JP2015230817A - 二次電池システムおよび二次電池の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次電池の劣化の進行を抑制する。
【解決手段】二次電池の動作を制御する二次電池システムであって、二次電池は正極および負極を有し、二次電池システムは、二次電池の電圧を検知する電圧検知手段と、二次電池の正極と負極の電位を計測する正/負極電位計測手段と、二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、二次電池の電圧及び電流からSOCを演算するSOC演算部と、計測される正極の電位と負極の電位をもとに、二次電池のSOC使用範囲を決定するSOC稼働量決定部を有する二次電池システム。
【選択図】図12
【解決手段】二次電池の動作を制御する二次電池システムであって、二次電池は正極および負極を有し、二次電池システムは、二次電池の電圧を検知する電圧検知手段と、二次電池の正極と負極の電位を計測する正/負極電位計測手段と、二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、二次電池の電圧及び電流からSOCを演算するSOC演算部と、計測される正極の電位と負極の電位をもとに、二次電池のSOC使用範囲を決定するSOC稼働量決定部を有する二次電池システム。
【選択図】図12
Description
本発明は、二次電池システムおよび二次電池の制御方法に関する。
電力系統における産業用電池システムには、直列もしくは並列に接続された二次電池の状態を管理する電池制御回路が搭載されている。電池制御回路が管理する蓄電手段の状態としては、蓄電手段がどの程度まで充電されているか、あるいはどの程度放電可能な電荷量が残っているのかを示す充電状態(State of Charge:SOC)や電池の寿命の判断や劣化に応じた制御等を実現するために用いる劣化状態(State of Health:SOH)が代表的な例である。
電池システムを構成する二次電池の劣化の進み方は、二次電池の温度や二次電池を構成する正極・負極の電位使用範囲に応じて異なる。正極・負極はそれぞれ個別に劣化し、結果として、電池性能の低下に繋がることから、電池の寿命の判断や劣化に応じた制御等を実現するためには、二次電池を構成する正極・負極それぞれの劣化状態や電位使用範囲を把握することが望ましい。
二次電池の電極の劣化を抑制することを目的として、特許文献1には、金属製の参照電極を有する二次電池と制御部を備えたリチウム二次電池の制御装置において、参照電極が有する基準電位に対する負極の電位が負の時、もしくは参照電極が有する基準電位に対する正極の電位が規定値以上のとき、二次電池への充電量を制御することで、充電に伴う負極での金属リチウムの析出や正極の結晶崩壊を抑制する技術が開示されている。
二次電池を構成する正極および負極は、各々の電位使用範囲によって、正極および負極の劣化の進み方が異なる。特許文献1の技術には、負極電位が負の場合、もしくは正極電位が所定値より高い場合、つまり高SOCにおける充電量の制限方法については、記載されているが、正極及び負極の電位使用範囲に応じて異なる劣化特性を充放電制御に反映する技術に関する記載はない。このため、電池システム設計時に設定したSOC使用範囲で電池を制御した場合、二次電池の劣化後に、正極及び負極の電位使用範囲の変化を捉えることが出来ず、結果として劣化を加速させる可能性がある。
本発明は、二次電池の劣化の進行を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
二次電池の動作を制御する二次電池システムであって、二次電池は正極および負極を有し、二次電池システムは、二次電池の電圧を検知する電圧検知手段と、二次電池の正極と負極の電位を計測する正/負極電位計測手段と、二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、二次電池の電圧及び電流からSOCを演算するSOC演算部と、計測される正極の電位と負極の電位をもとに、二次電池のSOC使用範囲を決定するSOC稼働量決定部を有する二次電池システム。
本発明により、二次電池の劣化の進行を抑制できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
以下に説明する実施例では、蓄電部を構成する蓄電器にリチウムイオン二次電池を適用した場合を例に挙げて説明する。蓄電器としては、他にもニッケル水素電池や鉛電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどを用いることもできる。以下に説明する実施例の構成は、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)などの電動車両、ハイブリッド鉄道車両といった移動体用の電源を構成する電池システムにも適用できる。
本発明の実施例1を図1〜図13に基づいて説明する。本実施例では、二次電池の正極電位と二次電池の負極電位をもとに二次電池のSOC使用範囲を決定する、具体的には、二次電池の正極電位、二次電池の負極電位、二次電池の電流および二次電池の温度に基づき、二次電池のSOC稼動量(ΔSOC)を変化させることで二次電池の劣化を抑制する例について述べる。以下に説明する実施例では、電力系統における産業用電池システムに対して適用した場合を例に挙げて説明する。
電池システム100(二次電池システム)の構成について説明する。電池システム100は、複数の単電池111から構成される組電池110と、単電池111の状態を監視するセルコントローラ120(120a、120b)と、電池システム100に流れる電流を検知する電流検知手段130と、組電池110の総電圧を検知する電圧検知手段140と、組電池110の制御を行うモジュールコントローラ150と、組電池110、単電池111、単電池群112の電池特性に関する情報を格納するデータベース部160で構成される。
モジュールコントローラ150は、セルコントローラ120から送信される単電池111の電池電圧や温度、電流検知手段130から送信される電池システム100に流れる電流値、電圧検知手段140から送信される組電池110の総電圧値が入力されており、入力された情報をもとに組電池110の状態検知などを行う。また、モジュールコントローラ150が行う処理の結果は、セルコントローラ120やシステムコントローラ200に送信される。システムコントローラ200は、モジュールコントローラ150からの情報を基に、電池システム100とリレー300及びリレー310を介して接続される変換器400を制御する。
組電池110は、電気エネルギーの蓄積及び放出(直流電力の充放電)が可能な複数の単電池111(リチウムイオン二次電池)を電気的に直列に接続して構成される。単電池111には、詳細は後述するが、電池の端子電圧Vcellを測定するための端子の他に、電池を構成する正極の電位Vpと負極の電位Vnを計測するための端子を備えており、セルコントローラ120(120a、120b)は、1つの単電池111からVcell、Vp、Vnを計測する。単電池111は、単電池電圧が3.0〜4.2V(平均出力電圧:3.6V)であるとした場合を例に挙げて説明するが、これ以外の電圧仕様のものでも構わない。
直列に接続された単電池111は、状態の管理・制御を行う上で、所定の単位数にグループ分けが行われている。所定の単位数は、例えば1個、4個、6個・・・というように、等区分とする場合もあれば、4個と6個とを組み合わせる、というように、複合区分とする場合もある。
