JP2015232004A - 筋肉増量剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性が高く容易に製造することができ、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、医薬品又は医薬部外品などに利用することができる、筋肉増量剤およびそれを含む組成物を提供すること。【解決手段】甘草を含水率15重量%以下の非水溶剤で抽出して得られる甘草疎水性抽出物を、有効成分として含有する、筋肉増量剤。甘草を有機溶剤と接触させて得られる抽出物に、更に油脂を接触させて処理することにより得られる甘草の疎水性抽出物を有効成分として用いるのが特に好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品やその他様々な用途に使用することができる、筋肉増量剤に関する。
一般に、筋肉の量を増加させるためには、筋肉に対してレジスタンス運動等の特別な運動による負荷をかけ、筋肉の破壊と修復を繰り返す必要のあることが知られている。また、運動負荷による筋肉の増量効果を高めることを目的として、種々のサプリメントが用いられている。
レジスタンス運動とは、筋肉にさまざまな負荷抵抗をかけて行うトレーニングの総称であり、筋力トレーニング、ウエイトトレーニングなどとも呼ばれているが、筋肉の増量のみならず、筋力や筋持久力などを向上させることを目的する場合も含まれること、負荷形態としてウエイトの他、弾性抵抗性、粘性抵抗性、電磁抵抗性など、さまざまなものが用いられるようになったことから、レジスタンス運動と総称されるようになった。その性格上、主要な目的は筋肉増強と肥大である(非特許文献1)。
筋肉増強剤としては、成長ホルモンの利用が検討されているが、成長ホルモンには、ドーピングの問題や高血圧、発がん性、肝臓障害、精巣萎縮、無月経、妄想、パラノイアなど心身的な副作用の問題があり、日々、長期的に継続摂取するのには好ましくないとされている。筋肉増強のための食事療法としては、筋肉の材料となるタンパク質、アミノ酸の摂取が奨励されているが、明確な効果は薄く、個人により大差のあるのが現実である。
一方、甘草から得られる抽出物のうち、甘草フラボノイドを多く含み、グリチルリチン含量が極微量である甘草疎水性抽出物は、マルチプル・リスク・ファクター症候群の予防や処置に有用であることが見出されている(特許文献1)。さらに最近の研究において、この甘草疎水性抽出物がPPARγリガンド活性を有することや、その活性成分がフラボノイドであることが見出されている(特許文献2)。
また、甘草又は甘草抽出物を必須成分とする、筋肉活性化剤が報告されている(特許文献3)。ここでいう筋肉活性化剤とは、筋細胞におけるエネルギー産生、すなわちATP産生量を促進し、筋収縮力を向上させることにより皮膚の萎縮やしわ、たるみ等の変化を抑制又は改善させるものである。さらに、特許文献3で示される筋肉活性化剤に、ビタミンC誘導体およびビタミンE誘導体を加えることにより、筋細胞におけるATP産生が相乗的に促進されることが報告されている(特許文献4)。しかし、ATPは筋肉収縮のためのエネルギーであって、筋肉増量とは関係なく、ビタミンC誘導体およびビタミンE誘導体もATP産生促進のために添加されていると考えられる。
WO02/047699 WO03/037316 特開2006−160655 特開2009−143838
原書13版 医科生理学展望 p53−64 丸善
本発明の目的は、レジスタンス運動等の特別な運動による運動負荷を必ずしも必要とせず、摂取することで筋肉量を効果的に増加させることを可能とする筋肉増量剤を提供することである。
このような事情のもと、本発明者らが、鋭意研究を重ねた結果、甘草を含水率15重量%以下の非水溶剤で抽出して得られる甘草疎水性抽出物に、日常的な運動量で、効果的に筋肉量の増量ができる効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、甘草を含水率15重量%以下の非水溶剤で抽出して得られる甘草疎水性抽出物を有効成分として含有する筋肉増量剤に関する。
本発明の筋肉増量剤は、特別な運動を行わなくとも優れた筋肉量の増加作用を示すことから、健康体における筋肉増量のためのサプリメントとしてだけでなく、筋萎縮抑制、又は寝たきり予防にも有効である。本発明の筋肉増量剤は、食経験が豊富で安全性の高いため、日常的に継続して摂取することができることから、医薬品としてだけでなく、様々な用途に利用できる。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の筋肉増量剤は、甘草を含水率15重量%以下の非水溶剤で抽出して得られる甘草疎水性抽出物を有効成分として含有する組成物である。本発明における「筋肉増量剤」とは、筋肉の量そのものを増加させる作用を有するものを意味し、筋細胞におけるエネルギー産生を促進することで筋肉を活性化する従来の筋肉増強剤とは異なる。本発明における筋肉増量のメカニズムとしては特に限定されず、筋肉細胞数の増加、筋肉細胞の肥大、あるいはそれらの組み合わせやその他の要因いずれであっても、筋肉自体の絶対量を増加させる全ての態様が包含される。
