JP2015228337A - 非水電解液二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極体から排出された非水電解液が電極体に戻ることを促進して、ハイレートサイクル特性に優れた非水電解液二次電池用の電極を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明により、非水電解液二次電池用の電極の製造方法が提供される。かかる製造方法は、(S1)電極構成材料が溶媒に分散されたペーストを、電極集電体上に塗工して塗膜を形成すること、ここで、前記電極構成材料は、少なくとも配向可能な炭素質材料とバインダとを含む;(S2)塗膜に含まれる前記配向可能な炭素質材料を、電極集電体の表面に平行な一の方向に配向させること;および(S3)塗膜から溶媒を除去して電極活物質層を形成すること、を包含する。
【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解液を備えた非水電解液二次電池用の電極を製造する方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、車両搭載用の高出力電源やいわゆるポータブル電源等として好ましく利用されている。
この種の電池の電極は、典型的には、電極集電体上に電極活物質層を備えており、例えば、電極活物質をバインダ(結着剤)や必要に応じて添加される導電材等とともに適当な溶媒に分散させたペースト(スラリーやインク等ともいう。以下同様。)を電極集電体の表面に供給し、乾燥させることによって作製されている。そして、特許文献1には、かかるペーストに含まれる導電材としての鱗片黒鉛粉末および/または気相成長炭素繊維を、磁場によって電極活物質層の厚み方向(換言すると、集電体の面に対し垂直な方向)に配向させることが開示されている。特許文献1には、かかる導電材の配向により、導電材の添加量をできる限り少なく抑えつつ、十分な導電性を発揮できる旨が記載されている。
特開2006−127823号公報
ところで、非水電解液二次電池の中には、例えば2C(特には5C)以上のハイレートで瞬間的に大電流を流す急速充放電を繰り返す態様で使用されるものがある。このような電池においては、正極と負極とを対向させた発電要素の厚みを薄くし、かつ、積層させた構成の電極体(典型的には、捲回型電極体や平板積層型電極体等)が広く採用されている。しかしながら、このような電極体を備える電池でハイレート充放電を繰り返し行うと、活物質の膨張収縮や電極体の発熱による非水電解液の体積膨張により、電極体から非水電解液が過剰に押し出されてしまうという問題があった。電極体から排出された非水電解液は、例えば、非水電解液の温度が下がって体積が戻った後も電極体内には戻り難い。
このような状況に陥ると、電極体内の電荷担体の濃度にムラが生じて電荷担体の移動のための負荷が増大され、電池の内部抵抗の上昇を招き得る。また、電極体にも抵抗ムラが生じ、電池の入出力特性を低下させたり、金属リチウムの析出の原因ともなり得、電池性能に悪影響を及ぼし得る。
本発明はかかる状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、電極体から排出された非水電解液が電極体に戻ることを促進して、ハイレートサイクル特性に優れた非水電解液二次電池用の電極を製造する方法を提供することにある。
上記課題を実現すべく、本発明により、非水電解液二次電池用の電極を製造する方法が提供される。かかる製造方法は、電極構成材料が溶媒に分散されたペーストを、電極集電体上に塗工して塗膜を形成すること、ここで、上記電極構成材料は、少なくとも配向可能な炭素質材料とバインダとを含む;上記塗膜に含まれる上記炭素質材料を、上記電極集電体の表面に平行な一の方向に配向させること;および上記塗膜から上記溶媒を除去して電極活物質層を形成すること、を包含することを特徴としている。
かかる製造方法によれば、電極を構成する炭素質材料が電極集電体の表面に平行な一の方向に配向される。したがって、かかる炭素質材料の配向方位が制御されて、電極体内を移動する非水電解液の移動量や方向を制御することができる。また、かかる製造方法で製造された電極を用いて電極体を構築することで、電極体内から非水電解液が排出され難い構造や、一旦電極体から排出された非水電解液が電極体内に戻りやすい構造を実現することができる。これにより、ハイレート特性に優れた非水電解液二次電池用の電極の製造方法が提供される。
一実施形態に係る電極の製造方法を含む、電池の製造を示す工程図である。 一実施形態に係る配向処理の様子を示す概念図である。 他の実施形態に係る配向処理の様子を示す概念図である。 (a)本発明法と(b)従来法により製造される電極における炭素質材料の様子を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1は、本発明の非水電解液二次電池用電極の製造方法を含む、電池の製造工程を示した工程図である。ここで開示される電極の製造方法は、大まかに言って、以下の3つの工程:(S1)配向可能な炭素質材料を含む電極ペーストの塗工、(S2)炭素質材料の配向、および(S3)溶媒の除去から構成される。
