−第1の実施の形態−
以下に図面を用いて本発明の電子カメラについて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるデジタルカメラを含むカメラシステムの構成図である。図1に示すカメラシステムは、デジタルカメラ1、アクセスポイント2、サーバ装置3およびデジタルカメラ4によって構成される。アクセスポイント2とサーバ装置3は、インターネットを介して接続されている。
デジタルカメラ1は、ユーザの指示に応じて被写体を撮影し、得られた撮像画像を記録する電子カメラである。デジタルカメラ1は、アクセスポイント2と無線通信を行うための無線通信機能を有している。この無線通信により、アクセスポイント2およびインターネットを介して、デジタルカメラ1とサーバ装置3が接続される。また、デジタルカメラ1は、他のカメラであるデジタルカメラ4と無線通信を行うこともできる。デジタルカメラ1とデジタルカメラ4は、同様の構成を有している。なお、ここでは図1のカメラシステムに2台のデジタルカメラ1および4が含まれることとしたが、カメラシステムを構成するデジタルカメラの数はこれに限定されない。デジタルカメラ1の構成については、後で図2および図3を用いて詳細に説明する。
アクセスポイント2は、デジタルカメラ1を含む無線通信機能を備えた各種の機器がインターネット等のネットワークを利用して通信できるようにするための装置である。デジタルカメラ1とアクセスポイント2が無線通信を行うことにより、前述のようにデジタルカメラ1とサーバ装置3が接続される。
サーバ装置3は、撮像画像データベースを格納している。この撮像画像データベースには、デジタルカメラ1または4によって取得された撮像画像が、撮影時に検出された位置、方向および日時と関連付けて記録される。すなわち、サーバ装置3の撮像画像データベースは、様々なカメラによって取得された撮像画像を、その撮像位置、撮像方向および撮像日時と関連付けて記録する。なお、撮像位置、撮像方向および撮像日時を全て撮像画像と関連付けて記録するのではなく、このうちいずれか少なくとも1つを記録するようにしてもよい。こうして撮像画像と関連付けて記録される情報のことを、以下では関連情報と称する。
さらに、撮像位置、撮像方向および撮像日時以外でも、撮像画像に関係する情報であれば、それを関連情報として撮像画像と共にサーバ装置3の撮像画像データベースに記録してもよい。たとえば、撮像画像の撮影条件や、撮像画像に付加された文字情報などを、関連情報として記録することができる。なお、撮像画像の撮影条件としては、たとえば、撮影時のシャッター速度、絞り、ホワイトバランス、焦点距離、画角、使用撮影レンズ、合焦位置(カメラから主要被写体までの距離)、ライティング状態(フラッシュの使用状況)などを記録することができる。あるいは、複数種類の撮影条件を撮影状況に応じて組み合わせた各種のシーンモードをカメラにおいて予め設定しておき、いずれのシーンモードが撮影時に選択されたかを撮影条件としてデータベースに記録してもよい。一方、撮像画像に付加された文字情報としては、デジタルカメラ1または4において撮影時や送信時に入力された文字などを記録することができる。これ以外にも、撮像画像に関する様々な情報を関連情報としてサーバ装置3の撮像画像データベースに記録することができる。
なお、デジタルカメラ1により取得された撮像画像および上記のような関連情報を無線通信によりデジタルカメラ1からデジタルカメラ4へ送信して、デジタルカメラ4に装填されたメモリカードに記録させるようにしてもよい。このメモリカードには、デジタルカメラ4自身が取得した撮像画像とその関連情報も記録されている。すなわち、デジタルカメラ4には、サーバ装置3と同様の撮像画像データベースが記録されている。デジタルカメラ1についても、これと同様である。
次に、デジタルカメラ1の構成について説明を行う。図2は、デジタルカメラ1の外観を示す図である。図2の外観図において、デジタルカメラ1は、シャッターボタン11、電源ボタン12、ズームボタン13、再生ボタン14、メニューボタン15、削除ボタン16、ジョグダイヤル17、決定ボタン18、LAN(Local Area Network)アクセス用LED(Light Emitting Diode)19、ストロボ充電用LED20、AF(Auto Focus)用LED21、メモリアクセス用LED22、電源用LED23およびモニタ104を備える。
シャッターボタン11は、ユーザがデジタルカメラ1に対して撮影の指示などを行うための操作ボタンであり、半押し、全押しの2段階のスイッチを有する。シャッターボタン11が半押し操作されると、被写体に合わせてデジタルカメラ1の撮影レンズの焦点が調節される。シャッターボタン11が全押し操作されると、デジタルカメラ1において被写体が撮像され、取得された撮像画像が記録される。電源ボタン12は、ユーザがデジタルカメラ1のメイン電源をオンからオフに、またはオフからオンに切り替えるための操作ボタンである。ズームボタン13は、ユーザがデジタルカメラ1の撮影レンズの焦点距離を変化させる際などに使用する操作ボタンである。
再生ボタン14は、ユーザがデジタルカメラ1に画像データの再生指示などを行うための操作ボタンである。メニューボタン15は、ユーザがデジタルカメラ1に対してメニュー画面の呼び出し指示などを行うための操作ボタンである。削除ボタン16は、ユーザがデジタルカメラ1に装填されたメモリカードから画像データを削除する際などに用いられる操作ボタンである。
ジョグダイヤル17は、画面中のカーソルの移動指示などをユーザが行うための回転可能な操作部材である。決定ボタン18は、ユーザがメニュー画面において設定内容の決定などを行うための操作ボタンである。