単電池111の状態を監視するセルコントローラ120は、上記のようにグループ分けされた1つ以上の単電池111に対して1つのセルコントローラ120が割り当てられている。セルコントローラ120は、割り当てられた1つ以上の単電池111からの電力を受けて動作し、割り当てられた1つ以上の単電池111の情報を収集し、収集した情報を、モジュールコントローラ150に送信する。
本実施例におけるセルコントローラ120とモジュールコントローラ150との通信手段について説明する。セルコントローラ120は、隣接するセルコントローラ120及びモジュールコントローラ150と通信線でループ状に接続されている。図1における最上位のセルコントローラ120aは、計測した単電池群112aの情報を隣接するセルコントローラ120へ出力し、セルコントローラ120aの情報を受信したセルコントローラ120は、自身が計測した単電池群112aの情報と合わせて、隣接するセルコントローラ120へ送信する。これを繰り返し、最下位のセルコントローラ120bが単電池群112bの情報を収集したら、最上位から最下位までの各セルコントローラ120が計測した単電池111の情報をモジュールコントローラ150に送信する。
各セルコントローラ120が計測した単電池111の情報を入力として、モジュールコントローラ150は、各単電池111の情報をもとに、各単電池111の状態を演算する。モジュールコントローラ150が演算した単電池111の情報は、例えば、CAN(Control Area Network)等の通信手段を用いて、システムコントローラ200へ送信される。セルコントローラ120とモジュールコントローラ150の情報を伝送するループ接続は、デイジーチェーン接続あるいは数珠繋ぎ接続もしくは芋づる式接続と呼ぶ場合もある。本実施例では、上記接続及び通信形態を採用した場合を例に説明を進めるが、モジュールコントローラ150とセルコントローラ120との間の通信を実現できる構成であれば、他の通信手段を用いてもよい。
次に、単電池111の構成について図2に基づき述べる。図2に、単電池111の構成例を示す。単電池111は、正極材111−1と、負極材111−2と、正極材111−1と負極材111−2の電気化学的な反応に伴って発生する電気エネルギーを外部負荷へ取り出すための正極集電箔111−3及び負極集電箔111−4と、リチウムイオンが正極(正極材111−1および正極集電箔111−3で構成される)から負極(負極材111−2および負極集電箔111−4で構成される)へ、もしくは負極から正極へ移動する際の通り道となる電解液111−5と、単電池111の内部で正極と負極を隔離し、かつ正極と負極の間のイオン伝導性を確保するためのセパレータ111−6と、正極及び負極の電位を計測するための参照極111−7と、を有する。
例えば、正極材111−1中の正極活物質には、リチウム金属酸化物を、負極材111−2中の負極活物質には、グラファイトなどの炭素材が用いられる。電解液111−5は、リチウム塩とエチレンカーボネートのような溶媒を含む。また、参照極111−7には、リチウム金属化合物などが用いられ、リチウム金属に対する正極の電位を正極電位、リチウム金属に対する負極の電位を負極電位として、計測出来るような構成となっている。尚、電池電圧は、正極と負極の間の電位差として計測される。
本実施例におけるセルコントローラ120の全体構成について図3に基づいて述べる。図3は、セルコントローラ120の回路構成を示す図である。セルコントローラ120は、セル電圧検出回路121−1、正極電位検出回路121−2、負極電位検出回路121−3、温度検知部122、制御回路123、信号入出力回路124を備える。セル電圧検出回路121−1は、各単電池111の電池電圧を、正極電位検出回路121−2は正極電位を、負極電位検出回路121−2は、負極電位を測定する。正極電位検出回路121−2および負極電位検出回路121−2を併せて、正/負極電位計測手段と称する。温度検知部122は、セルコントローラ120が監視する各単電池111の温度を測定する。制御回路123は、セル電圧検出回路121−1、正極電位検出回路121−2、負極電位検出回路121−3、および温度検知部122からの測定結果を受け取り、信号入出力回路124を介してモジュールコントローラ150に送信する。なお、セルコントローラ120に一般的に実装される、自己放電や消費電流ばらつき等に伴い発生する単電池111間の電圧ばらつきを均等化する回路構成は、記載を省略した。
図3におけるセルコントローラ120が備える温度検知部122は、直列に接続された単電池111の温度を測定する機能を有する。温度検知部122は、直列に接続された単電池111全体として1つの温度を測定し、直列に接続された単電池111の温度代表値としてその温度を取り扱う。温度検知部122が測定した温度は、単電池111の状態を検知するための各種演算に用いられる。
データベース部160に格納されているデータについて、図4に基づき説明する。図4は、電池のSOCと開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)及び正極・負極の放電容量と正極・負極のOCV(OCVp、OCVn)の対応関係を示す図である。データベース部160は、単電池111のSOCとOCVの対応関係、内部抵抗特性、分極抵抗特性、正極及び負極の特性など各種電池特性情報をSOCや温度等各種パラメータとの対応関係を記述したデータテーブルとして格納している。例として、図4(a)には単電池111のSOCとOCVの対応関係を、図4(b)には単電池111を構成する正極の放電容量(qp)とOCV(OCVp)の対応関係を、図4(c)には単電池111を構成する負極の放電容量(qn)とOCV(OCVn)の対応関係を示している。図4は、横軸をSOCもしくは放電容量とした場合のOCV特性を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(b)(c)の横軸を、正極及び負極それぞれで規定される満充電容量に対してどの程度放電出来るのかを示す値として正極充電状態(SOCp)、負極充電状態(SOCn)をそれぞれ定義し、これらを横軸としても良い。また、データベース部160に格納させるデータ形式にデータテーブルを用いたが、OCVとSOCとの対応関係を数式などで表現しても良く、データテーブルという形に限定されるものではない。
電池システム100を構成するモジュールコントローラ150について、図5に基づき述べる。モジュールコントローラ150は、正/負極OCV検出部151とSOC演算部152とSOH演算部153とSOC稼働量決定部154から構成される。
正/負極OCV検出部151はセルコントローラ120が検知した正極電位Vp、負極電位Vn、電池温度T及び電流検知手段130が検知した電流Iを入力とし、単電池111の正極OCV(OCVp)、負極OCV(OCVn)を演算し、SOC稼働量決定部154へ出力する。
SOH演算部153は、セルコントローラ120が検知した電池電圧Vcell、電池温度T、電流検知手段130が検知した電流Iを入力とし、後述する単電池111の内部抵抗の上昇率(SOHR)、正極内部抵抗上昇率(SOHRp)、負極内部抵抗上昇率(SOHRn))と電池容量の減少率(SOHQ)を演算し出力する。SOC演算部152は、セルコントローラ120が検出する電池電圧Vcell、電池温度T及び電流検知手段130が検知した電流I、SOH演算部153が演算する単電池111の内部抵抗の上昇率(SOHR)を入力とし、単電池111のSOCを演算し、システムコントローラ160へ出力する。