(S1)先ず、電極構成材料が溶媒に分散されたペーストを、電極集電体上に塗工して塗膜を形成する。ここで、この電極構成材料は、少なくとも配向可能な炭素質材料とバインダとを含むものであり得る。
配向可能な炭素質材料とは、かかる材料に備わる結晶異方性,磁気異方性および/または形状異方性等に基づき、各種の配向操作により特定の方向に結晶方位や形状がある程度揃い得る(つまり、配向し得る)炭素質材料である。典型的には、磁場の印加により配向される磁場配向性、機械的な作用により配向される機械配向性等の配向性、およびその両方を考慮することができる。かかる配向可能な炭素質材料としては、典型的には、結晶構造に炭素網面(炭素六員環,グラフェン構造などともいい、黒鉛結晶構造における(002)面に相当する。)を有し、この炭素網面が少なくとも一の方向に配向し得る物質である。例えば、一軸配向(c軸配向など)または面内配向(ab軸配向など)であり得る。なお、上記炭素質材料であっても、その形状が球形化されたり、炭素網面が全方位において丸められるなどして、全体として配向性が消失されたものは、ここでいう配向可能な炭素質材料には含まれない。
かかる配向可能な炭素質材料は、より具体的には、天然または人造の黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノ材料(カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル等)、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等であり得る。これらの材料は、炭素網面の広がる方向(ab面内)において磁気異方性を有し得る。さらにかかる材料が形状異方性を有することにより、その形状に対応する一の方向(例えば長尺方向)に磁化容易方向を有し得る。したがって、かかる配向可能な炭素質材料は、形状異方性があっても良いし無くても良いが、形状異方性があるものがより好ましい。形状異方性があるとは、典型的には、球形以外の形状であり得、所定の面、より好ましくは所定の方位に発達した形状を有するものであり得る。なお、以上の炭素質材料は、配向可能である限り、低結晶性炭素等によるコーティングが施されていても良い。
このような配向可能な炭素質材料は、非水電解液二次電池の電極構成材料においては、負極活物質材料または導電材等として使用され得る。
以下、適宜図面を参照し、配向可能な炭素質材料が正極構成材料のうちの炭素質導電材であって、非水電解液二次電池としてのリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合を例にして、本発明を詳しく説明する。
正極構成材料は、正極活物質層34を構成する各種の材料であって、典型的には、正極活物質(図4(a)において丸として示されている。)と導電材(図4(a)において長円として示されている。)とバインダとを考慮することができる。正極活物質としては、この種のリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質を1種または2種以上用いることができる。例えば、層状系、スピネル系のリチウム遷移金属複合酸化物材料(例えば、代表組成で、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等)やオリビン系のリチウム含有酸化物材料(例えばLiFePO)を用いることができる。ここに開示される配向可能な炭素質材料である導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック),鱗片状黒鉛,高配向性黒鉛(Highly Oriented Pyrolytic Graphite:HOPG),繊維状炭素等のこの種の電極に用いられる各種の炭素質導電材を用いることができる。かかる導電材は、形状異方性を有するものであることがより好ましい。
バインダとしては、この種のリチウムイオン二次電池の正極30に使用されているバインダの中から、正極ペーストの調製に用いられる溶媒に均一に溶解または分散する樹脂を用いることができる。水系溶媒を用いる場合には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のポリマーを、非水系溶媒を用いる場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のハロゲン化ビニル樹脂、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド等のポリマーを好ましく採用し得る。
