JP2015230057A - 動力伝達用ベルト - Google Patents

動力伝達用ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2015230057A
JP2015230057A JP2014116862A JP2014116862A JP2015230057A JP 2015230057 A JP2015230057 A JP 2015230057A JP 2014116862 A JP2014116862 A JP 2014116862A JP 2014116862 A JP2014116862 A JP 2014116862A JP 2015230057 A JP2015230057 A JP 2015230057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
transmission belt
drive pulley
region
bending stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014116862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6187390B2 (ja
Inventor
佳大 前川
Yoshihiro Maekawa
佳大 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014116862A priority Critical patent/JP6187390B2/ja
Publication of JP2015230057A publication Critical patent/JP2015230057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187390B2 publication Critical patent/JP6187390B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

【課題】耐久性を向上させることができる動力伝達用ベルトを提供する。【解決手段】動力伝達用ベルトは、2つのプーリ間に掛け渡すことで動力を伝達し、板状の金属製のエレメントを複数積層させて構成した動力伝達用ベルトであって、各々のエレメントは、両側にプーリと接触する接触面11c,11dを有し、接触面11c,11dは、動力伝達用ベルトの進行方向の前側が後側よりも幅広のテーパ形状である。【選択図】図3

Description

本発明は、動力伝達用ベルトに関し、特に、無段変速機に用いられる動力伝達用ベルトに関する。
従来の動力伝達用ベルトが開示された文献として、たとえば特開2011−089588号公報(特許文献1)がある。特許文献1に開示の動力伝達用ベルトにあっては、これに具備される複数のエレメントが、前後方向に隣接するエレメントに当接する当接面を有し、前後方向に直行する幅方向両側面に向かうにつれて一方の当接面から他方の当接面側に向けて傾斜する傾斜面を有する。
特開2011−089588号公報
無段変速機のブッシュベルトは、当該ベルトの移動経路上のある区間において、エレメントの両側面が、駆動プーリを構成するシーブのシーブ面に挟まれるとともに、進行方向にエレメント同士が接触することにより、動力伝達が行われる。
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、エレメントが有する傾斜面が進行方向側において幅狭となる場合には、エレメントが駆動プーリのシーブ面に挟まれ始めるときには、駆動プーリからエレメントに加わる狭圧力によってエレメントの背面が進行方向に向けて圧縮される。一方、エレメントが駆動プーリのシーブ面に挟まれ終わるときには、エレメントの背面が伸長される。
このように、エレメントがプライマリーシーブを通過する際に、エレメントの背面に加わる力が、前後方向に変化することにより、進行方向にエレメントが曲げられる幅の範囲が拡大されるため耐久性を悪化させる懸念がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐久性を向上させることができる動力伝達用ベルトを提供することにある。
この動力伝達用ベルトは、2つのプーリ間に掛け渡すことで動力を伝達し、板状の金属製のエレメントを複数積層させて構成した動力伝達用ベルトであって、各々のエレメントは、両側にプーリと接触する接触面を有し、接触面は、動力伝達用ベルトの進行方向の前側が後側よりも幅広のテーパ形状である。
