JP2015501349A - 屋内用コーティング剤における帯電防止剤の使用 - Google Patents

屋内用コーティング剤における帯電防止剤の使用 Download PDF

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Abstract

コーティング組成物における帯電防止剤としての、第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーの使用であって、該ポリマーが、式(I)による化合物、ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー、ポリアルキレンイミン、ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマー並びにそれらの混合物からなる群から選択されることにより特徴付けられる。該帯電防止剤は、ダストをより少ない程度で該組成物コーティングに付着することを生じさせる。該組成物は特に、建築物の屋内領域において使用される。

Description

本発明は、コーティング組成物における帯電防止剤としての第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーの使用に関する。
技術水準
建築物の屋内領域用のコーティング組成物(屋内用コーティング組成物又は屋内用コーティング剤)には、特殊な要求に支配される。例えば、これらの組成物は、健康に有害な物質をその表面上に有してはならないか、又は該コーティングから、周囲空気中へ放出してはならない。更に、これらの組成物は、耐摩耗性及び特別な表面品質を示すべきであり、かつ問題のない改装作業を可能にすべきである。更にまた、該屋内用コーティング剤は、とりわけ湿潤空間において、水及び水蒸気に対して耐性であるべきである。作業空間又は子供部屋において、例えば、機械的、物理的及び化学的な負荷に対する耐性が必要である。
屋外用コーティング剤は、これらの要求を通例満たさない、それというのも、これらは健康に有害な蒸気をより長期にわたって放出もするか、又は低すぎる隠ぺい力を有するからである(Kittel, 6巻, S. Hirzel Verlag, Stuttgart, 2008, ISBN 978-3-776-1016-0, 36頁)。
しかしながら、屋内空間においてしばしば、天井及び壁上のダストが、特に暖房装置(Heizkoerpern)、戸及び窓の上に降り積もるという問題点が生じる。一様でない吸じん(Staubanziehung)は、均質な吸じんを示す表面よりも、観察者に目立つ。降り積もったダスト(汚れ)は、しばしば洗い落とし又は吸い取りにより除去することができない。通例、時間及び費用のかかる改装作業が必要である。
技術水準からは既に、該ダスト堆積を減少させるための添加剤として帯電防止剤を含有する、コーティング剤が知られている。該帯電防止剤は、ダスト保護剤(防じん剤、防じん添加剤)とも呼ばれる。
帯電防止剤は、摩擦により生じる静電気帯電を防止する。該帯電は、ダスト粒子及び汚れ粒子を引きつけることをまねく(Roempp Lexikon Chemie, 第10版 1996, 1巻, Georg Thieme Verlag Stuttgart及びNew York, ISBN 3-13-734610-X, 見出語Antistatika)。一部には、該帯電防止剤は技術水準において防じん添加剤とも呼ばれる。
JP2009178954 Aには、ポリエステルフィルム中の帯電防止ポリマーとしてのカチオン性ポリアミンが記載されている。該ポリエステルフィルムは、転写印刷法における転写箔用のベースフィルムとして使用される。
JP 2009019063からは、静電防止樹脂層中に含まれているエチレン/酢酸ビニルコポリマー組成物が知られている。該コーティングは、梱包材料上へ塗付される。
DE 102006045869には、コーティング、ペイント又は塗料を帯電防止仕上する方法が記載されている。帯電防止剤として、イオン性液体、例えば1,3−ジアルキルイミダゾリウムが使用される。
DE 102007026551には、少なくとも1種の顔料と、一般式CH3−(CH2n−CH2−O[(CH2p−O]m−Hの少なくとも1種の化合物とを含有する顔料調合物が開示されている。該顔料調合物は、分散及び乾燥により製造することができる。これは、とりわけ、水系のペイント系及び塗料系、エマルションペイント、印刷インキ、インキ系及びコーティング系における帯電防止仕上に使用することができる。
EP 1996657 A1には、伝導性ポリマーを含有する、帯電防止コーティング組成物が記載されている。伝導性ポリマーとして、ポリアニリン、ポリピロール及びポリチオフェンが挙げられる。該コーティング組成物は、LCDディスプレイの帯電防止偏光フィルムにおける帯電防止層として使用される。
更に、帯電防止剤として、含浸用樹脂液中に含まれている第四級モノアンモニウム化合物が知られている(DE 102005029629 A1)。該含浸用樹脂液は、セルロース含有繊維状物質の含浸に使用される。
DE 2005013767 A1には、汚れをはじく性質を示す水性製剤が記載されている。これらは、ポリウレタンと、鉱物粒子と、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアルキド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、ポリアクリロニトリル及び/又はポリエステルを含有してよいポリマー成分とを含有する。これらは、屋外用コーティング、特に屋根瓦のコーティングに、使用される。
カチオン性ポリマーは、これらが、硬化されたコーティングから移行しないか又は極めて僅かな量でのみ移行するという利点を有する、それというのも、これらは低分子化合物と比較して、より低い移動度を有するからである。これにより、帯電防止効果が、より長期にわたって得られたままである。
しかしながら、技術水準からは、屋内用コーティング剤における帯電防止剤として該ダスト−汚れの低下に使用することができる、第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーは知られていない。
