JP2015503518A - Bcl2と結合相手の相互作用を阻害するための化合物 - Google Patents

Bcl2と結合相手の相互作用を阻害するための化合物 Download PDF

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ジョン・ロバート・ポーター
マイケル・スコット・ヴィッセル
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ノバルティス アーゲー
ノバルティス アーゲー
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Abstract

本発明は、式(I):〔式中、R1、R2、R3およびR4は発明の要約において定義したとおりである。〕の化合物に関する。式(I)の化合物はBCL−2とBH3ドメイン含有タンパク質の相互作用を妨害できる。この相互作用の妨害は、BCL−2を発現する癌細胞および腫瘍組織におけるBCL−2の抗アポトーシス機能を修正させる可能性がある。本発明は、さらに本発明の化合物の製造方法、このような化合物を含む医薬製剤および癌疾患の処置におけるこのような化合物の使用方法を提供する。

Description

関連出願との相互参照
本出願は、米国仮特許出願番号61/579724(2011年12月23日出願)に基づく優先権の利益を主張する。本出願の完全な記載を、その全体を引用することにより、かつ全ての目的で、ここに取り込む。
背景
発明の分野
本発明は、BCL−2とBH3ドメイン含有タンパク質の相互作用を妨害し得る化合物に関する。この相互作用の妨害は、BCL−2を発現する癌細胞および腫瘍組織におけるBCL−2の抗アポトーシス機能を変更させる可能性がある。本発明は、さらに、本発明の化合物の製造方法、このような化合物を含む医薬製剤および癌の処置におけるこのような化合物の使用方法を提供する。
発明の背景
アポトーシスまたはプログラム細胞死は、正常な発生学的または解剖学的発育、宿主防御および発癌抑制に重要である。アポトーシスの不完全な制御が癌および細胞分裂過程と細胞死過程の不均衡が原因の多くの他のヒト疾患と関連付けられている。BCL−2は、アポトーシスを制御するタンパク質のファミリーに属する。BCL−2は、生理学的細胞死機構により誘発される正常細胞ターンオーバーを妨げることにより、癌細胞増殖に寄与する。
BCL−2タンパク質の発現レベルは広域化学療法剤およびγ線放射療法に対する耐性と相関する。BCL−2の過発現は、多くの形態の癌で観察されている。次の癌で次の過発現率が観察されている:前立腺癌で20〜40%;ホルモン耐性前立腺癌で80〜100%;乳癌で60〜80%;非小細胞肺癌で20〜40%;小細胞肺癌で60〜80%;結腸直腸癌で50〜100%;黒色腫で65%;頭頸部癌で13%;および膵癌で23%。
アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは一本鎖抗体を使用するBCl−2機能を調節するための生物学的手法が、腫瘍細胞の化学物質感受性を増進することが示されている。インビボでアンチセンスオリゴヌクレオチド(G3139)とドセタキセルの組み合わせ処置において相乗効果および完全腫瘍退縮が観察されている。それゆえに、BCL−2は、多くの形態の癌の処置のための新規治療の開発のための極めて魅力的なターゲットである。特に、BCL−2と結合し、癌におけるその抗アポトーシス機能を遮断し、腫瘍における細胞死を促進する小分子化合物に対する要請がある。本発明はこの要請に応える。
発明の要約
一つの面において、本発明は、式I:
Figure 2015503518
〔式中、
は水素およびハロから選択され;
は水素およびC1−4アルキルから選択され;ここで、ピラゾール環に対してRはメタ位にあり、かつRはパラ位にあるかまたはピラゾール環に対してRはパラ位にあり、かつRはメタ位にあり;
はヒドロキシおよび−L−Rから選択され;ここで、Lは−OXC(O)−、−OXC(O)O−、−OX−および−OXC(O)NH−から選択され;ここで、Xは結合および分枝鎖または非分枝鎖C1−4アルキレンから選択され;ここで、Xの該アルキレンは非置換であってもカルボキシ−メチル、メトキシ−カルボニル−メチル、メチル−カルボニル−アミノおよびフェニルから選択される基で置換されていてもよく;
は水素、ヒドロキシ、−XNR、−XC(O)OR、−XOR、−XC(O)NRおよび−XNRC(O)Rから選択され;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしておよびRおよびRは独立して水素、C1−4アルキルおよびフェニルから選択され;またはRおよびRは、RおよびRが結合している窒素と一体となってC(O)、NR10、OおよびS(O)0−2から独立して選択される1〜3個の基またはヘテロ原子を含む5〜7員飽和環を形成し;ここで、R10は水素およびC1−4アルキルから選択され;
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロプロピル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、2−オキソ−4−フェニルピペラジン−1−イル、4−(2−クロロベンジル)−3−オキソピペラジン−1−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾ[d]イソオキサゾリル、ナフト[2,1−d][1,2,3]オキサジアゾール−5−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラニル、2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、クロマン−8−イル、3−オキソ−3H−ピラゾリル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[b]フラニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、2−オキソ−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリニル、4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジニル、4−オキソ−4H−ピラノ[2,3−b]ピリジニル、10,10−ジオキシド−9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−イル、5−オキソピロリジン−3−イル、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンズオキシ、フェニル−スルホニル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピロリル、キノリン−8−イルオキシ、ピリミジニル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリジン−2,4−ジオニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、モルホリノ、オキソモルホリノ、インドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールおよびオキソピペラジニルから選択され;ここで、Rの該C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロプロピル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、ベンゾ[d]イソオキサゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラニル、2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、クロマン−8−イル、3−オキソ−3H−ピラゾリル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、2−オキソ−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリニル、4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジニル、4−オキソ−4H−ピラノ[2,3−b]ピリジニル、10,10−ジオキシド−9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−イル、5−オキソピロリジン−3−イル、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、フェノキシ、ベンズオキシ、フェノキシ−メチル、フェニルチオ、フェニル−スルホニル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、キノリン−8−イルオキシ、ピロリジニル、ピリミジニル、ピロリジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、モルホリノ、オキソモルホリノ、インドリル、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールまたはオキソピペラジニルは非置換でもハロ、シアノ、ニトロ、−NR、C1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ−置換−C1−4アルコキシ、ハロ−置換−C1−4アルキルチオ、−C(O)OR、、−XOR、−C(O)R、−C(O)NR、−NRS(O)、−XNRC(O)R、−S(O)0−2、−S(O)0−2NR、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノ−メチル、1,2,4−オキサジアゾリル、ピラゾリル、フェノキシ、インドリル、(1H−1,2,4−トリアゾリル)メチルおよびベンズオキシから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく;ここで、RおよびRは独立して水素、C1−4アルキル、C3−8シクロアルキル、ピリジニル、フェニル、ベンジルおよびナフチルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジニル、ベンジル、モルホリノ、モルホリノ−メチル、1,3−ジオキソイソインドリニル、1,2,4−オキサジアゾリル、ピラゾリル、インドリルおよびベンズオキシ置換基またはRの該リジニルおよびフェニルは非置換でもハロ、ニトロ、アミノ−スルホニル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシおよびハロ−置換−C1−4アルキルから選択される基でさらに置換されていてもよく;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する;ただし、式(I)の化合物は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−OCHC(O)−フェニルおよび−OCHC(O)OHから選択される基である2個の化合物を含まない;およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物;およびこのような化合物の薬学的に許容される塩類および溶媒和物(例えば水和物)を提供する。
第二の面において、本発明は、式(I)の化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物;またはその薬学的に許容される塩を、1種以上の適切な添加物と混合して含む、医薬組成物を提供する。
第三の面において、本発明は、動物においてBCL−2活性の調節が疾患の病理および/または全体症状を予防、阻止または軽減できる疾患の処置方法を提供し、該方法は、動物に式(I)の化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む。
第四の面において、本発明は、動物におけるBCL−2活性が疾患の病理および/または全体症状に関与する疾患の処置用医薬の製造における、式(I)の化合物の使用を提供する。
第五の面において、本発明は、式(I)の化合物およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物およびその薬学的に許容される塩類の製造方法を提供する。
定義
本明細書中で使用する一般的用語は、特に断らない限り、好ましくは本開示の文脈の範囲内で次の意味を有し、さらに一般的な用語は、使用されている箇所にかかわりなく、互いに独立して、より具体的な定義に置き換えても、そのままでもよく、そうして、本発明のより詳細な態様を規定する。
“アルキル”は、ひとつの基としてまたは他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構成成分として、直鎖でも分枝鎖でもよい。C1−4−アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ−置換アルキルはジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
“アリール”は、6〜10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基由来の二価基を意味する。
“ヘテロアリール”は、環員の1個以上がヘテロ原子であるときの、上に定義したアリールである。例えばC5−10ヘテロアリールは、炭素原子で示して最小5員であるが、これらの炭素原子はヘテロ原子に置き換わり得る。結果として、C5−10ヘテロアリールはピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。
“シクロアルキル”は、示す数の環原子を含む、飽和または一部不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
“ヘテロシクロアルキル”は、示す環炭素の1個以上が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(式中、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される基で置き換わっている、ここで定義するシクロアルキルである。例えば、本発明の化合物を記載するためにここで使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル−2−オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イル、チオモルホリノ、スルファノモルホリノ、スルホノモルホリノなどを含む。
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロであるが、ブロモまたはヨードでもよい。
式(I)の化合物は異なる異性体形態を有し得る。例えば、何らかの炭素原子は(R)−、(S)−または(R,S)−配置、好ましくは(R)−または(S)−配置で存在し得る。二重結合または特に環での置換基はcis−(=Z−)またはtrans−(=E−)形態で存在し得る。本化合物は、それ故に、異性体混合物としてまたは好ましくは純粋異性体、好ましくは純粋ジアステレオマーまたは純粋エナンチオマーとして存在し得る。
複数形態(例えば化合物群、塩類)を使用するとき、これは単数(例えば1個の化合物、1個の塩)も含むことを意図する。“化合物”は(例えば医薬製剤において)1個を超える式(I)の化合物(またはその塩)が存在することを除外せず、“不定冠詞”は単に不定冠詞を表す。“不定冠詞”は、それゆえに、好ましくは“1個以上”、あまり好ましくはないが“1個”として解釈できる。
式(I)の化合物または化合物群が記載されているとき、これはさらにこのような化合物のN−オキシドおよび/またはその互変異性体を含むことも意図する。
用語“および/またはそのN−オキシド、その互変異性体および/または(好ましくは薬学的に許容される)塩”は、特に式(I)の化合物がそのままでも、N−オキシドとの混合物として、互変異性体(例えばケト−エノール、ラクタム−ラクチム、アミド−イミド酸またはエナミン−イミン互変異性のため)または(例えば等価反応により)その互変異性体との混合物中に存在しても、式(I)の化合物の塩として存在してもおよび/または任意のこれらの形態またはこのような形態の任意の混合物として存在してもよいことを意味する。
本発明はまた本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩類の全ての適切な同位体化合物を含む。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の同位体化合物は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量が通常天然で見られる原子質量と異なる原子で置き換えられたものと定義する。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩類に包含させ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素および酸素などの同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clおよび123Iを含むが、これらに限定されない。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩類のある種の同位体化合物、例えば、Hまたは14Cのような放射性同位体が取り込まれているものは、薬物および/または基質組織分布試験に好ましい。具体例において、Hおよび14C同位体を、その製造の容易さおよび検出能により使用し得る。他の例において、Hのような同位体での置換は、インビボ半減期延長または必要投与量減少のような大きな代謝安定性に起因するある種の治療利益を提供し得る。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩類の同位体化合物は、一般的に適切な反応材の適当な同位体化合物を使用して慣用法により製造できる。
好ましい態様の記載
本発明は、BCL−2とBH3の相互作用を阻害できる式(I)の化合物の発見に基づく。一つの態様において、式(I)の化合物に関し、式Ia:
Figure 2015503518
〔式中、Lは−OCHC(O)−、−OCHC(O)O−、−O−および−OCHC(O)NH−から選択され;Rは水素、メチル、エチル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、該フェニルまたはベンジルは非置換でもハロで置換されていてもよい。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
さらなる態様は、次のものから選択される化合物である。
Figure 2015503518
Figure 2015503518
Figure 2015503518
薬理作用および有用性
本発明は、BCL−2とBH3ドメイン含有タンパク質の相互作用を阻害し得る方法および化合物を利用可能とする。本発明の一つの面は、発明の要約に定義した式(I)の化合物の治療有効量を処置を必要とする患者に投与する過程を含む、BCL−2介在障害の処置方法に関する。
BCL−2阻害剤は、乳癌(US2003/0119894、公開PCT出願WO02/097053およびWO02/13833)、リンパ腫(Nature (2005) 435, 677-681)、小細胞肺癌(Nature (2005) 435, 677-681)、頭頸部癌(公開PCT出願WO02/097053)および白血病(公開PCT出願WO02/13833)を含むが、これらに限定されない多くの癌細胞株に対して、単剤として活性であることが示されている。
BCL−2は、元々、t(14;18)を有するB細胞リンパ腫の染色体切断点で同定され、増え続けているアポトーシス制御タンパク質の成長中のファミリーに属する(Gross, A; McDonnell, JM; Korsmeyer, S. J. BCL-2 family members and the mitochondria in apoptosis. Genes & Development 1999, 13, 1899-1911,Cory, S.; Huang, D.C.S.; Adams, J.M. The BCL-2 family: roles in cell survival and oncogenesis. Oncogene, 2003 22, 8590-8607. Danial, N.N.; Korsmeyer, S. J. Cell death: Critical control points. Cell 2004, 116, 205-218. Chao, D. T.; Korsmeyer, S. J. BCL-2 family: regulators of cell death. Annu. Rev. Immunol. 1998, 16, 395-419. Apoptosis, Christopher Potten, James Wilson, Cambridge University Press, 2004)。タンパク質のBCL−2ファミリーは、BCL−2およびBCL−XLのような抗アポトーシス分子およびBAX、BAK、BIDおよびBADのようなアポトーシス促進分子の両者を含む。BCL−2は、生理学的細胞死機構によって起こる正常細胞ターンオーバーを妨げることにより、癌細胞増殖に寄与する。BCL−2の過発現は乳癌の70%および他の多くの形態の癌で観察されている(Buolaniwini, J. K. Novel anticancer drug discovery. Curr. Opin. Chem. Biol. 1999, 3, 500-509)。BCL−2タンパク質発現レベルはまた広範囲の化学療法剤およびγ−放射線療法に対する耐性と相関する(Reed, J. C.; Miyashita, T.; Takayama, S.; Wang, H.-G.; Sato, T.; Krajewski, S.; Aime-Sempe, C.; Bodrug, S.; Kitada, S.; Hanada, M. BCL-2 family proteins: Regulators of cell-death involved in the pathogenesis of cancer and resistance to therapy. J. Cell. Biochem. 1996, 60, 23-32; Reed, J. C. BCL-2 family proteins: strategies for overcoming chemoresistance in cancer. Advances in Pharmocology 1997, 41, 501-553; Strasser, A.; Huang, D. C. S.; Vaux, D. L. The role of the BCL-2/ced-9 gene family in cancer and general implications of defects in cell death control for tumorigenesis and resistance to chemotherapy. Biochem. Biophys. Acta 1997, 1333, F151-F189; DiPaola, R. S.; Aisner, J. Overcoming BCL-2- and p53-mediated resistance in prostate cancer. Semin. Oncol. 1999, 26, 112-116)。