LANアクセス用LED19は、デジタルカメラ1がアクセスポイント2と無線通信を行っているときなどに点灯する表示装置である。LANアクセス用LED19が点灯することにより、デジタルカメラ1が通信中であることをユーザに知らせることができる。ストロボ充電用LED20は、ストロボの充電中に点灯する表示装置である。ストロボ充電用LED20が撮影前に点灯することにより、ストロボ充電中であり撮影準備が完了していないことをユーザに知らせることができる。
AF用LED21は、AFの合焦状態をユーザに知らせるための表示装置である。メモリアクセス用LED22は、メモリアクセス状態のとき、すなわち、デジタルカメラ1に装填されたメモリカードにデータを書き込んでいるとき、および、メモリカードからデータを読み込んでいるときに点灯する表示装置である。電源用LED23は、デジタルカメラ1が電源投入状態のときに点灯する表示装置である。
モニタ104は、LCD(Liquid Crystal Display)等を用いたカラー表示装置であり、各種の画像を表示する。たとえば、モニタ104がスルー画像を表示することにより、モニタ104は撮影時のビューファインダとして用いられる。なお、スルー画像(スルー画)とは、後で説明する撮影モードや撮影支援モードなどの動作モードがデジタルカメラ1において設定されているときに、リアルタイムでモニタ104に表示される被写体の撮像画像である。さらに、モニタ104は、過去に取得した撮像画像の再生表示や、メニュー画面の表示等を行うこともできる。
図3は、デジタルカメラ1のブロック図である。このブロック図に示すように、デジタルカメラ1は、CPU101、圧縮/伸張回路102、表示ドライバ103、モニタ104、キー入力部105、無線LAN回路106、GPS(Global Positioning System)センサ107、モーションセンサ108、コンデンサ109、バッテリ110、ストロボ111、CCD(Charge Coupled Device)ドライバ112、CCD113およびメモリ114を有している。また、記録媒体であるメモリカード115が不図示のカードスロットに装填されている。
CPU101は、様々な処理や制御を実行するための回路であり、マイコン等を用いて構成される。圧縮/伸張回路102は、撮像画像データの圧縮/伸張を行う回路である。表示ドライバ103は、モニタ104に表示する映像をコントロールする駆動回路である。キー入力部105は、デジタルカメラ1に設けられたボタン、スイッチ、ダイヤル等の操作を検出する回路である。
無線LAN回路106は、無線で外部機器と通信するための通信回路である。この無線LAN回路106によってアクセスポイント2との間で無線通信を行うことにより、デジタルカメラ1がアクセスポイント2およびインターネットを介してサーバ装置3に接続される。また、無線LAN回路106は、デジタルカメラ4との間で無線通信を行うこともできる。
GPSセンサ107は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、CPU101へ出力する。このGPS信号に基づいて、CPU101において、現在の日時と、デジタルカメラ1の位置(すなわち、CCD113の位置)とが検出される。モーションセンサ108は、デジタルカメラ1の姿勢変化を、ピッチ、ヨー、ロールの各方向について検出する。なお、デジタルカメラ1において光軸を水平方向に向けたときに、ピッチ方向の姿勢変化は、その光軸と水平に直交する軸回りの姿勢変化、すなわち仰角の変化を表し、ヨー方向の姿勢変化は、その光軸と垂直に直交する軸回りの姿勢変化、すなわち方位角の変化を表している。また、ロール方向の姿勢変化は、光軸回りの姿勢変化、すなわちデジタルカメラ1の傾きの変化を表している。
コンデンサ109は、バッテリ110からの電力を受けて充電し、ストロボ111の発光に使用する。また、緊急時のバックアップ電源としてカメラの駆動に使用する。バッテリ110は、デジタルカメラ1を動作させるために必要な電力を供給するリチウムイオン充電池等の電源である。
ストロボ111は、被写体に補助光を照射することにより暗い環境でも撮影を可能にする。CCDドライバ112は、CCD113を駆動するための回路である。CCD113は、撮影レンズを介した被写体像を撮像するための撮像素子である。CCD113によって被写体像が撮像されると、CCD113からCCDドライバ112へ撮像信号が出力される。この撮像信号は、CCDドライバ112において撮像画像データに変換された後、CPU101へ出力される。
メモリ114は、不揮発性の半導体メモリであり、CPU101が実行する制御に用いるためのプログラムやデータ等を記憶している。メモリカード115には、CPU101の制御により、デジタルカメラ1によって取得された撮像画像などが記録される。
続いて、デジタルカメラ1の動作について説明する。デジタルカメラ1は、被写体を撮像して撮像画像を取得するための撮影モードを含む様々な動作モードをユーザの操作に応じて設定することができる。
撮影モードが設定されている場合、デジタルカメラ1は、被写体の撮影を行う前には、CCD113によって撮像された被写体の像に基づいて、前述したようにスルー画像を取得し、モニタ104に表示する。シャッターボタン11をユーザが操作することによって撮影指示が行われると、デジタルカメラ1はその撮影指示に応じて、被写体を撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像をメモリカード115に記録する。
メモリカード115に撮像画像を記録する際、デジタルカメラ1は、前述の様々な内容による関連情報を撮像画像と共に記録する。この関連情報は、撮像画像のメタ情報として撮像画像に付加され、メモリカード115に記録される。こうして関連情報が撮像画像のメタ情報として付加されることにより、撮像画像と関連情報の内容とが関連付けてメモリカード115に記録される