本発明の筋肉増量剤の有効成分である甘草疎水性抽出物は、甘草より得ることができる。本発明の筋肉増量剤の原料として用いられる甘草材料は、マメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza属)の植物であれば限定されず、グリキルリーザ・グラブラ(G. glabra)、グリキルリーザ・ウラレンシス(G. uralensis)、グリキルリーザ・インフラータ(G. inflata)などが挙げられる。中でも最も分布が広く食経験も豊かなグリキルリーザ・グラブラ種の甘草が好ましい。
本発明において、甘草疎水性抽出物を、甘草から得る場合の方法は特に限定されないが、例えば甘草またはその粉末を、非水溶剤と接触させることで目的成分を抽出することによって得ることができる。あるいは、あらかじめ甘草中の親水性成分を水あるいはアルカリ水溶液を用いて抽出・除去した後、その甘草残渣または該甘草残渣を乾燥させたものを用いて、同様に、非水溶剤を接触させることでも抽出することもできる。
本発明において抽出溶媒として使用する非水溶剤としては、水以外の溶剤であれば特に限定されず、有機溶剤、油脂又はそれらの混合溶剤が好ましく使用できる。有機溶剤としては、特に制限されないが、医薬品や食品、食品添加物などの製造、加工に使用できる安全なものが好ましく、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数1〜4の1価アルコール、グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコール、脂肪酸エステル、ジエチルエーテルなどのエーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素などが挙げられ、またこれらの溶剤のうち少なくとも2種以上を混合して用いても良い。これらのうち、好適に使用しうる溶剤としては、酢酸エチル等の脂肪酸エステルや、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、プロピレングリコール、グリセリン等である。その中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロピレングリコール、グリセリンなどの水溶性有機溶剤が好ましく、水溶性有機溶剤のなかでも、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトンがより好ましく、とりわけエタノールが好ましい。油脂としては、特に制限されず、医薬品や食品、食品添加物などの製造、加工に使用できる安全なものが使用できるが、後述するように、多価アルコール脂肪酸エステルなどの多価アルコールの誘導体を含有するものが好ましく、多価アルコール脂肪酸エステルとして、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むグリセリン脂肪酸エステルや脂肪酸部分グリセリドを含むグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。そのような観点から、油脂として、中鎖脂肪酸トリグリセリドやジグリセリドやそれらの混合物を含むものが特に好ましい。
本発明においては、これら非水溶剤は、含水率が15重量%以下のものを使用する必要がある。本発明における筋肉増量という効果を十分に発揮するためには、抽出に使用される非水溶剤の含水率としては低い方が好ましく、例えば13重量%(約10容量%)以下が好ましく、10重量%(約8容量%)以下がより好ましく、8重量%以下がさらに好ましく、6重量%以下が特に好ましい。その下限は、特に制限されないが、エタノールなどの水溶性の有機溶剤を使用する場合は、実用性の観点から、普通1重量%以上、好ましくは3重量%以上である。もちろん、水を全く含まない、すなわち含水率0容量%の非水溶剤も好ましく使用できる。
甘草の非水溶剤による抽出は、一般的な方法に従って実施することができ、特に制限されない。抽出温度は、特に制限されず、系の固化温度から沸点の間、一般に−20〜100℃ 、普通1〜80℃ 、好ましくは20〜60℃の範囲で好適に実施しうる。抽出の操作は、上記の甘草に対して、例えば1〜20倍容量、好ましくは2〜10倍容量の上記非水溶剤を用いて、例えば、0.1時間以上、好ましくは0 .2時間以上、より好ましくは0.5時間以上、甘草と非水溶剤を接触させることで抽出を行えば良い。普通、1回当たりの抽出時間は1〜10時間程度で好適に実施しうる。抽出時間の上限は特に制限されず、1日程度であるが、更に長時間行っても良い。抽出は、必要に応じて、1回もしくは複数回実施しても良く、また用いる溶剤を適宜組み合わせても良い。抽出時の圧力は、特に制限されない。常圧〜加圧された状態(1〜数気圧)が用いられうるが、所望ならば減圧にすることもできる。また還流下にやや加圧された状態でも実施しうる。