タンパク質のBCL−2ファミリーメンバーは、アポトーシス促進機能(例えば、BAX、BAK、BID、BIM、NOXA、PUMA)および抗アポトーシス機能(例えば、BCL−2、BCL−XL、MCL−1)を有し、アポトーシスの主要制御因子である。本ファミリーのアポトーシス促進性およびアポトーシス制御メンバーの間の選択的および競合的二量体化は、アポトーシス促進性刺激を受けた細胞の運命を決定する。癌におけるBCL−2およびBCL−XLの役割は完全には理解されていないが、BCL−2およびBCL−XLが正常細胞ターンオーバーの阻止により癌進行に寄与するだけでなく、現在受けている癌処置に対する癌細胞の耐性獲得においても役割を有することを示唆するいくつかの証拠がある。BCL−2(BCL−XL)の実験的過発現は、広範囲の化学療法剤および放射線に対する耐性を癌細胞に与える(BCL-2 family proteins: Regulators of cell-death involved in the pathogenesis of cancer and resistance to therapy. J. Cell. Biochem. 1996, 60, 23-32; Reed, J. C)。BCL−2および/またはBCL−XLは、下に示すとおり全腫瘍の50%を超える腫瘍で過発現している(Wang, S.; Yang, D.; Lippman, M.E. Targeting BCL-2 and BCL-XL with nonpeptidic small-molecule antagonists. Seminars in Oncology, 2003, 5, 133-142から)。
Figure 2015503518
アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは一本鎖抗体を使用してBCL−2機能を調節する生物学的処置が腫瘍細胞の化学物質感受性を増進することが示されている(Ziegler, A.; Luedke, G. H.; Fabbro, D.; Altmann, K. H.; Stahel, R. A.; Zangemeister-Wittke, U. Induction of apoptosis in small-cell lung cancer cells by an antisense oligodeoxynucleotide targeting the BCL-2 coding sequence. J. Natl. Cancer. Inst. 1997, 89, 1027-1036; Webb, A.; Cunningham, D.; Cotter, F.; Clarke, P. A.; Di Stefano, F.; Ross, P.; Corpo, M.; Dziewanowska, Z. BCL-2 antisense therapy in patients with non-hodgkin lymphoma. Lancet 1997, 349, 1137-1141; Cotter, F. E. Phase I clinical and pharmacokinetic study of BCL-2 antisense oligonucleotide therapy in patients with non-hodgkin's lymphoma. J. Clin. Oncol. 2000, 18, 1812-1823; Piche, A.; Grim, J.; Rancourt, C.; Gomez-Navarro, J.; Reed, J. C.; Curiel, D. T. Modulation of BCL-2 protein levels by an intracellular anti-BCL-2 single-chain antibody increases drug-induced cytotoxicity in the breast cancer cell line MCF-7. Cancer Res. 1998, 58, 2134-2140)。
BCL−2 mRNA中の配列とハイブリダイズするように設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(G3139)(Raynaud, F. I.; Orr, R. M.; Goddard, P. M.; Lacey, H. A.; Lancashire, H.; Judson, I. R.; Beck, T.; Bryan, B.; Cotter, F. E. Pharmacokinetics of G3139, a phosphorothioate oligodeoxynucleotide antisense to BCL-2, after intravenous administration or continuous subcutaneous infusion to mice. J. Pharmacol. Exp. Ther. 1997, 281, 420-427)が、BCl−2を過発現するヒト乳癌細胞においてBCL−2発現を阻害し、アポトーシスを誘発し、細胞増殖を阻害することが示されている(Chen, H. X., Marchall, J. L., Trocky, N., Baidas, S., Rizvi, N., Ling, Y., Bhagava, P., Lippman, M. E., Yang, D., and Hayes, D. F. A Phase I study of BCL-2 antisense G3139 (Genta) and weekly docetaxel in patients with advanced breast cancer and other solid tumors. Proceedings of American Society of Clinical Oncology, 2000)。重要なことに、相乗効果および完全腫瘍阻止が、インビボでG3139とドセタキセルの組み合わせ処置で観察された。それゆえに、BCL−2は、多様な癌処置用の新規治療開発のための極めて魅力的なターゲットである。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該BCL−2介在障害は癌である。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該癌は急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、真性多血症、ホジキン病、非ホジキン病;多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、重鎖疾患、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌(stadenocarcinoma)、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫および子宮内膜癌から成る群から選択される。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該癌は濾胞性リンパ腫、汎発性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病前立腺癌、乳癌、神経芽腫、結腸直腸、子宮内膜、卵巣、肺癌、肝細胞癌、多発性骨髄腫、頭頸部または精巣癌である。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該癌はBCL−2を過発現する。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該癌は成長および生存をBCL−2に依存する。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該化合物を非経腸的に投与する。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該化合物を筋肉内、静脈内、皮下、経口、肺、髄腔内、局所的または鼻腔内に投与する。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該化合物を全身的に投与する。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該患者は哺乳動物である。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該患者は霊長類である。
ある態様において、本発明は前記方法に関し、ここで、該患者はヒトである。
他の面において、本発明は、処置を必要とする患者に、化学療法剤の治療有効量を、発明の要約で定義した式(I)の化合物の治療有効量と組み合わせて投与する過程を含む、Bcl介在障害の処置方法に関する。
医薬組成物
他の面において、本発明は、1種以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と製剤された、上記化合物の1種以上の治療有効量を含む、薬学的に許容される組成物を提供する。下に詳述するとおり、本発明の医薬組成物は、(1)経口投与、例えば、液剤(水性または非水性溶液または懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下および全身吸収を標的としたもの、巨丸剤(ボーラス剤)、散剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト;(2)例えば、無菌溶液または懸濁液または徐放製剤として、例えば、皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射による非経腸投与;(3)例えば、皮膚に適用するクリーム剤、軟膏剤または放出制御パッチ剤またはスプレー剤として局所適用;(4)例えば、ペッサリー剤、クリーム剤またはフォーム剤として膣内または直腸内;(5)舌下;(6)眼;(7)経皮;(8)経鼻;(9)肺;または(10)髄腔内に適用するものを含む、固体または液体での投与のために特に製剤し得る。
ここで使用する用語“治療有効量”は、医学処置に適用可能な合理的利益/危険比で、動物における細胞の少なくとも亜集団で幾分かの所望の治療効果を生じるのに有効な、本発明の化合物を含む化合物、物質または組成物の量を言う。
句“薬学的に許容される”は、ここでは、合理的医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答または他の問題または合併症なくヒトおよび動物組織と接触した使用に適切な、合理的利益/危険比を持つ、化合物、物質、組成物および/または投与形態をいう。
ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、液体または固体増量剤、希釈剤、添加物、製剤助剤(例えば、滑沢剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛またはステアリン酸)または対象化合物の一つの臓器または体の一部から他の臓器または体の他の一部への運搬または輸送に関与する溶媒封入物質のような薬学的に許容される物質、組成物または媒体を意味する。各担体は、製剤の他の成分と両立し、患者に有害でない点で、“許容される”ものでなければならない。薬学的に許容される担体として働き得る物質のいくつかの例は:(1)糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン類、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加物、例えばカカオバターおよび坐薬蝋;(9)油類、例えばピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;(10)グリコール類、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール類、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル類、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝化溶液;(21)ポリエステル類、ポリカーボネート類および/またはポリ酸無水物;および(22)医薬製剤で用いる他の非毒性適合性物質を含む。
上記のとおり、本化合物のある態様は、アミノまたはアルキルアミノのような塩基性官能基を含み得て、それゆえに、薬学的に許容される酸類と薬学的に許容される塩類を形成できる。この点において、用語“薬学的に許容される塩類”は、本発明の化合物の相対的に非毒性の、無機および有機酸付加塩類をいう。これらの塩類は、インサイチュで投与媒体中または投与形態製造工程中にまたは精製した本発明の化合物をその遊離塩基形態で適切な有機または無機酸と別に反応させ、こうして形成した塩を次の精製中に単離することにより製造できる。代表的塩類は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩類などを含む(例えば、Berge et al. (1977) "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66:1-19参照)。
対象化合物の薬学的に許容される塩類は、例えば、非毒性有機または無機酸類由来の、化合物の慣用の非毒性塩類または4級アンモニウム塩類を含む。例えば、このような慣用の非毒性塩類は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、硝酸塩などのような無機酸類由来のもの;および酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、スルファニル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、シュウ酸塩、イソチオン酸塩などのような有機酸類から製造した塩類を含む。
その他、本発明の化合物は1個以上の酸性官能基を含むことがあり、それゆえに、薬学的に許容される塩基類と薬学的に許容される塩類を形成できる。これらの例での用語“薬学的に許容される塩類”は、本発明の化合物の相対的に非毒性の、無機および有機塩基付加塩類をいう。これらの塩類は、同様にインサイチュで投与媒体中または投与形態製造工程中にまたは精製した本発明の化合物をその遊離酸形態で薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩のような適切な塩基、アンモニアまたは薬学的に許容される有機1級、2級または3級アミンと別に反応させることにより製造できる。代表的アルカリまたはアルカリ土類塩類は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩などを含む。塩基付加塩類の形成に有用な代表的有機アミン類は、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどを含む(例えば、Berge et al., supra参照)。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、さらに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤および芳香剤、防腐剤および抗酸化剤を組成物中に加えることができる。
薬学的に許容される抗酸化剤の例は(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどのような水可溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなどのような油可溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などのような金属キレート剤を含む。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所(頬側および舌下を含む)、直腸、膣および/または非経腸投与に適切なものを含む。製剤は、好都合には単位投与形態で提供でき、薬学分野で周知の任意の方法で製造できる。一投与形態を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、処置する宿主、特定の投与方法により変わる。一投与形態を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、一般的に治療効果を生じる化合物の量である。一般的に、100%中、この活性成分の量は約0.1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲である。
ある態様において、本発明の製剤は、シクロデキストリン類、セルロース類、リポソーム類、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸類および重合体担体、例えば、ポリエステル類およびポリ酸無水物から成る群から選択される添加物および本発明の化合物を含む。ある態様において、前記製剤は、本発明の化合物を経口で生体利用可能とする。
これらの製剤または組成物の製造方法は、本発明の化合物と担体および所望により1種以上のアクセサリー成分を関連させる工程を含む。一般に、製剤は、本発明の化合物と液体担体または微粉化固体担体もしくはその両者を均一にかつ密接に関連させ、その後必要であれば製品を形作ることにより製造する。
経口投与に適切な本発明の製剤は、各々予定された量の本発明の化合物を活性成分として含む、カプセル剤、カシェー剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(風味付けされた基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、散剤、顆粒剤の形または水性または非水性液体中の溶液または懸濁液または水中油型または油中水型液体エマルジョンまたはエリキシル剤またはシロップ剤またはトローチ剤(不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアを使用)および/または口腔洗浄剤などとして投与してよい。本発明の化合物はまた巨丸剤(ボーラス剤)、舐剤または糊状剤としても投与し得る。
本発明の経口投与用固体投与形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤など)において、活性成分を1種以上の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/または下記のいずれかと混合する:(1)デンプン類、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸のような充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート類、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアのような結合剤;(3)グリセロールのような湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート類および炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(5)パラフィンのような溶解遅延剤;(6)4級アンモニウム化合物のような吸収促進剤およびポロクサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤;(7)例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロールおよび非イオン性界面活性剤のような湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト・クレイのような吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸およびこれらの混合物のような滑沢剤;(10)着色剤;および(11)クロスポビドンまたはエチルセルロースのような制御放出剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物はまた緩衝剤を含み得る。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖類のような添加物ならびに高分子量ポリエチレングリコール類などを使用して、軟および硬殻ゼラチンカプセル中の充填剤としても用いてよい。
錠剤は、所望により1種以上の付帯成分との圧縮または鋳造により製造し得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤を使用して製造し得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物を練合し、適切な機器で成形することにより製造し得る。
本発明の医薬組成物の錠剤および糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤のような他の固体投与形態は、所望により割線を入れてよくまたはコーティングまたはシェル、例えば腸溶性コーティングおよび他の製薬分野で周知のコーティングを施してよい。これらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供するように種々の比率でヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマー物質、リポソームおよび/またはマイクロスフェアを使用して、活性成分の遅延または制御放出を提供するように製剤してもよい。即時放出のために、例えば、凍結乾燥により、製剤してもよい。例えば、無菌フィルターで濾過するかまたは滅菌剤を加えて無菌固形組成物の形に製剤し、用時、滅菌水またはその他の無菌注射用媒体に溶解してもよい。これらの組成物はまた所望により不透明化剤を含んでもよく、消化管のある部分でのみまたはそこで優先的に、所望により、遅延化の方法で、活性成分を放出する組成物としてもよい。使用できる包埋組成物の例は、例えば、重合体物質および蝋を含んでもよい。活性成分はまた、適当であれば、上記添加物の1種以上と共に、マイクロカプセル化された形態としてもよい。