なお、撮像画像のメタ情報として記録される関連情報のうち、撮像位置および撮像日時は、前述のように撮影時にGPSセンサ107によって受信されたGPS信号に基づいて検出される。また、撮像方向は、撮影時にモーションセンサ108によって検出されたデジタルカメラ1の姿勢変化に基づいて検出される。すなわち、デジタルカメラ1の水平方向の向きを表す方位角と、デジタルカメラ1の鉛直方向の向きを表す仰角とを求めることにより、撮影時のデジタルカメラ1の方向(CCD113の向いている方向)が撮像方向として検出される。
メモリカード115に記録された撮像画像およびメタ情報は、ユーザの操作に応じて、無線LAN回路106によりデジタルカメラ1からサーバ装置3またはデジタルカメラ4へ送信される。サーバ装置3とデジタルカメラ4は、デジタルカメラ1から送信された撮像画像とメタ情報を受信し、これらを関連付けて記録する。
撮影モードにおいてスルー画像をモニタ104に表示する際に、デジタルカメラ1は、メモリカード115、サーバ装置3のデータベース、またはデジタルカメラ4のいずれかを撮像画像の検索先として選択する。この検索先の選択は、ユーザの指示に応じて行ってもよいし、デジタルカメラ1との接続状態に応じて自動的に行ってもよい。そして、選択された検索先において記録されている撮像画像の中から、現在のデジタルカメラ1の位置(カメラ位置)および方向(カメラ方向)に対応する撮像画像を検索する。こうして検索された撮像画像に基づいて、撮影に役立つ情報がスルー画像に重ねてモニタ104に表示され、ユーザに提示される。
なお、上記のようにして撮像画像を検索する際に、カメラ位置が固定である場合は、予めカメラ位置を設定しておくことでカメラ位置の検出を省略してもよい。また、デジタルカメラ1のメモリカード115を撮像画像の検索先として選択した場合は、現在のカメラ位置とあまり変わらない撮像位置で取得された撮像画像を検索対象とすることで、カメラ位置を用いずにカメラ方向のみによって撮像画像を検索することもできる。たとえば、現在から一定時間以内に取得された撮像画像や、最後に電源が投入されてから今までに取得された撮像画像を検索対象とすることができる。
デジタルカメラ4を撮像画像の検索先として選択した場合も、デジタルカメラ1とデジタルカメラ4が通信できる範囲が限られているため、上記と同様にして、カメラ位置を用いずカメラ方向のみによって撮像画像を検索することができる。
カメラ方向については、水平方向すなわち方位角のみを撮像画像の検索に利用してもよい。すなわち、垂直方向については全空間範囲を検索対象とすることができる。あるいは、水平方向に加えて、垂直方向すなわち仰角も利用して、撮像画像を検索してもよい。
カメラ位置とカメラ方向に加えて、現在の日時を撮像画像の検索条件に加えてもよい。すなわち、デジタルカメラ1において検出されたカメラ位置およびカメラ方向に対応する撮像画像のうち、現在の日時とその撮像日時との差が所定の範囲内である撮像画像のみを検索対象とする。このようにすれば、古い撮像画像が検索されるのを回避することができる。なお、現在の日時ではなくユーザが指定した日時を基準にして撮像画像の検索対象範囲を決定してもよい。
サーバ装置3のデータベースを撮像画像の検索先に選択した場合は、デジタルカメラ1において検出されたカメラ位置およびカメラ方向の情報が、アクセスポイント2およびインターネットを介してサーバ装置3へ送信される。また、サーバ装置3のデータベースから抽出された情報は、インターネットおよびアクセスポイント2を介してデジタルカメラ1へ送信される。一方、デジタルカメラ4を検索先に選択した場合は、これらの情報がデジタルカメラ1とデジタルカメラ4の間で直接に送受信される。
なお、サーバ装置3のデータベースを撮像画像の検索先に選択した場合は、ユーザが自分で取得した撮像画像を検索対象から除外するようにしてもよいし、除外しないこととしてもよい。除外した場合は、デジタルカメラ4によって撮影され、サーバ装置3に送信されてデータベースに記録された撮像画像の中から、デジタルカメラ1が検出したカメラ位置およびカメラ方向に対応する撮像画像が検索される。一方、除外しなかった場合は、デジタルカメラ1と4のいずれかによって撮影され、サーバ装置3に送信されてデータベースに記録された撮像画像の中から、デジタルカメラ1が検出したカメラ位置およびカメラ方向に対応する撮像画像が検索される。
また、サーバ装置3のデータベースを撮像画像の検索先に選択した場合は、デジタルカメラ1とデジタルカメラ4の機種や構成が同じ場合にのみ、デジタルカメラ4で取得されてサーバ装置3に記録された撮像画像を検索対象に含めるようにしてもよい。ここでいう構成とは、撮影レンズやフラッシュの種類などである。すなわち、サーバ装置3のデータベースに記録された撮像画像のうち、デジタルカメラ1と機種および構成の少なくともいずれか一つが一致するカメラによる撮像画像のみを検索し、それ以外のカメラによる撮像画像は検索しない。こうすることにより、デジタルカメラ1で撮影する際に、機種や構成が異なるカメラで撮影されたあまり参考とはならない撮像画像を検索対象から除外することができる。なお、こうした検索を行う場合は、撮像したカメラの機種や構成が分かるように、機種および構成の少なくともいずれか一つを表す情報を撮像画像と関連付けて記録しておくことが好ましい。
さらに上記と同様の理由により、デジタルカメラ1とデジタルカメラ4の機種および構成の少なくともいずれか一つが一致する場合にのみ、デジタルカメラ4を撮像画像の検索先として選択できるようにしてもよい。すなわち、デジタルカメラ1と無線通信により接続可能なカメラに記録された撮像画像のうち、デジタルカメラ1と機種および構成の少なくともいずれか一つが一致するカメラによる撮像画像のみを検索し、それ以外のカメラによる撮像画像は検索しないことができる。
図4は、撮影モードが設定されたときにモニタ104に表示される画面の例である。撮影モードにおいてシャッターボタン11が押されていないときには、このような画面が表示される。
