JP2015228600A - 圧電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電デバイスの製造方法は、ベース基板31と、コーナー部78を有する蓋体35とを、用意する工程と、前記蓋体35を前記接合部に重ねて配置する工程と、前記蓋体35の前記接合部と重なっている部分に、エネルギービームを走査しながら照射して、前記ベース基板31と前記蓋体35とを溶接する工程と、を含み、前記溶接する工程では、前記走査するエネルギービームが前記コーナー部78の手前で、前記エネルギービームの照射を停止させることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このような溶接方法では、例えば、特許文献1に開示されているように、レーザービームがリッドの角付近を通過する際に、レーザービームの照射出力を大きく低減させることによって、リッドが加熱される温度を調整し、リッドの角付近の溶接が強くなったり、角付近に熱が溜まって、深い溶接跡や穴が開いてしまうといった不具合の発生を抑制することができた。また、リッドの角付近とその他の領域との溶接のばらつきを抑制し、ワーク上で大きな温度分布が生じてしまうことを抑制し、均等な溶接を行うことが可能であった。
また、溶接に必要な加工時間を短縮できるので、製造コストを低減できる。
第1実施形態に係る圧電デバイスとしての水晶振動子の製造方法に沿って、圧電デバイスのパッケージを封止する方法について説明する。
以下の図においては、同一または類似の構成要素には、同一または類似の参照符号を付して示す。説明の便宜上、ベース基板31と蓋体35とが重なる方向から見たときの平面視において、蓋体35側の面を上面、ベース基板31側の面を下面として説明する。
以下に、エネルギービームとしてのレーザービームが照射されることによって水晶振動子のパッケージが封止されるパッケージの溶接装置について説明する。
まず、図1を参照して、パッケージの溶接装置の一例として、水晶振動子20のパッケージ30を封止するのに適したレーザー溶接装置10について説明する。
図1に示すように、レーザー溶接装置10は、エネルギービーム源としてのレーザービーム源11と、透過部12を有するチャンバー13と、加工ステージ14と、を備えている。そして、チャンバー13の内部には、水晶振動子20のパッケージ30が配置されている。
次に、レーザー封止の概要について説明する。図1に示すように、チャンバー13の外部に設けられているレーザービーム源11から出射されるレーザービームLは、チャンバー13に設けられている透過部12を透過し、チャンバー13で密閉されている内部空間19の加工ステージ14に載置されている水晶振動子20の蓋体35に照射される。
あるいは、チャンバー13の内部空間19は不活性ガスなどで充填されていてもよい。その場合には、水晶振動子20の内部空間29も不活性ガスで充填されて封止される。
図2に示すように、レーザービームLの走査軌跡70は、蓋体35の外周に沿って、蓋体35の矩形の各辺に対応する4つの直線部77と、その間の角部に対応する4つのコーナー部78と、から構成されており、レーザービームLを走査させてベース基板31と溶接される蓋体35上の位置を示している。
図3は、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子の構造を示す断面図である。以下に、圧電デバイスとしての水晶振動子20について図3を参照しながら説明する。
そして、内部空間29には、後述する圧電素子としての水晶振動片60などが収容されており、パッド電極部40に導電性接着剤61を塗布して電気的に接続されて固定されている。
蓋体35およびシームリング34を構成するコバールの融点は、約1450℃の高温であるから、蓋体35とシームリング34とが重なっている部分は、局部的に、かつ短時間で溶接されることが望ましい。
次に、水晶振動子20の内部空間29に収容されている、圧電素子としての水晶振動片60について説明する。
圧電素子の一例である水晶振動片60は、圧電材料の一例としての水晶により形成されているATカット水晶基板(圧電基板)が用いられている。水晶などの圧電材料は三方晶系に属し、互いに直交する結晶軸X軸、Y軸、Z軸を有する。X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。
次に、本発明の第1実施形態に係る圧電デバイスとしての水晶振動子20の製造工程について、ベース基板31と蓋体35とを溶接する工程、つまりパッケージ30の封止工程を中心に、フローチャートに沿って図1と図4とを参照して、以下に説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子の製造工程を示すフローチャートである。
まず、水晶振動片60の平面視で、水晶振動片60を囲むようにシームリング34が配置されているベース基板31と、コーナー部78を有する蓋体35と、レーザービーム源11、透過部12を有するチャンバー13を備えているレーザー溶接装置10と、を用意する。ここでは、蓋体35と、ベース基板31と、を別々に製造して用意しておく。
ベース基板31のシームリング34と蓋体35との間に水晶振動片60を収容するように、蓋体35をシームリング34の上面に重なるように載置する。
チャンバー13の外部に設けられているレーザービーム源11から出射したレーザービームLを、チャンバー13の上面に設けられている透過部12を透過させ、チャンバー13で密閉されている内部空間19の加工ステージ14に載置されている水晶振動子20の蓋体35に照射し、蓋体35とベース基板31のシームリング34とを溶接する。
以上の工程で、水晶振動子20の製造工程が終了し、水晶振動子20が完成する。
