JP2015502158A - 新規の弱毒化ポリオウイルス:PV−1Mono−cre−X - Google Patents

新規の弱毒化ポリオウイルス:PV−1Mono−cre−X Download PDF

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Abstract

固有の複製要素(cre)を5’末端ゲノムの非翻訳領域中に遺伝子操作し(2Cのコード領域に位置する天然のcre要素は不活性化)(mono−crePV)、カプシドコード領域(P1)の全てまたは一部の核酸配列を、低減したコドン対バイアスを有する代替のP1コード領域に置換することにより、新規かつ安定的な弱毒化ポリオウイルスを生成する。安定的に弱毒化されたポリオウイルスは、ワクチンおよび免疫化に有効である。

Description

本発明は、新規の弱毒化ポリオウイルスに関する。弱毒化ポリオウイルスは、極めて低い神経毒力を安定的に維持しながら、組織培地で優れた増殖表現型を示す。したがって、弱毒化ウイルスは、ワクチンの使用に好適である。
関連出願の相互参照
本出願は、2011年12月16日に出願された米国特許出願第61/576,706号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ポリオウイルス(「PV」)ゲノムは、シス作動性複製要素(cre)とよばれるヘアピン構造を含み、これはゲノム複製に必須なものである。cre要素は、2C ATPaseタンパク質(P2ドメイン内)のコード配列に位置する。このループでの特定の変異が、非複製の表現型を導く。P2で不活性化されたcreを有するPVゲノムは、5’非翻訳領域(5’NTR)などのPVゲノムのいずれの部分に合成creを挿入することにより復活し得る。合成creを5’NTRのクローバーリーフとIRESとの間に挿入し、PV−1(mono−cre)と称する変異株(野生型動態を有するHeLa細胞により複製)を得る。CD155、すなわちポリオウイルス受容体を発現するトランスジェニックマウスでは、PV−1(mono−cre)は弱毒化され、10を超える粒子のLD50を有する。それにもかかわらず、PV−1(mono−cre)は、Vero細胞およびMRC5細胞では33℃および37℃で良好に増殖する。ウイルス複製のためにcre要素が維持されなければならないので、ウイルスは弱毒化の減少に耐性をもつ。
ヒトmRNAのオープンリーディングフレームでコドンが別のコドンに隣接して生じる頻度は、各コドンを単独で使用する頻度から統計学的に予測されるのではない。ヒトゲノムの各遺伝子には、過剰提示された(overrepresented)コドン対と過少提示された(underrepresented)コドン対が存在する。全ゲノム化学合成を利用して、我々は、過剰量の過少提示されたコドン対が、ウイルス遺伝子の発現を減衰させる(attenuate)ことを示してきた。さらに、ウイルスの1またはいくつかのORFでのコドン対の脱最適化(過剰提示されたコドン対に対して、過少提示されたコドン対を増加させること)は、強い弱毒化を導き得る。
発明者らは、以前に、コドン対を脱最適化したポリオウイルスゲノム、PV−Xを構築した。本PVゲノムでは、759nt「X」セグメント(カプシドドメインの最初の3分の1)は、wtPVゲノムと比較して181ヌクレオチドの変更を含む。PVゲノムのこの設計は、弱毒化されているだけでなく、Xでの変異が多数であることから、弱毒化した表現型が完全な毒性に復帰することがないという利点を有していた。セグメント全体に関しては、単独のヌクレオチド復帰は、表現型に微小な差異を(あるとすれば)与えるのみである。
US2009/0246216 A1
本発明は、極めて低い神経毒力を安定的に維持しながら、組織培地で優れた増殖表現型を示す弱毒化ポリオウイルスを提供する。本発明は、5’−NTRのクローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)との間のスペーサ領域に位置する単一活性のシス作動性複製要素(cre)、および由来する親ポリオウイルスタンパク質コード配列のコドン対バイアスより低いコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コード配列を含む弱毒化ポリオウイルスゲノムを提供する。本発明の1つの実施形態では、活性なcre要素が、ヌクレオチド102/103に挿入される。本発明の1つの実施形態では、cre要素は、配列番号1に配置される。
本発明の1つの実施形態では、タンパク質コード配列が、親タンパク質コード配列のコドン対バイアスより少なくとも約0.05低い、または少なくとも約0.1低い、少なくとも約0.2低いコドン対バイアスを有する。本発明の1つの実施形態では、タンパク質コード配列が約−0.05以下、または約−0.1以下、または約−0.3以下、または約−0.4以下のコドン対バイアスを有する。本発明の1つの実施形態では、タンパク質コード配列が、親ウイルスのタンパク質コード配列と90%未満の同一性、または80%未満の同一性をもつ。
本発明の1つの実施形態では、コドンは配列内で交換されるが、得られるタンパク質コード配列および親タンパク質コード配列は同一のタンパク質をコードする。本発明の1つの実施形態では、タンパク質配列は、該タンパク質の自然分離株の配列である。本発明の1つの実施形態では、コードされたタンパク質は、Mahoney株のタンパク質である。
ある特定の実施形態では、弱毒化ポリオウイルスゲノムは、自然分離株と約10アミノ酸以下または約20アミノ酸以下相違するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、弱毒化ポリオウイルスゲノムは、由来する親タンパク質と約10アミノ酸以下または約20アミノ酸以下相違するタンパク質をコードする。本発明の1つの実施形態では、弱毒化ポリオウイルスゲノムが、ヌクレオチド755〜ヌクレオチド1514のPV−Minのヌクレオチド配列(配列番号2)を含む。別の実施形態では、弱毒化ポリオウイルスゲノムは配列番号3を含む。
本発明は、上述のポリオウイルスゲノムのうちいずれかを含む弱毒化ポリオウイルスを提供する。本発明はさらに、そのような弱毒化ポリオウイルスを含むワクチン組成物、ならびに、対象にワクチン組成物の有効量を投与することにより対象の免疫応答を惹起する方法を提供する。
