JP2015232641A - 有機el表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、および有機el表示装置 - Google Patents

有機el表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、および有機el表示装置 Download PDF

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美沙緒 常川
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由昌 宮沢
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光久 松本
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Abstract

【課題】本発明の着色組成物は、白色発光有機EL素子を光源として用いる有機EL表示装置において、高い明度と高純度という2つの特性が満足できるカラーフィルタの提供が可能である。また、高NTSC比といった有機EL表示装置用カラーフィルタとして要求される品質も達成可能なカラー表示装置を提供することを目的とする。【解決手段】上記課題は、着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、および光重合開始剤を含有する有機EL表示装置用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と、有機顔料(B)とを含有することを特徴とする有機EL表示装置用赤色着色組成物によって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、白色発光有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)を用いたカラー表示装置に好ましく用いられる有機EL表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、およびカラー表示装置に関する。なお、白色とは、擬似白色を含めた広い概念を意味する。
カラーフィルタを使用するカラー表示装置としては、たとえば(i)光源としてのバックライト、光シャッターとしての液晶、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる液晶表示装置、(ii)合成白色有機EL光源、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる有機EL表示装置などが挙げられる。
現在フラットパネルディスプレイは(i)の液晶ディスプレイが主流となっており、低消費電力、省スペース等の利点から、パソコンのモニター、携帯電話のディスプレイや、ノート型パーソナルコンピューター、携帯情報端末等の様々な用途で使用され、また近年は、従来のブラウン管テレビに替わり液晶テレビの用途にも使用されている。液晶テレビの用途では、色再現性が重要視される。カラー液晶表示装置の色再現性は、赤、緑、青のフィルタセグメントから放射される光の色で決まり、それぞれのフィルタセグメントの色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積で評価され、アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比(単位は%、以下NTSC比と略す。)として表現される。この値は、一般のノートパソコンで40〜100%、パソコン用のモニターで50〜100%、液晶テレビでは70%〜100%となっている。
(i)の液晶表示装置におけるバックライトとしては、冷陰極管タイプバックライト、無機材料を用いた発光ダイオードや有機EL素子を用いた、2波長ピークの擬似白色バックライトと3波長ピークのバックライトなどがある。液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、VAモード、IPSモード等があり、中でもTN(ツイストネマチック)モード型液晶を用いるタイプが主流となっている。しかしながら、これら液晶表示装置においては、黒表示でもバックライトユニットは白表示と同じ発光をし続けているため、エネルギーの無駄が大きいという問題点を有している。
(ii)の有機EL表示装置の合成白色光源としては、2波長ピークを有する光源や3波長ピークを有する光源および可視光領域に多数のピークを有するものがあり、各色に発光する有機EL材料を混ぜるか層状に重ねるなどして合成白色光を得ている。
有機EL表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)などにより直接画素の光源をオン/オフコントロールすることが出来るため、指定画素の発光を消すことで黒表示を行うことが可能である。したがって、発光装置内に液晶表示装置において用いられる偏向板が不要となり、かつ液晶体によりコントロールを行う必要も無くなる。このため、表示装置における透過光の光量が増大するとともに、黒表示において発光装置を消すことにより、エネルギーの消費を大幅に減少させることができる。また真の暗闇の黒を再現することが可能となり、コントラスト比を大きくすることができる。このような液晶表示装置における問題点が解決された有機ELカラー表示装置として、例えばSONY社製「XEL−1」などの製品が既に上市されている。(例えば特許文献1参照)
しかしながら、このような有機EL素子を用いた発光装置は、従来用いられている光源の発光スペクトルと発光スペクトルが異なっている。例えば従来の光源では420〜430nm付近にピークを有しているが、有機EL素子を用いた光源では、材料の特性から420〜430nm近辺にピークは無く、460nm付近にピークを有している。また有機EL素子を用いた光源の発光スペクトルは、従来の光源と比較して全体的にブロードなピークを有しているため、460nm近辺のピークを過ぎた後においても、500nm付近まで従来の光源よりスペクトルが高くなっている。これらの理由から、有機EL素子を用いた光源を使用した表示装置に、現在使用されているカラーフィルタをそのまま用いることができないのが現状である。このため有機EL素子を用いた光源に使用できる、最適な色相や透過率特性を持つカラーフィルタ材料の選択、開発が必要となっている。
このような光源を有する有機EL表示装置においても、液晶表示装置と同様、NTSC比を高くすることが求められる。NTSC比を大きくするためには、それぞれのフィルタセグメントの色純度を高くする必要があるが、色純度を高くすると光源の光の利用効率(明度Y値で表す。)が低くなるため、消費電力が多くなるという問題点がある。
有機EL表示装置において、従来赤色フィルタセグメントの形成に用いられる着色組成物には、NTSC比の大きいカラーフィルタを得るために従来はC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド179といった赤色顔料と、着色力に優れたC.I.ピグメントイエロー185や、C.I.ピグメントイエロー139といった黄色顔料を用いることが多い。
近年、顔料で達成し得ない高明度化を実現するため、特許文献2のように、着色剤として染料を使用する技術が提案されている。しかし、例えば特許文献3に記載されているように、染料の特性として、顔料に比較して耐熱性・耐光性など堅牢性に劣る傾向がある。これまでにも特許文献4、5のように解決が検討されているが、カラーフィルタ用として適応するために必要な耐溶剤性が劣り、部材として不適合となるなどの欠点があった。
特開2005−100921号公報 特開平6−75375号公報 特開平8−327811号公報 特開2012−098522号公報 特開2012−173399号公報
本発明の着色組成物は、白色発光有機EL素子を光源として用いる有機EL表示装置において、高い明度と高純度という2つの特性が満足できるカラーフィルタの提供が可能である。また、高NTSC比といった有機EL表示装置用カラーフィルタとして要求される品質も達成可能なカラー表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と有機顔料(B)とを含むことにより、白色発光有機EL素子を光源として用いる発光装置をバックライトとして用いる場合において、高い明度と広い色再現領域が可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、着色剤と、バインダー樹脂、光重合性単量体、および光重合開始剤を含有する有機EL表示装置用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と、有機顔料(B)とを含有することを特徴とする有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
Figure 2015232641

[一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは、無機または有機のアニオンを表す。]
また、本発明は、Yで示されるアニオンが、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、下記一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン、および下記一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
Figure 2015232641

[一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
Figure 2015232641

[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
Figure 2015232641

[一般式(4)において、R41〜R43はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。]
Figure 2015232641