これらの材料の配合は、正極活物質層34全体に占める正極活物質の割合をおよそ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常はおよそ70質量%〜95質量%であることが好ましい。また、導電材は、正極活物質層34全体に占める導電材の割合が、例えばおよそ1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。また、バインダを使用する場合、正極活物質層34全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
以上の正極構成材料を溶媒に分散することで正極用ペーストを調製することができる。
正極用ペーストを調製するときの溶媒としては、水系溶媒(例えばイオン交換水ないしは低級アルコール,低級ケトン等の1種または2種以上と水の混合溶媒)あるいは非水系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP))のいずれも使用可能である。かかる分散には、例えば、ボールミル、ロールミル、ニーダ等の従来公知の種々の混合・混練装置を用いることができる。正極用ペーストに占める溶媒の割合は特に制限されず、使用する正極活物質等の性状や、後述のペーストの供給手法等に応じて、適宜決定することができる。
そしてこの正極用ペーストを正極集電体32の片面または両面に供給して塗膜34’を形成する。正極集電体32としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム又はその合金)からなる導電性部材が好適に用いられる。正極用ペーストの正極集電体32への供給は、典型的には塗工により行うことができ、例えば、ダイコーター、スリットコーター、グラビアコーター等の従来公知の塗工装置を用いて実施することができる。正極用ペーストの供給量は、例えば、正極構成材料が所定の目付量となるように適宜決定することができる。
(S2)次いで、このように形成した塗膜34’に含まれる上記の導電材(配向可能な炭素質材料)を、集電体32の表面に平行な一の方向に配向させる。この導電材は、上記の炭素網面に磁化容易方向を有することから、典型的には、図2に示すように、磁場Bを印加することで、例えば図4(a)に示すように、塗膜34’中の全ての導電材(導電材粉末)の炭素網面を磁場方向に平行となるように配向させることができる。かかる導電材の配向動作(例えば回動)に伴い、例えば正極活物質などの非配向性の材料についても若干の配向作用がもたらされ得る。磁場Bの印加方向は、正極集電体32の表面に平行であれば特に制限されない。正極集電体32が長尺である場合には、かかる集電体32の搬送方向Dに沿って磁場印加装置100を設置し、長手方向に直交する幅方向に磁場Bを印加するのが簡便である。しかしながら、例えば、導電材が面内配向性の材料(例えば鱗片状黒鉛)である場合には、磁場Bの印加方向は正極集電体32の表面に平行であればいずれの方向であっても良い。また例えば、導電材が一軸配向性の材料(例えば炭素繊維)である場合には、磁場の印加方向は、一例として正極集電体32の幅方向とするのが好ましい。磁場の強度やその印加手段は特に制限されず、例えば、各種の磁場発生装置100(一対の磁石100a,100b、電磁石(コイル)等を含む。)により、約0.1T〜2T程度の強度の磁場を印加することができる。かかる配向処理は、導電材の回動を容易にするために、正極用ペーストの供給後、速やかに行うことが好ましい。
(S2’)なお、必須の工程ではないが、上記の正極集電体32の表面に平行な方向での配向処理に先立って、正極集電体32の表面に垂直な方向で配向処理を行うようにしても良い。例えば図3に示すように、予め正極集電体32の表面に垂直な方向で磁場B’を印加して導電材をかかる垂直方向に配向させておくことで、引き続き行われる上記平行方向での配向処理により、導電材の配向度をより一層高めることができる。また、導電材以外の、正極活物質などの非配向性の材料についての配向作用も、より一層高められる。
(S3)そして配向処理後の塗膜から溶媒を除去することで、正極活物質層が形成される。溶媒の除去は、自然乾燥により行っても良いが、上記導電材の配向状態を良好に保つために、促進乾燥により行うことが好ましい。例えば、送風乾燥、加熱乾燥、吸引乾燥、凍結乾燥およびこれらの組み合わせにより実施することが例示される。なお、かかる溶媒の除去は、上記配向処理を継続しながら行っても良い。例えば、磁場を印加した状態で乾燥処理を行うのが好ましい。
溶媒の除去後は、必要に応じて、圧延(ロール圧延、平板プレス、これらを熱間温度域で行う熱間圧延等)等の処理を施すことにより、所定の厚みおよび密度(好ましくは2.2g/cm以上、例えば2.5g/cm以上であるのがより好ましい。)の正極30を得ることができる。これにより、正極活物質層において、導電材が集電体32の表面に平行な一の方向(例えば、幅方向)に配向された正極30を製造することができる。
なお、炭素質材料を正極集電体32の表面に垂直方向にのみ配向させた場合、図4(b)に示すように、正極集電体の表面に平行な方向(平面視)では炭素質材料は配向されておらず、互いにランダムな方向を向いている。そしてかかる状態の正極活物質層34に圧延処理を施すことで、炭素質材料が該垂直方向に押圧されて横倒しとなり得る。すなわち、圧延によって、炭素質材料の配向性は乱され得る。かかる状態は、正極集電体32の表面に平行な方向に配向処理がなされた場合(例えば図4(a)参照)と比較して、炭素質材料の配向度が低減されたものとなり得る。