本発明の化合物の経口投与用の液体投与形態は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。活性成分に加えて、液体投与形態は、例えば、水または他の溶媒のような当分野で慣用的に使用されている不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール類およびソルビタンの脂肪酸エステル類およびこれらの混合物を含んでよい。
不活性希釈剤以外に、経口組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、風味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤剤も含んでよい。
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル類、微結晶セルロース、ヒドロキシアルミニウムオキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカントおよびこれらの混合物のような懸濁化剤を含み得る。
直腸または膣投与用の本発明の製剤の医薬組成物は、1種以上の本発明の化合物と、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬蝋またはサリチレートを含み、室温では個体であるが、体温では液体であり、それゆえに、直腸または膣腔で溶解して活性化合物を放出する、1種以上の適切な非刺激性添加物または担体の混合により製造し得る、坐薬として提供し得る。
膣投与に適切な本発明の製剤はまた、当分野で適切であることが知られた担体を含む、腟坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、糊状剤、フォームまたはスプレー製剤も含む。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための投与形態は、粉末剤、スプレー剤、軟膏剤、糊状剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチ剤および吸入剤を含む。活性化合物を、無菌条件下薬学的に許容される担体および必要な任意の防腐剤、緩衝液または噴射剤と混合することができる。
軟膏、糊状剤、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物および植物脂肪、油類、蝋、パラフィン類、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール類、シリコーン類、ベントナイト類、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの混合物のような添加物を含み得る。
粉末剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム類およびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物のような添加物を含み得る。スプレー剤は、さらに、クロロフルオロハイドロカーボン類および揮発性非置換炭化水素類、例えばブタンおよびプロパンのような噴射剤を含み得る。
経皮パッチは、本発明の化合物の身体への制御送達というさらなる利点を有する。このような投与形態は、化合物を適当な媒体に溶解または分散させることにより製造できる。吸収促進剤も化合物の経皮流入を増進させるために使用できる。このような流入速度は、速度制御膜をしまたは化合物をポリマーマトリクスまたはゲルに分散させることにより制御できる。
眼用製剤、眼軟膏、粉末、溶液なども本発明の範囲内であることが意図される。
非経腸投与に適切な本発明の医薬組成物は、1種以上の本発明の化合物を、1種以上の薬学的に許容される無菌等張性水溶液または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョンと組み合わせて含み、また糖類、アルコール類、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、本製剤の意図された受容者の血液と等張にする溶質または懸濁剤または濃化剤を含んでよく、用時、無菌注射用溶液または分散液で再構成し得る無菌粉末であってよい。
本発明の医薬組成物で用い得る適切な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール類(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)および適切なこれらの混合物、オリーブ油のような植物油およびオレイン酸エチルのような注射用有機エステル類を含む。例えば、レシチンのようなコーティング物質の使用により、分散剤の場合の必要粒子径を維持することにより、そしてまた界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持できる。
これらの組成物はまた防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のようなアジュバントを含み得る。本化合物への微生物による影響の予防は、種々の抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを加えることにより確実にすることができる。組成物への糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤の添加も望ましいことがある。さらに、注射用医薬形態の吸収の遅延は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収遅延剤を加えることにより達成し得る。
ある場合、薬物の作用時間を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物吸収を遅延させることが望ましい。これは、低水溶性の結晶または非晶質物質の液体懸濁液の使用により達成し得る。薬物の吸収速度は溶解速度に依存し、これは、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経腸投与薬物の吸収遅延は、油媒体への薬物の溶解または懸濁により達成し得る。
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマーへの対象化合物のマイクロエンカプセルマトリクスの形成により製造する。薬物対ポリマー比および用いる特定のポリマーの性質によって、薬物放出速度を制御できる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル類)およびポリ(無水物)を含む。デポー注射用製剤はまた薬物を身体組織適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに封入することによっても製造する。
本発明の化合物を医薬としてヒトおよび動物に投与するとき、それ単独でまたは、例えば、0.1〜99%(より好ましくは、10〜30%)の活性成分を薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物として投与することができる。
本発明の製剤は、経口的に、非経腸的に、局所的にまたは直腸に投与し得る。これらは、当然各投与経路に適する形態で投与する。例えば、錠剤またはカプセル剤の形態で、注射、吸入、眼ローション、軟膏、坐薬などにより投与し、注射、点滴または吸入により;ローションまたは軟膏により局所に;および坐薬により直腸に投与する。経口投与が好ましい。
ここで使用する用語“非経腸投与”および“非経腸的に投与”は、経腸および局所投与以外の、通常注射による投与方法を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内注射および点滴を含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“全身投与”、“全身的に投与”、“末梢投与”および“末梢に投与”は、患者の全身に入り、そうして代謝および他の類似の過程に付されるように、化合物、薬物または他の物質の中枢神経系への直接投与以外の投与、例えば、皮下投与を意味する。
これらの化合物を、例えば、スプレー、直腸的、膣内、非経腸的、大槽内および局所的に、粉末、軟膏または液滴として、頬側および舌下を含む、経口、経鼻を含む、治療のための任意の適切な投与経路でヒトおよび他の動物に投与し得る。
選択した投与経路と無関係に、適切な水和された形態および/または本発明の医薬組成物で使用し得る本発明の化合物を、当業者に知られる慣用法で薬学的に許容される投与形態に製剤する。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与レベルは、患者に毒性ではなく、特定の患者、組成物および投与方法について所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るように、変更されいてよい。
選択した投与量レベルは、用いる特定の本発明の化合物またはそのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与の時間、用いる特定の化合物の排泄または代謝速度、吸収の速度および程度、処置の期間、用いる特定の化合物と組み合わせて使用する他の薬剤、化合物および/または物質、処置する患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康および薬歴および医薬分野で周知の類似の因子を含む、多様な因子に依存する。
通常の技術の医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方できる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルより低いレベルで医薬組成物中の本発明の化合物を用いて開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投与量を増やす。
一般に、本発明の化合物の適切な1日投与量は、治療効果を生じるのに有効な最低投与量である化合物の量である。このような有効量は、一般的に上記因子による。一般的に、患者への本発明の化合物の経口、静脈内、脳室内および皮下投与量は、指示した抗癌効果のために使用するとき、1日あたり、患者体重キログラムあたり約0.0001〜約100mgの範囲である。
所望により、活性化合物の有効1日投与量を、所望により、単位投与形態で、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上の分割投与量で、別々に1日をとおして適当な間隔で投与してよい。好ましい投与は1日1回投与である。
本発明の化合物を単独で投与することも可能であるが、本化合物を医薬製剤(組成物)として投与するのが好ましい。
本発明の化合物を、他の医薬と同様、ヒトまたは動物用医薬品として使用するための任意の慣用法で投与し得る。
他の面において、本発明は、1種以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と製剤された、上記対象化合物の1種以上の治療有効量を含む、薬学的に許容される組成物を提供する。下に詳述するとおり、本発明の医薬組成物は、(1)経口投与、例えば、液剤(水性または非水溶液または懸濁液)、錠剤、巨丸剤(ボーラス剤)、散剤、顆粒、舌への適用のためのペースト;(2)例えば、無菌溶液または懸濁液として、例えば、皮下、筋肉内または静脈内注射による非経腸投与;(3)例えば、皮膚、肺または粘膜に適用するクリーム剤、軟膏剤またはスプレー剤として局所適用;または(4)例えば、ペッサリー剤、クリーム剤またはフォーム剤として膣内または直腸内;(5)舌下または頬側;(6)眼;(7)経皮;または(8)鼻腔に適用するものを含む、固体または液体で投与するために特に製剤し得る。
用語“処置”は、また予防、治療および治癒も含む。
本処置を受ける患者は、霊長類、特にヒトおよびウマ、ウシ、ブタおよびヒツジのような他の哺乳動物;および一般に家禽およびペットを含む、処置を必要とするあらゆる動物である。
本発明の化合物を、単独でまたは薬学的に許容される担体と混合して投与してよく、ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系および糖ペプチド系のような抗菌剤と組み合わせて投与してよい。接続的治療は、それゆえに、最初に投与したものの治療効果が、後続のものを投与したときに完全に消失しないような方法で、複数の活性化合物を連続的に、同時にまたは別々に投与することを含む。
微小乳化技術は、親油性(水不溶性)薬剤のバイオアベイラビリティを改善し得る。その例には、トリメトライン(Dordunoo, S. K., et al., Drug Development and Industrial Pharmacy, 17(12), 1685-1713, 1991)およびREV 5901(Sheen, P. C., et al., J Pharm Sci 80(7), 712-714, 1991)がある。とりわけ、微小乳化は、循環系ではなくリンパ系に優先的に指向する吸収により肝臓を迂回し、肝胆道循環における化合物の分解を阻害するために、バイオアベイラビリティを向上させる。
全ての適切な両親媒性担体が意図されるが、現在好ましい担体は、一般的に、Generally-Recognized-as-Safe(GRAS)のステータスを有するものであり、本発明化合物を可溶化し得ると共に、後に溶液が複雑水相(例えばヒト胃腸管で見られるもの)と接触したときそれを微小乳化し得るものである。通常、これらの要求を満たす両親媒性物質は、 2〜20のHLB値(親水性/親油性比)を有し、その構造はC−6〜C−20の範囲の直鎖脂肪族基を含む。その例は、ポリエチレン−グリコール化脂肪族グリセライド類およびポリエチレングリコール類である。
市販の両親媒性担体が特に意図され、Gelucireシリーズ、Labrafil、LabrasolまたはLauroglycol(全てGattefosse Corporation, Saint Priest, Franceが製造販売)、PEG−モノ−オレエート、PEG−ジ−オレエート、PEG−モノ−ラウレートおよびジ−ラウレート、レシチン、ポリソルベート80など(合衆国および世界の業者が製造販売)を含む。
本発明で使用するのに適切な親水性ポリマーは、易水溶性のものであり、小胞形成脂質と共有結合でき、毒性なくインビボで耐容性(すなわち、生体適合性)のものである。適切なポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(ポリラクチド)、ポリグリコール酸(ポリグリコリド)、ポリ乳−ポリグリコール酸コポリマーおよびポリビニルアルコールを含む。好ましいポリマーは、約100または120ダルトンから約5,000または10,000ダルトンまで、より好ましくは約300ダルトン〜約5,000ダルトンの分子量を有するものである。特に好ましい態様において、ポリマーは、約100〜約5,000ダルトンの分子量およびより好ましくは約300〜約5,000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコールである。特に好ましい態様において、ポリマーは、750ダルトンのポリエチレングリコール(PEG(750))である。ポリマーはまたその中の単量体の数により定義されることもあり、好ましい本発明の態様は、少なくとも約3個の単量体のポリマー、例えば、3個の単量体から成るPEGポリマー(約150ダルトン)を利用する。
本発明で使用するのに適当な他の親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドおよび誘導体化セルロース類、例えばヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースを含む。
ある態様において、本発明の製剤は、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリアルキレン類、アクリル酸およびメタクリル酸エステル類のポリマー、ポリビニルポリマー、ポリグリコリド類、ポリシロキサン類、ポリウレタン類およびそのコ−ポリマー、セルロース類、ポリプロピレン、ポリエチレン類、ポリスチレン、乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル類、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、多糖類、タンパク質、ポリヒアルロン酸類、ポリシアノアクリレート類およびその混合、混合物またはコポリマーから成る群から選択される生体適合性ポリマーを含む。
シクロデキストリン類は、それぞれギリシャ文字でα、βまたはγと名づけられた6個、7個または8個のグルコース単位から成る環状オリゴ糖類である。6個より少ないグルコース単位のシクロデキストリン類の存在は知られていない。グルコース単位は、アルファ−1,4−グリコシド結合により結合する。糖単位のいす形配座の結果、全ての2級ヒドロキシル基(C−2、C−3)は環の片側に位置し、他方C−6の全ての2級ヒドロキシル基は逆の側に位置する。その結果、外面は親水性であり、シクロデキストリン類を水可溶性とする。対照的に、シクロデキストリン類の内腔は、原子C−3およびC−5の水素およびエーテル様酸素で覆われているため、疎水性である。これらのマトリクスは、例えば、17β−エストラジオールのようなステロイド化合物を含む、相対的に疎水性の多様な化合物と複合体形成を可能とする(例えば、van Uden et al. Plant Cell Tiss. Org. Cult. 38:1-3-113 (1994)参照)。複合体形成は、ファンデルワールス相互作用および水素結合形成により行われる。シクロデキストリン類の化学に関する一般的レビューは、Wenz, Agnew. Chem. Int. Ed. Engl., 33:803-822 (1994)参照。
シクロデキストリン誘導体の物理化学的特性は、置換の種類および程度に強く依存する。例えば、その水への溶解度は不溶性(例えば、トリアセチル−ベータ−シクロデキストリン)から147%可溶性(w/v)(G−2−ベータ−シクロデキストリン)の範囲である。さらに、それらは多くの有機溶媒に可溶性である。シクロデキストリン類の特性は、その溶解度を上昇または低下させることにより、多様な製剤成分の溶解度の制御を可能とする。
多くのシクロデキストリン類およびその製造方法が公表されている。例えば、Parmeter (I), et al.(米国特許番号3,453,259)およびGramera, et al.(米国特許番号3,459,731)は、電気的中性シクロデキストリン類を記載する。その他、カチオン性特性を有するシクロデキストリン類[Parmeter (II)、米国特許番号3,453,257]、不溶性架橋シクロデキストリン類(Solms、米国特許番号3,420,788)およびアニオン性特性を有するシクロデキストリン類[Parmeter (III)、米国特許番号3,426,011]である。アニオン性特性を有するシクロデキストリン誘導体の中で、カルボン酸類、リン酸類、亜ホスフィン酸類、ホスホン酸類、リン酸類、チオホスホン酸類、チオスルフィン酸類およびスルホン酸類が親シクロデキストリンに適用されている[Parmeter (III), supra参照]。さらに、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体がStella, et al.(米国特許番号5,134,127)により記載されている。
リポソームは、水性内部区画を内包する少なくとも1個の脂質二層膜から成る。リポソームは膜タイプおよびサイズにより特徴づけられる。小単層小胞(SUVs)は、単膜であり、典型的に直径0.02〜0.05μmのサイズであり、大単層小胞(LUVS)は典型的に0.05μmより大きい。オリゴ層大小胞および多層状小胞は、複数の、通常同心円状、膜層を有し、典型的に0.1μmより大きい。数個の非同心円状膜、すなわち、大型小胞内に含まれた数個の小型小胞を有するリポソームは、多胞体小胞と呼ばれる。
本発明の一つの面は、本発明の化合物を内包リポソームを含む製剤に関し、ここで、リポソーム膜は、高い運搬容量を有するリポソームを提供するように製剤される。これとは別にまたはこれに加えて、本発明の化合物は、リポソームのリポソーム二重層に含まれていても、吸着していてもよい。本発明の化合物は脂質界面活性剤と凝集し、リポソームの内部空間に運搬され得て、これらの場合、リポソーム膜は、活性剤−界面活性剤凝集体の分裂的作用に耐えるように製剤する。
本発明の一つの態様によって、リポソームの脂質二重層は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖がリポソームに封入された内部空間内の脂質二重層の内部表面から伸び、脂質二重層の外部から周囲環境へ伸びるように、PEGで誘導体化された脂質を含む。
本発明のリポソーム内に内包される活性剤は可溶化形態である。界面活性剤と活性剤の凝集体(例えば目的の活性剤を含むエマルジョンまたはミセル)を、本発明のリポソームの内部空間に封入できる。界面活性剤は活性剤を分散および溶解するように作用し、任意の適切な脂肪族、シクロ脂肪族または芳香族界面活性剤から選択してよく、種々の鎖長(例えば、約C.sub.14〜約C.sub.20)の生体適合性リソホスファチジルコリン類(LPCs)を含むが、これらに限定されない。PEG−脂質のようなポリマー−誘導体化脂質も、ミセル/膜融合阻害に作用し、ポリマーの界面活性剤分子への添加が界面活性剤のCMCを減少させ、ミセル形成の助けとなるため、ミセル形成に利用し得る。好ましいのは、マイクロモル範囲のCMCを有する界面活性剤であり、CMCが高いほど、界面活性剤は、本発明のリポソーム内に封入されたミセルの製造に使用できるが、しかしながら、ミセル界面活性剤単量体はリポソーム二重層安定性に影響し、所望の安定性のリポソーム設計の因子である。
本発明のリポソームは当分野で知られる種々の技術のいずれによっても製造し得る。例えば、米国特許番号4,235,871;公開PCT出願WO96/14057;New RRC, Liposomes: A practical approach, IRL Press, Oxford (1990), pages 33-104; Lasic DD, Liposomes from physics to applications, Elsevier Science Publishers BV, Amsterdam, 1993参照。
例えば、本発明のリポソームを、例えば、予め形成したリポソームを、脂質グラフトポリマーから成るミセルに曝露するような方法で、リポソーム内で所望の誘導体化脂質の最終mole%に対応する脂質濃度で、親水性ポリマーで誘導体化した脂質を、予め形成したリポゾームに拡散させることにより製造し得る。親水性ポリマー含有リポソームは、当分野で知られるとおり、均質化、脂質フィールド水和または押し出し法によっても形成できる。