[一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
また、本発明は、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有する白色有機EL光源を用いて測定された、有機EL表示装置用赤色着色組成物から形成されてなる着色膜のXYZ表色系における色度座標が、x≧0.640、かつ0.300≦y≦0.360を満たすことを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、有機顔料(B)が、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、およびキノフタロン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備える有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、前記有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる有機EL表示装置用カラーフィルタ。
また、本発明は、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる着色膜の、XYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また、本発明は、前記有機EL表示装置用カラーフィルタと、白色有機EL光源とを具備することを特徴とする有機EL表示装置に関する。
また、本発明は、白色有機EL光源が、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有することを特徴とする前記有機EL表示装置に関する。
本発明の有機EL表示装置用赤色着色組成物は、着色剤として一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)と有機顔料(B)とを含むことにより、白色発光有機EL素子を光源として用いる発光装置をバックライトとして用いる場合において、高い明度と広い色再現領域が可能となる。
白色有機EL光源の発光スペクトルの一例である(EL−1)。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
<<赤色着色組成物>>
まず、本発明の有機EL表示装置用赤色着色組成物について説明する。
本発明の赤色着色組成物は、一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)および有機顔料(B)を含む着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、および光重合開始剤を含有するものであって、特に白色有機EL光源を具備するカラー表示装置のカラーフィルタに好ましく用いられる赤色着色組成物である。まず赤色着色組成物に用いられる着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、必要に応じ用いられる溶剤、分散助剤などのその他の成分について順次説明する。
<着色剤>
本発明の着色剤は、一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)および有機顔料(B)を含む。これにより、白色発光有機EL素子を光源として用いる発光装置をバックライトとして用いる場合において、高い明度と広い色再現領域との両立が可能となる。
含有量は、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が5〜90重量%、より好ましくは20〜85重量%、有機顔料(B)が10〜95重量%、より好ましくは15〜80重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)が赤色顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が5〜90重量%、より好ましくは10〜85重量%、赤色顔料が10〜重量95%、より好ましくは15〜90重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)が黄色または橙色顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が5〜90重量%、より好ましくは10〜85重量%、黄色または橙色顔料が10〜95重量%、より好ましくは15〜90重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)において赤色顔料と黄色顔料をともに含む場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が65〜80重量%、赤色顔料が15〜30重量%、黄色顔料が5〜10重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)がジケトピロロピロール系顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が30〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%、ジケトピロロピロール系顔料が10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)がアゾ系顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が5〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%、アゾ系顔料が40〜95重量%、より好ましくは45〜90重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)がイソインドリン系顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が55〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%、イソインドリン系顔料が10〜45重量%、より好ましくは15〜40重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
また、有機顔料(B)がキノフタロン系顔料の場合、着色剤全体の含有量100重量%中、シアニン色素(ZC)が55〜75重量%、より好ましくは60〜70重量%、キノフタロン系顔料が25〜45重量%、より好ましくは30〜40重量%であることが、広い色表示領域を達成し、かつ明度が高くなるため好ましい。
(一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC))
本発明のシアニン色素は、一般式(1)で表されるようにカチオン部位とアニオン部位が塩形成された構成になっており、カチオン部位は下記一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン染料、アニオン部位は無機または有機のアニオンである。特に、本発明のシアニン色素においては、一般式(1−2)で表わされるカチオン性シアニン染料と、一般式(2)、(3)または(4)で表わされるアニオンとの造塩化合物であることが望ましい。または、一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂との造塩化合物であることが、有機EL表示装置用に優れた色特性、耐性となるために好ましい。
Figure 2015232641

[一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。
は、無機または有機のアニオンを表す。]
≪カチオン性シアニン染料≫
[一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン染料]
本発明のカチオン性シアニン染料は、下記一般式(1−2)で表されるカチオンを有する。
Figure 2015232641
[一般式(1−2)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、クオーターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
これらのアリール基は置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アリール基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、エタノイル基、プロパノイル基、イソプロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
本発明で言う重合性官能基を有する有機基は、重合性官能基を含み、全体で炭素原子-水素原子結合を含み、また必要に応じて炭素以外の原子を含んでも良い原子団で構成される基を示す。具体的には、重合性官能基のみからなる場合と、重合性官能基と連結基と含む場合がある。
ここで、重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
また、連結基としては(シアニン骨格から見て)、アルキレン基(以下、−X−と表す。)、−XO−基、−XNH−基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、−XCONH−基、−XCOO−基、−XOCO−基、−XCOOX−基、−XOCOX−基、−XCOOXCOO−基、−XOCOXCOO−基、などが挙げられる。
重合性官能基を有する有機基の具体例としては、次表(DC−5〜8など)に示した通りである。
Aの炭素原子とR、RとR、RとR、RとR、RとR12、Aの炭素原子とR10、RとR10、RとR、RとR、RとR13はそれぞれ独立に/または同時に脂肪族飽和炭化水素系もしくは芳香族系の環状構造を形成しても良い。
カチオン性シアニン染料の具体例としては、下記に示すカチオン性シアニン染料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、塩形成を行なう際、下記に示したカチオン性シアニン染料(DC−1〜DC−91)のカウンターは、ハロゲン化物イオンであり、ClもしくはBrもしくはIである。
Figure 2015232641
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Figure 2015232641
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≪アニオンY
一般式(1)において、Yは無機または有機のアニオンを表し、アニオンイオンを有するものであれば、いずれも使用可能である。
代表的なものとしては、ハロゲン化物イオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン(CFSO )、安息香酸イオン(CCOO)、しゅう酸イオン(C 2−)、過ハロゲン酸イオン(ClO 、FO 、BrO 、IO 等)、チオシアン酸イオン(SCN等)、硫酸イオン(SO 2−、HSO 等)、ヘテロポリ酸、有機カルボン酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、メチド酸アニオン、フッ素基含有リンアニオン、シアノ基含有窒素アニオン、またはハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン酸性染料などが挙げられ、これらのアニオンであれば、耐性や色特性に問題がなく、好ましく用いることができる。
これらのアニオンYのなかでも、耐熱性の点から、硫酸イオン、有機スルホネートイオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンが好ましく、有機スルホネートイオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンがより好ましく、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンが特に好ましい。
また、スルホン酸基含有窒素アニオンのなかでも、一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオンのなかでも、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、メチド酸アニオンの中でも、一般式(4)で表わされるメチド酸アニオンが最も好ましいものである。
または、これらのアニオン性基を側鎖に有する樹脂を用いることもでき、このような樹脂のなかでも、アニオン部位が、―SO 、または−COOである樹脂が好ましく、最も好ましくは、耐熱性、色特性の点で、後述する一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂である。
これらのアニオンとして具体的には、
ヘテロポリ酸としては、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸等のアニオンが挙げられる。
有機カルボン酸イオンとしては、テトラクロルフタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、ガモレン酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のアニオン性化合物のアニオンが挙げられる。
有機スルホネートイオンとして好ましい化合物は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、イコサンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸1−ナフタレンスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、1−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,8−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸、2−ナフチルアミン−6,8−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−1,6−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(アミノ−R酸)、2−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(アミノJ酸)、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,8−ジスルホン酸(ε酸)、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(R酸)、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸、N−フェニル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、N−p−トリル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、N−フェニル−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、N−フェニル−2−ナフチルアミン−6−スルホン酸、N−アセチル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−フェニル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−アセチル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−フェニル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、1,8−ジハイドロ−3,6−ジスルホン酸(クロモトロープ酸)、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸、1,6−ジアミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸、2,7−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、2,6−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、2−アミノ−7−フェニルアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸等のアニオン性化合物のアニオンがあげられる。
またアントラセンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−1−スルホン酸、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ナフチオン酸)、8−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ペリ酸)、2−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(ブレンナー酸)、1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、1−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、3−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸等のアニオン性化合物のアニオンを用いることも出来る。
脂肪酸イオンとしては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、セロチン酸、デシレン酸、ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リカン酸、パリナリン酸、タリリン酸、ガドレイン酸、セトレイン酸、セラコレイン酸等のアニオン性化合物のアニオンが挙げられる。
スルホン酸基含有窒素アニオンとしては、トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、N−(トリメチルシリル)トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、N−(2−メトキシエチル)トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドアニオンの他、スルホニルイミド酸アニオンが挙げられる。
これらのなかでも、耐熱性の点で、スルホニルイミド酸アニオンが好ましく、より好ましくは、後述する一般式(2)で表されるイミド酸アニオンがとくに好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF 、または、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンが挙げられる。
これらのなかでも、耐熱性の点で、後述する一般式(3)で表されるフッ素基含有ホウ素アニオンがとくに好ましい。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF 、(CFPF 、(CPF 、(CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(C)(CFPF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(CH)(CFPF 、(CPF 、(C)(CFPF 等が挙げられる。
これらのなかでも、PF 、(CPF 、(CPF 、((n−CPF 、(n−CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)N]、[(FSON]、[(FSO)N(CFSO)]、[(FSO)N(CFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFSO}]、[(FSO)N(CFCFCFSO)]、[(FSO)N(CFCFCFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFCFSO}]、[(FSO)N{CFCF(CF)CFSO}]、[(FSO)N{(CFCSO}]等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SOH)、スルホンイミド酸(−SONHSO−)等を挙げることができる。
酸性染料としては、例えば、アントラキノン系酸性染料、モノアゾ系酸性染料、ジスアゾ系酸性染料、オキサジン系酸性染料、アミノケトン系酸性染料、キノリン系酸性染料、トリアリールメタン系酸性染料などが挙げられる。
酸性染料を用いることで色相をコントロールすることもできる。
中でも、本発明では、一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン、および一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂のいずれか1種を用いることが耐熱性、および色特性の点で望ましい。
[一般式(2)で表されるイミド酸アニオン]
Figure 2015232641

