JP2015504181A - コンタクトレンズの使用を延長させるための方法およびキット - Google Patents

コンタクトレンズの使用を延長させるための方法およびキット Download PDF

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Abstract

コンタクトレンズの装着時間を延長させる方法及びキット。当該方法は、コンタクトレンズが眼内にあるときに、眼の快適性を改善するために、ある量の眼科的に許容される溶液をコンタクトレンズに適用するステップを含む。溶液は、水性懸濁物及びキトサンを含む。水性懸濁物は、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合することにより調製されるカルボキシル含有ポリマーを約0.1重量%〜約6.5重量%含む。涙液と接触すると、溶液は第1の粘度を上回る第2の粘度にゲル化する。キットは、コンタクトレンズ、眼科的に許容される溶液、及びコンタクトレンズが眼内にあるときに、眼の快適性が改善するように、溶液を適用するための説明書を含む。

Description

眼鏡と比較してコンタクトレンズの方が視野を改善させる他、コンタクトレンズ製品の多様性及び入手可能性が向上する等、これらが一部起因して、コンタクトレンズの使用が近年増えている。したがって、より多数の個人がコンタクトレンズを装着しており、これに比例してより多くの人々が、時間の関数としてコンタクトレンズ装着が延長されると、これに付随する不快感という試練に直面している。しかし、コンタクトレンズの水分保持特性には限界があることから、コンタクトレンズを長時間装着するのは、眼の不快感や炎症の原因となり得る。
臨床的観点から、コンタクトレンズを装着すると、その結果不快感が増大し、これと同時に多くの場合、眼球表面、特に角膜上皮層に対する微視的障害を引き起こす。したがって、眼内コンタクトレンズの快適性を維持及び改善し、こうしてコンタクトレンズの装着時間を延長させる必要がある。
本開示の態様は、コンタクトレンズの装着時間を延長させる方法である。当該方法は、眼科的に許容される溶液をコンタクトレンズ及び/又は眼に適用するステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶液は、軽度に架橋したカルボキシル含有ポリマーを、滞留時間を延長してもカルボキシル含有ポリマーが懸濁状態に留まることを可能にし、レンズを水和状態に保つのに役立ち得る水を眼内に保持するのに十分な量含み得る。処方物は、滞留時間を増加させる添加物としてキトサンも含有し得る。
その他の態様では、本明細書で開示する実施形態は、コンタクトレンズの装着時間を延長させるキットに関する。
以下の詳細な説明では、関連する教示について漏れなく理解が得られるように、非常に多くの特定の詳細内容が例として記載されている。しかし、かかる詳細内容がなかったとしても、本教示は実践可能であることは、当業者にとって明らかなはずである。
本開示は、コンタクトレンズの装着時間を延長させる方法及びキットを、一部対象とする。本明細書で用いる場合、用語「装着時間」とは、ユーザーが不快感に起因してコンタクトレンズを取り外す以前の、コンタクトレンズが眼内に留まる時間を意味する。本明細書で用いる場合、用語「不快感」とは、装着者がコンタクトレンズを取り外したいと要望せしめる原因となるような、コンタクトレンズの存在に起因する眼内のあらゆる感覚を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「使い捨てコンタクトレンズ」、「コンタクトレンズ」、及び「レンズ」とは、視力を矯正するため、又は眼の外観を美容的に変更するために、眼の前部に直接配置されるあらゆるレンズを意味する。
使用可能なコンタクトレンズ材料の例として、シリコーンヒドロゲル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シロキサンアクリレート、フルオロ−シロキサンアクリレート、フルオロポリマー、及びヒドロキシエチルメタクリレート(hydroxyethy methacrylate)(HEMA)、メタクリル酸(MA)、n−ビニルピロリドン(PVP)、メチルメタクリレート(methyl methacylate)(MMA)、酢酸ビニル(VA)、グリセリンメタクリレート(glyceral methacrylate)(GMA)、アクリル酸(AA)のポリマー/コポリマー、コラーゲン、並びにこれらの混合物、例えばポリHEMA、ポリHEMA/MA、ポリHEMA、ポリHEMA/MA、ポリHEM/NVP/MMA、ポリHEMA/NVP/MMA、ポリHEMA/MMA、ポリHEMA/GMA、ポリHEMA/PC、ポリVA、ポリHEMA/PVP/MA、ポリHEMA/PVA/MA、ポリMA/PVP、ポリHEMA/PVP/MMA、ポリGMA/MMA、ポリHEMA/ACR、ポリAA/HEMA、ポリMMA/AA等が挙げられる。
本明細書で開示する方法及びキットは、コンタクトレンズを装着した際の眼の快適性を改善することに関する。これは、眼又はコンタクトレンズに適用するための眼科的に許容される溶液を提供することにより実現する。眼科的に許容される溶液は、眼内送達に役立ち、角膜保持、及びコンタクトレンズの水和を実現し得る流体力学的特性を有する。眼科的に許容される溶液は、約90重量%を上回る水を含有し、眼内に水を保持する。この眼科的に許容される溶液は、眼球滞留時間が長く、まぶたがまばたきするたびにコンタクトレンズ表面を洗浄可能であり、したがって、水がコンタクトレンズ表面に移動するのを可能にする。
