JP2015229343A - 液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の無駄な消費を低減しつつ、ノズル内の気泡を効率よく排出することが可能な液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法を提供する。【解決手段】 ワイパーにより記録ヘッドのノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内にフラッシングパルスによりアクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせてフラッシング処理を行う。このフラッシング処理におけるフラッシングパルスは、ノズルにおけるメニスカスを初期位置から圧力室側に積極的に引き込むことなく噴射側に押し出して当該ノズルからインクを噴射させる駆動波形が好適である。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、これに搭載される液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法に関し、特に、液体噴射ヘッドの噴射能力を回復させるメンテナンス処理を行う液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
ここで、液体噴射ヘッドにおいてノズル内の液体に気泡が混入する場合がある。具体的には、例えば、体噴射ヘッドのノズルが形成された面に対して払拭部材(弾性部材からなるワイパー等)を摺動させて当該ノズル面を払拭して清浄化する際に、ノズル内の液体に気泡が入り込むことがある。また、記録媒体としての記録用紙から生じてノズル面に付着した微細な紙粉がノズル内に進入し、この紙粉を介してノズル内の液体に気泡が入り込む場合もある。さらに、ノズル付近の増粘した液体を噴射する際に気泡を液体内に巻き込む場合もある。
この種の液体噴射ヘッドを搭載する液体噴射装置では、液体噴射ヘッドのノズル内や圧力室内の気泡あるいは増粘液体を排出するために、記録媒体等の着弾対象に対する液体の噴射処理、すなわち、液体噴射装置が本来目的とする噴射処理とは別に、ノズルから液体を強制的に噴射させるフラッシングと呼ばれるメンテナンス処理が行われている(例えば、特許文献1)。このフラッシング処理では、駆動波形をアクチュエーターに印加して当該アクチュエーターを駆動することで、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動を利用してノズルから液体を噴射(捨て撃ち或は空吐出ともいう)させる。この際、一般的には、最初に圧力室内を減圧することでノズル内のメニスカスを圧力室側に一旦引き込んだ後、圧力室内を急激に加圧することでメニスカスを圧力室側とは反対側(噴射側)に押し出して当該ノズルから液滴を噴射させている。このような動作を所定回数連続的に繰り返すことで、ノズルや圧力室内の増粘した液体を排出させている。
特開2009−073076号公報
しかしながら、ノズル面の払拭等によりノズルにおける液体内に気泡が混入した場合、上記の従来のフラッシング処理では、ノズルにおける液体内の気泡排出性が十分ではなく、当該処理において無駄に液体を消費してしまう問題があった。特に、ノズルにおける液体内の気泡が圧力室側に移動してしまうと、フラッシング処理では当該気泡を排出することがより困難となる。この場合、ノズル面を負圧化してノズルから液体を吸引するメンテナンス処理(所謂クリーニング処理)を行う必要が生じるが、この処理は、フラッシング処理よりもさらに多くの液体を消費してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の消費を抑えつつノズル内の気泡を効率よく排出することが可能な液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、および、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドのノズルが形成されたノズル面を払拭するワイパーと、
を備え、駆動波形によりアクチュエーターを駆動してメンテナンス処理を行うことが可能な液体噴射装置であって、
前記ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、液体の無駄な消費を抑えつつノズル内部の気泡を排出することが可能となる。すなわち、ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内にメンテナンス処理が行われることで、ノズルにおける液体に混入した気泡が圧力室側に浮上してメニスカスから遠ざかる前に当該気泡をノズルから液体と共に速やかに排出することができる。これにより、従来のメンテナンス処理と比較して液体の消費を大幅に抑えることが可能となる。
