JP2015018831A - 電子部品の気密封止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 封止前後における周波数の変動等を抑制した電子部品の気密封止方法を提供することを目的とする。【解決手段】 水晶振動子1は、容器2の凹部23に水晶振動片4を収容し、蓋3を容器2に接合することによって水晶振動片4を気密封止している。容器2と蓋3とを接合する封止工程には、容器と蓋とを予備的に加熱する予備加熱工程と、容器と蓋とを更に加熱する本加熱工程とが含まれている。予備加熱工程では、封止材の融点以下の温度に加熱されるとともに窒素雰囲気に容器2と蓋3とが晒される。本加熱工程では、封止材の融点以上の温度に加熱されるとともに、真空中で容器2と蓋3との接合が行なわれる。【選択図】 図1

Description

本発明は電子部品の気密封止方法に関する。
電子部品の一例として、水晶振動子や水晶発振器等の圧電振動デバイスがある。例えば水晶振動子は、板状の水晶振動片を収容するための凹部が設けられた容器に、平板状の蓋が接合された構造となっている。水晶振動片の表裏主面には励振電極等の各種電極が形成されている。これらの電極は、容器と蓋との接合で形成される閉空間に気密に封止される。
蓋と容器との接合方法として、封止材として金属ロウ材を用いた融着がある。前記融着は、容器の凹部を包囲する堤部の上面あるいは、蓋の一主面であって前記堤部の上面に対応する位置に金属ロウ材を予め形成しておき、金属ロウ材を挟んで蓋と容器とが接触した状態で加熱雰囲気で金属ロウ材を溶融させることによって行なわれる。
前記融着は封止装置にて行なわれるが、水晶振動子の小型化に伴い、水晶振動子の等価抵抗値を改善するために封止装置内を真空としたチャンバー内で封止が行なわれることがある。真空雰囲気での封止は例えば特許文献1に開示されている。
特開2006−129185号
しかしながら真空中で封止を行なった場合に、水晶振動子の発振周波数が封止後に大きく低下(マイナスシフト)してしまうことがある(図7参照)。この現象は複合的な要因に起因するものであるが、封止時の加熱によって、金属ロウ材や水晶振動片を容器に固着させるための接合材等から発生したガスが、水晶振動片の励振電極等に吸着することによる影響が大きい。特に封止に用いられる封止材は、前記接合材に比べて使用量が相対的に多くなることから発生するガスの影響も大きくなる。
前記マイナスシフトの現象は、例えばATカット水晶と呼ばれる水晶振動板では発振周波数がその厚みに反比例する関係にあり、励振電極等にガス分子が吸着することによって見掛け上の厚みが増大することに起因する。つまり水晶振動片の見掛け上の厚みが増大することによって、発振周波数が低下することになる。
封止後に周波数が大きく低下する現象は、圧電振動デバイスがより小型になるほどその影響が顕在化してくる傾向にある。そのため超小型サイズの圧電振動デバイスにおいては、マイナスシフトによる規格外れや特性不良等の問題が発生するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、封止後の周波数の変動等を抑制した電子部品の気密封止方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、電子部品素子を収容した容器に封止材を介して蓋を接合し、電子部品素子を気密に封止してなる電子部品の気密封止方法において、前記容器と前記蓋とを接合する封止工程には、容器と蓋とを予備的に加熱する予備加熱工程と、容器と蓋とを更に加熱する本加熱工程とが含まれ、前記予備加熱工程では、封止材の融点以下の温度に加熱されるとともに不活性ガス雰囲気に容器と蓋とが晒され、前記本加熱工程では、封止材の融点以上の温度に加熱されるとともに、真空中で容器と蓋との接合が行なわれる。
上記発明によれば、前記予備加熱工程では、封止材の融点以下の温度に加熱されるとともに不活性ガス雰囲気に容器と蓋とが晒されるため、加熱によって封止材等から発生したガスが電子部品素子の電極等に吸着し難くなる。これは容器と蓋の周囲に不活性ガスが存在することによって、封止材等から発生したガス分子と不活性ガス分子との衝突確率が高くなることによる。これにより、電子部品素子の電極等への封止材等から発生したガス分子の吸着を抑制することができる。
そして、前記本加熱工程では、封止材の融点以上の温度に加熱されるとともに、真空中で容器と蓋との接合が行なわれるため、封止後に周波数が大きく低下するのを抑制することができる。これは予備加熱工程で電子部品素子の電極等へのガス分子の吸着が抑制された状態から真空排気することによって、電子部品の内部空間に存在する封止材等から発生したガスの分子の数を減少させることができるためである。