このような構成を有することにより、2つのプーリのうちの1つである駆動プーリを動力伝達用ベルトが通過する場合には、まず、エレメントの接触面のうち進行方向の前方側に位置する部分が、駆動プーリに狭圧される。これにより、エレメントの前面側が圧縮するように変形するとともに、エレメントの背面側が引張するように変形する。動力伝達用ベルトが駆動プーリ内を移動して、アクティブアーク領域を移動する際には、複数のエレメントは、前後方向に位置するエレメントに接触しながら移動する。この場合、1つのエレメントに着目すると、後方に位置するエレメントから前方に向けて押圧される押圧力よりも前方側に位置するエレメントから後方側に向けて作用する反力の方が大きくなるため、エレメントは、前面側がさらに圧縮するように変形するとともに、背面側がさらに引張されるように変形する。
このように、駆動プーリと接触するエレメントの接触面にテーパを設け、該テーパの進行方向側を幅広とすることにより、駆動プーリ内を移動するエレメントに作用する曲げ応力を、一定方向に統一することができる。これにより、曲げ応力に起因するエレメント10の振れ幅を低減することができ、この結果、エレメントの耐久性が向上する。
本発明によれば、耐久性を向上させることができる動力伝達用ベルトを提供することができる。
実施の形態に係る動力伝達用ベルトを具備する無段変速機を示す概略図である。 図1に示す動力伝達用ベルトに具備されるエレメントの正面図である。 図2に示す動力伝達用ベルトを矢印III方向から見た場合の平面図である。 図1に示すエレメントが駆動プーリを通過する状態を示す図である。 図4に示すエレメントに作用する曲げ応力と時間との関係を示す図である。 エレメントに作用する曲げ応力と、板厚方向におけるエレメントの側面のテーパ角の好ましい範囲を示す図である。 アクティブアークに位置するエレメントが駆動プーリのシーブ面によって支持される状態を模式的に示す図である。 比較例における動力伝達用ベルトに具備されるエレメントが駆動プーリを通過する状態を示す図である。 図8に示すエレメントに作用する曲げ応力と時間との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本実施の形態に係る動力伝達用ベルトを具備する無段変速機を示す概略図である。図1を参照して、本実施の形態に係る動力伝達用ベルトを具備する無段変速機について説明する。
無段変速機100は、間隔が変更自在な一対のシーブ面をそれぞれ有する駆動プーリ2および従動プーリ3の2組のプーリと、駆動プーリ2および従動プーリ3に巻きかけられる動力伝達用ベルト1とを使用して変速比を無段階に変化させる変速機である。
従動プーリ3から駆動プーリ2に動力伝達用ベルト1が進行する際には、従動プーリ3および駆動プーリ2に巻きかけられていない直線領域R1を通過した後に、駆動プーリ2に巻きかけられた領域(領域R2,領域R3)とを通過する。
動力伝達用ベルト1は、積層リング(不図示)に後述する複数のエレメント10(図2参照)が組みつけられることにより構成されている。エレメント10は、動力伝達用ベルト1の主要素であり、板状の金属片から構成されている。その形状および構成については、図2および図3を用いて後述する。
動力伝達用ベルト1は、図1に示す点P1から駆動プーリ2に巻き込まれて、点P2に至った後に点P3を通過する。点P1から点P2までの領域R2においては、駆動プーリ2によってエレメント10が狭圧されることにより、エレメント10が変形するものの、進行方向に沿って並ぶ複数のエレメント10同士が接触しない。このため、後方側に位置するエレメント10から前方側に位置するエレメント10に押圧力が作用しない。当該領域R2は、アイドルアークと称される。
一方、点P2から点P3までの領域R3においては、駆動プーリ2によってエレメント10が狭圧されることにより、エレメント10が変形しつつ、進行方向に沿って並ぶ複数のエレメント10同士が接触する。このため、後方側に位置するエレメント10から前方側に位置するエレメント10に押圧力が作用する。当該領域R3は、アクティブアークと称される。
図2は、図1に示す動力伝達用ベルトに具備されるエレメントの正面図である。図3は、図2に示す動力伝達用ベルトを矢印III方向から見た場合の平面図である。図2および図3を参照して、本実施の形態に係るエレメント10について説明する。
エレメント10は、本体部11,首部12,頭部13、ディンプル部14、ホール部15、および載置部16を含む。本体部11は、前面11a、背面11b、側面11c,11dを有する。本体部11の前面11aは、エレメント10の進行方向前方側に位置し、本体部11の背面11bは、エレメント10の進行方向後方側に位置する。