SOC稼働量決定部154は、正/負極OCV検知部151が検出したOCVp、OCVnをもとにOCVpとOCVnを基に、滞在頻度の高いOCVp、OCVnに対応したSOC稼働範囲(ΔSOCt)を決定し、出力する。換言すれば、SOC稼働量決定部154は、計測される正極の電位と負極の電位をもとに、二次電池のSOC使用範囲を決定する。
次に電池システム100を構成するシステムコントローラ200について、図6に基づき述べる。システムコントローラ200を構成する充放電制御手段決定部201は、モジュールコントローラ150が出力するSOC、ΔSOCtと電力系統を監視するシステム(図示しない)から送信される出力指令値を入力として、変換器400の制御指令を出力する。システムコントローラ200から出力される制御指令に基づき、変換器400を制御することで、電池システム100の充放電が制御される。本実施例では、モジュールコントローラ150から出力されるSOCを任意の時間幅内(例えば、10分)で平均化して取得した中心SOCに対して、ΔSOCt以内に収まるように充放電を制御する。
モジュールコントローラ150を構成する正/負極OCV検知部151が出力するOCVp、OCVnの演算方法を、図7に基づいて述べる。図7は、単電池111の簡易的な等価回路を示している。図7中のVcellは単電池電圧、Vpは正極電位、OCVpは正極OCV、Rpは正極内部抵抗、Reは電解液抵抗、Vnは負極電位、OCVnは負極OCV、Rnは負極内部抵抗、Iは電流を表している。ある電流Iが通電した場合の電池電圧Vcellは、以下の式(1)〜(3)に基づいて算出される。尚、電流Iは充電時に+、放電時に−の値をとるものとした。
Vcell=Vp+I×Re−Vn・・・式(1)
Vp=(OCVp+I×Rp)・・・式(2)
Vn=(OCVn−I×Rn)・・・式(3)
上記式(2)(3)より、充放電期間中のOCVp及びOCVnは、後述する劣化に伴う正極及び負極の内部抵抗の上昇率(SOHRp,SOHRn)を反映した形で表すと、以下の式(4)及び(5)のように表せる。
Vp=(OCVp+I×Rp)・・・式(2)
Vn=(OCVn−I×Rn)・・・式(3)
上記式(2)(3)より、充放電期間中のOCVp及びOCVnは、後述する劣化に伴う正極及び負極の内部抵抗の上昇率(SOHRp,SOHRn)を反映した形で表すと、以下の式(4)及び(5)のように表せる。
OCVp=Vp−I×Rp0×SOHRp/100・・・式(4)
OCVn=Vn+I×Rn0×SOHRn/100・・・式(5)
尚、式(4)(5)に含まれる新品時の正極内部抵抗Rp0及び負極内部抵抗Rn0は、正極容量qp及び負極容量qnや温度Tとの間に対応関係があるため、正極容量qp及び負極容量qnとの間の対応関係を予めデータベース部160に予め実装しておくことで、OCVpとOCVnを演算することが出来る(式(6)(7))。また、式(4)(5)に含まれるqp及びqnは、OCVpとqp及びOCVnとqnの間の図4(b)(c)に示すような対応関係をデータベース部160に予め実装しておくことで、演算したOCVp及びOCVnから取得することが出来る(式(8)(9))。
OCVn=Vn+I×Rn0×SOHRn/100・・・式(5)
尚、式(4)(5)に含まれる新品時の正極内部抵抗Rp0及び負極内部抵抗Rn0は、正極容量qp及び負極容量qnや温度Tとの間に対応関係があるため、正極容量qp及び負極容量qnとの間の対応関係を予めデータベース部160に予め実装しておくことで、OCVpとOCVnを演算することが出来る(式(6)(7))。また、式(4)(5)に含まれるqp及びqnは、OCVpとqp及びOCVnとqnの間の図4(b)(c)に示すような対応関係をデータベース部160に予め実装しておくことで、演算したOCVp及びOCVnから取得することが出来る(式(8)(9))。
Rp0=RpMap(qp,T)・・・式(6)
Rn0=RnMap(qn,T)・・・式(7)
qp=qpMap(OCVp)・・・式(8)
qn=qnMap(OCVn)・・・式(9)
モジュールコントローラ150を構成するSOC演算部152が出力するSOCの演算方法について述べる。充放電期間中の電池電圧Vcellから、電流I、電池の内部抵抗Rcell0、後述するSOHRに基づきOCVを求め、求めたOCVから予めデータベース部160に実装しておくSOCとOCVの対応関係に基づき、SOCを演算する。(式(10)(11))
OCV=Vcell−I×Rcell0)×SOHR/100・・・式(10)
SOC=OCVMap(OCV)・・・式(11)
ここで、式(10)に含まれる新品時における電池の内部抵抗Rcell0は、電池の等価回路を図7と仮定すると、Rp0、Rn0とRe0の総和として表現することも可能であるが、ここでは、簡単のため予めデータベース部160にSOC、温度Tに応じた電池の内部抵抗特性を実装しておく事とする。(式(12))
Rcell0=RcellMap(SOC,T)・・・式(12)
モジュールコントローラ150を構成するSOH演算部153が出力するSOH(SOHQ、SOHR)の演算方法について述べる。SOHQは、電池容量の減少率(容量維持率)として、以下の式(13)と定義する。
Rn0=RnMap(qn,T)・・・式(7)
qp=qpMap(OCVp)・・・式(8)
qn=qnMap(OCVn)・・・式(9)
モジュールコントローラ150を構成するSOC演算部152が出力するSOCの演算方法について述べる。充放電期間中の電池電圧Vcellから、電流I、電池の内部抵抗Rcell0、後述するSOHRに基づきOCVを求め、求めたOCVから予めデータベース部160に実装しておくSOCとOCVの対応関係に基づき、SOCを演算する。(式(10)(11))
OCV=Vcell−I×Rcell0)×SOHR/100・・・式(10)
SOC=OCVMap(OCV)・・・式(11)
ここで、式(10)に含まれる新品時における電池の内部抵抗Rcell0は、電池の等価回路を図7と仮定すると、Rp0、Rn0とRe0の総和として表現することも可能であるが、ここでは、簡単のため予めデータベース部160にSOC、温度Tに応じた電池の内部抵抗特性を実装しておく事とする。(式(12))
Rcell0=RcellMap(SOC,T)・・・式(12)
モジュールコントローラ150を構成するSOH演算部153が出力するSOH(SOHQ、SOHR)の演算方法について述べる。SOHQは、電池容量の減少率(容量維持率)として、以下の式(13)と定義する。
SOHQ=100×Qmax1/Qmax0・・・式(13)
ここで、Qmax0は新品時の電池の満充電容量、Qmax1は劣化後の電池の満充電容量を示しており、Qmax1は、以下の式(14)から演算される。
ここで、Qmax0は新品時の電池の満充電容量、Qmax1は劣化後の電池の満充電容量を示しており、Qmax1は、以下の式(14)から演算される。
Qmax1=∫Idt/((SOC1−SOC2)/100)・・・式(14)
式(11)中のSOC1及びSOC2は、SOCとOCVの対応関係に基づき算出された2点のSOCであり、∫Idtは、SOCがSOC1からSOC2に至るまでに実際に変化した充放電電気量(電流の積分値)を示している。また、SOHRを電池の内部抵抗上昇率、SOHRpは正極の内部抵抗上昇率、SOHRnは負極の内部抵抗上昇率として、式(15)〜(17)のように定義する。
式(11)中のSOC1及びSOC2は、SOCとOCVの対応関係に基づき算出された2点のSOCであり、∫Idtは、SOCがSOC1からSOC2に至るまでに実際に変化した充放電電気量(電流の積分値)を示している。また、SOHRを電池の内部抵抗上昇率、SOHRpは正極の内部抵抗上昇率、SOHRnは負極の内部抵抗上昇率として、式(15)〜(17)のように定義する。
SOHR=100×Rcell1/Rcell0・・・式(15)