[一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
一般式(2)において、「脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ペンタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状アルキル基;等が挙げられる。
一般式(2)において、「脂環式炭化水素基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「複素環基」としては、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、等を挙げることができる。
また、R21とR22は、脂肪族飽和炭化水素系の環状構造を形成しても良い。
一般式(2)において、「置換基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基;(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基、エポキシ基などの重合性官能基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基があげられることができる。
一般式(2)において、R21は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、R22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であることが好ましい。
一般式(2)のR21としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基もしくは芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
一般式(2)のR22としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された芳香族炭化水素基が好ましく、p−フルオロフェニル基、またはペンタフルオロフェニル基がより好ましい。
イミド酸アニオンの具体例としては、下記に示すイミド酸アニオン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、l、nは、1〜5の整数を示す。なお、塩形成を行なう際、下記に示したイミド酸アニオン(IC−1〜IC−59)を有するアニオン性化合物のカウンターは、NaもしくはKもしくはテトラブチルアンモニウムもしくはトリメチルアンモニウムである。
Figure 2015232641

Figure 2015232641
Figure 2015232641

Figure 2015232641

[一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン]
Figure 2015232641

[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基及びオクタデシル基が挙げられ、フッ素原子で置換されていても良い。フッ素原子で置換されているアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基が挙げられる。
アルキル基としては、有機溶剤への溶解性、明度、耐熱性、コントラスト比の観点から、炭素数が1〜20であることが好ましく、2〜18であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアリール基としては、ベンゼン環を含む基、芳香族性を有する縮合環を含む基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環が直接結合した構造を有する基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環がビニレン等の基を介して結合した基などが含まれる。アリール基の炭素数は、6〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。フッ素原子で置換されているアリール基としては、例えば、フッ素基を有していてもよいフェニル基、フッ素基を有していてもよい1−ナフチル基、フッ素基を有していてもよい2−ナフチル基が挙げられる。耐熱性、明度、コントラスト比の観点からフッ素原子が置換基として有することが好ましい。
一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンとして具体的には、(CF、(CFBF、(CFBF 、(CF)BF 、(C、(CBF、(C)BF 、(CBF 、(CF)(CBF、(C、[(CF、(CF、(CBF 、(C)BF 、(C、B(CN) 、B(CN)F 、B(CN) 、B(CN)、(CFB(CN)、(CFB(CN) 、(CB(CN)、(CB(CN) 、(n−CB(CN)、(n−CB(CN)、(n−CB(CN) 、(n−CB(CN)、(CHFB(CN)、(CHFB(CN) 、(CHCFB(CN)、(CHCFB(CN) 、(CHB(CN)、(CHB(CN) 、(CHCHB(CN) 、(n−CCHB(CN) 、(CB(CN)等が挙げられる。
中でも、B(CN)、(CF、(C、[(CFが好ましい。
また、(C、または[(CFのように、般式(3)中、R31〜R34うち少なくとも一つが、一般式(3−2)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2015232641

[一般式(3−2)において、R35〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、またはフッ素原子を示す。ただし、R35〜R39がすべて水素原子である場合は除く。]
一般式(3−2)で表される置換基としては、例えばペンタフルオロフェニル基(C)、トリフルオロフェニル基(C)、テトラフルオロフェニル基(CHF)、トリフルオロメチルフェニル基(CF)、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CF)、ペンタフルオロエチルフェニル基(CFCF)、ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CFCF)、フルオロ−トリフルオロメチルフェニル基(CFF)、フルオロ−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CFF)、フルオロ−ペンタフルオロエチルフェニル基(CFCFF)、フルオロ−ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CFCFF)などが挙げられる。
すなわち、一般式(3)で表されるフッ素基含有ホウ素アニオンとしては、これらのうち、明度、耐熱性、色特性の観点から[B(C [(C)B(C [(CB(C [(CB(C)] [(C)B(C(CF 等が挙げられる。なかでも、[B(Cが好ましい。
[一般式(4)で表されるメチド酸アニオン]
Figure 2015232641

[一般式(4)において、R41〜R43はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。]
一般式(4)において、「脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ペンタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(4)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(4)において、「置換基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基;(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基、エポキシ基などの重合性官能基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基をあげられることができる。
一般式(4)のR41〜R43としては、中でも、ハロゲン化脂肪族炭化水素基、ハロゲン化芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、入手性の点から、R41〜R43は同一であることが好ましい。
一般式(4)において、「ハロゲン化脂肪族炭化水素基」としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ジクロロメチル基、モノクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロクロロエチル基、ジフルオロエチル基、モノフルオロエチル基、トリフルオロヨードエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、モノフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロオクチルエチル基、ペンタフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−3−メチルブチル基、ペルフルオロ−3−メチルヘキシル基等があげることができる。
一般式(4)において、「ハロゲン化芳香族炭化水素基」としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、モノフルオロフェニル基、フルオロクロロフェニル基、フルオロクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ジクロロフェニル基、モノクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、ジフルオロブロモフェニル基をあげることができる。
一般式(4)のR41〜R43としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基がより好ましく、耐熱性の点でトリフルオロメチル基が特に好ましい。
メチド酸アニオンの具体例としては、下記に示すメチド酸アニオン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、塩形成を行なう際、下記に示したメチド酸アニオン(MC−1〜MC−26)を有するアニオン性化合物のカウンターは、Na、KCs、またはテトラブチルアンモニウムである。
Figure 2015232641
Figure 2015232641
Figure 2015232641

[一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂]
アニオンが、アニオン性基を側鎖に有する樹脂のなかでも、一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂を用いることが、耐熱性の点で好ましい。中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
Figure 2015232641

