JP2015233187A - 電子機器、電子機器の制御方法及びプログラム - Google Patents

電子機器、電子機器の制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの目的に沿った最適なタイミングで位置情報を取得する。【解決手段】電子機器の一例であるデジタルカメラ100は、GPS受信機を含む測位部110を有し、撮影モードでの起動と再生モードでの起動が可能となっている。撮影モードと再生モードのいずれで起動するかが選択された状態でデジタルカメラ100を起動したときに、デジタルカメラ100の初期化処理を、カメラ機能を優先するか測位部110による位置情報の取得を優先するかに応じた変更する。例えば、デジタルカメラ100を撮影モードで起動したときに、カメラ機能よりも測位部110による位置情報を取得を優先する場合には、1枚の画像撮影が可能な状態とする初期化を行った後に、測位部110の初期化を行い、続いて、2枚目以降の撮影が可能か否かに関する情報を取得する処理を行う。【選択図】図10

Description

本発明は、測位手段を備える電子機器、電子機器の制御方法及びプログラムに関し、特に、電子機器の起動時に、電子機器の動作モードに応じて測位装置による位置情報の取得方法を適正に行う技術に関する。
近年、デジタルカメラ等の撮像装置として、GPS機能を搭載したものが普及しており、このような撮像装置では、撮影した画像に撮影者の現在の位置情報を付加して記憶することができるようになっている。また、画像に付加された位置情報に基づいて、撮影者の撮影地点の軌跡を画像と共に地図上にプロットすることが可能なアプリケーションソフト等が提供されており、ソフトウェアとGPS機能とを組み合わせた新たな写真の楽しみ方が提案されている。
GPS機能は、デジタルカメラに搭載されたGPS受信機が、GPS衛星から発せられる時報と軌道情報を受信し、GPS受信機自体の現在位置を測位することで実現される。軌道情報には、地球の周りを回る全てのGPS衛星の軌道情報(アルマナックデータ)と、衛星自身の正確な位置情報と信号を発した時刻(エフェメリスデータ)の2種類があり、それぞれ、1週間に1回、1時間に1回更新される。GPS受信機は、測位を完了する度にこれらのデータを保持しておいて、次回の測位時に役立てる。つまり、GPS受信機が測位を開始する際に、アルマナックデータとエフェメリスデータの両者が有効期間内であればホットスタートが可能になる。また、アルマナックデータのみが有効期間内であればウォームスタートが可能であり、アルマナックデータとエフェメリスデータの両者が有効期間外であれば、コールドスタートとなる。
GPS受信機の起動から測位結果が得られるまでの時間(TTFF:Time To First Fix)は、ホットスタートの場合には数秒程度である。しかし、TTFFは、コールドスタートとなる場合には数十秒から数分も掛かる場合が多く、測位環境によってはさらに長くなる場合がある。そのため、撮影する写真に位置情報を付加したいユーザは、撮像装置を起動しても、GPS受信機による位置情報の取得が完了するまで待たなければならず、そのために、決定的な撮影タイミングを逃す場合があった。
この問題を解決する方法の1つとして、測位性能を向上させるための測位補助情報を用いる方法が挙げられる。測位補助情報には、GPS衛星を補足しやすくするための軌道予測情報等が含まれ、測位補助情報をGPS受信機に転送した後に測位を開始することにより、測位性能を向上させることができる。具体例の1つとして、GPS受信機を内蔵する移動通信端末が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された移動通信端末では、GPS受信機が測位を開始する前に、無線通信によって予め測位補助情報を取得し、移動通信端末内の記憶部に格納している。そして、測位を行う際に記憶部から測位補助情報を読み出してGPS受信機に適用することで、TTFFの短縮を実現している。
国際公開第06/006463号
上記特許文献1に記載された手法では、記憶部から測位補助情報を読み出す処理が必要となるが、この読み出し処理は、移動通信端末内で実行される記憶部への他のアクセスと互いに排他の関係となる。具体的には、記憶部への他のアクセスが行われている間、測位補助情報を読み出す処理を開始することはできない。逆も同様である。そのため、処理の順序によっては測位補助情報の適用タイミングが遅れ、結果として測位結果が得られるまでに長い時間が必要になるおそれがある。
例えば、デジタルカメラのように撮影時に測位結果が必要な機器では、機器の起動後に可能な限り早く測位を完了するために、機器の起動と同時に測位を開始することが望まれる。しかし、撮影に関わる初期化処理を全面的に優先させると、初期化処理による記憶媒体へのアクセスのため、測位補助情報の読み出しが後回しになる。この結果、最終的に測位結果が得られるまでに時間を要し、位置情報を撮影画像と共に記憶したいと考えているユーザを待たせることになってしまう。逆に、撮影等に関わる初期化処理よりも測位に関わる初期化処理を全面的に優先させてしまうと、デジタルカメラ本来の撮影機能の初期化が遅れ、起動後に直ぐに撮影を行いたいと考えているユーザを待たせることになる。そこで、ユーザの目的に沿った最適なタイミングで測位補助情報を適用することが望まれるが、上記特許文献1には、各種の処理の優先度について、言及されていない。
本発明は、ユーザの目的に沿った最適なタイミングで位置情報を取得する電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る電子機器は、少なくとも2つの動作モードを有する電子機器であって、前記電子機器の位置情報を取得する測位手段と、前記少なくとも2つの動作モードから1つの動作モードを選択する選択手段と、前記電子機器の起動時に、前記選択手段により選択された動作モードに応じて第1の初期化処理と第2の初期化手段とを行う初期化手段とを備え、前記初期化手段は、前記第1の初期化処理を前記第2の初期化処理よりも優先して実行することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザの目的に沿った最適なタイミングで位置情報を取得することができる。これにより、ユーザは電子機器を目的に沿って快適に使用することができるようなり、使用感を高めることができる。