SOHRp=100×Rp1/Rp0・・・式(16)
SOHRn=100×Rn1/Rn0・・・式(17)
式(15)〜(17)に含まれるRcell1、Rp1、Rn1は、劣化後における電池、正極、負極それぞれの内部抵抗を示しており、電池に流れる電流I、電池電圧Vcell、正極電位Vp、負極電位Vnを用いて、以下の式(18)〜(20)から求めることが出来る。
SOHRp=100×Rp1/Rp0・・・式(16)
SOHRn=100×Rn1/Rn0・・・式(17)
式(15)〜(17)に含まれるRcell1、Rp1、Rn1は、劣化後における電池、正極、負極それぞれの内部抵抗を示しており、電池に流れる電流I、電池電圧Vcell、正極電位Vp、負極電位Vnを用いて、以下の式(18)〜(20)から求めることが出来る。
Rcell1=ΔVcell/ΔI・・・式(18)
Rp1=ΔVp/ΔI・・・式(19)
Rn1=ΔVn/ΔI・・・式(20)
式(18)〜(20)に含まれるΔVcell、ΔVp、ΔVnはそれぞれ、電流がΔIだけ変化した時の電池電圧、正極電位、負極電位の変化である。
Rp1=ΔVp/ΔI・・・式(19)
Rn1=ΔVn/ΔI・・・式(20)
式(18)〜(20)に含まれるΔVcell、ΔVp、ΔVnはそれぞれ、電流がΔIだけ変化した時の電池電圧、正極電位、負極電位の変化である。
モジュールコントローラ150を構成するSOC稼動量決定部154について、図8〜図10に基づいて述べる。SOC稼動量決定部154は、正/負極OCV検知部151が出力するOCVp、OCVnの検知結果から、頻度の高いOCVp(高滞在頻度正極OCV)、頻度の高いOCVn(高滞在頻度負極OCV)を取得(図8(a)、図8(b)、図8(c))し、取得した高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVに基づき、SOC稼動量(ΔSOCt)を決定する。高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVに対応するΔSOCtは、予めデータベース部160に高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVに応じた、図9に示すようなデータテーブルとして、実装しておけばよい。
次に、図10に基づき、本実施例におけるモジュールコントローラ150及びシステムコントローラ200の動作を説明する。図10(a)は、モジュールコントローラ150のフローチャートを、図10(b)は、システムコントローラ200のフローチャートを示している。
図10(a)に基づき、モジュールコントローラ150の動作を述べる。S110で、正/負極OCV検知部151が検知したOCVp、OCVnが所定数以上に達したかを判定し、OCVp、OCVnを所定数以上取得した場合は、S111へ進む。S111では、取得したOCVp、OCVnから高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVを取得する。S112では、高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVに基づき、SOC稼動量(ΔSOCt)を求め、S113へ進み、S113では、決定したΔSOCtをシステムコントローラ200へ送信する。
図10(b)に基づき、システムコントローラ200の動作を述べる。S120では、システムコントローラ200がモジュールコントローラ150から送信されるΔSOCtを受信したか否かを判定する。ΔSOCtを受信したと判定したら、S121へ進む。S121では、モジュールコントローラ150から送信されるSOCの時系列データから、任意の時間幅における中心SOCを算出し、S122へ進む。S122では、算出した中心SOCに対して、モジュールコントローラ150から送信されたΔSOCtの範囲内に入るように、変換器400を制御し、電池システム100を充放電させる。
本発明の効果を、図11〜図13に基づいて述べる。本実施例における効果は、単電池111を構成する負極の電極材料に黒鉛を適用した場合を例に挙げて述べる。黒鉛負極は、充放電に伴い、膨張収縮を起こすことが知られており、膨張収縮に伴い、正極や負極の活物質にクラックが生じ、結果として電池性能を低下させる可能性がある。膨張収縮の度合いは、黒鉛負極の電位使用範囲によって異なる。
図11に、黒鉛負極の膨張収縮特性例を示した。図11(a)は、横軸にSOCをとり、縦軸に黒鉛負極のOCVカーブ(実線)と電極の膜厚(点線)を示したグラフである。このグラフからSOC0%からSOC20%付近と、SOC60%以上の範囲では、電極の膜厚が増加傾向にあり、SOC20%からSOC60%付近でのプラトー領域では、電極の膜厚は増加していないことが分かる。
図11(b)には、SOCに応じた膜厚変化量を示した。図11(b)から、電池を使用しているときのSOC(負極の電位範囲)に応じて、同一のΔSOCでも、ΔSOCに対応する膜厚の変化量は異なることが分かる。従って、高SOCもしくは低SOCの領域では、電池システム100の充放電に伴い、黒鉛負極の膨張収縮量が大きくなることから、ΔSOCを大きくとると、その分、単電池111の劣化を促進する可能性があることが分かる。一方で、SOC20%からSOC60%付近では、ΔSOCに対して、膨張収縮に伴う膜厚変化量が小さいため、ΔSOCを大きくとっても、膨張収縮に伴う劣化の影響は小さくなると考えられる。
そこで、本実施例では、図11(c)に示すように、黒鉛負極のOCVが膜厚変化の大きい領域にある場合は、中心SOCに対するSOC稼動量(ΔSOC)を小さくすることで、劣化加速を抑制し、一方で、膨張収縮による影響が小さい範囲では、逆にΔSOCを拡大することで、電池の劣化を抑制しつつ、電池の蓄えたエネルギーを最大限に活用できる制御を実現する。尚、本実施例では、黒鉛負極を例に説明しているが、これに限定したものではない。材料によって異なる正極及び負極の劣化特性に応じて、SOC稼動量を決定すれば良い。
図12に、本発明の第1実施例におけるSOC稼動範囲の変化の推移を示した。始め膨張収縮の大きい範囲にて、電池システム100を使用している。時刻t1にて、正/負極OCV検知部151は、高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVを検出し、高滞在頻度負極OCVが膨張収縮の大きな範囲内にあることを検知すると、劣化の進行を抑制するため、システムコントローラ200は、ΔSOCが小さくなるように充放電を制御する。その後、負荷が充電過多になり、単電池111の正極及び負極の電位範囲が変化した場合、正/負極OCV検知部151が再度、高滞在頻度正極OCV、高滞在頻度負極OCVを取得し、時刻t2でΔSOCtを再設定する。ここでは、時刻t2で負極の電位が膨張収縮の小さな範囲にあると判定し、中心SOCに対するΔSOCを拡大して充放電を制御する。
図13に本実施例を適用した場合の劣化特性例を示す。図13(a)には容量維持率を、図13(b)には抵抗上昇率の推移を示した。図13(a)、図13(b)のL111、L121は、本実施例による制御を適用していない場合の容量維持率及び抵抗上昇率を、L112、L122は、本実施例による制御を適用した場合の容量維持率及び抵抗上昇率を示している。
本実施例による制御を適用していない場合、負極の膨張収縮による影響を考慮することが出来ないため、劣化の進行を抑制することが出来ていないのに対し、本実施例を適用すると、膨張収縮に伴う膜厚の変化を反映した制御が可能となるため、結果として、膜厚変化の大きい範囲で電池を使用している場合の劣化の進行を抑制出来る。また、膜厚変化の小さい範囲では、劣化が進行し難いため、ΔSOCを拡大して制御を実施することで、電池の蓄えているエネルギーを最大限に活用することが出来る。
