JP2015232456A - 列車検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】停止動作中の列車Tの前面を走査することで、列車Tの前面までの距離である列車距離を測定する距離センサ3を備え、距離センサ3によって測定された列車距離を基に列車Tを検出する列車検出装置1において、距離センサ3から基準物までの距離を基準距離として保持し、基準距離とは別に、距離センサ3によって実測した基準物までの距離を実測距離として、基準距離及び実測距離を用いて、距離センサ3の水平角方向における第1ズレ角及び仰角方向における第2ズレ角を検出するズレ角検出部41と、ズレ角検出部41によって検出された第1ズレ角及び第2ズレ角を用いて、距離センサ3によって測定された列車距離を補正する補正部42と、を備える。
【選択図】図3
Description
一方、鉄道の安全性についての要求の高まりを受けて、ホームドアやホーム柵の導入が推進されている。しかし、ホームドアやホーム柵システムの動作においては列車の入線、列車位置の検知が必要であり、自動列車制御装置よりも低コストで簡便な手段が求められている。
当該地上装置については、センサ自身に故障等を自己診断する機能が備えられているものがあるため、メンテナンス警告を出せる。しかし、設置された地上装置のセンサの汚れ程度や、センサの設置位置のズレ量などについては、メンテナンスの担当者が、実際に装置が設置された場所に行って目視確認や測定を行わなければ正確に把握することができないといった問題がある。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、保守点検を容易にする列車検出装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る列車検出装置は、停止動作中の列車の前面を走査することで、前記列車の前面までの距離である列車距離を測定する距離センサを備え、前記距離センサによって測定された列車距離を基に前記列車を検出する列車検出装置であって、前記距離センサから基準物までの距離を基準距離として保持し、前記基準距離とは別に、前記距離センサによって実測した基準物までの距離を実測距離として、前記基準距離及び実測距離
を用いて、前記距離センサの水平角方向における第1ズレ角及び仰角方向における第2ズレ角を検出するズレ角検出部と、前記ズレ角検出部によって検出された第1ズレ角及び第2ズレ角を用いて、前記距離センサによって測定された前記列車距離を補正する補正部と、を備えることを特徴とする。
また、前記補正部が、前記第1ズレ角を用いて前記距離センサによって測定された前記列車距離を補正した後に、前記第2ズレ角を用いて、前記第1ズレ角を用いて補正した前記列車距離を補正すると良い。
加えて、前記距離センサの受信強度を基に、前記距離センサの汚れ程度を検出するセンサ汚れ検出部と、前記センサ汚れ検出部の検出結果を基に警報を発する第2警報部と、を備えると良い。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る列車検出装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る列車検出装置1、列車検出装置1を設置するプラットホームH、及びプラットホームHに入線する列車Tの概略構成を示す図である。図2は、列車
検出装置1の距離センサ3と、プラットホームH、軌道(レール)R及び構造物(固定物)Sとの位置関係を上方から見た平面図である。
距離センサ3の具体的な設置場所としては、列車Tの前面に測定光2を照射してその反射を受信することができれば、ホームH上に設置しても、ホームH下の空間に設置してもよい。つまり、距離センサ3は、列車Tの進行方向Dに対して前方且つ左方向斜め又は右方向斜めから照射可能な位置に配置される。なお、距離センサ3は、列車Tのフロントガラス下から列車Tの前面の下方に設けられた連結器5上までの領域を狙って測定光2が照射されるように配置される。
この測定光2は、上述した距離センサ3から列車Tの前面に向けて照射されるものであるが、列車Tの前面の中でも特に連結器5を狙って照射されてもよい。連結器5は異なる種類の列車T間でも連結できるように、ほぼ同じ形状、且つ同じ高さ(軌道面から約1000mm)に設けられており、またその設置位置も異なる種類の列車T間で同じ設計となっている。それゆえ、測定光2を連結器5を通るように水平方向に照射して連結器5までの距離を計測すれば、異なる種類の列車T間であっても距離の計測条件を統一することができる。
まず、ホームHに列車Tが進入して徐々に速度を落とし、停止目標位置POに近づいてきた場合を考える。その際、停止目標位置POよりも列車Tの進行方向Dの前方に設けられた距離センサ3から測定光2が発射され、列車Tの前面に照射される。
得した距離データの変化量が所定の閾値以下になった場合に列車Tが停止したと判断する。
図4A、図4B及び図5を参照しながら、ズレ角検出部41について説明する、図4Aは、距離センサ3で取得した固定物Sの距離データを示す図である。図4Bは、距離センサの水平方向におけるズレ方向と、距離データを基にモニタ(表示部)44に表示される固定物Sの画像とを対比して示す図である。図5は、距離センサの仰角方向におけるズレによって変化する固定物Sの距離データについて、仰角方向に沿った側面方向と水平方向に沿った平面方向において説明する図である。