上記構成において、前記駆動波形は、前記ノズルにおけるメニスカスを初期位置から前記圧力室側に積極的に引き込むことなく噴射側に押し出して当該ノズルから液体を噴射させる駆動波形である構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、ノズルにおけるメニスカスを初期位置から圧力室側に積極的に引き込むことなく、初期位置から液体を押し出してノズルから噴射させるので、メニスカス近傍の気泡が不必要に膨張することが抑制され、これにより当該気泡が圧力室側に浮上することを抑えつつ、より少ない噴射量で効率よくノズルにおける液体内の気泡を排出することができる。
上記構成において、前記駆動波形は、前記ノズルにおけるメニスカスを初期位置から前記圧力室側に変化させてから噴射側に押し出して当該ノズルから液体を噴射させる駆動波形である構成を採用することもできる。
上記構成によれば、一般的なメンテナンス処理等で使用される駆動波形を用いることもできる。
また、本発明は、ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドの制御方法であって、
ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を実行することを特徴とする。
さらに、本発明は、ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズルが形成されたノズル面を払拭するワイパーと、を備え、駆動波形によりアクチュエーターを駆動してメンテナンス処理を行うことが可能な液体噴射装置の制御方法であって、
ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を実行することを特徴とする。
プリンターの内部構成を説明する正面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 記録ヘッドの内部構成を説明する断面図である。 プリンターの制御の流れを説明するフローチャートである。 ワイピング処理およびフラッシング処理について説明する模式図である。 フラッシング処理で用いられる駆動信号の構成を説明する波形図である。 フラッシングパルスの構成を説明する波形図である。 従来のフラッシングパルスの構成を説明する波形図である。 フラッシング処理においてノズルからインクが噴射される様子を説明する模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の内部構成を説明する正面図、図2は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、例えばコンピューター等の電子機器等の外部装置2と無線又は有線で電気的に接続されており、この外部装置2から記録用紙等の記録媒体(液体の着弾対象)に画像やテキストを印刷させるため、その画像等に応じた印刷データを受信する。このプリンター1は、プリンターコントローラー7とプリントエンジン13とを有している。液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド6は、インクカートリッジ17(液体供給源)を搭載したキャリッジ16の底面側に取り付けられている。そして、当該キャリッジ16は、キャリッジ移動機構4によってガイドロッド18に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構3によって記録媒体をプラテン12上に順次搬送すると共に、記録ヘッド6を記録媒体の幅方向(主走査方向)に相対移動させながら当該記録ヘッド6のノズル37(図3および図9参照)から本発明における液体の一種であるインクを噴射させて、記録媒体上に着弾させることにより画像等を記録する。なお、インクカートリッジ17がプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジ17のインクが供給チューブを通じて記録ヘッド6側に送られる構成を採用することもできる。
上記インクとしては、染料インクや顔料インク等種々のものを用いることができる。本実施形態においては、常温(例えば、25℃)の粘度η1が4.12〔mPa・s〕程度のインクが用いられる。また、常温の粘度η2が5.0〔mPa・s〕程度のインクを用いることもできる。いずれも密度については、1050〔g/cm〕以上1100〔g/cm〕以下の範囲であることが望ましく、粘度については、3〔mPa・s〕以上6〔mPa・s〕以下の範囲内にあるものが好適である。