本体部11の側面11c,11dは、正面から見た場合に下方に向かうにつれて側面11cおよび側面11dの距離が近づくように傾斜している。本体部11の側面11c,11dは、エレメント10の両側に設けられ、駆動プーリ2に設けられたシーブ面および従動プーリ3に設けられたシーブ面に摩擦接触する接触面に相当する。当該接触面は、動力伝達用ベルトの進行方向の前側が後側よりも幅広のテーパ形状を有する。すなわち、当該接触面には、上方(頭部13側)から見た場合に、進行方向前方側(前面11a側)を幅広とし、進行方向後方側(背面11b側)を幅狭となるようなテーパが設けられている。これにより、本体部11の前面11a側の幅W1は、本体部11の背面11b側の幅W2よりも広くなる。
また、エレメント10を上方(頭部13側)から見た場合に、背面11b側の上辺部と、側面11c,11dの上辺部との成す角度θ(側面11cおよび側面11dの板厚方向(図3中DR1方向)のテーパ角θ)は90°よりも大きくなるように設けられている。
首部12は、本体部11の幅W1方向における中央部には、図2中上方(幅W1方向と垂直方向)に突出する。頭部13は、首部12の突出方向先端部から本体部11の幅W1方向外方に傘状に突出する。
本体部11の上端面には、動力伝達用ベルト1を構成する積層リングを載置可能に設けられた載置部16が設けられている。頭部13と本体部11との間において、首部12を挟み込むように載置部16に積層リングが載置される。
複数のエレメント10は、積層リングの周方向に並ぶように配置されている。上述した駆動プーリ2に巻きかけられたアクティブアーク(領域R3)において、前後方向に隣接する前方に位置するエレメント10の背面11bが、前後方向に隣接する後方に位置するエレメント10の前面11aが当接する。
ディンプル部14は、前面11a側に位置する頭部13の略中央から前方に突出するように設けられている。ディンプル部14は、円錐台形の凸部である。ホール部15は、背面11b側に位置する頭部13の略中央において前方へ窪むように設けられている。ホール部15は、後方に隣接するエレメント10のディンプル部14を遊嵌させるように有底円筒状に設けられている。
図4は、図1に示すエレメントが駆動プーリを通過する状態を示す図である。図4を参照して、エレメント10が駆動プーリ2を通過する状態について説明する。
動力伝達用ベルト1が駆動プーリに巻き込まれていない状態においては、エレメント10には駆動プーリ2のシーブ面21a,22aに挟まれていない。このため、エレメント10には、駆動プーリ2からの狭圧力は作用せず、エレメント10は変形しない状態を維持する。
続いて、動力伝達用ベルト1が駆動プーリ2に巻き込まれ始める点P1に到達した状態においては、エレメント10の側面11c,11dは、進行方向における前方が幅広となるように設けられていることから、まず、側面11c,11dの前方側が図中矢印A,Bに示すようにシーブ面21a,22aに狭圧される。続いて、側面11c,11dの後方側も図中矢印A,Bに示すようにシーブ面21a,22aに狭圧される。この際、前面11a側が圧縮変形されることにより、エレメント10の背面11b側は、前面11aの変形に追従するように引張変形する。
動力伝達用ベルト1が、領域R3に移動するにつれて、領域R2に位置するエレメント10間の間隔が徐々に狭くなる。この状態においては、進行方向に隣接するエレメント10の後方側に位置するエレメント10のディンプル部14の一部が、進行方向に隣接するエレメント10の前方側に位置するエレメント10のホール部15に入りこむ。なお、動力伝達用ベルト1が領域R2を移動している間においては、領域R2に位置する複数のエレメント10には、上述のようにエレメント10の前面11a側を圧縮変形させるような一定の曲げ応力が作用する。
次に、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2における点P2に到達し、領域R3を通過する際には、駆動プーリ2のシーブ面21a,22aとエレメント10の側面11c,11dとの間に相対的な滑りが生じる。このため、複数のエレメント10の前面11a側が圧縮変形しつつ、進行方向に沿って並ぶ複数のエレメント10同士が接触する。これにより、各々のエレメント10が、その前方に位置するエレメント10を次々と押圧する。
この際、点P3側に位置する1つのエレメント10に注目すると、当該エレメント10は、その前方に位置するエレメント10から、後方に向けて作用する反力(図中矢印F参照)を受ける。また、当該エレメント10は、その後方に位置するエレメント10から前方に向けて作用する押圧力(図中矢印E参照)を受ける。ここで、前方に位置するエレメント10から作用する反力は、後方から受ける押圧力よりも大きい。このため、領域R3におけるエレメント10には、前面11a側において領域R2におけるエレメント10に作用する圧縮力よりも、大きな圧縮力が作用する。すなわち、領域R3に作用する曲げ応力は、領域R2に作用する曲げ応力よりも大きくなる。この場合には、エレメント10の側面11c,11dの後端部側が、図中矢印C,Dに示すようにシーブ面21a,22aに狭圧される。