本発明の実施形態に係るデジタルカメラのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1のデジタルカメラの全体的な動作のフローチャートである。 図2のステップS204の撮影モード処理のフローチャートである。 デジタルカメラを撮影モード且つカメラモードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図2のステップS205の再生モード処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラを再生モード且つカメラモードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラを撮影モード且つカメラ優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図7のステップS707のGPS初期化処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラを再生モード且つカメラ優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラを撮影モード且つ測位優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラを再生モード且つ測位優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。 図1のデジタルカメラの起動設定を行うためのGUIの例を示す図である。 図1のデジタルカメラを再生モード且つカメラ優先モードで起動したときの図9の初期化処理の変形例のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に解説する。ここでは、測位装置を搭載した電子機器として、GPS受信機を搭載したデジタルカメラを取り上げることとするが、本発明はこれに限定されるものではない。
<デジタルカメラのハードウェア構成>
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100のハードウェア構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、測位部110、通信部120、表示部130、撮像部140、制御部150、操作部160、不揮発性メモリ170、揮発性メモリ175、電源部180及び記憶媒体190を備える。
測位部110は、GPS衛星からの各種情報を受信するGPS受信機等を含む。通信部120は、無線通信によってインターネット等と通信し、画像ファイルや映像ファイル、コマンド等の各種データの送受信を行う。GPSの測位補助情報は、通信部120を介してネットワーク上のサーバから取得することができる。表示部130は、具体的には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置からなる。撮像部140は、撮影レンズ、シャッタ、撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ等)、A/D変換器、バリア等から構成されており、被写体の光学像を画像データに変換する。制御部150は、不揮発性メモリ170に保存された後述のプログラムを揮発性メモリ175に展開し、デジタルカメラ100を構成する各部を制御することにより、デジタルカメラ100の全体的な動作を制御する。
操作部160は、ユーザからの各種操作を受け付ける各種のスイッチやボタン、タッチパネル等の操作部材からなる。操作部160の不図示のレリーズボタンが半押しされると(途中まで押し込まれると)シャッタスイッチ1(SW1)がオンし、全押しされると(最後まで押し込まれると)シャッタスイッチ2(SW2)がオンする。シャッタスイッチ1(SW1)がオンになると、被写体に対する合焦動作と露光条件の設定等の撮影準備処理が行われる。また、シャッタスイッチ2(SW2)がオンになると、撮像素子による撮影(光学像の電気信号への変換)から、撮影画像の画像処理、画像データの記憶媒体190への記憶に至る一連の撮影動作が行われる。
不揮発性メモリ170は、電気的に消去/記憶が可能なメモリであり、例えば、EEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ170には、制御部150の動作用の定数やプログラム等が記憶され、ここでのプログラムとは、制御部150が後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムを指す。揮発性メモリ175には、制御部150の動作用の定数や変数、不揮発性メモリ170から読み出したプログラム等が展開される。電源部180は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。記憶媒体190は、撮影画像の画像データを保存するメモリカード等の半導体メモリや、磁気ディスク等からなる。
<デジタルカメラ100の全体的動作>
図2は、デジタルカメラ100の全体的な動作のフローチャートである。図2のフローチャートに示す各処理は、制御部150が不揮発性メモリ170に記憶された所定のプログラムを揮発性メモリ175に展開し、デジタルカメラ100の各部を制御することによって実現される。
操作部160の電源スイッチが操作されてデジタルカメラ100の電源がオン(ON)に切り替わると、ステップS201において制御部150は、フラグや制御変数等を初期化する初期設定処理を行う。続くステップS202において制御部150は、操作部160のモード切り替えスイッチの設定位置を検出することにより、画像撮影を行う撮影モードであるか否かを判定する。制御部150は、撮影モードに設定されていない場合(S202でNO)、処理をステップS203へ進め、撮影モードに設定されている場合(S202でYES)、処理をステップS204へ進める。ステップS204において制御部150は、撮影モード処理を行う。なお、撮影モード処理の詳細については後述する。制御部150は、ステップS204の処理の終了後に、処理をステップS207へ進める。
ステップS203において制御部150は、記憶媒体190に記憶された画像を再生表示する再生モードであるか否かを判定する。制御部150は、再生モードに設定されている場合(S203でYES)、処理をステップS205へ進め、再生モードに設定されていない場合(S203でNO)、処理をステップS206へ進める。ステップS205において制御部150は、再生モード処理を行う。なお、再生モード処理の詳細については後述する。制御部150は、ステップS205の処理の終了後に、処理をステップS207へ進める。
ステップS206では、デジタルカメラ100は、撮影モードでも再生モードでもないその他のモードに設定されていることになる。そのため、ステップS206において制御部150は、設定されているその他のモードの処理を行い、その後、処理をステップS207へ進める。なお、その他のモードとしては、記憶媒体190に格納された画像ファイル等の送受信を行う通信モード等が挙げられる。また、上記説明から明らかな通り、デジタルカメラ100は、撮影モードと再生モードの少なくとも2つの動作モードを有する。
ステップS207において制御部150は、操作部160の電源スイッチがオフ(OFF)であるか否かを判定する。制御部150は、電源スイッチがオンのままである場合(S207でNO)、処理をステップS202へ戻し、電源スイッチがオフになっている場合(S207でYES)、処理をステップS208へ進める。ステップS208において制御部150は、終了処理を行う。この終了処理としては、表示部130の表示を終了状態に変更し、撮像部140のレンズバリアを閉じて撮像部140全体を保護する処理が挙げられる。また、終了処理には、フラグや制御変数等を含むパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ170に記憶し、電源供給が不要な部分への電源を遮断する処理等がある。このような終了処理の完了によって、デジタルカメラ100は動作を停止する。