本発明の筋肉増量剤において、甘草疎水性抽出物は、上記のようにして得られる抽出物をそのまま使用してもよいが、さらに精製工程、たとえばカラム処理、脱臭処理、脱色処理などにより粗精製又は精製したものを使用してもよい。本発明の抽出方法によって得られる甘草疎水性抽出物には、甘草の疎水性成分である甘草ポリフェノールが多く含まれる。さらに、甘草ポリフェノールの多くは抗酸化作用を有し、また、その化合物の構造にプレニルフラボノイド基を有していることが特徴である。本発明の筋肉増量剤の有効成分である甘草疎水性抽出物に含まれるプレニルフラボノイド基を有する甘草ポリフェノールの含量は、その総量として通常約0.01〜100重量%であるが、0.1〜99重量%含有しているものが好ましく、1〜80重量%含有しているものがより好ましく、3〜50重量%含有しているものがさらに好ましい。
本発明の筋肉増量剤においては、上記甘草ポリフェノールとして、グラブレン、グラブリジン、グラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBからなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物を少なくとも含有しているのが好ましい。該化合物は、甘草、好ましくはG.グラブラ種の甘草を、エタノール、ヘキサン、アセトンなどの有機溶剤で抽出することによって得ることができ、該抽出物のまま使用してもよいが、さらにカラム処理、脱臭処理、脱色処理などにより粗精製又は精製したものを使用してもよい。勿論、該化合物は、その他植物等の天然由来のものや、化学合成あるいは培養細胞などにより生合成した化合物のいずれであっても使用することができる。また、該化合物は、精製したものを使用することができるが、飲食品、医薬品、医薬部外品などとして不適当な不純物を含有しない限り粗精製したものを使用することもできる。
該化合物の中でも、グラブリジンを含有し、かつグラブレン、グラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBからなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。さらに、グラブリジン及びグラブレンを含有し、かつグラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBからなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することがより好ましい。とりわけ、グラブレン、グラブリジン、グラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBを全て含有していることが最も好ましい。
ここで、グラブリジン(glabridin)、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン(3’-hydroxyl-4’-O-methylglabridin)、4’−O−メチルグラブリジン(4’-O-methylglabridin)、ヒスパグラブリジンB(hyspaglabridin B)はイソフラバン(isoflavan)に分類されるフラボノイドであり、下記一般式(1)にて表される化合物である。
Figure 2015232004
〔グラブリジンはR1=H、R2=OH;3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジンはR1=OH、R2=OCH;4’−O−メチルグラブリジンはR1=H、R2=OCH;ヒスパグラブリジンBはR1〜R2が−CH=CH−C(CH−O−で六員環を構成する。〕
グラブレン(glabrene)は、イソフラブ−3−エン(isoflav-3-ene)に分類されるフラボノイドであり、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2015232004
グラブロール(glabrol)は、フラバノン(flavanone)に分類されるフラボノイドであり、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2015232004
グラブレン、グラブリジン、グラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBは、甘草の中でも主としてグリキリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)に特異的に含まれる成分である。ただし、G.グラブラと他品種との雑種においては含まれる場合もある。該化合物は、ODSなどの逆相カラムを用いたHPLC分析により、他のフラボノイド成分と分離して検出、定量することができる。
本発明の筋肉増量剤においては、上記化合物を、油脂に溶解した状態で含有するのが好ましい。その場合、精製あるいは合成された上記化合物を直接油脂に溶解して本発明の筋肉増量剤の有効成分として使用してもかまわないが、後述するように、甘草を有機溶剤で抽出して、上記化合物を含有する甘草疎水性抽出物を得、該抽出物に油脂を接触混合する方法が簡便で好ましい。