電子部品素子に形成される電極(金属膜)は、発振周波数を微調整するために例えば電子部品素子が容器に搭載された後に、イオンビーム等を電極に照射することによってその質量が削減される。これにより発振周波数を公称周波数に近づけることができる。このように電極の質量を削減することによって厚みが減少した電極は、電極を構成する金属原子の結合手(bond)がフリーとなった不安定な状態となる。つまり、封止材等から発生したガス分子等と結合しやすい状態となっている。
このような場合であっても、本発明では予備加熱工程において窒素ガス雰囲気となっているため、金属原子の結合手がフリーとなった電極表面に封止材等から発生したガス分子が結合(吸着)する確率を低下させることができる。そして予備加熱工程で電子部品素子の電極等へのガス分子の吸着が抑制された状態から、本加熱工程で真空排気することによって、電子部品の内部空間に存在する封止材等から発生したガス分子の数を減少させることができる。これにより、封止後に周波数が大きく低下するのを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、封止前後における周波数の変動等を抑制した電子部品の気密封止方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る水晶振動子の断面模式図 本発明の実施形態に係る封止装置の模式図 本発明の実施形態に係る封止装置の温度プロファイルの概略図 従来の封止方法に係る周波数変動を表す図 本発明の実施形態の変形例に係る封止装置の模式図 本発明の実施形態の変形例に係る封止装置の温度プロファイルの概略図 従来の封止方法に係る封止前後の周波数変化量を表す図
以下、本発明の実施形態を図1乃至3を参照しながら説明する。本実施形態では電子部品として水晶振動子を、電子部品素子として水晶振動片をそれぞれ例に挙げて説明する。
図1において水晶振動子1は略直方体状のパッケージであり、その平面視の外形寸法は縦2.0mm、横1.6mmとなっている。そして水晶振動子1の発振周波数(公称周波数)は基本波発振モードで36.000MHzとなっている。なお前記発振周波数は一例であり、当該周波数以外の周波数にも本発明は適用可能である。また水晶振動子の外形寸法は前記寸法に限定されるものではなく、他の外形寸法にも本発明は適用可能である。
水晶振動子1は、容器2と、蓋3と、水晶振動片4とが主要構成部材となっている。すなわち、水晶振動子1は、容器2の凹部23に水晶振動片4を収容し、蓋3を容器2に接合することによって水晶振動片4を気密封止した構成となっている。以下、水晶振動子1の主要構成部材について説明した後、本発明の水晶振動子の封止工程について説明する。
容器2は、上方に開口した凹部23を有する略直方体状の容器であり、アルミナを基材として構成されている。容器2は2枚のセラミックグリーンシート(下層側から順に第1層20、第2層21)の積層体であり、焼成によって一体成形されている。容器2は平面視では略矩形であり、本実施形態では外形寸法は2.0mm×1.6mmとなっている。凹部23も平面視略矩形となっている。
凹部23の内底面の一短辺側には、一対の搭載用電極7,7が並列して形成されている。一対の搭載用電極7,7は、容器2の第1層20の上面(201)から外側面を経由して第1層20の下面まで導出され(図示省略)、容器2の外底面(第1層20の下面202)に形成された4つの外部接続端子8,8,8,8のうち2つの外部接続端子に電気的に接続されている。4つの外部接続端子8,8,8,8は平面視矩形状の容器の外底面の4隅付近に配置されており、2つの外部接続端子は水晶振動子1の入力用および出力用の端子となっている。そして入出力用の2つの外部接続端子を除いた残り2つの外部接続端子のうち、1つの外部接続端子は容器の堤部22の内側面にその一部が露出したビアを介して、金属製の蓋3と電気的に接続されている。これにより蓋3がグランド電位に接続されることになる。なお本実施形態では外部接続端子の4つ形成されているが、外部接続端子の形成数は4つに限定されるものではない。
搭載用電極7は、水晶振動片4が搭載される電極パッドであり、所定の形状でパターン形成されている。本実施形態では搭載用電極7から容器の内底面から外側面と外底面を経由して外部接続端子8まで導出される配線(図示省略)は、容器の基材側からモリブデンメタライズ、ニッケルメッキ、金メッキの順で積層されて構成されている。搭載用電極7や前記配線等は一括同時に形成される。なお本実施形態では、第1層20の上面201のうち、水晶振動片の自由端の下方に対応する位置にモリブデンメタライズ処理によって枕部24が1つ形成されている。