[一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
一般式(5)中、R51におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
51で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R51としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(5)中におけるPは、−SO 又は−COOを表し、耐熱性の観点で−SO がより好ましい。
一般式(5)中、アクリル部位とPを連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R52−、−COO−R52−を表し、R52はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R52−、−COO−R52−であることが好ましい。
当該樹脂を構成する一般式(5)中においては、カチオン性シアニン染料と造塩前の前駆体の段階においては、カウンターイオンとしてカチオン成分が存在する。この場合、採用可能なカチオンは、無機または有機のカチオンであり、公知のものが制限なく採用できる。具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体]
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、また、カルボキシル基を有するモノマーとしては、カルボン酸無水物基を有するモノマーも含まれ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
[スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体]
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
式(IV)
56(R57)C=C(R58)−X−SO
[式中、R56、R57およびR58は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は無置換であるか、または1個以上の基−NH、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR59であり、またR56はXSOHであり;R59は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH−O−CH−CH(OH)−CH−、k=1〜6である−COO−(CH)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR’R’’−(CH)mまたは−CO−NH−CH−CH(OH)−CH−であり;R’は、−H、−CHまたは−CでありかつR’’は、−Hまたは−CHである。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
C=CH−X−SOH (IVa)
C=C(CH)−X−SOH (IVb)
HOS−X−(R500)C=C(R511)−X−SOH (IVc)
[式中、R500およびR511は、互いに無関係に、−H、−CH、−CHCH、−CHCHCHまたは−CH(CHでありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH−O−CH−CH(OH)−CH−、k=1〜6の−COO−(CH)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR’R’’−(CH)m−または−CO−NH−CH−CH(OH)−CH−であり;R’は、−H、−CHまたは−CでありかつR’’は、−Hまたは−CHである。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、または2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
[その他共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが、造塩化合物を使用した着色組成物の保存安定性の観点でより好ましい。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。
本発明に用いる、アニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基をアニオン性基を有するビニル系樹脂に導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(5)で表される構造単位に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1'メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
本発明に用いるアニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基を導入する他の方法は、ビニル系樹脂を得た後に、該ビニル系樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
本発明に好適な一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。スルホン酸基、およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、2重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解性も低くなり異物の析出といった現象が起こる場合がある。また、異物の析出を防止するためには、レジスト材中の有機溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪化する場合がある。一方50重量%より多くなると、一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に造塩されているカチオン性染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐熱性が悪化する場合がある。
本発明に使用される下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される有機溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
「カチオン性シアニン染料とアニオン性化合物の塩形成」
本発明のシアニン染料を造塩化合物の形態で用いる場合、上述のアニオンYを有するアニオン性化合物と、カチオン性シアニン染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはアニオン性化合物の水溶液とカチオン性シアニン染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、アニオン性化合物のアニオン性基とカチオン性シアニン染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、アニオン性化合物の対カチオンとカチオン性シアニン染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン性化合物、およびカチオン性シアニン染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、カチオン性シアニン染料あるいは、アニオン性化合物が水に不溶である場合は、適宜、それぞれが可溶な有機溶剤にそれぞれを溶解させ、加熱攪拌した後、有機溶剤を減圧あるいは常圧下で留去し、固形物を得て、そこに水を添加しリスラリーすることで、副生成物である塩を除去した上で、固形物を濾過により濾別することで造塩化合物を得ても良い。この時、用いる有機溶剤は、後述する水溶性有機溶剤を用いることが出来る。
本発明の造塩化合物は、アニオン性化合物の対カチオンとカチオン性シアニン染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる造塩化合物が、耐熱性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、アニオン性化合物、およびカチオン性シアニン染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラヒドロフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
アニオン性化合物と、カチオン性シアニン染料との比率は、アニオン性化合物のアニオンユニットとカチオン性シアニン染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(有機顔料(B))
本発明の赤色着色組成物は、上記一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)のほかに有機顔料(B)を着色剤として含む。
本発明の赤色着色組成物は有機顔料(B)として赤色顔料や黄色顔料、橙色顔料を併用して用いても良く、これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
有機顔料(B)としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等のアゾ系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、又はビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料または金属錯体系顔料等が挙げられる。
有機顔料(B)として好ましいものは、明度および色再現性の観点から、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、またはキノフタロン系顔料の色素が挙げられる。
ジケトピロロピロール系顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントレッド254、255、264、272、C.I.ピグメントオレンジ71、73、または81等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも明度、色再現性の観点から、C.I.ピグメントレッド254、またはC.I.ピグメントオレンジ71が好ましい。
アゾ系顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントレッド7、14、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、166、176、185、208、221、242、269、C.I.ピグメントオレンジ38、44、63、74、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、16、17、49、55、61、62、63、65、73、74、81、83、87、93、97、98、100、106、113、114、116、126、127、128、150、152、155、168、169、170、171、172、174、176、182、188、190、191、または特許第5187326号公報に記載のナフトールアゾ顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも明度、色再現性の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1、166、185、C.I.ピグメントオレンジ38、またはC.I.ピグメントイエロー150が好ましい。
イソインドリン系顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントイエロー109,110、139、173、185、C.I.ピグメントオレンジ66、69、またはC.I.ピグメントレッド260などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも明度、色再現性の観点からC.I.ピグメントイエロー139、または185が好ましい。
キノフタロン系顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントイエロー138、または特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等が挙げられる。
《顔料の微細化》
本発明に用いる有機顔料は、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、顔料や色素などの着色剤、特に本発明のシアニン色素(ZC)を分散するもの、もしくは本発明のシアニン色素(ZC)を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上と耐溶剤の改善を目的に、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をカラーフィルタ用アルカリ現像型レジストに用いることで、着色剤を塗布した後の塗膜異物が発生せず、レジスト材中の着色剤の安定性が改善され好ましい。側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有さない直鎖状の樹脂を用いた場合は、樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹脂にトラップされにくく自由度を持っていることで着色剤成分が凝集・析出しやすいが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることで、樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹脂にトラップされ易いため、耐溶剤性試験において、色素が溶出しにくく、着色剤成分が凝集・析出しにくく、また、さらに活性エネルギー線で露光し膜を形成する際に樹脂が3次元架橋されることで着色剤分子が固定され、その後の現像工程で溶剤が除去されても着色剤成分が凝集・析出しにくくなると推定される。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、顔料及び本発明のシアニン色素(ZC)の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び本発明のシアニン色素(ZC)の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
(熱硬化性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルド樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、カルド化合物、およびフェノール化合物といった、低分子化合物でもよく、本発明はこれに限定されるものではない。このような熱硬化性樹脂を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に樹脂が反応し、塗膜の架橋密度を高め、耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられるという効果が得られる。
これらの中でも、エポキシ樹脂、カルド樹脂、またはメラミン樹脂が好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
また、光重合性単量体は酸基を含有してもよい。例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
光重合性単量体の含有量は、光硬化性および現像性の観点から着色剤100重量部に対して、10〜300重量部であることが好ましく、さらに10〜200重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物は、紫外線照射や熱照射により光重合開始剤から発生するラジカルを用いて硬化させることができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、シアニン色素(ZC)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。より具体的には、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、イルガキュアーOXE−02、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717、アデカオプトマーN1919、アデカアークルズNCI−831E、sacure1001M(Lamberti社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色感光性組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サリチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(5,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(5−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サリチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サリチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分にモノマー、樹脂などに溶解させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明のシアニン色素(ZC)は溶剤溶解性が高いため、親水性から疎水性まで、幅広い種類の溶剤が使用可能である。その中でも、乳酸エチル等のアルキルラクテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が、全体の有機溶剤100重量部中65〜95重量%含有されていることが好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、主成分であることが好ましく、全有機溶剤中65〜100重量%含有されていることが好ましいものである。
また、有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全重量100重量部に対し、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<多官能チオール>
本発明の着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(5−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、本発明のシアニン色素(ZC)および特定の有機顔料(B)を含む着色剤を、前記樹脂と、必要に応じて溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明シアニン色素(ZC)の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、本発明の着色組成物は、顔料、本発明のシアニン色素(ZC)、有機顔料(B)、およびその他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、本発明のシアニン色素(ZC)は、併用する顔料の分散助剤としての役割を果たすこともできる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<<カラーフィルタ>>
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備し、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明の着色組成物からなるものであることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
また、本発明の赤色フィルタセグメントは、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有する白色有機EL光源を用いて測定された、着色膜のXYZ表色系における色度座標が、x≧0.640、かつ0.300≦y≦0.360を満たすことが好ましい。
この要件を満たすことで、高い明度と高純度という2つの特性が満足でき、高NTSC比も達成可能なカラー表示装置とすることが可能となる。