本発明の一つの面において、リポソームを、選択したサイズ範囲で実質的に均一なサイズを有するように製造する。一つの有効なサイジング方法は、リポソームの水性懸濁液を、均一な孔サイズを有する一連のポリカーボネート膜を通して押出すことを含み、膜の孔サイズは、その膜を通して押し出して産生するリポソームの最大サイズにほぼ対応する。例えば、米国特許番号4,737,323(1988年4月12日)参照。
本発明の製剤の放出特性は封入物質、封入薬物の濃度および放出修飾剤の存在による。例えば、胃のような低pHでまたは腸のようなそれより高いpHでのみ放出するpH感受性コーティングを使用することにより、放出が、例えばpH依存的となるように操作できる。腸溶性コーティングを使用すれば、胃の通過後まで放出が起こるのを阻止できる。複数コーティングまたは種々の材料に封入されたシアナミドの混合物を使用して、最初の放出が胃で、続いて後の放出が腸で起こるようにできる。放出を、水の取り込みまたはカプセルからの拡散を増加させる塩類または細孔形成剤の包含によっても、操作できる。薬物の溶解度を修飾する添加物も、放出速度の制御に使用できる。マトリクス分解またはマトリクスからの放出を促進する薬剤も含んでよい。それらは化合物によって、薬物に添加できるし、別の相として(すなわち、粒子として)添加できるし、またポリマー相中に共溶解できる。全ての例で、量は0.1〜30%(w/wポリマー)の間でなければならない。分解促進剤のタイプは、硫酸アンモニウムおよび塩化アンモニウムのような無機塩類、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン酸のような有機酸類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛および水酸化亜鉛のような無機塩基類および硫酸プロタミン、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンのような有機塩基類およびTween(登録商標)およびPluronic(登録商標)のような界面活性剤を含む。マトリクスに微細構造を付加する細孔形成剤(すなわち、無機塩類および糖類のような水可溶性化合物)を粒子として添加する。範囲は1〜30%(w/wポリマー)でなければならない。
腸における粒子の滞留時間を変更することによっても、吸収を操作できる。これは、例えば、粒子を粘膜付着ポリマーでコーティングするかまたはこれを封入物質として選択することにより達成できる。例は、キトサン、セルロース類および特にポリアクリレート類(ここで使用するポリアクリレート類は、アクリレート基およびシアノアクリレート類およびメタクリレート類のような修飾アクリレート基を含むポリマーをいう)のようなほとんどの遊離カルボキシル基を含むポリマーを含む。
医薬組み合わせ
本発明は、特にここに記載する疾患の1種以上の処置における式(I)の化合物(または式(I)の化合物を含む医薬組成物)の使用に関し、ここで、処置に対する応答は、例えば、疾患の症状の1個以上の部分的または完全除去から最高で完全治癒または寛解で証明されるとおり、有益である。
BCl−2阻害剤は、他の抗癌剤および放射線との組み合わせで、多くの癌細胞株に対して活性を示し、乳癌(ドセタキセルとの併用、公開PCT出願WO02/097053)、前立腺癌(ドセタキセルとの併用、公開PCT出願WO02/097053)、頭頸部癌(ドセタキセルとの併用、公開PCT出願WO02/097053)および非小細胞肺癌(パクリタキセルとの併用、Nature (2005) 435, 677-681)を含むが、これらに限定されない。上記化学療法剤組み合わせに加えて、BCl−2タンパク質の小分子阻害剤は、エトポシド、ドキソルビシン、シスプラチン、パクリタキセルおよび放射線を含むが、これらに限定されない他の抗癌剤と相乗性を示す(Nature (2005) 435, 677-681)。
式(I)の化合物を他の抗増殖性化合物と組み合わせて使用できる。このような抗増殖性化合物は、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘導する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤、例えばRAD001;抗新生物代謝拮抗剤;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/減少する化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生体応答修飾物質;抗増殖性抗体、例えばHCD122;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液系腫瘍の処置に使用する化合物、例えばフルダラビン;Flt−3の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばPKC412;Hsp90阻害剤、例えば17-AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeuticsから)およびAUY922;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));キネシン紡錘体タンパク質阻害剤、例えばSB715992またはSB743921(GlaxoSmithKlineから)またはペンタミジン/クロルプロマジン(CombinatoRxから);PI3K阻害剤、例えばBEZ235;RAF阻害剤、例えばLGX818またはRAF265;MEK阻害剤、例えばARRY142886(Array PioPharmaから)、AZD6244(AstraZenecaから)、PD181461(Pfizerから)、ロイコボリン、EDG結合剤、抗白血病化合物、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、抗増殖性抗体または他の化学療法化合物を含むが、これらに限定されない。さらに、これらとは別にまたはこれらに加えて、手術、電離放射線、光線力学的治療、例えばコルチコステロイド含有インプラント、ホルモン類を含む他の腫瘍処置手法と組み合わせて使用しても、放射線増感剤として使用してもよい。また、抗炎症性および/または抗増殖性処置において、抗炎症剤との組み合わせを含む。抗ヒスタミン医薬物質、気管支拡張剤、NSAIDまたはケモカイン受容体アンタゴニストとの組み合わせても可能である。
ここで使用する用語“アロマターゼ阻害剤”は、エストロゲン産生、すなわち基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからそれぞれエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。本用語は、ステロイド類、特にアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンおよび、特に、非ステロイド類、特にアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含むが、これらに限定されない。エキセメスタンは、例えば、商品名AROMASINの下に市販されている形態で投与できる。フォルメスタンは、例えば、商品名LENTARONの下に市販されている形態で投与できる。ファドロゾールは、例えば、商品名AFEMAの下に市販されている形態で投与できる。アナストロゾールは、例えば、商品名ARIMIDEXの下に市販されている形態で投与できる。レトロゾールは、例えば、商品名フェマーラまたはFEMARの下に市販されている形態で投与できる。アミノグルテチミドは、例えば、商品名ORIMETENの下に市販されている形態で投与できる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、特にホルモン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に有用である。
ここで使用する用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲン類の作用と拮抗する化合物をいう。本用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンを含むが、これらに限定されない。タモキシフェンは、例えば、商品名NOLVADEXの下に市販されている形態で投与できる。塩酸ラロキシフェンは、例えば、商品名EVISTAの下に市販されている形態で投与できる。フルベストラントはUS4,659,516に記載のとおり製造できまたは例えば、商品名FASLODEXの下に市販されている形態で投与できる。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、特にエストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に有用である。
ここで使用する用語“抗アンドロゲン”は、男性ホルモンの生物学的作用を祖ギアできるあらゆる物質に関し、例えばUS4,636,505に記載のとおり製剤できるビカルタミド(CASODEX)を含むが、これに限定されない。
ここで使用する用語“ゴナドレリンアゴニスト”は、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含むが、これらに限定されない。ゴセレリンはUS4,100,274に開示され、例えば、商品名ZOLADEXの下に市販されている形態で投与できる。アバレリクスは、例えばUS5,843,901に開示のとおり製剤できる。
ここで使用する用語“トポイソメラーゼI阻害剤”は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148(WO99/17804の化合物A1)を含むが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば、商品名CAMPTOSARの下に市販されている形態で投与できる。トポテカンは、例えば、商品名HYCAMTINの下に市販されている形態で投与できる。
ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン系、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYXを含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン系ミトキサントロンおよびロソキサントロンおよびポドフィロトキシン系エトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。エトポシドは、例えば、商品名ETOPOPHOSの下に市販されている形態で投与できる。テニポシドは、例えば、商品名VM 26-BRISTOLの下に市販されている形態で投与できる。ドキソルビシンは、例えば、商品名ADRIBLASTINまたはアドリアマイシンの下に市販されている形態で投与できる。エピルビシンは、例えば、商品名FARMORUBICINの下に市販されている形態で投与できる。イダルビシンは、例えば、商品名ZAVEDOSの下に市販されている形態で投与できる。ミトキサントロンは、例えば、商品名NOVANTRONの下に市販されている形態で投与できる。
用語“微小管活性化合物”は、タキサン類、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、特に硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、特に硫酸ビンクリスチンおよびビノレルビン、ディスコデルモライド類、コルヒチン(cochicine)およびエポチロン類およびその誘導体、例えばエポチロンBまたはDまたはその誘導体を含むが、これらに限定されない微小管安定化、微小管脱安定化化合物および微小管重合阻害剤に関する。パクリタキセルは、例えばタキソールで市販されている形態で投与できる。ドセタキセルは、例えば、商品名タキソテールの下に市販されている形態で投与できる。硫酸ビンブラスチンは、例えば、商品名VINBLASTIN R.P.の下に市販されている形態で投与できる。硫酸ビンクリスチンは、例えば、商品名FARMISTINの下に市販されている形態で投与できる。ディスコデルモライドは、例えば、US5,010,099に開示されているとおりに得ることができる。また包含されるのは、WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に開示されているエポチロン誘導体である。特に好ましいのは、エポチロンAおよび/またはBである。
ここで使用する用語“アルキル化化合物”は、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはグリアデル)を含むが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、例えば、商品名CYCLOSTINの下に市販されている形態で投与できる。イホスファミドは、例えば、商品名HOLOXANの下に市販されている形態で投与できる。
用語“ヒストンデアセチラーゼ阻害剤”または“HDAC阻害剤”は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有する化合物に関する。これは、WO02/22577に開示のLDH589、特にN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびその薬学的に許容される塩類のような化合物を含む。さらに特にスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)を含む。
用語“抗新生物代謝拮抗剤”は、5−フルオロウラシルまたは5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化化合物、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン、メトトレキサートおよびエダトレキサートおよび葉酸アンタゴニスト、例えばペメトレキセドを含むが、これらに限定されない。カペシタビンは、例えば、商品名XELODAの下に市販されている形態で投与できる。ゲムシタビンは、例えば、商品名GEMZARの下に市販されている形態で投与できる。
ここで使用する用語“プラチン化合物”は、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラスチンおよびオキサリプラチンを含むが、これらに限定されない。カルボプラチンは、例えば、商品名CARBOPLATの下に市販されている形態で投与できる。オキサリプラチンは、例えば、商品名ELOXATINの下に市販されている形態で投与できる。
ここで使用する用語“タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とし/低下させる化合物”または“タンパク質または脂質ホスファターゼ活性”または“さらなる抗血管形成化合物”は、タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されず、例えば次のものである:
a) 血小板由来増殖因子−受容体(PDGFR)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばPDGFRの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、特にPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、SU101、SU6668およびGFB-111;
b) 線維芽細胞増殖因子−受容体(FGFR)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;
c) インシュリン様増殖因子受容体I(IGF−IR)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばIGF−IRの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、特にIGF−I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、例えばWO02/092599に開示の化合物またはIGF−I受容体の細胞外ドメインまたはその増殖因子を標的とする抗体;
d) Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物またはエフリンB4阻害剤;
e) Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;
f) Ret受容体チロシンキナーゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;
g) Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼ、すなわちC−kit受容体チロシンキナーゼ群 − (PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、特にc−Kit受容体を阻害する化合物、例えばイマチニブ;
h) c−Ablファミリーのメンバー、その遺伝子融合産物(例えばBCR−Ablキナーゼ)および変異体の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えば化合物c−AbIファミリーメンバーおよびその遺伝子融合産物の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブまたはニロチニブ(AMN107);PD180970;AG957;NSC 680410;PD173955(ParkeDavisから);またはダサチニブ(BMS-354825);
i) セリン/スレオニンキナーゼ群のタンパク質キナーゼC(PKC)およびRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK1、PKB/AktおよびRas/MAPKファミリーメンバーおよび/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、特にUS5,093,330に開示のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;さらなる化合物の例は、例えばUCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物、例えばWO00/09495に開示のもの;FTIs;BEZ235(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)を含む;
j) タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばタンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物はイマチニブメシレート(GLEEVEC)またはチロホスチンを含む。チロホスチンは、好ましくは低分子量(Mr<1500)化合物またはその薬学的に許容される塩、特にベンジリデンマロニトリルクラスまたはS−アリールベンゼンマロニトリルまたは二基質キノリンクラスの化合物から選択される化合物、より特にチロホスチンA23/RG-50810;AG 99;チロホスチンAG 213;チロホスチンAG 1748;チロホスチンAG 490;チロホスチンB44;チロホスチンB44 (+)エナンチオマー;チロホスチンAG 555;AG 494;チロホスチンAG 556、AG957およびアダフォスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダフォスチン)から成る群から選択される化合物;
k) 受容体チロシンキナーゼ群の上皮細胞増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびその変異体の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えば上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、特にEGF受容体チロシンキナーゼファミリー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するまたはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、特にWO97/02266(例えば実施例39の化合物)またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983および特に、WO96/30347(例えばCP 358774として知られる化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD 1839)およびWO95/03283(例えば化合物ZM105180)に一般的におよび具体的に開示された化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツマブ(HerceptinTM)、セツキシマブ(アービタックスTM)、Iressa、Tarceva、OSI-774、CI-1033、EKB-569、GW-2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3およびWO03/013541に開示された7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体;および
l) c−Met受容体の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えばc−Metの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、特にc−Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物またはc−Metの細胞外ドメインを標的とするまたはHGFと結合する抗体。
さらなる抗血管形成化合物は、例えば、タンパク質または脂質キナーゼ阻害と無関係な、他の活性機構を有する化合物、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP-470を含む。
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、例えばホスファターゼ1、ホスファターゼ2AまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
細胞分化過程を誘導する化合物は、例えばレチノイン酸、α−、γ−またはδ−トコフェロールまたはα−、γ−またはδ−トコトリエノールである。
ここで使用する用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、例えばCox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“ビスホスホネート”は、エチドロン、クロドロン、チルドロン、パミドロン、アレンドロン、イバンドロン、リセドロンおよびゾレドロン酸を含むが、これらに限定されない。“エチドロン酸”は、例えば、商品名DIDRONELの下に市販されている形態で投与できる。“クロドロン酸”は、例えば、商品名BONEFOSの下に市販されている形態で投与できる。“チルドロン酸”は、例えば、商品名SKELIDの下に市販されている形態で投与できる。“パミドロン酸”は、例えば、商品名AREDIATMの下に市販されている形態で投与できる。“アレンドロン酸”は、例えば、商品名FOSAMAXの下に市販されている形態で投与できる。“イバンドロン酸”は、例えば、商品名BONDRANATの下に市販されている形態で投与できる。“リセドロン酸”は、例えば、商品名ACTONELの下に市販されている形態で投与できる。“ゾレドロン酸”は、例えば、商品名ZOMETAの下に市販されている形態で投与できる。
用語“mTOR阻害剤”は、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)を阻害し、抗増殖性活性を有する化合物、例えばシロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(登録商標))、CCI-779およびABT578に関する。
ここで使用する用語“ヘパラナーゼ阻害剤”は、ヘパリン硫酸分解を標的とし、低下させまたは阻害する化合物をいう。本用語は、PI-88を含むが、これに限定されない。
ここで使用する用語“生体応答修飾物質”は、リンホカインまたはインターフェロン類、例えばインターフェロンγをいう。
ここで使用する、H−Ras、K−RasまたはN−Rasのような“Ras発癌性アイソフォームの阻害剤”なる用語は、Rasの発癌性活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えば“ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤”、例えばL-744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)をいう。
ここで使用する用語“テロメラーゼ阻害剤”は、テロメラーゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物をいう。テロメラーゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、特にテロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えばテロメスタチンである。
ここで使用する用語“メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤”は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物をいう。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
ここで使用する用語“プロテアソーム阻害剤”は、プロテアソームの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物をいう。プロテアソームの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、例えばBortezomid(ベルケイドTM)およびMLN 341を含む。
ここで使用する用語“マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤”または(“MMP”阻害剤)は、コラーゲンペプチド模倣および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣阻害剤バチマスタットおよびその経口生体利用可能類似体マリマスタット(BB-2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC 683551)、BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“血液系腫瘍の処置に使用する化合物”は、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えばFMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフランシルシトシン(ara−c)およびブスルファン(bisulfan);およびALK阻害剤、例えば未分化リンパ腫キナーゼを標的とし、低下させまたは阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、特にFlt−3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えばPKC412、TKI258、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
ここで使用する用語“HSP90阻害剤”は、HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物;HSP90クライアントタンパク質をプロテオソーム経路を介して活性を低下させ、標的としまたは阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、特にHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の例はAUY922である。
ここで使用する用語“抗増殖性抗体“は、トラスツマブ(HerceptinTM)、トラスツマブ−DM1、アービタックス、ベバシズマブ(AvastinTM)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、PRO64553(抗CD40)、2C4抗体およびHCD122抗体(抗CD40)を含むが、これらに限定されない。抗体は、例えば完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全な抗体から形成された多特異的抗体および所望の生物学的活性を示す限り抗体フラグメントを意味する。
急性骨髄球性白血病(AML)の処置のために、式(I)の化合物を標準的白血病治療と組み合わせて、特にAMLの処置に使用される治療と組み合わせて使用できる。特に、式(I)の化合物を、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはAMLの処置に有用な他の意訳、例えばダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチンおよびPKC412と組み合わせて投与できる。
用語“抗白血病性化合物”は、例えば、デオキシシチジンの2’−アルファ−ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体である、ピリミジン類似体のAra-Cを含む。また包含されるのは、ヒポキサンチン、6−メルカプトプリン(6-MP)およびリン酸フルダラビンのプリン類似体である。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤の活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物、例えば酪酸ナトリウムおよびスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)は、ヒストンデアセチラーゼ群として知られる酵素の活性を阻害する。具体的HDAC阻害剤は、MS275、SAHA、FK228(旧FR901228)、トリコスタチンAおよびUS6,552,065に開示の化合物、特に、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に許容される塩およびN−ヒドロキシ−3−[4−[(2−ヒドロキシエチル){2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に許容される塩、特に乳酸塩を含む。
ここで使用するソマトスタチン受容体アンタゴニストは、ソマトスタチン受容体を標的とし、その活性を低下させまたは阻害する化合物、例えばオクトレオチドおよびSOM230(パシレオチド)をいう。
腫瘍細胞傷害手法は、電離放射線のような手法をいう。用語“電離放射線”は、上でおよび下で、電磁波(例えばX線およびガンマ線)または粒子(例えばアルファおよびベータ粒子)として起こる電離放射線をいう。電離放射線は、限定しないが放射線療法において提供され、当分野で知られる。Hellman, Principles of Radiation Therapy, Cancer, in Principles and Practice of Oncology, Devita et al., Eds., 4th Edition, Vol. 1, pp. 248-275 (1993)参照。
ここで使用する用語“EDG結合剤”は、リンパ球再循環を調節する免疫抑制剤、例えばFTY720をいう。
用語“リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤”は、フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara−C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(特にALLに対してara-Cと組み合わせて)および/またはペントスタチンを含むが、これらに限定されない、ピリミジンまたはプリンヌクレオシド類似体をいう。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、特にヒドロキシウレアまたは2−ヒドロキシ−1H−イソインドール−1,3−ジオン誘導体、例えばNandy et al., Acta Oncologica, Vol. 33, No. 8, pp. 953-961 (1994)に記載のPL-1、PL-2、PL-3、PL-4、PL-5、PL-6、PL-7またはPL-8である。
ここで使用する用語“S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤”は、US5,461,076に開示の化合物を含むが、これらに限定されない。
また包含されるのは、特にWO98/35958(例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩)またはWO00/09495、WO00/27820、WO00/59509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947に開示の化合物、タンパク質またはVEGFのモノクローナル抗体;Prewett et al, Cancer Res, Vol. 59, pp. 5209-5218 (1999); Yuan et al., Proc Natl Acad Sci U S A, Vol. 93, pp. 14765-14770 (1996); Zhu et al., Cancer Res, Vol. 58, pp. 3209-3214 (1998); およびMordenti et al., Toxicol Pathol, Vol. 27, No. 1, pp. 14-21 (1999)に記載のもの;O'Reilly et al., Cell, Vol. 79, pp. 315-328 (1994)に記載のアンジオスタチン;O'Reilly et al., Cell, Vol. 88, pp. 277-285 (1997)に記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド類;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばrhuMAbおよびRHUFab、VEGFアプタマー、例えばMacugon;FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR-2 IgG1抗体、Angiozyme(RPI 4610)およびベバシズマブ(AvastinTM)である。
ここで使用する光線力学的治療は、癌を処置または予防するための光感作性化合物として知られるある種の化合物を使用する治療をいう。光線力学的治療の例は、例えばVISUDYNEおよびポルフィマーナトリウムのような化合物での処置を含む。
ここで使用する血管新生抑制ステロイド類は、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11−α−エピヒドロコルチゾール、コルテクソロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメサゾンのような、血管形成を遮断または阻害する化合物をいう。
コルチコステロイド含有インプラントは、例えばフルオシノロン、デキサメサゾンのような化合物をいう。
“他の化学療法化合物”は、植物アルカロイド、ホルモン化合物およびアンタゴニスト;生体応答修飾物質、好ましくはリンホカイン類またはインターフェロン類;アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;雑多な化合物または他のまたは未知の作用機序を有する化合物を含むが、これらに限定されない。
コード番号、一般名または商品名により同定した活性化合物の構造は、標準的概説書“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)によって知ることができる。。
本明細書中に引用するいずれの引用文献も、引用した引用文献が本発明の特許性に不利に影響する先行文献であることを認めるものではないことを理解すべきである。
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた本発明の化合物の製造方法を含む。記載する反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、チオ基またはカルボキシ基を、これらが最終生成物において必要であるならば、望まない反応による影響を避けるために保護することが必要である可能性がある。慣用の保護基を標準的手法に従って使用することができ、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
が酸素リンカーを介してフェニル環に結合している式(I)の化合物は、次の反応スキームIに従って製造できる:
Figure 2015503518
〔式中、R、R、RおよびRは、発明の要約において式(I)について定義したとおりである〕。式(I)の化合物は、中間体DとI−CHOC、続いてNaOHと反応させ、生成物をNHと適切な脱水および架橋剤(例えばヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなど)、適切な塩基(例えばトリエチルアミンなど)、および適切な溶媒(例えばDCMなど)の存在下で反応させることにより製造できる。反応は凡そRTで行い、完了まで最大約12時間かかり得る。反応スキームVIについて、中間体Dのフェニル環上のOHの位置は、フェニル環に結合したカルボニル基に対してパラ置換に移動してよい。
式(I)の化合物の製造の詳細な例は、下記実施例に見ることができる。
本発明の化合物の製造のための付加的工程
本発明の遊離塩基形態の化合物と薬学的に許容される無機または有機酸を反応させることにより、本発明化合物を薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の遊離酸形態の化合物と薬学的に許容される無機または有機塩基を反応させることにより、本発明化合物を薬学的に許容される塩基附加塩として製造できる。
式(I)の化合物は、選択的生物学的性質を増強するために適切な官能基を導入することにより修飾することができる。この種の修飾は当分野で知られ、ある生物学的系(例えば血液、リンパ系、中枢神経系、精巣)への浸透を高める、バイオアベイラビリティを高める、非経腸投与(例えば注射、注入)を可能にするため溶解度を高める、代謝を変えるものおよび/または分泌速度を変えるものを含む。この種の修飾の例は、例えばポリエチレングリコール類でのエステル化、ピバロイルオキシまたは脂肪酸置換基での誘導体化、カルバメートへの変換、芳香環のヒドロキシル化および芳香環におけるヘテロ原子置換を含む。式(I)の化合物および/またはそのN−オキシド、互変異性体および/または(好ましくは薬学的に許容される)塩類が記載されている場合はいつでも、そのような修飾された化合物を含むが、好ましくは式(I)の化合物、そのN−オキシド、その互変異性体および/またはその塩類を意味する。
あるいは、塩形態の本発明の化合物を、出発物質または中間体の塩類を使用して製造できる。遊離形態の新規式(I)の化合物と、中間体として、例えば新規化合物の精製および同定に使用できる塩類を含むその塩類の形態の密接な関係から本目勲暑中の式(I)の化合物群または化合物は、適当であり、好都合である限り、遊離形態の化合物および/またはその1個以上の塩類、ならびに1個以上の溶媒和物、例えば水和物も言うと理解すべきである。
塩類は、例えば、酸付加塩類として、塩基性窒素原子を有する式(I)の化合物から、好ましくは有機または無機酸類と形成され、特に薬学的に許容される塩類である。適切な無機酸類は、例えば、ハロゲン酸類、例えば塩酸、硫酸またはリン酸である。適切な有機酸類は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸類、例えばグルタミン酸またはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、ケイ皮酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−または3−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピル−スルファミン酸または他の有機プロトン酸類、例えばアスコルビン酸である。
単離または精製目的で、薬学的に許容されない塩類、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治療上の使用のためには、薬学的に許容される塩類または遊離化合物だけが用いられ(適用可能であるならば医薬製剤の形態で)、それゆえにこれらが好ましい。
遊離酸または遊離塩基形態の本発明の化合物は、それぞれ対応する塩基付加塩または酸付加塩形態から製造できる。例えば酸付加塩形態の本発明の化合物を、適切な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)での処理により対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形態の本発明の化合物を、適切な酸(例えば、塩酸など)での処理により対応する遊離酸に変換できる。
本発明の酸化されていない形態の化合物は、本発明化合物のN−オキシドを、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、リントリクロライド、トリブロマイドなど)で、適切な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、ジオキサン水溶液など)中、0〜80℃で処理することにより本発明の化合物のN−オキシドから製造できる。
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に知られる方法で製造できる(例えば、さらなる詳細については、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照)。例えば、適当なプロドラッグを、誘導体化されていない本発明の化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリダート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
本発明の化合物の保護誘導体は、当業者に知られる方法で製造できる。保護基の創製およびその除去に適用可能な技術の詳細な記載は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
本発明の化合物は、好都合は溶媒和物(例えば、水和物)として製造されるか、本発明の製造工程中に形成される。本発明の化合物の水和物は、好都合には、水性/有機溶媒混合物から、有機溶媒、例えばジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを使用して再結晶させることにより製造できる。
本発明の化合物は、化合物のラセミ混合物と光学活性分割剤を反応させて、ジアステレオ異性化合物の対を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋エナンチオマーを回収することにより、個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分割は本発明の化合物の共有結合的ジアステレオマー誘導体を用いて実施できるが、解離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶ジアステレオマー塩類)。ジアステレオマーは異なる物理特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーはクロマトグラフィーによりまたは好ましくは溶解度の差異に基づいて分離できる。光学的に純粋なエナンチオマーは、次いで、分割剤と共に、ラセミ化を起こさない任意の実際的手段により回収される。ラセミ混合物からの化合物の立体異性体の分割に適用可能な技術のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
要約すると、式(I)の化合物は:
(a) 反応スキームIのもの;および
(b) 所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c) 所望により塩形態の本発明の化合物の非塩形態への変換;
(d) 所望により酸化されていない形態の本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e) 所望によりN−オキシド形態の本発明の化合物の非酸化形態への変換;
(f) 所望により異性体混合物からの本発明の化合物の個々の異性体の分割;
(g) 所望により非誘導体化本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h) 所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体のその非誘導体化形態への変換
を含む工程により製造できる。
出発物質の製造が特に記載されない限り、該化合物は知られているかまたは当分野で知られた方法または後記の実施例に開示する方法に準じて製造できる。
当業者は、上記変換は本発明の化合物の単なる代表的製造方法であり、他の周知の方法も同様に使用できることを理解する。