プラテン12に対して主走査方向の一端側(図2右側)に外れた位置には、記録ヘッド6の待機位置であるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、一端側から順にキャッピング機構20および、ワイピング機構22が設けられている。また、ホームポジションとはプラテン12を挟んで主走査方向の他端部(図2左側)には、フラッシング領域としてフラッシングボックス23が設けられている。キャッピング機構20は、例えば、エラストマー等の弾性部材からなるキャップ25を有しており、当該キャップ25を記録ヘッド6のノズル面(ノズルプレート31)に対して当接させて封止した状態(キャッピング状態)あるいは当該ノズル面から離隔した待避状態に変換可能に構成されている。そして、ノズル面に対してキャッピングした状態でキャップ内の空間を負圧化(吸引)することで、ノズルからインクをキャップ内に排出させるクリーニング処理を行うことができる。また、このキャップ25は、フラッシング処理の際に噴射されたインクを受けるインク受部としても機能する。
ワイピング機構22は、ワイパー26によって記録ヘッド6のノズル面を払拭するものであり、ワイパー26をノズル面に対して当接した状態あるいは当該ノズル面から離隔した待避状態に変換可能に構成されている。ワイパー26は、種々の構成のものを採用することができるが、例えば、弾性を有するブレード本体の表面が布で被覆されたものからなる。本実施形態においては、ワイパー26がノズル面に当接した状態で、記録ヘッド6が主走査方向に移動することで、ワイパー26がノズル面を摺動して払拭する(図5参照)。なお、記録ヘッド6が移動を停止した状態でワイパー26が自走することでノズル面を払拭する構成を採用することもできる。要するに、記録ヘッド6とワイパー26が相対的に移動してノズル面が払拭される構成であればよい。上記フラッシングボックス23は、記録媒体に対する記録処理とは関係なく記録ヘッド6のノズルからインクを強制的に噴射させるフラッシング処理の際に噴射されたインクを受けるトレイ状のインク受部27を有する。このインク受部27の位置は固定されている。
プリンターコントローラー7は、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。本実施形態におけるプリンターコントローラー7は、インターフェース(I/F)部8と、制御部9と、記憶部10と、駆動信号生成部11と、を有する。インターフェース部8は、外部装置2からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、プリンター1の状態情報を外部装置2側に出力したりする際にプリンターの状態データの送受信を行う。制御部9は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部10は、制御部9のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。制御部9は、記憶部10に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態における制御部9は、外部装置2からの印刷データに基づき、記録処理時にどのノズル37からどのタイミングでインクを噴射させるかを示す噴射データを生成し、当該噴射データを記録ヘッド6のヘッド制御部15に送信する。さらに、本実施形態における制御部9は、メンテナンス処理の一種であるフラッシング処理を行う制御手段として機能する。この点についての詳細は後述する。
駆動信号生成部11(駆動波形生成手段)は、記録媒体に対してインクを噴射して画像等を記録するための駆動パルスを含む駆動信号を発生する。また、本実施形態における駆動信号生成部11は、メンテナンス駆動波形(フラッシングパルスPf)を含むメンテナンス用駆動信号(フラッシング用駆動信号COM)を発生可能に構成されている。フラッシング用駆動信号の詳細については後述する。
次に、プリントエンジン13について説明する。このプリントエンジン13は、図2に示すように、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、タイマー回路14、及び、記録ヘッド6等を備えている。キャリッジ移動機構4は、記録ヘッド6が取り付けられたキャリッジ16と、このキャリッジ16を、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モーター(例えば、DCモーター)等からなり(図示せず)、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6を主走査方向に移動させる。紙送り機構3は、紙送りモーター及び紙送りローラー等(いずれも図示せず)からなり、記録媒体をプラテン12上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー5は、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報としてプリンターコントローラー7に出力する。プリンターコントローラー7は、リニアエンコーダー5側から受信したエンコーダーパルスに基づいて記録ヘッド6の走査位置(現在位置)を把握することができる。本実施形態におけるタイマー回路14は、ワイピング処理の後に実行されるフラッシング処理のタイミングを規定するために使用される。この点の詳細については後述する。