また緑色フィルタセグメントを形成する緑色着色組成物は、緑色顔料、黄色顔料もしくは染料に置き換えることで、前記述べた赤色着色組成物と同様に作製できる。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214または特許第4993026号公報に記載の黄色顔料を併用することができる。
また、緑色フィルタセグメント形成に併用可能な青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、およびアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。併用する青色顔料で好ましいものは、明度の観点からアルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられる。アルミニウムフタロシアニン顔料は、フタロシアニン環の中心に3価のアルミニウムが配位した構造を有するものであれば、特に制限はない。
さらに、緑色フィルタセグメント用の顔料として、緑色顔料としてはC.I.ピグメントグリーン7、またはC.I.ピグメント グリーン58、黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185および特許第4993026号公報に記載の黄色顔料から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料、青色顔料としては、アルミニウムフタロシアニン顔料を含有する場合には、顔料の着色力が大きく、薄膜化が可能であり、明度(Y値)を高くすることが出来るため好ましい。
また青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物は、青色顔料、紫色顔料もしくは染料に置き換えることで、前記述べた赤色着色組成物、緑色着色組成物と同様に作製できる。
青色フィルタセグメントは、通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色着色組成物は、青色顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられ、紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント ブルー15:6が特に望ましい。
また、該フィルタセグメントは、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、各色それぞれにおいて、特定の色度特性を有する場合、カラー表示装置としての色再現性が高くなるため好ましい。
このような発光スペクトルの発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下、好ましくは、0.5以上0.8以下、さらに好ましくは0.5以上0.7以下であって、これらの範囲内のいずれかの条件において特定の色度特性を満たすことにより、NTSC比といった有機EL表示装置用カラーフィルタとして要求される品質を達成することができる。
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタは、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、着色膜のXYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上である場合、カラー表示装置としての色再現性が高くなるため好ましい。
基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、着色組成物を用いて、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法による着色膜の形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により着色膜を形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色着色膜を透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめ着色膜を形成しておき、この着色膜を所望の基板に転写させる方法である。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜、などが形成される。
<<有機EL表示装置>>
本発明における有機EL表示装置は、着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、および光重合開始剤を含有し、着色剤が一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と、有機顔料(B)とを含有する着色組成物により形成されてなるカラーフィルタと、白色発光有機EL素子(以下有機EL素子とする)を光源として有する表示装置であることが好ましい。
(有機EL素子(白色発光有機EL素子))
本発明に用いられる有機EL素子としては、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度Iと波長λ2における発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有していることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5以上0.7以下である。
発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有している場合、高い明度と広い色再現性が得られるため好ましい。
さらに波長530nm〜650nmの範囲に、発光強度の極大値またはショルダーを有していることが好ましい。
波長430nm〜485nmの範囲は、前記カラーフィルタを具備するカラー表示装置が色再現性のよい青色を表示する際に好ましいものである。より好ましくは430nm〜475nmの範囲である。
これらの構成を満足する有機EL素子と前記カラーフィルタとを用いることで、色再現領域が広く、高明度を有するカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成される。ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指し、一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が挙げられる。しかし、本発明で用いられる有機EL素子がこれらに限定されるものではない。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよく、いくつかの層が繰り返し積層されていてもよい。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
まず、これら各層に用いることのできる材料を具体的に例示する。但し、本発明に使用出来る材料はこれ等に限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoOx)、酸化バナジウム(略:VOx)、酸化ニッケル(略:NiOx)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al23)などの無
機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略:MTDATA)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α−NTPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPcにアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOxを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略:BPhen)、バソキュプロイン(略:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2、PBD、OXD−7、TAZ、p−EtTAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム(略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alq3にドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを用いることができる。すなわち、有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる発光材料は、従来発光材料として公知の材料が用いられればよい。下記に青色、緑色、橙色から赤色発光のために好適に用いられる化合物を例示する。しかし、発光材料が以下の具体的に例示したものに限定されるものではない。
青色の発光は、例えば、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることもできる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表1に示す。
Figure 2015232641
緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト]ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq3)、BAlq、Zn(BTZ)、ビス(
2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)2Cl)などの金属
錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表2に示す。
Figure 2015232641
橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−(ジシアノメチレン)−2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略:BisDCM)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(thp)2(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛(略:Znq2)やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト]亜鉛(略:Znsq2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表3に示す。
Figure 2015232641
さらに、本発明に用いる有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO2、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/cm2以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明に用いる有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200Nmである。
本発明に用いる有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明に用いる有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナーフイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782号公報やS.T.Lee,et al.,Proceedings of SID’02,p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしてもよい。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明に用いる有機EL素子に印加する電流は、通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率よく発光させることが望ましい。
本発明に用いる有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明に用いる有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式は、カラーフィルタ方式である。カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明に用いる有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極および陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
上記の様にしてガラス基板等に並置してRGBのカラーフィルタ層を作製し、そのカラーフィルタ層上に、ITO電極層と上記有機EL素子を用いて作製された発光層(バックライト)を載せることでカラー表示が可能となり、カラー表示装置が得られることになる。その際、発光時の電流の流れをTFTによりコントロールすることで高コントラスト比をもつカラー表示装置を実現することが可能となる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
まず、顔料の平均一次粒子径の測定方法、樹脂の重量平均分子量(Mw)及び酸価の測定方法について説明する。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業社製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
続いて、有機EL素子の製造例と、バインダー樹脂溶液、カチオン性シアニン染料、イミド酸アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、アニオン性基を有するビニル系樹脂、メチド酸アニオン、シアニン染料・造塩化合物、シアニン色素溶液、微細化顔料、樹脂型分散剤溶液、顔料分散体、緑色感光性着色組成物、および青色感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
続いて、実施例および比較例に用いた有機EL素子の製造例と、バインダー樹脂、カチオン性シアニン染料、一般式(2)で表されるイミド酸アニオン化合物、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン化合物、一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン化合物、一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂、シアニン色素溶液、および微細化顔料の製造方法と、樹脂型分散剤溶液の調製方法と、顔料分散体、緑色感光性着色組成物、および青色感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
<有機EL素子の製造例>
以下に白色光源として使用する有機EL素子の製造例を具体的に示す。有機EL素子の製造例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。また、素子の発光特性評価においては、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
(有機EL素子1(EL−1)の製造)
洗浄したITO電極付きガラス板を酸素プラズマで約1分間処理した後、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着して、膜厚150nmの正孔注入層を得た。この正孔注入層の上に、さらに、表3の化合物(R−2)と化合物(R−3)を100:2の組成比で真空蒸着して、膜厚10nmの第1発光層を作成し、さらに、表1の化合物(B−1)と化合物(B−4)とを100:3の組成比で共蒸着して膜厚20nmの第2発光層を形成した。この発光層の上に、さらに、α−NPDを5nm、表2の化合物(G−3)を20nm蒸着して第3発光層を形成した。さらに、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚35nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを膜厚1nm、さらにアルミニウムを200nm蒸着して電極を形成して有機EL素子1(EL−1)を得た。
さらに、この有機EL素子を、周囲環境から保護するために、純窒素を充填したドライグローボックス内で気密封止をした。この素子は、直流電圧5Vで発光輝度950(cd/m2)、最大発光輝度55000(cd/m2)、発光効率3.9(lm/W)の白色発光が得られた。図1に、得られた有機EL素子1(EL−1)の発光スペクトルを示す。
有機EL素子(EL−1)の430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲それぞれにおいて発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)と、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度I2の比(I/I)を表4に示す。
Figure 2015232641
<バインダ−樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液(R−1))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(R−1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液(R−2))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン5.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、およびハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、重量平均分子量が約12000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。
さらにテトラヒドロ無水フタル酸30.4部、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させ、不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してエチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂である、アクリル樹脂溶液(R−2)を得た。
<カチオン性シアニン染料の合成方法>
以下カチオン性シアニン染料はJ. Org. Chem., 1995, 60 (8), pp 2411-2422、J. Am. Chem. Soc., 2011, 133 (40), pp 15870-15873を参考に合成した。
下記反応スキーム1〜3に従って、本発明におけるカチオン性シアニン染料をそれぞれ合成した。
(カチオン性シアニン染料(A−1))
カチオン性シアニン染料(A−1)は、まず中間体(a−1)を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−1)を合成した。
(反応スキーム1)
Figure 2015232641
「中間体(a−1)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン5部、ヨードエタン7.35部、アセトニトリル10mlを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40ml加え、洗浄し吸引ろ過した。8.61部の生成物を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=188.25(分子量188.14)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−1)の合成)」
温度計、滴下ろうと、冷却管、窒素フロー管を具備した100mlの4口フラスコに中間体(a−1)8.61部、無水酢酸15ml加え、そこへ滴下ろうとを用いてオルトギ酸トリエチル4.05部滴下し、加熱還流させた。1時間後、室温まで冷却し、固体を析出させた。析出した固体を吸引ろかし、酢酸エチル30ml、イオン交換水30mlで洗浄した。熱風乾燥機にて40℃で1晩加熱乾燥し、6.16部の生成物を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=385.33(分子量385.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−2))
Figure 2015232641

