JP2017197491A - 筋肉増強用組成物 - Google Patents

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峰子 小椋
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Abstract

【課題】本発明は、効果的に筋肉量や筋力を増加もしくは維持でき、または筋肉量や筋力の低下を抑制できる、食経験のある成分を用いた筋肉増強用組成物、および当該筋肉増強剤組成物を投与することで筋肉を増強する方法を提供することを目的とする。【解決手段】クローブ(Syzygium aromaticum L.)抽出物を含有する、筋肉増強用組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品やその他様々な用途に使用することができる、筋肉増強用の組成物に関する。
近年、交通手段の発達等による運動不足や高齢化の進行に伴い、筋肉量や筋力の低下(筋萎縮)が大きな問題となっている。筋肉量や筋力の低下は、生活の質(QOL)の低下のみならず、日常生活動作(ADL)の低下、合併症の発生、介護負担の増加にも密接に関連している。筋肉量や筋力の低下を防ぐために、アミノ酸やタンパク質等の栄養摂取と適切な運動が推奨されているが、時間的・物理的理由、モチベーションの維持の困難さから、現実的には難しいのが現状である。特に高齢者では、食欲の減退により摂食量が低下しているだけでなく、さらに摂取した栄養からの筋タンパクへの変換が低下していることが報告されている。同時に、高齢者において、運動機会の減少、運動による筋肉量増加効率の減少が報告されている。よって、例えば高齢者の活動量が怪我や病気等により減少すると、それに伴って筋肉量や筋力がさらに低下し、活動量の低下と筋萎縮の悪化という負のサイクルに陥ることがある。
筋肉を増強するための成分としては、成長ホルモンが知られている。しかしながら、成長ホルモンには、ドーピングの問題や高血圧、発がん性、肝臓障害、精巣萎縮、無月経、妄想、パラノイア等心身的な副作用の問題があり、日々、長期的に継続摂取するのには好ましくないとされている。
一方、フトモモ科の植物であるクローブ(Syzygium aromaticum L.)は、主として、開花前の花蕾を乾燥させて香辛料として用いられる。クローブに関しては、その特徴的な香気成分であるオイゲノール(Eugenol)について、TRPV1アゴニスト活性に着目し、運動前または運動中に皮膚に塗布して使用する運動神経活性化用皮膚塗布剤の有効成分としての利用が提案されている(特許文献1)。さらにクローブの抽出物を有効成分とするPPARγ活性化剤が提案され(特許文献2)、PPARγ活性化をすることによりアディポネクチン生成量を上昇させることが知られていることから、この剤をアディポネクチン産生促進剤、ひいては運動代替剤として用いることが提案されている。
特開2015−231964号公報 特開2016−27014号公報
上述の特許文献1および2により提案される運動神経活性化のための剤およびPPARγ活性化剤はいずれも、筋肉量や筋力の低下を防ぐものではない。効果的かつ安全な筋肉増強用組成物が望まれている。本発明は、効果的に筋肉量や筋力を増加もしくは維持でき、または筋肉量や筋力の低下を抑制できる、食経験のある成分を用いた筋肉増強用組成物、および当該筋肉増強剤組成物を投与することで筋肉を増強する方法を提供することを目的とする。
このような背景のもと、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、クローブ抽出物が筋衛星細胞を活性化し、筋肉を増強しうるものであることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する。
[1]クローブ(Syzygium aromaticum L.)抽出物を含有する、筋肉増強用組成物。
[2]食品組成物である、1に記載の組成物。
[3]顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、ドリンク剤、またはゼリーの形態である、2に記載の組成物。