図3は、記録ヘッド6の内部構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド6は、ノズルプレート31、流路基板32、および、圧電素子33等から概略構成され、これらの部材を積層した状態でケース35に取り付けられている。ノズルプレート31は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル37を同方向に沿って列状に開設したシリコン単結晶基板からなる部材である。本実施形態では、並設された複数のノズル37から構成されるノズル列(ノズル群の一種)がノズルプレート31に2列並設されている。そして、このノズルプレート31のインクが噴射される側の面が、ノズル面に相当する。
上記ノズル37は、ドライエッチングにより内径が異なる複数段の円筒状に形成されている。本実施形態におけるノズル37は、後述する圧力室38側の第1のノズル部37aと、噴射側の第2のノズル部37bとにより2段構造となっている(図9参照)。そして、第1のノズル部37aの内径は、第2のノズル部37bの内径よりも大きく設定されている。より具体的には、第2のノズル部37bの内径が20〔μm〕であるのに対し、第1のノズル部37aの内径は45〔μm〕となっている。また、第2のノズル部37bの中心軸方向の長さが30〔μm〕、第1のノズル部37aの中心軸方向の長さは40〔μm〕となっている。なお、ノズルプレート31としては、シリコン単結晶基板に限られず、例えばステンレス鋼等の金属板より構成することもできる。また、ノズル37としては、内径が一定な円筒状のストレート部を噴射側に少なくとも有するものであればよく、ノズル全体の内径が一定のもの(円筒状のノズル)や、第1のノズル部37aに対応する部分の内径が噴射側から圧力室側に向けて拡大するテーパー形状のもの等を採用することもできる。
流路基板32は、複数の隔壁で区画された圧力室38が各ノズル37に対応して複数形成されている。この流路基板32における圧力室38の列の外側には、共通液室39の一部を区画する共通液室39が形成されている。この共通液室39は、インク供給口43を介して各圧力室38と個々に連通している。また、共通液室39には、インクカートリッジ17側からのインクがケース35のインク導入路42を通じて導入される。流路基板32のノズルプレート31側とは反対側の上面には、弾性膜40を介して圧電素子33(アクチュエーターの一種)が形成されている。圧電素子33は、金属製の下電極膜と、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜(何れも図示せず)とを順次積層することで形成されている。この圧電素子33は、所謂撓みモードの圧電素子であり、圧力室38の上部を覆うように形成されている。本実施形態において、2列のノズル列に対応して2列の圧電素子列が、ノズル列方向で見て圧電素子33が互い違いとなる状態でノズル列に直交する方向に並設されている。各圧電素子33は、配線部材41を通じて駆動信号が印加されることにより変形する。これにより、当該圧電素子33に対応する圧力室38内のインクに圧力変動が生じ、このインクの圧力変動を制御することによりノズル37からインクが噴射される。
本発明に係るプリンター1では、記録ヘッド6のノズル面(ノズルプレート31)をワイピング機構22により払拭してから一定の時間が経過した時点でノズル37内の気泡を除去する目的とするフラッシング処理を行う点に特徴を有している。以下、この点について説明する。
図4は、上記プリンター1の制御の流れを説明するフローチャートである。また、図5は、ワイピング処理およびフラッシング処理について説明する模式図である。
ステップS1のワイピング処理では、記録ヘッド6をホームポジションのワイピング機構22の上方まで移動させ、ワイパー26の先端部を記録ヘッド6のノズル面(ノズルプレート31のインクが噴射される側の面)に当接させた状態で、記録ヘッド3をキャッピング機構20側に移動させる(図5(a))。これにより、ワイパー26がノズル面25の主走査方向における一側から他側に向けて相対的に移動して、ノズル面25が払拭される。このワイピング処理により、ノズル37内に気泡が混入する場合がある。具体的には、ワイパー26がノズル37の開口縁を通過した際に、ワイパー26に付着していたインクと共に、ノズル37内のインクに気泡が混入する場合がある。このため、ワイピング処理の後に続いてフラッシング処理を行うことで、ノズル37内のインクに混入した気泡を排出する。