図4の画面では、スルー画像に重ねて、撮像画像を縮小したサムネイル画像31および32が表示されている。このサムネイル画像31、32は、いずれも前述のようにして検索された撮像画像を縮小した画像である。すなわち、メモリカード115、サーバ装置3のデータベース、またはデジタルカメラ4のうちで撮像画像の検索先に選択されたものから検索された撮像画像であって、その撮像位置と撮像方向がデジタルカメラ1において検出されたカメラ位置およびカメラ方向に対応する撮像画像に基づいて、サムネイル画像31、32が表示される。なお、画面中におけるサムネイル画像31および32の表示位置は、当該撮像画像が取得されたときの撮像位置および撮像方向に応じて決定される。
図4のように、サムネイル画像31、32をスルー画像に重ねて表示することにより、ユーザは、その方向に向けて撮影を行うとどのような撮像画像が取得できるかを撮影前に知ることができる。このようにしてデジタルカメラ1は、カメラ位置とカメラ方向に応じた情報をモニタ104に表示して、撮影に役立つ情報をユーザに提供する。
なお、検索された撮像画像に基づくサムネイル画像以外の情報をスルー画像に重ねてモニタ104に表示してもよい。たとえば、撮影画像の撮影条件や、撮像画像に付加された文字情報などを表示することができる。これらの情報は、検索された撮像画像にメタ情報として付加された関連情報に含まれている。すなわち、検索された撮像画像を縮小した画像、検索された撮像画像の撮影条件、および検索された撮像画像に付加された文字情報のうち、いずれか少なくとも一つを撮影に役立つ情報としてモニタ104に表示し、ユーザに提供することができる。
デジタルカメラ1は、撮影モードにおいて以上説明したような処理を実行することにより、メモリカード115、サーバ装置3のデータベース、またはデジタルカメラ4のうちで撮像画像の検索先に選択されたものに記録されている撮像画像の中から、カメラ方向に対応する撮影画像を検索する。そして、検索された撮像画像に基づいて、撮影に役立つ情報をユーザに提供する。図5は、このときの処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101によって実行される。以下、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS10では、CCD113からの撮像信号に基づく撮像画像データをCCDドライバ112から受信して、被写体のスルー画像を取得する。ステップS20では、ステップS10で取得したスルー画像をモニタ104に表示する。
ステップS30では、カメラ位置の検出を行う。ここでは、GPSセンサ107により受信されたGPS信号に基づいてデジタルカメラ1の現在位置を検出することで、カメラ位置を検出する。なお、前述のようにカメラ位置を予め設定していた場合や、カメラ位置を用いずに撮像画像を検索する場合は、ステップS30の処理を省略してもよい。
ステップS40では、カメラ方向の検出を行う。ここでは、モーションセンサ108により検出されたデジタルカメラ1の姿勢変化に基づいてデジタルカメラ1が向いている方向を検出することで、カメラ方向を検出する。
ステップS50では、日時の検出を行う。ここでは、GPSセンサ107により受信されたGPS信号に基づいて、現在の日時を検出する。あるいは、GPS信号ではなく、デジタルカメラ1に内蔵された時計を用いて現在の日時を検出してもよい。なお、前述のように現在の日時を撮像画像の検索条件に加えるのでなければ、ステップS50の処理を省略してもよい。
ステップS60では、メモリカード115、サーバ装置3のデータベース、またはデジタルカメラ4のいずれかを、撮像画像の検索先として選択する。この接続先の選択は、前述のようにユーザの指示に応じて、またはデジタルカメラ1との接続状態などに応じて行われる。
ステップS70では、ステップS30で検出したカメラ位置と、ステップS40で検出したカメラ方向と、ステップS50で検出した日時とに基づいて、ステップS60で選択した検索先から撮像画像を検索する。なお、上記のようにカメラ位置の検出や日時の検出を省略していた場合は、これらの情報は撮像画像の検索に用いられない。これにより、少なくとも現在のカメラ方向に応じた撮像画像がステップS70において検索される。
ステップS80では、ステップS70で検索された撮像画像のサムネイル画像をモニタ104に表示する。ここでは、ステップS20で表示したスルー画像に重畳して、サムネイル画像を表示する。これにより、図4のような画面が表示される。
ステップS90では、シャッターボタン11がユーザによって半押し操作されたか否かを判定する。半押し操作されていない場合はステップS100へ進み、半押し操作された場合はステップS110へ進む。なお、シャッターボタン11が半押し操作されると、前述のようにデジタルカメラ1の撮影レンズの焦点が被写体に合わせて調節され、CCD113による撮像が可能な状態となる。その後、シャッターボタン11が全押し操作されると、撮影が実行され、撮像画像が取得されてメモリカード115に記録される。
ステップS100では、ステップS80で表示したサムネイル画像のうち、同じサムネイル画像が所定時間以上モニタ104に表示されたか否かを判定する。同じサムネイル画像が所定時間以上表示された場合はステップS110へ進み、表示されていない場合はステップS10へ戻る。
ステップS110では、ステップS80で表示したサムネイル画像をモニタ104から消去し、サムネイル画像の表示を終了する。なお、図4のように複数のサムネイル画像を表示していた場合、ステップS90でシャッターボタンが半押し操作されたときには、全てのサムネイル画像を消去する。一方、ステップS100で同じサムネイル画像が所定時間以上モニタ104に表示されたときには、当該サムネイル画像のみを消去することが好ましい。ステップS110を実行したら、ステップS10へ戻って上記のような処理を繰り返す。