ところで、本発明においては、甘草疎水性抽出物中の有効成分含量を高め、且つ、グリチルリチン等の水溶性不純物の含量を低く抑えることが重要である。グリチルリチンは医薬としても利用されているが、血圧上昇作用、心筋障害、水血症( 以上、Harders, H. & Rausch-Stroomann, J. G., Munch. Med. Wschr. 95, 580 (1953) ) 、低カリウム血症、血漿レニン活性減少、偽性アルドステロン症、四肢弛緩性麻痺(以上、Conn, J. W., Rovner, D. R. & Cohen, E. L., J. Am. Med. Assoc. 205, 492( 1968) ) 、尿中アルドステロン排泄減少、浮腫、頭痛、嗜眠状態(以上、Epstein, M. T., et al., Brit. Med. J., 1, 488 (1977) )等の副作用があり、またショ糖の150倍の甘さがある。
グリチルリチンの混入は、甘草疎水性抽出物のもつ種々の効果を阻害したり、上記副作用や強い甘さのために食品等としての利用に不利を生じる。そのような観点から、本発明の筋肉増量剤における甘草疎水性抽出物中のグリチルリチン含量は、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%未満あるいは検出限界以下(実質的にグリチルリチンを含まない)である。得られる甘草疎水性抽出物中の有効成分含量を高め、且つ、グリチルリチン等の水溶性不純物含量を低く抑えるためには、非水溶剤による抽出時に共存する水分含量を低くするのが好ましい。そのためには、上記のように抽出溶媒として含水率が低い非水溶剤を使用するだけでなく、一般に、極力乾いた甘草を原料とするのが好ましい。また、甘草の形態として、全表面積に占める皮の面積の割合が高いもの、普通3割以上、好ましくは5割以上、より好ましくは7割以上、とりわけ8割以上、なかんずく9割以上のものを使用するのが好ましい。しかしながら、甘草はいうまでもなく植物体であり、極力乾いた甘草を得るためには、通常行われている天日干し等では必ずしも十分ではなく、乾燥器等の使用が必要となる。これは、工業的規模での生産上、大きな難点となる。また、水を含まないあるいは含水率の低い非水溶剤を最初に使用したとしても、用いる甘草や作業環境からの水分の混入を完全に防止することが困難なために、抽出後は水分含量の増加した非水溶剤として回収される。回収された非水溶剤の水分含量が15重量%を超えるとそのままリサイクル出来ないため、非水溶剤を使い捨てにするか、あるいは、無水化のための特殊で高価な精製設備が必要となり、いずれにせよ、製造コストの上昇につながる。
また、特に水溶性の有機溶剤を抽出溶媒として得られる甘草疎水性抽出物は、水及び一般的な油にはほとんど溶解せず、有機溶剤抽出物のままでは固結し易く着色する等、不安定なことが知られている為、使い易く且つ安定な状態に製剤化することが必要とされる。また、抽出に有機溶剤を使用することから、製造コストが高く、環境への負荷も大きい等の問題もある
そのような観点から、本発明においては、抽出に用いる非水溶剤として2種類の溶剤を使用し、甘草を第1の非水溶剤と接触させて得られる抽出物に、更に別の第2の非水溶剤を接触させるという、2段階の抽出を行うことが好ましい。
このとき、最初の抽出に使用される第1の非水溶剤としては、有機溶剤が好ましい。この場合の有機溶剤としては特に限定されず、先に抽出溶媒として述べたような有機溶剤が使用できるが、なかでもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘプタン、ヘキサン、グリセリン、脂肪酸エステル、ジエチルエーテル、シクロヘキサンまたはプロピレングリコールなどが好ましく、エタノールがより好ましく用いられる。
また2段階目の抽出に用いる第2の非水溶剤としては油脂が好ましい。特に、油脂として多価アルコール脂肪酸エステルを含む油脂を用いることにより好適に上述の目的を達成し、さらにはそのままであらゆる用途にも使用できる油脂組成物とすることができる。
さらに、前記多価アルコール脂肪酸エステルは油脂中に10重量%以上含有されているのが好ましい。油脂中の多価アルコール脂肪酸エステル含量が10重量%以上の場合に、特に、甘草疎水性抽出物を抽出する効果が十分に発揮される。この場合の多価アルコール脂肪酸エステルとしては、同一分子内に水酸基を2個以上有するアルコールの脂肪酸エステルであれば特に限定されず、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、糖、糖アルコール、ポリソルベート等の多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明において使用される多価アルコール脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステルが好ましく、さらには中鎖脂肪酸トリグリセリドまたは中鎖脂肪酸トリグリセリドを主成分とするグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。第2の非水溶剤として使用される油脂中の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は約50重量%以上が好ましく、約70重量%以上がより好ましい。ここでの中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素原子数約6〜12の脂肪酸を構成脂肪酸とするものであれば、その脂肪酸の構成比率は特に限定されないが、炭素原子数約8〜10の脂肪酸の構成比率が約50重量%以上であるものが好ましく、約70重量%以上であるものがより好ましい。また、約20℃での比重が約0.94〜0.96、約20℃での粘度が約23〜28cPの中鎖脂肪酸トリグリセリドがさらに好ましい。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然由来のものやエステル交換などにより調製したものなど、いずれも使用することができる。