中間体(a−1)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.49部の生成物(中間体(a−2))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=216.29(分子量216.17)で目的物であることを確認した。中間体(a−2)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.68部のカチオン性シアニン染料(A−2)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=441.45(分子量441.33)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−3))
Figure 2015232641

中間体(a−1)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.79部の生成物(中間体(a−3))を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=244.35(分子量244.21)で目的物であることを確認した。中間体(a−3)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.92部のカチオン性シアニン染料(A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=497.51(分子量497.39)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−4))
Figure 2015232641

中間体(a−1)のヨードエタンを3−ヨードプロピレンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.04部の生成物(中間体(a−4))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=200.28(分子量200.14)で目的物であることを確認した。中間体(a−4)を用い、反応温度を80 ℃に変更した以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成した。4.60部のカチオン性シアニン染料(A−4)を得た。収率は62%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=409.36(分子量409.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−5))
カチオン性シアニン染料(A−5)は、まず中間体(a−5)を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−5)を合成した。
(反応スキーム2)
Figure 2015232641
「中間体(a−5)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン5部、2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシラン9.85部、ヨウ化カリウム5.21部、アセトニトリル10mlを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40ml加え、洗浄し吸引ろ過した。5.87部の生成物(中間体(a−5))を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=288.31(分子量288.20)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−5)の合成)」
中間体(a−5)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.54部のカチオン性シアニン染料(A−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=585.49(分子量585.37)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−6))
Figure 2015232641

中間体(a−5)の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを(4−ブロモ−ブチル)−カルバミック酸ビニルエステルに変更した以外は、中間体(a−5)と同様に合成し、7.93部の生成物(中間体(a−6))を得た。収率は59%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=301.31(分子量301.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−6)を用いた以外はカチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、3.76部のカチオン性シアニン染料(A−6)を得た。収率は55%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=611.48(分子量611.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−7))
カチオン性シアニン染料(A−7)は、まず中間体(a−7a)を合成した後に、次のステップで中間体(a−7b)を合成し、さらに次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−7)を合成した。
(反応スキーム3)
Figure 2015232641
「中間体(a−7a)の合成」
中間体(a−5)の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを3−ブロモプロピオン酸に変更した以外は、中間体(a−5)と同様に合成し、5.87部の生成物(中間体(a−7a))を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=232.25(分子量232.13)で目的物であることを確認した。
「中間体(a−7b)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの3口フラスコに中間体(a−7a)9.81部、ジクロロメタン15ml、4−(N,Nジメチル)アミノピリジン0.40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.55部、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.44部を加え、室温にて24時間撹拌させた。イオン交換水30mlにて分液操作を2回行った後、飽和食塩水50mlで2回有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムを5部加え、30分撹拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を留去した。真空燥機にて40℃で1晩加熱乾燥し、5.46部の生成物(中間体(a−7b))を得た。収率は71%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=344.31(分子量344.19)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−7)の合成)」
中間体(a−7b)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成した。5.54部の生成物(A−7)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=824.38(分子量824.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−8))
Figure 2015232641

中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3−トリメチル−4,5−ベンゾ−3H−インドールに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、7.59部の生成物(中間体(a−8))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=238.28(分子量238.16)で目的物であることを確認した。中間体(a−8)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.79部のカチオン性シアニン染料(A−8)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=485.42(分子量485.30)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−9))
Figure 2015232641

中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−ブロモ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、7.53部の生成物(中間体(a−9))を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=266.18(分子量266.05)で目的物であることを確認した。中間体(a−9)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.89部のカチオン性シアニン染料(A−9)を得た。収率は92%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=541.20(分子量541.08)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−10))
Figure 2015232641

中間体(a−9)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−9)と同様に合成し、7.80部の生成物(中間体(a−10))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=294.20(分子量294.09)で目的物であることを確認した。中間体(a−10)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.04部のカチオン性シアニン染料(A−10)を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=599.59(分子量599.46)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−11))
Figure 2015232641

中間体(a−9)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−9)と同様に合成し、8.04部の生成物(中間体(a−11))を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=322.24(分子量322.12)で目的物であることを確認した。中間体(a−11)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.14部のカチオン性シアニン染料(A−11)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=653.33(分子量653.21)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−12))
Figure 2015232641

中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、8.12部の生成物(中間体(a−12))を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=222.23(分子量222.10)で目的物であることを確認した。中間体(a−12)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.15部のカチオン性シアニン染料(A−12)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=453.30(分子量453.19)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−13))
Figure 2015232641

中間体(a−12)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−12)と同様に合成し、8.58部の生成物(中間体(a−13))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=250.28(分子量250.14)で目的物であることを確認した。中間体(a−13)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.44部のカチオン性シアニン染料(A−13)を得た。収率は89%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=509.38(分子量509.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−14))
Figure 2015232641

中間体(a−12)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−12)と同様に合成し、9.11部の生成物(中間体(a−14))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=278.27(分子量278.17)で目的物であることを確認した。中間体(a−14)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.85部のカチオン性シアニン染料(A−14)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=565.44(分子量565.31)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−15))
Figure 2015232641

中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3,5−テトラメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は中間体(a−1)と同様に合成し、9.07部の生成物(中間体(a−15))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=230.31(分子量230.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−15)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.44部のカチオン性シアニン染料(A−15)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=469.46(分子量469.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−16))
Figure 2015232641

中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、8.58部の生成物(中間体(a−16))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=246.32(分子量246.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−16)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.36部のカチオン性シアニン染料(A−16)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=501.46(分子量501.35)で目的物であることを確認した。
<一般式(2)で表されるイミド酸アニオン化合物の製造方法>
(イミド酸アニオン化合物(G−1))
Figure 2015232641

温度計、撹拌機、冷却管を具備した4つ口セパラブルフラスコに、トリフルオロメタンスルホンアミド3.58部(1.1当量)と炭酸カリウム5.53部(2当量)、アセトニトリル60mlを加えた後、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド3.53部を分割添加し、5時間加熱還流した。室温まで冷却後、アセトニトリル400mlを加えてよく撹拌した後、吸引ろ過により得られたろ液を濃縮して、7.30部の生成物を得た。H、13C−NMRスペクトル(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、得られた化合物が目的化合物(イミド酸アニオン化合物(G−1))であることを確認した。
(イミド酸アニオン化合物(G−2))
Figure 2015232641

イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−2)を得た。
(イミド酸アニオン化合物(G−3))
Figure 2015232641

イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−3)を得た。
(イミド酸アニオン化合物(G−4))
Figure 2015232641

イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、トリフルオロメタンスルホンアミドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−4)を得た。
<一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン化合物の製造方法>
以下フッ素基含有ホウ素アニオン化合物は特開2011−201803を参考に合成した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1))
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、ジクロロフェニルボラン3.0部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で2時間反応を継続し反応を完結させる。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるフェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1))10.4部、収率90%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−1)はH−NMR、19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−2))
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体2.4部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で12時間反応を継続する。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−2))を5.8部、収率40%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−2)は19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
<一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン化合物の製造方法>
以下メチド酸アニオンは特開2009−155206号公報を参考に合成した。
(メチド酸アニオン化合物(M−1))
Figure 2015232641