次の中間体および最終化合物は、その範囲を限定することなく本発明を説明するものである。次の略語および方法を実施例中で使用する:
略語:
aq.(水性);AcOH(酢酸);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン);DME(1,2−ジメトキシエタン);DMSO(ジメチルスルホキシド);EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩);eq(当量);EtN(トリエチルアミン);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);h(時間);HOBt(1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール);MeOH(メタノール);min(分);MS(マススペクトロメトリー);N(規定);NMR(核磁気共鳴スペクトロメトリー);Rf(保持係数);RT(室温);TBDMS(3級ブチルジメチルシリル);THF(テトラヒドロフラン);およびTLC(薄層クロマトグラフィー)。
HPLC条件:
方法A:カラム:Inertsil ODS3V(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO/0.01M KHPO pH6.5に調節;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/85、16/85、17/30、18/30);流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法B:カラム:Inertsil ODS3V(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO/0.01M KHPO pH6.5に調節;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/80、13/80、14/30、15/30);流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法C:カラム:XTerra RP18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO/0.01M KHPO pH6.5に調節;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/85、16/85、17/30、18/30);流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法D:カラム:XTerra RP18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO/0.01M KHPO pH6.5に調節;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/80、13/80、14/30、15/30);流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法E:カラム:Hypersil BDS C18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO/0.01M KHPO pH6.5に調節;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、15/50、18/90、28/90、28.10/30);流速:0.8ml/分;UVでの検出:260.0nm。
方法F:カラム:Hypersil BDS C18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M 酢酸アンモニウム;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、15/50,18/90,28/90,28.10/30);流速:0.8ml/分;UVでの検出:260.0nm。
方法G:カラム:XTerra RP18(250×4.0)mm、5mm;移動相:A:0.01M KHPO(pH6.5);B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/80、13/80、14/30、15/30;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法H:カラム:Inertsil ODS3V(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO(pH6.5に調節);B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/70、1.5/70、5/85、13/85、14/70、15/70;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法I:カラム:XTerra RP18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/80、16/80、17/30、18/30;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法J:カラム:ACE5 C18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/30、2/30、6/85、16/85、17/30、18/30;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法K:カラム:Inertsil ODS3V;移動相:A:0.01M KHPO;B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/50、1.5/50、5/80、13/80、14/50、15/50;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法L:カラム:XTerra RP18(250×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01M KHPO(pH6.5);B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/50、2/50、9/85、16/85、17/50、18/50;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
方法M:カラム:Symmetry Shield RP18(150×4.6)mm、5μm;移動相:A:0.01%TFA(水性);B:ACN;勾配情報:(T/%B):0/20、2/20、6/85、13/85、14/20、15/20;流速:1.0ml/分;UVでの検出:210.0nm。
NMRスペクトル:
H NMRスペクトルをVarian 400 MHz(Varian Mercury Plus)または500 MHz(Unity INOVA)スペクトロメーターで、DMSO−dまたはCDClを溶媒として用いて記録した。化学シフトを内部標準としてテトラメチルシラン(TMS、d0.00)を用いるδスケールで記載し、カップリング定数(J)をHzで記載した。標準的略語s、d、t、q、dd、dtおよびmは、それぞれ一重項、二重項、三重項、四重項、二重項の二重項、二重項の三重項および多重項の記号として使用した。
マススペクトル:
LC−MSおよびES−MSスペクトルをPerkin-Elmer Sciex、モデルAPI 3000で行った。
LC−MS条件:
方法A:ギ酸(FA)中の定法;カラム:Cynergi 2.5μm Max-RP100A(20×4.0)mm;移動相:A:0.1%FA(水性);B:ACN;T/%B:0/20、0.5/20、2.5/95、4.5/95、5.0/20;流速:1.5mL/分。
方法B:酢酸アンモニウム(AA)中の定法;カラム:Cynergi 2.5μm Max-RP100A(20×4.0)mm;移動相:A:0.01M 酢酸アンモニウム(水性);B:ACN;T%B:0/20、1.0/20、2.5/85、4.0/95、4.5/20、5.0/20;流速:1.0mL/分。
中間体A
(S)−1−(4−アミノ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
Figure 2015503518
工程1:2−ヒドラジニル−5−ニトロ安息香酸塩酸塩の製造。氷冷している2−アミノ−5−ニトロ安息香酸(50.0g、274.5mmol)の水(350mL)溶液に、濃HCl(404mL)を添加した。反応混合物を塩が析出するまで撹拌した。亜硝酸ナトリウム(29.0g、411.8mmol)の水(300mL)溶液を、0℃で撹拌しながら15分間かけてゆっくり添加した。この反応混合物を氷冷亜硫酸(2.5L)にゆっくり添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、濃HClを固体が分かれるまで添加した。固体を濾過し、冷HClで洗浄し、減圧乾燥して、表題化合物を黄色固体60g(93%)として得て、これをさらに精製することなく使用した。Rf = 0.10 (DCM中10%MeOH)
工程2:2−(3−(エトキシカルボニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−ニトロ安息香酸の製造。2−ヒドラジニル−5−ニトロ安息香酸塩酸塩(59.4g、255.1mmol)のAcOH(500mL)溶液に、エチル−2,4−ジオキソバレラート(31.0g、196.2mmol)を添加した。反応混合物を2時間還流した。AcOHを減圧下蒸発し、残渣をトルエン(100mL)と2回共蒸留した。残渣をEtOAcに溶解し、水層が中性になるまで水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。ガム状物質をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物を白色固体35g(56%)として得た。Rf = 0.30 (DCM中10%MeOH); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 13.90 - 13.60 (brs, 1H), 8.62 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.54 (dd, J = 2.6 & 8.5 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.27 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.28 (t, J = 7.1Hz, 3H); LC-MS: m/z 320.1 (M+H)
工程3:(S)−エチル1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの製造。氷冷している2−(3−(エトキシカルボニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−ニトロ安息香酸(25.0g、78.4mmol)のDMF(250mL)溶液に、(S)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル)メタノール(31.0g、62.7mmol)、EDC.HCl(23.0g、117.5mmol)、HOBT(13.75g、101.9mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(500mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(500mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、‘灰白色’表題化合物18g(49%)を得た。Rf = 0.45 (ヘキサン中25%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.70 - 8.35 (m, 2H), 8.15 - 7.98 (m, 1H), 7.25 - 6.95 (m, 4H), 6.82 - 6.58 (m, 1H), 5.20 - 3.80 (m, 8H), 3.40 - 2.40 (m, 2H), 2.38 - 2.10 (m, 3H), 1.30 - 0.80 (m, 3H); ES-MS: m/z 465.3 (M+H)
工程4:(S)−1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の製造。(S)−エチル1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(18.0g、38.8mmol)のTHF(30mL)および水(20mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(5.0g、116.8mmol)を添加し、RTで6時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水(80mL)で希釈し、ジエチルエーテル(100mL)で抽出した。水層を0℃に冷却し、3N HClを使用してpH〜4まで酸性化し、EtOAc(200mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(200mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を白色固体14g(82%)として得た。Rf = 0.25 (ヘキサン中70%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 12.90 - 12.50 (brs, 1H), 8.64 - 8.30 (m, 2H), 8.06 - 7.72 (m, 1H), 7.24 - 6.82 (m, 4H), 6.80 - 6.42 (m, 1H), 5.20 - 3.80 (m, 6H), 3.40 - 2.40 (m, 2H), 2.40 - 2.10 (m, 3H); ES-MS: m/z 437.2 (M+H)
工程5:(S)−N,N−ジブチル−1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(14.0g、32.1mmol)のDMF(150mL)溶液に、ジブチルアミン(8.6mL、48.2mmol)、EDC.HCl(9.2g、48.2mmol)、HOBT(5.63g、41.7mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(300mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(300mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を‘灰白色’固体9g(51%)として得た。Rf = 0.47 (ヘキサン中25%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.62 - 8.22 (m, 2H), 8.00 - 7.80 (m, 1H), 7.30 - 6.84 (m, 4H), 6.60 - 6.35 (m, 1H), 5.20 - 3.80 (m, 3H), 3.79 - 2.40 (m, 9H), 2.38 - 2.20 (m, 3H), 1.60 - 0.50 (m, 14H); LC-MS: m/z 548.0 (M+H)
工程6:(S)−1−(4−アミノ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−N,N−ジブチル−1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(1.1g、2.0mmol)のEtOH(10mL)溶液に、10%Pd−C(0.04g)を添加し、Hバルーン圧下、RTで5時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、ベッドをEtOH(20mL)で洗浄し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を‘灰白色’固体0.8g(77%)として得た。Rf = 0.33 (ヘキサン中40%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 7.30 - 6.82 (m, 5H), 6.80 - 6.15 (m, 3H), 5.72 - 5.50 (m, 2H, D2O交換可能), 5.20 - 4.78 (m, 1H, D2O交換可能), 4.90 - 4.00 (m, 2H), 4.00 - 2.22 (m, 9H), 2.20 - 2.00 (m, 3H), 1.60 - 0.60 (m, 14H); LC-MS: m/z 518.3 (M+H); HPLC: 98.64% (RT = 5.997 min., 方法B)
中間体B
(S)−1−(4−アミノ−2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
Figure 2015503518
工程1:(S)−N,N−ジブチル−1−(2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)−オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−N,N−ジブチル−1−(2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(9.0g、16.4mmol)のDCM(150mL)溶液に、TBDMS−クロライド(2.98g、19.7mmol)、イミダゾール(2.23g、32.9mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(300mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(300mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を液体7g(64%)として得た。Rf = 0.74 (ヘキサン中25%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.60 - 8.20 (m, 2H), 8.05 - 7.80 (m, 1H), 7.40 - 6.80 (m, 4H), 6.60 - 6.30 (m, 1H), 5.10 - 3.84 (m, 4H), 3.82 - 2.40 (m, 7H), 2.40 - 2.20 (m, 3H), 1.60 - 0.55 (m, 23H), 0.05 - -0.40 (m, 6H); LC-MS: m/z 662.4 (M+H)。
工程2:(S)−1−(4−アミノ−2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)−オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−N,N−ジブチル−1−(2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)−オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)−4−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(3.0g、4.5mmol)のEtOH(50mL)溶液に、10%Pd−C(0.3g)を添加し、Hバルーン圧下、RTで3時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、ベッドをEtOH(150mL)で洗浄し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を‘灰白色’固体2.0g(69%)として得た。Rf = 0.45 (ヘキサン中25%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 7.40 - 6.82 (m, 5H), 6.80 - 6.20 (m, 3H), 5.74 - 5.50 (m, 2H), 5.10 - 4.00 (m, 2H), 3.99 - 2.20 (m, 9H), 2.20 - 2.00 (m, 3H), 1.60 - 0.58 (m, 23H), 0.00 - - 0.04 (m, 6H); LC-MS: m/z 632.6 (M+H)
中間体C
(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
Figure 2015503518
工程1:5−ブロモ−2−ヒドラジニル安息香酸塩酸塩の製造。2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(50.0g、231.5mmol)の濃HCl(250mL)懸濁液に、−10℃で、亜硝酸ナトリウム(23.92g、347.2mmol)の水(250mL)溶液をゆっくり添加し、2時間撹拌した。この反応混合物に塩化第一錫(130.50g、225.6mmol)の濃HCl(125mL)溶液をゆっくりRTで12時間連続的に撹拌しながら添加た。反応混合物を濾過し、残渣を最少量の水で洗浄し、減圧乾燥して、表題化合物を‘灰白色’固体61g(100%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。Rf = 0.10 (酢酸エチル); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 11.60 - 9.60 (brs, 3H), 7.93 (d, J = 2.4Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 2.4 & 8.8Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.8Hz, 1H); ES-MS: m/z 229.1 (M-H)