図5は、本発明の変形例1に係る圧電デバイスとしての水晶振動子の構造を示す断面図である。以下に、変形例1に係る水晶振動子20aの製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、変形例1に係る水晶振動子20aは、上記第1実施形態の水晶振動子20とはパッケージの構造が異なるものである。上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5に示すように、水晶振動子20aは、平板形状のベース基板31a、キャップ形状の蓋体35aからなるパッケージ30aと、水晶振動片60と、を備えている。
ベース基板31aおよび蓋体35aは、共に、ベース基板31aの平面視で、略長方形(矩形)をなしている。ただし、ベース基板31aおよび蓋体35aの平面視形状は、矩形に限らず、六角形や八角形などの多角形であっても構わない。
換言すれば、蓋体35aは、ベース基板31aと溶接されてベース基板31aを水平に配置したとき、側壁47がベース基板31aに対して垂直、つまりベース基板31aの上面と側壁とのなす角度が90度、となるように形成されている。
図6は、本発明の変形例2に係る水晶振動子の製造過程における蓋体シート、ベース基板シートの説明図である。以下に、変形例2に係る圧電デバイスとしての水晶振動子20の製造方法について、図6を参照しながら説明する。上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図6に示すように、複数のベース基板31が、所定の間隔で配列されているシート状のベース基板シート51と、ベース基板31に相当する大きさに切断されて蓋体35となるシート状の蓋体シート55と、を用意する。
本発明の第2実施形態に係る圧電デバイスとしての水晶振動子の製造方法の一例として、水晶振動子の製造方法に沿って、水晶振動子20のパッケージ30を封止する方法について説明する。なお、第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係るレーザービームの走査軌跡を示す斜視図である。
まず、図7に示すように、いずれかの直線部77に設定した開始位置71からレーザービームLの走査を開始し、次のコーナー部78の若干手前に位置する終了位置72まで走査させて、レーザービームLの照射を停止させる。このようにして、次々に別の直線部77において、先述した走査方法を繰り返し、走査軌跡70上を、蓋体35の外周を一周するように走査させる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る水晶振動子20の製造工程を示すフローチャートである。本発明の第2実施形態に係る圧電デバイスとしての水晶振動子の製造方法について、ベース基板31と蓋体35とを溶接する工程、つまり、封止工程を中心に、図8を参照しながら溶接工程を2段階に分ける製造方法について、以下に説明する。
まず、不活性ガスを充填した、大気圧より気圧が高い雰囲気において、走査軌跡70に沿ってレーザービームLを照射し、蓋体35の一部領域80を残して、蓋体35と、ベース基板31のシームリング34を互いに溶融して、蓋体35とベース基板31のシームリング34とを溶接する。
次に、チャンバー13に接続されている真空ポンプ18で、チャンバー13の内部空間19の気圧を大気圧より低く減圧する。ここでは、ST3において、走査軌跡70の一部領域80を溶接せずに残して溶接した蓋体35とベース基板31とを、大気圧より気圧の低い雰囲気、例えば、10Pa程度の減圧雰囲気内に配置する。
次に、溶接せずに残されている蓋体35の一部領域80へレーザービームLを照射して、蓋体35とベース基板31のシームリング34とが互いに溶融されて、蓋体35とベース基板31のシームリング34とを気密を確保して溶接する。
Claims (7)
- 圧電素子が搭載され、前記圧電素子の平面視で、前記圧電素子を囲むように接合部が配置されているベース基板と、コーナー部を有する蓋体とを、用意する工程と、
前記ベース基板と前記蓋体との間に前記圧電素子を収容するように、前記蓋体を前記接合部に重ねて配置する工程と、
前記蓋体の前記接合部と重なっている部分に、エネルギービームを走査しながら照射して、前記ベース基板と前記蓋体とを溶接する工程と、を含み、
前記溶接する工程では、走査する前記エネルギービームが前記コーナー部の手前で、前記エネルギービームの照射を停止させることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 前記用意する工程では、前記蓋体は一方の面にろう材を有しており、
前記配置する工程では、前記一方の面を前記接合部側に向けて配置することを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。 - 前記用意する工程では、前記ベース基板は凹型のキャビティを有し、前記蓋体は平板形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記用意する工程では、前記ベース基板は平板形状であり、前記蓋体はキャップ形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記溶接する工程では、前記エネルギービームの走査方向における前記接合部の長さに対して、1%以上30%以下の長さに相当する部分を残して、前記エネルギービームの照射を停止させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記溶接する工程では、前記エネルギービームがレーザービームであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記溶接する工程では、少なくとも1つの前記コーナー部を溶接せず未溶接部として残し、残りの前記コーナー部を溶接する第1溶接ステップと、
前記未溶接部を減圧雰囲気で溶接する第2溶接ステップと、を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
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