた、グループ又はクラスタ間のデータの交換を容易にする調整モジュール338、同期モジュール340、及びリンク/アップロード/ダウンロードモジュール342を含むことができる。
上述のマルチレベルアーキテクチャは、有意な利点及び機能を提供する。最初に、データは、特別に調整されたアクセス制御機能を有するグループ又はクラスタの特定のメンバーによって容易にアクセスすることができる。すなわち、保険料金請求、臨床的分析、及びその他のようなこうした機能に対して、特定のグループ又はクラスタ内ではセキュリティを低いレベルに定めることができる。次に、他のグループ又はクラスタの他のユーザによるデータへのアクセスは、種々のセキュリティ又はアクセス制御メカニズムを適用することなどによってより高く規制することができる。更に、患者又は臨床医のワークステーションなどでは、データへの付加的なアクセス及び必要に応じてリンクされる処理能力を備えて、極めて基本レベルで幾つかの機能を提供することができる。
更に、本発明で企図される実施形態では、全体的なネットワークトポロジーは、以下に説明されるコンピュータ支援データオペレーションアルゴリズムを本質的に反映し且つ容易にする基礎データ構造を反映する傾向がある点に留意されたい。すなわち、機能又はデータが、特定の関係、処理のニーズ、アクセスのニーズ、妥当性検査のニーズ、及びその他によって関係付けられる場合、グループ又はクラスタの設定は類似の構造に従うことができる。すなわち、上述のように「通常の」アクセス、使用、ニーズ、及び機能は、ある程度密なノード又はクラスタの位置に存在することができ、より遠い又は頻度の低い構造又は機能はより分散されている。
また、種々のクラスタ又はグループのリンキングにより、既存のシステムでは従来利用可能でなかった機能を実行することが可能になる。例えば、種々のグループ又はクラスタレベルでのデータ間の傾向、関係、及び同様のものの分析を容易にすることができ、これは、従来利用可能でない情報の識別を助けることができる。一例として、病態の特定の有病レベルが、特定の施設、施設内の部門、或いは地理的領域で発生した場合、既存のシステムは、このような発生と他の位置での同様の発生との間の関係を全く認識しないか、或いは遅れて認識する傾向にある。他方、本システムによると、このようなデータは、種々の場所での流行の進行を容易に且つ迅速に認識できるように、処理、調査、分析、及び関連付けを行い、更にケアの品質などの種々のデータによって関係付けることができる。従ってピアー情報の調整されたアクセス及び分析は、全体の母集団でのこのような病態の識別に利用可能である。
同様に、資源管理は、本技術によって提供されるマルチレベルアーキテクチャによって改善することができる。特に、傾向、過去及び予想される在庫管理使用の両方、保険請求、人的資源のニーズなどがまた、上述の種々のレベルでのデータの利用可能性及び処理資源に基づいて識別することができる。
患者指向の医療データ管理
本技術は、患者が自身のそれぞれの医療ケアを知り更にこれを管理する機能において更なる利点を提供する。上述のように、本システムは、外来診療のような医療的接触の前に患者データを収集する方法で統合することができる。また、本システムは、このような対話において必要とされる場合には付加的な情報を要請するよう利用することができる。更に、本システムは、個々の患者又は患者の管理者によって管理することができる、特定の個別に設定された患者記録を維持可能であるように適合させることができる。図23は、一般的に、統合された患者記録の生成及び管理のために設計された技術の態様を表す。
図23に示されるように、機能及びモジュールの構成は、一般的に、上述の統合知識ベース及び他の技術の特徴を少なくとも部分的に含む患者管理知識ベースシステム344と呼ぶことができる。患者4は、図23の参照番号346で一般的に示されるように、患者データを提供する。患者データは、ハードコピー、組織サンプルの分析、施設又は診療所の入力装置、或いは患者に対して個別に設定された入力装置などを介して任意の適切な方法で提供することができる。このような入力装置は、例えば、患者の自宅又は職場で患者に提供され、患者によって使い込まれ、持ち込まれ、或いは直接実装される装置を含むことができる。従って、患者データ346は、携帯のサンプラー(例えば血液分析用)、生理学的データ(例えば血圧、心拍数など)の検知システムによって得ることができる。患者データは、検知装置内、或いは患者のコンピュータ又はワークステーション内などといったローカルで記憶することができる。同様に患者データは、アクセス可能なインターネットウェブページなどを介して、患者の指示或いはシステムの指示で提供することができる。更に患者データは、以下により詳細に説明されるような統合知識ベースの資源を含む、外部資源から抽出することができる。従って、実施中の患者データは、患者が記録に対して情報を提供し、記録からの情報にアクセスできるように双方向方式で交換することができる。同様に、患者は、外部資源からのデータの記録への入力、並びに外部資源に対する記録の出力のアクセスを管理することができる。
患者データは、患者ネットワークインターフェース348を介してシステムの他の要素と交換される。患者ネットワークインターフェースは、ウェブブラウザと同様に簡単にすることができ、或いは患者と外部資源との間のデータへのアクセス、妥当性検査、及び交換を制御する高度な管理ツールを含むことができる。患者ネットワークインターフェースは、参照番号350で示されるような、ケア提供者と直接的などで、種々の他の構成要素と通信することができる。このようなケア提供者は、一次診療の医師を含むことができるが、同様に、患者臨床データを記憶する施設及び事務所、更に保険請求、ファイナンシャル資源データ、及びその他などの非臨床データを記憶する施設を含むことができる。患者ネットワークインターフェース348は更に、基準データリポジトリ352と通信することができる。このような基準データリポジトリは、統合知識ベースを一般に参照して上記で説明された。各リポジトリ352は、同じか又は異なるリポジトリとすることができ、更に、患者データと既知の範囲又は人口統計学情報との比較、病態、ケア、診断、及び予後などに関するバックグラウンドの患者表示インターフェースページ及び特定情報への統合、及びその他などといった、インターフェースによって実行される幾つかの処理機能について患者ネットワークインターフェースによって有用とすることができる。患者ネットワークインターフェース348は、必要とされる場合、参照番号354で一般的に示されるような翻訳プログラム又は処理モジュールと更に通信することができる。翻訳プログラム及び処理モジュールは、分析及び記憶のためにアクセスされたデータ又は患者データを完全又は部分的に変換することができる。この場合も同様に、翻訳プログラム及び処理機能は、患者から発生したデータ及び外部資源から患者に転送されたデータの両方を翻訳し処理できるように双方向とすることができる。
統合患者記録モジュール356は、図23の参照番号362で一般的に表されるように、統合患者記録を生成するよう設計される。本明細書で使用される場合、統合患者記録は、患者から直接収集された情報、並びに患者にケアを提供する施設から収集された情報の両方の広範囲の情報を含むことができる。また、この記録は、必要に応じて、自動化技術及び人的ケア提供者の両方による、生の患者データ、画像データ、及び同様のものの分析から生じたようなデータから導出されたデータを含むことができる。同様に、統合患者記録は、基準データリポジトリ352から取り入れられる情報を含むことができる。統合患者記録モジュールは、1つ又はそれ以上のデータリポジトリ358内に統合患者記録362の一部或いは全てを記憶するのが好ましい。
上述のように、システム344が、広範囲の患者データを含むことができる統合患者記録362の生成を可能にする。実際には、統合患者記録或いは患者記録の一部は、患者データブロック346に隣接して示されるような患者位置で、又はブロック350に隣接して示されるような個々のケア提供者(例えば一次診療の医師)において、或いは統合患者記録モジュール356によってアクセスされるデータリポジトリ358内のような種々の場所で記憶することができる。また、患者ネットワークインターフェース348、翻訳プログラム及び処理モジュール354、及び統合患者記録モジュール356によって提供される機能の一部又は全てを患者に対してローカル或いはリモートとすることができる点に留意されたい。すなわち、患者記録の生成及びメンテナンスを行うためのソフトウェアは、患者の端末に直接記憶することができ、或いは定期契約サービスなどによって完全に又は部分的にリモートで提供することができる。同様に、患者記録リポジトリ358は、患者からローカル又はリモートとすることができる。
統合患者記録モジュール356はまた、統合知識ベースインターフェース360を介して統合知識ベース12と通信するよう設計されるのが好ましい。インターフェース360は、アクセス、妥当性検査、患者のニーズ又は使用に対する適合、及びその他に関して上述の一般的な機能に準拠することができる。統合知識ベースインターフェース360は、図23に示されるような特定の施設に対して内部にあるものとすることができる資源18からの情報の抽出を可能にする。また、インターフェースは、患者からのデータをこのような資源及び施設にアップロードすることを可能にする。図23に同様に示されるように、統合患者記録356は、例えばケア提供者によるアクセスを容易にするために、完全に或いは部分的に統合知識ベース12内に一般に記憶することができる。またこの記録は、特定の患者ケアを有するか或いは提供する病院又は診療所内などの個々の施設内に記憶することができる。
図23に示されるシステム機能は、有意な利点を提供する。一例として、上述のように、特定の情報へのアクセス及び記録の生成は、患者によってより直接的に制御及び調整することができる。すなわち、システムは、医療記録の事前対応管理に関する権限を患者に与えるイネーブラとして機能する。このような対話は、特定のケア提供者に提供される患者記録の一部に対する患者管理アクセスの形態をとることができる。同様にシステムは、一般的な質問並びに特定の臨床及び非臨床事項に関して患者の教育を向上させるための可能性を提供する。またシステムは、生データ、処理済みデータ、リンク、更新、及びその他を含む、患者データにアクセスするための強力なツールを提供し、これは、患者の状態の識別及び追跡、患者診療巡回のスケジューリング、及びその他のためにケア提供者が使用することができる。このような機能は、時限ベースで、或いは通知、電子メッセージ、無線メッセージ、及びその他などによる「プッシュ」又は「プル」交換技術によって提供することができる。従って、患者との直接対話は、患者データのアップロード、患者データのダウンロード、処方リマインダー、外来診療リマインダー、スクリーニングコミュニケーション、及びその他を含むことができる。更に、他の資源からの他の機能及びデータと患者データとの統合により、統合患者記録を定期的に、或いは患者又は施設による特定のニーズに先立って生成及び記憶することができ、もしくは照会に応答したデータへのリンキング及びアクセスによる特定の照会時にコンパイルすることができる。
予測モデリング
本技術は、上述のデータ記憶、アクセス、及び処理機能の高度な統合によって、本質的に臨床及び非臨床両方の予測モデルの開発のための強力なツールを提供する。具体的には、データは、統合知識ベース又は連合データベースの種々の資源から引き出し、処理し、及び分析して、予測モデル開発により患者ケアを向上させることができる。このような予測モデルの開発は、完全に或いは部分的に自動化することができ、更にこのようなモデリングは、上述のタイプの幾つかのコンピュータ支援機能を適応させるよう機能する。