課題
ゆえに、本発明には、技術水準の前記の欠点を取り除くという課題が基礎となっていた。建築物の屋内領域用のコーティング組成物(屋内用コーティング組成物)において帯電防止剤として使用することができる、第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーが提供されるべきである。適用及び乾燥後に生じるコーティングは、技術水準とは異なり、改善されたダストをはじく性質を示すべきであるので、該ダスト堆積もしくは該汚れは低下されている。同時に、該コーティングは、該カチオン性ポリマーの使用により、より少なくダストをはじく性質を有するか又はダストをはじく性質を有さない技術水準の屋内用コーティング組成物のコーティングに比べて、色及び外観、特に黄変の変化を示さないべきである。
更に、該コーティングは、良好な耐摩耗性を有するべきであり、かつ抗菌作用を有するべきである。更にまた、該組成物は、貯蔵安定であるべきであり、良好に加工できるべきであり、良好な流展を示すべきであり、かつ僅かな飛びはね傾向(Spritzneigung)を有するべきである。
前記課題は特に、一方では防じん性と、他方では耐摩耗性及び加工性との間のバランスを達成することに向けられていた。
課題の解決
意外なことに、技術水準の欠点を有さず、帯電防止剤として使用することができる、第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーが見出されている。特に、屋内用コーティング組成物において使用することができるカチオン性ポリマーが見出されている。それから生じる、卓越した耐摩耗性及び加工性と同時に、極めて良好なダストをはじく性質を有するコーティングが生成される。該ダスト堆積は、こうして低下させることができた。同時に、該コーティングの色及び外観、特に黄変の変化は、観察することができなかった。更にまた、該組成物の良好な貯蔵安定性を達成することができた。更に、該組成物のコーティングは抗菌性を有していた。
それに応じて、コーティング組成物における帯電防止剤としての第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーの使用が見出され、その際に、該ポリマーは、
a)式(I)による化合物、
b)ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー、
c)ポリアルキレンイミン、
d)ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマー及び
e)それらの混合物
からなる群から選択される。
本発明の更に好ましい実施態様は、従属請求項により記載される。
コーティング組成物
前記のカチオン性ポリマーを使用することができる組成物は、熱的に、化学線で又は物理的に、硬化可能である。好ましくは、これらは物理的に硬化可能である。特に好ましくは、これらは熱的にも、化学線でも硬化可能ではない。
該組成物は通常、主に室温(通例40℃未満、好ましくは18〜28℃、より好ましくは20〜25℃)で物理的に硬化される。特に、該硬化は、その揮発性成分、例えば水又は有機溶剤の蒸発によるか又はバインダー粒子の凝集下に、行われる。
“熱による硬化”という概念は、該コーティング剤の、熱により開始される架橋を意味する。40℃以上、特に60℃以上の温度が熱とみなされる。
本発明の範囲内で、“化学線”は、電磁放射線、例えば近赤外線(NIR)、可視光線、紫外線、X線又はγ線、特に紫外線、及び粒子線、例えば電子線、β線、α線、陽子線又は中性子線、特に電子線であると理解されうる。
該組成物は、屋外領域並びに屋内領域に適している、コーティング剤であってよい。好ましくは、建築物の屋内領域用のコーティング剤(屋内用コーティング組成物)である。対応する塗料及びペイントは、例えばウォールペイント、暖房装置塗料及び床塗料並びに窓及び戸用の塗料である。該暖房装置塗料、窓塗料、戸塗料及び床塗料を、以下に一般に塗料と呼ぶ。
該ウォールペイント及び塗料は通常、顔料配合されている。それらの固形分は、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、好ましくは20〜80質量%、好ましくは50〜75質量%である。
更に、該組成物は、透明又は半透明なコーティングの形で塗付されていてよく、その際にこれらのコーティングは、顔料及びフィラーを含有しないか又は極めて少量の顔料及びフィラーを含有し、好ましくは顔料もフィラーも含有しない。該組成物を、以下にワニス(Lasur)と呼ぶ。これらは通常、極めて僅かな隠ぺい力を有するか又は全く隠ぺい力を有しない。該ワニスの固形分は、該組成物の全質量を基準として、好ましくは5〜50質量%の範囲内である。
該組成物及びその成分の固形分は、DIN ISO 3251に従い、2.0gの秤量分を用い、60分の試験期間で125℃の温度で測定される。
ウォールペイントは通常、50〜1000μm、好ましくは100〜500μmの未乾燥塗膜の厚さで塗付される。該塗料の未乾燥塗膜の厚さは、好ましくは20〜500μm、より好ましくは50〜300μmである。ワニスは通例、1〜500μm、好ましくは10〜200μmの未乾燥塗膜の厚さを有する。
該組成物は、好ましくは5〜12のpH値を有する。該ウォールペイントのpH値は、好ましくは7〜12及び特に好ましくは7〜10である。該ウォールペイントが、水ガラスをバインダーとして含有する場合には、10〜12の範囲内の好ましいpH値が定着している(angesiedelt)。ラッカーにおいて、該pH値は好ましくは5.5〜10である。
該組成物の粘度は20℃で、好ましくは1500〜5000mPa・sの値に調節されている(Haake社の回転粘度計、型式VT 550、スピンドルE100(d=16mm、l=35mm)を用いる、回転数200分-1、せん断速度20.21s-1)。
該組成物の全ての成分の質量割合は、合計して100質量%になる。
カチオン性ポリマー