本発明は、5’−NTRのクローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)の間のスペーサ領域に位置するシス作動性複製要素(cre)、および由来する親ポリオウイルスタンパク質コード配列のコドン対バイアスより低いコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コードヌクレオチド配列を含む核酸配列を調製することを含む、弱毒化ポリオウイルスゲノムを作製する方法を提供する。本発明によれば、低減したコドン対バイアスのタンパク質コード配列は、親ポリオウイルスのヌクレオチド配列のコドンを再配置する(rearrange)ことによりなされる。本発明の1つの実施形態では、再配置された配列は、親ポリオウイルスヌクレオチド配列と同一のタンパク質をコードする。本発明はさらに、ポリオウイルスを適切な宿主細胞に導入し、宿主細胞を培養してポリオウイルスを作製することを提供する。本発明はまた、そのような組み換えポリオウイルスおよびその使用に関する指示書を含むキットを提供する。
野生型PV、および親弱毒化PV株のゲノム構造を示す。使用したポリオウイルスI型Mahoney(「PV(M)」)およびキメラウイルスのゲノム構造を説明している。PVMのIRES配列を黒色で表す。2Cコード領域のcre要素を、ステムループで示す。mono−cre株では、天然cre(2C)を、「X」で示すように、その保存配列中での変異により不活性化した(Toyoda, H., et.al., Cancer Res March 15, 2007, 67; 2857)。野生型creの第2のコピーを、クローバーリーフとIRESの間に挿入した。PV−Xと表記された株では、P1コード領域(灰色で示されるnt755〜nt1513)の一部は、過剰提示されたコドン対を含む(Coleman, J.R., et al., Science, Jun. 27, 2008, 320(5884):1784-7)。 PVMおよびPV−1(mono cre−X)の増殖表現型である。PVMおよびPV−1(mono cre−X)のゲノム構造を左に説明している。RNA転写物をHeLa(R19)細胞にトランスフェクトし、CPE状態が得られたウイルス(存在する場合には)を、プラーク法により力価測定した。 HeLa(R19)、MRC5および293T細胞でのMono−cre−Xウイルスの一段増殖曲線である。細胞を0.5のMOIでトランスフェクトし、33℃、37℃および39.5℃で培養した。ウイルス力価を、HeLa(R19)細胞の単層上でプラーク法により測定した。 PV(M)ポリオウイルス、mono−crePVおよびdual−crePVのゲノム機構である。一本鎖RNAは、非翻訳領域の5’末端(5’−NTR)にあるウイルスがコードするタンパク質VPgと共有結合している。5’−NTRは、2つのシス作動性ドメイン、クローバーリーフおよび配列内リボソーム進入部位(internal ribosomal entry site)(IRES)からなり、これらはスペーサ領域により分離されている。IRESは、構造領域(P1)および非構造領域(P2およびP3)からなるポリタンパク質(オープンボックス)の翻訳を制御し、複製タンパク質を特定する。2CATPaseコード領域内に、cis複製要素(cre)を示す。3’−NTRには、ヘテロ重合領域(heteropolymeric region)が含まれ、ポリアデニル化されている。RNA複製には、3つ全ての構造的要素、クローバーリーフ、creおよび3’−NTRを必要とする。重複したcreを、クローバーリーフとIRESとの間のスペーサに挿入した(dual−crePV)。2CATPaseの天然creを、ステムループのXで示す変異により不活性化した(mono−crePV)。 (A)ヒトおよびウイルスORFのコドン対バイアスの測定を示す。各点は、その長さに対してプロットした、あるORFについてのコドン対あたりの平均コドン対スコアを表す。コドン対バイアス(CPB)は、注釈付き14,795ヒト遺伝子について計算された。過少提示されたコドン対は、負のスコアをもたらす。CPBを、様々なポリオウイルスP1構築物についてプロットし、矢印の記号で表す。本図は、ヒト遺伝子の大部分が0.1前後でクラスターを形成していることを説明している。PV(M)−wt(「WT」と標識)(−0.02)、カスタマイズ合成ポリオウイルスカプシドPV−Max(+0.25)、PV−Min(−0.48)、およびPV(M)−wt:PV−MinキメラカプシドPV−Min755−2470(=「PV−MinXY」)(−0.31)およびPV−Min2470−3386(=「PV−MinZ」)(−0.20)についてのCPBを示す。(B)様々なキメラの部分合成ポリオウイルス構築物の構造を記載する。PV−MinXもまた、本明細書にPV−Xとして記載する。
本発明は、ヒト固形腫瘍(子供の神経芽細胞腫等)のワクチンおよび治療または改善に好適な高度に弱毒化されたポリオウイルスを提供する。本発明の弱毒化ポリオウイルスは、弱毒化を調節する2つの特徴を含む。1つの特徴は、シス作動性複製要素(cre)として知られるヘアピン構造をポリオウイルスゲノムの5’非翻訳領域(5’NTR)に挿入することである。第2の特徴は、ポリオウイルスゲノムのタンパク質コード部分でのコドン対バイアスを低減させることである。
本発明によれば、ポリオウイルス分離株は、安定的に弱毒化されたものであり、かつ、増強した複製特性を有し得る。そのようなポリオウイルスは、天然の分離株、またはその派生物であり得る。ポリオウイルス1型(Mahoney)(PV1(M))を、本明細書に例証する。神経毒性ポリオウイルスの他の非限定例としては、P3/Leon/37(これにより弱毒化したSabinワクチンが得られる)およびそのP3/Leon/37およびMahoneyの神経毒性派生物が挙げられる。例えば、弱毒化ポリオウイルス(Sabin等)に存在する弱毒化しない変異体は、当技術分野において、弱毒化を引き起こすものと区別されている。さらなる例として、ワクチン起源のポリオウイルスを慢性的に分泌する個体からのポリオウイルス分離株が挙げられる。
5’NTRへのCreの挿入
ポリオウイルスゲノムのクローバーリーフとIRESとの間のスペーサ領域が、ウイルスが除去し得ない必須のRNA複製要素により中断されると、安定的な弱毒化した表現型が作製される。そのような要素は、cre、すなわち天然ポリオウイルスのウイルスタンパク質2CATPaseのコード領域をマッピングするステムループ構造である(図1、上)。本発明によれば、単一活性のcre要素が、ポリオウイルスゲノムの5’−NTRの、結果としてウイルス弱毒化が生じる部位に提供され、またその際、弱毒化を復帰させる要素のいずれの変異も、cre要素の不活性化を生じさせ、ポリオウイルスは増殖できなくなる。本発明によれば、活性なcre要素は、5’−NTRのスペーサ領域、クローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)との間に挿入される。特定の実施形態では、cre要素は、スペーサ領域のヌクレオチド102/103に挿入される。cre要素のそのような再構築(reengineering)は、米国特許第8,066,983号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