また、本発明において、多価アルコール脂肪酸エステルは、脂肪酸部分グリセリドまたは脂肪酸部分グリセリドを主成分とするグリセリン脂肪酸エステルであってもよい。その場合、第2の非水溶剤として使用される油脂中の脂肪酸部分グリセリドの含有量は約50重量%以上が好ましく、約70重量%以上がより好ましい。ここでの脂肪酸部分グリセリドとは、ジグリセリド(1,2−ジアシルグリセロール、1,3−ジアシルグリセロール)又はモノグリセリド(1−モノアシルグリセロール、2−モノアシルグリセロール)であり、いずれを用いても良いし、両者が混合されたものを用いても良く、構成脂肪酸についても特に限定されないが、加工性の観点から不飽和脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするジグリセリドが好ましい。また、脂肪酸部分グリセリドは、天然由来のものやエステル交換などにより調製したものなど、いずれも使用することができる。
さらに、本発明で使用される油脂は、上記の中鎖脂肪酸トリグリセリドと脂肪酸部分グリセリドが混合されたものも用いることもできる。
本発明において、甘草を上記のように2種類の非水溶剤を使用して2段階抽出する方法は特に限定されないが、例えば、上記1回目の抽出、好ましくは、甘草を有機溶剤と接触・混合させることで抽出して得られた甘草有機溶媒抽出物を、第2の非水溶剤、好ましくは油脂に溶解することによって得ることが出来る。この場合、甘草有機溶媒抽出物は抽出液の状態でも溶剤を除去したものでもどちらでもかまわない。甘草有機溶媒抽出物の第2の非水性溶剤への溶解は、通常の撹拌又は混合などの操作により実施できるが、撹拌又は混合などの操作により甘草有機溶媒抽出物を油脂に溶解した後に、ろ過又は遠心分離などの操作により油脂に不溶な不純物を除去することがグリチルリチンなどの水溶性成分の含有量を極力低くすることが出来る点で望ましい。抽出効率を上げる為に、好ましくは30〜100℃ 、より好ましくは40〜90℃に加温して混合攪拌することが好ましく、加温による劣化を防ぐ為に、減圧下又は窒素気流下で混合攪拌を行うことがさらに好ましい。また、混合攪拌時間としては、特に限定されないが、好ましくは1時間以上、より好ましくは1〜5時間、さらに好ましくは1〜3時間である。或いは、WO03/84556記載の方法も好適に使用できる。例えば、甘草原料から直接有機溶剤と油脂により抽出することも可能であるが、甘草を有機溶剤で抽出して得られる抽出液に、油脂を混合した後、有機溶剤を除去することによっても得ることができ、好ましくは、甘草原料をエタノールと接触混合後、不要成分を除去して得られる甘草抽出物のエタノール溶液に、油脂、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを混合した後、エタノールを除去することによって得ることが出来る。さらに、本発明では、これらの甘草疎水性抽出物と油脂の混合物に対してさらに油脂を添加して、甘草疎水性抽出物と油脂の組成比を調整しても良い。
一般に、疎水性の甘草疎水性抽出物は、粉末状態において不安定であり、エタノールなどの有機溶媒へ溶解しても安定性は改善されない。しかし、該抽出物を上記の好ましい方法により油脂に溶解することでその安定性を改善することができる。また、甘草疎水性抽出物は難水溶性であることから、油脂に溶解した状態で使用することにより、その吸収性が向上することも期待できる。その場合、抽出物の性状は、液状又はスラリー状となるのが好ましい。
このような2段階抽出を行うことにより、有効成分含量が高く、水溶性不純物含量の低い高品質の甘草疎水性抽出物を好適に取得できる。上記2段階抽出によって得られる甘草疎水性抽出物中のグリチルリチン含量は、第1の非水溶剤として多少水を含有する有機溶剤を使用し、原料となる甘草の乾燥が不十分な場合でも、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%未満あるいは検出限界以下と最小化することができる。また、2段階抽出を行うことで、甘草を特別に乾燥することなく、抽出溶媒として安価な含水した有機溶媒を使用する場合においても高品質の抽出物を好適に取得できるため、製造プロセスの簡略化とコスト削減の点で、非常に大きなメリットが期待できる。