ところで、ノズル37内のインクに混入した気泡は、時間の経過とともに浮力によって圧力室38側に移動してしまう。気泡が、ノズル37内のメニスカスから圧力室38側に離れてしまうと、フラッシング処理における気泡排出性が低下する虞がある。例えば、ノズル37の中心軸方向においてメニスカスから(ノズル部37bの噴射側開口から)圧力室側に35〔μm〕の範囲に気泡が位置していれば、フラッシング処理によって当該気泡を排出することができる。しかしながら、ノズル37の中心軸方向においてメニスカスから35〔μm〕の範囲を超えて気泡が遠ざかってしまうと、フラッシング処理によっても気泡を排出することが困難となってしまう。ここで、ノズル内の気泡に働く浮力は、気泡の直径をr、インクの密度をρ、重力加速度をgとして、アルキメデスの定理より、以下の式(1)で表される。
F=4πrρg/3 …(1)
次に、気泡に働く抵抗力は、インクの粘度をη、気泡の速度(ノズル内壁による流路抵抗を無視した場合の速度(無限液中速度))をUとして、以下の式(2)で表される。
F=6πηrV …(2)
式(1)および式(2)より、インク内の気泡の浮上速度Uは、以下の式(3)で表される。
U=4.5rρg/η …(3)
なお、ノズル37内における気泡の浮上速度uは、ノズル37の内径をd、λ=r/dとして、以下のCliftら提案の式(4)またはWallis提案の式(5)で表すことができる。
u/U=(1−λ3/2 for λ<0.6 …(4)
u/U=1.13exp(−λ) for λ<0.6 …(5)
例えば、d=20〔μm〕、r=10〔μm〕とすると、λ=0.5となり、第2のノズル部37bにおける気泡の浮上速度uは、
式(4)より u=0.650×U=9.42〔μm/s〕
式(5)より u=0.685×U=9.94〔μm/s〕
となる。
そして、ノズル部37bにおける気泡の浮上速度uを9.94〔μm/s〕として、メニスカス(ノズル部37bの噴射側の開口)から鉛直方向で35〔μm〕の位置まで到達する時間は、35/9.94≒3.5〔s〕と算出することができる。なお、本実施形態においては、第2のノズル部37bの中心軸方向の長さが30〔μm〕であるため、メニスカスから鉛直方向で30〔μm〕を超えて浮上すると、第1のノズル部37aに至ってノズルの内径が変わるため、厳密には気泡の浮上速度uも変化するが、30〔μm〕を超えて35〔μm〕に至るまでの速度の変化は概ね無視できるものとする。
以上のことから、メニスカス近傍の気泡が時間の経過とともに圧力室側に浮上することを鑑みて、ワイパー26によりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内にフラッシング処理を行うことが望ましい。その一方で、ワイピング処理の直後においてノズル37内のメニスカスに気泡が付着する等、不安定な状態となり、この状態でフラッシング処理を行ってもインクが正常に噴射されないばかりか、却ってより多くの気泡をメニスカス内に巻き込んでしまう可能性もある。このため、ワイパー26によりノズル面が払拭されてから、3.5〔s〕以内の時間であってノズル37内のメニスカスが安定するまでの時間(例えば、1〔s〕)を置くことが望ましい。
本実施形態においては、制御部9は、タイマー回路14を監視して、ワイパー26によりノズル面が払拭されてからの経過時間を計測する。具体的には、ノズル列毎に、当該ノズル列(当該ノズル列に属するノズル37のワイパー払拭方向前寄りの開口縁)をワイパー26が通過してからの時間をそれぞれ計測する。ワイパー26が所定のノズル37を通過するタイミングについては、上記リニアエンコーダー5からのエンコーダーパルスに基づき把握する。通過タイミングに応じてタイマー回路41の経時を監視し、本実施形態においては、ワイパー26がノズル列を通過してから3.5〔s〕が経過したか否かを判定する(ステップS2)。なお、この判定時間については、3.5〔s〕には限られず、3.5〔s〕以内であればよい。ワイパー26がノズル列を通過してから3.5〔s〕経過していない(No)、と判定した場合、タイマー回路14を監視しつつ3.5〔s〕が経過するまでステップS2の処理を繰り返す。一方、ワイパー26がノズル列を通過してから3.5〔s〕が経過したと判定した場合(Yes)、制御部9は、キャリッジ移動機構4を制御して、図5(b)に示すように、キャリッジ16をキャッピング機構20の上方まで移動させて記録ヘッド6のノズル面をキャップ25と対峙させ(図1参照)、この状態で、ワイパー26が通過してから3.5〔s〕が経過したノズル37(ノズル列)から順にフラッシング処理を実行する(ステップS3)。なお、フラッシング処理は、ワイピング処理から3.5〔s〕以内でフラッシング処理を実行することができれば、キャリッジ16をフラッシングボックス23のインク受部27に対して行うようにすることもできる。