図24及び25は、一般的に、本技術の態様に従って実施することができる予測モデル開発の態様を示す。図24は、上述の統合知識ベース及びネットワーク機能を構築又は補完することができる予測モデリングシステム364を表す。予測モデリングシステム364は、データ資源及び管理可能且つ規定可能な資源の両方である資源18を利用し、並びにシステム内に備えられた任意の連合データベース14及び統合知識ベース12を利用し、これらはまた本質的に集中化又は分散化させることができる。システム364は、種々の資源、知識ベース、及びデータベースからデータを抽出し、予測モデルを開発するのに有用なデータ間の関係を識別するよう設計されたデータマイニング及び分析モジュール366として図24に明らかにされたソフトウェアに基づいている。データマイニング及び分析モジュール366によって行われる分析は、図18に関して上記に概説された開始事象のいずれか或いは全てを含む、図24の開始ブロック368で示されるような任意の適切な方法で開始することができる。処理が開始されると、モジュールは、特定の病態、医療事象、或いはまだ識別又は認識されていない病態ないし医療事象にリンクすることができるデータをサーチして識別する。更にモジュールは、資源のニーズ、資源の割り当て、保険率、ファイナンシャルプランニングなどの予測のためのような、同様のモデルの開発のために非臨床データを同様にシークすることができる。モジュール366によって行われるデータマイニング及び分析機能は、資源及びデータベースからの「生」データ(臨床及び非臨床の両方)、並びにこれらの資源のいずれか1つからフィルタリングされ、妥当性検査され、大きさが低減され、更に同様に処理されたデータについて行うことができる点に留意されたい。更にデータのこのような処理或いは妥当性検査の開始は、図24の参照番号6で表される臨床医のようなエキスパートによって可能とすることができる。
モジュール366によって行われる分析のマイニングに基づいて、予測モデル開発モジュール370は更に、データ及び分析を、診断、プランニング、及び他の目的に使用できる代表的モデルに変換する役割を果たす。臨床関係においては、特に上記に言及されたコンピュータ支援プロセスの改良のために広範囲のモデルタイプを開発することができる。上述のように、本明細書でCAXプロセスと呼ばれるこれらのプロセスは、収集、処理、分析、診断、及びその他のための強力なコンピュータ支援ワークフローを可能にする。予測モデル開発モジュール370によって用いられる方法は、アプリケーション、利用可能なデータ、及び要求される出力に応じて変えることができる。現在企図されている実施形態では、例えば処理は、回帰分析、決定木、クラスタリングアルゴリズム、ニューラルネットワーク構造、エキスパートシステム、及びその他に基づくものとできる。更に予測モデル開発モジュールは、特定の病態或いは病状又は事象を目標にすることができ、或いは条件を特定しないものとすることができる。例えば、データが特定の病状に関連していることが知られている場合、モデルは、資源及び知識ベースからの全ての利用可能な情報に基づいた、このような状態の発生の可能性を識別するのに使用される規則及び手順の改良にあるものとすることができる。しかしながら、更に一般的には、モデル開発アルゴリズムと共にデータマイニング及び分析機能は、病態の識別と、これらの病態と以前認識されなかった利用可能なデータとの間の関係性を与えることができる。
予測モデル開発モジュール370がコンピュータ支援プロセスCAXの改良に適合されるアプリケーションでは、モデルは、このようなプロセスを実行する際に有用なパラメータを識別又は改良することができる。従って、モジュール370の出力は、特定の状態、事象、或いは診断に関するものとして識別された1つ又はそれ以上のパラメータからなることができる。次いで、通常データ関係の形式での予測モデル開発モジュール370からの出力は更に、図24に示されたCAXプロセス85によって利用可能であり、且つ使用されるパラメータへと改良され、又はマップすることができる。従って、現在企図される実施形態においてはパラメータ改良機能372が提供され、ここではCAXプロセス85で利用されるパラメータが参照番号374で示されるように識別され、更に「最良」又は最適化された値或いは値の範囲が、参照番号376で示されるように識別される。次いで、パラメータ及びこれらの値又は範囲は、特定のプロセスで将来使用するためのCAXプロセスアルゴリズムに供給される。原則として、CAXプロセスは参照番号378で示されるようなある出力をもたらす。
予測モデリングシステム364で実行される上述の種々の機能は、1つ又はそれ以上の処理システム上で種々の入力データに基づいて実行することができる点に留意されたい。従って上述のように、統合知識ベース、従って予測モデル開発に利用可能なデータは、改善又は追加された情報が利用可能であるときにモデルを様々に開発又は高度化できるように本質的に拡張可能である。図24に示されるシステムの種々の構成要素が、高度な対話型モデル開発をもたらす点に留意されたい。すなわち、種々のモデル及び機能は、モデル開発を更に改良するように互いに影響を及ぼすことができる。
一例として、予測モデルが特定のデータマイニングに基づくモジュール370によって開発される場合、モデル開発モジュールは、付加的な或いは相補的なデータがCAXプロセスの性能を改善するのにも有用であることを識別することができる。次いで、モデル開発モジュールは、このような洞察に基づいてデータマイニング及び分析機能に影響を及ぼすことができる。同様に、パラメータ改良プロセスで実行されるパラメータの識別及びパラメータ最適化は、予測モデル開発モジュールに影響を及ぼすことができる。更にCAXプロセス85の結果は同様に、他のCAXプロセスの開発又は改良などのために予測モデル開発モジュールに影響を及ぼすことができる。
図24に示された構成要素と機能との間の対話の後者の可能性は特に強力である。具体的には、予測モデル開発モジュール370自体は、幾つかの点において、利用可能なデータ間の関係を認識し、これらの関係を可能性のある病態、事象、資源のニーズ、ファイナンシャル上の検討事項などにマッチングさせるなどのCAXプロセス85として機能することができる点を認識されたい。しかしながら、該プロセスは、どのような特定のCAXプロセスにも限定されない。逆に、モデル開発は、例えば病態の診断に焦点を当てることができるが、CAXプロセスの出力(例えばコンピュータ支援診断又は検出)は、データの処理及びデータの要求される処理のモデリングにおける改善をもたらすことができる。同様に、処理でのCAXプロセスの結果は、データのコンピュータ支援収集(CAA)において実装されたモデルの改善の認識をもたらすことができる。健康状態又はファイナンシャル状態、予後、処方、治療、及び他の決定のコンピュータ支援評価(CAAx)を含む、他のコンピュータ支援プロセスは、同様に、予測モデル開発モジュール及び改良された他のプロセスからのフィードバックの両方によって影響を受けることができる。
図24で示されるように、臨床及び非臨床予測モデルの開発に必要な幾つかのステップは、システムの要素又はエキスパートからの妥当性検査又は入力に従うことができる。従って、CAX出力378は、通常エキスパート6によってレビューされることになる。同様に、予測モデル開発モジュール370に影響を与えることのできるCAX出力は、図24のブロック380で示されるような妥当性検査に従うのが好ましい。このような妥当性検査は、システム自体によって(データ又はアルゴリズム出力をクロスチェックすることにより、或いは1人又はそれ以上のエキスパートによるなど)実行することができる。次いで、妥当性検査の出力は、元の資源自体18及び統合知識ベース12を含む資源にリンクさせることができる。例えば、あるデータをリンク又は事前処理すること、或いは開発されたモデルによって実施されるCAXプロセスで使用するあるデータにフラグを立てることが有用とすることができる。
使用時には、開発又は改善されたモデルは通常、遠隔処理で利用可能であり、又はコンピュータシステム、医療診断イメージング装置、及びその他を含むシステムにダウンロードすることができ、これらは、データ収集、処理、診断、決定サポート、或いはCAXプロセスが担う他の機能のいずれかを改善するためのモデルを用いる。このような実施の間、上述のように、実施しているシステムは、統合知識ベース、連合データベース、或いは発生元の資源自体にアクセスし、CAXプロセスに必要とされるデータを抽出することができる。
予測モデル開発モジュール370内の幾つかの機能は、ルーチンベースで、或いはユーザ又はシステムによって特別にプログラム又は開始されるものとして存在し且つ実行することができる。図25は、モデル開発モジュールによって実行されるこれらのプロセスの幾つかの実施例を示す。図25で示されるように、調査され分析された(すなわち資源から収集又は抽出された)データに基づいて、モジュールは通常、図25のブロック382で示される利用可能なデータ間の関係を識別することになる。この関係は、データ間の既知の対話、或いは上記に示されたような識別アルゴリズム(例えば、回帰分析、決定木、クラスタリングアルゴリズム、ニューラルネットワーク、エキスパート入力など)に基づくことができる。更に、関係識別は、任意の利用可能なデータに基づくことができる点に留意されたい。すなわちデータは、そのタイプ、モダリティ、実施エリアなどとは異なると考えられる場合にシステムにおいて最も有用に用いることができる。一例として、臨床データは、イメージングシステムにより用いることができ、更に人口統計情報及び特定の患者の病歴情報と共に使用することができる。またデータは、特定の病態などのリスク又は可能性を更に示すことのできる非患者固有の(例えば一般的な母集団)データを組み込むことができる。識別された関係に基づいて、規則識別がブロック384で示されるように実行される。このような規則は、データの種々の項目又は識別された関係の入力をリンクさせるのに使用される比較、ブール関係、回帰方程式、及びその他を含むことができる。
入力改良ステップは、ブロック386で示されるように実行され、ここでは関係が、資源又はデータベース或いは知識ベースから入手可能な種々のデータ入力にリンクされる。図25に示されるように、このような入力388は、非パラメータ、すなわちCAXプロセスの設定又はパラメータによって特には影響を受けない生のデータ或いは処理済みデータに関連することができる。ブロック390で示されるように他の入力識別は、CAXプロセスの変更によって影響を受ける可能性があるパラメトリック入力を目標とする。ブロック392で示されるように、入力識別に基づいて、規則識別及び関係識別、モデルの調整及び改良が可能である。また、このような調整及び改良は、幾つかの入力の付加又は削除、入力の取り込みに対する幾つかの状態の配置、幾つかの入力の重み付け、及びその他を含むことができる。このような調整及び改良は、システムによって、或いは図25の参照番号6で示されるようなエキスパートからの入力で実行することができる。次に全プロセスは、調整及び改良プロセスが、関係、規則、及び入力の識別に更に影響を及ぼすことができるよう、図25のリターン矢印によって示されるようにある程度反復することができる。
上述の技術によって広範囲のモデルを開発することができる。例えば、臨床関係においては、上述のような種々のタイプのデータが、画像データ、人口統計学的データ、及び非患者固有データなどのCAXアルゴリズムにアクセス可能である。一例として、ある国の特定の領域に住む女性の乳癌をこのような状態の高いリスクを示すことで知られる特定の年数の間において診断するためのモデルを開発することができる。利用可能であると考えられる付加的な因子は、患者によって完成された質問票(喫煙の習慣、食生活など)から抽出される患者履歴とすることができる。
種々のプロセス間の対話を示す別の実施例として、データ収集又はデータ処理のモデルは、コンピュータ支援診断(CADx)アルゴリズムによって影響を受けることができる。1つの実施例では、例えばスキャンされたデータから得られた腹部の画像の強調を伴う治療アルゴリズム出力は、コンピュータ支援診断に基づいて変えることができる。従って画像データは、治療アルゴリズムが虫垂切除術を要求したときには、下腹領域の比較的薄いスライスで収集又は処理することができる。データの残りは、より厚いスライスの通常の方法で処理することができる。従って、異なる病巣のCAXアルゴリズムは、予測モデルの開発及び改良において互いに影響を与えることができるだけでなく、種々のタイプのデータ及び種々のモダリティからのデータを用いて、疾病の識別及び治療、並びに非臨床的目的のためのモデルを改善することができる。