上記のような方法によって得られる甘草疎水性抽出物を含有する本発明の筋肉増量剤の形態は特に限定されず、例えば、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤、散剤、シロップ、ドリンク剤などの形態で、医薬品やその他の用途に利用することができる。また、グラブレン、グラブリジン、グラブロール、3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、ヒスパグラブリジンBよりなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物が溶解している油脂を、そのまま単独で調理用、ソフトカプセル製剤用などとして利用することもできる。さらに、上記好ましい方法によって得られる甘草疎水性抽出物と油脂の混合物は、油性の対象物と自由に混和することができるため、目的に応じて他の油脂と混合して物性を調整することが可能である。この場合、他の油脂は食品又は医薬品であることが好ましく、その種類及び使用量は、個々の製品に要求される物性や使用温度域などの諸条件を考慮して決定され、その種類及び使用量を調整することにより稠度や融点などの特性をコントロールすることができる。例えば、コーン油、ナタネ油、ハイエルシンナタネ油、大豆油、オリーブ油、紅花油、綿実油、ヒマワリ油、米糠油、パーム油、パーム核油などの植物油、魚油、牛脂、豚脂、乳脂、卵黄油などの動物油、又はこれらを原料として分別、水添、エステル交換などを行った油脂、あるいはこれらの混合油を使用して油脂組成物とすることができる。このようにして得られる油脂組成物は、サラダ油やフライ油などの液状油脂、マーガリンやショートニングなどの可塑性油脂としての利用や、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョンへ利用することができる。
さらに、栄養強化を目的として、ビタミンA,D,Eなどの各種ビタミン類を添加、併用してもよいし、呈味剤としての各種塩類、各種香料、乳関連物質、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、発酵乳、乳脂肪などを添加、併用してもよい。また、上記以外の原材料として、通常の油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョンに使用される酸化防止剤、着色剤などを全て使用することができる。
また、本発明の筋肉増量剤は、上記甘草疎水性抽出物の他に、飲食用または医薬用に許容される担体を含みうる。該医薬用担体は、例えば経口、経腸、経皮、皮下、または非経腸投与のため好適な任意の不活性、有機または無機材料であり得、限定されないが水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、微結晶性セルロース、スターチ、ナトリウムスターチグリコレート、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、およびコロイド性二酸化ケイ素等であることができる。そのような組成物はまた、他の薬理学的活性な製剤成分、および通常の添加物、例えば安定剤、湿潤剤、乳化剤、香味剤、および緩衝剤等を含みうる。
本発明において、筋肉増量効果の確認は、動物(マウス、ラットなど)を用いて、被検サンプルを与えて、筋肉重量を測定する方法で行うことができる。サンプルの与え方は餌あるいは飲料水中に混入させても良いし、またゾンデなどを用いて強制的に経口投与しても構わない。被験サンプルの投与タイミングを工夫することで筋肉量の増加を確認することができる。また、ヒトに実際に投与することでその効果を確認することも出来る。
本発明の筋肉増量剤は、従来筋肉増量に必要であった特定の運動を行わずとも、筋肉増量効果を発揮できる。従って、運動による負荷が困難な投与対象、例えば寝たきりの病人や一定期間安静が必要な怪我や病気を有する患者、激しい運動が困難な老人などに投与することでも、筋肉量の増加または維持が期待でき、寝たきり防止や筋肉萎縮の防止効果も期待できる。また、日常的な運動と組み合わせて投与することでも、筋肉増量効果を発揮できる。ここでいう日常的な運動とは、ジョギングや柔軟体操、エステ体操、その他、趣味のスポーツへの参加だけでなく、通勤、仕事や家事等における軽作業も含まれる。日常的な運動における具体的な消費カロリーとしては、対象者の性別や年齢にもより特に限定されないが、例えば、30分あたりの消費カロリーとして50kcal以上、好ましくは60kcal以上、より好ましくは80kcal以上、上限としては140kcalまでの運動や作業が日常的な運動に相当する。日常的な運動を行う程度も特に限定されず、対象者の年齢や体重、目的、生活習慣に応じて適宜設定すればよいが、例えば1日あたりの日常的な運動を含めた総消費カロリーとして1500kcal以上、好ましくは1700kcal程度以上となるようにすればよい。上限も特に限定されず、総消費カロリーとして多い方がより高い効果が得られる傾向があるのは言うまでもないが、本発明の筋肉増量剤を摂取する場合には、例えば2300kcal程度、好ましくは2100kcal程度の総消費カロリーでも十分に効果が得られる。
また、本発明の筋肉増量剤は、従来筋肉増量に有効的とされるレジスタンス運動と組み合わせて投与することでも、より好ましく効果を発揮しうる。ここでいうレジスタンス運動とは筋肉に一定の負荷をかけて行われる運動のことであり、負荷をかける方法としては特に限定されないが、バーベルやマシンなどのほか、適当な重量物や水、エキスパンダーやゴムチューブなど利用することが出来る。