PTFE撹拌子(15mm、φ=6mm)を入れた3つ口フラスコに、温度計を取り付け、塩化カルシウムを通した窒素気流下で1.0Mメチルマグネシウムブロミド−テトラヒドロフラン溶液(東京化成工業製)215.7部を加えて氷冷後、内温15℃以下でトリフルオロメタンスルホニルフルオリド11部を添加した。一旦内温40℃まで加熱撹拌し、再びトリフルオロメタンスルホニルフルオリド5部加え、室温にて24時間撹拌した。0.3M塩化カリウム水溶液を200加えてよく撹拌した後、エバポレーターにてテトラヒドロフランを留去した。析出物を吸引ろ過にてろ別し、得られたろ物を水による再結晶にて精製し、カリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(メチド酸アニオン化合物(M−1))を収量8.2部で得た。19F-NMRにて目的物であることを確認した。
(メチド酸アニオン化合物(M−2))
Figure 2015232641

メチド酸アニオン化合物(M−1)の合成において、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドに代えてパーフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリドを使用した以外は同様にして、メチド酸アニオン化合物(M−2)を得た。
(メチド酸アニオン化合物(M−3))
Figure 2015232641

メチド酸アニオン化合物(M−1)の合成において、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドに代えて4-ニトロベンゼンスルホニルフルオリドを使用した以外は同様にして、メチド酸アニオン化合物(M−3)を得た。
<一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂の製造方法>
(アニオン性基を有する樹脂(AJ−1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸20.0部、メチルメタクリレート12.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3390である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)を得た。
(アニオン性基を有する樹脂(AJ−2〜4))
表5に示した組成、および配合量(重量部)に変更した以外は、樹脂(AJ−1)と同様にして樹脂(AJ−2〜4)を得た。
Figure 2015232641
<一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)>
(シアニン色素(ZC−1))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)とからなるシアニン色素(ZC−1)を製造した。
水2000部に57.1部のアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)と、水酸化ナトリウム1.5部を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、45部の水、45部のメタノールに10部のカチオン性シアニン染料(A−1)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させ、濃縮液を水1000部中に攪拌しながら滴下し、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、32部のカチオン性シアニン染料(A−1)とアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−1)を得た。染料と樹脂の塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去できている。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除かれる。
(シアニン色素(ZC−2〜19、26))
表6に示すカチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂の種類と配合量(重量部)に変更した以外は、シアニン色素(ZC−1)と同様にして、カチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−2〜19、26)を製造した。ZC−26に使用したBasic.Red.12(C.I.ベーシックレッド12)については、保土ヶ谷化学社製Aizen Astra Phloxineを使用した。
(シアニン色素(ZC−20))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とイミド酸アニオン化合物(G−1)とからなる造塩化合物(ZC−20)を製造した。
水100部と、メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤に8.23部のイミド酸アニオン化合物(G−1)と、10部のカチオン性シアニン染料(A−13)を溶解させ、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部の、カチオン性シアニン染料(A−13)とイミド酸アニオン化合物(G−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−20)を得た。
(シアニン色素(ZC−21〜23、27、29))
カチオン性シアニン染料とイミド酸アニオン化合物の種類と配合量(重量部)を、表6に示す内容に変更した以外は、シアニン色素(ZC−20)と同様にして、各種カチオン性シアニン染料と各種イミド酸アニオン化合物とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−21〜23、27、29)を製造した
(シアニン色素(ZC−24))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−24)を製造した。
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン染料(A−13)を溶解させ、あらかじめ水1000部に12.79部のフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)を溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン染料(A−13)とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−24)を得た。
(シアニン色素(ZC−25、28、30))
カチオン性シアニン染料とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物の種類と配合量(重量部)を、表6に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−24)と同様にして、各種カチオン性シアニン染料と各種フッ素基含有ホウ素アニオン化合物との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−25、28、30)を製造した。
(シアニン色素(ZC−31))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とメチド酸アニオン化合物(M−1)とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−31)を製造した。
水100部と、メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤に7.52部のメチド酸アニオン化合物(M−1)と、10部のカチオン性シアニン染料(A−10)を溶解させ、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、12.1部の、カチオン性シアニン染料(A−10)とメチド酸アニオン化合物(M−1)との造塩化合物(ZC―31)を得た。
(シアニン色素(ZC−32〜39))
カチオン性シアニン染料とメチド酸アニオン化合物の種類と配合量(重量部)を、表6に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−31)と同様にして、各種カチオン性シアニン染料と各種メチド酸アニオン化合物との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−32〜39)を製造した。
(シアニン色素(ZC−40))
下記の手順でカチオン性シアニン染料と過塩素酸ナトリウムとからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−40)を製造した。
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン染料(A−1)を溶解させ、あらかじめ水1000部に2.5部の過塩素酸ナトリウムを溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン染料(A−1)と過塩素酸ナトリウムとの造塩化合物であるシアニン色素(ZC−40)を得た。
(シアニン色素(ZC−41)
過塩素酸ナトリウムをテトラフルオロホウ素ナトリウムに変更した以外は、シアニン色素(ZC−40)と同様にして、カチオン性シアニン染料とテトラフルオロホウ素とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−41)を製造した。
(シアニン色素(ZC−42))
保土ヶ谷化学社製Aizen Astra PhloxineであるC.I.ベーシックレッド12をそのまま使用した。なお、C.I.ベーシックレッド12のアニオンは、ハロゲン化物イオンであるクロライドイオンである。
Figure 2015232641
<シアニン色素溶液の製造方法>
(シアニン色素溶液(SY−1))
下記の混合物を、1時間超音波照射を行うことで、シアニン色素溶液(SY−1)を得た。

シアニン色素(ZC−1) : 4.5部
アクリル樹脂溶液(R−1) :27.5部
シクロヘキサノン :18.0部
計 :50.0部
(シアニン色素溶液(SY−2〜42))
シアニン色素溶液(SY−1)の製造におけるシアニン色素(ZC−1)を表7に記載した組成へ変更した以外は、シアニン色素溶液(SY−1)の場合と同様の方法で、シアニン色素溶液(SY−2〜42)を得た。
Figure 2015232641
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細顔料(PR−1))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料(PR−1)を得た。
(赤色微細顔料(PR−2))
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメントレッド177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料(PR−2)を得た。
(赤色微細顔料(PR−3))
市販のアゾ系顔料C.I.ピグメントレッド48:1を使用した以外は赤色微細顔料(PR−1)と同様にして赤色微細顔料(PR−3)を得た。
(赤色微細顔料(PR−4))
ジスアゾ系赤色顔料C.I.ピグメントレッド166(BASF社製「イルガフォアレッド スカーレットRN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料(PR−4)を得た。
(赤色微細顔料(PR−5))
市販のアゾ系赤色顔料C.I.ピグメントレッド185を使用した以外は赤色微細顔料(PR−1)と同様にして赤色微細顔料(PR−5)を得た。
(黄色微細顔料(PY−1))
C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色微細顔料(PY−1)を得た。
(黄色微細顔料(PY−2))
イソインドリン系黄色顔料のC.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色微細顔料(PY−2)を得た。
(黄色微細顔料(PY―3))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、黄色微細顔料(PY―3)を得た。
(黄色微細顔料(PY−4))
イソインドリン系黄色顔料のC.I.ピグメントイエロー185(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色微細顔料(PY−4)を得た。
(橙色微細顔料(PO−1))
ナフトールアゾ系橙色顔料のC.I.ピグメントオレンジ38(Clariant社製「NOVOPERM RED HFG」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、橙色微細顔料(PO−1)を得た。
(橙色微細顔料(PO−2))
市販のジケトピロロピロール系橙色顔料C.I.ピグメントオレンジ71を使用した以外は橙色微細顔料(PO−1)と同様にして橙色微細顔料(PO−2)を得た。
(緑色微細顔料(PG−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン7(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン YS−07」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色微細顔料(PG−1)を得た。
(青色微細顔料(PB−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細顔料(PB−1)を得た。
(青色微細顔料(PB−2))
反応容器中でn−アミルアルコール1250部に、フタロジニトリル225部、塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。さらに、反応容器中でクロロアルミニウムフタロシアニン100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン102部を得た。
得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを青色微細顔料(PB−1)と同様のソルトミング処理法で、青色微細顔料(PB−2)を得た。
(青色微細顔料(PB−3))
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを100部とリン酸ジフェニルを49.5部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、アルミニウムフタロシアニン顔料を114部得た。
得られたアルミニウムフタロシアニン顔料を、青色微細顔料(PB−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色微細顔料(PB−3)を得た。
(青色微細顔料(PB−4))
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを100部と、ジフェニルホスフィン酸を43.2部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、アルミニウムフタロシアニン顔料を112部得た。
得られたアルミニウムフタロシアニン顔料を、青色微細顔料(PB−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色微細顔料(PB−4)を得た。
(青色微細顔料(PB−5))
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを100部とトリフェニルシラノール54.6部をトルエン400部に加え、加熱還流を4時間続けた。ろ過して、メタノールで洗浄後、乾燥して、119部のアルミニウムフタロシアニン顔料を得た。
得られたアルミニウムフタロシアニン顔料を、青色微細顔料(PB−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色微細顔料(PB−5)を得た。
(青色微細顔料(PB−6))
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部に、ピリジン200部、キシレン800部、およびフェニルホスホン酸54.6部を加え、8時間加熱還流を続けた。ろ過して、メタノールで洗浄後、乾燥して、110部のアルミニウムフタロシアニン顔料を得た。
得られたアルミニウムフタロシアニン顔料を青色微細顔料(PB−1)と同様の方法でソルトミリング処理を行い、青色微細顔料(PB−6)を製造した。
(紫色微細顔料(PV−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー社製「LIONOGEN VIOLET RL」75m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色微細顔料(PV−1)を得た。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
(樹脂型分散剤溶液1)
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1とした。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色剤分散体(DR−1)を作製した。