弱毒化の安定性は、5’−NTRに位置するcre要素が唯一の活性なcre要素であることに依ることが理解されよう。したがって、天然cre要素(ポリオウイルスゲノムの2Cコード領域に位置する)は、不活性化されている。一般に、天然cre要素の配列(コード領域にある)は、cre要素を不活性化するために変異されたものであるが、cre要素のヌクレオチドによりコードされたアミノ酸を変更しない。しかし、保存的アミノ酸置換を結果として生じる変異は、許容される。保存的アミノ酸置換は、概して同様な特性(例えば、酸性、塩基性、芳香族、大きさ、正電荷または負電荷、極性、非極性)をもつアミノ酸による置換であり、したがってその置換は実質的に、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の特徴(例えば、荷電、等電点、親和性(affinity)、親和性(avidity)、立体構造、および溶解性)または活性を変更しない。そのような保存的アミノ酸置換に行われ得る一般的な置換は、以下のようにアミノ酸群の間で行われ得る:
グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびイソロイシン(I);
アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E);
アラニン(A)、セリン(S)およびトレオニン(T);
ヒスチジン(H)、リジン(K)およびアルギニン(R):
アスパラギン(N)およびグルタミン(Q);
フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびトリプトファン(W)。
本発明によれば、cre要素は、5’−NTRの、クローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)との間に挿入され、その結果、弱毒化ウイルスが得られる。本明細書で例証するように、cre要素は、PV1(M)の5’−NTRでのヌクレオチド102/103に形成されるNheI部位に挿入されるが(配列番号1参照のこと)、それほど厳密に配置する必要はない。弱毒化は、例えば、プラーク法またはウイルス複製を測定する当技術分野で公知の他の手法により、判定されてもよい。cre要素は、いくつかのピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス1型および3型、ヒトライノウイルス(例えば、HRV2およびHRV14)、カルジオウイルス等)のゲノム中で同定されてきた。cre要素は、ヘアピンのループ部分に約14ヌクレオチドの保存配列を有するヘアピン構造を形成していると予測される。本発明の1つの実施形態では、cre要素は、PV1(M)と示されるポリオウイルス1型に由来する。
本明細書で例証するように、弱毒化ポリオウイルスの複製特性は、in vitro、およびin vivoの継代により増強され得る。本明細書に実証されるように、変異は、継代中に本発明の弱毒化ウイルスで生じるが、5’−NTR中に遺伝子操作されたcre要素での発生は見られない。したがって、ウイルス弱毒化は、克服されない。むしろ、変異は、腫瘍の腫瘍溶解性(oncolytic)治療に有益である複製特性を増強させる。さらに、そのような変異は、取得しやすい。したがって、本発明は、単一活性のcre調節要素を5’−NTRに含有する安定的な弱毒化ポリオウイルスを提供する。
コドン対バイアス
大部分のアミノ酸は、1以上のコドンによりコードされる。例えば、アラニンは、GCU、GCC、GCA、およびGCGによりコードされる。3アミノ酸(Leu、Ser、およびArg)は、6種類の異なるコドンによりコードされるが、TrpおよびMetのみ単一のコドンを有する。「同義(synonymous)」コドンは、同一のアミノ酸をコードするコドンである。したがって、例えば、CUU、CUC、CUA、CUG、UUA、およびUUGは、Leuをコードする同義コドンである。同義コドンは、同頻度で使用されない。一般に、特定の生物で最も頻繁に使用されるコドンは、同種のtRNAが十分に存在するコドンであり、これらのコドンの使用により、タンパク質翻訳の速度および/または精度が増大する。これに対して、稀にしか使用されないコドンのtRNAは、比較的低レベルで認められ、稀なコドンの使用により、翻訳速度および/または精度が減少すると考えられる。したがって、核酸の所与のコドンを、同義であるが使用頻度が低いコドンにより置き換えることは、「脱最適化された(deoptimized)」コドンを核酸中に置換することである。
さらに、所与の生物は、コドン対使用のバイアスと称される、所与のコドンの最隣接コドンに関する優先度を有する。コドン対バイアスの変化は、タンパク質合成速度およびタンパク質生成に影響を与え得る。重大なことに、遺伝子は、異なるコドン(コドンバイアスは変化しない)を使用しないおよび/またはコードされたタンパク質のアミノ酸配列を変更しない過少提示されたコドン対により設計され得る。したがって、所与のコドン対の、同一のアミノ酸をコードする使用頻度が低いコドン対による置き換え(replacement)は、コドン対使用を脱最適化することである。