なお、ここでは、電源スイッチによりデジタルカメラ100の電源がオンになった後に、モード切り替えスイッチの設定位置を検出することにより、撮影モードか、再生モードか又はその他のモードであるかを検出した。これに限られず、操作部160の再生ボタンが押下されると、再生ボタンがデジタルカメラ100の電源をオンして再生モードで起動し、電源ボタンが押下されると、再生モード以外のモード(撮影モード又はその他のモード)で起動する構成とすることもできる。この場合、制御部150は、ステップS203の判定をスキップすることができる。
<ステップS204:撮影モード処理>
図3は、ステップS204の撮影モード処理のフローチャートである。撮影モード処理の開始となるステップS301において制御部150は、表示部130にスルー表示を行う。続くステップS302において制御部150は、電源部180(バッテリ)の残容量と記憶媒体190の有無を確認し、デジタルカメラ100の動作に支障(問題)があるか否かを判定する。ここでは、電源部180に十分な残量があり、且つ、記憶媒体190がセットされており、記憶容量に所定の空き容量(例えば、画像1枚分の画像データを格納可能な容量)がある場合に、デジタルカメラ100の動作に支障はないと判定するものとする。制御部150は、動作に支障がない場合(S302でYES)、処理をステップS304へ進め、動作に支障がある場合(S302でNO)、処理をステップS303へ進める。
ステップS303において制御部150は、表示部130等を介して画像や音声による警告処理を行う。その後、制御部150は処理をステップS304へ進める。ステップS304において制御部150は、撮影モード初期化処理を行う。このステップS304の撮影モード初期化処理の詳細については後述する。続いて、ステップS305において制御部150は、ユーザにより操作部160の何らかの操作部材が操作されたか、つまり、操作部160を通して何らかの入力(指示)があったか否かを判定する。制御部150は、操作部160が操作された場合(S305でYES)、処理をステップS306へ進め、操作部160が操作されていない場合(S305でNO)、ステップS305の判定を繰り返して、ユーザからの指示を待つ。
ステップS306において制御部150は、ステップS305での操作部160の操作がシャッタスイッチ1(SW1)をオンにする操作(レリーズボタンの半押し操作)であるか否かを判定する。制御部150は、シャッタスイッチ1(SW1)がオンとなった場合(S306でYES)、処理をステップS307へ進め、シャッタスイッチ1(SW1)がオフのままである場合(S306でNO)、処理をステップS313へ進める。
ステップS307において制御部150は、被写体に対する測距処理を行って撮像部140の撮影レンズの焦点を被写体に合わせると共に、測光処理を行って絞り値とシャッタ時間を決定する。なお、制御部150は、必要であれば、測光処理においてストロボ撮影を行うための各種の設定を行う。続いて、ステップS308において制御部150は、ユーザによりシャッタスイッチ2(SW2)がオンされたか(レリーズボタンの全押し半押し操作が行われたか)否かを判定する。制御部150は、シャッタスイッチ2(SW2)がオフのままである場合(S308でNO)、処理をステップS306へ戻す。これにより、シャッタスイッチ1(SW1)の押下が継続されているか否かが判定されることになる。制御部150は、シャッタスイッチ2(SW2)がオンとなった場合(S308でYES)、処理をステップS309へ進める。
ステップS309において制御部150は、撮影処理を行う。続いて、ステップS310において制御部150は、ステップS309で撮影した画像データを表示部130にレビュー表示する。続くステップS311において制御部150は、撮影した画像データを画像ファイルとして記憶媒体190に書き込む記憶処理を行う。そして、ステップS312において制御部150は、表示部130にスルー表示を行う。その後、次の撮影操作に備えるために、制御部150は、処理をステップS305へ戻す。
ステップS313において制御部150は、ユーザにより操作部160の終了ボタンが押下されたか否かを判定する。制御部150は、終了ボタンが押下された場合(S313でYES)、撮影モードを終了させる。これにより、処理は、図2のステップS207へ進められることになる。一方、制御部150は、終了ボタンが押下されていない場合(S313でNO)、処理をステップS314へ進める。ステップS314において制御部150は、シャッタスイッチ1(SW1)及び終了ボタン以外の入力に応じた処理(例えば、メニューボタンによる撮影メニュー表示等)を行う。その後、制御部150は、処理をステップS305へ戻す。
<ステップS304:撮影モード且つカメラモードでの初期化処理>
図1を参照して説明したように、デジタルカメラ100は測位部110を備えるが、デジタルカメラ100は、測位部110の機能を用いずに動作させることができる。本実施形態では、測位部110の機能を用いずにデジタルカメラ100を動作させるモードを、「カメラモード」と定義することとする。よって、撮影モード且つカメラモードでの初期化処理では、後述するGPS関連処理を行わない。
例えば、操作部160に測位部110の機能のオン/オフを設定するための手段を設けておいて、測位部110の機能をオフにしておくことで、カメラモードを実現することができる。これに対して、撮影モードであっても、後述するカメラ優先モードと測位優先モードのいずれかである場合には、測位部110の機能はオンに設定されており、測位部110の機能を発揮させるための処理を後述の通りに行う。
図4は、デジタルカメラ100を撮影モード且つカメラモードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS401において制御部150は、記憶媒体190に記憶されている画像ファイル群のファイル名から、次に記憶する画像のファイル名に使用する番号を発番する。続くステップS402において制御部150は、記憶媒体190の記憶可能容量を検出する。続いて、ステップS403において制御部150は、ステップS403で検出した記憶可能容量に基づいて、撮影可能枚数を算出し、表示部130に表示する。
次に、ステップS404において制御部150は、発番処理、記録可能容量の検出結果に基づき、少なくとも1枚の画像を撮影可能であるか否かを判定する。制御部150は、撮影不能である場合(S404でNO)、処理をステップS405へ進め、撮影可能である場合(S404でYES)、本処理を終了させる。ステップS405において制御部150は、表示部130を介してユーザに対して画像や音声による警告処理を行い、その後、制御部150は本処理を終了させる。
なお、ステップS404における撮影可能か否かの判定は、ステップS401〜S403の各ステップでそれぞれ実施してもよい。例えば、制御部150は、ステップS401において発番不可能と判定することができる場合には、その時点で撮影不可能が確定するために、ステップS402,S403の処理を省いて、ステップS405の処理へ進むことができる。これにより、ユーザに対してより早く警告を発することが可能となる。
<ステップS205:再生モード処理>