本実施例によれば、単電池111を構成する正極及び負極の正極及び負極の電位使用範囲を反映した充放電制御を実施できるため、結果として、単電池111の劣化の進行を抑制することができる。
本発明の実施例2を図14から図23に基づき述べる。尚、本実施例の説明において、実施例1と同様の構成要素については、説明を省略し、実施例1との差分点のみ述べる。
本実施例では、正極及び負極の容量劣化や副反応によるリチウムの減少を其々検出し、検出した結果に基づき、単電池111の劣化を抑制可能なSOC稼働範囲を決定する。
本実施例の詳細を述べる前に、まず電池の正極及び負極の容量劣化、副反応によるリチウムイオンの減少の様子を図14及び図15に基づき述べる。
図14は、電池の正極及び負極それぞれの放電OCV曲線を示した図であり、横軸に放電容量を、縦軸に正極及び負極の電位を示したグラフである。図14(a)は、新品時における正極及び負極それぞれの放電OCV曲線を示しており、図14(b)は、正極のみが劣化した場合を、図14(c)は負極のみが劣化した場合の放電OCV曲線を示している。
電池の満充電容量を、正極電位と負極電位の差分となる電池電圧が、上限電圧Vmaxから下限電圧Vminに至るまでに取り出せる容量と定義する。また、同様に図14には図示しないが、正極及び負極それぞれについても、上限電位から下限電位に至るまでに取り出せる容量を正極及び負極の満充電容量と定義する。
正極のみが劣化した場合、正極の放電OCV曲線が、図14(b)のように収縮(実線:劣化後、点線:新品時)し、結果として、電池の満充電容量が低下する。同様に、負極のみが劣化した場合、負極の放電OCV曲線が、図14(c)のように収縮(実線:劣化後、点線:新品時)し、結果として、上述のように定義した電池の満充電容量が低下する。この時、正極及び負極それぞれの満充電容量(qp,max1、qn,max1))は、以下の式(21)、(22)で表せる。
qp,max1=mp×qp,max0・・・式(21)
qn,max1=mn×qn,max0・・・式(22)
ここで、qp,max1、qn,max1は其々、劣化後の正極及び負極の満充電容量を示しており、mp、mnは、正極及び負極其々の劣化率を表している。
qn,max1=mn×qn,max0・・・式(22)
ここで、qp,max1、qn,max1は其々、劣化後の正極及び負極の満充電容量を示しており、mp、mnは、正極及び負極其々の劣化率を表している。
次に、図15に基づき、正極及び負極で発生し得る副反応によるリチウムイオンの減少に伴う電池容量減少の様子ついて説明する。図15(a)は、新品時における電池の正極と負極の放電OCV曲線を示しており、図15(b)には、正極及び負極で副反応により、リチウムイオンが減少した場合の放電OCV曲線を示している。まず、図15(a)に基づき、副反応に伴う正極及び負極の放電OCV曲線の変化を示すパラメータを定義する。電池のOCV曲線を、電池電圧(正極電位と負極電位の差)がVmaxからVminに至るまでの範囲で見た時、電池電圧がVmaxの時の放電容量を0とすると、正極の上限電位の位置が放電容量0の位置からCpだけずれる。同様に負極の下限電位の位置も放電容量0の位置からCnだけずれる。本実施例では、Cp、Cnの差分を放電OCV曲線の位置情報を表すパラメータ(以降、相対位置C)として定義する(式(23))。
C=Cn-Cp・・・式(23)
正極及び負極側で副反応に伴ってリチウムイオンが減少すると、図15(b)のように正極位置Cpと負極位置Cnがそれぞれ変化し、結果として、CpとCnの差分Cも変化する。本実施例では、劣化に伴い変化するCの相対的な変化量を副反応によるリチウムイオン損失量として定義した。
正極及び負極側で副反応に伴ってリチウムイオンが減少すると、図15(b)のように正極位置Cpと負極位置Cnがそれぞれ変化し、結果として、CpとCnの差分Cも変化する。本実施例では、劣化に伴い変化するCの相対的な変化量を副反応によるリチウムイオン損失量として定義した。
Liloss=C(劣化後)-C(新品時)・・・式(24)
電池の放電容量Qdisは、正極及び負極のOCVに対応した新品時における単極の任意の放電容量(qp0、qn0)と、図14、図15に基づき説明した正極及び負極の劣化パラメータ(mp、mn)、正極及び負極での副反応に伴うリチウムイオンの減少量(Cp、Cn)を用いて、以下の式(25)、(26)のように表せる。
電池の放電容量Qdisは、正極及び負極のOCVに対応した新品時における単極の任意の放電容量(qp0、qn0)と、図14、図15に基づき説明した正極及び負極の劣化パラメータ(mp、mn)、正極及び負極での副反応に伴うリチウムイオンの減少量(Cp、Cn)を用いて、以下の式(25)、(26)のように表せる。
Qdis=mp×qp0-Cp・・・式(25)
Qdis=mn×qn0-Cn・・・式(26)
本実施例では、図14、図15及び式(21)から式(26)で定義した正極及び負極の劣化パラメータ(mp、mn)と副反応に伴うリチウムイオンの減少量(Cp、Cn)を把握し、制御へ反映させることで、劣化を抑制した充放電制御を実現する方法について述べる。
Qdis=mn×qn0-Cn・・・式(26)
本実施例では、図14、図15及び式(21)から式(26)で定義した正極及び負極の劣化パラメータ(mp、mn)と副反応に伴うリチウムイオンの減少量(Cp、Cn)を把握し、制御へ反映させることで、劣化を抑制した充放電制御を実現する方法について述べる。
図16に、本実施例におけるモジュールコントローラ150´の全体構成を示す。本実施例では、実施例1に記載した正/負極OCV検知部151の代わりに、正/負極状態検知部151´を備えている。正/負極状態検知部151´は、正極及び負極の電位(Vp、Vn)と電流、温度、正極及び負極の内部抵抗上昇率(SOHRp、SOHRn)を入力とし、正極劣化率mp、負極劣化率mn、リチウム損失量Lilossを出力する。SOC稼働量決定部154´は、正/負極状態検知部151´が出力した正極劣化率mp、負極劣化率mn、リチウム損失量Lilossを入力とし、SOC稼働範囲(上限制御SOC、下限制御SOC、制御中心SOC)を出力する。
本実施例におけるシステムコントローラ200´について図17に基づき述べる。システムコントローラ200´を構成する充放電制御手段決定部201´は、SOC稼働範囲(上限制御SOC、下限制御SOC、制御中心SOC)、SOC、電力系統からの出力指令値を入力として、変換器400への制御指令を出力し、劣化を抑制可能なSOC範囲となるように、変換器400を介して電池システム100の充放電を制御する。SOC稼働範囲(上限制御SOC、下限制御SOC、制御中心SOC)は、正極及び負極劣化率(mp,mn)とリチウム損失量Lilossに応じた値であり、例えば、データベース部160に、mp、mn、Lilossに応じてデータベース化しておけばよい。