なお、ステップS110において、サムネイル画像を消去するのではなく、その表示を変化させるようにしてもよい。たとえば、半透明状に表示したり、大きさや色を変化させたりしてもよい。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、モーションセンサ108によって検出されたデジタルカメラ1の姿勢に基づいて、デジタルカメラ1の向いている方向をカメラ方向として検出する(ステップS40)。こうして検出されたカメラ方向に応じた情報をモニタ104に表示する(ステップS80)。このようにしたので、撮影に役立つ情報を撮影者に対して提供することができる。
(2)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、CCD113が被写体を撮像したときに検出された撮像方向を撮像画像と関連付けてメモリカード115に記録する。ステップS60においてメモリカード115を撮像画像の検索先として選択した場合、メモリカード115に記録されている撮像画像の中から、ステップS40で検出したカメラ方向に対応する撮像画像を検索し(ステップS70)、検索された撮像画像に基づく情報をモニタ104に表示する(ステップS80)。このようにしたので、デジタルカメラ1自身に記録されている撮像画像を用いて、カメラ方向に応じて撮影に役立つ情報を的確に提供することができる。
(3)デジタルカメラ1は、無線LAN回路106により、撮像画像と撮像方向とが関連付けて記録されているサーバ装置3と無線通信を介して接続する。ステップS60においてサーバ装置3のデータベースを撮像画像の検索先として選択した場合、サーバ装置3に記録されている撮像画像の中から、ステップS40で検出したカメラ方向に対応する撮像画像を検索し(ステップS70)、検索された撮像画像に基づく情報をモニタ104に表示する(ステップS80)。このようにしたので、サーバ装置3のデータベースに記録されている撮像画像を用いて、カメラ方向に応じて撮影に役立つ情報を的確に提供することができる。
(4)サーバ装置3には、デジタルカメラ1とデジタルカメラ4を含む複数の電子カメラより送信された撮像画像が記録されている。ステップS70でサーバ装置3のデータベースから撮像画像を検索する際には、デジタルカメラ1を除いた他の電子カメラの撮像画像を検索することができる。このようにしたので、デジタルカメラ1のユーザが過去に撮像していない場所や方向についても、撮影に役立つ情報を提供することが出来る。
(5)デジタルカメラ1は、無線LAN回路106により、CCD113が被写体を撮像したときに検出された撮像方向と、その撮像によって取得された撮像画像とをサーバ装置3に送信する。これにより、撮像画像と撮像方向とを関連付けてサーバ装置3のデータベースに記録させる。このようにしたので、サーバ装置3のデータベースにおいて、デジタルカメラ1により取得された撮像画像を撮像方向と関連付けて記録することができる。
(6)デジタルカメラ1は、無線LAN回路106により、撮像画像と撮像方向とが関連付けて記録されているデジタルカメラ4と無線通信を介して接続する。ステップS60においてデジタルカメラ4を撮像画像の検索先として選択した場合、デジタルカメラ4により取得されて撮像方向と関連付けて記録されている撮像画像の中から、ステップS40で検出したカメラ方向に対応する撮像画像を検索し(ステップS70)、検索された撮像画像に基づく情報をモニタ104に表示する(ステップS80)。このようにしたので、デジタルカメラ1以外の他の電子カメラに記録されている撮像画像を用いて、カメラ方向に応じて撮影に役立つ情報を的確に提供することができる。
(7)なお、ステップS70でサーバ装置3のデータベースまたはデジタルカメラ4から撮像画像を検索する場合、機種および構成の少なくともいずれか一つがデジタルカメラ1と一致する電子カメラの撮像画像を検索するようにしてもよい。このようにすれば、デジタルカメラ1で撮影する際に、機種や構成が異なるカメラで撮影されたあまり参考とはならない撮像画像を検索対象から除外することができる。
(8)ステップS80では、撮影に役立つ情報として、ステップS70で検索された撮像画像を縮小したサムネイル画像をモニタ104に表示する。あるいは、ステップS70で検索された撮影画像の撮影条件や、ステップS70で検索された撮像画像に付加された文字情報などを、撮影に役立つ情報として表示することもできる。このようにしたので、撮影の際に参考となる様々な情報を撮影者に提供することができる。
(9)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、GPSセンサ107によって受信されたGPS信号に基づいて、デジタルカメラ1の位置をカメラ位置として検出する(ステップS30)。そして、ステップS60で選択した検索先に記録されている撮像画像の中から、ステップS40で検出したカメラ方向とステップS30で検出したカメラ位置とに対応する撮像画像を、ステップS70において検索する。このようにしたので、カメラ位置が様々に変化する場合でも、カメラ位置に対応する撮像画像を的確に検索することができる。
(10)また、デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、GPSセンサ107によって受信されたGPS信号などに基づいて、現在の日時を検出する(ステップS50)。ステップS70では、ステップS60において選択した検索先に記録されている撮像画像の中から、ステップS50で検出した日時と撮像日時との差が所定範囲内である撮像画像を検索することができる。このようにしたので、デジタルカメラ1で撮影する際にあまり参考とはならない古い撮像画像が検索されるのを回避することができる。
(11)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、シャッターボタン11が半押し操作された否かを検出する(ステップS90)と共に、同じサムネイル画像が所定時間以上表示されたか否かを判定する(ステップS100)。このいずれかの判定条件を満たしたときに、撮影に役立つ情報としてステップS80で表示したサムネイル画像の表示を変化させる(ステップS110)。このようにしたので、状況の変化に応じて情報の表示を変化させることができる。