[4]一日摂取量あたり、5mg以上5000mg以下のクローブ抽出物を含む、2または3に記載の組成物。
[5]クローブ抽出物が、クローブの花蕾の抽出物である、1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
[6]抗疲労、抗老化、冷え性改善、または筋力向上のための、1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
本発明の組成物は、筋線維に分化する筋衛星細胞を活性化する作用を示すため、筋肉増強効果または筋萎縮抑制効果が期待できる。また、食経験が豊富であるクローブからの抽出物を有効成分とするため、日常的に繰り返し摂取しても安心である。
実験2(クローブ抽出物の筋衛星細胞活性化評価(in vitro))に係る筋衛星細胞活性化率(%)。 実験3(オイゲノールの筋衛星細胞活性化評価(in vitro))に係る筋衛星細胞活性化率(%)。 実験4(クローブ抽出物の筋衛星細胞活性化評価(in vivo))に係る筋衛星細胞活性化度。
[有効成分]
(原料)
本発明の組成物の有効成分は、フトモモ科のフトモモ属(Syzygium)の植物を原料として得ることができる。フトモモ属の植物には、フトモモ(蒲桃、Syzygium jambos)、クローブ(Clove、Syzygium aromaticum L.)、アデク(Syzygium buxifolium)、ヒメフトモモ、レンブ(ジャワフトモモということもある。Syzygium Samarangense)が含まれる。好ましい原料植物の例は、クローブである。なお、クローブは、狭義にはクローブの花蕾の乾燥物を指すことがあるが、本発明に関してクローブというときは、特に記載した場合を除き、植物としてのクローブを指す。
本発明に用いる原料植物の部位は、特に限定されず、植物の全体またはその一部であり、一部には幹(樹皮、木部を含む。)、葉(葉身、葉柄、托葉を含む。)、根、花または花蕾(花弁、萼片を含む。)、蕊、果実、種子が含まれる。特に好ましい部位の例の一つは、花蕾である。抽出原料としての植物は、生のものであってもよく、乾燥物等であってもよい。抽出工程に供する前に、抽出が効率的に行われるように、裁断・粉砕等の前処理を行ってもよい。
本発明に用いる有効成分は、クローブ抽出物であることが好ましく、クローブの花蕾の抽出物であることがより好ましい。また、脂溶性のクローブ抽出物であることがさらに好ましい。このような抽出物において目的の活性が高いことが本発明者らの検討により分かっているからである。脂溶性とは、50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上のエタノール水溶液に溶解性であることをいう。溶解性であるとは、100mgの溶媒に少なくとも1g溶解することをいう。抽出物とは、特に記載した場合を除き、原料に由来し、原料から圧搾によりまたは適切な抽出溶媒を用いた操作により得られたものをいう。典型的には、原料を抽出溶媒に浸漬して得られた液から固形物を除いた液を指すが、該液を、濃縮、乾燥、粗精製等したものであってもよい。抽出物の形態は、油状、ペースト状、ゲル状、液体状、固体状、粉末状等いずれでもあり得る。なお以下では、クローブ抽出物または脂溶性のクローブ抽出物を含む組成物を例に、本発明を説明することがあるが、当業者であれば、その説明を適宜他の場合にも当てはめて理解することができる。
(抽出方法)
有効成分であるクローブ抽出物を得るための抽出溶媒は、目的の活性のある成分を溶解することができれば特に限定されず、有機溶剤、油脂またはそれらの混合溶剤が好ましく使用できる。有機溶剤としては、特に制限されないが、医薬品、食品等の製造、加工に使用できる安全なものが好ましい。例えば、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、多価アルコール類(グリセロール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール(BG)等)、ケトン類(アセトン、メチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、酢酸エチル等のエステル類;ヘキサン等からなる群より選択される一種または二種以上を用いることができる。