図5は、図4に示すエレメントに作用する曲げ応力と時間との関係を示す図である。図5を参照して、図4に示すエレメント10に作用する曲げ応力と時間との関係について説明する。
上述のように、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2および従動プーリ3に巻きかけられていない領域R1にある場合には、エレメント10には曲げ応力は作用しない。一方、上述のように、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2の領域R2を通過する際には、エレメント10の前面11aが圧縮され、かつ、背面11bが引張されるように相当程度の曲げ応力が作用する。また、上述のように動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2の領域R3を通過する際には、前面11a側において、領域R2のエレメント10の圧縮変形量よりもその変形量が大きくなるようにエレメント10に曲げ応力が作用する。このように、本実施の形態にあっては、エレメント10に作用する曲げ応力を、一定方向に統一することができる。
図6は、エレメントに作用する曲げ応力と、板厚方向におけるエレメントの側面のテーパ角の好ましい範囲を示す図である。図7は、アクティブアークに位置するエレメントが駆動プーリのシーブ面によって支持される状態を模式的に示す図である。図6および図7を参照して、板厚方向におけるエレメント10の側面11c,11dのテーパ角θの詳細について説明する。
図6に示すように、板厚方向におけるエレメント10の側面11c,11dのテーパ角θは、動力伝達用駆動ベルトが点P3に到達した際にエレメント10に作用する曲げ応力が、駆動ベルトが点P3に到達してエレメントの変形量が最大となる曲げ応力と、駆動ベルトが領域R1にあり、曲げ応力が作用しない状態との間になるように設定されることが好ましい。
エレメント10が点P3に位置する場合においては、エレメント10の側面11c,11dの後端が駆動プーリのシーブ面21a,22aに狭圧される。これにより、側面11c,11dの後端に摩擦力W3が作用する。また、後方に位置するエレメント10から押圧されるため、エレメント10の背面11b側から前方に向けて押圧力W2が作用する。さらに、前方に位置するエレメント10からは、後方に向けて反力W1が作用する。このため、図7に示すように、エレメント10を支持する支持構造は、エレメント10の中心部に荷重が集中する梁構造に近似する。なお、エレメント10の側面11c,11dの後端に作用する摩擦力W3は、50N程度であり、W1とW2との差は、100N程度である。
図1から図3に示すように、エレメント10の板厚tを1.5[mm]、エレメント本体の高さh(ネック部の根本部からその直下に位置する本体部の底面部までの距離)を4.0[mm]、エレメントの板幅W1を24.0[mm]、入力トルクTinを185.0[Nm]、入力側巻きかかり半径rinを30[mm]、入力側巻きかかり角度θinを155[deg]、アイドルアークとアクティブアークとの割合を1対1とした場合に、上述の梁構造に基づき、駆動プーリ2の領域R2および領域R3の全範囲において、エレメント10がシーブ面によって支持されつつ、その変形方向が一定となるような、テーパ角θを算出した場合には、テーパ角θは、90°≦テーパ角θ≦94°の条件を満たすことが好ましい。
以上のように、本実施の形態にあっては、エレメント10の両側に駆動プーリ2と接触する接触面(側面11c,11d)を設け、当該接触面が動力伝達用ベルト1の進行方向の前側が後側よりも幅広のテーパ形状を有することにより、エレメント10に作用する曲げ応力を、一定方向に統一することができる。これにより、曲げ応力に起因するエレメント10の振れ幅を低減することができ、この結果、エレメント10の耐久性が向上する。
(比較例)
図8は、比較例における動力伝達用ベルトに具備されるエレメントが駆動プーリを通過する状態を示す図である。図8を参照して、比較例における動力伝達用ベルトに具備されるエレメント10Aが駆動プーリを通過する状態について説明する。
比較例におけるエレメント10Aは、実施の形態に係るエレメント10と比較した場合に、エレメント10の前面11a側が背面11b側よりも幅狭に設けられている点において相違する。すなわち、エレメント10の側面11c,11dは、前方から後方に向かうにつれて、側面11c,11dの間隔が大きくなるように傾斜している。
動力伝達用ベルト1が駆動プーリに巻き込まれていない状態においては、エレメント10Aには駆動プーリ2のシーブ面21a,22aに挟まれていない。このため、エレメント10Aには、駆動プーリ2からの狭圧力は作用せず、エレメント10Aは変形しない状態を維持する。