(12)デジタルカメラ1は、CCD113により撮像された被写体のスルー画をモニタ104に表示する(ステップS20)。ステップS80では、このスルー画に重畳して、検索された撮像画像に基づく情報を表示する。このようにしたので、撮影者がスルー画と共に情報を確認できるため、撮影を容易に行うことができる。
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態による電子カメラについて説明する。本実施形態では、撮像画像を取得すべき撮像対象方向を設定し、カメラ方向が撮像対象方向に対応する場合には、撮像画像の取得を撮影者に対して指示する。これにより、カメラ方向に応じた撮影に役立つ情報を撮影者に対して提供する。なお、本実施形態による電子カメラを実現するためのカメラシステムの構成は、図1と同様である。また、本実施形態による電子カメラの構成は、図2および図3と同様である。したがって以下の説明では、図1〜3に示した構成を用いて、本実施形態の説明を行う。
図6は、本実施形態のデジタルカメラ1において撮影モードが設定されたときにモニタ104に表示される画面の例である。撮影モードにおいてシャッターボタン11が押されていないときには、このような画面が表示される。図6の画面では、スルー画像に重ねて、撮像対象方向の範囲を示す枠33が表示されている。これにより、撮影すべき方向が撮影者に対して指示される。
なお、図6の画面例では撮像対象方向の範囲を示す枠33が表示されているが、代わりに撮像対象方向であることを説明する文字情報や、撮影の際に見本となるような撮像画像などを表示してもよい。見本の撮像画像は、第1の実施の形態で撮像画像を検索した場合と同様に、カメラ位置やカメラ方向に応じて、メモリカード115、サーバ装置3のデータベース、またはデジタルカメラ4から検索することができる。
デジタルカメラ1は、撮影モードにおいて以上説明したような処理を実行することにより、撮像画像の取得を撮影者に対して指示する。図7は、このときの処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101によって実行される。以下、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS200では、図5のステップS10と同様に、CCD113からの撮像信号に基づく撮影画像データをCCDドライバ112から受信して、被写体のスルー画像を取得する。ステップS210では、図5のステップS20と同様に、ステップS200で取得したスルー画像をモニタ104に表示する。ステップS220では、図5のステップS30と同様に、カメラ位置を検出する。なお、後で説明するステップS230において、デジタルカメラ1において未撮影の方向を撮像対象方向に設定する場合は、ステップS220の処理を省略してもよい。
ステップS230では、撮像画像を取得すべき撮像対象方向を設定する。この撮像対象方向は、次の二つの方法のいずれかにより設定することができる。一つ目の方法では、デジタルカメラ1が過去に撮像画像を取得したときの撮像方向に基づいて、未撮影の方向を撮像対象方向に設定する。なお、過去に撮像画像を取得したときの撮像方向は、前述のようにメタ情報として撮像画像に関連付けてメモリカード115に記録されている。この方法によれば、たとえば未撮影の方向を自動的に撮像対象方向に設定できるため、現在地点の周囲を撮影したい場合などに適している。
二つ目の方法では、ステップS220で検出したカメラ位置に基づいて、予め設定された撮像対象地点の方向を算出し、その方向を撮像対象方向に設定する。この方法によれば、撮影したい場所を旅行前などに地図上で予め指定しておくことで、その場所を確実に撮影することができる。なお、撮像対象地点の情報は、デジタルカメラ1においてメモリ114またはメモリカード115により記憶することができる。ユーザは、デジタルカメラ1を操作して撮像対象地点を設定してもよいし、コンピュータ等で設定した撮像対象地点の情報をデジタルカメラ1に転送してもよい。あるいは、他のユーザが設定した撮像対象地点の情報を、無線LAN回路106により無線通信を介して接続されたサーバ装置3またはデジタルカメラ4から取得してもよい。
上記のいずれかの方法により撮像対象方向を設定したら、次のステップS240では、カメラ方向を検出する。このカメラ方向の検出方法は、図5のステップS40と同様である。
ステップS250では、ステップS240で検出したカメラ方向が、ステップS230で設定した撮像対象方向に対応するか否かを判定する。カメラ方向が撮像対象方向に対応する場合、すなわち両方向が同じか一定の範囲内にある場合はステップS260へ進み、そうでない場合はステップS200へ戻る。なお、ここではカメラ方向と撮像対象方向が完全に一致していなくてもよい。カメラ方向と撮像対象方向との差が所定の角度範囲内、たとえばスルー画像の画角内であれば、カメラ方向が撮像対象方向に対応していると判定する。
ステップS260では、撮像指示範囲をモニタ104に表示する。ここでは、ステップS210で表示したスルー画像に重畳して撮像指示範囲を表示する。これにより、図6のような画面が表示され、撮像対象方向が撮影者に対して報知される。なお、複数回の撮影を行うように設定されている場合は、その回数すなわち取得すべき撮像画像の枚数を撮像指示範囲と共に表示してもよい。
ステップS270では、シャッターボタン11がユーザによって全押し操作されたか否かを判定する。全押し操作されていない場合はステップS200へ戻り、全押し操作された場合はステップS280へ進む。なお、シャッターボタン11が全押し操作されると、撮影が実行され、CCD113により取得された撮像画像がメモリカード115に記録される。