眼科的に許容される溶液は、実質的により少量のキトサンを任意選択で併用した、陰イオン性のカルボキシ含有ポリマーの組合せを含み得る。カルボキシ含有ポリマー粒子が懸濁状態に留まるように、キトサンが十分に低い濃度で含まれ得る。キトサンと併用すれば、得られた溶液は、カルボキシ含有ポリマー単独の溶液より高い粘度を有し得る。眼科的に許容される溶液は、涙液と合わさると、その粘度が高まる特性を有し得る。溶液は、コンタクトレンズを潤滑し、その濡れ性を向上させると共に、レンズと眼の間にクッション層を設けるように機能することも可能である。
ある1つの実施形態では、眼科的に許容される溶液は、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合することにより調製されるカルボキシル含有ポリマーを、懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%含有する水性の懸濁物を含む。モノマーの重量百分率は、重合化するモノマーの総重量を基準とする。軽度に架橋したカルボキシル含有ポリマーの平均粒子サイズは、乾燥時、球相当径として約5.0μm以下であり、pH7.4で水和したときには約25〜28μmである。
溶液は、これを液滴形態で眼に投与可能にしつつ、ポリマー粒子の懸濁を阻害しないで溶液粘度を高めるのに十分な量で、キトサンを含み得る。より低pHの溶液がより高pHの涙液と接触すると、溶液は、急速にゲル化して粘度が高まり、したがって眼上に留まる。或いは、長期間眼内に在留する高pH処方物が、眼に添加され得る。
本明細書で用いる場合、用語「カルボキシル含有ポリマー」は、カルボン酸官能基を含有するポリマーを指す。この官能基は、例えば実質的にイオン化可能であり、カルボキシレート陰イオン(COO)として存在し、ポリマーを負に帯電せしめる。本明細書で用いられるカルボキシル含有ポリマーの例として、軽度に架橋したポリカルボフィルベースポリマーが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「軽度に架橋したポリマー」は、懸濁重合又は乳化重合により調製される任意のポリマーを含み、以下の間の任意の端数量を含め、ポリマーの重量に対して約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約3.5%、約4.0%、約4.5%、及び約5.0%を含む、約0.1%〜約5%の範囲で存在する架橋剤と共に、ポリマーの重量に対して少なくとも約90%を構成する主要なポリマー骨格を有する。いくつかの実施形態では、主要なポリマー骨格は、ポリマーの重量に対して約90%〜約99.9%を構成する。いくつかの実施形態では、主要なポリマー骨格は、以下の間の任意の端数量を含め、ポリマーの重量に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、又は約99.9%を構成する。主要なポリマー骨格は、単一のモノマーユニットを含んでもよく、又は2つ、3つ、若しくは任意数のモノマーユニットを含むコポリマーであってもよい。主要なポリマー骨格の少なくとも1つのモノマーユニットは、カルボキシル基、スルフェート基、ホスフェート基等の電荷を保持する能力を有する官能部分を有する。架橋剤は、任意の二官能性又は多官能性架橋剤であり得る。
本明細書で用いる場合、「粘度」とは、流動に対する流体の抵抗を指す。粘度の単位は、ダイン・秒/平方センチ[dyne・s/cm]、又はポアズ[P]である。この種の粘度は、動的粘度、絶対粘度、又は単純粘度とも呼ばれる。これは、流体の粘度とその密度の比である運動学的粘性とは区別される。
本明細書で用いる場合、「眼に投与される」とは、レンズ適用前又はレンズが眼内に配置された後のいずれかにおいて、溶液が、コンタクトレンズの表面、眼の表面、及び/又は眼の結膜嚢内に直接適用可能な点眼薬の形態であることを意味する。溶液は、レンズが挿入される前又はレンズが眼に装着された後に適用可能である。溶液は、レンズ上、例えばレンズの凹面に適用可能であり、又は装着前にレンズを浸漬する浸漬溶液として使用可能である。レンズは、これを一晩、浸漬及び消毒するために、レンズ取り外しの際に、眼科的に許容される溶液中に浸漬することができる。かかる投与法は、当業者にとってなじみ深い。
本明細書で用いる場合、コンタクトレンズ装着時間と関連付けて用いられる際には、「有効量」は、溶液が眼に適用されない状況と比較してコンタクトレンズの装着時間が延長するように、コンタクトレンズを装着した際に、眼に快適性を付与するのに用いられる溶液量と見なす(qualify)ように意図されている。コンタクトレンズの装着時間延長に関する最終目標は、この量により実現する。
いくつかの実施形態では、溶液は、商標名DURASITE(登録商標)として公知の軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物を使用するが、任意選択で、ポリカルボフィル粒子がなおも懸濁状態に留まることを可能にしながら、溶液粘度を高めるのに十分な量で添加されたキトサンと併用される。溶液は、ゲル又は液滴の形態であり得る。軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物、DURASITE(登録商標)は、懸濁物の総重量を基準として、いくつかの実施形態では約0.1〜約6.5重量%であり、他の実施形態では約1.0〜約1.3重量%である。
いくつかの実施形態では、溶液は、1つ又は複数の粘滑剤を含むこともできる。眼科用の粘滑剤は、粘膜表面を保護及び潤滑し、乾燥及び炎症を軽減するために眼に局所的に適用される薬剤、通常は水溶性ポリマーである。かかる粘滑剤として、デキストラン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone)、ゼラチン、ポリオール、グリセリン、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、多糖類ゲル、及びGelrite(登録商標)が挙げられる。眼科的に許容される溶液で使用可能な眼科用の粘滑剤又は滑沢剤は、下記の表1に記載されている1つ又は複数のものを含み得る。眼科用の粘滑剤(複数可)の使用量は、処方物の総重量を基準として、一般的に約0.01重量%〜約4重量%の範囲であり得る。例えば、粘滑剤は下記の範囲の量で使用可能である:
Figure 2015504181
一般的に、眼科的に許容される溶液で採用される1つ又は複数の眼科用の粘滑剤は、最大3つの上記粘滑剤を含み得るが、軽度に架橋したカルボキシル含有ポリマーに適合する上記掲載範囲内の任意の量で使用可能である。この文脈において適合性とは、処方時又は保管時を問わず、処方物の成分に分離が生じないこと;粘滑剤含有ゲルが、涙液の存在下、受け入れ可能な滞留時間で眼内に維持される能力;及び一過性の視野のぼやけを超える障害を惹起せずに、又は眼内に何らかの異物を実際に配置することに通常付随するような初期の刺すような痛みを有することなく、眼科的に許容される粘滑剤含有溶液を眼内に導入する能力を意味する。
特定の実施形態に基づけば、眼科的に許容される溶液は、そのpHが約3〜約8.5、重量モル浸透圧濃度が約10〜約400mOsm/kgであり、軽度に架橋したポリカルボフィルベースポリマーのDURASITE(登録商標)を、懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%含有し、同ポリマーは、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合させることにより調製され、かかるモノマーの重量百分率は、重合化するモノマーの総重量を基準とする。軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物のDURASITE(登録商標)は、約1,000〜約100,000センチポイズ(cps)の初期粘度を有し得る。例えば、粘度は、約1,000〜約5,000cpsの範囲であり得、他の実施形態では、約5,000〜約10,000cps、さらに他の実施形態では約10,000〜約15,000cps、さらなる実施形態では、約15,000〜約20,000cps、さらなる実施形態では、約50,000〜約100,000cpsであり得、前記数値間の任意の数値を含む。軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物のDURASITE(登録商標)は、球相当径として、溶液中で水和しても平均粒子サイズが約25μm以下であり、いくつかの実施形態では、約15μm以下である。軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物のDURASITE(登録商標)は、ポリマーが液滴形態で投与可能であっても、より低pHの懸濁物が、より高pHの眼の涙液と接触すると、液滴形態で当初投与されたような溶液粘度より実質的に高い粘度まで、溶液が上昇する程度に軽度に架橋している。したがって、得られたより粘性のゲルは、コンタクトレンズの水和を維持するように眼内に長期間留まることができる。カルボキシ含有水性懸濁物にキトサンを添加しても、これらの特性は維持される。理論により束縛されるようなことがなければ、キトサンは、軽度に架橋したポリカルボフィルベースポリマーのベース粘度を高め、有益な流体力学的特性及び粘膜付着特性を付与すると考えられている。或いは、このようなポリマー処方物は、高pHで眼又はコンタクトレンズに添加可能であり、眼上における快適性及び滞留時間の延長に要する十分な粘度を備える。
カルボキシ含有ポリマーは、1つの実施形態では少なくとも約50重量%の、他の実施形態では少なくとも約90重量%の1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマーから調製される。軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物のDURASITE(登録商標)は、アクリル酸及び非ポリアルケニルポリエーテル二官能性架橋剤を、1つの実施形態では球相当径として約25μm以下の粒子サイズ、他の実施形態では約15μmを以下の粒子サイズまで懸濁重合又は乳化重合することにより調製可能である。1つの実施形態では、架橋剤は、ジビニルグリコールである。その他の実施形態では、最大約40重量%のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマーが、生理学的及び眼科的に無害の置換基のみを含有する1つ又は複数の非カルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマーにより置き換えられ得る。
いくつかの実施形態では、重量モル浸透圧濃度は、懸濁物の総重量を基準として約0.01重量%〜約1重量%の量で、生理学的及び眼科的に許容される塩を用いることにより達成される。代表的な塩として、上記で定義したように、塩化カリウム及び塩化ナトリウム等が挙げられる。
実質的に30,000cpsを超える粘度は、点滴処方物には有用ではない;粘度が約1,000cpsより実質的に低いと、涙と接触した際にゲル化する能力が阻害される可能性があり、眼球保持が低下する。約3〜約7.4のpH及び約10〜約400mOsm/kgの重量モル浸透圧濃度を有する懸濁物が、約7.2〜約8.0のより高いpHを有する涙液と接触すると、pH変化に伴い涙と接触した際のゲル化が強化される。理論により束縛されるようなことがなければ、pHの上昇に伴い、カルボン酸(COOH)官能基は、カルボキシレート陰イオン(COO)に解離する。静電相互作用により、これらのカルボキシレートイオンは相互に反発し、ポリマーの膨張を引き起こす。痕跡量のキトサンが系内に存在すると、ベース溶液に対する当初の有益な粘度改変特性の付与に加えて、眼球粘膜のムチンとの追加的な静電相互作用、水素結合相互作用、及びおそらくは塩橋相互作用をもたらし得る。