混合溶媒を用いる場合、目的の活性のある成分を溶解することができればその比率も特に限定されない。本発明に好適に用いることのできる溶媒の例は、メタノール、エタノール、グリセロールおよび1,3−ブチレングリコールからなる群より選択される有機溶媒の1種以上と水との混合溶媒であり、このときの有機溶媒(混合物である場合は総量としての)の含量は、例えば50v/v%以上であり、60v/v%以上であることが好ましく、80v/v%以上であることがより好ましく、90v/v%以上であることがさらに好ましい。
クローブからの抽出溶媒による抽出は、一般的な方法に従って実施することができ、特に制限されない。抽出温度は、特に制限されず、系の固化温度から沸点の間、一般に−20〜100℃ 、普通1〜80℃ 、好ましくは20〜60℃の範囲で好適に実施しうる。抽出の操作は、上記のクローブに対して、例えば1〜20倍容量、好ましくは2〜10倍容量の上記抽出溶媒を用いて、例えば、0.1時間以上、好ましくは0 .2時間以上、より好ましくは0.5時間以上、クローブと抽出溶媒を接触させることで抽出を行えば良い。普通、1回当たりの抽出時間は1〜10時間程度で好適に実施しうる。抽出時間の上限は特に制限されず、1日程度であるが、さらに長時間行っても良い。抽出は、必要に応じて、1回もしくは複数回実施しても良く、また用いる溶剤を適宜組み合わせても良い。抽出時の圧力は、特に制限されない。常圧〜加圧された状態(1〜数気圧)が用いられうるが、所望ならば減圧にすることもできる。また還流下にやや加圧された状態でも実施しうる。得られた抽出物は、そのまま組成物に含有させてもよく、さらに精製工程、たとえばカラム処理、脱臭処理、脱色処理等により粗精製または精製したものを含有させてもよい。
なお、本発明者らの検討によると、クローブ抽出物にはオイゲノールが含まれることがあるが、オイゲノールには目的の活性は認められなかった(実施例の項の実験3参照)。
[用途]
クローブ抽出物を含有する本発明の組成物は、筋肉増強のために用いることができる。また、クローブ抽出物を含有する本発明の組成物は、筋衛星細胞活性化のためにも用いることができる。従来、クローブ抽出物に関しては、クローブに含まれるオイゲノールにTRPV1アゴニスト活性があることが知られており、それに基づく運動神経活性化剤が検討されてきた(前掲特許文献1)。また、クローブ抽出物のPPARγ活性化作用に基づく、アディポネクチン産生促進剤、運動代替剤が検討されてきた(前掲非特許文献2)。しかしながら、いずれも直接的に筋肉に作用するものではなかった。本発明者らは、クローブ抽出物に筋衛星細胞活性化するという新たな属性を発見し、クローブ抽出物を直接的な筋肉への作用に関わる新たな用途に適用することを提案するものである。なお、以下では本発明の組成物を、筋肉増強用であるものを例に説明することがあるが、当業者であれば、その説明を適宜、筋衛星細胞活性化のための組成物の場合にも当てはめて理解することができる。
本発明に関し、筋肉増強とは、筋肉量を増やすこと、および筋肉量の減少を抑えることをいう。また、筋肉増強とは、筋力を増やすこと、および筋力の低下を抑えることをいう。筋衛星細胞(サテライト細胞)は、筋線維の基底膜と細胞膜の間隙に存在する幹細胞である。通常は未分化な状態にあるが、筋が損傷したり筋が成長したりするときには活性化されて増殖し、筋管細胞へと分化して筋線維を形成する。筋繊維の形成により、筋肉量が増え、また減少する筋肉量が補われることが期待できる。すなわち、筋肉増強効果が期待できる。なお、筋衛星細胞の活性化とは、静止期にあった筋衛星細胞が細胞分裂を開始するために細胞周期に入ることをいう。細胞周期においてはゲノムの複製が起こるので、核酸構成成分の取り込みが行われる。
本発明の筋肉増強用組成物は、筋繊維の形成により筋肉量を増やし、また減少する筋肉量が補うものであり、筋肉量を増やすためにも、筋肉量の減少を抑えるためにも用いうるが、好ましい態様の一つは、筋肉量を増やすためのものである。