本実施形態におけるフラッシング処理は、ノズル37からインクを噴射させる動作を行い、主にノズル37の内部(メニスカス近傍)に存在する気泡を排出することを目的とするメンテナンス処理であり、プリンター1の電源が投入されてから記録処理に先立ってノズル37内や圧力室38内の増粘したインクや気泡を排出するために行われるフラッシング処理とは異なるものである。ここで、フラッシング処理における噴射動作は、ノズル37からインクが実際に噴射されるか否かに拘わらず、後述するフラッシングパルスPfにより圧電素子33を駆動して圧力室38内に圧力変動を生じさせる圧電素子33の動作を意味する。
図6は、ステップS3のフラッシング処理で用いられるフラッシング用駆動信号の一例を説明する波形図である。また、図7は、フラッシングパルスPfの構成を説明する波形図である。本実施形態におけるフラッシング用駆動信号COMfは、一定の間隔で発生される合計3つのフラッシングパルスPfを発生する。このフラッシングパルスPfは、ノズル37におけるメニスカスを初期位置から圧力室38側に積極的にメニスカスを引き込むことなく噴射側に押し出してインクを噴射させる駆動波形(メンテナンス駆動波形)の一種である。より具体的に説明すると、本実施形態におけるフラッシングパルスPfは、収縮要素p1と、収縮維持要素p2と、膨張要素p3と、からなる。収縮要素p1は、基準電位Vbから収縮電位VHまで電位がプラス側に比較的急峻な勾配で変化する波形要素である。ここで、基準電位Vbが圧電素子33に印加されている状態は初期状態(基準状態)であり、この初期状態におけるノズル37内のメニスカスの位置は本発明における初期位置に相当する。基準電位Vbから収縮電位VHまでの電位差Vdおよび収縮要素p1の電位変化の勾配は、上記構成の記録ヘッド6で噴射可能な最大量のインクをノズル37から噴射させ得るように設定されている。収縮維持要素p2は、収縮電位VHを所定時間維持する波形要素である。そして、膨張要素p3は、収縮電位VHから基準電位Vbまで電位が十分に緩やかな勾配で変化する波形要素である。なお、メニスカスを圧力室側に積極的に引き込まないとは、基本的には、フラッシングパルスPfにおいて収縮要素p1の前に、圧力室38を膨張させてメニスカスを圧力室側に引き込む波形要素が無いことを意味する。ただし、収縮要素p1の前にこのような他の波形要素があったとしても、気泡の排出性に悪影響を及ぼしにくいもの(例えば、収縮要素p1の始端電位を基準電位Vbとは異なる電位に調整するための波形要素等)であれば、このような他の波形要素が収縮要素p1の前にあってもよい。
図9は、フラッシング処理においてノズル37からインクが噴射される様子を説明する模式図(ノズル37の断面図)である。図9(a)は、上記の初期状態を示している。本実施形態におけるフラッシング処理は、ワイパー26がノズル37を通過してから3.5〔s〕経過した時点で行われるので、この時点ではノズル37における第2のノズル部37bの内部のインクには気泡Bが滞留している。上記のように構成されたフラッシングパルスPfがこのノズル37に対応する圧電素子33に印加されると、収縮要素p1により圧電素子33が圧力室38の内側(ノズルプレート31に近接する側)に撓む。これに伴い、圧力室38は基準電位Vbに対応する基準容積から収縮電位VHに対応する収縮容積まで急激に収縮される。これにより、圧力室38内のインクが加圧されて、初期位置にあるメニスカスがノズル中心軸方向に沿って噴射側に急激に押し出され、液柱のように伸びる(図9(b))。この際、メニスカス近傍の気泡Bは、ノズル内のインクに追従して噴射側に押し出される。また、気泡Bは、圧力室38内の内圧の上昇に伴って収縮する。
圧力室38の収縮状態は、収縮維持要素p2によって一定時間維持される。この間には、噴射側に押し出された液柱の後端部分がメニスカスと分離して、気泡Bを含んだ状態で、フラッシングボックス23のインク受部27に向けて飛翔する(図9(c))。収縮維持要素p2の後、続いて膨張要素p3が印加されることにより、圧電素子33が基準電位Vbに対応する状態まで収縮する。これに伴い、圧力室38は、収縮容積から基準電位Vbに対応する基準容積まで緩やかに膨張して復帰する。これにより、メニスカスが初期位置まで次第に復帰する。このフラッシングパルスPfによりノズル37から噴射されるインクの1滴あたりの重量は、約10〔ng〕である。これに対し、記録媒体に対して画像等を記録する際にノズル37から噴射されるインク1滴あたりの重量は、約7〔ng〕である。フラッシングパルスPfにおいて、膨張要素p3は、収縮要素p1と比較して電位の変化が緩やかであるため、この膨張要素p3により圧電素子33が駆動して圧力室38内に生じる圧力変化も比較的緩やかである。このため、噴射動作後の残留振動も比較的低く抑えることができる。