容器2の凹部23の周囲は土手状の堤部22となっており、堤部22の上面にはモリブデンメタライズ、ニッケルメッキ、金メッキの順で金属膜が積層されている。
図1において蓋3はコバールを基材とする平板であり、コバールの表面にニッケルメッキが施される。そして蓋の容器との接合面の堤部上面と対応する位置には、金属ロウ材として金と錫とからなる合金(以下、金錫合金と略記)が、前記ニッケルメッキ上に周状に形成されている。ここで前記金錫合金は、予め金と錫が所定比率に調整されている。すなわち、融着時に容器側の金メッキ層の金が金錫合金に取り込まれることによって、金錫合金中の金と錫の重量比率は、融着後の方が融着前に比べて金の重量比率が若干高くなるように設定されている。これにより、封止後の金錫合金の融点は封止前の金錫合金の融点よりも高い温度となる。なお合金の種類は金錫合金に限定されるものではなく、他の多元系合金を使用してもよい。
図1において水晶振動片3は、所定角度で切り出された平面視矩形状のATカット水晶板の表裏に各種電極が形成された電子部品素子である。水晶振動板の表裏主面401,402には、水晶振動板を駆動させるための一対の励振電極40a,40bが対向形成されている。水晶振動板の一主面401の励振電極40aからは、水晶振動板の一短辺側に引出電極41aが引き出されている。同様に水晶の他主面402の励振電極40bからは、水晶振動板の一短辺側に引出電極(図示省略)が引き出されている。これらの引出電極は一対で形成されており、その終端は接着用電極となっている(図1では引出電極41aと接続された接着用電極42aのみ図示)。
本実施形態では励振電極および引出電極と接着用電極はいずれもCrを下地として、その上にAu、Crの順でスパッタリングによって金属膜が積層されている。なお励振電極の最上層のCrは、周波数の微調整を行なう工程においてイオンビームが照射されることによって、その一部が除去される(イオンミリング)。
前述の一対の接着用電極は、容器2の一対の搭載用電極7,7の上に接合材5を介して一対一で接合される。本実施形態では接合材5にシリコーン系の導電性樹脂接着剤が使用される。なお、前記接合材はシリコーン系の導電性樹脂接着剤に限定されるものではなく、エポキシ系などシリコーン系以外の導電性樹脂接着剤にも使用可能である。また、導電性樹脂接着剤以外に導電性のバンプを使用してもよい。
図1に示す水晶振動子の内部空間9は真空となっている。このように内部空間9を真空にした状態で水晶振動片4を気密封止することによって、内部空間に不活性ガス等の気体が充填された場合に比べて水晶振動子の等価抵抗値を低下させることができる。水晶振動子は超小型化が進行するほど、良好な等価抵抗値を確保することが困難になってくるため、内部空間を真空とした気密封止は等価抵抗値の低下に効果的である。
以上が水晶振動子1の主要構成部材についての説明である。以下、本発明の水晶振動子の封止工程を、封止装置の概略について述べた後、図2乃至3を参照しながら説明する。
図2は本実施形態で使用される水晶振動子の真空加熱封止装置(以下、封止装置と略)の模式図である。封止装置10は予備室SC、第1本室MC1、第2本室MC2、搬出室ECの4室に区画されている。隣接する各室の間はシャッターで仕切られるようになっており、各室は独立した閉空間となっている。
水晶振動子の気密封止は、封止前の製品(水晶振動片が搭載された容器と蓋)を収容した封止治具が、各室に設けられたステージ(加熱機構または冷却機構)を通過することによって行なわれる。図2に示すように、予備室SCには予備ステージ11が、第1本室MC1には予備加熱ステージ12が、第2本室MC2には本加熱ステージ13が、搬出室ECには冷却ステージ14がそれぞれ設けられている。これら一連のステージは直線状に設置されており、いわゆる「インライン方式」となっている。
前述のステージのうち加熱機能を備えた加熱ステージは金属からなり、上下方向に対向する2つのヒーターブロック(上ヒーターブロック,下ヒーターブロック)で構成されている。これら上下のヒーターブロックで封止治具を挟み込むことによって封止治具を加熱する方式となっている。上ヒーターブロックと下ヒーターブロックは可動式となっており、各加熱ステージにおいて、封止治具が上ヒーターブロックと下ヒーターブロックとによって挟み込まれる機構となっている。
次に水晶振動子の封止工程について説明する。まず、多数のポケットが設けられた金属製の封止治具の各ポケットに封止前の製品を収容し、当該封止治具を搬送レールに取り付ける。封止治具は搬送レールによって、図2で示す矢印方向で各室に順次搬送されるようになっている。封止治具は予備室SCを通過した後、第1本室MC1内に搬送される。第1本室MC1と第2本室MC2と搬出室ECとは、図3に示す所定の温度プロファイルに基づいて各ステージの温度が設定されるようになっている。