工程2:5−ブロモ−2−(3−(エトキシカルボニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸の製造。5−ブロモ−2−ヒドラジニル安息香酸塩酸塩(60.0g、225.6mmol)のAcOH(600mL)溶液に、エチル−2,4−ジオキソバレラート(35.67g、225.6mmol)を添加し、3時間還流した。AcOHを減圧下蒸発し、残渣をトルエン(100mL)と2回共蒸留した。残渣をEtOAcに溶解し、水層が中性になるまで水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。ガム状物質をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物を褐色油80g(100%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。Rf = 0.23 (DCM中10%MeOH); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 13.80 - 12.80 (brs, 1H), 8.08 (d, J = 1.9Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 2.4&8.3Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.3Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 4.26 (q, J = 7.2Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.28 (t, J = 7.1Hz, 3H); ES-MS: m/z 353.1 (M+H)
工程3:(S)−エチル1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの製造。氷冷している5−ブロモ−2−(3−(エトキシカルボニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸(45.0g、127.8mmol)のDCM(450mL)溶液に、(S)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル)メタノール(20.8g、102.27mmol)、HATU(72.7g、191.2mmol)、DIPEA(55.7mL、319.6mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物をDCM(750mL)で希釈し、水(500mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を液体50g(79%)として得た。Rf = 0.44 (ヘキサン中55%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.00 - 7.40 (m, 3H), 7.30 - 7.00 (m, 4H), 6.80 - 6.40 (m, 1H), 5.10 - 3.80 (m, 7H), 3.50 - 2.40 (m, 3H), 2.40 - 2.10 (m, 3H), 1.30 - 1.00 (m, 3H); ES-MS: m/z 498.2 (M+H)
工程4:(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の製造。(S)−エチル1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(50.0g、100.6mmol)のTHF(80mL)および水(20mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(21.1g、503.0mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水(80mL)で希釈し、ジエチルエーテル(100mL)で抽出した。水層を0℃に冷却し、3N HClを使用してpH〜4まで酸性化し、EtOAc(200mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(200mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を淡黄色固体40g(粗製)として得た。Rf = 0.10 (ヘキサン中30%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 12.80 - 11.80 (m, 1H), 8.15 - 7.40 (m, 3H), 7.30 - 6.90 (m, 4H), 6.70 - 6.30 (m, 1H), 5.10 - 3.70 (m, 5H), 3.50 - 2.40 (m, 3H), 2.38 - 2.10 (m, 3H); ES-MS: m/z 470.5 (M+H)
工程5:(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(10.0g、21.3mmol)のDMF(100mL)溶液に、ジブチルアミン(3.7mL、21.3mmol)、EDC.HCl(6.1g、31.9mmol)、HOBT(3.3g、21.3mmol)を添加し、RTで12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(100mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(100mL)、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を吸湿性固体4.5g(36%)として得た。Rf = 0.44 (ヘキサン中55%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.00 - 7.40 (m, 3H), 7.30 - 6.80 (m, 4H), 6.50 - 6.20 (m, 1H), 5.10 - 4.00 (m, 3H), 4.00 - 2.40 (m, 9H), 2.40 - 2.00 (m, 3H), 1.60 - 0.50 (m, 14H); LC-MS: m/z 581.4 (M+H); HPLC: 90.74% (RT = 9.216 min., 方法C)
工程6:(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(((tert−ブチルジメチルシリル)−オキシ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの製造。(S)−1−(4−ブロモ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボニル)フェニル)−N,N−ジブチル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(3.0g、5.2mmol)のDCM(30mL)溶液に、TBDMS−クロライド(0.93g、6.2mmol)、イミダゾール(0.70g、10.3mmol)を添加し、RTで5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(100mL×2)で2回抽出した。併せた有機層を水(100mL)、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル(100〜200メッシュ)で精製して、表題化合物を液体3.0g(83%)として得た。Rf = 0.66 (ヘキサン中50%EtOAc); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 8.00 - 7.40 (m, 3H), 7.30 - 6.60 (m, 4H), 6.55 - 6.20 (m, 1H), 5.00 - 4.10 (m, 2H), 4.10 - 2.40 (m, 6H), 2.40 - 2.00 (m, 6H), 1.60 - 0.50 (m, 23H), 0.20 - - 0.40 (m, 6H); LC-MS: m/z 695.3 (M+H)
中間体D
4−クロロ−1−[4−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド
Figure 2015503518
工程1:4−クロロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルの製造。5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(4.45g、28.9mmol)およびN−クロロスクシンイミド(5.01g、37.5mmol)のジメチルホルムアミド(60mL)中の混合物を、24時間、環境温度で撹拌した。反応物を濃縮し、0〜100%酢酸エチル/ヘプタン勾配を用いるシリカゲルカラムを通して溶出して精製して、表題化合物(5.2g、96%収率)を白色固体として得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 189.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 9.39 (br. s., 1 H), 4.44 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 2.35 (s, 3 H), 1.43 (t, J = 7.1 Hz, 3 H)
工程2:4−クロロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミドの製造。撹拌中のジブチルアミン(13mL、76mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液に、窒素雰囲気下、トリメチルアルミニウム(38mL、トルエン中2M、76mmol)を添加した。混合物を環境温度で30分撹拌した。(4−クロロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(4.8g、25mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液を混合物に滴下した。反応物を、12時間、窒素雰囲気下に撹拌した。混合物を飽和ロシェル塩溶液にゆっくり添加し、環境温度で2時間撹拌した。有機層を回収した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層と併せた。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、乾燥した。残渣を0〜100%酢酸エチル/ヘプタン勾配を用いるシリカゲルカラムを通して溶出して精製して、表題化合物(4.7g、68%収率)を透明油状物として得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 272.4. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.50 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 3.37 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 2.28 (s, 3 H), 1.64 (quin, J = 7.5 Hz, 2 H), 1.44 - 1.55 (m, 2 H), 1.30 - 1.43 (m, 2 H), 1.10 - 1.22 (m, 2 H), 0.97 (t, J = 8.0 Hz, 3 H), 0.82 (t, J = 7.3 Hz, 3 H)
工程3:4−クロロ−1−(2−シアノ−4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミドの製造。4−クロロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(1.5g、5.5mmol)、2−フルオロ−5−メトキシベンゾニトリル(1.1g、7.2mmol)および炭酸セシウム(1.8g、5.5mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)中の混合物を、130℃で30分マイクロ波処理した。溶媒を減圧下除去した。粗製の物質を0〜70%酢酸エチル/ヘプタン勾配を用いるシリカゲルカラムを通して溶出し、表題化合物(1.3g、59%収率)を白色固体として得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 403.5. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.32 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.18 - 7.22 (m, 1 H), 7.12 - 7.18 (m, 1 H), 3.84 (s, 3 H), 3.41 - 3.51 (m, 2 H), 3.32 - 3.41 (m, 2 H), 2.15 (s, 3 H), 1.54 - 1.66 (m, 2 H), 1.48 (qd, J = 7.7, 7.5 Hz, 2 H), 1.26 - 1.40 (m, 2 H), 1.17 (ddd, J = 14.9, 7.4, 7.3 Hz, 2 H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 0.77 (t, J = 7.3 Hz, 3 H)
工程4:2−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−5−メトキシ−安息香酸の製造。4−クロロ−1−(2−シアノ−4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(1.3g、3.2mmol)および水酸化カリウム(1.2g、21mmol)のエタノール(5mL)および水(5mL)中の混合物を150℃で90分マイクロ波処理した。HCl水溶液(15N)でpHを約5に調節した。溶媒を減圧下除去した。粗製の物質を10〜100%酢酸エチル/ヘプタン、次いで1〜20%メタノール/塩化メチレン勾配を用いるシリカゲルカラムを通して溶出して、表題化合物(0.53g、39%収率)を白色固体として得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 422.4
工程5:4−クロロ−1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミドの製造。撹拌中の2−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−5−メトキシ−安息香酸(0.35g、0.82mmol)および(S)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル)メタノール(0.13g、0.82mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、窒素雰囲気下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.16g、0.82mmol)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(0.13g、0.82mmol)を添加した。混合物を環境温度で5分撹拌した。トリエチルアミン(0.34mL、2.5mmol)を混合物に添加した。反応物を60時間、環境温度で撹拌した。混合物を水で洗浄し、10〜100%酢酸エチル/ヘプタン勾配を用いるシリカゲルカラムでの溶出により精製して、表題化合物(21mg、4.5%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 567.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.75 - 7.36 (m, 7 H), 4.13 - 5.41 (m, 4 H), 3.80 - 3.96 (m, 3 H), 2.51 - 3.71 (m, 8 H), 2.17 - 2.32 (m, 3 H), 1.48 - 1.68 (m, 4 H), 1.19 - 1.44 (m, 4 H), 0.70 - 0.97 (m, 6 H)
工程6:4−クロロ−1−[4−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド。4−クロロ−1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(40mg、0.071mmol)および塩化アルミニウム(75mg、0.56mmol)の混合物を、エタンチオール(0.052mL、0.71mmol)およびジクロロメタン(0.5mL)中、12時間、環境温度で窒素雰囲気下に撹拌した。混合物に水を添加し、1:4メタノール:塩化メチレンで抽出した。有機層を減圧下除去した。シリカゲルカラムの短パッドおよびC18カラムを通して溶出後、粗製の物質をHPLCで精製して、表題化合物(9mg、33%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 553.5. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.66 - 7.50 (m, 7 H), 2.03 - 5.08 (m, 14 H), 0.53 - 1.62 (m, 14 H)
中間体E
1−[5−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド
Figure 2015503518
工程1:5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミドの製造。中間体Dの製造/工程2に従い、表題化合物(6g、65%)を5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルから製造した。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 238.1. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.29 (s, 1 H), 3.59 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 3.38 - 3.51 (m, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 1.47 - 1.74 (m, 4 H), 1.17 - 1.47 (m, 4 H), 0.76 - 1.03 (m, 6 H)
工程2:工程2:2−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−安息香酸。5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(0.85g、3.6mmol)、2−ヨード−4−メトキシ安息香酸(1.0g、3.6mmol)、ヨウ化銅(0.14g、0.72mmol)、炭酸セシウム(1.2g、3.6mmol)およびtrans−ジメチルアミンシクロヘキサン(0.23mL、1.44mmol)のジオキサン(5mL)中の混合物を120℃で15分マイクロ波処理した。酢酸エチルで希釈し、粗製の物質をを0〜100%酢酸エチル/ヘプタン、次いで0〜20%メタノール/塩化メチレン勾配を用いるシリカゲルカラムを通して溶出して、表題化合物(0.43g、31%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 388.5
工程3:1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−5−メトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド。中間体Dの製造/工程5に従い、表題化合物(610mg、29%)を2−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−安息香酸から製造した。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 533.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.81 - 7.33 (m, 7 H), 5.95 - 6.40 (m, 1 H), 4.28 - 5.62 (m, 4 H), 3.83 - 3.96 (m, 3 H), 2.66 - 3.81 (m, 7 H), 2.01 - 2.38 (m, 3 H), 1.10 - 1.65 (m, 8 H), 0.76 - 1.01 (m, 6 H)
実施例1
[4−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−3−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸エチルエステル
Figure 2015503518
4−クロロ−1−[4−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(中間体D、170mg、0.31mmol)、2−ヨード酢酸エチル(99mg、0.46mmol)、炭酸カリウム(13mg、0.092mmol)、およびトリエチルアミン(0.085mL、0.62mmol)の混合物を、アセトニトリル(3mL)中、環境温度で12時間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。粗製の物質をシリカゲルカラムを10〜100%酢酸エチル/ヘプタン勾配を用いて溶出して、表題化合物(15mg、7.6%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 639.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.73 - 7.39 (m, 7 H), 2.51 - 5.41 (m, 17 H), 2.16 - 2.41 (m, 3 H), 0.68 - 1.70 (m, 16 H)
実施例2
[4−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−3−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸
Figure 2015503518
[4−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−3−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸エチルエステル(10mg、0.016mmol)の水酸化ナトリウム(2N、0.039mL)およびメタノール(0.1mL)溶液を、環境温度で12時間撹拌した。HCl水溶液を、pHが約5になるまで添加する。粗製の物質をHPLCで精製して、表題化合物(1.9mg、20%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 611.5. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.78 - 7.37 (m, 7 H), 4.08 - 5.51 (m, 5 H), 2.33 - 3.75 (m, 8 H), 2.13 - 2.33 (m, 3 H), 0.60- 1.72 (m, 14 H)