架橋と粒子サイズの関係は重要であり得る。粒子は、懸濁物として存在するので、架橋度は、必然的にポリマーの実質的な溶解が回避されるレベルにある。一方、迅速なゲル化は、pH変化時に実現するので、架橋度は必然的にゲル化が阻止されるほど大きくない。さらに、ポリマー粒子サイズが大きすぎる場合には、膨潤が誘発された際に、その膨潤は、ゲル化を引き起こす傾向を有する膨潤であるというよりは、互いに触れ合う大粒子間の体積内の隙間を狭める傾向を有し得る。
懸濁物では、粒子サイズが快適性に関連し得る。しかし、本開示の主題では、小型の粒子サイズ及び軽度の架橋は相乗的に作用して、pHが上昇したときに認められるような急速なゲル化を引き起こす。驚くべきことに、25μmを上回る粒子を使用すると、溶液のpHが上昇したときに認められるようなゲル化が生じなくなる。さらに、25μmのサイズでは、良好な眼の快適性も認められる。
いくつかの実施形態では、粒子は、上記のようなサイズ上限ばかりでなく、粒子サイズ分布の狭さの制約も受ける。良好な粒子充填に役立つ単分散型の粒子を使用すると、懸濁物が涙と接触したときに粘度上昇が最大となり、眼の滞留時間も増加する。いくつかの実施形態では少なくとも約80%、その他の実施形態では少なくとも約90%、さらに他の実施形態では少なくとも約95%の粒子は、主要な粒子サイズ分布の乾燥粒子サイズバンドは約10μm以下に収まり、全体として(すなわち、かかるバンドの内側及び外側の両方の粒子を考慮する)、微粉(すなわち、サイズが1μm未満の粒子)は、いくつかの実施形態では約20%以下、他の実施形態では約10%以下、さらに他の実施形態では約5%以下でなければならない。いくつかの実施形態では、主要な粒子サイズ分布のバンドも例えば3μmまで狭まるように、平均粒子サイズは、上限の10μmから5μm等のかなり小さめのサイズまで低く抑えられる。いくつかの実施形態では、主要な粒子分布のバンド内の粒子サイズは、約5〜10μmm未満であり、さらに他の実施形態では約1μm〜約5μmに収まる。
軽度に架橋したポリカルボフィルベース懸濁物のDURASITE(登録商標)は、1つ又は複数の架橋剤と共に、存在する唯一のモノエチレン性不飽和モノマーとしての1つ又は複数のカルボキシル含有モノマーから作製可能である。
軽度に架橋したポリカルボフィルベースポリマーのDURASITE(登録商標)は、例えばサイズが球相当径として約1〜約10μm、他の実施形態では約3〜約6μmの範囲に収まる乾燥ポリマー粒子を提供するために、従来型のフリーラジカル重合触媒を用いて、モノマーを球相当径として約5.0μm以下の乾燥粒子サイズまで懸濁重合又は乳化重合することにより調製可能である。一般的に、かかるポリマーは、およそ、約2,000,000,000〜約4,000,000,000ダルトンと見積もられる分子量範囲に収まる。
懸濁重合又は乳化重合により調製されるポリマー粒子含有水性懸濁物は、その平均乾燥粒子サイズが球相当径として約25μmの水和粒子サイズより明らかに大きければ、眼に投与した際に、球相当径が平均約25μm未満であるポリマー粒子を含有する、その他組成が同一の懸濁物よりも快適性に劣る。さらに、平均50μmを超えるサイズの場合、投与後に実質的に粘度が上昇するという長所は認められない。球相当径として約50μmより明らかに大きな乾燥粒子サイズに調製し、次に、例えば機械的に粉砕又はグラインディングすることにより、球相当径として約10μm以下の乾燥粒子サイズまでサイズを小型化したアクリル酸等の軽度に架橋したポリマーは、粒子サイズ分布に起因して、本発明の眼科用溶液中では懸濁重合による水性懸濁物から作製されたポリマーほどには機能しないことも判明している。
理論又は機構のいずれによっても束縛されるようなことがなければ、かかる機械的に粉砕又はグラインディングされたポリマー粒子が微粒子ポリマーとして唯一存在する場合、これに差異が認められる1つの可能な説明として、グラインディングすると、おそらくはポリマー鎖から非架橋性の分岐を除去することによるか、鋭い端部若しくは突起部を有する粒子が生成することによるか、又は良好な送達系性能を提供するには通常広すぎる粒子サイズ範囲が生成することにより、50μmより大きな軽度に架橋したポリマー粒子の空間的配置又は形状が破壊されることが挙げられる。粒子サイズ分布が広いと、粘度−ゲル化の関係が損なわれる。いずれにせよ、かかる機械的に小型化した粒子は、懸濁重合又は乳化重合によって適切なサイズに調製された粒子よりも水性懸濁物として水和する容易性に劣り、涙液の影響を受けて眼内で十分な程度にゲル化する能力も劣り、そして水性懸濁物を用いて眼内で生成するゲルよりも、ゲル化した際の快適性に劣る。しかし、存在する軽度に架橋した粒子の総重量を基準として、最大約40重量%、例えば約0.1重量%〜20重量%超のかかる粉砕又はグラインディングされたポリマー粒子は、約50μm以下の乾燥粒子径を有する、溶液重合又は乳化重合されたポリマー粒子と混合可能である。かかる混合物は、投与の容易性及び快適性と関連する良好な粘度レベルも、眼科的に許容される溶液中及び眼内に形成されたin situゲル中において実現し、特に乾燥形態で、球相当径として平均約0.01〜約10μm、他の実施形態では約1〜約5μmのかかる粉砕又はグラインディングしたポリマー粒子を投与したときに、眼に対する有効成分の良好な徐放も実現する。