第1本室MC1の内部には、不活性ガスである窒素ガスが導入されるとともに、所定圧まで加圧される。窒素ガスを加圧することによって、製品の内部空間での窒素ガス分子の衝突回数が増大するため、封止材等から発生したガス分子との衝突確率をより高めることができる。なお本実施形態では窒素ガスを加圧しているが、加圧しない状態で窒素ガスを導入してもよい。
予備加熱工程では、封止材の融点(図3で「M.P.」と表記)よりも低い第1温度H1に設定された予備加熱ステージ12を介して、封止前の製品への予備加熱が行なわれる。当該第1温度は少なくとも5分間(図3の第1保持時間t1)保持されるように設定されている。なお本実施形態では窒素ガスを導入しているが、窒素以外の不活性ガスを使用してもよい。例えば窒素の代わりにアルゴンを用いてもよい。
本実施形態において前記第1温度は、封止材の融点近傍で、かつ当該融点以下の温度域に設定されている、すなわち第1温度を、金錫合金の融点を超えず、かつ当該融点近傍の温度に設定することによって、次の本加熱ステージ13において金錫合金の溶融を速やかに行なうことができる。
前記予備加熱工程では、第1本室MC1において封止前の製品が封止材の融点以下の温度に加熱される。また第1本室MC1は、大気圧以上に加圧された不活性ガス雰囲気となっている。このような環境の第1本室MC1内に容器と蓋とが晒されるため、加熱によって封止材等から発生したガスが水晶振動片の電極等に吸着し難くなる。これは容器と蓋の周囲に不活性ガスが存在することによって、封止材等から発生したガス分子と不活性ガス分子との衝突確率が高くなることによる。これにより、水晶振動片の電極等への封止材等から発生したガス分子の吸着を抑制することができる。特に前記吸着が化学吸着の場合、吸着後に加熱および真空排気を行なっても吸着したガス分子は容易には脱着しないが、化学的に安定な不活性ガスが存在することによってイオンミリング後の電極への化学吸着を抑制することができる。なお前述した温度で予備加熱を行なうことによって、物理吸着した封止材等からのガス分子を脱着させることができる。
予備加熱工程の後に、所定圧力に真空排気された第2本室MC2内に封止治具が搬送される。第2本室MC2内では、封止材の融点よりも高い温度に設定された本加熱ステージ13を介して封止治具に熱が伝導し、封止前の製品の金錫合金が溶融することによって本封止が行なわれる(本加熱工程)。なお本加熱ステージ13では、封止治具内に収容された製品に対して上ヒーターブロック側からピンが下降し、製品にピンを当接させて押圧することによって荷重が加えられる構造となっている。
本実施形態では、真空度は1000Pa以下となっており、本加熱の温度(図3の第2温度H2)は少なくとも5分間(図3の第2保持時間t2)保持されるように設定されている。本加熱工程ではこのような環境によって、予備加熱工程で溶融寸前となった金錫合金を一気に溶融させるとともに、前述した押圧によって容器と蓋との完全な接合が行なわれる。
本実施形態において本加熱工程における真空度は、図4に示すように周波数偏差が安定し始める低真空域である1000Paよりも低い圧力に設定しているが、求められる仕様に応じて真空度の設定を可変させることも可能である。例えば本実施形態よりも要求される周波数偏差が緩和される場合、1000Paよりも高い圧力であってもよい。例えば生産性と気密信頼性を考慮して真空度を1000〜4000Paに設定することも可能である。なお図4は大気が導入されたチャンバ内に未封止状態の水晶振動子を設置し、チャンバ内を真空ポンプで減圧しながら水晶振動子の周波数を連続測定した結果である。図4では大気圧における測定周波数を基準として、各圧力における測定周波数を周波数偏差として表している。
予備加熱工程が完了した段階では、水晶振動片は窒素雰囲気に晒されているが、本加熱工程で真空ポンプによって排気することによって、水晶振動片の周囲に存在していた窒素ガスは第2本室MC2の外部に排出される。このとき封止材等から発生したガスも一緒に第2本室MC2の外部に排出される。真空ポンプによる排気は第2本室MC2内が所定の圧力になるまで行なわれる。
前記本加熱工程では、封止材の融点以上の温度に加熱されるとともに、真空下で容器と蓋との接合が行なわれるため、封止後に周波数が大きく低下するのを抑制することができる。これは予備加熱工程で電子部品素子の電極等へのガス分子の吸着が抑制された状態から真空排気することによって、電子部品の内部空間に存在する封止材等から発生したガスの分子の数を減少させることができるためである。