続いて、動力伝達用ベルト1が駆動プーリ2に巻き込まれ始める点P1に到達した状態においては、エレメント10Aの側面11c,11dは、進行方向における前方が幅狭となるように設けられていることから、側面11c,11dの後方側がシーブ面21a,22aに狭圧される。このため、エレメント10Aは、背面11b側が圧縮変形し、前面11a側が引張変形する。
動力伝達用ベルト1が、領域R3に移動するにつれて、領域R2に位置するエレメント10A間の間隔が徐々に狭くなる。この状態においては、進行方向に隣接するエレメント10の後方側に位置するエレメント10Aのディンプル部14の一部が、進行方向に隣接するエレメント10Aの前方側に位置するエレメント10Aのホール部15に入りこむ。なお、動力伝達用ベルト1が領域R2を移動している間においては、領域R2に位置する複数のエレメント10Aには、上述のようにエレメント10Aの背面11b側を圧縮変形させるような一定の曲げ応力が作用する。
次に、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2における点P2に到達した場合には、前方に位置するエレメント10Aに接触することにより、当該前方に位置するエレメント10Aから後方に向けて作用する反力を受ける。このため、領域R3においては、エレメント10Aの前面11a側が圧縮変形し、背面11b側が引張変形する。
また、動力伝達用ベルト1が領域R3を通過する際には、駆動プーリ2のシーブ面21a,22aとエレメント10Aの側面11c,11dとの間に相対的な滑りが生じる。このため、進行方向に沿って並ぶ複数のエレメント10A同士が接触する。これにより、各々のエレメント10Aが、その前方に位置するエレメント10Aを次々と押圧する。
この際、1つのエレメント10Aに注目すると、当該エレメント10Aは、その前方に位置するエレメント10Aから、後方に向けて作用する反力を受ける。また、当該エレメント10Aは、その後方に位置するエレメント10Aから前方に向けて作用する押圧力を受ける。前方に位置するエレメント10Aから作用する反力は、後方から受ける押圧力よりも大きい。このため、領域R3におけるエレメント10Aには、領域R2におけるエレメント10Aに作用する曲げ応力よりも、大きな曲げ応力が作用する。
図9は、図8に示すエレメントに作用する曲げ応力と時間との関係を示す図である。図9を参照して、比較例におけるエレメントに作用する曲げ応力と時間との関係について説明する。
上述のように、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2および従動プーリ3に巻きかけられていない領域R1にある場合には、エレメント10Aには曲げ応力は作用しない。一方、上述のように、動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2の領域R2を通過する際には、エレメント10Aの前面11aが引張され、かつ、背面11bが圧縮されるように相当程度の曲げ応力が作用する。この場合の曲げ応力をたとえば、正とする。また、上述のように動力伝達用ベルト1が、駆動プーリ2の領域R3を通過する際には、エレメント10Aの前面11aが圧縮され、背面11bが引張されるように曲げ応力が作用する。このように、領域R3においては、領域R2と比較してエレメント10Aの曲げ方向が反転することから、エレメント10Aには負の曲げ応力が作用する。また、領域R3におけるエレメント10Aには、領域R2に位置するエレメント10Aの変形量よりもその変形量が大きくなるようにエレメント10Aに曲げ応力が作用する。
このように、比較例においては、エレメント10Aの両側に駆動プーリ2と接触する接触面(側面11c,11d)を設け、当該接触面が動力伝達用ベルト1の進行方向の後側が前側よりも幅広のテーパ形状を有することにより、エレメント10Aに作用する曲げ応力が、駆動プーリ2内にて反転することとなる。これにより、曲げ応力に起因するエレメント10Aの振れ幅が、実施の形態と比較して増加するため、耐久性が低下する。
以上のように比較例におけるエレメント10Aと実施の形態に係るエレメント10とを比較した場合には、実施の形態に係るエレメント10は、比較例におけるエレメント10Aの振れ幅を約40%低減することができ、たとえば比較例におけるエレメント10Aが対応可能な入力トルクが180Nmであった場合には、実施の形態に係るエレメント10が対応可能な入力トルクは、300Nmまで向上する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 動力伝達用ベルト、2 駆動プーリ、3 従動プーリ、10,10A エレメント、11 本体部、11a 前面、11b 背面、11c,11d 側面、12 首部、13 頭部、14 ディンプル部、15 ホール部、16 載置部、21a,22a シーブ面、100 無段変速機。