コドン対バイアスは、アミノ酸対Ala−Glu(異なる8コドン対によりコードされ得る)を考慮して説明してもよい。個々のコドンの頻度以外にコドン対頻度に関与する因子がない場合に、8つのコードの各予測頻度は、2つの関連するコドンの頻度を乗算することにより計算され得る。例えば、この計算により、コドン対GCA−GAAは、全てのAla−Gluコード対から0.097の頻度で生じると予測されるであろう(0.23×0.42;表1の頻度に基づく)。各コドン対の予測(仮想)頻度をヒトゲノムでの実測頻度と関連づけるために、一貫した注釈付のヒトコード領域のコンセンサス(Consensus)CDS(CCDS)データベース(全体で14,795ヒト遺伝子を含む)が使用された。この遺伝子セットは、ヒトコード配列が最も包括的に説明されているものである。この遺伝子セットを使用して、コドン使用頻度が、コドンの発生数を同じアミノ酸をコードする全同義コドン数で除算することにより再計算された。予想通り、頻度は、以前公開されたもの(例えば表1に記載のもの等)と密接に関連していた。かずさDNA研究所(http://www.kazusa.or.jp/codon/codon.html)にあるコドン使用データベース(84949ヒトコード配列が計算に含まれた(ヒト遺伝子の実際の数より遥かに多い))により提供されるデータでオーバーサンプリング(oversampling)効果があることから、極めて低頻度の変異の可能性がある。したがって、このようにして計算されたコドン頻度を次に使用して、予測コドン対頻度を、2つの関連するコドンの頻度を互いにまず乗算することにより計算し(表2の予測頻度を参照のこと)、次いで、この結果を、対象となるコドン対によりコードされたアミノ酸対が生じる実測頻度(全CCDSデータセット中で)により乗算した。コドン対GCA−GAAの例では、この第2の計算で、0.098の予測頻度が得られる(Kazusaデータセットを使用した第1の計算による0.97と比較のこと)。最後に、14,795ヒト遺伝子セットに見られる実際のコドン対頻度は、セットの各コドン対の発生総数を数えて、その数を同じアミノ酸対をコードするセットの全同義コドン対の数で除算することにより決定した(表3;実測頻度)。14,795ヒト遺伝子セットに基づく3721(61)コドン対一式の頻度および実測値/予測値を、本明細書と共に補足表1に提供する。
コドン対の実測頻度/予測頻度比が1より大きい場合、そのコドン対は過剰提示されているという。その比率が1より小さい場合、過少提示されているという。その例として、コドン対GCA−GAAは、1.65倍過剰提示されているが、コード対GCC−GAAは、5倍を超えて過少提示されている。
多くの他のコドン対が、非常に強いバイアスを示し;いくつかの対が過少提示されているが、他の対は過剰提示されている。例えば、コドン対GCCGAA(AlaGlu)およびGATCTG(AspLeu)は、3〜6倍過少提示されている(好ましい対はそれぞれGCAGAGおよびGACCTG)が、コドン対GCCAAG(AlaLys)およびAATGAA(AsnGlu)は、約2倍過剰提示されている。コドン対バイアスは、アミノ酸対の頻度とは無関係であり、個々のコドンの頻度に関係することに注目すべきである。例えば、過少提示された対GATCTG(AspLeu)は偶然最も高頻度のLeuコドン、(CTG)を使用する。
以下に詳述するように、コドン対バイアスは、コード配列の全長にわたり平均したコード配列の各コドン対のスコアを考慮に入れる。本発明によれば、コドン対バイアスは、次の式により決定される。
したがって、コード配列の同様のコドン対バイアスは、例えば部分列(subsequence)にわたり最小化されたコドン対スコア、またはコード配列全長にわたり中程度に減少したコドン対スコアにより得られ得る。例えば、図4Aは、PV−Minの「XY」または「Z」フラグメントを含むP1配列の、中程度のコドン対低減を表す。PV−MinZにより得られた同じコドン対バイアスの低減は、全P1配列中のコドンを取り替えるがコドン対あたりごくわずかな減少によりなされ得る。コドン対バイアスの減少によるポリオウイルスの弱毒化は、国際出願PCT/US/2008/058952号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示される。
コドン対バイアスの計算
「STOP」コドンを含まない、可能性のあるコドン対(例えばGTT−GCT)の個々のコドン対の全てが、遺伝子の所与の「訓練セット(training set)」に特異的な割り当てられた「コドン対スコア」または「CPS」を有している。所与のコドン対のCPSは、この遺伝子セット(この例ではヒトゲノム)で予測されたであろう回数にわたる、実測出現回数の対数比と定義される。特定のコドン対の実際の出現回数(または換言すると、特定のコドン対により特定のアミノ酸対がコードされる可能性)の測定は、コード配列の特定のセットでのコドン対の実際の出現回数を単に計数するだけである。しかしながら、予測回数の測定は、さらなる計算を必要とする。予測回数は、GutmanおよびHatfieldと同様に、アミノ酸頻度およびコドンバイアスの両方と無関係になるように計算される。すなわち、予測頻度は、アミノ酸が特定のコドンでコードされる回数の相対的比率に基づき計算される。ゲノムでは、正のCPS値は所与のコドン対が統計学的に過剰提示されていることを意味し、負のCPS値はその対が統計学的に過少提示されていることを示す。
これらの計算をヒトコンテクスト内で実施するため、注釈つきのヒトコード領域コンセンサスCDS(CCDS)データベース(合計14,795遺伝子を含む)を使用した。このデータセットにより、ゲノム規模のコドンおよびコドン対、したがってアミノ酸およびアミノ酸対頻度が得られた。
GutmanおよびHatfield(1989)の手法をさらに強化させたFederovら(2002)のパラダイムを使用した。このパラダイムにより、特定のアミノ酸対をコードする隣接コドンとは無関係でかつ無作為でない関係(non-random association)の所与のコドン対の予測頻度を計算することが可能となった。
本計算では、Pijは、その同義群で、頻度N(Pij)で出現するコドン対である。CおよびCは、それぞれ、それらの同義群で頻度F(C)およびF(C)で出現する、Pijを含む2つのコドンである。より明確には、F(C)は、対応するアミノ酸XがコドンCによりコード領域全体にわたりコードされる頻度であり、すなわちF(C)=N(C)/N(X)(ここにおいて、N(C)およびN(X)は、それぞれ実測されたコドンCおよびアミノ酸Xの出現回数である)である。F(C)は、それに応じて計算される。さらに、N(Xij)は、コード領域全体にわたるアミノ酸対の出現回数Xijである。Pijのコドン対バイアススコアS(Pij)は、予測出現回数N(Pij)にわたる実測頻度N(Pij)の対数オッズ比として計算された。
次いで、上述の式を使用して、全ヒトCCDSデータセットの使用により計算された、対応するゲノムN(Pij)値と比較した場合に、個々のコード配列での個々のコドン対が過剰提示されているかまたは過少提示されているかを決定した。この計算により、ヒトコード領域では、過剰提示されたコドン対にはS(Pij)の正のスコア値が、過少提示されたコドン対には負の値が得られた(図4)。
個々のコード配列の「組み合わせた」コドン対バイアスを、次の式に従い、全コドン対スコアの平均を求めて計算した:
したがって、全コード領域のコドン対バイアスは、その領域を含む個々のコドン対スコアの全てを合計して、この合計をコード配列長で除算することにより、計算される。