赤色微細顔料(PR−1) :11.0部
(C.I.ピグメントレッド254)
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
アクリル樹脂溶液(R−1) :17.5部
溶剤 :66.5部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
(顔料分散体(DR−2〜5、DY−1〜4、DO−1〜2、DG−1、DB−1〜6、DV−1))
表8に示す組成、および配合量(重量部)の混合物に変更した以外は、着色剤分散体(DR−1)と同様にして、着色組成物(DR−2〜5、DY−1〜4、DO−1〜2、DG−1、DB−1〜6、DV−1)を作製した。
Figure 2015232641
<緑色感光性着色組成物の製造方法>
(緑色感光性着色組成物(RG−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(RG−1)を得た。

顔料分散体(DG−1) :36.8部
(C.I.ピグメントグリーン7)
顔料分散体(DY−2) :21.1部
(C.I.ピグメントイエロー139)
アクリル樹脂溶液(R−2) :10.2部
光重合性単量体 : 1.9部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 0.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.1部
(保土谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :29.7部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
(緑色感光性着色組成物(RG−2〜6)、青色感光性着色組成物(RB−1))
顔料分散体、アクリル樹脂溶液、光重合性単量体、光重合開始剤、増感剤、および溶剤を、表9に示す組成、および配合量(重量部)に変更した以外は、緑色感光性着色組成物(RG−1)と同様にして、緑色感光性着色組成物(RG−2〜6)、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
Figure 2015232641
[実施例1]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−1)を得た。

シアニン色素溶液(SY−1) :60.4部
顔料分散体(DR−1) : 8.7部
(C.I.ピグメントレッド254)
アクリル樹脂溶液(R−2) : 0.8部
光重合性単量体 : 1.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤 : 0.2部
(BASF社製「OXE−02」)
溶剤 :28.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
[実施例2〜89、比較例1〜4]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜93))
以下、色素溶液、顔料分散体、アクリル樹脂溶液、光重合性単量体、光重合開始剤、溶剤を表10〜12に示す種類、および配合量(重量部)に変更した以外は赤色感光性着色組成物(RR−1)と同様にして、赤色感光性着色組成物(RR−2〜93)を作製した。
なお、表10〜12中の光重合性単量体としては東亞合成社製「アロニックスM402」を、光重合開始剤としては、BASF社製「OXE−02」を用いた。
Figure 2015232641
Figure 2015232641
Figure 2015232641
[赤色感光性着色組成物の評価]
実施例および比較例で得られた赤色感光性着色組成物の色特性の評価を下記の方法で行った。表13に結果を示す。
<フィルタセグメントの形成>
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで表13に示す赤色感光性着色組成物を用いて光源として有機EL素子(EL−1)において、表13記載のx、yの値になるようにそれぞれ塗布し、着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cmの紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、表13に示す赤色フィルタセグメントを形成した。
<色特性評価>
得られた赤色フィルタセグメントに、光源として有機EL素子1(EL−1)を用いて光を照射したときの赤色フィルタセグメントの色特性(x、y、Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。
Figure 2015232641
本発明の一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と、有機顔料(B)とを含有する有機EL表示装置用赤色着色組成物は、フィルタセグメントが高い明度Yを示すことが可能であった。
<有機EL表示装置用カラーフィルタの作製>
[実施例90]
(カラーフィルタ(CF−1))
感光性赤色着色組成物(RR−2)を用い、実施例1の赤色フィルタセグメントと同様の方法により形成した赤色フィルタセグメントと、光源として有機EL素子(EL−1)を用い、緑色フィルタセグメントは、感光性緑色着色組成物(RG−1)を用いてx=0.200、y=0.700の色度に合うようにし、青色フィルタセグメントは、感光性青色着色組成物(RB−1)を用いてx=0.140、y=0.080の色度に合うよう塗布を行い、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
[実施例91〜139、比較例5,6]
(カラーフィルタ(CF−2〜52))
表14に記載した感光性着色組成物を用いた以外は、実施例90(カラーフィルタ(CF−1))と同様にして、(カラーフィルタ(CF−2〜52))を得た。
[カラーフィルタの評価]
実施例および比較例で作製したカラーフィルタに有機EL素子1(EL−1)を用いて光を照射したときのカラーフィルタの色特性を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。各色フィルタセグメントのCIE表色系における色度点(x、y)、NTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(
0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比率)、白色表示の明度(Y値)を表14に示す。
Figure 2015232641
本発明の一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)と有機顔料(B)とを含有する赤色着色組成物によって形成された赤色フィルタセグメントを含むカラーフィルタは、高い白色表示の明度を維持しながら、NTSC比97%という広い色再現性を示していることが確認できた。

Claims (8)

  1. 着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、および光重合開始剤を含有する有機EL表示装置用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と、有機顔料(B)とを含有することを特徴とする有機EL表示装置用赤色着色組成物。
    Figure 2015232641
    [一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは、無機または有機のアニオンを表す。]
  2. で示されるアニオンが、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、下記一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン、および下記一般式(5)で表される構造単位を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
    Figure 2015232641
    [一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
    Figure 2015232641
    [一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
    ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
    Figure 2015232641
    [一般式(4)において、R41〜R43はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。]
    Figure 2015232641
    [一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
  3. 少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有する白色有機EL光源を用いて測定された、有機EL表示装置用赤色着色組成物から形成されてなる着色膜のXYZ表色系における色度座標が、x≧0.640、かつ0.300≦y≦0.360を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  4. 有機顔料(B)が、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、およびキノフタロン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  5. 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備える有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、請求項1〜4いずれか1項記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  6. 少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる着色膜の、XYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上であることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  7. 請求項5または6記載の有機EL表示装置用カラーフィルタと、白色有機EL光源とを具備することを特徴とする有機EL表示装置。
  8. 白色有機EL光源が、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有することを特徴とする請求項7記載の有機EL表示装置。
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