次に、モジュールコントローラ150´を構成する正/負極状態検知部151´について図18、図19に基づき述べる。図18は、横軸に単極(正極及び負極)放電容量(qp0,qn0)を、縦軸に電池放電容量(Qdis)を示したグラフである。単極の放電容量と電池の放電容量は、式(25)(26)のように線形の関係にある。従って、正極及び負極の単極容量と電池の放電容量のペアを劣化が進行しない時間幅内で複数取得し、直線近似することで、直線の傾きに相当する正極及び負極の劣化率(mp,mn)と、切片に相当するCp、Cnをそれぞれ求めることができ、Cp,Cnから、相対位置となるCを算出出来る。新品時における正極及び負極の単極容量(qp0,qn0)は、図4(b)、図4(c)のような正極及び負極其々の放電容量とOCVの対応関係を予めデータベース160に格納しておけば、電池システム100運用中の単電池111の正極OCV(OCVp)及び負極OCV(OCVn)に対応したqp0,qn0を其々習得出来る。電池システム100運用中の単電池111の正極OCV(OCVp)及び負極OCV(OCVn)は、式(4)(5)から演算しても良いし、電池システム100が充放電を休止している時の安定した電位をOCVp、OCVnとして習得しても良い。また、電池の放電容量Qdisについては、図16には図示していないが、例えば、電池のSOC演算結果を正/負極状態検知部151´へ入力し、以下の式(27)に基づき演算すれば良い。
Qdis=Qmax1-Qmax1×SOC/100・・・式(27)
図19は、正極及び負極の劣化率(mp,mn)と相対位置Cを求める別手段を説明するための図である。図19は横軸に単極の放電容量変化(Δqp,Δqn)を、縦軸に電池容量の変化量(ΔQdis)を取ったグラフである。式(25)(26)から、劣化が進行しないとみなせる時間幅内であれば、単極の放電容量変化(Δqp,Δqn)と電池容量の変化量(ΔQdis)の間には、線形の関係が成立する。(式(28)(29)
ΔQcell=mp×Δqp0・・・式(28)
ΔQcell=mn×Δqn0・・・式(29)
従って、OCVp、OCVnから新品時におけるqp0,qn0を2点取得し、差分となるΔqp0、Δqn0を抽出し、これと並行して2点間の電流積算量(電池の放電容量変化量ΔQcell)を電流検出手段130が計測する電流を積分することで求め、Δqp0及びΔqn0とΔQcellの関係を直線近似することで、傾きに相当する正極及び負極の劣化率(mp,mn)を求めることが出来る。一方で、相対位置Cは、式(25)(26)及び式(23)から、式(30)のように表せることから、任意の点におけるOCVp、OCVnから求めたqp0、qn0とmp、mnに基づき算出することが出来る。
図19は、正極及び負極の劣化率(mp,mn)と相対位置Cを求める別手段を説明するための図である。図19は横軸に単極の放電容量変化(Δqp,Δqn)を、縦軸に電池容量の変化量(ΔQdis)を取ったグラフである。式(25)(26)から、劣化が進行しないとみなせる時間幅内であれば、単極の放電容量変化(Δqp,Δqn)と電池容量の変化量(ΔQdis)の間には、線形の関係が成立する。(式(28)(29)
ΔQcell=mp×Δqp0・・・式(28)
ΔQcell=mn×Δqn0・・・式(29)
従って、OCVp、OCVnから新品時におけるqp0,qn0を2点取得し、差分となるΔqp0、Δqn0を抽出し、これと並行して2点間の電流積算量(電池の放電容量変化量ΔQcell)を電流検出手段130が計測する電流を積分することで求め、Δqp0及びΔqn0とΔQcellの関係を直線近似することで、傾きに相当する正極及び負極の劣化率(mp,mn)を求めることが出来る。一方で、相対位置Cは、式(25)(26)及び式(23)から、式(30)のように表せることから、任意の点におけるOCVp、OCVnから求めたqp0、qn0とmp、mnに基づき算出することが出来る。
C=Cp-Cn
=mp×qp0-Qdis-(mn×qn0-Qdis)
=mp×qp0-mn×qn0・・・式(30)
上述した手法により求めた相対位置Cを新品時におけるC(新品時)との相対的な変化と定義したLilossとして算出(式(24))し、mp、mnの演算結果と併せて、SOC稼働量決定部154´へ出力する。
=mp×qp0-Qdis-(mn×qn0-Qdis)
=mp×qp0-mn×qn0・・・式(30)
上述した手法により求めた相対位置Cを新品時におけるC(新品時)との相対的な変化と定義したLilossとして算出(式(24))し、mp、mnの演算結果と併せて、SOC稼働量決定部154´へ出力する。
実施例2におけるモジュールコントローラ150´とシステムコントローラ200´の動作を図20(a)、図20(b)に基づき説明する。図20(a)は、モジュールコントローラ150´のフローチャートを、図20(b)は、システムコントローラ200´のフローチャートを示している。
図20(a)に基づき、モジュールコントローラ150´の動作を述べる。S210で、正/負極状態検知部151´が正極及び負極劣化率(mp,mn)及びリチウム損失量(Liloss)を検知したかを判定する。取得したと判定された場合は、S211へ進み、mp、mn、Lilossに応じた上下限制御SOC及び制御中心SOCを決定し、S212へ進む。S212では、決定した上下限制御SOC及び制御中心SOCをシステムコントローラ200´へ送信する。
次に、図20(b)に基づき、システムコントローラ200´の動作を述べる。S220で、モジュールコントローラ150´が送信したSOC稼働範囲(上下限制御SOC、制御中心SOC)を新規に受信したかどうかを判定する。
SOC稼働範囲を新規に受信していない場合は、S226へ進み、SOC稼働範囲を新規に受信した場合は、S221へ進む。
S221では、新規に受信したSOC稼働範囲内で充放電を制御しているかを判定する。新規に受信したSOC稼働範囲内で充放電を制御している場合は、S226へ、新規に受信したSOC稼働範囲内で充放電を制御していない場合は、S222へ進む。
S222では、受信した制御中心SOCが現在の制御中心SOCよりも高いか否かを判定し、高いと判定された場合には、S223へと進んで、変換器400を充電過多モードで制御する。一方で、受信した制御中心SOCが現在の制御中心SOCよりも低い場合には、S224へ進み、変換器400を放電過多モードで制御する。
次に、S225では、目標とするSOC稼働範囲内に変更されたかを判定し、変更されたと判定された場合には、S226へ進み、設定したSOC稼働範囲内で電池システム100の充放電を制御する。
本発明の効果を、図21〜23に基づいて述べる。本実施例における効果は、実施例1と同様に単電池111を構成する負極の電極材料に黒鉛を適用した場合を例に挙げて述べる。
図21には、横軸に、電池の放電容量を、縦軸には正極及び負極のOCVを示した。実施例1で述べたように、黒鉛負極は電位に応じて、膜厚の変化量が異なるため、膜厚変化量が大きい範囲で電池を使用すると、劣化を加速させる可能性がある。そこで、図21(a)に示すように、電池の劣化の加速を回避出来るよう、新品時は、膨張収縮の影響が小さい範囲でSOCを稼働させる。しかしながら、図21(b)に示すように劣化に伴い、電池の放電容量に対するOCV曲線の位置は変化する。このため、結果として、同じΔSOCで電池システム100を運用していたとしても、膨張収縮の大きい電位範囲で電池を使用することになり、膨張収縮に伴う劣化を加速させることになる。そこで、本実施例では、図21(c)に示すように、正極及び負極の劣化率及びリチウム損失量に基づき、膨張収縮の小さいOCV範囲を把握し、膨張収縮の小さい範囲となるように電池システム100のSOCを制御する。
図22には、本実施例におけるSOCの変化を示した。上限SOCは、電池を制御する上で上回ってはいけないSOC、下限SOCは、制御する上で下回ってはいけないSOC、制御中心SOCは、充放電中に、上下限のSOCを超えないよう、上下限両方に対してマージンをもたせるために設定しているものである。一般に、制御中心SOCは、上限と下限のちょうど真ん中に設定される。例えば、HEVでは、SOC50%を中心に電池が使用される。