アルゴリズム及び専門医の訓練
上述のように、幾つかのコンピュータ支援アルゴリズムは、本技術において実施することができる。一般的に本明細書でCAXアルゴリズムと呼ばれるこのようなアルゴリズムは、医療診断画像データのような幾つかのタイプのデータの処理及び分析を含むことができる。本技術は、上述のようなプロセスを改良する際の、及びこのようなプロセスによって実行される検出、セグメント化、分類、及び他の機能を拡張するための学習又は訓練プロセスによってプロセスを改良するための拡張ユーティリティを提供する。また本技術は、放射線科医、医師、技師、臨床医、看護師、及びその他を含む種々のレベルの医療専門家の訓練目的としてフィードバックを与える可能性を提供する。図26は、アルゴリズム及び医療専門家両方に関するこのような訓練プロセスでの例示的なステップを示す。
図26を参照すると、アルゴリズム及び専門家訓練プロセス394が、概略的に示されている。このプロセスは、専門家訓練モード396とアルゴリズム訓練モード398などの、個別であるが相互依存のモードを含むことができる。一般に、両方のモードは、1つ又はそれ以上のオペレーティング環境でプログラムし且つ機能することができ、行われる実際の機能は、ユーザがどのように現在プロセスを実施しているかに応じて異なる。
一般に、プロセスは、CADアルゴリズムのようなコンピュータ支援アルゴリズム間の対話と医療専門家によって実行される機能を提供する。プロセスは、本明細書では医療診断画像データで特徴を検出し分類するのに使用されるCADプログラムの関係で説明されることになる。しかしながら、同様のプロセスが、他のCAXアルゴリズムで、及び種々のモダリティ及び資源タイプからのデータを含む、医療診断データの種々のタイプで実施することができる点は留意されたい。
プロセス394は、エキスパート又は医療専門家が特徴検出及び分類を行うステップ400で始まると考えることができる。当業者には認識されるように、このような機能は通常、検査シーケンスにおける再構成画像又は画像のセットで通常始まる、診断画像読み出しプロセスの一部として実行される。エキスパートは通常、統合知識ベース12又は種々の資源18からデータを抽出することになり、このような資源からの追加のデータを利用して、特徴検出及び分類の「読み出し」プロセスをサポートすることができる。次にエキスパートは、参照番号402によって図26に示されたラベルD1のデータセットを生成し、これは特定のアプリケーションの注釈付き医療診断画像とすることができる。従来の注釈、書き取り、対話型マーキング、及び類似の技術などの任意の適切な技術を用いて、データセットを生成することができる。
エキスパート特徴検出及び分類機能と並行して、アルゴリズムは、CADアルゴリズムの実施例において、ステップ404で同様の特徴検出及び分類機能を実行する。上述のように、種々のプログラムが、通常、生或いは処理済み画像データの利用、及びパラメータ設定により識別された特徴の識別、セグメント化、及び分類などのこうした機能に利用可能である。このような設定は、数学的或いは論理的に定義された特徴認識ステップ、強度又は色ベースの特徴検出、自動又は半自動の特徴セグメント化、及び識別されセグメント化された特徴と識別された病変の既知の特徴との比較に基づく分類を含むことができる。ステップ404の結果として、参照番号406によって図26に示される第2のデータセットD2が生成され、これは同様に表示用の注釈を付けることができる。
エキスパート生成データセット402は、ステップ408で同じ又は異なるコンピュータアルゴリズムによって検証を受ける。アルゴリズム検証ステップ408は、システムがアルゴリズム訓練モードで動作しているときはこのステップが任意選択的である性質により、図26では破線で示される。すなわち、エキスパート読み出しのアルゴリズム検証は、以下に説明されるようにフィードバックがエキスパートに提供される場合に好ましい。もしくは、アルゴリズム検証ステップは、続いて処理されるデータセットが、エキスパート及びアルゴリズムによる読み出しの両方、並びにアルゴリズム検証ステップによって生成されるようなエキスパート識別され分類された特徴のフィルタリングを含むような全ての場合において実行することができる。一般に、アルゴリズム検証ステップは、エキスパートによって生成されるような疑陽性の読み出しを排除する役目を果たすことになる。ステップ408でアルゴリズムによって用いられる特定のアルゴリズム及び/又はパラメトリック設定が、ステップ404で使用されるものと異なることができる点に留意されたい。すなわち、アルゴリズム検証ステップは、ステップ404でアルゴリズム特徴検出及び分類に適用されたものよりも幾分厳重なフィルタをステップ408では提供するように、異なるアルゴリズム或いは異なるパラメトリック設定で行うことができる。ステップ408は、参照番号410によって図26に示される、更に改良されたデータセットD3を生じ、これは、必要な場合には、エキスパート特徴検出及び分類の結果と、アルゴリズム検証の結果としてのこうした結果の変化との両方を示すよう注釈を付けられた再構成画像を構成することができる。
同様に、アルゴリズム特徴検出及び分類から得られたデータセット406は、ステップ412でエキスパート検証を受ける。ステップ208と同様に、ステップ412は、特にシステムが専門家訓練モードで機能する場合には任意選択ステップとすることができる。すなわち、フィードバックが医療専門家又はエキスパートに提供されるよう意図される場合には、該ステップを省き、アルゴリズム特徴検出及び分類と医療専門家によって生成されたものとの比較を提供するようにしてもよい。特定のエキスパート及び/又はステップ412でエキスパートによって用いられる決定閾値は、ステップ400で使用されるものとは異なることができる点に留意されたい。参照番号414によって図26に示される、結果として得られるデータセットD4は、同様に、データが画像を表す場合には再構成することができ、アルゴリズムによって識別された特徴と、エキスパート又は医療専門家によるこうした識別又は分類に対して行われた変更を示すために注釈を付けることができる。
本実施形態では、データセット410及び414は、結合データセット416にまとめられ、これはまた、検証中にアルゴリズム又はエキスパートのいずれかによって行われた変更と共に、検出され分類された特定の特徴の起点を表示する1つ又はそれ以上の画像からなることができる。図26のブロック418は、医療専門家(特徴検出及び分類又は検証を行う人と同じか又は異なる医療専門家)とすることができるリコンサイラ(調整者)を表し、すなわちリコンサイラは、自動又は半自動処理を含むことができる。リコンサイラ418の目的は、ステップ408及び412で検証に続く修正から生じる可能性のある競合と共に、アルゴリズム及びエキスパートによる検出と分類との間の競合を解決することである。
リコンサイラが、アルゴリズム訓練モード398において、参照番号416によって図26に示されるデータセットDSに対して作用すると、ステップ420で示されるように、ステップ412でのエキスパート検証及びリコンサイラ418によって行われた変更が分析される。この分析は、行われた変更の比較と変更が必要になった理由の決定とからなることができる。当業者には理解されるように、CAX処理は通常、実行されてきた特徴識別、検出、セグメント化、及び分類を変更するために変えることのできる種々の設定を含む。次にステップ420で行われる分析は、検証及び調整の結果を準拠させることができるように、このようなパラメトリック入力をどのように修正することが可能かを識別することに向けることができる。しかしながら、ステップ420で行われる分析は、アルゴリズムの変更が必要とされ要求されていることを必ずしも意味しない場合がある点に留意されたい。すなわち、場合によっては、アルゴリズム機能の「第2の読取り装置」又は「独立した第1の読取り装置」の特性を拡張するために、アルゴリズムはエキスパートと全く同じ結果を生じないことが望ましい場合がある。次に、ステップ422で、アルゴリズムへの任意の可能な変更の妥当性検査が、エキスパート又はエキスパートのチームなどによって行われる。妥当性検査ステップが、アルゴリズムの変更が適切である旨の結論を生じた場合、ステップ424で示されるようにこのような修正を実施することができる。このようなアルゴリズムのパラメトリック修正に対して本プロセスで言及されているが、このような修正はまた、図24に関して上述のように、統合知識ベース12から利用可能な入力のような他の入力の識別及び検討を含むことができる点に留意されたい。
専門家訓練モード396で動作する場合、データセット416の同様の分析を図26のステップ426で示すように行うことができる。このような分析はまた、エキスパート読取りでの変更が検証408でアルゴリズムによって行われた理由、及びこのような性能を準拠させることができる方法を求めるよう意図することができる。このような分析に基づいて、ステップ428では、この結果を医療専門家にレポートし且つ指示を与えることができる。このようなレポーティング及び指示は単に、アルゴリズム検証によってデータセット402に行われきた変更を示すように、医療専門家にフィードバックすることができる点に留意されたい。しかしながら、レポート又は指示はまた、有用な教訓的入力、教示材料への参照、サンプル、画像ベースのデータ検索、及びその他を提供することができ、その結果、医療専門家は性能の改善についての関連した検討事項を知らされることになる。
データセット416の生成に続いて、ステップ430で示されるような従来の方法で結果をレポートし表示することができる。更に、及び任意選択的であるが、結果として得られるデータに対して他のプロセスを行うことができ、これは、CAXアルゴリズム又は医療専門家の教示のいずれかを改良する際の支援を同様に提供することができる。このようなプロセスは、参照番号432及び434で図26に示されている。
前述のプロセスは、必要とされる場合に、通常の動作手順として実施することができる点に留意されたい。すなわち、相補型のアルゴリズムとエキスパート検証手順及びリコンサイラの使用と共に、相補型のアルゴリズム及びエキスパート読取り手順は、診断及び他の目的でデータの規則的取扱いに利用することができる。しかしながら、専門家訓練モードでは、訓練の目的で、より陽性の読取りを可能性のある疑陽性読取りとして識別するなどのように、比較的「重い」フィルタをアルゴリズム検証ステップで使用することができる。別の、或いは「より軽い」フィルタは、通常動作中、及びステップ404で形成されるアルゴリズム特徴検出分類に使用することができる。更にステップ420又は426のいずれかで行われる分析は、患者固有のデータ、非患者固有のデータ、患者固有及び非患者固有の性質の両方の時間データ、及びその他に基づいて、傾向、予後、及びその他を識別するために統合知識ベースに依存することができる。上述のように、訓練オペレーションの結果として種々の変更をCAXアルゴリズムに対して行うことができる点に留意されたい。このような変更は、処理における変更を含むことができ、及び「患者固有」とすることができ、このような変更は同じ患者に関するデータの将来の分析のために記憶される。すなわち、例えば、幾つかの解剖学的特徴(例えば、体重、骨量、サイズ、インプラント、人工器官など)を有する患者に関する画像データでは、アルゴリズムは、アルゴリズムの将来の応用とアルゴリズムによって行われる決定に基づいてエキスパート読取りに行われる将来の修正又は提案のユーティリティを拡張するために、パラメトリック設定を変えることによって患者固有に適合させることができる。更に、知識ベースに記憶されたデータ内の「正常範囲」を調整するなどのために、学習モード結果に基づいて統合知識ベース自体に変更を行うことができる。