第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーは、前記の群a〜d並びにそれらの混合物から選択される。好ましくは、これらは群a、b及びd並びにそれらの混合物から、より好ましくはa及び/又はbから、選択される。極めて特に好ましいカチオン性ポリマーは、式(I)による化合物である。これらは帯電防止剤として使用される。
該四級化は、例えば該窒素原子のアルキル化により行ってよい。通常のアルキル化剤は、例えばハロゲン化アルキル又は硫酸ジアルキルである。適したハロゲン化アルキルは、ハロゲン化C1〜C4−アルキル、好ましくは塩化メチル又は塩化エチルである。適した硫酸ジアルキルは、アルキル基1個あたり各1〜4個の炭素、好ましくはメチル基及び/又はエチル基を有する。
該コーティング組成物中の該カチオン性ポリマーの割合は、該コーティング組成物の全質量を基準としてそれぞれ、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.4〜2.5質量%、特に好ましくは0.8〜2.5質量%である。該組成物が、0.2質量%未満の該カチオン性化合物を含有する場合には、該ダストをはじく性質は低く減少しすぎる。10質量%を上回る高すぎる割合の場合に、耐摩耗性、貯蔵安定性及び加工性は低下する。
群a、b及びdのカチオン性化合物は、好ましくは20000〜500000g/モルの質量平均分子量を有する。好ましくは、30000〜400000g/モル、特に好ましくは40000〜300000g/モルを有するカチオン性化合物である。カチオン性化合物cの質量平均分子量は、好ましくは1000g/モル〜10000g/モル、より好ましくは1100g/モル〜6000g/モルである。該平均分子量は、デキストラン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められた。溶離剤として、硝酸ナトリウム水溶液(0.5M)を利用し、該溶液には、該溶液の全質量を基準として、アジ化ナトリウム0.02質量%が添加されていた。
好ましくは、ハロゲン化物イオン、カルボン酸のアニオン、特にC1〜C18−カルボン酸のアニオン、芳香族又は脂肪族のスルホン酸のアニオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メチルスルホン酸イオン、芳香族又は脂肪族のリン酸又はホスフィン酸のアニオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、窒化物イオン、チオシアン酸イオン、ClO4 -、PF6 -、又はBF4 -が、該カチオン性ポリマーの対イオンを形成する。好ましい対イオンは、ハロゲン化物イオン、芳香族又は脂肪族のスルホン酸のアニオン、硫酸イオン、芳香族又は脂肪族のリン酸のアニオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、ClO4 -、PF6 -、又はBF4 -である。特に好ましいのは、ハロゲン化物イオン、芳香族又は脂肪族のスルホン酸のアニオン、硫酸イオン及び芳香族又は脂肪族のリン酸のアニオン、極めて特に好ましくはハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンである。
適した芳香族又は脂肪族のスルホン酸のアニオンは、例えば、メチルベンゼンスルホン酸の誘導体、特にそのトシラート、又はアルキルスルホン酸イオン、例えばメチルスルホン酸イオン又はエチルスルホン酸イオン並びにトリフルオロメチルスルホン酸イオン又はトリフルオロエチルスルホン酸イオンである。適した芳香族又は脂肪族のリン酸のアニオンは、例えばリン酸イオン又はジアルキルリン酸イオン、例えばジメチルリン酸イオン又はジエチルリン酸イオンである。
該カチオン性化合物は、好ましくは水と混和性である。有利には、該カチオン性ポリマーは水溶液で用意される。これらの水溶液中のカチオン性ポリマーの割合は、好ましくは10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%及び特に好ましくは30〜60質量%である。これらの溶液のpH値は、好ましくは4〜12、より好ましくは4.5〜11.5及び特に好ましくは4.5〜8である。
ポリマーa):式(I)による化合物
適したカチオン性ポリマーは、式(I)
Figure 2015501349
[式中、
nは、5〜500の整数であり;
Zは、H、C1〜C18−アルキル、OH、C1〜C18−アルコキシ、基C(O)R10、−O−C(O)R10又はCOOR10であり、ここで、R10は、H又はC1〜C18−アルキルであり;
Wは、C1〜C24−アルキレン、C5〜C7−シクロアルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−、−O−((CH2z−O)t−又は−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−であり;
Tは、C1〜C24−アルキレン、C5〜C7−シクロアルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−、−O−(CH2z−O−であり;
ここで、p、q、z及びtは、互いに独立して0〜100の整数であり;
Yは、基
Figure 2015501349
(式中、
1及びR2は、互いに独立してH、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレンを表し、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合されているか、又はR1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、五員環、六員環又は七員環を表す)であるか、
又はYは、基
Figure 2015501349
(式中、
1及びR2は、互いに独立してH、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレンを表し、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合されているか、又は双方の基R1が、Tとこれらの基が結合している窒素原子と一緒になって、五員環、六員環又は七員環を形成し;かつ