以上のここに開示される電極の製造方法は、負極の製造についても同様に適用することができる。非水電解液二次電池の負極の製造に際しては、上記の正極構成材料に代えて、負極構成材料を用いればよい。ここで、配向可能な炭素質材料としては、炭素質材料からなる負極活物質を好ましく採用することができる。かかる負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を好適に用いることができ、なかでもグラファイトを好ましく採用し得る。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマー材料を好ましく採用し得る。他の任意成分としては、増粘剤、分散剤、導電材等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等を好ましく採用し得る。
また、負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を採用し得る。
負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、およそ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)とすることが好ましい。これにより、高エネルギー密度を実現することができる。バインダを使用する場合、負極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。これにより、負極活物質層の機械的強度(形状保持性)を好適に確保することができ、良好な耐久性を実現することができる。増粘剤を使用する場合、負極活物質層全体に占める増粘剤の割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。なお、負極の密度は、1.2g/cm以上(例えば、1.5g/cm以上)であるのが好ましい。
負極ペーストの調製において負極構成材料を用いること以外の(S1)塗工、(S2),(S2’)炭素質材料の配向、および(S3)負極活物質層の形成等については、上記の正極の製造と同様に行うことができる。
以下、本発明の電極の製造方法に従い製造される電極の効果を明瞭とするために、かかる電極を用いた非水電解液二次電池の構成についても簡単に説明する。
すなわち、上記のとおり用意した正極および負極を非水電解液とともに電池ケースに収容することで、非水電解液二次電池を構築することができる。
ここで、正極と負極とは、典型的にはセパレータを介して対向配置させて発電要素を構築し、かかる発電要素を積層することで、ハイレート特性に優れた電極体を構築することができる。なお、正極および負極は、各々の集電体に活物質層を形成せずに集電体が露出した集電部を用意しておき、かかる集電部が電極体のそれぞれ異なる方向に突出するように正極および負極を配置させることで電極体を構築すると良い。電極体は、複数の板状の正極、セパレータおよび負極の組み合わせを積層した平板型電極体であっても良いし、長尺の正極、セパレータおよび負極を捲回することで積層構造を実現した捲回型電極体であってもよい。上記電極は、このような積層構造を備える電極体を構築するのに用いることで、電解液の流れを制御する効果がより好適に発揮されて、電池性能を高め得るために好ましい。
セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートを単層または積層させたものを好適に採用し得る。なかでも微多孔性樹脂シートの片面または両面に無機化合物粒子(無機フィラー)を含む耐熱層を備えるものが好ましい。無機フィラーとしては、アルミナ、ベーマイト、マグネシア等を採用し得る。
非水電解液としては、非水溶媒中に支持塩を含有するものが好適に用いられる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適に用いられる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好ましい。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を好適に用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩が好ましい。かかる非水電解液は、必要に応じて、シクロヘキシルベンゼン(CHB),ビフェニル(BP)等の過充電添加剤や、ジフルオロリン酸リチウム、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の被膜形成剤等の添加剤を含むことができる。