生体外特徴識別
上述のように、本技術で利用可能な多くの資源及び資源のタイプの中で、幾つかの資源は、生体外データ収集及び分析を行うことができるデータ又はサンプルを生成する。本技術は、幾つかの理由でこのようなデータ及びサンプルの処理において特に有用なツールを提供する。まずサンプルは、複数のタイプの資源のデータの入力に基づいて分析することができる。データ収集、内容ベースの情報検索、検索及び/又は収集されたデータの処理及び分析、特徴の識別、及び識別された特徴に基づくデータの分類を含む種々のコンピュータ支援プロセスを実施することができる。生体外サンプルが、統合知識ベースなどからの既知のデータを使用して以前識別された特徴に関係する場合、その生体外サンプルの特徴を分析するために時間分析を行うことができる。情報検索プロセスは更に、空間属性(例えば、特定の構成要素又は特徴のサイズ)、時間属性(例えば、経時的な特徴の変化)、或いはスペクトル属性(例えば、エネルギレベル、強度、色など)などの生体外サンプルの特定の属性に更に基づくことができる。可能な場合、統合知識ベースに記憶された情報からも識別されるこのような内容は、バイオ遺伝マーカ、画像、関係テーブル、標準化されたマトリクスなどを含むことができる。従って、利用可能なデータ、特に統合知識ベースの情報を参照することにより、複数の属性を使用して生体外サンプルの収集、処理、及び分析を拡張することができる。
図27は、一般的に、このような改良された技術による、生体外サンプルの処理における各ステップを表す。一般的に図27の参照番号436によって表される生体外特徴識別プロセスは、ステップ438で始まり、ここでは生体外診断サンプルが収集される。上述のように、通常は体液、組織、及びその他を含むことができるサンプルを収集するために、任意の適切な技術を使用することができる。ステップ440で、収集されたサンプルに関して分析が行われる。分析は、ブロック442で示されるように、統合知識ベースからの入力によって通知される。入力は、他のモダリティに関するデータ、資源タイプ、或いは患者からの同様のサンプルに関する時間データを含むことができる。ステップ440で行われる分析は、このようなデータとの幾つかの比較を含むことができ、本質的に多少予備的なものとすることができる。従って、ステップ444で示されるように、プロセス全体における収集ステップから逸脱することなく、サンプル収集をプロセスのニーズに適合させることができる。このような適合化は、他のサンプルの収集、特定の状態下でのサンプルの収集(例えば、外来診療中の後半、患者の活動又は休息期間中、身体の他の部分からなど)を含むことができる。従って、生体外診断サンプル収集プロセスは、サンプル自体の収集に影響を与えるコンピュータ分析によって向上させることができる。
サンプルの収集に続いて、ステップ446で、サンプルの処理を行うことができる。ステップ446で行われる処理は、データ処理ではなく、通常、手動或いは半自動又は全自動プロセスのいずれかによりデータ抽出用のサンプルを整えるためのサンプル処理である。ステップ446での処理に続いて、ステップ448で処理の結果が分析される。前述のように、ステップ448で行われる分析は、他のモダリティ、資源タイプ、及び時間からのデータを含む統合知識ベースからのデータの検討を含むことができる。ステップ440で行われる分析と同様に、ステップ448での分析は、本質的に予備的なものとすることができ、或いはステップ452で示されるような処理を適合させることによって更なる分析を行うことができる。従って、生体外診断サンプルの最終分析の前に、スライドの準備、種々の化学物質、組織、病原体などの存在の分析といった付加的な処理が適切とすることができる。
ステップ454で、分析の結果が、統合知識ベースなどからの既知のプロファイルと比較され、考えられる診断を決定する。上記のように、ステップ454で行われた比較は、種々のモダリティ、資源タイプ、及び時間からのデータに基づくものとすることができる。比較は、ステップ458で示されるように、病態、医療事象などを示す、あるデータの分類をもたらすことができる。比較及び分類は更に、特定の患者(又は患者の母集団)が、考えられる診断、予後、及びその他を示す可能性がある幾つかの傾向を生じていることを示すことができる。ステップ458で行われる分類の結果は、ステップ460で、医療専門家などによって妥当性検査することができる。
一般に本発明の目的では、特定の疾患或いは病態又は状態の素因の生物試料特性における定量化できる兆候、症状及び/又は被検体(例えば化学物質、組織など)は、病気又は状態の「バイオ遺伝マーカ」と呼ぶことができる。一般に本明細書では分析及び比較に対して言及されてきたが、このようなバイオ遺伝マーカは、上述の空間、時間、及びスペクトル属性だけでなく、更に遺伝マーカ(例えば特定の遺伝子の有無)などを含む広範囲の特徴を含むことができる。
一例として一般的な応用では、患者の組織がサンプリングされ、分析のための検査室に送られる。検査室は、顕微鏡、蛍光プローブ、マイクロアレイなどのような適切な検出器を使用するコンピュータ支援によりデータを収集する。バイオ遺伝マーカ、画像信号、及びその他などのデータの内容が処理され分析される。上述のように、収集及び処理ステップ自体は、統合知識ベースなどからの他のデータを参照することによって影響を受ける可能性がある。従って、このようなデータは、収集、分析、比較、及び分類ステップを支援するための知識ベースから検索される。
プロセスで行われる比較は、本質的にパラメトリック的、或いは非パラメトリック的とすることができる。すなわち上述のように、パラメトリック比較は、測定された量及びパラメータに基づくことができ、ここで特徴はパラメトリック空間でインデックス又は参照され、且つ比較は2つの特徴セットベクトル間のユークリッド距離測定のように幾つかのインデックスに関して1つのデータセットと別のデータセットの相対相似の観点で行われる。このようなインデックスは、顕微鏡の実施例では、特徴的な細胞構造、色、試薬、インデックスなどを含むことができる。他の実施例は、遺伝子組成、特定の遺伝子又は遺伝子配列の有無などを含むことができる。
非パラメータ比較は、ある時間期間にわたる特定の患者などに関するインデックスを特に参照することなく行われる比較を含む。このような比較は、別のデータセットのデータ内容からの特徴への類似性について比較される1つのデータセットのデータ内容に基づくことができる。当業者には指摘されるように、このような比較の1つ又は両方を行うことができ、また状況によっては比較の1つが他方よりも好ましいとすることができる。パラメトリック手法は通常、比較が、与えられた標本と統合知識ベースからの情報に基づくような既知の特徴を有する別の標本との間で行われることになる場合に使用される。例えば、組織病理画像での細胞のテクスチャ及び形状パターンの導出に加えて、パラメータもまた、人口統計学的データ、電子診断データ、イメージング診断データ、及び生体液でのバイオ遺伝マーカの濃度、或いはこれらの組み合わせから導出することができる。従って比較は、上述のように種々のモダリティ及び種々の資源タイプからのデータに基づいて行うことができる。非パラメトリック比較は一般に、時間的な比較の目的で同様に行うことができる。一例として、標本は、動的に変化する特定のイオン濃度を示すことができ、データ属性の時間的な変化(例えば、値、値の比など)は、最終的な臨床決定に到達するために分析を必要とする可能性がある。
コンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズム
上述のように、本技術は、コンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズムでのオペレーションの高レベルの統合を提供する。また上述のように、幾つかのこのようなアルゴリズムが開発されており、コンピュータ支援の病気の検出又は診断、コンピュータ支援のデータの処理又は収集などのような、種々の分野において比較的限定的に使用されている。しかしながら本技術では、高度なレベルの統合及び相互運用性が、モデル開発に関して上述のように、これらの開発及びその使用でのアルゴリズム間の対話によって提供される。更に、このようなアルゴリズムは、臨床及び非臨床応用の両方で想定することができる。臨床応用は、データ分析、処理、収集、及び以下に更に詳細に説明されるような他の技術のある範囲を含み、非臨床アプリケーションは、種々のタイプの資源管理、ファイナンシャル分析、保険請求処理などを含むことができる。
図28は、本明細書で一般的にコンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズム又はCAXと呼ばれる、このようなアルゴリズム間の相互運用性の概要を提供する。上述のように、本明細書でのCAXアルゴリズムは、現在使用中のアルゴリズム上に構築することができ、或いは付加的なデータ資源、このようなデータ資源の統合、又はアルゴリズム内のこれらの資源間及び本明細書全体を通して説明されたアルゴリズム自体間の相互運用性に基づいて修正又は全体的に構成することができる。図28の概要では、例えば、全体的なCAXシステム462は、完全に統合されたシステムに含むことができる広範囲のステップ、プロセス、又はモジュールを含むように示されている。上述のように、より限定された実施形態はまた、このようなプロセス、機能、又はモジュールの一部或いは少しだけが存在する場合において想定することができる。更に現在実施される実施形態では、このようなCAXシステムは、情報を収集してアルゴリズム自体とアルゴリズムで管理されるデータの両方の適合及び最適化を可能にするように、統合知識ベースの関係で実装される。このような開発及び最適化は、本明細書で説明されるモデル開発モジュールによって上述のように実行することができ、アルゴリズム内に実装される規則又はプロセス並びに種々の設定を含む個々のCAXアルゴリズムの種々の態様は、変えることができる。以下に図29に関してCAXアルゴリズムのこのような態様について更に説明する。
図28に要約されるように、一般にCAXアルゴリズムは、データが収集されるステップ464で始まる。本検討を通して示されるように、データの収集は、特にデータを供給する資源タイプ及び資源モダリティに応じて多くの形態を取ることができる。従って、データは、フォーム又は従来の端末などから手動で入力することができ、或いは、データは、検査レポーティング技術、イメージングシステム、自動又は手動の生理学パラメータ収集システムなどによって収集することができる。データは通常、上述のような1つ又はそれ以上のメモリ装置内に記憶され、その一部は、イメージングシステム、画像アーカイビングシステムなどのようなデータ収集システム自体内に組み込むことができる。
ステップ466で、関心のあるデータ又はCAXアルゴリズムによって実行される機能のユーティリティがアクセスされる。次いで、参照番号468で一般的に示されるように、アクセスされたデータに対して一連のオペレーションが行われる。このような処理全体を通して、実際にはステップ466で、統合知識ベース12が全て又は部分的にアクセスされ、CAXアルゴリズムの機能中にデータを抽出し、データを妥当性検査し、データを同期させ、データをダウンロードし、或いはデータをアップロードすることができる。
多くのこのようなコンピュータ支援データオペレーティングアルゴリズムが想定できるが、本発明では、同様に臨床及び非臨床両方の特定の機能を実行するために数十のこうしたアルゴリズムが見込まれる。従って、図28に要約されているのは、コンピュータ支援特徴検出のアルゴリズム(CAD)及びコンピュータ支援病状診断のアルゴリズム(CADx)のステップである。更に、コンピュータ支援臨床決定アルゴリズム(CADs)は、臨床決定が分析及び処理に基づいて自動的に行われる場合に実施される。同様に、治療又は処置の決定は、付加的なルーチン(CATx)によって実施することができる。特定のコンピュータ支援収集(CAA)及びコンピュータ支援処理(CAP)アルゴリズムは、上記に詳細に説明されたタイプから実施することができる。更に、コンピュータ支援分析(CAAn)アルゴリズムは、以下に説明されるように実施することができる。コンピュータ支援予測又は予後診断(CAPx)アルゴリズムもまた、処方妥当性検査、提言又は処理アルゴリズム(CARx)のように医療関連において想定される。最後に、コンピュータ支援評価(CAAx)アルゴリズムは、臨床的及び非臨床的の両方の状況の範囲について想定される。