本発明の筋肉増強用組成物は、筋肉増強により改善が期待できる疾患または状態の処置のためにも用いることができる。このような疾患または状態の例は、疲労、老化、冷え性、筋力の低下、体脂肪蓄積、血糖値の上昇、血液中中性脂肪値の上昇、血液中遊離脂肪酸値の上昇、メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病および高脂血症等である。処置は、発症リスクの低減、予防、進行の抑制、治療を含む。本発明の筋肉増強用組成物は、好ましい態様においては、筋肉増強により改善が期待できる疾患または状態が生じるリスクの低減や予防等を目的として、健常な状態にある対象に対して用いることができ、またそれらの疾患または状態が生じた後に、進行の抑制や治療等を目的として、それらの疾患または状態にある対象に対して用いることができる。
また処置には、医師が行う病気の治療を目的とした医療行為と、医師以外の者、例えば栄養士(管理栄養士、スポーツ栄養士を含む。)、スポーツ指導員、プロスポーツ選手(アスリート)、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、美容部員、エステティシャン、食品製造者、食品販売者等が行う、非医療的な行為とが含まれる。また処置は、他人に本発明の筋肉増強用組成物を摂取させること(投与する、ということもある。)、他人に対する本発明の組成物の摂取の推奨を含む。本発明の筋肉増強用組成物は、食事と共に、または食前、食事中、食後、食間に用いることができる。
本発明の筋肉増強用組成物が用いられる対象は、特に限定されない。ヒトであっても、非ヒト動物であってもよい。非ヒト動物の例としては、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、リス等のペット(愛玩動物、コンパニオンアニマルということもある。)、牛、豚等の家畜、マウス、ラット等の実験動物、動物園等で飼育されている動物が挙げられる。性別、成長段階も特に限定されず、男性、女性、成人、高齢者であり得る。特に好ましい対象の例は、筋肉を増強することおよび/または筋衛星細胞活性化することが望ましいかまたは必要のある対象、例えば運動不足の対象、筋肉の衰えが気になる対象、具体的には、一定期間安静が必要な怪我や病気を有する患者、激しい運動が困難な対象、寝たきりの対象、高齢者等である。
目的の筋肉増強効果の有無、筋衛星細胞の活性化の有無、またはそれらの程度は、例えば、実験動物またはヒトに評価したい成分を摂取させ、適切な方法で筋肉重量を測定することにより、評価することができる。あるいは、筋衛星細胞における核酸構成成分(例えば、ヌクレオシド)の取り込みにより評価することができる。より具体的には、生体より単離した筋衛星細胞の培養系に、評価したい成分を添加し、次いでブロモデオキシウリジンを添加し、そして総細胞数に占めるブロモデオキシウリジン陽性細胞の割合を求めることにより、評価することができる。あるいは、実験動物(マウス、ラット等)に評価したい成分を摂取させ、次いで当該動物にブロモデオキシウリジンを投与し、さらに当該動物の適切な部位の筋肉から筋衛星細胞を単離し、そして総細胞数に占めるブロモデオキシウリジン陽性細胞の割合を求めることにより、評価することができる。
本発明の組成物の用途(筋肉増強、筋衛星細胞活性化)は、直接的にまたは間接的に表示することができる。直接的な表示の例は、製品自体、パッケージ、容器、ラベル、タグ等の有体物への記載であり、間接的な表示は、ウェブサイト、店頭、展示会、看板、掲示板、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、郵送物、電子メール等の場所における、または媒体による、文字、音声、画像、動画等の手段による、本発明の組成物と同じ用途に適する旨の説明として行われるものを含む。
[組成物]
(形態、剤形)