ズレ角検出部41は、距離センサ3から、レールRを挟んでホームHとは反対側にある基準物である柱やパネルなどの固定物(構造物)Sまでの距離を基準距離として保持する。例えば、ズレ角検出部41は、正しい水平角度及び仰角で設置された距離センサ3によって、図2に示す固定物Sまでの距離を測定し、図4Aに示す距離データを基準距離データとして得る。図4Aに示す基準距離データにおいて、長方形で囲まれた距離データが固定物Sまでの距離を示すデータであり、固定物Sにおいて距離センサ3に最も近い点Aから最も遠い点Bまでの7つの距離データが基準距離データとして示されている。
このとき、ズレ角検出部41は、これら固定物Sの距離データを基準距離として保持すると共に、モニタ44の平面座標上に形成された固定物Sの基準像SIに沿って、つまり、基準距離データの配列方向に沿ってX座標を設定し、X座標に垂直な向きにY座標を設定する。
具体的に、上述の基準距離(基準距離データ)を保持するズレ角検出部41は、列車TがホームHに入線していないときに、基準距離データとは別に、基準物である固定物Sまでの距離である実測距離を任意のタイミングで測定し、実測距離データを取得する。ズレ角検出部41は、取得した実測距離データを、表示部(モニタ)44上で基準距離データに基づいて設定したXY座標上にプロットし、これらプロットされた実測距離データをつなぐことで、固定物Sの実測像MIを形成する。
これに対して、図4Bの中段のモニタ表示に示すように、実測像MIがX軸又はX軸に平行な軸に対して傾いて(傾きα°)いれば、ズレ角検出部41は、水平方向において、当該α°の傾きに対応する一方向に距離センサ3が傾いていると判断する。さらに、図4Bの下段のモニタ表示に示すように、実測像MIがX軸又はX軸に平行な軸に対して図4Bの中段とは反対側に傾いて(傾きα°)いれば、ズレ角検出部41は、水平方向において、当該α°の傾きに対応する他方向に距離センサ3が傾いていると判断する。この実測像MIの傾き(α°)は、図4Bの中段及び下段に示すモニタ表示において、次の式(1)によって得られる。
角(α°)を検出する。
ズレ角検出部41は、取得した実測距離データを用いて、固定物Sにおいて距離センサ3から最も遠い点までの距離を点B’までの距離として取得する。その上で、ズレ角検出部41は、保持する基準距離データが示す、距離センサ3から最も遠い点Bまでの距離を用いて、この点Bまでの距離と点B’までの距離とが一致すれば、距離センサ3が少なくとも正しい仰角を保って設置されていると判断する。
ズレ角検出部41は、上述のように、基準距離データと実測距離データとを用いて距離センサ3の仰角方向におけるズレ角である第2ズレ角(e°)を検出する。
続いて、図6〜図8を参照して、補正部42について説明する。図6は、距離センサ3によって取得した列車Tの前面までの距離である列車距離を示すデータ(列車距離データ)を示す図であり、上段に水平方向におけるズレが発生しているときの距離データを示し、下段に水平方向におけるズレを第1ズレ角分だけ補正した距離データを示している。図7は、得られた列車距離データに仰角方向におけるズレを第2ズレ角分だけ補正する方法を説明する図である。
補正部42は、水平方向のズレ角である第1ズレ角(α°)を取得していれば、図6の上段に示す列車距離データについて、第1ズレ角(α°)だけ走査角度を補正する。補正部42は、第2ズレ角(e°)を取得していなければ、第1ズレ角(α°)だけ補正した列車距離データを、距離センサ3が検出した距離データとして停止位置検出部40へ出力する。
た列車距離データに、さらに第2ズレ角(e°)に対応する補正を施す。つまり、図6の下段に示す第1ズレ角(α°)だけ補正した列車距離データの列車距離(縦軸)に対して、図7に示す方法で補正を施す。
図7において、図6の下段に示す列車距離データが示す列車距離は、距離センサ3が仰角e°だけズレたときに計測された距離t’であり、この距離t’を第2ズレ角(e°)を用いて補正することで、列車Tの前面までの真の距離である距離tを求める。真の距離tは、図7に示す側面図において、次の式(3)によって得られる。
このように、補正部42は、第1ズレ角(α°)を用いて距離センサ3によって測定された列車距離を補正した後に、第2ズレ角(e°)を用いて、第1ズレ角(α°)を用いて補正した列車距離を補正する。
図8を参照しながら、列車Tの先頭形状が平面でない場合の補正について説明する。図8は、図7に対応する図であり、得られた列車距離データに対して、仰角方向におけるズレを第2ズレ角分だけ補正し、さらに列車Tの先頭形状に合わせた補正をする方法を説明する図である。
求めるべき真の列車距離tは、図8における距離X1と距離X2の和(t=X1+X2)であるので、上で求めた高さ差B、距離Y、次の式(5)及び式(6)を用いて距離X1と距離X2を求める。
図9を参照しながら、第1警報部43について説明する。図9は、距離センサ3の水平
方向のズレの4つのパターンを示す図である。
第1警報部43は、ズレ角検出部41が検出する第1ズレ角及び第2ズレ角を監視し、ズレ角検出部41により検出された第1ズレ角及び第2ズレ角のいずれか一方が閾値を超えたときに警報を発する。