上記運動と本発明の筋肉増量剤の組み合わせとしては、本発明の筋肉増量剤の摂取と、上記運動を一定期間内で併用する形態であれば特に限定されず、一日の摂取量と運動量は制限されない。また、本発明においては運動による負荷が困難な投与対象に投与されるために、あるいは上記日常的な運動やレジスタンス運動と組み合わされるために、その使用形態がカタログ等で例示・推奨されたり、医者やスポーツインストラクターやその他専門家などから好ましい方法として勧められたりすることもあるが、それらも本発明の範疇である。
さらに、本発明の筋肉増量剤の有効成分である甘草疎水性抽出物は、筋肉増量だけでなく、メタボリックシンドロームの主な原因となる体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進効果、およびエネルギー産生促進効果(WO2008−143182)、血糖値の上昇抑制効果(Biol.Pharm.Bull.27(11)1775−1778(2004))、更には血液中中性脂肪値の上昇抑制や、血液中遊離脂肪酸値の上昇を抑制する優れた効果も有する。すなわち、本発明の筋肉増量剤は、筋肉量の増加だけでなく、肥満、糖尿病および高脂血症の予防目的としても利用できる。
本発明の筋肉増量剤を摂取する方法は特に限定されないが、日常的に継続的に摂取するのが好ましい。摂取経路も特に限定されないが、経口投与が簡便で好ましい。摂取量は特に限定されないが、甘草疎水性抽出物の量に換算して、成人で30〜600mg/回または30〜600mg/日の範囲の量が好ましく、50mg〜500mg/回または50〜500mg/日の範囲の量がより好ましく、80mg〜300mg/回または80〜300mg/日の範囲の量がさらに好ましい。
また、本発明の筋肉増量剤はヒトだけでなく、食肉の生産性向上を目的として家畜に投与したり、競走馬の成績向上目的や、ペットの健康維持の目的でも使用できる。この場合、直接経口投与することも出来るし、飼料に混合することで投与することも出来る。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
甘草(グリキリーザ・グラブラ)9.85kgに95%エタノール(含水率5重量%)49.25Lを加え、45℃、2時間で2回抽出し、次いで濃縮して、濃縮液4.4Lを得た。そのうち3Lを更に濃縮して、活性炭処理し、さらに濃縮して、甘草疎水性抽出物を含有したエタノール溶液811.2gを得た。
上記のエタノール溶液629.2g(甘草疎水性抽出物125.8gを含有)と中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT、水分含有量約0容量%)(アクターM−2、理研ビタミン(株)製、脂肪酸組成はC8:C10=99:1)187.6gを混合し、約80℃に保温しながら約1時間撹拌した後、減圧濃縮によりエタノールを除去した。吸引ろ過により不溶分を分離し、ろ別後のろ液にMCT45.7gを更に添加して、MCT溶液297.0gを得た。得られたMCT溶液1gをHPLC用メタノールに溶解し、全量を100mlとし、この溶液を試料として下記の条件にてHPLC分析を行った結果、前記MCT溶液1gあたりにグラブレン、グラブリジン、グラブロール、4’−O−メチルグラブリジンがそれぞれ6.6mg、30.8mg、12.6mg、3.7mg含まれていることがわかった。また、該MCT溶液中の甘草疎水性抽出物の含有量は約30重量%であった。
(HPLC分析条件)
分析カラムは、J’sphere ODS−H80,4.6×250mm(ワイエムシィ)をカラム温度40℃にて使用した。移動相は、20mMリン酸水溶液に対してアセトニトリルの比率を分析開始から20minまで35%で一定とし、20min以降75min後に70%となるように一定の比率で上昇させ、75minから80minまで80%で一定とするグラジエント条件で、流速1ml/minとした。注入量は20μlとし、検出波長は254nmとした。各化合物の保持時間は、グラブレンが40.0min、グラブリジンが50.2min、グラブロールが58.3min、4’−O−メチルグラブリジンが66.8minである。
(比較例1)
甘草(グリキリーザ・グラブラ)1.0kgに80%エタノール(含水率20重量%)4.9Lを加え、45℃、2時間で2回抽出し、次いで濃縮して、濃縮液0.4Lを得た。更に濃縮して、活性炭処理し、さらに濃縮して、甘草抽出物を含有したエタノール溶液90gを得た。最終的には、エバポレーターにてエタノールを蒸発させて、甘草抽出物18.1を得た。この抽出物とMCTを3:7の割合で混合し溶解した甘草抽出物溶液を得た。