弱毒化したPVは、ポリオウイルス1型(Mahoney;「PV(M)」)、ポリオウイルス2型(Lansing)、ポリオウイルス3型(Leon)、1価の経口ポリオウイルスワクチン(OPV)ウイルス、または3価のOPVウイルスに由来してもよい。ある特定の実施形態では、弱毒化ポリオウイルスは、PV−Min(配列番号1)のカプシドコード領域(ヌクレオチド755〜ヌクレオチド3385のP1領域)(できる限り多数の低使用頻度のコドン対を導入するためにPV(M)から再設計された)の全体または一部を含む。ある特定の実施形態では、弱毒化ポリオウイルスは、ヌクレオチド755〜1513(例えば、PV−MinX)、ヌクレオチド755〜2470(例えば、PV−MinXY)、ヌクレオチド1513〜3385(例えば、PV−MinYZ)、ヌクレオチド2470〜3385(例えば、PV−MinZ)、またはヌクレオチド1513〜2470(例えば、PV−MinY)のPV−Minのヌクレオチドを含む。本名称(nomenclature)は、PVコード領域の一部がPV−Minのヌクレオチドで置換されているポリオウイルスゲノムを反映(reflect)している。本発明は、上述の部分に限定されない。
多数のヌクレオチド配列が、コード配列内で同義コドンをシャフリングすることにより作製されることを理解すべきである。例えば、特定のタンパク質コードヌクレオチド配列のいずれから開始しても、同一のタンパク質配列をコードし、その配列に存在する同義コドンをシャフリングすることによりコドン対バイアスを低減させた多数のヌクレオチド配列が生成され得る。したがって、本発明の弱毒化ウイルスには、本明細書に詳細に例証されたヌクレオチド配列、ならびに同一のPVタンパク質をコードする、低いコード対バイアスを有する他のヌクレオチド配列も含まれる。
本発明はまた、ワクチン開発において、ポリオウイルスタンパク質配列の変異(ポリオウイルス分離株間でのアミノ酸配列変異ならびに導入され得るアミノ酸の変更など)を包含する。そのような変更は、ウイルスの弱毒化または複製適合性(replicative fitness)に関連する可能性があるまたは関連する可能性がない。そのようなコドン置換がコドン対スコアを上昇または低減させ得るが、その効果が置換したコドンの頻度よりむしろ、その配列内で生成され、かつ、そこから離れるコドン対に関連していることが理解されよう。したがって、同義コドンが入れ替わる(shuffled)ヌクレオチド配列では、コドン置換もまた存在してよい。そうであっても、コドン対バイアスがその配列のために計算され得、および低減したコドン対バイアスは、ウイルスの弱毒化を反映している。本発明の1つの実施形態では、低減したコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コード配列は、自然分離株と10アミノ酸以下異なるタンパク質をコードする。本発明の別の実施形態では、低減したコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コード配列は、自然分離株と20アミノ酸アミノ酸以下異なるタンパク質をコードする。本発明の別の実施形態では、低減したコドン対バイアスを有しかつ最初のタンパク質配列と10アミノ酸以下異なる設計されたタンパク質をコードしているポリオウイルスタンパク質コード配列を設計する。本発明の別の実施形態では、低減したコドン対バイアスを有しかつ最初のタンパク質配列と20アミノ酸以下異なる設計されたタンパク質をコードしているポリオウイルスタンパク質コード配列を設計する。ある特定の実施形態では、置換は上述のとおり保存的置換である。
ワクチン組成物
本発明は、本明細書に記載のいずれの弱毒化ウイルスおよび薬学的に許容可能な担体を含む、対象での防御免疫応答を誘導するワクチン組成物を提供する。
本発明の弱毒化ウイルスは、対象での防御的免疫応答を惹起する、または対象のウイルス関連疾患への罹患を予防するために使用する場合、対象に、薬学的に許容可能な担体を追加的に含む組成物の形態で投与されることが理解されるべきである。薬学的に許容可能な担体は、当業者に公知であり、これに限定されないが、0.01〜0.1Mおよび好ましくは0.05Mリン酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)、または0.9%生理食塩水の1以上が挙げられる。そのような担体にはまた、水溶液または非水溶液、懸濁液、および乳液が挙げられる。水性担体としては、水、アルコール/水溶液、乳液または懸濁液、生理食塩水および緩衝培地が挙げられる。非水溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(オリーブ油等)、および注入可能な有機エステル(オレイン酸エチル等)である。非経口の賦形剤としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲルおよび固定油が挙げられる。静脈内賦形剤には、液体および栄養補充剤(nutrient replenisher)、電解質補給液(electrolyte replenisher)(リンゲルデキストロースに基づくもの等)等が挙げられる。固形組成物は、非毒性固形担体、例えば、グルコース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、セルロースまたはセルロース誘導体、炭酸ナトリウムおよび炭酸マグネシウム等を含んでいてもよい。エアゾルでの投与(肺送達および/または鼻腔内送達等)では、薬剤または組成物は、好ましくは、非毒性の界面活性剤、例えば、C6〜C22脂肪酸のエステルもしくは部分エステルまたは天然のグリセリド(natural glyceride)、および推進剤により処方される。レシチン等の追加的な担体を、鼻腔内送達を容易にするために含んでいてもよい。薬学的に許容可能な担体はさらに、少量の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、防腐剤および他の添加物、例えば抗菌剤、抗酸化剤およびキレート剤等を含み得、これらは保存可能期間および/または活性成分の有効性を延長させる。即時的な(instant)組成物は、当技術分野で周知の通り、対象に投与後、活性成分を迅速に、持続放出または遅延放出するように処方され得る。
即時的なワクチン組成物の様々な実施形態では、弱毒化ウイルスは、(i)実質的に、感染した細胞でのウイルスタンパク質の合成とその処理を変更しないおよび;(ii)感染した細胞あたり、重量(wt)ウイルスと同量のビリオンを生成する;および/または(iii)実質的に、wtウイルスよりビリオン特異的感染が低く示される。さらなる実施形態では、弱毒化ウイルスは、実質的に、対応するwtウイルスと同様の免疫応答を宿主動物で誘導する。