[第2実施形態]
次に、図10を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。
具体的に、センサ汚れ検出部45は、距離センサ3の受信強度であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いると共に、距離センサ3の計測値である列車Tの前面までの距離、及び列車Tの前面の材料により決まる列車Tの前面の反射率に基づいて、距離センサ3の測定光2が透過する窓面の透過率(汚れの程度)を検出する。センサ汚れ検出部45は、列車Tの前面の材料により決まる列車Tの前面の反射率を予め有しているが、反射率を判断するための列車Tの種別は、センサ汚れ検出部45の外部から取得する。
距離センサ3の受信強度(RSSI)、列車Tの前面までの距離、列車Tの前面の反射率、距離センサ3の窓面の汚れ程度の間には、次の式(7)に示す関係がある。
センサ汚れ検出部45は、距離センサ3から、列車Tの前面までの距離(列車距離)を取得すると同時に、距離センサ3の受信強度である受信RSSIを受信し、当該列車Tの種別に応じた前面の反射率を取得する。その上で、RSSIデータベースを参照し、取得した列車距離及び反射率に関連付けられたRSSIを検索する。センサ汚れ検出部45は、検索によって抽出されたRSSIである抽出RSSIと受信RSSIとを比較し、受信RSSIが抽出RSSIより小さい場合、メンテナンスが必要な汚れが発生した可能性があると判断する。
第2警報部46は、センサ汚れ検出部45の検出結果を基に警報を発するものである。具体的に、第2警報部46は、センサ汚れ検出部45から取得した汚れの程度が閾値を超えたときに、距離センサ3の清掃を促すメンテナンスの警報(アラーム)をモニタ44へ出力する。第2警報部46は、モニタ44に表示される映像や、モニタ44の周辺に設けられたスピーカから発せられる音声を、アラームとして出力することができる。保守員は、そのアラームを確認してから、距離センサ3の清掃作業を行う。
態による列車検出装置1の効果に加えて、距離センサ3の窓面の汚れ程度が、列車距離の計測の精度に影響するほど大きくなったときに初めて、メンテナンスの必要を知らせるアラームを発する。従って、列車検出装置10は、距離センサ3の窓面の汚れについての清掃が必要な時期を適切に知らせることができ、アラームが発せられる以前に、汚れているかどうかわからない距離センサ3の保守点検を省略することができる。
2 測定光
3 距離センサ
4,11 制御装置
5 連結器
40 停止位置検出部
41 ズレ角検出部
42 補正部
43 第1警報部
44 表示部(モニタ)
45 センサ汚れ検出部
46 第2警報部
D 進行方向
H プラットホーム
P 列車停止位置
PO 停止目標位置
R 軌道(レール)
S 固定物(構造物)
T 列車
SI 基準像
MI 実測像
Claims (6)
- 停止動作中の列車の前面を走査することで、前記列車の前面までの距離である列車距離を測定する距離センサを備え、前記距離センサによって測定された列車距離を基に前記列車を検出する列車検出装置であって、
前記距離センサから基準物までの距離を基準距離として保持し、前記基準距離とは別に、前記距離センサによって実測した基準物までの距離を実測距離として、前記基準距離及び実測距離を用いて、前記距離センサの水平角方向における第1ズレ角及び仰角方向における第2ズレ角を検出するズレ角検出部と、
前記ズレ角検出部によって検出された第1ズレ角及び第2ズレ角を用いて、前記距離センサによって測定された前記列車距離を補正する補正部と、を備えることを特徴とする列車検出装置。 - 前記補正部が、前記列車の前面の形状を格納する列車形状データベースを保持し、前記第1ズレ角及び第2ズレ角を用いると共に、前記列車形状データベースに格納された前記列車の前面の形状に基づいて前記列車距離を補正することを特徴とする請求項1に記載の列車検出装置。
- 前記補正部が、前記第1ズレ角を用いて前記距離センサによって測定された前記列車距離を補正した後に、前記第2ズレ角を用いて、前記第1ズレ角を用いて補正した前記列車距離を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の列車検出装置。
- 前記ズレ角検出部により検出された前記第1ズレ角及び第2ズレ角のいずれか一方が閾値を超えたときに警報を発する第1警報部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の列車検出装置。
- 前記距離センサの受信強度を基に、前記距離センサの汚れ程度を検出するセンサ汚れ検出部と、
前記センサ汚れ検出部の検出結果を基に警報を発する第2警報部と、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の列車検出装置。 - 前記センサ汚れ検出部は、前記距離センサの受信強度と、前記距離センサが検出した列車距離と、前記列車の前面の反射率とを基に、前記距離センサの汚れ程度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の列車検出装置。
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