本発明の筋肉増強用組成物は、食品組成物、外用剤、医薬組成物、化粧料組成物の形態とすることができる。食品組成物および経口投与される医薬組成物は、本発明の好ましい態様の一つである。食品組成物および経口投与される医薬組成物としての剤形は特に限定されず、種々の形態としうる。好ましい例は、顆粒剤、錠剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル)、丸剤、ドリンク剤、またはゼリー(ゼリー状食品)である。食品は、固形の経口摂取物、並びに飲料およびスープのような液状の経口摂取物を含む。食品はまた、一般食品(いわゆる健康食品、サプリメント、ドリンク剤を含む。栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品と表示されることもある。)、保健機能食品(機能性表示食品、栄養機能食品、および特定保健用食品を含む。)、特別用途食品(病者用食品、えん下困難者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、特定保健用食品)、ペットフード、家畜用飼料を含む。医薬品は、ヒト用のもののほか、非ヒト動物用のもの(動物医薬)も含む。
(含量)
本発明の筋肉増強用組成物における有効成分であるクローブ抽出物の含量は、目的の効果が発揮される量であれば限定されず、適宜とすることができる。例えば、一日摂取量あたり、1mg以上とすることができ、5mg以上とすることが好ましく、10mg以上とすることがより好ましく、100mg以上とすることがさらに好ましい。いずれの場合であっても上限値は特に限定されず、一日摂取量あたり、50000mg以下とすることができ、5000mg以下とすることが好ましく、2000mg以下とすることがより好ましく、1000mg以下とすることがさらに好ましい。摂取は、一日に1〜数回に分けて行うことができる。なお組成物中に含まれるクローブ抽出物は、乾燥して溶媒を除去した抽出物、例えば99.5v/v%のエタノール水溶液を用いて得られた抽出物を乾燥して溶媒を除去したものであることが好ましい。すなわち組成物におけるクローブ抽出物の含量は、乾燥して溶媒を除去した抽出物に換算した場合に、規定した範囲内に含まれることが好ましい。換算した値が本発明として規定した数値範囲に含まれれば、本発明の範囲に含まれる。
(他の成分)
本発明の筋肉増強用組成物は、有効成分による目的の効果の発揮を妨げない限り、有効成分と共に他の成分を含むことができる。このような他の成分の例は、食品または医薬として許容される種々の添加剤であり、具体的には、例えば賦形剤(例えば、アラビアガム、ラクトース、微結晶性セルロース、スターチ、ナトリウムスターチグリコレート、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、およびコロイド性二酸化ケイ素等)、酸化防止剤抗(抗酸化剤)、香料、調味料、甘味料、着色料、増粘安定剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料等、酵素、光沢剤、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、結合剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、凝固剤等である。また他の成分は、栄養強化等を目的とした機能性の成分であってもよい。機能性成分の例としては、ビタミン類、微量金属類、アミノ酸類(例えば、分岐鎖アミノ酸類、オルニチン)、コエンザイムQ10(還元型、酸化型)、オリゴ糖、食物繊維、コンドロイチン硫酸類、フコイダン、フコキサンチン、アスタキサンチン、カテキン類、不飽和脂肪酸類(例えば、ARA、EPA、DHA、αリノレン酸、オメリノール酸、オレイン酸)、ポリフェノール類、セサミン、プラセンタ、酵母エキス、黒酢濃縮物、ニンニク抽出物、イチョウ葉抽出物、ビルベリー抽出物、ブルーベリー抽出物、各種人参抽出物、マカ抽出物、豆種皮抽出物、セントジョーンズワート抽出物、松樹皮抽出物、アサイー抽出物、ノニ抽出物、卵黄抽出物、はちみつ加工品、黒糖等が挙げられる。さらに他の成分は、筋肉増強作用が期待される成分であってもよい。当該成分の例としては、ホエイタンパク、ホエイペプチド、カゼイン、カゼインペプチド、大豆タンパク、大豆ペプチド、小麦タンパク、小麦ペプチド、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、シトルリン、オルニチンなどのアミノ酸、クレアチン、β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸等が挙げられる。