-は、既に挙げた対イオンから選択される)である]による化合物である。
式(I)による適した化合物並びに化合物の製造方法は、欧州特許明細書EP-A-2186845に記載されている。
2個の基Yの2個の窒素原子を互いに結合させるアルキレン基は、例示的に、次の式に基づいて示される:
Figure 2015501349
式(I)による好ましい化合物中で、
nは、5〜100の整数であり;
Zは、H、OH又は−O−C(O)R10であり;
Wは、C1〜C24−アルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−又は−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−であり;
Tは、C1〜C24−アルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−又は−O−(CH2z−O−であり;
ここで、p、q及びzは、互いに独立して1〜20の整数であり;
かつYは、前記の基である。
特に好ましくは、nは、10〜100、極めて特に好ましくは20〜80の整数である。
特に好ましくは、ZはOH基である。
特に好ましくは、Wは、C1〜C24−アルキレン基又は−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−であり、ここで、T=−O−(CH2−CH2−O)q−又は−O−(CH2z−O−である。
特に好ましくは、基Yは、
Figure 2015501349
[式中、R1及びR2は、互いに独立してC1〜C18−アルキル又はC1〜C18−アルキレンであり、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合されている]であるか、
又は基Yは、
Figure 2015501349
[式中、双方の基R1は、Tとこれらの基が結合している窒素原子と一緒になって、五員環、六員環又は七員環を形成し、かつ双方の基R2は、互いに独立してC1〜C18−アルキルを表す]である。極めて特に好ましくは、六員環、特にピペラジンが、形成される。
極めて特に有利には、式(I)による実施態様Iであり、式中、
Zは、OH基を表し、Wは、C1〜C6−アルキレン基、特にメチレン基を表し、
Yは、基
Figure 2015501349
[式中、R1及びR2は、C1〜C6−アルキル又はC1〜C6−アルキレンであり、かつ特にR1は、メチル基であり、かつR2は、メチル基又はエチレン基であり、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合されている]を表す。式(I)による適した化合物は、例えばCatiofast 159(BASF SE、Ludwigshafen)又はMagnafloc LT31(BASF SE、Ludwigshafen)の名称で販売されている。
極めて特に有利には、同じように、式(I)による実施態様IIであり、式中、
Zは、OH基を表し、Wは、基−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−、ここで、Z=OH及びT=−O−(CH2−CH2−O)q−、ここでq=5〜14、好ましくはq=9を表すか、又は−O−(CH2z−O−、ここでz=3〜5、好ましくはz=4を表し、かつYは、基
Figure 2015501349
[式中、双方の基R1は、Tとこれらの基が結合している窒素原子と一緒になって、六員環、特にピペラジンを形成し、かつ双方の基R2は、互いに独立してC1〜C6−アルキル、特にメチル又はエチルを表す]を表す。対応する化合物は、例えば、刊行物EP-A-2186845の実施例に示されている。
式(I)による化合物は、好ましくは30000g/モル〜150000g/モル及びより好ましくは40000g/モル〜120000g/モルの質量平均分子量を有する。
式(I)による化合物は好ましくは、組成物1gあたり0.014〜0.73meqの永久的(permanenten)アミンカチオンの当量を有する。好ましくは、該当量は0.028〜0.18meq/g、特に好ましくは0.058〜0.18meq/gである。
カチオン型の極めて好ましいポリマーa)は、次の一般構造を有する:
Figure 2015501349
ポリマーb):ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー
該ポリ−ジアリルジアルキルアミンのアルキル基は、好ましくは各1〜4個の炭素原子、より好ましくは各1個の炭素原子を有する。該第四級窒素原子は、好ましくはヘテロ環、より好ましくはピロリジンの成分である。該ポリ−ジアリルジアルキルアミンの好ましい実施態様は、カチオン型で1,1−ジアルキル−3,4−ジビニルピロリジン−1−イウムを含有する。該アルキル基は、好ましくはC1〜C6−アルキル、より好ましくはメチル又はエチルである。
該ジアリルジアルキルアミンモノマーは、コポリマーの成分であってよい。適したコモノマーは無電荷のビニルモノマーである。該ビニルモノマーは好ましくは水溶性である。例えば、アクリルアミド又はビニルピロリドンが適している。
好ましくは、その質量平均分子量は、50000g/モル〜250000g/モル、より好ましくは80000g/モル〜220000g/モルである。
該ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマーは好ましくは、組成物1gあたり0.12〜6meqの永久的アミンカチオンの当量を有する。好ましくは、該当量は、0.24〜1.5meq/g、特に好ましくは0.48〜1.5meq/gである。
カチオン型の極めて好ましいポリマーb)は、次の一般構造を有する:
Figure 2015501349
ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリドは、例えばMagnafloc LT35 (BASF SE、Ludwigshafen)の名称で入手可能である。