自然発症肥満2型糖尿病モデルKK−A/Ta Jcl系雄性マウス(日本クレア) を5週齢で購入し、1週間馴化飼育した後、6週齢で実験に使用した。マウスの体重を指標にして均等となるよう6〜7匹ずつ4群に分けた。それぞれ蒸留水を5mL/Kg(体重)を連日強制経口投与した群(対照群)、比較例1で得られた甘草抽出物溶液を1.0g/kg(体重)となるよう連日強制経口投与した群(比較群)、実施例1で得られた甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液を1.0g/kg(体重)となるよう連日強制経口投与した群(サンプル1.0g/kg群)、実施例1で得られた甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液を1.0%(w/w)となるよう飼料に混合し自由摂取させた群(サンプル1.0%混餌群)を設定した。なお試験期間中、各群のマウスはケージにて、日常的な運動を行える状態で一般的な飼育を行った。投与開始後4週間目にマウスをイソフルランで麻酔して開腹し、腹部下大静脈より全採血した後、大腿筋を採取して重量を測定した。その結果を表1及び2に示す。
Figure 2015232004
Figure 2015232004
表1、表2において、対照群と比較した場合、2段階抽出による甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液を強制経口投与した群、及び飼料に混合して自由に摂取させた群では、いずれも筋肉重量の増加が有意に認められた。しかし、甘草を80%エタノールで抽出した甘草抽出物溶液を強制経口投与した群では筋肉重量の有意な増加は認められなかった。つまり、抽出溶媒として含水率が20重量%のエタノールを使用して得られる甘草抽出物には十分な筋肉増量効果が認められず、抽出溶媒の含水率が本発明の効果に重要な影響を与えることが分かった。
ソフトカプセル剤の製造
実施例1の甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液を、ロータリー式ソフトカプセル製造装置を用いてゼラチン皮膜に圧入し、内容量350mgのソフトカプセル剤を得た。
マーガリンの製造
硬化綿実油(商品名:スノーライト、株式会社カネカ製)80重量部、実施例1の甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液20重量部、無塩バター(四つ葉乳業(株)製)10重量部に、グリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:エマルジーMS、理研ビタミン(株)製)0.2重量部、レシチン0.2重量部を添加し、60℃に加熱溶解し油相を調製した。
調製された油相84.9重量部に撹拌しながら水15.1重量部を添加し、20分間乳化を行った後、コンビネーターで冷却捏和してマーガリンを作製した。
濃縮乳の製造
実施例1の甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液10重量部を70℃に加温後、レシチン0.1重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.1重量部を順次溶解して油相を作製した。
脱脂粉乳25重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.1重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.1重量部を60℃の水64.6重量部に溶解して水相を調製した。
調製した水相と油相を予備乳化した後、UHT殺菌機にて145℃で4秒間殺菌した。次いで真空冷却した後、均質化機により10MPaの圧力で均質化し、更に10℃までプレート冷却して加工用濃縮乳を得た。
マヨネーズの製造
醸造酢10重量部、食塩1重量部、砂糖0.6重量部、マスタード粉末0.2重量部、グルタミン酸ナトリウム0.2重量部を混合器の中に加え、15〜20℃下で攪拌・混合し水相を調製した。その後、米白絞油68重量部、実施例1の甘草疎水性抽出物を含むMCT溶液10重量部に卵黄10重量部を加え、攪拌乳化して得た乳化液(10〜15℃)を少しずつ加えながら15〜20℃下で攪拌し、予備乳化した。次いで、コロイドミルを用いて仕上げ乳化を行いマヨネーズを得た。

Claims (8)

  1. 甘草を含水率15重量%以下の非水溶剤で抽出して得られる甘草疎水性抽出物を有効成分として含有する筋肉増量剤を、投与対象に摂取させる、筋肉の増量方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
  2. 運動による負荷が困難な投与対象に摂取させる、請求項1記載の筋肉の増量方法。
  3. 日常的な運動と組み合わせて摂取させる、請求項1記載の筋肉の増量方法。
  4. レジスタンス運動と組み合わせて摂取させる、請求項1記載の筋肉の増量方法。
  5. 非水溶剤が、有機溶剤、油脂又はそれらの混合溶剤である請求項1〜4いずれか1項記載の筋肉の増量方法。
  6. 甘草疎水性抽出物が、甘草を第1の非水溶剤と接触させて得られる抽出物に、更に別の第2の非水溶剤を接触させて処理することにより得られるものである、請求項1〜5いずれか1項記載の筋肉の増量方法。
  7. 第1の非水溶剤が有機溶剤である請求項6記載の筋肉の増量方法。
  8. 第2の非水溶剤が油脂である請求項6または7記載の筋肉の増量方法。
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