本発明の筋肉増強用組成物は、種々の公知の技術を用いて製造することができる。有効成分であるクローブ抽出物を所定の含量になるように添加し、調整する工程は、製造工程の種々の段階で適用できる。当業者であれば、クローブ抽出物の溶解性、安定性、揮発性等を考慮して、本発明の組成物のための製造工程を、適宜設計しうる。
[その他]
本発明の筋肉増強用組成物は、日常的な運動と組み合わせて用いることができる。ここでいう日常的な運動とは、ジョギングや柔軟体操、エステ体操、その他、趣味のスポーツへの参加だけでなく、通勤、仕事や家事等における軽作業も含まれる。また本発明の筋肉増強用組成物は、従来筋肉増強に有効とされるレジスタンス運動や理学療法、リハビリテーションと組み合わせて用いることができる。ここでいうレジスタンス運動とは筋肉に一定の負荷をかけて行われる運動のことであり、負荷をかける方法としては特に限定されないが、バーベルやマシン等のほか、適当な重量物や水、エキスパンダーやゴムチューブ等である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験1:クローブ抽出物の調製]
クローブの乾燥花蕾(100g)を、水または各濃度のエタノール水溶液(500mL)に浸漬し、50℃で2時間撹拌しつつ抽出を行った。ろ過により固形分を分離し、抽出液を得た。さらに、得られた抽出液を減圧濃縮および凍結乾燥して溶媒を除去し、水または各濃度のエタノール水溶液を抽出溶媒としたクローブ抽出物を得た。水〜40%エタノールにより抽出したものは褐色の粉末であり、60%以上のエタノールにより抽出したものは褐色のペーストであった。
Figure 2017197491
[実験2:クローブ抽出物の筋衛星細胞活性化評価(in vitro)]
(1) 筋衛星細胞の単離
6月齢の雄性SDラット(日本エスエルシー社)より大腿部筋組織を摘出し、脂肪および結合組織等を除去・ミンスした後、37℃で1時間、1.25mg/mLプロテアーゼ水溶液(Sigma社)で処理した。分画遠心分離にて筋線維断片等を除去した後、ポリリジン(Sigma社)およびフィブロネクチン(Sigma社)をコーティングしたプレートに播種し、5%CO2雰囲気中、37℃で24時間前培養後、PBSで洗浄することで筋衛星細胞を単離した。培地としては、10%ウマ血清(Life Technologies社)を添加したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,Life Technologies社)を用いた。以下、当該培地を「10%HS−DMEM」と略記する。
(2) クローブ抽出物処理
実験1で調製したクローブ抽出物を水またはDMSOに溶解した(水抽出物、20v/v%エタノール抽出物、40v/v%エタノール抽出物は水に溶解、60v/v%エタノール抽出物、80v/v%エタノール抽出物、99.5v/v%エタノール抽出物はDMSOに溶解した)。当該抽出物溶液を10%HS−DMEMに添加し、クローブ抽出物を含む10%HS−DMEMを調製した(クローブ抽出物濃度は2.5μg/mL)。上記、単離筋衛星細胞の培地を、クローブ抽出物を含む10%HS−DMEMに交換し、24時間培養した。なお、溶媒対照として水を用いた。
(3) 筋衛星細胞活性化評価
培養終了から2時間前に、培地にブロモデオキシウリジン(BrdU,Sigma社)を終濃度が10μMになるよう添加した。培養終了後、被検物質で処理した筋衛星細胞を、氷冷した0.1%H22添加メタノールを使って4℃で10分間固定した。さらに、2N塩酸を使って37℃で1時間DNA変性処理を行った後、一次抗体として抗BrdU抗体(Sigma社)、二次抗体としてHRP結合抗マウスIgG抗体(Sigma社)を用い、ジアミノメンチジン(DAB,Sigma社)にて発色させ、BrdU陽性細胞を検出した。総細胞数に占めるBrdU陽性細胞の割合を求め、筋衛星細胞活性化率とした。
結果を下表および図1に示した。
Figure 2017197491
[実験3:オイゲノールの筋衛星細胞活性化評価(in vitro)]
実験2と同様の方法で、オイゲノールについて評価した。