本発明はまた、野生型の宿主細胞で生存できない弱毒化ウイルスを許容するように、特別に分離または遺伝子操作された改変宿主細胞株を提供する。弱毒化ウイルスは、正常(野生型)宿主細胞では増殖できないので、増殖には特定のヘルパー細胞株に完全に依存している。この細胞株により、ワクチン作製のためのウイルス生成の安全性は極めて高いレベルとなる。即時的な改変細胞株の様々な実施形態により、弱毒化ウイルスの増殖が許容され、その場合、前述の細胞株のゲノムは、稀なtRNAをコードする遺伝子数を増やすために変更されている。
さらに、本発明は、対象に、本明細書に記載のワクチン組成物のいずれの予防有効量または治療有効量を投与することを含む、対象の防御的免疫応答を惹起する方法を提供する。本発明はまた、対象に、即時的なワクチン組成物のいずれの予防有効量を投与することを含む、対象がウイルス関連疾患に罹患することを予防する方法を提供する。上記方法の実施形態では、対象は、病原性ウイルスに曝露されている。病原性ウイルスに「曝露された」とは、感染をもたらすようにウイルスに接触することを意味する。
本発明はさらに、対象に即時的なワクチン組成物の治療有効量を投与することを含む、ウイルス感染した対象での、ウイルス関連疾患の発症を延長する、または進行速度を遅延させる方法を提供する。
本明細書で用いられる場合、「投与すること」は、当業者に公知の様々な方法および送達系のいずれかを使用して送達することを意味する。投与は、例えば、腹腔内で、大脳内で、静脈内で、経口で、経粘膜的に、皮下に、経皮的に、皮内に、筋肉内に、局所的に、非経口で、移植物を介して、髄腔内に、リンパ内に、病巣内に、心膜に、または硬膜外で行われ得る。薬剤または組成物はまた、エアロゾルで、肺送達および/または鼻腔内送達用などに投与されてもよい。投与は、例えば、1回、複数回、および/または1回以上の長期間にわたり投与されてもよい。
対象での防御的免疫応答の惹起は、例えば、対象にワクチンの初期用量(primary dose)を投与し、その後、好適な期間後、続く1回以上のワクチンの投与を行うことにより、達成され得る。ワクチン投与の間隔の好適な期間は、当業者により容易に決定してもよく、また、通常およそ数週間から数ヶ月間である。しかし、本発明は、投与のいずれの方法、経路、または頻度も限定しない。
「対象」は、いずれの動物または人工的に改変された動物を意味する。動物としては、これに限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、フェレット、齧歯類(マウス、ラットおよびテンジクネズミ等)、および鳥類が挙げられる。人工的に改変された動物は、これに限定されないが、ヒト免疫系をもつSCIDマウス、およびヒトポリオウイルス受容体CD155を発現するCD155tgトランスジェニックマウスが挙げられる。好ましい実施形態では、対象はヒトである。鳥類の好ましい実施形態は、家禽種、すなわち、これらに限定されるものではないが、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウである。
「予防有効量」は、ウイルス感染しやすい、またはウイルス関連疾患に罹患しやすい対象に投与すると,対象をウイルス感染またはその疾患の罹患から防御する免疫応答を、対象内で誘導する、ワクチンのいずれの量も指す。対象を「防御すること」は、対象がウイルスに感染する可能性を低減させるか、または対象で障害を発症する可能性を少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍軽減させることを意味する。例えば、対象が、ウイルスに感染する確率を1%有する場合、対象がウイルスに感染する可能性の2倍の低減により、対象がウイルスに感染する確率を0.5%にするであろう。最も好ましくは、「予防有効量」は対象のウイルスの感染を完全に予防する、または対象での障害の発症を全面的に予防する免疫応答を、対象において誘導する。
本明細書で用いられる場合、「治療有効量」は、ワクチンが有効である障害に罹患した対象に投与されると、対象の障害および/またはその症状を低減、寛解、または退行させる免疫応答を対象において誘導するワクチンのいずれの量である。好ましい実施形態では、障害および/またはその症状の再発を予防する。他の好ましい実施形態では、対象は、障害および/またはその症状が治癒する。
即時的な免疫化および治療法のいずれかのある特定の実施形態はさらに、対象に少なくとも1種類の補助剤を投与することを含む。「補助剤」は、抗原の免疫原性を増大し、対象での免疫応答を促進する(boosting)のに好適ないずれかの薬剤を意味するものとする。多数の補助剤(例えば微粒子補助剤等)がタンパク質および核酸ベースの両ワクチンとの使用に好適であり、補助剤を抗原と組み合わせる方法が当業者に周知である。核酸ベースのワクチンに好適な補助剤は、これに限定されないが、精製タンパク質または核酸形態で送達されるQuil A、イミキモド(imiquimod)、レシキモド(resiquimod)、およびインターロイキン−12が挙げられる。タンパク質免疫化との使用に好適な補助剤として、これに限定されないが、ミョウバン、不完全フロイントアジュバント(FIA)、サポニン、Quil A、およびQS−21が挙げられる。
本発明はまた、本発明の弱毒化ウイルスにより対象を免疫化するキットを提供する。キットは、弱毒化ウイルス、薬学的に許容可能な担体、塗布器(applicator)、およびその使用のための指示書を含む。さらなる実施形態では、弱毒化ウイルスは、1以上のポリオウイルス、1以上のライノウイルス、1以上のインフルエンザウイルス等であってよい。特定のウイルスの複数の異なる分離株に対して免疫化することが望まれる場合、1種類以上のウイルスが、好ましい。本発明は、当業者に公知のキットの他の実施形態を含む。指示書は、弱毒化ウイルスの投与を指示するために有用ないずれの情報も提供し得る。
本出願の全体を通して、様々な刊行物、参照テキスト、教本、技術説明、特許、および特許出願を記載してきた。これらの刊行物、特許、特許出願、および他の文書の教示および開示は、本発明に関連する当技術分野の状態をより詳細に説明するために本出願で参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。しかし、本明細書での参照文献の引用は、当該参照文献が本発明より以前になされたものである知見として解釈されるべきではない。