いくつかの実施形態では、粒子の粒子サイズ分布は狭く、粒子の少なくとも80%、その他の実施形態では少なくとも90%、さらに他の実施形態では少なくとも95%を構成する主要な粒子サイズ分布について10μmのバンドである。サイズが1μm未満の粒子は、一般的に約20%以下、他の実施形態では約10%以下、さらに他の実施形態では約5%以下である。かかる微粒子が多量に存在すると、眼と接触した際に生ずる所望のゲル化が阻害されることが判明している。それはそれとして、単分散型の粒子を使用すると、最大粘度が得られ、所与の粒子サイズについて眼科的に許容される溶液中の有効成分が眼内に滞留する時間が増加する。約30μmおよびそれ未満の粒子サイズを有する単分散性粒子が、いくつかの実施形態で存在する。粒子サイズ分布が狭いと、良好な粒子充填の一助となる。
眼科的に許容される溶液は、軽度に架橋したポリマー粒子を、水性懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%、他の実施形態では約0.5重量%〜約4.5重量%の範囲の量で含有し得る。上記溶液は、生理学的又は眼科的に有害な構成成分を有さない、純粋で滅菌された水、例えば脱イオン水又は蒸留水を用いて調製可能であり、任意の生理学的及び眼科的に許容されるpH調整用の酸、塩基、又はバッファー、例えば酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、THAM(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)等の塩基、並びにシトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩及びバッファー、並びに上記酸及び塩基の混合物を用いて、約3.0〜約6.5、他の実施形態では約4.0〜約6.0のpHに調整される。
キトサンは、キチンの脱アセチル化により得られ、正電荷を有するキトサンアンモニウム基と負電荷を有する粘膜表面の間の静電相互作用により粘膜付着特性を有する。キトサンは、ランダムに分布したβ−(1−4)結合型D−グルコサミン及びN−アセチル−D−グルコサミンから構成される直鎖状の多糖類である。脱アセチル化度(%DA)が異なるキトサンが入手可能であり、これは脱アセチル化度約60〜約100%の間の範囲で一般的に製造される。キトサン内のアミノ基のpKa値は約6.5であり、したがって、キトサンは酸性から中性の溶液中において正電荷を有し、同溶液に可溶性であり、電荷密度はpH及び%DA値に依存する。キトサンは、上皮表面を横断する極性薬物の輸送を増強することが可能であり、生体適合性及び生分解性とみなされている。
いくつかの実施形態では、キトサンの分子量は、以下の間の任意の分子量を含む約50kDa〜約100kDaの間の範囲であり、一方その他の実施形態では、溶液で用いられるキトサンの分子量は、約1,000〜約3,000kDaの間の範囲、及びこの間の任意の分子量である。下記の実施例に示す通り、約1,000kDa〜約3,000kDaの間の範囲は、カチオン性ポリマー濃度が非常に低くても、溶液粘度により大きな影響を与えると思われる。キトサン単独に匹敵する粘度を実現するために、数桁多く濃縮された、例えば約2%〜約4%の間のキトサン溶液が用いられてきた。
分子量が約50kDa〜約100kDaの範囲に収まるとき、存在するキトサンの量は、約0.01%〜約0.5%の範囲に収まる。キトサンの量は、約0.01%、0.025%、0.05%。0.075%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、及び0.50%を含む、この間の任意の量、並びにこれら数値の間の任意の量であり得る。例として、1,000kDa〜約3,000kDaのキトサンの量は、約0.01%〜0.5%の間の範囲であり得、又は、例えば0.01%、0.015%、0.020%、0.025%、0.030%、0.035%、0.040%、0.045%、0.05%、0.1%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、及び0.50%を含む、この間の任意の量であり得る。
眼科的に許容される溶液を処方する際には、その重量モル浸透圧濃度は、約10mOsm/kg〜約400mOsm/kg、他の実施形態では約100〜約300mOsm/kgに、適切な量の生理学的及び眼科的に許容される塩を用いて調整可能である。塩化ナトリウムが、重量モル浸透圧濃度調整剤として、水性懸濁物の重量モル浸透圧濃度を生理液の同濃度に近似調整するために使用可能である。水性懸濁物の総重量を基準として、約0.01重量%〜約1重量%、他の実施形態では約0.05重量%〜約0.45重量%の範囲に収まる量の塩化ナトリウムでは、上記範囲内の重量モル浸透圧濃度が得られる。カリウム、アンモニウム等の陽イオン、及び塩化物イオン、クエン酸イオン、アスコルビン酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、チオ硫酸イオン、亜硫酸水素イオン等の陰イオンからなる1つ又は複数の当量塩、例えば塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム等も、上記範囲内の重量モル浸透圧濃度を実現するのに、塩化ナトリウムに加えて又はその代わりに使用可能である。
上記範囲内から選択された軽度に架橋したカルボキシ含有ポリマー粒子、カチオン性ポリマーの量、pH、及び重量モル浸透圧濃度は、相互に関連付けることができ、第25番スピンドル及び13R小型サンプルアダプターを備えたBrookfield Digital LVT Viscometerを用いて、12rpm、室温(約25℃)で測定したときに、約1,000〜約30,000cps、他の実施形態では約5,000〜約20,000cpsの範囲に収まる粘度を有する水性懸濁物が得られる架橋度と関連付けが可能である。上記パラメータの相関関係は、例えば懸濁物が涙液と接触するとゲル化して、約75,000〜約500,000cps、例えば上記のように測定したときに約200,000〜約300,000cpsの範囲に収まると見積もられる粘度を有するゲルが、例としてpH−粘度曲線から読み取れるようにpHに応じて得られるというような関係にも該当する。この効果は、固化したキャストとして、眼上のより粘性の液滴を観察することにより認められる。当該キャストは、固化した後容易に除去可能である。或いは、粘度は、スピンドル番号CP−52を有するBrookfield cone and plate viscometer DV−II+を用いて、6rpmで測定したとき、約1000〜約5000cpsであり得る。