新品時では、電池システム設計時に設定したSOC稼働範囲(上限制御SOC1、下限制御SOC1、制御中心SOC1)にて電池を制御する。ある時刻t1において、正極及び負極の劣化率とリチウム損失量が更新され、更新された結果に応じたSOC稼働範囲(上限制御SOC2、下限制御SOC2、制御中心SOC2)となるように制御し、新規に設定したSOC稼働範囲内で電池システム100の充放電を制御する。図22では、一例として、黒鉛負極側での副反応に伴い、負極の電位範囲が変化した場合を想定した。このような場合、図22に示すように劣化後に設定すべきSOC稼働範囲は、正極及び負極の劣化率とリチウム損失量が更新される前と比較して高い領域となる。このため、システムコントローラ200´は、電池システム100のSOC稼働範囲が高くなるように、変換器400を、充電過多モードで制御する。
図23に本発明を適用した場合の劣化特性例を示す。図23(a)には容量維持率を、図23(b)には抵抗上昇率の推移を示した。図23(a)(b)のL211、L221は、本実施例による制御を適用していない場合の容量維持率、抵抗上昇率を、L212、L222は、本実施例による制御を適用した場合の容量維持率、抵抗上昇率を示している。本実施例による制御を適用していない場合、負極の膨張収縮による影響を考慮することが出来ないため、劣化の進行を抑制することが出来ていないのに対し、本実施例を適用すると、膨張収縮に伴う膜厚の変化が大きい範囲での電池の使用を回避し、膨張収縮による劣化を抑制した制御が可能となるため、結果として、劣化の進行を抑制出来る。
本実施例によれば、単電池111を構成する正極及び負極の劣化率とリチウム損失量に対応した適切なSOC稼働範囲を設定することで、正極及び負極それぞれの劣化を抑制することができ、結果として、単電池111の劣化を抑制することができる。
本発明の実施例3を図24から図27に基づき述べる。尚、本実施例の説明において、実施例1及び実施例2と同様の構成要素については、説明を省略し、実施例1及び実施例2との差分点のみ述べる。
本実施例では、電池の劣化を抑制するために設定したSOC稼働範囲で制御しているにも関わらず、劣化の進行を抑制出来なかった場合に、予め実装しておいたSOC稼働範囲を修正し、修正後のSOC稼働範囲で充放電を制御することで、単電池111の劣化を抑制する。具体的には、電池のSOHQ及びSOHRの変化率(劣化速度)を算出し、予め実装しておいた劣化速度と実際の劣化速度との間に乖離が生じていた場合に、予め決めておいたSOC稼働範囲を修正し、修正後のSOC稼働範囲でSOCを制御する。
本発明におけるモジュールコントローラ150´´の全体構成を図24に示す。本実施例では、実施例2の構成に、SOC稼働範囲修正判定部155を追加した場合について述べることとし、SOC稼働範囲修正判定部155の出力となるSOC稼働範囲修正要否を示すフラグ(修正要否判定フラグ)をSOC稼働量決定部154´´へ入力する構成とした。SOC稼働範囲修正判定部155は、SOH演算部153が出力するSOHQ、SOHRと電池温度Tを入力として、SOC稼働範囲の修正要否を判定して出力する。SOC稼働量決定部154´´は、正/負極状態検知部151´が出力するmp、mn、LilossとSOC稼働範囲修正判定部155が出力する修正要否判定フラグを入力とし、SOC稼働範囲の修正が必要だった場合には、予め実装しておいたSOC稼働範囲(上限制御SOC、下限制御SOC、制御中心SOC)を修正して出力する。
SOC稼働範囲修正判定部155について、図25に基づき述べる。図25に、SOC稼働範囲修正判定部155におけるSOC稼働範囲修正の要否を判定する方法を説明するための図を示す。図25(a)は、横軸にSOHQを、縦軸にSOHQの変化率(劣化速度)をとったグラフを、図25(b)には、横軸にSOHRを、縦軸にSOHRの変化率(劣化速度)をとったグラフを示した。電池の劣化状態は、現時点における電池の劣化状態に応じてその劣化速度が異なる。例えば、図25(a)、図25(b)に示すように新品時に近い範囲での劣化速度は速いが、劣化の進行に伴って、劣化速度は遅くなる。SOC稼働範囲修正判定部155は、図25に示したような劣化速度を予め実装しておき、算出した電池のSOHQ及びSOHRの変化率(劣化速度)と実装しておいた劣化速度を比較することで、電池の劣化が想定よりも早い、もしくは遅いかを判定し、判定結果を送信する。例えば、劣化速度が想定と異なっており、想定よりも劣化の進行が早い場合には、修正要否判定フラグに「0」を、想定よりも劣化の進行が遅い場合には、修正要否判定フラグに「1」を、修正不要の場合には、修正要否判定フラグに「2」を設定する。
図25に実装すべき劣化特性は、例えば、実施例2に述べたような制御を実現した際に、想定される劣化特性(劣化速度)を、予め実験等で取得しておき、劣化状態や電池温度等に応じて実装しておく。黒鉛負極を例にあげると、実施例2では、劣化の進行が遅い膜厚変動量が小さい範囲となるように電池システム100の充放電を制御する。そこで、膜厚変動量が小さい範囲にて電池システム100を使用しつづけた場合の実験結果等から、膜厚変動量が小さい範囲における劣化速度を、劣化状態や電池温度に応じて実装しておき、実際の劣化速度と比較すれば良い。
SOC稼働範囲決定部154´´は、修正要否判定フラグが、例えば、「0」だった場合には、電池の劣化が想定よりも早いと判断し、上限制御SOCをα分だけ低く、下限制御SOCをα分だけ高く修正し、修正後のSOC稼働範囲をシステムコントローラ200´へ送信する。修正量αは、一定値でも良いし、検出した劣化速度と実装している劣化速度との差分量に応じて決定しても良い。
本実施例におけるモジュールコントローラ150´´の動作について、図26に基づき述べる。図26は、モジュールコントローラ150´´のフローチャートを示している。
S310では、mp、mn、Lilossを検出し、検出結果に基づきSOC稼働範囲を設定しているかを判定する。設定している場合は、S311に進み、SOH演算部153が推定したSOHQ及びSOHRの劣化速度が予め実装しておいた劣化速度と比較して、所定値以上の乖離があるかどうかを判定する。所定値以上の乖離がない場合は、S312に進み、設定されているSOC稼働範囲を維持する。
SOHQ及びSOHRの劣化速度の何れかに所定値以上の乖離がある場合は、S313に進み、劣化速度が想定よりも早いかを判定する。劣化速度が速いと判定された場合は、S314へ進み、遅いと判定された場合には、S315へ進む。S314では、劣化の進行を抑制するために、SOC稼働範囲を狭める。具体的には、上限制御SOCを低くし、下限制御SOCを高く設定する。S315では、劣化の進行が想定よりも遅いため、SOC稼働範囲を拡大する。具体的には、上限制御SOCを高くし、下限制御SOCを低く設定する。S316では、決定したSOC稼働範囲をシステムコントローラ200´へ送信する。
次に、図27に基づき本実施例の効果について述べる。図27(a)には、容量維持率の推移を、図27(b)には、抵抗上昇率の推移を示す。図27(a)、図27(b)におけるL311、L321は本実施例による制御を適用せずに制御した場合の劣化特性を、L312及びL322は、SOC稼働範囲を設定変更することにより、想定される劣化速度で劣化が進行した場合の劣化特性を、L313、L323は本実施例で述べたSOC稼働範囲の修正処理を追加した場合の劣化特性をそれぞれ示している。
時刻t0において、SOC稼働範囲を変更後、変更した範囲で電池システム100の充放電を実施していたが、電池システム100の劣化が想定以上に進行している。時刻t1において、SOHQ及びSOHRの劣化速度の演算結果から、想定以上に劣化が進行していることを検知し、SOC稼働範囲を修正する。図27の場合、上限制御SOCを低く、下限制御SOCを高く設定する。修正後のSOC稼働範囲にて、電池システム100を制御することにより、結果として、劣化を抑制することが可能となる。