本明細書に開示の本発明の原理の変形が、当業者によりなされ得ることが理解および期待されるべきであり、かつ、そのような変更が、本発明の特許請求の範囲に含まれることを意図する。以下の実施例は、さらに本発明を例証するものであるが、決して本発明の特許請求の範囲を限定するために解釈されるべきではない。組み換えプラスミドの構築、ウイルス構築物による宿主細胞のトランスフェクション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、および免疫学的手法に使用されるような従来方法の詳細な説明は、例えばSambrookら(1989)およびColiganら(1994)等の多数の刊行物により取得することができる。本明細書に記載される全ての参照文献は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
実施例1
ポリオウイルスおよび組み換えワクチン候補の特異的感染性および弱毒化。
特異的感染性および弱毒化を、組み換えポリオウイルスワクチン候補とPVM野生型ポリオウイルスとで比較した。ウイルスをHeLa細胞で増殖させた。ウイルス粒子濃度を、光学密度(1OD260=9.4×1012粒子/ml)により測定した。プラーク形成単位/mlを、HeLa(R19)プラーク法により測定し、ウイルス粒子とPFUの比率を計算した。野生型の値に対して、粒子/PFUを正常化することにより、相対的な特異的感染性を決定した。ウイルスを、CD155トランスジェニックマウス(PV受容体を発現する)に大脳内注射により投与し、マウスの50%で麻痺状態を引き起こす用量(PLD50)を測定した。
表3は、wtPVのゲノムでのcre要素を遺伝子操作することにより、ウイルスの神経毒力および相対的特異的感染性が著しく減少することを示す。意外にも、PV1−Xの特性化により、PVゲノムの初めの3分の1の脱最適化は、神経弱毒化した(neuroattenuated)表現型を付与しないが、脱最適化ウイルスの相対的な特異的感染性を減少させることが示される。
表3は、PV1−Mono−cre−Xが、いずれの弱毒化した親ウイルスより、プラーク形成単位あたり約3倍以上のウイルス粒子を生成したことを示す。さらに、相対的な特異的感染性は、弱毒化した親ウイルスと比較して、有意に低減していた。この結果により、cre要素と脱最適化P1との間に、高度に神経弱毒化されたPV1−Mono−cre−Xウイルスの相対的な特異的感染性の低減に対する協調作用が存在することが、示唆される。
実施例2
復帰変異を有するウイルスは、神経弱毒化される。
ポリオウイルスの神経弱毒化は、一般的には、わずかな位置での変異の結果生じる。例えば、Sabinポリオウイルスワクチン株のIRES内での点変異は、弱毒化表現型の決定因子である。それ故、そのような弱毒化ポリオウイルスは、完全な神経毒性の野生型の表現型に頻繁に復帰する。神経細胞で繰り返し継代すると、PV1−Mono−creウイルス(Ld50>10)およびPV1−Mono−cre−Xウイルス(Ld50>10)は、マウスで神経病原性を増大させるA133G変異を示すが、変異したウイルスは、wtポリオウイルス(LD50=101.9)と比較してなお弱毒化している。A133G PV1−Mono−creウイルスおよびA133G PV1−Mono−cre XウイルスのLD50は、それぞれ104.5および105.6である。
PV1−Mono−creウイルスおよびPV1−Mono−creXウイルスの相対的な特異的感染性は、それぞれ0.25および0.084である。一方で、A133G PV1−Mono−creウイルスおよびA133G PV1−Mono−creXウイルスの相対的な特異的感染性は、それぞれ0.44および0.25である。これらのデータにより、A133G変異はまた、変異したウイルスの特異的感染性の増加に関連するが、wtPV1(相対的な特異的感染性=1)より依然として低いことが示唆される。
概して、これらの結果により、復帰が生じる可能性がある場合、復帰変異体のウイルスでは、A133G PV1−Mono−creXウイルスがA133G PV1−Mono−creウイルスより1 log10弱毒化されかつ変異し脱最適化されたウイルスの相対的な特異的感染性がA133G PV−Mono−creウイルスより低いことから、PV1−Mono−creウイルスの脱最適化がA133G復帰作用を改善することが示唆される。より重要なことに、発明者らのデータにより、復帰が生じた場合、PV1−mono−cre−Xの復帰変異したウイルスは、野生型の完全神経毒力の表現型に復帰するSabin株に見られるものとは対照的に、依然として高度に神経弱毒化されていることが明示される。
実施例3
プラスミドおよびDNA操作の構築。
神経毒性ポリオウイルス1型(Mahoney)は、実験室で使用された株であった(Cello, 2002)。ポリオウイルスcDNA配列は、Celloら(2002)によりcDNA合成(プラスミドpT7PVM)に使用された配列であった(van der Werf, et al., 1986, Proc Natl Acad Sci U S A 83:2330-4)。「pT7PVM cre(2CATPase)変異体」は、2CATPaseコード領域での天然cre要素がnt4462(GからAに)、4465(CからUに)、および4472(AからCに)での3変異を導入することで不活性化される、完全長ポリオウイルスcDNAクローンである(Yin, et al., 2003, J. Virol. 77:5152-66; Paul, 2003, In: Semler BL, Wimmer E, editors. Molecular biology of picornaviruses. Washington (DC): ASM Press; 2002. p. 227-46; Rieder, et al., 2000, J. Virol. 74:10371-80)。Dual−crePVは、2つの活性なcre要素を保持するpT7PVMの派生物であり;1つは新たなNheI制限部位を作製した、5’−NTRのnt102/103にある。2つめのcre要素は、2CATPaseコード領域にある(図1A)。Mono−crePVは、スペーサ領域に活性なcreを有するが、2CATPaseコード領域の天然creは不活性化されている(図1A)。図4は、mono−crePVゲノムの構造を示し:一本鎖RNAは、非翻訳領域の5’末端(5’−NTR)でウイルスがコードするタンパク質VPgと共有結合している。5’−NTRは、2つのシス作動性ドメイン、クローバーリーフおよび配列内リボソーム進入部位(IRES)からなり、これらはスペーサ領域で分離している。IRESは、構造領域(P1)および非構造領域(P2およびP3)からなるポリタンパク質(オープンボックス)の翻訳を制御し、複製タンパク質を特異化する。2CATPaseコード領域内に、cis複製要素(cre)を示す。3’−NTRは、ヘテロ重合領域を含み、ポリアデニル化されている。RNA