電池ケースとしては、その材質や形状等は特に制限されないが、例えばアルミニウムおよびアルミニウム合金、鉄鋼(SUS材)、プラスチック等からなるものが好適に用いられる。典型的には、上記の金属材料からなる角型の電池ケースが挙げられる。かかる電池ケース(典型的には、ケース本体の開口部を封止する封口体)に、集電端子を介して上記の電極体から突出した正負の集電部を接合することで、電極体からの集電を好適に行うとともに、電池ケース内に電極体を固定することができる。集電端子は、電池の内部抵抗を必要以上に高めるものでない限り、その材質や形状等に特に制限はなく、例えば、正極の集電端子としてはアルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを、負極の集電端子としては銅製、ニッケル製のもの等を用いることができる。
そして、電極体および非水電解液を収容した後の電池ケースを封止(密閉)することで、ここに開示される非水電解液二次電池が組み立てられる。集電部と集電端子との接合や、電池ケースの封止には、抵抗溶接、超音波溶接等の各種の溶接法を好適に採用することができる。かかる電池は、適切な初期充電処理を行うことにより、電池としての機能が備えられる。
以上の非水電解液二次電池においては、電極体を構成する集電体の表面に平行な一の方向に、炭素質材料が配向されている。すなわち、かかる方向で該炭素質材料の方向が揃っており、当該方向で非水電解液が移動しやすい。また、集電体の表面に平行な一の方向で炭素質材料の向きが揃うことで、集電体の表面に垂直な方向においても移動が若干容易となり得る。その結果、たとえハイレート充放電に伴い電極体から非水電解液が排出された場合であっても、かかる非水電解液は電極体内に戻り易くなる。したがって、電極体内の電荷担体の濃度ムラが抑制されて、電荷担体の移動の負荷が減少し、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。したがって、かかる製法で作製された電極を用いることで、ハイレート耐性に優れた非水電解液二次電池を得ることができる。
かかる二次電池は、ハイレート耐性に優れたものとして、例えば、各種の車両に搭載されるモータ駆動のための動力源(駆動用電源)として用いる場合に特に有用となり得る。したがって、車両の種類は特に限定されないが、かかる技術は、典型的にはプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両駆動用電源としての非水電解液二次電池について特に好ましく適用することができる。なお、かかる非水電解液二次電池は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数接続されてなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[正極の作製]
本実施形態では、リチウムイオン二次電池の正極を、ここに開示される方法で作製した。すなわち、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、導電材としての鱗片状黒鉛と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、91:8:2の質量比で秤量し、N−メチルピロリドン(NMP)と混合・混練することで、正極用ペーストを調製した。このペーストを、コンベア上を移送されている正極集電体としての長尺状のアルミニウム箔(厚み15μm)の表面に、両端に沿って集電部を残しながら、所定の目付け量で塗工し、塗膜を形成した。なお、塗工後の正極集電体の搬送経路の両脇に一対の磁石を設置し(設置間隔20cm)、塗膜に対して、正極集電体の幅方向に750mTの磁場を印加する配向処理を施した。なお、磁石の搬送方向の長さ(すなわち磁場印加距離)は、鱗片状黒鉛が磁場印加方向に配向されるのに十分な長さとした。配向処理後の塗膜を乾燥することにより、正極活物質層を形成した。そして、正極活物質層の密度が2.7g/cmとなるようにロール圧延した後、正極活物質層の幅120mm、長さ5000mmになるように切断することでのシート状の正極(例1)を得た。
例2の正極は、密度が2.5g/cmとなるように圧延した以外は、例1と同様にして製造した。
例3の正極は、密度が2.3g/cmとなるように圧延した以外は、例1と同様にして製造した。
例4の正極は、幅方向に磁場印加処理を行うに先立って、同様の一対の磁石を用いて、正極集電体に垂直な方向(すなわち厚み方向)に750mTの磁場を印加する配向処理を行った以外は、例1と同様にして製造した。
例5の正極は、磁場印加処理を行わなかったこと以外は、例1と同様にして製造した。
例6の正極は、磁場印加処理を行わず、さらに密度が2.5g/cmとなるように圧延した以外は、例1と同様にして製造した。
例7の正極は、磁場印加処理を行わず、さらに密度が2.3g/cmとなるように圧延した以外は、例1と同様にして製造した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