図28に要約されたデータオペレーティングステップを更に詳細に検討すると、ステップ470で、アクセスされたデータは一般に、デジタルフィルタリング、データの調整、ダイナミックレンジの適合、データの関連付けなどのように処理される。当業者には理解されるように、ステップ470で実行される特定の処理は、実行される分析又は機能のタイプで分析されるデータのタイプに依存することになる。しかしながら、上述の資源のいずれかからのデータを処理することができ、実際には1つより多いモダリティ又は資源の同じタイプからのデータは、存在するリスクの複雑な分析、或いは病状の治療などのために処理することができる点に留意されたい。ステップ472では、同様にデータの分析が行われる。同様に、このような分析は、データの性質と分析が行われるアルゴリズムの性質に依存することになる。
このような処理及び分析に続いて、ステップ474で、関心特徴が一般的な方法でセグメント化され囲まれる。同様に、画像データでは、このような特徴のセグメント化は、解剖学的組織又は病変の区域などを識別することができる。しかしながら、より一般的には、ステップ474で行われるセグメント化は、データ間の種々の関係、相関性の程度などを含む特徴の任意のタイプの区域を単に見分けることを意図する。このようなセグメント化に続いて、ステップ476で要約されるようにデータ内で特徴を識別することができる。このような特徴識別はイメージングデータに対して行い、特定の解剖学的組織又は病変を識別することができるが、ステップ476で行われる特徴識別は、本質的により広範なものとすることができる点に留意されたい。すなわち、本発明のシステムに統合することができるデータが広範囲であることに起因して、特徴識別は、全てのタイプのモダリティ、非臨床データ、人口統計学的データなどからの臨床データのようなデータの関連性を含むことができる。一般に、特徴識別は、CAXアルゴリズムによって行われるプロセスにおいて関心のあるものとすることができるデータ間の相関性のいかなる認識をも含むことができる。ステップ478で、このような特徴が分類される。このような分類は通常、セグメント化された特徴でのプロファイルと既知の状態での既知のプロファイルとの比較を含むことができる。分類は一般に、パラメータ設定、値、及びその他を結果として生じることができ、これらは、データセットの既知の母集団でのこのようなプロファイルを検討中のデータセットと一致させる。しかしながら分類はまた、特定の患者又は患者母集団の経時的な傾向分析などによって、非パラメトリックプロファイルマッチングに基づくものとすることができる。
アルゴリズムによって行われる処理に基づいて、広範囲にわたる決定を行うことができる。ステップ462で要約されるように、このような決定は、臨床的決定480、治療決定482、データ収集決定484、データ処理決定486、データ分析決定488、状態予測又は予後決定490、処方提言又は妥当性検査決定492、及び状態評価494を含むことができる。上述のように、本技術によって提供される処理オペレーションの高レベルの統合及び一連の資源からのデータの統合によって、図28で要約されるように、CAXアルゴリズムによって実行される機能のカテゴリーのいずれか1つを、非患者固有の理由及び患者固有の理由の両方について修正又は最適化することが可能となる。従って、アルゴリズムにおいて行われた決定のいずれか1つの結果として、ステップ496で要約されるように同じ又は異なるCAXアルゴリズムの修正を行うことができる。以下に示されるように、このような修正は、異なるアルゴリズムタイプの選択、アルゴリズムによって行われる1つ又はそれ以上の機能の修正、付加、又は削除、或いは機能を実行する場合にアルゴリズムによって用いられるパラメータ及び設定の修正を含むことができる。従って、図28のフロー図においては、データ収集、処理、分析、特徴識別、特徴セグメント化、特徴分類、或いはCAXアルゴリズム内で実行される任意の他の機能を含む、上記に要約されたステップのいずれか1つに対してフィードバックを行うことができる。一般に、アルゴリズムの結果のある形態のレポーティング又は表示が、ステップ498で要約されるように提供されることになる。
一般に本明細書では、各決定サブモジュールは、タスク(例えば収集)とこれに関連する目的(例えば癌の検出)を有する。タスク及び意図された目的に応じて、決定規則が設定される。1つの実施形態では、専門エキスパートは、所与のタスク及び目的に使用されることになる規則を決定することができる。別の実行では、全ての可能なタスク及び目的に関する規則のライブラリをエキスパートのパネルにより決定し、且つサブモジュールによって使用することができる。別の実施形態では、規則のライブラリに統合知識ベースからアクセスすることができる。別の実施形態では、統合知識ベース内に新しい規則を記憶することができるが、これは、知識ベース内に記憶する前に他の手段により導出される。典型的な実施形態においては、本発明のデータと規則の組み合わせは、データの予想される決定オプションを総括するのに使用される。これらのオプションは幾つかの成果をもたらすことができ、その一部は、望ましいものであり、あるものは望ましくない場合がある。最適な成果を得るためには、該成果の各々に対してスコアを提供するようメトリックが設定される。このようにして、結果として得られた成果が評価され、選択された(すなわち最適な)成果が決定ブロック内に備えられる機能を決定する。
上述のように、種々のCAXアルゴリズムは、個々に、或いはあるレベルの対話により用いることができる。更にアルゴリズムは、修正せずに本技術において用いることができ、或いは、あるレベル又は高レベルの適応性を、付加的なデータ資源の統合及び本システムにおける処理によって提供することができる。このような適応は、リアルタイムで、或いはデータ収集事象の前後で行うことができる。更に上述のように、実行のトリガ又はCAXアルゴリズムの適応は、予定されたタイミング、オペレータの介入、データの状態の変化などの、任意の範囲の開始因子によって開始することができる。一般に、CAXシステムの幾つかの態様又は特定のCAXアルゴリズムは、変えることができる。図29に要約されるように、本技術は、提供される適応及び最適化のためのこのようなCAXアルゴリズムのコンパイル、分析、及び変更に対する実質的に新規の異なる方法で想定する。
図29を参照すると、参照番号500によって一般的に示されたCAX全体系統が、別々の機能性又はパラメータ[i][j][k]によって表すことができる。本系統でのCAXアルゴリズムのこれらの態様は、まず図29のリスト502によって示されるような、アルゴリズムによって実行される機能の一次タイプ、図29の参照番号504によって示されるような、アルゴリズムによって実行される機能、及びアルゴリズムで用いられる特定のデータ属性506を表している。アルゴリズム指定502は、アルゴリズムにおける機能の一般的ラインに従うことができるが、当業者でれば、1つより多いこのような機能性が、サブルーチン、サブモジュール、及び同様のもの等により用いることができる点を認識するであろう。アルゴリズムの機能の[j]レベルは、種々のアルゴリズムにおいて実行される広範囲にわたる統合又はモジュラー機能を含むことができ、その一部は、異なるアルゴリズムによって共用することができる。特に図29に示されているのは、データアクセス、特徴識別、分析、セグメント化、分類、決定、比較、予測、妥当性検査、及びリコンシリエーションのような機能である。勿論、他の機能も、同様に用いることができる。一般に本明細書では、このような機能は、アルゴリズムのサブモジュールとして実装され、一般に、アルゴリズムによって要求され、上述のようなプログラミング、エキスパートシステム、ニューラルネットワークなどによって開発される「ツールキット」として実装することができる。
CAXアルゴリズムの[k]レベルは、[j]レベルで指定された機能を実行するためのCAXアルゴリズムによって使用される変数又は入力を一般的に表している。一例として、現在企図されている実施形態では、[k]レベルでの項目は、パラメータ、設定、値、範囲、患者固有データ、器官固有データ、状態固有データ、時間データなどを含むことができる。このようなパラメータ及び設定は、患者固有のCAXアルゴリズムの実施形態に対し、或いは患者母集団、施設、及びその他のようなより広範囲にわたる変化に対して、上述の方法で変えることができる。モデリングに関して上述されたように、CAXアルゴリズムにおいて行われる変更は、修正前に検討されていなかったデータの検討を含むことができる点に留意されたい。すなわち、新しいデータ又は新しい関係が識別されたときに、CAXアルゴリズムは、新しいデータの検討に対応するように変更することができる。当業者には理解されるように、本技術の高度な統合により、広範囲の資源からのデータ及びCAXアルゴリズムに組み込まれるこのような知識の中から、及びこれらの間で新しく有用な関係を識別して、その性能を更に拡張することが可能となる。その結果、利用可能な場合には、CAXアルゴリズムによって要求されたときにその機能を実行するよう、データを統合知識ベース又は知識ベースの一部から抽出することができる。
単一のCAXアルゴリズムは本技術に従って実施することができ、一方、種々のCAXアルゴリズムは、広範囲にわたる状態に対処するよう並行して且つ連続して実施することができる点に留意されたい。図30に要約されるように、例えばマルチCAX実施形態508は、第1のタイプのアルゴリズム510を含むことができ、これは上記に要約されたアルゴリズムのいずれかとすることができる。更にアルゴリズムの選択されたタイプを並行して実施することができ、これにより複数の異なる機能又は相補的機能を実行することができるようになる。各々のこのようなアルゴリズムは通常、参照番号512で示されるような基本オペレーションを含むことができる。このようなオペレーションは一般に、特徴セグメント化514、特徴識別516、及び特徴分類518などのステップを含むCADアルゴリズムのオペレーションに類似することができる。このようなステップに基づいて、ステップ520で示されるように、将来の動作に対する特定の提言などに関して決定を行うことができる。上述のように、こうしたオペレーションに基づいて、ステップ522で示されるようにアルゴリズムを修正することができる。次いで、ステップ524で示されるように、データを生成又は処理するのに用いられるシステム或いは方法に戻ることによって、該修正が実施される。上述のように、修正は、上述のレベル[j]及び[k]のようなアルゴリズムの種々のレベルに応じて行うことができる。
図30に要約されるように、幾つかの種々のタイプのCAXアルゴリズム(すなわちCAX[i])は、種々のタイプの関心特徴、或いは異なるタイプを識別し、又はモダリティのデータから識別するなどのために、並行して実行することができる。参照番号526及び528で示されるようなこうした付加的なアルゴリズムは、上述のアルゴリズムタイプのいずれかを含むことができる。同様に、同じ又は異なるタイプのCAXアルゴリズムは、図30の参照番号530及び532で示されるように連続して実行することができる。このようなアルゴリズムは、実際は、より早く実行されるアルゴリズムの結果に基づいて選択することができる。
上述のCAXアルゴリズムの全てが、臨床及び非臨床事項の範囲に対処する場合において適用することができ、これらのある部分のより完全な説明は、必要とされるモジュール又はサブモジュールによって実行されるデータオペレーションのタイプを理解するのに有用である。
コンピュータ支援診断(CADX)
コンピュータ支援診断モジュールは、通常医療イメージングの領域において特定の状態の識別及び診断を支援する。しかしながら、本技術によれば、このようなモジュールは、イメージングタイプ及びモダリティから、並びに資源の他のタイプ及びモダリティの両方から、より広範囲にわたるデータを取り入れることができる。以下は、例示的なコンピュータ支援診断モジュールの一般的な説明である。上記に説明され図28に示されるように、CADxは、コンピュータ支援検出(CAD)モジュールと特徴分類ブロックからなる。
上述のように、医師は種々のソースから病状に関する情報を得る。本技術は、腫瘍学、放射線学、病理学、神経学、心臓学、整形外科学、及び外科学を含む(限定ではないが)、臨床関連領域での一連の病状の検出及び分類のためのマルチモード及び多次元の観点からこれらのソースを要求するコンピュータ支援アルゴリズム及び技術を提供する。状態識別は、体液の分析及び検出のみを使用したスクリーニングの形態(例えば疑わしい候補病変の有無を判断するため)、或いは診断の形態(例えば、良性又は悪性の結節として検出された病変の分類のため)とすることができる。簡略化のため、1つの本実施形態を、良性又は悪性の病変を診断するためのCADxモジュールの点から説明する。
本明細書では、CADxモジュールは、データソース、最適特徴選択、並びに結果の分類、訓練、及び表示のような幾つかの部分を有することができる。上述のように、データソースは通常、画像収集システム情報、診断画像データセット、電子診断データ、体液からの臨床検査診断データ、組織学診断データ、及び喫煙歴、性別、年齢、臨床的症状などといった患者の人口統計/症状/履歴を含むことができる。
特徴選択自体は、セグメント化及び特徴抽出などの分析及び処理の種々のタイプを含むことができる。データにおいて、特徴を算出するために関心領域を定めることができる。関心領域は、全データを「現状のまま」使用することにより、或いは肺尖端領域の候補結節領域のようにデータの一部を使用することなどによる幾つかの方法で定めることができる。関心領域のセグメント化は、手動又は自動のいずれでも行うことができる。手動のセグメント化は、コンピュータマウスでのシステムとのユーザインターフェーシングなどによって、データを表示する段階及び領域の輪郭を描く段階を含む。自動セグメント化アルゴリズムは、結節の形及び大きさのような事前知識を使用して、自動的に関心エリアの輪郭を描くことができる。また、上記の2つの方法を組み合わせた半自動の方法を使用してもよい。
特徴抽出プロセスは、データソース上で計算を行う段階を伴う。例えば、画像ベースのデータにおける関心領域について、形、大きさ、密度、曲率のような統計値を計算することができる。収集ベース及び患者ベースのデータ上では、データ自体が特徴として機能することができる。特徴が計算されると、予め訓練された分類アルゴリズムを用いて、関心領域を良性又は悪性結節として分類することができる。ベイズ分類子、ニューラルネットワーク、規則ベースの方法、ファジィ論理、或いは他の適切な技術を分類のために用いることができる。本明細書では、CADxオペレーションは、全てのデータから特徴を取り込むことによって一度に行うことができ、或いは並行して行うこともできる点に留意されたい。並行オペレーションは、データのセットに対して個々にCADxオペレーションを実行する段階と、一部又は全てのCADxオペレーション(例えば、AND、ORオペレーション或いは両方の組み合わせにより)の結果を組み合わせる段階とを伴う。更に、複数の病態或いは病状又は事象を検出するためのCADxオペレーションは、連続して或いは並行して行うことができる。
実施例においては、CADモジュールを使用する結節などの分類の前に、モジュールの訓練からの事前知識を動作させることができる。訓練段階は、良性及び悪性結節の既知のサンプルに対して幾つかの候補特徴の計算を伴う。次いで、特徴選択アルゴリズムは、候補特徴をソートして有用なものだけを選択するために用いられ、情報を提供しないもの或いは冗長な情報を提供するものが除外される。この決定は、候補特徴の種々の組合せを有する分類結果に基づく。特徴選択アルゴリズムはまた、実用的な見地から次元を下げるのに使用される。従って、乳房質量分析の実施例では、悪性結節から良性結節を最適に見分けることのできる特徴セットが得られる。この最適特徴セットは、CADモジュールでの関心領域上で抽出される。最適特徴選択は、発散測定、バッタチャリヤの距離、マハラノビスの距離などを含むよく知られた距離測定技術を使用して行うことができる。
提案される方法は、例えば、人又は機械の観察者がレビューするための複数のバイオ遺伝マーカの使用を可能にする。CAD技術は、データの一部又は全てを操作し、データの各種類又はセットに対して結果を表示し、或いは表示のために結果を合成することができる。これは、レビューされることになるデータの量又はタイプを増やさずにセグメント化プロセスを単純化することによってCAD性能を向上させる利点をもたらす。
同様に病変分析の例に続いて、疑わしい候補病変の識別及び分類後に、データをレビューする人に対してその位置及び特徴を表示することができる。幾つかのCADx応用では、これは、疑わしい病変の近傍又は周囲の遺伝マーカの重ね合わせ(例えば矢印又は円)によって行われる。他の場合では、CAD及びCADxが、複数のデータセットのいずれかにある検出され診断された遺伝マーカをそれぞれ表示する能力をコンピュータに与える。このようにして、レビューする人は、CADxオペレーションのアレイからの結果を重ね合わせることができる(固有のセグメント化(すなわち、関心領域)、特徴抽出、及び分類手順によって定められた)単一のデータセットを観察することができる。
コンピュータ支援収集(CAA)
コンピュータ支援収集処理モジュールは、1つ又はそれ以上のタイプの資源及び各タイプ内の1つ又はそれ以上のモダリティから更なるデータを同様に収集し、患者の状態の理解及び診断の向上を支援するよう実行することができる。データの収集は、1回又はそれ以上の患者来院、或いはデータ処理システム10によって自動的に行われる決定に基づいて付加的なデータが収集されるセッション(例えば患者との遠隔セッションを含む)を必要とすることができる。情報は、統合データベース12で利用可能なデータに基づき、診断及び分析に使用する付加的なデータの次の統合及び収集の従来利用可能でないレベルを提供するのが好ましい。
本技術の1つの態様によれば、例えば、初期CAD処理を用いて、付加的な人間のオペレータ支援の有無に関係なく、付加的なデータ収集を誘導することができる。CT肺スクリーニングは、この対話の例としての役目を果たす。まず、元のCTデータが5mmのスライス厚で収集されると仮定する。これは、診断の正確さ、患者の線量、及びレビューする画像の数の間の適切な均衡を達成するために多くの臨床現場で行われる一般的な方法である。CADアルゴリズムが、疑わしい箇所を識別すると、コンピュータが自動的にCTスキャナーに指示し(或いはCTオペレータに提言する)、疑われる位置で薄いスライスのセット(例えば1mmのスライスの厚さ)を再収集することができる。更に、増加したX線束は、より良好な信号対雑音に使用することができる。位置が十分に定められているので、患者への付加的な線量は最小限に留められる。薄いスライスの画像は、より良好な空間分解能、従って診断の正確さの向上をもたらす。このような対話の利点は、画像品質の向上及び患者のスケジューリングの排除を含む。診断プロセスの多くが、通常は患者をCTスキャナー室に残したずっと後で生じる点に留意されたい。従来の方法では、放射線科医がより薄いスライスを必要とする場合、患者は呼び戻され再度スキャンする必要があった。スキャンのランドマーキングはスカウト画像を用いて行われるので、関心特徴の後続の位置測定はかなり不十分である場合が多い。従って、患者の器官のより大きなボリュームは再スキャンする必要がある。これは、時間のロスだけでなく、患者に対する線量の増大にもつながる。
この実施例はシングルモダリティの場合であるが、本方法は、モダリティ全体にわたり、更に上述のような資源のタイプ全体にわたっても、また経時的にも適用することができる。例えば、第1のモダリティによって収集された画像を用いて生成された初期CAD情報は、モダリティBによる付加的なデータ収集を誘導するためにCAAアルゴリズムによって使用することができる。このような対話の特定の実施例は、薄いスライスのヘリカル胸部CT検査の収集を誘導する胸部X線における疑わしい結節のCAD検出である。
コンピュータ支援処理(CAP)
コンピュータ支援処理モジュールは、1つ又はそれ以上の収集セッションによって既に利用可能なデータの強化された分析を可能にする。処理は、1つ又はそれ以上の資源のタイプ、及び各タイプ内の1つ又はそれ以上のモダリティに同様に基づくものとすることができる。また上述のように、コンピュータ支援処理モジュールは、通常は医療イメージングの関連において、従来ではシングルモダリティに適用されてきたが、本技術は、利用可能な種々の資源及び統合知識ベースの使用によって、より広い関連におけるこのようなモジュールの使用を企図する。
一例として、CAD生成情報を用いて、新しい画像を得るプロセスを更に最適化することができる。データ収集及び初期画像形成に続いて(或いは、画像再構成を伴わずに未処理の又は処理中のデータに基づいて)、CADモジュールを用いて初期特徴検出を行うことができる。可能性のある病理学的位置が識別され特徴付けられると、所見に基づきCAAモジュールによって画像の新しいセットを生成することができる。画像の新しいセットを生成して、人間の観察者による検出/分類タスクを支援し、或いは他のCAXアルゴリズムの性能を向上させることができる。
例証として、CT肺スクリーニングの実施例が考慮されるが、勿論この方法は、他のイメージングモダリティ、他の資源タイプ、及び他の病変にまで一般化することができる。最初に、画像が「ボーン」(高分解能)フィルタカーネル及び40cm再構成視野(FOV)で再構成されると仮定する。疑わしい肺結節が識別されると、CAPモジュールは、元のスキャンデータを用いて疑われる位置での新しい画像セットを再構成することができる。例えば、「標準」(より低い分解能のカーネル)フィルタカーネルを有する第1の画像を最初に再構成することができる。標準カーネルは不十分な空間分解能をもたらすが、これは正確なCT数を維持する特性を有する。このような画像をボーンアルゴリズムによって作られた画像と組み合わせることにより、CAPアルゴリズムは、そのCT数に基づいて石灰化した結節と非石灰化結節とを区別することができる。更にCAPモジュールは、疑われる位置での目標とされる再構成を行い、空間分解能の改善をもたらし、或いはアルゴリズム性能を向上させ、及び/又は人間の観察者による分析を容易にすることができる。別の実施例として、本発明のCTスキャナーでは、通常の画像サイズは512×512画素である。40cmの再構成FOVでは、各画素は1つの側に沿って約0.8mmである。ナイキストサンプリングの観点から、これは高空間分解能をサポートするには不十分である。しかしながら、CAPモジュールが画像を再生成する場合、疑わしい箇所での10cmFOVでは、各画素は1つの側に沿って約0.2mmであり、従ってより高い空間分解能をサポートすることができる。付加的な再構成及び処理は、全ボリュームではなく、離隔された箇所にのみ行われるので、画像処理、再構成、及び記憶の量がかなり管理しやすくなる。説明の目的のため、本明細書では単純な例が示されている点に留意されたい。他の処理ステップ(画像強調、ローカル3Dモデリング、画像再形成など)もまた、初期CAD結果及び更なる処理の結果などに基づいて、CAPモジュールの誘導下で行うことができる。付加的な画像は、更なるCAX分析への入力としてCAD処理の元の所見を改良するために使用することができ、或いは放射線科医に提示することができる。
コンピュータ支援予後診断(CAPx)
医療上の予後診断は、治療、合併症、疾病の再発、ヘルスケア施設での滞在の長さ、又は患者或いは患者グループの生存の推定である。予後診断の極めて単純な目的は、将来の経過及び疾患の転帰の予測、及び当該疾患からの回復の可能性の指標である。
本技術に従ってコンピュータ予後診断モデルを使用し、病気の自然経過或いは治療後の期待される転帰を予測することができる。予後診断は、治療の選択及び治療のプランニングのためのシステムの不可欠な部分を形成する。更に予後診断モデルは、例えば結果が予後診断の知識に影響を及ぼす検査に関する情報を要求することだけによって、診断上の問題の解決を導く重要な役割を果たすことができる。
近年、人工知能、決定理論、及び統計学の分野からの幾つかの方法及び技術が、患者の医療的管理(診断、治療、フォローアップ)のモデルに導入されてきており、これらの幾つかのモデルにおいては、予想される予後診断の評価が必須の部分を構成している。通常、最近の予後診断方法は、平均余命の一般的なモデルと組み合わせることのできる明示的な病態生理学的モデルに基づく。このような領域モデルの例には、日常的な疾患モデル、及び人体の調節機構の生理的モデルがある。このようなモデルベースの手法は、医療領域モデルが医療文献から部分的に得られるので、知識ベースのシステムの開発を容易にする可能性を有する。
定量的且つ確率的な手法から象徴的且つ定性的な手法にまで及ぶ、このような領域モデルを提示するための種々の方法が提案されてきた。例えば、調節機構の漸次的変化をモデリングするための時間のような意味論的概念は、重要且つ困難なモデリングの問題を形成してきた。更に、このようなモデルの自動学習技術が提案されてきた。モデル構成が難しい場合、ケースベースの提示及びこれとより明示的な領域モデルとの組合せの使用のように、あまり明示的でない領域モデルが研究されてきた。
コンピュータ支援評価(CAAx)
コンピュータ支援評価モジュールは、広範囲にわたる状態又は状況を分析するためのアルゴリズムを含むことができる。一例として、このようなアルゴリズムを用いて、医療的な処置(例えば手術)の転帰、損傷(例えば背骨損傷)による治療の転帰、状態(例えば妊娠)、状況(例えば外傷)、プロセス(例えば、保険、清算、装置利用)、及び個人(例えば、患者、学生、医療専門家)を評価することができる。
CAAxアルゴリズムでの幾つかの例示的なステップが、図31に一般的に示されている。アルゴリズム534は、ステップ536で、キーデータの入力で始まる。アルゴリズムの目的に応じて、このようなデータは、状況、タスク、利用可能な結果、意図される人物、要求される情報などの指示又は記述を含むことができる。データは、ステップ538で示されるような要求されるソフトウェアツールを識別するのに使用され、該ツールは、評価プロセスによってユーザを導くためのインターフェースとして使用される「ウィザード」形式を取ることができる。インターフェースは、アルゴリズムによって実行されるオペレーションの分野、或いは実行されることになるデータ又は評価の分野において、専門医又はエキスパートからの入力に少なくとも部分的に基づくものとすることができる。
ステップ540で、より特定の情報を1人又はそれ以上のユーザから呼び出し、或いは上述の種々の資源から自動的に収集又はアクセスすることができる。データが個人によって入力される場合、カスタマイズされたインターフェースを非連合インターフェース層222などを介して上述の方法で提供することができ、統合知識ベース12及びデータ資源18からの情報を利用する。上述のように、このようなインターフェースは、特定のユーザ、実行される機能、提供又はアクセスされるデータなどに対してカスタマイズすることができる。
提供された情報に基づいて、ステップ542で示されるように評価が行われる。このような評価は一般に、状態、状況、或いは評価される他の問題に基づいて大きく異なることになる。現在企図される実施形態では、この評価からスコアが決定され、ステップ544でスコアに基づいて比較が行われる。次いで、比較は、別の動作の提言の基礎であり、或いは単に評価のレポートされた結果のベースとしての働きをすることができる。更に、ステップ546で示されるように、可能性のある競合又は判断が適切にある場合、プロセスの結果は任意選択的に調整を行うことができ、これは、必要に応じて人間のエキスパートからの入力を含む。
ビジネスモデルの実施
前述の技術は、広範囲にわたる方法での実施を可能にする。例えば、繰り返し示されるように、データ及びデータとモジュール間の対話の使用が、単一のワークステーションを含む、極めて小さなスケールで実施することができる。種々のタイプの資源とワークステーションとの間のネットワークリンクによって、及び上述のようなネットワーク構成要素間の種々のレベルで、高レベルの統合を提供することができる。本技術が、産業界或いは産業界の一部内の全体のビジネスモデルとして実施することができる点に留意されたい。
本技術のビジネスモデルの実施形態は、1つ又はそれ以上のメモリ装置、或いはディスク、ハードドライブ、フラッシュメモリなどのような機械可読媒体にインストールされたソフトウェアを含むことができる。次いで、ユーザは、個々に、或いはネットワークを介した特定のサイト、リンク、サービス、データベースなどへのアクセスによって、この技術を用いることができる。同様に、この技術に基づくビジネスモデルは、ペイパーユース、定期契約、或いは任意の他の適切なベースに関して本技術が提供されるように開発することができる。
このようなビジネスモデルは、前述の技術のいずれか或いは全てに用いることができ、また「モジュラー」ベースで提供することができる。一例として施設は、患者母集団の評価、サービス及び資源のスケジューリング、患者状態の予測のためのモデルの開発、訓練目的などのためのサービスを契約又は注文することができる。個人又は施設は、個々の患者記録のメンテナンス、記録の統合、及び同様のものの類似のサービスを契約又は購入することができる。これらの技術の幾つかは、イメージングシステム、ワークステーション、管理ネットワークなどのような他の資産又はサービスと共に提供することができる。
当業者には理解されるように、前述の技術に基づき構築されたビジネスモデルは、サーバ、ドライバ、翻訳プログラムなどを含む広範囲のサポートソフトウェア及びハードウェアを用いることができ、これは、データベース、処理資源、及び上述のデータと管理可能且つ規定可能な資源との対話を可能にし、又は容易にする。データのセキュリティ、検証、インターフェーシング、及び同期を提供するサポート構成要素は、このようなシステムに組み込むことができ、或いはシステム及び種々のユーザ又はクライアントに分散させることができる。サービスのトラッキング及び請求を可能にするモジュールを含む、ファイナンシャルサポートモジュールは、類似の方法で組み込むことができる。
前述の技術の幾つかは、部門全体又は業界全体の様態で実施できることが同様に企図される。従って、アクセス、交換、アップロード、ダウンロード、翻訳、処理などのためにデータを適切に標準化し、或いはタグ付けすることによって、高レベルの統合を可能とすることができる。
本発明は種々の修正及び代替形態が可能であるが、本明細書では、特定の実施形態を各図面において例証として示し且つ詳細に説明してきた。しかしながら、本発明が開示された特定の形態に限定されるものではない点を理解されたい。逆に本発明は、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を保護するものとする。
本技術の態様によるコンピュータ支援医療データ処理システム内の幾つかの例示的な機能構成要素と構成要素間のデータの流れの全体図。 図1に一般的に示されているタイプのデータ処理システムの幾つかの例示的な構成要素の概略図。 図1のシステムで用いられる知識ベースの一部を形成できる幾つかの例示的なデータ資源の概略図。 図1に示されたタイプのシステムで用いることができる管理可能且つ規定可能な資源の幾つかの例示的なものの概略図。 本技術の態様に従ってデータ処理システムに含むことができる管理可能且つ規定可能な資源内の例示的なモジュール、並びに幾つかのモジュールの概略図。 幾つかのタイプ内の及びある時間期間にわたる種々のモダリティ資源の利用可能性を示す、幾つかの規定可能な且つ管理可能なデータ資源の全体の構造の概略図。 ある時間期間にわたって、図6に示されるような幾つかのデータ資源タイプ間での情報の流れと、該情報が、分析のためのデータ処理システム、及び付加的なデータ収集、処理、又は分析の指示に結び付けることができる方法の概略図。 タイプによって編成された例示的な規定可能且つ管理可能な医療データ資源の範囲と、タイプ内の資源の種々のモダリティを示す表形式の図。 身体の機能及び状態を表す電子データを収集するための種々の一般的な構成要素又はモジュールを含むことのできる、図8で言及されたような代表的な例示的電子データ資源の一般的な概略図。 図9で言及された規定可能な且つ管理可能な資源の1つとして医療診断イメージングシステムの幾つかの機能的な構成要素の一般的な概略図。 本技術の幾つかの態様に従って用いることのできる例示的なX線イメージングシステムの概略図。 本技術で用いることのできる例示的な磁気共鳴イメージングシステムの概略図。 本技術で使用する例示的なコンピュータ断層撮影イメージングシステムの概略図。 本技術で使用する例示的な陽電子放射断層撮影システムの概略図。 本技術の態様に従って知識ベースを確立し構成するのに使用できる例示的なニューラルネットワークシステムの概略図。 知識ベースをプログラムし構成するのに同様に使用できるエキスパートシステムの概略図。 連合データベース、統合知識データベース、データ処理システム、及び一連の臨床医から情報を収集し且つ出力のための情報を提供するための非連合インターフェース層の間の対話を示す本技術によるシステムの幾つかの構成要素の概略図。 本技術によって確立された資源及び知識ベースから情報を収集し、分析し、更に出力するために種々の方法で起動することができる一連の処理ストリングの概略フローチャート。 患者との対話によって患者情報を収集し、システム対話型機能を実行し、更に患者及び臨床医を含むユーザに情報を出力するために、経時的に発生することができる幾つかの事象及びプロセスの概略フローチャート。 統合知識ベースへのユーザアクセスを改良し、統合知識ベースと対話するためのユーザ固有のインターフェースを定めるために利用可能な幾つかの構成要素及び機能の概略図。 本技術の態様で実装されるクラスタ化されたアーキテクチャのレベルの概略図。 図21のアーキテクチャの種々のレベルで行われる種々の機能を示すフローチャート。 患者管理の統合記録システムでの構成要素及びプロセスを示すフローチャート。 予測モデル開発システムの例示的な構成要素及びステップを示すフローチャート。 図24に示されたタイプの予測モデル開発モジュールで実行される機能を示すフローチャート。 コンピュータ支援アルゴリズム及び医療専門家を向上又は訓練するための手法を示すフローチャート。 生体外サンプル処理及び分析のための処理ステップを示すフローチャート。 本技術の態様による1つ又はそれ以上のCAXアルゴリズムを含むCAXシステムの概略図。 図28のCAXアルゴリズム及び該アルゴリズムによって用いられる機能及びオペレータの概略図。 ある範囲の状態及び状況を評価するために並行して及び/又は連続してCAXアルゴリズムを実施する方式の概略図。 実施されるCAXアルゴリズムの1つとして機能することができるコンピュータ支援評価アルゴリズムの概略図。
符号の説明
2 コンピュータ支援医療データ交換システム
4 患者
6 ケア提供者
8 インターフェース
10 データ処理システム
12 統合知識ベース
14 連合データベース
16 患者データ収集インターフェース
18 資源

Claims (41)

  1. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法であって、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、
    前記データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別する段階と、
    複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供する段階と、
    を含む方法。
  2. 前記データを構文解析して、前記クライアントに許可された前記統合知識ベースへのアクセスのレベルを識別する段階を更に含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記アクセスのレベルが、前記クライアントが属するクラスによって定義される請求項2に記載の方法。
  4. 前記アクセスのレベルが、前記患者固有臨床データの対象である患者によって設定される請求項2に記載の方法。
  5. 前記アクセスのレベルは、前記クライアントによって前記統合知識ベースから引き出すことができるデータと、前記クライアントから前記統合知識ベースにロードすることができるデータとを定義する請求項2に記載の方法。
  6. 前記クライアントが、診断イメージングシステムである請求項1に記載の方法。
  7. 前記特徴が、前記クライアントの個人情報を含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記特徴は、前記データが受け取られる時点で前記クライアントにより実行される機能を含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記特徴が、前記クライアントに固有のデータを認証する段階を含む請求項1に記載の方法。
  10. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法であって、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、
    前記データを構文解析して、クライアント固有インターフェースを識別し、且つ複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの前記クライアントに許可されたアクセスのレベルを識別する段階と、
    統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供する段階と、
    を含む方法。
  11. 前記インターフェース及び前記アクセスのレベルが、前記クライアントが属するクラスによって定義される請求項10に記載の方法。
  12. 前記インターフェース及び前記アクセスのレベルが、前記患者固有臨床データの対象である患者によって設定される請求項10に記載の方法。
  13. 前記アクセスのレベルは、前記クライアントによって前記統合知識ベースから引き出すことができるデータと、前記クライアントから前記統合知識ベースにロードすることができるデータとを定義する請求項10に記載の方法。
  14. 前記クライアントが、診断イメージングシステムである請求項10に記載の方法。
  15. 前記特徴が、前記クライアントの個人情報を含む請求項10に記載の方法。
  16. 前記特徴が、前記受け取られるデータが受け取られる時点で前記クライアントによって実行される機能を含む請求項10に記載の方法。
  17. 前記特徴が、前記クライアントに固有のデータを認証する段階を含む請求項10に記載の方法。
  18. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するための方法であって、
    複数のクライアント固有インターフェースと、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの複数のアクセスのレベルとを定める段階と、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る段階と、
    前記データを構文解析して、クライアント固有インターフェースを識別し、且つ前記クライアントに許可された前記統合知識ベースへのアクセスのレベルを識別する段階と、
    統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供し、前記インターフェース及び前記アクセスのレベルを前記患者固有臨床データの対象である患者が設定する段階と、
    を含む方法。
  19. 前記インターフェース及び前記アクセスのレベルが、前記クライアントが属するクラスによって定義される請求項18に記載の方法。
  20. 前記クライアント固有の臨床データが、医療診断イメージングシステムから少なくとも部分的に得られる請求項18に記載の方法。
  21. 前記アクセスのレベルが、前記クライアントによって前記統合知識ベースから引き出すことができるデータと、前記クライアントから前記統合知識ベースにロードすることができるデータとを定義する請求項18に記載の方法。
  22. 前記クライアントが、診断イメージングシステムである請求項18に記載の方法。
  23. 前記特徴が、前記クライアントの個人情報を含む請求項18に記載の方法。
  24. 前記特徴が、前記受け取られるデータが受け取られる時点で前記クライアントによって実行される機能を含む請求項18に記載の方法。
  25. 前記特徴が、前記クライアントに固有のデータを認証する段階を含む請求項18に記載の方法。
  26. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するためのシステムであって、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る手段と、
    前記データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別する手段と、
    複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供する手段と、
    を備えるシステム。
  27. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するためのシステムであって、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る手段と、
    前記データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別し、且つ複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの前記クライアントに許可されたアクセスのレベルを識別する手段と、
    統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供する手段と、
    を備えるシステム。
  28. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するためのシステムであって、
    複数のクライアント固有インターフェースと、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの複数のアクセスのレベルを定める手段と、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取る手段と、
    前記データを構文解析して、クライアント固有インターフェースを識別し、且つ前記クライアントに許可された前記統合知識ベースへのアクセスのレベルを識別する手段と、
    統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供する手段と、
    を備えるシステム。
  29. 医療関連データのリポジトリとの対話を制御するためのシステムであって、
    患者と直接対話するヘルスケア提供者にある複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む医療データの統合知識ベースと、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取り、クライアント固有インターフェースと統合知識ベースへの前記クライアントに許可されたアクセスのレベルとを識別するよう構成された論理パーサと、
    を備えるシステム。
  30. 前記論理パーサが、前記クライアントが属するクラスによって前記アクセスのレベルを識別するよう構成される請求項29に記載のシステム。
  31. 前記アクセスのレベルが、前記患者固有臨床データの対象である患者によって設定される請求項29に記載のシステム。
  32. 前記アクセスのレベルが、前記クライアントによって前記統合知識ベースから引き出すことができるデータと、前記クライアントから前記統合知識ベースにロードすることができるデータとを定義する請求項29に記載のシステム。
  33. 前記クライアントが、診断イメージングシステムである請求項29に記載のシステム。
  34. 前記特徴が、前記クライアントの個人情報を含む請求項29に記載のシステム。
  35. 前記特徴が、前記受け取られるデータが生成される時点で前記クライアントによって実行される機能を含む請求項29に記載のシステム。
  36. 前記特徴が、前記クライアントに固有のデータを認証することを含む請求項29に記載のシステム。
  37. 前記統合知識ベースが、複数の個別の資源タイプ及びモダリティから得られるデータを含む請求項29に記載のシステム。
  38. 前記モダリティが、複数の医療診断イメージングモダリティを含む請求項37に記載のシステム。
  39. コンピュータ実行可能なプログラムであって、
    少なくとも1つの機械可読媒体と、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取るための命令と、前記データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別するための命令と、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供するための命令とから構成される、少なくとも1つの機械可読媒体に記憶されたコンピュータコードと、
    を含むコンピュータ実行可能なプログラム。
  40. コンピュータ実行可能なプログラムであって、
    少なくとも1つの機械可読媒体と、
    クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取るための命令と、前記データを構文解析してクライアント固有インターフェースを識別し、且つ複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの前記クライアントに許可されたアクセスのレベルを識別するための命令と、統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供するための命令とから構成される、少なくとも1つの機械可読媒体に記憶されたコンピュータコードと、
    を含むコンピュータ実行可能なプログラム。
  41. コンピュータ実行可能なプログラムであって、
    少なくとも1つの機械可読媒体と、
    複数のクライアント固有インターフェースと、複数の管理可能且つ規定可能なデータ資源から得られる非臨床データ及び患者固有臨床データを含む統合知識ベースへの複数のアクセスのレベルとを定めるための命令と、クライアントの複数の特徴を表すデータを受け取るための命令と、前記データを構文解析して、クライアント固有インターフェースを識別し、且つ前記クライアントに許可された前記統合知識ベースへのアクセスのレベルを識別するための命令と、統合知識ベースへの前記識別されたレベルでのアクセスのために前記クライアントに前記クライアント固有インターフェースを提供するための命令と、を含む少なくとも1つの機械可読媒体に記憶されたコンピュータコードと、
    を含むコンピュータ実行可能なプログラム。
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