ステップS280では、ステップS260で表示した撮像指示範囲をモニタ104から消去する。これにより、撮影を行って撮像画像を取得した方向に対しては、撮像指示範囲の表示を終了する。なお、前述のように複数の撮影回数が設定されて撮像指示範囲と共に表示されている場合は、撮像指示範囲の表示を終了する代わりに、撮影回数すなわち取得すべき撮像画像の枚数を1つ減少させることが好ましい。ステップS280を実行したら、ステップS200へ戻って上記のような処理を繰り返す。
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、モーションセンサ108によって検出されたデジタルカメラ1の姿勢に基づいて、デジタルカメラ1の向いている方向をカメラ方向として検出する(ステップS240)。こうして検出されたカメラ方向に応じた情報をモニタ104に表示する(ステップS260)。このようにしたので、撮影に役立つ情報を撮影者に対して提供することができる。
(2)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、撮像対象方向を設定し(ステップS230)、ステップS240で検出したカメラ方向が撮像対象方向に対応するか否かを判定する(ステップS250)。ステップS260では、ステップS250の判定の結果を撮影に役立つ情報としてモニタ104に表示する。このようにしたので、撮影者が撮影したい方向を報知して確実に撮影させることができる。
(3)ステップS230では、メモリカード115に撮像画像と関連付けて記録されている撮像方向に基づいて、撮像対象方向を設定することができる。このようにしたので、未撮影の方向などを自動的に撮像対象方向に設定することができる。
(4)ステップS230ではまた、ステップS220で検出したカメラ位置に基づいて、予め設定された撮像対象地点の方向を撮像対象方向に設定することもできる。このようにしたので、予め指定された撮像対象地点を確実に撮影するよう撮影者に対して指示することができる。
(5)ステップS230で撮像対象方向を設定する際には、他のユーザが設定した撮像対象地点の情報を、無線LAN回路106により無線通信を介して接続されたサーバ装置3またはデジタルカメラ4から取得することができる。このようにしたので、様々な撮像対象地点を自動的に設定することができる。
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施の形態による電子カメラについて説明する。本実施形態では、撮影に対する注目度を、カメラ方向を含む複数の方向について表示する。これにより、カメラ方向に応じた撮影に役立つ情報を撮影者に対して提供する。なお、本実施形態による電子カメラを実現するためのカメラシステムの構成は、図1と同様である。また、本実施形態による電子カメラの構成は、図2および図3と同様である。したがって以下の説明では、図1〜3に示した構成を用いて、本実施形態の説明を行う。
図8は、本実施形態のデジタルカメラ1において撮影モードが設定されたときにモニタ104に表示される画面の例である。撮影モードにおいてシャッターボタン11が押されていないときには、このような画面が表示される。図8の画面では、スルー画像に重ねて、方向ごとの注目度が符号34に示すグラフにより表示されている。この注目度グラフ34において、バーグラフ35はカメラ方向の撮影準備回数、すなわちシャッターボタン11が半押し操作されて撮影レンズの焦点調節が行われた回数を表している。また、バーグラフ36はカメラ方向の撮像回数、すなわちシャッターボタン11が全押し操作されて撮像画像が取得された回数を表している。同様に、バーグラフ37、38はそれぞれカメラ方向より左側に90°回転した方向の撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表しており、バーグラフ39、40はそれぞれカメラ方向より右側に90°回転した方向の撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表している。
図8の注目度グラフ34において、バーグラフ35、36は、カメラ方向を中心とした左右45°以内の範囲における撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表している。同様に、バーグラフ37、38は、カメラ方向より左側に90°回転した方向を中心とした左右45°以内の範囲における撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表しており、バーグラフ39、40は、カメラ方向より右側に90°回転した方向を中心とした左右45°以内の範囲における撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表している。カメラ方向が変化すると、その変化に応じて注目度グラフ34の内容が更新され、バーグラフ35〜40が表す撮影準備回数および撮像回数がそれぞれ変化する。
なお、上記の注目度グラフ34では、カメラ方向および左右に90°回転した方向に対して撮影準備回数と撮像回数をそれぞれ表示したが、これを固定の方向に対して表示するようにしてもよい。たとえば、東西南北それぞれの方向に対して撮影準備回数と撮像回数をバーグラフによりそれぞれ表示する。このとき、カメラ方向に応じて注目度グラフを表示する向きを変化させることが好ましい。すなわち、カメラ方向が東であれば、東に対する撮影準備回数と撮像回数を、図8の注目度グラフ34におけるバーグラフ35、36と同様に正面方向に表示する。また、北に対する撮影準備回数と撮像回数をバーグラフ37、38と同様に左側の方向に表示し、南に対する撮影準備回数と撮像回数をバーグラフ39、40と同様に右側の方向に表示する。そこからカメラ方向が右に(すなわち南側に)変化すると、それに応じて注目度グラフを左方向に回転させ、反対にカメラ方向が左に(すなわち北側に)変化すると、それに応じて注目度グラフを右方向に回転させる。