本実施例によれば、設定したSOC稼働範囲内で制御したにも関わらず劣化の進行が抑制出来なかった場合に、SOC稼働範囲を修正し、修正後のSOC稼働範囲で電池システム100の充放電を制御することが可能なため、結果として、単電池111の劣化を抑制することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
100…電池システム
110…組電池
111…単電池
111−1…正極材
111−2…負極材
111−3…正極集電箔
111−4…負極集電箔
111−5…電解液
111−6…セパレータ
111−7…参照極
120…セルコントローラ
121−1…セル電圧検出回路
121−2…正極電位検出回路
121−3…負極電位検出回路
122…温度検知部
123…制御回路
124…信号入出力回路
130…電流検知手段
140…電圧検知手段
150、150´、150´´…モジュールコントローラ
151…正/負極OCV検知部
151´…正/負極状態検知部
152…SOC演算部
153…SOH演算部
154、154´、154´´…SOC稼働量決定部
155…SOC稼働範囲修正判定部
160…データベース部
200、200´…システムコントローラ
201、201´…充放電制御手段決定部
300、310…リレー
400…変換器
110…組電池
111…単電池
111−1…正極材
111−2…負極材
111−3…正極集電箔
111−4…負極集電箔
111−5…電解液
111−6…セパレータ
111−7…参照極
120…セルコントローラ
121−1…セル電圧検出回路
121−2…正極電位検出回路
121−3…負極電位検出回路
122…温度検知部
123…制御回路
124…信号入出力回路
130…電流検知手段
140…電圧検知手段
150、150´、150´´…モジュールコントローラ
151…正/負極OCV検知部
151´…正/負極状態検知部
152…SOC演算部
153…SOH演算部
154、154´、154´´…SOC稼働量決定部
155…SOC稼働範囲修正判定部
160…データベース部
200、200´…システムコントローラ
201、201´…充放電制御手段決定部
300、310…リレー
400…変換器
Claims (9)
- 二次電池の動作を制御する二次電池システムであって、
前記二次電池は正極および負極を有し、
前記二次電池システムは、
前記二次電池の電圧を検知する電圧検知手段と、
前記二次電池の正極と負極の電位を計測する正/負極電位計測手段と、
前記二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記二次電池の電圧及び電流からSOCを演算するSOC演算部と、
計測される前記正極の電位と前記負極の電位をもとに、前記二次電池のSOC使用範囲を決定するSOC稼働量決定部を有する二次電池システム。 - 請求項1において、
前記二次電池システムは、前記二次電池の正極電位、前記二次電池の負極電位、前記二次電池の電流に基づき、前記二次電池の正極開回路電位、負極開回路電位を演算する正/負極OCV検出部を有し、
前記SOC稼働量決定部は、前記正/負極OCV検出部が演算する前記二次電池の前記正極開回路電位、前記二次電池の前記負極開回路電位の電位滞在頻度を求め、最も滞在頻度の高い前記二次電池の前記正極開回路電位、前記二次電池の前記負極開回路電位に応じた、前記二次電池のSOC稼働量を決定する二次電池システム。 - 請求項2において、
前記二次電池の前記正極開回路電位、前記二次電池の前記負極開回路電位に応じた、前記二次電池のSOC稼動量は、前記二次電池の正極及び負極の劣化特性に基づき、決定される二次電池システム。 - 請求項1において、
前記二次電池システムは、前記二次電池の正極電位、前記二次電池の負極電位、前記二次電池の電流に基づき、前記二次電池の正極劣化状態、前記二次電池の負極劣化状態、副反応による前記二次電池の容量低下量を演算する正/負極状態検知部を有し、
前記SOC稼働量決定部は、前記二次電池の正極劣化状態、負極劣化状態、副反応による前記二次電池の容量低下量に応じた、前記二次電池のSOC稼働量を決定する二次電池システム。 - 請求項4において、
前記正/負極状態検知部は、
前記二次電池の電圧、前記二次電池の電流に基づき、前記二次電池の電池容量を演算し、
前記二次電池の正極電位、前記二次電池の負極電位、前記二次電池の電流に基づき前記正極開回路電位、前記二次電池の前記負極開回路電位を演算し、
前記二次電池の前記正極開回路電位および前記二次電池の前記負極開回路電位に対応した、前記二次電池の正極容量および前記二次電池の負極容量を演算し、
前記二次電池の電池容量と、前記二次電池の正極容量および前記二次電池の負極容量に基づき、前記二次電池の前記二次電池の正極劣化状態、負極劣化状態、副反応による前記二次電池の容量低下量を演算する二次電池システム。 - 請求項4において、
前記正/負極状態検知部は、前記二次電池の電流に基づき、前記二次電池の電池容量変化量を演算し、
前記二次電池の正極電位、前記二次電池の負極電位、前記二次電池の電流に基づき前記正極開回路電位、前記二次電池の前記負極開回路電位を演算し、
前記二次電池の前記正極開回路電位および前記二次電池の前記負極開回路電位に対応した、前記二次電池の正極容量および前記二次電池の負極容量をもとに、前記二次電池の電池容量変化量に対応した前記二次電池の正極容量変化量および前記二次電池の負極容量変化量を演算し、
前記二次電池の電池容量変化量と、前記二次電池の正極容量変化量および前記二次電池の負極容量変化量に基づき、前記二次電池の前記二次電池の正極劣化状態、負極劣化状態を演算する二次電池システム。 - 請求項6において、
前記正/負極状態検知部は、前記二次電池の前記二次電池の正極劣化状態、負極劣化状態をもとに、副反応による前記二次電池の容量低下量を演算する二次電池システム。 - 請求項2乃至7のいずれかにおいて、
前記二次電池システムは、前記二次電池の電圧、前記二次電池の電流に基づき、前記二次電池の容量維持率もしくは抵抗上昇率を演算するSOH演算部を有し、
前記SOC稼動量決定部は、時間の経過に伴う前記二次電池の容量維持率もしくは抵抗上昇率の変化量をが、所定の変化量よりも大きい場合、前記SOC稼動量を狭めるように、SOC稼動量を修正し、
時間の経過に伴う前記二次電池の容量維持率もしくは抵抗上昇率の変化量が、所定の変化量よりも小さい場合、前記SOC稼動量を拡大するように、SOC稼動量を修正する二次電池システム。 - 二次電池システムにより制御される二次電池の制御方法であって、
前記二次電池は正極および負極を有し、
前記二次電池システムは、
前記二次電池の電圧を検知する電圧検知手段と、
前記二次電池の正極と負極の電位を計測する正/負極電位計測手段と、
前記二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記二次電池の電圧及び電流からSOCを演算するSOC演算部と、
計測される前記正極の電位と前記負極の電位をもとに、前記二次電池のSOC使用範囲を決定するSOC稼働量決定部を有する二次電池の制御方法。
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- 2014-06-05 JP JP2014116343A patent/JP2015230817A/ja active Pending
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