本加熱ステージ13を通過した封止治具は、搬出室EC内の冷却ステージ14に搬送されて冷却される。冷却ステージ内には冷却効果を高めるために窒素が導入され、封止完了品が収容された封止治具が冷却ステージから取り出される。
−本発明の実施形態の変形例−
なお本発明の実施形態の変形例を、前述した実施形態との相違点を中心に図5乃至6を参照しながら説明する。なお前述の実施形態と同一の構成については図5乃至6において同一番号を付すとともに説明を割愛する。
図5に示すように、第1本室MC1内には予備加熱ステージ16が設けられており、第2本室MC2内には副加熱ステージ17と本加熱ステージ18とが設けられている。そして本実施形態では、図6に示す温度プロファイルに基づいて各ステージの温度が設定されるようになっている。
本実施形態では、第1の実施形態に比べて予備加熱ステージ16の保持時間t3が長く設定されている(30分)。このように予備加熱ステージ16の保持時間を長くすることで、封止材等からのガスをより発生させやすくする。封止材等からのガスの発生量が増大しても、封止前の製品は不活性ガス雰囲気に晒されるため、封止材等からのガスの水晶振動片の電極等への吸着を抑制することができる。そして、第2本室MC2において封止材等からのガスは真空排気されるため、封止後に周波数が大きく低下するのをさらに抑制することができる。
第2本室MC2内には副加熱ステージ17が設けられているが、窒素雰囲気ではなく真空下で予備加熱が行なわれる。このときの温度は図6に示すように第1温度H1となっている。つまり、予備加熱ステージ16で封止材等からのガスを充分に発生させた後に、第2本室MC2において封止材が溶融しない第1温度H1で真空排気することによって、封止前の段階で封止材等からのガスをより排出することができる。なお副加熱ステージ17の第1温度H1の保持時間t4は2分となっている。
次に第2本室MC2内において、封止材の融点よりも高い温度に設定された本加熱ステージ18を介して封止治具に熱が伝導し、金錫合金が溶融することによって本封止が行なわれる。本加熱ステージ18の第2温度H2の保持時間t5も2分となっている。このように本加熱ステージ18の保持時間を短くすることで、一気に容器と蓋との接合が行われるため封止材等からのガスの発生をより低減させることができる。なお本加熱ステージ18においてのみ封止治具内に収容された製品に荷重が加えられる。
本発明は本実施形態のように励振電極にエネルギービームを照射することによって、励振電極の一部をトリミングするような一般的な周波数調整方法において好適であるが、励振電極の一部をエネルギービームでトリミングしない周波数調整においても適用可能である。
本実施形態では電子部品素子としてATカット水晶振動片を例に挙げたが、音叉型水晶振動片や他の圧電振動素子にも本発明は適用可能である。例えば電子部品素子として音叉型水晶振動片を用いた音叉型水晶振動子や、音叉型水晶振動片とIC等の回路素子を組み込んだ水晶発振器にも本発明は適用可能である。
また、本実施形態ではセラミックシートの積層体である容器の例として2層構成を例に挙げたが、2層以上で構成されていてもよい。また、本実施形態では水晶振動片と容器の接続電極との電気機械的な接合を、導電性接着剤を介して行なっているが、導電性接着剤の代わりに導電性のバンプを用いてもよい。さらに本実施形態では蓋と容器との接合方法として金錫合金の融着を用いているが、封止材にガラス樹脂を用い、これを加熱溶融させて蓋と容器とを接合する溶着であっても本発明は適用可能である。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
電子部品の量産に適用できる。
1 水晶振動子
2 容器
3 蓋
4 水晶振動片
5 導電性接着剤
6 封止材
7 搭載用電極
8 外部接続端子
9 内部空間
10、15 封止装置
MC1 第1本室
MC2 第2本室
11 予備ステージ
12、16 予備加熱ステージ
13、18 本加熱ステージ
14 冷却ステージ

Claims (1)

  1. 電子部品素子を収容した容器に封止材を介して蓋を接合し、電子部品素子を気密に封止してなる電子部品の気密封止方法において、
    前記容器と前記蓋とを接合する封止工程には、容器と蓋とを予備的に加熱する予備加熱工程と、容器と蓋とを更に加熱する本加熱工程とが含まれ、
    前記予備加熱工程では、封止材の融点以下の温度に加熱されるとともに不活性ガス雰囲気に容器と蓋とが晒され、
    前記本加熱工程では、封止材の融点以上の温度に加熱されるとともに、真空中で容器と蓋との接合が行なわれることを特徴とする電子部品の気密封止方法。
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