図5は、ステップS205の再生モード処理のフローチャートである。撮影モード処理の開始となるステップS501において制御部150は、電源部180(バッテリ)の残容量と記憶媒体190の有無を確認する。制御部150は、電源部180に画像再生に必要な残量があり、且つ、記憶媒体190がセットされている場合(S501でYES)、処理をステップS503へ進める。一方、制御部150は、電源部180に画像再生に必要な残量がないか又は記憶媒体190がセットされていない場合(S501でNO)、処理をステップS502へ進める。
ステップS502において制御部150は、表示部130等を介して画像や音声による警告処理を行う。その後、制御部150は、処理をステップS503へ進める。ステップS503において制御部150は、再生モード初期化処理を行う。このステップS503で行われる再生モード初期化処理の詳細については後述する。
再生モード初期化処理の終了後のステップS504において制御部150は、ユーザにより操作部160の何らかの操作部材が操作されたか、つまり、操作部160を通して何らかの入力(指示)があったか否かを判定する。制御部150は、操作部160を通した入力があった場合(S504でYES)、処理をステップS505へ進め、操作部160を通した入力がない場合(S504でNO)、ステップS504の判定を繰り返して、ユーザからの指示を待つ。
ステップS505において制御部150は、操作部160の画像送りボタンが押下されたか否かを判定する。制御部150は、画像送りボタンが押下された場合(S505でYES)、処理をステップS506へ進め、画像送りボタンが押下されていない場合(S505でNO)、処理をステップS509へ進める。
ステップS506において制御部150は、次に表示する画像(次画像)を読み込む。なお、画像送りのボタンは対の方向で形成されており、その送り方向に応じて、次画像は、現在表示されている画像のファイル番号等の前のファイル番号等の画像になる場合と次のファイル番号等の画像になる場合とがある。続くステップS507において制御部150は、ステップS506で読み込んだ画像に対して撮影情報や属性情報等のファイル解析処理を行う。そして、ステップS508において制御部150は、次画像を表示部130に表示する。その際、ステップS507で解析した撮影情報等が、デジタルカメラ100の設定に応じて表示される構成とすることができる。また、ステップS507での解析結果に応じて、画像ファイルの一部が壊れていること等が発見された場合には、エラー表示を併せて行う構成とすることができる。ステップS508の後に、制御部150は、処理をステップS504へ戻す。
ステップS509において制御部150は、操作部160の消去ボタンが押下されたか否かを判定する。制御部150は、消去ボタンが押下された場合(S509でYES)、処理をステップS510へ進め、消去ボタンが押下されていない場合(S509でNO)、処理をステップS516へ進める。
ステップS510において制御部150は、選択された画像を消去(画像データの削除)を実行する。続くステップS511において制御部150は、消去後の画像の総枚数を検査し、総枚数が0枚であるか否かを判定する。制御部150は、画像の総枚数が0枚である場合(S511でYES)、処理をステップS512へ進め、画像の総枚数が1枚以上ある場合(S511でNO)、処理をステップS513へ進める。ステップS512において制御部150は、表示部130に再生する画像が無い旨のメッセージ表示等を行う。その後、制御部150は、処理をステップS504へ戻す。ステップS513,S514,S515の各処理の内容は、先に説明したステップS506,S507,S508の各処理の内容と同じであるため、ここでの説明を省略する。ステップS515の終了後、制御部150は、処理をステップS504へ戻す。
ステップS516において制御部150は、ユーザにより操作部160の終了ボタンが押下されたか否かを判定する。制御部150は、終了ボタンが押下された場合(S516でYES)、処理をステップS517へ進め、終了ボタンが押下されていない場合(S516でNO)、処理をステップS519へ進める。
ステップS517において制御部150は、検索管理リストを作成する。続いて、ステップS518において制御部150は、再生対象リストを作成する。その後、制御部150は、再生モードを終了させる。なお、検索管理リストの作成と再生対象リストの作成については、図6を参照して後述する再生モード初期化処理において詳細に説明する。
ステップS519において制御部150は、画像送りボタン、消去ボタン、終了ボタン以外の入力に応じた処理(例えば、マルチ再生への切り替え、メニューボタンによる再生メニュー表示等)を行う。ステップS519の処理後、制御部150は、処理をステップS504へ戻す。
<ステップS503:再生モード且つカメラモードでの初期化処理>
前述の通り、カメラモードでは、測位部110の機能を用いない。そのため、再生モード且つカメラモードでの初期化処理では、GPS関連処理を行わない。これに対して、再生モードであっても、後述するカメラ優先モードと測位優先モードのいずれかである場合には、測位部110の機能を発揮させるための処理を後述の通りに行う。
図6は、デジタルカメラ100を再生モード且つカメラモードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS601において制御部150は、記憶媒体190から初期画像情報(最初に再生表示する画像の情報)を取得する。初期画像情報の取得を再生対象リストと検索管理リストの作成よりも先に行うことで、再生モードに入ったときに初期画像を素早く表示することができるメリットがあり、再生モードでデジタルカメラ100を起動したユーザの要望に沿うことができる。なお、初期画像の一例としては、時系列的に最新の画像が挙げられる。
ステップS602において制御部150は、ステップS601での初期画像情報の取得が正しく行われたか否か、つまり、読み出し可能な初期画像があるか否かを判定する。制御部150は、読み出し可能な初期画像がない場合(S602でNO)、処理をステップS606へ進める。ステップS606において制御部150は、再生する画像が無い旨のメッセージ等を表示部130に表示し、その後、制御部150は、本処理を終了させる。なお、読み出し可能な初期画像がない場合とは、画像が1枚も記憶されていない場合や、記憶媒体190の不良等によって画像情報を取得することができない場合が挙げられる。
制御部150は、読み出し可能な少なくとも1枚の初期画像がある場合(S602でYES)、処理をステップS603へ進める。ステップS603において制御部150は、ステップS601で取得した初期画像情報に基づき、記憶媒体190から初期画像の読み込みを行う。続くステップS604において制御部150は、ステップS603で読み込んだ初期画像の撮影情報や属性情報等のファイル解析処理を行う。続いて、ステップS605において制御部150は、ステップS603で読み込んだ画像を表示部130に表示する。その際、ステップS604で解析した撮影情報等も、設定に応じて表示される構成とすることができる。また、ステップS604の解析結果に応じて、画像ファイルの一部が壊れていること等が判明した場合には、その旨がエラー表示として併せて表示される構成とすることもできる。