本実施形態においては、1回のフラッシング処理において、1つのノズル37に対応する圧電素子33に対して上記フラッシングパルスPfが一定の間隔で3回印加されて、噴射動作が行われる。このときのパルスPfの印加間隔は、前の噴射動作により圧力室38およびノズル37内のインクに生じた残留振動が次の噴射動作が行われるタイミングまでに概ね収束している程度の時間に設定されている。これにより、フラッシング処理におけるメニスカス近傍の気泡Bの排出性が高められる。すなわち、前の噴射動作で生じた残留振動が収まっていない状態で次の噴射動作が行われると、残留振動を励振してしまう場合もある。そして、残留振動が大きくなってしまうと、これに応じてノズル37内の気泡Bの膨張・収縮の度合も大きくなってしまう。ここで、上記式(3)より、気泡Bが大きいほど、圧力室側に移動する速度が高まってしまうため、フラッシング処理における気泡排出性が低下する虞がある。したがって、フラッシング処理においては、気泡Bをできるだけ膨張させないことが肝要となる。すなわち、圧力室38の内圧の変化、特に急激な減圧を避け、なおかつ、気泡Bの大きさを変化させる原因となる残留振動を可及的に抑えることが望ましい。
本実施形態においては、ノズル37におけるメニスカスを初期位置(圧電素子33)から圧力室38側には積極的に引き込むことなくインクを噴射させるフラッシングパルスPfをフラッシング処理用の駆動波形として採用することで、インクの撹拌は抑えつつ、初期位置からインクを押し出してノズル37から噴射させるので、メニスカス近傍の気泡Bが不必要に膨張することが抑制される。これにより、当該気泡Bが圧力室側に浮上することを抑えつつ、より少ない噴射量で効率よく気泡Bを排出することができる。また、前のフラッシングパルスPfの終端(膨張要素p3の終端)から次のフラッシングパルスPfの始端(収縮要素p1の始端)までの時間Δtが、圧力室38内のインクに生じる振動(圧力波)のヘルムホルツ振動周期(固有振動周期)Tc以上となるように設定されている。これにより、前の噴射動作により生じた残留振動が概ね収束している状態で次の噴射動作が行われるので、気泡Bが不必要に膨張・収縮することが低減される。このため、気泡Bが浮力により圧力室38側に移動することが抑制され、気泡排出性を高めることができる。また、1回のフラッシング処理において上記間隔で噴射動作を3回行うことで、ノズル37内の気泡を概ね排出することができる。例えば、ノズル37の内壁に気泡が付着していて、1回目の噴射動作によりノズル37からインクを噴射させなかったとしても、1回目の噴射動作でインクが噴射側に押し出されるので、このインクの動きにより気泡がノズル内壁から離れて動きやすくなり、2回目、3回目の噴射動作により、気泡Bをインクと共にノズル37から排出させることができる。なお、ノズル37内のインクの気泡をより効果的に排出するには、本実施形態のようにフラッシングパルスPfにより3回噴射動作を行うことが望ましいが、例えば、3回の噴射動作のうち少なくとも最初の噴射動作をフラッシングパルスPfで行い、残りを他の駆動パルス、具体的には後述する一般的なフラッシングパルスPf′あるいは通常の記録動作で使用される駆動パルス等を用いて行う構成を採用することもできる。また、気泡Bを排出することがきれば、フラッシング動作においては3回の噴射動作には限られず、4回以上とすることも可能である。この場合、4回目以降の駆動パルスは、フラッシングパルスPfでも他の駆動パルスでも良い。
なお、上記Tcは、ノズル37、圧力室38、インク供給口43、及び圧電素子33等の各構成部材の形状、寸法、及び剛性などにより、記録ヘッド毎に固有に定まる。この固有の振動周期Tcは、例えば、次式(1)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc] …(6)
但し、式(4)において、Mnはノズル37におけるイナータンス、Msはインク供給口43におけるイナータンス、Ccは圧力室38のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。また、上記式(6)において、イナータンスMとは、流路における液体の移動し易さを示し、換言すると、単位断面積あたりの液体の質量である。そして、流体の密度をρ、流路の流体の流下方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(7)で近似して表すことができる。
M=(ρ×L)/S …(7)
なお、上記Tcは、上記式(6)で規定されるものに限られず、記録ヘッド6の圧力室38が有している振動周期であればよい。
ところで、フラッシング処理に使用されるフラッシングパルスPfに関し、本実施形態においては、圧力室38側には積極的に引き込むことなくインクを噴射させる駆動波形を例示したが、必ずしもこれには限られず、フラッシング処理や記録処理で一般的に使用される駆動波形をフラッシングパルスとして用いることもできる。