いくつかの実施形態では、粘度は、約1,000〜約30,000cps、他の実施形態では約5,000〜約20,000cpsの範囲である。さらに他の実施形態では、粘度は、約10,000〜約15,000cpsの範囲である。粘度の範囲は、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4500、及び5,000cps並びにこの間のすべての数値を含む、約1,000〜5,000cpsの間であり得る。粘度の範囲は、5,000、5,500、6,000、6,500、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、及び10,000cps並びにこの間のすべての数値を含む、約5,000〜約10,000cpsの間であってもよい。粘度の範囲は、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、及び15,000cps並びにこの間のすべての数値を含む、約10,000〜約15,000cpsの間であってもよい。粘度の範囲は、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、及び20,000cps並びにこの間のすべての数値を含む、約15,000〜約20,000cpsの間であってもよい。粘度の範囲は、20,000、21,000、22,000、23,000、24,000、25,000、26,000、27,000、28,000、29,000、及び30,000cps並びにこの間のすべての数値を含む、約20,000〜約30,000cpsの間であってもよい。いくつかの実施形態では、眼科的に許容される溶液は、溶液の粘度を調節する増粘剤又は粘稠化剤(viscosfier)を含むこともできる。これには、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレン酸化物、及びポロキサマー(poloxamer)が非限定的に含まれる。
眼科的に許容される溶液は、防腐剤を含まない、再閉鎖可能な容器又はキット内に包装可能である。さらに、コンタクトレンズは、眼科的に許容される溶液中に事前に浸漬され、そして容器内に密閉され得る。
防腐剤を含むような眼科的に許容される溶液では、適する防腐剤として、クロロブタノール、ポリクアット(Polyquat)、塩化ベンザルコニウム、臭化セチル、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化ベンジル、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、チメロサール、マーサイアレイト、酢酸及びホウ酸フェニル水銀、クロルヘキシジン、ポリミキシンB硫酸塩、メチル及びプロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、四級アンモニウム塩化物、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、並びに過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。特定の実施形態では、防腐剤として、塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
いくつかの実施形態では、防腐剤は約0.001〜約0.02重量%の範囲で存在する。防腐剤は、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005%、及びこれらの量の間にある任意の量で存在してもよい。特に、本方法及びキットは、殺菌成分の使用を相当低減する有益性を有する。したがって、いくつかの実施形態では、懸濁物は、殺菌活性を有する防腐剤を、1つの実施形態では約0.01%未満有し、他の実施形態では約0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、又は0.002%未満有する。
いくつかの実施形態では、眼科的に許容される溶液は、湿潤剤を含み得る。かかる湿潤剤として、例えば、ポリエチレングリコールの2つの親水性ブロックが隣接する、ポリプロピレングリコールの中央部疎水性ブロックからなるトリブロックコポリマーであるポロキサマー407が挙げられる。使用可能なその他の湿潤剤として、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール、オクトキシノール(Octoxynol)40、及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
いくつかの実施形態では、キットは、(a)防腐剤を含まない、単位用量容器内に保管された眼科的に許容される溶液;(b)密閉式の単回使用容器内に保管され、眼科的に許容される溶液中に浸漬することができるコンタクトレンズの供給部;(c)溶液及びコンタクトレンズを適用するための説明書;並びに(d)コンタクトレンズを眼科的に許容される溶液内に保管するための再閉鎖可能、再使用可能な容器を含み得る。
キットは、眼科的に許容される溶液、及びレンズ、又は例えば本方法の使用に関する情報を提供する事前記録されたメディアデバイスの使用に関する情報をさらに含むことができる。
キットは、キットの構成要素を保管する容器も含む場合がある。当該容器は、例えばバッグ、ボックス、包装材料、又は使用に適する任意のその他の容器であり得る。いくつかの実施形態では、容器は各構成要素を収納するのに十分大きい。しかし、場合によっては、キットは、構成要素の一部のみを担持するのに十分大きいより小さな容器を有することが望ましい場合もある。
適用例
1.眼外のコンタクトレンズに溶液を適用する
コンタクトレンズを眼から取り外した後、洗浄液、消毒液、及び/又は保存液で、レンズをリンスすることができる。様々な洗浄液、消毒液、及び/又は保存液が、当技術分野において記載されている。次に、コンタクトレンズは、当該レンズが眼内に再度配置されるまで、容器内に保管し、容器内でレンズをカバーするのに十分な眼科的に許容される溶液及び消毒液/保存液中に少なくとも3時間浸漬することができる。レンズを生理食塩水でリンスし、ある量の眼科的に許容される溶液(例えば、25〜35μl)を、次に液滴の形態で、コンタクトレンズ表面(複数可)の片側又は両側に配置することができる。コンタクトレンズは、次に眼内に配置することができる。
2.レンズが眼内にあるときに、溶液をコンタクトレンズに適用する
コンタクトレンズが眼内にある間、ある量の眼科的に許容される溶液(例えば、25〜35μlの液滴)を、レンズの外部表面上に直接、又は眼若しくは結膜嚢内に直接、液滴の形態で配置することができる。
3.眼内にレンズを配置する前に、溶液を眼に適用する
眼内にコンタクトレンズを配置する前に、ある量の眼科的に許容される溶液(例えば、25〜35μlの液滴)を眼内に配置し、次にレンズを眼内に配置することができる。
4.初回使用前の密閉式コンタクトレンズ包装品に溶液を供給する
コンタクトレンズは、製造後、眼科的に許容される溶液中に保管し、保管又は出荷可能である。このような溶液中の当コンタクトレンズは、最初に眼に直接適用可能である。密閉式コンタクトレンズ包装品に含まれるコンタクトレンズは、包装から直接取り出し、眼に配置可能である。
5.コンタクトレンズを浸漬及び消毒するための溶液を供給する
コンタクトレンズを眼から取り外した後、及びコンタクトレンズを眼に再度適用する前に、消毒するのに許容されるある量の眼科的に許容される溶液を、レンズと共にコンタクトレンズ容器内に配置してレンズを浸漬し、消毒することができる。
この様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない変更が、理解される。
処方
Figure 2015504181
実施例1〜10のサンプルは、水にポリカルボフィル、塩化ナトリウム、及びエデト酸塩を添加し、0.5時間撹拌して作製する。次に、溶液を121℃で45分間滅菌処理し、そして室温まで冷却する。次の成分、例えばマンニトール、ポロキサマー、PEG−400、グリセリン等が存在する場合には、これを水に溶解し、そして0.2μmフィルターを通した滅菌添加によりバッチに添加する。次の品目、例えばホウ酸バッファー、塩化ベンザルコニウム、又はソルビン酸、又は過ホウ酸塩/デクエストが存在する場合には、これを水に溶解し、そして処方物を混合しながら滅菌濾過により添加する。水酸化ナトリウムを滅菌添加により添加して、所望のpHにpH調整する。上記処方物第9番が、最低3時間レンズを保管して、装着後の過ホウ酸消毒剤によるレンズ消毒を行うのに使用可能である。
当業者は、これまでに詳記した具体的な例及び試験は説明目的に過ぎないことを容易に認識する。読者が技術的開示の性質を迅速に把握できるように、本開示の要約書が提供されている。この要約書の提出には、これが特許請求の範囲又は意味を解釈又は制限するために用いられることはないとの理解が伴う。さらに、上記「発明を実施するための形態」では、開示の効率化を図る目的で、様々な特徴が、様々な実施形態において共にグループ化されているものと理解することができる。この開示方法は、主張された実施形態が各請求項において明示的に列挙した特徴より多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものと解釈されるものではない。むしろ、下記の特許請求の範囲が示すように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴より少ない特徴に依拠する。したがって、下記の特許請求の範囲は、本明細書により「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は、個別に主張された主題として、それ自体に立脚する。

Claims (21)

  1. コンタクトレンズを快適に装着する時間を延長させる方法であって、
    眼科的に許容される溶液を前記コンタクトレンズ又は眼の表面に適用するステップと、
    前記眼内に前記コンタクトレンズを配置するステップと
    を含み、
    前記眼科的に許容される溶液は、第1の粘度を有する水性ポリマー懸濁物を含み、前記懸濁物は、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合することにより調製されるカルボキシル含有ポリマーを前記懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%含み、モノマーの重量百分率は、重合化するモノマーの総重量を基準とし、前記カルボキシル含有ポリマーは、水和後の球相当径として約25μm以下の平均粒子サイズを有する、方法。
  2. 前記カルボキシル含有ポリマーが、ポリカルボフィルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記眼科的に許容される溶液が、前記カルボキシル含有ポリマーが懸濁状態に留まることを可能にするのに十分な量の第2のポリマーをさらに含み、
    涙液と接触すると、前記第1の粘度を上回る第2の粘度に前記溶液がゲル化する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2のポリマーが、キトサンである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記キトサンが、前記溶液の約0.01重量%〜約0.05重量%の間の範囲で存在する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記眼科的に許容される溶液が、十分な量の粘滑剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記粘滑剤が、デキストラン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリオール、グリセリン、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン 多糖類ゲル、及びGelrite(登録商標)からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記眼から前記コンタクトレンズを取り外すと、最低3時間、前記コンタクトレンズを前記溶液中に浸漬するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記コンタクトレンズを前記溶液中に浸漬する前に、前記コンタクトレンズを消毒剤でリンスするステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記溶液を前記眼に適用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 眼を再水和するためのキットであって、
    前記眼に直接適用する1つ又は複数のレンズと、
    再閉鎖可能な容器に保管される眼科的に許容される溶液と
    を含み、
    前記眼科的に許容される溶液は、
    第1の粘度を有する水性懸濁物を含み、前記懸濁物は、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合することにより調製されるカルボキシル含有ポリマーを前記懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%含み、モノマーの前記重量百分率は、重合化するモノマーの総重量を基準とし、前記カルボキシル含有ポリマーは、水和後の球相当径として約25μm以下の平均粒子サイズを有する、キット。
  12. 前記眼科的に許容される溶液が、十分な量の粘滑剤をさらに含む、請求項11に記載のキット。
  13. 前記粘滑剤が、デキストラン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリオール、グリセリン、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン 多糖類ゲル、及びGelrite(登録商標)からなる群より選択される、請求項12に記載のキット。
  14. 前記溶液が、消毒剤を含有する、請求項12に記載のキット。
  15. 眼科的に許容される溶液を眼に適用するステップと、
    コンタクトレンズを眼に配置するステップと
    を含む方法であって、
    前記眼科的に許容される溶液は、第1の粘度を有する水性ポリマー懸濁物を含み、前記懸濁物は、1つ又は複数のカルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマー及び約5重量%未満の架橋剤を重合することにより調製されるカルボキシル含有ポリマーを前記懸濁物の総重量を基準として約0.1重量%〜約6.5重量%含み、モノマーの重量百分率は、重合化するモノマーの総重量を基準とし、前記カルボキシル含有ポリマーは、水和後の球相当径として約25μm以下の平均粒子サイズを有する、方法。
  16. 前記カルボキシル含有ポリマーが、ポリカルボフィルである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記眼科的に許容される溶液が、前記カルボキシル含有ポリマーが懸濁状態に留まることを可能にするのに十分な量の第2のポリマーをさらに含み、
    涙液と接触すると、前記第1の粘度を上回る第2の粘度に前記溶液がゲル化する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記第2のポリマーが、キトサンである、請求項15に記載の方法。
  19. 前記キトサンが、前記溶液の約0.01重量%〜約0.05重量%の間の範囲で存在する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記眼科的に許容される溶液が、十分な量の粘滑剤をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  21. 前記粘滑剤が、デキストラン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリオール、グリセリン、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン 多糖類ゲル、及びGelrite(登録商標)からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
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