複製には、3つ全ての構造的要素、すなわちクローバーリーフ、creおよび3’−NTRを必要とする。2CATPaseの天然creを、X(mono−crePV)で示す変異により不活性化した。
実施例4
In vitro転写、トランスフェクションおよび一段増殖曲線
全プラスミドをDraIで直線状にした。RNAを、ファージT7RNAポリメラーゼで合成し、RNA転写物を、HeLa細胞の単層に、上述のようなDEAE−デキストラン法により、トランスフェクトした(van der Werf, 1986)。培養時間は最大2日であり、ウイルス力価を、プラーク法により決定した(Pincus, et al., 1986, J. Virol. 57: 638-46.)。HeLa、MRC5、および293T細胞での一段増殖曲線を、次のように作成した。細胞単層(1×10細胞)を、10の感染多重度(MOI)で、感染させた。プレートを記載のように33℃、37℃または39.5℃で培養し、細胞を、感染0、2、4、6、8、12、24、48、および72時間後に採取した。プレートを、3回連続の凍結融解サイクルに付し、上清のウイルス力価を、以前記載されたように、HeLa細胞単層上でのプラーク法により決定した(Pincus,1986)。
結果を、図3に示す。Mono−cre−Xは、HeLa細胞で、3種類の全温度で効率的に複製した。Mono−cre−Xの高力価がまた、MRC5を使用して33℃および37℃で得られたが、複製は、39.5℃で減少した。293T細胞では、複製は、37℃および39.5℃で強力に制限された。

Claims (16)

  1. 5’−NTRの、クローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)との間のスペーサ領域に位置する、単一活性のシス作動性複製要素(cre)、および
    由来する親ポリオウイルスタンパク質コード配列のコドン対バイアスより低いコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コード配列
    を含む、弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  2. ヌクレオチド102/103に挿入された単一活性のcre要素を含む、請求項1に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  3. 前記cre要素が配列番号1に配置される、請求項1〜2のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  4. 前記タンパク質コード配列が、前記親タンパク質コード配列のコドン対バイアスより少なくとも約0.05低い、好ましくは少なくとも約0.1低い、より好ましくは少なくとも約0.2低いコドン対バイアスを有する、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  5. 前記タンパク質コード配列が約−0.05以下、好ましくは約−0.1以下、より好ましくは約−0.2以下、より好ましくは約−0.3以下、より好ましくは約−0.4以下のコドン対バイアスを有する、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  6. 前記タンパク質コード配列が、前記親ウイルスのタンパク質コード配列と90%未満の同一性、好ましくは80%未満の同一性を有する、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  7. 前記タンパク質コード配列および前記親タンパク質コード配列が、同一のタンパク質をコードする、請求項1から6のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  8. 前記親タンパク質コード配列が、タンパク質の自然分離株をコードする、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  9. 前記親タンパク質コード配列が、Mahoney株によるものである、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  10. 前記タンパク質コード配列が、自然分離株と約10アミノ酸以下、好ましくは約20アミノ酸以下、相違するタンパク質をコードする、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  11. 改変タンパク質コード配列が、ヌクレオチド755〜ヌクレオチド1514のPV−Min配列(配列番号2)を含む、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  12. 配列番号3を含む、請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の弱毒化ポリオウイルスゲノム。
  13. 請求項1〜12のうちいずれか1項に記載のポリオウイルスゲノムを含む弱毒化ポリオウイルス。
  14. 5’−NTRの、クローバーリーフと配列内リボソーム進入部位(IRES)との間のスペーサ領域に位置する、シス作動性複製要素(cre)、および
    由来する親ポリオウイルスタンパク質コード配列のコドン対バイアスより低いコドン対バイアスを有するポリオウイルスタンパク質コード配列
    を含む核酸配列を調製することを含む、
    弱毒化ポリオウイルスゲノムを作製する方法。
  15. 前記弱毒化ポリオウイルスゲノムの前記ポリオウイルスタンパク質コード配列が、親ポリオウイルスのヌクレオチド配列のコドンを再配置し、前記親ポリオウイルスヌクレオチド配列と同一のアミノ酸配列をコードする変異したヌクレオチド配列を得ることにより作製される、請求項14に記載の方法。
  16. さらに、ポリオウイルスを適切な宿主細胞に導入し、前記宿主細胞を培養してポリオウイルスを作製することを含む、請求項14または15に記載の方法。
JP2014547510A 2011-12-16 2012-12-14 新規の弱毒化ポリオウイルス:PV−1Mono−cre−X Pending JP2015502158A (ja)

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