実施例3
4−クロロ−1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−4−フェニルカルバモイルメトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド
Figure 2015503518
撹拌中の[4−(4−クロロ−3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−3−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸(15mg、0.025mmol)およびアニリン(3.4μL、0.037mmol)のジクロロメタン(0.2mL)溶液に、窒素雰囲気下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(7.1mg、0.037mmol)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(5.6mg、0.037mmol)を添加した。混合物を環境温度で5分撹拌した。トリエチルアミン(10μL、0.074mmol)を混合物に添加した。反応物を12時間撹拌した。シリカゲルカラム短パッドで溶出後、粗製の物質をHPLCで精製して、表題化合物(8mg、50%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 686.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.82 - 7.69 (m, 12 H), 4.13 - 5.38 (m, 5 H), 2.38 - 3.75 (m, 8 H), 2.15 - 2.32 (m, 3 H), 1.12 - 1.70 (m, 8 H), 0.66 - 0.99 (m, 6 H)
実施例4
[3−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸エチルエステル
Figure 2015503518
1−[5−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(100mg、0.19mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.21mL、1M、0.21mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を、環境温度で10分撹拌した。2−ヨード酢酸エチル(0.027mL、0.23mmol)を添加し、混合物を環境温度で1時間撹拌した。酢酸エチルおよびHCl水溶液をpHが約7になるまで添加した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下除去した。粗製の物質をシリカゲルカラムの短パッドを溶出することにより精製し、表題化合物(100mg、86%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 605.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.30 - 7.41 (m, 8 H), 2.68 - 5.46 (m, 18 H), 2.20 - 2.61 (m, 3 H), 0.70 - 1.74 (m, 15 H)
実施例5
[3−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸
Figure 2015503518
一般法hに従い、表題化合物(60mg、63%)を[3−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸エチルエステルから製造した。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 577.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.09 - 7.55 (m, 8 H), 3.88 - 5.34 (m, 5 H), 2.34 - 3.69 (m, 8 H), 2.10 - 2.33 (m, 3 H), 0.62 - 1.71 (m, 14 H)
実施例6
1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−5−フェニルカルバモイルメトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド
Figure 2015503518
4−クロロ−1−[2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−4−フェニルカルバモイルメトキシ−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミドの製造に従い、表題化合物(5mg、22%)を、[3−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸から製造した。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 652.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.22 - 8.44 (m, 1 H), 6.79 - 7.69 (m, 12 H), 6.20 - 6.39 (m, 1 H), 4.00 - 5.30 (m, 5 H), 2.41 - 3.61 (m, 8 H), 2.18 - 2.37 (m, 3 H), 1.13 - 1.71 (m, 8 H), 0.66 - 1.12 (m, 6 H)
実施例7
[3−(3−ジブチルカルバモイル−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−4−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェノキシ]−酢酸ベンジルエステル
Figure 2015503518
1−[5−ヒドロキシ−2−((S)−3−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジブチルアミド(中間体E、29mg、0.056mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.062mL、1M、0.062mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液を、環境温度で10分撹拌した。2−クロロ酢酸ベンジル(0.010mL、0.067mmol)を添加し、混合物を環境温度で2時間撹拌した。酢酸エチルおよびHCl水溶液を、pHが約7になるまで添加した。有機層をシリカゲルカラムの短パッドを通して溶出し、粗製の物質をHPLCおよび分取TLCで精製して、表題化合物(1.3mg、3.5%収率)を得た。MS (ESI) [m/e, (M+H)+] = 667.3. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.74 - 7.70 (m, 12 H), 6.15 - 6.31 (m, 1 H), 3.94- 5.36 (m, 8 H), 2.56 - 3.71 (m, 6 H), 2.09 - 2.35 (m, 3 H), 0.65 - 1.70 (m, 14 H)
適当な出発物質およびHPLC方法を使用して上記実施例の方法を繰り返し、次の表1に示す式(I)の化合物を得る。
Figure 2015503518
Figure 2015503518
Figure 2015503518
Figure 2015503518
Figure 2015503518
BCL−2結合を、種々の知られた方法を使用して決定できる。このようなアッセイの一つは、Wang, J. -L.; Zhang, Z -J.; Choksi, S.; Sjam. S.; Lu, Z.; Croce, C. M.; Alnemri, E. S.; Komgold, R.; Huang, Z. Cell permeable BCL-2 binding peptides: a chemical approach to apoptosis induction in tumor cells. Cancer Res. 2000, 60, 1498-1502により記載された蛍光偏光(FP)を使用する感受性かつ定量的なインビトロ結合アッセイである。
IC 50 を決定する方法
本方法は、BCL−2阻害剤を特徴づけするための表面プラスモン共鳴(SPR)ベースのバイオセンサー(BiacoreTM, GE Healthcare, Uppsala, Sweden)の有用性を含む。
BiacoreTMは、結合相互作用の検出および測定に表面プラスモン共鳴(SPR)の現象を使用する。典型的Biacore実験において、相互作用分子の一方(リガンド)を可動性のデキストランマトリクス上に固定化し、相互作用相手(検体)をその表面上を流す。結合相互作用はセンサー表面の質量増加をもたらし、センサー表面の近位の媒体の屈折率変化に直接対応する。屈折率またはシグナル変化を共鳴単位(R.U.)で記録する。複合体の会合および解離によるシグナル変化を非侵襲的方法で、連続的におよびリアルタイムでモニターし、その結果をセンサーグラムの形で記録する。
SPRアッセイを、溶液のBCL−2結合のペプチド誘導体化センサー表面への結合の阻害について設定し、阻害剤効能の指標としてIC50値を作成した。
溶液阻害アッセイ形式:
BiacoreTM A100(GE Healthcare, Uppsala, Sweden)をここで記載する全実験に使用した。センサー表面調製および全相互作用分析実験を25℃で行った。試薬はGE Healthcareから購入した。10mM Hepes、pH7.4、150mM 塩化ナトリウム、1.25mM ジチオスレイトール、3%ジメチルスルホキシドおよび0.05%ポリソルベート20含有ランニング緩衝液を全分析を通して使用した。
ビオチニル化BAK、BADおよびNOXAペプチドをランニング緩衝液で10nMに希釈し、ストレプトアビジンで予め誘導体化したセンサー表面(センサーチップSA)上にペプチド表面密度50〜100R.U.の範囲まで捕捉した。ペプチド捕捉表面を500μM PEO−ビオチンで遮断した。各フローセルのブランク検出スポットを同様にPEO−ビオチンで遮断し、競合アッセイにおける参照スポットとして使用した。
相互作用分析を、最初に各サンプルを16μM〜0.004nMの範囲の6点3倍化合物希釈シリーズと、56nM BCL−2を1時間、装置始動過程中に平衡化させた。次いでタンパク質化合物混合物を各ペプチド表面に並行して60秒、30μL/分の流速で注入した。56nM BCL−2対照サンプルも調製し、アッセイ中一定間隔で流した。表面再生を各分析サイクルの最後に2回10mMグリシン、pH2.5、1M 塩化ナトリウム、0.05%ポリソルベート20の30秒注入により行った。サンプルおよび対照化合物サンプルを二個実施しており、対照をまたアッセイ中一定間隔で流して、表面およびアッセイ性能をモニターする。
データ分析をBiacoreTM A100評価ソフトウェアv1.1を使用して行い、アッセイ品質を確認する。結合レベル記録点をBCL−2対照サンプルに対して使用し、各化合物タンパク質混合物の阻害%値を計算する。次いでこれらのデータを化合物濃度に対してプロットし、Tibco(登録商標) Spotfire(登録商標) v2.1でロジスティック回帰を介して分析し、各化合物のIC50値を計算する。表1に示すデータ範囲は、複数実験で得た最高および最低IC50値を表す。
カスパーゼ活性化アッセイ方法
生存をBCL2に依存する癌細胞株、例えばCaki−2腎明細胞癌細胞株において、BCL2阻害は、カスパーゼ群の活性化を特徴とするアポトーシスを誘発する。本発明の化合物を、次のとおりCaki−2細胞株におけるカスパーゼ活性化を誘発する能力について試験する。1日目に、2500個のCaki−2細胞を384ウェル組織培養プレートに平板培養する。2日目に、1%ウシ胎児血清含有Opti-MEM培地(Invtrogen)中、細胞を用量範囲の本発明の化合物で4時間処理する。処理後、媒体処理細胞のベースラインレベルに対するカスパーゼ活性化の相対レベルを、PromegaのCaspase-glo試薬を使用して評価する。
細胞増殖アッセイ方法
本発明の化合物を、次のとおり、Caki−2細胞株における細胞増殖および/または生存に対する影響について試験する。1日目に、2500個のCaki−2細胞を384ウェル組織培養プレートに平板培養する。2日目に、1%ウシ胎児血清含有Opti-MEM培地(Invtrogen)中、用量範囲の本発明の化合物で24時間処理する。処理24時間後、媒体処理細胞に対する細胞生存能を、Perkin ElmerのATPLite試薬を使用して評価する。
ここに記載する実施例および態様は単に説明を目的とするものであり、それに照らした種々の修飾および変化が当業者には示唆され、本願の精神および範囲内および添付する特許請求の範囲内に包含されることは理解される。ここで引用する全ての刊行物、特許および特許出願は引用によりその全ての目的で本明細書に包含する。

Claims (9)

  1. 式(I):
    Figure 2015503518
    〔式中、
    は水素およびハロから選択され;
    は水素およびC1−4アルキルから選択され;ここで、ピラゾール環に対してRはメタ位にあり、かつRはパラ位にあるかまたはピラゾール環に対してRはパラ位にあり、かつRはメタ位にあり;
    はヒドロキシおよび−L−Rから選択され;ここで、Lは−OXC(O)−、−OXC(O)O−、−OX−および−OXC(O)NH−から選択され;ここで、Xは結合および分枝鎖または非分枝鎖C1−4アルキレンから選択され;ここで、Xの該アルキレンは非置換であってもカルボキシ−メチル、メトキシ−カルボニル−メチル、メチル−カルボニル−アミノおよびフェニルから選択される基で置換されていてもよく;
    は水素、ヒドロキシ、−XNR、−XC(O)OR、−XOR、−XC(O)NRおよび−XNRC(O)Rから選択され;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択され;およびRおよびRは独立して水素、C1−4アルキルおよびフェニルから選択され;またはRおよびRは、RおよびRが結合している窒素と一体となってC(O)、NR10、OおよびS(O)0−2から独立して選択される1〜3個の基またはヘテロ原子を含む5〜7員飽和環を形成し;ここで、R10は水素およびC1−4アルキルから選択され;
    は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロプロピル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、2−オキソ−4−フェニルピペラジン−1−イル、4−(2−クロロベンジル)−3−オキソピペラジン−1−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾ[d]イソオキサゾリル、ナフト[2,1−d][1,2,3]オキサジアゾール−5−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラニル、2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、クロマン−8−イル、3−オキソ−3H−ピラゾリル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[b]フラニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、2−オキソ−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリニル、4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジニル、4−オキソ−4H−ピラノ[2,3−b]ピリジニル、10,10−ジオキシド−9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−イル、5−オキソピロリジン−3−イル、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンズオキシ、フェニル−スルホニル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピロリル、キノリン−8−イルオキシ、ピリミジニル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリジン−2,4−ジオニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、モルホリノ、オキソモルホリノ、インドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールおよびオキソピペラジニルから選択され;ここで、Rの該C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロプロピル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、ベンゾ[d]イソオキサゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラニル、2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、クロマン−8−イル、3−オキソ−3H−ピラゾリル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、2−オキソ−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリニル、4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジニル、4−オキソ−4H−ピラノ[2,3−b]ピリジニル、10,10−ジオキシド−9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−イル、5−オキソピロリジン−3−イル、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、フェノキシ、ベンズオキシ、フェノキシ−メチル、フェニルチオ、フェニル−スルホニル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、キノリン−8−イルオキシ、ピロリジニル、ピリミジニル、ピロリジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、モルホリノ、オキソモルホリノ、インドリル、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールまたはオキソピペラジニルは非置換でもハロ、シアノ、ニトロ、−NR、C1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ−置換−C1−4アルコキシ、ハロ−置換−C1−4アルキルチオ、−C(O)OR、、−XOR、−C(O)R、−C(O)NR、−NRS(O)、−XNRC(O)R、−S(O)0−2、−S(O)0−2NR、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノ−メチル、1,2,4−オキサジアゾリル、ピラゾリル、フェノキシ、インドリル、(1H−1,2,4−トリアゾリル)メチルおよびベンズオキシから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく;ここで、RおよびRは独立して水素、C1−4アルキル、C3−8シクロアルキル、ピリジニル、フェニル、ベンジルおよびナフチルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジニル、ベンジル、モルホリノ、モルホリノ−メチル、1,3−ジオキソイソインドリニル、1,2,4−オキサジアゾリル、ピラゾリル、インドリルおよびベンズオキシ置換基またはRの該リジニルおよびフェニルは非置換でもハロ、ニトロ、アミノ−スルホニル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシおよびハロ−置換−C1−4アルキルから選択される基でさらに置換されていてもよく;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択される。〕
    の化合物またはその薬学的に許容される塩;ただし、ただし、式(I)の化合物は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−OCHC(O)−フェニルおよび−OCHC(O)OHから選択される基である2個の化合物を含まない。
  2. 式Ia:
    Figure 2015503518
    〔式中、
    Lは−OCHC(O)−、−OCHC(O)O−、−O−および−OCHC(O)NH−から選択され;
    は水素、メチル、エチル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、該フェニルまたはベンジルは非置換でもハロで置換されていてもよい。〕
    である、請求項1に記載の化合物。
  3. 次のものから選択される、請求項2に記載の化合物。
    Figure 2015503518
    Figure 2015503518
    Figure 2015503518
  4. 請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  5. BCL−2活性が介在する疾患または障害の予防的または治療的処置の有効量で処置を必要とするヒトに請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、処置方法。
  6. BCL−2活性が介在する疾患または障害が前立腺、ホルモン耐性前立腺、乳房、非小細胞肺、小細胞肺、結腸直腸、黒色腫、頭、首および膵臓から選択される癌である、請求項5に記載の方法。
  7. BCL−2活性が介在する疾患または障害の処置に使用するための、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  8. 対象におけるBCL−2活性が介在する疾患または障害の処置用医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物またはその塩の使用。
  9. 1種以上の治療的活性剤と組み合わせた、請求項1に記載の化合物またはその塩。
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