結果を下表および図2に示した。
Figure 2017197491
[実験4:クローブ抽出物の筋衛星細胞活性化評価(in vivo)]
(1) 被検物質投与
14週齢の雄性SDラット(日本エスエルシー社)を、体重を基準にして、6匹ずつ、対照群、クローブ抽出物投与群の2群に分けた。各群に、それぞれ水または実験1で調製したクローブ95v/v%エタノール抽出物を、500mg/kg体重となるように1日1回、4日間経口投与した。さらに、解剖2時間前に、ブロモデオキシウリジン(BrdU,Sigma社)を50mg/kg体重の割合で腹腔内投与した。
(2) 筋衛星細胞の単離
上記ラットより大腿部筋組織を摘出し、脂肪および結合組織等を除去・ミンスした後、37℃で1時間、1.25mg/mLプロテアーゼ水溶液(Sigma社)で処理した。分画遠心分離にて筋線維断片等を除去した後、ポリリジン(Sigma社)およびフィブロネクチン(Sigma社)をコーティングしたプレートに播種し、5%CO2雰囲気中、37℃で24時間前培養後、PBSで洗浄することで筋衛星細胞を単離した。培地としては、上記実験2(1)で用いた10%HS−DMEMを使った。
(3) 筋衛星細胞活性化評価
単離した筋衛星細胞を、氷冷した0.1%H22添加メタノールを使って4℃で10分間固定した。さらに、2N塩酸を使って37℃で1時間DNA変性処理を行った後、一次抗体として抗BrdU抗体(Sigma社)、二次抗体としてHRP結合抗マウスIgG抗体(Sigma社)を用い、ジアミノメンチジン(DAB,Sigma社)にて発色させ、BrdU陽性細胞を検出した。総細胞数に占めるBrdU陽性細胞の割合を求め、筋衛星細胞活性化率とした。さらに、対照群の筋衛星細胞活性化率を基準として、各群の筋衛星細胞活性化率の比を筋衛星細胞活性化度とした。
結果を下表および図3に示した。
Figure 2017197491
[ソフトカプセル剤の製造]
実験1で調製したクローブ95v/v%エタノール抽出物を含むMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)溶液を、ロータリー式ソフトカプセル製造装置を用いてゼラチン皮膜に圧入し、クローブ抽出物を125mg含有するソフトカプセル剤を得る。このソフトカプセル剤は、1回2つ、一日2回摂取(一日摂取量あたりのクローブ抽出物は500mg)することが推奨される。
[ゼリー状食品の製造]
ゼラチンに加水・加熱を行って溶解させた後、実験1で調製したクローブ95v/v%エタノール抽出物を加えてホモジナイズし、可溶物(乳化物)を得る。次に、先の乳化物にカゼイン及びデキストリンを加えながら加熱し、さらに、果糖ぶどう糖液糖、乳酸Ca、クエン酸、香料、クエン酸Na、ビタミン類を加えて、十分攪拌しながらアルミ複合シートから形成されたパウチに充填密封することによって、クローブ抽出物を250mg含有する1個180gのゼリー状食品を得る。

Claims (6)

  1. クローブ(Syzygium aromaticum L.)抽出物を含有する、筋肉増強用組成物。
  2. 食品組成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、ドリンク剤、またはゼリーの形態である、請求項2に記載の組成物。
  4. 一日摂取量あたり、5mg以上5000mg以下のクローブ抽出物を含む、請求項2または3に記載の組成物。
  5. クローブ抽出物が、クローブの花蕾の抽出物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 抗疲労、抗老化、冷え性改善、または筋力向上のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
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JP2020100591A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 味の素株式会社 筋質向上剤

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