ポリマーc):ポリアルキレンイミン
ポリアルキレンイミンは、第二級及び第三級のアミノ基を含有する分枝鎖状のポリマーであり、該窒素原子を互いに結合させるそれらの炭化水素鎖は、1〜18個、好ましくは2〜8個の飽和炭素原子を有する及び/又は不飽和の、直鎖状及び/又は分枝鎖状の炭化水素鎖である。好ましいポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンである。
該ポリアルキレンイミンは、素地の表面上に吸着し、それにより該窒素原子が四級化される。その点では、まず最初に使用されるポリアルキレンイミンは、四級化可能なポリマーである。これらは、本発明の意味でのカチオン性ポリマーである。
該ポリアルキレンイミンは好ましくは、組成物1gあたり0.046〜2.32meqの四級化可能なアミンの当量を有する。好ましくは、該当量は、0.092〜0.58meq/g、特に好ましくは0.18〜0.58meq/gである。
極めて好ましいポリマーc)は、次の一般構造を有する:
Figure 2015501349
適したポリエチレンイミンは、例えば、Lupasol G20又はLupasol G100(BASF SE、Ludwigshafen)の名称で商業的に入手可能である。
ポリマーd):ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマー
適した化合物は、該ポリビニルイミダゾールのカチオン性ポリマーである。好ましくは、ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールからなるコポリマー、特にブロックコポリマーが、使用される。これらは、好ましくは20000g/モル〜60000g/モル及び特に好ましくは30000g/モル〜50000g/モルの質量平均分子量を有する。
該ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマーは好ましくは、組成物1gあたり0.014〜0.7meqの永久的アミンカチオンの当量を有する。好ましくは、該当量は、0.028〜0.18meq/g、特に好ましくは0.056〜0.18meq/gである。
カチオン型の極めて好ましいポリマーd)は、次の一般構造を有する:
Figure 2015501349
ビニルピロリドン及び四級化されたビニルイミダゾールクロリドからなるコポリマーは、Luviquat Excellence(BASF SE、Ludwigshafen)の名称で入手可能である。
バインダー
本発明の意味でのバインダーは、該組成物における塗膜形成の要因であり、かつ以下にまとめられる、有機高分子化合物である。これらは、顔料、カチオン性ポリマー及びフィラーを含まない該コーティング物質の不揮発分である(DIN EN 971-1:1996-09と同様)。
該組成物は、少なくとも1種のバインダーを含有する。好ましくは、該バインダー割合は、該組成物の全質量を基準として1〜90質量%である。好ましくは、5〜80質量%及び特に好ましくは6〜70質量%のバインダー割合である。ウォールペイント及び塗料において、該バインダー割合は好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは3〜50質量%である。ワニスは、好ましくは10〜90質量%のバインダーを含有する。
バインダーとして、該組成物は、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、水ガラス、特にカリウム水ガラス、並びにアクリラート、スチレン及び/又はビニルエステルをベースとするバインダー、例えばスチレンアクリラート類又はブチルアクリラート類を含有してよい。水ガラスを含有する組成物は、これらの水ガラスを、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、好ましくは1〜98質量%、特に好ましくは5〜40質量%の割合で含む。
該バインダーの最低造膜温度は、好ましくは0℃〜40℃、より好ましくは0℃〜20℃である。屋内領域のコーティングのためには、該バインダーが0℃〜5℃の最低造膜温度を有する場合が特に好ましい。該最低造膜温度は、その温度を上回ると一つにまとまった膜が形成される温度を示す。それ未満では、その塗膜形成は通例、妨げられるか又は不完全である。該測定は、DIN 53787:1974-02に従い行われる(Roempp Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag Stuttgart / New York 1998, ISBN 3-13-776001-1, 見出語“Mindestfilmbildetemperatur”参照)。
ウォールペイントにおいて、好ましくは酢酸ビニル/エチレンコポリマー、スチレンアクリラート類、ブチルアクリラート類又はこれらのポリマーの混合物が使用される。塗料は、好ましくはポリウレタン、アクリラート、アルキド樹脂又はエポキシ樹脂並びにそれらの混合物を含有する。該ワニスは、ウォールペイント及び塗料のために挙げたバインダーを含有してよい。
フィラー
該組成物は、炭酸カルシウム類、ケイ素化合物、例えば二酸化ケイ素又はケイ酸アルミニウム又はケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸化アルミニウム又は酸化アルミニウム水和物、カオリン、白亜、タルク、ケイソウ土又は木粉をフィラーとして含有してよい。フィラーの割合は、該組成物の全質量を基準として、好ましくは0〜90質量%である。
ワニスは、好ましくは最大5質量%、より好ましくは最大2質量%及び極めて特に好ましくは最大1質量%のフィラーを含有する。特に、ワニスは、フィラーを含有しない。
該組成物がウォールペイントである場合には、該フィラー割合は、好ましくは1〜90質量%、特に好ましくは20〜60質量%である。
塗料において、フィラーの割合は、好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは0〜35質量%の範囲内である。
顔料
該組成物は、更に顔料を含有してよい。該組成物中のそれらの割合は、該組成物の全質量を基準として、好ましくは0〜75質量%である。ウォールペイントにおいて、その顔料割合は、好ましくは0〜50質量%の範囲内、特に好ましくは4〜25質量%の範囲内である。塗料において、10〜60質量%の顔料割合が好ましい。ワニス中の顔料割合は、好ましくは0〜15質量%である。ワニスは、特に好ましくは透明な顔料のみを含有するか又は全く顔料を含有せず、極めて特に好ましくは全く顔料を含有しない。
顔料は、染料とは異なり周囲の媒体に不溶である、粉末状又は小板状の着色剤である(Roempp Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag Stuttgart / New York 1998, ISBN 3-13-776001-1, 見出語“Pigmente”参照)。
好ましくは、該顔料は、有機及び無機の、色を与える顔料、効果を与える顔料、色及び効果を与える顔料、透明顔料、磁気遮蔽性顔料、導電性顔料、腐食を抑制する顔料、蛍光顔料及びりん光顔料からなる群から選択される。ウォールペイント及び塗料用の好ましい顔料は、色及び/又は効果を与える顔料、及びワニス用の好ましい顔料は、透明顔料である。

該組成物は水を含有してよい。好ましくは、8〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%の水が含まれている。
有機溶剤
更に、該組成物は有機溶剤を含有してよい。好ましくは、該ウォールペイント中の有機溶剤の割合は、該ウォールペイントの全質量を基準としてそれぞれ、5質量%未満、より好ましくは2質量%未満及び特に好ましくは1質量%未満である。特に好ましい実施態様において、該ウォールペイントは有機溶剤を含有しない。
有機溶剤として、例えばトリメチルペンタン、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールブチルエーテルがウォールペイント中に含まれている。
塗料中の有機溶剤の割合は、該塗料の全質量を基準としてそれぞれ、好ましくは0〜30質量%及びより好ましくは0〜10質量%である。適した有機溶剤は、例えばホワイトスピリット、エステル、例えば酢酸ブチル又はブチルジグリコールアセタート又はエーテル、例えばグリコールエーテル又はメチルエチルケトンである。
ワニスは、該ワニスの全質量を基準としてそれぞれ、0〜60質量%、好ましくは0〜40質量%の割合の溶剤を含有する。ウォールペイント及び塗料のために挙げた溶剤が適している。
添加剤
該組成物は、添加剤、例えば防腐剤、増粘剤、分散剤及び消泡剤を含有してよい。
適した防腐剤は、例えばイソチアゾリノン製剤、例えば2−メチル−2H−イソチアゾル−3−オン又は1,2−ベンズイソチアゾリン−3H−オンである。適した水性製剤は、例えば、Thor GmbH社、Speyerの名称Acticide MBSで販売されている。好ましくは、防腐剤の割合は、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、0〜2質量%、より好ましくは0.001〜0.3質量%である。
適した増粘剤は、塗料及びペイントの当業者によく知られた増粘剤である。例えば、セルロースエーテル、ベントナイト、多糖類、熱分解シリカ又は層状ケイ酸塩が挙げられる。その好ましい割合は、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、0〜3質量%、好ましくは0.001〜1質量%である。
分散剤として、塗料及びペイント用の当業者に知られた分散剤が考慮に値する。例えば、アルキルベンゼンスルナート、ポリカルボキシラート、脂肪酸アミン又はポリアクリル酸塩が挙げられる。好ましくは、その割合は、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、0〜2質量%、より好ましくは0.001〜0.5質量%である。
適した消泡剤は、例えばポリ(オルガノ)シロキサン、シリコーン油又は鉱油である。好ましくは、その消泡剤の割合は、該組成物の全質量を基準としてそれぞれ、0〜1質量%、好ましくは0〜0.5質量%である。
前記の添加剤は、本発明の範囲内でのバインダーとはみなされない。
本発明の更なる実施態様
本発明により使用されうるカチオン性ポリマーは特に、建築物の屋内領域用のコーティング剤(屋内用コーティング組成物)における帯電防止剤として使用されるのに適している。更にまた、これらは、建築物の屋外領域に使用することができるコーティング剤においても使用することができる。好ましくは、該組成物は、ウォールペイントとして、特に屋内用ウォールペイント、塗料、特に窓、戸、暖房装置又は床用の塗料、又はワニスとして、それぞれ好ましくは屋内領域用に、使用される。
該ワニスは、補助的にダストをはじくコーティングを提供するために、既に塗付又は塗装された素地上にその後に塗付することができるという特別な利点を有する。
該帯電防止剤が使用される組成物は、建築物の屋外領域又は屋内領域、好ましくは屋内領域において、取り付けられるかもしくは設置されるか又は取り付けられているかもしくは設置されている素地をコーティングするのに適している。該素地は通常、金属、コンクリート、セッコウ、モルタル、建築用プラスター、木材又は木質繊維、プラスチック、紙、せっこうボードからなる。適した素地は、例えば、壁又は天井、暖房装置、床、窓枠、戸及び戸枠又は壁紙として使用されるかもしくは利用される。該壁又は天井は、例えばコンクリート、木材又はせっこうボードからなっていてよく、モルタル塗りされていてよい及び/又は壁紙を有してよい。該組成物は、既に建築物中又は建築物上に取り付けられたもしくは設置された素地上へ塗付することができる。同様に、該素地、例えば壁紙、せっこうボード、戸又は窓をまず最初にコーティングし、引き続き建築物中又は建築物上に取り付けるもしくは設置することが可能である。
該組成物は、常用かつ公知の、それぞれのコーティング物質に適している全ての適用法、例えば噴霧塗、吹付け塗、ナイフ塗、はけ塗、流し塗、浸し塗、トリクリング(Traeufeln)又はローラーコーティングにより適用され、引き続き乾燥される。好ましくは、噴霧されるか、吹付けられるか又ははけ塗される。通常、室温で、特に物理的に、硬化される。
以下に、本発明は、実施例に関連して、更に説明される。
実施例
1.帯電防止特性
例1〜9の屋内用コーティング組成物を製造し、その際に、カチオン性ポリマーとしてMagnafloc LT35(水溶液、カチオン性ポリマー40質量%を含有する)を使用する。
Figure 2015501349
Magnafloc LT35と混合された組成物は、明らかに低下された吸じんを示す。同じように、該カチオン性ポリマーを含有する組成物の表面抵抗は、該カチオン性ポリマーを有しない組成物よりも低い。その結果、帯電防止の、ダストをはじく性質は、該カチオン性ポリマーの添加により改善される。
Figure 2015501349
上記で示した例2〜5に類似して、異なるコーティング組成を有する例7〜9も、改善された、帯電防止の、ダストをはじく性質を有する。
例2〜5を繰り返したが、その際に異なるカチオン性ポリマーを調べた。
Figure 2015501349
ダスト試験
該ダスト試験を、WO 01/12713 Aの試験に従って実施する。
実験室での実験におけるダスト堆積を調べるために、まず最初に該試験体をコーティングする。引き続き、コーティングされたプレートを、巻き上げられたダストを有する雰囲気にさらす。そのためには、三角形の断面を有する80mmの長さの磁石撹拌子を有する2Lビーカーに、ダスト(コールダスト/20g活性炭、Riedel-de Haen、Seelze、独国、商品番号18003)を約1cmの高さで充填する。マグネチックスターラーを用いて、該ダストを巻き上げ、該試験体を、撹拌機を動かしながら14秒間、このダスト雰囲気にさらす。使用される試験体に応じて、多少のダストが該試験体上へ降り積もる。該ダストを、澄明なつや消し塗料の吹付けにより固定する。該ダスト堆積(ダスト像)の評価を、分光光度分析を用いて実施する。分光光度分析のために、水平式分光光度計(Minolta社のCM-3600)を使用する。
求められる値−dLは、式:
−dL=L*(該ダスト雰囲気中に暴露及びつや消し塗料での固定後の試験体)−L(つや消し塗料処理ありでダスト処理なしの試験体)
から得られる。
値L*は、0〜100の明るさを示し、100の値は、最大の明るさに相当する。明るさL*は、表色のための規格(CIE1964:L**h)により定義される。これを、DIN 6167に従い、10゜の角度及び標準光D65(ISO 3664による:6504Kの色温度を有する放射分布)で求める。該つや消し塗料の塗付による軽度の黄変又はL*の低下は、無視することができる。
該表面抵抗の測定
該ペイント分散液を、ナイフを用いて、300μmの未乾燥塗膜の厚さでプラスチックフィルム上へ塗付した(Lenetaフィルム、Leneta社、Mahwah、NH、07430 USA)。その乾燥を、20℃及び50%の相対空気湿度で少なくとも24時間、行った。
表面伝導率値SR[オーム・パー・スクエア]を、ばね電極を用いて、DIN 53482規格と同様にして、500Vの電圧及び22℃でかつ制御された相対空気湿度(RH)で測定した。該測定前に、該試料を、少なくとも5日間、該測定のために選択される空気湿度で予備貯蔵した。
湿潤摩耗
該湿潤摩耗を、DIN EN 13300に従い求めた。そのためには、該コーティング材料を、ナイフを用いて、300μmの未乾燥塗膜の厚さで、PVCフィルム(Lenetaフィルム、Leneta社、Mahwah、NH、07430 USA)上へ引き、恒温恒湿室中で28日間、20℃及び50%の相対湿度で乾燥させた。引き続き、該試料を裁断し、その総量を、分析用てんびんを用いて求める。該湿潤摩耗の測定のために、該試料を、Erichsen社の特殊な研磨装置中で、3M Scotch-Brite社の研磨パッドS-UFN 158×224mmを使用し、全部で200回の研磨運動に、0.25%界面活性剤水溶液(Sasol Germany GmbH社の界面活性剤Marlon A 350)の同時の作用下に、さらす。引き続き、該試料を洗い落とし、乾燥器中で50℃で恒量まで乾燥させ、その正味質量を求めた。その質量損失から、引き続き、湿潤摩耗値[μm]を、その乾燥塗膜の厚さを基準として求める。
加工
該加工は、該加工の視覚的な評価を0=劣悪ないし5=極めて良好のスケールで示す。この際に、性質、例えば該加工性、該流展及び該飛びはね傾向を評価する。
2.該カチオン性ポリマーのその色特性への影響
この影響は、配合例1によるペイント配合物に基づき、測定した。このためには、カチオン性ポリマーなし及びありの値を求めた。
Figure 2015501349
*は、表色のための規格(CIE1964:L**h)により定義される(上記参照)。黄色度は、DIN 6167に従い、表色データから計算により求める。
該調査は、添加されたカチオン性ポリマーが色特性に有意な影響を及ぼさないことを示す。
3.貯蔵安定性
該表面抵抗を、例1に基づき及び例1に加えカチオン性ポリマーの溶液4部に基づき、20℃もしくは50℃及び異なる相対空気湿度で14日後に測定した。
Figure 2015501349

Claims (15)

  1. コーティング組成物における帯電防止剤としての第四級窒素原子を含有するカチオン性ポリマーの使用であって、
    該ポリマーを、
    a)式(I)による化合物
    Figure 2015501349
    b)ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー、
    c)ポリアルキレンイミン、
    d)ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマー及び
    e)それらの混合物
    からなる群から選択することを特徴とし、その際に、式(I)において、
    nは、5〜500の整数であり;
    Zは、H、C1〜C18−アルキル、OH、C1〜C18−アルコキシ、基C(O)R10、−O−C(O)R10又はCOOR10であり、ここで、R10は、H又はC1〜C18−アルキルを表し;
    Wは、C1〜C24−アルキレン、C5〜C7−シクロアルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−、−O−((CH2z−O)t−又は−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−であり;
    Tは、C1〜C24−アルキレン、C5〜C7−シクロアルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−、−O−(CH2z−O−であり;
    ここで、p、q、z及びtは、互いに独立して0〜100の整数であり;
    Yは、基
    Figure 2015501349
    であり、ここで、
    1及びR2は、互いに独立してH、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレン、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合しているか、又はR1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、五員環、六員環又は七員環を表すか、又はYは、基
    Figure 2015501349
    であり、ここで、
    1及びR2は、互いに独立してH、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレンを表し、その際に該アルキレン基は、他の基Yの窒素原子と結合されているか、又は双方の基R1が、Tとこれらの基が結合している窒素原子と一緒になって、五員環、六員環又は七員環を形成し;
    かつX-は、ハロゲン化物イオン、C1〜C18−カルボン酸のアニオン、芳香族又は脂肪族のスルホン酸のアニオン、硫酸イオン、芳香族又は脂肪族のリン酸のアニオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、ClO4 -、PF6 -、又はBF4 -である
    ことを特徴とする、カチオン性ポリマーの使用。
  2. 該ポリマーを、
    a)式(I)による化合物、
    b)ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー、
    d)ポリビニルイミダゾール及びそれらのコポリマー及び
    e)それらの混合物
    からなる群から選択する、請求項1記載の使用。
  3. 該ポリマーを、
    a)式(I)による化合物及び/又は
    b)ポリ−ジアリルジアルキルアミン及びそれらのコポリマー
    から選択する、請求項1記載の使用。
  4. 式(I)において、
    nが、5〜100の整数を表し;
    Zが、H、OH又は−O−C(O)R10を表し;
    Wが、C1〜C24−アルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−又は−CH2−T−CH2−CHZ−CH2−を表し;
    Tが、C1〜C24−アルキレン、−O−(CH2−O)p−、−O−(CH2−CH2−O)q−又は−O−(CH2z−O−を表し;
    ここで、p、q及びzは、互いに独立して1〜20の整数であり;
    かつYは、既に前記の意味を有する、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の使用。
  5. 該コーティング組成物が、物理的に硬化可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の使用。
  6. 該カチオン性ポリマーが、該組成物の全質量を基準として、0.2〜10質量%の割合で含まれている、請求項1から5までのいずれか1項記載の使用。
  7. 該カチオン性ポリマーが、該組成物の全質量を基準として、0.4〜2.5質量%の割合で含まれている、請求項1から4までのいずれか1項記載の使用。
  8. 該組成物が、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、水ガラス並びにアクリラート、スチレン及び/又はビニルエステルをベースとするバインダーから選択される、バインダーを含有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の使用。
  9. 該組成物が、炭酸カルシウム類、ケイ素化合物、酸化アルミニウム又は酸化アルミニウム水和物、カオリン、白亜、タルク、ケイソウ土又は木粉をフィラーとして含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の使用。
  10. 該組成物が顔料を含有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の使用。
  11. 該組成物が水を含有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の使用。
  12. 該組成物が、防腐剤、増粘剤、分散剤及び消泡剤から選択されている、少なくとも1種の添加剤を含有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の使用。
  13. 該組成物を、ウォールペイント、暖房装置塗料、床塗料、窓塗料、戸塗料又はワニスとして使用する、請求項1から12までのいずれか1項記載の使用。
  14. 該組成物を、金属、コンクリート、セッコウ、モルタル、建築用プラスター、木材又は木質繊維、プラスチック、紙又はせっこうボードの素地上に塗付する、請求項1から14までのいずれか1項記載の使用。
  15. 該素地が、壁又は天井、暖房装置、床、窓枠、戸及び戸枠又は壁紙である、請求項11記載の使用。
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