ステップS605の処理が終了すると、次に制御部150はステップS607において、記憶媒体190に保存されている画像ファイルに基づき、再生対象リストを作成する。再生対象リストとは、例えばファイル管理規格の1つであるDCF規格に従った再生機器では、DCFルートディレクトリのディレクトリエントリを解析して、その再生機器において再生可能な画像を予め取得し、管理するリストである。再生対象リストの作成が完了すると、ステップS608において制御部150は、検索管理リストを作成する。検索管理リストとは、画像の属性情報を予め取得して管理するリストである。検索管理リストを予め作っておくことにより、属性毎の再生や消去等の処理を素早く行うことが可能となる。ステップS608の処理が終了すると、制御部150は、本処理を終了させる。
<GPS関連処理を含めたデジタルカメラの起動シーケンス>
デジタルカメラ100の起動から終了までのカメラモードでの処理には、上記説明の通り、GPS関連処理が含まれていない。これに対して、以下では、デジタルカメラ100においてGPS関連処理を実行する動作モードであるカメラ優先モードと測位優先モードについて説明する。
<カメラ優先モード:撮影/再生処理をGPS関連処理よりも優先するモード>
デジタルカメラ100において、写真撮影や画像再生等のカメラ本来の機能をGPS関連処理よりも優先して実行するモードを、本実施形態では「カメラ優先モード」と定義する。カメラ優先モードでは、撮影モードと再生モードのそれぞれの初期化処理において、GPS関連処理よりも撮影/再生に関わる初期化処理を優先的に行う。つまり、カメラ優先モードは、デジタルカメラ100の本来の機能の起動を遅らせることなく、GPS受信機への測位補助情報の適用を行うことを可能とする起動モードである。
カメラ優先モードにおけるデジタルカメラ100の全体的な動作は図2のフローチャートに示した動作に準じ、また、カメラ優先モードにおける撮影モード処理及び再生モード処理はそれぞれ、図3,5のフローチャートに示した処理に準ずる。但し、ステップS304の撮影モード初期化処理及びステップS503の再生モード初期化処理のそれぞれの内容が、図4,6を参照して説明した内容と異なる。そこで、以下では、これらの相違点についてのみ説明することとし、同じ内容についての説明を省略する。
<ステップS304:撮影モード且つカメラ優先モードでの初期化処理>
図7は、デジタルカメラ100を撮影モード且つカメラ優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS701〜S705の処理の内容は、図4のステップS401〜S405の処理の内容と同じであるため、ここでの説明を省略する。制御部150は、ステップS704又はステップS705の処理が終了すると、処理をステップS706へ進める。ステップS706において制御部150は、測位部110のGPS受信機が起動済みであるか否かを判定する。制御部150は、GPS受信機が起動済みでない場合(S706でNO)、処理をステップS707へ進め、GPS受信機が起動済みである場合(S706でYES)、本処理を終了させる。ステップS707において制御部150は、図8を参照して次に説明するGPS初期化処理を行う。ステップS707の終了後に、制御部150は、本処理を終了させる。
図8は、ステップS707のGPS初期化処理のフローチャートである。ステップS801において制御部150は、測位部110のGPS受信機を起動する。続くステップS802において制御部150は、記憶媒体190に記憶されている測位補助情報ファイルのファイル情報を取得する。なお、測位補助情報ファイルは、測位部110にメモリを設け、このメモリに記憶されるように構成されていてもよいし、不揮発性メモリ170に記憶されるように構成されていてもよい。
続いて、ステップS803において制御部150は、ステップS802において取得したファイル情報から、測位補助情報ファイルの測位補助情報が有効であるか否かを判定する。制御部150は、測位補助情報が有効ではない場合(S803でNO)、処理をステップS807へ進め、測位補助情報が有効である場合(S803でYES)、処理をステップS804へ進める。
なお、有効な測位補助情報ではないと判定する場合とは、測位補助情報ファイルが存在しない場合や、測位補助情報ファイルを保存した記憶媒体190の不良等によってファイル情報を取得不可能な場合が挙げられる。また、測位補助情報ファイルのファイル情報が測位補助情報の有効期限切れを示している場合も、有効な測位補助情報ではないと判定される。一方、測位部110が測位補助情報の有効期間切れを自己判定することができる仕様とし、これに応じて、制御部150が測位補助情報の有効期間についての判定を行わずにステップS804へ進む構成としてもよい。これにより、有効期間に関する判定に掛かる処理時間を短縮することが可能になる。
ステップS804において制御部150は、ステップS802で取得したファイル情報に基づき、記憶媒体190から測位補助情報を読み込む。続くステップS805において制御部150は、ステップS804で読み込んだ測位補助情報を、測位部110のGPS受信機への転送用データへ変換する。そして、ステップS806において制御部150は、ステップS805で作成した転送用データをGPS受信機へ転送する。その後、制御部150は、処理をステップS807へ進める。
ステップS807において制御部150は、GPS受信機を測位モードへ遷移させる。これにより、GPS受信機は測位を開始する。このとき、ステップS806からステップS807へ進んだ場合には、転送用データ(つまり、測位補助情報)を用いて位置情報の取得が開始されるが、ステップS803の判定がNOとなってステップS807へ進んだ場合には、転送用データを用いずに位置情報の取得が開始される。ステップS807の終了により、GPS初期化処理は終了となる。
このように、デジタルカメラ100を撮影モード且つカメラ優先モードで起動したときには、撮影する画像に対する位置情報の付加が可能となる前であっても、起動後直ぐに撮影を行うことができる。そのため、起動後すぐに撮影を開始したいユーザにとって大きなメリットがある。
<ステップS503:再生モード且つカメラ優先モードでの初期化処理>
図9は、デジタルカメラ100を再生モード且つカメラ優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS901〜S908の処理の内容は、図6を参照して説明したステップS601〜S608の処理の内容と同じである。また、ステップS909,S910の処理の内容は、図7を参照して説明したステップS706,S707の処理の内容と同じである。更に、ステップS707のGPS初期化処理の内容は、図8のフローチャートを参照して説明した通りである。よって、各ステップのここでの詳細な説明を省略する。
デジタルカメラ100を再生モード且つカメラ優先モードで起動したときには、起動後すぐに撮影画像を再生し、閲覧することができるため、起動後すぐに記憶媒体190に記憶された画像の再生を開始したいユーザにとって大きなメリットがある。
<測位優先モード:GPS関連処理を撮影/再生処理よりも優先するモード>
デジタルカメラ100において、GPS関連処理を写真撮影や画像再生等のカメラ本来の機能よりも優先して実行するモードを、本実施形態では「測位優先モード」と定義する。測位優先モードでは、撮影モードと再生モードのそれぞれの初期化処理において、撮影/再生に関わる初期化処理よりもGPS関連処理を優先的に行う。つまり、測位優先モードは、デジタルカメラ100の起動後すぐにGPS受信機が測位を行うことを可能とする起動モードである。また、測位優先モードは、デジタルカメラ100の起動直後に、可能な限り早く測位結果が得られるようにGPS受信機への測位補助情報を適用すると共に、最低限の撮影/再生機能を提供することを可能にする起動モードである。
測位優先モードにおけるデジタルカメラ100の全体的な動作は図2のフローチャートに示した動作に準じ、また、測位優先モードにおける撮影モード処理及び再生モード処理はそれぞれ、図3,5のフローチャートに示した処理に準ずる。但し、ステップS304の撮影モード初期化処理及びステップS503の再生モード初期化処理のそれぞれの内容が、図4,6を参照して説明した内容と異なる。そこで、以下では、これらの相違点についてのみ説明することとし、同じ内容についての説明を省略する。
<ステップS304:撮影モード且つ測位優先モードでの初期化処理>
図10は、デジタルカメラ100を撮影モード且つ測位優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS1001の処理の内容は、図4のステップS401の処理の内容と同じであるので、ここでの説明を省略する。続いて、ステップS1002において制御部150は、図4のステップS402と同様に記憶媒体190の記憶可能容量を検査するが、ここでは、画像1枚分のデータ容量を探索した段階で処理を終了する。これにより、以降の処理において撮影に関わる初期化処理よりGPS関連処理を優先しても、少なくとも1枚の画像撮影が可能であることが保証され、カメラ本来の撮影機能の初期化が遅れてしまうことを回避することができる。
続くステップS1003,S1004の処理の内容は、図7のステップS706,S707の処理の内容と同じであるので、ここでの説明を省略する。なお、ステップS707のGPS初期化処理は、図8のフローチャートを参照して説明した通りである。
その後、2枚目以降の撮影が可能か否かに関する情報を取得するために、ステップS1005において制御部150は、記憶媒体190の記憶可能残容量(ステップS1002で検出した記憶可能容量を除いた記憶可能容量)を検出する。ステップS1006において制御部150は、ステップS1005で検出した記憶可能残容量に基づいて撮影可能枚数を算出し、表示部130に表示する。ステップS1007において制御部150は、ステップS1001の発番処理とステップS1002,1006の記憶可能容量の探索結果から、少なくとも1枚の画像撮影が可能であるか否かを判定する。制御部150は、撮影可能である場合(S1007でYES)、本処理を終了させ、撮影可能でない場合(S1007でNO)、処理をステップSS1008へ進める。ステップS1008において制御部150は、表示部130等を介して画像や音声により警告処理を行う。ステップS1008の処理により、本処理は終了となる。
このように、デジタルカメラ100を撮影モード且つ測位優先モードで起動することによって、起動直後に可能な限り早く位置情報を付加した画像を撮影したいというユーザの要望に応えることができる。
<ステップS503:再生モード且つ測位優先モードでの初期化処理>
図11は、デジタルカメラ100を再生モード且つ測位優先モードで起動したときの初期化処理のフローチャートである。ステップS1101〜S1106の処理の内容は、図6のステップS601〜S606の処理の内容と同じである。また、ステップS1107,S1108の処理の内容は、図7のステップS706,S707の処理の内容と同じである。なお、ステップS707のGPS初期化処理は、図8のフローチャートを参照して説明した通りである。更に、ステップS1109,S1110の処理の内容は、図6のステップS607,S608の処理の内容と同じであり、ステップS1110の処理の終了により、本処理は終了となる。そのため、各ステップの処理についてのここでの詳細な説明を省略する。
デジタルカメラ100を再生モード且つ測位優先モードで起動することによって、起動直後に再生モード起動して最新の撮影画像を1枚だけ確認した後、直ぐに撮影モードへ移行して、位置情報を付加した画像を撮影したいユーザの要望に応えることができる。
<デジタルカメラ100の起動設定のGUI>
図12は、デジタルカメラ100を撮影モード又は再生モードで起動する際に、上述したカメラ優先モードとするか測位優先モードとするかを設定するために表示部130に表示されるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の例を示す図である。
図12(a),(b)は、デジタルカメラ100の起動時にカメラ優先モードとするか測位優先モードとするかを設定するためのGUIの例である。デジタルカメラ100の背面には、表示部130に含まれるディスプレイ1202が設けられており、ディスプレイ1202に起動モードの選択画面が表示されている。なお、起動モードの選択画面は、例えば、操作部160のメニューボタンを押下することによって表示されるメニュー画面に対する操作によって表示させることができる。
選択画面内の選択項目1203は、カメラ機能と測位機能のどちらを優先して起動するかを設定するための欄であり、図12(a)にはカメラ優先モードが、図12(b)には測位優先モードがそれぞれ選択された状態が示されている。図12(a),(b)の選択項目1203で設定されたカメラ優先モード又は測位優先モードは、撮影モードで起動した場合と再生モードで起動した場合の双方に共通して適用される。
カメラ優先モード/測位優先モードの設定切り替えは、十字ボタン1201の左右ボタンの押下によって行うことができる。また、ディスプレイ1202にタッチパネルが設けられている場合には、選択項目1203の左右に表示されている三角矢印にタッチすることによっても、設定を切り替えることができる。図12(a)の状態で、例えば、右ボタンを押下すると、図12(b)に示すように、測位優先モードが選択されている状態に遷移する。
ディスプレイ1202には、選択項目1203において選択されているカメラ優先モード又は測位優先モードに応じて、現在選択しているモードにユーザにとってどのようなメリットがあるのかを通知するためのガイダンス欄1204が表示されている。ユーザは、ガイダンス欄1204に表示されたガイダンスに基づいて、カメラ優先モードと測位優先モードのどちらを選択した方がユーザ自身にとって便利かを容易に判断することができる。十字ボタン1201の中央のボタン(SETボタン)を押下することによって、カメラ優先モード/測位優先モードの設定が保存される。
図12(c)〜(f)は、デジタルカメラ100を撮影モードで起動したか又は再生モードで起動したかに応じて、カメラ優先モードと測位優先モードとを別々に設定可能とするGUIの例である。図12(c)〜(f)には、図12(a),(b)の選択項目1203に代えて、撮影モードでの起動モードを選択するための第1選択項目1205と、再生モードでの起動モードを選択するための第2選択項目1206の2つの欄が表示されている。第1選択項目1205は、デジタルカメラ100を撮影モードで起動した場合に、更にカメラ優先モードと測位優先モードのどちらのモードで起動するかを設定するための欄である。また、第2選択項目1206は、デジタルカメラ100を再生モードで起動した場合に、更にカメラ優先モードと測位優先モードのどちらのモードで起動するかを設定するための欄である。
図12(c)には第1選択項目1205でのカメラ優先モード/測位優先モードの設定切り替えが可能な状態が示されており、図12(d)には第2選択項目1206でのカメラ優先モード/測位優先モードの設定切り替えが可能な状態が示されている。第1選択項目1205と第2選択項目1206のそれぞれにおけるカメラ優先モード/測位優先モードの選択切り替え方法は、図12(a),(b)の選択項目1203での選択切り替えの方法に準ずる。また、図12(c)の状態で十字ボタン1201の下ボタンを押下することにより、図12(d)に示す状態へと遷移させることができる。逆に、図12(d)の状態で十字ボタン1201の上ボタンを押下することにより、図12(c)に示す状態へと遷移させることができる。なお、ディスプレイ1202にタッチパネルが設けられている場合には、第1選択項目1205の欄にタッチすることで、第1選択項目1205をカメラ優先モード/測位優先モードの選択切り替えが可能な状態とすることができる。また、第2選択項目1206の欄についても、同様の操作が可能である。
図12(c)〜(f)のそれぞれのガイダンス欄1204には、第1選択項目1205と第2選択項目1206のうちで選択切り替えが可能となっている項目において選択したモードに、ユーザにとってどのようなメリットがあるのかが表示される。
図12(c)〜(f)のように、撮影モードと再生モードのそれぞれについてカメラ優先モードとするか測位優先モードとするかを設定可能な構成とすることによって、より細かなユーザのニーズに応えることができる。例えば、撮影モードでの起動時には測位を優先したいが、再生モードでの起動時には画像の再生を優先して行いたいユーザは、第1選択項目1205では「測位」を選択し、第2選択項目1206では「カメラ」を選択すればよい。
<上記の実施形態の変形例>
上述の通り、カメラ優先モードと測位優先モードにはそれぞれのメリットがあるが、これらは相反するものであるため、1つの機能として同時に実現することは難しい。また、ユーザの目的によって利用したい形態が異なることが十分に想定されるため、どちらか一方のモードのみを採用した場合には、ユーザが限定されることになってしまう。そこで、上記実施形態では、ユーザの操作により、デジタルカメラ100を撮影モードで起動するか再生モードで起動するかに応じて、カメラ優先モードと測位優先モードとを切り替え可能な形態とした。
これに対して、カメラ優先モードと測位優先モードの選択を、ユーザが行うのではなく、デジタルカメラ100の起動時に、制御部150が自動的に行う仕様としてもよい。例えば、制御部150が、GPS受信機の状態に応じてカメラ優先モードと測位優先モードとを自動的に切り替える構成とすることができる。具体的には、測位により得られたエフェメリスデータとアルマナックデータを不揮発性メモリ170又は記憶媒体190に記憶しておく。そして、デジタルカメラ100の次の起動時に、制御部150は、エフェメリスデータの有効期間が切れていない場合にはホットスタートになるために測位に時間が掛からないとみなして、カメラ優先モードで起動することを決定する仕様とすることができる。逆に、エフェメリスデータとアルマナックデータの両方の有効期限が切れている場合にはコールドスタートになる。この場合、制御部150は、測位に時間が掛かるとみなして、測位優先モードで起動することを決定する仕様とすることができる。このとき、エフェメリスデータとアルマナックデータのそれぞれの有効期限の判定に日時情報等が必要であれば、それらの情報も不揮発性メモリ170又は記憶媒体190に記憶される構成としてもよい。これにより、ユーザによるカメラ優先モードと測位優先モードの選択の手間を省くことが可能になる。
また、図2乃至図11のフローチャートで説明した処理のうち、並行して実行することが可能な処理については、並行して実行される構成とすることができる。例えば、GPS初期化処理におけるGPS受信機の起動処理(ステップS801)は、記憶媒体190へのアクセスが発生しないため、他の起動処理と並行して実行することができる。
図13は、デジタルカメラ100を再生モード且つカメラ優先モードで起動したときの初期化処理(図9)の変形例を示すフローチャートである。図13のフローチャートでは、図9のステップS901〜908の処理と、ステップS909,910の処理とを並行して実行する。そのため、ステップS1301〜S1308の処理の内容は、図9のステップS901〜S908(図6のステップS601〜608)の処理の内容と同じである。また、ステップS1309の処理の内容は、図9のステップS909(図7のステップS706)の処理の内容と同じである。これらのステップS1301〜1309の処理の詳細についての説明は省略する。
制御部150は、ステップS1309においてGPS受信機が起動済みでない場合(S1309でNO)、処理をステップS1310へ進める。ステップS1310において制御部150は、GPS受信機の初期化処理を開始するが、ここで実行する処理は、図8のフローチャートに示したステップS801の処理(GPS受信機の起動)のみとする。
制御部150は、ステップS1310の終了後に、処理をステップS1311へ進める。また、制御部150は、ステップS1309においてGPS受信機が起動済みである場合(S1309でYES)、処理をステップS1311へ進める。更に、制御部150は、ステップS1308の終了によって、再生モードでの初期化処理が終了すると、処理をステップS1311へ進める。
制御部150は、再生モードに関わる初期化処理(S1301〜S1308)と、GPS受信機の起動に関わる処理(S1309,S1310)の終了の同期をとって、ステップS1311の処理を実行する。ステップS1311において制御部150は、GPS受信機が測位モードであるか否かを判定する。制御部150は、測位を開始している場合(S1311でYES)、本処理を終了させ、測位を開始していない場合(S1311でNO)、処理をステップS1312へ進める。ステップS1312において制御部150は、GPS初期化処理の残りの処理、つまり、図8のフローチャートに示したステップS802〜S807を行う。ステップS1312の終了により、本処理は終了となる。
このように、記憶媒体190へのアクセスを必要とする処理の実行中に、記憶媒体190へのアクセスに関わらない処理を並行して実行することにより、デジタルカメラ100の起動に掛かる全体的な時間を短縮することができる。よって、ユーザは、より早く位置情報を取得し、位置情報を付加した画像を撮影することが可能となる。
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、上記の実施形態では、本発明をデジタルカメラに適用して説明したが、本発明は、デジタルカメラに限られず、撮影機能と画像(映像)の再生機能の少なくとも一方の機能の有する各種の電子機器に適用することができる。例えば、PDA、携帯通信端末、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ等のGPSによる測位機能を搭載した他の電子機器に適用することができ、特に、起動時にGPSの初期化処理を行う電子機器では、本発明の効果を顕著に得ることができる。更に、携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤ、ゲーム機、電子ブックリーダ等の電子機器に対しても、本発明の適用が可能である。
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
100 デジタルカメラ
110 測位部
120 通信部
130 表示部
140 撮像部
150 制御部
160 操作部
170 不揮発性メモリ
175 揮発性メモリ
180 電源部
190 記憶媒体

Claims (16)

  1. 少なくとも2つの動作モードを有する電子機器であって、
    前記電子機器の位置情報を取得する測位手段と、
    前記少なくとも2つの動作モードから1つの動作モードを選択する選択手段と、
    前記電子機器の起動時に、前記選択手段により選択された動作モードに応じて第1の初期化処理と第2の初期化手段とを行う初期化手段とを備え、
    前記初期化手段は、前記第1の初期化処理を前記第2の初期化処理よりも優先して実行することを特徴とする電子機器。
  2. 前記少なくとも2つの動作モードには、画像撮影を行う撮影モードが含まれ、
    前記選択手段により前記撮影モードが選択されている場合に、前記第1の初期化処理は、画像撮影を可能にするための前記電子機器の初期化処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記少なくとも2つの動作モードには、画像撮影を行う撮影モードが含まれ、
    前記選択手段により前記撮影モードが選択され、且つ、前記画像撮影を前記測位手段の機能の使用よりも優先する場合に、前記第1の初期化処理は、前記画像撮影を可能にするための前記電子機器の初期化処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記少なくとも2つの動作モードは、記憶手段に記憶された画像を再生表示する再生モードを含み、
    前記選択手段により前記再生モードが選択されている場合に、前記第1の初期化処理は、前記画像を再生表示するための前記電子機器の初期化処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記少なくとも2つの動作モードは、記憶手段に記憶された画像の再生表示を行う再生モードを含み、
    前記選択手段により前記再生モードが選択され、且つ、前記画像の再生表示を前記測位手段の機能の使用よりも優先する場合に、前記第1の初期化処理は、前記画像を再生表示するための前記電子機器の初期化処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記初期化手段は、第3の初期化処理を実行し、
    前記第2の初期化処理が前記第3の初期化処理よりも優先して実行されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記少なくとも2つの動作モードは、画像撮影を行う撮影モードを含み、
    前記選択手段により前記撮影モードが選択され、且つ、前記測位手段の機能の使用を画像撮影よりも優先する場合に、前記第1の初期化処理は、少なくとも1枚の画像の撮影を可能にするための処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であり、前記第3の初期化処理は、2枚目以降の撮影が可能か否かに関する情報を取得する処理であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記少なくとも2つの動作モードは、記憶手段に記憶された画像の再生表示を行う再生モードを含み、
    前記選択手段により前記再生モードが選択され、且つ、前記測位手段の機能の使用を前記画像の再生表示よりも優先する場合に、前記第1の初期化処理は、初期画像を表示する処理であり、前記第2の初期化処理は、前記測位手段の初期化処理であり、前記第3の初期化処理は、前記再生表示が可能な画像に関する再生対象リストおよび検索管理リストを作成する処理であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  9. 前記測位手段の初期化処理は、前記測位手段の起動と、前記測位手段への測位補助情報の適用とを含むことを特徴とする請求項2乃至5,7,8のいずれか1項に記載の電子機器。
  10. 前記初期化手段は、前記第1の初期化処理と、前記測位手段の起動とを並行して実行することを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記電子機器を前記選択手段により選択された動作モードで起動したときに、前記選択された動作モードの機能を優先して起動するか前記測位手段の機能を優先して起動するかを、ユーザによる操作によって設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子機器。
  12. 前記電子機器を前記選択手段により選択された動作モードで起動したときに、前記選択された動作モードの機能を優先して起動するか前記測位手段の機能を優先して起動するかを決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子機器。
  13. 前記測位手段は、GPS受信手段であり、
    前記決定手段は、記憶手段に記憶されたエフェメリスデータの有効期間が切れていない場合に、前記選択された動作モードの機能を前記測位手段の機能よりも優先して起動することを決定することを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
  14. 前記測位手段は、GPS受信手段であり、
    前記決定手段は、記憶手段に記憶されたエフェメリスデータとアルマナックデータの両方の有効期限が切れている場合には、前記測位手段の機能を前記選択された動作モードの機能よりも優先して起動することを決定することを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
  15. 少なくとも2つの動作モードを有する電子機器の制御方法であって、
    前記少なくとも2つの動作モードから1つの動作モードを選択する選択ステップと、
    前記電子機器の起動時に、前記選択ステップで選択された動作モードで前記電子機器が動作するように前記電子機器を初期化する第1の初期化ステップと、
    前記第1の初期化ステップの後に、前記電子機器の位置情報を取得するために前記電子機器に設けられた測位手段の初期化処理とを行う第2の初期化ステップと、を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
  16. 少なくとも2つの動作モードで動作する電子機器に設けられたコンピュータが実行するプログラムであって、
    前記電子機器に、
    前記少なくとも2つの動作モードから1つの動作モードを選択する機能と、
    前記電子機器の起動時に、前記選択された動作モードで前記電子機器が動作するように前記電子機器を初期化する機能と、
    前記電子機器の位置情報を取得する機能とを実現させ、
    前記電子機器の初期化を前記位置情報の取得よりも優先して実行させることを特徴とするプログラム。
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