負極活物質としての球形化黒鉛と、バインダとしてのSBRと、増粘剤としてのCMCとを、98:1:1の質量比で秤量し、イオン交換水と混合して、負極用ペーストを調製した。このペーストを、負極集電体としての長尺状の銅箔(厚み10μm)の両端に沿って集電部を残しながら、所定の目付け量で塗工し、乾燥することにより、負極活物質層を作製した。これを負極活物質層全体の密度が1.5g/cmとなるようにロール圧延した後、負極活物質層の幅125mm、長さ5500mmに切断することで、シート状の負極を得た。
次に、上記で作製した例1〜7の正極と、負極とを、セパレータシート(厚み10μmのポリプロピレン製微多孔質シート)を介して重ね合わせて捲回することで捲回電極体を作製した。この電極体を金属製の角型の電池ケースに収容し、非水電解質を注液した。なお、非水電解液としては、ECとDMCとEMCとを1:1:1の体積比率で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。そして上記電池ケースの開口部を封止することで、理論容量が25Ahのリチウムイオン二次電池(例1〜7)を構築した。
<初期抵抗測定>
25℃の環境において、構築した電池を定電流定電圧(CCCV)充電することでSOC20%に調整したのち、電流レート200Aで10秒間のCC放電を行い、かかる10秒間の電圧降下量(ΔV)と放電電流との関係から抵抗を算出した。その結果を表1に示した。
<150%抵抗上昇サイクル測定>
25℃の環境において、上記初期抵抗確認後の電池に対し、10Cで10秒間の充電を行った後、2Cで50秒間の放電を行い、5分間休止する操作、を1サイクルとしたハイレート充放電サイクルを繰り返し行った。そして、各サイクル後の電圧降下量から抵抗を算出し、かかる抵抗値が上記の初期抵抗の150%に上昇するまでのサイクル数を調べた。その結果を表1に示した。
Figure 2015228337
表1の例5〜7に示されるように、正極活物質層の密度を高くすることで、電池の初期抵抗(SOC20%)を低くできるものの、抵抗が150%上昇するまでのハイレートサイクル数は大幅に減少して、ハイレート耐性に劣ってしまうことがわかる。
配向処理を施した例1〜3の電池では、上記の正極活物質層密度とハイレートサイクル数との関係にみられる傾向は変わらない。しかしながら、例5〜7と比較した場合に、正極活物質層の密度は変わらないものの、初期抵抗(SOC20%)が低減され、さらに150%抵抗上昇までのハイレートサイクル数が大幅に増加されている。すなわち、ここに開示される製造方法により製造された電極を用いることで、電池の初期抵抗およびハイレート耐性を大幅に向上できることが示された。
なお、配向処理により初期抵抗が低下するのは、正極活物質層中の導電材が配向することで、活物質間の導電性もが良好となったことに因るものと考えられる。また、ハイレート耐性が向上するのは、正極活物質層中の導電材が集電体の幅方向(すなわち捲回型電極体の捲回軸方向)に配向することで、非水電解液の流路が好適に確保され、ハイレート充放電を行って非水電解液が電極体から排出されても、かかる非水電解液が電極体内に再び戻り得ることに因るものと考えられる。そしてこのように電極体内の液回りがよくなることで、電荷担体の濃度の低下や濃度ムラ、抵抗ムラが抑制されて、電池性能が向上されることに因るものと考えられる。
また、配向処理を正極活物質層の厚み方向と幅方向とで2回行った例4の電池では、例1の電池に比べて、電極密度は変わらないものの、更なる初期抵抗の低減と、大幅なハイレート耐性の向上が図られたことが確認された。かかる例4の電池の150%抵抗増加までのサイクル数は、密度が同じで配向処理をしていない例5の電池の2倍以上と、ハイレート耐性が約2倍向上されたことがわかった。このように、活物質層の厚み方向で導電材を配向させて予め導電材の向きを揃えておき、その後に導電材を幅方向に倒すことで、倒した時の導電材の厚み方向での重なり方を好適に整えることができ、無秩序な導電材の重なりを低減できて、より良好な導電材の配向状態を実現できるものと考えられる。これにより、正極活物質間の導電経路が更に短くなり、また、非水電解液の流路が厚み方向と捲回軸方向とでさらに良好に整えられ、電池性能をより一層向上できることが示された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、本発明の製造方法を、例えば、電極集電体と電極活物質層との間に形成される導電層等を形成することに適用して電極を製造することもできる。

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池用の電極を製造する方法であって、
    電極構成材料が溶媒に分散されたペーストを、電極集電体上に塗工して塗膜を形成すること、ここで、前記電極構成材料は、少なくとも配向可能な炭素質材料とバインダとを含む;
    前記塗膜に含まれる前記配向可能な炭素質材料を、前記電極集電体の表面に平行な一の方向に配向させること;および
    前記塗膜から前記溶媒を除去して電極活物質層を形成すること、
    を包含する、電極の製造方法。
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