図8は、フラッシングパルスの変形例を説明する波形図である。この変形例におけるフラッシングパルスPf′は、予備膨張要素p11と、膨張維持要素p12と、収縮要素p13と、収縮維持要素p14と、膨張要素p15と、からなる。すなわち、このフラッシングパルスPf′は、ノズル37からインクを噴射させる前に、予備膨張要素p11により圧力室38を膨張させて、メニスカスを圧力室側に大きく引き込むものである。このフラッシングパルスPf′は、最初のメニスカスの引き込みで気泡が圧力室側に移動いしやすいため上記フラッシングパルスPfと比較して気泡排出性は劣るが、例えば、ワイパー26がノズル37を通過してからフラッシング処理を実行するまでの時間を3.5〔s〕よりも早く設定すれば、フラッシングパルスPf′によってもノズル37内のインクとともに気泡を排出することができる。そして、一般的なフラッシング処理や記録処理で使用される駆動波形をフラッシングパルスとして用いることもできるので、別途フラッシングパルスを設ける必要がなく簡便である。
このように、本発明に係るプリンター1においては、ワイパー26によりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内で上記のフラッシング処理が行われるので、ノズル37におけるインク内に混入した気泡Bが圧力室38側に浮上してメニスカスから遠ざかる前に当該気泡Bをノズル37からインクと共に速やかに排出することができる。これにより、従来のフラッシング処理や吸引によるクリーニング処理等のメンテナンス処理と比較してインクの消費を大幅に抑えることが可能となる。
なお、上記実施形態では、アクチュエーターとして、所謂撓み振動型の圧電素子33を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記実施形態で例示したフラッシングパルスPfに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
また、アクチュエーターとしては圧電素子には限らず、静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種アクチュエーターを用いる場合にも本発明を適用することができる。
そして、本発明は、ノズル内の気泡を排出させるフラッシング処理を行う液体噴射装置であれば、上記のプリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置、あるいは、着弾対象の一種である布帛(被捺染材)に対して液体噴射ヘッドからインクを着弾させて捺染を行う捺染装置、または、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,6…記録ヘッド,9…制御部,11…駆動信号生成部,14…タイマー回路,20…キャッピング機構,22…ワイピング機構,25…キャップ,26…ワイパー,31…ノズルプレート,33…圧電素子,37…ノズル,38…圧力室

Claims (5)

  1. ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドのノズルが形成されたノズル面を払拭するワイパーと、
    を備え、駆動波形によりアクチュエーターを駆動してメンテナンス処理を行うことが可能な液体噴射装置であって、
    前記ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を行うことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記駆動波形は、前記ノズルにおけるメニスカスを初期位置から前記圧力室側に積極的に引き込むことなく噴射側に押し出して当該ノズルから液体を噴射させる駆動波形であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記駆動波形は、前記ノズルにおけるメニスカスを初期位置から前記圧力室側に変化させてから噴射側に押し出して当該ノズルから液体を噴射させる駆動波形であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドの制御方法であって、
    ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を実行することを特徴とする液体噴射ヘッドの制御方法。
  5. ノズルに連通する圧力室、及び、該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズルが形成されたノズル面を払拭するワイパーと、を備え、駆動波形によりアクチュエーターを駆動してメンテナンス処理を行うことが可能な液体噴射装置の制御方法であって、
    ワイパーによりノズル面が払拭されてから3.5〔s〕以内に前記駆動波形により前記アクチュエーターを駆動して噴射動作を行わせるメンテナンス処理を実行することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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