注目度グラフを表示する際には、撮影準備回数と撮像回数のいずれか一方のみを利用してもよい。また、撮影準備回数や撮像回数は、デジタルカメラ1において記録されたものを利用してもよいし、他のデジタルカメラの情報を利用してもよい。他のデジタルカメラの情報は、デジタルカメラ4のように無線LAN回路106により無線通信を介して接続されたものから取得してもよいし、サーバ装置3に記録されたものを取得してもよい。
デジタルカメラ1は、撮影モードにおいて以上説明したような処理を実行することにより、撮影に対する注目度を方向ごとに表示する。図9は、このときの処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101によって実行される。以下、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS300では、図5のステップS10と同様に、CCD113からの撮像信号に基づく撮影画像データをCCDドライバ112から受信して、被写体のスルー画像を取得する。ステップS310では、図5のステップS20と同様に、ステップS300で取得したスルー画像をモニタ104に表示する。ステップS320では、図5のステップS30と同様に、カメラ位置を検出する。ステップS330では、図5のステップS40と同様に、カメラ方向を検出する。
ステップS340では、ステップS320で検出したカメラ位置と、ステップS330で検出したカメラ方向とに基づいて、各方向の注目度を算出する。ここでは、カメラ位置から所定範囲内の撮像位置について、デジタルカメラ1または他のデジタルカメラにおける撮影準備回数と撮像回数に基づいて、予め定められた方向ごとに注目度を算出する。なお、カメラ位置を固定としてもよい。その場合は、ステップS320のカメラ位置の検出処理を省略してもよい。
ステップS350では、ステップS340で算出した注目度を表示モニタ104に表示する。ここでは、ステップS310で表示したスルー画像に重畳して注目度を表示する。これにより、図8のような画面が表示され、撮影に対する注目度が複数の方向について表示される。
ステップS360では、シャッターボタン11がユーザによって半押し操作されたか否かを判定する。半押し操作されていない場合はステップS300へ戻り、半押し操作された場合はステップS370へ進む。なお、シャッターボタン11が半押し操作されると、デジタルカメラ1の撮影レンズの焦点が被写体に合わせて調節され、CCD113による撮像が可能な状態となる。その後、シャッターボタン11が全押し操作されると、撮影が実行され、撮像画像が取得されてメモリカード115に記録される。
ステップS370では、ステップS350で表示した注目度をモニタ104から消去する。これにより、シャッターボタンの半押し操作が行われて撮影準備に入るときには、注目度の表示を終了する。なお、注目度を消去せずに、半透明状に表示したり、大きさを変化させたりしてもよい。ステップS370を実行したら、ステップS300へ戻って上記のような処理を繰り返す。
以上説明した第3の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、モーションセンサ108によって検出されたデジタルカメラ1の姿勢に基づいて、デジタルカメラ1の向いている方向をカメラ方向として検出する(ステップS330)。こうして検出されたカメラ方向に応じた情報をモニタ104に表示する(ステップS350)。このようにしたので、撮影に役立つ情報を撮影者に対して提供することができる。
(2)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、カメラ方向を含む複数方向の注目度を算出する(ステップS340)。ステップS350では、ステップS340で算出した注目度を撮影に役立つ情報としてモニタ104に表示する。このようにしたので、当該撮影者自身や他の撮影者による注目度の高い方向を、デジタルカメラ1を使用する撮影者に対して報知し、撮影時の参考とさせることができる。
(3)ステップS340では、デジタルカメラ1の撮影準備回数、すなわちシャッターボタン11が半押し操作されて撮影レンズの焦点調節が行われた回数と、デジタルカメラ1の撮像回数、すなわちシャッターボタン11が全押し操作されてCCD113により撮像画像が取得された回数の少なくともいずれか一つに基づいて、注目度を算出する。このようにしたので、注目度を容易かつ確実に算出することができる。
(4)ステップS340ではまた、無線LAN回路106により無線通信を介して接続されたサーバ装置3またはデジタルカメラ4から取得された他のカメラにおける撮影準備回数および撮影回数の少なくともいずれか一つの情報に基づいて、注目度を算出することもできる。このようにしたので、様々なカメラのユーザの行動に応じて注目度を算出することができる。
(5)デジタルカメラ1は、CPU101の処理により、シャッターボタン11が半押し操作された否かを検出し(ステップS360)半押し操作されたときに、撮影に役立つ情報としてステップS350で表示した注目度の表示を変化させる(ステップS370)。このようにしたので、状況の変化に応じて情報の表示を変化させることができる。
なお、上記の各実施の形態では、電子カメラであるデジタルカメラ1を例に説明したが、他の装置についても本発明を適用可能である。たとえば、カメラ付きの携帯電話などの携帯電子機器に適用することができる。あるいは、撮影を行わないデジタル式の双眼鏡やフィールドスコープなどにおいて、本発明を適用してもよい。
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例に過ぎない。したがって、本発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。