Claims (1)

  1. 2つのプーリ間に掛け渡すことで動力を伝達し、板状の金属製のエレメントを複数積層させて構成した動力伝達用ベルトであって、
    各々の前記エレメントは、両側に前記プーリと接触する接触面を有し、
    前記接触面は、前記動力伝達用ベルトの進行方向の前側が後側よりも幅広のテーパ形状である、動力伝達用ベルト。
JP2014116862A 2014-06-05 2014-06-05 動力伝達用ベルト Expired - Fee Related JP6187390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014116862A JP6187390B2 (ja) 2014-06-05 2014-06-05 動力伝達用ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014116862A JP6187390B2 (ja) 2014-06-05 2014-06-05 動力伝達用ベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015230057A true JP2015230057A (ja) 2015-12-21
JP6187390B2 JP6187390B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=54886944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014116862A Expired - Fee Related JP6187390B2 (ja) 2014-06-05 2014-06-05 動力伝達用ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187390B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021254663A1 (en) * 2020-06-19 2021-12-23 Robert Bosch Gmbh A method for manufacturing a transverse segment for a drive belt

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6122949U (ja) * 1984-07-16 1986-02-10 本田技研工業株式会社 動力伝達用ベルト
JP2007239937A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Jatco Ltd Vベルト式無段変速機
JP2009068653A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toyota Motor Corp ベルトエレメントおよびベルト式無段変速機
JP2011089588A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Toyota Motor Corp 動力伝達用ベルト

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6122949U (ja) * 1984-07-16 1986-02-10 本田技研工業株式会社 動力伝達用ベルト
JP2007239937A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Jatco Ltd Vベルト式無段変速機
JP2009068653A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toyota Motor Corp ベルトエレメントおよびベルト式無段変速機
JP2011089588A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Toyota Motor Corp 動力伝達用ベルト

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021254663A1 (en) * 2020-06-19 2021-12-23 Robert Bosch Gmbh A method for manufacturing a transverse segment for a drive belt

Also Published As

Publication number Publication date
JP6187390B2 (ja) 2017-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4424376B2 (ja) 伝動ベルト
CN109073043B (zh) 传动带
US8690719B2 (en) Push type driving belt
JP2006192459A (ja) ベルト用エレメントおよびその成形方法およびベルト
JPWO2014196254A1 (ja) 無段変速機用金属ベルト
JP2007107670A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
CN111102331A (zh) 传动带
JPWO2014156432A1 (ja) 無段変速機用金属ベルト
WO2011135625A1 (ja) 伝動ベルトおよびその製造方法
JP6187390B2 (ja) 動力伝達用ベルト
JPWO2014080517A1 (ja) 無段変速機用ベルト及びその製造方法
JP2009204117A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5825540B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2016044726A (ja) チェーンベルト
JP2017180784A (ja) 伝達ベルト
JP2014126171A (ja) 無段変速機用金属ベルト
JP2016148419A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
WO2012132794A1 (ja) ベルト式無段変速機のエレメント及びベルト
JP2018013154A (ja) 動力伝達チェーン
JP2013113374A (ja) 無段変速機用のベルト
JP2020076473A (ja) ベルト式無段変速機の振動抑制装置
JP2010210022A (ja) ベルト伝動装置
JP2007255545A (ja) 動力伝達チェーン用リンク、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP5019127B2 (ja) 動力伝達チェーン
JP2006153046A (ja) Vベルト、vベルト用エレメント及びvベルト用プーリ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6187390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees